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JPH09286900A - ポリアセタール樹脂摺動材用組成物 - Google Patents

ポリアセタール樹脂摺動材用組成物

Info

Publication number
JPH09286900A
JPH09286900A JP10218896A JP10218896A JPH09286900A JP H09286900 A JPH09286900 A JP H09286900A JP 10218896 A JP10218896 A JP 10218896A JP 10218896 A JP10218896 A JP 10218896A JP H09286900 A JPH09286900 A JP H09286900A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
meth
composition
acrylic acid
polyacetal resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10218896A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsutomo Takayama
勝智 高山
Katsutoshi Kondo
克敏 近藤
Hiroshi Iketani
啓 池谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Polyplastics Co Ltd filed Critical Polyplastics Co Ltd
Priority to JP10218896A priority Critical patent/JPH09286900A/ja
Publication of JPH09286900A publication Critical patent/JPH09286900A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた摩擦・摩耗特性、静粛性を有し、低騒
音ギアに好適なポリアセタール樹脂摺動材用組成物を提
供する。 【解決手段】 (A) ポリアセタール樹脂 100重量部に対
し、(B) 特定の構成単位からなる変性ポリオレフィン系
共重合体 0.5〜 100重量部、所望により(C)特定のエス
テル化合物を 0.1〜10重量部配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリアセタール樹脂
に特定の変性ポリオレフィン系重合体、更に所望により
特定のエステル化合物を配合し溶融混練することにより
得られる、優れた摩擦・摩耗特性を有し、成形ギアに好
適なポリアセタール樹脂摺動材用組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリア
セタール樹脂は、バランスのとれた機械的性質を有し、
耐摩擦・摩耗特性、耐薬品性、耐熱性、電気特性等に優
れるため、自動車、電気・電子製品等の分野で広く利用
されている。しかし、かかる分野における要求特性は次
第に高度化しつつあり、その一例として一般物性と共に
摺動特性の一層の向上が望まれている。かかる摺動特性
とは、ギア摺動における耐摩耗性の向上である。一般
に、摺動特性を改善する目的で、ポリアセタール樹脂に
フッ素樹脂やポリオレフィン系樹脂の添加、また脂肪
酸、脂肪酸エステル、シリコーン、各種鉱油などの潤滑
剤の添加が行われている。フッ素樹脂やポリオレフィン
系樹脂の添加は、摺動特性をある程度改善するが、かか
る異樹脂はポリアセタール樹脂との相溶性に乏しいた
め、高面圧下での摺動特性が不十分であり、ギア摺動で
の耐摩耗性に乏しい。また、成形性においても、成形品
表面に剥離を生じさせたり、成形金型に析出物を発生さ
せ易い問題があった。また潤滑油の添加は、押出あるい
は成形加工時の困難さ、あるいは使用時の滲み出し等の
種々の難点があるのみならず、かかる異樹脂と併用した
場合、異樹脂とポリアセタールの相溶性を阻害し、耐摩
耗性を大幅に悪化させる問題がある。とりわけ、カムギ
ア、アンドラーギアのように歯面の摩耗のみならず、カ
ム溝とピンの摺動やシャフト材との摺動が同時に存在す
るギア材においては、従来より公知の方法は、摺動箇所
全体の耐摩耗性の改善が不十分であり、その他成形加工
性、実用性の見地においても未だ十分でなく、かかる問
題に対しては、これらの諸性質を改良した材料が望まれ
ていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成すべく鋭意検討した結果、ポリアセタール樹脂に対し
て、特定の変性ポリオレフィン系共重合体、更に所望に
より特定のエステル化合物を配合し溶融混練することに
より、摺動特性に優れた組成物が得られることを見出
し、本発明に到ったものである。即ち、本発明は、(A)
ポリアセタール樹脂 100重量部に対し、(B) (b-1) オレ
フィン単位、(b-2) (メタ)アクリル酸及び/又は(メ
タ)アクリル酸エステル単位、(b-3) 不飽和カルボン酸
及びその酸無水物単位、及びそれらの誘導体からなる群
から選ばれた少なくとも1種、より成る変性ポリオレフ
ィン系共重合体 0.5〜30重量部を配合し、溶融混練して
成るポリアセタール樹脂摺動材用組成物、並びに該組成
物を成形して成るギア部品を提供するものである。
【0004】
【発明の実施の形態】以下、本発明の成分について説明
する。本発明で用いられるポリアセタール樹脂(A) と
は、オキシメチレン基(-CH2O-)を主たる構成単位とする
高分子化合物で、ポリオキシメチレンホモポリマー、又
はオキシメチレン基を主たる繰り返し単位とし、これ以
外に他の構成単位、例えばエチレンオキサイド、 1,3−
ジオキソラン、 1,4−ブタンジオール等のコモノマー単
位を少量含有するコポリマー、ターポリマー、ブロック
ポリマーの何れにてもよく、また、分子が線状のみなら
ず分岐、架橋構造を有するものであってもよく、また、
他の有機基を導入した公知の変性ポリオキシメチレンで
あってもよい。また、その重合度に関しても特に制限は
なく、溶融成形加工性を有するものであればよい。
【0005】次に、本発明でポリアセタール樹脂に配合
される(B) 変性ポリオレフィン系共重合体について説明
する。(B) 成分の変性ポリオレフィン系共重合体は、(b
-1)オレフィン単位、(b-2) (メタ)アクリル酸及び/
又は(メタ)アクリル酸エステル単位、(b-3) 不飽和カ
ルボン酸及びその酸無水物単位、及びそれらの誘導体か
らなる群から選ばれた少なくとも1種、より成る変性ポ
リオレフィン系共重合体である。かかる(B) 変性ポリオ
レフィン系共重合体を構成する(b-1) オレフィン単位と
しては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテ
ン、イソブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル
−2−ブテン、1−ヘキセン、 2,3−ジメチル−2−ブ
テン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−
デセン、1−ドデセンなど2〜20の不飽和炭化水素モノ
マーがあげられ、いずれも好ましく使用される。(B) 変
性ポリオレフィン系共重合体を構成する(b-2) (メタ)
アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステルとし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブ
チル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒド
ロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ヒドロキシ
エチルなどのα,β−不飽和酸及びその誘導体があげら
れる。かかる(b-2) (メタ)アクリル酸及び/又は(メ
タ)アクリル酸エステルのうち、入手上好ましくは、ア
クリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルが
あげられる。次に(B) 成分を構成する(b-3) 不飽和カル
ボン酸及びその酸無水物単位、及びそれらの誘導体から
なる群から選ばれた少なくとも1種としては、マレイン
酸、シトラコン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル
酸、ナジック酸、メチルナジック酸、アリルコハク酸
等、及び無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラ
コン酸及びそれらの誘導体があげられる。入手及び操作
上好ましくは、無水マレイン酸が用いられる。
【0006】本発明の(B) 変性ポリオレフィン系共重合
体としては、かかる(b-1) オレフィン単位、(b-2) (メ
タ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステル
単位、(b-3) 不飽和カルボン酸及びその酸無水物単位、
及びそれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも
1種、それぞれ1種以上を含んで成る、ランダム、ブロ
ック、又はグラフト共重合体等が挙げられる。また、本
発明の効果を阻害しない範囲で、かかる成分以外に、
1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチ
リデン−2−ノルボルネン、 2,5−ノルボナジエン等の
非共役ジエン、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン等
の共役ジエン成分、α−メチルスチレン等の芳香族ビニ
ル化合物、ビニルメチルエーテル等のビニルエーテルや
ポリジオルガノシロキサンとのビニルエーテル等が配合
されても良い。本発明の(B) 成分においては、かかる(b
-1) オレフィン単位、(b-2) (メタ)アクリル酸及び/
又は(メタ)アクリル酸エステル単位、(b-3) 不飽和カ
ルボン酸及びその酸無水物単位、及びそれらの誘導体か
らなる群から選ばれた少なくとも1種、より成る(B) 変
性オレフィン系共重合体であれば、重合方法や精製方法
により何ら限定されることはなく使用可能であり、その
重合度、側鎖や分岐の有無や程度の如何を問わず、いず
れも好ましく使用される。変性ポリオレフィン系共重合
体を得る方法としては、例えば、(b-1) オレフィン単位
よりなるポリオレフィンに、(b-2) (メタ)アクリル酸
及び/又は(メタ)アクリル酸エステル、(b-3) 不飽和
カルボン酸及びその酸無水物単位、及びそれらの誘導体
からなる群から選ばれた少なくとも1種を、溶液状態又
は溶融状態で適当な有機過酸化物等のラジカル開始剤と
加熱して反応させる方法、あらかじめ(b-1) オレフィン
単位と(b-2) (メタ) アクリル酸及び/又は(メタ)ア
クリル酸エステル単位の共重合体を得、かかる共重合体
に(b-3) 不飽和カルボン酸及びその酸無水物単位、及び
それらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも1種
をグラフト変性する方法、(b-1) オレフィン単位と(b-
2) (メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸
エステル単位、(b-3) 不飽和カルボン酸及びその酸無水
物単位、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれた少
なくとも1種を同時にビニル重合する方法などがいずれ
も使用可能であり、好ましく用いられる。特に、(b-1)
成分と(b-2) 成分より成る(オレフィン(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合体に、(b-3) 成分の不飽和カルボン
酸及びその酸無水物単位、及びそれらの誘導体からなる
群から選ばれた少なくとも1種をグラフト共重合させる
方法は、各成分の組成比をコントロールすることが容易
であり、好ましく使用される。かかる(B) 成分として、
入手上、無水マレイン酸変性エチレン(メタ)アクリル
酸エステル共重合体が好ましく用いられ、特に好ましく
は、無水マレイン酸変性エチレンエチルアクリレート、
無水マレイン酸変性エチレンメチルアクリレート、無水
マレイン酸変性エチレンメチルメタクリレート、無水マ
レイン酸変性エチレンエチルメタクリレートが用いられ
る。
【0007】本発明は、(b-1) オレフィン単位、(b-2)
(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エス
テル単位、(b-3) 不飽和カルボン酸及びその酸無水物単
位、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれた少なく
とも1種の組成比に限定されることなく、いずれの共重
合体も使用可能であるが、(b-1) オレフィン単位45〜99
重量%、(b-2) (メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)
アクリル酸エステル単位 0.5〜50重量%、(b-3) 不飽和
カルボン酸及びその酸無水物単位、及びそれらの誘導体
からなる群から選ばれた少なくとも1種 0.1〜10重量%
((b-1)+(b-2)+(b-3) = 100重量%)より成る(B) 変
性ポリオレフィン系共重合体が好ましく使用される。
【0008】特に、(B) 変性ポリオレフィン系重合体中
の有効な(b-3) 酸無水物等の量が少なすぎる場合にはポ
リアセタール樹脂成分とポリオレフィン系重合体間の親
和性が十分に改善されないため、本発明の効果が得られ
ず、また、多すぎる場合には摺動特性等の改善すべき物
性を低下させる場合がある。(b-3) 酸無水物等としては
0.1〜5重量%が好ましい。(A) ポリアセタール樹脂と
(B) 変性オレフィン系共重合体との配合比率は、(A) ポ
リアセタール樹脂 100重量部に対し、(B) 変性オレフィ
ン系共重合体 0.5〜30重量部であり、好ましくは 0.5〜
20重量部である。(B) 成分が少なすぎると摺動特性等の
改善すべき物性が不十分であり、多すぎるとかえって耐
摩耗性を低下させ、好ましくない。
【0009】本発明の組成物は、(A) ポリアセタール樹
脂と(B) 変性オレフィン系共重合体だけで用いても優良
な特性を有し、特に摺動性、成形加工性等に顕著な効果
を有するものであるが、さらに所望により、前記(A) 〜
(B) 成分に加えて(C) 特定のエステル化合物を配合せし
めることにより、更に一層の効果を得ることができる。
次に、本発明の(C) エステル化合物について詳細に説明
する。本発明に用いられる(C) エステル化合物とは、炭
素数12以上の脂肪酸より誘導されるエステル及び/又は
炭素数12以上の脂肪族アルコールより誘導されるエステ
ルである。かかるエステルを構成する炭素数12以上の脂
肪酸としては、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、
オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、アラキジン
酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セチロン酸、モンタン
酸、メリシン酸等の飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、直鎖脂
肪酸、分岐脂肪酸があげられ、また2−ブロモステアリ
ン酸、18−ブロモステアリン酸、18−ヒドロキシステア
リン酸等のかかる脂肪酸の誘導体がいずれも好ましく使
用される。かかる炭素数が12以上の脂肪酸とエステルを
構成するアルコールとしては、n−オクチルアルコー
ル、2−エチルヘキシルアルコール、イソノニルアルコ
ール、n−デシルアルコール、イソデシルアルコール、
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルア
ルコール、14−メチルヘキサデカン−1−オール、ステ
アリルアルコール、オレイルアルコール、16−メチルヘ
キサデカノール、18−メチルノナデカノール、18−メチ
ルイコサノール、ドコサノール、20−メチルヘンエイコ
サノール、20−メチルドコサノール、テトラコサノー
ル、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサ
ノール等の1価の飽和及び不飽和脂肪族アルコール、直
鎖及び分岐アルコールなどがあげられ、いずれも好まし
く使用される。
【0010】また、かかるエステルを構成する芳香族ア
ルコールとしては、フェノール、カテコール、ナフトー
ルなどがあげられる。また、脂肪族多価アルコールとし
ては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、 1,5−ペンタンジオール、 1,6
−ヘキサンジオール、 1,2−オクタンジオール、ヘキサ
デカン−1,2 −ジオール、オクタデカン−1,2 −ジオー
ル、イコサン−1,2 −ジオール、グリセリン、トリメチ
ロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトー
ル、ソルビトール、 1,2−シクロノナンジオール、 1,2
−シクロデカンジオール等の多価アルコール類及び、ジ
ペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ジ
エチレングリコール、ジグリセロール、トリグリセロー
ル、ポリグリセロール、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等、かかる多価アルコールの縮合
体、及びコハク酸、アジピン酸等の多塩基酸とかかる多
価アルコールの部分エステルなどがあげられ、いずれも
好ましく使用される。
【0011】炭素数12以上の脂肪族アルコールとして
は、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチ
ルアルコール、14−メチルヘキサデカン−1−オール、
ステアリルアルコール、オレイルアルコール、16−メチ
ルヘキサデカノール、18−メチルノナデカノール、18−
メチルイコサノール、ドコサノール、20−メチルヘンエ
イコサノール、20−メチルドコサノール、テトラコサノ
ール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコ
サノール等の、飽和及び不飽和脂肪族アルコール、直鎖
及び分岐アルコールなどがあげられ、いずれも好ましく
使用される。
【0012】かかるアルコールとエステルを構成する脂
肪酸としては、ラウリン差、トリデカン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、
オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、アラキジン
酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セチロン酸、モンタン
酸、メリシン酸等の飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、直鎖脂
肪酸、分岐脂肪酸があげられ、また2−ブロモステアリ
ン酸、18−ブロモステアリン酸、12−ヒドロキシステア
リン酸等のかかる脂肪酸の誘導体がいずれも好ましく使
用される。
【0013】また、芳香族カルボン酸としては、安息香
酸、フタル酸等があげられる。脂肪族多塩基酸として
は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、1,12−ドデカメチレンジカルボン酸、1,14−テ
トラデカメチレンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカメチ
レンジカルボン酸、1,18−オクタデカメチレンジカルボ
ン酸、トリメリット酸、マレイン酸、フマル酸等脂肪族
多塩基酸及び、かかるカルボン酸の誘導体などがあげら
れ、いずれも好ましく使用される。
【0014】上記カルボン酸とアルコールとから成るエ
ステルは、いずれも好ましく使用されるが、入手の容易
さから、以下のエステルがより好ましく使用される。す
なわち、ラウリルラウレート、ラウリルステアレート、
セチルパルミテート、イソトリデシルステアレート、オ
レイルオレート、ステアリルステアレート、イソステア
リルステアレート、イソステアリルイソステアレート、
ベヘニルベヘネート、エチレングリコールジステアレー
ト、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘ
ネート、グリセリンジ,トリステアレート、トリメチロ
ールプロパントリイソステアレート、ペンタエリスリト
ールテトライソステアレート、ペンタエリスリトールテ
トラステアレート、ポリエチレングリコールジラウレー
ト、ポリエチレングリコールジステアレート、ジイソト
リデシルアジペート、ジイソトリデシルフタレートなど
があげられ、かかるエステルの1種もしくは2種以上が
いずれも好ましく使用される。
【0015】本発明において、(C) エステル化合物の添
加量は 0.1〜10重量部である。 0.1重量部未満では潤滑
剤本来の効果が発揮され難く、また逆に10重量部より多
い量では基体であるポリアセタールの性質が損なわれる
ため好ましくない。より好ましくは 0.5〜5重量部であ
る。本発明の組成物は、更に公知の各種安定剤を添加し
て安定性を補強することができる。また、目的とする用
途に応じてその物性を改善するために、更に公知の各種
の添加剤を配合し得る。添加剤の例を示せば、各種の着
色剤、離型剤(前記の潤滑剤以外)、核剤、帯電防止
剤、その他の界面活性剤、異種ポリマー(前記のグラフ
ト共重合体以外)等である。また、本発明の目的とする
組成物の性能を大幅に低下させない範囲内であれば、無
機・有機・金属等の繊維状、粉粒状、板状の充填剤を1
種又は2種混合使用することもできる。
【0016】次に本発明の組成物の調製は、従来の樹脂
組成物調製法として一般に用いられる公知の方法により
容易に調製される。例えば、各成分を混合した後、一軸
又は二軸の押出機により練混み押出ししてペレットを調
製する方法、一旦組成の異なるペレット(マスターバッ
チ)を調製し、そのペレットを所定量混合(稀釈)する
方法等、何れも使用できる。また、斯かる組成物の調製
において、各成分の一部又は全部を粉砕し、これとその
他の成分を混合した後、押出等を行うことは添加物の分
散性を良くする上で好ましい方法である。また、液状の
(C) エステルを用いる場合は、予め潤滑剤を各成分と混
合し、含浸させた後、これを混練し、押出等を行う方法
も組成物の調製を容易にし、加工性及び摺動性改善の点
で好ましい方法である。
【0017】
【発明の効果】本発明のポリアセタール樹脂摺動材用組
成物は、摩擦摩耗特性、対金属摺動のみならず対樹脂摺
動にも優れ、アイドラーギアなど、AV、OA分野の諸
摺動部品に好適に用いることができる。
【0018】
【実施例】以下実施例により本発明を更に具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1〜17及び比較例1〜10 表1に示す各種ポリアセタール樹脂(A) と変性ポリオレ
フィン系共重合体(B)、場合により各種エステルを、表
1で示す割合で混合した後、二軸押出機により溶融混練
し、ペレット状の組成物を調製した。次いでこのペレッ
トを用いて射出成形により試験片を作成し、評価を行っ
た。結果を表1に示す。また比較のため、(B) 成分を配
合しないものあるいは本願(B) 成分に属さないポリオレ
フィン系重合体、場合により(C) 潤滑剤と併用して実施
例と同様の評価を行った。結果を表2に示す。尚、実施
例中の各種物性の評価方法は以下の通りである。 <成形品剥離・計量性>評価用試験片(50mm×50mm×1
mmt :φ1mmセンターピンゲート方式)を成形し、その
表面の剥離状況を5段階で評価した。また成形時に、各
組成物ペレットの計量性(成形機スクリューへの食い込
み性)を評価し、5段階で示した。
【0019】 成形機 (株)東芝製 EPN80 シリンダー温度(℃)= 200−200−170−150 金型温度(℃) = 85 射出速度(m/min) = 1.0 一次圧(MPa) = 90 二次圧(MPa) = 60 成形サイクル(s) = 20"−10" 成形品剥離 1 成形品全体の剥離多数あり 2 成形品全体に剥離あり 3 ゲート部にのみ剥離あり 4 ゲート部にのみ微少剥離あり 5 剥離無し 成形性(計量性) 1 計量不可 2 計量時間31秒以上 3 計量時間21秒〜30秒 4 計量時間15秒〜20秒 5 添加剤無配合ポリアセタール樹脂と同等(<15se
c) <対鋼摺動性>ジャーナルタイプ摺動試験機により、S
KS鋼製摩擦軸と、試験材料製軸受けとの摺動を行い、
動摩擦係数、比摩耗量を評価した。 摺動条件 試験機 ジャーナルタイプ摩擦摩耗試験機((株)東
洋精機製) 面圧 0.78kgf/cm2 線速度 40.8cm/s(1200rpm) 48時間摺動 <耐摩耗性>歯車摺動試験機を用い、同材同士のギア摺
動試験を行い、摺動前後のギアの重量変化から摩耗量を
評価した。 試験機 歯車疲労試験機(小野測器(株)製) 歯車 モジュール 1.0 歯数比 23/54 かみ合い歯巾 5mm 標準平歯車 試験条件 トルク 0.55N・m 、回転数 600rpm 、繰り返し回数 150万回 <往復摺動試験>図1に示すように、移動するプレート
材1(厚み3mm)に評価用ポリアセタール樹脂組成物を
使用し、φ10のピン材2にポリアセタール樹脂(ポリプ
ラスチックス(株)製、ジュラコン(商品名)90−44)
を使用し、荷重80N、すべり線速度5cm/s、ストロー
ク5cmの条件で2万回の往復摺動を行い、摩擦係数
(μ)及び摩耗量(mg) を測定した。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】(A-1):ポリオキシメチレンコポリマー(メ
ルトインデックス=9.0g/10 分) (A-2):ポリオキシメチレンホモポリマー(メルトインデ
ックス=15.0g/10分) (B-1):エチレン・アクリル酸エチル・無水マレイン酸=
(b-1):(b-2):(b-3) =94:5:1 (B-2):エチレン・アクリル酸エチル・無水マレイン酸=
(b-1):(b-2):(b-3) =84:15:1 (B-3):エチレン・アクリル酸エチル・無水マレイン酸=
(b-1):(b-2):(b-3) =69:30:1 (B-4):エチレン・アクリル酸エチル・無水マレイン酸=
(b-1):(b-2):(b-3) =87:10:3 (B-5):エチレン・アクリル酸エチル・無水マレイン酸=
(b-1):(b-2):(b-3) =84:15:1 (B-6):エチレン・アクリル酸・無水マレイン酸=(b-1):
(b-2):(b-3) =84:15:1 (B-7):エチレン・メタクリル酸メチル・無水マレイン酸
=(b-1):(b-2):(b-3) =84:15:1 (B'-1): エチレン・無水マレイン酸=(b-1):(b-3) =9
9:1 (B'-2): エチレン・アクリル酸エチル=(b-1):(b-2) =
85:15 (B'-3): エチレン・メタクリル酸メチル=(b-1):(b-2)
=85:15
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で行った往復摺動試験の状況を示す図
である。
【符号の説明】
1 プレート 2 ピン

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) ポリアセタール樹脂 100重量部に対
    し、(B) (b-1) オレフィン単位、(b-2) (メタ)アクリ
    ル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステル単位、(b-
    3) 不飽和カルボン酸及びその酸無水物単位、及びそれ
    らの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも1種、よ
    り成る変性ポリオレフィン系共重合体 0.5〜30重量部を
    配合し、溶融混練して成るポリアセタール樹脂摺動材用
    組成物。
  2. 【請求項2】 (B) 変性ポリオレフィン系共重合体が、
    (b-1) オレフィン単位45〜99重量%、(b-2) (メタ)ア
    クリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステル単位
    0.5〜50重量%、(b-3) 不飽和カルボン酸及びその酸無
    水物単位、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれた
    少なくとも1種 0.1〜10重量%((b-1)+(b-2) +(b-3)
    = 100重量%)より成る共重合体である請求項1記載の
    ポリアセタール樹脂摺動材用組成物。
  3. 【請求項3】 (B) 変性ポリオレフィン系共重合体が、
    (b-1) オレフィン単位、(b-2) (メタ)アクリル酸及び
    /又は(メタ)アクリル酸エステル単位より成る共重合
    体に対し、(b-3) 不飽和カルボン酸及びその酸無水物単
    位、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれた少なく
    とも1種をグラフト変性して成る共重合体である請求項
    1又は2記載のポリアセタール樹脂摺動材用組成物。
  4. 【請求項4】 (B) 変性ポリオレフィン系共重合体を構
    成する(b-2) (メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)ア
    クリル酸エステル単位が、アクリル酸メチル、アクリル
    酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メ
    タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
    プロピル、メタクリル酸ブチルから成る群より選ばれる
    1種以上である請求項1〜3の何れか1項記載のポリア
    セタール樹脂摺動材用組成物。
  5. 【請求項5】 (B) 変性ポリオレフィン系共重合体を構
    成する(b-3) 不飽和カルボン酸及びその酸無水物単位、
    及びそれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも
    1種が、無水マレイン酸である請求項1〜4の何れか1
    項記載のポリアセタール樹脂摺動材用組成物。
  6. 【請求項6】 更に(C) エステル化合物として、炭素数
    12以上の脂肪酸のエステル及び/又は炭素数12以上の脂
    肪族アルコールのエステル0.5 〜10重量部を配合して成
    る請求項1〜5の何れか1項記載のポリアセタール樹脂
    摺動材用組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れか1項記載のポリア
    セタール樹脂摺動材用組成物を成形して成るギア部品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6391956B1 (en) 1998-02-24 2002-05-21 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Polyoxymethylene resin composition
JP2005325225A (ja) * 2004-05-14 2005-11-24 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリアセタール樹脂組成物およびそれからなる成形品
JP2008214471A (ja) * 2007-03-02 2008-09-18 Asahi Kasei Chemicals Corp ハードディスク用ランプ
JP2016094577A (ja) * 2014-11-17 2016-05-26 旭化成ケミカルズ株式会社 ポリアセタール樹脂組成物及びその成形体

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