[go: up one dir, main page]

JPH09281502A - 液晶垂直配向膜の形成方法 - Google Patents

液晶垂直配向膜の形成方法

Info

Publication number
JPH09281502A
JPH09281502A JP1215897A JP1215897A JPH09281502A JP H09281502 A JPH09281502 A JP H09281502A JP 1215897 A JP1215897 A JP 1215897A JP 1215897 A JP1215897 A JP 1215897A JP H09281502 A JPH09281502 A JP H09281502A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon compound
mol
reaction mixture
silicon
alkyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP1215897A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3757514B2 (ja
Inventor
Tatsuya Nogami
達哉 野上
Takakazu Nakada
孝和 中田
Rie Sakai
里枝 酒井
Takeshi Hosoya
猛 細谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Chemical Corp filed Critical Nissan Chemical Corp
Priority to JP1215897A priority Critical patent/JP3757514B2/ja
Publication of JPH09281502A publication Critical patent/JPH09281502A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3757514B2 publication Critical patent/JP3757514B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶表示装置の電極基板上に、液晶の垂直配
向性、その再現性、耐熱性及び均一性に優れる液晶配向
膜を、簡便に且つ効率よく形成させること。 【解決手段】 Si(OR)4 で示される珪素化合物
と、R1Si(OR)3で示される珪素化合物と、R2
2OHで示されるアルコールと、蓚酸とを特定比率に
含有する反応混合物を水の不存在下に50〜180℃で
加熱することによりポリシロキサンの溶液を生成させ、
当該溶液を含有する塗布液を電極基板表面に塗布し、そ
してその塗膜を80〜400℃で熱硬化させることを特
徴とする、当該電極基板表面上にこれに密着した液晶垂
直配向膜を形成させる方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、アルコキシ基含
有珪素化合物のポリマー溶液から形成される液晶表示装
置内電極基板上の液晶垂直配向膜の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】 通常用いられる液晶表示装置は、液晶
とこれを挟んで相対する2枚の電極基板とからなる。従
来より、液晶表示装置内の液晶分子を垂直に配向させる
のに有効な方法として、液晶表示装置内の電極基板上に
被膜を設ける方法が知られ、この被膜は液晶垂直配向膜
と呼ばれている。そして改良された液晶垂直配向膜とし
て、アルコキシ基含有シランを原料として用いるものが
幾つか提案されている。
【0003】特開昭61−117524号公報には、液
晶層と接触する2枚の電極基板のうち少なくとも一方の
面に、テトラブトキシチタン等有機金属化合物を塗布
し、そして熱硬化させてなる下地膜上に、オクタデシル
トリエトキシシラン等モノアルキルトリアルコキシシラ
ンを塗布し、そして熱硬化させてなる液晶垂直配向膜が
開示されている。この公報は更に、その液晶垂直配向膜
は、再現性良好な垂直配向性を有し、その下地膜は、こ
の液晶垂直配向膜を安定させると共に、基板との接着性
及び耐熱性を向上させることを説明している。
【0004】特開昭57−42019号公報には、テト
ラエトキシシラン、ジメチルジメトキシシランなど2〜
4個のアルコキシ基を有するシランを酸触媒等による通
常の加水分解及び縮合重合によってシラノール含有オリ
ゴマーを生成させ、このオリゴマーと上記アルコキシ基
含有シラン1モルに対して0.17〜10モルの比率の
オクタデシルトリエトキシシラン等長鎖アルキル基とア
ルコキシ基含有シランとをエチルセロソルブ等溶剤に加
えて塗布液を調製し、この塗布液を電極基板上に塗布
し、次いでその塗膜を100〜250℃で熱硬化させる
ことにより垂直配向膜を形成させる方法が開示されてい
る。そして同公報は、その塗布液は塗布性が優れると共
に、加熱工程で配向能が低下せず、得られた配向膜は各
種の液晶に対して優れた配向性を有することを説明して
いる。
【0005】特開昭57−56819号公報には、酢
酸、ギ酸などカルボン酸とテトラクロロシラン等ハロゲ
ン化シランとを反応させることによりカルボン酸珪素を
生成させ、減圧蒸留等で未反応酢酸を除去したカルボン
酸珪素とエチルアルコール等アルコールとを反応させる
ことによりシラノールオリゴマーの溶液を生成させ、次
いで、このオリゴマー溶液に、珪素原子比で0.01〜
10の比率にオクタデシルトリエトキシシラン、パーフ
ロロアルキルシランなどアルキルシランを加えて20〜
80℃で反応させることにより塗布液を調製し、この塗
布液を電極基板の表面に塗布し、そしてその塗膜を10
0〜350℃で熱硬化させることにより垂直配向膜を形
成させる方法が開示されている。そして同公報は、この
配向膜は、どのような液晶も垂直配向させることがで
き、配向が安定であって表示品質が高いことを説明して
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 しかしこれら改良に
かかる垂直配向膜、或いはその形成方法も未だ十分では
ない。上記特開昭61−117524号公報に記載の垂
直配向膜の形成には、有機金属化合物の熱硬化物からな
る下地膜を形成させる工程を必要とし、二度にわたる塗
布及び加熱作業を要す。そしてその形成された垂直配向
膜としても、十分な厚さを有するものが得られず、膜に
はピンホールが生じやすく、そして膜の通電寿命は短
い。
【0007】上記特開昭57−42019号公報に記載
の垂直配向膜形成法によれば、十分な厚さの膜が得ら
れ、この膜はピンホールを有しないが、液晶垂直配向能
の持続性に乏しく、そしてこの膜の形成に用いられる塗
布液の製造には、加水分解工程とその後の混合工程を要
し、その製造方法は簡便なものではない上、得られた塗
布液の貯蔵安定性も十分ではない。
【0008】上記特開昭57−56819号公報に記載
の垂直配向膜の形成方法では、原料のクロロシラン等塩
素含有物質の反応で副生する塩化水素が、上記のように
減圧蒸留工程を経ても生成液中に残存し、周囲の金属に
腐食をもたらしたり、特に高純度が要求される液晶表示
装置の製造には害をもたらす。そしてその塗布液の製造
においても、他段階の工程を要し、その製造方法は簡便
でない上、反応の終点が確認しにくく、一定品質の塗布
液を製造し難い。
【0009】本発明は、液晶表示装置の電極基板上に、
液晶の垂直配向性、その再現性、耐熱性及び均一性に優
れる液晶垂直配向膜を、簡便に且つ効率よく形成させよ
うとするものであり、そしてこのような液晶垂直配向膜
の形成のために供される工業製品として安定な塗布液及
びその効率的製造方法を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】 本発明の液晶垂直配向
膜の形成に供される塗布液は、下記一般式(1) Si(OR)4 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (1) (但し、Rは1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を
表す。)で示される珪素化合物(A)と、下記一般式
(2) R1 Si(OR)3 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2) (但し、R1 は、3〜20個の炭素原子を有する非置換
の若しくはフッ素原子置換基を有するアルキル基を表
し、そしてRは、上記と同じである。)で示される珪素
化合物(B)と、下記一般式(3) R2 CH2 OH ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (3) (但し、R2 は、水素原子又は1〜12個の炭素原子を
有する非置換の若しくは置換基を有するアルキル基を表
す。)で示されるアルコール(C)と、蓚酸(D)と
を、珪素化合物(A)1モルに対して珪素化合物(B)
0.05〜0.43モルの比率に、珪素化合物(A)と
珪素化合物(B)に含まれる全アルコキシ基1モルに対
してアルコール(C)0.5〜100モルの比率に、そ
して珪素化合物(A)と珪素化合物(B)に含まれる全
アルコキシ基1モルに対して蓚酸(D)0.2〜2モル
の比率に含有する反応混合物を形成させ、そしてこの反
応混合物を、 その中の珪素原子から換算された0.5〜
10重量%のSiO2 濃度に維持すると共に水の不存在
を維持しながら、当該反応混合物中珪素化合物(A)及
び珪素化合物(B)の全残存量が5モル%以下となるま
で、50〜180℃で加熱することにより得られたポリ
シロキサンの溶液からなる。
【0011】そして本発明による液晶垂直配向膜の形成
方法は、上記塗布液を、電極基板表面に塗布し、そして
この塗布により得られた塗膜を80〜400℃で熱硬化
させることからなる。そしてこの液晶垂直配向膜は、電
極基板表面に密着して形成される。上記ポリシロキサン
の溶液は透明であって、ゲル状のポリシロキサンは含有
していない。多量のアルコール(C)と比較的多量の蓚
酸(D)とは共存するが、水が存在しない反応混合物中
で珪素化合物(A)と珪素化合物(B)とは加熱される
から、このポリシロキサンは、珪素化合物(A)と珪素
化合物(B)の加水分解物の縮合によって生成したもの
ではない。アルコール溶媒中加水分解の方法でアルコキ
シシランからポリシロキサンを生成させるときは、加水
分解の進行につれて液に濁りが生じたり、不均一なポリ
シロキサンが生成しやすいが、本発明による上記反応混
合物ではそのようなことは起こらない。
【0012】本発明による上記ポリシロキサンは、その
化学構造は複雑であって特定しがたいが、おそらく珪素
化合物(A)及び珪素化合物(B)と蓚酸(D)との反
応により生成した中間体にアルコール(C)が作用して
重合が進行するために、分岐構造は有していても、溶液
を形成する程度の重合度を有し、そして比較的に揃った
構造を有する珪素化合物(A)と珪素化合物(B)の共
縮合体ポリシロキサンが生成するものと考えられる。
【0013】電極基板上に塗布された上記ポリシロキサ
ンの溶液を含有する塗膜の加熱により、当該塗膜から揮
発成分の除去と当該塗膜中でポリシロキサンの硬化反応
が進行することによって、当該基板表面に密着し、そし
て優れた垂直配向性を有する不溶性の被膜が生成する。
【0014】
【発明の実施の形態】 前記一般式(1)及び(2)に
含まれるアルキル基Rの例としては、メチル、エチル、
プロピル、ブチル、ペンチルなどが挙げられ、好ましい
珪素化合物(A)の例としては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
テトラブトキシシラン等が挙げられる。これらの中でも
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどが特
に好ましい。これらは単独で又は二種以上組み合わせて
用いることができる。
【0015】前記一般式(2)に含まれるアルキル基R
1 の例としては、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ドデ
シル、ヘキサデシル、オクタデシルなどの非置換のアル
キル基と、トリフルオロプロピル、ヘプタフルオロペン
チル、ヘプタフルオロイソペンチル、トリデカフルオロ
オクチル、ヘプタデカフルオロデシルなどのフッ素原子
置換基を有するアルキル基とが挙げられる。好ましい珪
素化合物(B)の例としては、ヘキシルトリメトキシシ
ラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘプチルトリメト
キシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、オクチルト
リメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデ
シルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラ
ン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルト
リエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、
オクタデシルトリエトキシシランなどの非置換のアルキ
ルトリアルコキシシラン、下記一般式(4) CF3(CF2nCH2CH2Si(OR)3・・・・・・・・(4) (但し、nは0〜17の整数を表し、そしてRは、1〜
5個の炭素原子を有するアルキル基を表す。)で示され
るトリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフル
オロプロピルトリエトキシシラン、ヘプタフルオロペン
チルトリメトキシシラン、ヘプタフルオロペンチルトリ
エトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキ
シシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラ
ン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘ
プタデカフルオロデシルトリエトキシシランなどのフッ
素原子置換基を有する直鎖アルキルトリアルコキシシラ
ン及びヘプタフルオロイソペンチルトリメトキシシラン
〔(CF32CFCH2CH2Si(OCH33〕などの
フッ素原子置換基を有する分岐鎖アルキルトリアルコキ
シシランが挙げられる。これら珪素化合物は、単独で又
は二種以上組み合わせて用いることができる。
【0016】前記一般式(3)に含まれる非置換のアル
キル基R2 の例としては、メチル、エチル、プロピル、
ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなど
が挙げられ、そして置換基を有するアルキル基R2 の例
としては、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、エトキ
シメチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、エトキ
シエチルなどが挙げられる。好ましいアルコール(C)
の例としては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、n-ブタノール、エチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ルなどが挙げられる。これら珪素化合物は、単独で又は
二種以上組み合わせて用いることができる。これらの中
でも特にエタノールが好ましい。
【0017】珪素化合物(A)1モルに対して珪素化合
物(B)を0.43モル以上使用した反応混合物から
は、均一性を有するポリシロキサンの溶液が得られな
い。そして珪素化合物(A)1モルに対して珪素化合物
(B)を0.05モル以下使用した反応混合物からは、
垂直配向性を示す被膜が得られない。珪素化合物(A)
1モルに対して珪素化合物(B)を0.05〜0.25
モル使用するのが特に好ましい。
【0018】珪素化合物(A)と珪素化合物(B)に含
まれる全アルコキシ基の1モル当たり、0.5モルより
少ない量のアルコールを使用すると、ポリシロキサンを
生成させるのに長時間を要し、そして得られたポリシロ
キサン含有液からは、硬度の高い被膜が生成しない。反
対に、珪素化合物(A)と珪素化合物(B)に含まれる
全アルコキシ基の1モル当たり、100モルより多い量
のアルコールを使用すると、得られたポリシロキサン含
有液のSiO2 濃度が不足し、塗布前に濃縮を必要とし
効率的でない。珪素化合物(A)と珪素化合物(B)に
含まれる全アルコキシ基の1モルに対してアルコール
(C)を1〜50モル使用するのが特に好ましい。
【0019】珪素化合物(A)と珪素化合物(B)に含
まれる全アルコキシ基の1モル当たり、0.2モルより
少ない量の蓚酸(D)を使用すると、得られたポリシロ
キサン含有液からは、垂直配向性を示す膜が得られない
ばかりか、得られた膜の硬度は低い。反対に、珪素化合
物(A)と珪素化合物(B)に含まれる全アルコキシ基
の1モル当たり、2モルより多い量の蓚酸(D)を使用
すると、得られたポリシロキサン含有液中は、相対的に
多量の蓚酸(D)を含有し、かかる液からは目的とする
性能の膜が得られない。珪素化合物(A)と珪素化合物
(B)に含まれる全アルコキシ基の1モルに対して、蓚
酸(D)を0.25〜1モル使用するのが特に好まし
い。
【0020】ポリシロキサンの溶液の調製には、上記珪
素化合物(A)、珪素化合物(B)、アルコール(C)
及び蓚酸(D)の他に、所望に応じて、例えば、珪素化
合物(A)1モルに対して2〜20モル%程度の上記珪
素化合物(A)及び珪素化合物(B)では使用しなかっ
たアルコキシシランを変成剤として併用しても良い。好
ましい変成剤の例としては、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルトリエトキシシランなどのトリア
ルコキシシラン、及びジメチルジメトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシランなどのジアルコキシシランが挙げ
られる。これらの変成剤は、電極基板上の塗膜を硬化さ
せるための温度を低下させることができ、そして膜の電
極基板に対する密着性を向上させる。
【0021】上記珪素化合物(A)、珪素化合物
(B)、アルコール(C)及び蓚酸(D)を含有する反
応混合物は、これらを混合することにより、或いはこれ
らに更に上記変成剤を加えることにより形成させること
ができる。この反応混合物合物には水は加えられない。
そしてこの反応混合物は、好ましくは溶液状の反応混合
物として加熱するのが好ましく、例えば、あらかじめア
ルコール(C)に蓚酸(D)を加えて蓚酸のアルコール
溶液を形成させた後、当該溶液と珪素化合物(A)、珪
素化合物(B)、上記変成剤などを混合することにより
得られる溶液状の反応混合物として加熱するのが好まし
い。通常、珪素化合物(A)、珪素化合物(B)、アル
コール(C)及び蓚酸(D)の上記比率の反応混合物
は、これに含まれる珪素原子をSiO2 に換算して0.
5〜10重量%の濃度に含有する。上記変成剤を含有す
る反応混合物の場合にも、これに含まれる珪素原子をS
iO2 に換算して0.5〜10重量%の濃度を有するよ
うに上記変成剤は含有される。そしてこれら反応混合物
の加熱の間、これら反応混合物は上記SiO2 濃度と水
の不存在が維持される。この加熱は、通常の反応器中液
温50〜180℃で行うことができ、好ましくは、反応
器から液の蒸発、揮散などが起こらないように、例え
ば、密閉式容器中又は還流下に行われる。
【0022】ポリシロキサンを生成させるための加熱を
50℃より低い温度で行うと、濁りを有したり、不溶解
物を含有する液が生成しやすいので、この加熱は50℃
より高い温度で行われ、高温ほど短時間に終了させるこ
とができる。けれども、180℃より高い温度での加熱
は、付加的利益をもたらさず非効率的である。加熱時間
には特に制限はなく、例えば50℃では8時間程度、7
8℃の還流下では3時間程度で十分であり、通常、珪素
化合物(A)及び珪素化合物(B)の全仕込量に対して
これら珪素化合物の残存量が5モル%以下となった時点
で加熱は停止される。用いられた珪素化合物(A)及び
珪素化合物(B)の全量に対してこれら珪素化合物が5
モル%よりも多く残存するポリシロキサン含有液は、こ
れを電極基板表面に塗布し、次いでその塗膜を80から
400℃で熱硬化させたとき、得られた膜にピンホール
が生じたり、或いは十分な硬度を有する膜が得られな
い。
【0023】上記加熱により得られたポリシロキサンの
溶液は、そのまま次の塗布工程に塗布液として使用する
ことができるが、所望に応じ、濃縮又は希釈することに
より得られる液を塗布液として、他の溶媒に置換するこ
とにより得られる液を塗布液として、或いは所望の添加
物と混合することにより得られる液を塗布液として使用
することができる。この添加物の例としては、コロイド
状微粒子など固体の無機微粒子、その他金属塩、金属化
合物などが挙げられ、これらは膜の硬度、電極基板への
密着性、屈折率等を調節するのに好都合である。
【0024】塗布工程に使用されるこの塗布液として
は、その中に上記ポリシロキサンの透明溶液に由来する
珪素原子をSiO2 に換算して0.5〜10重量%含有
する液が好ましく、このSiO2 濃度が0.5重量%よ
り小さいと、一回の塗布で形成される膜の厚さが薄くな
りやすく、そしてこの濃度が10重量%より高いと、こ
の塗布液の貯蔵安定性が不足しやすい。この塗布液のS
iO2 濃度としては2〜8重量%が特に好ましい。
【0025】上記ポリシロキサンの溶液は、通常の方
法、例えば、ディップ法、スピンコート法、刷毛塗り
法、ロールコート法、フレキソ印刷法などで電極基板上
に塗布することができる。電極基板上に形成された塗膜
は、そのまま熱硬化させても良いが、これに先立ち室温
〜80℃、好ましくは50〜80℃で乾燥させた後、8
0〜400℃、好ましくは、100〜350℃で加熱さ
れる。この加熱の時間としては5〜60分程度で十分で
ある。この加熱温度が80℃より低いと、得られた被膜
の硬度、耐薬品性などが不足しやすい。350℃より高
い温度、特に400℃より高い温度での熱硬化は、垂直
配向性能が低下し好ましくない。これら加熱は、通常の
方法、例えばホットプレート、オーブン、ベルト炉など
を使用することにより行うことができる。
【0026】硬化後の膜の厚みは通常100〜2000
Åに調整される。膜厚が100Åより薄いとピンホール
が生じやすく、その膜を有する液晶表示装置の通電安定
性の低下や液晶表示の欠陥が生じやすい。一方2000
Åより厚いと、膜の表面の均一性が低下したり、膜にク
ラック等が発生しやすい。
【0027】
【実施例】 実施例及び比較例のポリシロキサンの溶液
を調製し、それら溶液の安定性及びそれら溶液から得ら
れた膜の性能をテストした。 実施例1 還流管を備えつけた4つ口反応フラスコにエタノール5
2.8gを投入し、撹拌下にこのエタノールに蓚酸2
0.0gを少量づつ添加することにより、蓚酸のエタノ
ール溶液を調製した。次いでこの溶液をその還流温度ま
で加熱し、還流下のこの溶液中にテトラエトキシシラン
21.8gとオクタデシルトリエトキシシラン4.9g
の混合物を滴下した。滴下終了後も、還流下に加熱を5
時間続けた後冷却し、ブチルセロソルブ75gを加える
ことにより、4重量%のSiO2 濃度を有するポリシロ
キサンの溶液(L−1)を調製した。
【0028】この溶液をガスクロマトグラフィーで分析
したところ、アルコキシシランモノマーは検出されなか
った。 実施例2 還流管を備えつけた4つ口反応フラスコにエタノール5
2.3gを投入し、撹拌下にこのエタノールに蓚酸2
0.5gを少量づつ添加することにより、蓚酸のエタノ
ール溶液を調製した。次いでこの溶液をその還流温度ま
で加熱し、還流下のこの溶液中にテトラエトキシシラン
21.8gとトリデカフルオロオクチルトリメトキシシ
ラン〔CF3(CF25CH2CH2Si(OCH33
5.5gの混合物を滴下した。滴下終了後も、還流下に
加熱を5時間続けた後冷却し、ブチルセロソルブ75g
を加えることにより、4重量%のSiO2 濃度を有する
ポリシロキサンの溶液(L−2)を調製した。
【0029】この溶液をガスクロマトグラフィーで分析
したところ、アルコキシシランモノマーは検出されなか
った。 実施例3 還流管を備えつけた4つ口反応フラスコにエタノール5
2.6gを投入し、撹拌下にこのエタノールに蓚酸2
0.5gを少量づつ添加することにより、蓚酸のエタノ
ール溶液を調製した。次いでこの溶液をその還流温度ま
で加熱し、還流下のこの溶液中にテトラエトキシシラン
21.8gとトリデカフルオロオクチルトリメトキシシ
ラン〔CF3(CF25CH2CH2Si(OCH33
2.7gとオクタデシルトリエトキシシラン2.5gの
混合物を滴下した。滴下終了後も、還流下に加熱を5時
間続けた後冷却し、ブチルセロソルブ75gを加えるこ
とにより、4重量%のSiO2 濃度を有するポリシロキ
サンの溶液(L−3)を調製した。
【0030】この溶液をガスクロマトグラフィーで分析
したところ、アルコキシシランモノマーは検出されなか
った。 実施例4 還流管を備えつけた4つ口反応フラスコにエタノール4
9.7gを投入し、撹拌下にこのエタノールに蓚酸2
0.0gを少量づつ添加することにより、蓚酸のエタノ
ール溶液を調製した。次いでこの溶液をその還流温度ま
で加熱し、還流下のこの溶液中にテトラエトキシシラン
19.4gとトリデカフルオロオクチルトリメトキシシ
ラン〔CF3(CF25CH2CH2Si(OCH33
10.9gの混合物を滴下した。滴下終了後も、還流下
に加熱を5時間続けた後冷却し、ブチルセロソルブ75
gを加えることにより、4重量%のSiO2 濃度を有す
るポリシロキサンの溶液(L−4)を調製した。
【0031】この溶液をガスクロマトグラフィーで分析
したところ、アルコキシシランモノマーは検出されなか
った。 比較例1 還流管を備えつけた4つ口反応フラスコにエタノール6
4.9gとテトラエトキシシラン21.8gとトリデカ
フルオロオクチルトリメトキシシラン〔CF3(CF2
5CH2CH2Si(OCH33〕5.6gを加え、均一
に混合した。次いでこの溶液に水7.6gと触媒として
硝酸0.1gを加え、30分間撹拌混合を続けた後、ブ
チルセロソルブ75gを加えることにより、4重量%の
SiO2濃度を有するポリシロキサンの溶液(L−5)
を調製した。
【0032】比較例2 還流管を備えつけた4つ口反応フラスコにエタノール6
5.5gとテトラエトキシシラン21.8gとオクタデ
シルトリエトキシシラン5.0gを加え、均一に混合し
た。次いでこの溶液に水7.6gと触媒として硝酸0.
1gを加え、30分間撹拌混合を続けた後、ブチルセロ
ソルブ75gを加えることにより、4重量%のSiO2
濃度を有するポリシロキサンの溶液(L−6)を調製し
た。
【0033】比較例3 還流管を備えつけた4つ口反応フラスコにエタノール6
2.7gとテトラエトキシシラン19.4gとトリデカ
フルオロオクチルトリメトキシシラン〔CF3(CF2
5CH2CH2Si(OCH33〕10.9gを加え、均
一に混合した。次いでこの溶液に水6.9gと触媒とし
て硝酸0.1gを加え、30分間撹拌混合を続けた後、
ブチルセロソルブ75gを加えることにより、4重量%
のSiO 2 濃度を有するポリシロキサンの溶液(L−
7)を調製した。
【0034】比較例4 還流管を備えつけた4つ口反応フラスコにエタノール6
2.7gとテトラエトキシシラン19.4gを入れ、撹
拌混合した。次いでこの溶液に水6.9gと触媒として
硝酸0.1gを加え、30分間撹拌混合を続けた後、ト
リデカフルオロオクチルトリメトキシシラン〔CF
3(CF25CH2CH2Si(OCH33〕10.9g
を加え、均一に混合した。ブチルセロソルブ75gを加
えることにより、4重量%のSiO2 濃度を有するポリ
シロキサンの溶液(L−8)を調製した。
【0035】実施例5 上記(L−1)から(L−8)のポリシロキサン溶液
を、ガラス製容器中密閉下、23℃で3ヶ月にわたって
放置した。その間溶液に発生する濁り、沈殿などの有無
を観察し、第1表に記載の結果を得た。同表中、○印は
上記放置の3ヶ月時点で変化が全く認められなかったこ
とを、△印は上記放置の1ヶ月時点で白濁を生じたこと
を、そして×印は上記放置の2週間以内に白濁が生じた
ことをそれぞれ表す。(L−6)は7日で白色沈殿を、
(L−7)は溶液の調製時に白濁を、そして(L−8)
は7日で白濁を生じた。同表には、溶液の調製に用いら
れた珪素化合物(A)の量に対する珪素化合物(B)の
量をモル比で示した。
【0036】
【表1】 第 1 表 溶 液 モ ル 比 安定性 成膜性 L−1 0.11 ○ ○ L−2 0.11 ○ ○ L−3 0.11 ○ ○ L−4 0.25 ○ ○ L−5 0.11 △ ○ L−6 0.11 × △ L−7 0.25 × ×L−8 0.25 × △ 第1表に記載の結果は、実施例のポリシリキサンの溶液
はいずれも良好であるのに対して、比較例の加水分解法
で調製された(L−5)〜(L−6)のポリシロキサン
の溶液はいずれも安定性に乏しいことを示している。
【0037】実施例6 インジウム−錫酸化物(ITO)の導電材料とこれを覆
っているガラス板からなる電極基板の当該ガラス板上
に、上記(L−1)から(L−8)のポリシロキサン溶
液をスピンコーターで塗布し、次いで80℃で乾燥する
ことにより、当該ガラス板上に塗膜を形成させ、塗膜表
面を観察してこれら溶液の成膜性をテストした。その結
果は第1表に記載されている。同表中、○印は均一な塗
膜であることを、△印は塗膜に部分的にピンホールが発
生したことを、そして×印は塗膜にはじきが発生したこ
とをそれぞれ示す。
【0038】第1表の結果は、比較例の(L−6)〜
(L−8)のポリシロキサンの溶液は、十分な安定性を
有しないばかりか、成膜性も十分でないことを示してい
る。 実施例7 実施例6のテストの後、塗膜を第2表に記載の温度で6
0分加熱することにより、電極基板上に熱硬化膜を形成
させた。
【0039】次いで、上記熱硬化膜を有する面を内側に
して、50μmのスペーサーを挟んで2枚の電極基板を
張り合わせた後、これによって形成された内部空隙にメ
ルク社製ZLI−4792の商品名が付された液晶を注
入し封ずることにより液晶表示セルを作製した。作製し
たセルを偏光顕微鏡下クロスニコル状態で観察し、顕微
鏡視野のアイソジャイヤー状態を観察することにより液
晶の垂直配向性をテストした。更に、この垂直配向性
は、セルに100℃で10分間加熱処理を施した後も同
様にテストした。
【0040】別途、上記同様にして作製したセルに偏光
板を張り合わせ、セルの透過光の状態を目視観察するこ
とにより液晶の配向性をテストした。この配向性は、1
00℃で10分間加熱処理を施した後も同様にテストし
た。これらテスト結果は、第2表に示されている。同表
中、垂直配向性について○印は、明瞭なアイソジャイヤ
ーが観察され、セルの液晶は良好な垂直配向性を示すこ
と、△印はアイソジャイヤーの中心のずれが観察され、
セルの液晶は若干弱い垂直配向性を示すこと、そして×
印はアイソジャイヤーが観察されず、セルの液晶は垂直
配向性を示さないことをそれぞれ表す。また、同表中、
配向性について○印は、セルの液晶は均一な配向性を示
すこと、△印はセルの液晶は若干乱れた配向を示すこ
と、そして×はセルの液晶は配向性を示さないことをそ
れぞれ表す。
【0041】
【表2】 第 2 表 用いた溶液 熱硬化温度 垂直配向性 配向性 (℃) 熱処理前 熱処理後 熱処理前 熱処理後 L−1 180 ○ ○ ○ ○ L−1 300 ○ ○ ○ ○ L−1 450 △ △ ○ ○ L−2 180 ○ ○ ○ ○ L−3 180 ○ ○ ○ ○ L−4 180 ○ ○ ○ ○ L−5 180 × × × × L−6 180 ○ △ △ × L−7 180 △ △ × × L−8 180 ○ ○ △ △ 第2表に記載の結果は、実施例の(L−1)の溶液を使
用しても、450℃の温度で熱硬化膜を形成させると、
この膜の液晶垂直配向性は十分でないことを示してい
る。そして比較例の(L−5)〜(L−8)のポリシロ
キサンの溶液は、垂直配向性、配向性なども十分でない
ことを示している。
【0042】
【発明の効果】 本発明によれば、原料を混合して一度
の加熱処理を行うのみで、効率よく塗布液を調製するこ
とができ、そしてこの塗布液は常温で3ヶ月以上、好ま
しいものでは6ヶ月以上も安定であるから工業製品とし
て供給することができる。この塗布液は、従来から使用
されている電極基板に適用することができる。そしてこ
の塗布液を電極基板に塗布し、要すれば乾燥した後熱硬
化させるのみで簡便に電極基板上に液晶垂直配向膜を形
成させることができる。
【0043】本発明の液晶配向膜は、優れた液晶垂直配
向性と配向の均一性を示し、加熱してもその性能が劣化
しない耐久性を有する。またこの形成された配向膜の表
面に、必要に応じて、ナイロン、綿、レーヨンなどから
つくられた布で擦るいわゆるラビング処理を施すことに
よって、更に垂直配向性の良い膜を形成させることがで
きる。
【0044】本発明の液晶配向膜は、従来から使用され
ている種々の液晶に対して有効である。そして本発明の
塗布液は、従来から採用されている液晶表示セルの製造
方法に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細谷 猛 千葉県船橋市坪井町722番地1 日産化学 工業株式会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) Si(OR)4 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (1) (但し、Rは1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を
    表す。)で示される珪素化合物(A)と、下記一般式
    (2) R1 Si(OR)3 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2) (但し、R1 は、3〜20個の炭素原子を有する非置換
    の若しくはフッ素原子置換基を有するアルキル基を表
    し、そしてRは、上記と同じである。)で示される珪素
    化合物(B)と、下記一般式(3) R2 CH2 OH ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (3) (但し、R2 は、水素原子又は1〜12個の炭素原子を
    有する非置換の若しくは置換基を有するアルキル基を表
    す。)で示されるアルコール(C)と、蓚酸(D)と
    を、珪素化合物(A)1モルに対して珪素化合物(B)
    0.05〜0.43モルの比率に、珪素化合物(A)と
    珪素化合物(B)に含まれる全アルコキシ基1モルに対
    してアルコール(C)0.5〜100モルの比率に、そ
    して珪素化合物(A)と珪素化合物(B)に含まれる全
    アルコキシ基1モルに対して蓚酸(D)0.2〜2モル
    の比率に含有する反応混合物を形成させ、そしてこの反
    応混合物を、 その中の珪素原子から換算された0.5〜
    10重量%のSiO2 濃度に維持すると共に水の不存在
    を維持しながら、当該反応混合物中珪素化合物(A)及
    び珪素化合物(B)の全残存量が5モル%以下となるま
    で、50〜180℃で加熱することにより、これにより
    生じたポリシロキサンの溶液を生成させ、次いで当該ポ
    リシロキサンの溶液を含有する塗布液を電極基板表面に
    塗布し、そしてこの塗布により得られた塗膜を80〜4
    00℃で熱硬化させることを特徴とする当該電極基板表
    面上にこれに密着した液晶垂直配向膜を形成させる方
    法。
  2. 【請求項2】 下記一般式(1) Si(OR)4 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (1) (但し、Rは1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を
    表す。)で示される珪素化合物(A)と、下記一般式
    (2) R1 Si(OR)3 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2) (但し、R1 は、3〜20個の炭素原子を有する非置換
    の若しくはフッ素原子置換基を有するアルキル基を表
    し、そしてRは、上記と同じである。)で示される珪素
    化合物(B)と、下記一般式(3) R2 CH2 OH ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (3) (但し、R2 は、水素原子又は1〜12個の炭素原子を
    有する非置換の若しくは置換基を有するアルキル基を表
    す。)で示されるアルコール(C)と、蓚酸(D)と
    を、珪素化合物(A)1モルに対して珪素化合物(B)
    0.05〜0.43モルの比率に、珪素化合物(A)と
    珪素化合物(B)に含まれる全アルコキシ基1モルに対
    してアルコール(C)0.5〜100モルの比率に、そ
    して珪素化合物(A)と珪素化合物(B)に含まれる全
    アルコキシ基1モルに対して蓚酸(D)0.2〜2モル
    の比率に含有する反応混合物を形成させ、そしてこの反
    応混合物を、 その中の珪素原子から換算された0.5〜
    10重量%のSiO2 濃度に維持すると共に水の不存在
    を維持しながら、当該反応混合物中珪素化合物(A)及
    び珪素化合物(B)の全残存量が5モル%以下となるま
    で、50〜180℃で加熱することにより得られたポリ
    シロキサンの溶液を含有する、電極基板表面上に液晶垂
    直配向膜を形成させるための塗布液。
  3. 【請求項3】 下記一般式(1) Si(OR)4 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (1) (但し、Rは1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を
    表す。)で示される珪素化合物(A)と、下記一般式
    (2) R1 Si(OR)3 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2) (但し、R1 は、3〜20個の炭素原子を有する非置換
    の若しくはフッ素原子置換基を有するアルキル基を表
    し、そしてRは、上記と同じである。)で示される珪素
    化合物(B)と、下記一般式(3) R2 CH2 OH ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (3) (但し、R2 は、水素原子又は1〜12個の炭素原子を
    有する非置換の若しくは置換基を有するアルキル基を表
    す。)で示されるアルコール(C)と、蓚酸(D)と
    を、珪素化合物(A)1モルに対して珪素化合物(B)
    0.05〜0.43モルの比率に、珪素化合物(A)と
    珪素化合物(B)に含まれる全アルコキシ基1モルに対
    してアルコール(C)0.5〜100モルの比率に、そ
    して珪素化合物(A)と珪素化合物(B)に含まれる全
    アルコキシ基1モルに対して蓚酸(D)0.2〜2モル
    の比率に含有する反応混合物を形成させ、そしてこの反
    応混合物を、 その中の珪素原子から換算された0.5〜
    10重量%のSiO2 濃度に維持すると共に水の不存在
    を維持しながら、当該反応混合物中珪素化合物(A)及
    び珪素化合物(B)の全残存量が5モル%以下となるま
    で、50〜180℃で加熱することからなる、電極基板
    表面上に液晶垂直配向膜を形成させるための塗布液の製
    造方法。
JP1215897A 1996-02-16 1997-01-27 液晶垂直配向膜の形成方法 Expired - Lifetime JP3757514B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1215897A JP3757514B2 (ja) 1996-02-16 1997-01-27 液晶垂直配向膜の形成方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-28962 1996-02-16
JP2896296 1996-02-16
JP1215897A JP3757514B2 (ja) 1996-02-16 1997-01-27 液晶垂直配向膜の形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09281502A true JPH09281502A (ja) 1997-10-31
JP3757514B2 JP3757514B2 (ja) 2006-03-22

Family

ID=26347733

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1215897A Expired - Lifetime JP3757514B2 (ja) 1996-02-16 1997-01-27 液晶垂直配向膜の形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3757514B2 (ja)

Cited By (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005250244A (ja) * 2004-03-05 2005-09-15 Jsr Corp 液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子
US7211522B2 (en) 2001-04-24 2007-05-01 Nissan Chemical Industries, Ltd. Method of forming thick silica-based film
JP2007148099A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Nitto Denko Corp ポジティブcプレートの製造方法及びポジティブcプレート、そのポジティブcプレートを用いた液晶パネル及び液晶表示装置
WO2007102513A1 (ja) * 2006-03-07 2007-09-13 Nissan Chemical Industries, Ltd. 珪素系液晶配向剤、液晶配向膜並びにそれらの製造方法
JP2007328251A (ja) * 2006-06-09 2007-12-20 Seiko Epson Corp 液晶装置用基板、液晶装置用基板の製造方法、液晶装置
WO2009025388A1 (ja) 2007-08-21 2009-02-26 Jsr Corporation 液晶配向剤、液晶配向膜の製造方法および液晶表示素子
WO2009096598A1 (ja) 2008-01-30 2009-08-06 Jsr Corporation 液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子
WO2010074261A1 (ja) * 2008-12-25 2010-07-01 日産化学工業株式会社 インクジェット塗布用液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
WO2010074264A1 (ja) * 2008-12-26 2010-07-01 日産化学工業株式会社 インクジェット塗布用液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
KR20100109474A (ko) 2009-03-31 2010-10-08 제이에스알 가부시끼가이샤 액정 배향제, 액정 배향막의 형성 방법 및 액정 표시 소자
KR20110132513A (ko) 2010-06-02 2011-12-08 제이에스알 가부시끼가이샤 액정 배향제, 액정 배향막, 액정 배향막의 형성 방법, 액정 표시 소자 및 폴리오르가노실록산 화합물
KR20120003389A (ko) 2010-07-02 2012-01-10 제이에스알 가부시끼가이샤 액정 배향제, 액정 표시 소자 및 그의 형성 방법
KR20120023726A (ko) 2009-05-01 2012-03-13 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 규소계 액정 배향제, 액정 배향막 및 액정 표시 소자
US8216649B2 (en) 2007-08-21 2012-07-10 Jsr Corporation Liquid crystal aligning agent, method of producing a liquid crystal alignment film and liquid crystal display device
KR20130062871A (ko) 2011-12-05 2013-06-13 제이에스알 가부시끼가이샤 디스플레이용 재료, 액정 배향제, 액정 배향막의 형성 방법, 액정 표시 소자의 제조 방법
KR20140009375A (ko) 2011-02-24 2014-01-22 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 규소계 액정 배향제, 액정 배향막 및 액정 표시 소자
KR20140035959A (ko) 2011-05-27 2014-03-24 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 규소계 액정 배향제, 액정 배향막 및 액정 표시 소자
KR20140095555A (ko) 2011-11-17 2014-08-01 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 규소계 액정 배향제, 액정 배향막 및 액정 표시 소자
KR20140100879A (ko) 2013-02-07 2014-08-18 제이에스알 가부시끼가이샤 액정 배향제, 액정 배향막 그리고 액정 표시 소자 및 그의 제조 방법
KR20150052120A (ko) 2012-08-30 2015-05-13 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 액정 배향 처리제 및 그것을 사용한 액정 표시 소자
KR20150054652A (ko) 2013-11-11 2015-05-20 제이에스알 가부시끼가이샤 액정 배향제, 액정 배향막, 액정 배향막의 제조 방법, 액정 표시 소자 및 액정 표시 소자의 제조 방법
KR20150109257A (ko) 2014-03-19 2015-10-01 제이에스알 가부시끼가이샤 액정 배향제, 액정 배향막 및 액정 표시 소자
KR20160018597A (ko) 2013-06-06 2016-02-17 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 알콕시실란 화합물, 액정 배향제, 액정 배향막 및 액정 표시 소자
KR20190102074A (ko) 2017-03-07 2019-09-02 제이에스알 가부시끼가이샤 액정 배향제, 액정 배향막, 액정 소자 및 폴리오르가노실록산
JP2020122154A (ja) * 2013-05-13 2020-08-13 日産化学株式会社 横電界駆動型液晶表示素子用液晶配向膜を有する基板の製造方法

Cited By (36)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7211522B2 (en) 2001-04-24 2007-05-01 Nissan Chemical Industries, Ltd. Method of forming thick silica-based film
US7491651B2 (en) 2001-04-24 2009-02-17 Nissan Chemical Industries, Ltd. Method of forming thick silica-based film
KR101067163B1 (ko) * 2004-03-05 2011-09-22 제이에스알 가부시끼가이샤 액정 배향제, 액정 배향막 및 액정 표시 소자
JP2005250244A (ja) * 2004-03-05 2005-09-15 Jsr Corp 液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子
JP4513950B2 (ja) * 2004-03-05 2010-07-28 Jsr株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子
JP2007148099A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Nitto Denko Corp ポジティブcプレートの製造方法及びポジティブcプレート、そのポジティブcプレートを用いた液晶パネル及び液晶表示装置
KR101364921B1 (ko) * 2006-03-07 2014-02-19 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 규소계 액정 배향제, 액정 배향막 그리고 그들의 제조 방법
JPWO2007102513A1 (ja) * 2006-03-07 2009-07-23 日産化学工業株式会社 珪素系液晶配向剤、液晶配向膜並びにそれらの製造方法
JP5593611B2 (ja) * 2006-03-07 2014-09-24 日産化学工業株式会社 珪素系液晶配向剤、液晶配向膜並びにそれらの製造方法
TWI411854B (zh) * 2006-03-07 2013-10-11 Nissan Chemical Ind Ltd A silica-based liquid crystal alignment agent, a liquid crystal alignment film, and the like
WO2007102513A1 (ja) * 2006-03-07 2007-09-13 Nissan Chemical Industries, Ltd. 珪素系液晶配向剤、液晶配向膜並びにそれらの製造方法
JP4685713B2 (ja) * 2006-06-09 2011-05-18 セイコーエプソン株式会社 液晶装置用基板の製造方法
JP2007328251A (ja) * 2006-06-09 2007-12-20 Seiko Epson Corp 液晶装置用基板、液晶装置用基板の製造方法、液晶装置
US8216649B2 (en) 2007-08-21 2012-07-10 Jsr Corporation Liquid crystal aligning agent, method of producing a liquid crystal alignment film and liquid crystal display device
US8399068B2 (en) 2007-08-21 2013-03-19 Jsr Corporation Liquid crystal aligning agent, method of producing a liquid crystal alignment film and liquid crystal display device
WO2009025388A1 (ja) 2007-08-21 2009-02-26 Jsr Corporation 液晶配向剤、液晶配向膜の製造方法および液晶表示素子
US8496849B2 (en) 2008-01-30 2013-07-30 Jsr Corporation Liquid crystal aligning agent, liquid crystal alignment film and liquid crystal display device
WO2009096598A1 (ja) 2008-01-30 2009-08-06 Jsr Corporation 液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子
KR20110104535A (ko) 2008-12-25 2011-09-22 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 잉크젯 도포용 액정 배향제, 액정 배향막 및 액정 표시 소자
WO2010074261A1 (ja) * 2008-12-25 2010-07-01 日産化学工業株式会社 インクジェット塗布用液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
WO2010074264A1 (ja) * 2008-12-26 2010-07-01 日産化学工業株式会社 インクジェット塗布用液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
KR20100109474A (ko) 2009-03-31 2010-10-08 제이에스알 가부시끼가이샤 액정 배향제, 액정 배향막의 형성 방법 및 액정 표시 소자
KR20120023726A (ko) 2009-05-01 2012-03-13 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 규소계 액정 배향제, 액정 배향막 및 액정 표시 소자
KR20110132513A (ko) 2010-06-02 2011-12-08 제이에스알 가부시끼가이샤 액정 배향제, 액정 배향막, 액정 배향막의 형성 방법, 액정 표시 소자 및 폴리오르가노실록산 화합물
KR20120003389A (ko) 2010-07-02 2012-01-10 제이에스알 가부시끼가이샤 액정 배향제, 액정 표시 소자 및 그의 형성 방법
KR20140009375A (ko) 2011-02-24 2014-01-22 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 규소계 액정 배향제, 액정 배향막 및 액정 표시 소자
KR20140035959A (ko) 2011-05-27 2014-03-24 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 규소계 액정 배향제, 액정 배향막 및 액정 표시 소자
KR20140095555A (ko) 2011-11-17 2014-08-01 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 규소계 액정 배향제, 액정 배향막 및 액정 표시 소자
KR20130062871A (ko) 2011-12-05 2013-06-13 제이에스알 가부시끼가이샤 디스플레이용 재료, 액정 배향제, 액정 배향막의 형성 방법, 액정 표시 소자의 제조 방법
KR20150052120A (ko) 2012-08-30 2015-05-13 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 액정 배향 처리제 및 그것을 사용한 액정 표시 소자
KR20140100879A (ko) 2013-02-07 2014-08-18 제이에스알 가부시끼가이샤 액정 배향제, 액정 배향막 그리고 액정 표시 소자 및 그의 제조 방법
JP2020122154A (ja) * 2013-05-13 2020-08-13 日産化学株式会社 横電界駆動型液晶表示素子用液晶配向膜を有する基板の製造方法
KR20160018597A (ko) 2013-06-06 2016-02-17 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 알콕시실란 화합물, 액정 배향제, 액정 배향막 및 액정 표시 소자
KR20150054652A (ko) 2013-11-11 2015-05-20 제이에스알 가부시끼가이샤 액정 배향제, 액정 배향막, 액정 배향막의 제조 방법, 액정 표시 소자 및 액정 표시 소자의 제조 방법
KR20150109257A (ko) 2014-03-19 2015-10-01 제이에스알 가부시끼가이샤 액정 배향제, 액정 배향막 및 액정 표시 소자
KR20190102074A (ko) 2017-03-07 2019-09-02 제이에스알 가부시끼가이샤 액정 배향제, 액정 배향막, 액정 소자 및 폴리오르가노실록산

Also Published As

Publication number Publication date
JP3757514B2 (ja) 2006-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09281502A (ja) 液晶垂直配向膜の形成方法
US5766673A (en) Process for forming a liquid crystal vertical alignment film
JP4032185B2 (ja) 低屈折率及び撥水性を有する被膜
KR101419962B1 (ko) 규소계 액정 배향제 및 액정 배향막
JP5019014B2 (ja) 反射防止膜及び反射防止膜の形成方法並びに反射防止ガラス
JP5593611B2 (ja) 珪素系液晶配向剤、液晶配向膜並びにそれらの製造方法
JP4435423B2 (ja) 抗磨耗コーティング組成物およびその製造方法、ならびにその組成物でコートされた部材
KR101647537B1 (ko) 규소계 액정 배향제, 액정 배향막 및 액정 표시 소자
JP5578074B2 (ja) ケイ素系液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
JP5459229B2 (ja) インクジェット塗布用液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
EP0776925A2 (en) Coating film having water repellency and low refractive index
TWI299746B (ja)
TW200530350A (en) Water repellent coating film having low refractive index
JP5716673B2 (ja) ケイ素系液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
KR20140134867A (ko) 저반사특성을 갖는 내오염성 코팅용액 조성물 및 그 제조방법
KR101049550B1 (ko) 액정 배향제, 이를 포함하는 액정 배향막, 및 이를 포함하는 액정 표시 장치
JP4055459B2 (ja) シリカ系被膜及びその形成方法、並びに、シリカ系被膜を形成するための塗布液及びその製造方法
JP6383983B2 (ja) 金属酸化物膜形成用組成物及び金属酸化物膜
JP5999084B2 (ja) ケイ素系液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051219

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090113

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100113

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110113

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110113

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120113

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130113

Year of fee payment: 7

EXPY Cancellation because of completion of term