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JPH09278926A - ガス透過性フィルム - Google Patents

ガス透過性フィルム

Info

Publication number
JPH09278926A
JPH09278926A JP8775396A JP8775396A JPH09278926A JP H09278926 A JPH09278926 A JP H09278926A JP 8775396 A JP8775396 A JP 8775396A JP 8775396 A JP8775396 A JP 8775396A JP H09278926 A JPH09278926 A JP H09278926A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
alginic acid
gas
water
aqueous solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8775396A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironori Takechi
博憲 武知
Toshio Nonomura
俊夫 野々村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokushima Prefecture
Original Assignee
Tokushima Prefecture
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokushima Prefecture filed Critical Tokushima Prefecture
Priority to JP8775396A priority Critical patent/JPH09278926A/ja
Publication of JPH09278926A publication Critical patent/JPH09278926A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な方法でガスの透気度を調整する。廃棄
処理を簡素化する。 【解決手段】 ガス透過性フィルムは、アルギン酸と水
溶性化合物とを含む水溶液で皮膜を形成し、この皮膜を
カルシウム塩等の多価金属塩の水溶液に接触させてアル
ギン酸を不溶化させアルギン酸凝固フィルムとし、不溶
化したアルギン酸凝固フィルムを水洗して水溶性化合物
を溶解し、溶解される水溶性化合物でガス透気度を調整
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として、青果物
や加工食品等を高品質な状態に保存するのに使用される
ガス透過性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ガス透気度を調整できるフィルムは、種
々の用途に使用されて、包装される物品の環境を最適な
状態に制御できる。たとえば、青果物等の包装に使用す
ると、高品質な状態に保存できる。青果物の呼吸作用等
を抑制して、外的な環境を理想に近付けられるからであ
る。青果物は、収穫された後も呼吸し、水分を蒸散し、
さらにその他の化学的、生理的な生活作用をしている。
青果物は、糖や有機酸を分解して呼吸し、生命活動を維
持するための化学エネルギーを獲得している。呼吸作用
が活発になると、糖や有機酸が消耗されて味が低下す
る。このため、高品質に保存して包装するには、呼吸作
用を理想的な状態に制御する必要がある。さらに、植物
は、気体ホルモンのエチレンを放出しながら熟成する。
植物から放出されたエチレンは、植物の熟成を促進させ
る。このため、エチレン量を最適値に制御することも大
切である。
【0003】青果物を日持ちさせるために、梱包容器の
環境を鮮度保持に適した環境とするMA(Modified Atm
osphere)包装が開発されている。MA包装に使用され
る包装材として、たとえば、ダンボール紙の表面に、ア
ルミ箔やプラスチックフィルム等のフィルム層を積層し
て、ガス透気度を調整する技術が開発されている。プラ
スチックフィルムを接着したダンボール紙は、プラスチ
ックフィルムによって炭酸ガスや酸素の透過が抑制され
て、梱包容器内の環境を青果物の鮮度保持に最適な環境
にできる。
【0004】たとえば、菜の花を梱包する容器は、容器
内部の炭酸ガス濃度を5%に、酸素濃度を約2〜3%に
保持することによって高鮮度に保持できる。ダンボール
紙に張設されるプラスチックフィルムには、保存環境を
以上の範囲に制御できるガス透過性が要求される。菜の
花の場合、プラスチックフィルムのガスの透過率が高す
ぎると、2〜3日で花が咲いて商品価値がなくなってし
まう。菜の花は花が咲くと商品にならないからである。
反対にガスの透過率が低すぎると、梱包容器の内部で蒸
れて腐ってしまう。このため、ガスの透過率は大きすぎ
ても、小さすぎても梱包容器の内部環境を鮮度保持に最
適な環境とすることがでず、高品質なMA包装とはなら
ない。菜の花に限らず、他の青果物も同じような傾向が
あり、MA包装として快適なガス透過性が要求される。
【0005】ガス透気度を調整するプラスチックフィル
ムは、たとえば、下記の〜の公報に記載される。 特開平6−165636号公報 特開平6−209701号公報 特開平6−248100号公報 特開平7−102081号公報
【0006】、、の公報には、有孔フィルムある
いはポリメチルペンテンフィルムに、無孔の樹脂層を積
層して、フィルム全体の酸素や二酸化炭素等のガス透気
度を調整するフィルムが記載される。さらに、の公報
には、EEA、4MIPおよび不飽和カルボン酸変性ポ
リオレフィンの混合物を使用して、包装雰囲気の酸素、
炭酸ガス濃度を最適にする方法が記載される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これ等のプラスチック
フィルムは、ガスの透過率を調整できるが、廃棄コスト
が高くなる欠点がある。焼却すると焼却炉の損傷が大き
いからである。さらに、ガス透気度を調整できるプラス
チックフィルムは、段ボール箱に接着すると、段ボール
箱を有効に再利用できなくなる欠点もある。段ボール箱
に接着したプラスチックフィルムが、ダンボール紙のリ
サイクルを阻害するからである。プラスチックフィルム
の接着されたダンボール紙は、これを紙パルプに再生し
て、ダンボール紙として再利用できない。
【0008】さらに、プラスチックフィルムは、簡単な
製造装置では製造できない。高価な成形機を使用して製
造する必要がある。また、ガス透気度の調整されたプラ
スチックフィルムは、たとえば段ボール箱等に接着して
使用される用途にあっては、段ボール箱に接着するのに
手間がかかる欠点もある。
【0009】本発明は、このような欠点を解決すること
を目的に開発されたものである。本発明の重要な目的
は、簡単かつ容易に理想的な状態にガスの透気度を調整
でき、しかも高価な製造装置を使用しないで製造できる
ガス透過性フィルムを提供することにある。さらに、本
発明の他の大切な目的は、廃棄処理を簡素化できると共
に、必要ならば接着された段ボール箱等を有効に再利用
できるガス透過性フィルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のガス透過性フィ
ルムは、アルギン酸と水溶性化合物とを含む水溶液で皮
膜を形成し、この皮膜をカルシウム塩等の多価金属塩の
水溶液に接触させてアルギン酸を不溶化させアルギン酸
凝固フィルムとし、不溶化したアルギン酸凝固フィルム
を水洗して水溶性化合物を溶解し、溶解される水溶性化
合物でガス透気度を調整することを特徴とする。
【0011】皮膜を形成するアルギン酸を含む水溶液
は、アルギン酸を酸やアルカリに溶解させた水溶液、水
にアルギン酸ナトリウムやアルギン酸カリウムやアルギ
ン酸アンモニウム等のアルギン酸塩を溶解させた水溶液
が使用できる。
【0012】アルギン酸に添加される水溶性化合物に
は、プルランやデンプン等の天然多糖類、シュークロー
ス、グルコース、オリゴ糖(サイクロデキストリン)、
ポリビニルアルコール、アルギン酸をゲル化させない1
価の塩類等が使用される。
【0013】さらに、多価金属塩には、塩化カルシウ
ム、塩化バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸亜鉛、硫酸
銅、塩化ストロンチウム等の金属塩が使用される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態
は、本発明の技術思想を具体化するためのガス透過性フ
ィルムを例示するものであって、本発明はガス透過性フ
ィルムを下記のものに特定しない。
【0015】本発明のガス透過性フィルムは、アルギン
酸と水溶性化合物を含む水溶液で皮膜を形成し、この皮
膜をカルシウム塩等の多価金属塩で凝固させて、不溶化
されたアルギン酸凝固フィルムとし、アルギン酸凝固フ
ィルムを水洗してガス透気度を調整する。アルギン酸と
水溶性化合物とを含む水溶液は、たとえば、段ボール箱
や食品等の被コーティング物の表面に塗布して皮膜と
し、あるいは、スリットから多価金属塩の水溶液中に押
し出して皮膜とする。
【0016】被コーティング物に塗布される皮膜は、ア
ルギン酸の濃度で調整できる。アルギン酸を含む水溶液
は、アルギン酸の濃度を高くすると粘度も高くなる。粘
度の高いアルギン酸を含む水溶液を使用すると、被コー
ティング物の表面に付着される膜厚が厚くなる。たとえ
ば、アルギン酸ナトリウムの水溶液は、濃度を高くする
と粘度も高くなるので、被コーティング物を濃度の高い
アルギン酸ナトリウムの水溶液に浸漬して、厚い皮膜を
形成し、あるいは、アルギン酸を含む水溶液を噴霧し
て、被コーティング物の表面に厚い皮膜を形成する。
【0017】アルギン酸を含む水溶液の被覆する膜厚
は、用途によって最適値に調整される。ガス透気度の低
いガス透過性フィルム、いいかえると、ガスの透過しや
すいガス透過性フィルムは、アルギン酸の水溶液の濃度
を低くして、皮膜を薄くする。アルギン酸を含む水溶液
の濃度は、アルギン酸の種類によって一定でないが、た
とえば、アルギン酸ナトリウムは、濃度を0.5wt%
〜6wt%、好ましくは1〜5wt%の範囲に設定され
る。
【0018】さらに、本発明のガス透過性フィルムは、
アルギン酸の水溶液に水溶性化合物を添加して、ガス透
気度を調整している。水溶性化合物の添加量を多くする
と、ガス透過性フィルムはガス透気度を小さく、いいか
えると、ガスの透過しやすいフィルムとなる。アルギン
酸は凝固するが、水溶性化合物は凝固しないので、アル
ギン酸を凝固させた状態で、水洗して水溶性化合物を除
去し、水溶性化合物の部分にガスを透過させる微細孔を
設けることができるからである。
【0019】
【実施例】
[実施例1]下記の工程でガス透過性フィルムを製造す
る。 1wt%のアルギン酸と、1wt%のプルランを含
む水溶液を、5×5cmの段ボールライナーの片面にに
塗布し、段ボールライナーの表面にアルギン酸とプルラ
ンを含む水溶液の皮膜、膜厚500μmを形成する。 段ボールライナーの表面に塗布されたアルギン酸と
プルランの水溶液に、5wt%の塩化カルシウム水溶液
を散布して、アルギン酸を凝固させる。その後、アルギ
ン酸凝固フィルムを水洗して、水溶性化合物を溶解させ
てガス透気度を調整する。 段ボールライナーの表面で凝固してガス透気度の調
整されたガス透過性フィルムのガス透気度を測定する。
ただし、ガス透気度は、ガス透気度を70秒とする段ボ
ールライナーにコーティングフィルムを積層した状態で
測定した。
【0020】以上の工程で製造されたガス透過性フィル
ムのガス透気度を測定すると、250秒となった。ただ
し、ガス透気度はJISP8117に準じて、20℃、
65%の条件で行った。ガス透気度の試験には株式会社
東洋精機製作所のB型ガーレ式デンソメータを使用し
た。
【0021】さらに、アルギン酸とプルランの濃度を変
更してガス透気度を製作すると、図1〜図3に示すよう
に、ガス透過性フィルムのガス透気度は変化した。アル
ギン酸に対する水溶性化合物の添加量を多くすると、ガ
ス透過性フィルムのガス透気度は低下した。図1はアル
ギン酸ナトリウム75重量部に対して、25重量部の水
溶性化合物であるプルランを添加したガス透過性フィル
ム、図2はアルギン酸ナトリウム50重量部に対して5
0重量部のプルランを添加したガス透過性フィルム、図
3はアルギン酸ナトリウム25重量部に対して75重量
部のプルランを添加したガス透過性フィルムのガス透気
度を示す。これ等の図において横軸は、アルギン酸ナト
リウムと水溶性化合物であるプルランの加算された添加
物の濃度を示している。
【0022】図1〜図3に示すように、水溶性化合物と
して添加する天然多糖類であるプルランの添加量を多く
するにしたがって、ガス透過性フィルムのガス透気度は
低下する。さらに、アルギン酸ナトリウムとプルランの
濃度が高くなると、ガス透過性フィルムのガス透気度は
高くなる。さらに、これ等の図において、□印は水洗し
ないアルギン酸凝固フィルムのガス透気度を、○印は水
洗したアルギン酸凝固フィルムのガス透気度を示す。水
溶性化合物であるプルランの添加されたアルギン酸凝固
フィルムは、水洗することによって、○印で示すよう
に、ガス透気度が低下して、ガスが透過しやすくなる。
【0023】[実施例2]ガス透過性フィルムのガス透
気度は、アルギン酸を含む水溶液を凝固させる多価金属
塩の種類によって変化する。たとえば、1wt%のアル
ギン酸ナトリウムと、1wt%のプルランを添加した水
溶液を、下記の、、、の多価金属塩で凝固させ
ると、ガス透過性フィルムのガス透気度は、下記のよう
になった。ただし、多価金属塩の濃度は5wt%とし、
実施例1と同じ方法でガス透過性フィルムを製作した。
【0024】 硫酸銅………………………270秒 塩化ストロンチウム………290秒 塩化バリウム………………240秒 硫酸アルミニウム…………130秒
【0025】[実施例3]さらに、ガス透過性フィルム
のガス透気度は、アルギン酸に添加する水溶性化合物の
種類によっても変化する。たとえば、1wt%のアルギ
ン酸ナトリウムに添加する水溶性化合物に、下記の、
、、の水溶性化合物を使用し、アルギン酸と水溶
性化合物を含む水溶液を、5wt%の塩化カルシウム水
溶液に浸漬してアルギン酸を凝固させたガス透過性フィ
ルムは、ガス透気度が、下記のようになった。ただし、
水溶性化合物の添加量は、1wt%とし、実施例1と同
じ方法でガス透過性フィルムを製作した。
【0026】 デンプン……………………280秒 シュークロース……………110秒 サイクロデキストリン……230秒 塩化ナトリウム………………90秒
【0027】以上のことから、本発明のガス透過性フィ
ルムは、アルギン酸を含む水溶液に添加する水溶性化合
物の添加量や種類、さらに、多価金属塩の種類を調整し
て、ガス透気度を最適な値に調整できる。
【0028】本発明のガス透過性フィルムを、食品の表
面に直接に被覆して、その保存状態を観察すると下記の
ようになった。
【0029】[実施例4] 1wt%アルギン酸ナトリウムと、1wt%のプル
ランを溶解させた水溶液にスダチを浸漬して取り出し、
その全面に水溶液の皮膜を形成する。スダチをアルギン
酸とプルランの水溶液を浸漬する方法は、最も簡単に、
アルギン酸とプルランの水溶液の皮膜をスダチの表面に
形成できる。ただ、スダチの表面に、アルギン酸とプル
ランの水溶液を噴霧して皮膜を形成することもできる。 アルギン酸ナトリウムとプルランの水溶液で被覆し
たスダチを、5wt%塩化カルシウム水溶液に浸漬し
て、アルギン酸を3分間凝固させる。アルギン酸は、ナ
トリウムの一部がカルシウムに置換されて凝固し、不溶
化したアルギン酸凝固フィルムとなる。 スダチを塩化カルシウム水溶液から取り出して、水
洗する。この工程で、アルギン酸凝固フィルムに含まれ
るプルランが溶解されて、ガス透気度が調整される。そ
の後、乾燥してガス透過性フィルムとする。
【0030】以上のようにして、表面をガス透過性フィ
ルムで被覆したスダチを、温度25℃、湿度60%で5
日保存すると、表1に示す結果となった。
【0031】
【表1】
【0032】この表から明かなように、表面をガス透過
性フィルムで被覆しているスダチは、5日経過後におい
ても緑色が変色せず、また、黴が発生したものもなかっ
た。これに対して、表面をガス透過性フィルムで被覆し
ない無処理のスダチは、5日経過すると35個とほとん
どのものが黄色に変色し、6個は表面に黴が発生した。
【0033】[実施例5]ガス透過性フィルムで被覆し
たスダチをミカンに変更する以外、実施例4と同様にし
て、ミカンの表面をガス透過性フィルムで被覆した。こ
の方法で処理されたミカンは、ガス透気度の調整された
コーティングフィルムで全面が被覆される。
【0034】以上のようにして、表面全体をコーティン
グフィルムで被覆したミカンは、温度25℃、湿度60
%で30日保存しても、表面に黴が発生したものはなか
った。
【0035】[実施例6]食品をスダチからバナナに変
更する以外、実施例4と同様にして、バナナの表面全体
をガス透過性フィルムで被覆する。この方法で処理され
たバナナは、水溶性化合物でガス透気度の調整されたガ
ス透過性フィルムで全面が被覆される。このようにし
て、表面全体をガス透過性フィルムで被覆したバナナ
は、温度25℃、湿度60%で5日保存して、黒茶色領
域が従来の保存方法に比べて極めて少なくなった。表面
をガス透過性フィルムで被覆しないバナナは、同じ条件
で保存して、黒茶色領域が14.7%であったが、この
実施例でコーティングしたバナナは、黒茶色領域が全表
面のわずかに1.4%に極減した。すなわち、本発明の
ガス透過性フィルムで被覆されたバナナは、無処理のも
のに比べて黒茶色の斑点の出現が遅く、熟度を制御する
ことができた。
【0036】[実施例7]スダチを餅に変更する以外、
実施例4と同様にして、餅の表面全体をガス透過性フィ
ルムで被覆した。この方法で処理された餅は、水溶性化
合物でガス透気度の調整されたガス透過性フィルムで全
面が被覆される。このようにして、表面全体をガス透過
性フィルムで被覆した餅と、処理しない無処理の餅に、
それぞれ餅由来の黴を接種し培養試験をした。培養試験
は、温度20℃、湿度60%として4日行った。その結
果、ガス透過性フィルムでコーティングされた餅は、無
処理のものに比べて黴の発育が抑制され、優れた保存効
果が認められた。
【0037】
【発明の効果】本発明のガス透過性フィルムは、簡単か
つ容易に、しかも種々の用途に適した理想的なガス透気
度に調整できる特長がある。それは、アルギン酸の水溶
液に水溶性化合物を添加し、アルギン酸を凝固させた後
に、水溶性化合物を水洗して除去し、水溶性化合物の除
去された部分でガス透気度を調整するからである。
【0038】さらに、本発明のガス透過性フィルムは、
たとえば、食品の表面に直接に、あるいは食品を包装す
る段ボール箱等の包材表面に直接に密着して、しかもガ
スの透気度を理想的な状態に調整できる。このため、プ
ラスチックフィルムのように、フィルム状に成形した
後、食品や包材の表面に接着する必要がなく、この種の
用途に極めて便利に使用できる。
【0039】さらにまた、本発明のガス透過性フィルム
は、プラスチックフィルムのように、高価な製造装置を
使用することなく、たとえば、食品や包材の表面に密着
して製造できる特長がある。
【0040】また、本発明のガス透過性フィルムは、ア
ルギン酸を凝固させたものであるから、プラスチックフ
ィルムのように焼却して廃棄するときに、焼却炉を損傷
させることがない。それは、アルギン酸を凝固させたガ
ス透過性フィルムは、焼却時の発生熱量がプラスチック
の約1/4と極めて少ないからである。
【0041】さらに、アルギン酸を凝固させたガス透過
性フィルムは、そのまま食べることもできるので、食品
に直接に包装したガス透過性フィルムを除去するとな
く、食品を食べることも可能である。このため、プラス
チックフィルムのようにガス透過性フィルムを剥離して
除去する必要がなく、取り扱いを簡単にできる特長があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルギン酸ナトリウムと水溶性化合物の濃度に
対するガス透気度を示すグラフ
【図2】アルギン酸ナトリウムと水溶性化合物の濃度に
対するガス透気度を示すグラフ
【図3】アルギン酸ナトリウムと水溶性化合物の濃度に
対するガス透気度を示すグラフ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルギン酸と水溶性化合物とを含む水溶
    液で皮膜を形成し、この皮膜をカルシウム塩等の多価金
    属塩の水溶液に接触させてアルギン酸を不溶化させアル
    ギン酸凝固フィルムとし、不溶化したアルギン酸凝固フ
    ィルムを水洗して水溶性化合物を溶解し、溶解される水
    溶性化合物でガス透気度を調整することを特徴とするガ
    ス透過性フィルム。
  2. 【請求項2】 アルギン酸に添加される水溶性化合物
    が、プルランやデンプン等の天然多糖類、シュークロー
    ス、グルコース、オリゴ糖(サイクロデキストリン)、
    ポリビニルアルコール、アルギン酸をゲル化させない1
    価の塩類の何れかを含む請求項1に記載されるガス透過
    性フィルム。
  3. 【請求項3】 多価金属塩が、塩化カルシウム、塩化バ
    リウム、硫酸アルミニウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、塩化ス
    トロンチウム等の金属塩の何れかを含む請求項1に記載
    されるガス透過性フィルム。
JP8775396A 1996-04-10 1996-04-10 ガス透過性フィルム Pending JPH09278926A (ja)

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JP8775396A JPH09278926A (ja) 1996-04-10 1996-04-10 ガス透過性フィルム

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007186555A (ja) * 2006-01-12 2007-07-26 Hyogo Prefecture 諸特性を改善したプルラン組成物
JP4975903B2 (ja) * 1998-09-30 2012-07-11 ワーナー−ランバート カンパニー リミテッド ライアビリティー カンパニー 変性デンプン膜組成物
CN104974384A (zh) * 2015-06-25 2015-10-14 山东洁晶集团股份有限公司 一种海藻酸钠膜及其制备方法
CN104974383A (zh) * 2015-06-25 2015-10-14 山东洁晶集团股份有限公司 一种含维生素e的海藻酸钠膜及其制备方法

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