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JPH09272783A - 無塗装用熱可塑性樹脂組成物及び無塗装用部品 - Google Patents

無塗装用熱可塑性樹脂組成物及び無塗装用部品

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Publication number
JPH09272783A
JPH09272783A JP8143496A JP8143496A JPH09272783A JP H09272783 A JPH09272783 A JP H09272783A JP 8143496 A JP8143496 A JP 8143496A JP 8143496 A JP8143496 A JP 8143496A JP H09272783 A JPH09272783 A JP H09272783A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
vinyl
parts
component
pts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8143496A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeji Ichikawa
茂治 市川
Katsunori Arai
勝徳 新井
Tsutomu Yoshitomi
勉 吉富
Harukatsu Sumiyama
治功 住山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Cycon Ltd
Marelli Corp
Original Assignee
Ube Cycon Ltd
Kansei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Cycon Ltd, Kansei Corp filed Critical Ube Cycon Ltd
Priority to JP8143496A priority Critical patent/JPH09272783A/ja
Publication of JPH09272783A publication Critical patent/JPH09272783A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A)成分:5〜40、(B)成分:5
〜40、(C)成分:30〜75、必要により(D)成
分(特定のグラフト共重合体):0〜20(重量部)を
配合した無塗装用熱可塑性樹脂組成物。(A)成分:ゲ
ル含量50〜95%のエチレン・プロピレン・非共役ジ
エン共重合体ゴムラテックス30〜85部と、芳香族ビ
ニル化合物60〜80%とシアン化ビニル化合物20〜
40%の混合物15〜70部の乳化グラフト共重合体。
(B)成分:架橋アクリル酸エステル系ゴム30〜70
部と、芳香族ビニル化合物50〜75%とシアン化ビニ
ル化合物25〜50%の混合物30〜70部の乳化グラ
フト共重合体。(C)成分:メタアクリル酸エステル0
〜65%、芳香族ビニル化合物20〜40%、シアン化
ビニル化合物15〜40%及びマレイミド0〜30%の
懸濁共重合体。 【効果】 耐候性や耐衝撃性に優れる上に、表面光沢に
優れ、パール模様やウェルドラインの発生が殆どなく、
外観が著しく良好な成形品が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な無塗装用熱可
塑性樹脂組成物及びこれを用いた無塗装用部品に関する
ものである。詳しくは、耐候性、表面光沢、耐衝撃性に
優れた成形品を得ることができる無塗装用熱可塑性樹脂
組成物及びこの組成物を成形してなる外観の良好な無塗
装用部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ゴム質重合体の存在下に、芳香族
ビニル化合物とシアン化ビニル化合物とを共重合させた
組成物は、ABS樹脂として知られており、優れた機械
的強度及び加工性を有している。これに耐候性を付与す
る目的やデザイン上から、多くの場合、塗装やメッキが
施される。これらは、例えば、家庭電化製品のハウジン
グ、OA機器、自動車部品等に広く用いられている。
【0003】また、車両用外装部品にも、車体重量の軽
減、デザインの多様化、防錆性等の目的で、樹脂材料が
幅広く使用されている。ABS樹脂はその中でも代表的
なものであるが、ジエン系ゴムを用いているため、耐候
性に劣り、車両用外装部品に使用される場合はABS樹
脂表面に塗装或いはメッキ等の二次加工を施すことが必
要となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うな二次加工は多くの工程を要するため、製品価格の高
騰を招き、また、溶剤の使用等による環境汚染にもつな
がる。従って、このような二次加工の必要がなく、長期
間車両用外装部品として使用しても、優れた外観・耐候
性・耐衝撃性を保持することのできる熱可塑性樹脂組成
物の開発が強く望まれている。
【0005】特公昭62−35415号公報において
は、コアーシェル型の架橋アクリル酸エステル系重合体
を主成分とする高ゴム含量のグラフト重合体と(メタ)
アクリル酸アルキルエステルを含む共重合体及びジエン
系ゴム含有熱可塑性樹脂を配合してなる、色調、耐衝撃
性、耐候性に優れた無塗装外装用樹脂組成物が提案され
ているが、より耐候性、耐衝撃性、表面外観の優れた無
塗装用熱可塑性樹脂組成物の出現が望まれている。
【0006】また、一般に、樹脂を成形する際、得られ
る成形品表面には、ウェルドラインが表われるため、こ
のウェルドラインの減少とその衝撃に対する強度の改善
も望まれているが、特公昭62−35415号公報に記
載されるようなジエン系ゴムとアクリル酸エステル系ゴ
ムを用いたグラフト共重合体を用いた熱可塑性樹脂組成
物の成形品は、表面光沢が低い上に、ウェルドラインに
よる外観の不良やパール模様が発生するという問題があ
った。
【0007】本発明はこのような従来の無塗装用熱可塑
性樹脂組成物の欠点を解決し、耐候性や耐衝撃性に優れ
る上に、表面光沢に優れ、パール模様やウェルドライン
の発生が殆どなく、外観が著しく良好な無塗装用熱可塑
性樹脂組成物及び無塗装用部品を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の無塗装用熱可
塑性樹脂組成物は、下記(A)成分5〜40重量部、
(B)成分5〜40重量部、(C)成分30〜75重量
部及び(D)成分0〜20重量部を配合してなることを
特徴とする。
【0009】(A)成分:ゲル含量50〜95重量%の
エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムラテ
ックス30〜85重量部に、芳香族ビニル化合物60〜
80重量%とシアン化ビニル化合物20〜40重量%と
からなるビニル単量体混合物15〜70重量部を乳化グ
ラフト重合して得られるグラフト共重合体 (B)成分:架橋アクリル酸エステル系ゴム30〜70
重量部に、芳香族ビニル化合物50〜75重量%とシア
ン化ビニル化合物25〜50重量%とからなるビニル単
量体混合物30〜70重量部を乳化グラフト重合して得
られるグラフト共重合体 (C)成分:メタアクリル酸エステル0〜65重量%、
芳香族ビニル化合物20〜40重量%、シアン化ビニル
化合物15〜40重量%及びマレイミド系化合物0〜3
0重量%を懸濁重合してなるビニル共重合体 (D)成分:平均粒子径1500〜2800Åのジエン
系ゴム40〜75重量部に、芳香族ビニル化合物60〜
80重量%、シアン化ビニル化合物25〜40重量%及
びこれらのビニル化合物と共重合可能なビニル化合物0
〜30重量%からなるビニル単量体混合物25〜60重
量部を乳化グラフト重合してなるグラフト共重合体 請求項2の無塗装用部品は、請求項1に記載の無塗装用
熱可塑性樹脂組成物を成形してなることを特徴とする。
【0010】即ち、本発明者らは無塗装用部品として優
れた特性を備える熱可塑性樹脂組成物を開発すべく研究
した結果、特定の重合処方で製造したエチレン・プロピ
レン・非共役ジエン系ゴム含有グラフト共重合体にアク
リル酸アルキルエステルを含有するビニル共重合体とア
クリル酸エステルゴム含有グラフト共重合体或いは所望
に応じて特定の平均粒子径を有するジエン系ゴム含有グ
ラフト共重合体を配合することにより、前記目的を達成
し得ることを見出し、この知見に基いて本発明を完成す
るに至った。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0012】まず、本発明の無塗装用熱可塑性樹脂組成
物を構成する(A)〜(D)の各成分について説明す
る。
【0013】(A)成分は、ゲル含量が50〜95重量
%であるエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体
ゴムラテックス30〜85重量部に、芳香族ビニル化合
物60〜80重量%とシアン化ビニル化合物20〜40
重量%とからなるビニル単量体混合物15〜70重量部
を乳化グラフト重合して得られるグラフト共重合体(以
下、「グラフト共重合体(A)」と称する場合があ
る。)である。
【0014】この乳化グラフト重合は、例えば、上記エ
チレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムラテッ
クス及びビニル単量体混合物の所定量を合計で100重
量部となるように用い、クメンハイドロパーオキサイ
ド、硫酸第一鉄、ピロリン酸ナトリウム及びデキストロ
ーズからなるレドックス開始剤の存在下、かつ、連鎖移
動剤の不存在下に、70〜95℃の温度にて反応させる
ことにより行うことができる。この際、硫酸第一鉄、ピ
ロリン酸ナトリウム及びデキストローズからなる重合活
性剤の一部、好ましくはその全量に対する量比にて0.
3〜0.8を反応開始時に上記ラテックスに一括して加
えると共に、反応開始時から少なくとも1時間の添加時
間にわたって上記ビニル単量体混合物及びクメンハイド
ロパーオキサイドの全量を連続的に上記ラテックスに加
え、且つ、上記重合活性剤の残部及び乳化剤を上記ビニ
ル単量体混合物及びクメンハイドロパーオキサイドの添
加時間よりも30分以上長い時間にわたって連続的に上
記ラテックスに加えるのが好ましい。
【0015】なお、上記エチレン・プロピレン・非共役
ジエン共重合体ゴムラテックスは、エチレンとプロピレ
ンの重量比が85:15〜30:70の範囲にあること
が好ましく、また、非共役ジエン成分は、好ましくは
1,4−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボル
ネン、5−ビニルノネボルネン、ジシクロペンタジエン
等である。
【0016】(A)成分のエチレン・プロピレン・非共
役ジエン共重合体ゴムラテックスにグラフト重合させる
ビニル単量体混合物は、芳香族ビニル化合物とシアン化
ビニル化合物との混合物からなるが、この芳香族ビニル
化合物としては、例えば、スチレンやα−メチルスチレ
ンが好ましく用いられる。また、シアン化ビニル化合物
としてはアクリロニトリルやメタクリロニトリルが好ま
しく用いられる。このビニル単量体混合物において、芳
香族ビニル化合物の割合は60〜80重量%の範囲にあ
り、シアン化ビニル化合物の割合は40〜20重量%の
範囲にあることが必要である。
【0017】上記(A)成分のグラフト乳化重合に当
り、重合開始剤として、特に、上述の如く、クメンハイ
ドロパーオキサイド、硫酸第一鉄、ピロリン酸ナトリウ
ム及びデキストローズからなるレドックス開始剤が好適
に用いられる。
【0018】特に、このように特定されたレドックス開
始剤を用いると共に、上述するように、重合反応におい
て、硫酸第一鉄、ピロリン酸ナトリウム及びデキストロ
ーズからなる重合活性剤、クメンハイドロパーオキサイ
ド、ビニル単量体混合物及び乳化剤の添加量や、ラテッ
クスへの添加時期、添加時間等を調整し、更に、所定の
反応温度にて、連鎖移動剤の不存在下に反応させること
によって、乳化剤の使用量を従来の約1/3程度に低減
して、単量体の転化率を高く、且つ、重合安定性を格段
に高めて、目的とする優れた性質を有するグラフト共重
合体(A)を得ることが可能とされる。
【0019】(B)成分は、架橋アクリル酸エステル系
ゴム30〜70重量部に、芳香族ビニル化合物50〜7
5重量%とシアン化ビニル化合物25〜50重量%とか
らなるビニル単量体混合物30〜70重量部を、乳化グ
ラフト重合して得られるグラフト共重合体(以下「グラ
フト共重合体(B)」と称する場合がある。)である。
【0020】(B)成分のゴム成分を構成するアクリル
酸アルキルエステル単位としては、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブ
チルなどが挙げられ、アクリル酸ブチルが好ましく使用
される。このアクリル酸アルキルエステル単位の架橋に
用いる架橋剤としては、C=C二重結合を少なくとも2
個有する架橋性モノマーであり、例えば、トリアリルシ
アヌレート、トリアリルイソシアヌレートのようなイソ
シアヌル酸トリアリルと不飽和アルコールとのエステ
ル;ジビニルベンゼンのようなジビニル化合物;ジアリ
ル化合物、エチレングリコールジメタクリレートのよう
なジメタクリル化合物など、一般的に知られる多官能架
橋剤が使用できるが、特に、トリアリルイソシアヌレー
トが好ましく用いられる。
【0021】一方、ビニル単量体混合物のシアン化ビニ
ル化合物(不飽和ニトリル単位)としては、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ、アクリロ
ニトリルが好ましく用いられる。また、芳香族ビニル化
合物(芳香族ビニル単位)としては、スチレン、α−メ
チルスチレン、ハロゲン化スチレンなどが挙げられ、ス
チレンが好ましく用いられる。
【0022】(C)成分は、メタアクリル酸エステル0
〜65重量%、芳香族ビニル化合物20〜40重量%、
シアン化ビニル化合物15〜40重量%及びマレイミド
系化合物0〜30重量%を懸濁重合してなるビニル共重
合体(以下「ビニル共重合体(C)」と称する場合があ
る。)である。
【0023】(C)成分のメタアクリル酸エステル単量
体としてはメタアクリル酸メチルが好ましいが、エチル
メタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタ
クリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ヒドロキ
シエチルメタクリレートであっても良い。また、芳香族
ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、クロルスチレンなどが好ましい。シアン化ビニル化
合物としてはアクリロニトリル、メタクリロニトリルが
好ましい。また、マレイミド系化合物としてはマレイミ
ド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N
−シクロヘキシルマレイミド、N−トルイルマレイミド
を用いることができる。これらを所定の割合で常法に従
って、懸濁重合することにより、(C)成分のビニル共
重合体(C)を得ることができる。
【0024】(D)成分は、平均粒子径1500〜28
00Åのジエン系ゴム40〜75重量部に、芳香族ビニ
ル化合物60〜80重量%、シアン化ビニル化合物25
〜40重量%及びこれらのビニル化合物と共重合可能な
ビニル化合物0〜30重量%からなるビニル単量体混合
物25〜60重量部を乳化グラフト重合してなるグラフ
ト共重合体(以下「グラフト共重合体(D)」と称する
場合がある。)である。
【0025】(D)成分のジエン系ゴムとしては、平均
粒子径1800Å〜2200Åで、ゲル含量が80〜9
9重量%、特に95重量%以上のものが好適である。な
お、このジエン系ゴムの平均粒子径、更にはゲル含量が
上記範囲内であることは、本発明に重要である。
【0026】(D)成分のグラフト共重合体(D)は、
ジエン系ゴム状弾性体ラテックス40〜75重量部(乾
燥重量換算)の存在下に、芳香族ビニル化合物60〜8
0重量%とシアン化ビニル化合物25〜40重量%、更
に必要に応じてこれらと共重合可能なビニル化合物0〜
30重量%を合計で25〜60重量部となるように用
い、重合開始剤を用いてグラフト重合を行うことにより
合成するのが好適である。
【0027】なお、このグラフト共重合体(D)の合成
に使用される芳香族ビニル化合物としては、スチレン、
α−メチルスチレン等が挙げられ、また、シアン化ビニ
ル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル等が挙げられ、共重合可能なビニル化合物としては
フェニルマレイミド、メタアクリル酸メチル等が挙げら
れる。また、重合開始剤としては、ABSグラフト共重
合において一般的に使用される過硫酸カリウム、過硫酸
アンモニウム等の熱分解系開始剤、或いは、有機ハイド
ロパーオキサイド/鉄塩等のレドックス系開始剤のいず
れを用いても良く、その添加方法にも特に制限はなく、
一括添加、回分添加、連続添加のいずれをも採用するこ
とができる。
【0028】グラフト共重合体(D)の合成にあたり、
乳化剤を用いる場合、乳化剤としては特に制限はない
が、例えば、オレイン酸カリウム、不均化ロジン酸カリ
ウム等のアニオン系界面活性剤が用いられる。また、連
鎖移動剤を用いる場合、連鎖移動剤としても特に制限は
なく、メルカプタン類、α−メチルスチレンダイマー、
テルペン類等が用いられる。
【0029】本発明の無塗装用熱可塑性樹脂組成物は、
これらの(A)〜(D)成分を(A)成分5〜40重量
部,(B)成分5〜40重量部,(C)成分30〜75
重量部,(D)成分0〜20重量部の割合で配合してな
るものである。
【0030】本発明において、(A)成分の割合が5重
量部未満では優れた耐候性及び耐衝撃性が得られず、4
0重量部を超えると成形性、耐熱性に劣るものとなる。
【0031】(B)成分の割合が5重量部未満では優れ
た耐候性及び耐衝撃性が得られず、40重量部を超える
と成形性、耐熱性に劣るものとなる。
【0032】(C)成分の割合が30重量部未満ではで
優れた表面光沢及び成形性が得られず、75重量部を超
えると耐衝撃性に劣るものとなる。
【0033】また、(D)成分はこれを配合しなくても
良いが、(D)成分を20重量部以下の割合で配合する
ことにより優れた耐低温衝撃性が得られるという効果が
奏される。
【0034】なお、本発明の樹脂組成物には、上記成分
の他に、所望に応じ公知の熱安定剤、滑剤、離型剤、難
燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤などを添加することが
できる。また、ガラス繊維、カーボン繊維、タルク、炭
酸カルシウムなどを添加して補強することもできる。
【0035】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(A)〜
(D)成分及び上記のような添加剤を所定の割合で、ヘ
ンシェルミキサー、V型ブレンダー、タンブラーなどの
混合装置で混合し、一軸押出機、二軸押出機、バンバリ
ーミキサー、コニーダー、ロールなどの溶融混練装置を
用いて溶融混練することにより得ることができるが、何
らこのような製造方法に限定されるものではない。
【0036】このような本発明の無塗装用熱可塑性樹脂
組成物を成形して本発明の無塗装用部品を製造するに
は、上記のような方法で得た本発明の熱可塑性樹脂組成
物を、通常の成形方法、例えば射出成形、押出成形、ブ
ロー成形、シート成形、真空成形などにより所望の形状
に成形すれば良い。
【0037】これらの成形品は、例えば自動車のドアミ
ラー、ラジエーターグリル、リアフィニッシャー、ホイ
ルキャップ、モール、コンソールボックス、インストル
メンタルパネル、ステアリングコラムカバー、二輪車の
カウリング等に好適である。また、各種OA機器のハウ
ジング部品、家庭電化製品のハウジング、例えばテレ
ビ、ラジオ、ステレオ、エアコン、ビデオ等に用いら
れ、優れた表面光沢、衝撃強度、耐候性を保持すること
ができる。
【0038】
【実施例】以下に、製造例、実施例及び比較例を挙げて
本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を
超えない限り、何ら以下の実施例に限定されるものでは
ない。
【0039】製造例1:グラフト共重合体(A)の製造 撹拌機を備えた反応容器に蒸留水170重量部、非共役
ジエン成分が5−エチルデン−2−ノルボルネンであ
り、ゲル含量が90重量%であるエチレン・プロピレン
・非共役ジエン共重合体ゴム(平均粒子径3000Å)
60重量部、水酸化ナトリウム0.01重量部、ピロリ
ン酸ナトリウム0.45重量部、硫酸第一鉄0.01重
量部、デキストローズ0.60重量部を仕込み80℃に
昇温した。次に、アクリロニトリル30重量%、スチレ
ン70重量%からなるビニル単量体混合物30重量部を
調製し、これと共にクメンハイドロパーオキサイド1.
0重量%、蒸留水30重量部、ピロリン酸ナトリウム
0.45重量部、硫酸第一鉄0.01重量部、デキスト
ローズ0.56重量部、オレイン酸ナトリウム1.0重
量部からなる混合物を上記反応容器に180分間にわた
って連続的に加え、この後、80℃で更に60分間反応
させて、各平均粒径のグラフト共重合体(A:A−1,
A−2,A−3)を得た。単量体混合物の転化率は96
重量%で、凝固物析出量は0.22重量%であった。
【0040】製造例2:グラフト共重合体(B)の製造 撹拌器を備えた反応容器にトリアリルイソシアヌレート
により架橋してn−ブチルアクリレートゴム60重量部
に、スチレン65重量%及びアクリロニトリル35重量
%からなるビニル単量体混合物40重量部と過酸化ベン
ゾイル0.20重量部、t−ドデシルメルカプタン0.
05重量部を3時間に亘って連続的に添加し、各平均粒
径のグラフト共重合体(B:B−1,B−2,B−3)
を調製した。なお、架橋ゴムの平均粒子径は3000Å
であった。
【0041】製造例3:ビニル共重合体(C)の製造 蒸留水120重量部にアルキルベンゼンスルホン酸ナト
リウム0.003重量部と、メチルメタアクリレート3
0重量%、スチレン30重量%及びアクリロニトリル2
0重量%からなる単量体混合物100重量部と、t−ド
デシルメルカプタン0.6重量部、過酸化ベンゾイル
0.15重量部及びリン酸カルシウム0.50重量部と
を添加して110℃で10時間懸濁重合し、ビニル共重
合体(C−1)を得た。単量体転化率は92重量%であ
った。
【0042】別に、メチルメタアクリレートを用いなか
ったこと以外は、上記と同様にしてビニル共重合体(C
−2)を得た。
【0043】製造例4:グラフト共重合体(D)の製造 蒸留水200重量部に、ゲル含有率98重量%、平均粒
子径2000Åのジエン系ゴム60重量部と、スチレン
70重量%及びアクリロニトリル30重量%からなるビ
ニル単量体混合物40重量部、更に、不均化ロジン酸カ
リウム1重量部、水酸化カリウム0.04重量部、t−
ドデシルメルカプタン0.08重量部、過硫酸カリウム
0.6重量部を仕込み、60℃から反応を開始し、途中
で75℃まで昇温し、2時間後重合を停止してグラフト
共重合体(D)を得た。単量体転化率は95重量%であ
った。
【0044】実施例1〜6,比較例1〜4 上記製造例1〜4で得た重合体を、表1,2に示す割合
でV型ブレンダーで均一に混合した。得られた混合物を
44mm径の2軸押出機でバレル温度260℃にて溶融
混練し、ダイスから吐出されるスレッドを切断して成形
用ペレットを得た。このペレットを5オンスの射出成形
機にて試験片金型を取り付けてシリンダー温度260
℃、金型温度80℃、射出圧力100kg/cm2 、冷
却時間30秒の成形条件で成形して試験片を成形した。
【0045】得られた試験片について、各種特性の評価
を行って、結果を表1,2に示した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】表1,2より、本発明によれば、衝撃強
度、外観、耐候性がいずれも極めて良好な製品が提供さ
れることが明らかである。
【0049】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の無塗装用熱
可塑性樹脂組成物及び無塗装用部品によれば、耐候性や
耐衝撃性に優れる上に、表面光沢に優れ、パール模様や
ウェルドラインの発生が殆どなく、外観が著しく良好な
成形品が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 35/00 LJW C08L 35/00 LJW 55/02 LME 55/02 LME (72)発明者 新井 勝徳 埼玉県大宮市日進町2丁目1910番地 株式 会社カンセイ内 (72)発明者 吉富 勉 山口県宇部市大字沖宇部525−14 宇部サ イコン株式会社宇部工場内 (72)発明者 住山 治功 山口県宇部市大字沖宇部525−14 宇部サ イコン株式会社宇部工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)成分5〜40重量部、(B)
    成分5〜40重量部、(C)成分30〜75重量部及び
    (D)成分0〜20重量部を配合してなる無塗装用熱可
    塑性樹脂組成物。 (A)成分:ゲル含量50〜95重量%のエチレン・プ
    ロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムラテックス30〜
    85重量部に、芳香族ビニル化合物60〜80重量%と
    シアン化ビニル化合物20〜40重量%とからなるビニ
    ル単量体混合物15〜70重量部を乳化グラフト重合し
    て得られるグラフト共重合体 (B)成分:架橋アクリル酸エステル系ゴム30〜70
    重量部に、芳香族ビニル化合物50〜75重量%とシア
    ン化ビニル化合物25〜50重量%とからなるビニル単
    量体混合物30〜70重量部を乳化グラフト重合して得
    られるグラフト共重合体 (C)成分:メタアクリル酸エステル0〜65重量%、
    芳香族ビニル化合物20〜40重量%、シアン化ビニル
    化合物15〜40重量%及びマレイミド系化合物0〜3
    0重量%を懸濁重合してなるビニル共重合体 (D)成分:平均粒子径1500〜2800Åのジエン
    系ゴム40〜75重量部に、芳香族ビニル化合物60〜
    80重量%、シアン化ビニル化合物25〜40重量%及
    びこれらのビニル化合物と共重合可能なビニル化合物0
    〜30重量%からなるビニル単量体混合物25〜60重
    量部を乳化グラフト重合してなるグラフト共重合体
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の無塗装用熱可塑性樹脂
    組成物を成形してなる無塗装用部品。
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