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JPH09272342A - 自動車のドア構造 - Google Patents

自動車のドア構造

Info

Publication number
JPH09272342A
JPH09272342A JP8182961A JP18296196A JPH09272342A JP H09272342 A JPH09272342 A JP H09272342A JP 8182961 A JP8182961 A JP 8182961A JP 18296196 A JP18296196 A JP 18296196A JP H09272342 A JPH09272342 A JP H09272342A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
door
inner panel
displacement
collision
door inner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8182961A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaharu Nonaka
隆治 野中
Tomohiro Kajiyama
智宏 梶山
Kazuya Fukutani
和也 福谷
Yoshikazu Ide
芳和 井出
Hiroaki Kodama
宏明 児玉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP8182961A priority Critical patent/JPH09272342A/ja
Publication of JPH09272342A publication Critical patent/JPH09272342A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Window Of Vehicle (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】自動車の側面衝突時における乗員に与える衝撃
を緩和する。 【解決手段】ドアアウタパネル3の上部に、乗員の上半
身を前後から挾む位置関係でドアインナパネル2側に突
出した突出部9,11を設ける。ドアインナパネル2に
乗員が衝突したときに、該ドアインナパネル2の衝突部
位がドアアウタパネル3に達する前に上記突出部9,1
1によってドアインナパネル2の外方への変位を規制す
る。この規制によって、上記衝突部位の曲げ剛性を高
め、乗員を衝突初期から比較的高めの荷重でドアインナ
パネル2によって受け止めさせることによって、その後
に乗員が受ける衝撃荷重が大きく上昇することを防止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のサイドの
ドア構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の側面衝突において、その衝突エ
ネルギーがドアに作用した場合、ドア全体が車室側に変
位して乗員に当ることがある。その際の乗員の受ける衝
撃を緩和するために、サッシドアにおいて、ドアアウタ
パネルの乗員に対応する位置にプッシャ(衝撃吸収材)
を取付ける一方、ドアインナパネルにはプッシャに対向
する開口を設けておき、この開口から上記プッシャを車
室側に飛び出させて乗員に当てるようにするという技術
が知られている。
【0003】しかし、サッシレスドアにおいては、ドア
インナパネルにウインドレギュレータの他にドアガラス
昇降用のガイド等を組み込む必要があって、上述の如き
プッシャをドア内に組み込むことが難しくなる場合があ
る。
【0004】これに対して、実開平6−74425号公
報には、ドアインナパネルにベルトラインに沿って延び
るレインフォースメントを接合することによって、ベル
トラインに沿った閉断面補強構造を形成するにあたり、
上記レインフォースメントを、シートに着座する乗員の
肩部に対応する部位において下方へ迂回湾曲させ、この
迂回によって生じた凹状スペースに衝撃吸収材を配置
し、この衝撃吸収材を側面衝突時に乗員に当てるように
することが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、自動車の側
面衝突時にドアを介して乗員に与える衝撃を緩和しよう
とするものであるが、上述の如きプッシャなり衝撃吸収
材なりをドアに設けることが難しい場合に、当該衝撃緩
和をドアインナパネルの曲げ剛性の調整という観点から
解決することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】当該解決手段のポイント
は、ドアインナパネル自体の曲げ剛性を調整するのでは
なく、ドアインナパネルが乗員に衝突して撓み変形する
ときの該撓みの支点となる距離を当該衝突直後に実質的
に狭めて曲げ剛性を高めるようにした点にある。以下、
具体的に説明する。
【0007】<請求項1に係る発明>この発明は、ドア
インナパネルとドアアウタパネルとを接合してなる自動
車のドア構造であって、上記ドアインナパネルとドアア
ウタパネルとの間の上部には、車室内の上記ドアの側方
に配設されたシートバックよりも所定間隔をおいて前側
の位置に、当該ドアに対する外部からの衝突によって上
記ドアインナパネルが当該位置よりも後側で車室側のも
のと衝突し撓みによって上記ドアアウタパネル側に相対
変位するときに、該ドアインナパネルの当該衝突部位の
変位がドアアウタパネルによって阻止される前に該ドア
インナパネルの上記衝突部位よりも前側の部分の変位を
規制することによって、当該衝突部位の曲げ剛性を高め
る前側変位規制手段が設けられていることを特徴とす
る。
【0008】当該発明において、自動車のドアに衝突が
あったときは、それによって該ドアが車室側へ相対的に
変位する。そして、ドアインナパネルが車室側のものに
衝突すれば、それによって該ドアインナパネルはドアア
ウタパネルに接合されている剛性が高い前後の両端部を
支点としてドアアウタパネル側に撓み変形することにな
る。
【0009】このとき、上記変位規制手段はドアインナ
パネルの前後の中間部位(起立したシートバックより所
定間隔をおいた前側部分)がドアアウタパネル側に変位
することを規制するから、該中間部位が上記ドアインナ
パネルの撓み変形の支点として働く。つまり、これによ
り、ドアインナパネルの当該中間部位よりも前側の部分
及び後側の部分は、支点間距離が短くなるから、曲げ剛
性が上記規制がないとき比べて高くなる。
【0010】ここに、上記変位規制手段は、当該中間部
位よりも後側において、ドアインナパネルが車室側のも
のと衝突したときに、該ドアインナパネルの衝突部位の
変位がドアアウタパネルによって直接阻止される前に、
又は該衝突部位とドアアウタパネルとの間に存在するこ
とがあるドア内部の部品を介して阻止される前に、上記
変位を規制するから、上述の如く曲げ剛性が高くなった
後にも該衝突部位がさらに撓み変形をすることができ
る。
【0011】すなわち、上記ドアインナパネルの衝突部
位は、上記変位規制手段による規制がなければ低い荷重
で変形していって、ドアアウタパネルに直接又はドア内
部部品を介して当ることになるが、該ドアアウタパネル
の外側に外部衝突物があるためにそれ以上の変位が阻止
され、その結果、車室内のものは急激に大きくなった荷
重でドアインナパネルに押し付けられることになり、大
きな衝撃を受ける。
【0012】これに対して、当該発明の場合は、上記衝
突部位は、上記変位規制手段による中間部位の変位の規
制によって、衝突当初よりもさらに高い荷重を受けない
と変形しないことになり、そのことによって当該衝突エ
ネルギーの消費量が多くなる。よって、当該衝突部位の
変位がドアアウタパネルによって阻止されるようになる
までに当該衝突エネルギーが消費されると、車室内のも
のが当該衝突によって受ける荷重はそれ以上は上昇せず
比較的低いものですむ。また、当該衝突エネルギーが完
全に消費されずに上記衝突部位がドアインナパネルに直
接又はドア内部部品を介して当る場合でも、上記変位規
制手段による変位規制後の荷重の上昇量は少ないものに
なる。
【0013】上記変位規制手段については、実質的に変
形をしないような中実の金属ブロックによって形成する
こともできるが、硬質の発泡ポリウレタン、ポリプロピ
レン、ポリエチレンのような樹脂や、硬質ゴムによって
形成すること、あるいは凸状に曲げ成形した鉄板によっ
て形成することが好ましい。その方が自動車の軽量化に
有利になるからであり、また、上記変位規制時の荷重の
立ち上がりが緩やかなものになって、車室内のものに与
える衝撃がより緩和されるためである。この点は、以下
の他の請求項の発明でも同じことである。
【0014】<請求項2に係る発明>この発明は、ドア
インナパネルとドアアウタパネルとを接合してなる自動
車のドア構造であって、上記ドアインナパネルとドアア
ウタパネルとの間の上部には、車室内の上記ドアの側方
に配設されたシートバックにもたれる乗員の上半身より
も前側の位置に、当該ドアに対する外部からの衝突によ
って上記ドアインナパネルが乗員と衝突し撓みによって
上記ドアアウタパネル側に相対変位するときに、該ドア
インナパネルの当該乗員衝突部位の変位がドアアウタパ
ネルによって阻止される前に該ドアインナパネルの上記
乗員衝突部位よりも前側の部分の変位を規制することに
よって、当該乗員衝突部位の曲げ剛性を高める前側変位
規制手段が設けられていることを特徴とする。
【0015】当該発明の場合は、乗員が衝突時に大きな
衝撃を受けることを防止することができる。
【0016】<請求項3に係る発明>この発明は、上記
請求項1又は請求項2に記載されている自動車のドア構
造において、上記ドアインナパネルとドアアウタパネル
との間の上部には、上記ドアインナパネルの衝突部位よ
りも後側の位置に、該ドアインナパネルの衝突部位の変
位がドアアウタパネルによって阻止される前に該ドアイ
ンナパネルの衝突部位よりも後側の部分の変位を規制す
ることによって、上記前側変位規制手段と相俟って当該
衝突部位の曲げ剛性を高める後側変位規制手段が設けら
れていることを特徴とする 当該発明の場合は、前後の変位規制部材がドアインナパ
ネルの当該衝突部位を前後から挾む位置関係で設けられ
ているから、ドアインナパネルの衝突部位はこの両変位
規制部材によって前後の部分の変位が規制されて曲げ剛
性が高まり、よって、乗員等が衝突時に大きな衝撃を受
けることが防止されることになる。
【0017】<請求項4に係る発明>この発明は、上記
請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載されている自
動車のドア構造において、上記ドアインナパネルとドア
アウタパネルとの間の上部には、上記ドアインナパネル
の衝突部位に対応する位置に、該衝突部位がドアアウタ
パネル側へ変位するために必要な荷重を高める抵抗手段
が設けられていることを特徴とする。
【0018】当該発明においては、ドアインナパネルの
衝突部位の曲げ剛性が上述の変位規制手段によって高ま
ることに加えて、抵抗手段が当該衝突部位のドアアウタ
パネル側への変位の抵抗になって該変位に要する荷重を
高める。従って、当該衝突部位の変位がドアアウタパネ
ルによって阻止されるようになるまでに消費される衝突
エネルギーが大きくなり、該変位がドアアウタパネルに
よって阻止されるようになったときの衝突荷重のピーク
値が下がる。
【0019】<請求項5に係る発明>この発明は、上記
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載されている自動
車のドア構造において、上記変位規制手段が、上記ドア
アウタパネルに固定されてドアインナパネル側へ突出し
ている突出部によって形成されていることを特徴とす
る。
【0020】ドアインナパネルにはドアガラス昇降等の
ために様々なドア部品が設けられるが、当該発明におい
ては、変位規制部材をドアアウタパネルに固定するよう
にしたから、そのレイアウトが容易になる。
【0021】<請求項6に係る発明>この発明は、上記
請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載されている自
動車のドア構造において、上記変位規制手段が、上記ド
アアウタパネルに固定されてドアインナパネル側へ突出
した突出部と、上記ドアインナパネルに固定されてドア
アウタパネル側へ突出した突出部とを対向させてなるこ
とを特徴とする。
【0022】当該発明においては、ドアアウタパネル側
の突出部とドアインナパネル側の突出部とを対向させる
ようにしたから、衝突時にこの両突出部を当ててドアイ
ンナパネルの当該衝突部位の前側の部分又は前後両側の
部分の変位を規制することができる。
【0023】従って、例えば、剛性の高いドア部品がド
アインナパネル側よりドアアウタパネル側に突出してい
る場合、このようなドア部品を突出部として上記変位の
規制に利用することができる。すなわち、ドアアウタパ
ネル側に突出部を新たに設ける場合、当該ドア部品を避
けて突出部を突出させるようにしても、このドア部品の
先端面よりもドアインナパネル側へ突出させることはで
きない。それは、ドアガラスの昇降スペースを確保する
必要があるためである。従って、突出部とドア部品とを
対向させない場合は、結果的に当該突出部とドアインナ
パネルとの間隔が広くなり、上記変位規制後の上記衝突
部位の変位余裕量が少なくなる不具合がある。
【0024】そこで、当該発明では、上記ドア部品のよ
うな突出部にドアアウタパネル側の突出部を対向させる
ことによって、衝突時にドアインナパネルの変位の規制
を直ちに行なうことができるようにして、当該変位規制
後の変位余裕代をできるだけ多く確保できるようにした
ものである。
【0025】<請求項7に係る発明>この発明は、上記
請求項6に記載されている自動車のドア構造において、
上記ドアインナパネルに固定されてドアアウタパネル側
へ突出した突出部が、ドアガラスを昇降させるための上
下方向に延びるガイドであり、該ガイドと上記ドアアウ
タパネルに固定されてドアインナパネル側へ突出した突
出部とがドアガラス昇降用の隙間を存して向かい合って
いることを特徴とする。
【0026】当該発明は、上述のドアインナパネル側の
突出部をドアガラス昇降用のガイドに特定したものであ
り、また、このガイドとドアアウタパネル側の突出部と
の間にドアガラス昇降用の隙間があることを明確にした
ものである。
【0027】<請求項8に係る発明>この発明は、上記
請求項1乃至請求項7のいずれか一に記載されている自
動車のドア構造において、上記ドアインナパネルの上部
にはベルトラインに沿って延びる閉断面構造が形成され
ていることを特徴とする。
【0028】当該発明の場合、ベルトラインに沿って延
びる閉断面構造をドアインナパネル上部の曲げ剛性の調
整に利用することができる。すなわち、上述の変位の規
制による曲げ剛性の調整では所望の曲げ剛性を確保する
ことができない場合でも、上記閉断面構造を利用して必
要十分な曲げ剛性を設定することが容易になる。
【0029】<請求項9に係る発明>この発明は、上記
請求項3に記載されている自動車のドア構造において、
上記抵抗手段の剛性が変位規制手段の剛性よりも低いこ
とを特徴とする。
【0030】すなわち、抵抗手段の剛性が高いものであ
れば、この抵抗手段自体によってドアインナパネルの変
位が強く阻害されて、変位規制手段による当該衝突部位
の曲げ剛性の増大を衝撃の緩和に充分に生かすことがで
きない。これに対して、当該発明の場合は、抵抗手段の
剛性が低いから、変位規制手段による曲げ剛性の増大を
衝撃の緩和に充分に生かすことができる。
【0031】なお、変位規制手段を設けずに、抵抗手段
のみで衝撃を緩和するようにすれば、抵抗手段が直ちに
押し潰されて荷重が急激に立ち上がる結果になり易く、
衝撃の緩和は不充分になる。従って、変位規制手段と抵
抗手段とを組合せることに意味がある。
【0032】<請求項10に係る発明>この発明は、上
記請求項3に記載されている自動車のドア構造におい
て、上記変位規制手段と抵抗手段とは、互いに同じ材料
によって成形された実質的に中実の弾性体によって形成
されていて、且つ抵抗手段の方が変位規制手段よりも車
幅方向の厚みが大きいことを特徴とする。
【0033】この発明の場合は、抵抗手段の方が変位規
制手段よりも厚いから、外力に対して変形し易く、よっ
て、請求項9に係る発明と同様に変位規制手段による曲
げ剛性の増大を衝撃緩和に生かす上で有利になる。
【0034】
【発明の効果】従って、本発明によれば、ドアアウタパ
ネルとドアインナパネルとの間に変位規制手段を設け、
該ドアインナパネルの衝突部位が撓みによってドアアウ
タパネルに直接又はドア内部部品を介して間接的に当る
ようになる前に、ドアインナパネルの衝突部位の前側の
部分又は前後の両側の部分の変位を規制して該衝突部位
の曲げ剛性を高めるようにしたから、ドアインナパネル
に対する衝突物(乗員を含む)がその衝突によって受け
る初期の荷重の立ち上がりを大きくして衝撃荷重のピー
クが過大になることを避け、該衝突物に大きな衝撃を与
えることを防止することができる。
【0035】また、上記ドアインナパネルとドアアウタ
パネルとの間の上部の上記衝突部位に対応する位置に、
該衝突部位がドアアウタパネル側へ変位するために必要
な荷重を高める抵抗手段が設けたものによれば、上記衝
突初期の荷重の立ち上がりを大きくすること、ないしは
当該衝突開始から上記衝突部位の変位がドアアウタパネ
ルによって阻止されるようになるまでの衝突エネルギー
の消費量を多くすることが容易になり、衝撃緩和に有利
になる。すなわち、上述の変位規制手段のみでは、ドア
インナパネルの板厚等との関係で衝突部位の曲げ剛性を
充分に高めることが難しい場合に、上記抵抗手段が衝突
初期の荷重の立ち上がりを必要な程度まで大きくして衝
撃を緩和することに有効に働くことになる。
【0036】
【発明の実施の形態】
(全体の概略的な構造説明)図1に示す自動車のドア1
において、2はドアインナパネル、3はドアアウタパネ
ル、4はドアガラス、5はドアトリムである。ドアイン
ナパネル2とドアアウタパネル3とは互いの前縁、後縁
及び下縁が接合されている。ドアインナパネル2の前
部、中間部及び後部にはドアガラス昇降用のガラスガイ
ド6,7,8が固定されている。ドアアウタパネル3に
は、上記中間部及び後部の各ガラスガイド7,8と向か
い合うように、前側変位規制手段としての前パッド(突
出部)9及び後側変位規制手段としての後パッド(突出
部)11がドアインナパネル2側へ突出させて設けられ
ている。この両パッド9,11は、発泡ポリウレタン製
の実質的に中実のものであって弾性を有し、ドアアウタ
パネル3の内面に沿って上下方向に延びる補強部材1
2,13に固定されている。また、上記ドアインナパネ
ル2とドアトリム5の間には、後述する乗員の肩部に対
応する部位にパッド14が設けられている(図5参
照)。
【0037】(各部材の具体的な構造説明)図2に示す
ように、上記パッド9,11は、ドアアウタパネル3の
上部(ベルトライン近く)において、上記補強部材1
2,13の上端部にファスナ15によって結合されてお
り、該結合部の後側部分がドアインナパネル2側へ突出
している。また、このパッド9,11の後側の突出部9
a,11aは、シートバック34が起立したシートに着
座する乗員Mの上半身、特に肩部分を前後から挾む位置
関係となるように前後に間隔をおいて配設されている。
この位置関係は中間部及び後部のガラスガイド7,8も
同様である。逆に言えば、乗員Mの上半身を前後から挾
む位置関係になるようにガラスガイド7,8及びパッド
9,11が設けられているものである。
【0038】図2において、21は補強部材12,13
の下部に両端部が固定されたプッシャであり、その中間
部にドアインナパネル2側に突出した突出部21aが設
けられている。ドアインナパネル2にはプッシャ21の
突出部21aに対応する部位にプッシャ飛び出し用の開
口(図示省略)が形成されている。また、22はドアの
下部を前後方向に延びる補強用のインパクトバーであ
り、前後の両端がドアインナパネル2に固定されてい
る。23はドアガラス4の上端位置を規制するためにド
アインナパネル2に設けられたストッパ、24は該スト
ッパ23に当接するドアガラス4側に設けられた当て部
材である。
【0039】前部のガラスガイド6はドアガラス4の前
縁の昇降をガイドするように配設されている。中間部の
ガラスガイド7はドアガラス4の下縁中間部のローラ
(図3に符号35で示されている)の昇降を案内し、後
部のガラスガイド8はドアガラス4の下縁後部のローラ
(図5に符号36で示されている)の昇降を案内するよ
うに設けられている。これらのローラはドアガラス4に
固定のブラケット25,26に設けられている。ドアガ
ラス4の昇降にはワイヤ式レギュレータが採用されてお
り、モータ27によって駆動されるワイヤ28が中間部
のガラスガイド7に沿って配設されている。ワイヤ28
は中間部のブラケット25に結合されている。従って、
中間部のガラスガイド7はレギュレータ用のガイドであ
る。
【0040】補強部材12,13は、図4に示すよう
に、上端がドアアウタパネル3に接合され、下端がドア
インナパネル2に接合されている。
【0041】図3乃至図5に示すように、上記ドアイン
ナパネル2の上端部外面には、ベルトラインに沿って延
びる補強部材31の上縁と下縁とが接合されていて、こ
のドアインナパネル2と補強部材31とによってベルト
ラインに沿って延びる閉断面補強構造32が形成されて
いる。また、図1及び図3乃至図5に示すように、上記
ガラスガイド6〜8とパッド9,11の突出部9a,1
1aとの間にはドアガラス昇降用の隙間が形成されてい
る。
【0042】(作用説明)図6はドアに対して所定の衝
突エネルギーを与えたときの、衝突物(乗員M)が受け
る衝撃荷重とドアインナパネル2のつぶれ量との関係
を、パッド9,11の有無及びパッド9,11の間隔の
大小で比較してみたものである。比較試験は、図7に示
すように、定位置に固定したドアDの上部のガイド7,
8間に、内側から所定質量のインパクターI(人の肩部
を模した形状のもの)を一定の速度で衝突させることに
よって行なった。
【0043】パッド9,11がないものでは、衝突初期
の立上り荷重が低く、該荷重のままつぶれ量が大きくな
った時点で荷重が急激に高くなって×印で停止した。こ
れに対して、パッド9,11を設けたものは、つぶれ量
が大きくなる前に荷重が比較的大きく立上り、該立上り
荷重でつぶれ量が増大していって、それぞれ×印で停止
した。衝突初期の立上り荷重はパッド9,11の間隔が
狭いほど大きくなっている。パッド9,11の間隔が最
も広いものでは、ドアインナパネル2がドアアウタパネ
ル3に達してさらに荷重が立ち上がったが、その荷重が
大きくなる前に停止している。パッド9,11の間隔が
中間のものでは、つぶれ量が大きくなる前に停止してい
る。パッド9,11の間隔が最も狭いものでは、さらに
少ないつぶれ量で停止している。
【0044】パッド9,11がないものは、図8に示す
ように、ドアインナパネル2がその前後の両端を支点と
して曲がるために、ドアインナパネル2の衝突部位の曲
げ剛性が低く、低い初期荷重でつぶれ量が大きくなって
いき、ドアアウタパネル3に達した時点では、まだ衝突
エネルギーが消費されていないために、荷重が急激に大
きくなったものである。
【0045】これに対して、パッド9,11を設けたも
のでは、図9に示すように、衝突初期にドアインナパネ
ル2のガラスガイド7,8がパッド9,11に当ってド
アアウタパネル3側への変位が規制されたために、該パ
ッド9,11が支点となってドアインナパネル2の衝突
部位の変形するようになり、その結果、該衝突部位の曲
げ剛性が高くなって初期の立上り荷重が大きくなったも
のである。そして、初期の荷重が大きいために、その後
のつぶれ量がそれほど大きくなる前に衝突エネルギーが
消費されたものである。
【0046】上記結果から、パッド9,11を設けるこ
とによってドアインナパネル2の衝突部位の曲げ剛性を
調整することができること、そして、適切なパッド間隔
を選ぶことによって衝撃荷重のピークをパッドがないも
のよりもかなり低いものにすることができることがわか
る。上記試験例では、パッド間隔が大のもの及び中のも
のが好ましいということができる。
【0047】(他の実施形態)この実施形態は、図10
乃至図12に示されており、乗員衝突部位の前後の変位
規制手段の間に該衝突部位の変位に必要な荷重を高める
抵抗手段が設けられていることを特徴とする。
【0048】すなわち、図10において、41はドアア
ウタパネル3の上部に設けられてドアインナパネル2側
へ突出した実質的に中実の発泡ポリウレタン製弾性パッ
ドであり、このパッド41の前部はガラスガイド7に対
向する前側変位規制部41aを形成し、このパッド41
の後部はガラスガイド8に対向する後側変位規制部41
bを形成し、このパッド41の中央部は乗員Mの肩に対
向する抵抗部41cを形成している。
【0049】上記パッド41の抵抗部41cは、その前
後の変位規制部41a,41bよりもドアインナパネル
2側へ大きく突出しており、このため、図11及び図1
2に示すように、前側変位規制部41aよりも厚肉にな
っている。図示は省略するが、後側変位規制部41bも
前側変位規制部41aと同様の厚みに形成されている。
また、上記パッド41は、ドアアウタパネル3の補強部
材12,13に結合されているとともに、ドアアウタパ
ネル3の内面に貼付けられている。
【0050】従って、自動車の側面衝突時に、ドア1が
車室側へ変位してドアインナパネル2が乗員Mに衝突す
ると、該ドアインナパネル2がドアアウタパネル3側へ
相対的に変位してドアアウタパネル3のパッド41の厚
肉になった抵抗部41cに当たる。よって、このドアイ
ンナパネル2の衝突部位は、パッド41の抵抗部41c
が抵抗になって、ドアアウタパネル3側へ変位するため
に必要な荷重が高まる。そうして、パッド41の前後の
変位規制部41a,41bは、ドアインナパネル2の当
該衝突部位の前後両側の部分がドアアウタパネル3側へ
変位することを規制し、それによってドアインナパネル
2の衝突部位の曲げ剛性を高める。
【0051】このように、パッド41の抵抗部41cが
上記衝突部位の変位荷重を高め、次いで前後の変位規制
部41a,41bがこの衝突部位の曲げ剛性を高めるか
ら、乗員Mが当該衝突によって受ける荷重は漸次又は段
階的に高まる。このため、この実施形態では、抵抗部4
1cを設けない場合に比べて、ドアインナパネル2がド
アアウタパネル3によって相対的変位が完全に阻止され
るようになるまでに消費される衝突エネルギーが大きく
なり、乗員Mが当該衝突によって受ける荷重のピーク値
が低くなって、乗員の受ける衝撃は緩和されたものにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車のドアの横断面図。
【図2】自動車のドアの内部構造及びドアアウタパネル
を示す正面図。
【図3】図2のA−A線におけるドアの端面図。
【図4】図2のB−B線におけるドアの端面図。
【図5】図2のC−C線におけるドアの端面図。
【図6】ドアの衝突試験結果を示すグラフ図。
【図7】ドアの衝突試験の態様を示す縦断面図。
【図8】パッドがないドアの衝突時の変形状態を示す横
断面図。
【図9】パッドを有するドアの衝突時の変形状態を示す
横断面図。
【図10】他の実施形態における自動車のドアの内部構
造及びドアアウタパネルを示す正面図。
【図11】図10のD−D線における断面図。
【図12】図10のE−E線における断面図。
【符号の説明】
1 ドア 2 ドアインナパネル 3 ドアアウタパネル 4 ドアガラス 6,7,8 ガラスガイド 9,11 パッド(変位規制手段としての突出部) 32 閉断面補強構造 34 シートバック 41 パッド 41a 前側変位規制部 41b 後側変位規制部 41c 抵抗部 M 乗員
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井出 芳和 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 児玉 宏明 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドアインナパネルとドアアウタパネルと
    を接合してなる自動車のドア構造であって、 上記ドアインナパネルとドアアウタパネルとの間の上部
    には、車室内の上記ドアの側方に配設されたシートバッ
    クよりも所定間隔をおいて前側の位置に、当該ドアに対
    する外部からの衝突によって上記ドアインナパネルが当
    該位置よりも後側で車室側のものと衝突し撓みによって
    上記ドアアウタパネル側に相対変位するときに、該ドア
    インナパネルの当該衝突部位の変位がドアアウタパネル
    によって阻止される前に該ドアインナパネルの上記衝突
    部位よりも前側の部分の変位を規制することによって、
    当該衝突部位の曲げ剛性を高める前側変位規制手段が設
    けられていることを特徴とする自動車のドア構造。
  2. 【請求項2】 ドアインナパネルとドアアウタパネルと
    を接合してなる自動車のドア構造であって、 上記ドアインナパネルとドアアウタパネルとの間の上部
    には、車室内の上記ドアの側方に配設されたシートバッ
    クにもたれる乗員の上半身よりも前側の位置に、当該ド
    アに対する外部からの衝突によって上記ドアインナパネ
    ルが乗員と衝突し撓みによって上記ドアアウタパネル側
    に相対変位するときに、該ドアインナパネルの当該乗員
    衝突部位の変位がドアアウタパネルによって阻止される
    前に該ドアインナパネルの上記乗員衝突部位よりも前側
    の部分の変位を規制することによって、当該乗員衝突部
    位の曲げ剛性を高める前側変位規制手段が設けられてい
    ることを特徴とする自動車のドア構造。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載されている
    自動車のドア構造において、 上記ドアインナパネルとドアアウタパネルとの間の上部
    には、上記ドアインナパネルの衝突部位よりも後側の位
    置に、該ドアインナパネルの衝突部位の変位がドアアウ
    タパネルによって阻止される前に該ドアインナパネルの
    衝突部位よりも後側の部分の変位を規制することによっ
    て、上記前側変位規制手段と相俟って当該衝突部位の曲
    げ剛性を高める後側変位規制手段が設けられていること
    を特徴とする自動車のドア構造。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一に記
    載されている自動車のドア構造において、 上記ドアインナパネルとドアアウタパネルとの間の上部
    には、上記ドアインナパネルの衝突部位に対応する位置
    に、該衝突部位がドアアウタパネル側へ変位するために
    必要な荷重を高める抵抗手段が設けられていることを特
    徴とする自動車のドア構造。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    されている自動車のドア構造において、 上記変位規制手段が、上記ドアアウタパネルに固定され
    てドアインナパネル側へ突出している突出部によって形
    成されていることを特徴とする自動車のドア構造。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項4のいずれか一に記
    載されている自動車のドア構造において、 上記変位規制手段が、上記ドアアウタパネルに固定され
    てドアインナパネル側へ突出した突出部と、上記ドアイ
    ンナパネルに固定されてドアアウタパネル側へ突出した
    突出部とを対向させてなることを特徴とする自動車のド
    ア構造。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載されている自動車のドア
    構造において、 上記ドアインナパネルに固定されてドアアウタパネル側
    へ突出した突出部が、ドアガラスを昇降させるための上
    下方向に延びるガイドであり、該ガイドと上記ドアアウ
    タパネルに固定されてドアインナパネル側へ突出した突
    出部とがドアガラス昇降用の隙間を存して向かい合って
    いることを特徴とする自動車のドア構造。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれか一に記
    載されている自動車のドア構造において、 上記ドアインナパネルの上部にはベルトラインに沿って
    延びる閉断面構造が形成されていることを特徴とする自
    動車のドア構造。
  9. 【請求項9】 請求項4に記載されている自動車のドア
    構造において、 上記抵抗手段の剛性が変位規制手段の剛性よりも低いこ
    とを特徴とする自動車のドア構造。
  10. 【請求項10】 請求項4に記載されている自動車のド
    ア構造において、 上記変位規制手段と抵抗手段とは、互いに同じ材料によ
    って成形された実質的に中実の弾性体によって形成され
    ていて、且つ抵抗手段の方が変位規制手段よりも車幅方
    向の厚みが大きいことを特徴とする自動車のドア構造。
JP8182961A 1996-02-07 1996-07-12 自動車のドア構造 Withdrawn JPH09272342A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004284436A (ja) * 2003-03-20 2004-10-14 Mitsubishi Motors Corp 車両用サイドドア
JP2004314731A (ja) * 2003-04-15 2004-11-11 Honda Motor Co Ltd 車両用ドア
JP2007022353A (ja) * 2005-07-19 2007-02-01 Fuji Heavy Ind Ltd 車両用ドア構造

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