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JPH09263771A - 光学的異方性小球体の製造方法 - Google Patents

光学的異方性小球体の製造方法

Info

Publication number
JPH09263771A
JPH09263771A JP8075798A JP7579896A JPH09263771A JP H09263771 A JPH09263771 A JP H09263771A JP 8075798 A JP8075798 A JP 8075798A JP 7579896 A JP7579896 A JP 7579896A JP H09263771 A JPH09263771 A JP H09263771A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pitch
extraction
optically anisotropic
coal tar
toluene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8075798A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitomi Hatano
仁美 羽多野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP8075798A priority Critical patent/JPH09263771A/ja
Publication of JPH09263771A publication Critical patent/JPH09263771A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Working-Up Tar And Pitch (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度等方性炭素材やリチウムイオン二次電
池負極などに用いられる光学的異方性小球体を、従来よ
り低温で短時間に効率よく製造する方法の提供。 【解決手段】 コールタールおよび/またはコールター
ルピッチを原料として、熱処理、抽出分離を行う光学的
異方性小球体の製造方法において、一般式:Cn2n+2
(n:6〜8の整数)で表される脂肪族系炭化水素およ
び単環の芳香族炭化水素から選ばれる1種または2種以
上を、前記原料コールタールおよび/または前記原料コ
ールタールピッチの合計量1重量部に対して3〜6重量
部添加し、抽出分離を行い、得られた抽出残を熱処理
後、さらに抽出分離を行う光学的異方性小球体の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高密度等方性炭素材
やリチウムイオン二次電池負極などに用いられる光学的
異方性小球体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高密度等方性炭素材や黒鉛材にはコール
タールを熱処理することにより発生する光学的異方性小
球体を溶剤で抽出分離して得られる小球体が用いられて
いる。これは、小球体単独では光学的に異方性を示すも
のの、ブロック状に成形した場合にはランダムに配向し
全体として等方性を示すことによっている。
【0003】また、この小球体は形状が球形であること
により、電極板上への充填密度を高くすることが可能な
ことや、適度な結晶性を示し、リチウムイオンの吸蔵
量、脱離量が多いこと、および吸蔵、脱離が容易なこと
から、リチウムイオン二次電池負極材料としても多く用
いられている。この光学的異方性小球体の製造に関して
は、例えば、特公昭60− 25364号公報ではコールタール
ピッチを 350〜 500℃の温度にて加熱処理し、生成した
光学的異方性小球体をピッチ中のβ成分(トルエンに不
溶でキノリンに可溶な成分)と共に溶剤分別し、さらに
不活性ガス雰囲気中で 200〜 450℃の温度範囲で仮焼す
る方法が開示されている。
【0004】また、特公昭53−9599号公報では加熱水蒸
気により 350〜 450℃に加熱、攪拌して小球体を発生さ
せる方法が開示されている。また、特公平 3-20431号公
報ではコールタールピッチ、あるいは石油系重質油を 3
50〜 500℃の温度に加熱し、メソフェーズを発生させた
後、加熱溶融条件下で減圧処理し、小球体状に変換させ
る方法が開示されている。
【0005】さらには、特開平 3-239796 号公報では剪
断力および衝撃力を与えて分散、攪拌しながらピッチ類
を 350〜 500℃で熱処理して、小球体を生成させる方法
が開示されている。この光学的異方性小球体の生成に関
しては、コールタールピッチ中のTS(トルエンに可溶
な成分)がβ成分に熱的に転換し、さらにこのβ成分が
QI(キノリンに不溶な成分)に転換することによって
生じ、このため光学的異方性小球体の量はQIの量とほ
ぼ等しく、溶剤により小球体を分離することが可能であ
ると説明されている。
【0006】しかしながら、周知のようにコールタール
は石炭の熱分解により生成したものであり、熱的に安定
であることから、このコールタールをさらに熱処理し光
学的異方性小球体を短時間で得るためには高温を必要と
し、逆に低温で熱処理すると長時間の熱処理を必要とし
ていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
を解決し、高密度等方性炭素材やリチウムイオン二次電
池負極などに用いられる光学的異方性小球体を、従来よ
り低温で短時間に効率よく製造する方法を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、コールタール
および/またはコールタールピッチを原料として、熱処
理、抽出分離を行う光学的異方性小球体の製造方法にお
いて、一般式:Cn 2n+2(n:6〜8の整数)で表さ
れる脂肪族系炭化水素および単環の芳香族炭化水素から
選ばれる1種または2種以上を、前記原料コールタール
および/または前記原料コールタールピッチの合計量1
重量部に対して3〜6重量部添加し、抽出分離を行い、
得られた抽出残を熱処理後、さらに抽出分離を行うこと
を特徴とする光学的異方性小球体の製造方法である。
【0009】前記本発明においては、前記単環の芳香族
炭化水素が、ベンゼン、トルエン、キシレンであること
が好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳細に説明す
る。本発明は、コールタールおよび/またはコールター
ルピッチを原料として光学的異方性小球体を生成させる
場合に、該原料をヘキサンなどの脂肪族系炭化水素ある
いはベンゼン、トルエンなどの単環の芳香族系炭化水素
あるいはこれらの混合物を主成分とする溶剤で予備抽出
することを特徴とする光学的異方性小球体の製造方法で
ある。
【0011】前述したように石炭を熱分解した際に生成
するコールタールは、多種類の多環芳香族化合物の混合
物であり、石炭の熱分解の際に 600〜 900℃程度の熱履
歴を受けていることから、アルキル基やカルボニル基と
いった置換基をほとんど有していない。このことから、
コールタールの熱による重縮合は、多環芳香族化合物の
炭素に結合した水素が熱的に引き抜かれることにより、
芳香族化合物のラジカルが発生することが第1段階にな
るとされている。
【0012】この芳香族化合物のラジカルは安定であれ
ば反応はそこで終了するが、不安定であれば他の芳香族
化合物を攻撃し2量体を生成する。生成した2量体から
はさらに水素が引き抜かれ、その後、芳香環を形成し、
より大きな芳香族化合物を形成する。芳香環が大きくな
れば、溶剤に対しては不溶となりTI(トルエン不溶
分)の量が増加することになる。
【0013】さらに、熱的な反応が進行すると、生成す
る芳香族分子はキノリンにも溶解しなくなりQI(キノ
リン不溶分)の量が増加することになる。芳香族分子が
QIとなるほどに成長すると、ファンデルワールス力に
より、芳香環平面が積層した形状をとったほうがエネル
ギー的に安定となり、芳香環平面の積層が進展すると、
可視光を屈折させるようになり光学的異方性を有するよ
うになる。
【0014】このような状態は、いわゆる芳香族化合物
マトリックス中での液晶状態であることから、表面エネ
ルギーを最小にするために光学的異方性部分は球形をと
るようになる。コールタールピッチの熱反応による光学
的異方性小球体の生成は以上のように理解されており、
その反応の律速段階は第1段階の芳香族化合物からの水
素の引き抜きであると説明されている。
【0015】また、光学的異方性小球体の生成には、上
述のようにβ成分が大きく関与している。また、極めて
多種類の化合物の集合体であるコールタールピッチを、
反応速度論的に取り扱うことは困難をきわめるが、一般
的にTSからβへ、βからQI(光学的異方性小球体)
への反応として取り扱われている。
【0016】本発明者はこれらの反応を解析した結果、
光学的異方性小球体の生成反応の支配要因は主としてβ
成分の濃度であることを見い出した。すなわち、通常の
場合、原料タールあるいは原料ピッチのTIの量は少な
く、熱処理によりTIを発生させているが、本発明者
は、ピッチを高温での熱処理を行うことなく、適度な溶
剤を用いることにより、事前にβ成分を濃縮すれば、従
来より低い熱処理温度でも充分に光学的異方性小球体が
得られることを見い出し、本発明に到った。
【0017】本発明では、原料としてコールタールお
よび/またはコールタールピッチを用いる。前記コー
ルタールピッチとしては、コールタールからナフタレン
などを除去したコールタールピッチであることが好まし
い。これは、コールタール中からナフタレンなどの成分
を除去することにより、より重質成分であるβ成分が濃
縮されることになり、原料の段階でのβ成分の濃度が高
いことによる。
【0018】この原料コールタールおよび/または原料
コールタールピッチの合計量1重量部に、一般式:Cn
2n+2(n:6〜8の整数)で表される脂肪族系炭化水
素および単環の芳香族炭化水素から選ばれる1種または
2種以上の溶剤を合計量で3〜6重量部添加する。一般
式:Cn 2n+2(n:6〜8の整数)で表される脂肪族
系炭化水素としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n
−オクタン、およびそれらの異性体である3−メチルペ
ンタン、2−メチルペンタン、2,3 −ジメチルブタン、
2,2 −ジメチルブタン、2−メチルヘキサン、3−メチ
ルヘキサン、3−エチルペンタン、2,2 −ジメチルペン
タン、2,3 −ジメチルペンタン、2,4 −ジメチルペンタ
ン、3,3 −ジメチルペンタン、2,2,3 −トリメチルブタ
ン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、4−メ
チルヘプタン、2,2 −ジメチルヘキサン、2,3 −ジメチ
ルヘキサン、2,4 −ジメチルヘキサン、2,5 −ジメチル
ヘキサン、3,3 −ジメチルヘキサン、3,4 −ジメチルヘ
キサン、3−エチルヘキサン、2,2,3 −トリメチルペン
タン、2,2,4 −トリメチルペンタン、2,3,3 −トリメチ
ルペンタン、2,3,4 −トリメチルペンタン、2−メチル
−3−エチルペンタン、3−メチル−3−エチルペンタ
ン、2,2,3,3 −テトラメチルブタンから選ばれる1種ま
たは2種以上が挙げられる。
【0019】単環の芳香族炭化水素としては、ベンゼ
ン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシ
レン、トリメチルベンゼンなどから選ばれる1種または
2種以上が挙げられ、より好ましくは抽出力の面から、
ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレンおよ
びp−キシレンから選ばれる1種または2種以上が好ま
しい。
【0020】脂肪族系炭化水素でnが5以下の場合、沸
点が低いので取扱いが困難になる上、コールタールやコ
ールタールピッチ中の軽質成分の抽出力が弱くなるので
β成分の濃縮の程度が低くなる。一方、nが9以上の場
合、熱処理条件によっては脂肪族系炭化水素までが、次
に行われる熱処理において熱的に反応しタールピッチ中
の軽質成分が増加するという問題が生ずる。
【0021】また、芳香族炭化水素に関しては、2環以
上になると抽出力が過剰となり、抽出残中のβ成分の濃
縮度が大きくなりすぎて、熱処理でピッチが溶融しない
か、あるいは、溶融してもピッチ全体が光学的異方性を
示し、小球体が得られなくなる。また、前記脂肪族系炭
化水素および/または前記単環の芳香族炭化水素である
溶剤の合計量と前記原料コールタールおよび/または前
記原料コールタールピッチの合計量との比(重量比)で
ある溶剤比が、3重量部未満の場合、抽出残の分離が困
難となる一方、6重量部を超えると、場合によってはβ
成分の濃縮度が大きくなりすぎ、熱処理でピッチが溶融
しない場合や、あるいは小球体が得られなくなる場合が
ある。
【0022】なお、本発明においては、本発明の目的を
損なわない範囲で、前記した溶剤成分の条件、溶剤比を
満足した上で、さらに他の溶剤成分を含有する溶剤を使
用してもよい。抽出温度は、好ましくは常温から溶剤の
沸点の範囲で選択され、いずれの場合も、抽出中に溶剤
が蒸発、揮散するのを防ぐために還流をかけることが必
要である。
【0023】抽出率の安定性から言えば、溶剤の沸点の
条件下での抽出が好ましい。抽出時間は、好ましくは10
分から60分の範囲で選択される。10分未満であると、十
分に抽出されず、また、抽出率の変動も大きい。逆に60
分を超えてもそれ以上抽出率には変化が見られず生産性
が低下する。好ましくは前記の条件下で抽出を行い、抽
出後、抽出残を分離する。
【0024】抽出残と抽出液の分離には、濾過法を用い
てもよいし、遠心分離法、静置分離法、またはこれらの
組合せを用いることができる。以上のようにして分離さ
れた抽出残を、不活性ガス雰囲気下、好ましくは 250〜
400℃の温度範囲で、数分〜数十分の間熱処理を行う。
従来の方法では、高収率で光学的異方性小球体を得るた
めには 400℃を超えた熱処理を行うことが必要である
が、本発明では 400℃を超えると光学的異方性の急激な
展開が生じ、バルク状の異方性組織が得られることか
ら、 400℃を超えることは好ましくない。
【0025】一方、250 ℃未満では反応の進行が不十分
となり、また抽出残分の溶融が不十分となり、このため
異方性組織が展開できず小球体が得られない。小球体の
平均粒径の制御には温度の変更による方法と、時間の変
更による方法があるが、温度を上昇させると粒径が急激
に大きくなるため、時間の変更で平均粒径を制御する方
が好ましい。
【0026】前記に従って得られた熱処理ピッチから光
学的異方性小球体を分離する方法としては、溶剤による
抽出と濾過あるいは遠心分離を組み合わせた通常の方法
を用いることができる。なお、本発明においては、本発
明の目的を損なわない範囲で、原料コールタール、原料
コールタールピッチまたはこれらの抽出残に、石油系重
質油から得られる石油系タール、石油系ピッチを添加し
光学的異方性小球体を製造することも可能である。
【0027】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。なお、本実施例においては、光学的異方性小球
体の生成状況の調査および平均粒径の測定は偏光顕微鏡
観察により行った。 (実施例1)原料コールタールピッチ(TI量:23.2wt
%,QI量: 6.3wt%,軟化点:88.4℃) を粗粉砕し、
該ピッチ1重量部に対して、トルエンを3重量部添加
し、トルエンの沸点(111 ℃)で還流下、60分間抽出を
行った。
【0028】抽出後、濾過により濾過残(抽出残)と抽
出液を分離した。濾過残には一部分トルエンおよびトル
エンに溶解した抽出物が含まれるが、そのまま熱処理装
置に装入し、窒素雰囲気下で 380℃×30分の熱処理を行
った。得られた熱処理ピッチを回収し、ピッチ中のTI
分量、QI分量およびピッチ中の光学的異方性小球体の
生成状況、平均粒径を分析、測定した。得られた結果
を、前記原料ピッチの抽出条件、熱処理条件とともに表
1に併せて示す。
【0029】(実施例2)実施例1と同じ原料ピッチを
粗粉砕し、該ピッチ1重量部に対して、n−ヘキサンを
3重量部添加し、n−ヘキサンの沸点(69℃)で還流
下、60分間抽出を行った。抽出後、濾過により濾過残と
抽出液を分離した。濾過残には一部分ヘキサンおよびヘ
キサンに溶解した抽出物が含まれるが、そのまま熱処理
装置に装入し、窒素雰囲気下で 400℃×30分の熱処理を
行った。
【0030】得られた熱処理ピッチを回収し、ピッチ中
のTI分量、QI分量およびピッチ中の光学的異方性小
球体の生成状況、平均粒径を分析、測定した。得られた
結果を、前記原料ピッチの抽出条件、熱処理条件ととも
に表1に併せて示す。 (実施例3)実施例1と同じ原料ピッチを粗粉砕し、該
ピッチ1重量部に対して、n−ヘキサンとトルエンの1
対1(重量比)の混合物を3重量部添加し、沸点(110
℃)で還流下、60分間抽出を行った。
【0031】抽出後、濾過により濾過残と抽出液を分離
した。濾過残には一部分混合溶剤および混合溶剤に溶解
した抽出物が含まれるが、そのまま熱処理装置に装入
し、窒素雰囲気下で 400℃×30分の熱処理を行った。得
られた熱処理ピッチを回収し、ピッチ中のTI分量、Q
I分量およびピッチ中の光学的異方性小球体の生成状
況、平均粒径を分析、測定した。得られた結果を、前記
原料ピッチの抽出条件、熱処理条件とともに表1に併せ
て示す。
【0032】(実施例4)実施例1と同じ原料ピッチを
粗粉砕し、該ピッチ1重量部に対して、トルエンを6重
量部添加し、トルエンの沸点(111 ℃)で還流下、60分
間抽出を行った。抽出後、濾過により濾過残と抽出液を
分離した。濾過残には一部分トルエンおよびトルエンに
溶解した抽出物が含まれるが、そのまま熱処理装置に装
入し、窒素雰囲気下で 250℃×60分の熱処理を行った。
【0033】得られた熱処理ピッチを回収し、ピッチ中
のTI分量、QI分量およびピッチ中の光学的異方性小
球体の生成状況、平均粒径を分析、測定した。得られた
結果を、前記原料ピッチの抽出条件、熱処理条件ととも
に表1に併せて示す。 (実施例5〜9)トルエンに代えて、ベンゼン、キシレ
ン(o−キシレン、m−キシレン、p−キシレンの混合
物)、2−メチルヘキサン、n−オクタン、2−メチル
ヘプタンを用い、抽出時の温度をこれらの溶剤の沸点と
した以外は実施例1と同様にして熱処理ピッチを得た。
【0034】得られた熱処理ピッチを回収し、ピッチ中
のTI分量、QI分量およびピッチ中の光学的異方性小
球体の生成状況、平均粒径を分析、測定した。得られた
結果を、原料ピッチの抽出条件、熱処理条件とともに表
1に併せて示す。 (実施例10)原料コールタール(QI量: 2.0wt%) 1
重量部に対して、トルエンを5重量部添加し、トルエン
の沸点( 110℃)で還流下、30分間抽出を行った。
【0035】抽出後、濾過により濾過残と抽出液を分離
した。濾過残には一部分トルエンおよびトルエンに溶解
した抽出物が含まれるが、そのまま熱処理装置に装入
し、窒素雰囲気下で 380℃×30分の熱処理を行った。得
られた熱処理ピッチを回収し、ピッチ中のTI分量、Q
I分量およびピッチ中の光学的異方性小球体の生成状
況、平均粒径を分析、測定した。得られた結果を、原料
コールタールの抽出条件、熱処理条件とともに表1に併
せて示す。
【0036】(比較例1)実施例1と同じ原料ピッチを
粗粉砕し、該ピッチ1重量部に対して、トルエンを2重
量部添加し、トルエンの沸点(111 ℃)で還流下、60分
間抽出を行った。抽出後、濾過により分離を試みたが、
濾過速度が遅く、実用には適さなかった。
【0037】(比較例2)実施例1と同じ原料ピッチを
粗粉砕し、該ピッチ1重量部に対して、トルエンを3重
量部添加し、トルエンの沸点(111 ℃)で還流下、60分
間抽出を行った。抽出後、濾過により濾過残と抽出液を
分離した。濾過残には一部分トルエンおよびトルエンに
溶解した抽出物が含まれるが、そのまま熱処理装置に装
入し、窒素雰囲気下で 420℃×30分の熱処理を行った。
【0038】得られた熱処理ピッチを回収し、ピッチ中
のTI分量、QI分量およびピッチ中の光学的異方性小
球体の生成状況、平均粒径を分析、測定した。得られた
結果を、前記原料ピッチの抽出条件、熱処理条件ととも
に表1に併せて示す。本比較例においては、熱処理後の
ピッチは、ピッチ中において光学的異方性小球体同士が
融着し、小球体の一部がバルク化していた。
【0039】(比較例3)実施例1と同じ原料ピッチを
熱処理装置に仕込み、窒素雰囲気下で 400℃×30分の熱
処理を行った。得られた熱処理ピッチを回収し、ピッチ
中のTI分量、QI分量およびピッチ中の光学的異方性
小球体の生成状況、平均粒径を分析、測定した。得られ
た結果を、原料ピッチの抽出条件、熱処理条件とともに
表1に併せて示す。
【0040】本比較例においては、熱処理後のピッチ中
には光学的異方性小球体は観察されなかった。 (実施例11)実施例1〜10で得られた熱処理後のピッチ
を、溶剤としてタール系中油を用い抽出を行い、濾過に
より光学的異方性小球体を分離した。
【0041】得られた小球体は、平均粒径がいずれも10
〜19μm の範囲内である光学的異方性小球体であった。
実施例1〜11の結果から、本発明によれば、従来より温
和な温度条件でかつ短時間で光学的異方性小球体が製造
可能であることが分かる。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明により、従来より穏和な温度条件
でかつ短時間で光学的異方性小球体を製造することが可
能となり、その工業的意義は大きい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コールタールおよび/またはコールター
    ルピッチを原料として、熱処理、抽出分離を行う光学的
    異方性小球体の製造方法において、一般式:Cn 2n+2
    (n:6〜8の整数)で表される脂肪族系炭化水素およ
    び単環の芳香族炭化水素から選ばれる1種または2種以
    上を、前記原料コールタールおよび/または前記原料コ
    ールタールピッチの合計量1重量部に対して3〜6重量
    部添加し、抽出分離を行い、得られた抽出残を熱処理
    後、さらに抽出分離を行うことを特徴とする光学的異方
    性小球体の製造方法。
JP8075798A 1996-03-29 1996-03-29 光学的異方性小球体の製造方法 Pending JPH09263771A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8075798A JPH09263771A (ja) 1996-03-29 1996-03-29 光学的異方性小球体の製造方法

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ID=13586590

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JP8075798A Pending JPH09263771A (ja) 1996-03-29 1996-03-29 光学的異方性小球体の製造方法

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JP (1) JPH09263771A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004507867A (ja) * 2000-06-15 2004-03-11 イドロ−ケベック サポート上に被覆を形成するための組成物、方法及び装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004507867A (ja) * 2000-06-15 2004-03-11 イドロ−ケベック サポート上に被覆を形成するための組成物、方法及び装置

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