JPH09254040A - 研削用砥石及びレンズ研削用砥石 - Google Patents
研削用砥石及びレンズ研削用砥石Info
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- JPH09254040A JPH09254040A JP8059643A JP5964396A JPH09254040A JP H09254040 A JPH09254040 A JP H09254040A JP 8059643 A JP8059643 A JP 8059643A JP 5964396 A JP5964396 A JP 5964396A JP H09254040 A JPH09254040 A JP H09254040A
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- abrasive grain
- lens
- grindstone
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 砥粒層表面の形状精度が高く且つ研削加工で
の磨耗変形も少なく、軸対称非球面レンズ等の加工を生
産性よく行える研削用砥石及びレンズ研削用砥石を得
る。 【解決手段】 レンズ等の被研削物9を研削装置の所定
の位置に取り付ける。一方、所望の被研削物9の形状の
対称軸10を含む断面の稜線形状における対称軸10か
ら被研削物9の周縁部までの部分的な稜線形状をもと
に、その部分稜線形状に対応した断面形状を軸心11か
ら周縁部までの間に形成した軸対称な砥粒層表面6を有
した研削用砥石1を研削装置に取り付ける。この砥石1
の砥粒層表面6は、その軸心11側に所望の被研削物9
の形状の周縁部に対応する形状を有し、更に砥粒層表面
6の周縁部に所望の被研削物9の形状の対称軸10側に
対応する形状を有する。そして被研削物9と砥石1の砥
粒層表面6とを接触させつつ、お互いを回転させること
で砥粒層5の表面形状を被研削物9に転写する。
の磨耗変形も少なく、軸対称非球面レンズ等の加工を生
産性よく行える研削用砥石及びレンズ研削用砥石を得
る。 【解決手段】 レンズ等の被研削物9を研削装置の所定
の位置に取り付ける。一方、所望の被研削物9の形状の
対称軸10を含む断面の稜線形状における対称軸10か
ら被研削物9の周縁部までの部分的な稜線形状をもと
に、その部分稜線形状に対応した断面形状を軸心11か
ら周縁部までの間に形成した軸対称な砥粒層表面6を有
した研削用砥石1を研削装置に取り付ける。この砥石1
の砥粒層表面6は、その軸心11側に所望の被研削物9
の形状の周縁部に対応する形状を有し、更に砥粒層表面
6の周縁部に所望の被研削物9の形状の対称軸10側に
対応する形状を有する。そして被研削物9と砥石1の砥
粒層表面6とを接触させつつ、お互いを回転させること
で砥粒層5の表面形状を被研削物9に転写する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の被研削物の
研削に使用される研削用砥石に関し、特に、軸対称の非
球面レンズ等の高精度な研削に適する研削用砥石及びレ
ンズ研削用砥石に関するものである。
研削に使用される研削用砥石に関し、特に、軸対称の非
球面レンズ等の高精度な研削に適する研削用砥石及びレ
ンズ研削用砥石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にレンズを研削、研磨方式にて製造
する場合、球面レンズや平面レンズにおいては、被研削
物と砥石との共摺りによる加工方法が採られている。球
面レンズの研削に用いられる砥石には、図3に示すよう
に、基体31に砥粒層32が取り付けられた構成のレジ
ンボンド砥石,メタルボンド砥石,ビトリファイドボン
ド砥石など、あるいは、図4に示すように、基体41の
表面に砥粒を電着により固着して砥粒層42を形成した
電着砥石がある。
する場合、球面レンズや平面レンズにおいては、被研削
物と砥石との共摺りによる加工方法が採られている。球
面レンズの研削に用いられる砥石には、図3に示すよう
に、基体31に砥粒層32が取り付けられた構成のレジ
ンボンド砥石,メタルボンド砥石,ビトリファイドボン
ド砥石など、あるいは、図4に示すように、基体41の
表面に砥粒を電着により固着して砥粒層42を形成した
電着砥石がある。
【0003】しかし、軸対称非球面レンズの研削にあっ
ては、球面レンズの場合に行われている共摺りによる加
工方法では、被研削物と砥石がずれ動くため非球面が創
成できず、このため、高精度な数値制御方式の非球面研
削機を用いて加工していた。この加工方法の一例は、図
2に示すごとく、非球面研削機の回転軸21に砥粒層表
面が円弧状断面のストレート型砥石22を取り付け、被
研削物9を回転させながら水平方向に送る一方、ストレ
ート型砥石22を回転しながら所定の速度で上下に駆動
制御することにより研削を行う。この研削は、ストレー
ト型砥石22の粒度を荒いものから細かいものに代えな
がら数段階行って、非球面を創成する。その後、被研削
物9の表面を弾力性ポリッシング材による研磨で仕上げ
ポリッシングをする。
ては、球面レンズの場合に行われている共摺りによる加
工方法では、被研削物と砥石がずれ動くため非球面が創
成できず、このため、高精度な数値制御方式の非球面研
削機を用いて加工していた。この加工方法の一例は、図
2に示すごとく、非球面研削機の回転軸21に砥粒層表
面が円弧状断面のストレート型砥石22を取り付け、被
研削物9を回転させながら水平方向に送る一方、ストレ
ート型砥石22を回転しながら所定の速度で上下に駆動
制御することにより研削を行う。この研削は、ストレー
ト型砥石22の粒度を荒いものから細かいものに代えな
がら数段階行って、非球面を創成する。その後、被研削
物9の表面を弾力性ポリッシング材による研磨で仕上げ
ポリッシングをする。
【0004】ストレート型砥石22に使用される砥石の
種類としては、上述のレジンボンド砥石、メタルボンド
砥石、ビトリファイドボンド砥石、および電着砥石等が
あるが、特に、非球面レンズの製造においては、研削加
工での仕上がり精度を高精度にすることが次工程のポリ
ッシングの負担及びポリッシングによるレンズの形状の
変化を軽減するうえで重要であり、目的にあった砥石を
選定することが重要であった。
種類としては、上述のレジンボンド砥石、メタルボンド
砥石、ビトリファイドボンド砥石、および電着砥石等が
あるが、特に、非球面レンズの製造においては、研削加
工での仕上がり精度を高精度にすることが次工程のポリ
ッシングの負担及びポリッシングによるレンズの形状の
変化を軽減するうえで重要であり、目的にあった砥石を
選定することが重要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
砥石の中、レジンボンド砥石,メタルボンド砥石,ビト
リファイドボンド砥石にあっては、砥粒層32のボンド
材の硬度が低いため、使用部分が摩耗変形しやすく、砥
石表面の形状修正を生産作業を止めて頻繁に行う必要が
あった。殊に、非球面レンズの研削に使用されるストレ
ート型砥石22では、図2に示すように、点接触により
被研削物9を研削するため、重研削は不可能であり、従
って加工所要時間も長くなり、更には砥石表面の磨耗に
対応して被研削物9との距離補正や駆動の補正をその都
度行う必要があり、生産性が低いという問題があった。
砥石の中、レジンボンド砥石,メタルボンド砥石,ビト
リファイドボンド砥石にあっては、砥粒層32のボンド
材の硬度が低いため、使用部分が摩耗変形しやすく、砥
石表面の形状修正を生産作業を止めて頻繁に行う必要が
あった。殊に、非球面レンズの研削に使用されるストレ
ート型砥石22では、図2に示すように、点接触により
被研削物9を研削するため、重研削は不可能であり、従
って加工所要時間も長くなり、更には砥石表面の磨耗に
対応して被研削物9との距離補正や駆動の補正をその都
度行う必要があり、生産性が低いという問題があった。
【0006】一方、電着砥石は、前記レジンボンド砥石
等のボンドタイプの砥石に比べて磨耗変形しにくい特徴
を持つが、その製造において、基体41の表面形状に沿
って均一に砥粒層42が形成されない特性を有するた
め、一般的には砥粒を一層だけ固定させて砥粒層の均一
化を図っているが、それでも必ずしも狙い通りの形状に
形成されないのが現実であった。このため、研削に供す
る前に、電着砥石と相対した形状を有する鋳鉄製などの
修正皿と砂を用いて、砥石表面の形状修正作業を必要と
するものが多く、所望の形状を持った砥石を得るのは非
常に困難であった。また、一層の砥粒層であるため、砥
粒層が磨滅するまでの加工能力が小さく、多数個のレン
ズの連続研削は困難だった。
等のボンドタイプの砥石に比べて磨耗変形しにくい特徴
を持つが、その製造において、基体41の表面形状に沿
って均一に砥粒層42が形成されない特性を有するた
め、一般的には砥粒を一層だけ固定させて砥粒層の均一
化を図っているが、それでも必ずしも狙い通りの形状に
形成されないのが現実であった。このため、研削に供す
る前に、電着砥石と相対した形状を有する鋳鉄製などの
修正皿と砂を用いて、砥石表面の形状修正作業を必要と
するものが多く、所望の形状を持った砥石を得るのは非
常に困難であった。また、一層の砥粒層であるため、砥
粒層が磨滅するまでの加工能力が小さく、多数個のレン
ズの連続研削は困難だった。
【0007】なお、図3、図4に示すような従来の球面
の総形砥石を、軸対称非球面の形状に変えた総形砥石を
作り、この軸対称非球面の形状を有する砥石をその対称
軸の周りに回転して非球面レンズを研削加工しようとし
ても、被研削物と砥石とが非球面の全面で面接触する構
成となるため、被研削物に対して砥石表面を均等に接触
させることが非常に難しく、非球面の創成はできない。
の総形砥石を、軸対称非球面の形状に変えた総形砥石を
作り、この軸対称非球面の形状を有する砥石をその対称
軸の周りに回転して非球面レンズを研削加工しようとし
ても、被研削物と砥石とが非球面の全面で面接触する構
成となるため、被研削物に対して砥石表面を均等に接触
させることが非常に難しく、非球面の創成はできない。
【0008】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、砥石表面の形状精度の良い研削用砥石
を得て、研削加工での磨耗変形が少なく且つ砥粒層が磨
滅するまでの加工能力が大きく、仕上がり精度が高いレ
ンズ等の被研削物を多数連続して研削できる研削用砥石
を提供することを目的とする。更に、軸対称非球面レン
ズの加工を生産性よく実施できるレンズ研削用砥石を提
供することを目的とする。
なされたもので、砥石表面の形状精度の良い研削用砥石
を得て、研削加工での磨耗変形が少なく且つ砥粒層が磨
滅するまでの加工能力が大きく、仕上がり精度が高いレ
ンズ等の被研削物を多数連続して研削できる研削用砥石
を提供することを目的とする。更に、軸対称非球面レン
ズの加工を生産性よく実施できるレンズ研削用砥石を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第一の発明(請求項1)は、基体の表面に、無電解
めっきによる反応を促す触媒となる物質で形成された中
間層と、無電解めっきで形成される砥粒を含む複合皮膜
で形成された砥粒層とを有する研削用砥石である。
に、第一の発明(請求項1)は、基体の表面に、無電解
めっきによる反応を促す触媒となる物質で形成された中
間層と、無電解めっきで形成される砥粒を含む複合皮膜
で形成された砥粒層とを有する研削用砥石である。
【0010】砥粒層が無電解めっきによる金属と砥粒と
の複合皮膜なので、基体表面の形状によらずに均一な厚
さで砥粒層を形成でき、砥石表面の形状精度がよい。ま
た、無電解めっきによる砥粒層は磨耗変形しにくい。無
電解めっきとしては、無電解ニッケルめっきや無電解銅
めっきがあるが、強度の点で無電解ニッケルめっきが望
ましい。また、砥粒の種類は、ダイヤモンドの他に、用
途に応じてCBN(Cubic Boron Nitr
ide)等を使用してもよい。また、被研削物の材質と
しては、ガラス、プラスチック、金属、セラミックス、
石材などが挙げられる。
の複合皮膜なので、基体表面の形状によらずに均一な厚
さで砥粒層を形成でき、砥石表面の形状精度がよい。ま
た、無電解めっきによる砥粒層は磨耗変形しにくい。無
電解めっきとしては、無電解ニッケルめっきや無電解銅
めっきがあるが、強度の点で無電解ニッケルめっきが望
ましい。また、砥粒の種類は、ダイヤモンドの他に、用
途に応じてCBN(Cubic Boron Nitr
ide)等を使用してもよい。また、被研削物の材質と
しては、ガラス、プラスチック、金属、セラミックス、
石材などが挙げられる。
【0011】上記複合皮膜の砥粒層は、複数層に形成す
るのが好ましい。ここで、複数層とは二層以上をいい、
砥粒層が複数層、例えば砥粒層が三層であるとは、砥粒
が砥粒層の厚さ方向に約三個存在していることを言う。
砥粒層を複数層に形成すると、砥粒層表面の砥粒が磨耗
や脱落を生じても次々と内層の砥粒が自生するので、多
数個の被研削物を連続して研削することができ、砥粒層
が磨滅するまでの加工能力が大きい。
るのが好ましい。ここで、複数層とは二層以上をいい、
砥粒層が複数層、例えば砥粒層が三層であるとは、砥粒
が砥粒層の厚さ方向に約三個存在していることを言う。
砥粒層を複数層に形成すると、砥粒層表面の砥粒が磨耗
や脱落を生じても次々と内層の砥粒が自生するので、多
数個の被研削物を連続して研削することができ、砥粒層
が磨滅するまでの加工能力が大きい。
【0012】上記基体の材料としては、黄銅、鋼,ステ
ンレス鋼などの鉄合金、アルミニウム合金などが挙げら
れる。これらのうち、黄銅は、基体とするための機械加
工において、鉄合金やアルミニウム合金よりも表面粗さ
が細かく、高い形状精度が得られるため、基体には、黄
銅材を使うことが好ましい。黄銅の基体上に、均一析出
性を有する無電解めっき法で砥粒層を形成させること
で、高い表面形状精度を有する砥石を製造できる。表面
形状精度が高いので、被研削物と相対した総形の砥石に
好適であり、球面レンズにとどまらず軸対称非球面レン
ズの研削加工も可能である。
ンレス鋼などの鉄合金、アルミニウム合金などが挙げら
れる。これらのうち、黄銅は、基体とするための機械加
工において、鉄合金やアルミニウム合金よりも表面粗さ
が細かく、高い形状精度が得られるため、基体には、黄
銅材を使うことが好ましい。黄銅の基体上に、均一析出
性を有する無電解めっき法で砥粒層を形成させること
で、高い表面形状精度を有する砥石を製造できる。表面
形状精度が高いので、被研削物と相対した総形の砥石に
好適であり、球面レンズにとどまらず軸対称非球面レン
ズの研削加工も可能である。
【0013】上記中間層は、無電解めっきにおいて金属
析出速度を変えるなどの触媒作用をなすもので、パラジ
ウム,白金,亜鉛などからなり、基体の材料や砥石の用
途などに応じて選定される。例えば、黄銅、ステンレス
鋼の基体にはパラジウムや白金の中間層を、また、アル
ミニウム合金の基体には亜鉛の中間層を無電解めっきの
前処理として基体表面に形成する。
析出速度を変えるなどの触媒作用をなすもので、パラジ
ウム,白金,亜鉛などからなり、基体の材料や砥石の用
途などに応じて選定される。例えば、黄銅、ステンレス
鋼の基体にはパラジウムや白金の中間層を、また、アル
ミニウム合金の基体には亜鉛の中間層を無電解めっきの
前処理として基体表面に形成する。
【0014】黄銅の基体には、パラジウムの中間層が最
も適している。パラジウムの中間層は、黄銅基体上に無
電解めっきを行う際にニッケルの析出を促すための触媒
となるものであるが、膜厚は0.01μm以下と非常に
薄いため、何ら基体の形状を損なうことはなく、またニ
ッケルめっきとの密着性もよい。パラジウム層を付与し
た後においても基体の形状精度を維持できるので、軸対
称非球面レンズの研削も行える高い形状精度を有する砥
石が得られる。
も適している。パラジウムの中間層は、黄銅基体上に無
電解めっきを行う際にニッケルの析出を促すための触媒
となるものであるが、膜厚は0.01μm以下と非常に
薄いため、何ら基体の形状を損なうことはなく、またニ
ッケルめっきとの密着性もよい。パラジウム層を付与し
た後においても基体の形状精度を維持できるので、軸対
称非球面レンズの研削も行える高い形状精度を有する砥
石が得られる。
【0015】パラジウム層は、一液性のパラジウム溶液
(例えば、塩酸に塩化パラジウムを溶かしたもの)に基
体を浸漬するだけで、置換処理により簡単に形成され
る。この溶液は容易に自作ができ、また市販されている
ものも多く、液自体も安定している。更にパラジウム層
を付与した後に水洗を行うだけで、無電解めっきまで連
続した工程で行えるので、ニッケルの析出を効率よく促
すことが出来る。パラジウム以外の貴金属、例えば白金
も同様に一液性の白金溶液から白金層が得られ、触媒と
して用いることも可能であるが、溶液として市販されて
いることはほとんど無いため、作業性の点でもパラジウ
ムが適している。
(例えば、塩酸に塩化パラジウムを溶かしたもの)に基
体を浸漬するだけで、置換処理により簡単に形成され
る。この溶液は容易に自作ができ、また市販されている
ものも多く、液自体も安定している。更にパラジウム層
を付与した後に水洗を行うだけで、無電解めっきまで連
続した工程で行えるので、ニッケルの析出を効率よく促
すことが出来る。パラジウム以外の貴金属、例えば白金
も同様に一液性の白金溶液から白金層が得られ、触媒と
して用いることも可能であるが、溶液として市販されて
いることはほとんど無いため、作業性の点でもパラジウ
ムが適している。
【0016】黄銅基体上に無電解めっきの析出を促すべ
く、触媒となるパラジウム等の金属を基体表面に付与す
るその他の方法としては、蒸着やイオンプレーティング
等の気相処理で付与する方法や電解めっきにより付与す
る方法があるが、いずれもその処理に時間を要したり工
程が別になるためにニッケル等の金属の析出を効率よく
促せないこと、あるいは付与した金属層の膜厚が均一に
ならずに形状精度を損なう等の理由から適していない。
く、触媒となるパラジウム等の金属を基体表面に付与す
るその他の方法としては、蒸着やイオンプレーティング
等の気相処理で付与する方法や電解めっきにより付与す
る方法があるが、いずれもその処理に時間を要したり工
程が別になるためにニッケル等の金属の析出を効率よく
促せないこと、あるいは付与した金属層の膜厚が均一に
ならずに形状精度を損なう等の理由から適していない。
【0017】また、上記砥粒層の表面に、研削加工中に
生じるレンズ粉や研削液などを外部に逃げやすくするた
めの溝を形成するようにしてもよい。基体の表面に機械
加工により予め溝を設けておき、この基体上に無電解め
っきにより砥粒層を形成すれば、形状精度を損なうこと
なく、砥粒層表面に溝を形成できる。溝は、基体の表面
形状などに応じて、例えば放射状や螺旋状などに切られ
る。
生じるレンズ粉や研削液などを外部に逃げやすくするた
めの溝を形成するようにしてもよい。基体の表面に機械
加工により予め溝を設けておき、この基体上に無電解め
っきにより砥粒層を形成すれば、形状精度を損なうこと
なく、砥粒層表面に溝を形成できる。溝は、基体の表面
形状などに応じて、例えば放射状や螺旋状などに切られ
る。
【0018】第二の発明(請求項8)は、所望のレンズ
の形状が軸対称であり、且つ前記形状の対称軸を含む断
面の稜線形状に対して前記対称軸から前記レンズの周縁
部までの部位における部分稜線形状をもとに、前記部分
稜線形状に対応した断面形状が軸心から周縁部までの間
に形成され前記軸心に対して軸対称な形状を有した砥粒
層表面を有し、前記砥粒層表面の形状は、前記砥粒層表
面の軸心の近傍に前記所望のレンズの形状の周縁部に対
応する形状を設け、更に前記砥粒層表面の周縁部に前記
所望のレンズの形状の対称軸の近傍に対応する形状を設
けたレンズ研削用砥石である。
の形状が軸対称であり、且つ前記形状の対称軸を含む断
面の稜線形状に対して前記対称軸から前記レンズの周縁
部までの部位における部分稜線形状をもとに、前記部分
稜線形状に対応した断面形状が軸心から周縁部までの間
に形成され前記軸心に対して軸対称な形状を有した砥粒
層表面を有し、前記砥粒層表面の形状は、前記砥粒層表
面の軸心の近傍に前記所望のレンズの形状の周縁部に対
応する形状を設け、更に前記砥粒層表面の周縁部に前記
所望のレンズの形状の対称軸の近傍に対応する形状を設
けたレンズ研削用砥石である。
【0019】被研削物であるレンズを研削装置の所定の
位置に取り付ける。そしてレンズの形状の対称軸を含む
断面の稜線形状における対称軸から前記レンズの周縁部
までの部位における部分的な稜線形状をもとに、その部
分稜線形状に対応した断面形状を軸心から周縁部までの
間に形成した砥粒層表面を有した砥石を研削装置に取り
付ける。この研削用砥石の砥粒層表面は、軸対称な形状
を有しており、その砥粒層表面の形状は、その砥粒層表
面の軸心の近傍に所望のレンズの形状の周縁部に対応す
る形状を設け、更に砥粒層表面の周縁部に所望のレンズ
の形状の対称軸の近傍に対応する形状を設けている。こ
の様にして、被研削物と砥粒層表面とを接触させつつ、
お互いを回転運動させることで砥粒層の表面形状を被研
削物に転写させることができる。また、この様な砥石を
用いることで、被研削物との接触する部分が砥石断面の
稜線に当たる部分だけであるので、実際には砥石全体的
に被研削物に接触するのではなく、砥石の一部と被研削
物の一部だけしか接触しない。
位置に取り付ける。そしてレンズの形状の対称軸を含む
断面の稜線形状における対称軸から前記レンズの周縁部
までの部位における部分的な稜線形状をもとに、その部
分稜線形状に対応した断面形状を軸心から周縁部までの
間に形成した砥粒層表面を有した砥石を研削装置に取り
付ける。この研削用砥石の砥粒層表面は、軸対称な形状
を有しており、その砥粒層表面の形状は、その砥粒層表
面の軸心の近傍に所望のレンズの形状の周縁部に対応す
る形状を設け、更に砥粒層表面の周縁部に所望のレンズ
の形状の対称軸の近傍に対応する形状を設けている。こ
の様にして、被研削物と砥粒層表面とを接触させつつ、
お互いを回転運動させることで砥粒層の表面形状を被研
削物に転写させることができる。また、この様な砥石を
用いることで、被研削物との接触する部分が砥石断面の
稜線に当たる部分だけであるので、実際には砥石全体的
に被研削物に接触するのではなく、砥石の一部と被研削
物の一部だけしか接触しない。
【0020】上記砥粒層は、基体の表面上に、無電解め
っきによる反応を促す触媒となる物質で形成された中間
層が形成され、前記中間層の上に無電解めっきで形成さ
れる砥粒を含む複合皮膜で形成されているようにすると
よい。このように砥粒層を形成すれば、上記第一の発明
と同様に、高い形状精度を有する砥石が得られ、軸対称
非球面レンズの研削に好適である。
っきによる反応を促す触媒となる物質で形成された中間
層が形成され、前記中間層の上に無電解めっきで形成さ
れる砥粒を含む複合皮膜で形成されているようにすると
よい。このように砥粒層を形成すれば、上記第一の発明
と同様に、高い形状精度を有する砥石が得られ、軸対称
非球面レンズの研削に好適である。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るレンズ研削用
砥石の一実施形態を示す縦断面図であり、この実施形態
のレンズ研削用砥石は凸形の非球面レンズを研削する砥
石である。
砥石の一実施形態を示す縦断面図であり、この実施形態
のレンズ研削用砥石は凸形の非球面レンズを研削する砥
石である。
【0022】レンズ研削用砥石1の基体2は全体がきの
こ状をしており、その傘形状ないし山形状の先端部側の
基体表面3には砥粒層5が形成されると共に、軸状の基
体基部4は研削装置の砥石取付軸(図示省略)に装着さ
れるようになっている。基体2の材質は、高精度に形状
が加工できることから黄銅を使用している。
こ状をしており、その傘形状ないし山形状の先端部側の
基体表面3には砥粒層5が形成されると共に、軸状の基
体基部4は研削装置の砥石取付軸(図示省略)に装着さ
れるようになっている。基体2の材質は、高精度に形状
が加工できることから黄銅を使用している。
【0023】基体表面3は、軸対称非球面レンズに加工
すべき被研削物9の仕上がり形状に対応した曲面になっ
ている。即ち、所望のレンズの形状が軸対称非球面であ
る場合、砥粒層表面6の断面形状は、被研削物9の対称
軸10を含んだ断面形状に対応した形状を有している。
そして、所望のレンズの形状での周縁部の形状に対応す
る砥粒層表面6の形状は、砥粒層表面6における端面部
12近傍で被研削物9に接触する部分に形成されてい
る。また、所望のレンズの形状での対称軸10近傍の形
状に対応する砥粒層表面6の形状は、砥粒層表面6にお
ける周縁部に形成されている。そして、被研削物9の対
称軸10と砥石1の軸心11とが平行な状態で被研削物
9に砥石1を接触させる。このとき、被研削物9の対称
軸10近傍の部分に砥石1の周縁部における砥粒層表面
6が接触し、被研削物9の周縁部に砥石1の端面部12
の近傍が接触するように設置する。この様に、被研削物
9と砥石1とを接触させ研削を行う。なお、基体2の先
端部側の平坦な端面部12は、機械加工上の逃げのため
に設けたものである。
すべき被研削物9の仕上がり形状に対応した曲面になっ
ている。即ち、所望のレンズの形状が軸対称非球面であ
る場合、砥粒層表面6の断面形状は、被研削物9の対称
軸10を含んだ断面形状に対応した形状を有している。
そして、所望のレンズの形状での周縁部の形状に対応す
る砥粒層表面6の形状は、砥粒層表面6における端面部
12近傍で被研削物9に接触する部分に形成されてい
る。また、所望のレンズの形状での対称軸10近傍の形
状に対応する砥粒層表面6の形状は、砥粒層表面6にお
ける周縁部に形成されている。そして、被研削物9の対
称軸10と砥石1の軸心11とが平行な状態で被研削物
9に砥石1を接触させる。このとき、被研削物9の対称
軸10近傍の部分に砥石1の周縁部における砥粒層表面
6が接触し、被研削物9の周縁部に砥石1の端面部12
の近傍が接触するように設置する。この様に、被研削物
9と砥石1とを接触させ研削を行う。なお、基体2の先
端部側の平坦な端面部12は、機械加工上の逃げのため
に設けたものである。
【0024】砥粒層5と基体表面3との間の中間層7は
パラジウム層であり、無電解めっきの析出を効率よく促
すためのものであるが、パラジウムの中間層7の膜厚
は、厚すぎるとめっきの密着性が悪くなるため、0.0
1μm以下としている。
パラジウム層であり、無電解めっきの析出を効率よく促
すためのものであるが、パラジウムの中間層7の膜厚
は、厚すぎるとめっきの密着性が悪くなるため、0.0
1μm以下としている。
【0025】砥粒層5は、ニッケルとダイヤモンドの複
合皮膜層であり、無電解めっきによって複数層に形成さ
れる。砥粒層5の厚さは含有される砥粒8の粒径によっ
て異なるが、おおむね0.01mmから0.1mmの範
囲にする。また、砥粒層5に含有される砥粒8の粒径
は、現存する砥粒の粒径であればどれでも製作可能であ
り、研削の用途に応じて選定すればよい。なお、必要に
応じて、砥粒層表面6に、研削加工中に生じるレンズ粉
や脱落した砥粒8を加工外部に放出するための溝を放射
状などに形成する。
合皮膜層であり、無電解めっきによって複数層に形成さ
れる。砥粒層5の厚さは含有される砥粒8の粒径によっ
て異なるが、おおむね0.01mmから0.1mmの範
囲にする。また、砥粒層5に含有される砥粒8の粒径
は、現存する砥粒の粒径であればどれでも製作可能であ
り、研削の用途に応じて選定すればよい。なお、必要に
応じて、砥粒層表面6に、研削加工中に生じるレンズ粉
や脱落した砥粒8を加工外部に放出するための溝を放射
状などに形成する。
【0026】次にレンズ研削用砥石1の製造工程につい
て説明する。
て説明する。
【0027】まず、基体2になる材料をダイヤモンドバ
イトなどで加工し、加工すべき被研削物9の仕上がり形
状と相対した形状の基体表面3を有する基体2を製作す
る。次いで、無電解めっき前の前処理として基体2の洗
浄を行なった後、基体2をパラジウム溶液中に入れ基体
表面3にパラジウム層を形成する。これが中間層7とな
るものである。パラジウムの中間層7は、極めて薄い膜
状ないし島状に基体表面3に形成される。
イトなどで加工し、加工すべき被研削物9の仕上がり形
状と相対した形状の基体表面3を有する基体2を製作す
る。次いで、無電解めっき前の前処理として基体2の洗
浄を行なった後、基体2をパラジウム溶液中に入れ基体
表面3にパラジウム層を形成する。これが中間層7とな
るものである。パラジウムの中間層7は、極めて薄い膜
状ないし島状に基体表面3に形成される。
【0028】次に、基体表面3に中間層7が形成された
基体2を、ニッケル液を主成分とし所定のダイヤモンド
粒子が分散されている無電解めっき液中に入れ、無電解
めっき液を撹拌しながらめっきする。これにより、ニッ
ケル中に一様にダイヤモンドの砥粒8が取り込まれた複
合皮膜を基体表面3の形状に沿って均一に形成すること
が出来る。即ち、この複合皮膜が砥粒層5となるもので
ある。その後に、被研削物と同一形状のダミーレンズを
用いて、砥粒層表面6をドレッシングして切れ刃をそろ
えることにより、レンズ研削用砥石1が完成する。
基体2を、ニッケル液を主成分とし所定のダイヤモンド
粒子が分散されている無電解めっき液中に入れ、無電解
めっき液を撹拌しながらめっきする。これにより、ニッ
ケル中に一様にダイヤモンドの砥粒8が取り込まれた複
合皮膜を基体表面3の形状に沿って均一に形成すること
が出来る。即ち、この複合皮膜が砥粒層5となるもので
ある。その後に、被研削物と同一形状のダミーレンズを
用いて、砥粒層表面6をドレッシングして切れ刃をそろ
えることにより、レンズ研削用砥石1が完成する。
【0029】このように、加工すべきレンズの仕上がり
形状と相対した形状の基体表面3を有する基体2に、無
電解めっき法によるニッケルとダイヤモンドの砥粒層5
を形成させることで、加工すべき被研削物9の仕上がり
形状と相対した形状の砥粒層表面6を有するレンズ研削
用砥石1を高い形状精度で製作することが出来る。
形状と相対した形状の基体表面3を有する基体2に、無
電解めっき法によるニッケルとダイヤモンドの砥粒層5
を形成させることで、加工すべき被研削物9の仕上がり
形状と相対した形状の砥粒層表面6を有するレンズ研削
用砥石1を高い形状精度で製作することが出来る。
【0030】被研削物9を砥石1で研削加工する際に
は、図1に示すごとく、被研削物9の対称軸10と砥石
1の軸心11とが平行になるように、研削装置にそれぞ
れ所定位置に位置決めして取り付け、砥石1及び被研削
物9を回転しながら砥石1を軸方向に送る。砥粒層表面
(ないし砥石作用面)6は、被研削物9の片側半分の上
記断面稜線に相当する部分と被研削物9とが接触し、被
研削物9を研削する。この様に接触して砥石1と被研削
物9とを各々任意の角速度で回転させながら研削するこ
とにより、砥粒層表面6の形状が被研削物9に転写さ
れ、被研削物9には軸対称非球面が創成される。
は、図1に示すごとく、被研削物9の対称軸10と砥石
1の軸心11とが平行になるように、研削装置にそれぞ
れ所定位置に位置決めして取り付け、砥石1及び被研削
物9を回転しながら砥石1を軸方向に送る。砥粒層表面
(ないし砥石作用面)6は、被研削物9の片側半分の上
記断面稜線に相当する部分と被研削物9とが接触し、被
研削物9を研削する。この様に接触して砥石1と被研削
物9とを各々任意の角速度で回転させながら研削するこ
とにより、砥粒層表面6の形状が被研削物9に転写さ
れ、被研削物9には軸対称非球面が創成される。
【0031】なお、上記実施形態では、凸型の非球面レ
ンズ研削用の砥石について説明したが、本発明はそれだ
けにとどまらず、凹型の非球面レンズ研削用あるいは球
面レンズや平面レンズ研削用の砥石も勿論可能である。
ンズ研削用の砥石について説明したが、本発明はそれだ
けにとどまらず、凹型の非球面レンズ研削用あるいは球
面レンズや平面レンズ研削用の砥石も勿論可能である。
【0032】
【発明の効果】以上説明したとおり、第一の発明(請求
項1)では、基体表面に中間層を介して形成される砥粒
層が無電解めっきによる金属と砥粒の複合皮膜なので、
基体表面の形状によらずに均一な厚さで砥粒層を形成で
き、砥粒層表面の形状精度が良い。このため、研削加工
に砥石を使用する前に行う砥石表面の面だし作業は、ド
レッシングを兼ねた簡単な面出しを行うだけで済む。更
に、無電解めっきによる砥粒層は、メタルボンド砥石や
レジンボンド砥石等に比べて磨耗が少なく、しかも均一
に磨耗していくので、砥石の形状修正作業を必要とせ
ず、生産性を向上することができる。
項1)では、基体表面に中間層を介して形成される砥粒
層が無電解めっきによる金属と砥粒の複合皮膜なので、
基体表面の形状によらずに均一な厚さで砥粒層を形成で
き、砥粒層表面の形状精度が良い。このため、研削加工
に砥石を使用する前に行う砥石表面の面だし作業は、ド
レッシングを兼ねた簡単な面出しを行うだけで済む。更
に、無電解めっきによる砥粒層は、メタルボンド砥石や
レジンボンド砥石等に比べて磨耗が少なく、しかも均一
に磨耗していくので、砥石の形状修正作業を必要とせ
ず、生産性を向上することができる。
【0033】上記において、砥粒層を複数層とすれば、
砥粒層表面の砥粒が磨耗や脱落を生じても次々と内層の
砥粒が自生するので、多数個の被研削物を連続して研削
することができる。基体の材料を黄銅とすると、黄銅
は、基体とするための機械加工において、鉄合金やアル
ミニウム合金よりも表面粗さが細かいため、形状精度の
向上が図れる。また、中間層をパラジウムまたは白金と
すると、基体表面に置換処理等によって簡単に、しかも
非常に薄く形成できるため、基体の形状精度を損なうこ
とがない。更に、砥粒層の表面に溝を設ければ、研削加
工中に生じるレンズ粉等の切りくずや研削液などが外部
に逃げやすくなる。
砥粒層表面の砥粒が磨耗や脱落を生じても次々と内層の
砥粒が自生するので、多数個の被研削物を連続して研削
することができる。基体の材料を黄銅とすると、黄銅
は、基体とするための機械加工において、鉄合金やアル
ミニウム合金よりも表面粗さが細かいため、形状精度の
向上が図れる。また、中間層をパラジウムまたは白金と
すると、基体表面に置換処理等によって簡単に、しかも
非常に薄く形成できるため、基体の形状精度を損なうこ
とがない。更に、砥粒層の表面に溝を設ければ、研削加
工中に生じるレンズ粉等の切りくずや研削液などが外部
に逃げやすくなる。
【0034】第二の発明(請求項8)では、所望のレン
ズの形状が軸対称であり、且つ前記形状の対称軸を含む
断面の稜線形状に対して前記対称軸から前記レンズの周
縁部までの部位における部分稜線形状をもとに、前記部
分稜線形状に対応した断面形状が軸心から周縁部までの
間に形成され前記軸心に対して軸対称な形状を有した砥
粒層表面を有し、前記砥粒層表面の形状は、前記砥粒層
表面の軸心の近傍に前記所望のレンズの形状の周縁部に
対応する形状を設け、更に前記砥粒層表面の周縁部に前
記所望のレンズの形状の対称軸の近傍に対応する形状を
設けている。この様なレンズ研削用砥石の砥粒層表面と
レンズとを接触させつつ、お互いを回転運動させること
で砥粒層の表面形状を被研削物に転写させることができ
る。かかる研削においてレンズと接触する部分は砥石断
面の稜線に当たる部分だけであり、砥石の一部とレンズ
の一部だけが接触して研削が行われる。このため、球面
レンズのみならず軸対称非球面レンズに対しても迅速な
研削を実現できる。更に、レンズ断面の稜線形状の全部
ではなく、その対称軸から周縁部までの部分稜線形状
が、砥石の軸心の周りに回転したときに得られる砥粒層
表面の形状なので、基体表面あるいは砥粒層表面の機械
加工なども簡単且つ迅速にできる。
ズの形状が軸対称であり、且つ前記形状の対称軸を含む
断面の稜線形状に対して前記対称軸から前記レンズの周
縁部までの部位における部分稜線形状をもとに、前記部
分稜線形状に対応した断面形状が軸心から周縁部までの
間に形成され前記軸心に対して軸対称な形状を有した砥
粒層表面を有し、前記砥粒層表面の形状は、前記砥粒層
表面の軸心の近傍に前記所望のレンズの形状の周縁部に
対応する形状を設け、更に前記砥粒層表面の周縁部に前
記所望のレンズの形状の対称軸の近傍に対応する形状を
設けている。この様なレンズ研削用砥石の砥粒層表面と
レンズとを接触させつつ、お互いを回転運動させること
で砥粒層の表面形状を被研削物に転写させることができ
る。かかる研削においてレンズと接触する部分は砥石断
面の稜線に当たる部分だけであり、砥石の一部とレンズ
の一部だけが接触して研削が行われる。このため、球面
レンズのみならず軸対称非球面レンズに対しても迅速な
研削を実現できる。更に、レンズ断面の稜線形状の全部
ではなく、その対称軸から周縁部までの部分稜線形状
が、砥石の軸心の周りに回転したときに得られる砥粒層
表面の形状なので、基体表面あるいは砥粒層表面の機械
加工なども簡単且つ迅速にできる。
【0035】また、上記において、前記砥粒層が、基体
の表面上に、無電解めっきによる反応を促す触媒となる
物質で形成された中間層の上に無電解めっきで形成され
る砥粒を含む複合皮膜の砥粒層とすれば、高い形状精度
を有する砥石が得られ、軸対称非球面レンズの研削に好
適である。
の表面上に、無電解めっきによる反応を促す触媒となる
物質で形成された中間層の上に無電解めっきで形成され
る砥粒を含む複合皮膜の砥粒層とすれば、高い形状精度
を有する砥石が得られ、軸対称非球面レンズの研削に好
適である。
【図1】本発明に係るレンズ研削用砥石の一実施形態を
示す縦断面図である。
示す縦断面図である。
【図2】従来の軸対称非球面レンズを加工する砥石及び
その加工方法を示す縦断面図である。
その加工方法を示す縦断面図である。
【図3】従来の球面レンズ研削用のレジンボンド砥石等
のボンドタイプの砥石を示す縦断面図である。
のボンドタイプの砥石を示す縦断面図である。
【図4】従来の球面レンズ研削用の電着砥石を示す縦断
面図である。
面図である。
1 レンズ研削用砥石 2 基体 3 基体表面 4 基体基部 5 砥粒層 6 砥粒層表面 7 中間層 8 砥粒 9 被研削物 10 対称軸 11 軸心 12 端面部
Claims (15)
- 【請求項1】 基体の表面に、無電解めっきによる反応
を促す触媒となる物質で形成された中間層と、無電解め
っきで形成される砥粒を含む複合皮膜で形成された砥粒
層とを有することを特徴とする研削用砥石。 - 【請求項2】 前記砥粒層が複数層に形成されているこ
とを特徴とする請求項1記載の研削用砥石。 - 【請求項3】 前記基体が黄銅からなることを特徴とす
る請求項1または2記載の研削用砥石。 - 【請求項4】 前記中間層は、白金またはパラジウムか
らなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項
記載の研削用砥石。 - 【請求項5】 前記砥粒層の表面に溝が形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の
研削用砥石。 - 【請求項6】 前記砥粒層の表面に形成された溝は、放
射状または螺旋状に形成されていることを特徴とする請
求項5記載の研削用砥石。 - 【請求項7】 前記基体が被研削物の仕上がり形状と相
対した総形の表面形状を有することを特徴とする請求項
1乃至6のいずれか一項記載の研削用砥石。 - 【請求項8】 所望のレンズの形状が軸対称であり、且
つ前記形状の対称軸を含む断面の稜線形状に対して前記
対称軸から前記レンズの周縁部までの部位における部分
稜線形状をもとに、前記部分稜線形状に対応した断面形
状が軸心から周縁部までの間に形成され前記軸心に対し
て軸対称な形状を有した砥粒層表面を有し、 前記砥粒層表面の形状は、前記砥粒層表面の軸心の近傍
に前記所望のレンズの形状の周縁部に対応する形状を設
け、更に前記砥粒層表面の周縁部に前記所望のレンズの
形状の対称軸の近傍に対応する形状を設けたことを特徴
とするレンズ研削用砥石。 - 【請求項9】 前記所望のレンズの形状が軸対称の非球
面形状であり、前記所望のレンズの形状の対称軸と前記
砥粒層表面の形状の軸心とが平行なときに、前記所望の
レンズの形状の前記部分稜線形状に対応した断面形状が
前記砥粒層表面の軸心から周縁部の間に形成され、前記
砥粒層表面は前記砥粒層表面の形状の軸心に対して軸対
称な形状を有したことを特徴とする請求項8記載のレン
ズ研削用砥石。 - 【請求項10】 前記砥粒層は、基体の表面上に、無電
解めっきによる反応を促す触媒となる物質で形成された
中間層が形成され、前記中間層の上に無電解めっきで形
成される砥粒を含む複合皮膜で形成されていることを特
徴とする請求項8または9記載のレンズ研削用砥石。 - 【請求項11】 前記複合皮膜の砥粒層が複数層に形成
されていることを特徴とする請求項10記載のレンズ研
削用砥石。 - 【請求項12】 前記基体が黄銅からなることを特徴と
する請求項10または11記載のレンズ研削用砥石。 - 【請求項13】 前記中間層は、白金またはパラジウム
からなることを特徴とする請求項10乃至12のいずれ
か一項記載のレンズ研削用砥石。 - 【請求項14】 前記砥粒層表面に溝が形成されている
ことを特徴とする請求項8乃至13のいずれか一項記載
のレンズ研削用砥石。 - 【請求項15】 前記砥粒層の表面に形成された溝は、
放射状または螺旋状に形成されていることを特徴とする
請求項14記載のレンズ研削用砥石。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8059643A JPH09254040A (ja) | 1996-03-15 | 1996-03-15 | 研削用砥石及びレンズ研削用砥石 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8059643A JPH09254040A (ja) | 1996-03-15 | 1996-03-15 | 研削用砥石及びレンズ研削用砥石 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09254040A true JPH09254040A (ja) | 1997-09-30 |
Family
ID=13119116
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8059643A Pending JPH09254040A (ja) | 1996-03-15 | 1996-03-15 | 研削用砥石及びレンズ研削用砥石 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09254040A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6933018B2 (en) | 2001-01-16 | 2005-08-23 | Nikon Corporation | Processes for producing a whetstone and whetstone pellets with uniform abrasion layers |
JP2006322163A (ja) * | 2005-05-17 | 2006-11-30 | S G C Gesuido Center Kk | ハンディ型コンクリート表面のハツリビットおよびハツリ装置 |
JP2010070811A (ja) * | 2008-09-18 | 2010-04-02 | Canon Electronics Inc | 機械部品およびその製造方法ならびにこれを用いた回転装置 |
-
1996
- 1996-03-15 JP JP8059643A patent/JPH09254040A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6933018B2 (en) | 2001-01-16 | 2005-08-23 | Nikon Corporation | Processes for producing a whetstone and whetstone pellets with uniform abrasion layers |
US7220168B2 (en) | 2001-01-16 | 2007-05-22 | Nikon Corporation | Processes for producing a whetstone and whetstone pellets with uniform abrasion layers |
JP2006322163A (ja) * | 2005-05-17 | 2006-11-30 | S G C Gesuido Center Kk | ハンディ型コンクリート表面のハツリビットおよびハツリ装置 |
JP2010070811A (ja) * | 2008-09-18 | 2010-04-02 | Canon Electronics Inc | 機械部品およびその製造方法ならびにこれを用いた回転装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040113 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040601 |