JPH09241385A - 含フッ素ポリシラン共重合体、ケイ素ポリマー組成物、および含フッ素シロキサン架橋体の製造方法 - Google Patents
含フッ素ポリシラン共重合体、ケイ素ポリマー組成物、および含フッ素シロキサン架橋体の製造方法Info
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- JPH09241385A JPH09241385A JP4594996A JP4594996A JPH09241385A JP H09241385 A JPH09241385 A JP H09241385A JP 4594996 A JP4594996 A JP 4594996A JP 4594996 A JP4594996 A JP 4594996A JP H09241385 A JPH09241385 A JP H09241385A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 低誘電率、かつ高いTgを有する含フッ素シ
ロキサン架橋体を製造するための含フッ素ポリシラン共
重合体を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される構造単位
と、下記一般式(2)〜(4)から選択された少なくと
も1種で表される構造単位とを含むことを特徴とする。 【化1】 (上記一般式中、Ar1 は芳香族基であり、フッ素を含
まない置換基で置換されていてもよく、Ar2 はフッ素
置換芳香族基であり、R1 はフッ素置換炭化水素基であ
る。)
ロキサン架橋体を製造するための含フッ素ポリシラン共
重合体を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される構造単位
と、下記一般式(2)〜(4)から選択された少なくと
も1種で表される構造単位とを含むことを特徴とする。 【化1】 (上記一般式中、Ar1 は芳香族基であり、フッ素を含
まない置換基で置換されていてもよく、Ar2 はフッ素
置換芳香族基であり、R1 はフッ素置換炭化水素基であ
る。)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置や液晶
表示素子などの電子素子に使用され得る含フッ素シロキ
サン架橋体を製造するための含フッ素ポリシランおよび
ケイ素ポリマー組成物、ならびに含フッ素シロキサン架
橋体の製造方法に関する。
表示素子などの電子素子に使用され得る含フッ素シロキ
サン架橋体を製造するための含フッ素ポリシランおよび
ケイ素ポリマー組成物、ならびに含フッ素シロキサン架
橋体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置や液晶表示装置等の製造にお
いては、通常半導体素子、液晶表示装置の表面や配線上
等には、他の領域と絶縁性を確保するために絶縁膜が形
成されている。配線を被覆するための絶縁膜は、例え
ば、CVDによりケイ素化合物を堆積させたり、オルガ
ノシリカゾルなどを塗布後、加熱乾燥するなどの方法に
より形成される。
いては、通常半導体素子、液晶表示装置の表面や配線上
等には、他の領域と絶縁性を確保するために絶縁膜が形
成されている。配線を被覆するための絶縁膜は、例え
ば、CVDによりケイ素化合物を堆積させたり、オルガ
ノシリカゾルなどを塗布後、加熱乾燥するなどの方法に
より形成される。
【0003】場合によっては、配線上に形成された絶縁
膜をパターニングして、コンタクトホールを形成するこ
とが求められるが、このような方法で形成された絶縁膜
は、容易にパターニングすることができない。すなわ
ち、形成された絶縁膜上にレジストパターンを形成し、
このレジストパターンをエッチングマスクとして絶縁膜
をパターニングした後、レジストパターンを剥離しなけ
ればならない。このように工程が煩雑となるため、絶縁
膜パターンを安価に得ることができない。
膜をパターニングして、コンタクトホールを形成するこ
とが求められるが、このような方法で形成された絶縁膜
は、容易にパターニングすることができない。すなわ
ち、形成された絶縁膜上にレジストパターンを形成し、
このレジストパターンをエッチングマスクとして絶縁膜
をパターニングした後、レジストパターンを剥離しなけ
ればならない。このように工程が煩雑となるため、絶縁
膜パターンを安価に得ることができない。
【0004】これに対し、ポリシランの感光性を利用
し、ポリシランのパターンを形成した後、このパターン
を加熱絶縁化することで工程の簡略化を図る技術も提案
されている。すなわち、ポリシランは、紫外線を照射し
て露光を施すことにより、分子量が減少する性質を有し
ているため、ポリシラン膜を形成し、選択的に露光を施
した後、アルコール、ケトンなどの極性溶媒に選択的に
溶解して現像することによってパターンが形成される。
引き続いて、必要に応じてパターンに紫外線を照射した
後、加熱乾燥してポリシランをシロキサン化させ絶縁膜
パターンを得るというものである。
し、ポリシランのパターンを形成した後、このパターン
を加熱絶縁化することで工程の簡略化を図る技術も提案
されている。すなわち、ポリシランは、紫外線を照射し
て露光を施すことにより、分子量が減少する性質を有し
ているため、ポリシラン膜を形成し、選択的に露光を施
した後、アルコール、ケトンなどの極性溶媒に選択的に
溶解して現像することによってパターンが形成される。
引き続いて、必要に応じてパターンに紫外線を照射した
後、加熱乾燥してポリシランをシロキサン化させ絶縁膜
パターンを得るというものである。
【0005】しかしながら、ここでのパターンは、ポリ
シランを加熱乾燥して得られる一次元状のシロキサンか
らなるものであるため、絶縁膜として使用するには耐熱
性等信頼性の面で問題があった。
シランを加熱乾燥して得られる一次元状のシロキサンか
らなるものであるため、絶縁膜として使用するには耐熱
性等信頼性の面で問題があった。
【0006】さらに最近では、パッシベーション膜や層
間絶縁膜として、特に低誘電率絶縁膜が注目を浴びてい
るが、フッ素樹脂に代表されるこれまでの低誘電率材料
はガラス転移温度(Tg)が低く、こうした用途には十
分な機能を発揮できるものがなかった。しかも従来のフ
ッ素を含有する樹脂は、フッ素の揮発性に起因し概して
基板との密着性が十分ではなく、改善が求められてい
た。
間絶縁膜として、特に低誘電率絶縁膜が注目を浴びてい
るが、フッ素樹脂に代表されるこれまでの低誘電率材料
はガラス転移温度(Tg)が低く、こうした用途には十
分な機能を発揮できるものがなかった。しかも従来のフ
ッ素を含有する樹脂は、フッ素の揮発性に起因し概して
基板との密着性が十分ではなく、改善が求められてい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、誘電率が
低く、Tgの高い絶縁膜を製造するための材料は、未だ
得られておらず、しかも、かかる絶縁膜を容易に精度よ
くパターニングして製造する方法も見出されていない。
低く、Tgの高い絶縁膜を製造するための材料は、未だ
得られておらず、しかも、かかる絶縁膜を容易に精度よ
くパターニングして製造する方法も見出されていない。
【0008】そこで、本発明は、低誘電率、かつ高いT
gを有する含フッ素シロキサン架橋体を製造するための
含フッ素ポリシラン共重合体を提供することを目的とす
る。
gを有する含フッ素シロキサン架橋体を製造するための
含フッ素ポリシラン共重合体を提供することを目的とす
る。
【0009】また本発明は、このように低誘電率かつ高
いTgを有する含フッ素シロキサン架橋体を、必要に応
じて煩雑な工程を経ることなく、高い精度でパターニン
グして製造することが可能な含フッ素シロキサン架橋体
の製造方法を提供することを目的とする。
いTgを有する含フッ素シロキサン架橋体を、必要に応
じて煩雑な工程を経ることなく、高い精度でパターニン
グして製造することが可能な含フッ素シロキサン架橋体
の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】さらに本発明は、低誘電率、かつ高いTg
を有する含フッ素シロキサン架橋体を製造するためのケ
イ素ポリマー組成物を提供する。
を有する含フッ素シロキサン架橋体を製造するためのケ
イ素ポリマー組成物を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に第1の発明は、下記一般式(1)で表される構造単位
と、下記一般式(2)〜(4)から選択された少なくと
も1種で表される構造単位とを含むことを特徴とする含
フッ素ポリシラン共重合体を提供する。
に第1の発明は、下記一般式(1)で表される構造単位
と、下記一般式(2)〜(4)から選択された少なくと
も1種で表される構造単位とを含むことを特徴とする含
フッ素ポリシラン共重合体を提供する。
【0012】
【化7】
【0013】上記一般式中、Ar1 は芳香族基であり、
フッ素を含まない置換基で置換されていてもよく、Ar
2 はフッ素置換芳香族基であり、R1 はフッ素置換炭化
水素基である。
フッ素を含まない置換基で置換されていてもよく、Ar
2 はフッ素置換芳香族基であり、R1 はフッ素置換炭化
水素基である。
【0014】また、第2の発明は、下記一般式(5)で
表される重合体からなる含フッ素ポリシランを主体とし
た有機ケイ素化合物膜を基板上に形成する成膜工程と、
前記有機ケイ素化合物膜を加熱乾燥する三次元化工程と
を具備する含フッ素シロキサン架橋体の製造方法を提供
する。
表される重合体からなる含フッ素ポリシランを主体とし
た有機ケイ素化合物膜を基板上に形成する成膜工程と、
前記有機ケイ素化合物膜を加熱乾燥する三次元化工程と
を具備する含フッ素シロキサン架橋体の製造方法を提供
する。
【0015】
【化8】
【0016】上記一般式中、Ar1 は芳香族基であり、
フッ素を含まない置換基で置換されていてもよく、Ar
2 はフッ素置換芳香族基であり、R1 はフッ素置換炭化
水素基である。また、n,m,lおよびkは、m+l+
k>0、かつn+l>0の関係を満たす整数である。
フッ素を含まない置換基で置換されていてもよく、Ar
2 はフッ素置換芳香族基であり、R1 はフッ素置換炭化
水素基である。また、n,m,lおよびkは、m+l+
k>0、かつn+l>0の関係を満たす整数である。
【0017】さらに第3の発明は、下記一般式(6)お
よび(8)〜(10)のいずれかで表されるケイ素ポリ
マーと、下記一般式(7)で表される重合性フッ素化合
物とを含有するケイ素ポリマー組成物を提供する。
よび(8)〜(10)のいずれかで表されるケイ素ポリ
マーと、下記一般式(7)で表される重合性フッ素化合
物とを含有するケイ素ポリマー組成物を提供する。
【0018】
【化9】
【0019】上記式中、Ar3 は置換または非置換の芳
香族基であり、R5 は水素原子または置換もしくは非置
換の炭化水素基、R6 は−OR5 ´(R5'は水素原子ま
たは置換もしくは非置換の炭化水素基である)、または
置換もしくは非置換の炭化水素基を表す。nは重合度を
表す。
香族基であり、R5 は水素原子または置換もしくは非置
換の炭化水素基、R6 は−OR5 ´(R5'は水素原子ま
たは置換もしくは非置換の炭化水素基である)、または
置換もしくは非置換の炭化水素基を表す。nは重合度を
表す。
【0020】
【化10】
【0021】上記一般式(6)中、R3 は水素原子また
はメチル基であり、R4 はフッ素置換アルキル基であ
り、Aは単結合またはエステル結合を表す。
はメチル基であり、R4 はフッ素置換アルキル基であ
り、Aは単結合またはエステル結合を表す。
【0022】ここで、第3の発明の組成物においては、
一般式(9)で表されるケイ素ポリマー、および(1
0)で表されるケイ素ポリマーを用いる場合には、露光
または加熱により酸を発生する化合物(以下、酸発生触
媒とする)、および露光または加熱によりラジカルを発
生する化合物(以下、ラジカル発生触媒とする)の少な
くとも一方の化合物を含有させる。さらに、このような
酸発生触媒およびラジカル発生触媒は、含フッ素シロキ
サン架橋体の製造時にケイ素ポリマーの架橋や重合性フ
ッ素化合物の重合等を促進させる観点から、ケイ素ポリ
マーが上記一般式(6)で表される化合物または一般式
(8)で表される化合物である場合にも加えることが好
ましい。なお、ここでの露光とは、紫外線、deep
UV光などの光の照射に特に制限されるものでなく、電
子線(EB)、X線、イオンビームなどの化学放射線の
照射により酸やラジカルを発生させるものであっても何
等差支えない。
一般式(9)で表されるケイ素ポリマー、および(1
0)で表されるケイ素ポリマーを用いる場合には、露光
または加熱により酸を発生する化合物(以下、酸発生触
媒とする)、および露光または加熱によりラジカルを発
生する化合物(以下、ラジカル発生触媒とする)の少な
くとも一方の化合物を含有させる。さらに、このような
酸発生触媒およびラジカル発生触媒は、含フッ素シロキ
サン架橋体の製造時にケイ素ポリマーの架橋や重合性フ
ッ素化合物の重合等を促進させる観点から、ケイ素ポリ
マーが上記一般式(6)で表される化合物または一般式
(8)で表される化合物である場合にも加えることが好
ましい。なお、ここでの露光とは、紫外線、deep
UV光などの光の照射に特に制限されるものでなく、電
子線(EB)、X線、イオンビームなどの化学放射線の
照射により酸やラジカルを発生させるものであっても何
等差支えない。
【0023】以下、本発明を詳細に説明する。
【0024】第1の発明の含フッ素ポリシランにおい
て、前述の一般式(1)中、Ar1 としては、例えば、
フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、およびフェ
ナチル基などが挙げられる。これらの芳香族基は、炭素
数1〜12のアルキル基、フッ素以外のハロゲン原子、
アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、水酸基、およびシ
アノ基などの有機基で置換されていてもよい。
て、前述の一般式(1)中、Ar1 としては、例えば、
フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、およびフェ
ナチル基などが挙げられる。これらの芳香族基は、炭素
数1〜12のアルキル基、フッ素以外のハロゲン原子、
アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、水酸基、およびシ
アノ基などの有機基で置換されていてもよい。
【0025】なお、一般式(1)で表される構造単位の
割合は、共重合体を構成する全構造単位中、10〜90
%に設定されることが好ましい。10%未満であると、
得られる含フッ素シロキサン架橋体と基板との密着性が
低下する傾向があり、一方、90%を越えると、誘電率
が余り低下しない。
割合は、共重合体を構成する全構造単位中、10〜90
%に設定されることが好ましい。10%未満であると、
得られる含フッ素シロキサン架橋体と基板との密着性が
低下する傾向があり、一方、90%を越えると、誘電率
が余り低下しない。
【0026】一般式(2)および(3)中のR1 として
は、CH2 C(R3 )H−A−R4で表されるフッ素含
有アルキル基が好ましい。ここでR3 、R4 、Aは上記
一般式(7)と同様である。また、一般式(3)および
(4)中のAr2 としては、上述したようなAr1 とし
て例示される芳香族基にフッ素含有アルキル基を導入し
たものが挙げられる。このときフッ素含有アルキル基
は、立体障害の少ない位置に導入されることが好まし
く、例えば、フェニル基の場合はベンゼン環のメタ位や
パラ位である。
は、CH2 C(R3 )H−A−R4で表されるフッ素含
有アルキル基が好ましい。ここでR3 、R4 、Aは上記
一般式(7)と同様である。また、一般式(3)および
(4)中のAr2 としては、上述したようなAr1 とし
て例示される芳香族基にフッ素含有アルキル基を導入し
たものが挙げられる。このときフッ素含有アルキル基
は、立体障害の少ない位置に導入されることが好まし
く、例えば、フェニル基の場合はベンゼン環のメタ位や
パラ位である。
【0027】本発明の含フッ素ポリシラン共重合体は、
例えば、それぞれ上記一般式(1)で表される構造単位
及び上記一般式(2)〜(4)から選択された少なくと
も1種で表される構造単位と対応するジクロロシランの
還元重合、あるいは一般式(1)で表される構造単位を
有するホモポリマーに重合性含フッ素化合物であるCH
2 =CR3 −A−R4 を付加させてフッ素含有アルキル
基を導入することによって、容易に合成することができ
る。
例えば、それぞれ上記一般式(1)で表される構造単位
及び上記一般式(2)〜(4)から選択された少なくと
も1種で表される構造単位と対応するジクロロシランの
還元重合、あるいは一般式(1)で表される構造単位を
有するホモポリマーに重合性含フッ素化合物であるCH
2 =CR3 −A−R4 を付加させてフッ素含有アルキル
基を導入することによって、容易に合成することができ
る。
【0028】ここで、Ar1 SiH3 をチタン、ジルコ
ニウム触媒の存在下で、脱水素反応させるか、または電
解重合した後、得られたSi−H結合を有するポリマー
にフッ素含有アルキル基を導入する方法は、金属ナトリ
ウムの汚染がなく特に好適である。
ニウム触媒の存在下で、脱水素反応させるか、または電
解重合した後、得られたSi−H結合を有するポリマー
にフッ素含有アルキル基を導入する方法は、金属ナトリ
ウムの汚染がなく特に好適である。
【0029】以下に、本発明の含フッ素ポリシラン共重
合体の合成方法の一例を説明する。
合体の合成方法の一例を説明する。
【0030】まず、アルゴン置換したメスフラスコに、
ジルコノセンジクロリドおよびジエチルエーテルを収容
して攪拌する。その後、ナスフラスコを−78〜0℃程
度に冷却し、例えばメチルリチウムのエーテル溶液を、
5〜10分間かけて滴下する。ここで、メチルリチウム
の濃度は、1〜2mol/リットル程度とすることが好
ましい。さらに、30〜90分間攪拌し、溶媒をエバポ
レーターで除き昇華によりジルコノセンジメチルを単離
する。
ジルコノセンジクロリドおよびジエチルエーテルを収容
して攪拌する。その後、ナスフラスコを−78〜0℃程
度に冷却し、例えばメチルリチウムのエーテル溶液を、
5〜10分間かけて滴下する。ここで、メチルリチウム
の濃度は、1〜2mol/リットル程度とすることが好
ましい。さらに、30〜90分間攪拌し、溶媒をエバポ
レーターで除き昇華によりジルコノセンジメチルを単離
する。
【0031】次いで、アルゴン置換した三つ口フラスコ
に所定量のジルコノセンジメチルを収容した後、ここ
に、所定量のフェニルシランを滴下ロートにより滴下す
る。20〜60分間反応させた後、40〜80℃に加熱
して2〜8時間反応させ、メタノールにより3〜5回再
沈することによって下記一般式(a−1)で表されるポ
リフェニルシランが得られる。
に所定量のジルコノセンジメチルを収容した後、ここ
に、所定量のフェニルシランを滴下ロートにより滴下す
る。20〜60分間反応させた後、40〜80℃に加熱
して2〜8時間反応させ、メタノールにより3〜5回再
沈することによって下記一般式(a−1)で表されるポ
リフェニルシランが得られる。
【0032】
【化11】
【0033】上記式中、nは重合度を示す。
【0034】なお、ここで得るポリフェニルシランは、
平均分子量約700〜1,000,000程度であるこ
とが好ましい。
平均分子量約700〜1,000,000程度であるこ
とが好ましい。
【0035】次いで、得られたポリフェニルシラン、ア
ゾビスイソブチロニトリル(AIBN)および下記一般
式(b−1)で表される重合性含フッ素化合物をナスフ
ラスコに収容し、ナスフラスコを液体窒素で冷却して真
空ポンプで脱気する。ここで、重合性含フッ素化合物の
配合量は、ポリフェニルシランの構造単位に対し5〜9
5mol%の範囲内に設定することが好ましい。これ
は、重合性含フッ素化合物の配合量がこの範囲を外れる
と、上述したような一般式(1)で表される構造単位が
全構造単位中の10〜90%である含フッ素ポリシラン
共重合体を得ることが困難となるからである。
ゾビスイソブチロニトリル(AIBN)および下記一般
式(b−1)で表される重合性含フッ素化合物をナスフ
ラスコに収容し、ナスフラスコを液体窒素で冷却して真
空ポンプで脱気する。ここで、重合性含フッ素化合物の
配合量は、ポリフェニルシランの構造単位に対し5〜9
5mol%の範囲内に設定することが好ましい。これ
は、重合性含フッ素化合物の配合量がこの範囲を外れる
と、上述したような一般式(1)で表される構造単位が
全構造単位中の10〜90%である含フッ素ポリシラン
共重合体を得ることが困難となるからである。
【0036】
【化12】
【0037】上記式中、nは整数である。
【0038】その後、混合物を2〜6時間還流した後、
エバポレーターで濃縮し、メタノールで再沈することに
よって下記一般式(c−1)で表される含フッ素ポリシ
ラン共重合体が得られる。
エバポレーターで濃縮し、メタノールで再沈することに
よって下記一般式(c−1)で表される含フッ素ポリシ
ラン共重合体が得られる。
【0039】
【化13】
【0040】上記式中、m、kは重合度を示す。
【0041】あるいは、本発明の含フッ素ポリシラン共
重合体は、以下のようにして合成することもできる。
重合体は、以下のようにして合成することもできる。
【0042】まず、アルゴン雰囲気下、下記一般式(d
−1)で表される含フッ素化合物のジエチルエーテル溶
液に、−78〜−20℃で所定量のt−BuLi(t−
Buはt−ブチル基である)溶液を滴下し、30〜12
0分間反応させる。
−1)で表される含フッ素化合物のジエチルエーテル溶
液に、−78〜−20℃で所定量のt−BuLi(t−
Buはt−ブチル基である)溶液を滴下し、30〜12
0分間反応させる。
【0043】
【化14】
【0044】上記式中、nは整数である。
【0045】その後、この溶液を室温に戻し、反応混合
液を滴下ロートに収容し、アルゴン雰囲気下、所定量の
テトラクロロシランを収容したナスフラスコに滴下す
る。さらに0.5〜2時間反応させて、下記一般式(e
−1)で表される化合物を得る。
液を滴下ロートに収容し、アルゴン雰囲気下、所定量の
テトラクロロシランを収容したナスフラスコに滴下す
る。さらに0.5〜2時間反応させて、下記一般式(e
−1)で表される化合物を得る。
【0046】
【化15】
【0047】この化合物をエーテル等の溶媒に溶解し、
アルゴン雰囲気下ナスフラスコに導入して、LiAlH
4 エーテル溶液を加える。室温で0.5〜2時間反応さ
せた後、1〜4時間還流し、濃縮後蒸留により下記一般
式(f−1)で表される化合物を得る。
アルゴン雰囲気下ナスフラスコに導入して、LiAlH
4 エーテル溶液を加える。室温で0.5〜2時間反応さ
せた後、1〜4時間還流し、濃縮後蒸留により下記一般
式(f−1)で表される化合物を得る。
【0048】
【化16】
【0049】さらに、アルゴン置換した三つ口フラスコ
にジルコノセンジメチルを収容しておく。ここに、上記
一般式(f−1)で表される化合物とフェニルシランと
を混合し、滴下ロートにより滴下する。20〜60分反
応後、40〜80℃に加熱して2〜8時間反応させ、メ
タノールにより再沈して、下記一般式(g−1)で表さ
れるような含フッ素ポリシラン共重合体が得られる。
にジルコノセンジメチルを収容しておく。ここに、上記
一般式(f−1)で表される化合物とフェニルシランと
を混合し、滴下ロートにより滴下する。20〜60分反
応後、40〜80℃に加熱して2〜8時間反応させ、メ
タノールにより再沈して、下記一般式(g−1)で表さ
れるような含フッ素ポリシラン共重合体が得られる。
【0050】
【化17】
【0051】上記式中、m、kは重合度を示す。
【0052】なお、本発明の含フッ素ポリシラン共重合
体の分子量は、700〜1,000,000、さらに
は、5,000〜20,000が好ましい。分子量が7
00未満であると、形成される膜の耐久性が低下するお
それがあり、一方、1,000,000を越えると、含
フッ素ポリシランの溶媒可溶性が低下して成膜が困難と
なる。
体の分子量は、700〜1,000,000、さらに
は、5,000〜20,000が好ましい。分子量が7
00未満であると、形成される膜の耐久性が低下するお
それがあり、一方、1,000,000を越えると、含
フッ素ポリシランの溶媒可溶性が低下して成膜が困難と
なる。
【0053】以下に、本発明の含フッ素ポリシラン共重
合体の例を挙げる。
合体の例を挙げる。
【0054】
【化18】
【0055】
【化19】
【0056】
【化20】
【0057】
【化21】
【0058】
【化22】
【0059】
【化23】
【0060】
【化24】
【0061】
【化25】
【0062】第1の発明の含フッ素ポリシラン共重合体
は、フッ素を含有せずその側鎖でケイ素原子に直接結合
した水素原子および芳香族基を有する構造単位と、その
側鎖でケイ素原子に結合したフッ素含有置換基を有する
構造単位とを含むものである。
は、フッ素を含有せずその側鎖でケイ素原子に直接結合
した水素原子および芳香族基を有する構造単位と、その
側鎖でケイ素原子に結合したフッ素含有置換基を有する
構造単位とを含むものである。
【0063】かかる含フッ素ポリシラン共重合体を含む
膜を形成し、加熱処理を施して含フッ素架橋体を製造す
る際には、水素原子は、三次元架橋化に寄与して、得ら
れる膜の耐久性および機械的強度を高める。また一方、
フッ素原子が存在していることにより、低誘電率を確保
することができる。しかもこのとき、フッ素を含有しな
い構造単位とフッ素を含有する構造単位とが相分離を起
こすため、フッ素を含有する構造単位からなる領域が、
含フッ素シロキサン架橋体と基板との高い密着性の維持
等を担う。したがって、第1の発明の含フッ素ポリシラ
ン共重合体を用いて製造される含フッ素シロキサン架橋
体は、低誘電率を有するとともに、高いガラス転移温度
(Tg)を備え、かつ基板との密着性にも優れており、
パッシベーション膜および層間絶縁膜等として最適であ
る。
膜を形成し、加熱処理を施して含フッ素架橋体を製造す
る際には、水素原子は、三次元架橋化に寄与して、得ら
れる膜の耐久性および機械的強度を高める。また一方、
フッ素原子が存在していることにより、低誘電率を確保
することができる。しかもこのとき、フッ素を含有しな
い構造単位とフッ素を含有する構造単位とが相分離を起
こすため、フッ素を含有する構造単位からなる領域が、
含フッ素シロキサン架橋体と基板との高い密着性の維持
等を担う。したがって、第1の発明の含フッ素ポリシラ
ン共重合体を用いて製造される含フッ素シロキサン架橋
体は、低誘電率を有するとともに、高いガラス転移温度
(Tg)を備え、かつ基板との密着性にも優れており、
パッシベーション膜および層間絶縁膜等として最適であ
る。
【0064】次に、第2の発明の含フッ素シロキサン架
橋体の製造方法を詳細に説明する。
橋体の製造方法を詳細に説明する。
【0065】第2の発明の方法においては、前述の一般
式(5)で表される含フッ素ポリシランを使用すること
ができる。この含フッ素ポリシランは、上述の一般式
(1)〜(4)で表される構造単位を組み合わせて得ら
れるものである。ここでの最少要素としては、一般式
(1)および(4)から選択される少なくとも1種の構
造単位と、一般式(2)および(3)から選択される少
なくとも1種の構造単位との共重合体;あるいは一般式
(4)で表される構造単位の単重合体である。
式(5)で表される含フッ素ポリシランを使用すること
ができる。この含フッ素ポリシランは、上述の一般式
(1)〜(4)で表される構造単位を組み合わせて得ら
れるものである。ここでの最少要素としては、一般式
(1)および(4)から選択される少なくとも1種の構
造単位と、一般式(2)および(3)から選択される少
なくとも1種の構造単位との共重合体;あるいは一般式
(4)で表される構造単位の単重合体である。
【0066】第2の発明において用いられる含フッ素ポ
リシランは、次のような条件を満たしていることが好ま
しい。すなわち、全構造単位中、一般式(2)〜(4)
で表される構造単位の合計量が10%以上であること、
および一般式(1)で表される構造単位と一般式(4)
で表される構造単位との合計量が5%以上であることで
ある。
リシランは、次のような条件を満たしていることが好ま
しい。すなわち、全構造単位中、一般式(2)〜(4)
で表される構造単位の合計量が10%以上であること、
および一般式(1)で表される構造単位と一般式(4)
で表される構造単位との合計量が5%以上であることで
ある。
【0067】一般式(2)〜(4)の構造単位の合計量
が10%未満の場合には、十分な量のフッ素原子が存在
しないので、誘電率が余り低下しないおそれがある。一
方、一般式(1)と(4)との合計量が5%未満の場合
には、高密度に三次元架橋させることができないので、
Tg、硬度、機械的強度等の良好な架橋体が得られな
い。これは、以下のように説明される。
が10%未満の場合には、十分な量のフッ素原子が存在
しないので、誘電率が余り低下しないおそれがある。一
方、一般式(1)と(4)との合計量が5%未満の場合
には、高密度に三次元架橋させることができないので、
Tg、硬度、機械的強度等の良好な架橋体が得られな
い。これは、以下のように説明される。
【0068】すなわち、一般式(1)および(4)で表
される構造単位は、その側鎖でケイ素原子と直接結合し
た水素原子を有しており、加熱あるいは紫外線を照射す
ることで、主鎖のSi−Si結合が切断された後大気中
などの酸素や水分を取り込んでシラノール性水酸基を生
成するとともに、側鎖のこの水素原子もシラノール性水
酸基に変化する。したがって、ケイ素原子1個について
3個のシラノール性水酸基が生成するので、その酸化物
であるSi−O−Si結合の三次元構造を有するケイ素
系マトリックスが形成され、このマトリックスにおいて
このケイ素原子の4本の結合手中1本が芳香族基と結合
し、残りの3本はSi−O−Si結合に供される。すな
わち、1個のSi−C結合を有するケイ素原子がSi−
O−Si結合で三次元化された構造のケイ素系マトリッ
クスを形成することができ、得られる含フッ素シロキサ
ン架橋体の耐久性や機械的強度が高められる。このと
き、1個のSi−C結合を有するケイ素原子でケイ素系
マトリックスが形成されると、含フッ素シロキサン架橋
体の耐久性や機械的強度が高められる理由は、2個以上
のSi−C結合を有するケイ素原子では、本質的にSi
−O−Si結合の三次元構造が得られず、またケイ素原
子がSi−C結合を有さずその4本の結合手が全てSi
−O−Si結合に供されると、形成されるケイ素系マト
リックスの可撓性が低下するからである。
される構造単位は、その側鎖でケイ素原子と直接結合し
た水素原子を有しており、加熱あるいは紫外線を照射す
ることで、主鎖のSi−Si結合が切断された後大気中
などの酸素や水分を取り込んでシラノール性水酸基を生
成するとともに、側鎖のこの水素原子もシラノール性水
酸基に変化する。したがって、ケイ素原子1個について
3個のシラノール性水酸基が生成するので、その酸化物
であるSi−O−Si結合の三次元構造を有するケイ素
系マトリックスが形成され、このマトリックスにおいて
このケイ素原子の4本の結合手中1本が芳香族基と結合
し、残りの3本はSi−O−Si結合に供される。すな
わち、1個のSi−C結合を有するケイ素原子がSi−
O−Si結合で三次元化された構造のケイ素系マトリッ
クスを形成することができ、得られる含フッ素シロキサ
ン架橋体の耐久性や機械的強度が高められる。このと
き、1個のSi−C結合を有するケイ素原子でケイ素系
マトリックスが形成されると、含フッ素シロキサン架橋
体の耐久性や機械的強度が高められる理由は、2個以上
のSi−C結合を有するケイ素原子では、本質的にSi
−O−Si結合の三次元構造が得られず、またケイ素原
子がSi−C結合を有さずその4本の結合手が全てSi
−O−Si結合に供されると、形成されるケイ素系マト
リックスの可撓性が低下するからである。
【0069】このような理由から、第2の発明の方法に
おいて用いられる含フッ素ポリシランにおいて、一般式
(1)で表される構造単位と一般式(4)で表される構
造単位との合計量は、5%以上であることが好ましく、
より好ましくは25%以上であり、さらに好ましくは5
0%以上である。
おいて用いられる含フッ素ポリシランにおいて、一般式
(1)で表される構造単位と一般式(4)で表される構
造単位との合計量は、5%以上であることが好ましく、
より好ましくは25%以上であり、さらに好ましくは5
0%以上である。
【0070】さらに第2の発明においても、特にTgが
高く、かつ基板との密着性に優れた含フッ素シロキサン
架橋体を得る観点から、一般式(1)で表される構造単
位と一般式(2)〜(4)から選択された少なくとも1
種で表される構造単位とを含む第1の発明の含フッ素ポ
リシラン共重合体を使用することが好ましい。
高く、かつ基板との密着性に優れた含フッ素シロキサン
架橋体を得る観点から、一般式(1)で表される構造単
位と一般式(2)〜(4)から選択された少なくとも1
種で表される構造単位とを含む第1の発明の含フッ素ポ
リシラン共重合体を使用することが好ましい。
【0071】また、ここで用いられる含フッ素ポリシラ
ンの分子量は、第1の発明の共重合体の場合と同様に、
700〜1,000,000、さらには、5,000〜
20,000が好ましい。分子量が7000未満である
と、形成される膜の耐久性が低下するおそれがあり、一
方、1,000,000を越えると、含フッ素ポリシラ
ンの溶媒可溶性が低下して成膜が困難となる。
ンの分子量は、第1の発明の共重合体の場合と同様に、
700〜1,000,000、さらには、5,000〜
20,000が好ましい。分子量が7000未満である
と、形成される膜の耐久性が低下するおそれがあり、一
方、1,000,000を越えると、含フッ素ポリシラ
ンの溶媒可溶性が低下して成膜が困難となる。
【0072】具体的には、前述の第1の発明の含フッ素
ポリシラン共重合体に加えて、以下に示すような含フッ
素ポリシランが挙げられる。
ポリシラン共重合体に加えて、以下に示すような含フッ
素ポリシランが挙げられる。
【0073】
【化26】
【0074】式中、n、mは重合度を示す。
【0075】第2の発明の製造方法においては、まず、
上述の一般式(5)で表される含フッ素ポリシランを含
有する溶液を調製して、所定の基板上に塗布した後、5
0〜150℃程度の温度で乾燥させて溶媒を揮発させ、
含フッ素ポリシランを主体とした有機ケイ素化合物膜を
成膜する。このとき含フッ素ポリシランの溶媒として
は、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、テトラ
ヒドロフラン、エチルアセテートセロソルブ、ブチロラ
クトン、ブチル乳酸などを用いることができ、含フッ素
ポリシランを1〜50wt%含有する溶液を調製し、必
要に応じて0.1μm程度のフィルタで濾過した後、基
板上にスピンコートすればよい。また、基板上に形成さ
れる有機ケイ素化合物膜の膜厚は、適宜選択することが
でき、例えば、0.1〜5μm程度とすることができ
る。
上述の一般式(5)で表される含フッ素ポリシランを含
有する溶液を調製して、所定の基板上に塗布した後、5
0〜150℃程度の温度で乾燥させて溶媒を揮発させ、
含フッ素ポリシランを主体とした有機ケイ素化合物膜を
成膜する。このとき含フッ素ポリシランの溶媒として
は、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、テトラ
ヒドロフラン、エチルアセテートセロソルブ、ブチロラ
クトン、ブチル乳酸などを用いることができ、含フッ素
ポリシランを1〜50wt%含有する溶液を調製し、必
要に応じて0.1μm程度のフィルタで濾過した後、基
板上にスピンコートすればよい。また、基板上に形成さ
れる有機ケイ素化合物膜の膜厚は、適宜選択することが
でき、例えば、0.1〜5μm程度とすることができ
る。
【0076】第2の発明において基板としては、透光性
のガラスや樹脂からなる透明基板、表面に配線が形成さ
れた半導体基板、同配線が形成されたガラス基板等を用
いることができる。
のガラスや樹脂からなる透明基板、表面に配線が形成さ
れた半導体基板、同配線が形成されたガラス基板等を用
いることができる。
【0077】成膜された有機ケイ素化合物膜に対する加
熱処理は、100〜600℃の温度で行うことが好まし
い。前記加熱処理温度を100℃未満にすると、十分な
酸化がなされず、三次元化を十分に行うことが困難にな
る。一方、前記加熱処理温度が600℃を越えると、体
積収縮が大きくなりすぎて、形成された含フッ素シロキ
サン架橋体にクラックが発生するおそれがある。より好
ましい加熱処理温度は、200〜500℃である。
熱処理は、100〜600℃の温度で行うことが好まし
い。前記加熱処理温度を100℃未満にすると、十分な
酸化がなされず、三次元化を十分に行うことが困難にな
る。一方、前記加熱処理温度が600℃を越えると、体
積収縮が大きくなりすぎて、形成された含フッ素シロキ
サン架橋体にクラックが発生するおそれがある。より好
ましい加熱処理温度は、200〜500℃である。
【0078】なお、前記含フッ素ポリシランを含む溶液
を基板上に塗布し成膜した後で、この膜を加熱処理する
前に、紫外線による全面露光を行うことが好ましい。こ
の露光の工程において、紫外線の波長は150〜400
nm程度であればよいが、特に200〜300nmの波
長の紫外線を照射することが好ましい。また照射量は、
10mJ〜10J、さらには100mJ〜3J程度に設
定されることが好ましい。
を基板上に塗布し成膜した後で、この膜を加熱処理する
前に、紫外線による全面露光を行うことが好ましい。こ
の露光の工程において、紫外線の波長は150〜400
nm程度であればよいが、特に200〜300nmの波
長の紫外線を照射することが好ましい。また照射量は、
10mJ〜10J、さらには100mJ〜3J程度に設
定されることが好ましい。
【0079】このように全面露光を施すことによって、
前記膜中のポリシランが分解して酸性度の高いシラノー
ル結合(Si−OH)が生成される。このような露光後
にこの有機ケイ素化合物膜を加熱することによって、全
体に高い架橋密度のシロキサン結合(Si−O−Si)
が速やかに形成される。したがって、露光工程を経ない
場合よりも低温での加熱処理を行うことができ、基板へ
の密着性が高く、かつ良好な耐熱性を有するシロキサン
架橋体を容易に形成することができる。
前記膜中のポリシランが分解して酸性度の高いシラノー
ル結合(Si−OH)が生成される。このような露光後
にこの有機ケイ素化合物膜を加熱することによって、全
体に高い架橋密度のシロキサン結合(Si−O−Si)
が速やかに形成される。したがって、露光工程を経ない
場合よりも低温での加熱処理を行うことができ、基板へ
の密着性が高く、かつ良好な耐熱性を有するシロキサン
架橋体を容易に形成することができる。
【0080】さらに、第2の発明の含フッ素シロキサン
架橋体の製造方法においては、成膜後の有機ケイ素化合
物膜に選択的に露光を施した後、現像を行ってパターニ
ングされた含フッ素シロキサン架橋体を得ることも可能
である。以下に、ポジ型パターンおよびネガ型パターン
を得る方法を、それぞれ詳細に説明する。
架橋体の製造方法においては、成膜後の有機ケイ素化合
物膜に選択的に露光を施した後、現像を行ってパターニ
ングされた含フッ素シロキサン架橋体を得ることも可能
である。以下に、ポジ型パターンおよびネガ型パターン
を得る方法を、それぞれ詳細に説明する。
【0081】ポジ型パターンを得る場合には、まず、有
機ケイ素化合物膜に選択的に露光を施し、次いで、アル
カリ水溶液で現像して露光部を選択的に溶解除去する。
機ケイ素化合物膜に選択的に露光を施し、次いで、アル
カリ水溶液で現像して露光部を選択的に溶解除去する。
【0082】パターン露光は、前述と同様の条件で行う
ことができる。すなわち、紫外線の波長は150〜40
0nm程度であればよいが、特に200〜300nmの
波長の紫外線を照射することが好ましい。また照射量
は、10mJ〜10J、さらには100mJ〜3J程度
に設定されることが好ましい。
ことができる。すなわち、紫外線の波長は150〜40
0nm程度であればよいが、特に200〜300nmの
波長の紫外線を照射することが好ましい。また照射量
は、10mJ〜10J、さらには100mJ〜3J程度
に設定されることが好ましい。
【0083】また、アルカリ水溶液としては、例えば、
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリンなどの
有機アルカリ;KOH、NaOHなどの無機アルカリを
用いることができる。なお、現像後の有機ケイ素化合物
膜は適宜純水で水洗する。
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリンなどの
有機アルカリ;KOH、NaOHなどの無機アルカリを
用いることができる。なお、現像後の有機ケイ素化合物
膜は適宜純水で水洗する。
【0084】現像後の有機ケイ素化合物膜は、必要に応
じて全面露光を施した後、100〜600℃、好ましく
は200〜500℃の温度で加熱処理を施すことによっ
て、パターニングされた含フッ素シロキサン架橋体が得
られる。
じて全面露光を施した後、100〜600℃、好ましく
は200〜500℃の温度で加熱処理を施すことによっ
て、パターニングされた含フッ素シロキサン架橋体が得
られる。
【0085】なお、全面露光は、前述のパターン露光と
同様の条件で行うことができる。
同様の条件で行うことができる。
【0086】上述のようなポジ型のパターンの形成にお
いては、有機ケイ素化合物膜に選択的に露光を施すこと
によって、膜中のポリシランが分解して露光部に酸性度
の高いシラノール性水酸基(Si−OH)が選択的に形
成される。このような露光後にアルカリ水溶液で現像す
ることによって、前記有機ケイ素化合物膜の露光部が選
択的に溶解除去されてポジ型パターンが形成される。次
いで、有機ケイ素化合物膜パターンを必要に応じて全面
露光することによって、全面にシラノール性水酸基(S
i−OH)が形成され、この後に加熱処理することによ
ってパターン全体に架橋密度の高いシロキサン結合(S
i−O−Si)が形成される。したがって、ガラスマト
リックスからなり、基板への密着性が高く、かつ良好な
耐熱性を有する高精度のパターンを容易に形成すること
ができる。
いては、有機ケイ素化合物膜に選択的に露光を施すこと
によって、膜中のポリシランが分解して露光部に酸性度
の高いシラノール性水酸基(Si−OH)が選択的に形
成される。このような露光後にアルカリ水溶液で現像す
ることによって、前記有機ケイ素化合物膜の露光部が選
択的に溶解除去されてポジ型パターンが形成される。次
いで、有機ケイ素化合物膜パターンを必要に応じて全面
露光することによって、全面にシラノール性水酸基(S
i−OH)が形成され、この後に加熱処理することによ
ってパターン全体に架橋密度の高いシロキサン結合(S
i−O−Si)が形成される。したがって、ガラスマト
リックスからなり、基板への密着性が高く、かつ良好な
耐熱性を有する高精度のパターンを容易に形成すること
ができる。
【0087】一方、ネガ型パターンを得る場合には、ま
ず、有機ケイ素化合物膜に選択的に露光を施し、加熱処
理した後、有機溶媒で現像して未露光部を選択的に溶解
除去する。
ず、有機ケイ素化合物膜に選択的に露光を施し、加熱処
理した後、有機溶媒で現像して未露光部を選択的に溶解
除去する。
【0088】パターン露光は、前述と同様の条件で行う
ことができる。すなわち、紫外線の波長は150〜40
0nm程度であればよいが、特に200〜300nmの
波長の紫外線を照射することが好ましい。また照射量
は、10mJ〜10J、さらには100mJ〜3J程度
に設定されることが好ましい。
ことができる。すなわち、紫外線の波長は150〜40
0nm程度であればよいが、特に200〜300nmの
波長の紫外線を照射することが好ましい。また照射量
は、10mJ〜10J、さらには100mJ〜3J程度
に設定されることが好ましい。
【0089】現像前の加熱処理は、加熱時間にもよるが
100〜150℃の温度で行うことが好ましい。これ
は、100℃未満だとシラノール性水酸基の生成した露
光部での架橋が不十分となるおそれがあり、逆に150
℃を越えると未露光部についてもケイ素ポリマーの架橋
が進行してしまうことがあり、いずれの場合も精度のよ
い有機ケイ素化合物膜のパターニングが困難となるから
である。
100〜150℃の温度で行うことが好ましい。これ
は、100℃未満だとシラノール性水酸基の生成した露
光部での架橋が不十分となるおそれがあり、逆に150
℃を越えると未露光部についてもケイ素ポリマーの架橋
が進行してしまうことがあり、いずれの場合も精度のよ
い有機ケイ素化合物膜のパターニングが困難となるから
である。
【0090】また、有機溶媒としては、例えば、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族系溶媒、またはメタノール、
エタノールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチル
エチルケトンなどのケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチルなどのケトン系溶媒等の極性溶媒を挙
げることができる。
ン、キシレンなどの芳香族系溶媒、またはメタノール、
エタノールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチル
エチルケトンなどのケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチルなどのケトン系溶媒等の極性溶媒を挙
げることができる。
【0091】現像後の有機ケイ素化合物膜は、100〜
600℃、好ましくは200〜500℃の温度で加熱処
理を施すことによって、パターニングされた含フッ素シ
ロキサン架橋体が得られる。
600℃、好ましくは200〜500℃の温度で加熱処
理を施すことによって、パターニングされた含フッ素シ
ロキサン架橋体が得られる。
【0092】上述のようなネガ型パターンの形成におい
ては、有機ケイ素化合物膜に選択的に露光を施すことに
よって、膜中のポリシランが分解して露光部にシラノー
ル性水酸基(Si−OH)が選択的に生成する。このよ
うな露光後に比較的低い温度(例えば100〜150
℃)で加熱処理することによって、シラノール性水酸基
(Si−OH)が選択的に架橋される。その結果、溶媒
に不溶な架橋密度のシロキサン結合(Si−O−Si)
が露光部に形成され、未露光部との間で選択的な溶解性
が現れる。続いて、有機溶媒で現像することにより未露
光部が選択的に溶解除去されてネガ型のパターンが形成
される。この後、パターニングされた有機ケイ素化合物
膜を比較的高い温度(例えば200〜500℃)で加熱
処理することによって、全体に高い架橋密度のシロキサ
ン結合(Si−O−Si)が生成される。したがって、
ガラス化したケイ素系マトリックスからなり、基板への
密着性が高く、かつ良好な耐熱性を有する高精度のパタ
ーンを容易に形成することができる。
ては、有機ケイ素化合物膜に選択的に露光を施すことに
よって、膜中のポリシランが分解して露光部にシラノー
ル性水酸基(Si−OH)が選択的に生成する。このよ
うな露光後に比較的低い温度(例えば100〜150
℃)で加熱処理することによって、シラノール性水酸基
(Si−OH)が選択的に架橋される。その結果、溶媒
に不溶な架橋密度のシロキサン結合(Si−O−Si)
が露光部に形成され、未露光部との間で選択的な溶解性
が現れる。続いて、有機溶媒で現像することにより未露
光部が選択的に溶解除去されてネガ型のパターンが形成
される。この後、パターニングされた有機ケイ素化合物
膜を比較的高い温度(例えば200〜500℃)で加熱
処理することによって、全体に高い架橋密度のシロキサ
ン結合(Si−O−Si)が生成される。したがって、
ガラス化したケイ素系マトリックスからなり、基板への
密着性が高く、かつ良好な耐熱性を有する高精度のパタ
ーンを容易に形成することができる。
【0093】なお、得られるパターンの形状はネガ型パ
ターンの方が優れているが、ポジ型パターンは環境に影
響の少ないアルカリ水溶液を使用できるという利点を有
している。
ターンの方が優れているが、ポジ型パターンは環境に影
響の少ないアルカリ水溶液を使用できるという利点を有
している。
【0094】第2の発明を用いることにより、Si−O
−Si結合の三次元構造を有するガラス化したケイ素系
マトリックスからなり、この三次元構造中にフッ素成分
を炭化水素残基として含有する含フッ素シロキサン架橋
体を製造することができる。この含フッ素シロキサン架
橋体においては、フッ素成分が均一に存在していても、
あるいは、フッ素成分がケイ素系マトリックスと相分離
を起こしていてもよい。ただし、より高いTgを維持し
つつ、基板との密着性を向上させるには、表面の凹凸が
顕著にならない限りミクロ相分離構造であることが好ま
しく、こうした相分離を起こさせるうえで、第1の発明
の含フッ素ポリシラン共重合体の使用は有利である。
−Si結合の三次元構造を有するガラス化したケイ素系
マトリックスからなり、この三次元構造中にフッ素成分
を炭化水素残基として含有する含フッ素シロキサン架橋
体を製造することができる。この含フッ素シロキサン架
橋体においては、フッ素成分が均一に存在していても、
あるいは、フッ素成分がケイ素系マトリックスと相分離
を起こしていてもよい。ただし、より高いTgを維持し
つつ、基板との密着性を向上させるには、表面の凹凸が
顕著にならない限りミクロ相分離構造であることが好ま
しく、こうした相分離を起こさせるうえで、第1の発明
の含フッ素ポリシラン共重合体の使用は有利である。
【0095】次に、第3の発明のケイ素ポリマー組成物
について詳細に説明する。
について詳細に説明する。
【0096】第3の発明のケイ素ポリマー組成物におい
ては、加熱あるいは露光等により生成したシラノール性
水酸基が相互に反応することでケイ素ポリマーが架橋
し、結果的に第1の発明や第2の発明と同様にガラス化
したケイ素系マトリックスが得られる。なおここでのケ
イ素ポリマーの分子量は特に限定されないが、第1の発
明の含フッ素ポリシラン共重合体の場合と同様に、分子
量700〜1,000,000、さらには、5,000
〜20,000が好ましい。分子量が700未満である
と、形成される膜の耐久性が低下するおそれがあり、一
方1,000,000を越えると、ケイ素ポリマーの溶
媒可溶性が低下して成膜が困難となる。
ては、加熱あるいは露光等により生成したシラノール性
水酸基が相互に反応することでケイ素ポリマーが架橋
し、結果的に第1の発明や第2の発明と同様にガラス化
したケイ素系マトリックスが得られる。なおここでのケ
イ素ポリマーの分子量は特に限定されないが、第1の発
明の含フッ素ポリシラン共重合体の場合と同様に、分子
量700〜1,000,000、さらには、5,000
〜20,000が好ましい。分子量が700未満である
と、形成される膜の耐久性が低下するおそれがあり、一
方1,000,000を越えると、ケイ素ポリマーの溶
媒可溶性が低下して成膜が困難となる。
【0097】上記一般式(6)および(10)中のAr
3 としては、具体的には、フェニル基、ナフチル基、ア
ントラニル基、およびフェナチル基などが挙げられ、こ
の芳香族基Ar3 は、例えば、炭素数1〜12のアルキ
ル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ
基、水酸基、およびシアノ基などの有機基で置換されて
いてもよい。
3 としては、具体的には、フェニル基、ナフチル基、ア
ントラニル基、およびフェナチル基などが挙げられ、こ
の芳香族基Ar3 は、例えば、炭素数1〜12のアルキ
ル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ
基、水酸基、およびシアノ基などの有機基で置換されて
いてもよい。
【0098】上記一般式(8)および(9)中のR5 と
しては、水素原子あるいは炭化水素基であれば特に限定
されないが、室温ではケイ素ポリマーの架橋が進行し難
く、かつ加熱時にはケイ素ポリマーの架橋が速やかに進
行する点で1−置換エチル基が好ましい。具体的には、
例えば、t−ブチル基、イソプロピル基、1,1−フェ
ニルメチルエチル基、1−メトキシエチル基、1,1−
メチルメトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1,
1−メチルエトキシエチル基、1,1−ジフェニルエチ
ル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−エトキシプロ
ピル基、および1,1−メチルエトキシプロピル基など
が挙げられる。
しては、水素原子あるいは炭化水素基であれば特に限定
されないが、室温ではケイ素ポリマーの架橋が進行し難
く、かつ加熱時にはケイ素ポリマーの架橋が速やかに進
行する点で1−置換エチル基が好ましい。具体的には、
例えば、t−ブチル基、イソプロピル基、1,1−フェ
ニルメチルエチル基、1−メトキシエチル基、1,1−
メチルメトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1,
1−メチルエトキシエチル基、1,1−ジフェニルエチ
ル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−エトキシプロ
ピル基、および1,1−メチルエトキシプロピル基など
が挙げられる。
【0099】また、R6 としては、具体的には、例え
ば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル
基、ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、
フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナチル
基、t−ブトキシ基、イソプロポキシ基、1,1−フェ
ニルメチルエトキシ基、1−メトキシエトキシ基、1,
1−メチルメトキシエトキシ基、1−エトキシエトキシ
基、1,1−メチルエトキシエトキシ基、1,1−ジフ
ェニルエトキシ基、1,1−ジメチルプロポキシ基、1
−エトキシプロポキシ基、および1,1−メチルエトキ
シプロポキシ基などを挙げることができる。ただし、1
個のSi−C結合を有するケイ素原子がSi−O−Si
結合で三次元化された構造を有するケイ素系マトリック
スからなり、特に耐久性や機械的強度の良好な含フッ素
シロキサン架橋体を得るうえでは、R6 は置換または非
置換の炭化水素基であることが好ましい。さらに含フッ
素シロキサン架橋体のTgを高める観点から、R6 は置
換または非置換の芳香族基であることがより好ましい。
ば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル
基、ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、
フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナチル
基、t−ブトキシ基、イソプロポキシ基、1,1−フェ
ニルメチルエトキシ基、1−メトキシエトキシ基、1,
1−メチルメトキシエトキシ基、1−エトキシエトキシ
基、1,1−メチルエトキシエトキシ基、1,1−ジフ
ェニルエトキシ基、1,1−ジメチルプロポキシ基、1
−エトキシプロポキシ基、および1,1−メチルエトキ
シプロポキシ基などを挙げることができる。ただし、1
個のSi−C結合を有するケイ素原子がSi−O−Si
結合で三次元化された構造を有するケイ素系マトリック
スからなり、特に耐久性や機械的強度の良好な含フッ素
シロキサン架橋体を得るうえでは、R6 は置換または非
置換の炭化水素基であることが好ましい。さらに含フッ
素シロキサン架橋体のTgを高める観点から、R6 は置
換または非置換の芳香族基であることがより好ましい。
【0100】以下に、第3の発明において使用されるケ
イ素ポリマーの具体例を示す。
イ素ポリマーの具体例を示す。
【0101】
【化27】
【0102】
【化28】
【0103】
【化29】
【0104】また、重合性フッ素化合物は、上記一般式
(7)で表されるものであれば特に限定されず、例え
ば、以下に示す化合物が挙げられる。
(7)で表されるものであれば特に限定されず、例え
ば、以下に示す化合物が挙げられる。
【0105】
【化30】
【0106】
【化31】
【0107】
【化32】
【0108】
【化33】
【0109】この重合性フッ素化合物の配合量は、特に
限定されないが、ケイ素ポリマー1重量部に対して、
0.01〜10重量部が好ましい。重合性フッ素化合物
の配合量が0.01重量部未満であると、低誘電率や低
吸水率などの特性が低下するおそれがあり、一方、10
重量部を越えると、Tgの低下や成膜性などに問題が生
じる場合がある。
限定されないが、ケイ素ポリマー1重量部に対して、
0.01〜10重量部が好ましい。重合性フッ素化合物
の配合量が0.01重量部未満であると、低誘電率や低
吸水率などの特性が低下するおそれがあり、一方、10
重量部を越えると、Tgの低下や成膜性などに問題が生
じる場合がある。
【0110】第3の発明において用いられる露光または
加熱により酸を発生する化合物(以下、酸発生触媒とす
る)としては、例えば、オニウム塩、ハロゲン含有化合
物、キノンジアジド化合物、スルホン化合物、スルホン
酸化合物、およびニトロベンジル化合物などの露光によ
り酸を発生する化合物や下記一般式で表される加熱によ
り酸を発生する化合物が挙げられる。
加熱により酸を発生する化合物(以下、酸発生触媒とす
る)としては、例えば、オニウム塩、ハロゲン含有化合
物、キノンジアジド化合物、スルホン化合物、スルホン
酸化合物、およびニトロベンジル化合物などの露光によ
り酸を発生する化合物や下記一般式で表される加熱によ
り酸を発生する化合物が挙げられる。
【0111】
【化34】
【0112】上記一般式中、R40は置換もしくは非置換
のアルキル基またはアリール基を示す。
のアルキル基またはアリール基を示す。
【0113】さらに露光により酸を発生する化合物とし
ては、より具体的に以下に例示する化合物を使用するこ
とができる。
ては、より具体的に以下に例示する化合物を使用するこ
とができる。
【0114】オニウム塩としては、例えば、ヨードニウ
ム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム
塩、およびアンモニウム塩などを挙げることができ、好
ましくは、下記式(11)で表される化合物が挙げられ
る。
ム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム
塩、およびアンモニウム塩などを挙げることができ、好
ましくは、下記式(11)で表される化合物が挙げられ
る。
【0115】
【化35】
【0116】ここで、R41、R42およびR43は、同一で
も異なっていてもよく、水素原子、アミノ基、ニトロ
基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数
1〜4のアルコキシ基であり、Xは、SbF6 、AsF
6 、PF6 、BF4 、CF3 CO2 、ClO4 、CF3
SO3 および、下記に示す化合物から選択される。
も異なっていてもよく、水素原子、アミノ基、ニトロ
基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数
1〜4のアルコキシ基であり、Xは、SbF6 、AsF
6 、PF6 、BF4 、CF3 CO2 、ClO4 、CF3
SO3 および、下記に示す化合物から選択される。
【0117】
【化36】
【0118】上記式中、R44は、水素原子、アミノ基、
アニリノ基、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1
〜4のアルコキシ基であり、R45およびR46は炭素数1
〜4のアルコキシ基であり、R47は水素原子、アミノ
基、アニリノ基、炭素数1〜4のアルキル基または炭素
数1〜4のアルコキシ基である。
アニリノ基、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1
〜4のアルコキシ基であり、R45およびR46は炭素数1
〜4のアルコキシ基であり、R47は水素原子、アミノ
基、アニリノ基、炭素数1〜4のアルキル基または炭素
数1〜4のアルコキシ基である。
【0119】さらに、下記に示す式(12)および(1
3)で表される化合物を使用することもできる。
3)で表される化合物を使用することもできる。
【0120】
【化37】
【0121】上記式(12)および(13)中、R41、
R42、R43およびXの定義は、上記式(11)と同様で
ある。
R42、R43およびXの定義は、上記式(11)と同様で
ある。
【0122】ハロゲン含有化合物としては、例えば、ハ
ロゲンアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基
含有ヘテロ環状化合物などを挙げることができ、下記に
示す式(14)および(15)で表される化合物が好ま
しい。
ロゲンアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基
含有ヘテロ環状化合物などを挙げることができ、下記に
示す式(14)および(15)で表される化合物が好ま
しい。
【0123】
【化38】
【0124】上記式(14)中、R48はトリクロロメチ
ル基、フェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル基ま
たはメトキシナフチル基である。
ル基、フェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル基ま
たはメトキシナフチル基である。
【0125】
【化39】
【0126】上記式(15)中、R49、R50、およびR
11は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、
ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基または水酸基であ
る。
11は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、
ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基または水酸基であ
る。
【0127】キノンジアジド化合物としては、例えば、
ジアゾベンゾキノン化合物、およびジアゾナフトキノン
化合物などを挙げることができ、好ましくは下記式(1
6)および(17)が挙げられる。
ジアゾベンゾキノン化合物、およびジアゾナフトキノン
化合物などを挙げることができ、好ましくは下記式(1
6)および(17)が挙げられる。
【0128】
【化40】
【0129】さらに、下記式(18)および(19)で
表される化合物を使用することができる。
表される化合物を使用することができる。
【0130】
【化41】
【0131】上記式(18)中、R12は、−CH2 −、−
C(CH3 )2 −、−C(=O)−、または−SO2 −
であり、qおよびrは、1≦(q+r)≦6、1≦q≦
6の関係を満たす整数である。
C(CH3 )2 −、−C(=O)−、または−SO2 −
であり、qおよびrは、1≦(q+r)≦6、1≦q≦
6の関係を満たす整数である。
【0132】
【化42】
【0133】上記式(19)中、R13は水素原子または
メチル基であり、R14は−CH2 −、−C(CH3 )2
−、−C(=O)−、または−SO2 −であり、sおよ
びtは、1≦(s+t)≦6、1≦s≦6の関係を満た
す整数である。
メチル基であり、R14は−CH2 −、−C(CH3 )2
−、−C(=O)−、または−SO2 −であり、sおよ
びtは、1≦(s+t)≦6、1≦s≦6の関係を満た
す整数である。
【0134】スルホン化合物としては、例えば、β−ケ
トスルホン、およびβ−スルホニルスルホンなどを挙げ
ることができ、下記式(20)で表される化合物が好ま
しい。
トスルホン、およびβ−スルホニルスルホンなどを挙げ
ることができ、下記式(20)で表される化合物が好ま
しい。
【0135】
【化43】
【0136】上記式(20)中、Yは−C(=O)−ま
たは−SO2 −であり、R15、R16、およびR17は同一
でも異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキルまた
はハロゲン原子であり、nは0〜3の整数である。
たは−SO2 −であり、R15、R16、およびR17は同一
でも異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキルまた
はハロゲン原子であり、nは0〜3の整数である。
【0137】ニトロベンジル化合物としては、例えば、
ニトロベンジルスルホネート化合物、ジニトロベンジル
スルホネート化合物などを挙げることができ、下記式
(21)で表される化合物が好ましい。
ニトロベンジルスルホネート化合物、ジニトロベンジル
スルホネート化合物などを挙げることができ、下記式
(21)で表される化合物が好ましい。
【0138】
【化44】
【0139】ここで、R19は、炭素数1〜4のアルキル
基であり、R20は水素原子またはメチル基であり、R21
は下記に示す群から選択される基であり、nは1〜3の
整数である。
基であり、R20は水素原子またはメチル基であり、R21
は下記に示す群から選択される基であり、nは1〜3の
整数である。
【0140】
【化45】
【0141】ここで、R22は水素原子またはメチル基で
あり、R23およびR24は、同一または異なっていてもよ
く、炭素数1〜4のアルコキシ基であり、nは1〜3の
整数である。
あり、R23およびR24は、同一または異なっていてもよ
く、炭素数1〜4のアルコキシ基であり、nは1〜3の
整数である。
【0142】スルホン酸化合物としては、例えばアルキ
ルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステ
ル、アリールスルホン酸エステル、およびイミノスルホ
ナートなどを挙げることができ、下記式(22)〜(2
4)で表される化合物が好ましい。
ルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステ
ル、アリールスルホン酸エステル、およびイミノスルホ
ナートなどを挙げることができ、下記式(22)〜(2
4)で表される化合物が好ましい。
【0143】
【化46】
【0144】上記式(22)中、R25およびR26は同一
でも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜4
のアルキル基であり、R27およびR28は、同一でも異な
っていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基
または炭素数6〜20のアリール基である。
でも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜4
のアルキル基であり、R27およびR28は、同一でも異な
っていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基
または炭素数6〜20のアリール基である。
【0145】
【化47】
【0146】ここで、R29は水素原子または炭素数1〜
4のアルキル基であり、R30およびR31は、同一でも異
なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基または炭
素数6〜20のアリール基であるか、あるいはR30とR
31とが互いに結合してそれらが結合している窒素原子と
ともに環を形成していてもよい。
4のアルキル基であり、R30およびR31は、同一でも異
なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基または炭
素数6〜20のアリール基であるか、あるいはR30とR
31とが互いに結合してそれらが結合している窒素原子と
ともに環を形成していてもよい。
【0147】
【化48】
【0148】ここでZはフッ素原子もしくは塩素原子で
ある。
ある。
【0149】上述したような化合物のうち、オニウム塩
およびキノンジアジド化合物が特に好ましい。
およびキノンジアジド化合物が特に好ましい。
【0150】これらの酸発生触媒の配合量は、ケイ素ポ
リマーの構造単位に対して0.01〜50mol%、さ
らには0.1〜5mol%とすることができる。配合量
が0.01mol%未満の場合には、十分な量の酸を発
生することができず、一方、50mol%を越えると、
塗膜の状態が劣化するおそれがある。
リマーの構造単位に対して0.01〜50mol%、さ
らには0.1〜5mol%とすることができる。配合量
が0.01mol%未満の場合には、十分な量の酸を発
生することができず、一方、50mol%を越えると、
塗膜の状態が劣化するおそれがある。
【0151】第3の発明のケイ素ポリマー組成物におい
て、露光または加熱によりラジカルを発生する化合物
(以下、ラジカル発生触媒とする)としては、カルボニ
ル化合物、過酸化物、アゾビス化合物、硫黄化合物、お
よびハロゲン化合物などを用いることができる。具体的
には、t−ブチルペルオキシド、過酸化ベンゾイル、お
よび過酸化ラウロイル、アゾビスイソブチロニトリル、
アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、およびア
ゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、ベンゾイン、ベ
ンゾインアルキルエーテル、ベンゾインアリルエーテ
ル、ベンゾインアルキルアリールチオエーテルベンジル
アルアルキルケタール、フェニル−グリオキザルアルキ
ルアセタール、ベンジルオキシム、チオキサントン、テ
トラメチルチウラム、テトラエチルチウラムジスルフィ
ド、および下記化学式で表される有機ハロゲン化物など
が挙げられる。
て、露光または加熱によりラジカルを発生する化合物
(以下、ラジカル発生触媒とする)としては、カルボニ
ル化合物、過酸化物、アゾビス化合物、硫黄化合物、お
よびハロゲン化合物などを用いることができる。具体的
には、t−ブチルペルオキシド、過酸化ベンゾイル、お
よび過酸化ラウロイル、アゾビスイソブチロニトリル、
アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、およびア
ゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、ベンゾイン、ベ
ンゾインアルキルエーテル、ベンゾインアリルエーテ
ル、ベンゾインアルキルアリールチオエーテルベンジル
アルアルキルケタール、フェニル−グリオキザルアルキ
ルアセタール、ベンジルオキシム、チオキサントン、テ
トラメチルチウラム、テトラエチルチウラムジスルフィ
ド、および下記化学式で表される有機ハロゲン化物など
が挙げられる。
【0152】
【化49】
【0153】
【化50】
【0154】式中、Pは−O−、−CH2 −、−CHQ
−、−S−、または−C(=O)−、Qは塩素原子、臭
素原子またはヨウ素原子、Vは水素原子または置換もし
くは非置換のアルキル基、Wは互いに同一であっても異
なっていてもよく、それぞれ置換もしくは非置換のアル
キル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシル
基、アミン基またはビニル基を示す。
−、−S−、または−C(=O)−、Qは塩素原子、臭
素原子またはヨウ素原子、Vは水素原子または置換もし
くは非置換のアルキル基、Wは互いに同一であっても異
なっていてもよく、それぞれ置換もしくは非置換のアル
キル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシル
基、アミン基またはビニル基を示す。
【0155】なお、これらのうち、t−ブチルペルオキ
シド、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、アゾビス
イソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレ
ロニトリル、およびアゾビスシクロヘキサンカルボニト
リルのような過酸化物やアゾビス化合物は、露光、加熱
のいずれによってもラジカルを発生するので好ましい。
シド、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、アゾビス
イソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレ
ロニトリル、およびアゾビスシクロヘキサンカルボニト
リルのような過酸化物やアゾビス化合物は、露光、加熱
のいずれによってもラジカルを発生するので好ましい。
【0156】ラジカル発生触媒の配合量は、ケイ素ポリ
マーの構造単位に対して0.01〜50mol%、さら
には0.1〜30mol%とすることができる。配合量
が0.01mol%未満の場合には、十分な量のラジカ
ルを発生することができず、一方、50mol%を越え
ると塗膜の状態が劣化するおそれがある。
マーの構造単位に対して0.01〜50mol%、さら
には0.1〜30mol%とすることができる。配合量
が0.01mol%未満の場合には、十分な量のラジカ
ルを発生することができず、一方、50mol%を越え
ると塗膜の状態が劣化するおそれがある。
【0157】第3の発明のケイ素ポリマー組成物は、上
述したケイ素ポリマーと重合性フッ素化合物、および必
要に応じて配合される酸発生触媒やラジカル発生触媒
を、適切な有機溶媒に溶解させることにより調製され
る。ここで、使用され得る有機溶媒としては、具体的に
は、トルエン、キシレン、ジメチルホルミアミド、メチ
ルセロソルブ、o−ジクロロベンゼン、クロロホルム、
エタノール、i−プロピルアルコール、シクロペンタノ
ン、シクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、
アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、および酢
酸ブチル等が例示され、これらは単独でまたは混合物の
形で用いることができる。
述したケイ素ポリマーと重合性フッ素化合物、および必
要に応じて配合される酸発生触媒やラジカル発生触媒
を、適切な有機溶媒に溶解させることにより調製され
る。ここで、使用され得る有機溶媒としては、具体的に
は、トルエン、キシレン、ジメチルホルミアミド、メチ
ルセロソルブ、o−ジクロロベンゼン、クロロホルム、
エタノール、i−プロピルアルコール、シクロペンタノ
ン、シクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、
アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、および酢
酸ブチル等が例示され、これらは単独でまたは混合物の
形で用いることができる。
【0158】第3の発明のケイ素ポリマー組成物を用い
る場合には、前述の第2の発明の方法にしたがって、基
板上に有機ケイ素化合物膜を形成し、必要に応じて全面
露光を施した後、第2の発明と同様の条件で加熱処理を
施して、Tg、硬度、機械的強度等の良好な含フッ素シ
ロキサン架橋体を製造することができる。
る場合には、前述の第2の発明の方法にしたがって、基
板上に有機ケイ素化合物膜を形成し、必要に応じて全面
露光を施した後、第2の発明と同様の条件で加熱処理を
施して、Tg、硬度、機械的強度等の良好な含フッ素シ
ロキサン架橋体を製造することができる。
【0159】すなわち、第3の発明のケイ素ポリマー組
成物においては、このとき発生した酸あるいはラジカル
が重合性フッ素化合物の重合反応の開始剤となり、ケイ
素ポリマーが架橋してガラス化したケイ素系マトリック
ス中で重合性フッ素化合物も高分子量化される。したが
って、Tgを低下させるおそれのある低分子量の化合物
が架橋体中ではほとんど含有されることなく、低誘電率
かつ高いTgを有する含フッ素シロキサン架橋体が得ら
れる。
成物においては、このとき発生した酸あるいはラジカル
が重合性フッ素化合物の重合反応の開始剤となり、ケイ
素ポリマーが架橋してガラス化したケイ素系マトリック
ス中で重合性フッ素化合物も高分子量化される。したが
って、Tgを低下させるおそれのある低分子量の化合物
が架橋体中ではほとんど含有されることなく、低誘電率
かつ高いTgを有する含フッ素シロキサン架橋体が得ら
れる。
【0160】またここで、ケイ素ポリマーが前述の一般
式(6)または一般式(8)で表されるポリシランであ
ると、ポリシランのSi−Si結合が露光または加熱に
より切断されてラジカルを発生するので、上述した通り
酸発生触媒やラジカル発生触媒を不要化できる。しか
も、このSi−Si結合の切断で生じたラジカルと重合
性フッ素化合物との反応が、重合性フッ素化合物の重合
と並行して進行するので、高分子量化されたフッ素成分
をSi−O−Si結合の三次元構造を有するケイ素系マ
トリックスと化学的に結合させることができ、Tgのよ
り高い含フッ素シロキサン架橋体を得ることが可能であ
る。
式(6)または一般式(8)で表されるポリシランであ
ると、ポリシランのSi−Si結合が露光または加熱に
より切断されてラジカルを発生するので、上述した通り
酸発生触媒やラジカル発生触媒を不要化できる。しか
も、このSi−Si結合の切断で生じたラジカルと重合
性フッ素化合物との反応が、重合性フッ素化合物の重合
と並行して進行するので、高分子量化されたフッ素成分
をSi−O−Si結合の三次元構造を有するケイ素系マ
トリックスと化学的に結合させることができ、Tgのよ
り高い含フッ素シロキサン架橋体を得ることが可能であ
る。
【0161】なお、第3の発明のケイ素ポリマー組成物
が前述の一般式(9)または一般式(10)で表される
ケイ素ポリマー、重合性フッ素化合物と、露光および加
熱のうち露光のみにより酸あるいはラジカルを発生する
化合物からなる場合は、酸やラジカルを発生させるうえ
で加熱処理の前の全面露光は必須のものとなる。ただし
光の波長は、酸発生触媒あるいはラジカル発生触媒の光
吸収帯に応じて決定され、前述の波長150〜400n
mの紫外線に特に限定されない。
が前述の一般式(9)または一般式(10)で表される
ケイ素ポリマー、重合性フッ素化合物と、露光および加
熱のうち露光のみにより酸あるいはラジカルを発生する
化合物からなる場合は、酸やラジカルを発生させるうえ
で加熱処理の前の全面露光は必須のものとなる。ただし
光の波長は、酸発生触媒あるいはラジカル発生触媒の光
吸収帯に応じて決定され、前述の波長150〜400n
mの紫外線に特に限定されない。
【0162】また、ケイ素ポリマーが前述の一般式
(6)あるいは一般式(8)で表されるポリシランの場
合も、加熱処理に先だって露光を行うことはSi−Si
結合の切断を促進する点で好ましく、前述と同様の15
0〜400nm、好ましくは200〜300nmの波長
の光が使用できる。照射量は10mJ〜10Jの範囲で
行なわれるが、好ましくは、100mJ〜3Jである。
(6)あるいは一般式(8)で表されるポリシランの場
合も、加熱処理に先だって露光を行うことはSi−Si
結合の切断を促進する点で好ましく、前述と同様の15
0〜400nm、好ましくは200〜300nmの波長
の光が使用できる。照射量は10mJ〜10Jの範囲で
行なわれるが、好ましくは、100mJ〜3Jである。
【0163】さらに、第3の発明のケイ素ポリマー組成
物において、ケイ素ポリマーが前述の一般式(6)で表
される場合には、基板上に有機ケイ素化合物膜を成膜
し、選択的に露光を施した後、アルカリ水溶液で露光部
を溶解除去してポジ型パターンを形成することが可能で
ある。このようなポジ型のパターンは、前述の第2の発
明で説明したのと同様の条件で、同様のアルカリ水溶液
を現像液として用いて形成することができる。
物において、ケイ素ポリマーが前述の一般式(6)で表
される場合には、基板上に有機ケイ素化合物膜を成膜
し、選択的に露光を施した後、アルカリ水溶液で露光部
を溶解除去してポジ型パターンを形成することが可能で
ある。このようなポジ型のパターンは、前述の第2の発
明で説明したのと同様の条件で、同様のアルカリ水溶液
を現像液として用いて形成することができる。
【0164】すなわち、一般式(6)で表されるポリシ
ランにおいては、紫外線が照射されるとポリシランのS
i−Si結合が切断された後、大気中などの酸素や水分
を取り込んでシラノール性水酸基を生成するとともに、
側鎖の水素原子もシラノール性水酸基に変化する。した
がって、通常のポリシランよりも多くのシラノール性水
酸基が生成される。しかもこのポリシランでは、側鎖で
ケイ素原子に直接結合した芳香族基と水素原子とが存在
しているので、上述した通りシラノール性水酸基が生成
したとき、電子吸引性の芳香族基がその酸性度を高める
とともに、芳香族基の立体障害がシラノール結合を安定
化する。このため、アルカリ水溶液によって露光部のみ
を選択的に溶解除去して現像することが可能となり、ポ
ジ型のパターンが得られる。
ランにおいては、紫外線が照射されるとポリシランのS
i−Si結合が切断された後、大気中などの酸素や水分
を取り込んでシラノール性水酸基を生成するとともに、
側鎖の水素原子もシラノール性水酸基に変化する。した
がって、通常のポリシランよりも多くのシラノール性水
酸基が生成される。しかもこのポリシランでは、側鎖で
ケイ素原子に直接結合した芳香族基と水素原子とが存在
しているので、上述した通りシラノール性水酸基が生成
したとき、電子吸引性の芳香族基がその酸性度を高める
とともに、芳香族基の立体障害がシラノール結合を安定
化する。このため、アルカリ水溶液によって露光部のみ
を選択的に溶解除去して現像することが可能となり、ポ
ジ型のパターンが得られる。
【0165】したがって、アルカリ水溶液での現像後、
必要に応じて再度紫外線を照射して露光し、再加熱する
ことによって、架橋密度が高くTgのより高い含フッ素
シロキサン架橋体が得られる。
必要に応じて再度紫外線を照射して露光し、再加熱する
ことによって、架橋密度が高くTgのより高い含フッ素
シロキサン架橋体が得られる。
【0166】一方、ネガ型パターンは、いずれのケイ素
ポリマー組成物を用いても形成することができる。ここ
では、前述の第2の発明で説明したのと同様の条件で、
同様の有機溶媒を現像液として用いて形成することがで
きる。
ポリマー組成物を用いても形成することができる。ここ
では、前述の第2の発明で説明したのと同様の条件で、
同様の有機溶媒を現像液として用いて形成することがで
きる。
【0167】ただし、このためにはケイ素ポリマーが前
述の一般式(9)または一般式(10)で表されるポリ
シロキサンである場合は、酸発生触媒またはラジカル発
生触媒として、特に露光により酸あるいはラジカルを発
生する化合物を配合する必要がある。すなわち、こうし
たポリシロキサンに対し、露光により酸あるいはラジカ
ルを発生する化合物を配合してなるケイ素ポリマー組成
物では、露光部で発生した酸またはラジカルがポリシロ
キサンの側鎖のアルコキシ基や水素原子のシラノール性
水酸基への変化を進行させ、これに続く熱処理で溶媒に
不溶な架橋密度のシロキサン結合(Si−O−Si)が
形成される。
述の一般式(9)または一般式(10)で表されるポリ
シロキサンである場合は、酸発生触媒またはラジカル発
生触媒として、特に露光により酸あるいはラジカルを発
生する化合物を配合する必要がある。すなわち、こうし
たポリシロキサンに対し、露光により酸あるいはラジカ
ルを発生する化合物を配合してなるケイ素ポリマー組成
物では、露光部で発生した酸またはラジカルがポリシロ
キサンの側鎖のアルコキシ基や水素原子のシラノール性
水酸基への変化を進行させ、これに続く熱処理で溶媒に
不溶な架橋密度のシロキサン結合(Si−O−Si)が
形成される。
【0168】一方、ケイ素ポリマーが一般式(6)で表
されるポリシランである場合は、前述の第2の発明で説
明した通りの反応に基づき、露光部でシロキサン結合
(Si−O−Si)の三次元構造が選択的に形成され、
ケイ素ポリマーが一般式(8)で表されるポリシランで
ある場合も、露光部におけるSi−Si結合の切断で発
生したラジカルが側鎖のアルコキシ基のシラノール性水
酸基への変化を促進させ、露光部でやはりシロキサン結
合(Si−O−Si)の三次元構造が選択的に形成され
る。したがって、いずれの場合も未露光部を有機溶媒で
選択的に溶解・除去してネガ型パターンを形成すること
ができ、これに続く加熱乾燥についても前述の第2の発
明と同様の条件で行なえばよい。
されるポリシランである場合は、前述の第2の発明で説
明した通りの反応に基づき、露光部でシロキサン結合
(Si−O−Si)の三次元構造が選択的に形成され、
ケイ素ポリマーが一般式(8)で表されるポリシランで
ある場合も、露光部におけるSi−Si結合の切断で発
生したラジカルが側鎖のアルコキシ基のシラノール性水
酸基への変化を促進させ、露光部でやはりシロキサン結
合(Si−O−Si)の三次元構造が選択的に形成され
る。したがって、いずれの場合も未露光部を有機溶媒で
選択的に溶解・除去してネガ型パターンを形成すること
ができ、これに続く加熱乾燥についても前述の第2の発
明と同様の条件で行なえばよい。
【0169】なお、第3の発明のケイ素ポリマー組成物
においては、露光により発生した酸やラジカルの存在下
で、重合性フッ素化合物の重合反応や重合性フッ素化合
物とポリシランが光分解して生じたラジカルとの反応が
室温下でも進行し得るので、パターン露光後の比較的低
い温度での加熱処理を施すことなく、ネガ型パターンを
形成することも可能である。
においては、露光により発生した酸やラジカルの存在下
で、重合性フッ素化合物の重合反応や重合性フッ素化合
物とポリシランが光分解して生じたラジカルとの反応が
室温下でも進行し得るので、パターン露光後の比較的低
い温度での加熱処理を施すことなく、ネガ型パターンを
形成することも可能である。
【0170】このように第3の発明のケイ素ポリマー組
成物を用いることにより、ケイ素系マトリックス中に高
分子量のフッ素成分を含有する含フッ素シロキサン架橋
体を製造することができる。この含フッ素シロキサン架
橋体においては、フッ素成分が均一に存在していても、
あるいは、フッ素成分とケイ素系マトリックスとが相分
離を起こしてもよい。なお、より高いTgを維持しつ
つ、基板との密着性を向上させるには、表面の凹凸が顕
著にならない限りミクロ相分離構造であることが好まし
い。
成物を用いることにより、ケイ素系マトリックス中に高
分子量のフッ素成分を含有する含フッ素シロキサン架橋
体を製造することができる。この含フッ素シロキサン架
橋体においては、フッ素成分が均一に存在していても、
あるいは、フッ素成分とケイ素系マトリックスとが相分
離を起こしてもよい。なお、より高いTgを維持しつ
つ、基板との密着性を向上させるには、表面の凹凸が顕
著にならない限りミクロ相分離構造であることが好まし
い。
【0171】
【発明の実施の形態】以下、実施例および比較例を示し
て本発明をさらに詳細に説明する。
て本発明をさらに詳細に説明する。
【0172】(実施例I)本実施例においては、含フッ
素ポリシランを用いて、含フッ素シロキサン架橋体を製
造した。
素ポリシランを用いて、含フッ素シロキサン架橋体を製
造した。
【0173】(含フッ素ポリシラン共重合体(c−2)
の合成)まず、以下のようにしてポリフェニルシランを
合成した。
の合成)まず、以下のようにしてポリフェニルシランを
合成した。
【0174】アルゴン置換した300mlのナスフラス
コに、ジルコノセンジクロリド10.462g(0.0
7mol)、ジエチルエーテル250mlを入れ、攪拌
した。次いで、ナスフラスコを−20℃に冷却し、メチ
ルリチウムエーテル溶液(1.4mol/l)を100
mlを5分間で滴下した。その後、45分間攪拌し、溶
媒をエバポレーターで除き、昇華によりジルコノセンジ
メチルを単離した。
コに、ジルコノセンジクロリド10.462g(0.0
7mol)、ジエチルエーテル250mlを入れ、攪拌
した。次いで、ナスフラスコを−20℃に冷却し、メチ
ルリチウムエーテル溶液(1.4mol/l)を100
mlを5分間で滴下した。その後、45分間攪拌し、溶
媒をエバポレーターで除き、昇華によりジルコノセンジ
メチルを単離した。
【0175】さらに、アルゴン置換した500mlの三
つ口フラスコにメカニカルスターラーおよびコンデンサ
ーを取り付け、ジルコノセンジメチルを2.9g収容し
た。この中に、フェニルシラン62.39gを滴下ロー
トにより滴下した。30分反応後、40℃に加熱し、5
時間反応させ、メタノールにより3回再沈したところ、
下記式(a−2)で表されるポリフェニルシランが54
g得られた。GPCにより分子量を測定したところ、平
均分子量は約1000であった。
つ口フラスコにメカニカルスターラーおよびコンデンサ
ーを取り付け、ジルコノセンジメチルを2.9g収容し
た。この中に、フェニルシラン62.39gを滴下ロー
トにより滴下した。30分反応後、40℃に加熱し、5
時間反応させ、メタノールにより3回再沈したところ、
下記式(a−2)で表されるポリフェニルシランが54
g得られた。GPCにより分子量を測定したところ、平
均分子量は約1000であった。
【0176】
【化51】
【0177】続いて、50mlメスフラスコに、ポリフ
ェニルシラン1g(9.4mol)、AIBN 0.1
6g(0.98mol)、および下記式(b−2)で表
される含フッ素化合物を入れ、メスフラスコを液体窒素
で冷却し、真空ポンプで脱気した。その後、4時間還流
しエバポレーターで濃縮し、メタノールで再沈したとこ
ろ、下記式(c−2)で表される含フッ素ポリシラン共
重合体が得られた。
ェニルシラン1g(9.4mol)、AIBN 0.1
6g(0.98mol)、および下記式(b−2)で表
される含フッ素化合物を入れ、メスフラスコを液体窒素
で冷却し、真空ポンプで脱気した。その後、4時間還流
しエバポレーターで濃縮し、メタノールで再沈したとこ
ろ、下記式(c−2)で表される含フッ素ポリシラン共
重合体が得られた。
【0178】
【化52】
【0179】
【化53】
【0180】この含フッ素ポリシラン共重合体は、次の
ような特性を有していた。
ような特性を有していた。
【0181】 IR:Si−C 810cm-1、1250cm-1 CH2 −CH2 2850cm-1 CF2 −CF2 1300cm-1 Si−Ph 1430cm-1 Si−H 2110cm-1 1H−NMR:3〜5ppm、6.5〜8ppm (含フッ素ポリシラン共重合体(g−2)の合成)ま
ず、アルゴン雰囲気下、下記式(d−2)で表される含
フッ素化合物1molのジエチルエーテル溶液に−90
℃でt−ブチルリチウム溶液2倍モルを滴下し、30分
反応させた。
ず、アルゴン雰囲気下、下記式(d−2)で表される含
フッ素化合物1molのジエチルエーテル溶液に−90
℃でt−ブチルリチウム溶液2倍モルを滴下し、30分
反応させた。
【0182】
【化54】
【0183】その後、30分かけて室温に戻した。塩を
除去した反応混合液を滴下ロートに収容し、アルゴン雰
囲気下、テトラクロロシラン1molを収容したナスフ
ラスコに滴下した。1時間反応後、蒸留により下記式
(e−2)で表される化合物を得た。
除去した反応混合液を滴下ロートに収容し、アルゴン雰
囲気下、テトラクロロシラン1molを収容したナスフ
ラスコに滴下した。1時間反応後、蒸留により下記式
(e−2)で表される化合物を得た。
【0184】
【化55】
【0185】この化合物をエーテルに溶解し、アルゴン
雰囲気下でナスフラスコに導入し、LiAlH4 エーテ
ル溶液を加えた。室温で1時間反応させた後、2時間還
流し蒸留により下記式(f−2)で表される化合物を得
た。
雰囲気下でナスフラスコに導入し、LiAlH4 エーテ
ル溶液を加えた。室温で1時間反応させた後、2時間還
流し蒸留により下記式(f−2)で表される化合物を得
た。
【0186】
【化56】
【0187】続いて、アルゴン置換した500ml、三
つ口フラスコにメカニカルスターラーおよびコンデンサ
ーを取り付け、ジルコノセンジメチルを入れた。化合物
(f−2)88.105gと、フェニルシラン54.1
1gとを混合し、滴下ロートにより滴下した。30分反
応後、40℃に加熱し5時間反応させ、メタノールによ
り3回再沈したところ、下記式(g−2)で表される含
フッ素ポリシラン共重合体が85.3g得られた。GP
Cにより分子量を測定したところ、重量平均分子量は約
2000であった。
つ口フラスコにメカニカルスターラーおよびコンデンサ
ーを取り付け、ジルコノセンジメチルを入れた。化合物
(f−2)88.105gと、フェニルシラン54.1
1gとを混合し、滴下ロートにより滴下した。30分反
応後、40℃に加熱し5時間反応させ、メタノールによ
り3回再沈したところ、下記式(g−2)で表される含
フッ素ポリシラン共重合体が85.3g得られた。GP
Cにより分子量を測定したところ、重量平均分子量は約
2000であった。
【0188】
【化57】
【0189】この含フッ素ポリシラン共重合体は、次の
ような特性を有していた。
ような特性を有していた。
【0190】 IR:Si−Ph 1430cm-1 Si−H 2110cm-1 1 H−NMR:3.5〜5.4ppm、6.5〜7pp
m(実施例I−1)含フッ素ポリシラン共重合体として
化合物(FF−1)を使用し、このトルエン溶液を用いて
含フッ素シロキサン架橋体を製造した。
m(実施例I−1)含フッ素ポリシラン共重合体として
化合物(FF−1)を使用し、このトルエン溶液を用いて
含フッ素シロキサン架橋体を製造した。
【0191】なお、ここで用いた化合物(FF−1)にお
いては、n=70、m=30であり分子量は約4,50
0である。
いては、n=70、m=30であり分子量は約4,50
0である。
【0192】まず、この含フッ素ポリシラン共重合体1
5gをトルエン70gに溶解したトルエン溶液を、ガラ
ス基板上にスピンコート法により塗布した後、乾燥し
て、膜厚約2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
5gをトルエン70gに溶解したトルエン溶液を、ガラ
ス基板上にスピンコート法により塗布した後、乾燥し
て、膜厚約2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
【0193】得られた有機ケイ素化合物膜にカラーフィ
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線を1J
/cm2 照射した後、2.38wt%のテトラエチルア
ンモニウムヒドロキシド水溶液に60秒間浸漬したとこ
ろ、露光部が溶解して、線幅10.0μmのパターンが
形成された。
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線を1J
/cm2 照射した後、2.38wt%のテトラエチルア
ンモニウムヒドロキシド水溶液に60秒間浸漬したとこ
ろ、露光部が溶解して、線幅10.0μmのパターンが
形成された。
【0194】この基板を100℃で10分間加熱し、さ
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
【0195】得られた塗膜の誘電率は3.0であり、こ
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
【0196】(実施例I−2)含フッ素ポリシラン共重
合体として、化合物(FF−2)を用いる以外は、前述の
実施例(I−1)と同様にして、10.0μmの線幅に
パターニングされた含フッ素シロキサン架橋体を製造し
た。
合体として、化合物(FF−2)を用いる以外は、前述の
実施例(I−1)と同様にして、10.0μmの線幅に
パターニングされた含フッ素シロキサン架橋体を製造し
た。
【0197】なお、ここで用いた化合物(FF−2)にお
いては、n=60、m=40であり分子量は約5,00
0である。
いては、n=60、m=40であり分子量は約5,00
0である。
【0198】得られた塗膜の誘電率は2.8であり、こ
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
【0199】(実施例I−3)含フッ素ポリシラン共重
合体として化合物(FF−7)を使用し、このトルエン溶
液を用いて含フッ素シロキサン架橋体を製造した。
合体として化合物(FF−7)を使用し、このトルエン溶
液を用いて含フッ素シロキサン架橋体を製造した。
【0200】なお、ここで用いた化合物(FF−7)にお
いては、n=50、m=50であり分子量は約5,00
0である。
いては、n=50、m=50であり分子量は約5,00
0である。
【0201】まず、この含フッ素ポリシラン共重合体1
5gをトルエン70gに溶解したトルエン溶液を、ガラ
ス基板上にスピンコート法により塗布した後、乾燥し
て、膜厚約2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
5gをトルエン70gに溶解したトルエン溶液を、ガラ
ス基板上にスピンコート法により塗布した後、乾燥し
て、膜厚約2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
【0202】得られた有機ケイ素化合物膜にカラーフィ
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線を1J
/cm2 照射した後、100℃で5分間加熱し、トルエ
ン中に60秒間浸漬したところ、未露光部が溶解して、
線幅10.0μmのパターンが形成された。
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線を1J
/cm2 照射した後、100℃で5分間加熱し、トルエ
ン中に60秒間浸漬したところ、未露光部が溶解して、
線幅10.0μmのパターンが形成された。
【0203】この基板を100℃で10分間加熱し、さ
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
【0204】得られた塗膜の誘電率は2.5であり、こ
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
【0205】(実施例I−4)含フッ素ポリシラン共重
合体として化合物(FF−3)を用いる以外は、前述の実
施例(I−3)と同様にして、10.0μmの線幅にパ
ターニングされた含フッ素シロキサン架橋体を製造し
た。
合体として化合物(FF−3)を用いる以外は、前述の実
施例(I−3)と同様にして、10.0μmの線幅にパ
ターニングされた含フッ素シロキサン架橋体を製造し
た。
【0206】なお、ここで用いた化合物(FF−3)にお
いては、n=30、m=70であり分子量は約5,50
0である。
いては、n=30、m=70であり分子量は約5,50
0である。
【0207】得られた塗膜の誘電率は2.5であり、こ
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
【0208】(実施例I−5)含フッ素ポリシラン共重
合体として化合物(FF−27)を使用し、このトルエン溶
液を用いて、含フッ素シロキサン架橋体を製造した。
合体として化合物(FF−27)を使用し、このトルエン溶
液を用いて、含フッ素シロキサン架橋体を製造した。
【0209】なお、ここで用いた化合物(FF−27)にお
いては、n=30、m=20、l=20、k=30であ
り分子量は約5,500、トリフルオロメチル基の導入
位置はベンゼン環のメタ位である。
いては、n=30、m=20、l=20、k=30であ
り分子量は約5,500、トリフルオロメチル基の導入
位置はベンゼン環のメタ位である。
【0210】まず、この含フッ素ポリシラン共重合体1
5gをトルエン70gに溶解したトルエン溶液を、ガラ
ス基板上にスピンコート法により塗布した後、乾燥し
て、膜厚約2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
5gをトルエン70gに溶解したトルエン溶液を、ガラ
ス基板上にスピンコート法により塗布した後、乾燥し
て、膜厚約2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
【0211】得られた有機ケイ素化合物膜にマスクを重
ね、低圧水銀ランプから紫外線を700mJ/cm2 照
射した後、2.38wt%のテトラエチルアンモニウム
ヒドロキシド水溶液に40秒間浸漬したところ、露光部
が溶解し、線幅7.0μmのパターンが形成された。
ね、低圧水銀ランプから紫外線を700mJ/cm2 照
射した後、2.38wt%のテトラエチルアンモニウム
ヒドロキシド水溶液に40秒間浸漬したところ、露光部
が溶解し、線幅7.0μmのパターンが形成された。
【0212】この基板を100℃で10分間加熱し、さ
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
【0213】得られた塗膜の誘電率は2.7であり、こ
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
【0214】(実施例I−6)含フッ素ポリシラン共重
合体として化合物(FF−24)を使用し、このトルエン溶
液を用いて、含フッ素シロキサン架橋体を製造した。
合体として化合物(FF−24)を使用し、このトルエン溶
液を用いて、含フッ素シロキサン架橋体を製造した。
【0215】なお、ここで用いた化合物(FF−24)にお
いては、n=50、m=30、l=20であり分子量は
約5,000、トリフルオロメチル基の導入位置はベン
ゼン環のメタ位である。
いては、n=50、m=30、l=20であり分子量は
約5,000、トリフルオロメチル基の導入位置はベン
ゼン環のメタ位である。
【0216】まず、この含フッ素ポリシラン共重合体1
5gをトルエン70gに溶解したトルエン溶液を、ガラ
ス基板上にスピンコート法により塗布した後、乾燥し
て、膜厚約2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
5gをトルエン70gに溶解したトルエン溶液を、ガラ
ス基板上にスピンコート法により塗布した後、乾燥し
て、膜厚約2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
【0217】得られた有機ケイ素化合物膜にマスクを重
ね、低圧水銀ランプから紫外線を1J/cm2 照射した
後、100℃で5分間加熱し、トルエン中に60秒間浸
漬したところ、未露光部が溶解して、線幅10.0μm
のパターンが形成された。
ね、低圧水銀ランプから紫外線を1J/cm2 照射した
後、100℃で5分間加熱し、トルエン中に60秒間浸
漬したところ、未露光部が溶解して、線幅10.0μm
のパターンが形成された。
【0218】この基板を100℃で10分間加熱し、さ
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
【0219】得られた塗膜の誘電率は2.5であり、こ
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
【0220】(実施例I−7)含フッ素ポリシランとし
て、分子量約4,000の下記に示す化合物(FF−31)
15gをトルエン70gに溶解したトルエン溶液を、ガ
ラス基板上にスピンコート法により塗布した後、乾燥し
て、膜厚約2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
て、分子量約4,000の下記に示す化合物(FF−31)
15gをトルエン70gに溶解したトルエン溶液を、ガ
ラス基板上にスピンコート法により塗布した後、乾燥し
て、膜厚約2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
【0221】
【化58】
【0222】得られた有機ケイ素化合物膜にマスクを重
ね、低圧水銀ランプから紫外線を500mJ/cm2 照
射した後、2.38wt%のテトラエチルアンモニウム
ヒドロキシド水溶液に30秒間浸漬したところ、露光部
が溶解し、線幅5.0μmのパターンが形成された。
ね、低圧水銀ランプから紫外線を500mJ/cm2 照
射した後、2.38wt%のテトラエチルアンモニウム
ヒドロキシド水溶液に30秒間浸漬したところ、露光部
が溶解し、線幅5.0μmのパターンが形成された。
【0223】この基板を100℃で10分間加熱し、さ
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
【0224】得られた塗膜の誘電率は2.7であり、こ
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
【0225】さらに、この塗膜を400℃にキュアした
後、基盤目試験により密着性試験を行ったところ、形成
した膜は試験後も70/100が基盤上に残存してい
た。
後、基盤目試験により密着性試験を行ったところ、形成
した膜は試験後も70/100が基盤上に残存してい
た。
【0226】(実施例I−8)下記式(FF−32)で表さ
れる含フッ素ポリシラン共重合体(分子量4,000)
15gをトルエン70gに溶解したトルエン溶液を、ガ
ラス基板上にスピンコート法により塗布した後、乾燥し
て膜厚約2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
れる含フッ素ポリシラン共重合体(分子量4,000)
15gをトルエン70gに溶解したトルエン溶液を、ガ
ラス基板上にスピンコート法により塗布した後、乾燥し
て膜厚約2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
【0227】
【化59】
【0228】得られた有機ケイ素化合物膜にマスクを重
ね、低圧水銀ランプから紫外線を500mJ/cm2 照
射した後、2.38wt%のテトラエチルアンモニウム
ヒドロキシド水溶液に30秒間浸漬したところ、露光部
が溶解し、線幅5.0μmのパターンが形成された。
ね、低圧水銀ランプから紫外線を500mJ/cm2 照
射した後、2.38wt%のテトラエチルアンモニウム
ヒドロキシド水溶液に30秒間浸漬したところ、露光部
が溶解し、線幅5.0μmのパターンが形成された。
【0229】この基板を100℃で10分間加熱し、さ
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
【0230】得られた塗膜の誘電率は2.9であり、こ
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
【0231】さらに、この塗膜を400℃にキュアした
後、前述の(実施例I−7)と同様の基盤目試験により
密着性試験を行ったところ、形成した膜は試験後も10
0/100が基盤上に残存していた。本実施例の結果
と、前述の(実施例I−7)の結果から、含フッ素ポリ
シランを共重合体構造としたことによって、フッ素を含
有しない構造単位とフッ素含有置換基を有する構造単位
の量とを制御することができ、フッ素含有置換基を有す
る構造単位のみからなる単重合体より、いっそう優れた
密着性を示す含フッ素シロキサン架橋体が得られること
がわかる。
後、前述の(実施例I−7)と同様の基盤目試験により
密着性試験を行ったところ、形成した膜は試験後も10
0/100が基盤上に残存していた。本実施例の結果
と、前述の(実施例I−7)の結果から、含フッ素ポリ
シランを共重合体構造としたことによって、フッ素を含
有しない構造単位とフッ素含有置換基を有する構造単位
の量とを制御することができ、フッ素含有置換基を有す
る構造単位のみからなる単重合体より、いっそう優れた
密着性を示す含フッ素シロキサン架橋体が得られること
がわかる。
【0232】(実施例I−9)下記式(FF−33)で表さ
れる含フッ素ポリシラン共重合体(分子量5,0001
5gをトルエン70gに溶解したトルエン溶液を、ガラ
ス基板上にスピンコート法により塗布した後、乾燥し
て、膜厚約2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
れる含フッ素ポリシラン共重合体(分子量5,0001
5gをトルエン70gに溶解したトルエン溶液を、ガラ
ス基板上にスピンコート法により塗布した後、乾燥し
て、膜厚約2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
【0233】
【化60】
【0234】得られた有機ケイ素化合物膜にカラーフィ
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線を1J
/cm2 照射した後、2.38wt%のテトラエチルア
ンモニウムヒドロキシド水溶液に120秒間浸漬したと
ころ、露光部が溶解して、線幅15.0μmのパターン
が形成された。
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線を1J
/cm2 照射した後、2.38wt%のテトラエチルア
ンモニウムヒドロキシド水溶液に120秒間浸漬したと
ころ、露光部が溶解して、線幅15.0μmのパターン
が形成された。
【0235】この基板を100℃で10分間加熱し、さ
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
【0236】得られた塗膜の誘電率は2.7であり、こ
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
【0237】(比較例I−1)メチルフェニルポリシラ
ン(分子量9,000)15gをトルエン70gに溶解
したトルエン溶液を、ガラス基板上にスピンコート法で
塗布した後乾燥して、膜厚約2μmの有機ケイ素化合物
膜を形成した。
ン(分子量9,000)15gをトルエン70gに溶解
したトルエン溶液を、ガラス基板上にスピンコート法で
塗布した後乾燥して、膜厚約2μmの有機ケイ素化合物
膜を形成した。
【0238】得られた有機ケイ素化合物膜にマスクを重
ね、低圧水銀ランプから紫外線を1J/cm2 した後、
2.38wt%のテトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド水溶液に120秒間浸漬したが、パターンは形成でき
なかった。
ね、低圧水銀ランプから紫外線を1J/cm2 した後、
2.38wt%のテトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド水溶液に120秒間浸漬したが、パターンは形成でき
なかった。
【0239】(比較例I−2)メチルフェニルポリシラ
ン(分子量9,000)15gをトルエン70gに溶解
したトルエン溶液を、ガラス基板上にスピンコート法で
塗布した後乾燥して、膜厚約2μmの有機ケイ素化合物
膜を形成した。
ン(分子量9,000)15gをトルエン70gに溶解
したトルエン溶液を、ガラス基板上にスピンコート法で
塗布した後乾燥して、膜厚約2μmの有機ケイ素化合物
膜を形成した。
【0240】得られた有機ケイ素化合物膜にマスクを重
ね、低圧水銀ランプから紫外線を1J/cm2 照射した
後、100℃で5分間加熱し、トルエン中に60秒間浸
漬したところ、未露光部が溶解して、線幅10.0μm
のパターンが形成された。
ね、低圧水銀ランプから紫外線を1J/cm2 照射した
後、100℃で5分間加熱し、トルエン中に60秒間浸
漬したところ、未露光部が溶解して、線幅10.0μm
のパターンが形成された。
【0241】得られた塗膜の誘電率は4.5であり、こ
の膜は150℃に加熱したところ軟化した。
の膜は150℃に加熱したところ軟化した。
【0242】以上の結果から、本発明の製造方法を用い
ることにより、低誘電率かつ高いTgを有する含フッ素
シロキサン架橋体が形成されることがわかる。特に本発
明の含フッ素ポリシラン共重合体を使用した場合には、
基板との密着性がよりいっそう向上した含フッ素シロキ
サン架橋体が得られる。
ることにより、低誘電率かつ高いTgを有する含フッ素
シロキサン架橋体が形成されることがわかる。特に本発
明の含フッ素ポリシラン共重合体を使用した場合には、
基板との密着性がよりいっそう向上した含フッ素シロキ
サン架橋体が得られる。
【0243】(実施例II)本実施例においては、ケイ素
ポリマー組成物を用いて、含フッ素シロキサン架橋体を
製造した。
ポリマー組成物を用いて、含フッ素シロキサン架橋体を
製造した。
【0244】まず、本実施例において用いる酸発生触媒
を下記に示す。
を下記に示す。
【0245】
【化61】
【0246】(実施例II−1)ケイ素ポリマーとして分
子量約1,000の化合物(E−1)15gと、重合性
フッ素化合物としての化合物(F−2)15gとをトル
エン70gに溶解し、このトルエン溶液をガラス基板上
にスピンコート法で塗布した後乾燥して、膜厚約2μm
の有機ケイ素化合物膜を形成した。
子量約1,000の化合物(E−1)15gと、重合性
フッ素化合物としての化合物(F−2)15gとをトル
エン70gに溶解し、このトルエン溶液をガラス基板上
にスピンコート法で塗布した後乾燥して、膜厚約2μm
の有機ケイ素化合物膜を形成した。
【0247】得られた有機ケイ素化合物膜にカラーフィ
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線1J/
cm2 照射した後、2.38wt%のテトラエチルアン
モニウムヒドロキシド水溶液に60秒間浸漬したとこ
ろ、露光部が溶解し、線幅10.0μmのパターンが形
成された。
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線1J/
cm2 照射した後、2.38wt%のテトラエチルアン
モニウムヒドロキシド水溶液に60秒間浸漬したとこ
ろ、露光部が溶解し、線幅10.0μmのパターンが形
成された。
【0248】この基板を100℃で10分間加熱し、さ
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
【0249】得られた塗膜の誘電率は2.8であり、こ
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
【0250】(実施例II−2)ケイ素ポリマーとしての
分子量約1,000の化合物(E−1)15gと、重合
性含フッ素化合物としての化合物(F−7)15gとを
トルエン70gに溶解し、このトルエン溶液を、ガラス
基板上にスピンコート法で塗布した後乾燥して、膜厚約
2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
分子量約1,000の化合物(E−1)15gと、重合
性含フッ素化合物としての化合物(F−7)15gとを
トルエン70gに溶解し、このトルエン溶液を、ガラス
基板上にスピンコート法で塗布した後乾燥して、膜厚約
2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
【0251】得られた有機ケイ素化合物膜にカラーフィ
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線1J/
cm2 照射した後、2.38wt%のテトラエチルアン
モニウムヒドロキシド水溶液に60秒間浸漬したとこ
ろ、露光部が溶解し、線幅10.0μmのパターンが形
成された。
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線1J/
cm2 照射した後、2.38wt%のテトラエチルアン
モニウムヒドロキシド水溶液に60秒間浸漬したとこ
ろ、露光部が溶解し、線幅10.0μmのパターンが形
成された。
【0252】この基板を100℃で10分間加熱し、さ
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
【0253】得られた塗膜の誘電率は3.1であり、こ
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
【0254】(実施例II−3)ケイ素ポリマーとしての
分子量約1,000の化合物(E−1)15gと、重合
性フッ素化合物としての化合物(F−10)15gとをト
ルエン70gに溶解し、このトルエン溶液をガラス基板
上にスピンコート法で塗布した後乾燥して、膜厚約2μ
mの有機ケイ素化合物膜を形成した。
分子量約1,000の化合物(E−1)15gと、重合
性フッ素化合物としての化合物(F−10)15gとをト
ルエン70gに溶解し、このトルエン溶液をガラス基板
上にスピンコート法で塗布した後乾燥して、膜厚約2μ
mの有機ケイ素化合物膜を形成した。
【0255】得られた有機ケイ素化合物膜にカラーフィ
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線1J/
cm2 照射した後、100℃で5分間加熱しトルエン中
に1分間浸漬したところ、未露光部が溶解して線幅1
0.0μmのパターンが形成された。
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線1J/
cm2 照射した後、100℃で5分間加熱しトルエン中
に1分間浸漬したところ、未露光部が溶解して線幅1
0.0μmのパターンが形成された。
【0256】この基板を100℃で10分間加熱し、さ
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
【0257】得られた塗膜の誘電率は2.7であり、こ
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
【0258】(実施例II−4)ケイ素ポリマーとしての
分子量約1,000の化合物(E−12)15g、および
重合性含フッ素化合物としての化合物(F−8)15g
をトルエン70gに溶解し、このトルエン溶液をガラス
基板上にスピンコート法で塗布した後乾燥して、膜厚約
2.2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
分子量約1,000の化合物(E−12)15g、および
重合性含フッ素化合物としての化合物(F−8)15g
をトルエン70gに溶解し、このトルエン溶液をガラス
基板上にスピンコート法で塗布した後乾燥して、膜厚約
2.2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
【0259】得られた有機ケイ素化合物膜にカラーフィ
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線1J/
cm2 照射した後、100℃で5分間加熱しトルエン中
に1分間浸漬したところ、未露光部が溶解して線幅1
5.0μmのパターンが形成された。
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線1J/
cm2 照射した後、100℃で5分間加熱しトルエン中
に1分間浸漬したところ、未露光部が溶解して線幅1
5.0μmのパターンが形成された。
【0260】この基板を100℃で10分間加熱し、さ
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
【0261】得られた塗膜の誘電率は2.9であり、こ
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
【0262】(実施例II−5)ケイ素ポリマーとしての
分子量約5,000の化合物(E−10)15g、および
重合性含フッ素化合物としての化合物(F−8)15g
をトルエン70gに溶解し、このトルエン溶液をガラス
基板上にスピンコート法で塗布した後乾燥して、膜厚約
2.5μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
分子量約5,000の化合物(E−10)15g、および
重合性含フッ素化合物としての化合物(F−8)15g
をトルエン70gに溶解し、このトルエン溶液をガラス
基板上にスピンコート法で塗布した後乾燥して、膜厚約
2.5μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
【0263】得られた有機ケイ素化合物膜にカラーフィ
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線1J/
cm2 照射した後、100℃で5分間加熱しトルエン中
に1分間浸漬したところ、未露光部が溶解して線幅1
0.0μmのパターンが形成された。
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線1J/
cm2 照射した後、100℃で5分間加熱しトルエン中
に1分間浸漬したところ、未露光部が溶解して線幅1
0.0μmのパターンが形成された。
【0264】この基板を100℃で10分間加熱し、さ
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
【0265】得られた塗膜の誘電率は2.8であり、こ
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
【0266】(実施例II−6)ケイ素ポリマーとしての
分子量約1,000の化合物(E−12)15g、重合性
含フッ素化合物としての化合物(F−8)15g、およ
び酸発生触媒としての化合物(P−1)0.6gをトル
エン70gに溶解し、このトルエン溶液をガラス基板上
にスピンコート法で塗布した後乾燥して、膜厚約2μm
の有機ケイ素化合物膜を形成した。
分子量約1,000の化合物(E−12)15g、重合性
含フッ素化合物としての化合物(F−8)15g、およ
び酸発生触媒としての化合物(P−1)0.6gをトル
エン70gに溶解し、このトルエン溶液をガラス基板上
にスピンコート法で塗布した後乾燥して、膜厚約2μm
の有機ケイ素化合物膜を形成した。
【0267】得られた有機ケイ素化合物膜にカラーフィ
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線1J/
cm2 照射した後、100℃で5分間加熱しトルエン中
に1分間浸漬したところ、未露光部が溶解して線幅1
0.0μmのパターンが形成された。
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線1J/
cm2 照射した後、100℃で5分間加熱しトルエン中
に1分間浸漬したところ、未露光部が溶解して線幅1
0.0μmのパターンが形成された。
【0268】この基板を100℃で10分間加熱し、さ
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
【0269】得られた塗膜の誘電率は2.9であり、こ
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
【0270】(実施例II−7)ケイ素ポリマーとしての
分子量約20,000の化合物(E−17)15g、重合
性含フッ素化合物としての化合物(F−8)15g、お
よびラジカル発生触媒としてのアゾビスイソブチロニト
リル0.57gをトルエン70gに溶解し、このトルエ
ン溶液をガラス基板上にスピンコート法で塗布した後乾
燥して、膜厚約2.2μmの有機ケイ素化合物膜を形成
した。
分子量約20,000の化合物(E−17)15g、重合
性含フッ素化合物としての化合物(F−8)15g、お
よびラジカル発生触媒としてのアゾビスイソブチロニト
リル0.57gをトルエン70gに溶解し、このトルエ
ン溶液をガラス基板上にスピンコート法で塗布した後乾
燥して、膜厚約2.2μmの有機ケイ素化合物膜を形成
した。
【0271】得られた有機ケイ素化合物膜にカラーフィ
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線1J/
cm2 照射した後、100℃で5分間加熱しトルエン中
に1分間浸漬したところ、未露光部が溶解して線幅1
5.0μmのパターンが形成された。
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線1J/
cm2 照射した後、100℃で5分間加熱しトルエン中
に1分間浸漬したところ、未露光部が溶解して線幅1
5.0μmのパターンが形成された。
【0272】この基板を100℃で10分間加熱し、さ
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
【0273】得られた塗膜の誘電率は2.9であり、こ
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
【0274】(実施例II−8)ケイ素ポリマーとしての
分子量約20,000の化合物(E−17)15g、重合
性含フッ素化合物としての化合物(F−8)15g、酸
発生触媒としての化合物(P−1)0.6g、およびラ
ジカル発生触媒としてのアゾビスイソブチロニトリル
0.57gをトルエン70gに溶解し、このトルエン溶
液をガラス基板上にスピンコート法で塗布した後乾燥し
て、膜厚約2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
分子量約20,000の化合物(E−17)15g、重合
性含フッ素化合物としての化合物(F−8)15g、酸
発生触媒としての化合物(P−1)0.6g、およびラ
ジカル発生触媒としてのアゾビスイソブチロニトリル
0.57gをトルエン70gに溶解し、このトルエン溶
液をガラス基板上にスピンコート法で塗布した後乾燥し
て、膜厚約2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
【0275】得られた有機ケイ素化合物膜にカラーフィ
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線1J/
cm2 照射した後、100℃で5分間加熱しトルエン中
に1分間浸漬したところ、未露光部が溶解して線幅1
0.0μmのパターンが形成された。
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線1J/
cm2 照射した後、100℃で5分間加熱しトルエン中
に1分間浸漬したところ、未露光部が溶解して線幅1
0.0μmのパターンが形成された。
【0276】この基板を100℃で10分間加熱し、さ
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
【0277】得られた塗膜の誘電率は2.9であり、こ
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
【0278】(実施例II−9)ケイ素ポリマーとしての
分子量約20,000の化合物(E−13)15g、重合
性含フッ素化合物としての化合物(F−8)15g、酸
発生触媒としての化合物(P−1)0.6g、およびラ
ジカル発生触媒としてのアゾビスイソブチロニトリル
0.57gをトルエン70gに溶解し、このトルエン溶
液をガラス基板上にスピンコート法で塗布した後乾燥し
て、膜厚約2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
分子量約20,000の化合物(E−13)15g、重合
性含フッ素化合物としての化合物(F−8)15g、酸
発生触媒としての化合物(P−1)0.6g、およびラ
ジカル発生触媒としてのアゾビスイソブチロニトリル
0.57gをトルエン70gに溶解し、このトルエン溶
液をガラス基板上にスピンコート法で塗布した後乾燥し
て、膜厚約2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
【0279】得られた有機ケイ素化合物膜にカラーフィ
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線0.5
J/cm2 照射した後、100℃で5分間加熱しトルエ
ン中に1分間浸漬したところ、未露光部が溶解して線幅
10.0μmのパターンが形成された。
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線0.5
J/cm2 照射した後、100℃で5分間加熱しトルエ
ン中に1分間浸漬したところ、未露光部が溶解して線幅
10.0μmのパターンが形成された。
【0280】この基板を100℃で10分間加熱し、さ
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
【0281】得られた塗膜の誘電率は2.8であり、こ
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
【0282】(実施例II−10)ケイ素ポリマーとして
の分子量約20,000の化合物(E−24)15g、重
合性含フッ素化合物としての化合物(F−8)15g、
および酸発生触媒としての化合物(P−1)1.0gを
トルエン70gに溶解し、このトルエン溶液を基板上に
スピンコート法で塗布した後、乾燥し膜厚2μmの有機
ケイ素化合物膜を形成した。
の分子量約20,000の化合物(E−24)15g、重
合性含フッ素化合物としての化合物(F−8)15g、
および酸発生触媒としての化合物(P−1)1.0gを
トルエン70gに溶解し、このトルエン溶液を基板上に
スピンコート法で塗布した後、乾燥し膜厚2μmの有機
ケイ素化合物膜を形成した。
【0283】得られた有機ケイ素化合物膜にマスクを重
ね、低圧水銀ランプから紫外線を1J/cm2 照射した
後、メチルエチルケトンに60秒間浸漬したところ、未
露光部が溶解して線幅8.0μmのパターンが形成され
た。
ね、低圧水銀ランプから紫外線を1J/cm2 照射した
後、メチルエチルケトンに60秒間浸漬したところ、未
露光部が溶解して線幅8.0μmのパターンが形成され
た。
【0284】この基板を100℃で10分間加熱し、さ
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。
【0285】得られた塗膜の誘電率は2.7であり、こ
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
の膜は150℃に加熱しても軟化しなかった。
【0286】(実施例II−11)ケイ素ポリマーとして
の分子量約18,000の化合物(E−27)15g、重
合性含フッ素化合物としての化合物(F−6)15g、
およびラジカル発生触媒としてのベンゾイルペルオキシ
ド0.5gをトルエン70gに溶解し、このトルエン溶
液を基板上にスピンコート法で塗布した後、乾燥し膜厚
2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。なお、ここで
用いた化合物(E−27)においては、トリフルオロメチ
ル基の導入位置はベンゼン環のメタ位である。
の分子量約18,000の化合物(E−27)15g、重
合性含フッ素化合物としての化合物(F−6)15g、
およびラジカル発生触媒としてのベンゾイルペルオキシ
ド0.5gをトルエン70gに溶解し、このトルエン溶
液を基板上にスピンコート法で塗布した後、乾燥し膜厚
2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。なお、ここで
用いた化合物(E−27)においては、トリフルオロメチ
ル基の導入位置はベンゼン環のメタ位である。
【0287】得られた有機ケイ素化合物膜にマスクを重
ね、低圧水銀ランプから紫外線を1J/cm2 照射した
後、100℃で5分間加熱し、トルエン中に1分間浸漬
したところ、未露光部が溶解して線幅10.0μmのパ
ターンが形成された。
ね、低圧水銀ランプから紫外線を1J/cm2 照射した
後、100℃で5分間加熱し、トルエン中に1分間浸漬
したところ、未露光部が溶解して線幅10.0μmのパ
ターンが形成された。
【0288】この基板を100℃で10分間加熱し、さ
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。この膜の誘電率を測
定したところ、2.8であった。
らに130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
ところ、強靭な塗膜が形成された。この膜の誘電率を測
定したところ、2.8であった。
【0289】なお、この塗膜は150℃に加熱しても軟
化しなかった。
化しなかった。
【0290】(比較例II−1)ケイ素ポリマーとしての
分子量約20,000の化合物(E−13)15g、およ
び重合性含フッ素化合物としての化合物(F−8)15
gをトルエン70gに溶解し、このトルエン溶液をガラ
ス基板上にスピンコート法で塗布した後乾燥して、膜厚
約2.2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
分子量約20,000の化合物(E−13)15g、およ
び重合性含フッ素化合物としての化合物(F−8)15
gをトルエン70gに溶解し、このトルエン溶液をガラ
ス基板上にスピンコート法で塗布した後乾燥して、膜厚
約2.2μmの有機ケイ素化合物膜を形成した。
【0291】得られた有機ケイ素化合物膜にカラーフィ
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線0.5
J/cm2 照射した後、100℃で5分間加熱しトルエ
ン中に1分間浸漬したところ、すべてが溶解してパター
ンは形成できなかった。
ルタ用マスクを重ね、低圧水銀ランプから紫外線0.5
J/cm2 照射した後、100℃で5分間加熱しトルエ
ン中に1分間浸漬したところ、すべてが溶解してパター
ンは形成できなかった。
【0292】またこれとは別に、この有機ケイ素化合物
膜の全面に低圧水銀ランプから紫外線0.5J/cm2
を照射した後、基板を100℃で10分間加熱し、さら
に130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
が、膜は硬化せず強靭な塗膜は形成できなかった。
膜の全面に低圧水銀ランプから紫外線0.5J/cm2
を照射した後、基板を100℃で10分間加熱し、さら
に130℃で10分間、150℃で30分間加熱した
が、膜は硬化せず強靭な塗膜は形成できなかった。
【0293】以上の結果から、ケイ素ポリマーと重合性
含フッ素化合物とを含有する本発明のケイ素ポリマー組
成物により、低誘電率かつ高いTgを有する含フッ素シ
ロキサン架橋体が形成されることがわかる。
含フッ素化合物とを含有する本発明のケイ素ポリマー組
成物により、低誘電率かつ高いTgを有する含フッ素シ
ロキサン架橋体が形成されることがわかる。
【0294】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
低誘電率、かつ高いTgを有する含フッ素シロキサン架
橋体を製造し得る含フッ素ポリシランおよびケイ素ポリ
マー組成物が提供される。さらに本発明によれば、上述
のような優れた特性を有する含フッ素シロキサン架橋体
の製造方法が提供される。
低誘電率、かつ高いTgを有する含フッ素シロキサン架
橋体を製造し得る含フッ素ポリシランおよびケイ素ポリ
マー組成物が提供される。さらに本発明によれば、上述
のような優れた特性を有する含フッ素シロキサン架橋体
の製造方法が提供される。
【0295】本発明により製造される含フッ素シロキサ
ン架橋体は、半導体デバイスのパッシベーション膜や層
間絶縁膜等として有用であり、その工業的価値は大き
い。
ン架橋体は、半導体デバイスのパッシベーション膜や層
間絶縁膜等として有用であり、その工業的価値は大き
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 可児 利佳子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内
Claims (9)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で表される構造単位
と、下記一般式(2)〜(4)から選択された少なくと
も1種で表される構造単位とを含むことを特徴とする含
フッ素ポリシラン共重合体。 【化1】 (上記一般式中、Ar1 は芳香族基であり、フッ素を含
まない置換基で置換されていてもよく、Ar2 はフッ素
置換芳香族基であり、R1 はフッ素置換炭化水素基であ
る。) - 【請求項2】 下記一般式(5)で表される含フッ素ポ
リシランを主体とした有機ケイ素化合物膜を基板上に形
成する成膜工程と、 前記有機ケイ素化合物膜を加熱乾燥する三次元化工程と
を具備する含フッ素シロキサン架橋体の製造方法。 【化2】 (上記一般式中、Ar1 は芳香族基であり、フッ素を含
まない置換基で置換されていてもよく、Ar2 はフッ素
置換芳香族基であり、R1 はフッ素置換炭化水素基であ
る。また、n,m,lおよびkは、m+l+k>0、か
つn+l>0の関係を満たす整数である。) - 【請求項3】 前記有機ケイ素化合物膜を加熱乾燥する
に先だって、 有機ケイ素化合物膜の所定の領域に紫外線を照射する露
光工程、および前記露光後の有機ケイ素化合物膜の露光
部を、アルカリ水溶液で溶解除去する現像工程を具備す
る請求項2に記載の含フッ素シロキサン架橋体の製造方
法。 - 【請求項4】 前記有機ケイ素化合物膜を加熱乾燥する
前に、前記有機ケイ素化合物膜に対し紫外線を照射する
全面露光工程を具備する請求項2または3に記載の含フ
ッ素シロキサン架橋体の製造方法。 - 【請求項5】 前記有機ケイ素化合物膜を加熱乾燥する
に先だって、 有機ケイ素化合物膜の所定の領域に紫外線を照射する露
光工程、 前記露光後の有機ケイ素化合物膜を加熱する熱処理工
程、および前記熱処理後の有機ケイ素化合物膜の未露光
部を有機溶媒で溶解除去する現像工程を具備する請求項
2に記載の含フッ素シロキサン架橋体の製造方法。 - 【請求項6】 下記一般式(6)で表されるケイ素ポリ
マーと、下記一般式(7)で表される重合性含フッ素化
合物とを含有することを特徴とするケイ素ポリマー組成
物。 【化3】 (上記一般式中、Ar3 は置換または非置換の芳香族基
であり、R3 は水素原子またはメチル基であり、R4 は
フッ素置換アルキル基であり、Aは単結合またはエステ
ル結合を表す。またnは重合度を表す。) - 【請求項7】 下記一般式(8)で表されるケイ素ポリ
マーと、下記一般式(7)で表される重合性含フッ素化
合物とを含有することを特徴とするケイ素ポリマー組成
物。 【化4】 (上記一般式中、R3 は水素原子またはメチル基であ
り、R4 はフッ素置換アルキル基であり、Aは単結合ま
たはエステル結合を表す。また、R5 は水素原子または
置換もしくは非置換の炭化水素基、R6 は−OR5'(R
5'は水素原子または置換もしくは非置換の炭化水素基で
ある)、または置換もしくは非置換の炭化水素基を表
す。nは重合度を表す。) - 【請求項8】 下記一般式(9)で表されるケイ素ポリ
マーと、下記一般式(7)で表される重合性含フッ素化
合物と、露光または加熱により酸を発生する化合物およ
び露光または加熱によりラジカルを発生する化合物の少
なくとも一方の化合物とを含有することを特徴とするケ
イ素ポリマー組成物。 【化5】 (上記一般式中、R3 は水素原子またはメチル基であ
り、R4 はフッ素置換アルキル基であり、Aは単結合ま
たはエステル結合を表す。また、R5 は水素原子または
置換もしくは非置換の炭化水素基、R6 は−OR5'(R
5'は水素原子または置換もしくは非置換の炭化水素基で
ある)、または置換もしくは非置換の炭化水素基を表
す。nは重合度を表す。) - 【請求項9】 下記一般式(10)で表されるケイ素ポ
リマーと、下記一般式(7)で表される重合性含フッ素
化合物と、露光または加熱により酸を発生する化合物お
よび露光または加熱によりラジカルを発生する化合物の
少なくとも一方の化合物とを含有することを特徴とする
ケイ素ポリマー組成物。 【化6】 (上記一般式中、Ar3 は置換または非置換の芳香族基
であり、R3 は水素原子またはメチル基であり、R4 は
フッ素置換アルキル基であり、Aは単結合またはエステ
ル結合を表す。nは重合度を表す。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4594996A JPH09241385A (ja) | 1996-03-04 | 1996-03-04 | 含フッ素ポリシラン共重合体、ケイ素ポリマー組成物、および含フッ素シロキサン架橋体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4594996A JPH09241385A (ja) | 1996-03-04 | 1996-03-04 | 含フッ素ポリシラン共重合体、ケイ素ポリマー組成物、および含フッ素シロキサン架橋体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09241385A true JPH09241385A (ja) | 1997-09-16 |
Family
ID=12733539
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4594996A Pending JPH09241385A (ja) | 1996-03-04 | 1996-03-04 | 含フッ素ポリシラン共重合体、ケイ素ポリマー組成物、および含フッ素シロキサン架橋体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09241385A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002090423A1 (en) * | 2001-05-01 | 2002-11-14 | Jsr Corporation | Polysiloxane, process for production thereof and radiation-sensitive resin composition |
JP2007077198A (ja) * | 2005-09-12 | 2007-03-29 | Osaka Gas Co Ltd | コポリシラン及びこのコポリシランを含む樹脂組成物 |
WO2007066594A1 (ja) * | 2005-12-07 | 2007-06-14 | Osaka Gas Co., Ltd. | ポリシラン及びポリシランを含む樹脂組成物 |
-
1996
- 1996-03-04 JP JP4594996A patent/JPH09241385A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002090423A1 (en) * | 2001-05-01 | 2002-11-14 | Jsr Corporation | Polysiloxane, process for production thereof and radiation-sensitive resin composition |
JP2007077198A (ja) * | 2005-09-12 | 2007-03-29 | Osaka Gas Co Ltd | コポリシラン及びこのコポリシランを含む樹脂組成物 |
WO2007066594A1 (ja) * | 2005-12-07 | 2007-06-14 | Osaka Gas Co., Ltd. | ポリシラン及びポリシランを含む樹脂組成物 |
US8163863B2 (en) | 2005-12-07 | 2012-04-24 | Osaka Gas Co., Ltd. | Polysilane and polysilane-containing resin composition |
JP5613870B2 (ja) * | 2005-12-07 | 2014-10-29 | 大阪瓦斯株式会社 | ポリシラン及びポリシランを含む樹脂組成物 |
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