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JPH09222526A - 広帯域プラスチッククラッド光ファイバ - Google Patents

広帯域プラスチッククラッド光ファイバ

Info

Publication number
JPH09222526A
JPH09222526A JP8318384A JP31838496A JPH09222526A JP H09222526 A JPH09222526 A JP H09222526A JP 8318384 A JP8318384 A JP 8318384A JP 31838496 A JP31838496 A JP 31838496A JP H09222526 A JPH09222526 A JP H09222526A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clad
optical fiber
cladding
core
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8318384A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Yamamoto
哲也 山本
Seishiro Taneichi
正四郎 種市
Hisaaki Kobayashi
久晃 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP8318384A priority Critical patent/JPH09222526A/ja
Publication of JPH09222526A publication Critical patent/JPH09222526A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 石英からなるコアと、コアの外周に密着し
て設けられポリマからなるクラッドとを有するプラスチ
ッククラッド光ファイバにおいて、広帯域化を図り、し
かも、それに伴って増加するデメリット(簡易圧着コネ
クタによる接続損失、曲げ損失、さらには、温度変化に
伴う透光損失の悪化)を抑制し、ATM−LANや高速
イーサネット用などに好適な広帯域PCFを提供する。 【達成手段】 クラッドが異なるポリマからなる2層
構造を有し、かつ、コアの屈折率(nCO)、コアの外周
に密着して設けられた第1クラッドの屈折率
(nCL1 )、及び、第1クラッドの外周に密着して設け
られた第2クラッドの屈折率(nCL2 )が、0.21≦
(nCO 2 −nCL1 2 1/2 <0.30、 及び、nCL2
<nCL1 を同時に満足する。特に、その第1クラッ
ド、第2クラッドは、ショア硬度、線膨脹係数、ヤング
率等が特定値であることが好ましく、また、クラッドの
外周に応力緩衝層、被覆層を設けることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中距離、短距離範
囲内における高速で容量の大きいデータリンク等のLA
N(ローカルエリアネットワーク)を構築するために好
適な広帯域プラスチッククラッド光ファイバに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】芯(コア)が石英から成り、鞘(クラッ
ド)がプラスチックから成るステップインデックス型プ
ラスチッククラッド光ファイバ(以後、PCFと称す
る)は、比較的安価で、プラスチック光ファイバと比較
して透光性に優れ、受発光素子との結合性が良好で、し
かも取り扱い性に優れていることから、中・短距離伝送
用光ファイバやライトガイドとして使用されている。
【0003】例えば、特開平5−271350号公報に
記載された、コアが純粋石英、クラッドが紫外線硬化型
フッ素樹脂からなるPCFは、機器内、機器間、移動体
通信やビル内通信等に使用が可能である。さらに、この
PCFにおいては硬度の高いフッ素系樹脂がクラッド材
として使用され、圧着コネクタの使用が可能であるの
で、コネクタ接続を含む現場施工性に優れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来のPCFは、ハンドリング性、加工性、簡易コネク
タ接続(圧着)性、低価格性、及び結合性に優れている
ものの、開口数(NA)が0.37〜0.40のように
高いので伝送帯域が狭く、その結果、広帯域の情報伝送
方式であるATM−LANや高速イーサネットなどへは
十分に適用できないという問題がある。
【0005】また、高速伝送用として、従来より知られ
ている石英系グレーデッドインデックス型やシングルモ
ード型光ファイバは高い伝送帯域を有するものの加工や
コネクタ接続作業が繁雑であり、しかも、母材設計及び
被覆構成が複雑化することにより価格の低減が容易でな
いという問題がある。
【0006】そこで、加工やコネクタ接続作業が容易
で、母材設計及び被覆構成が容易で安価なPCFにおい
て、広帯域化を図ることができ、しかも、それに伴って
増加するデメリット、即ち、簡易圧着コネクタによる接
続損失、曲げ損失、さらには、温度変化に伴う透光損失
の悪化、を抑制できる広帯域PCFを提供することを主
な目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明のPCFは、石英からなるコアと、該コアの
外周に密着して設けられ、ポリマからなるクラッドとを
有するプラスチッククラッド光ファイバにおいて、前記
クラッドが異なるポリマからなる2層構造を有し、か
つ、コアの屈折率(nCO)、コアの外周に密着して設け
られた第1クラッドの屈折率(nCL1 )、及び、第1ク
ラッドの外周に設けた第2クラッドの屈折率(nCL2
が、0.21≦(nCO 2 −nCL1 2 1/2 <0.30、
及び、nCL2 <nCL1 を同時に満足することを特徴
とする。
【0008】第1クラッドはショア硬度D60以上、及
び、常温での線膨脹係数1.0×10-4〜2.0×10
-4を有する紫外線硬化されたフッ素系(メタ)アクリレ
ート系樹脂からなり、かつ第2クラッドはショア硬度D
60以上、及び、常温での線膨脹係数1.0×10-4
2.3×10-4を有する紫外線硬化されたフッ素系(メ
タ)アクリレート系樹脂からなることが好ましい。
【0009】また、第1クラッドをなすポリマ、及び、
第2クラッドをなすポリマの、それぞれの23℃でのヤ
ング率は、30〜65kg/mm2 、及び、15〜60
kg/mm2 であることが好ましい。
【0010】さらに、第1クラッドの厚み(D1 )と前
記第2クラッドの厚み(D2 )とは、10μm≦D1 +
D2 ≦20μm、 5μm≦D1 、及び、5μm≦D2
を同時に満足することが好ましい。
【0011】また、前記第2クラッドが、重合生成高分
子物を実質的に含まない紫外線硬化性組成物を塗布し、
紫外線硬化させることによって形成された層であるが好
ましく、さらに、ガラスコアに塗布された第1クラッド
用紫外線硬化性組成物を硬化度50〜90%に紫外線硬
化させて、第2クラッド用紫外線硬化性組成物を塗布
し、紫外線硬化させることが好ましい。
【0012】さらにまた、クラッドの外周に密着させて
エネルギー硬化されたポリマからなる応力緩衝層が設け
られ、さらに、該応力緩衝層の外周に被覆層が設けられ
てなることが好ましく、該応力緩衝層には、90°剥離
力が45 g/cm 以下である紫外線硬化型樹脂を用いるこ
とが望ましい。
【0013】さらに、前記第2クラッドの外径(DCL2
)、前記応力緩衝層の外径(DS )、及び前記被覆層
の外径(DB )が、0.3≦(DS −DCL2 )/(DB
−DCL2 )≦0.7 を満足することが望ましい。
【0014】プラスチッククラッド光ファイバ(PC
F)において広帯域化を実現するためには、光ファイバ
の開口数(NA=nCO 2 −nCL1 2 )を低くすることが
必要であり、そのため、本発明では、第1クラッドの屈
折率(nCL1 )と前記コアの屈折率(nCO)とが、0.
21≦(nCO 2 −nCL1 2 1/2 <0.30 を満足す
る水準をとる。
【0015】即ち、広帯域の情報伝送方式における光フ
ァイバとして使用するためには、100〜200mの伝
送長における帯域が少なくとも156Mbpsであるこ
とが必要であり、従来のステップインデックス型PCF
ではこの帯域水準を満足することができない。しかし、
開口数(NA)を前記水準まで低くすれば、少なくとも
156Mbps(100〜200m)の帯域水準を達成
することができる。
【0016】そのためには、例えば、石英コアの屈折率
が1.458の場合、クラッドの屈折率が1.427〜
1.443程度となるように、従来のPCFと比べて高
い屈折率のポリマをクラッドに使用すればよい。
【0017】しかし、低開口数ステップインデックス型
光ファイバのコア内を伝搬する光は光ファイバを曲げた
際に放射モード化し易いので、上述のようにPCFの開
口数(NA)を小さくすると、曲げ損失が増大するとい
う問題が生じ、実用に供する上での大きな制約となって
いる。従って、クラッドが1層のみからなるPCFにお
いては、従来のPCF(開口数0.37〜0.40の高
開口数)で実用上許容されていた曲げ損失値(入射NA
が0.30のLED光源を使用し、3m長の光ファイバ
に光を入射させて5mmRのマンドレルに15回巻き付
けた時に生じる初期光量値からの光量低下)の水準と同
等の水準(0.35dB以下)を維持するためには、P
CFの開口数(NA)を小さくしても0.36以上が限
界であった。すなわちこのようなPCFの曲げ特性はP
CFの開口数(NA)を決定するクラッドの屈折率だけ
でなく、クラッドに使用されるポリマ物性や長手方向の
被覆状態のばらつきによっても影響されるため、PCF
の開口数(NA)が0.36を下回ると低開口数化に加
えてそれらの影響が無視できなくなり、実用に供するた
めに必要な安定した曲げ特性を十分に満たすことができ
ない。したがって、安定した曲げ特性を得るためにはP
CFの開口数(NA)を小さくしても0.36以上が限
界であった。
【0018】しかしながら、第1クラッドの外周に、n
CL2 <nCL1 の屈折率を満足する第2クラッドを設けれ
ば、第1クラッドの開口数を 0.21≦NA<0.3
0と相当に低くしても、曲げ損失を抑制することができ
る。これは、光ファイバを曲げた時、コアと第1クラッ
ドとの界面で一旦生じた放射モードが、第1クラッドと
第2クラッドとの界面で再び全反射させることができる
からであると考えられる。即ち、nCL2 ≧nCL1 では全
反射させることができず放射光は光ファイバ外に放射さ
れ失われる。さらに、(nCO 2 −nCL2 2 1/2
[(nCO 2 −nCL 1 2 1/2 +0.03]とすること
が、第1及び第2クラッドの界面での全反射のために好
ましい。また、nCL2 /nCL1 は低くても0.95以上
が好ましい。
【0019】同様に、PCFの開口数(NA)を小さく
することによるPCFの広帯域化は、クラッド外周にか
しめ部材をかしめて圧着コネクタを取り付けた時のかし
め損失を増大させるという問題もあるので、コネクタ接
続損失を従来のPCF(開口数0.37〜0.40の高
開口数)並み(0.5dB以下)に抑えることも実用に
供する上で要求される。ところが、1層のみのクラッド
からなるPCFの場合では、クラッドの組成や物性及び
その長手方向のばらつきや圧着コネクタの種類によら
ず、従来のPCF並みの0.5dB以下のかしめ損失値
(入射NAが0.20、フルモード励振条件)を維持す
るためには、PCFの開口数(NA)は低くても0.3
6以上が限界であった。すなわち0.36未満である
と、クラッドの組成や物性の違い及びその長手方向のば
らつきによる影響が無視できなくなり安定したかしめ特
性が得られにくくなり、実用に供することができない。
【0020】しかしながら、特定範囲内の屈折率を有す
る第2クラッドを設けて2重クラッドとすれば、第1ク
ラッドの開口数を0.21≦NA<0.30としてもか
しめ損失を低くすることができるのである。
【0021】また、第1クラッドの屈折率よりも小さい
屈折率を有する第2クラッドを設けることは、曲げ損
失、かしめ損失の低減化のみならず、PCFの広帯域化
に対しても非常に有効である。
【0022】即ち、特定範囲内の屈折率を有する第2ク
ラッドを設ければ、コアからの染み出し漏光は、低次モ
ードの場合、第1クラッドを透過しても第1クラッドと
第2クラッドの界面において反射される。一方、高次モ
ードの場合は第1クラッドを透過して第2クラッドまで
至った漏光は、第2クラッドの光に対する大きな損失に
より減衰し、第2クラッドの外周界面に於いて反射され
た光は第1クラッドと第2クラッドの界面での反射が加
わってさらに大きな減衰となる。よって、従来のPCF
と比較して低次モードの伝送損失を小さくすることがで
き、高次モードのフィルタ特性を良好なものとすること
ができ、この結果、広帯域伝送をより長距離のものとす
ることができるのである。
【0023】本発明の広帯域プラスチッククラッド光フ
ァイバの第1クラッド及び第2クラッドをなすポリマ
は、硬化後の硬度が、ショア硬度D法(ASTM−D2
240)で60以上の高硬度を有することが好ましい。
【0024】光ファイバ側面をコネクタフェルールを介
して直接かしめて圧着コネクタを取り付ける際に、光フ
ァイバの破断やクラックによる疲労破断を起こさせない
ためには、クラッドのポリマは硬度が比較的低い方が好
ましいが、ショア硬度Dが50〜55程度あるいはそれ
以下となると、光ファイバとフェルールのかしめ固着力
を十分に高められず、光ファイバ切断時に石英コア切断
面を鏡面化できる確率が低くなる。
【0025】一方、ショア硬度Dが60以上、好ましく
はD60〜85と高硬度のポリマを使用すれば、かしめ
応力がポリマクラッド部にて十分に受け止められるの
で、強く固着することができる。しかもこの程度の高硬
度では光ファイバの破断や疲労破断に至ることもなく、
さらに、光ファイバを切断する際に、光ファイバに押し
当てた切断刃の衝撃伝播がコアまで到達し石英コアを鏡
面を呈した状態でもって切断できる利点があり、光ファ
イバ切断後の光ファイバ断面を非常に平滑にでき、研磨
工程なしでの接続をも可能とすることができる。
【0026】さらに本発明の光ファイバの第1クラッド
に使用するポリマは、線膨脹係数が常温で1.0×10
-4〜2.0×10-4であることが好ましく、また、第2
クラッドに使用するポリマは、線膨脹係数が常温で1.
0×10-4〜2.3×10-4であることが好ましい。
1.0×10-4未満であるとポリマが脆すぎるので、コ
アとクラッドとの密着性が良好であっても、熱的ショッ
クや曲げ等による機械的刺激によってクラッドが剥離し
やすくなる。
【0027】逆に、第1クラッドのポリマの線膨脹係数
が2.0×10-4を越えると、dnCL/dT(クラッド
屈折率の温度係数) がdρ/dT(線膨脹係数)に比例
するために、低温域においてクラッドの屈折率が大きく
なって光ファイバのNAが大きく低下し、この結果、低
温下での透光損失が極めて大きくなり易い。また、第2
クラッドのポリマの線膨脹係数が2.3×10-4を越え
ると、低温下でのポリマ収縮によりマイクロベンド損失
が増大し易いので、低温下での透光損失が大きくなり易
い。
【0028】したがって、開口数(NA)を前記した低
水準としポリマクラッドを2層構造とした広帯域PCF
においては、機械特性と低温特性との両方を満足するP
CFとするためには、第1クラッドの線膨脹係数は1.
0×10-4〜2.0×10-4とし、第2クラッドの線膨
脹係数は1.0×10-4〜2.3×10-4とすることが
好ましい。
【0029】また、第1クラッドのポリマ及び第2クラ
ッドのポリマはそのヤング率(23℃)が、それぞれ3
0〜65kg/mm2 、15〜60kg/mm2 である
ことが望ましい。一般的にクラッド等に使用される紫外
線硬化されたフッ素系(メタ)アクリレート系樹脂は、
硬度が高くなるにつれて、ヤング率も高くなる傾向にあ
るが、上記範囲よりも高ヤング率の樹脂は伸びにくく、
光ファイバを切断する際などに欠けが生じ易いので、光
ファイバ接続損失増加の一要因となる。したがって、上
述したようにかしめ特性を良好とするために高硬度とし
てもそのヤング率は低い方が好ましく、総合的に接続特
性が良好な光ファイバを得るためには、上記したヤング
率の水準が好ましいものであり、この結果、石英コアの
鏡面破断による研磨工程なしでの接続も可能となる。な
お、上記範囲よりも低ヤング率の場合は、硬度が高くて
も光ファイバ切断時に切断端面を鏡面化できる確率が低
くなる。
【0030】上述したショア硬度、線膨脹係数及びヤン
グ率の値を満足させることによって、広帯域の2重クラ
ッドプラスチッククラッド光ファイバにおいて、良好な
圧着特性、かしめ特性、機械特性及び低温特性を満足さ
せることが可能となる。
【0031】石英コアの表面に形成される第1クラッド
及び第2クラッドは、屈折率等を所望の値に制御しやす
い点等から、紫外線硬化によるフッ素系(メタ)アクリ
レート系樹脂で構成されることが好ましく、この場合、
紫外線硬化性のフッ素系(メタ)アクリレート系組成物
を石英コアの表面に塗布または含浸させた後、紫外線を
照射することにより重合硬化せしめることにより形成さ
れる。
【0032】本発明のクラッド層の厚みは、第1クラッ
ドの厚み(D1 )と第2クラッドの厚み(D2 )が10
μm≦D1 +D2 ≦20μmを満足し、かつ第1クラッ
ドの厚み(D1 )も、第2クラッドの厚み(D2 )もと
もに5μm以上であることが好ましい。
【0033】各クラッド層の厚みが5μm未満である場
合は、石英コアと各クラッドとの偏心程度を良好な範囲
内に抑えることが難しく、光ファイバを破断した際に各
クラッドに欠けや剥離が生じ易く、良好な鏡面破断面を
得ることが難しい。さらには偏心不良であると圧着コネ
クタをかしめて取り付けた際に不均一に応力が加わり易
く、かしめ損失が悪くなり易い。
【0034】第1クラッドの厚み(D1 )と第2クラッ
ドの厚み(D2 )との和が、10μm未満であると圧着
コネクタをかしめて取り付けた際のかしめ力を十分に受
け止めることができず、光ファイバの破断や疲労を引き
起こすため、十分な固着力が得られ難い。一方第1クラ
ッドの厚み(D1 )と第2クラッドの厚み(D2 )との
和が20μmを越えると低温放置した場合に、クラッド
の収縮によって、石英コアのマイクロベンド損が増大す
る等の問題が生じ易い。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の光ファイバのコアをなす
石英は、純粋石英で代表されるが、これに、ドープ剤を
添加したものやアルカリ金属等を含有する多成分タイプ
のものであってもよい。
【0036】本発明において、第1クラッドや第2クラ
ッドをなすポリマとしては、コーティングのし易さなど
の作業効率の点や、硬化速度が早くファイバの高速での
製造に適する点から、紫外線硬化型の樹脂であることが
好ましい。さらに屈折率等を所望の値に制御し易い点等
から、紫外線硬化によるフッ素系(メタ)アクリレート
系樹脂で構成されることがより好ましい。この場合に好
適に使用される紫外線硬化されたフッ素系(メタ)アク
リレート系樹脂としては、例えば米国特許第45112
09号明細書に記載されたクラッド用ポリマ前駆体組成
物の技術を応用し、フッ素化アルキル基含有のフッ素系
(メタ)アクリレートの主モノマとアルキル基含有の
(メタ)アクリレート系の単官能モノマや多官能モノマ
との組み合わせ及びそれらの混合比率を適正化すること
によって所望物性としたポリマが挙げられる。
【0037】それらポリマを形成するためのモノマとし
ては以下に例示する物が使用できる。弗素化アルキル基
含有の弗素系(メタ)アクリレートの主モノマとして
は、 CH2 =CHCOOCH2 CF3 CH2 =CHCOOCH2 CF2 CF3 CH2 =CHCOOCH2 CFHCF3 CH2 =C(CH3 )COOCH2 CFHCF3 CH2 =CHCOOCH2 CH2 CF3 CH2 =CHCOOCH2 CF2 CFHCF3 CH2 =CHCOOCH2 CF(CF3 )CF3 CH2 =CHCOOCH(CF3 2 CH2 =C(F)COOCH(CF3 2 CH2 =C(CH3 )COOCH(CF3 2 CH2 =CHCOOCH2 (CF2 CF2 3 H CH2 =C(F)COOCH2 (CF2 CF2 2 H CH2 =C(CH3 )COOCH2 (CF2 CF2 2
H CH2 =CHCOOCH2 CF2 CF2 CFHCF3 CH2 =CHCOOCH2 CF2 CF2 H CH2 =C(CH3 )COOCH2 CF2 CF2 H CH2 =C(F)COOCH2 CF2 CF2 H CH2 =CHCOOCH2 CH2 8 17 CH2 =C(CH3 )COOCH2 CH2 8 17 CH2 =CHCOOCH2 CH2 1225 CH2 =C(CH3 )COOCH2 CH2 1225 CH2 =CHCOOCH2 CH2 1021 CH2 =C(CH3 )COOCH2 CH2 1021 CH2 =CHCOOCH2 CH2 8 13 CH2 =C(CH3 )COOCH2 CH2 6 13 CH2 =CHCOOCH2 CH2 4 9 CH2 =CFCOOCH2 CH2 6 13 CH2 =CHCOOCH2 (CH2 6 CF(CF3
2 CH2 =CHCOOCH2 1020H CH2 =C(CH3 )COOCH2 1020H CH2 =CHCOOCH2 1224H CH2 =C(CH3 )COOCH2 1224H CH2 =CHCOOCH2 C(OH)HCH2 8 17 CH2 =CHCOOCH2 CH2 N(C3 7 )SO2
8 17 CH2 =CHCOOCH2 CH2 N(C2 5 )COC
7 15 CH2 =CHCOO(CH2 2 (CF2 8 CF(C
3 2 CH2 =C(CH2 CH2 8 17)COOCH2 CH
2 8 17 が挙げられ、これら弗素系(メタ)アクリレートは、構
造が異なる2種類以上の化合物を混合して使用してもよ
い。
【0038】また、アルキル基含有の(メタ)アクリレ
ート系の単官能モノマとしては、 CH2 =CHCOOCH2 (CH2 6 H CH2 =C(CH3 )COOCH2 (CH2 8 H CH2 =CHCOOCH2 (CH2 10H CH2 =CHCOOCH2 (CH2 12H が挙げられる。
【0039】また、多官能モノマとしては、 エチレングリコールジ(メタ)アクリレート ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(数平
均分子量200〜1000) プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(数
平均分子量200〜1000) ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート 1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート 1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート 1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコール
ジ(メタ)アクリレート ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート ペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)ア
クリレート CH2 =CHCOOCH2 (C2 4 2 CH2 OCO
CH=CH2 CH2 =CHCOOC2 4 (C2 4 3 2 4
COCH=CH2 CH2 =C(CH3 )COOC2 4 (C2 4 3
2 4 OCOC(CH3)=CH2 が挙げられる。
【0040】本発明で用いられるクラッドポリマ用の硬
化性モノマ組成物(クラッド用ポリマ前駆体組成物)
は、石英コアへの表面コーティングの点から、10〜2
000cps程度の粘度を有することが望ましく、常温
塗布の場合には特に15〜200cpsが望ましい。ま
たそのクラッドポリマ用のモノマ組成物は加熱又は冷却
によって粘度調整しながら、光ファイバコアにコーティ
ングしてもよい。
【0041】この硬化性モノマ組成物は、前記したフッ
素アルキル基含有の弗素系(メタ)アクリレートの主モ
ノマ、及びアルキル基含有の(メタ)アクリレート系の
多官能モノマの他に、硬化条件や相溶性等の点で許容さ
れる範囲内であれば必要に応じて各種の添加剤を含有し
てもよい。
【0042】例えば、ヒンダードフェノール系等の抗酸
化剤、耐光性向上剤、石英コアとの密着性及び結合性を
向上させるためのシランカップリング剤、石英コアへの
均一塗布のための消泡剤、レベリング剤、界面活性剤な
どを適宜混合することができる。
【0043】カップリング剤としては、シラン系、チタ
ン系、ジルコ・アルミネート系のカップリング剤、例え
ば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルメトキシシラン、γ−アクリロキシ
プロピルメチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン等のシラン系が好ましい。
【0044】また、光重合開始剤としては、例えば、ベ
ンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベ
ンジルメチルケタール、アゾビスイソブチロニトリル、
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等
を、0.1〜5重量%の割合で使用すればよい。これら
光重合開始剤は、必要に応じてアミン化合物やリン化合
物等の光増感剤を併用させてもよい。
【0045】特に第1クラッド用組成物には、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤
を添加することが好ましく、これにより、コアとクラッ
ドの密着性を良好にし、ワイブル平均破断強度の値を4
00kg/mm2 以上のように高くすることが可能とな
り、高い強度信頼性を有するPCFとすることができ
る。その添加量は5%未満が好ましいが0.1〜3.0
%がより好ましい。
【0046】このクラッド用組成物、特に第2クラッド
用組成物には、上述したようにモノマ成分を含み、か
つ、重合生成高分子物を実質的に含まないことが好まし
く、その組成物は通常10〜100cps程度の粘度を
有する。なお、重合生成高分子物は、上述したようなモ
ノマ成分がビニル重合することによって生成するオリゴ
マ(2量体以上)やポリマを意味する。
【0047】このように重合生成高分子物を実質的に含
まないクラッド用ポリマ前駆体組成物を用いると、組成
物の塗布、紫外線硬化、組成物の塗布、紫外線硬化の順
に、繰り返されて形成される複数層のクラッドが形成さ
れる際のクラッドどうしの密着性が高くなり、加工時に
おける界面剥離や端面欠けの問題を十分に低減させるこ
とができる。この効果は、クラッドとして含弗素系モノ
マを用いる場合に特に有効である。
【0048】さらに、効果を高めるためには、第1クラ
ッド用ポリマ前駆体組成物をコア基体の表面に連続的に
塗布した後、紫外線照射装置にて紫外線を照射して硬化
させる際に、その紫外線照射強度、紫外線照射量、及び
硬化を促進する窒素パージガス流量を制御することによ
って、その硬化度を50〜90%に制御することが好ま
しい。すなわち、引続いて形成される第2クラッドとの
密着性を高める上で必要な第1クラッド中の残存モノマ
成分の残存率を高く保持しておくことができ、第2クラ
ッド成分との密着性がより促進されるからである。これ
は、第1クラッドと第2クラッドとの界面に極く薄い混
合ポリマ層が形成されることによるものと考えられる。
【0049】また、重合生成高分子物を実質的に含まな
いクラッド用ポリマ前駆体組成物は、クラッドの透明性
や機械的特性を高めるためにも効果的である。
【0050】このようにしてクラッドが形成されてなる
光ファイバは、その外周に被覆層が形成される。その被
覆層をなすポリマには、熱可塑性樹脂ではナイロン1
1、12などのポリアミド樹脂やエチレン/テトラフル
オロエチレン共重合体などのフッ素系樹脂、紫外線硬化
型樹脂では硬質のウレタンアクリレート系樹脂などが使
用できる。
【0051】前述したような紫外線硬化されたフッ素系
(メタ)アクリレート系樹脂をクラッドとした場合に
は、使用環境の温度変化によって、伝送損失に大きな変
動を生じる場合もあるが、その抑制のためには、クラッ
ドと被覆層との間に、そのクラッドの外周に密着させて
エネルギー硬化されたポリマからなる応力緩衝層を設け
ることが効果的である。
【0052】この応力緩衝層を形成するポリマは、熱可
塑性及び紫外線硬化型のいずれでもよいが、ショア硬度
A80未満のような軟質のポリマが好ましく、特に、紫
外線硬化型のシリコーン樹脂やウレタンアクリレート系
樹脂等が好ましい。
【0053】さらには、このポリマは、その90°剥離
力が45 g/cm 以下、特に25〜45 g/cm であること
が好ましい。なぜならば、応力緩衝層をストリップして
圧着コネクタを取付ける際、クラッドと応力緩衝層の密
着力が強すぎると、応力緩衝層をストリップしても完全
に剥すことが難しくその一部がクラッドに付着したまま
残るので、PCFとコネクタフェルールとの嵌込み作業
性が悪化し易い。また、密着力の強さは、透光損失、特
に使用環境の温度変化にともなう損失にも大きく影響す
るので、低温特性を良好にするためにも、前記したよう
に剥離力の低いポリマを用いることが好ましい。しか
し、密着力があまりにも弱すぎると、被覆層を設けたP
CF端面からベアファイバ部が突き出す(ピストニン
グ)等の問題が生じ易くなるので、低くとも25とする
ことが特に好ましい。
【0054】ポリマの90°剥離力は次の方法で求めら
れる値である。他成分ガラス上にポリマまたは硬化性組
成物を厚みが200μmとなるように塗布し、固化さ
せ、または200mJの紫外線照射により硬化させて膜
とする。その膜を90°の方向に剥離させ、その剥離時
の抵抗値(g/cm)を測定する。
【0055】また、応力緩衝層を設ける場合には、その
外径(DS )及び被覆層の外径(DB )は、0.3≦
(DS −DCL)/(DB −DCL)≦0.7(クラッドの
外径:DCL、被覆層の外径:DB )を満たすことが好ま
しい。0.3未満では被覆層の収縮応力のベアファイバ
部への悪影響を十分に防ぐことが難しく、逆に、0.7
を越えると被覆層の厚みが薄くなりすぎて、ベアファイ
バ部に側圧や外力が伝わることを防ぐという被覆層とし
ての本来の機能が不十分となるからである。
【0056】この応力緩衝層が存在すると、クラッドと
被覆層とのポリマ線膨脹係数が大きく相違する場合で
も、特に開口数(NA)を小さくした場合には現れ易
い、低温時等におけるマイクロベンディング損失を十分
に抑制することができる。
【0057】かかる光ファイバは、通常の方法によって
製造することができる。つまり、コア材用の石英母材を
火炎研磨もしくはフッ化水素酸により前処理した後、高
周波加熱炉、電気抵抗カーボン炉、もしくは酸水素炎に
て溶融細化し、光ファイバ基体とする。続いて、この光
ファイバ基体を、液状のクラッド用組成物を連続的に供
給するクラッドコーティングダイの中を通してその組成
物を表面に連続塗布し、必要に応じて溶剤を除去した
後、紫外線を照射して重合硬化させクラッド層を形成す
る方法等により第1クラッドを形成し、さらに続いて、
同様の方法にて第2クラッドを形成すればよい。そり外
側に第3クラッドや応力緩衝層を形成する場合には、第
2クラッドの形成に続いて、同様の方法にてそれらの層
を形成すればよい。
【0058】本発明のクラッド用硬化性組成物等を紫外
線照射炉により重合硬化させる際の光源は、例えば、カ
ーボンアーク、キセノンランプ、中圧水銀灯、超高圧水
銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ等の通常市
販されている光源を用いればよい。また、重合の効率を
高める点からすると、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下
で照射を行なうことが好ましい。このようにして、コア
の外周に少なくとも第1クラッド及び第2クラッドから
なるクラッド層が形成され、速度制御されたローラを介
して引き取られ、必要に応じて応力緩和層が形成され、
さらに必要に応じて保護層機能を有する樹脂組成物等で
被覆された後に巻き取られる。
【0059】
【実施例】
[実施例1]プラズマ法により合成された合成石英母材
を、酸水素炎による火炎研磨の前処理をした後、220
0℃の高純度炭素抵抗発熱型加熱炉中に連続的に供給
し、コア径が200μmとなるように溶融細化させ、光
ファイバ基体とした。下記組成Aからなる第1クラッド
用ポリマ前駆体組成物(18cps)を0.1μmのフ
ィルタで濾過してクラッドコートダイに供給し、前記基
体の表面に連続的に塗布した後、360nmに中心波長
を有する300W/インチの無電極ランプからの光を照
射により硬化率75%まで硬化させて紫外線硬化型フッ
素アクリレート樹脂(屈折率1.440)からなる第1
クラッド(外径216μm)を形成させた。
【0060】 組成A: 2−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート 30重量部 2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート 40重量部 トリメチロールプロパントリアクリレート 30重量部 γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン 1重量部 光重合開始剤(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン ) 0.48重量部
【0061】引続いて、下記の組成Bからなる第2クラ
ッド用ポリマ前駆体組成物(18cps)を前記と同様
な方法で塗布し硬化させて紫外線硬化型フッ素アクリレ
ート樹脂(屈折率1.409)からなる第2クラッド
(外径230μm)を形成させた。
【0062】 組成B: 1,1,1−トリハイドロパーフルオロウンデシルアクリレート 65重量部 2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート 10重量部 トリメチロールプロパントリアクリレート 25重量部 光重合開始剤(前記と同じ) 0.50重量部
【0063】さらに引続いて、同様な方法で紫外線硬化
型ウレタンアクリレート樹脂(屈折率1.438)から
なる応力緩衝層(外径330μm)を形成させ、さらに
引続いて、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体
からなるポリマを溶融被覆して被覆層(外径500μ
m)を形成させ、光ファイバとして巻き取った。
【0064】得られた光ファイバの屈折率を測定したと
ころ、石英コア及び第1クラッドの屈折率はそれぞれ
1.458、1.440であり、NA(開口数)は0.
23であった。また、そのコア・クラッド偏心率は4.
0%,また石英コア及びポリマクラッドの非円率はそれ
ぞれ0.5%、0.8%と極めて真円度の高い光ファイ
バであった。
【0065】また、第1クラッドのショアD硬度、ヤン
グ率(23℃)及び線膨脹係数は、それぞれD65、4
8kg/mm2 、1.8×10-4であり、第2クラッド
のショアD硬度、ヤング率(23℃)及び線膨脹係数
は、それぞれD77、45kg/mm2 、2.0×10
-4であった。さらに、応力緩衝層は、ショアA硬度がA
60、90°剥離力が30g/cmであった。
【0066】得られた光ファイバの透光損失は、波長8
50nmにて5.6dB/km、650nmにて7.9
dB/km、200mの伝送速度が180Mbpsと光
学的特性において非常に優れたものであった。
【0067】圧着コネクタを取り付けた際のかしめ損失
は0.42dBと小さく良好であった。半径5mmのマ
ンドレルに10回巻き付けた時の曲げ損失は0.28d
Bと従来のPCF(開口数0.35〜0.40)と同等
に小さく、良好な曲げ特性が得られた。また、低温特性
は−20℃にて25℃対比1.27dBと従来のPCF
と同等であり、良好な低温特性が得られた。
【0068】さらに、CT−2カッター(SpecTr
an Specialty Optics Compa
ny製)にて切断した光ファイバ断面(n=100)を
顕微鏡で確認したところ、鏡面破断していた割合は99
%と極めて高く、クラッドに欠けが生じていたものはな
かった。
【0069】なお、各物性値は以下の方法によって測定
した。
【0070】曲げ損失(dB): 3m長の光ファイバ
に、入射NAが0.25でフルモード励振条件の光源か
ら光を入射させ、シリコンフォトマル受光素子とを用い
てその透過光量を測定し、初期光量とする。次いで試料
を半径5mmのマンドレルに10回巻き付けて透過光量
を測定し、初期光量との差を曲げ損失とする。
【0071】かしめ損失(dB): 無接着、無かしめ
でコネクタに取り付けた試料長3mの光ファイバの85
0nmLEDでの透過光量を初期光量とする。次いで片
端にコネクタをかしめによって取り付け、その際の透過
光量を測定し、初期光量との差をフェルールかしめ損失
とする。
【0072】低温特性(dB): 長さ200mの光フ
ァイバを25℃、50%RHの環境下で透過光量を測定
し、次に−20℃の低温下に放置した時の透過光量の差
から、−20℃の低温下での透過損失とする。
【0073】[実施例2〜6、及び比較例1〜3]表
1、表2に示す条件となるように、線引き条件や、第1
クラッド、第2クラッドの種類、応力緩衝層及び被覆層
のポリマを変えた以外は、実施例1と同様にして光ファ
イバを作製した。また、各種評価測定も実施例1記載の
方法に従って行った。その結果は表1、表2の通りであ
った。なお、比較例2は第2クラッドを設けなかったも
のである。
【0074】表1及び表2の結果からわかるように、請
求項1の本発明とすることによって、伝送速度が高く、
しかも曲げ損失もかしめ損失も小さくて、実用性の高い
広帯域PCFを得ることができた。
【0075】これに対し、比較例1は曲げ損失が大き
く、比較例2は曲げ損失もかしめ損失も大きく、また、
比較例3は曲げ損失もかしめ損失も低温特性も悪く、い
ずれも実用上不適当なものであった。
【0076】なお、実施例3〜6の場合は、クラッドの
欠けや剥離、切断端面の鏡面性等において、実施例1、
2よりも不十分な点があった。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】[実施例7]第2クラッド用ポリマ前駆体
組成物の組成を下記組成Cに替えた以外は、実施例1と
同様にして光ファイバを作製した。さらに、実施例1記
載の方法により測定評価し、その結果を表3に、実施例
1の結果と対比させて示した。
【0082】 組成C: 1,1,1−トリハイドロパーフルオロウンデシルアクリレート 45.5重量 部 2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート 7.0重量部 トリメチロールプロパントリアクリレート 17.5重量部 上記アクリレート成分を重合させたポリマ成分(分子量800〜1000) 30重量部 光重合開始剤(前記と同じ) 0.50重量部
【0083】得られた光ファイバは、伝送損失及び伝送
速度はほぼ満足できるものであったが、曲げ損失やかし
め損失がやや劣り、さらに、クラッドの欠けや剥離が発
生し易く切断端面の鏡面性は不十分であった。
【0084】
【表5】
【0085】
【発明の効果】100〜200mにおける伝送速度が1
56Mbps以上と高く、広帯域の情報伝送方式である
ATM−LANや高速イーサネット用に適したプラスチ
ッククラッド光ファイバとすることができ、しかも、曲
げ損失やかしめ損失等も小さいので、取扱い性、加工
性、コネクタ接続作業性等の実用特性が良好である広帯
域PCFとすることができる。
【0086】さらに、低温下での伝送特性が良好で、切
断端面における欠けや剥離が防止でき、切断端面におけ
る鏡面性にも優れるという特性をも具備させることもで
きる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石英からなるコアと、該コアの外周に
    密着して設けられポリマからなるクラッドとを有するプ
    ラスチッククラッド光ファイバにおいて、前記クラッド
    が異なるポリマからなる2層構造を有し、かつ、コアの
    屈折率(nCO)、コアの外周に密着して設けられた第1
    クラッドの屈折率(nCL1 )、及び、第1クラッドの外
    周に密着して設けられた第2クラッドの屈折率
    (nCL2 )が、0.21≦(nCO 2 −nCL1 2 1/2
    0.30、 及び、nCL2 <nCL1 を同時に満足する
    ことを特徴とする広帯域プラスチッククラッド光ファイ
    バ。
  2. 【請求項2】 前記第1クラッドが、ショア硬度がD
    60以上、及び、常温での線膨脹係数が1.0×10-4
    〜2.0×10-4を有する紫外線硬化されたフッ素系
    (メタ)アクリレート系樹脂からなり、かつ、前記第2
    クラッドが、ショア硬度がD60以上、及び、常温での
    線膨脹係数が1.0×10-4〜2.3×10-4を有する
    紫外線硬化されたフッ素系(メタ)アクリレート系樹脂
    からなることを特徴とする請求項1記載の広帯域プラス
    チッククラッド光ファイバ。
  3. 【請求項3】 前記第1クラッドが、23℃でのヤン
    グ率が30〜65kg/mm2 のポリマからなり、か
    つ、前記第2クラッドが、23℃でのヤング率が15〜
    60kg/mm2 のポリマからなることを特徴とする請
    求項1記載の広帯域プラスチッククラッド光ファイバ。
  4. 【請求項4】 前記第1クラッドの厚み(D1 )と前
    記第2クラッドの厚み(D2 )とが、 10μm≦D1
    +D2 ≦20μm、 5μm≦D1 、 及び、5μm≦
    D2 を同時に満足することを特徴とする請求項1記載
    の広帯域プラスチッククラッド光ファイバ。
  5. 【請求項5】 前記第2クラッドが、重合生成高分子
    物を実質的に含まない紫外線硬化性組成物を塗布し、紫
    外線硬化させることによって形成された層であることを
    特徴とする請求項1記載の広帯域プラスチッククラッド
    光ファイバ。
  6. 【請求項6】 前記コア、第1クラッド及び第2クラ
    ッドの屈折率(nCO、nCL1 及びnCL2 )が、(nCO 2
    −nCL2 2 1/2 ≧[(nCO 2 −nCL1 2 1/2 +0.
    03]を満足することを特徴とする請求項1記載の広帯
    域プラスチッククラッド光ファイバ。
  7. 【請求項7】 ガラスコアに塗布された第1クラッド
    用紫外線硬化性組成物を硬化度50〜90%に紫外線硬
    化させて、第2クラッド用紫外線硬化性組成物を塗布
    し、紫外線硬化させることにより形成されたクラッドを
    有することを特徴とする請求項5記載の広帯域プラスチ
    ッククラッド光ファイバ。
  8. 【請求項8】 クラッドの外周に密着させてエネルギ
    ー硬化されたポリマからなる応力緩衝層が設けられ、さ
    らに、該応力緩衝層の外周に被覆層が設けられてなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の広帯域プラスチッククラ
    ッド光ファイバ。
  9. 【請求項9】 前記応力緩衝層が、90°剥離力が4
    5 g/cm 以下である紫外線硬化型樹脂からなることを特
    徴とする請求項8記載の広帯域プラスチッククラッド光
    ファイバ。
  10. 【請求項10】 前記第2クラッドの外径(DCL2
    )、前記応力緩衝層の外径(DS )、及び前記被覆層
    の外径(DB )が、0.3≦(DS −DCL2 )/(DB
    −DCL2 )≦0.7 を満足することを特徴とする請求
    項8記載の広帯域プラスチッククラッド光ファイバ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007144070A (ja) * 2005-11-24 2007-06-14 Nariyuki Mitachi 光ファイバを用いた睡眠時無呼吸センサー
WO2009001484A1 (ja) * 2007-06-26 2008-12-31 Fujikura Ltd. プラスチックガラス光ファイバ
WO2013051481A1 (ja) * 2011-10-04 2013-04-11 住友電気工業株式会社 光ファイバ
WO2014119250A1 (ja) * 2013-02-04 2014-08-07 古河電気工業株式会社 光ファイバ及びその製造方法

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