[go: up one dir, main page]

JPH09216549A - 車輪ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

車輪ブレーキ液圧制御装置

Info

Publication number
JPH09216549A
JPH09216549A JP2544196A JP2544196A JPH09216549A JP H09216549 A JPH09216549 A JP H09216549A JP 2544196 A JP2544196 A JP 2544196A JP 2544196 A JP2544196 A JP 2544196A JP H09216549 A JPH09216549 A JP H09216549A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
passage
valve
hydraulic pressure
wheel brake
electric pump
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2544196A
Other languages
English (en)
Inventor
Masashi Sawada
田 昌 志 澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP2544196A priority Critical patent/JPH09216549A/ja
Priority to US08/655,432 priority patent/US5673979A/en
Priority to DE19622200A priority patent/DE19622200C2/de
Publication of JPH09216549A publication Critical patent/JPH09216549A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 安価で減圧性能の優れ且つ制動操作とは無関
係に制動力を付与し且つ調整できる車輪ブレーキ液圧制
御装置を提供する。 【解決手段】 マスタシリンダ10と各車輪ブレーキシ
リンダを接続する絞りの無い第1通路P1と、絞りO1
の有る第2通路P2と、各車輪ブレーキシリンダと電動
ポンプBの吸入側を接続する第3通路P3と、常態では
第1通路を開状態とする第1バルブV1と、常態では第
2通路を閉状態とする第2バルブV2と、常態では第3
通路を開状態とする第3バルブV3と、第2バルブを開
閉動作させるソレノイドSと、非作動時マスタシリンダ
と第1バルブを接続し、作動時に前記接続を断ち且つマ
スタシリンダとポンプ吸入側を接続する切換弁V4とを
備え、第2バルブが開作動したとき、第3バルブが閉作
動して第3通路を閉じる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、車輪ブレ
ーキ液圧制御装置に関するもので、例えば車両用アンチ
ロックブレーキ装置に適用できる。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の装置としては、特開平6
−171487号公報及び特開平7−2074号公報に
示されるものが知られている。前者のものは、複数の車
輪ブレーキシリンダを一系統とする液圧回路に配設さ
れ、各車輪ブレーキシリンダ側からマスタシリンダ側に
液圧を還流させることにより各車輪ブレーキシリンダの
液圧を減少させる単一の電動ポンプと、各車輪ブレーキ
シリンダに対応して液圧回路に配設され、電動ポンプを
協同して車輪ブレーキシリンダの液圧を調整する電磁弁
装置とを備えたものである。
【0003】また、後者のものは、マスタシリンダと車
輪ブレーキシリンダとを接続する通路に2つのバルブ及
び1つのソレノイド(電磁コイル,可動子等を備えたも
の)を備えた電磁弁装置を配設すると共に、車輪ブレー
キシリンダと電動ポンプの吸入側を接続する通路に電磁
開閉弁を配設したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前者のものでは、各電
磁弁装置として単一のバルブ構成である電磁開閉弁が採
用され、また各車輪ブレーキシリンダと電動ポンプの吸
入側を接続する各通路には絞りが夫々配設されていて、
装置がシンプルに構成されている。ところが、前者のも
のでは、一系統とされている各車輪間での路面μ(摩擦
係数)の差が大きい場合で、高μ側車輪ブレーキシリン
ダの液圧を増加させ低μ側車輪ブレーキシリンダの液圧
を減少させる場合には、高μ側車輪ブレーキシリンダの
液圧が高くなることにより、同シリンダから絞りを通し
て電動ポンプの吸入側に流れるブレーキ液の流量が多く
なる。そのため、低μ側車輪ブレーキシリンダの液圧を
電動ポンプによって的確に減少させることができないと
いう問題点が生じる。
【0005】この問題点は、後者のもののように、マス
タシリンダと車輪ブレーキシリンダとを接続する通路に
2つのバルブ及び1つのソレノイド(電磁コイル,可動
子等を備えたもの)を備えた電磁弁装置を配設すると共
に、車輪ブレーキシリンダと電動ポンプの吸入側を接続
する通路に電磁開閉弁を配設することにより、解消する
ことができる。ところが、後者のものでは、車輪ブレー
キシリンダと電動ポンプの吸入側を接続する通路に電磁
開閉弁を配設しているため、それを駆動する大型なソレ
ノイドが必要となり、コスト及び取付スペースにおいて
不利であるばかりか、当該装置の制御(各ソレノイドへ
の通電制御)においても不利である。
【0006】故に、本発明は、各車輪ブレーキシリンダ
と電動ポンプの吸入側を接続する通路に電磁弁を設ける
ことなく、上記問題点を解決することを、技術的課題と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の技術的課題を解決
するために、請求項1の発明に係る車輪ブレーキ液圧制
御装置は、ブレーキ操作力に対応した液圧を発生する液
圧発生装置と、前記液圧発生装置の出力液圧を受けて対
応する車輪を制動する第1車輪ブレーキシリンダ及び第
2車輪ブレーキシリンダと、前記液圧発生装置を前記両
車輪ブレーキシリンダに接続する絞りの無い第1通路
と、前記第1通路に対して並列的に設けられた絞りの有
る第2通路と、前記両車輪ブレーキシリンダ側から前記
液圧発生装置側に液圧を還流させるための電動ポンプ
と、前記電動ポンプの吸入側を前記各車輪ブレーキシリ
ンダに接続する第3通路と、前記電動ポンプの吐出側を
前記液圧発生装置側の前記第1通路に接続する第4通路
と、前記第1通路を開閉し常態では前記第1通路を開状
態とする第1バルブ、前記第1バルブと協同して前記第
2通路を開閉し常態では前記第2通路を閉状態とする第
2バルブ、前記第3通路に配設され常態では前記第3通
路を開状態とする第3バルブ及び前記第2バルブを作動
させるソレノイドとを有し、前記電動ポンプと協同して
前記車輪ブレーキシリンダの液圧を調整する弁装置と、
前記液圧発生装置及び前記第4通路の前記第1通路との
接続部間の前記第1通路に配設され、非作動時前記液圧
発生装置と前記第1バルブを接続し、作動時に前記液圧
発生装置と前記第1バルブとの接続を断ち且つ前記液圧
発生装置を前記第3バルブ及び前記電動ポンプ間の前記
第3通路に接続する切換弁とを備え、常態で前記ソレノ
イドにより前記第2バルブが閉作動したとき、前記第1
バルブが前記第2バルブを介して閉作動して前記第1通
路を閉じるように構成され、前記第1通路及び前記第2
通路が閉じた状態で前記ソレノイドにより前記第2バル
ブが開作動したとき、前記絞りの前後差圧が設定値以上
となることにより、前記第1バルブが前記第1通路を閉
じた状態に保持されると共に、前記第3バルブが閉作動
して前記第3通路を閉じるように構成されるものであ
る。
【0008】以下、請求項1の発明の作用を示す。
【0009】液圧発生装置(つまりブレーキペダル)が
操作されておらず切換弁,各弁装置のソレノイド及び電
動ポンプが非作動である場合には、各弁装置の第1バル
ブ,第2バルブ及び第3バルブが全て常態にあり、第1
及び第3通路が開き、第2通路が閉じている。この状態
(非制動状態)から液圧発生装置が操作されると、第1
バルブにより開状態とされている絞りの無い第1通路を
通してブレーキ液が液圧発生装置から車輪ブレーキシリ
ンダに直ちに圧送される。
【0010】液圧発生装置から車輪ブレーキシリンダに
第1通路を通してブレーキ液が圧送されている状態で、
電動ポンプが非作動であり且つ弁装置のソレノイドによ
り第2バルブが閉作動する場合には、第1バルブが第2
バルブを介して閉作動して第1通路を閉じる。つまり、
第2通路が第2バルブにより閉じられている状態にて第
1通路が第1バルブにより閉状態となるため、液圧発生
装置から車輪ブレーキシリンダへのブレーキ液の圧送が
止められて車輪ブレーキシリンダでの液圧上昇が止ま
る。この液圧上昇停止状態では、第2通路にブレーキ液
が流れないため、第2通路の絞りの前後には夫々差圧が
生じず、第3バルブは開状態に維持されて第3通路が開
いている。
【0011】また、液圧上昇停止状態にて、電動ポンプ
を作動させると、車輪ブレーキシリンダから開状態の第
3通路を通して電動ポンプにブレーキ液が吸入されて液
圧発生装置側に吐出されるため、車輪ブレーキシリンダ
の液圧が減少する。尚、この液圧減少状態は、電動ポン
プが停止することにより止まる。
【0012】また、液圧減少状態(電動ポンプを作動さ
せた状態)で、ソレノイドにより第2バルブが開作動し
た場合、絞りを有する第2通路が開くため、この第2通
路を通して液圧発生装置から車輪ブレーキシリンダにブ
レーキ液が絞られた状態で圧送され、車輪ブレーキシリ
ンダの液圧が緩やかに上昇する。このとき、ブレーキ液
が絞りを有する第2通路を流れるため、絞りの前後差圧
が設定値以上となって第1バルブが第1通路を閉じた状
態に保持されると共に第3バルブが閉作動して第3通路
を閉じる。
【0013】従って、一系統とされている一方の車輪ブ
レーキシリンダ(例えば第1車輪ブレーキシリンダ)の
液圧を緩やかに上昇させ、他方の車輪ブレーキシリンダ
(例えば第2車輪ブレーキシリンダ)の液圧を減少させ
る場合においては、液圧上昇する前記一方の車輪ブレー
キシリンダに対応する第3通路が閉じているため、前記
一方の車輪ブレーキシリンダから電動ポンプにブレーキ
液が吸入されることが抑制され、液圧減少する車輪ブレ
ーキシリンダの液圧が電動ポンプによって的確に減少さ
れる。
【0014】更に、非制動状態で(第1〜第3バルブが
常態で且つソレノイドが非作動)、前述したように第2
通路を開放し、絞りの前後差圧により第1バルブを第1
通路を閉じた状態に保持すると共に第3バルブを閉作動
させる。この状態で、電動ポンプを駆動し且つ切換弁を
作動させると、切換弁により液圧発生装置が第3バルブ
及び電動ポンプ間の第3通路(つまり電動ポンプの吸入
側)に接続されるため、電動ポンプにより液圧発生装置
の低圧ブレーキ液が切換弁を介して吸入され、第4通路
及び絞りの有る第2通路を介して車輪ブレーキシリンダ
に圧送される。このとき、切換弁により液圧発生装置及
び第4通路の第1通路との接続部間の接続が断たれてい
るため、電動ポンプから吐出されたブレーキ液が液圧発
生装置に流出するのを防止することができる。また、第
3バルブにより第3通路が閉じているため、電動ポンプ
が車輪ブレーキシリンダの液圧を吸入するのを防止する
ことができる。これにより、車輪ブレーキシリンダの液
圧を確実に増圧させることができる。
【0015】一方、電動ポンプを駆動した状態で、ソレ
ノイドを作動させて第2通路及び第1通路を閉じると、
第3バルブが開作動して第3通路が開放する。すると、
電動ポンプより吐出されたブレーキ液の車輪ブレーキシ
リンダへの流通が遮断され、電動ポンプにより車輪ブレ
ーキシリンダ内のブレーキ液が第3通路を介して吸入さ
れる。これにより、車輪ブレーキの液圧が減圧する。
【0016】このように、制動操作が行われていない時
に、車輪ブレーキに確実に液圧を付与でき、その液圧を
調整することができる。即ち、トラクション制御や自動
ブレーキ等が実現可能となる。
【0017】上記の技術的課題を解決するために、請求
項2の発明に係る車輪ブレーキ液圧制御装置は、ブレー
キ操作力に対応した液圧を発生する液圧発生装置と、前
記液圧発生装置の出力液圧を受けて対応する車輪を制動
する第1車輪ブレーキシリンダ及び第2車輪ブレーキシ
リンダと、前記液圧発生装置を前記両車輪ブレーキシリ
ンダに接続する絞りの無い第1通路と、前記第1通路に
対して並列的に設けられた絞りの有る第2通路と、前記
両車輪ブレーキシリンダ側から前記液圧発生装置側に液
圧を還流させるための電動ポンプと、前記電動ポンプの
吸入側を前記各車輪ブレーキシリンダに接続する第3通
路と、前記電動ポンプの吐出側を前記液圧発生装置側の
前記主通路に接続する第4通路と、前記第1通路を開閉
し常態では前記第1通路を開状態とする第1バルブ、前
記第1バルブと協同して前記第2通路を開閉し常態では
前記第2通路を閉状態とする第2バルブ、前記第3通路
に配設され常態では前記第3通路を開状態とする第3バ
ルブ及び前記第2バルブを作動させるソレノイドとを有
し、前記電動ポンプと協同して前記車輪ブレーキシリン
ダの液圧を調整する弁装置と、前記液圧発生装置及び前
記第4通路の前記第1通路との接続部間の前記第1通路
に配設され、ブレーキ操作とは無関係に前記車輪ブレー
キシリンダにブレーキ液圧を付与する時に閉作動する常
開型の第1開閉弁と、前記液圧発生装置及び前記第1開
閉電磁弁間の前記第1通路を前記第3バルブ及び前記電
動ポンプ間の前記第3通路に接続するための第5通路
と、前記第5通路に配設され、少なくともブレーキ操作
とは無関係に前記車輪ブレーキシリンダにブレーキ液圧
を付与する時に開作動する第2開閉弁とを備え、常態で
前記ソレノイドにより前記第2バルブが閉作動したと
き、前記第1バルブが前記第2バルブを介して閉作動し
て前記第1通路を閉じるように構成され、前記第1通路
及び前記第2通路が閉じた状態で前記ソレノイドにより
前記第2バルブが開作動したとき、前記絞りの前後差圧
が設定値以上となることにより、前記第1バルブが前記
第1通路を閉じた状態に保持されると共に、前記第3バ
ルブが閉作動して前記第3通路を閉じるように構成され
たものである。
【0018】以下、請求項2の発明の作用を示す。
【0019】液圧発生装置(つまりブレーキペダル)が
操作されておらず第1開閉弁,各弁装置のソレノイド及
び電動ポンプが非作動である場合には、各弁装置の第1
バルブ,第2バルブ及び第3バルブが全て常態にあり、
第1及び第3通路が開き、第2通路が閉じている。この
状態(非制動状態)にて液圧発生装置が操作されると、
第1バルブにより開状態とされている絞りの無い第1通
路を通してブレーキ液が液圧発生装置から車輪ブレーキ
シリンダに直ちに圧送される。
【0020】液圧発生装置から車輪ブレーキシリンダに
第1通路を通してブレーキ液が圧送されている状態で、
電動ポンプが非作動であり且つ弁装置のソレノイドによ
り第2バルブが閉作動する場合には、第1バルブが第2
バルブを介して閉作動して第1通路を閉じる。つまり、
第2通路が第2バルブにより閉じられている状態にて第
1通路が第1バルブにより閉状態となるため、液圧発生
装置から車輪ブレーキシリンダへのブレーキ液の圧送が
止められて車輪ブレーキシリンダでの液圧上昇が止ま
る。この液圧上昇停止状態では、第2通路にブレーキ液
が流れないため、第2通路の絞りの前後には夫々差圧が
生じず、第3バルブは開状態に維持されて第3通路が開
いている。
【0021】また、液圧上昇停止状態にて、電動ポンプ
を作動させると、車輪ブレーキシリンダから開状態の第
3通路を通して電動ポンプにブレーキ液が吸入されて液
圧発生装置側に吐出されるため、車輪ブレーキシリンダ
の液圧が減少する。尚、この液圧減少状態は、電動ポン
プが停止することにより止まる。
【0022】また、液圧減少状態(電動ポンプを作動さ
せた状態)で、ソレノイドにより第2バルブが開作動し
た場合、絞りを有する第2通路が開くため、この第2通
路を通して液圧発生装置から車輪ブレーキシリンダにブ
レーキ液が絞られた状態で圧送され、車輪ブレーキシリ
ンダの液圧が緩やかに上昇する。このとき、ブレーキ液
が絞りを有する第2通路を流れるため、絞りの前後差圧
が設定値以上となって第1バルブが第1通路を閉じた状
態に保持されると共に第3バルブが閉作動して第3通路
を閉じる。
【0023】従って、一系統とされている一方の車輪ブ
レーキシリンダ(例えば第1車輪ブレーキシリンダ)の
液圧を緩やかに上昇させ、他方の車輪ブレーキシリンダ
(例えば第2車輪ブレーキシリンダ)の液圧を減少させ
る場合においては、液圧上昇する前記一方の車輪ブレー
キシリンダに対応する第3通路が閉じているため、前記
一方の車輪ブレーキシリンダから電動ポンプにブレーキ
液が吸入されることが抑制され、液圧減少する車輪ブレ
ーキシリンダの液圧が電動ポンプによって的確に減少さ
れる。
【0024】更に、非制動状態(第1〜第3バルブが常
態で且つソレノイドが非作動)で、前述したように第2
通路を開放し、絞りの前後差圧により第1バルブを第1
通路を閉じた状態に保持すると共に第3バルブを閉作動
させる。この状態で、電動ポンプを駆動し且つ第1開閉
弁を閉作動させると共に第2開閉弁を開作動させると、
液圧発生装置と第3バルブ及び電動ポンプ間の第3通路
とを結ぶ第5通路が開放するため、電動ポンプにより液
圧発生装置の低圧ブレーキ液が吸入通路を介して吸入さ
れ、第4通路及び絞りの有る第2通路を介して車輪ブレ
ーキシリンダに圧送される。このとき、第1開閉弁によ
り液圧発生装置及び第4通路の第1通路との接続部間の
接続が断たれているため、電動ポンプから吐出されたブ
レーキ液が液圧発生装置に流出するのを防止することが
できる。また、第3バルブにより第3通路が閉じている
ため、電動ポンプが車輪ブレーキシリンダの液圧を吸入
するのを防止することができる。これにより、車輪ブレ
ーキシリンダの液圧を確実に増圧させることができる。
【0025】一方、電動ポンプを駆動した状態で、ソレ
ノイドを作動させて第2通路及び第1通路を閉じると、
第3バルブが開作動して第3通路が開放する。すると、
電動ポンプより吐出されたブレーキ液の車輪ブレーキシ
リンダへの流通が遮断され、電動ポンプにより車輪ブレ
ーキシリンダ内のブレーキ液が第3通路を介して吸入さ
れる。これにより、車輪ブレーキの液圧が減圧する。
【0026】このように、制動操作が行われていない時
に、車輪ブレーキに確実に液圧を付与でき、その液圧を
調整することができる。即ち、トラクション制御や自動
ブレーキ等が実現可能となる。
【0027】上記の技術的課題を解決するために、請求
項3の発明に係る車輪ブレーキ液圧制御装置は、ブレー
キ操作力に対応した液圧を発生する液圧発生装置と、前
記液圧発生装置の出力液圧を受けて対応する車輪を制動
する第1車輪ブレーキシリンダ及び第2車輪ブレーキシ
リンダと、前記液圧発生装置を前記両車輪ブレーキシリ
ンダに接続する絞りの無い第1通路と、前記第1通路に
対して並列的に設けられた絞りの有る第2通路と、前記
両車輪ブレーキシリンダ側から前記液圧発生装置側に液
圧を還流させるための電動ポンプと、前記電動ポンプの
吸入側を前記各車輪ブレーキシリンダに接続する第3通
路と、前記電動ポンプの吐出側を前記液圧発生装置側の
前記主通路に接続する第4通路と、前記第1通路を開閉
し常態では前記第1通路を開状態とする第1バルブ、前
記第1バルブと協同して前記第2通路を開閉し常態では
前記第2通路を閉状態とする第2バルブ、前記第3通路
に配設され常態では前記第3通路を開状態とする第3バ
ルブ及び前記第2バルブを作動させるソレノイドとを有
し、前記電動ポンプと協同して前記車輪ブレーキシリン
ダの液圧を調整する弁装置と、前記液圧発生装置及び前
記第4通路の前記第1通路との接続部間の前記第1通路
に配設され、前記液圧発生装置から前記各車輪ブレーキ
シリンダ側へのブレーキ液の流入のみを許容するチェッ
ク弁と、前記液圧発生装置及び前記チェック弁間の前記
第1通路を前記第3バルブ及び前記電動ポンプ間の前記
第3通路に接続するための第5通路と、前記第5通路に
配設され、電動ポンプによる少なくとも一方の前記車輪
ブレーキシリンダの減圧時に閉作動する常開型の開閉弁
とを備え、常態で前記ソレノイドにより前記第2バルブ
が閉作動したとき、前記第1バルブが前記第2バルブを
介して閉作動して前記第1通路を閉じるように構成さ
れ、前記第1通路及び前記第2通路が閉じた状態で前記
ソレノイドにより前記第2バルブが開作動したとき、前
記絞りの前後差圧が設定値以上となることにより、前記
第1バルブが前記第1通路を閉じた状態に保持されると
共に、前記第3バルブが閉作動して前記第3通路を閉じ
るように構成されたものである。
【0028】以下、請求項3の発明の作用を示す。
【0029】液圧発生装置(つまりブレーキペダル)が
操作されておらず各弁装置のソレノイド及び電動ポンプ
が非作動である場合には、各弁装置の第1バルブ,第2
バルブ及び第3バルブが全て常態にあり、第1及び第3
通路が開き、第2通路が閉じている。この状態(非制動
状態)にて液圧発生装置が操作されると、チェック弁C
5及び第1バルブにより開状態とされている絞りの無い
第1通路を通してブレーキ液が液圧発生装置から車輪ブ
レーキシリンダに直ちに圧送される。
【0030】この状態で、電動ポンプが非作動であり且
つ弁装置のソレノイドにより第2バルブが閉作動する場
合には、第1バルブが第2バルブを介して閉作動して第
1通路を閉じる。つまり、第2通路が第2バルブにより
閉じられている状態にて第1通路が第1バルブにより閉
状態となるため、液圧発生装置から車輪ブレーキシリン
ダへのブレーキ液の圧送が止められて車輪ブレーキシリ
ンダでの液圧上昇が止まる。この液圧上昇停止状態で
は、第2通路にブレーキ液が流れないため、第2通路の
絞りの前後には夫々差圧が生じず、第3バルブは開状態
に維持されて第3通路が開いている。
【0031】また、液圧上昇停止状態にて、電動ポンプ
を作動させ且つ開閉弁を閉作動させると、車輪ブレーキ
シリンダから開状態の第3通路を通して電動ポンプにブ
レーキ液が吸入されて液圧発生装置側に吐出される。こ
こで、開閉弁を閉じて第5通路を閉じるので、液圧発生
装置内のブレーキ液が第5通路を介して電動ポンプに吸
入されるのを防止でき、これにより、車輪ブレーキシリ
ンダの液圧を確実に減少させることができる。尚、この
液圧減少状態は、電動ポンプが停止することにより止ま
る。
【0032】また、液圧減少状態(電動ポンプを作動さ
せた状態)で、ソレノイドにより第2バルブが開作動し
た場合、絞りを有する第2通路が開くため、この第2通
路を通して液圧発生装置から車輪ブレーキシリンダにブ
レーキ液が絞られた状態で圧送され、車輪ブレーキシリ
ンダの液圧が緩やかに上昇する。このとき、ブレーキ液
が絞りを有する第2通路を流れるため、絞りの前後差圧
が設定値以上となって第1バルブが第1通路を閉じた状
態に保持されると共に第3バルブが閉作動して第3通路
を閉じる。
【0033】従って、一系統とされている一方の車輪ブ
レーキシリンダ(例えば第1車輪ブレーキシリンダ)の
液圧を緩やかに上昇させ、他方の車輪ブレーキシリンダ
(例えば第2車輪ブレーキシリンダ)の液圧を減少させ
る場合においては、液圧上昇する前記一方の車輪ブレー
キシリンダに対応する第3通路が閉じているため、前記
一方の車輪ブレーキシリンダから電動ポンプにブレーキ
液が吸入されることが抑制され、液圧減少する車輪ブレ
ーキシリンダの液圧が電動ポンプによって的確に減少さ
れる。
【0034】更に、非制動状態(第1〜第3バルブが常
態で且つソレノイドが非作動)で、前述したように第2
通路を開放し、絞りの前後差圧により第1バルブを第1
通路を閉じた状態に保持すると共に第3バルブを閉作動
させる。この状態で、電動ポンプを駆動すると、常開型
の開閉弁が液圧発生装置と電動ポンプ吸入側を結ぶ第5
通路を開放するため、電動ポンプにより液圧発生装置の
低圧ブレーキ液が吸入通路を介して吸入され、第4通路
及び絞りの有る第2通路を介して車輪ブレーキシリンダ
に圧送される。このとき、チェック弁により液圧発生装
置及び第4通路の第1通路との接続部間の接続が断たれ
ているため、電動ポンプから吐出されたブレーキ液が液
圧発生装置に流出するのを防止することができる。ま
た、第3バルブにより第3通路が閉じているため、電動
ポンプが車輪ブレーキシリンダの液圧を吸入するのを防
止することができる。これにより、車輪ブレーキシリン
ダの液圧を確実に増圧させることができる。
【0035】一方、電動ポンプを駆動した状態で、ソレ
ノイドを作動させて第2通路及び第1通路を閉じると、
第3バルブが開作動して第3通路が開放する。すると、
電動ポンプより吐出されたブレーキ液の車輪ブレーキシ
リンダへの流通が遮断され、電動ポンプにより車輪ブレ
ーキシリンダ内のブレーキ液が第3通路を介して吸入さ
れる。これにより、車輪ブレーキの液圧が減圧する。
【0036】このように、制動操作が行われていない時
に、車輪ブレーキに確実に液圧を付与でき、その液圧を
調整することができる。即ち、トラクション制御や自動
ブレーキ等が実現可能となる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、この出願の実施形態に係る
車輪ブレーキ液圧制御装置を添付図面を参照して説明す
る。
【0038】(第1実施形態)図1は、第1実施形態に
係る車輪ブレーキ液圧制御装置をFF駆動の自動車に適
用した例を示し、このものは請求項1の発明に対応して
いる。同図に示すように、左前の車輪ブレーキシリンダ
FLと右後の車輪ブレーキシリンダRRが一系統とさ
れ、一方の液圧回路によりブレーキペダル11によって
操作されるブースタ付タンデムマスタシリンダ(液圧発
生装置)10の一方の圧力室10aに接続されている。
また、右前の車輪ブレーキシリンダFRと左後の車輪ブ
レーキシリンダRLが一系統とされ、他方の液圧回路に
よりタンデムマスタシリンダ10の他方の圧力室10b
に接続されている。
【0039】各液圧回路は、第1通路P1と、第2通路
P2と、第3通路P3と、第4通路P4とを備えてい
る。第1通路P1は、マスタシリンダ10の各圧力室1
0a(10b)と一系統の2つの車輪ブレーキシリンダ
FL,RR(FR,RL)を接続する絞りの無い通路で
ある。第2通路P2は、第1通路P1に対して並列的に
設けられ、絞りO1を有している。車輪ブレーキシリン
ダFL,RRの一系統及び車輪ブレーキシリンダFR,
RLの一系統に夫々1個ずつ電動ポンプBが配設され、
それらは駆動用モータMにより同時に駆動される。この
電動ポンプBは、駆動時に各車輪ブレーキシリンダ側か
らタンデムマスタシリンダ側に液圧を還流させるもの
で、これにより各車輪ブレーキシリンダの液圧を減少さ
せる。第3通路P3は、一系統の2つの車輪ブレーキシ
リンダFL,RR(FR,RL)を電動ポンプBの吸入
側に接続するものである。第4通路P4は、電動ポンプ
Bの吐出側をマスタシリンダ10側の第1通路P1に接
続するものである。
【0040】各液圧回路には、各車輪ブレーキシリンダ
FL,RR,FR,RLに対応して弁装置Aが夫々配設
され、各弁装置Aは、各電動ポンプBと協同して各車輪
ブレーキシリンダFL,RR,FR,RLの液圧を調整
する。この弁装置Aは、第1バルブV1と、第2バルブ
V2と、第3バルブV3と、ソレノイドSとを備えてい
る。第1バルブV1は、第1通路P1に配設され、通常
時マスタシリンダ10を各車輪ブレーキシリンダに第1
通路P1を介して連通させ、作動時に前記連通を断ち且
つマスタシリンダ10を第2通路P2に接続する切換弁
である。第2バルブV2は、第2通路P2に配設された
常開型の開閉弁である。第3バルブV3は、第3通路P
3に配設された常開型の開閉弁である。ソレノイドS
は、第2バルブV2を開閉動作させるものである。この
弁装置Aの具体的構成の説明は後述する。
【0041】マスタシリンダ10及び第4通路P4の第
1通路P1との接続部間の第1通路P1には、切換弁V
4が配設されている。この切換弁V4は、非作動時マス
タシリンダ10と第1バルブV1を接続し、作動時(即
ちブレーキ操作とは無関係に車輪ブレーキシリンダに液
圧を付与する時)にマスタシリンダ10と第1バルブV
1との接続を断ち且つマスタシリンダ10を第3バルブ
V3及び電動ポンプB間の第3通路P3に接続するもの
である。
【0042】前輪ブレーキシリンダFL,FRに対応す
る第1バルブV1には、チェック弁C1が並列接続さ
れ、前輪ブレーキシリンダFL,FR側からマスタシリ
ンダ10の各圧力室10a,10b側へのブレーキ液の
流れのみを許容している。各第3バルブV3及び電動ポ
ンプB間の各第3通路P3(電動ポンプの吸入側)に
は、第3バルブ側から順にチェック弁C2及び絞りO2
が配設されている。チェック弁C2は、電動ポンプの吸
入側から各車輪ブレーキシリンダ側への逆流を阻止す
る。絞りO2は、電動ポンプBにより各車輪ブレーキシ
リンダから第3通路P3を介して吸入されるブレーキ液
の量を制限するためのもので、一系統の両車輪ブレーキ
シリンダをブレーキ液圧を減少する際に、その液圧差が
大きい場合、両者の減圧を可能にする。第4通路P4に
は、吐出脈動を低減するためのダンパー装置D及びマス
タシリンダ10の出力圧力の脈動を低減するための絞り
Eがポンプ吐出側から順に配設されている。
【0043】後輪ブレーキシリンダRL,RRは、夫々
戻し通路P5を介してマスタシリンダ10及び切換弁V
4間の第1通路P1に接続されている。この戻し通路P
5は、アンチスキッド制御からトラクション制御に切り
換わった時に、非駆動輪に対応する後輪ブレーキシリン
ダRL,RRのブレーキ液をマスタシリンダ10に戻す
ためのものである。戻し通路P5には、後輪ブレーキシ
リンダRL,RR側からマスタシリンダ10側へのブレ
ーキ液の流れのみを許容するチェック弁C3が配設さ
れ、アンチスキッド制御時の後輪ブレーキシリンダR
L,RRの減圧時にマスターシリンダ圧が後輪ブレーキ
シリンダに作用するのを防いでいる。
【0044】切換弁V4には、マスタシリンダ10側か
ら車輪ブレーキシリンダ側へのブレーキ液の流れのみを
許容する増し踏み用のチェック弁C4が夫々並列接続さ
れている。第4通路P4は、夫々リリーフ弁Rを介して
マスタシリンダ10に接続されている。このリリーフ弁
Rは、電動ポンプBの吐出圧が上限値以上になった時に
それをマスタシリンダ10に逃すためのものである。
尚、図1の符号P/Vは周知のプロポーショニングバル
ブを示している。
【0045】ここで、図2を参照して前述した弁装置A
の具体的構成について説明する。
【0046】同図に示すように、第1バルブV1と第2
バルブV2と第3バルブV3は、単一のボデー20にソ
レノイドSと共に同軸的に組付けられている。
【0047】第1バルブV1は、ボデー20に液密的に
抜け止め固定された弁座31と、弁座31に着脱可能な
球状弁部32a及び前述した絞りO1を有する弁体32
と、弁体32を弁座31から離れる方向に付勢するスプ
リング33とを備えている。この第1バルブV1は、常
態では第1通路P1を開いており、弁体32の球状弁部
32aが弁座31に着座することにより、第1通路P1
が閉じるようになっている。
【0048】第2バルブV2は、弁体32にそれと同軸
的に設けられた弁座32cと、弁座32cに着脱可能な
球状弁部34aを有するロッド34とを備えている。従
って、球状弁部34aが弁座32cから離れることによ
り第1通路P2が開き、球状弁部34aが弁座32cに
着座することにより第1通路P2が閉じるようになって
いる。
【0049】第3バルブV3は、ボデー20に形成され
た弁座20aと、この弁座20aに着脱可能な弁体37
と、この弁体37を弁座20aから離れる方向に付勢す
るスプリング38とを備えている。弁体37が弁座20
aから離れることにより弁体37と弁座20a間に形成
された第3通路P3が開き、弁体37が弁座20aに着
座することにより第3通路P3が閉じるようになってい
る。弁体37は、円筒状を呈し、図2上部外周にてシー
ルリング41を介してボデー20に液密的且つ上下方向
に摺動可能に組付られている。弁体37の内周には、弁
体32がシールリング42,スライド樹脂リング43及
びクリップ44を介して液密的且つ弁体37に対して上
方に摺動可能に組付られている。ここで、弁体37及び
弁体32は、絞りO1の前後差圧を夫々スプリング3
8,33に抗して受けるようになっている。
【0050】ソレノイドV2は、第1及び第2バルブV
1,V2と同軸的になるようボデー20の第1収納孔2
1に固定された筒状の固定子51及び一端閉塞スリーブ
52と、スリーブ52内に固定子51と対向するように
設けられ、固定子51に対してその対向する方向へ移動
可能な可動子53と、可動子53を固定子51から離れ
る方向に付勢するスプリング54と、スリーブ52の外
周に同軸的に嵌合され、クリップ55により抜け止め固
定された電磁コイル56とを備えている。ここで、可動
子53には、第2バルブV2のロッド34の上端部が圧
入固定されている。従って、図2の状態にて電磁コイル
56が通電された時には、固定子51及び可動子53間
に発生する電磁力により可動子53及びロッド34が図
示下方に移動し、球状弁部34aが弁座32bに着座し
て第2通路P2を閉じた後、スプリング33に抗して弁
体32と一体的に移動して第1通路P1を閉じるように
なっている。
【0051】以下、上記の如く構成された車輪ブレーキ
液圧制御装置の作用について説明する。
【0052】タンデムマスタシリンダ10が操作されて
おらず各弁装置AのソレノイドS及び電動ポンプBが非
作動である場合には、各弁装置Aの第1バルブV1,第
2バルブV2及び第3バルブV3が全て常態にあり、第
1及び第3通路P1,P3が開き、第2通路P2が閉じ
ている。この状態(非制動状態)にてマスタシリンダ1
0が操作されると、第1バルブV1により開状態とされ
ている絞りの無い第1通路P1を通してブレーキ液がマ
スタシリンダ10から車輪ブレーキシリンダFL,R
R,FR,RLに直ちに圧送される。
【0053】また、タンデムマスタシリンダ10から車
輪ブレーキシリンダFL,RR,FR,RLに第1通路
P1を通してブレーキ液が圧送されている状態で、電動
ポンプBが非作動であり且つ弁装置AのソレノイドSに
より第2バルブV2が閉作動する場合には、第2バルブ
V2のロッド34を介して第1バルブV1の弁体32が
閉作動して弁座31に着座して第1通路P1を閉じる。
つまり、第2通路P2が第2バルブV2により閉じられ
ている状態にて第1通路P1が第1バルブV1により閉
状態となるため、タンデムマスタシリンダ10から車輪
ブレーキシリンダFL,RR,FR,RLへのブレーキ
液の圧送が止められて車輪ブレーキシリンダでの液圧上
昇が止まる。この液圧上昇停止状態では、第2通路P2
にブレーキ液が流れないため、第2通路P2の絞りO1
の前後には差圧が生じず、第3バルブV3は開状態に維
持されて第3通路P3が開いている。
【0054】また、液圧上昇停止状態にて、電動ポンプ
Bを作動させると、車輪ブレーキシリンダFL,RR,
FR,RLから開状態の第3通路P3を通して電動ポン
プBにブレーキ液が吸入されてタンデムマスタシリンダ
10側に吐出されるため、車輪ブレーキシリンダFL,
RR,FR,RLの液圧が減少する。尚、この液圧減少
状態は、電動ポンプBが停止することにより止まる。
【0055】また、液圧減少状態(電動ポンプを作動さ
せた状態)で、ソレノイドSにより第2バルブV2が開
作動した場合、絞りO1を有する第2通路P2が開くた
め、この第2通路P2を通してタンデムマスタシリンダ
10から車輪ブレーキシリンダFL,RR,FR,RL
にブレーキ液が絞られた状態で圧送され、車輪ブレーキ
シリンダFL,RR,FR,RLの液圧が緩やかに上昇
する。このとき、ブレーキ液が絞りO1を有する第2通
路P2を流れるため、絞りO1の前後差圧が設定値以上
となって第1バルブV1の弁体32が弁座31に着座す
る位置に保持される(即ち第1バルブV1が第1通路P
1を閉じた状態に保持される)と共に、第3バルブV3
の弁体36が連通孔35aを閉じる(第3バルブV3が
閉作動して第3通路P3を閉じる)。
【0056】従って、一系統とされている一つの車輪ブ
レーキシリンダ(例えばFL)の液圧が緩やかに上昇す
る時に、他の車輪ブレーキシリンダ(例えばRR)から
電動ポンプBにブレーキ液が吸入されて同シリンダの液
圧が減少する場合において、液圧上昇する車輪ブレーキ
シリンダに対応する第3通路P3が閉じているため、液
圧上昇する車輪ブレーキシリンダFLから第3通路P3
を介して電動ポンプBにブレーキ液が吸入されることが
抑制され、液圧減少する車輪ブレーキシリンダRRの液
圧が電動ポンプBによって的確に減少される。
【0057】また、非制動状態で(第1〜第3バルブが
常態で且つソレノイドが非作動)、前述したように第2
通路P2を開放し、絞りO1の前後差圧により第1バル
ブV1を第1通路P1を閉じた状態に保持すると共に第
3バルブV3を閉作動させる。この状態で、電動ポンプ
Bを駆動したまま切換弁V4を作動させると、この切換
弁V4によりマスタシリンダ10が電動ポンプ吸入側に
接続されるため、電動ポンプBによりマスタシリンダ1
0の低圧ブレーキ液が切換弁V4を介して吸入され、第
4通路P4及び絞りの有る第2通路P2を介して車輪ブ
レーキシリンダに圧送される。このとき、切換弁V4に
よりマスタシリンダ10及び第4通路P4の第1通路P
1との接続部間の接続が断たれているため、電動ポンプ
Bから吐出されたブレーキ液がマスタシリンダ10に流
出するのを防止することができる。また、第3バルブV
3により第3通路P3が閉じているため、電動ポンプB
が車輪ブレーキシリンダの液圧を吸入するのを防止する
ことができる。これにより、車輪ブレーキシリンダの液
圧を確実に増圧させることができる。
【0058】一方、電動ポンプBを駆動した状態で、ソ
レノイドSを作動させて第2通路P2及び第1通路P1
を閉じると、第3バルブV3が開作動して第3通路P3
が開放する。すると、電動ポンプBより吐出されたブレ
ーキ液の車輪ブレーキシリンダへの流通が遮断され、電
動ポンプBにより車輪ブレーキシリンダ内のブレーキ液
が第3通路P3を介して吸入される。これにより、車輪
ブレーキシリンダの液圧が減圧する。
【0059】このように、制動操作が行われていない時
に、車輪ブレーキに確実に液圧を付与でき、その液圧を
調整することができる。即ち、トラクション制御や自動
ブレーキ等が実現可能となる。
【0060】(第2実施形態)第2実施形態のものは、
請求項2の発明に対応しており、第1実施形態の切換弁
V4を以下のように変更したものである。即ち、図3に
示すように、マスタシリンダ10及び第4通路P4の第
1通路P1との接続部間の第1通路P1にブレーキ操作
とは無関係に車輪ブレーキシリンダにブレーキ液圧を付
与する時に閉作動する常開型の第1開閉電磁弁(第1開
閉弁)V5が設けられている。また、マスタシリンダ1
0が吸入通路(第5通路)P6により第1開閉電磁弁V
5を介することなく第3バルブV3及び電動ポンプB間
の第3通路P3に接続され、吸入通路P6にブレーキ操
作とは無関係に車輪ブレーキシリンダにブレーキ液圧を
付与する時に開作動する常閉型の第2開閉電磁弁(第2
開閉弁)V6が設けられている。尚、第2開閉電磁弁V
6は常開弁でも良い。
【0061】(第3実施形態)第3実施形態のものは、
請求項3の発明に対応しており、第2実施形態を以下の
ように変更したものである。即ち、図4に示すように、
第2実施形態の常開型の第1開閉電磁弁V5の代わり
に、同じ部位にマスタシリンダ10側から第1バルブV
1側へのブレーキ液の流入のみを許容するチェック弁C
5が設けられている。また、第2実施形態の常閉型の第
2開閉電磁弁V6の代わりに、同じ部位に電動ポンプB
による車輪ブレーキシリンダの減圧時に閉作動する常開
型の開閉電磁弁V7が設けられている。
【0062】尚、本実施形態の車輪ブレーキ液圧制御装
置は、FR駆動の自動車にも適用できる。
【0063】
【発明の効果】請求項1〜3の発明によれば、一系統と
されている1つの車輪ブレーキシリンダ液圧が緩やかに
上昇する時に、他の車輪ブレーキシリンダから電動ポン
プにブレーキ液が吸入されて同シリンダの液圧が減少す
る場合において、液圧上昇する車輪ブレーキシリンダに
対応する第3バルブを第2通路の絞りの前後差圧により
閉作動させて第3通路を閉じることで、液圧上昇する車
輪ブレーキシリンダから電動ポンプにブレーキ液が吸入
されることを抑制でき、液圧減少する車輪ブレーキシリ
ンダの液圧を電動ポンプよって的確に減少できる。
【0064】このように、第3バルブを第2通路の絞り
の前後差圧により閉作動させる構成であるので、従来の
ように第3バルブを電磁弁にする必要はなく、それを駆
動する大型なソレノイドも不必要となる。結果、コスト
及び取付スペースにおいて有利であるばかりか、当該装
置の制御性においても有利である。
【0065】また、ブレーキ非操作時に車輪ブレーキシ
リンダに液圧を付与しそれを調整することができ、結
果、トラクション制御,自動ブレーキ制御等が実現可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車輪ブレーキ圧制
御装置の全体構成図である。
【図2】図1の弁装置の詳細な断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る車輪ブレーキ圧制
御装置の全体構成図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る車輪ブレーキ圧制
御装置の全体構成図である。
【符号の説明】
10 タンデムマスタシリンダ(液圧発生装置) 11 ブレーキペダル FL,RR,FR,RL 車輪ブレーキシリンダ B 電動ポンプ P1 第1通路 P2 第2通路 P3 第3通路 P4 第4通路 P6 戻し通路(第5通路) A 弁装置 V1 第1バルブ V2 第2バルブ V3 第3バルブ S ソレノイド O1 絞り V4 切換弁 V5 第1開閉電磁弁(第1開閉弁) V6 第2開閉電磁弁(第2開閉弁) V7 開閉電磁弁(開閉弁) C5 チェック弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ操作力に対応した液圧を発生す
    る液圧発生装置と、 前記液圧発生装置の出力液圧を受けて対応する車輪を制
    動する第1車輪ブレーキシリンダ及び第2車輪ブレーキ
    シリンダと、 前記液圧発生装置を前記両車輪ブレーキシリンダに接続
    する絞りの無い第1通路と、 前記第1通路に対して並列的に設けられた絞りの有る第
    2通路と、 前記両車輪ブレーキシリンダ側から前記液圧発生装置側
    に液圧を還流させるための電動ポンプと、 前記電動ポンプの吸入側を前記各車輪ブレーキシリンダ
    に接続する第3通路と、 前記電動ポンプの吐出側を前記液圧発生装置側の前記第
    1通路に接続する第4通路と、 前記第1通路を開閉し常態では前記第1通路を開状態と
    する第1バルブと、前記第1バルブと協同して前記第2
    通路を開閉し常態では前記第2通路を閉状態とする第2
    バルブと、前記第3通路に配設され常態では前記第3通
    路を開状態とする第3バルブと、前記第2バルブを作動
    させるソレノイドとを有し、前記電動ポンプと協同して
    前記車輪ブレーキシリンダの液圧を調整する弁装置と、 前記液圧発生装置及び前記第4通路の前記第1通路との
    接続部間の前記第1通路に配設され、非作動時前記液圧
    発生装置と前記第1バルブを接続し、作動時に前記液圧
    発生装置と前記第1バルブとの接続を断ち且つ前記液圧
    発生装置を前記第3バルブ及び前記電動ポンプ間の前記
    第3通路に接続する切換弁とを備え、 常態で前記ソレノイドにより前記第2バルブが閉作動し
    たとき、前記第1バルブが前記第2バルブを介して閉作
    動して前記第1通路を閉じるように構成され、 前記第1通路及び前記第2通路が閉じた状態で前記ソレ
    ノイドにより前記第2バルブが開作動したとき、前記絞
    りの前後差圧が設定値以上となることにより、前記第1
    バルブが前記第1通路を閉じた状態に保持されると共
    に、前記第3バルブが閉作動して前記第3通路を閉じる
    ように構成されてなる車輪ブレーキ液圧制御装置。
  2. 【請求項2】 ブレーキ操作力に対応した液圧を発生す
    る液圧発生装置と、 前記液圧発生装置の出力液圧を受けて対応する車輪を制
    動する第1車輪ブレーキシリンダ及び第2車輪ブレーキ
    シリンダと、 前記液圧発生装置を前記両車輪ブレーキシリンダに接続
    する絞りの無い第1通路と、 前記第1通路に対して並列的に設けられた絞りの有る第
    2通路と、 前記両車輪ブレーキシリンダ側から前記液圧発生装置側
    に液圧を還流させるための電動ポンプと、 前記電動ポンプの吸入側を前記各車輪ブレーキシリンダ
    に接続する第3通路と、 前記電動ポンプの吐出側を前記液圧発生装置側の前記主
    通路に接続する第4通路と、 前記第1通路を開閉し常態では前記第1通路を開状態と
    する第1バルブと、前記第1バルブと協同して前記第2
    通路を開閉し常態では前記第2通路を閉状態とする第2
    バルブと、前記第3通路に配設され常態では前記第3通
    路を開状態とする第3バルブと、前記第2バルブを作動
    させるソレノイドとを有し、前記電動ポンプと協同して
    前記車輪ブレーキシリンダの液圧を調整する弁装置と、 前記液圧発生装置及び前記第4通路の前記第1通路との
    接続部間の前記第1通路に配設され、ブレーキ操作とは
    無関係に前記車輪ブレーキシリンダにブレーキ液圧を付
    与する時に閉作動する常開型の第1開閉弁と、 前記液圧発生装置及び前記第1開閉電磁弁間の前記第1
    通路を前記第3バルブ及び前記電動ポンプ間の前記第3
    通路に接続するための第5通路と、 前記第5通路に配設され、少なくともブレーキ操作とは
    無関係に前記車輪ブレーキシリンダにブレーキ液圧を付
    与する時に開作動する第2開閉弁とを備え、 常態で前記ソレノイドにより前記第2バルブが閉作動し
    たとき、前記第1バルブが前記第2バルブを介して閉作
    動して前記第1通路を閉じるように構成され、 前記第1通路及び前記第2通路が閉じた状態で前記ソレ
    ノイドにより前記第2バルブが開作動したとき、前記絞
    りの前後差圧が設定値以上となることにより、前記第1
    バルブが前記第1通路を閉じた状態に保持されると共
    に、前記第3バルブが閉作動して前記第3通路を閉じる
    ように構成されてなる車輪ブレーキ液圧制御装置。
  3. 【請求項3】 ブレーキ操作力に対応した液圧を発生す
    る液圧発生装置と、 前記液圧発生装置の出力液圧を受けて対応する車輪を制
    動する第1車輪ブレーキシリンダ及び第2車輪ブレーキ
    シリンダと、 前記液圧発生装置を前記両車輪ブレーキシリンダに接続
    する絞りの無い第1通路と、 前記第1通路に対して並列的に設けられた絞りの有る第
    2通路と、 前記両車輪ブレーキシリンダ側から前記液圧発生装置側
    に液圧を還流させるための電動ポンプと、 前記電動ポンプの吸入側を前記各車輪ブレーキシリンダ
    に接続する第3通路と、 前記電動ポンプの吐出側を前記液圧発生装置側の前記主
    通路に接続する第4通路と、 前記第1通路を開閉し常態では前記第1通路を開状態と
    する第1バルブと、前記第1バルブと協同して前記第2
    通路を開閉し常態では前記第2通路を閉状態とする第2
    バルブと、前記第3通路に配設され常態では前記第3通
    路を開状態とする第3バルブと、前記第2バルブを作動
    させるソレノイドとを有し、前記電動ポンプと協同して
    前記車輪ブレーキシリンダの液圧を調整する弁装置と、 前記液圧発生装置及び前記第4通路の前記第1通路との
    接続部間の前記第1通路に配設され、前記液圧発生装置
    から前記各車輪ブレーキシリンダ側へのブレーキ液の流
    入のみを許容するチェック弁と、 前記液圧発生装置及び前記チェック弁間の前記第1通路
    を前記第3バルブ及び前記電動ポンプ間の前記第3通路
    に接続するための第5通路と、 前記第5通路に配設され、電動ポンプによる少なくとも
    一方の前記車輪ブレーキシリンダの減圧時に閉作動する
    常開型の開閉弁とを備え、 常態で前記ソレノイドにより前記第2バルブが閉作動し
    たとき、前記第1バルブが前記第2バルブを介して閉作
    動して前記第1通路を閉じるように構成され、 前記第1通路及び前記第2通路が閉じた状態で前記ソレ
    ノイドにより前記第2バルブが開作動したとき、前記絞
    りの前後差圧が設定値以上となることにより、前記第1
    バルブが前記第1通路を閉じた状態に保持されると共
    に、前記第3バルブが閉作動して前記第3通路を閉じる
    ように構成されてなる車輪ブレーキ液圧制御装置。
JP2544196A 1995-06-01 1996-02-13 車輪ブレーキ液圧制御装置 Pending JPH09216549A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2544196A JPH09216549A (ja) 1996-02-13 1996-02-13 車輪ブレーキ液圧制御装置
US08/655,432 US5673979A (en) 1995-06-01 1996-05-30 Hydraulic braking pressure control apparatus for automotive vehicle
DE19622200A DE19622200C2 (de) 1995-06-01 1996-06-03 Hydraulikbremsdruck-Steuerungseinrichtung für eine Kraftfahrzeugbremsanlage

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2544196A JPH09216549A (ja) 1996-02-13 1996-02-13 車輪ブレーキ液圧制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09216549A true JPH09216549A (ja) 1997-08-19

Family

ID=12166098

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2544196A Pending JPH09216549A (ja) 1995-06-01 1996-02-13 車輪ブレーキ液圧制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09216549A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6586602B2 (en) 1997-07-31 2003-07-01 Eugene D. Thorsett Benzyl compounds which inhibit leukocyte adhesion mediated by VLA-4
JP2011051370A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Advics Co Ltd ブレーキ液圧制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6586602B2 (en) 1997-07-31 2003-07-01 Eugene D. Thorsett Benzyl compounds which inhibit leukocyte adhesion mediated by VLA-4
JP2011051370A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Advics Co Ltd ブレーキ液圧制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5333945A (en) Brake pressure control apparatus
US20150232076A1 (en) Brake Control Device
US6199961B1 (en) Hydraulic vehicle brake system
JP3536444B2 (ja) 液圧ブレーキ装置
US20060087173A1 (en) Brake control system
JP2675603B2 (ja) 自動車用ホイールスリップ制御装置
JP2001146161A (ja) 液圧ブレーキシステムの加圧装置異常検出装置
JPH01262248A (ja) 車輌用油圧式ロック防止制動系
US5558413A (en) Brake-pressure control device having rear-axle brake circuit self-priming recirculation pump
US6386646B1 (en) Hydraulic brake system with a recirculating pump
US6264287B1 (en) Hydraulic brake apparatus for a vehicle
US4636008A (en) Anti-skid braking control system
US6231131B1 (en) Hydraulic brake system with anti-skid control
US20050088039A1 (en) Pump of electronically controlled brake system
JP4484986B2 (ja) ブレーキ液圧源装置およびブレーキ装置
JPH09216549A (ja) 車輪ブレーキ液圧制御装置
JP3684649B2 (ja) 車両用制動力制御装置
JP3769774B2 (ja) 車両用液圧ブレーキ装置
JPH11301443A (ja) 車両用2系統液圧ブレーキ装置
JPH08230642A (ja) ブレーキシステム
KR100358745B1 (ko) 브레이크 트랙션 콘트롤 시스템의 왕복형 유압밸브
JPH11315951A (ja) 電磁開閉弁
KR200278670Y1 (ko) 차량용 안티록 브레이크 시스템
JPH04215552A (ja) 油圧的な2回路式ブレーキ装置
JPH03503750A (ja) アンチロック液圧ブレーキシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060116

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060124

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060530