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JPH09215568A - プラスチック鏡 - Google Patents

プラスチック鏡

Info

Publication number
JPH09215568A
JPH09215568A JP8026524A JP2652496A JPH09215568A JP H09215568 A JPH09215568 A JP H09215568A JP 8026524 A JP8026524 A JP 8026524A JP 2652496 A JP2652496 A JP 2652496A JP H09215568 A JPH09215568 A JP H09215568A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
surface layer
hydrophilic
water
hydrophilicity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8026524A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Hayakawa
信 早川
Makoto Chikuni
真 千國
Toshiya Watabe
俊也 渡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toto Ltd filed Critical Toto Ltd
Priority to JP8026524A priority Critical patent/JPH09215568A/ja
Publication of JPH09215568A publication Critical patent/JPH09215568A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来にない表面の親水性を長期に亘って維持
し、また一旦消失した親水性を回復し得るプラスチック
鏡を提供すること。 【解決手段】 裏面側に反射層2と保護層3を予め形成
した透明プラスチック基板1の表面側に、平均粒径0.
01μmのアナターゼ型チタンゾル(溶質濃度10重量
%、硝酸分散型、pH0.8)にシリカゾルを添加し、
エタノールで希釈後、トリメトキシメチルシランを添加
した溶液を塗布し、その後、100℃で加熱固化し、膜
厚0.1μmの表面層4を形成する。この表面層4は酸
化チタンの作用により、親水性を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防曇性、清掃性及び
自己浄化性に優れたプラスチック鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】鏡の防曇性を高めるため、従来から種々
の手段が講じられている。例えば、鏡の表面温度を露
点温度以上に維持する方法。表面を多孔質層とするこ
とで結露する前に表面の水分を吸収する方法。表面に
撥水性樹脂膜を形成する方法。等が知られている。
【0003】前記したの方法による場合には、ヒータ
線を設けなけらならず、またヒータ線に通電してから除
曇効果を発揮するまでに時間がかかる。の方法による
場合には、吸水によって表面硬度が低下し傷がつきやす
く且つ像の歪みが生じやすい。の方法の場合には、撥
水性樹脂膜上で水が乾燥すると、疎水性の汚れ成分がそ
のまま残留し、この疎水性の汚れは水よりも基材表面に
なじみやすいため、水によって洗い流しにくく、却って
汚れが目立ってしまう。
【0004】また、界面活性剤による表面処理、プラズ
マ放電処理或いはコロナ放電処理によって、基材表面に
親水性基を導入することも行われているが、耐摩耗性、
耐久性に劣る。そこで、実開平3−129357号公報
には、300nm以下の紫外線照射とアルカリ水溶液に
よる処理で、ハードコート層の表面に親水性の酸性基を
生成する手段が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】実開平3−12935
7号公報に開示される方法で、プラスチック鏡表面に親
水性を付与しても、親水性を維持することができず、短
期間で防曇効果が失われてしまう。また、一旦親水性の
酸性基が失われると、親水性を回復することができず、
防曇効果がなくなり、更に、汚れが付着した場合の洗浄
性も十分とは言えない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、鏡表面の親水
性の維持と回復が可能で、しかも水が付着した場合には
その水分で表面を浄化する自己浄化性を備え、且つ水洗
浄による清掃性に優れたプラスチック鏡を提供すること
を目的とする。
【0007】即ち、本発明に係るプラスチック鏡は、裏
面側に反射層を形成した透明プラスチック基板の表面側
に、直接又はハードコート層を介して光半導体を含有す
る親水性表面層を形成した。
【0008】前記光半導体とは、価電子帯の電子がフォ
ノン振動程度のエネルギーでは伝導帯に励起されにくい
が、特定波長以下のフォトンが照射されると価電子帯の
電子が伝導帯に励起され、伝導電子と正孔を生成し得る
半導体をいう。具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸
化スズ、酸化第二鉄、三酸化タングステン、三酸化二ビ
スマス、チタン酸ストロンチウム等が挙げられる。
【0009】また、表面層に親水性を付与するには、前
記光半導体が親水性を呈する場合には、当該光半導体を
単独で用いることが可能であるが、光半導体が親水性を
呈さない場合には、他の親水性物質と混合して表面層を
形成する。親水性物質としては、水酸基等の極性官能基
を側鎖に多量に含有するシリコーン樹脂等が挙げられ
る。
【0010】前記光半導体による光親水性効果は、従来
の施釉タイル等の無機親水性物質からなる親水性効果と
異なる。即ち、従来の施釉タイル等にあっては、表面の
不斉基に水以外のカルボン酸、アルコール、界面活性剤
等の両性官能基を有する汚れ成分も同等に付着しやすい
ため、製造時には親水性を有していても、親水性の維持
機構がないため経時的に疎水化されてしまう。
【0011】これに対し、本発明においては、酸化チタ
ン等の光半導体の作用により、紫外線が光半導体上に照
射されることで、正孔と電子が生成され、それらの作用
により親水性物質からなる基材表面の極性が増して、基
材表面の物理吸着水量が増加することにより、親水性が
向上する。そして、基材表面に物理吸着水層が維持され
る限り、疎水性の汚れや両性官能基を有する汚れ成分は
基材に固着していることができなくなって、親水性が維
持されるとともに防汚性が維持される。
【0012】また、紫外線が照射されない環境で保管さ
れることにより、疎水性の汚れや両性官能基を有する汚
れ成分が基材に固着した場合でも、紫外線を照射するだ
けで、基材表面に物理吸着水量が形成され、これが増加
することによって、前記同様汚れ成分は基材に固着して
いることができなくなって、親水性が回復するとともに
防汚性が発揮される。更に、親水性が向上し、維持或い
は回復することによって、基材表面に水滴が形成されな
くなり、したがって鏡の表面の結露が防止され、可視光
の散乱を生じることがなくなり、防曇効果が発揮され
る。
【0013】尚、表面層は透明プラスチック基板の表面
に直接形成するか、透明プラスチック基板の表面に形成
したハードコートの上に形成する。いずれにおいても、
親水性表面層はアクリレート系のハードコートに比べ帯
電しにくいため、ほこりが付着しにくい。
【0014】一方、本発明の好ましい態様としては、前
記した酸化チタン等の光半導体の他に、シリカまたはシ
リコーン樹脂等の蓄水性物質を親水性表面層に含有せし
める。親水性表面層に蓄水性物質を含有せしめると、蓄
水性物質の構造中に蓄えた水分が徐々に放出され、より
微弱な紫外線照射で親水性向上効果が認められる。ま
た、暗所放置時の疎水化現象を遅延させることができる
ので、より長期のインターバルの紫外線照射で親水性を
維持できるようになる。
【0015】特に、シリカまたはシリコーン樹脂は屈折
率が1.4〜1.5で透明プラスチック基板の屈折率
(例えばアクリルは1.49)と近似するため、鏡とし
て使用する場合に歪が生じにくい。
【0016】更に、本発明の好ましい態様としては、親
水性表面層の厚さを0.3μm以下とすることである。
このようにすることで、透明性を維持できる
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1は実施例1に係るプラス
チック鏡の断面図であり、プラスチック鏡は透明プラス
チック基板1の裏面側に反射層2と保護層3を予め形成
しておく。ここで、透明プラスチック基板1としては、
アクリル、ポリカーボネイト、ポリエステル、ポリスチ
レン或いは塩化ビニル等が挙げられ、反射層2は銀、ア
ルミニウム、ニッケル等を蒸着或いはめっきすることで
形成される。
【0018】基材がポリカーボネイトの場合には、平均
粒径0.01μmのアナターゼ型チタンゾル(溶質濃度
10重量%、硝酸分散型、pH0.8)にシリカゾルを
添加し、エタノールで希釈後、トリメトキシメチルシラ
ンを添加した溶液を前記透明プラスチック基板1の表面
に塗布した。その後、100℃で加熱固化し、膜厚0.
1μmの表面層4を形成した。ここで、表面層4中のシ
リカとトリメトキシメチルシランの固形分重量(樹脂重
量)と酸化チタン固形分重量の和に対する酸化チタンの
固形分重量の比率は50%とした。
【0019】図2は実施例2に係るプラスチック鏡の断
面図であり、この実施例にあっては、透明プラスチック
基板1の表面に直接表面層4を形成せずに、シリコーン
系の樹脂からなるハードコート層5を介して形成するよ
うにしている。
【0020】次に、前記実施例1,2と比較例1,2と
を親水性について比較する。尚、比較例1は実施例1,
2と同様の透明プラスチック基板の表面側に表面層を形
成しない構造とし、比較例2は実施例1,2と同様の透
明プラスチック基板の表面側にシリコーン樹脂からなる
表面層(光半導体を含まず)を形成した構造とした。
【0021】実施例1,2及び比較例1,2に0.5m
W/cm2BLBランプを照射し、水との接触角の時間
的変化を測定した。測定の結果、実施例1,2は200
時間以内に水との接触角が0°まで低下し、超親水化し
たが、比較例1,2の水との接触角は前者が90°、後
者が70°のまま変化なかった。
【0022】このように、実施例1,2の表面層が超親
水化したのは、表面層中の酸化チタン(光半導体)の作
用により、トリメトキシメチルシラン樹脂中のSi−R
(Rは有機基)結合がSi−OH結合に変化するからと
考えられる。
【0023】また、日中だけ紫外線を照射し、夜間は照
射しない実験を前記実施例1,2と比較例1,2に施し
た。その結果は、実施例1,2は上記の超親水化状態を
10ヵ月以上維持したが、比較例1,2には親水性の向
上は認められなかった。これは、Si−OH結合の上部
に低級カルボン酸等の親水性官能基及び界面活性剤等の
疎水性官能基の両方が付着した場合でも、Si−OH結
合の上部に吸着している親水性官能基は、酸化チタンが
生成する電子や正孔によって離脱しやすい。ところが、
Si−OH結合は強い親水性を示すので、Si−OH結合
の上部にはすぐにまた親水性官能基が吸着されやすい。
このときには、親水性官能基及び疎水性官能基の両方を
含む成分、空気中の水分、水酸化物イオン等が吸着され
得るが、空気中の水分や水酸化物イオン等の親水性官能
基のみからなる成分は、親水性官能基及び疎水性官能基
の両方を含む成分よりも吸着されやすい。その結果、上
記の離脱を繰り返すうちに表面層は親水性官能基のみで
占められるようになり、親水性を維持するからと考えら
れる。
【0024】また、前記した実施例1,2について、息
をかけた後に曇りの有無を確認したが認められなかっ
た。また、二重像も認められなかった。更に表面層4の
硬度は2H以上であった。
【0025】
【発明の効果】以上に説明した如く本発明によれば、裏
面側に反射層を形成した透明プラスチック基板の表面側
に、光半導体を含有する親水性表面層を形成したので、
防曇効果を長期間に亘って維持でき、しかも一旦親水性
を失っても、紫外線を照射することで早期に親水性を回
復できるプラスチック鏡を提供することができる。
【0026】また、本発明に係るプラスチック鏡は、自
己浄化性と洗浄容易性に優れ、更に、親水性の表面層は
ハードコートと比較して帯電しにくいため、ほこりが付
着しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラスチック鏡の断面図
【図2】別実施例に係るプラスチック鏡の断面図
【符号の説明】
1…透明プラスチック基板、2…反射層、3…保護層、
4…表面層、5…ハードコート。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 裏面側に反射層を形成した透明プラスチ
    ック基板の表面側に、直接又はハードコート層を介して
    光半導体を含有する親水性表面層が形成されていること
    を特徴とするプラスチック鏡。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のプラスチック鏡におい
    て、前記親水性表面層は蓄水性物質を含有することを特
    徴とするプラスチック鏡。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のプラスチック鏡におい
    て、前記蓄水性物質はシリカまたはシリコーン樹脂であ
    ることを特徴とするプラスチック鏡。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の
    プラスチック鏡において、前記親水性表面層の厚さは
    0.3μm以下であることを特徴とするプラスチック
    鏡。
JP8026524A 1996-02-14 1996-02-14 プラスチック鏡 Pending JPH09215568A (ja)

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JP8026524A JPH09215568A (ja) 1996-02-14 1996-02-14 プラスチック鏡

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106042530A (zh) * 2016-05-31 2016-10-26 王翔 一种自清洁玻璃

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