JPH09215259A - 軸受装置 - Google Patents
軸受装置Info
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- JPH09215259A JPH09215259A JP3424696A JP3424696A JPH09215259A JP H09215259 A JPH09215259 A JP H09215259A JP 3424696 A JP3424696 A JP 3424696A JP 3424696 A JP3424696 A JP 3424696A JP H09215259 A JPH09215259 A JP H09215259A
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- Japan
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- bearing
- shaft
- reducing material
- peripheral wall
- friction reducing
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明の目的は、従来の焼結含油軸受
のような特別な製造工程を必要とせず、モータの組立ラ
インや、それに類する工程で製造可能な軸受装置を提供
する。 【解決手段】 第1部材に第2部材を圧入させること
により略円環状の軸受22を形成し、軸受内部に中空部
22cを設けた軸受装置において、軸受22の周壁22
dの内周部22eまたはシャフトの軸受当接部、若しく
は軸受22の周壁22dの内周部22eとシャフトの軸
受当接部の両方に動圧溝28を形成させ、軸受22の周
壁22dの内周部22eとシャフトの軸受当接部との間
に、流動的な摩擦減少材を塗布させるとともに、軸受内
部22cに、流動的な摩擦減少材を充填させる。
のような特別な製造工程を必要とせず、モータの組立ラ
インや、それに類する工程で製造可能な軸受装置を提供
する。 【解決手段】 第1部材に第2部材を圧入させること
により略円環状の軸受22を形成し、軸受内部に中空部
22cを設けた軸受装置において、軸受22の周壁22
dの内周部22eまたはシャフトの軸受当接部、若しく
は軸受22の周壁22dの内周部22eとシャフトの軸
受当接部の両方に動圧溝28を形成させ、軸受22の周
壁22dの内周部22eとシャフトの軸受当接部との間
に、流動的な摩擦減少材を塗布させるとともに、軸受内
部22cに、流動的な摩擦減少材を充填させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸受装置に係り、
特に軽荷重に好適な軸受装置に関する。
特に軽荷重に好適な軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から軽荷重の軸受装置、例えば小型
モータにおける軸受装置に関しては、回転軸と軸受部と
の摩耗を防ぐための種々の技術が提案されている。例え
ば、銅板をプレス加工して、軸受部及び潤滑剤溜まり部
を作り、軸受とし、それに潤滑用のグリスを塗布し、所
定のモータハウジングへ取り付けモータ軸受とした技術
がある。この軸受部は、バーリング加工により略円柱状
に突き出して形成されている。しかしこの軸受技術で
は、軸受部(円柱状内面)にあるグリスは、モータへ加
わる付加の大きさに比例し、円柱状内面より逃げ出し、
軸受部及び軸が大巾に摩耗及び焼きつきを起こすという
問題点があった。
モータにおける軸受装置に関しては、回転軸と軸受部と
の摩耗を防ぐための種々の技術が提案されている。例え
ば、銅板をプレス加工して、軸受部及び潤滑剤溜まり部
を作り、軸受とし、それに潤滑用のグリスを塗布し、所
定のモータハウジングへ取り付けモータ軸受とした技術
がある。この軸受部は、バーリング加工により略円柱状
に突き出して形成されている。しかしこの軸受技術で
は、軸受部(円柱状内面)にあるグリスは、モータへ加
わる付加の大きさに比例し、円柱状内面より逃げ出し、
軸受部及び軸が大巾に摩耗及び焼きつきを起こすという
問題点があった。
【0003】上記のような、グリスの逃げを防止するた
め、基油粘度を大巾に上昇させる技術が知られている。
しかし、この技術では環境温度が低下するに従い、モー
タ起動時の軸受にロスが大きくなりモータ出力低下をお
こすという問題点がある。
め、基油粘度を大巾に上昇させる技術が知られている。
しかし、この技術では環境温度が低下するに従い、モー
タ起動時の軸受にロスが大きくなりモータ出力低下をお
こすという問題点がある。
【0004】これらを防止するために、軸受を焼結含油
軸受(JIS SBK/1218等)とした構成が考え
られるが、この場合は、焼結含油軸受の製造原価が高い
という不都合がある。
軸受(JIS SBK/1218等)とした構成が考え
られるが、この場合は、焼結含油軸受の製造原価が高い
という不都合がある。
【0005】上記問題点に対し、潤滑剤として、グリス
でなく、PTFE等の樹脂コート材を軸受部へコーティ
ングする技術が提案されている。(特開平5−1960
33号公報参照)。
でなく、PTFE等の樹脂コート材を軸受部へコーティ
ングする技術が提案されている。(特開平5−1960
33号公報参照)。
【0006】即ち、「非液体の摩擦減少材料は、ポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)のようなフッ化炭素
ポリマより成り、これは、シートメタルに成形プロセス
を施してベアリングを形成する前に、既知のやり方でシ
ートメタルに塗布される。更に、シートメタルの連続ス
トリップでベアリングを形成する場合には、浸漬塗装プ
ロセスのようにストリップの外面全体に塗布する必要は
なく、例えば、各ベアリングの管状第1部分のジャーナ
ルベアリング面に摩擦減少材料を確実に塗布するように
必要に応じてストリップの片面の部分のみにスプレー塗
装する」(特開平5−196033号公報第3欄第43
行乃至第4欄第3行)技術である。
トラフルオロエチレン(PTFE)のようなフッ化炭素
ポリマより成り、これは、シートメタルに成形プロセス
を施してベアリングを形成する前に、既知のやり方でシ
ートメタルに塗布される。更に、シートメタルの連続ス
トリップでベアリングを形成する場合には、浸漬塗装プ
ロセスのようにストリップの外面全体に塗布する必要は
なく、例えば、各ベアリングの管状第1部分のジャーナ
ルベアリング面に摩擦減少材料を確実に塗布するように
必要に応じてストリップの片面の部分のみにスプレー塗
装する」(特開平5−196033号公報第3欄第43
行乃至第4欄第3行)技術である。
【0007】しかしこの軸受技術では、樹脂コートの膜
厚のバラツキが生じ、軸受内径部の精度が悪くなり、モ
ータの騒音悪化をきたすという不都合がある。また、樹
脂コートをするために、キュア硬化炉等の付帯設備を設
ける必要性があり、軸受製造原価が高くなる。
厚のバラツキが生じ、軸受内径部の精度が悪くなり、モ
ータの騒音悪化をきたすという不都合がある。また、樹
脂コートをするために、キュア硬化炉等の付帯設備を設
ける必要性があり、軸受製造原価が高くなる。
【0008】さらに、図15に示すように、外周壁11
1と内周壁112とでグリス溜まり113を形成すると
ともに、内周壁112にはグリス流出孔114が形成さ
れ、このグリス流出孔114よりグリスが流失して、軸
受内周壁112にグリスが塗布される技術が開示されて
いる(実開平5−3630号公報参照)。
1と内周壁112とでグリス溜まり113を形成すると
ともに、内周壁112にはグリス流出孔114が形成さ
れ、このグリス流出孔114よりグリスが流失して、軸
受内周壁112にグリスが塗布される技術が開示されて
いる(実開平5−3630号公報参照)。
【0009】しかしこの技術では、グリス流出孔からグ
リスが流出されるまでは、内周壁とシャフト115との
摩耗が激しく、また温度上昇に伴う焼きつきがおこり、
内周壁112の寿命が短くなるという問題点がある。
リスが流出されるまでは、内周壁とシャフト115との
摩耗が激しく、また温度上昇に伴う焼きつきがおこり、
内周壁112の寿命が短くなるという問題点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、金属片
にグリスを塗布した簡易軸受は、極めて、低荷重、低速
度では使用に耐えるが、さらに耐久性を良くするときで
も、グリス油膜の強度のみを変化させている。このため
通常のモータにおいては、モータの荷重、速度が増大す
るに従って、摩擦に耐えられなくなるという問題点があ
る。
にグリスを塗布した簡易軸受は、極めて、低荷重、低速
度では使用に耐えるが、さらに耐久性を良くするときで
も、グリス油膜の強度のみを変化させている。このため
通常のモータにおいては、モータの荷重、速度が増大す
るに従って、摩擦に耐えられなくなるという問題点があ
る。
【0011】本発明の目的は、従来の焼結含油軸受のよ
うな特別な製造工程を必要とせず、モータの組立ライン
や、それに類する工程で製造可能な軸受装置を提供する
ことにある。
うな特別な製造工程を必要とせず、モータの組立ライン
や、それに類する工程で製造可能な軸受装置を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願請求項1の軸受装置
は、第1部材に第2部材を圧入させることにより略円環
状の軸受を形成し、軸受内部に中空部を設けた軸受装置
において、前記軸受の周壁の内周部またはシャフトの軸
受当接部、若しくは軸受の周壁の内周部とシャフトの軸
受当接部の両方に動圧溝を形成させ、前記軸受の周壁の
内周部と前記シャフトの軸受当接部との間に、流動的な
摩擦減少材を塗布させるとともに、前記軸受内部に、流
動的な摩擦減少材を充填させたことを特徴とする。
は、第1部材に第2部材を圧入させることにより略円環
状の軸受を形成し、軸受内部に中空部を設けた軸受装置
において、前記軸受の周壁の内周部またはシャフトの軸
受当接部、若しくは軸受の周壁の内周部とシャフトの軸
受当接部の両方に動圧溝を形成させ、前記軸受の周壁の
内周部と前記シャフトの軸受当接部との間に、流動的な
摩擦減少材を塗布させるとともに、前記軸受内部に、流
動的な摩擦減少材を充填させたことを特徴とする。
【0013】本願請求項2の軸受装置は、第1部材に第
2部材を圧入させることにより略円環状の軸受を形成
し、軸受内部に中空部を設けた軸受装置において、前記
第2部材は円筒状からなる周壁と、該周壁から径の外方
向へ延出して形成された圧入部と、を備え、前記周壁の
端部で前記中空部と連通させるとともに、前記周壁の内
周部またはシャフトの軸受当接部、若しくは周壁の内周
部とシャフトの軸受当接部の両方に動圧溝を形成させ、
前記周壁の内周部と前記シャフトの軸受当接部との間
に、流動的な摩擦減少材を塗布させるとともに、前記軸
受内部に、流動的な摩擦減少材を充填させたことを特徴
とする。
2部材を圧入させることにより略円環状の軸受を形成
し、軸受内部に中空部を設けた軸受装置において、前記
第2部材は円筒状からなる周壁と、該周壁から径の外方
向へ延出して形成された圧入部と、を備え、前記周壁の
端部で前記中空部と連通させるとともに、前記周壁の内
周部またはシャフトの軸受当接部、若しくは周壁の内周
部とシャフトの軸受当接部の両方に動圧溝を形成させ、
前記周壁の内周部と前記シャフトの軸受当接部との間
に、流動的な摩擦減少材を塗布させるとともに、前記軸
受内部に、流動的な摩擦減少材を充填させたことを特徴
とする。
【0014】なお、請求項1における第2部材は円筒状
からなる周壁と、該周壁から径の外方向へ延出して形成
された圧入部を有する。
からなる周壁と、該周壁から径の外方向へ延出して形成
された圧入部を有する。
【0015】前記軸受の軸と直角方向の端面または該端
面と当接する当接部材の当接部、若しくは軸受の軸と直
角方向の端面及び該端面と当接する当接部材の当接部の
両方には、動圧溝を形成させるとよい。
面と当接する当接部材の当接部、若しくは軸受の軸と直
角方向の端面及び該端面と当接する当接部材の当接部の
両方には、動圧溝を形成させるとよい。
【0016】また、前記軸受装置はモータに使用すると
好適である。
好適である。
【0017】そして、前記第2部材の動圧溝はプレス加
工によって複数形成される。
工によって複数形成される。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係る軸受装置Sは、第1
部材11に第2部材31を圧入させることにより略円環
状の軸受22を形成している。この軸受22の内部には
中空部24が設けられ、軸受22の周壁22dの内周部
22eまたはシャフト15の軸受当接部、若しくは軸受
22の周壁22dの内周部22eまたはシャフト15の
軸受当接部の両方に動圧溝28が形成されている。そし
て軸受22の周壁22dの内周部22eとシャフト15
の軸受当接部との間に、流動的な摩擦減少材25を塗布
させるとともに、軸受22の内部に、流動的な摩擦減少
材25を充填させている。
部材11に第2部材31を圧入させることにより略円環
状の軸受22を形成している。この軸受22の内部には
中空部24が設けられ、軸受22の周壁22dの内周部
22eまたはシャフト15の軸受当接部、若しくは軸受
22の周壁22dの内周部22eまたはシャフト15の
軸受当接部の両方に動圧溝28が形成されている。そし
て軸受22の周壁22dの内周部22eとシャフト15
の軸受当接部との間に、流動的な摩擦減少材25を塗布
させるとともに、軸受22の内部に、流動的な摩擦減少
材25を充填させている。
【0019】このように、軸受22の周壁22dの内周
部22eとシャフト15の軸受当接部との間に、流動的
な摩擦減少材25が塗布されることにより、シャフト1
5の回転による摩耗や焼きつきを防ぎ、シャフト15と
軸受22の寿命を長く保つことが可能となる。
部22eとシャフト15の軸受当接部との間に、流動的
な摩擦減少材25が塗布されることにより、シャフト1
5の回転による摩耗や焼きつきを防ぎ、シャフト15と
軸受22の寿命を長く保つことが可能となる。
【0020】また、本発明に係る軸受装置SをモータM
に使用すれば、モータMの外壁であるヨーク11を第1
部材として使用することができ、よって部品点数を削減
することができる。
に使用すれば、モータMの外壁であるヨーク11を第1
部材として使用することができ、よって部品点数を削減
することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を
限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変
することができるものである。
明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を
限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変
することができるものである。
【0022】図1乃至図8は請求項1に係る軸受装置に
ついての一実施例を示すものであり、図1は軸受装置の
説明断面図、図2は軸受の説明断面図、図3乃至図5は
軸受の製造工程を示す断面図、図6は軸受の軸と直角方
向の端面における平面図、図7は軸受の作用を示す説明
図、図8は図7の部分拡大説明図である。
ついての一実施例を示すものであり、図1は軸受装置の
説明断面図、図2は軸受の説明断面図、図3乃至図5は
軸受の製造工程を示す断面図、図6は軸受の軸と直角方
向の端面における平面図、図7は軸受の作用を示す説明
図、図8は図7の部分拡大説明図である。
【0023】本例の軸受装置Sは、第1部材11と、第
1部材に形成した軸受配置部21と、軸受22と、スラ
ストワッシャ23と、摩擦減少材溜め24と、摩擦減少
材25と、摩擦減少材導入部27と、動圧溝28と、を
構成要素としている。
1部材に形成した軸受配置部21と、軸受22と、スラ
ストワッシャ23と、摩擦減少材溜め24と、摩擦減少
材25と、摩擦減少材導入部27と、動圧溝28と、を
構成要素としている。
【0024】第1部材は中空円筒体をしており、この第
1部材11には、軸受装置Sの一部を構成する軸受配置
部21が形成されている。
1部材11には、軸受装置Sの一部を構成する軸受配置
部21が形成されている。
【0025】本例の軸受配置部21は、円筒体からなる
第1部材11に膨出部を形成して構成されている。この
膨出部からなる軸受配置部21は、第1部材11の面1
2の中心から、同心円状に形成されており、中央にモー
タにおけるシャフト15を通すための孔が設けられてい
る。
第1部材11に膨出部を形成して構成されている。この
膨出部からなる軸受配置部21は、第1部材11の面1
2の中心から、同心円状に形成されており、中央にモー
タにおけるシャフト15を通すための孔が設けられてい
る。
【0026】本例における軸受22は、図2で示すよう
に、片側の面22aが開口した断面コ字状のドーナツ型
をした枠体22bから形成されている。そして、この枠
体22bの中心に位置する中空部22cは、シャフト1
5の径Xと略同じ径で囲った周壁(側壁)22dで形成
されている。この軸受部材の内側の側壁22dには複数
の摩擦減少材導入部27と、複数の動圧溝28が形成さ
れている。
に、片側の面22aが開口した断面コ字状のドーナツ型
をした枠体22bから形成されている。そして、この枠
体22bの中心に位置する中空部22cは、シャフト1
5の径Xと略同じ径で囲った周壁(側壁)22dで形成
されている。この軸受部材の内側の側壁22dには複数
の摩擦減少材導入部27と、複数の動圧溝28が形成さ
れている。
【0027】本例の動圧溝28は、略円形状でかつ深さ
約0.01mmの溝が10箇所以上複数列をして形成さ
れている。なお、本例では動圧溝を複数列にした例を示
しているが、動圧溝は単列で構成しても良い。
約0.01mmの溝が10箇所以上複数列をして形成さ
れている。なお、本例では動圧溝を複数列にした例を示
しているが、動圧溝は単列で構成しても良い。
【0028】本例の摩擦減少材導入部27は、図2で示
すようにロータ配置側と反対側の端部にV字状のスリッ
トとして形成されている。
すようにロータ配置側と反対側の端部にV字状のスリッ
トとして形成されている。
【0029】そして軸受22は、りん青銅等の金属材料
からなる第2部材31から構成されたもので、この第2
部材31は硬度が概略HV200程度の材料からなる。
この第2部材31をバーリング加工によって形成するこ
とによって割れ溝が生じ、摩擦減少材導入部27として
のスリットが形成され、これにより軸受22にスリット
を形成する工程を省略することができる。
からなる第2部材31から構成されたもので、この第2
部材31は硬度が概略HV200程度の材料からなる。
この第2部材31をバーリング加工によって形成するこ
とによって割れ溝が生じ、摩擦減少材導入部27として
のスリットが形成され、これにより軸受22にスリット
を形成する工程を省略することができる。
【0030】次に軸受12における動圧溝28の形成方
法について説明する。図3乃至図5で示すように、軸受
22を構成する第2部材31は円形の金属板であり、こ
の金属板の中央にシャフト15を通すための孔の下穴を
設け、プレス加工によって表面に深さ約0.01mmの
溝を複数形成する。このようにプレス加工によった場合
には、大量生産が可能であり、軸受22における製造原
価をおさえることが可能となる。
法について説明する。図3乃至図5で示すように、軸受
22を構成する第2部材31は円形の金属板であり、こ
の金属板の中央にシャフト15を通すための孔の下穴を
設け、プレス加工によって表面に深さ約0.01mmの
溝を複数形成する。このようにプレス加工によった場合
には、大量生産が可能であり、軸受22における製造原
価をおさえることが可能となる。
【0031】上記複数の溝を形成した第2部材31をバ
ーリング加工によって、中心から突き出して形成するこ
とにより、動圧溝28と、スラスト動圧溝29とを有し
た軸受22が形成される。
ーリング加工によって、中心から突き出して形成するこ
とにより、動圧溝28と、スラスト動圧溝29とを有し
た軸受22が形成される。
【0032】上記工程における溝の形成方法としては、
マスキングの後、エッチングによる方法も可能であり、
この方法によれば、プレス加工によって溝を形成したと
きに比べて、溝周辺にバリが生じることなく、シャフト
15や軸受22の摩耗をより少なくすることができる。
マスキングの後、エッチングによる方法も可能であり、
この方法によれば、プレス加工によって溝を形成したと
きに比べて、溝周辺にバリが生じることなく、シャフト
15や軸受22の摩耗をより少なくすることができる。
【0033】本例の軸受22と軸受配置部21との組付
けは、前記第1部材11の軸受配置部21に、軸受22
の開口22a側から圧入し、前記第1部材11と軸受2
2で摩擦減少材溜め24を形成する。そしてこの摩擦減
少材溜め24の空間に摩擦減少材25としてのグリスを
充填する。
けは、前記第1部材11の軸受配置部21に、軸受22
の開口22a側から圧入し、前記第1部材11と軸受2
2で摩擦減少材溜め24を形成する。そしてこの摩擦減
少材溜め24の空間に摩擦減少材25としてのグリスを
充填する。
【0034】以上のように構成されているので、摩擦減
少材溜め24に収容された摩擦減少材25(グリス)
が、軸受22に形成された摩擦減少材導入部27(スリ
ット)から、軸受22とシャフト15との摺動部へ滲み
出し、軸受22とシャフト15との間の摩擦による摩耗
を防止し、円滑な回転が可能となり、軸受寿命の向上を
図ることができる。
少材溜め24に収容された摩擦減少材25(グリス)
が、軸受22に形成された摩擦減少材導入部27(スリ
ット)から、軸受22とシャフト15との摺動部へ滲み
出し、軸受22とシャフト15との間の摩擦による摩耗
を防止し、円滑な回転が可能となり、軸受寿命の向上を
図ることができる。
【0035】そして軸受22と摩擦減少材導入部27
(スリット)にも摩擦減少材25(グリス)は溜まって
おり、シャフト15が回転することにより、摩擦減少材
導入部27(スリット)に存在する摩擦減少材25(グ
リス)が引きずられ、シャフト15と軸受22の摺動部
へ摩擦減少材25(グリス)として入り込み軸受グリス
として機能する。さらに余った摺動部の摩擦減少材25
(グリス)は、摩擦減少導入部27(スリット)を通
じ、もとの摩擦減少材溜め24へ戻され、軸受22は常
時、適量の摩擦減少材25(グリス)が保持されること
となる。
(スリット)にも摩擦減少材25(グリス)は溜まって
おり、シャフト15が回転することにより、摩擦減少材
導入部27(スリット)に存在する摩擦減少材25(グ
リス)が引きずられ、シャフト15と軸受22の摺動部
へ摩擦減少材25(グリス)として入り込み軸受グリス
として機能する。さらに余った摺動部の摩擦減少材25
(グリス)は、摩擦減少導入部27(スリット)を通
じ、もとの摩擦減少材溜め24へ戻され、軸受22は常
時、適量の摩擦減少材25(グリス)が保持されること
となる。
【0036】図6乃至図8は軸受22における動圧溝2
8の作用について示したものであり、図6は軸受22の
スラストワッシャ23側の端面22fを示す平面図、図
7は軸受22と、シャフト15の当接部を示す断面図、
図7は図6の部分拡大断面図である。
8の作用について示したものであり、図6は軸受22の
スラストワッシャ23側の端面22fを示す平面図、図
7は軸受22と、シャフト15の当接部を示す断面図、
図7は図6の部分拡大断面図である。
【0037】図7及び図8で示すように、軸受22とシ
ャフト15との間に摩擦減少材25(グリス)が流入す
ると、軸の回転により、摩擦減少材25(グリス)に流
れが発生する。このとき軸受22の内側の周壁(側壁)
22dに設けられた動圧溝28に摩擦減少材25(グリ
ス)が入り、シャフト15の回転によって、この摩擦減
少材25(グリス)が動圧溝28から流出するときに、
シャフト15の荷重方向に対して、シャフト15を押し
上げるような流れに変わり、揚力が発生する。
ャフト15との間に摩擦減少材25(グリス)が流入す
ると、軸の回転により、摩擦減少材25(グリス)に流
れが発生する。このとき軸受22の内側の周壁(側壁)
22dに設けられた動圧溝28に摩擦減少材25(グリ
ス)が入り、シャフト15の回転によって、この摩擦減
少材25(グリス)が動圧溝28から流出するときに、
シャフト15の荷重方向に対して、シャフト15を押し
上げるような流れに変わり、揚力が発生する。
【0038】これにより、荷重面の油膜は常に保持さ
れ、潤滑状態となる。従ってシャフト15と軸受22と
の間には常に摩擦減少材25(グリス)が存在すること
になり、金属接触による摩擦においてより高い効果を得
ることができる。
れ、潤滑状態となる。従ってシャフト15と軸受22と
の間には常に摩擦減少材25(グリス)が存在すること
になり、金属接触による摩擦においてより高い効果を得
ることができる。
【0039】なお、上記動圧溝28は、軸受22だけで
なく、シャフト15における、軸受22の周壁(側壁)
22dとの当接部に設けてもよく、また軸受22とシャ
フト15の両方に設けても良い。
なく、シャフト15における、軸受22の周壁(側壁)
22dとの当接部に設けてもよく、また軸受22とシャ
フト15の両方に設けても良い。
【0040】なお、図6で示すように、軸受22の、ス
ラストワッシャ23側の端面22fには、スラスト動圧
溝29が形成されている。
ラストワッシャ23側の端面22fには、スラスト動圧
溝29が形成されている。
【0041】摩擦減少材導入部27(スリット)から流
出した摩擦減少材25(グリス)はスラストワッシャ2
3と軸受22の間にも流入して、スラスト動圧溝29に
摩擦減少材25(グリス)が入り、シャフト15の回転
によって、この摩擦減少材25(グリス)がスラスト動
圧溝29から流出するときに、シャフト15のスラスト
荷重方向に対してシャフト15を押し上げるような流れ
に変わり、揚力が発生する。
出した摩擦減少材25(グリス)はスラストワッシャ2
3と軸受22の間にも流入して、スラスト動圧溝29に
摩擦減少材25(グリス)が入り、シャフト15の回転
によって、この摩擦減少材25(グリス)がスラスト動
圧溝29から流出するときに、シャフト15のスラスト
荷重方向に対してシャフト15を押し上げるような流れ
に変わり、揚力が発生する。
【0042】これにより、荷重面の油膜は常に保持さ
れ、潤滑状態となる。従ってシャフト15と軸受22と
の間には常に摩擦減少材25(グリス)が存在すること
になり、金属接触による摩擦においてより高い効果を得
ることができる。
れ、潤滑状態となる。従ってシャフト15と軸受22と
の間には常に摩擦減少材25(グリス)が存在すること
になり、金属接触による摩擦においてより高い効果を得
ることができる。
【0043】このスラスト動圧溝29についても、軸受
22の端面22fだけでなく、スラストワッシャ23
の、軸受22の端面22fとの当接部に設けてもよく、
また軸受22とスラストワッシャ23の両方に設けても
良い。
22の端面22fだけでなく、スラストワッシャ23
の、軸受22の端面22fとの当接部に設けてもよく、
また軸受22とスラストワッシャ23の両方に設けても
良い。
【0044】図9は、本例の軸受装置をモータの軸受装
置として使用した場合を示すものであり、次のような様
態が含まれる。
置として使用した場合を示すものであり、次のような様
態が含まれる。
【0045】即ち、小型モータMにおける軸受装置S
は、ヨーク11と、このヨーク11に設けられたシャフ
ト15と接する軸受22と、を備えており、ヨーク11
には膨出部からなる軸受配置部21が設けられ、軸受2
2は一方の面22aが開口した断面コ字状のドーナツ型
をした枠体22bから形成されている。この枠体22b
の内側空間はシャフト15の幅と略同じ幅を有して形成
されると共に、この軸受部材22の内側の側壁12dに
は複数の動圧溝28とスリット27が形成されている。
この軸受22をヨーク11の軸受配置部21に開口側か
ら圧入し、ヨーク11と軸受22で形成される空間を摩
擦減少材溜め24として、この摩擦減少材溜め24に摩
擦減少材25を充填している。
は、ヨーク11と、このヨーク11に設けられたシャフ
ト15と接する軸受22と、を備えており、ヨーク11
には膨出部からなる軸受配置部21が設けられ、軸受2
2は一方の面22aが開口した断面コ字状のドーナツ型
をした枠体22bから形成されている。この枠体22b
の内側空間はシャフト15の幅と略同じ幅を有して形成
されると共に、この軸受部材22の内側の側壁12dに
は複数の動圧溝28とスリット27が形成されている。
この軸受22をヨーク11の軸受配置部21に開口側か
ら圧入し、ヨーク11と軸受22で形成される空間を摩
擦減少材溜め24として、この摩擦減少材溜め24に摩
擦減少材25を充填している。
【0046】本例の小型モータMにおける、ヨーク11
は中空円筒体をした本体11bと、この本体11bと係
合している本体11cと、本体11b,11cにそれぞ
れ配置された軸受装置Sの一部を構成する軸受配置部2
1と、から形成されている。そして固定子13はヨーク
11の本体11bの内側にマグネットが固着されて構成
されている。
は中空円筒体をした本体11bと、この本体11bと係
合している本体11cと、本体11b,11cにそれぞ
れ配置された軸受装置Sの一部を構成する軸受配置部2
1と、から形成されている。そして固定子13はヨーク
11の本体11bの内側にマグネットが固着されて構成
されている。
【0047】本例の小型モータMにおける回転子14は
シャフト15と一体となった鉄心16に巻線17を巻回
して形成されており、シャフト15の出力軸側には整流
子18が配設され、この整流子18にはスラストワッシ
ャ23と油切りワッシャ26が配設されている。この油
切りワッシャ26によって、摩擦減少材25がモータ内
部に入り込まないようになっている。
シャフト15と一体となった鉄心16に巻線17を巻回
して形成されており、シャフト15の出力軸側には整流
子18が配設され、この整流子18にはスラストワッシ
ャ23と油切りワッシャ26が配設されている。この油
切りワッシャ26によって、摩擦減少材25がモータ内
部に入り込まないようになっている。
【0048】そして鉄心16を挟んで整流子18と反対
側にはスラスト止め19が圧入され、またはその他Cリ
ングを用いる等、周知の構造によって形成されている。
そしてシャフト15は整流子18側と整流子18とは反
対側の2箇所において軸受装置Sによって軸支されてい
る。
側にはスラスト止め19が圧入され、またはその他Cリ
ングを用いる等、周知の構造によって形成されている。
そしてシャフト15は整流子18側と整流子18とは反
対側の2箇所において軸受装置Sによって軸支されてい
る。
【0049】本例における軸受装置Sは前記実施例と同
様に、軸受配置部21と、軸受22と、スラストワッシ
ャ23と、摩擦減少材溜め24と、摩擦減少材25と、
摩擦減少材導入部27と、動圧溝28と、を構成要素と
している。
様に、軸受配置部21と、軸受22と、スラストワッシ
ャ23と、摩擦減少材溜め24と、摩擦減少材25と、
摩擦減少材導入部27と、動圧溝28と、を構成要素と
している。
【0050】そして、摩擦減少材溜め24に収容された
摩擦減少材25(グリス)が、軸受22に形成された摩
擦減少材導入部27(スリット)から、軸受22とシャ
フト15との摺動部へ滲み出し、軸受22とシャフト1
5との間の摩擦による摩耗を防止し、円滑な回転が可能
となり、軸受寿命の向上を図ることができる。
摩擦減少材25(グリス)が、軸受22に形成された摩
擦減少材導入部27(スリット)から、軸受22とシャ
フト15との摺動部へ滲み出し、軸受22とシャフト1
5との間の摩擦による摩耗を防止し、円滑な回転が可能
となり、軸受寿命の向上を図ることができる。
【0051】図10乃至図13は本発明の他の実施例を
示すものであり、図10及び図11は部分断面説明図、
図12及び図13は本例における軸受の製造工程を示す
説明図である。本例において前記実施例と同様部材等に
は同一符号を付してその説明を省略する。
示すものであり、図10及び図11は部分断面説明図、
図12及び図13は本例における軸受の製造工程を示す
説明図である。本例において前記実施例と同様部材等に
は同一符号を付してその説明を省略する。
【0052】本例においては、図10で示すように、上
記実施例における動圧溝28を、シャフト15に平行な
方向に伸ばした大きさで深さは同様の約0.01mmで
ある動圧溝28を設けた。また図11で示すように、軸
受22において、軸受22の周壁(側壁)22dに軸と
平行に深さ約0.01mmの長溝の動圧溝28(開放
溝)を設けた。
記実施例における動圧溝28を、シャフト15に平行な
方向に伸ばした大きさで深さは同様の約0.01mmで
ある動圧溝28を設けた。また図11で示すように、軸
受22において、軸受22の周壁(側壁)22dに軸と
平行に深さ約0.01mmの長溝の動圧溝28(開放
溝)を設けた。
【0053】上記動圧溝28は、比較的粘度の高い摩擦
減少材25(グリス)、例えば基油粘度5000から1
0000csと組合せ使用する。そして、軸受22とシ
ャフト(図示せず)の間に摩擦減少材25(グリス)が
流入すると、軸の回転により、摩擦減少材25(グリ
ス)に流れが発生する。このとき軸受22の内側の周壁
(側壁)22dに設けられた動圧溝28に摩擦減少材2
5(グリス)が入り、シャフトの回転によってこの摩擦
減少材25(グリス)が動圧溝28より流出するとき
に、シャフトの荷重方向に対してシャフトを押し上げる
ような流れに変わり、揚力が発生する。
減少材25(グリス)、例えば基油粘度5000から1
0000csと組合せ使用する。そして、軸受22とシ
ャフト(図示せず)の間に摩擦減少材25(グリス)が
流入すると、軸の回転により、摩擦減少材25(グリ
ス)に流れが発生する。このとき軸受22の内側の周壁
(側壁)22dに設けられた動圧溝28に摩擦減少材2
5(グリス)が入り、シャフトの回転によってこの摩擦
減少材25(グリス)が動圧溝28より流出するとき
に、シャフトの荷重方向に対してシャフトを押し上げる
ような流れに変わり、揚力が発生する。
【0054】これにより、荷重面の油膜は常に保持さ
れ、潤滑状態となる。従ってシャフトと軸受22との間
には常に摩擦減少材25(グリス)が存在することにな
り、金属接触による摩擦においてより高い効果を得るこ
とができる。
れ、潤滑状態となる。従ってシャフトと軸受22との間
には常に摩擦減少材25(グリス)が存在することにな
り、金属接触による摩擦においてより高い効果を得るこ
とができる。
【0055】また、この長溝の動圧溝28を設けること
により、摩擦減少材溜め24からは、シャフト15の回
転による油の油圧分布の偏りにより、摩擦減少材25
(グリス)が軸受22内へ引き込まれ、常に軸受22内
へ摩擦減少材25(グリス)を供給するように働く。
により、摩擦減少材溜め24からは、シャフト15の回
転による油の油圧分布の偏りにより、摩擦減少材25
(グリス)が軸受22内へ引き込まれ、常に軸受22内
へ摩擦減少材25(グリス)を供給するように働く。
【0056】図12及び図13は、図11における本例
の動圧溝(開放溝)28の形成方法を示すものである。
軸受22を構成する第2部材31は円形の金属板であ
り、この金属板の中央にシャフト15を通すための孔の
下穴を設け、その下穴に、0.01mm高さの突起パン
チでバーリング加工することにより、シャフト15を通
すための孔を形成するとともに、開放されている動圧溝
(開放溝)28を形成する。
の動圧溝(開放溝)28の形成方法を示すものである。
軸受22を構成する第2部材31は円形の金属板であ
り、この金属板の中央にシャフト15を通すための孔の
下穴を設け、その下穴に、0.01mm高さの突起パン
チでバーリング加工することにより、シャフト15を通
すための孔を形成するとともに、開放されている動圧溝
(開放溝)28を形成する。
【0057】図14は、軸受装置Sにおける、軸受22
の他の例を示す断面図であり、第1部材11内に位置す
る軸受22の他の形状を示している。図1及び図2で示
す実施例では、軸受22について、片側の面22aが開
口した断面コ字状のドーナツ型をした枠体22bから形
成されている例を示したが、本例では、軸受22は円筒
状からなる周壁(側壁)22dと、該周壁(側壁)22
dから径の外方向へ延出して形成された圧入部22gか
ら形成されている。よって軸受22を軸受配置部11に
圧入する際に、圧入部分が少ないため圧入し易く、その
結果軸受の真円度を保つことができる。
の他の例を示す断面図であり、第1部材11内に位置す
る軸受22の他の形状を示している。図1及び図2で示
す実施例では、軸受22について、片側の面22aが開
口した断面コ字状のドーナツ型をした枠体22bから形
成されている例を示したが、本例では、軸受22は円筒
状からなる周壁(側壁)22dと、該周壁(側壁)22
dから径の外方向へ延出して形成された圧入部22gか
ら形成されている。よって軸受22を軸受配置部11に
圧入する際に、圧入部分が少ないため圧入し易く、その
結果軸受の真円度を保つことができる。
【0058】図15及び図16は、軸受装置Sにおけ
る、軸受22のさらに他の例を示すものであり、図15
は軸受22の斜視図、図16は軸受22の断面図であ
る。本例において前記実施例と同様部材等には同一符号
を付してその説明を省略する。
る、軸受22のさらに他の例を示すものであり、図15
は軸受22の斜視図、図16は軸受22の断面図であ
る。本例において前記実施例と同様部材等には同一符号
を付してその説明を省略する。
【0059】図1及び図2で示す実施例では、軸受22
について、摩擦減少材溜め24に収容された摩擦減少材
25(グリス)が、軸受22に形成された摩擦減少材導
入部27(スリット)から、軸受22とシャフト15と
の摺動部へ滲み出し、軸受22とシャフト15との間の
摩擦による摩耗を防止する例を示した。
について、摩擦減少材溜め24に収容された摩擦減少材
25(グリス)が、軸受22に形成された摩擦減少材導
入部27(スリット)から、軸受22とシャフト15と
の摺動部へ滲み出し、軸受22とシャフト15との間の
摩擦による摩耗を防止する例を示した。
【0060】本実施例における軸受22は、軸受22の
周壁(側壁)22dの高さ(長さ)を低くすることによ
り、中空部22cとシャフト15が直接連通するように
構成し、摩擦減少材25(グリス)が摩擦減少材導入部
としてのスリット27を介さずに、直接シャフト15へ
流出するように形成されている。よって、軸受22にス
リットを形成する必要がなくなり、その結果第2部材を
バーリング加工によって形成するときにスリット27と
しての割れ溝を生じさせる必要がなくなり、軸受22を
構成する材料を自由に選ぶことができる。
周壁(側壁)22dの高さ(長さ)を低くすることによ
り、中空部22cとシャフト15が直接連通するように
構成し、摩擦減少材25(グリス)が摩擦減少材導入部
としてのスリット27を介さずに、直接シャフト15へ
流出するように形成されている。よって、軸受22にス
リットを形成する必要がなくなり、その結果第2部材を
バーリング加工によって形成するときにスリット27と
しての割れ溝を生じさせる必要がなくなり、軸受22を
構成する材料を自由に選ぶことができる。
【0061】図17は本発明における摩擦減少材25の
充填方法を示すものであり、図14は充填方法を示す説
明断面図である。
充填方法を示すものであり、図14は充填方法を示す説
明断面図である。
【0062】シャフト15の挿入部分にまず充填パイプ
41を挿入し、この充填パイプ41の先端部に複数設け
られた充填穴42から、軸受装置10における摩擦減少
材溜め24に摩擦減少材25を充填する。そして、充填
パイプ41を挿入部分から引き出した後、シャフト15
を挿入部分に挿入すれば、パイプ穴42に付着した摩擦
減少材25が軸受22の周壁(側壁)22dのシャフト
15側の内周面22eに塗布される。
41を挿入し、この充填パイプ41の先端部に複数設け
られた充填穴42から、軸受装置10における摩擦減少
材溜め24に摩擦減少材25を充填する。そして、充填
パイプ41を挿入部分から引き出した後、シャフト15
を挿入部分に挿入すれば、パイプ穴42に付着した摩擦
減少材25が軸受22の周壁(側壁)22dのシャフト
15側の内周面22eに塗布される。
【0063】このように充填パイプ41により、摩擦減
少材溜めに摩擦減少材25(グリス)を供給できるとと
もに、シャフト15と軸受22の間に摩擦減少材25
(グリス)を流入させて、シャフト15の回転始動時か
ら、摩擦減少材25(グリス)による摩耗防止の効果を
得ることができる。
少材溜めに摩擦減少材25(グリス)を供給できるとと
もに、シャフト15と軸受22の間に摩擦減少材25
(グリス)を流入させて、シャフト15の回転始動時か
ら、摩擦減少材25(グリス)による摩耗防止の効果を
得ることができる。
【0064】
【発明の効果】以上のように、焼結含油軸受のような特
別な製造工程を必要とすることなく、モータの組立ライ
ンや、それに類する工程で製造可能な軽荷重に好適な軸
受装置により、コストアップなしで軸受部における摩耗
を防ぎ、耐久性を向上させることができる。
別な製造工程を必要とすることなく、モータの組立ライ
ンや、それに類する工程で製造可能な軽荷重に好適な軸
受装置により、コストアップなしで軸受部における摩耗
を防ぎ、耐久性を向上させることができる。
【図1】本発明に係る軸受装置の説明断面図である。
【図2】本発明に係る軸受部分の拡大断面図である。
【図3】本発明に係る軸受の製造工程を示す断面図であ
る。
る。
【図4】本発明に係る軸受の製造工程を示す断面図であ
る。
る。
【図5】本発明に係る軸受の製造工程を示す断面図であ
る。
る。
【図6】本発明に係る軸受の軸と直角方向の端面におけ
る平面図である。
る平面図である。
【図7】本発明に係る軸受装置の説明図である。
【図8】本発明に係る軸受装置の拡大説明図である。
【図9】本発明の他の実施例に係る部分断面説明図であ
る。
る。
【図10】本発明の他の実施例に係る部分断面説明図で
ある。
ある。
【図11】本発明の他の実施例における軸受の製造工程
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図12】本発明の他の実施例における軸受の製造工程
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図13】本発明の他の実施例における軸受の製造工程
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図14】本発明のさらに他の実施例に係る部分説明断
面図である。
面図である。
【図15】本発明のさらに次の他の実施例を示す斜視図
である。
である。
【図16】本発明のさらに次の他の実施例を示す断面図
である。
である。
【図17】本発明の摩擦減少材の充填方法を示す説明断
面図である。
面図である。
【図18】従来例を示す説明断面図である。
11 第1部材 12 面 13 固定子 14 回転子 15 シャフト 16 鉄心 17 巻線 18 整流子 19 スラスト止め 21 軸受形成部 22 軸受 22a 開口 22b 枠体 22c 中空部 22d 周壁(側壁) 23 スラストワッシャ 24 摩擦減少材溜め 25 摩擦減少材 26 油切りワッシャ 27 摩擦減少材導入部 28 動圧溝 29 スラスト動圧溝 31 第2部材 41 充填パイプ 42 パイプ穴 M モータ S 軸受装置
フロントページの続き (72)発明者 石川 祀男 静岡県湖西市梅田390番地 アスモ株式会 社内 (72)発明者 田中 猛 静岡県湖西市梅田390番地 アスモ株式会 社内
Claims (6)
- 【請求項1】 第1部材に第2部材を圧入させることに
より略円環状の軸受を形成し、軸受内部に中空部を設け
た軸受装置において、 前記軸受の周壁の内周部またはシャフトの軸受当接部、
若しくは軸受の周壁の内周部とシャフトの軸受当接部の
両方に動圧溝を形成させ、前記軸受の周壁の内周部と前
記シャフトの軸受当接部との間に、流動的な摩擦減少材
を塗布させるとともに、前記軸受内部に、流動的な摩擦
減少材を充填させたことを特徴とする軸受装置。 - 【請求項2】 第1部材に第2部材を圧入させることに
より略円環状の軸受を形成し、軸受内部に中空部を設け
た軸受装置において、 前記第2部材は円筒状からなる周壁と、該周壁から径の
外方向へ延出して形成された圧入部と、を備え、前記周
壁の端部で前記中空部と連通させるとともに、前記周壁
の内周部またはシャフトの軸受当接部、若しくは周壁の
内周部とシャフトの軸受当接部の両方に動圧溝を形成さ
せ、前記周壁の内周部と前記シャフトの軸受当接部との
間に、流動的な摩擦減少材を塗布させるとともに、前記
軸受内部に、流動的な摩擦減少材を充填させたことを特
徴とする軸受装置。 - 【請求項3】 前記第2部材は円筒状からなる周壁と、
該周壁から径の外方向へ延出して形成された圧入部を有
することを特徴とする請求項1記載の軸受装置。 - 【請求項4】 前記軸受の軸と直角方向の端面または該
端面と当接する当接部材の当接部、若しくは軸受の軸と
直角方向の端面及び該端面と当接する当接部材の当接部
の両方に動圧溝を形成させたことを特徴とする請求項
1,2,3いずれか記載の軸受装置。 - 【請求項5】 前記軸受装置はモータに使用したことを
特徴とする請求項1,2,3いずれか記載の軸受装置。 - 【請求項6】 前記動圧溝はプレス加工によって複数形
成されたことを特徴とする請求項1,2,3いずれか記
載の軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3424696A JPH09215259A (ja) | 1996-01-30 | 1996-01-30 | 軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3424696A JPH09215259A (ja) | 1996-01-30 | 1996-01-30 | 軸受装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09215259A true JPH09215259A (ja) | 1997-08-15 |
Family
ID=12408815
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3424696A Pending JPH09215259A (ja) | 1996-01-30 | 1996-01-30 | 軸受装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09215259A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1553679A1 (en) * | 2002-08-09 | 2005-07-13 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Rotating electrical apparatus |
JP2007205505A (ja) * | 2006-02-03 | 2007-08-16 | Mitsuba Corp | 焼結含油軸受及び回転電機 |
-
1996
- 1996-01-30 JP JP3424696A patent/JPH09215259A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1553679A1 (en) * | 2002-08-09 | 2005-07-13 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Rotating electrical apparatus |
EP1553679A4 (en) * | 2002-08-09 | 2006-05-31 | Yamaha Motor Co Ltd | ELECTRIC ROTATING MACHINE |
CN1328838C (zh) * | 2002-08-09 | 2007-07-25 | 雅马哈发动机株式会社 | 旋转式电动机 |
US7268462B2 (en) | 2002-08-09 | 2007-09-11 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Rotating electrical apparatus |
JP2007205505A (ja) * | 2006-02-03 | 2007-08-16 | Mitsuba Corp | 焼結含油軸受及び回転電機 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040316 |