JPH09206945A - 多電極ガスシールド片面溶接方法 - Google Patents
多電極ガスシールド片面溶接方法Info
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- JPH09206945A JPH09206945A JP8018795A JP1879596A JPH09206945A JP H09206945 A JPH09206945 A JP H09206945A JP 8018795 A JP8018795 A JP 8018795A JP 1879596 A JP1879596 A JP 1879596A JP H09206945 A JPH09206945 A JP H09206945A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 第一電極及び第二電極の消耗電極における構
造の特定を行うことによって、溶接部の耐割れ性と溶接
の効率性の向上を両立させる。 【解決手段】 中実体のソリッドワイヤから成る第一電
極及びフラックス入りワイヤから成る第二電極を含む多
電極を用いてガスシールド片面溶接を行うに際し、第二
電極として、ワイヤ全重量に対する比率でフラックス中
に、Si O2 とTi O2 の合計が2.0%以下、金属フ
ッ化物及びアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸
塩の合計が0.5%以上15%以下、Al,Mg,T
i,Mn,Si の合計が1.0%以上15%以下を含む
ような塩基性フラックス入りワイヤを用いる。
造の特定を行うことによって、溶接部の耐割れ性と溶接
の効率性の向上を両立させる。 【解決手段】 中実体のソリッドワイヤから成る第一電
極及びフラックス入りワイヤから成る第二電極を含む多
電極を用いてガスシールド片面溶接を行うに際し、第二
電極として、ワイヤ全重量に対する比率でフラックス中
に、Si O2 とTi O2 の合計が2.0%以下、金属フ
ッ化物及びアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸
塩の合計が0.5%以上15%以下、Al,Mg,T
i,Mn,Si の合計が1.0%以上15%以下を含む
ような塩基性フラックス入りワイヤを用いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多電極ガスシール
ド溶接方法に関し、特に耐割れ性が問題となる中厚鋼板
に対し好適に使用される多電極ガスシールド片面溶接方
法に関するものである。
ド溶接方法に関し、特に耐割れ性が問題となる中厚鋼板
に対し好適に使用される多電極ガスシールド片面溶接方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】造船、建築、鉄構、鉄骨又は橋梁業界で
は溶接作業の効率化を図るために、1パスで片面溶接で
きるようなガスシールドアーク溶接施工法が採用されて
いる。このような溶接施工法は、溶着量の観点から多電
極溶接ヘッドを用いるのが一般的である。この種の溶接
施工法の先行技術の典型的なものとして、特公昭58− 1
3269号公報及び特開昭63−235077号公報が挙げられる。
前者は直流ガスシールドアーク溶接の高品質化及び高能
率化を目的として、第一電極に細径ワイヤ、第二電極に
太径ワイヤを用い、電極間距離を100mm以上としたも
のである。また、後者は溶接条件等の許容度が広く、か
つ、高品質な溶接法を目的として、第一電極にメタル系
フラックス入りワイヤ、後行する電極の少なくとも最終
極にチタニア系フラックス入りワイヤを用いて、高能率
化をも図ったものである。
は溶接作業の効率化を図るために、1パスで片面溶接で
きるようなガスシールドアーク溶接施工法が採用されて
いる。このような溶接施工法は、溶着量の観点から多電
極溶接ヘッドを用いるのが一般的である。この種の溶接
施工法の先行技術の典型的なものとして、特公昭58− 1
3269号公報及び特開昭63−235077号公報が挙げられる。
前者は直流ガスシールドアーク溶接の高品質化及び高能
率化を目的として、第一電極に細径ワイヤ、第二電極に
太径ワイヤを用い、電極間距離を100mm以上としたも
のである。また、後者は溶接条件等の許容度が広く、か
つ、高品質な溶接法を目的として、第一電極にメタル系
フラックス入りワイヤ、後行する電極の少なくとも最終
極にチタニア系フラックス入りワイヤを用いて、高能率
化をも図ったものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の先
行技術を用いて特に厚さが16mm以上の鋼板(以下、中
厚鋼板という)を1パスで片面溶接した場合、溶接割れ
(高温割れ)が発生し易いという問題があった。ところ
でこの溶接割れは主として板厚中央部−またはそのやや
初層側の部位−(以下、割れ部位と称す)において、凝
固中に溶接長手方向に亀裂が生じるものである。
行技術を用いて特に厚さが16mm以上の鋼板(以下、中
厚鋼板という)を1パスで片面溶接した場合、溶接割れ
(高温割れ)が発生し易いという問題があった。ところ
でこの溶接割れは主として板厚中央部−またはそのやや
初層側の部位−(以下、割れ部位と称す)において、凝
固中に溶接長手方向に亀裂が生じるものである。
【0004】この溶接割れの原因は単一的なものではな
く、溶接金属組織の凝固成長方向、裏ビード形状、溶接
金属中の低融点の非金属介在物等が関与していると考え
られている。これらの要因に影響しているものとして
「割れ部位」での溶接金属中の不純物量(O,N,P,
S量)や、溶接速度、開先条件等の溶接条件等が挙げら
れる。これら要因の中で溶接速度、開先条件について
は、耐割れ性が改善される条件が既に知られており、溶
接速度は小さくした方が割れ難く、開先角度は大きい方
が割れ難いとされている。しかしながら、耐割れ性に優
れている条件は、反面として溶接効率を低下させる条件
でもあるため、このような耐割れ性改善条件は、前記各
業界での製作者側の期待に十分応え得るものではなかっ
た。
く、溶接金属組織の凝固成長方向、裏ビード形状、溶接
金属中の低融点の非金属介在物等が関与していると考え
られている。これらの要因に影響しているものとして
「割れ部位」での溶接金属中の不純物量(O,N,P,
S量)や、溶接速度、開先条件等の溶接条件等が挙げら
れる。これら要因の中で溶接速度、開先条件について
は、耐割れ性が改善される条件が既に知られており、溶
接速度は小さくした方が割れ難く、開先角度は大きい方
が割れ難いとされている。しかしながら、耐割れ性に優
れている条件は、反面として溶接効率を低下させる条件
でもあるため、このような耐割れ性改善条件は、前記各
業界での製作者側の期待に十分応え得るものではなかっ
た。
【0005】一方、「割れ部位」での不純物量に関して
は、耐割れ性に優れている条件というものが、科学的に
明瞭には確立されておらず、特に多電極溶接の場合はこ
れらの諸要因が互いに交錯することから、溶接の効率化
を図りながら耐割れ性も向上させるための決定的な手法
は今までのところ依然として提案されるに至ってないの
が実状である。
は、耐割れ性に優れている条件というものが、科学的に
明瞭には確立されておらず、特に多電極溶接の場合はこ
れらの諸要因が互いに交錯することから、溶接の効率化
を図りながら耐割れ性も向上させるための決定的な手法
は今までのところ依然として提案されるに至ってないの
が実状である。
【0006】本発明は、このような問題点の解消を図る
ために成されたものであり、本発明者等は種々の技術的
な検討を重ねるとともに、様々な試験を繰り返し試みた
結果、多電極ガスシールド片面溶接法における耐割れ性
には、特に割れが発生し易い第一電極及び第二電極での
溶接部の溶接金属中の不純物量が影響し、とりわけ酸素
量を抑制(殊に400 ppm以下)することが溶接部の耐
割れ性向上に有効であることを見出すに至って、ここ
に、第一電極及び第二電極の消耗電極における構造の特
定を行うことによって、溶接部の耐割れ性と溶接の能率
性の向上を両立させることが可能となることを解明し
た。
ために成されたものであり、本発明者等は種々の技術的
な検討を重ねるとともに、様々な試験を繰り返し試みた
結果、多電極ガスシールド片面溶接法における耐割れ性
には、特に割れが発生し易い第一電極及び第二電極での
溶接部の溶接金属中の不純物量が影響し、とりわけ酸素
量を抑制(殊に400 ppm以下)することが溶接部の耐
割れ性向上に有効であることを見出すに至って、ここ
に、第一電極及び第二電極の消耗電極における構造の特
定を行うことによって、溶接部の耐割れ性と溶接の能率
性の向上を両立させることが可能となることを解明し
た。
【0007】従って、本発明の目的は、多電極ガスシー
ルド片面溶接において、溶接金属中の酸素量に代表され
る不純物量を抑制するために第一電極及び第二電極の消
耗電極を規定し、もって溶接部の耐割れ性と溶接の能率
性を両立させる上で高い信頼性を与えることのできる溶
接施工方法を提供することにある。
ルド片面溶接において、溶接金属中の酸素量に代表され
る不純物量を抑制するために第一電極及び第二電極の消
耗電極を規定し、もって溶接部の耐割れ性と溶接の能率
性を両立させる上で高い信頼性を与えることのできる溶
接施工方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため以下に述べる構成としたものである。即
ち、本発明は、第一電極及び第二電極を含む多電極を用
いてガスシールド片面溶接を行うに際し、第一電極に中
実体のソリッドワイヤ、第二電極にフラックス入りワイ
ヤを用い、この第二電極として、ワイヤ全重量に対する
比率でフラックス中に、Si O2 とTi O2 の合計が
2.0%以下、金属フッ化物及びアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属の炭酸塩の合計が0.5%以上15%以
下、Al,Mg,Ti,Mn,Si の合計が1.0%以
上15%以下を含むような塩基性フラックス入りワイヤ
が用いられてなることを特徴とする多電極ガスシールド
片面溶接方法である。
達成するため以下に述べる構成としたものである。即
ち、本発明は、第一電極及び第二電極を含む多電極を用
いてガスシールド片面溶接を行うに際し、第一電極に中
実体のソリッドワイヤ、第二電極にフラックス入りワイ
ヤを用い、この第二電極として、ワイヤ全重量に対する
比率でフラックス中に、Si O2 とTi O2 の合計が
2.0%以下、金属フッ化物及びアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属の炭酸塩の合計が0.5%以上15%以
下、Al,Mg,Ti,Mn,Si の合計が1.0%以
上15%以下を含むような塩基性フラックス入りワイヤ
が用いられてなることを特徴とする多電極ガスシールド
片面溶接方法である。
【0009】本発明はまた、塩基性フラックス入りワイ
ヤからなる上記第二電極において、ワイヤ全重量に対す
る比率でフラックス中のSi O2 とTi O2 の合計が
0.5%以下、金属フッ化物の合計が0.5%以上10
%以下、Al,Mg,Ti,Mn,Si の合計が1.5
%以上であることを特徴とする。
ヤからなる上記第二電極において、ワイヤ全重量に対す
る比率でフラックス中のSi O2 とTi O2 の合計が
0.5%以下、金属フッ化物の合計が0.5%以上10
%以下、Al,Mg,Ti,Mn,Si の合計が1.5
%以上であることを特徴とする。
【0010】本発明はまた、溶接金属中の酸素量が40
0 ppm以下であることを特徴とするものであり、また、
第一電極と第二電極の極間距離が20mm〜300mmに保
持されることを特徴とするものである。また、多電極の
うち少なくとも第一電極のシールドガスにCO2 ガスを
用いることを特徴とする。本発明は更に、溶接速度が1
50mm/min〜350mm/minに保持されることを特徴とす
るものであり、また、溶接対象鋼板の開先角度が40°
以上であること、また、溶接対象鋼板の板厚が16mm以
上であること、また、第一電極のトーチ角度が後退角で
0〜45°であることの各手段を特徴とするものであ
る。
0 ppm以下であることを特徴とするものであり、また、
第一電極と第二電極の極間距離が20mm〜300mmに保
持されることを特徴とするものである。また、多電極の
うち少なくとも第一電極のシールドガスにCO2 ガスを
用いることを特徴とする。本発明は更に、溶接速度が1
50mm/min〜350mm/minに保持されることを特徴とす
るものであり、また、溶接対象鋼板の開先角度が40°
以上であること、また、溶接対象鋼板の板厚が16mm以
上であること、また、第一電極のトーチ角度が後退角で
0〜45°であることの各手段を特徴とするものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について以下
に説明する。 <第一電極にソリッドワイヤを用いること>多電極溶接
において、第一電極にソリッドワイヤを用いるのは、溶
接金属中の酸素量を低く抑える効果の点もあるが、主た
る理由は開先面内での外乱因子に対して強く、かつ、安
定した裏ビードを形成する効果が高いという点にある。
中厚鋼板で溶接作業の効率化を図る場合、一つの手法と
して狭開先化を挙げることができるが、通常は溶着量の
不足を補うため、開先面内に鉄粉などを充填する(以
下、充填材という)。また、鋼板同士の仮付は開先面内
にて行うことが多い。
に説明する。 <第一電極にソリッドワイヤを用いること>多電極溶接
において、第一電極にソリッドワイヤを用いるのは、溶
接金属中の酸素量を低く抑える効果の点もあるが、主た
る理由は開先面内での外乱因子に対して強く、かつ、安
定した裏ビードを形成する効果が高いという点にある。
中厚鋼板で溶接作業の効率化を図る場合、一つの手法と
して狭開先化を挙げることができるが、通常は溶着量の
不足を補うため、開先面内に鉄粉などを充填する(以
下、充填材という)。また、鋼板同士の仮付は開先面内
にて行うことが多い。
【0012】この面内仮付ビードと充填材とでは嵩密度
が違うため、厳密には熱容量も同一ではないと考えられ
る。即ち、各々の溶融に必要な熱エネルギーも当然違っ
てくる。この場合、第一電極にフラックス入り複合ワイ
ヤを用いた場合でも、面内仮付ビード、充填材共に溶融
しながら健全な裏ビードを形成することは可能である
が、そのための開先条件、溶接条件などの許容範囲が狭
い(例えば、狭開先条件(50°V−GAP;0mm)で
は適用困難)。
が違うため、厳密には熱容量も同一ではないと考えられ
る。即ち、各々の溶融に必要な熱エネルギーも当然違っ
てくる。この場合、第一電極にフラックス入り複合ワイ
ヤを用いた場合でも、面内仮付ビード、充填材共に溶融
しながら健全な裏ビードを形成することは可能である
が、そのための開先条件、溶接条件などの許容範囲が狭
い(例えば、狭開先条件(50°V−GAP;0mm)で
は適用困難)。
【0013】しかし、第一電極にソリッドワイヤを用い
ると、フラックス入りワイヤに比べて条件裕度が大きい
ため、上記狭開先条件でも適用可能であることから、溶
接能率の向上に効果的であり、しかもフラックス入りワ
イヤに比べて溶接金属中の酸素量が抑制される。
ると、フラックス入りワイヤに比べて条件裕度が大きい
ため、上記狭開先条件でも適用可能であることから、溶
接能率の向上に効果的であり、しかもフラックス入りワ
イヤに比べて溶接金属中の酸素量が抑制される。
【0014】<第二電極に塩基性フラックス入りワイヤ
を用いること>「割れ部位」での不純物量に関しては、
第一電極と第二電極との極間距離及び第二電極ワイヤの
化学成分が大きく影響を及ぼす。多電極で溶接すると、
第一電極で形成された初層溶接金属の一部は第二電極の
アーク熱によって再溶融するため、第一電極(先行極)
と第二電極(後行極)との極間が短くなるほど、再溶融
する初層溶接金属の量が増える、即ち、第一電極が形成
した溶接金属部に対する第二電極の溶込みは大きくな
る。多電極自動溶接装置の場合、大きさの制限から極間
をあまり大きくとることができない。従って、この第二
電極の溶込みが大きくなり、「割れ部位」での化学成分
は第二電極ワイヤ成分の影響を受けることになる。ここ
で、請求項1に記載の塩基性フラックス入りワイヤを第
二電極に用いると、塩基性フラックスが奏する効果によ
って、「割れ部位」の不純物(特に酸素)が脱除され、
低融点の非金属介在物の量が激減することで耐割れ性が
向上する。以下に塩基性フラックス成分の詳細限定を行
う。
を用いること>「割れ部位」での不純物量に関しては、
第一電極と第二電極との極間距離及び第二電極ワイヤの
化学成分が大きく影響を及ぼす。多電極で溶接すると、
第一電極で形成された初層溶接金属の一部は第二電極の
アーク熱によって再溶融するため、第一電極(先行極)
と第二電極(後行極)との極間が短くなるほど、再溶融
する初層溶接金属の量が増える、即ち、第一電極が形成
した溶接金属部に対する第二電極の溶込みは大きくな
る。多電極自動溶接装置の場合、大きさの制限から極間
をあまり大きくとることができない。従って、この第二
電極の溶込みが大きくなり、「割れ部位」での化学成分
は第二電極ワイヤ成分の影響を受けることになる。ここ
で、請求項1に記載の塩基性フラックス入りワイヤを第
二電極に用いると、塩基性フラックスが奏する効果によ
って、「割れ部位」の不純物(特に酸素)が脱除され、
低融点の非金属介在物の量が激減することで耐割れ性が
向上する。以下に塩基性フラックス成分の詳細限定を行
う。
【0015】(1) Si O2 とTi O2 の合計:ワイヤ全
重量に対する比率で2.0%以下、Si O2 とTi O2
は酸性スラグを形成する酸化物であり、チタニア系フラ
ックスの主成分として用いられることが多く溶接ビード
を美麗にする効果を有するが、これらの酸化物をフラッ
クス中に添加すると溶接金属中の酸素量が多くなるた
め、耐割れ性に悪影響を及ぼす。従って、添加させない
方がよいが、許容し得る限度は2.0%である。なお、
これら酸化物の合計が0.5%以下であればより望まし
い。
重量に対する比率で2.0%以下、Si O2 とTi O2
は酸性スラグを形成する酸化物であり、チタニア系フラ
ックスの主成分として用いられることが多く溶接ビード
を美麗にする効果を有するが、これらの酸化物をフラッ
クス中に添加すると溶接金属中の酸素量が多くなるた
め、耐割れ性に悪影響を及ぼす。従って、添加させない
方がよいが、許容し得る限度は2.0%である。なお、
これら酸化物の合計が0.5%以下であればより望まし
い。
【0016】(2) 金属フッ化物及びアルカリ金属または
アルカリ土類金属の炭酸塩の合計:ワイヤ全重量に対す
る比率で0.5%以上15%以下、金属フッ化物及びア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩はスラグの
塩基度を高めるため溶接金属に対する脱酸能が高い。こ
れらの合計が0.5%を下回ると、溶接金属の脱酸効果
が現れない。従って、金属フッ化物及びアルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属の炭酸塩の合計は0.5%以上と
する。また、これらの合計が15%を超えると、ワイヤ
中に他の物質を添加することが困難となるため、上限を
15%とすることが望ましい。
アルカリ土類金属の炭酸塩の合計:ワイヤ全重量に対す
る比率で0.5%以上15%以下、金属フッ化物及びア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩はスラグの
塩基度を高めるため溶接金属に対する脱酸能が高い。こ
れらの合計が0.5%を下回ると、溶接金属の脱酸効果
が現れない。従って、金属フッ化物及びアルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属の炭酸塩の合計は0.5%以上と
する。また、これらの合計が15%を超えると、ワイヤ
中に他の物質を添加することが困難となるため、上限を
15%とすることが望ましい。
【0017】(3) 金属フッ化物の合計:ワイヤ全重量に
対する比率で0.5%以上10%以下、金属フッ化物
は、溶接金属に対する脱酸能が高いことに加えて溶接ス
ラグに適度な流動性を与えてビードの形状を良好なもの
にする効果をも有する。金属フッ化物には、Ca F2 、
Ba F2 、Sr F2 、Li F、K2 Si F6 などがある
が、これらの合計が0.5%を下回ると、ビード形状を
さらに良好にする効果が認められない。従って、金属フ
ッ化物の合計は0.5%以上とする。また、金属フッ化
物の合計が10%を超えると、ワイヤ中に他の物質を添
加することが困難となるため、上限を10%とすること
が望ましい。
対する比率で0.5%以上10%以下、金属フッ化物
は、溶接金属に対する脱酸能が高いことに加えて溶接ス
ラグに適度な流動性を与えてビードの形状を良好なもの
にする効果をも有する。金属フッ化物には、Ca F2 、
Ba F2 、Sr F2 、Li F、K2 Si F6 などがある
が、これらの合計が0.5%を下回ると、ビード形状を
さらに良好にする効果が認められない。従って、金属フ
ッ化物の合計は0.5%以上とする。また、金属フッ化
物の合計が10%を超えると、ワイヤ中に他の物質を添
加することが困難となるため、上限を10%とすること
が望ましい。
【0018】(4) Al,Mg,Ti,Mn,Si の合
計:ワイヤ全重量に対する比率で1.0%以上15%以
下、Al,Mg,Ti,Mn,Si はそれぞれ脱酸効果
を有する金属である。これらの金属の合計が1.0%を
下回ると溶接金属内の酸素低減効果は現れない。従っ
て、Al,Mg,Ti,Mn,Si の脱酸金属の合計は
1.0%以上とする。また、これら脱酸金属の合計が1
5%を超えると、ワイヤ中に他の物質を添加することが
困難となるため、上限を15%とすることが望ましい。
また、Al,Mg,Ti,Mn,Si の合計が1.5%
以上であればより望ましい。
計:ワイヤ全重量に対する比率で1.0%以上15%以
下、Al,Mg,Ti,Mn,Si はそれぞれ脱酸効果
を有する金属である。これらの金属の合計が1.0%を
下回ると溶接金属内の酸素低減効果は現れない。従っ
て、Al,Mg,Ti,Mn,Si の脱酸金属の合計は
1.0%以上とする。また、これら脱酸金属の合計が1
5%を超えると、ワイヤ中に他の物質を添加することが
困難となるため、上限を15%とすることが望ましい。
また、Al,Mg,Ti,Mn,Si の合計が1.5%
以上であればより望ましい。
【0019】(5) 溶接部の溶接金属中の酸素量:400
ppm以下、溶接部の溶接金属中の酸素量が400 ppmを
超える場合は、不純物が多いことの影響で溶接部の耐割
れ性が劣ることになる。従って、溶接金属中の酸素量は
上限を400 ppmとすることが望ましい。
ppm以下、溶接部の溶接金属中の酸素量が400 ppmを
超える場合は、不純物が多いことの影響で溶接部の耐割
れ性が劣ることになる。従って、溶接金属中の酸素量は
上限を400 ppmとすることが望ましい。
【0020】(6) 第一電極(先行極)と第二電極(後行
極)の極間距離:20mm〜300mm、第一電極と第二電
極の極間距離が20mm未満の場合は、シールドノズルが
相手の電極に干渉するので、単独のシールドノズルを用
いる場合には適用困難である。一方、300mm以上にな
ると、溶接金属部が冷却されることから、第二電極の溶
込みが浅くなり、塩基性フラックス入りワイヤを用いる
効果が現れない。従って、第一電極と第二電極の極間距
離は20mm〜300mmとする。なお、望ましい極間距離
は25mm〜150mmである。
極)の極間距離:20mm〜300mm、第一電極と第二電
極の極間距離が20mm未満の場合は、シールドノズルが
相手の電極に干渉するので、単独のシールドノズルを用
いる場合には適用困難である。一方、300mm以上にな
ると、溶接金属部が冷却されることから、第二電極の溶
込みが浅くなり、塩基性フラックス入りワイヤを用いる
効果が現れない。従って、第一電極と第二電極の極間距
離は20mm〜300mmとする。なお、望ましい極間距離
は25mm〜150mmである。
【0021】(7) 第一電極(先行極)のシールドガスに
CO2 ガスを用いる、第一電極の役割は、充填材や、面
内仮付ビードなどを十分溶融しながら健全な裏ビードを
形成することであるが、シールドガスにAr −CO2 ガ
スを用いると、溶込み深さは確保できるものの、溶込み
の拡がりが小さいため、裏ビード形状が良好に形成され
ない、あるいは開先の融合不良を呈するといった溶接欠
陥が発生する可能性が高まる。従って、第一電極のシー
ルドガスはCO2 を用いることとする。なお、第二電極
以降のシールドガスとしては、作業性の改善の観点から
Ar −CO2 ガス(CO2 ;20〜100%)を用いて
も良い。
CO2 ガスを用いる、第一電極の役割は、充填材や、面
内仮付ビードなどを十分溶融しながら健全な裏ビードを
形成することであるが、シールドガスにAr −CO2 ガ
スを用いると、溶込み深さは確保できるものの、溶込み
の拡がりが小さいため、裏ビード形状が良好に形成され
ない、あるいは開先の融合不良を呈するといった溶接欠
陥が発生する可能性が高まる。従って、第一電極のシー
ルドガスはCO2 を用いることとする。なお、第二電極
以降のシールドガスとしては、作業性の改善の観点から
Ar −CO2 ガス(CO2 ;20〜100%)を用いて
も良い。
【0022】(8) 溶接速度:150mm/min〜350mm/m
in、多電極ガスシールドアーク自動溶接装置を用いて中
厚鋼板を溶接する場合、溶接速度が150mm/min未満の
場合は、溶接金属の先行によって裏ビードが出にくくな
り、良好な裏ビードを形成できない。また、溶接速度が
350mm/minを超えると溶接金属の付着量が少なくなる
ことから、耐割れ性が悪化する。従って、溶接速度は1
50mm/min〜350mm/minとするが、望ましい範囲は2
00mm/min〜300mm/minである。
in、多電極ガスシールドアーク自動溶接装置を用いて中
厚鋼板を溶接する場合、溶接速度が150mm/min未満の
場合は、溶接金属の先行によって裏ビードが出にくくな
り、良好な裏ビードを形成できない。また、溶接速度が
350mm/minを超えると溶接金属の付着量が少なくなる
ことから、耐割れ性が悪化する。従って、溶接速度は1
50mm/min〜350mm/minとするが、望ましい範囲は2
00mm/min〜300mm/minである。
【0023】(9) 鋼板の開先角度:40°以上、鋼板の
開先角度が40°未満の狭開先の場合、充填材及び開先
を溶融して良好な裏ビードを形成することが困難になる
ため、鋼板の開先角度は40°以上とする。なお、望ま
しい開先角度は45°〜50°である。
開先角度が40°未満の狭開先の場合、充填材及び開先
を溶融して良好な裏ビードを形成することが困難になる
ため、鋼板の開先角度は40°以上とする。なお、望ま
しい開先角度は45°〜50°である。
【0024】(10)鋼板の板厚:16mm以上、鋼板の板厚
が16mmより小さい場合は、必要とする溶着量が少ない
ため、多電極溶接を行う必要が特にない。そこで、鋼板
の板厚は16mm以上とする。なお、望ましい板厚範囲
は、16mm〜25mmである。
が16mmより小さい場合は、必要とする溶着量が少ない
ため、多電極溶接を行う必要が特にない。そこで、鋼板
の板厚は16mm以上とする。なお、望ましい板厚範囲
は、16mm〜25mmである。
【0025】(11)第一電極のトーチ角度:後退角で0〜
45° 第一電極は、溶融池の先行を防止し、裏ビードを健全に
形成するために、後退角0〜45°のトーチ角度を持た
せる方がよい。望ましいトーチ角度は後退角30°であ
る。
45° 第一電極は、溶融池の先行を防止し、裏ビードを健全に
形成するために、後退角0〜45°のトーチ角度を持た
せる方がよい。望ましいトーチ角度は後退角30°であ
る。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例に係る多電極ガスシー
ルド溶接について比較例と対比しながら以下に説明す
る。表1に供試材料、表2に溶接試験条件が示され、図
1には試験鋼板の形態及び仮付溶接要領の態様が図示さ
れる。本実施例において、L極と記してあるのは第一電
極、T極(T1 極)とあるのは第二電極をそれぞれ表し
ている。試験条件(表2)の中のT1 極の電源極性は、
逆極性が通常であるが、塩基性フラックス入りワイヤの
場合、一般に正極性の方が作業性の点で優れている場合
もあるので、正極性で使用してもよい。また、溶接装置
の制約により、第一電極・第二電極間長さは25〜15
0mmの範囲で試験を行った。
ルド溶接について比較例と対比しながら以下に説明す
る。表1に供試材料、表2に溶接試験条件が示され、図
1には試験鋼板の形態及び仮付溶接要領の態様が図示さ
れる。本実施例において、L極と記してあるのは第一電
極、T極(T1 極)とあるのは第二電極をそれぞれ表し
ている。試験条件(表2)の中のT1 極の電源極性は、
逆極性が通常であるが、塩基性フラックス入りワイヤの
場合、一般に正極性の方が作業性の点で優れている場合
もあるので、正極性で使用してもよい。また、溶接装置
の制約により、第一電極・第二電極間長さは25〜15
0mmの範囲で試験を行った。
【0027】なお、性能試験における本溶接の熱歪みに
よる供試鋼板の変形を防ぎ、耐割れ性を正確に評価する
ためとして、図1に示すように、厚さ20mm、幅300
mm、長さ600mmの中厚鋼板1の裏面側に4本の拘束板
2を当て合わせ、かつ、各拘束板2の両サイドを仮付溶
接して組み付け、さらに、面内仮付け4が施された開先
3を中厚鋼板1の長手方向中心線に沿って形成してテス
トピースを製作し、このテストピースによって割れ試験
を行った。これらの試験結果を表3及び表4に示す。こ
の表3及び表4において、ワイヤ欄に「S」とあるのは
ソリッドワイヤ(JIS Z3312,YGW11適
合)を表し、また、「F1 〜F7 」は表5及び表6に示
したフラックス成分(重量%)を有するフラックス入り
ワイヤを表している。このフラックス入りワイヤの鋼性
外皮成分は表7に示す通りであり、また、表8には、Te
st No.毎の溶接金属中の不純物化学成分(P,S,N,O量)が
示される。
よる供試鋼板の変形を防ぎ、耐割れ性を正確に評価する
ためとして、図1に示すように、厚さ20mm、幅300
mm、長さ600mmの中厚鋼板1の裏面側に4本の拘束板
2を当て合わせ、かつ、各拘束板2の両サイドを仮付溶
接して組み付け、さらに、面内仮付け4が施された開先
3を中厚鋼板1の長手方向中心線に沿って形成してテス
トピースを製作し、このテストピースによって割れ試験
を行った。これらの試験結果を表3及び表4に示す。こ
の表3及び表4において、ワイヤ欄に「S」とあるのは
ソリッドワイヤ(JIS Z3312,YGW11適
合)を表し、また、「F1 〜F7 」は表5及び表6に示
したフラックス成分(重量%)を有するフラックス入り
ワイヤを表している。このフラックス入りワイヤの鋼性
外皮成分は表7に示す通りであり、また、表8には、Te
st No.毎の溶接金属中の不純物化学成分(P,S,N,O量)が
示される。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】
【表7】
【0035】
【表8】
【0036】前記表3及び表4によれば、Test No.1〜
5は、第一電極(L極)がソリッドワイヤであるため、
裏ビードは良好に形成されているが、第二電極(T極)
もソリッドワイヤのために耐割れ性能が良好ではなかっ
た。
5は、第一電極(L極)がソリッドワイヤであるため、
裏ビードは良好に形成されているが、第二電極(T極)
もソリッドワイヤのために耐割れ性能が良好ではなかっ
た。
【0037】Test No.6〜16は、本発明の実施例であ
り、第一電極にソリッドワイヤ、第二電極に請求項1記
載のフラックス成分を満たすフラックス入りワイヤを用
いているため、極間距離、溶接速度、開先条件などが変
わっても裏ビード、表ビード、耐割れ性能のすべてにつ
いて良好であった。また、溶接金属中の酸素量も400
ppm 以下に低く抑制されていた。
り、第一電極にソリッドワイヤ、第二電極に請求項1記
載のフラックス成分を満たすフラックス入りワイヤを用
いているため、極間距離、溶接速度、開先条件などが変
わっても裏ビード、表ビード、耐割れ性能のすべてにつ
いて良好であった。また、溶接金属中の酸素量も400
ppm 以下に低く抑制されていた。
【0038】Test No.17〜23は、第一電極にソリッ
ドワイヤを用いているが、第二電極に用いているフラッ
クス入りワイヤが請求項1記載のフラックス成分を満足
していないため、耐割れ性が不良であった。
ドワイヤを用いているが、第二電極に用いているフラッ
クス入りワイヤが請求項1記載のフラックス成分を満足
していないため、耐割れ性が不良であった。
【0039】Test No.24〜26は、第一電極にフラッ
クス入りワイヤ、第二電極にソリッドワイヤを用いてい
るため、裏ビード、表ビード、耐割れ性能のすべてにつ
いて良好でなかった。
クス入りワイヤ、第二電極にソリッドワイヤを用いてい
るため、裏ビード、表ビード、耐割れ性能のすべてにつ
いて良好でなかった。
【0040】Test No.27〜30は、第一電極にフラッ
クス入りワイヤ、第二電極に請求項1記載のフラックス
成分を満たすフラックス入りワイヤを用いているため、
耐割れ性能は良好であるが、裏ビード形状が不良であっ
た。
クス入りワイヤ、第二電極に請求項1記載のフラックス
成分を満たすフラックス入りワイヤを用いているため、
耐割れ性能は良好であるが、裏ビード形状が不良であっ
た。
【0041】Test No.31は、裏ビードの出やすい開先
条件(45°V、GAP=5mm)であるため、第一電極
にフラックス入りワイヤを用いても良好な裏ビードが得
られたが、第二電極に用いているフラックス入りワイヤ
が請求項1記載のフラックス成分を満足していないた
め、耐割れ性が不良であった。
条件(45°V、GAP=5mm)であるため、第一電極
にフラックス入りワイヤを用いても良好な裏ビードが得
られたが、第二電極に用いているフラックス入りワイヤ
が請求項1記載のフラックス成分を満足していないた
め、耐割れ性が不良であった。
【0042】Test No.32,33は、第一電極にフラッ
クス入りワイヤ、第二電極に請求項1記載のフラックス
成分を満足していないフラックス入りワイヤを用いてい
るため、裏ビード形状および耐割れ性能が不良であっ
た。
クス入りワイヤ、第二電極に請求項1記載のフラックス
成分を満足していないフラックス入りワイヤを用いてい
るため、裏ビード形状および耐割れ性能が不良であっ
た。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、鋼
板特に中厚鋼板の多電極ガスシールド片面溶接を行うに
際し、耐割れ性の向上を図りながら、同時に溶接速度を
比較的に大きく安定的に保持することが可能であって、
製品の品質を高め、かつ、溶接の能率を向上し得る優れ
た効果を奏する。
板特に中厚鋼板の多電極ガスシールド片面溶接を行うに
際し、耐割れ性の向上を図りながら、同時に溶接速度を
比較的に大きく安定的に保持することが可能であって、
製品の品質を高め、かつ、溶接の能率を向上し得る優れ
た効果を奏する。
【図1】本発明の実施例に係る多電極ガスシールド溶接
試験鋼板の形態及び仮付溶接要領の態様を示し、(A)
は正面図、(B)は右側面図である。
試験鋼板の形態及び仮付溶接要領の態様を示し、(A)
は正面図、(B)は右側面図である。
1…中厚鋼板(供試鋼板) 2…拘束板 3…開先 4…面内仮付け部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 和之 神奈川県藤沢市宮前字裏河内100番1 株 式会社神戸製鋼所藤沢事業所内
Claims (9)
- 【請求項1】 第一電極及び第二電極を含む多電極を用
いてガスシールド片面溶接を行うに際し、第一電極に中
実体のソリッドワイヤ、第二電極にフラックス入りワイ
ヤを用い、この第二電極として、ワイヤ全重量に対する
比率でフラックス中に、Si O2 とTi O2 の合計が
2.0%以下、金属フッ化物及びアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属の炭酸塩の合計が0.5%以上15%以
下、Al,Mg,Ti,Mn,Si の合計が1.0%以
上15%以下を含むような塩基性フラックス入りワイヤ
が用いられてなることを特徴とする多電極ガスシールド
片面溶接方法。 - 【請求項2】 塩基性フラックス入りワイヤからなる第
二電極において、ワイヤ全重量に対する比率でフラック
ス中のSi O2 とTi O2 の合計が0.5%以下、金属
フッ化物の合計が0.5%以上10%以下、Al,M
g,Ti,Mn,Si の合計が1.5%以上である請求
項1記載の多電極ガスシールド片面溶接方法。 - 【請求項3】 溶接金属中の酸素量が400 ppm以下で
ある請求項1または2に記載の多電極ガスシールド片面
溶接方法。 - 【請求項4】 第一電極と第二電極の極間距離が20mm
〜300mmに保持される請求項1乃至請求項3のいずれ
かに記載の多電極ガスシールド片面溶接方法。 - 【請求項5】 多電極のうち少なくとも第一電極のシー
ルドガスにCO2 ガスを用いる請求項1乃至請求項4の
いずれかに記載の多電極ガスシールド片面溶接方法。 - 【請求項6】 溶接速度が150mm/min〜350mm/min
に保持される請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の
多電極ガスシールド片面溶接方法。 - 【請求項7】 溶接対象鋼板の開先角度が40°以上で
ある請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の多電極ガ
スシールド片面溶接方法。 - 【請求項8】 溶接対象鋼板の板厚が16mm以上である
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の多電極ガスシ
ールド片面溶接方法。 - 【請求項9】 第一電極のトーチ角度が後退角で0〜4
5°である請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の多
電極ガスシールド片面溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8018795A JPH09206945A (ja) | 1996-02-05 | 1996-02-05 | 多電極ガスシールド片面溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8018795A JPH09206945A (ja) | 1996-02-05 | 1996-02-05 | 多電極ガスシールド片面溶接方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09206945A true JPH09206945A (ja) | 1997-08-12 |
Family
ID=11981539
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8018795A Withdrawn JPH09206945A (ja) | 1996-02-05 | 1996-02-05 | 多電極ガスシールド片面溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09206945A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1158070A (ja) * | 1997-08-22 | 1999-03-02 | Kobe Steel Ltd | 裏当て材を用いない片面溶接方法 |
JP2003053545A (ja) * | 2001-08-07 | 2003-02-26 | Kobe Steel Ltd | タンデムアーク溶接方法 |
JP2006247695A (ja) * | 2005-03-10 | 2006-09-21 | Komatsu Engineering Corp | タンデムトーチ溶接方法及びトーチ極性切替装置 |
JP2010125496A (ja) * | 2008-11-28 | 2010-06-10 | Jfe Steel Corp | タンデムアーク溶接方法 |
JP2013184212A (ja) * | 2012-03-09 | 2013-09-19 | Kobe Steel Ltd | タンデムガスシールドアーク溶接方法 |
JP2019013980A (ja) * | 2017-07-10 | 2019-01-31 | 株式会社神戸製鋼所 | 多電極ガスシールドアーク片面溶接方法 |
WO2021199815A1 (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-07 | 株式会社神戸製鋼所 | 多電極ガスシールドアーク片面溶接方法及び多電極ガスシールドアーク片面溶接装置 |
-
1996
- 1996-02-05 JP JP8018795A patent/JPH09206945A/ja not_active Withdrawn
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1158070A (ja) * | 1997-08-22 | 1999-03-02 | Kobe Steel Ltd | 裏当て材を用いない片面溶接方法 |
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US9266197B2 (en) | 2012-03-09 | 2016-02-23 | Kobe Steel, Ltd. | Tandem gas-shielded arc welding method |
JP2019013980A (ja) * | 2017-07-10 | 2019-01-31 | 株式会社神戸製鋼所 | 多電極ガスシールドアーク片面溶接方法 |
WO2021199815A1 (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-07 | 株式会社神戸製鋼所 | 多電極ガスシールドアーク片面溶接方法及び多電極ガスシールドアーク片面溶接装置 |
JP2021159959A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 株式会社神戸製鋼所 | 多電極ガスシールドアーク片面溶接方法及び多電極ガスシールドアーク片面溶接装置 |
KR20220126779A (ko) * | 2020-03-31 | 2022-09-16 | 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 | 다전극 가스 실드 아크 편면 용접 방법 및 다전극 가스 실드 아크 편면 용접 장치 |
CN115279528A (zh) * | 2020-03-31 | 2022-11-01 | 株式会社神户制钢所 | 多电极气体保护电弧单面焊方法和多电极气体保护电弧单面焊装置 |
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