JPH09201967A - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents
インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置Info
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- JPH09201967A JPH09201967A JP1228996A JP1228996A JPH09201967A JP H09201967 A JPH09201967 A JP H09201967A JP 1228996 A JP1228996 A JP 1228996A JP 1228996 A JP1228996 A JP 1228996A JP H09201967 A JPH09201967 A JP H09201967A
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- ink
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Abstract
(57)【要約】
【課題】良好な画像記録状態を維持しつつ、予備吐出に
よる廃インク量を減らすことで、ランニングコストの低
減と、ヒータの高寿命化と、消費電力の低減と、画像記
録のスループットの向上を達成することができ、さらに
吐出口のインクぬれによる不吐出や、ノズルのごみ詰ま
り、泡溜り等による異常吐出、インク切れなどによる画
像記録中に生じる突発的な異常吐出による画像劣化を防
止することができるインクジェット記録方法及びインク
ジェット記録装置の提供。 【解決手段】 エネルギー発生素子からインク中にエネ
ルギーを投入することによってインク中に気泡を生成さ
せ、その時に発生する圧力によって記録ヘッドからイン
クを吐出させて、対向する被記録媒体上に記録を行うイ
ンクジェット記録方法において、気泡の生成と消滅時に
発生する音響信号を検出し(S1、S2)、検出された
音響信号からインク粘度を判断し(S3、S4、S5、
S6)、得られたインク粘度に基づいて記録動作を制御
する(S7、S8、S10)。
よる廃インク量を減らすことで、ランニングコストの低
減と、ヒータの高寿命化と、消費電力の低減と、画像記
録のスループットの向上を達成することができ、さらに
吐出口のインクぬれによる不吐出や、ノズルのごみ詰ま
り、泡溜り等による異常吐出、インク切れなどによる画
像記録中に生じる突発的な異常吐出による画像劣化を防
止することができるインクジェット記録方法及びインク
ジェット記録装置の提供。 【解決手段】 エネルギー発生素子からインク中にエネ
ルギーを投入することによってインク中に気泡を生成さ
せ、その時に発生する圧力によって記録ヘッドからイン
クを吐出させて、対向する被記録媒体上に記録を行うイ
ンクジェット記録方法において、気泡の生成と消滅時に
発生する音響信号を検出し(S1、S2)、検出された
音響信号からインク粘度を判断し(S3、S4、S5、
S6)、得られたインク粘度に基づいて記録動作を制御
する(S7、S8、S10)。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録方法及びインクジェット記録装置に係り、特に熱エネ
ルギーを用いてインク吐出を行う技術に関するものであ
る。
録方法及びインクジェット記録装置に係り、特に熱エネ
ルギーを用いてインク吐出を行う技術に関するものであ
る。
【従来の技術】インクジェット記録装置は、印字品位結
果の良好さ、記録動作の速さ、動作時の静粛性などの多
くの利点があるために、主流であったワイヤドットプリ
ンタに代えて近年多く使われるようになってきた、とり
わけ、本願出願人になる、熱エネルギーを用いてインク
を発泡させ、その瞬時に発生した圧力によってインク吐
出を行うバブルジェット方式(以下、BJ方式と呼称す
る)は、高密度のマルチノズルによるオンデマンド記録
が可能であることからインクジェット記録方式の主流と
なっている。しかしながら、このBJ方式には特有の以
下の技術的課題がある。
果の良好さ、記録動作の速さ、動作時の静粛性などの多
くの利点があるために、主流であったワイヤドットプリ
ンタに代えて近年多く使われるようになってきた、とり
わけ、本願出願人になる、熱エネルギーを用いてインク
を発泡させ、その瞬時に発生した圧力によってインク吐
出を行うバブルジェット方式(以下、BJ方式と呼称す
る)は、高密度のマルチノズルによるオンデマンド記録
が可能であることからインクジェット記録方式の主流と
なっている。しかしながら、このBJ方式には特有の以
下の技術的課題がある。
【0002】即ち、第1の技術的課題として、ノズル内
にインクが充填された状態のままで、インクを吐出させ
ない状態が長期間に渡り続くと、インク吐出口を介して
からインク中の揮発成分である水、低分子量のアルコー
ル類等が徐々に蒸発して、ノズル内のインクの粘度が上
昇してしまう。この結果、ノズル内をインクが流れる際
の流路抵抗が増加してしまい、インクを吐出させるため
に熱エネルギーを用いてインク気泡を生成させても、イ
ンクを吐出することが難くなる。
にインクが充填された状態のままで、インクを吐出させ
ない状態が長期間に渡り続くと、インク吐出口を介して
からインク中の揮発成分である水、低分子量のアルコー
ル類等が徐々に蒸発して、ノズル内のインクの粘度が上
昇してしまう。この結果、ノズル内をインクが流れる際
の流路抵抗が増加してしまい、インクを吐出させるため
に熱エネルギーを用いてインク気泡を生成させても、イ
ンクを吐出することが難くなる。
【0003】このことは、インクの吐出速度の低下を招
き、吐出インクの飛翔方向が所定の方向からズレやすく
なり、インク着弾位置が所定の位置からずれてしまった
り、吐出量自体も減少することになり、所定の画像濃度
が得られなくなる虞がある。また、さらに揮発成分の蒸
発が進行すると、ついにはインク中に気泡を生成させて
もインクが吐出しない状態に陥る。
き、吐出インクの飛翔方向が所定の方向からズレやすく
なり、インク着弾位置が所定の位置からずれてしまった
り、吐出量自体も減少することになり、所定の画像濃度
が得られなくなる虞がある。また、さらに揮発成分の蒸
発が進行すると、ついにはインク中に気泡を生成させて
もインクが吐出しない状態に陥る。
【0004】以上をまとめると、 1)非記録状態が長時間続いた後に記録動作を再開しよ
うとしてもインクが増粘しているために正常に吐出しな
い。増粘が極めて進行している時には全く吐出しない。 2)記録動作中において、画像データ如何では長時間に
渡りインクを吐出させない状態となるノズルが一部でき
ることになるが、このようなノズルにおいてもインクが
増粘することになるので、この後に、画像データに従っ
て印字信号が入力されてもインクが正常に吐出しなくな
ることがある。増粘が極めて進行しているときには全く
吐出しなくなる。
うとしてもインクが増粘しているために正常に吐出しな
い。増粘が極めて進行している時には全く吐出しない。 2)記録動作中において、画像データ如何では長時間に
渡りインクを吐出させない状態となるノズルが一部でき
ることになるが、このようなノズルにおいてもインクが
増粘することになるので、この後に、画像データに従っ
て印字信号が入力されてもインクが正常に吐出しなくな
ることがある。増粘が極めて進行しているときには全く
吐出しなくなる。
【0005】これらに対しては、以下の対策が施されて
いる。
いる。
【0006】先ず、1)に対しては、吐出口からのイン
クの揮発成分の蒸発を抑えるべく、非記録動作時にはノ
ズル先端に対してキャップを当接した状態にして、吐出
口からのインクの揮発成分の蒸発を防止している。この
方法により、揮発成分の蒸発速度を遅くするようにし
て、湿度の高い我が国では十分な乾燥防止ができるよう
にしている。しかし、湿度の低い諸外国において、長期
間に渡り使用しない場合では、揮発成分の蒸発が進行し
てインクの粘度が上昇することがあるので、このような
場合には、キャップを介してインクを吸引したり、イン
ク供給系からインクを加圧する等して、ノズル内のイン
クを新鮮なものに置換することで対応している。
クの揮発成分の蒸発を抑えるべく、非記録動作時にはノ
ズル先端に対してキャップを当接した状態にして、吐出
口からのインクの揮発成分の蒸発を防止している。この
方法により、揮発成分の蒸発速度を遅くするようにし
て、湿度の高い我が国では十分な乾燥防止ができるよう
にしている。しかし、湿度の低い諸外国において、長期
間に渡り使用しない場合では、揮発成分の蒸発が進行し
てインクの粘度が上昇することがあるので、このような
場合には、キャップを介してインクを吸引したり、イン
ク供給系からインクを加圧する等して、ノズル内のイン
クを新鮮なものに置換することで対応している。
【0007】しかしながら、上記のようにインクを置換
することは大量のインクを消費するために、これを頻繁
に行うことは好ましくない。そこで、インク中の揮発成
分の蒸発によってインクが吐出しなくならないようにす
るために、所定時間毎に予備的にインクの吐出を行な
い、成分の変化したインクをノズルの外部に排出して、
常にインクを吐出可能な状態に保つ記録方法が行われて
いる(これを対策1aと呼ぶ)。
することは大量のインクを消費するために、これを頻繁
に行うことは好ましくない。そこで、インク中の揮発成
分の蒸発によってインクが吐出しなくならないようにす
るために、所定時間毎に予備的にインクの吐出を行な
い、成分の変化したインクをノズルの外部に排出して、
常にインクを吐出可能な状態に保つ記録方法が行われて
いる(これを対策1aと呼ぶ)。
【0008】この対策1aは、上記のようにインクを置
換する方法に比べて、1回の動作で排出されるインク量
が非常に少ないという利点がある。
換する方法に比べて、1回の動作で排出されるインク量
が非常に少ないという利点がある。
【0009】また、所定時間に達しなくても、記録動作
が再開されるときには、記録動作を開始する直前にも予
備吐出を行い更に記録画像の品位を適正に保つ方法も行
われている(これを対策1a+と呼ぶ)。
が再開されるときには、記録動作を開始する直前にも予
備吐出を行い更に記録画像の品位を適正に保つ方法も行
われている(これを対策1a+と呼ぶ)。
【0010】また、2)に対しては、被記録媒体上を記
録ヘッドが所定回数分スキャンする毎に、記録ヘッドを
非記録領域にまで退避させて、この非記録領域において
インク予備吐出を行うようにして、インク粘度を適正な
状態にした後に、記録動作を再開して適当な画像記録状
態を維持する方法が行われいる。しかし、この方法によ
れば、画像記録のスループットが低下する場合もあるの
で、各ノズルのインク吐出履歴を記憶しておき、所定時
間以上に渡りインクを吐出させていない状態のノズルが
発生した時にのみ、記録ヘッドを非記録領域に退避させ
て、この領域においてインク予備吐出を行い、インク粘
度を適正な状態にした後に、記録動作を再開する方法が
行われてきた(これを対策1bと呼ぶ)。
録ヘッドが所定回数分スキャンする毎に、記録ヘッドを
非記録領域にまで退避させて、この非記録領域において
インク予備吐出を行うようにして、インク粘度を適正な
状態にした後に、記録動作を再開して適当な画像記録状
態を維持する方法が行われいる。しかし、この方法によ
れば、画像記録のスループットが低下する場合もあるの
で、各ノズルのインク吐出履歴を記憶しておき、所定時
間以上に渡りインクを吐出させていない状態のノズルが
発生した時にのみ、記録ヘッドを非記録領域に退避させ
て、この領域においてインク予備吐出を行い、インク粘
度を適正な状態にした後に、記録動作を再開する方法が
行われてきた(これを対策1bと呼ぶ)。
【0011】この対策1bによれば、所定回数スキャン
する毎に、インク予備吐出を行う方法よりも、排インク
の量は節約できることになり、あわせて画像記録のスル
ープットの低下も低減できるようになる。
する毎に、インク予備吐出を行う方法よりも、排インク
の量は節約できることになり、あわせて画像記録のスル
ープットの低下も低減できるようになる。
【0012】第2の技術的課題として、記録動作中にお
いて、以下のような突発的な吐出異常が起こり、そのた
め適正な画像記録が維持できなくなることがある。
いて、以下のような突発的な吐出異常が起こり、そのた
め適正な画像記録が維持できなくなることがある。
【0013】1)吐出口付近がインクで濡れてしまい、
これに吐出されるインクが捉えられてしまいインク不吐
出状態になる。
これに吐出されるインクが捉えられてしまいインク不吐
出状態になる。
【0014】2)泡やゴミ詰まり状態で、または多数ノ
ズルを同時に高デューティで起動したときなどにおい
て、ノズルへのインク供給不足が生じてしまい、ノズル
がインクで完全に充填されない状態のままで気泡を生成
させることになる結果、インク吐出が異常になる。
ズルを同時に高デューティで起動したときなどにおい
て、ノズルへのインク供給不足が生じてしまい、ノズル
がインクで完全に充填されない状態のままで気泡を生成
させることになる結果、インク吐出が異常になる。
【0015】3)記録動作中において、インクが完全に
消費されてエンプティ状態になってしまい画像記録の途
中から記録が不可能となる。
消費されてエンプティ状態になってしまい画像記録の途
中から記録が不可能となる。
【0016】これらの技術的課題に対しては、以下のよ
うな対策が施されている。
うな対策が施されている。
【0017】1)に対しては、記録媒体上を数回スキャ
ンする毎に記録ヘッドの吐出口面を柔軟な部材を用いて
拭きとり、吐出口に付着したインクを除去する(これを
対策2aと呼ぶ)。
ンする毎に記録ヘッドの吐出口面を柔軟な部材を用いて
拭きとり、吐出口に付着したインクを除去する(これを
対策2aと呼ぶ)。
【0018】2)に対しては、記録ヘッドのインク内の
ゴミをフィルターで除去してから供給したり、泡が溜ま
りにくい構造にしたり、高デューティ駆動時にもインク
の供給が間に合うようにするために液室に弾性部材を設
ける(これを対策2bと呼ぶ)。
ゴミをフィルターで除去してから供給したり、泡が溜ま
りにくい構造にしたり、高デューティ駆動時にもインク
の供給が間に合うようにするために液室に弾性部材を設
ける(これを対策2bと呼ぶ)。
【0019】3)インクタンクまたは記録ヘッドにイン
ク残量検出装置を設けておき、これによりインク残量検
出を行い、完全になくなってしまう前に記録を停止し、
ユーザーに警告を出し、インクカートリッジの交換また
はインクカートリッジと一体構造の記録ヘッドを交換す
るように促す(これを対策2cと呼ぶ)。
ク残量検出装置を設けておき、これによりインク残量検
出を行い、完全になくなってしまう前に記録を停止し、
ユーザーに警告を出し、インクカートリッジの交換また
はインクカートリッジと一体構造の記録ヘッドを交換す
るように促す(これを対策2cと呼ぶ)。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上述の各対策により正
常な使用環境下において十分に仕様を満足しているが、
より厳しい仕様を満足させるためには以下の問題点を解
決する必要がある。即ち 1)対策1a,1a+における問題として、所定時間毎
に予備吐出を行い、全てのノズルを確実にインクの吐出
が可能な状態にしておくためには(対策1a)、予備吐
出を行う時間間隔(以下、予備吐間隔)を、インクの吐
出を停止してから蒸発、増粘によってインクが吐出しな
くなるまでの時間(以下、吐出可能待機時間)を最も短
い環境条件に合わせて設定する必要がある。また更に、
各ノズルにおける増粘インクを吐出させる回数もこの条
件下において、ノズル内の増粘インクが十分に排出され
る回数に設定しなければならない。
常な使用環境下において十分に仕様を満足しているが、
より厳しい仕様を満足させるためには以下の問題点を解
決する必要がある。即ち 1)対策1a,1a+における問題として、所定時間毎
に予備吐出を行い、全てのノズルを確実にインクの吐出
が可能な状態にしておくためには(対策1a)、予備吐
出を行う時間間隔(以下、予備吐間隔)を、インクの吐
出を停止してから蒸発、増粘によってインクが吐出しな
くなるまでの時間(以下、吐出可能待機時間)を最も短
い環境条件に合わせて設定する必要がある。また更に、
各ノズルにおける増粘インクを吐出させる回数もこの条
件下において、ノズル内の増粘インクが十分に排出され
る回数に設定しなければならない。
【0021】このようにすると、高湿環境下などインク
中の揮発成分の蒸発が遅い場合は、ノズル内のインク増
粘が余り進行していない場合であっても、インク予備吐
出を行うことになる。このときに、上記の回数でノズル
内のインクを吐出させると増粘していないインクまでで
大量に排出することになる。
中の揮発成分の蒸発が遅い場合は、ノズル内のインク増
粘が余り進行していない場合であっても、インク予備吐
出を行うことになる。このときに、上記の回数でノズル
内のインクを吐出させると増粘していないインクまでで
大量に排出することになる。
【0022】更に、記録動作終了後の1回目の予備吐出
は、記録動作終了前に低デューティでインクを吐出させ
ていたノズル(最も極端には記録動作終了前のある程度
の時間全くインクを吐出させていなかったノズル)吐出
可能待機時間以内で予備吐出を行う必要があるが、この
時、記録動作終了前まで高デューティでインクを吐出し
ていたノズルでは前述の蒸発の遅い環境下での予備吐出
と同様に増粘していないインクが大量に捨てられること
になる。
は、記録動作終了前に低デューティでインクを吐出させ
ていたノズル(最も極端には記録動作終了前のある程度
の時間全くインクを吐出させていなかったノズル)吐出
可能待機時間以内で予備吐出を行う必要があるが、この
時、記録動作終了前まで高デューティでインクを吐出し
ていたノズルでは前述の蒸発の遅い環境下での予備吐出
と同様に増粘していないインクが大量に捨てられること
になる。
【0023】また、記録開始直前に予備吐出を行う際
(対策1a+)にも、予備吐出動作からあまり時間が経
過していないときには、必要以上の回数でインクを吐出
させることになるので、記録動作に入るまでの時間が長
くなる。
(対策1a+)にも、予備吐出動作からあまり時間が経
過していないときには、必要以上の回数でインクを吐出
させることになるので、記録動作に入るまでの時間が長
くなる。
【0024】従って、対策1a+によれば、適正な画像
記録に十分使用可能なインクが記録に使われずに捨てら
れることになるので、ランニングコストが高くなり、ま
た予備吐出動作で気泡を生成させる回数が多くなるので
ヒータ寿命が短くなることもある。また更に、消費電力
が大きくなり、記録動作再開までの時間が長くなり、画
像記録のスループットが低下することもある。
記録に十分使用可能なインクが記録に使われずに捨てら
れることになるので、ランニングコストが高くなり、ま
た予備吐出動作で気泡を生成させる回数が多くなるので
ヒータ寿命が短くなることもある。また更に、消費電力
が大きくなり、記録動作再開までの時間が長くなり、画
像記録のスループットが低下することもある。
【0025】2)対策1bにおける問題点として、各ノ
ズルの吐出履歴を記憶することによって、インクを吐出
させない時間を把握し、これが所定の時間を越えないよ
うに予備吐出を行い、全てのノズルを確実にインクの吐
出が可能な状態にしておくためには、予備吐間隔を、イ
ンクの吐出を停止してから蒸発、増粘によってインクが
吐出しなくなるまでの時間(以下、吐出可能待機時間)
を最も短い環境条件に合わせて設定する必要がある。ま
た更に、各ノズルにおける増粘インクを吐出させる回数
もこの条件下において、ノズル内の増粘インクが十分に
排出される回数に設定しなければならない。
ズルの吐出履歴を記憶することによって、インクを吐出
させない時間を把握し、これが所定の時間を越えないよ
うに予備吐出を行い、全てのノズルを確実にインクの吐
出が可能な状態にしておくためには、予備吐間隔を、イ
ンクの吐出を停止してから蒸発、増粘によってインクが
吐出しなくなるまでの時間(以下、吐出可能待機時間)
を最も短い環境条件に合わせて設定する必要がある。ま
た更に、各ノズルにおける増粘インクを吐出させる回数
もこの条件下において、ノズル内の増粘インクが十分に
排出される回数に設定しなければならない。
【0026】このようにすると、高湿環境下などにおい
てインク中の揮発成分の蒸発が遅い場合は、ノズル内の
インクの増粘があまり進行していないときに予備吐出を
行うことになる。このとき、上記の回数でノズル内のイ
ンクを吐出させると増粘していないインクまで大量に排
出することになる。
てインク中の揮発成分の蒸発が遅い場合は、ノズル内の
インクの増粘があまり進行していないときに予備吐出を
行うことになる。このとき、上記の回数でノズル内のイ
ンクを吐出させると増粘していないインクまで大量に排
出することになる。
【0027】従って、対策1bによれば、適正な画像記
録にとって使用可能なインクが記録に使われずに捨てら
れることになり、ランニングコストが高くなり、予備吐
出動作で気泡を生成させる回数が多くなりヒータ寿命が
短くなり、消費電力が大きくなる場合もある。そして、
記録動作再開までの時間が長くなり画像記録のスループ
ットが低下する場合もある。
録にとって使用可能なインクが記録に使われずに捨てら
れることになり、ランニングコストが高くなり、予備吐
出動作で気泡を生成させる回数が多くなりヒータ寿命が
短くなり、消費電力が大きくなる場合もある。そして、
記録動作再開までの時間が長くなり画像記録のスループ
ットが低下する場合もある。
【0028】3)対策2aにおける問題点としては、 a)画像記録を頻繁に中断し吐出口面のクリーニングを
行うと、画像記録のスループットが低下する。
行うと、画像記録のスループットが低下する。
【0029】b)記録ヘッドの吐出口面を頻繁に部材で
拭きとるようにすると、吐出口面に形成されている破水
材がはがれたり、傷付きなどが発生して、吐出口の形状
が変わり、吐出インクの「よれ」等が起こりやすくなる
場合がある。
拭きとるようにすると、吐出口面に形成されている破水
材がはがれたり、傷付きなどが発生して、吐出口の形状
が変わり、吐出インクの「よれ」等が起こりやすくなる
場合がある。
【0030】c)インクぬれによる突発的な不吐出が起
こる確率を減らすことはできるが原理的に「ゼロ」には
できない。
こる確率を減らすことはできるが原理的に「ゼロ」には
できない。
【0031】d)一旦不吐出が起こり、乱れてしまった
画像は修復できない。
画像は修復できない。
【0032】4)対策2bにおける問題点としては、対
策2bは現象の起こる確率を低くするだけで根本的に起
こらなくしている分けではない。更に、一旦現象が起こ
ってしまうと積極的に解決することもできず、ユーザが
画像を見て、適宜ノズルの回復動作を行う等によって対
処するしかなかった。また、一旦乱れた画像は修復でき
ない。
策2bは現象の起こる確率を低くするだけで根本的に起
こらなくしている分けではない。更に、一旦現象が起こ
ってしまうと積極的に解決することもできず、ユーザが
画像を見て、適宜ノズルの回復動作を行う等によって対
処するしかなかった。また、一旦乱れた画像は修復でき
ない。
【0033】5)対策2cにおける問題点としては、対
策2cによると、まだインクカートリッジまたは記録ヘ
ッドにインクが残っているにもかかわらず、新しいイン
クカートリッジまたは記録ヘッドと交換することにな
り、結局、インクカートリッジに入っていたインクの内
かなりの量のインクが記録に使われずに捨てられるの
で、ランニングコストが高くなる。
策2cによると、まだインクカートリッジまたは記録ヘ
ッドにインクが残っているにもかかわらず、新しいイン
クカートリッジまたは記録ヘッドと交換することにな
り、結局、インクカートリッジに入っていたインクの内
かなりの量のインクが記録に使われずに捨てられるの
で、ランニングコストが高くなる。
【0034】したがって、本発明は上述の各対策におけ
る問題点に鑑みてなされたものであり、良好な画像記録
状態を維持しつつ、予備吐出による廃インク量を減らす
ことで、ランニングコストの低減と、ヒータの高寿命化
と、消費電力の低減と、画像記録のスループットの向上
を達成することができ、さらに吐出口のインクぬれによ
る不吐出や、ノズルのごみ詰まり、泡溜り等による異常
吐出、インク切れなどによる画像記録中に生じる突発的
な異常吐出による画像劣化を防止することができるイン
クジェット記録方法及びインクジェット記録装置の提供
を目的とする。
る問題点に鑑みてなされたものであり、良好な画像記録
状態を維持しつつ、予備吐出による廃インク量を減らす
ことで、ランニングコストの低減と、ヒータの高寿命化
と、消費電力の低減と、画像記録のスループットの向上
を達成することができ、さらに吐出口のインクぬれによ
る不吐出や、ノズルのごみ詰まり、泡溜り等による異常
吐出、インク切れなどによる画像記録中に生じる突発的
な異常吐出による画像劣化を防止することができるイン
クジェット記録方法及びインクジェット記録装置の提供
を目的とする。
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するために本発明によれば、エネルギー発生
素子からインク中にエネルギーを投入することによって
インク中に気泡を生成させ、その時発生する圧力によっ
て記録ヘッドからインクを吐出させ、対向する非記録媒
体に記録を行うインクジェット記録装置において、前記
気泡から発生した音響信号を検出する音響信号検出手段
と、該音響信号検出手段により検出された音響信号から
インクの吐出状態を判断する吐出状態判定装置と、該吐
出状態判定装置によって得られたインクの吐出状態に基
づいて記録動作を制御することによって、予備吐出時ま
たはインク置換時にノズル内の増粘したインクのみを排
出すること及び、記録動作中の突発的な不吐出の発生を
検出し、適宜記録ヘッドを回復した後に吐出異常の生じ
た画素から印字を再開することが可能となる。
目的を達成するために本発明によれば、エネルギー発生
素子からインク中にエネルギーを投入することによって
インク中に気泡を生成させ、その時発生する圧力によっ
て記録ヘッドからインクを吐出させ、対向する非記録媒
体に記録を行うインクジェット記録装置において、前記
気泡から発生した音響信号を検出する音響信号検出手段
と、該音響信号検出手段により検出された音響信号から
インクの吐出状態を判断する吐出状態判定装置と、該吐
出状態判定装置によって得られたインクの吐出状態に基
づいて記録動作を制御することによって、予備吐出時ま
たはインク置換時にノズル内の増粘したインクのみを排
出すること及び、記録動作中の突発的な不吐出の発生を
検出し、適宜記録ヘッドを回復した後に吐出異常の生じ
た画素から印字を再開することが可能となる。
【0035】これによって、良好な画像記録状態を維持
しながら、廃インク量を減らし、ランニングコストの低
減と、吐出ヒータの高寿命化、消費電力の低減、画像記
録のスループットの向上を達成すること、及び、吐出口
のインクぬれによる不吐出や、ノズルのごみ詰まり、泡
溜り等による異常吐出、インク切れなどによる画像記録
中に生じる突発的な異常吐出による画像劣化を防止し常
に適正な画像記録状態を維持することが可能となる。ま
た、それと同時にインクを最後まで使い切ることが可能
となる。
しながら、廃インク量を減らし、ランニングコストの低
減と、吐出ヒータの高寿命化、消費電力の低減、画像記
録のスループットの向上を達成すること、及び、吐出口
のインクぬれによる不吐出や、ノズルのごみ詰まり、泡
溜り等による異常吐出、インク切れなどによる画像記録
中に生じる突発的な異常吐出による画像劣化を防止し常
に適正な画像記録状態を維持することが可能となる。ま
た、それと同時にインクを最後まで使い切ることが可能
となる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態でについ
て、BJ方式のインクジェット記録装置への適用例であ
って、被記録媒体の移送方向に対して垂直方向に記録ヘ
ッドを走査するシリアル記録方式のプリンタについて添
付図を参照して、予備吐出に適用した場合について述べ
る先ず、図1は記録装置全体の概略構成を示した外観斜
視図であり、1Aはイエローの色インクを吐出する記録
ヘッド1Aとマゼンタの色インクを吐出する記録ヘッド
1Bとシアンの色インクを吐出する記録ヘッド1Cとブ
ラックの色インクを吐出する記録ヘッド1Dが並設され
ており、記録ヘッド1A,1B,1C及び1Dは図中の
矢印方向に駆動されるキャリッジ2上に設置されてい
る。また、これらの記録ヘッド1A,1B,1C及び1
Dは、それぞれのインクの供給源となるインク収容部を
一体としており、使い捨てのディスポーザブルタイプと
なっている。
て、BJ方式のインクジェット記録装置への適用例であ
って、被記録媒体の移送方向に対して垂直方向に記録ヘ
ッドを走査するシリアル記録方式のプリンタについて添
付図を参照して、予備吐出に適用した場合について述べ
る先ず、図1は記録装置全体の概略構成を示した外観斜
視図であり、1Aはイエローの色インクを吐出する記録
ヘッド1Aとマゼンタの色インクを吐出する記録ヘッド
1Bとシアンの色インクを吐出する記録ヘッド1Cとブ
ラックの色インクを吐出する記録ヘッド1Dが並設され
ており、記録ヘッド1A,1B,1C及び1Dは図中の
矢印方向に駆動されるキャリッジ2上に設置されてい
る。また、これらの記録ヘッド1A,1B,1C及び1
Dは、それぞれのインクの供給源となるインク収容部を
一体としており、使い捨てのディスポーザブルタイプと
なっている。
【0037】キャリッジ2は不図示の基部に設けられる
ガイドシャフト3により案内されて両矢印方向の左右に
移動されて、その移動位置がエンコーダ4によって常時
検出されるようにして、記録ヘッド1との同期をとるよ
うに構成されている。一方、記録用紙(被記録媒体)5
は、上下に設置された複数の送りローラ6によってガイ
ドされつつ矢印方向に送られて、記録ヘッド1A,1
B,1C及び1Dのインク吐出口形成面(以下、単に吐
出面と呼称する)と対向する位置となるプラテン位置に
おいて、それらの吐出面と平行に向かい合うように保持
される。
ガイドシャフト3により案内されて両矢印方向の左右に
移動されて、その移動位置がエンコーダ4によって常時
検出されるようにして、記録ヘッド1との同期をとるよ
うに構成されている。一方、記録用紙(被記録媒体)5
は、上下に設置された複数の送りローラ6によってガイ
ドされつつ矢印方向に送られて、記録ヘッド1A,1
B,1C及び1Dのインク吐出口形成面(以下、単に吐
出面と呼称する)と対向する位置となるプラテン位置に
おいて、それらの吐出面と平行に向かい合うように保持
される。
【0038】次に、記録ヘッド1A,1B,1C、及び
1Dの構成について、図2の記録ヘッド1の外観斜視図
と、図2の横断面図である図3に従って説明する。これ
らの図においては、上記の複数の記録ヘッド1の内の1
つを代表して説明する。
1Dの構成について、図2の記録ヘッド1の外観斜視図
と、図2の横断面図である図3に従って説明する。これ
らの図においては、上記の複数の記録ヘッド1の内の1
つを代表して説明する。
【0039】図2と図3において、記録ヘッド1は、ヘ
ッドチップ11とインク収容部12とを一体化した構成
となっている。このヘッドチップ11は、Si製の基板
13と硝子製の天板14との接合構造からなり、それら
の接合部における吐出面側には、上下方向(図3におい
ては奥行き方向)に並ぶ複数の吐出口15が形成されて
いる。これらの吐出口15は個々に通じる複数の液路1
6によって1つの共通液室17に連通している。また、
複数の液路16の相互間の壁部は、例えば紫外線硬化樹
脂などによって形成されている。共通液室17は、チュ
ーブ18によってインク収容部12内に連通されてい
る。
ッドチップ11とインク収容部12とを一体化した構成
となっている。このヘッドチップ11は、Si製の基板
13と硝子製の天板14との接合構造からなり、それら
の接合部における吐出面側には、上下方向(図3におい
ては奥行き方向)に並ぶ複数の吐出口15が形成されて
いる。これらの吐出口15は個々に通じる複数の液路1
6によって1つの共通液室17に連通している。また、
複数の液路16の相互間の壁部は、例えば紫外線硬化樹
脂などによって形成されている。共通液室17は、チュ
ーブ18によってインク収容部12内に連通されてい
る。
【0040】また、基板13の上面には、各液路内毎に
位置する複数の吐出エネルギー発生素子としての電気熱
変換素子19と、これらに対して個別に電力を供給する
配線とが成膜技術によって形成されている。
位置する複数の吐出エネルギー発生素子としての電気熱
変換素子19と、これらに対して個別に電力を供給する
配線とが成膜技術によって形成されている。
【0041】さらに、基板13上の共通液室17内の液
路16よりの位置に発熱体20が配設されている。この
発熱体20は、電気熱変換素子19と同様の膜構成から
なり、配線も電気熱変換素子19の場合と同様に成膜技
術によって形成されている。この発熱体20には電気熱
変換素子19に印加されるのと同程度の電力(2〜3
W)が5〜7μsの時間適宜供給され、この通電によっ
て、共通液室17内のインク中に気泡が生成し、音波が
発生する。
路16よりの位置に発熱体20が配設されている。この
発熱体20は、電気熱変換素子19と同様の膜構成から
なり、配線も電気熱変換素子19の場合と同様に成膜技
術によって形成されている。この発熱体20には電気熱
変換素子19に印加されるのと同程度の電力(2〜3
W)が5〜7μsの時間適宜供給され、この通電によっ
て、共通液室17内のインク中に気泡が生成し、音波が
発生する。
【0042】一方、発熱体20の近傍にはPZT、水
晶、ロッシェル塩、ポリッフッ化ビニリデン等の圧電性
高分子等からなる圧電性の電気音響変換器40が、基板
13の下面において接着剤等によって取り付けられてお
り、発熱体20によって生成する気泡から発生する音波
を基板13を介して検出するように構成されている。
晶、ロッシェル塩、ポリッフッ化ビニリデン等の圧電性
高分子等からなる圧電性の電気音響変換器40が、基板
13の下面において接着剤等によって取り付けられてお
り、発熱体20によって生成する気泡から発生する音波
を基板13を介して検出するように構成されている。
【0043】このようにして生じる音波は、個体中を伝
搬する際の減衰が極めて小さいので、個体である基板1
3を介して音波を検出すると、検出される音響信号強度
を非常に大きくとることができるので、音波の検出は極
めて容易になる。
搬する際の減衰が極めて小さいので、個体である基板1
3を介して音波を検出すると、検出される音響信号強度
を非常に大きくとることができるので、音波の検出は極
めて容易になる。
【0044】図4は図2、図3に図示の記録ヘッド1を
接続したブロック図であり、本図において増幅器41が
上記の電気音響変換器40に対して接続されており、電
気音響変換器40からの出力を増幅してコンパレータ4
2に出力する。気泡の生成消滅に伴って発生する音波の
周波数帯域は数100Hz〜数MHZ程度の範囲である
が、エネルギー的には数100kHzの周波数成分が中
心となる。従って、電気音響変換器40の感度及び増幅
器41の周波数帯域は数100Hz程度のオーダーの範
囲にあれば十分な強度で検出できることになる。
接続したブロック図であり、本図において増幅器41が
上記の電気音響変換器40に対して接続されており、電
気音響変換器40からの出力を増幅してコンパレータ4
2に出力する。気泡の生成消滅に伴って発生する音波の
周波数帯域は数100Hz〜数MHZ程度の範囲である
が、エネルギー的には数100kHzの周波数成分が中
心となる。従って、電気音響変換器40の感度及び増幅
器41の周波数帯域は数100Hz程度のオーダーの範
囲にあれば十分な強度で検出できることになる。
【0045】コンパレータ42からの出力は通常アース
電位となっているが、増幅器41からの出力が所定の基
準電圧を越えると一定電圧を吐出状態判定装置45に対
して出力する。この吐出状態判定装置45は、コンパレ
ータ42の出力信号に基づきインク吐出状態を判定し
て、吐出状態が正常でなかったと判定される場合は予備
吐出継続信号を出力する一方、正常になったと判定され
た場合は予備吐出停止信号を出力する。
電位となっているが、増幅器41からの出力が所定の基
準電圧を越えると一定電圧を吐出状態判定装置45に対
して出力する。この吐出状態判定装置45は、コンパレ
ータ42の出力信号に基づきインク吐出状態を判定し
て、吐出状態が正常でなかったと判定される場合は予備
吐出継続信号を出力する一方、正常になったと判定され
た場合は予備吐出停止信号を出力する。
【0046】記録動作制御装置43は記録ヘッド駆動回
路44に接続されており、吐出状態判定装置45からの
信号に応じて、適宜、記録ヘッド1の駆動を制御するよ
うに構成されている。
路44に接続されており、吐出状態判定装置45からの
信号に応じて、適宜、記録ヘッド1の駆動を制御するよ
うに構成されている。
【0047】上記の構成において、各液路16内の電気
熱変換素子19は記録データ等に応じて電力が選択的に
供給されることにより個別に発熱されて、その熱エネル
ギーによって液路16内のインク中において膜沸騰が生
じて、その膜沸騰による気泡の生成に伴ってインクが吐
出口15から吐出されることになる。
熱変換素子19は記録データ等に応じて電力が選択的に
供給されることにより個別に発熱されて、その熱エネル
ギーによって液路16内のインク中において膜沸騰が生
じて、その膜沸騰による気泡の生成に伴ってインクが吐
出口15から吐出されることになる。
【0048】そして、このようにして複数の吐出口15
から選択的にインクを吐出させつつ、キャリッジ2を移
動させることにより、被記録媒体5上にインクの液滴を
付着させて、種々の画像情報を記録する。また、本実施
形態の場合は4つの記録ヘッド1A,1B,1C及び1
Dからのイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの
インクの液滴の順に被記録媒体5上に付着させることに
より、多色のカラー画像を形成できるものである。
から選択的にインクを吐出させつつ、キャリッジ2を移
動させることにより、被記録媒体5上にインクの液滴を
付着させて、種々の画像情報を記録する。また、本実施
形態の場合は4つの記録ヘッド1A,1B,1C及び1
Dからのイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの
インクの液滴の順に被記録媒体5上に付着させることに
より、多色のカラー画像を形成できるものである。
【0049】次に、非記録状態が所定時間以上続くと記
録動作制御装置43は非記録領域において予備吐出動作
を開始する。すなわち、非記録動作状態が所定時間続く
と記録動作制御装置43は記録ヘッド駆動回路44を介
して、電気熱変換素子19に対して電力を供給して、発
熱させることにより液路16内の気泡を生成させる。す
ると生成した気泡の圧力によって液路16内のインクは
吐出口15の外側に吐出し始める。
録動作制御装置43は非記録領域において予備吐出動作
を開始する。すなわち、非記録動作状態が所定時間続く
と記録動作制御装置43は記録ヘッド駆動回路44を介
して、電気熱変換素子19に対して電力を供給して、発
熱させることにより液路16内の気泡を生成させる。す
ると生成した気泡の圧力によって液路16内のインクは
吐出口15の外側に吐出し始める。
【0050】しかしながら、この予備吐出動作のときに
は既にインク中の揮発成分の蒸発が進んでおり、液路1
6内のインクの粘度は異常に高くなっている。そのた
め、インクは非常に低い速度でしか移動できず、気泡の
成長〜消滅までの経過時間はインクが通常粘度の場合に
比べて非常に遅くなる。その結果、気泡が成長してから
消滅するまでの時間が長くなる。
は既にインク中の揮発成分の蒸発が進んでおり、液路1
6内のインクの粘度は異常に高くなっている。そのた
め、インクは非常に低い速度でしか移動できず、気泡の
成長〜消滅までの経過時間はインクが通常粘度の場合に
比べて非常に遅くなる。その結果、気泡が成長してから
消滅するまでの時間が長くなる。
【0051】図5は気泡生成〜消滅に伴って発生した音
響信号の検出結果を示した図表であり、図5(a)のグ
ラフにおいて横軸は時間、縦軸は電気音響変換器40に
よって検出された音響信号を増幅器41で増幅して得ら
れた出力電圧である。また、図5(b)はコンパレータ
の出力電圧Vdetの様子を示した図である。そして図
6は制御フローチャートを示したものである。
響信号の検出結果を示した図表であり、図5(a)のグ
ラフにおいて横軸は時間、縦軸は電気音響変換器40に
よって検出された音響信号を増幅器41で増幅して得ら
れた出力電圧である。また、図5(b)はコンパレータ
の出力電圧Vdetの様子を示した図である。そして図
6は制御フローチャートを示したものである。
【0052】先ず、図5において、図中Pnが気泡生成
に伴って発生した音響信号の検出ピークを示し、Pcが
気泡消滅に伴って発生した音響信号の検出ピークを示し
ている。また、Vthはコンパレータ42におけるスレ
ッシュホールド電圧を示し、コンパレータの出力は通常
アース電位になっているがコンパレータ42においてV
thを越える電圧が増幅器41から入力されるとコンパ
レータは、電圧Vdetを出力して、入力電圧がこれを
下回るとアース電圧に戻るようにしている。この結果、
図5(a)に示されるような信号に対しては、Pn,P
cに対応する2個のパルスが出力されることになる。
に伴って発生した音響信号の検出ピークを示し、Pcが
気泡消滅に伴って発生した音響信号の検出ピークを示し
ている。また、Vthはコンパレータ42におけるスレ
ッシュホールド電圧を示し、コンパレータの出力は通常
アース電位になっているがコンパレータ42においてV
thを越える電圧が増幅器41から入力されるとコンパ
レータは、電圧Vdetを出力して、入力電圧がこれを
下回るとアース電圧に戻るようにしている。この結果、
図5(a)に示されるような信号に対しては、Pn,P
cに対応する2個のパルスが出力されることになる。
【0053】以上の構成において、制御が開示されてプ
リンタが長期間に渡り使用されていない場合とステップ
S1において判断されると、上記の電気熱変換素子19
または発熱体20に対する通電が行われて、気泡の生成
と消滅が行われてインクが吐出される。このときに、電
気音響変換器40によって検出された気泡の生成と消滅
の際の音響信号を増幅器41で増幅して出力電圧を得て
から、増幅器43の出力電圧Vth以上であるかどうか
が判断されて、以下である場合には、インク粘度が正常
であると判断して、正常記録動作に移行する。
リンタが長期間に渡り使用されていない場合とステップ
S1において判断されると、上記の電気熱変換素子19
または発熱体20に対する通電が行われて、気泡の生成
と消滅が行われてインクが吐出される。このときに、電
気音響変換器40によって検出された気泡の生成と消滅
の際の音響信号を増幅器41で増幅して出力電圧を得て
から、増幅器43の出力電圧Vth以上であるかどうか
が判断されて、以下である場合には、インク粘度が正常
であると判断して、正常記録動作に移行する。
【0054】また、電圧Vth以上であると判断される
と、ステップS4に進み、気泡生成に伴って発生した音
響信号の検出ピークPnと気泡消滅に伴って発生した音
響信号の検出ピークPcの検出を行い、ステップS5に
おいてTnc測定回路によって2つのパルスの時間間隔
Tncを測定する、続いて、ステップS6では、測定さ
れたTncをTnc比較回路によって予め測定してある
正常なインク吐出時のTnc(以下、Tnc0)との比
較を行い、インクが増粘すると前述の理由で気泡が生成
してから消滅するまでの時間が長くなるので、Tnc0
<Tncであるかどうかの判定を行い、そうである場合
には、予備吐出を継続して、Tncである場合には、吐
出状態判定装置45は液路内のインク粘度が所定の粘度
より高い状態で吐出が行われると判断して、液路内の増
粘インクを外部に排出する。
と、ステップS4に進み、気泡生成に伴って発生した音
響信号の検出ピークPnと気泡消滅に伴って発生した音
響信号の検出ピークPcの検出を行い、ステップS5に
おいてTnc測定回路によって2つのパルスの時間間隔
Tncを測定する、続いて、ステップS6では、測定さ
れたTncをTnc比較回路によって予め測定してある
正常なインク吐出時のTnc(以下、Tnc0)との比
較を行い、インクが増粘すると前述の理由で気泡が生成
してから消滅するまでの時間が長くなるので、Tnc0
<Tncであるかどうかの判定を行い、そうである場合
には、予備吐出を継続して、Tncである場合には、吐
出状態判定装置45は液路内のインク粘度が所定の粘度
より高い状態で吐出が行われると判断して、液路内の増
粘インクを外部に排出する。
【0055】すなわち、記録動作制御装置43に予備吐
出継続の信号を出力する。記録動作の制御装置43は吐
出状態判定装置45から予備吐出継続信号を受け取ると
再び記録ヘッド駆動回路44を介し、電気熱変換素子1
9に対して電力を供給して、これを発熱させて液路16
内に気泡を生成させる。そして、吐出状態判定装置が再
度Tncを測定しTnc0と比較する。依然としてTn
c0<Tncである場合は吐出状態判定装置は予備吐出
継続信号を出し(ステップS7)、インク吐出、Tnc
測定、TncとTnc0の比較を繰り返し、徐々に液路
内の高粘度インクは外部に排出され、次第に所定の組成
のインクが充填されて、ステップS8において時間間隔
TncはTnc0に近づくとき、液路内がほぼ所定の組
成のインクで充填されたところでTnc0にほぼ等しく
なる。
出継続の信号を出力する。記録動作の制御装置43は吐
出状態判定装置45から予備吐出継続信号を受け取ると
再び記録ヘッド駆動回路44を介し、電気熱変換素子1
9に対して電力を供給して、これを発熱させて液路16
内に気泡を生成させる。そして、吐出状態判定装置が再
度Tncを測定しTnc0と比較する。依然としてTn
c0<Tncである場合は吐出状態判定装置は予備吐出
継続信号を出し(ステップS7)、インク吐出、Tnc
測定、TncとTnc0の比較を繰り返し、徐々に液路
内の高粘度インクは外部に排出され、次第に所定の組成
のインクが充填されて、ステップS8において時間間隔
TncはTnc0に近づくとき、液路内がほぼ所定の組
成のインクで充填されたところでTnc0にほぼ等しく
なる。
【0056】このとき、吐出状態判定装置は予備吐出停
止信号を記録動作制御装置に出力する。記録動作制御装
置は予備吐出停止信号を受け取ると、記録駆動回路を介
し電気熱変換素子に電力を投入することを停止する。
止信号を記録動作制御装置に出力する。記録動作制御装
置は予備吐出停止信号を受け取ると、記録駆動回路を介
し電気熱変換素子に電力を投入することを停止する。
【0057】以上の動作を各液路16について行い、全
ての液路におけるTncがTnc0にほぼ等しくなった
ところで記録動作制御装置は予備吐出動作を終了する。
ての液路におけるTncがTnc0にほぼ等しくなった
ところで記録動作制御装置は予備吐出動作を終了する。
【0058】このようにして、環境変動や液路ごとのイ
ンクの揮発成分の蒸発の程度の違いがある場合でも、確
実に、各液路の増粘したインクのみを吐出することが可
能となる。この結果、良好な画像記録状態を維持しなが
ら、予備吐出による廃インク量を減らし、ランニングコ
ストの低減、ヒータの高寿命化、消費電力の低減を実現
できるようになる。
ンクの揮発成分の蒸発の程度の違いがある場合でも、確
実に、各液路の増粘したインクのみを吐出することが可
能となる。この結果、良好な画像記録状態を維持しなが
ら、予備吐出による廃インク量を減らし、ランニングコ
ストの低減、ヒータの高寿命化、消費電力の低減を実現
できるようになる。
【0059】また、記録開始直前に予備吐出を行う際に
も、上記の予備吐出動作を行えば、記録動作の再開が前
回の予備吐出動作からあまり時間が経過していないとき
であっても、排出すべき増粘インクだけを吐出させ、直
ちに記録動作を開始できるようになる。この結果、記録
動作開始の信号が入力されてから実際に画像記録を開始
するまでの時間を短縮することができ、画像記録のスル
ープットが向上することになる。
も、上記の予備吐出動作を行えば、記録動作の再開が前
回の予備吐出動作からあまり時間が経過していないとき
であっても、排出すべき増粘インクだけを吐出させ、直
ちに記録動作を開始できるようになる。この結果、記録
動作開始の信号が入力されてから実際に画像記録を開始
するまでの時間を短縮することができ、画像記録のスル
ープットが向上することになる。
【0060】更に、上記の対策2でも述べたような記録
動作中に行う予備吐出にも適用でき、画像のスループッ
トを向上させることが可能となる。すなわち、記録動作
中に各ノズルの吐出履歴をメモりし、所定時間異常イン
クを吐出させないノズルが発生したときに記録動作を中
断し被記録領域において予備吐出を行う際に、環境変動
や吐出履歴が異なることによって各ノズルにおいてイン
クの増粘の程度が異なる場合でも、各ノズルにおいて排
出すべき増粘インクのみを吐出することが可能となり、
予備吐出の時間を短縮でき、直ちに記録動作を再開する
ことが可能となる。
動作中に行う予備吐出にも適用でき、画像のスループッ
トを向上させることが可能となる。すなわち、記録動作
中に各ノズルの吐出履歴をメモりし、所定時間異常イン
クを吐出させないノズルが発生したときに記録動作を中
断し被記録領域において予備吐出を行う際に、環境変動
や吐出履歴が異なることによって各ノズルにおいてイン
クの増粘の程度が異なる場合でも、各ノズルにおいて排
出すべき増粘インクのみを吐出することが可能となり、
予備吐出の時間を短縮でき、直ちに記録動作を再開する
ことが可能となる。
【0061】もちろん、上記記録開始直前の予備吐出、
記録動作中の予備吐出いずれの場合においても予備吐出
による廃インク量を減らし、ランニングコストの低減、
ヒータの高寿命化、消費電力の低減が実現されることは
いうまでもない。
記録動作中の予備吐出いずれの場合においても予備吐出
による廃インク量を減らし、ランニングコストの低減、
ヒータの高寿命化、消費電力の低減が実現されることは
いうまでもない。
【0062】次に、図7は吐出状態の正常、異常の判定
を消泡時に発生する音響信号の強度変化によって判定す
る原理を示した図表である。図7(a)は所定の組成の
正常インク中に気泡を生成させインク吐出を行ったとき
に検出された音響信号を示し、図7(b)は増粘したイ
ンクからインク吐出を行ったときに検出された音響信号
である。ともに、横軸は時間、縦軸は電圧で、Pn,P
cはそれぞれ、気泡生成時に発生した音響信号の検出ピ
ーク、消泡時に発生した音響信号の検出ピークである。
を消泡時に発生する音響信号の強度変化によって判定す
る原理を示した図表である。図7(a)は所定の組成の
正常インク中に気泡を生成させインク吐出を行ったとき
に検出された音響信号を示し、図7(b)は増粘したイ
ンクからインク吐出を行ったときに検出された音響信号
である。ともに、横軸は時間、縦軸は電圧で、Pn,P
cはそれぞれ、気泡生成時に発生した音響信号の検出ピ
ーク、消泡時に発生した音響信号の検出ピークである。
【0063】本図おいて、コンパレータにおけるスレッ
シュホールド電圧Vthは、通常はアース電位になって
いるがコンパレータにVthを越える電圧が入力される
とコンパレータは電圧Vdetを吐出状態判定装置45
に出力する一方、入力電圧がこれを下回るとアース電位
に戻る。
シュホールド電圧Vthは、通常はアース電位になって
いるがコンパレータにVthを越える電圧が入力される
とコンパレータは電圧Vdetを吐出状態判定装置45
に出力する一方、入力電圧がこれを下回るとアース電位
に戻る。
【0064】一方、インク粘度が増加すると流路抵抗が
大きくなり、インクの動く速度は低粘度のときより遅く
なる。そのため、消泡速度は遅くなり、消泡時に発生す
る衝撃力が低下する。その結果、消泡時に発生する音響
信号は弱くなり、図7(b)に示されるようにピークP
cは所定の正常なインクにおけるPcより小さい値とな
る。
大きくなり、インクの動く速度は低粘度のときより遅く
なる。そのため、消泡速度は遅くなり、消泡時に発生す
る衝撃力が低下する。その結果、消泡時に発生する音響
信号は弱くなり、図7(b)に示されるようにピークP
cは所定の正常なインクにおけるPcより小さい値とな
る。
【0065】従って、Vthを図7(a)、(b)のよ
うに正常なインクにおけるPcの少し低いレベルに設定
しておくと、インクがほぼ所定の組成で吐出が適正にお
こなわれればVdetが出力され、インクの粘度が高
く、吐出が適正に行われなければ、コンパレータの出力
電圧Vdetが出力されなくなる。そして、吐出状態判
定装置はVdetが入力されれば予備吐出停止信号を出
し、Vdetが入力されなければ予備吐出継続信号を出
力するようにする。したがってこの場合には、上記のよ
うにTncを計算する必要がなくなり、単にPnがVt
hを越えたか否かだけを判断することで吐出状態を判断
できるので制御が簡単で済むという利点がある。
うに正常なインクにおけるPcの少し低いレベルに設定
しておくと、インクがほぼ所定の組成で吐出が適正にお
こなわれればVdetが出力され、インクの粘度が高
く、吐出が適正に行われなければ、コンパレータの出力
電圧Vdetが出力されなくなる。そして、吐出状態判
定装置はVdetが入力されれば予備吐出停止信号を出
し、Vdetが入力されなければ予備吐出継続信号を出
力するようにする。したがってこの場合には、上記のよ
うにTncを計算する必要がなくなり、単にPnがVt
hを越えたか否かだけを判断することで吐出状態を判断
できるので制御が簡単で済むという利点がある。
【0066】また、上記の制御により記録動作中に不吐
出を検出し、不吐出が発生した位置を記憶した上で回復
動作を行い、正常な吐出状態に復帰させた後に、不吐出
を起こした画像データに対応する画素から印字を再開す
るようにもできる。
出を検出し、不吐出が発生した位置を記憶した上で回復
動作を行い、正常な吐出状態に復帰させた後に、不吐出
を起こした画像データに対応する画素から印字を再開す
るようにもできる。
【0067】ノズル内のインクが増粘せず適正な状態で
吐出しているときにでも、吐出口付近がインクでぬれ、
これに吐出インクがトラップされ、不吐出となった場合
には、インクが吐出せずに残るため電気熱変換素子〜吐
出口までのインクが重く、消泡速度が低下するので、気
泡のライフタイムは長くなり、更に消泡時に発生する音
響信号は弱くなる。
吐出しているときにでも、吐出口付近がインクでぬれ、
これに吐出インクがトラップされ、不吐出となった場合
には、インクが吐出せずに残るため電気熱変換素子〜吐
出口までのインクが重く、消泡速度が低下するので、気
泡のライフタイムは長くなり、更に消泡時に発生する音
響信号は弱くなる。
【0068】従って、記録動作中に各ノズルからの気泡
生成〜消滅に伴う音響信号を常時検出しておき、増粘が
進行しない時間間隔でインクを吐出させたにもかかわら
ず、検出されたTncが異常に長くなるか、または、P
cが小さくなった場合は不吐出が発生したと判断するこ
とができる。
生成〜消滅に伴う音響信号を常時検出しておき、増粘が
進行しない時間間隔でインクを吐出させたにもかかわら
ず、検出されたTncが異常に長くなるか、または、P
cが小さくなった場合は不吐出が発生したと判断するこ
とができる。
【0069】このために、図8に示したブロック図にお
いて、吐出状態判定装置45は上記の方法で記録動作中
に常時、各ノズルから正常に吐出が行われたか、不吐出
が発生下かを判断する。そして、正常に吐出が行われた
と判断される場合は記録動作制御装置43に記録動作継
続信号を出力し、不吐出が発生したと判断される場合は
記録動作制御装置43に記録動作停止信号を出力する。
いて、吐出状態判定装置45は上記の方法で記録動作中
に常時、各ノズルから正常に吐出が行われたか、不吐出
が発生下かを判断する。そして、正常に吐出が行われた
と判断される場合は記録動作制御装置43に記録動作継
続信号を出力し、不吐出が発生したと判断される場合は
記録動作制御装置43に記録動作停止信号を出力する。
【0070】一方、記録動作制御装置43は吐出状態判
定装置45から記録動作継続信号を受け取ると、画像メ
モリ46からの画像データに応じて、記録ヘッド駆動回
路を介し記録ヘッド1を駆動する。また、記録動作停止
信号を受け取ると不吐出が発生した画像データ位置を不
吐出検出位置記憶装置47に記憶した上で、記録ヘッド
1を非画像領域にまで退避させて、回復動作を行う。
定装置45から記録動作継続信号を受け取ると、画像メ
モリ46からの画像データに応じて、記録ヘッド駆動回
路を介し記録ヘッド1を駆動する。また、記録動作停止
信号を受け取ると不吐出が発生した画像データ位置を不
吐出検出位置記憶装置47に記憶した上で、記録ヘッド
1を非画像領域にまで退避させて、回復動作を行う。
【0071】具体的には柔軟な部材で記録ヘッドの吐出
口面を拭きとり、吐出口面に付着しているインクを除去
する。その後、前述の方法で予備吐出を行い、前ノズル
において正常なインク吐出が確認された後に、不吐出検
出位置記憶装置47に記憶されている不吐出が発生した
画像データの位置から印字を再開する。
口面を拭きとり、吐出口面に付着しているインクを除去
する。その後、前述の方法で予備吐出を行い、前ノズル
において正常なインク吐出が確認された後に、不吐出検
出位置記憶装置47に記憶されている不吐出が発生した
画像データの位置から印字を再開する。
【0072】このようにして、本発明によれば記録動作
中に突発的に不吐出が発生しても、画像を劣化させるこ
となく適正な画像記録状態を維持することが可能とな
る。
中に突発的に不吐出が発生しても、画像を劣化させるこ
となく適正な画像記録状態を維持することが可能とな
る。
【0073】また、本発明は記録動作中の他の吐出異常
についても検出可能でそれぞれの場合において異常が発
生した場合に適宜適正な対処をすることによって画像を
劣化させることなく適正な画像記録状態を維持すること
が可能となる。
についても検出可能でそれぞれの場合において異常が発
生した場合に適宜適正な対処をすることによって画像を
劣化させることなく適正な画像記録状態を維持すること
が可能となる。
【0074】例えば、記録動作中にインクがなくなって
しまった場合は電気熱変換素子に電力を供給しても気泡
が生成しないため音響信号が発生しない。
しまった場合は電気熱変換素子に電力を供給しても気泡
が生成しないため音響信号が発生しない。
【0075】従って、記録動作中に電力供給をおこなっ
ても音響信号が検出されないとインクがなくなったと判
断でき、その段階で記録動作を中断し、ユーザーに警告
を出すことができる。そして、ユーザがインクを補給さ
せた後、記録動作を再開し、インクが切れて吐出させら
れなかった画像データに対応する画素から印字を開始で
きる。このようにして、本発明によれば、適正な画像記
録状態を維持しながらインクを最後まで使いきることが
可能となる。
ても音響信号が検出されないとインクがなくなったと判
断でき、その段階で記録動作を中断し、ユーザーに警告
を出すことができる。そして、ユーザがインクを補給さ
せた後、記録動作を再開し、インクが切れて吐出させら
れなかった画像データに対応する画素から印字を開始で
きる。このようにして、本発明によれば、適正な画像記
録状態を維持しながらインクを最後まで使いきることが
可能となる。
【0076】ノズル内のインクの粘度が高いときと低い
ときとでは気泡の成長〜消滅の過程が変化するため、異
なった音響信号が発生される。具体的には、ノズル内の
インク粘度が高い場合は流路抵抗が大きいため気泡の成
長〜消滅の過程がゆっくりで、気泡が生成してから消滅
するまでの時間(以下、気泡のライフタイム)は長くな
る。また、消泡過程がゆっくりなため消泡時に発生する
衝撃力は小さくなり、それに伴って発生する音響信号も
小さくなる。
ときとでは気泡の成長〜消滅の過程が変化するため、異
なった音響信号が発生される。具体的には、ノズル内の
インク粘度が高い場合は流路抵抗が大きいため気泡の成
長〜消滅の過程がゆっくりで、気泡が生成してから消滅
するまでの時間(以下、気泡のライフタイム)は長くな
る。また、消泡過程がゆっくりなため消泡時に発生する
衝撃力は小さくなり、それに伴って発生する音響信号も
小さくなる。
【0077】従って、気泡生成に伴って発生した音響信
号を検出してから、気泡消滅に伴って発生した音響信号
を検出するまでの時間(これは気泡のライフタイムに相
当する)変化を測定するか、消泡に伴って発生した音響
信号の強度変化を測定することによって、インクの粘度
変化がわかる。よって、本発明によれば、リアルタイム
にノズル内インクの粘度変化がわかり、増粘インクがま
だ排出途中なのか完全に排出されノズル内のインクが適
正な状態になったかがわかる。その結果、各ノズルにお
いて増粘インクだけを吐出させた時点で予備吐出を停止
することが可能となる。
号を検出してから、気泡消滅に伴って発生した音響信号
を検出するまでの時間(これは気泡のライフタイムに相
当する)変化を測定するか、消泡に伴って発生した音響
信号の強度変化を測定することによって、インクの粘度
変化がわかる。よって、本発明によれば、リアルタイム
にノズル内インクの粘度変化がわかり、増粘インクがま
だ排出途中なのか完全に排出されノズル内のインクが適
正な状態になったかがわかる。その結果、各ノズルにお
いて増粘インクだけを吐出させた時点で予備吐出を停止
することが可能となる。
【0078】また、ノズル内のインクが増粘せず適正な
状態で吐出しているときに以下のような突発的な吐出異
常が起こったときにはやはり、生成した気泡の成長〜消
泡過程が変化し、発生する音響信号も変化する。すなわ
ち、 1)吐出口付近のインクぬれによる不吐出が起きた場合 インクが吐出せずに残るためヒータ〜吐出口までのイン
クが重く、消泡がゆっくりになる。その結果、気泡のラ
イフタイムは長くなり、消泡時に発生する音響信号は弱
くなる。
状態で吐出しているときに以下のような突発的な吐出異
常が起こったときにはやはり、生成した気泡の成長〜消
泡過程が変化し、発生する音響信号も変化する。すなわ
ち、 1)吐出口付近のインクぬれによる不吐出が起きた場合 インクが吐出せずに残るためヒータ〜吐出口までのイン
クが重く、消泡がゆっくりになる。その結果、気泡のラ
イフタイムは長くなり、消泡時に発生する音響信号は弱
くなる。
【0079】2)記録動作中にインク切れが起こった場
合 ヒータにエネルギーを投入しても気泡が生成しなくなる
ので音響信号が全く検出されなくなる。
合 ヒータにエネルギーを投入しても気泡が生成しなくなる
ので音響信号が全く検出されなくなる。
【0080】従って、気泡生成に伴って発生した音響信
号を検出してから、気泡消滅に伴って発生した音響信号
を検出するまでの時間(これは気泡のライフタイムに相
当する)の変化を測定するか、消泡に伴って発生した音
響信号の強度変化を測定することによって、インク吐出
が正常に行われたか否かがわかる。よって、本発明によ
れば、記録動作中でもリアルタイムにインクの吐出異常
を検出することができ、異常が検出された時点で、記録
ヘッドの回復操作を行うことが可能となる。そして、吐
出異常を起こした画像データ位置を検出できるため、記
録ヘッドを適宜回復した後に、適正印字に失敗した画素
を修復することも可能となる。また、画像劣化を起こさ
ずインクを完全に使いきることができるためランニング
コストが大幅に低下する。
号を検出してから、気泡消滅に伴って発生した音響信号
を検出するまでの時間(これは気泡のライフタイムに相
当する)の変化を測定するか、消泡に伴って発生した音
響信号の強度変化を測定することによって、インク吐出
が正常に行われたか否かがわかる。よって、本発明によ
れば、記録動作中でもリアルタイムにインクの吐出異常
を検出することができ、異常が検出された時点で、記録
ヘッドの回復操作を行うことが可能となる。そして、吐
出異常を起こした画像データ位置を検出できるため、記
録ヘッドを適宜回復した後に、適正印字に失敗した画素
を修復することも可能となる。また、画像劣化を起こさ
ずインクを完全に使いきることができるためランニング
コストが大幅に低下する。
【0081】なお、本発明は、特にインクジェット記録
方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用される
エネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば
電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギー
によりインクの状態変化を生起させる方式のプリント装
置について説明したが、かかる方式によれば記録の高密
度化、高精細化が達成できる。
方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用される
エネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば
電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギー
によりインクの状態変化を生起させる方式のプリント装
置について説明したが、かかる方式によれば記録の高密
度化、高精細化が達成できる。
【0082】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0083】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0084】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第
4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれ
るものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、
共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を
開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構
成としても良い。
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第
4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれ
るものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、
共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を
開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構
成としても良い。
【0085】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。
【0086】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0087】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定にでき
るので好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニ
ング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるい
はこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせに
よる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モ
ードを行うことも安定した記録を行うために有効であ
る。
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定にでき
るので好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニ
ング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるい
はこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせに
よる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モ
ードを行うことも安定した記録を行うために有効であ
る。
【0088】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
も良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもで
きる。
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
も良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもで
きる。
【0089】以上説明した本発明実施例においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化する
ものを用いても良く、あるいはインクジェット方式では
インク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度
調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように
温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付
与時にインクが液状をなすものであればよい。
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化する
ものを用いても良く、あるいはインクジェット方式では
インク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度
調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように
温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付
与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0090】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、
またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し
加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれに
しても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイ
ンクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒
体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。この
ような場合インクは、特開昭54−56847号公報あ
るいは特開昭60−71260号公報に記載されるよう
な、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物
として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向す
るような形態としてもよい。本発明においては、上述し
た各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰
方式を実行するものである。
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、
またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し
加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれに
しても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイ
ンクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒
体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。この
ような場合インクは、特開昭54−56847号公報あ
るいは特開昭60−71260号公報に記載されるよう
な、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物
として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向す
るような形態としてもよい。本発明においては、上述し
た各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰
方式を実行するものである。
【0091】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形
態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力
端末として一体または別体に設けられるものの他、リー
ダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有
するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良
い。
態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力
端末として一体または別体に設けられるものの他、リー
ダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有
するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良
い。
【0092】エネルギー発生素子からインク中にエネル
ギーを投入することによってインク中に気泡を生成さ
せ、その時発生する圧力によって記録ヘッドからインク
を吐出させ、対向する被記録媒体に記録を行うインクジ
ェット記録装置において、気泡から発生した音響信号を
検出する音響信号検出手段と、該音響信号検出手段によ
り検出された音響信号からインクの吐出状態を判断する
吐出状態判定装置と、吐出状態判定装置によって得られ
たインクの吐出状態に基づいて記録動作を制御すること
によって、予備吐出時またはインク置換時にノズル内の
増粘下インクのみを排出すること及び記録動作中の突発
的な不吐出の発生を検出し、適宜記録ヘッドを回復した
後に吐出異常の生じた画素から印字を再開することが可
能となる。これによって、良好な画像記録状態を維持し
ながら、廃インク量を減らし、ランニングコストの低減
と、吐出ヒータの高寿命化、消費電力の低減、画像記録
のスループットの向上を達成すること、及び、吐出口の
インクぬれによる不吐出や、ノズルのごみ詰まり、泡溜
り等による異常吐出、インク切れなどによる画像記録中
に生じる突発的な異常吐出による画像劣化を防止し常に
適正な画像記録状態を維持することが可能となる。ま
た、それと同時にインクを最後まで使いきることが可能
となる。
ギーを投入することによってインク中に気泡を生成さ
せ、その時発生する圧力によって記録ヘッドからインク
を吐出させ、対向する被記録媒体に記録を行うインクジ
ェット記録装置において、気泡から発生した音響信号を
検出する音響信号検出手段と、該音響信号検出手段によ
り検出された音響信号からインクの吐出状態を判断する
吐出状態判定装置と、吐出状態判定装置によって得られ
たインクの吐出状態に基づいて記録動作を制御すること
によって、予備吐出時またはインク置換時にノズル内の
増粘下インクのみを排出すること及び記録動作中の突発
的な不吐出の発生を検出し、適宜記録ヘッドを回復した
後に吐出異常の生じた画素から印字を再開することが可
能となる。これによって、良好な画像記録状態を維持し
ながら、廃インク量を減らし、ランニングコストの低減
と、吐出ヒータの高寿命化、消費電力の低減、画像記録
のスループットの向上を達成すること、及び、吐出口の
インクぬれによる不吐出や、ノズルのごみ詰まり、泡溜
り等による異常吐出、インク切れなどによる画像記録中
に生じる突発的な異常吐出による画像劣化を防止し常に
適正な画像記録状態を維持することが可能となる。ま
た、それと同時にインクを最後まで使いきることが可能
となる。
【0093】尚、本発明は、複数の機器から構成される
システムに適用しても、1つの機器から成る装置に適用
しても良い。また、本発明はシステム或は装置にプログ
ラムを供給することによって実施される場合にも適用で
きることはいうまでもない。この場合、本発明に係るプ
ログラムを格納した記憶媒体が、本発明を構成すること
になる。そして、記憶媒体からそのプログラムをシステ
ム或は装置に読み出すことによって、システム或は装置
が予め定められたし方で動作する。
システムに適用しても、1つの機器から成る装置に適用
しても良い。また、本発明はシステム或は装置にプログ
ラムを供給することによって実施される場合にも適用で
きることはいうまでもない。この場合、本発明に係るプ
ログラムを格納した記憶媒体が、本発明を構成すること
になる。そして、記憶媒体からそのプログラムをシステ
ム或は装置に読み出すことによって、システム或は装置
が予め定められたし方で動作する。
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、異
常良好な画像記録状態を維持しつつ、予備吐出による廃
インク量を減らすことで、ランニングコストの低減と、
ヒータの高寿命化と、消費電力の低減と、画像記録のス
ループットの向上を達成することができ、さらに吐出口
のインクぬれによる不吐出や、ノズルのごみ詰まり、泡
溜り等による異常吐出、インク切れなどによる画像記録
中に生じる突発的な異常吐出による画像劣化を防止する
ことができるインクジェット記録方法及びインクジェッ
ト記録装置を提供できる。
常良好な画像記録状態を維持しつつ、予備吐出による廃
インク量を減らすことで、ランニングコストの低減と、
ヒータの高寿命化と、消費電力の低減と、画像記録のス
ループットの向上を達成することができ、さらに吐出口
のインクぬれによる不吐出や、ノズルのごみ詰まり、泡
溜り等による異常吐出、インク切れなどによる画像記録
中に生じる突発的な異常吐出による画像劣化を防止する
ことができるインクジェット記録方法及びインクジェッ
ト記録装置を提供できる。
【0094】
【図1】 インクジェット記録装置の外観斜視図であ
る。
る。
【図2】 記録ヘッドの外観斜視図である。
【図3】 記録ヘッドの横断面図である。
【図4】 インクジェット記録装置のブロック図であ
る。
る。
【図5】 コンパレータからの出力信号図である。
【図6】 制御フローチャートである。
【図7】 増幅器からの出力信号図である。
【図8】 インクジェット記録装置のブロック図であ
る。
る。
1 記録ヘッド 2 キャリッジ 3 ガイドシャフト 4 エンコーダ 40電気音響変換器 41増幅器 42コンパレータ 45吐出状態判定装置 43制御装置 44記録ヘッド駆動回路
Claims (14)
- 【請求項1】 エネルギー発生素子からインク中にエネ
ルギーを投入することによってインク中に気泡を生成さ
せ、その時に発生する圧力によって記録ヘッドからイン
クを吐出させて、対向する被記録媒体上に記録を行うイ
ンクジェット記録方法において、 前記気泡の生成と消滅時に発生する音響信号を検出し、
検出された音響信号からインク粘度を判断し、得られた
インク粘度に基づいて記録動作を制御することを特徴と
するインクジェット記録方法。 - 【請求項2】 気泡が生成及び消滅する際に発生した音
響信号のピーク値Pn、Pcから時刻の時間差Tncを
求め、予め測定された適正粘度インク吐出時の時間差T
nc0を比較することで記録動作を制御することを特徴
とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。 - 【請求項3】 非記録動作時において予備インク吐出を
行う際に、前記時間差Tnc0<Tncの時には吐出を
継続し、時間差Tncと時間差Tnc0とが略等しくな
った時に予備吐出を停止するように制御することを特徴
とする請求項2に記載のインクジェット記録方法。 - 【請求項4】 気泡消滅に伴って発生する音響信号のピ
ーク値Pcと、予め測定された適正粘度インク吐出時の
ピーク値Pc0とを比較して記録動作を制御することを
特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録方法。 - 【請求項5】 記録動作を途中で中断して、記録領域外
でインクを予備吐出させる際に、時間差Tnc0<Tn
cの時には吐出を継続し、時間差Tncと時間差Tnc
0とが略等しくなった時に吐出を停止して、記録動作を
再開するように記録動作を制御することを特徴とする請
求項2に記載のインクジェット記録方法。 - 【請求項6】 記録動作を途中で中断し、記録領域外で
インクを予備吐出させる際に、ピーク値Pc<Pc0の
ときには吐出を継続し、ピーク値Pcとピーク値Pc0
とが略等しくなった時に吐出を停止し、記録動作を再開
するように制御することを特徴とする請求項2に記載の
インクジェット記録方法。 - 【請求項7】 記録動作時において、時間差Tnc0<
Tncとなったときに記録動作を中断するように制御す
ることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記
録方法。 - 【請求項8】 記録動作時にピーク値Pc<Pc0とな
ったときに記録動作を中断するように制御することを特
徴とする請求項2に記載のインクジェット記録方法。 - 【請求項9】 記録動作開始時において電力を投入して
も、気泡生成または消滅に伴う前記音響信号Pn、Pc
が検出されない場合に記録動作を中断するように制御す
ることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記
録方法。 - 【請求項10】 エネルギー発生素子からインク中にエ
ネルギーを投入することによってインク中に気泡を生成
させ、その時に発生する圧力によって記録ヘッドからイ
ンクを吐出させて、対向する被記録媒体上に記録を行う
インクジェット記録装置において、 前記気泡の生成と消滅時に発生する音響信号を検出する
音響信号検出手段と、 該音響信号検出手段により検出された音響信号からイン
ク粘度を判断する吐出状況判定手段と、 該吐出状態判定手段により得られたインク粘度に基づい
て記録動作を制御する制御手段とを具備することを特徴
とするインクジェット記録装置。 - 【請求項11】 前記音響信号検出手段は、電気機械変
換素子またはピエゾ素子からなる圧電素子から構成され
ることを特徴とする請求項10に記載のインクジェット
記録装置。 - 【請求項12】 前記エネルギー発生素子として、前記
音響信号検出手段の近傍に配設されてなり、インクに与
える熱エネルギーを発生するためのる発熱体をさらに備
えることを特徴とする請求項10に記載のインクジェッ
ト記録装置。 - 【請求項13】 前記吐出状態判定手段は、気泡が生成
及び消滅する際に発生した音響信号のピーク値Pn、P
cから前記音響信号検出手段によって検出された時刻の
時間差Tncを求めるTnc測定回路と、 該Tnc測定回路によって検出されたTncと予め測定
された適正粘度インク吐出時のTnc0を比較するTn
c比較回路とから構成されることを特徴とする請求項1
0に記載のインクジェット記録装置。 - 【請求項14】 前記吐出状態判定手段は、気泡消滅に
伴って発生する音響信号のピーク値Pcを、予め測定さ
れた適正粘度インク吐出時のピーク値Pc0と比較する
ためのPc比較回路から構成されることを特徴とする請
求項10に記載のインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1228996A JPH09201967A (ja) | 1996-01-26 | 1996-01-26 | インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1228996A JPH09201967A (ja) | 1996-01-26 | 1996-01-26 | インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09201967A true JPH09201967A (ja) | 1997-08-05 |
Family
ID=11801197
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1228996A Withdrawn JPH09201967A (ja) | 1996-01-26 | 1996-01-26 | インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09201967A (ja) |
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1996
- 1996-01-26 JP JP1228996A patent/JPH09201967A/ja not_active Withdrawn
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