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JPH09194502A - 新規コンドロイチン硫酸プロテオグリカン、そのコア蛋白質、それをコードするdnaおよびそれに対する抗体 - Google Patents

新規コンドロイチン硫酸プロテオグリカン、そのコア蛋白質、それをコードするdnaおよびそれに対する抗体

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Publication number
JPH09194502A
JPH09194502A JP8317060A JP31706096A JPH09194502A JP H09194502 A JPH09194502 A JP H09194502A JP 8317060 A JP8317060 A JP 8317060A JP 31706096 A JP31706096 A JP 31706096A JP H09194502 A JPH09194502 A JP H09194502A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amino acid
acid sequence
protein
proteoglycan
sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8317060A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsuhiko Ohira
敦彦 大平
Eiji Watanabe
栄治 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seikagaku Corp
Original Assignee
Seikagaku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seikagaku Corp filed Critical Seikagaku Corp
Priority to JP8317060A priority Critical patent/JPH09194502A/ja
Publication of JPH09194502A publication Critical patent/JPH09194502A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 脳の新規プロテオグリカン及びこれを単離す
るための抗体の提供。 【解決手段】 配列表配列番号1の1番目のバリンから
514番目のトレオニンまでのアミノ酸配列をもつかあ
るいは配列番号2の31番目のバリンから545番目の
トレオニンまでのアミノ酸配列をもち、コンドロイチン
硫酸を結合した分子量約150kDの脳内に存在するコ
ンドロイチン硫酸プロテオグリカン及びそれをコードす
るDNA。このプロテオグリカンと反応する抗体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なコンドロイ
チン硫酸プロテオグリカン、そのコア蛋白質、それをコ
ードするDNAおよびそれに対する抗体に関する。
【0002】
【従来の技術】プロテオグリカンはグリコサミノグリカ
ンが共有結合的に蛋白質(コア蛋白質)に結合した化合
物の総称である。それらは細胞表面と細胞外空間に局在
し、ケモトロフィック(chemotrophic)因子、細胞接着分
子さらには細胞外マトリックス糖タンパク質(文献1、
2)等に結合することによって体細胞上でさまざまな調
節効果をもつと推定されている。
【0003】また哺乳動物の脳のタンパク質についての
最近の生化学的研究において、脳の発生過程で様々なプ
ロテオグリカンが正確に調節されて発現することが明ら
かにされた(文献3、4)。このようなプロテオグリカ
ンの分子発生学的に調節された発現は神経膠繊維(文献
5)、視覚システム(文献6)、そして大脳皮質のバレ
ル(barrel)システム(文献7−9)のような脳中のいく
つかの複雑な構造形成に関与している。インビトロでの
研究で、同様に神経系プロテオグリカンがたとえば軸索
発生におけるニューロンの形態形成に関与することが示
された。このプロテオグリカンはインビトロでの軸索の
成長におけるポジテイブ(文献10、11)とネガテイ
ブ(文献12−15)の両方の効果に関与する。
【0004】神経系プロテオグリカンの機能について
は、他の体細胞におけるコア蛋白質の一次構造が明らか
にされてきているのでそれに伴って様々なことが明らか
になってきている。そのような研究の進展の成果とし
て、多くのプロテオグリカンのコア蛋白質が似たような
配列モチーフを有しており、いくつかのファミリーにグ
ループ化できることを明らかにされた。ニューロカン(N
eurocan)(文献16)、ブレビカン(brevican)(文献1
7)、バーシカン(versican)(文献18)そしてBEH
AB(文献19)は可溶性コンドロイチン硫酸プロテオ
グリカンファミリーのメンバーである。これらの配列は
ヒアルロン酸結合ドメインのタンデム繰り返し構造を含
んでいる。N−シンデカン(N-syndecan)(文献20)は
多くの似たような膜貫通ドメインと細胞質ドメインを含
むヘパラン硫酸プロテオグリカンであるシンデカンファ
ミリーのメンバーである。さらに最近、コンドロイチン
硫酸プロテオグリカンであるフォスファカン(phosphac
an)/6B4プロテオグリカンが受容体様タンパク質で
あるチロシンフォスファターゼ、RPTPβ/ζ(文献
21、22)の細胞質外性変異体であることが明らかに
された。
【0005】前記したように最近多数のコア蛋白質の一
次構造が報告されてきた。しかしながら、脳においては
多くのプロテオグリカンがまだ未同定のままである。ラ
ット脳の膜結合分画において少なくとも16種類のコア
蛋白質があるが(文献4)、わずかに3種類の膜結合型
プロテオグリカンの完全な一次構造が報告されているの
みである。つまりNG2(文献23)、グリピカン(gl
ypican)(文献24)そしてセレブログリカン(cerebr
oglycan)(文献25)である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】新規のプロテオグリカ
ンを発見し精製、同定することは、脳研究の進展をもた
らし、脳疾患の新規の診断方法の確立、脳疾患の新規の
治療方法および予防方法の開発につながる。とくに本発
明の膜結合型新規プロテオグリカンは神経の軸索発生に
関与しこれらを通じて神経系形態形成に関与していると
推定される。本発明者らは、このような脳の新規なプロ
テオグリカンの探索を行ない、新規なプロテオグリカン
を見出した。従って、本発明の課題は、脳における新規
なプロテオグリカンを発見し、精製そして同定し、これ
を提供することである。さらに、本発明の課題は、この
ような新規プロテオグリカンの発見のためには、ツール
としての脳に特異的な膜結合型プロテオグリカンに対す
る抗体の作成が必要とされており、このような抗体を提
供することにある。またさらに本発明のプロテオグリカ
ン又は蛋白質をコードするDNAを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するために、最初に新規のプロテオグリカンの分離
同定を試みた。次いで分離した新規プロテオグリカンに
対する抗体作成を試み、得られた抗体を利用して前記新
規プロテオグリカンに対するcDNAを得、全遺伝子構
造を解析した後このコンドロイチン硫酸プロテオグリカ
ンが脳に特異的なものであることを確認し、本発明を完
成させるに至った。
【0008】次に、本発明を詳細に説明する。 <1>本発明のコンドロイチン硫酸プロテオグリカンの
抽出と部分精製 以下の方法で新規コンドロイチン硫酸プロテオグリカン
の抽出を行うことができる。哺乳動物(例えばラット
等)の脳をタンパク質分解酵素阻害剤(例えば2mMフ
ェニルメチルスルフォニルフルオライド等)、金属キレ
ート剤(例えば20mM エチレンジアミン四酢酸(E
DTA)等)及び還元剤(例えば10mM N−エチル
マレイミド等)を含む緩衝液(例えばリン酸緩衝食塩水
(PBS)等)でホモジナイザー等を用いてホモジナイ
ズし、ホモジネートは高速遠心等を行い、不溶性物質を
得る(再度ホモジネーションと高速遠心等を繰り返して
もよい)。この不溶性物質をタンパク質分解酵素阻害剤
と界面活性剤(例えばトリトン系界面活性剤(ノニデッ
トP−40(商品名)等)等)を含む緩衝液中でホモジ
ナイズした後、遠心等を行なって上清としてコンドロイ
チン硫酸プロテオグリカン粗画分が得られる。
【0009】このようにして得られたコンドロイチン硫
酸プロテオグリカン粗画分よりコンドロイチン硫酸プロ
テオグリカンの部分精製を行うことができる。すなわち
該粗画分をそのまま又は凍結乾燥等の後、界面活性剤
(例えばトリトン系界面活性剤(ノニデットP−40
(商品名)等)等)、金属キレート剤(例えばEDTA
等)、還元剤(例えばN−エチルマレイミド等)及び蛋
白質分解酵素阻害剤(例えばフェニルメチルスルフォニ
ルフルオライド等)を含む高濃度尿素液(例えば4M尿
素)を含む緩衝液(尿素緩衝液)の適量に分散する。そ
の後同尿素緩衝液で透析する。高速遠心(例えば27,000
g,30分間)後、上清を尿素緩衝液で平衡化した陰イ
オン交換樹脂(例えばDEAEセファセル等)と混合す
る。該陰イオン交換樹脂を常法に従って回収し、カラム
に詰め、尿素緩衝液中で食塩の濃度勾配(例えば 0.1M
から 0.7Mへの直線濃度勾配)によってコンドロイチン
硫酸プロテオグリカンを溶出する。プロテオグリカン画
分(0.45から0.68M NaClの濃度で溶出される画
分)を集め、常法に従って(例えば限外濾過等)、濃縮
する。濃縮試料について次にセファロースCL−4B
(ファルマシア製)等のゲル濾過剤を用いてゲル濾過ク
ロマトグラフを行う。
【0010】コンドロイチン硫酸プロテオグリカン画分
(Kavは0.11から0.65)を集め、常法で濃縮(例えば
限外濾過等)する。プロテオグリカンを酢酸カリウム
(例えば約 1.3%(w/v)を含むエタノール水溶液
(例えば約95%濃度のエタノール)の添加によって溶
液から沈澱させる。沈澱物は氷冷下、酢酸カリウム(例
えば1%(W/V))を含むエタノール水溶液(例えば
約75%エタノール)で洗浄し、減圧乾燥する。乾燥物
を適量のグアニジン塩酸(好ましくは4M)を含む緩衝
液(グアニジン緩衝液)等に溶解し、オクチルセファロ
ース等を用いて疎水クロマトグラフィーを行い、界面活
性剤(例えばトリトン系界面活性剤(ノニデットP−4
0(商品名)等)等)の濃度勾配によって溶出する。コ
ンドロイチン硫酸プロテオグリカン画分(例えばノニデ
ットP−40の場合 0.3%から 0.6%のノニデットP−
40濃度の画分)を集め、上述したようにエタノール等
で沈澱し、乾燥する。こうして得たコンドロイチン硫酸
プロテオグリカンは、グアニジン緩衝液中で塩化セシウ
ム(CsCl)密度勾配遠心法(例えば初期密度1.38g
/ml)によって常法に従い遠心(例えば150,000Xg で
30時間)してさらに精製してもよい。こうして精製さ
れたコンドロイチン硫酸プロテオグリカンを得ることが
できる。こうして得られるコンドロイチン硫酸プロテオ
グリカンはドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動(SDS−PAGE)で還元条件下にお
いて約150キロダルトン(kDa)のバンドを形成す
る。
【0011】また本発明により、本発明のコンドロイチ
ン硫酸プロテオグリカンのコア蛋白質のアミノ酸配列が
明らかにされたので、アミノ酸からコア蛋白質を合成
し、当該コア蛋白質に糖鎖を共有結合させることによっ
ても本発明のコンドロイチン硫酸プロテオグリカンを得
ることができる。また本発明により、本発明のコンドロ
イチン硫酸プロテオグリカンのコア蛋白質をコードする
DNAの塩基配列が明らかにされたので、このDNAか
ら当該コア蛋白質を発現させ、発現させて得られるコア
蛋白質に糖鎖を共有結合させることによっても本発明の
コンドロイチン硫酸プロテオグリカンを得ることができ
る。
【0012】<2>コア蛋白質の精製 次にコア蛋白質は、部分的に前田ら(文献22)によっ
て記述されたプロテオグリカン型蛋白質であるチロシン
ホスファターゼの部分精製のために使われた方法に従っ
て精製することができる。すなわち、哺乳動物全脳から
調製した核除去分画を1%CHAPS等で可溶化する。
可溶化したものはDEAE−樹脂(例えばDEAEトヨ
パール)等の陰イオン交換樹脂のカラムに負荷し常法に
よって、高濃度食塩(例えば約 0.6M)溶液等で溶出す
る。続いてCsCl密度勾配遠心にて分画する。得られ
た分画をコンドロイチナーゼABCで消化し、SDS−
PAGE(例えば6%ポリアクリルアミド等)等によっ
て分離しコア蛋白質を得ることができる。こうして得ら
れたコア蛋白質は還元条件下のSDS−PAGE法で1
20kDaのバンドを形成する。またこのコア蛋白質は
ウエスタンブロットを用いて、後述の新規のコンドロイ
チン硫酸プロテオグリカンを認識するモノクローナル抗
体によって認識される。また本発明により、本発明のコ
ンドロイチン硫酸プロテオグリカンのコア蛋白質のアミ
ノ酸配列が明らかにされたので、アミノ酸からコア蛋白
質を合成することもできる。また本発明により、本発明
のコンドロイチン硫酸プロテオグリカンのコア蛋白質を
コードするDNAの塩基配列が明らかにされたので、こ
のDNAから当該コア蛋白質を発現させ、コア蛋白質を
得ることもできる。
【0013】<3>本発明の抗体の製造 本発明の抗体は、本発明のプロテオグリカンおよび本発
明の蛋白質の両者あるいはどちらか一方と結合する抗体
であり、ポリクローナル、モノクローナルのいずれでも
よい。本発明の抗体は、上記のようにして製造された本
発明のプロテオグリカンもしくはそのコア蛋白質または
これらと他の蛋白質との融合蛋白質を抗原として、常法
に従って例えば以下のように作製することが可能であ
る。ポリクローナルな本発明の抗体は、例えばマウス、
ラット、モルモット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ等の被免疫
動物を上記抗原で免疫し、これらの動物から血清を採取
することによって得ることができる。被免疫動物を免疫
する際に、補助剤(アジュバント)を併用することは、
抗体産生細胞を賦活するので望ましい。得られた抗血清
から、常法によってイムノグロブリン分画を精製しても
よい。
【0014】モノクローナルな本発明の抗体は、例えば
次のようにして得られる。すなわち、上記抗原をマウ
ス、ラット、モルモット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ等の被
免疫動物の腹腔内、皮下、足蹠(footpad)に投与した後
に脾臓又は膝窩リンパ節を摘出し、これらから採取した
細胞と腫瘍細胞株であるミエローマ細胞とを細胞融合さ
せてハイブリドーマを樹立し、得られたハイブリドーマ
を連続増殖させ、さらに得られたハイブリドーマからの
本発明のプロテオグリカンまたは本発明の蛋白質に対す
る特異抗体を継続的に産生する細胞株を選別する。こう
して選別された株を好適な培地で培養することによっ
て、培地中にモノクローナルな本発明の抗体が得られ
る。あるいは、マウスの腹腔などの生体内にて前記ハイ
ブリドーマを培養することによって、モノクローナルな
本発明の抗体を大量に製造することができる。細胞融合
に用いる細胞としては、脾細胞以外にリンパ節細胞およ
び末梢血中のリンパ細胞等を用いることができる。ま
た、ミエローマ細胞株は、異種細胞種由来のものに比べ
同種細胞種由来のものが望ましく、安定な抗体産生ハイ
ブリドーマを得ることができる。
【0015】得られたポリクローナル抗体およびモノク
ローナル抗体の精製法としては、硫酸ナトリウム、硫酸
アンモニウム等による塩析、低温アルコール沈殿および
ポリエチレングリコールまたは等電点による選択的沈殿
分別法、電気泳動法、DEAE(ジエチルアミノエチ
ル)−誘導体、CM(カルボキシメチル)−誘導体等の
イオン交換体を用いたイオン交換クロマトグラフィー、
プロテインAまたはプロテインGを用いたアフィニティ
ークロマトグラフィー、ハイドロキシアパタイトクロマ
トグラフィー、抗原を固定化した免疫吸着クロマトグラ
フィー、ゲル濾過法および超遠心法等を挙げることがで
きる。なお本発明の抗体を、抗原結合部位(Fab)を
分解しないプロテアーゼ(例えばプラスミン、ペプシ
ン、パパイン等)で処理して得られるFabを含むフラ
グメントとしても良い。また本発明の抗体をコードする
遺伝子の塩基配列もしくは抗体のアミノ酸配列が決定さ
れれば、遺伝子工学的に本発明の抗体のFabを含むフ
ラグメントやキメラ抗体(例えば本発明の抗体のFab
部分を含むキメラ抗体等)を作製することができ、この
ようなフラグメントやキメラ抗体も、本発明の抗体に包
含される。
【0016】本発明の抗体の製造方法の一例を以下に述
べるが、これに限定されるものではない。本発明のコン
ドロイチン硫酸プロテオグリカンを、例えば2週間間隔
で完全および不完全フロイントアジュバントとともマウ
スの腹腔に投与する。4回目にブースターとして投与し
た後、マウスを屠殺し脾臓細胞はポリエチレングリコー
ルを用いてミエローマ細胞と融合する。培地中で選択し
たハイブリドーマを培養後、該ハイブリドーマを培養上
清を用いて本発明のコンドロイチン硫酸プロテオグリカ
ンと反応する抗体の有無でウエスタンブロッテイングに
よってスクリーニングする。陽性ハイブリドーマは限界
希釈法によってクローン化する。確立したハイブリドー
マ細胞株はウエスタンブロットでコンドロイチン硫酸プ
ロテオグリカン(分子量約150kDa)又はコア蛋白
質(約120kDa)と反応する抗体を製造した。
【0017】抗体生産はしかしながら他の方法によって
も製造することができる。つまり抗体はコア蛋白質が配
列表配列番号1に示す1番目のバリン(Val)から5
14番目のトレオニン(Thr)までのアミノ酸と相同
性を有するアミノ酸配列で示されるプロテオグリカン、
配列表配列番号1に示される252番目のリジン(Ly
s)から398番目のシステイン(Cys)までのアミ
ノ酸配列もしくはそれと相同性を有するアミノ酸配列を
含み、糖鎖を有していても良い蛋白質またはそれらのペ
プチドフラグメントをヒト以外の哺乳動物に免疫し、該
動物の体液から採取することができ、または該動物の抗
体産生細胞によって産生され、該プロテオグリカンおよ
び該蛋白質の両者あるいはどちらか一方と反応する抗体
であって、そのような抗体の製造方法であれば抗体生産
の方法として用いることができる。なお、得られた抗体
によって認識される蛋白質もしくはそのフラグメントは
脳に局在している。上記の方法で得られた抗体は、さら
に公知の方法で精製してもよい。
【0018】<4>cDNAライブラリーとコンドロイ
チン硫酸プロテオグリカンに対するcDNAクローンの
分離 哺乳動物の全脳から得られるポリ(A)+ を用いて鋳型
およびランダムプライマーとして使用するcDNAライ
ブラリー(文献22)を調製する。また哺乳動物の全脳
から得られるポリ(A)+ を用いて鋳型およびオリゴd
(T)プライマーとして使用するcDNAライブラリー
を構築する。これらのcDNAライブラリーは、先に得
られたコンドロイチン硫酸プロテオグリカンを認識する
モノクローナル抗体等を用いて免疫学的にスクリーニン
グすることができる。免疫学的スクリーニングはサムブ
ロックら(Sambrook et al)の文献(文献29)に記述さ
れたようにして行なうことができる。陽性クローンを免
疫学的スクリーニングによって分離し常法に従ってDN
Aの配列決定等を行うことで、配列表配列番号1に示さ
れるDNAを得ることができる。こうして30残基のシ
グナルペプチドと新規コンドロイチン硫酸プロテオグリ
カンのコア蛋白質をすべてコードする514残基のアミ
ノ酸をコードするcDNAを得ることができた。
【0019】こうして見い出され同定された新規コンド
ロイチン硫酸プロテオグリカンは脳に局在し、他の知ら
れているいずれのプロテオグリカンとも相同性を示さな
い故、本発明のコンドロイチン硫酸プロテオグリカンは
新規なコンドロイチン硫酸プロテオグリカンであって
(図1)、これらはニューロンの形態形成に関与すると
考えられるので、神経系疾患等に対する診断方法、治療
薬や予防薬としての使用が期待さる。また、治療あるい
は予防における投与経路としては静脈注射、動脈注射、
脳室内投与、ウイルス遺伝子を利用した遺伝子工学的投
与手段等を用いることができる。
【0020】<5>本発明のプロテオグリカン 本発明のプロテオグリカンは次の性質を有するコア蛋白
質と糖鎖とからなるコンドロイチン硫酸プロテオグリカ
ンである。 (A)コア蛋白質の一次構造:配列表配列番号1の1番
目のバリン(Val)から514番目のトレオニン(T
hr)までのアミノ酸配列もしくはそれと相同性を有す
るアミノ酸配列を有する。 (B)糖鎖:分子量約30キロダルトンのコンドロイチ
ン硫酸を含有する。 (C)本プロテオグリカンにノイラミニダーゼ、O−グ
リコシダーゼまたはN−グリコシダーゼを作用させると
糖鎖が遊離する。
【0021】さらに分子量が、還元条件下におけるドデ
シル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
において約150キロダルトンであることを特徴とする
該コンドロイチン硫酸プロテオグリカンも本発明に含ま
れる。
【0022】<6>本発明の糖蛋白質 次の性質を有する糖蛋白質も本発明に含まれる。 (A)分子量:(a)ドデシル硫酸ナトリウム−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動で還元条件下において約12
0キロダルトンのバンドを形成する、(b)ノイラミニ
ダーゼ、O−グリコシダーゼおよびN−グリコシダーゼ
の酵素反応後、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動で還元条件下において約100キロ
ダルトンのバンドを形成する、 (B)蛋白質の一次構造:配列表配列番号1に示す1番
目のバリン(Val)から514番目のトレオニン(T
hr)までのアミノ酸配列あるいはそれと相同性を有す
るアミノ酸配列を有する。
【0023】<7>本発明の蛋白質 配列表配列番号1に示す1番目のバリン(Val)から
514番目のトレオニン(Thr)までのアミノ酸配列
あるいはそれと相同性を有するアミノ酸配列を含み、糖
鎖を有していてもよい蛋白質も本発明に含まれる。さら
には、配列表配列番号1の252番目のリジン(Ly
s)から398番目のシステイン(Cys)までのアミ
ノ酸配列は本発明のプロテオグリカンや蛋白質の特徴で
あるので、配列表配列番号1の252番目のリジン(L
ys)から398番目のシステイン(Cys)までのア
ミノ酸配列あるいはそれと相同性を有するアミノ酸配列
を含み、糖鎖を有していてもよい蛋白質も本発明に含ま
れ、上記それぞれのプロテオグリカンや蛋白質をコード
するDNAも本発明に含まれる。
【0024】このような蛋白質には、例えば配列表配列
番号1に示す−30番目のメチオニン(Met)から5
14番目のトレオニン(Thr)までのアミノ酸配列あ
るいはそれと相同性を有するアミノ酸配列を含み、糖鎖
を有していてもよい蛋白質が包含される。本発明におい
てアミノ酸配列において相同性を有するとは、本発明の
プロテオグリカン及び蛋白質が由来する生物種が相違し
ても同一機能を有するプロテオグリカン及び蛋白質にお
いては一定の割合のアミノ酸配列が維持され、共通性を
有していることを意味する。例えば既知のコンドロイチ
ン硫酸プロテオグリカンであるバーシカンでは、ニワト
リ由来の該プロテオグリカンとヒト由来の該プロテオグ
リカンのコア蛋白質のうち、活性ドメインのアミノ酸配
列は、96%の相同性を有している。また既知の膜結合
型プロテオグリカンであるシンデカンのコア蛋白質では
マウスとヒトとの間でアミノ酸配列に高い相同性部分を
有することが知られている。したがって本発明のプロテ
オグリカン及び蛋白質も、種間におけるアミノ酸配列の
相同性は約60〜90%以上と想定される。
【0025】本発明の一例のcDNAの遺伝子配列から
推定される蛋白質はシグナルペプチドドメイン、コンド
ロイチン硫酸結合ドメイン(CSアタッチメント)、塩
基性アミノ酸のクラスター、システイン含有ドメイン、
膜貫通ドメイン(transmembrane domain)そして細胞質
ドメイン(cytoplasmic domain)の各部分からなると推
定される(図1)。本発明の脳に局在する新規コンドロ
イチン硫酸プロテオグリカンをニューログリカンCと命
名した(以下、NGCという)。NGCのmRNAはノ
ーザンブロットによる分析において、新生児および成熟
哺乳動物の脳中に 3.1kbの単一mRNAとして検出さ
れるが、しかし腎臓、肝臓、肺臓、筋肉のいずれからも
検出されない。コア蛋白質の配列はいかなる他の既知の
タンパク質とも有意のホモロジーを示さなかった。この
ことはニューログリカンC(NGC)が新規のプロテオ
グリカンであることを示している。
【0026】また、本発明には配列表配列番号2の31
番目のバリン(Val)から545番目のトレオニン
(Thr)までのアミノ酸配列あるいはそれと相同性を
有するアミノ酸配列を含み、糖鎖を有していてもよい蛋
白質、配列表配列番号2の283番目のリジン(Ly
s)から429番目のシステイン(Cys)までのアミ
ノ酸配列あるいはそれと相同性を有するアミノ酸配列を
含み、糖鎖を有していてもよい蛋白質も包含される。こ
れらはヒト由来の蛋白質であることから、ヒトに対して
用いる医薬品として特に好ましい。このような蛋白質に
は、例えば配列表配列番号2に示す1番目のメチオニン
(Met)から545番目のトレオニン(Thr)まで
のアミノ酸配列あるいはそれと相同性を有するアミノ酸
配列を含み、糖鎖を有していてもよい蛋白質が包含され
る。
【0027】なお本発明蛋白質は、必ずしも単独の蛋白
質でなくてもよく、必要により融合蛋白質の一部となっ
ていてもよい。融合蛋白質は、公知の遺伝子工学的手法
により製造することができ、通常、本発明の蛋白質をコ
ードするDNAを任意の蛋白質をコードするDNAと連
結させることによって得た組換えDNAから発現させる
ことによって得ることができる。
【0028】また本発明の蛋白質には、配列表配列番号
1に示されるアミノ酸配列と配列番号2に示されるアミ
ノ酸配列との間で共通するアミノ酸をその順序で含むア
ミノ酸配列を有し、糖鎖を有していてもよい蛋白質も包
含される。配列表配列番号1に示されるアミノ酸配列と
配列番号2に示されるアミノ酸配列との間で共通しない
アミノ酸は任意のアミノ酸でよい。ただし、配列表配列
番号2の282番目のメチオニン(Met)に対応する
配列表配列番号1のアミノ酸はないものとする。
【0029】<8>本発明のDNA 本発明には、上記のプロテオグリカン、糖蛋白質及び蛋
白質をコードするDNAが包含される。例えば配列表配
列番号1に示す1番目のバリン(Val)から514番
目のトレオニン(Thr)までのアミノ酸配列あるいは
それと相同性を有するアミノ酸配列を含み、糖鎖を有し
ていてもよい蛋白質をコードする塩基配列を有するDN
Aとして具体的には、配列表配列番号1の103番目の
グアニン(G)から1644番目のシトシン(C)まで
の塩基配列を含むDNAが例示される。また、配列表配
列番号1の252番目のリジン(Lys)から398番
目のシステイン(Cys)までのアミノ酸配列あるいは
それと相同性を有するアミノ酸配列を含み、糖鎖を有し
ていてもよい蛋白質をコードするDNAとして具体的に
は、配列表配列番号1の856番目のアデニン(A)か
ら1296番目のシトシン(C)までの塩基配列を含む
DNAが例示される。このようなDNAには、配列表配
列番号1に示す13番目のアデニン(A)から1644
番目のシトシン(C)までの塩基配列を含むDNAも含
まれる。
【0030】配列表配列番号2の31番目のバリン(V
al)から545番目のトレオニン(Thr)までのア
ミノ酸配列あるいはそれと相同性を有するアミノ酸配列
を含み、糖鎖を有していてもよい蛋白質をコードする塩
基配列を有するDNAとして具体的には、配列表配列番
号2の91番目のグアニン(G)から1635番目のシ
トシン(C)までの塩基配列を含むDNAが例示され
る。配列表配列番号2の283番目のリジン(Lys)
から429番目のシステイン(Cys)までのアミノ酸
配列あるいはそれと相同性を有するアミノ酸配列を含
み、糖鎖を有していてもよい蛋白質をコードする塩基配
列を有するDNAとして具体的には、配列表配列番号2
の847番目のアデニン(A)から1287番目のシト
シン(C)までの塩基配列を含むDNAが例示される。
このようなDNAには、配列表配列番号2に示す1番目
のアデニン(A)から1635番目のシトシン(C)ま
での塩基配列を含むDNAも含まれる。
【0031】なお、遺伝暗号の縮重による異なった塩基
配列のDNAも本発明のDNAに包含されることは、当
業者であれば容易に理解されるところである。これらの
DNAのいずれもが本発明DNAに包含される。また本
発明には、本発明のDNAに相補的なDNAまたはRN
Aが包含される。さらに本発明DNAは、上記蛋白質を
コードするコード鎖のみの一本鎖であってもよいし、こ
の一本鎖及びこれと相補的な配列を有するDNA鎖また
はRNA鎖とからなる二本鎖であってもよい。また本発
明DNAには、公知の遺伝子工学的手法によって本発明
DNAに任意の蛋白質をコードするDNAや、機能を有
するDNAを連結させることによって得た組換えDNA
も包含される。なお、染色体由来の本発明蛋白質の遺伝
子は、コード領域にイントロンを含むことが予想される
が、そのようなイントロンで分断されているDNA断片
であっても、本発明蛋白質をコードする限り、本発明D
NAに含まれる。すなわち、本明細書において「コード
する」とは、転写時にプロセッシング等を受けて最終的
に目的の蛋白質を生じ得る塩基配列を有することも包含
する。
【0032】
【発明の実施の形態】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明は下記実施例によって何等制限されるもの
ではない。
【実施例1】 膜結合型コンドロイチン硫酸プロテオグリカンの抽出 10日齢スプラグ−ドウリー(Sprague−Daw
ley)ラットの脳(通常実験当たり100匹のラッ
ト;Slc:SD系統;SLC(株)製)をプロテアー
ゼ阻害剤として2mMのフェニルメチルスルフォニルフ
ルオライド、20mMのEDTA及び10mMのN−エ
チルマレイミドを含む氷冷リン酸塩緩衝食塩水(phospha
te-buffered saline) (PBS)(2ml/脳)中でテ
フロングラスホモジナイザーを用いてホモジナイズし
た。ホモジナイゼーションおよびそれに続く工程は特に
示していない限り、全て4℃で行なった。ホモジネート
は27,000Xgで40分間遠心した。沈澱物を同じ溶液で再
度ホモジネーションした。遠心後、PBS−不溶性物質
を前記プロテアーゼ阻害剤と1%ノニデット(Nonidet)
P−40を含むPBS(2ml/脳)中で0℃において
ホモジナイズした。ホモジネートをマグネチックスター
ラーで60分間撹拌し、次に27,000Xgで40分間遠心し
た。上清はとっておき、沈澱物を再度界面活性剤含有緩
衝液で処理し遠心した。遠心後、これらの界面活性剤含
有上清を合わせ、凍結乾燥した。
【0033】
【実施例2】 膜結合型コンドロイチン硫酸プロテオグリカンの部分精
製 実施例1で得られた凍結乾燥残渣を、0.2 %ノニデット
P−40、0.1 M NaCl、2mM EDTA、1m
M N−エチルマレイミド及び0.2 mMフェニルメチル
スルフォニルフルオライドを含む4M尿素、50mMト
リス塩酸緩衝液、pH7.5 (尿素緩衝液)中に脳1個当り
1mlの割合で分散した、そしてこの分散液は同緩衝液
を用いて透析した。27,000Xgで30分間遠心後、上清を
尿素緩衝液で平衡化したDEAEセファセル樹脂(ファ
ルマシア社製)と脳1個当り1mlの割合で混合し、混
合物をマグネチックスターラーで2時間撹拌した。この
DEAEセファセル樹脂を6,500Xg 、10分間の遠心に
よって回収し、そして尿素緩衝液で2回洗浄した。この
樹脂をガラスカラムに詰め、この樹脂からプロテオグリ
カンを0.1 Mから0.7 MのNa Clを含む尿素緩衝液で
の直線濃度勾配によって溶出した。
【0034】プロテオグリカン画分(0.45から0.68Mの
NaCl濃度で溶出)を集め、そしてダイアフロー Y
M−10メンブラン(アミコン(株)製)を使って5m
lに濃縮した。濃縮した溶液を、0.2 %ノニデットP−
40と前記プロテアーゼインヒビターとを含む4Mグア
ニジン塩酸、50mM トリス塩酸 pH7.5 を用いて
セファロースCL−4B(ファルマシア社製)のカラム
(直径1.6 cm×100cm)上でクロマトグラフを行
った。プロテオグリカン画分(Kav0.11から0.65)を
集め、ダイアフローYM−10メンブランを用いて3m
lに濃縮した。プロテオグリカンを1.3 %(W/V)酢
酸カリウムを含む3倍容の95%エタノールを添加して
溶液から沈澱した。沈澱物を0℃で1%(W/V)酢酸
カリウムを含む75%エタノールで2回洗浄し、減圧下
P2O5で乾燥した。得られた乾燥物を室温で4Mグアニジ
ン塩酸、50mMトリス塩酸、pH7.5(グアニジン塩
酸緩衝液)10ml中に溶解した。この溶液をオクチル
セファロース(ファルマシア社製)のカラム(直径1.6
cm径×5.0 cm)に負荷した。ノニデットP−40を
0%から0.8 %(V/V)含むグアニジン塩酸緩衝液で
直線濃度勾配によって溶出を行った。0.3 %から0.6 %
のノニデットP−40濃度で溶出した画分を集め、そし
て集めた画分中のプロテオグリカンをエタノールで沈澱
し上述したようにして乾燥した。
【0035】さらに、得られたプロテオグリカンを、初
期密度1.38g/ml(4Mグアニジン塩酸、50mMト
リス塩酸、pH7.5)のCsCl密度勾配によってRPS
−65Tローター(日立社製)を用いて10℃で150,00
0Xg で30時間超遠心することによって精製した。遠心
後、試料を7分画して集めた。分画番号2から6の試料
を集め、4℃でPBSに対して透析を行った。プロテオ
グリカン溶液中のヘキスロン酸(hexuronate)とタンパク
質の含量を Bitter and Muir法(文献26)及びタンパ
ク質分析キット(Bio-Rad社製)によってそれぞれ測定し
た。この精製方法によって、100個の脳からヘキスロ
ン酸含量約3マイクロモル(蛋白質含量2.2mg)のプ
ロテオグリカンを得た。
【0036】また、可溶性プロテオグリカンをプロテア
ーゼインヒビターを含むPBSで10日齢のラットの脳
から公知の方法(文献3)で抽出し精製した。すなわ
ち、プロテオグリカンを、DEAEセファロースを用い
たカラムクロマトグラフィーとセファロースCL−4B
を用いたゲル濾過によって分画し、精製した。0.45から
0.60の範囲のKavを有する画分をウエスタンブロット
分析のために用いた。
【0037】
【実施例3】 グリコシダーゼを用いる膜結合型コンドロイチン硫酸プ
ロテオグリカンの処理 プロテオグリカンのコア蛋白質からコンドロイチン硫酸
側鎖とヘパラン硫酸側鎖を除去するため、膜結合型コン
ドロイチン硫酸プロテオグリカン(ウロン酸含量50n
mol)をプロテアーゼの含まれていないコンドロイチ
ナーゼABC(EC4.2.2.4;生化学工業(株)
製)で消化し、次にヘパリチーゼI(heparitinase I)
(EC4.2.2.8;生化学工業(株)製)で消化し
た(文献8参照)。得られた蛋白(コアグリコプロテイ
ン)を、続いて2mM EDTA、1mM N−エチル
マレイミド、0.2 mMフェニルメチルスルフォニルフル
オライド及び0.07mMペプスタチンを含む50mM酢酸
ナトリウム緩衝液、pH5.0100μl中でノイラミニダ
ーゼ2mIU(EC 3.2.1.18;ナカライテス
ク社製)で37℃、1時間処理した。酵素反応を0℃で
1.3%酢酸カリウムを含む95%エタノール300μl
の添加によって停止させた。1時間後コア糖蛋白質(以
下、コアグリコプロティン)を遠心によって沈澱させ
た。コアグリコプロテインを説明書の指示に従ってコア
プロテインの変性後さらに1 IU Nーグリコシダー
ゼ F(EC 3.2.2.18;ベーリンガーマンハ
イム社製)を用いるかあるいは1mIUのO−グリコシ
ダーゼ(EC3.2.1.97;ベーリンガーマンハイ
ム社製)を用いて37℃で24時間消化することによっ
て脱グリコシレーションした。
【0038】
【実施例4】 ゲル電気泳動とウエスタンブロット分析 膜結合型コンドロイチン硫酸プロテオグリカンを6%分
離ゲルと3%スタッキングゲルを用いてジチオスライト
ールでの還元条件下でドデシル硫酸ナトリウム−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)によっ
て分離した。それらを4℃で20%(V/V)メタノー
ルを含む25mMトリス、192mMグリシン(pH8.
3 )中で一昼夜60Vでポリビニリデンジフルオライド
(PVDF)膜(イモビロン−P(商品名);ミリポア
ー社製)に電気泳動的に移動(転写)させた。抗体の非
特異的結合を阻止するため、該膜を1%スキムミルク
(DIFCO ラボラトリース社製)を含むPBS中で
インキュベートした。次にこの膜を後記実施例5のハイ
ブリドーマの培養上清(マウスモノクローナル抗体を含
む)で4℃、一昼夜処理し、そしてベクタステイン(Vec
tastain)ABCキット(ベクター研究所製)を用いてP
BS中で染色した。いくつかの実験においては、免疫染
色の強度はイメージスキャナー(GT−6500;エプ
ソン社)を経てコンピューター(LC520;アップル
社)とアプリケーションソフト、NIHイメージプログ
ラム(パブリックドメイン)を用いて定量した。
【0039】
【実施例5】 モノクローナル抗体の製造 各種モノクローナル抗体は公知の方法(文献27参照)
によって製造した。すなわち、膜結合型コンドロイチン
硫酸プロテオグリカンの調製物(50μgタンパク質/
投与)を2週間間隔で完全および不完全フロイントアジ
ュバントとともBALB/cマウスの腹腔に注射した。
4回目にブースターとして投与後、マウスを屠殺し、得
られた脾臓細胞をポリエチレングリコールを用いてPA
Iミエローマ細胞と融合した。HAT培地中で選択した
ハイブリドーマを10%ウシ胎児血清を含むRPMI1
640培地(シグマ社製)で培養した。培養されたハイ
ブリドーマを培養上清を用いてプロテオグリカンと反応
する抗体の有無でウエスタンブロッテイングによってス
クリーニングした。陽性ハイブリドーマは限界希釈法に
よってクローン化した。選択されたハイブリドーマより
得られたモノクローナル抗体C1,C3,C5及びC1
5が実施例2の膜結合型コンドロイチン硫酸プロテオグ
リカンと反応した。これらの4つの抗体のすべてがマウ
スモノクローナル抗体イソタイピングキット(イムノタ
イプ(商品名);シグマ社製)を用いてIgG1 である
と決定された。
【0040】
【実施例6】 コアグリコプロテインの精製 コアグリコプロティンは、前田ら(文献22)によって
述べられたプロテオグリカン型タンパク質であるチロシ
ンホスファターゼの部分精製のために使われた方法(文
献22)に従って精製した。すなわち、8日齢ラットの
全脳から調製した核除去画分を1%CHAPS(3−
〔(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ〕
−1−プロパンスルホン酸)で可溶化した。可溶化した
ものをDEAEトーヨーパール(トーソー(株)製)の
カラムに負荷し、0.25M NaClで洗浄し、つづいて
0.6 M NaClで溶出した。溶出物(カラムから得ら
れた負に荷電した部分精製物)からプロテオグリカンを
分離するためCsCl密度勾配超遠心にて分画した。遠
心後、勾配を10分画にして集めた。これらの画分をコ
ンドロイチナーゼABCで消化後分析したところ、3つ
の最も低い密度の画分中に140kDaと120kDa
のタンパク質が主要な成分として検出された(文献22
中の図2を参照)。従って、これらの画分中のプロテオ
グリカンをコンドロイチナーゼABCで消化し、得られ
たコアグリコプロテインをSDS−PAGE(6%ポリ
アクリルアミド)によって分離した。このコアグリコプ
ロテインはPVDF膜に移され、そして120kDaの
コアグリコプロテインのバンドを手術用メスで切りだし
た。120kDaのコアグリコプロテインはウエスタン
ブロットにおいて4つのモノクローナル抗体C1,C
3,C5及びC15によって認識された。
【0041】この精製された120kDaコアグリコプ
ロテインのアミノ酸配列分析を行った。120kDaの
コアグリコプロテインの断片をスコットら(Scott et a
l)の文献(文献28)に記述されたように臭化シアン
(CNBr)処理によって得た。完全なコアグリコプロ
テインとその断片とを上述したようにSDS−PAGE
によって分離した。そして該タンパク質とその断片とを
10%メタノールを含む10mMCAPS(3−(シク
ロヘキシルアミノ)プロパンスルホン酸)緩衝液(pH
11)中で0.3 A(アンペア)で4℃、3時間でPVD
F膜に移した。0.5 %ポンシュー レッド(Ponce
au Red)含有1%酢酸で染色後、タンパク質のバ
ンドを膜から切り出し、そしてタンパク質のアミノ酸配
列を自動タンパク質シークエンサー(PPSQ−10;
島津)で決定した。
【0042】
【実施例7】 cDNAライブラリーとcDNAクローンの分離 18日齢(P18)スプラグ−ドウリー(Sprague-Dawle
y)ラットの全脳から得られるポリ(A) +RNAを鋳型
として使い、ランダムプライマーを用いて構築したλg
t11cDNAライブラリーを利用した。他のλgt1
1cDNAライブラリーは、8日齢(P8)スプラグ−
ドウリーラットの全脳から得られるポリ(A) +RNA
を鋳型として使い、オリゴ(dT)プライマーを用いて
構築した。これらのcDNAライブラリーはモノクロー
ナル抗体C1,C3,C5及びC15の培養上清の混合
液を用いて1×106 プラークを免疫学的にスクリーニ
ングした。免疫学的スクリーニングはサムブロックら(S
ambrook et al)の文献(文献29)に記述されたように
して免疫的検出のためのベクタステイン(Vectastain)A
BCキットを用いて行なった。
【0043】最初の2つのクローン、(ランダムプライ
マーcDNAライブラリーからの)λNGC1と(オリ
ゴ−d(T)プライマーcDNAライブラリーからの)
λNGC3が免疫学的スクリーニングによって単離さ
れ、続いてクローンを32P標識cDNAプローブを用い
てプラークハイブリダイゼーションによって得た。プラ
ークハイブリダイゼーションとノーサンブロッテイング
のためのcDNAプローブはメガプライム(Megaprime)
DNAラベリングシステム(アマーシャム インターナ
ショナル社製)を用いて標識した。λgt11クローン
からのcDNA挿入物を精製し、そして pBluescript I
I プラスミドベクター(ストラトジーンクローニングシ
ステム社製)中にサブクローンした。
【0044】
【実施例8】 DNAの配列決定 配列決定のために制限酵素を用いたデレーションによる
サブクローニングを行なった。DNA配列決定は自動D
NAシークエンサー(AlfII/Alfredコンバイ
ンドシステム;ファーマシア社)を用いてTaq ポリ
メラーゼと色素標識プライマーを使用し、行なった。配
列の編集(Editing) と分析はGENETYX ソフトウ
エアー(ソフトウエアー開発(株))を用いて行われ
た。リーデングフレームは120kDaのコアグリコプ
ロテインのN末端アミノ酸配列とCNBr処理によって
得られたその断片についての本発明者らのデーターから
裏付けられた。ジーンバンク(GenBank)(Re
lease87)とスイス−プロット(Swiss−P
rot)(Release31)中の配列との比較は部
分配列探索ツールを用いて行った(文献30)。
【0045】
【実施例9】 ノーサンブロット分析 全RNAはチョムジンスキーおよびサッキー(Chomczyns
ky and Sacchi)らの文献(文献31)に記述されたよう
にして生後7日および成熟ラットの脳から抽出し、同様
に腎臓、肝臓、肺臓そして筋肉からも抽出した。ポリ
(A)+ RNAはその方法手順にしたがってオリゴテッ
クス−dT30(タカラバイオケミカル社製)を用いて
精製した。ポリ(A)+ RNA(5μg)を 2.2M ホ
ルムアルデヒドを含む1%アガロースゲル上で電気泳動
し、PVDF膜(イモビロン−N、ミリポア社製)に移
した(転写した)。λNGC1からの682塩基対挿入
物を32P−dCTPで標識しそして3×106 cpm/
mlの濃度でプローブとして用いた。このフィルターを
最後に0.2 ×SSC(SSC:0.15 NaClと0.015
M 酢酸ナトリウム)中で68℃で洗浄しオートラジオ
グラフィーのためX−線フィルム(富士フィルム社)に
露光した。
【0046】
【実施例10】 モノクローナル抗体の特徴 本発明者らは、4種類のハイブリドーマ細胞株(C1,
C3,C5そしてC15)を確立した。それぞれがウエ
スタンブロットにおいて膜結合型コンドロイチン硫酸プ
ロテオグリカンの調製品と反応する抗体(モノクローナ
ル抗体C1,C3,C5およびC15)を生産した。こ
の4種類のモノクローナル抗体(MAb)全ては抗原と
して用いた膜結合型コンドロイチン硫酸プロテオグリカ
ンの調製品が試験されたとき平均分子量150kDaに
相当する非常に広いバンドを認識した(図3Aレーン
1、MAb C5を用いたイムノブロット)。膜結合型
コンドロイチン硫酸プロテオグリカンの調製品をコンド
ロイチナーゼABCで消化した時、120kDaのタン
パク質のバンドがMAb C5を用いたイムノブロット
で検出された(図3Aレーン2および図3Bレーン
1)。ヘパリチナーゼで処理してもこのバンドは移動し
なかった(図3Aレーン3)。10日齢ラットの脳から
得られたPBS可溶性プロテオグリカンの調製品を多量
に用いてウエスタンブロットで分析したとき、75kD
aのコアグリコプロテインがMAb C5で弱く検出さ
れた。MAb C5は肝臓、肺臓、腎臓、筋肉そして軟
骨のような神経系以外から調製したいかなるプロテオグ
リカンのコアグリコプロテインとも反応しなかった。
【0047】プロテオグリカンがコンドロイチン硫酸鎖
に加えてオリゴ糖側鎖を有する可能性を試験するため、
コアグリコプロテインを図3Bに示したように3つのグ
リコシダーゼ(ノイラミダーゼ、O−グリコシダーゼ、
N−グリコシダーゼ)で順に消化しそして脱グリコシレ
ーションされたコア蛋白質の分子量をSDS−PAGE
で測定した(図3Bレーン2、3、4)。グリコシダー
ゼとのそれぞれの処理はSDS−PAGE上でのコア蛋
白質のバンドの移動度の増加をひきおこした。コア蛋白
質を認識するMAb C5の能力はいずれのグリコシダ
ーゼとの消化によっても影響されなかった。それ故、M
Ab C5によって認識されるエピトープはポリペプチ
ド部分に存在していると思われる。
【0048】ラット大脳皮質におけるプロテオグリカン
の発現をMAb C5を用いた免疫組織化学的染色によ
って試験した。すなわち、生後0日で、MAb C5で
免疫染色した結果から該プロテオグリカンは発生中の神
経細胞と関連していた(図4A)。同様の染色パターン
は生後7日の大脳皮質にも見られた(図4B)。成熟脳
においては、大脳皮質の免疫染色の強度は減少した。大
脳皮質におけるプロテオグリカンの一時的発現を定量す
るため、種々の発生段階(12日胚(E12)から成熟
まで)での大脳皮質のPBS−不溶性抽出物をコンドロ
イチナーゼABCで消化し、イムノブロッテイングを行
い免疫標識されたバンドの強度を定量した。少量のプロ
テオグリカンが16日胚(E16)から18日胚(E1
8)において検出された。プロテオグリカンの量は生後
20日(P20)付近で最大レベルに達するほどに増加
した(図4C)。P20の後、プロテオグリカンの量は
減少した。そして成熟大脳皮質においては、このプロテ
オグリカンは発現の最大レベルの約半分となった。
【0049】
【実施例11】 cDNAクローンの分離 120kDaのコアグリコプロテインを精製し、それを
CNBrで処理することによって数種のペプチドに分解
し、完全なコアグリコプロテインと2つのペプチドの部
分N末端アミノ酸配列を決定した。完全なコアグリコプ
ロテインのN末端配列はアミノ酸の一文字表記でVPA
REAGSAIEAEELであった。完全に異なったN
末端配列がCNBrによって消化された2つの生産物
(15kDaと24kDa)中で見いだされた。15k
Daと24kDaのペプチドについてそれぞれ(M)V
PGGSISLRPRPGDPGKDLA及び(M)G
RFPGSPであった。
【0050】4種のMAb C1,C3,C5及びC1
5の混合液を用いて免疫学的にスクリーニングすること
によって、P18のラット脳から誘導されたλgt11
cDNAライブラリー(ランダムプライマー)から一
個の陽性クローン(λNGC1)を単離し、P8のラッ
ト脳から誘導されたλgt11cDNAライブラリー
(オリゴ−d(T)プライマー)から他の陽性クローン
(λNGC3)を最初に単離した。λNGC1とλNG
C3はそれぞれ682塩基対と1398塩基対のインサ
ートcDNAをそれぞれ含む(図5)。λNGC1に由
来するβ−ガラクトシダーゼとの融合タンパク質はMA
b C1とのみ反応し、MAb C3、C5及びC15
とは反応しなかった。対照的にλNGC3に由来する融
合タンパク質はMAb C3、C5及びC15と反応し
たが、MAb C1とは反応しなかった。さらに分析を
行なうためにλNGC1とλNGC3をpBluesc
riptIIプラスミドベクター中にサブクローンした
(以下それぞれをpNGC1とpNGC3という)。こ
れらのクローンの信頼性は120kDaのコアグリコプ
ロテインと24kDaのCNBr処理で得られた断片の
アミノ酸配列がpNGC1中のインサートcDNA(第
6図アンダーライン部分参照)から推定したアミノ酸配
列の範囲内で一致し、そして15kDaのCNBr処理
で得られた断片のアミノ酸配列がpNGC3中のインサ
ートcDNAから推定したアミノ酸配列の範囲内で一致
することから明白に立証された(図6参照、下線部
分)。
【0051】pNGC1中のインサートcDNAを〔32
P〕−dCTPで標識しそしてこれに重なっているcD
NAクローンを同定するためのプローブとして用い、P
18のラット脳から誘導されたλgt11 cDNA
ライブラリー(ランダムプライマー)から4種類のcD
NAクローン(λNGC7、λNGC13、λNGC1
5及びλNGC19)が、重なっているcDNA部分を
含み、プロテオグリカンのコア蛋白質を全てコードする
cDNAを得た。図5はプロテオグリカン、すなわちニ
ューログリカンC(NGC)の完全な配列の決定のため
に用いた異なったcDNAクローンの位置を示す。
【0052】
【実施例12】 NGCのコア蛋白質の予想構造 NGCのコア蛋白質を全てコードするcDNA配列と推
定アミノ酸配列を図6に示した。これらのクローンは5
44アミノ酸をコードする読み取り枠(オープンリーデ
ングフレーム)を含む2,107塩基対以上をカバーし
ている。算出された分子量(molecular mass)は58,6
12Daであった。3’未翻訳領域は463ヌクレオチ
ドからなり、ポリアデニル化シグナル(AATAAA)
を含む。このコーデイング領域において、CNBr切断
による2種類の生産物の配列(下線部分)が同定され
た。120kDaのコアグリコプロテインのN末端アミ
ノ酸配列(図6のアミノ酸残基31番ではじまる配列
(下線部分))を決定した。13番目のヌクレオチドから
始まるATGトリプレット付近のヌクレオチド配列は翻
訳の開始部位に対応する配列に相当する(文献32)。
cDNAの5’領域の12塩基対は5’未翻訳領域であ
る。最初のメチオニンから成熟コア蛋白質の最初のアミ
ノ酸残基(バリン)までに疎水性アミノ酸配列があるが
これは恐らくシグナルペプチド配列である。カイテとド
ウーリトル(Kyte and Doolittle)ら(文献33)の方法
による予想タンパク質アミノ酸配列の疎水性か親水性か
の分析(図2)から2個の塩基性残基に続く24アミノ
酸からなる(図6のアミノ酸残基番号426−450)
カルボキシル末端付近に第2の疎水性配列が明らかにな
った(図6、破線)。この配列はサバチニら(Sabatini
et al)(文献34)によって提案された膜貫通ドメイン
についての性質に一致する。
【0053】NGCのコアグリコプロテインはグリシン
(10.5%)、ロイシン(9.9 %)、プロリン(9.0
%)、グルタミン酸(8.1 %)、セリン(7.9 %)そし
てスレオニン(7.7 %)残基に富んでいる。計算より求
められたNGCのpIは4.9 である。コアグリコプロテ
イン中に全部で10のシステイン残基が見いだされた。
これら全てはNGCの中央に位置し、膜貫通ドメインよ
り細胞の外側に位置している。NGCのコアグリコプロ
テインの推定される細胞外ドメインは3つのN−グリコ
シレーション可能な部位(文献35)をふくみそしてO
−結合糖鎖が結合可能な3つのセリンースレオニンクラ
スター(図6のアミノ酸残基番号143−144、18
8−189及び271−272)を含む(文献36)。
【0054】図6のアミノ酸番号残基31から281の
N−末端領域は8個のセリン−グリシン(SG)あるい
はグリシン−セリン(GS)のジペプチド配列を含んで
いる。これらのジペプチドは、コンドロイチン硫酸の結
合部位に合致するコア−部位の配列であると考えられる
(文献18、37)。この8個のセリン残基のまわりの
アミノ酸配列はSGXG(文献37)と(E/D)GS
G(E/D)(文献18)で示されるグリコサミノグリカ
ンの結合部位に対応する配列とは異なっている。しかし
ながら、これらの対応する配列はコア蛋白質へグリコサ
ミノグリカンが結合し得る唯一の配列ではない。例え
ば、ニューロカンにおいて、コンドロイチン硫酸鎖が結
合しているセリン残基付近の配列はEEVASGQED
(文献16)である。アグリカン、バーシカン、シンデ
カン、デコリン及びIX型コラーゲンのようなプロテオグ
リカンにおけるコンドロイチン硫酸の結合部位に特徴的
なアミノ酸の配列は前にSG/GSがそして酸性アミノ
酸残基が続くことが報告されている(図7)。コンドロ
イチン硫酸の結合において酸性アミノ酸残基の重要性は
同様に別の文献に記述されている(文献18、37、3
8)。NGCコア蛋白質の8個のSG/GS−ジペプチ
ドの付近にこれらに対応する配列が並んでいる。NGC
は予想される細胞外ドメイン中に2個の付加的ジペプチ
ド配列(図2の341番と374番のセリン残基)を含
む。しかしながら、これらのジペプチドはコンドロイチ
ン硫酸の結合部位に対応する配列と関連していなかっ
た。従って、N−末端ドメインを推定コンドロイチン硫
酸結合ドメインとした。塩基性アミノ酸の短い配列KR
RKRRRRIR(図6のアミノ酸残基番号282−2
91)が仮のコンドロイチン硫酸結合ドメインに近接し
て見いだされた(2本下線で示す)。さらに塩基性アミ
ノ酸の短い配列の後に、10個のシステイン残基を含む
133個のアミノ酸(図6のアミノ酸残基番号292−
425)からなる領域が見だされた。
【0055】またNGCの細胞質ドメインはプロテイン
キナーゼによってリン酸化可能な部位となるセリンおよ
びスレオニン残基を含む。図6のアミノ酸残基番号46
5番のスレオニン残基付近のアミノ酸配列(KLRRT
NK)と521番のセリン残基付近のアミノ酸配列(S
PK)はグラフら(Graff et al)(文献42)によって提
案されたプロテインキナーゼCによるリン酸化部位に対
応する配列(X(R/K)XX(T/S)X(R/
K))に類似している。NGCがリン酸化されるかどう
かは決定されていないけれども、NGCがシグナル伝導
に関与している可能性はある。仮の細胞質ドメインは2
つのチロシン残基を含む。しかしこれらのチロシン残基
に接続する配列はチロシンのリン酸化に対して報告され
た対応する配列とは異なっている(文献43)。図8は
NGCコア蛋白質の提案されるドメイン構造の図示的表
現である。
【0056】アミノ酸レベルでのデータベース検索によ
りNGCの小さな部位がアグリカン、および軟骨のコン
ドロイチン硫酸プロテオグリカン(文献44)のコアプ
ロテインと似ている。この類似する領域は全てNGCの
推定の細胞外ドメイン中に分布している。推定のコンド
ロイチン硫酸結合ドメインにおいて、11のホモロジー
のあるクラスターを同定した:NGCの図2のアミノ酸
残基番号45−94とアグリカンの残基番号907−9
56(32%同一性/48%化学的相似性);以下同様
に残基番号とその同一性、相似性を示すと26−70と
967−1011(29%/56%);53−103と
955−1005(22%/47%);88−113そ
して1585−1610(42%/54%);117−
151と1649−1683(31%/40%);43
−92と1130−1179(28%/38%);50
−94と892−936(27%/47%);59−1
08と1233−1282(22%/44%);122
−163と1296−1337(29%/36%);1
09−153と1705−1749(31%/40
%);及び90−114と1108−1132(32%
/56%)である。アグリカンにおいてホモロジーのあ
るクラスターの全ては推定されるコンドロイチン硫酸結
合部位ドメインに局在している。NGCのシステイン含
有ドメイン中に本発明者らは3つのホモロジーのあるク
ラスターを見いだした:図2のアミノ酸残基番号287
−322と1827と1862(31%同一性/42%
化学的相似性);以下同様に348−386と1898
−1936(23%/38%);及び401−411と
1998−2008(55%/55%)である。アグリ
カン中の対応するホモロジーのあるクラスターの全ては
同様にアグリカンのシステイン含有ドメインのひとつに
局在している。ラットアグリカンとNGCのホモロジー
のある配列の図示的配列が図9に示されている。アグリ
カンはいくつかの構造的に異なったドメインからなる、
つまり、免疫グロブリン様ドメインとN末端部位中での
ヒアルロン酸結合領域の2回の繰り返し、中央部のコン
ドロイチン硫酸結合部位ドメインとEGF様ドメイン、
レクチン様ドメイン及びカルボキシ末端部位での補体調
節タンパク質様ドメインからなる(文献44)(図9参
照)。いくつかの他のコンドロイチン硫酸プロテオグリ
カン、例えばバーシカン(文献18)、ニューロカン
(文献16)、ブレビカン(文献17)そしてBEHA
B(文献19)は同様にこれらのドメインを含む。従っ
て、これらは全てアグリカンファミリーのメンバーであ
るとされる。NGCはこのファミリーのメンバーではな
い、なぜならNGCコア蛋白質はコンドロイチン硫酸結
合ドメインを除いてこれらのいかなるドメインももたな
いからである(図9)。
【0057】
【実施例13】 ノーサンブロット分析 NGCのmRNAの組織分布をノーザンブロット分析に
よって検討し(図10)、3.1 kbの単一転写産物が7
日齢と成熟ラットの脳の分析で検出された。ここでNG
Cのコーデイング領域とNGCのmRNAの間の長さの
違いはmRNAにおける5’未翻訳領域と3’非コーデ
イング領域(図5、矢印)の存在に帰する。この転写産
物は腎臓、肝臓、肺臓そして筋肉の分析では検出されな
かった。
【0058】
【実施例14】 ヒト由来のNGCのクローニング32 P標識したcDNAプローブをラットのNGCのDN
A断片(制限酵素XbaI-Hind III 消化DNA断片:配列
表1の塩基番号624〜1735)をもとにして作製し
た。これをプローブとし2歳の健常な女性の側頭皮質よ
り作製した市販のcDNAライブラリー(Stratagene Cl
oning System社) からプラークハイブリダイゼーション
によって相同性の高い塩基配列を有するクローンを単離
した。プラークハイブリダイゼーションの宿主には大腸
(Escherichia coli) XL-1 blue MRF'(Stratagene Cl
oning System社) を用いた。ハイブリダイゼーションの
条件は、60℃、3xSSC(SSC:0.15M NaCl、0.015M酢
酸ナトリウム) 中で行い、洗浄は60℃、0.1 xSSCで
行った。単離したDNAクローンは、pBluescriptII(St
ratagene Cloning System社) にサブクローンした。
【0059】DNAの塩基配列決定は、実施例8と同様
に行った。NGCのコア蛋白質を全てコードするcDN
A配列と推定アミノ酸配列を配列番号2に示した。これ
らのクローンは545アミノ酸をコードする読み取り枠
(オープンリーディングフレーム)を含む1740塩基
対以上をカバーしている。算出された蛋白質の分子量は
58538.89(未確定の3アミノ酸残基を除く)であった。
またラットのNGC遺伝子との相同性は83.6%であ
った。また、ヒト由来のNGCをコードするDNA の塩基
配列から推定されるアミノ酸配列を、配列番号2に併記
した。ラットのNGCとの相同性は83.9%であっ
た。
【0060】
【発明の効果】本発明の新規コンドロイチン硫酸プロテ
オグリカンは神経回路網の正常な形成に寄与すると考え
られるので神経疾患等の新規診断法の開発、神経疾患等
の予防や治療に用いることができる。
【0061】文献 1. Ruoslahti, E. (1989) J. Biol. Chem. 264, 13369-
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【0068】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:2107 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源:ラット脳 配列: GGG CTC CGC GCA ATG GGC CGA GCT GGA GGC GGG GGC CCG GGC 42 Met Gly Arg Ala Gly Gly Gly Gly Pro Gly -30 -25 TGG GGG CCG CCG CCA GTG CTG CTG CTT CTG GGG GTC ACG CTG GTG 87 Trp Gly Pro Pro Pro Val Leu Leu Leu Leu Gly Val Thr Leu Val -20 -15 -10 CTC ACC GCT GGG GCT GTA CCG GCA CGG GAA GCA GGC AGT GCG ATC 132 Leu Thr Ala Gly Ala Val Pro Ala Arg Glu Ala Gly Ser Ala Ile -5 -1 1 5 10 GAG GCT GAA GAG CTG GTG AGG AGC GGC CTT GCA TGG GAG TCG CGT 177 Glu Ala Glu Glu Leu Val Arg Ser Gly Leu Ala Trp Glu Ser Arg 15 20 25 GCC AAT GAC ACG CGG GAG GAA GCT GGC CTG CCA GCA GCA GGG GAA 222 Ala Asn Asp Thr Arg Glu Glu Ala Gly Leu Pro Ala Ala Gly Glu 30 35 40 GAT GAG ACC TCG TGG ACA GAG CGG GGC AGT GAG CTG GCT GCG GTG 267 Asp Glu Thr Ser Trp Thr Glu Arg Gly Ser Glu Leu Ala Ala Val 45 50 55 GGC CCT GGG GTC GGG CCA GAG GAG ACA CTA GAG GCA TCG GCT GCA 312 Gly Pro Gly Val Gly Pro Glu Glu Thr Leu Glu Ala Ser Ala Ala 60 65 70 GTG ACT GGG ACT GCC TGG CTA GAG GCA GAT GGC ACA GGC CTG GGT 357 Val Thr Gly Thr Ala Trp Leu Glu Ala Asp Gly Thr Gly Leu Gly 75 80 85 GGA GTG ACT GCA GAG GCT GGT AGT GGC GAC GCC CAG ACC CTT CCA 402 Gly Val Thr Ala Glu Ala Gly Ser Gly Asp Ala Gln Thr Leu Pro 90 95 100 GCT ACA CTC CAG GCT CCT GAC GAG GCC CTT GGG TCA TCT ACA ATG 447 Ala Thr Leu Gln Ala Pro Asp Glu Ala Leu Gly Ser Ser Thr Met 105 110 115 CCC CCT GCC ATC CCT GAG GCT ACT GAA GCC AGT GGA CCT CCC TCC 492 Pro Pro Ala Ile Pro Glu Ala Thr Glu Ala Ser Gly Pro Pro Ser 120 125 130 CCC ACC CTC CGT GAT AAA CCT AGC CTA GTC CCT GAA CTC CCT AAG 537 Pro Thr Leu Arg Asp Lys Pro Ser Leu Val Pro Glu Leu Pro Lys 135 140 145 GAG ATC CCC TTG GAA GTT TGG CTG AAC CTG GGA GGC AGC ACA CCT 582 Glu Ile Pro Leu Glu Val Trp Leu Asn Leu Gly Gly Ser Thr Pro 150 155 160 GAC CCT CAA AGG CCA GAG CCT ACT TTT CCC CTT CAG GGC ACT CTA 627 Asp Pro Gln Arg Pro Glu Pro Thr Phe Pro Leu Gln Gly Thr Leu 165 170 175 GAG ACA CAA CCA GCC TCA GAT ATA ATT GAC ATT GAT TAC TTT GAA 672 Glu Thr Gln Pro Ala Ser Asp Ile Ile Asp Ile Asp Tyr Phe Glu 180 185 190 GGA TTG GAT AGC GAG GGC CGA GGC ACA GAC ATG GGC AGG TTC CCG 717 Gly Leu Asp Ser Glu Gly Arg Gly Thr Asp Met Gly Arg Phe Pro 195 200 205 GGC TCA CCA GGA ACC TCA GAA AAT CAC CCT GAT ACT GAA GGA GAG 762 Gly Ser Pro Gly Thr Ser Glu Asn His Pro Asp Thr Glu Gly Glu 210 215 220 ACC CCC TCC TGG AGC CTG CTT GAC TTA TAT GAT GAC TTC ACC CCT 807 Thr Pro Ser Trp Ser Leu Leu Asp Leu Tyr Asp Asp Phe Thr Pro 225 230 235 TTG ATG AGT CTG ATT TCT ACC CCA CCA CAT CCT TCT ATG ATG ACT 852 Leu Met Ser Leu Ile Ser Thr Pro Pro His Pro Ser Met Met Thr 240 245 250 TGG AAG AGG AGG AAG AGG AGG AGG AGG ATA AGG ATG CAG TGG GAG 897 Trp Lys Arg Arg Lys Arg Arg Arg Arg Ile Arg Met Gln Trp Glu 255 260 265 GCG GAG ACC TGG AAG ATG AAA GTG ACC TCC TCC TGC CCT CTC AGA 942 Ala Glu Thr Trp Lys Met Lys Val Thr Ser Ser Cys Pro Leu Arg 270 275 280 AGC CTG GTG TGG GGC CCT GGG ACG GGA CAG CCC ACC AGT CGA TGG 987 Ser Leu Val Trp Gly Pro Gly Thr Gly Gln Pro Thr Ser Arg Trp 285 290 295 CAT GCA GTT CCT CCA CAG CAT ACT CTG GGG ATG GTA CCT GGT GGC 1032 His Ala Val Pro Pro Gln His Thr Leu Gly Met Val Pro Gly Gly 300 305 310 AGC ATC TCT CTT AGG CCC CGC CCT GGA GAT CCA GGC AAG GAC CTG 1077 Ser Ile Ser Leu Arg Pro Arg Pro Gly Asp Pro Gly Lys Asp Leu 315 320 325 GCC ACG AGC GAA AAT GGA ACA GAG TGC CGA GTT GGC TTT GTC AGA 1122 Ala Thr Ser Glu Asn Gly Thr Glu Cys Arg Val Gly Phe Val Arg 330 335 340 CAC AAT GGC TCC TGT CGG TCA GTC TGT GAC CTC TTC CCG AGT TAC 1167 His Asn Gly Ser Cys Arg Ser Val Cys Asp Leu Phe Pro Ser Tyr 345 350 355 TGT CAC AAT GGC GGC CAA TGC TAC CTG GTG GAG AAC ATA GGG GCT 1212 Cys His Asn Gly Gly Gln Cys Tyr Leu Val Glu Asn Ile Gly Ala 360 365 370 TTC TGC AGG TGT AAC ACC CAG GAC TAT ATC TGG CAC AAG GGG ATG 1257 Phe Cys Arg Cys Asn Thr Gln Asp Tyr Ile Trp His Lys Gly Met 375 380 385 CGC TGT GAG TCC ATC ATC ACC GAC TTC CAG GTG ATG TGC GTG GCC 1302 Arg Cys Glu Ser Ile Ile Thr Asp Phe Gln Val Met Cys Val Ala 390 395 400 GTC GGC TCG GCT GCG TTG GTG CTG CTC CTT CTG TTC ATG ATG ACT 1347 Val Gly Ser Ala Ala Leu Val Leu Leu Leu Leu Phe Met Met Thr 405 410 415 GTG TTC TTT GCC AAG AAA CTC TAT CTG CTC AAG ACT GAG AAC ACC 1392 Val Phe Phe Ala Lys Lys Leu Tyr Leu Leu Lys Thr Glu Asn Thr 420 425 430 AAG CTG AGG AGG ACC AAC AAA TTC CGG ACC CCA TCT GAG CTC CAC 1437 Lys Leu Arg Arg Thr Asn Lys Phe Arg Thr Pro Ser Glu Leu His 435 440 445 AAT GAT AAC TTC TCC CTC TCC ACC ATT GCC GAG GGC TCC CAT CCA 1482 Asn Asp Asn Phe Ser Leu Ser Thr Ile Ala Glu Gly Ser His Pro 450 455 460 AAT GAT GAC CCC AGC GCT CCC CAC AAA ATC CAG GAA GCT CTC AAG 1527 Asn Asp Asp Pro Ser Ala Pro His Lys Ile Gln Glu Ala Leu Lys 465 470 475 TCC CGC CTG AAG GAG GAA GAG TCC TTT AAC ATC CAG AAC TCC ATG 1572 Ser Arg Leu Lys Glu Glu Glu Ser Phe Asn Ile Gln Asn Ser Met 480 485 490 TCA CCC AAA CTC GAG GGT GGC AAA GGT GAC CAG GGA TAC TTG GAG 1617 Ser Pro Lys Leu Glu Gly Gly Lys Gly Asp Gln Gly Tyr Leu Glu 495 500 505 GTG AAC TTT CTC CAG AAT AAC CTG ACC TGAGACGGAG GAGGGAGAGG 1664 Val Asn Phe Leu Gln Asn Asn Leu Thr 510 GGAGAGGGGG GTGGGGGAGG GAAGGACCGT GGTCTCCTCT CGGGCAGCCG GCTCCTCATA 1724 ACCATTTGTT AAGCTTTTCC TTTGCTGATC TCATGGCATG CTCTGATGTG TTTTGTAGGA 1784 GGGGGAAACT CTTAAAATAA GCAAAGAAAC CGAGCAGGGT TGCGTACATT GGATGGTTCT 1844 CGTCTGTGCT CTTTGTACGT TGCTTCTACA GCTGTGATTT CTAAGCCTAT GCTGGCACTC 1904 AGCTGACTTG TTTTTTTGGT TTTTTGGTTT TTGTTTTTTC TGGGTTTTTG TTTTGTTTTG 1964 TTTTGTTTTG TTTCTTTGTT TTTTGGTTTG GTTTTTTTTT GTTTGTTTGT TTTTGTTTTT 2024 TTGTACTTTG ACCCACCTTT TTTTGGAATA CCAGTTTAAA AAAACAAAAC AAACAAGGTT 2084 CTTGAAATAA AACTTTTTAA AAA 2107
【0069】配列番号:2 配列の長さ:1740 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源:ヒト脳 配列: ATG GGG CGA GCC GGG GGC GGG GGC CCG GGC CGG GGG CCG CCG CCA CTG 48 Met Gly Arg Ala Gly Gly Gly Gly Pro Gly Arg Gly Pro Pro Pro Leu 1 5 10 15 CTG CTG TTT CTG GGG GCC GCG CTG GTC CTG GSC TCT GGG GCC GTA GCG 96 Leu Leu Phe Leu Gly Ala Ala Leu Val Leu Xaa Ser Gly Ala Val Ala 20 25 30 GCG CGT GAG GCG GGC AGC GCG GTT GAG GCC GAA GAG CTG GTG AAG GGC 144 Ala Arg Glu Ala Gly Ser Ala Val Glu Ala Glu Glu Leu Val Lys Gly 35 40 45 AGC CCG GCG TGG GAG CCG CCT GCC AAC GAC ACG CGG GAA GAA GCC GGC 192 Ser Pro Ala Trp Glu Pro Pro Ala Asn Asp Thr Arg Glu Glu Ala Gly 50 55 60 CCA CCA GCG GCT GGG GAA GAT GAG GCG TCG TGG ACG GCG CCC GGT GGC 240 Pro Pro Ala Ala Gly Glu Asp Glu Ala Ser Trp Thr Ala Pro Gly Gly 65 70 75 80 GAG CTG GCC GCC CGG TGG CGA SCT GCC GGG CCA GAA GAG GTG CTG CAG 288 Glu Leu Ala Ala Arg Trp Arg Xaa Ala Gly Pro Glu Glu Val Leu Gln 85 90 95 GAG CCG GCT GCG GTG ACT GGC ACC GCC TGG CTG GAA GCT GAC AGC CCA 336 Glu Pro Ala Ala Val Thr Gly Thr Ala Trp Leu Glu Ala Asp Ser Pro 100 105 110 GGC CTG GGA GGA GTG ACC GCA GAG GCG GGC AGC GGC GAT GCC CAG GCC 384 Gly Leu Gly Gly Val Thr Ala Glu Ala Gly Ser Gly Asp Ala Gln Ala 115 120 125 CTT CCA GCT ACG CTC CAG GCT CCC CAC GAG GTC CTC GGG CAG TCA ATC 432 Leu Pro Ala Thr Leu Gln Ala Pro His Glu Val Leu Gly Gln Ser Ile 130 135 140 ATG CCC CCT GCC ATT CCT GAG GCT ACA GAG GCC AGC GGG CCA CCC TCC 480 Met Pro Pro Ala Ile Pro Glu Ala Thr Glu Ala Ser Gly Pro Pro Ser 145 150 155 160 CCC ACC CTC CGC GAC AAG CTG AGC CCA GCT TCT GAA CTC CCC AAG GAG 528 Pro Thr Leu Arg Asp Lys Leu Ser Pro Ala Ser Glu Leu Pro Lys Glu 165 170 175 AGC CCC TTG GAG GTT TGG CTG AAC CTG GGG GGC AGC ACA CCC GAC CCT 576 Ser Pro Leu Glu Val Trp Leu Asn Leu Gly Gly Ser Thr Pro Asp Pro 180 185 190 CAA GTG CCA GAG CTG ACT TAC CCA TTT CAG GGC ACC CTG GAG CCC CAA 624 Gln Val Pro Glu Leu Thr Tyr Pro Phe Gln Gly Thr Leu Glu Pro Gln 195 200 205 CCG GCA TCA GAT ATC ATT GAC ATC GAC TAC TTC GAA GGA CTG GAT GGT 672 Pro Ala Ser Asp Ile Ile Asp Ile Asp Tyr Phe Glu Gly Leu Asp Gly 210 215 220 GAG GGT CGT GGC GCA GAT CTG GGG AGC TTC CCA GGG TCA CCA GGA ACC 720 Glu Gly Arg Gly Ala Asp Leu Gly Ser Phe Pro Gly Ser Pro Gly Thr 225 230 235 240 TCA GAG AAC CAC CCT GAT ACT GAG GGA GAG ACC CCT TCC TGG AGC CTG 768 Ser Glu Asn His Pro Asp Thr Glu Gly Glu Thr Pro Ser Trp Ser Leu 245 250 255 CTT GAC TTA TAC GAT GAT TTC ACC CCT TCG ATG AAT CTG ATT TCT ACC 816 Leu Asp Leu Tyr Asp Asp Phe Thr Pro Ser Met Asn Leu Ile Ser Thr 260 265 270 CCA CCA CAT CCT TTT ATG ATG ACT TGG ATG AAG AGG AGG AGG AAG AGG 864 Pro Pro His Pro Phe Met Met Thr Trp Met Lys Arg Arg Arg Lys Arg 275 280 285 AGG ATG ACA AAG ATG CAG TGG GAG GTG GAG ACC TGG AAG ATG AAA ATG 912 Arg Met Thr Lys Met Gln Trp Glu Val Glu Thr Trp Lys Met Lys Met 290 295 300 AGC TTC TAC TGC CCA CTG GGA AGC CTG GTC TGG GGC CCG GGG ACA GGC 960 Ser Phe Tyr Cys Pro Leu Gly Ser Leu Val Trp Gly Pro Gly Thr Gly 305 310 315 320 CAG CCC ACC AGT CGG TGG CAT GCT GTC CCT CCA CAG CAC ACT CTG GGG 1008 Gln Pro Thr Ser Arg Trp His Ala Val Pro Pro Gln His Thr Leu Gly 325 330 335 TCG GTC CCC GGC AGC AGC ATC GCC CTC AGG CCC CGC CCA GGA GAG CCA 1056 Ser Val Pro Gly Ser Ser Ile Ala Leu Arg Pro Arg Pro Gly Glu Pro 340 345 350 GGC AGG GAC TTG GCC TCC AGT GAA AAT GGC ACT GAG TGC CGC AGT GGC 1104 Gly Arg Asp Leu Ala Ser Ser Glu Asn Gly Thr Glu Cys Arg Ser Gly 355 360 365 TTT GTG CGG CAT AAC GGC TCC TGC CGG TCA GTG TGC GAC CTC TTC CCA 1152 Phe Val Arg His Asn Gly Ser Cys Arg Ser Val Cys Asp Leu Phe Pro 370 375 380 AGT TAC TGT CAC AAT GGC GGC CAG TGC TAC CTG GTG GAG AAC ATA GGG 1200 Ser Tyr Cys His Asn Gly Gly Gln Cys Tyr Leu Val Glu Asn Ile Gly 385 390 395 400 GCC TTC TGC AGG TGC AAC ACG CAG GAC TAC ATC TGG CAC AAG GGG ATG 1248 Ala Phe Cys Arg Cys Asn Thr Gln Asp Tyr Ile Trp His Lys Gly Met 405 410 415 CGC TGC GAG TCC ATC ATC ACC GAC TTC CAG GTG ATG TGC GTB GCC GTG 1296 Arg Cys Glu Ser Ile Ile Thr Asp Phe Gln Val Met Cys Val Ala Val 420 425 430 GGC TCG GCT GCC CTC GTC CTG CTC CTG CTC TTC ATG ATG ACG GTG TTC 1344 Gly Ser Ala Ala Leu Val Leu Leu Leu Leu Phe Met Met Thr Val Phe 435 440 445 TTT GCC AAG AAG CTC TAC CTG CTC AAG ACG GAG AAT ACC AAG CTG CGT 1392 Phe Ala Lys Lys Leu Tyr Leu Leu Lys Thr Glu Asn Thr Lys Leu Arg 450 455 460 AGG ACC AAC AAA TTC CGG AMC CCA TCT GAG CTC CAC AAT GAT AAC TTC 1440 Arg Thr Asn Lys Phe Arg Xaa Pro Ser Glu Leu His Asn Asp Asn Phe 465 470 475 480 TCC CTC TCC ACC ATT GCC GAG GGC TCT CAC CCA AAT GAT GAC CCC AGT 1488 Ser Leu Ser Thr Ile Ala Glu Gly Ser His Pro Asn Asp Asp Pro Ser 485 490 495 GCT CCC CAC AAA ATC CAG GGG GTT CTC AAG TCC TGC CTG AAG GAG GAG 1536 Ala Pro His Lys Ile Gln Gly Val Leu Lys Ser Cys Leu Lys Glu Glu 500 505 510 GAG TCA TTT AAC ATC CAG AAC TCC ATG TCG CCC AAA CTT GAG GGT GGC 1584 Glu Ser Phe Asn Ile Gln Asn Ser Met Ser Pro Lys Leu Glu Gly Gly 515 520 525 AAA GGT GAC CAG GCT GAC CTG GAT GTG AAC TGT CTT CAG AAT AAT TTA 1632 Lys Gly Asp Gln Ala Asp Leu Asp Val Asn Cys Leu Gln Asn Asn Leu 530 535 540 ACC TAA AGC AGA GCA AGA AGA GAG GAA GCG GGG TAG TGG GTG GGG GTA 1680 Thr *** Ser Arg Ala Arg Arg Glu Glu Ala Gly *** Trp Val Gly Val 545(stop) 550 555 560 GGG AAG AAA CAT TAT CTC CTC TTG TAC AGA GTC TAT TTC TTG TAA CCA 1728 Gly Lys Lys His Tyr Leu Leu Leu Tyr Arg Val Tyr Phe Leu *** Pro 565 570 575 TTT GTT AAA CTC 1740 Phe Val Lys Leu 580
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンドロイチン硫酸プロテオグリカン
の模式図を示す。CS−アタッチメントドメイン、塩基
性アミノ酸クラスタードメイン、システイン含有ドメイ
ン、膜貫通ドメイン及び細胞質内アミノ酸配列ドメイン
よりなる。
【図2】本発明のコンドロイチン硫酸プロテオグリカン
のアミノ酸配列の疎水性及び親水性分析結果を示す。横
軸が図6に示したアミノ酸残基番号を示し、縦軸はマイ
ナスが疎水性を示し、プラスが親水性を示す。
【図3】10日齢ラットから部分精製した膜結合型コン
ドロイチン硫酸プロテオグリカンのポリアクリルアミド
ゲル上での電気泳動図を示す。
【図4】ラット大脳皮質におけるNGCの発現パターン
を示す。 (A) 0日齢ラットの大脳皮質の前顎断切片をMAb C
5で免疫染色したもの。 (B) 7日齢ラットの大脳皮質の前顎断切片をMAb C
5で免疫染色したもの。 (C) 本発明のプロテオグリカンのコアグリコプロテイン
の相対発生量の変化。
【図5】本発明のラットNGCをコードするクローンを
示す。
【図6】本発明のラットNGCのcDNA配列と推定ア
ミノ酸配列を示す。アミノ酸は一文字表記法を用いた。
【図7】本発明のラットNGC、バーシカン、アグリカ
ン、ニューロカン、シンデカン、デコリン及びIX型コラ
ーゲンのグリコサミノグリカン結合又は結合可能な部位
のアミノ酸配列を示す。
【図8】NGCコア蛋白質の構造の模式図を示す。
【図9】ラットNGCのアミノ酸配列とラットアグリカ
ン(文献61)のアミノ酸配列との対比を示す。NGC
とラットアグリカンとの類似したクラスターの中央部位
間を線で結んだ。CS,CS1,CS2及びCS3はコ
ンドロイチン硫酸結合ドメインを、IGは、免疫グロブ
リン様ドメインを、H1及びH2はヒアルロン酸結合ド
メインを、KSは、ケラタン硫酸結合ドメインを、G
(ELC)はEGF様ドメイン、レクチン様ドメイン及
び補体調節タンパク質様ドメインを含むグロブラードメ
インを、Gはグロブラードメインを、Tは膜貫通ドメイ
ンを、CPは細胞質ドメインをそれぞれ示す。アミノ酸
残基数をスケールで示している。
【図10】7日齢ラットの脳(B7)、成熟ラットの脳
(Ba)、成熟ラット腎臓(K)、肝臓(Li)、肺臓
(Lu)及び筋肉(M)からのNGCのmRNAのノー
ザンブロットを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/08 G01N 33/53 V G01N 33/53 9282−4B C12N 15/00 ZNAA //(C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の性質を有するコア蛋白質と糖鎖とか
    らなるコンドロイチン硫酸プロテオグリカン。 (A)コア蛋白質の一次構造:配列表配列番号1の1番
    目のバリン(Val)から514番目のトレオニン(T
    hr)までのアミノ酸配列もしくはそれと相同性を有す
    るアミノ酸配列を有する。 (B)糖鎖:分子量約30キロダルトンのコンドロイチ
    ン硫酸を含有する。 (C)本プロテオグリカンにノイラミニダーゼ、O−グ
    リコシダーゼまたはN−グリコシダーゼを作用させると
    糖鎖が遊離する。
  2. 【請求項2】 分子量が、還元条件下におけるドデシル
    硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動にお
    いて約150キロダルトンである請求項1記載のコンド
    ロイチン硫酸プロテオグリカン。
  3. 【請求項3】 次の性質を有する糖蛋白質 (A)分子量:(a)ドデシル硫酸ナトリウム−ポリア
    クリルアミドゲル電気泳動で還元条件下において約12
    0キロダルトンのバンドを形成する、(b)ノイラミニ
    ダーゼ、O−グリコシダーゼおよびN−グリコシダーゼ
    の酵素反応後、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリル
    アミドゲル電気泳動で還元条件下において約100キロ
    ダルトンのバンドを形成する、 (B)蛋白質の一次構造:配列表配列番号1の1番目の
    バリン(Val)から514番目のトレオニン(Th
    r)までのアミノ酸配列あるいはそれと相同性を有する
    アミノ酸配列を有する。
  4. 【請求項4】 配列表配列番号1の1番目のバリン(V
    al)から514番目のトレオニン(Thr)までのア
    ミノ酸配列あるいはそれと相同性を有するアミノ酸配列
    を含み、糖鎖を有していてもよい蛋白質。
  5. 【請求項5】 配列表配列番号1の252番目のリジン
    (Lys)から398番目のシステイン(Cys)まで
    のアミノ酸配列あるいはそれと相同性を有するアミノ酸
    配列を含み、糖鎖を有していてもよい蛋白質。
  6. 【請求項6】 配列表配列番号2の31番目のバリン
    (Val)から545番目のトレオニン(Thr)まで
    のアミノ酸配列あるいはそれと相同性を有するアミノ酸
    配列を含み、糖鎖を有していてもよい蛋白質。
  7. 【請求項7】 配列表配列番号2の283番目のリジン
    (Lys)から429番目のシステイン(Cys)まで
    のアミノ酸配列あるいはそれと相同性を有するアミノ酸
    配列を含み、糖鎖を有していてもよい蛋白質。
  8. 【請求項8】 配列表配列番号1に示されるアミノ酸配
    列と配列番号2に示されるアミノ酸配列との間で共通す
    るアミノ酸をその順序で含むアミノ酸配列を有し、糖鎖
    を有していてもよい蛋白質。
  9. 【請求項9】 配列表配列番号1の1番目のバリン(V
    al)から514番目のトレオニン(Thr)までのア
    ミノ酸配列あるいはそれと相同性を有するアミノ酸配列
    をコードする塩基配列を含むDNA。
  10. 【請求項10】 配列表配列番号1の252番目のリジ
    ン(Lys)から398番目のシステイン(Cys)ま
    でのアミノ酸配列あるいはそれと相同性を有するアミノ
    酸配列をコードする塩基配列を含むDNA。
  11. 【請求項11】 配列表配列番号2の31番目のバリン
    (Val)から545番目のトレオニン(Thr)まで
    のアミノ酸配列あるいはそれと相同性を有するアミノ酸
    配列をコードする塩基配列を含むDNA。
  12. 【請求項12】 配列表配列番号2の283番目のリジ
    ン(Lys)から429番目のシステイン(Cys)ま
    でのアミノ酸配列あるいはそれと相同性を有するアミノ
    酸配列をコードする塩基配列を含むDNA。
  13. 【請求項13】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    プロテオグリカン、蛋白質またはそれらのペプチドフラ
    グメントをヒト以外の哺乳動物に免疫し、該動物の体液
    から採取することができるか、または該動物の抗体産生
    細胞によって産生される、該プロテオグリカンおよび該
    蛋白質の両者あるいはどちらか一方と反応する抗体。
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