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JPH09194315A - 新規微生物並びにそれを用いた植物の発芽・生育促進剤および促進方法 - Google Patents

新規微生物並びにそれを用いた植物の発芽・生育促進剤および促進方法

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Publication number
JPH09194315A
JPH09194315A JP8007810A JP781096A JPH09194315A JP H09194315 A JPH09194315 A JP H09194315A JP 8007810 A JP8007810 A JP 8007810A JP 781096 A JP781096 A JP 781096A JP H09194315 A JPH09194315 A JP H09194315A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
growth
germination
strain
plant
culture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8007810A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichi Miki
淳一 三木
Hidenori Hara
秀紀 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Tobacco Inc filed Critical Japan Tobacco Inc
Priority to JP8007810A priority Critical patent/JPH09194315A/ja
Publication of JPH09194315A publication Critical patent/JPH09194315A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 植物に対する発芽・生育促進能を有し、
かつ、n−カプリン酸資化性を有するザントモナス・マ
ルトフィリアに属する菌株、並びにそれを用いて植物の
発芽・生育促進剤及び促進方法。 【効果】 健全で生育の旺盛な苗を短期間で得ることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、学名ザントモナス
・マルトフィリア (Xanthomonas maltophilia )に属す
る細菌、および該細菌を植物の種子等あるいは根部に導
入して植物の発芽・生育を促進する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】農作物を生産し、その商品価値を高める
には、収穫物の品質、収量をある一定の水準に保つ必要
がある。そのためには健全で揃いの良い苗を多量に作ら
ねばならない。しかし、作物の種類によっては、発芽率
や初期生育が悪く、苗管理が容易でない例が多い。
【0003】たとえば、タバコでは均一な苗を得るため
に、発芽後の間引きや仮植などの作業を行っているが、
多大な労働力、時間を要している。そこで、種子の取扱
いの簡便さや間引き、仮植を省略するためにコーティン
グ種子が開発された(特公昭47-031122 号公報、特開昭
48-013110 号公報に記載)が、コーティング種子の場
合、発芽が均一でなくその後の生育も不揃いになりやす
いという問題点を有している。
【0004】また、トルコキキョウなどの花き等では、
発芽率が低く、発芽までに長期間を要する。ホウレンソ
ウなどでは、発芽後の生育に異常をきたし苗が倒伏・枯
死する場合が多くみられるなど、通常の管理では均一な
健苗を多量に得ることが困難な作物もある。
【0005】以上のように、作物の初期生育の促進およ
び斉一化をはかることが農業生産上重要な課題となって
いる。植物の生育促進物質としては、ジベレリンやオー
キシン等の植物ホルモンが報告されている。しかし、こ
れらの植物ホルモンは、多面的な作用を有しており、植
物に対して悪影響を及ぼす場合があることから、実用的
には、用途が限定されているのが現状である。
【0006】一方、植物の根圏または根面には多種多様
の微生物が生息しており、これらの中には植物の生育や
病害の発生を促進あるいは抑制する作用を有するものが
存在する。そこで、これらの根圏微生物の中から産業上
有用な微生物を分離し、これを農業生産性の向上のため
に利用しようとする試みが従来から行われており、多数
の研究報告がある。
【0007】糸状菌では、ある種の菌根菌(Endogone f
asciculata) が土壌中の燐の利用効率を高め、植物の必
須元素である燐を植物に供給することによって植物の生
長を促進することが知られている(Mycologia (1965) v
ol.57, 562-575) 。しかしながら、菌根菌は活物寄生菌
であるため、その培養には植物体そのものが必要であ
り、工業的にこれを大量培養することが困難である。
【0008】細菌では、Pseudomonas 属菌について検討
した事例が最も多い。Pseudomonasfluorescens を用
い、温室トマトで13.3%増収となり果実の大きさも11.1
%増加し、規格外品の生出率は減少するという報告(Soi
l Biology Biochemistry 25(2). 1993. 269-272)があ
る。P. putida では、冬コムギで11%の増収事例(Soil
Biology Biochemistry 24(11). 1992. 1137-1146) 。ダ
イズの組織培養でカルスのバイオマスが増加する事例
(Soil Biology Biochemistry 23(4). 1991. 331-33
4)、およびVAM菌根菌との混合処理によりクローバー
における根粒着生率ならびに地上部乾物重が増加する事
例(Soil Biology Biochmistry 18(2). 1986.185-190)
が挙げられる。P. cepaciaでは、冬コムギで6%増収の
事例(Soil Biology Biochemistry 24(11). 1992. 11
37-1146)がある。P. aeruginosa ではホウレンソウ、ト
ウモロコシにおいて13−32%の生育促進事例(Soil Bio
logy Biochemistry 24(8). 1992 751-759) がある。
【0009】Pseudomonas 属菌以外の例については、En
terobacter cloacaeおよびAgrobacterium rhizogenes
生育促進事例が知られており、それぞれ特開昭63-10266
8 号公報および特開昭59-161306 号公報に記載されてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の微生物を用いた
生育促進の例では、いずれも対象となる作物が限られて
おり、作物ごとに使いわける必要がある。また、その効
果も不安定である場合が多く、実用性のある微生物は、
現時点では見いだされていない。本発明は、大量培養が
容易で、しかも広範な植物に対し、発芽や生育を促進さ
せる作用を有する微生物を分離し、農作物等の栽培効率
を安定的に向上させる手段を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、ザントモナス・
マルトフィリアに属し、n−カプリン酸資化性を有する
一菌株が、広範な植物に対し、高い発芽・生育促進効果
を有することを見出し、本発明を完成した。
【0012】なお、ザントモナス属の細菌については、
除草効果のあることが知られており、その内容は特公平
06-25045号公報および特開平05-268946 号公報に記載さ
れている。しかし、本発明者等の知る限りでは、ザント
モナス属に属する微生物が、発芽・生育促進効果を有す
るとの報告はなされていない。
【0013】本発明の第一は、植物に対する発芽・生育
促進能を有し、かつ、n−カプリン酸資化性を有するザ
ントモナス・マルトフィリアに属する菌株である。本発
明の第二は上記記載の菌株の培養物を有効成分として含
有する植物の発芽・生育促進剤である。本発明の第三は
上記記載の菌株、または上記記載の植物の発芽・生育促
進剤を植物の種子等、または根部およびその近傍に導入
する工程を含んでなる、植物の発芽・生育促進方法であ
る。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。最初に本
発明の菌株について説明する。本発明の菌株の一例とし
てザントモナス・マルトフィリアH3674菌株(以
下、「H3674菌株」という)を挙げることができ
る。この菌株は、福島県白川群泉崎村のタバコ(品種:
みちのく1号)の根部から分離されたものであり、以下
のような菌学的性質を有する。
【0015】 以上の菌学的性質を Bergey's Manual of Systematic B
acteriology volume I(1984) および Int. J. Systemat
ic Bacteriology (1983) 33 pp409-413を参考に検討し
たところ、形態桿菌、グラム陰性、胞子形成無、運動性
有、好気性、オキシターゼ陰性、カタラーゼ陽性、OF
テストO、集落の色調は黄色系であり、さらにゼラチン
液化能、グルコース資化性、D−マンノース資化性およ
びマルトース資化性を有することから、本菌株は、ザン
トモナス・マルトフィリア(Xanthomonas maltophilia
) に属する菌株であると判断された。本菌株は、n−
カプリン酸の資化性が陽性であることを特徴としている
が、ザントモナス・マルトフィリアに属する公知の菌株
はいずれもn−カプリン酸の資化性が陰性であることか
ら、本菌株は公知のいずれの菌株とも異なる新規な菌株
である。本菌株は、FERM BP-5257として工業技術院生命
工学工業技術研究所に寄託されている(寄託日平成7年
10月4日)。
【0016】本発明の、植物に対する発芽・生育促進能
を有し、かつ、n−カプリン酸資化性を有するザントモ
ナス・マルトフィリアの菌株は、後述するH3674菌
株の分離、選抜方法に準じて、土壌などの各種材料から
探索することができる。その際、本発明の開示に基づ
き、n−カプリン酸の資化性を指標に用いれば検索の効
率が高まる。こうして単離される植物に対する発芽・生
育促進能を有し、かつ、n−カプリン酸資化性を有する
ザントモナス・マルトフィリアの菌株は全て本発明の技
術的範囲に含まれる。さらに、本発明の菌株を改変し、
前述した菌学的性質の一部が変更された微生物も、ザン
トモナス・マルトフィリアの特性を有し、植物に対する
発芽・生育促進能を有し、かつ、n−カプリン酸資化性
を有する限り、本発明の技術的範囲に含まれる。従っ
て、以下の説明はH3674株を例にして行うが、本発
明は特定の菌株に限定されるわけではない。
【0017】H3674菌株の培養条件および処理方法
については以下の通りである。培地については、特別な
培養基を準備する必要がなく、一般的な肉汁培地のほ
か、M523培地(Phytopathology (1970) vol.60, 69
6-976)、King B培地(J.Lab. Clin. Med. (1954) vol.4
4, 301-307) など細菌の培養に通常使用される培地でよ
く増殖する。培地のpHは5〜8好ましくは6〜7が適当
である。
【0018】培養については、振とう培養、静置培養、
通気培養などの好気的条件下で行うが、温度は20〜30℃
好ましくは25〜28℃、期間は1〜5日間好ましくは2〜
3日間が適当である。なお、寒天入りの斜面あるいは平
板培地で培養し、培地上に生育した菌体を用いてもよ
い。
【0019】次に、本発明の発芽・生育促進剤について
説明する。本発明の発芽・促進剤は、本発明の菌株の培
養物を有効成分として含有する。ここで本発明の菌株の
培養物とは、例えば、本発明の菌株の培養液、培養液か
ら分離した菌体、菌体を除いた培養液上清などをいう
が、これらに限定されず、本発明の菌株に由来し、植物
に対し発芽・生育促進能を有するあらゆる成分を含む。
本発明の発芽・生育促進剤は、例えば、菌体を有効成分
とする場合であれば水1mlあたり菌体を106 〜1010個、
好ましくは107 〜109 個の割合で懸濁することにより調
製できる。培養液上清を有効成分とする場合であれば培
養液の上清を水で原液〜1,000 倍、好ましくは原液〜10
0 倍に希釈することにより調製できる。菌体を分離して
いない培養液を有効成分とする場合であれば原液〜10,0
00倍、好ましくは原液〜1,000 倍に希釈することにより
調製できる。また、培養物の希釈液等にタルクやバーミ
キュライトを添加して製剤化することもできる。
【0020】次に、本発明の発芽・生育促進方法につい
て説明する。本発明の発芽・生育促進方法は、上記した
菌株の培養物、又は上記した植物の発芽・生育促進剤を
植物の種子等または根部およびその近傍に導入する工程
を含む。ここで「種子等」とは、種子のほかジャガイモ
の塊茎や、サツマイモの塊根などを含む。「根部」と
は、植物を栽培した場合に土壌中あるいは水耕液中にあ
って水分や栄養分の吸収を行う部分である。「導入す
る」とは、菌株の培養物が、植物に対し発芽・生育促進
をもたらすすべての処理をいう。具体的には、以下のよ
うな方法がある。種子等に導入する方法としては、例え
ば、菌株の培養物にタルク、バーミキュライト等を混入
して製剤化したものを種子にまぶしてから播種する方
法、培養物を種子に直接コーティングしてから播種する
方法、播種後の種子の周辺土壌に培養物を潅注する方
法、播種前の土壌に予め培養物を混入させておく方法な
どがある。
【0021】根部およびその近傍に導入する方法として
は、培養物を根部およびその近傍に散布あるいは潅注す
る方法、培養物中へ根部を浸漬する方法、培養物を土壌
に混和した後にそこに植物を移植する方法などがあり、
特に苗の根部に導入する方法としては、苗の株元土壌に
培養物を潅注する方法、仮植前の土壌に予め培養物を混
入させておく方法などがある。処理量としては、種子1
個あたり0.1〜1ml、苗1本あたり1〜2ml程度の割合
が好ましい。
【0022】本発明において植物はその種類等が制限さ
れないが、特に農作物が好適であり、農作物とは穀物、
野菜、花き、果樹等のすべての農作物並びにこれらの収
穫物を意味する。また、植物には苗も包含され、すべて
の有用植物の苗を挙げることができる
【0023】
【発明の実施の形態】以下に実施例をあげて本発明の内
容を説明する。
【0024】
【実施例】
〔実施例1〕(H3674菌株の分離、選抜) 本発明者らは、全国のタバコ畑からタバコ根部を採取
し、タバコ根面あるいは根圏から数多くの細菌株を分離
した。具体的には、健全なタバコ根部を掘取り、ハサミ
で根部を切り離し、付着している土壌を振り落とした。
約1cmの長さに切断した根を10mlの滅菌水中に入れ、ミ
キサーで撹拌した後、得られた懸濁液を1白金耳取り、
M523培地(シュークローズ 10.0g, カゼイン酵素分
解物 8.0g,イーストエクストラクト 4.0g, リン酸二カ
リウム 2.0g, 硫酸マグネシウム・7水和物 0.3g, 蒸
留水 1,000ml, 寒天 15.0g : Phytopathology (1970)
vol.60 : 969-976) あるいはKing B培地(プロテオース
ペプトン No.3 20g, リン酸二カリウム 1.5g, 硫酸マ
グネシウム 1.5g, グリセリン 10ml, 蒸留水 1,000ml
: J. Lab. Clin. Med (1954) vol.44 : 301-307) 上に
画線した。28℃、3日間培養後、得られた単一のコロニ
ーを−80℃のフリーザーで保存した。このようにして、
根面に良く定着すると考えられる細菌株約2,000 株を得
た。
【0025】そして、細菌自体が作物に対し病原性ある
いは悪影響を与えず、種々の作物に対し、どの作物にも
安定して発芽・生育促進効果が高く、実用性のある菌株
を選抜した。具体的には、植物体への影響および効果の
評価法として、タバコ(品種:BY4)のコーティング種子
を供試した。種子のコーティングは、特公昭47-031122
号および特開昭48-013110 号公報に記載の方法により行
った。このコーティング種子を、バーミキュライトを入
れたビニポット (30cm×30cm:36穴)に1穴(1穴あた
りの大きさは4cm ×4cm 、深さ5cm )あたり5粒づつ播
種した。そして、細菌株をKing B液体培地で28℃、120r
pm、2日間振とう培養後、培養液をコーティング種子に
1個あたり0.1mlずつ滴下して潅注することにより種子
に導入した。対照区には同量の水を処理した。その後、
20℃に設定した温室内に置き、2週間後にタバコの生育
について調査し、有用な菌株を選抜した。その選択にあ
たり、有用か否かは次の基準によった。
【0026】対照区に比べて、 種子の発芽が均一に早く、発芽率が高いこと。 発芽後の生育が均一に旺盛で、生育異常株または枯死
株がないこと。
【0027】次に、キャベツ種子(品種:照々丸)およ
びホウレンソウ種子(品種:風太郎)を供試し、上記の
タバココーティング種子と同じ方法で有用な菌株をさら
に選抜した。その結果、H3674菌株を選抜すること
ができた。 〔実施例2〕(H3674菌株によるタバコの生育促
進) H3674株をKing B液体培地を用いて25℃、72時間振
とう培養(120rpm) したのち、遠心(10,000×g, 15
分)して集菌し、菌体と培養液上清に分離した。菌体は
滅菌水中に109 /mlの濃度で懸濁した。上清は希釈しな
いで用いた。
【0028】ビニポット(30cm×30cm:36穴) に育苗用
肥土を詰め、これにタバコ(BY4 号:6葉期苗)を1本
仮植した直後、上記の方法で得られた菌体の水懸濁液ま
たはその培養液上清を苗1本あたり2mlずつタバコの株
元の周りに滴下させて潅注した。無処理区には、蒸留水
またはKing B液体培地を同様の方法で潅注した。その後
22℃の温室に置き、土壌表面が乾かない程度に潅水し
た。1区あたり苗12本を供試した。20日後に12本の苗全
部をハサミで地際部から切断後合わせて計量し、その値
を12で割って地上部平均生重とした。根部平均生重は、
残った地下部をていねいに掘取り水洗し、ペーパータオ
ルで余分な水分をとったのち、12本合わせて計量して算
出した。
【0029】
【表1】
【0030】結果を表−1に示した。無処理区(水)で
はタバコの生育がやや不斉一で、生育が遅く、葉色も淡
い傾向が見られた。一方、菌体処理区では、いずれも生
育が良好で葉色も濃く、移植に適した大きさに達し、無
処理区(水)と比較した場合、地上部で56%、地下部で
67%生重の増加が認められた。また、培養液上清処理区
についても無処理区(King B液体培地)と比較した場
合、地上部で5%、地下部で14%の生重が増加した。
【0031】〔実施例3〕(H3674によるキャベツ
の生育促進) ビニポット(30cm×30cm:36穴) にバーミキュライトを
詰め、これにキャベツ種子(品種:照々丸)を10粒播種
した直後、実施例2と同様の方法で得られたH3674
菌株の菌体の水懸濁液を種子1個あたり1mlずつ潅注し
た。無処理区には、蒸留水を同様の方法で潅注した。そ
の後22℃の室温に置き、表面が乾かない程度に潅水し
た。14日後に発芽した苗をすべて、ていねいに掘取り水
洗し、ペーパータオルで余分な水分をとったのち、全部
合わせて計量し、その値を発芽本数で割って平均生重を
算出した。なお、処理区間の発芽率は、大差なかった。
【0032】
【表2】
【0033】結果を表−2に示した。無処理区では、生
育が不斉一で遅延も見られたが、菌体処理区では植物体
の生育が良好で葉色が濃く、その生重量は無処理区
(水)に比較して62%増加した。
【0034】〔実施例4〕(H3674菌株によるホウ
レンソウの生育促進) ビニポット(30cm×30cm:36穴) にバーミキュライトを
詰め、これにホウレンソウ種子(品種:風太郎)を10粒
播種した直後、実施例2と同様の方法で得られたH36
74菌株の菌体の水懸濁液またはその培養液上清を種子
1個あたり1mlずつそれぞれ潅注した。無処理区には、
蒸留水またはKing B液体培地を同様の方法で潅注した。
その後22℃の室温に置き、表面が乾かない程度に潅水し
た。10日後、14日後に健全株数、生育異常株数、枯死株
数、未発芽種子数をそれぞれ調査した。
【0035】
【表3】
【0036】結果を表−3に示すが、無処理区(水)で
は、発芽率は菌体懸濁液処理区と大差がなかったが、生
育異常株や枯死株が多く見られ、健全株も生育の未熟な
株であった。これに対し、菌体懸濁液処理区では生育異
常株や枯死株はほとんど見られず、健全株の生育も旺盛
であり、その葉色も濃い傾向が見られた。また、培養液
上清処理区と無処理区(King B液体培地)を比較した場
合においても同様の結果が得られた。無処理区では、健
全株の生育が異常となり、やがて枯死に至る場合も見ら
れたが、培養液上清処理区では健全なまま良好に生育し
た。
【0037】菌体懸濁液処理区と培養液上清処理区の苗
の生育状況は大差なく、両区とも旺盛な生育を示した。
【0038】以上のように、H3674菌株の培養物を
種子あるいは苗に処理することによって、健全でより生
育の旺盛な苗を得ることができた。
【0039】
【発明の効果】本発明は、植物の発芽あるいは生長を促
進させる作用を有する新規微生物を提供し、当該微生物
を用いることにより、健全で生育の旺盛な苗を短期間で
得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物に対する発芽・生育促進能を有し、
    かつ、n−カプリン酸資化性を有するザントモナス・マ
    ルトフィリアに属する菌株。
  2. 【請求項2】 ザントモナス・マルトフィリアH367
    4菌株である、請求項1記載の菌株。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の菌株の培養物
    を有効成分として含有する植物の発芽・生育促進剤。
  4. 【請求項4】 請求項1もしくは2に記載の菌株、また
    は請求項3に記載の植物の発芽・生育促進剤を植物の種
    子等、または根部およびその近傍に導入する工程を含ん
    でなる、植物の発芽・生育促進方法。
JP8007810A 1996-01-19 1996-01-19 新規微生物並びにそれを用いた植物の発芽・生育促進剤および促進方法 Withdrawn JPH09194315A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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