JPH09183146A - 射出成形方法および射出成形用金型 - Google Patents
射出成形方法および射出成形用金型Info
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- JPH09183146A JPH09183146A JP34401095A JP34401095A JPH09183146A JP H09183146 A JPH09183146 A JP H09183146A JP 34401095 A JP34401095 A JP 34401095A JP 34401095 A JP34401095 A JP 34401095A JP H09183146 A JPH09183146 A JP H09183146A
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Landscapes
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 厚肉部と薄肉部との肉厚差の大きな光学レン
ズを成形する場合においても、比較的簡単な金型構造で
ありながら良好な成形精度を有したレンズを成形する。 【解決手段】 固定側型板1と可動側型板2とには固定
側鏡面駒3および可動側鏡面駒4が摺動可能に具備され
ている。各鏡面駒3,4の内部中央にはヒータ6,7が
具備されている。ヒータ6,7には電線11が接続され
ており、電線11はコントローラ10,コントローラ接
点10aを介して電源9に接続されている。各鏡面駒
3,4の鏡面部3a,4a近傍には厚肉部付近温度検知
用の熱電対13aと薄肉部付近温度検知用の熱電対13
bとが設けられており、各熱電対13a,13bはコン
トローラ10に接続されている。
ズを成形する場合においても、比較的簡単な金型構造で
ありながら良好な成形精度を有したレンズを成形する。 【解決手段】 固定側型板1と可動側型板2とには固定
側鏡面駒3および可動側鏡面駒4が摺動可能に具備され
ている。各鏡面駒3,4の内部中央にはヒータ6,7が
具備されている。ヒータ6,7には電線11が接続され
ており、電線11はコントローラ10,コントローラ接
点10aを介して電源9に接続されている。各鏡面駒
3,4の鏡面部3a,4a近傍には厚肉部付近温度検知
用の熱電対13aと薄肉部付近温度検知用の熱電対13
bとが設けられており、各熱電対13a,13bはコン
トローラ10に接続されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学レンズ等のよ
うな比較的高い精度を要する部品を容易かつ高精度に成
形することができる射出成形方法および射出成形用金型
に関する。
うな比較的高い精度を要する部品を容易かつ高精度に成
形することができる射出成形方法および射出成形用金型
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学レンズの成形は一般のモール
ド部品と同様に油や水等を熱媒体とし、温度調節器によ
り金型温度を一定温度に調節して行う方法が一般的に用
いられていた。しかし、この時の設定温度は成形樹脂固
有のガラス転移温度以下に設定されているため、冷却速
度が大きい場合には成形品内部とスキン層との間に極端
な温度差を生じてしまい、内部歪みの残留による品質の
劣化を引き起こす結果となる。
ド部品と同様に油や水等を熱媒体とし、温度調節器によ
り金型温度を一定温度に調節して行う方法が一般的に用
いられていた。しかし、この時の設定温度は成形樹脂固
有のガラス転移温度以下に設定されているため、冷却速
度が大きい場合には成形品内部とスキン層との間に極端
な温度差を生じてしまい、内部歪みの残留による品質の
劣化を引き起こす結果となる。
【0003】そこで、上記欠点を解決すべく、例えば特
開平3−219936号公報には以下のような発明が提
案されている。上記発明の射出成形方法は、キャビティ
に射出充填された溶融プラスチックを冷却してレンズを
成形するにあたり、レンズ成形体の肉厚分布により異な
る固化速度を、厚肉部分に対しては冷却により強制的に
促進し、薄肉部分に対しては電磁誘導加熱または加熱流
体等による加熱により遅らせて等しく制御する方法であ
る。
開平3−219936号公報には以下のような発明が提
案されている。上記発明の射出成形方法は、キャビティ
に射出充填された溶融プラスチックを冷却してレンズを
成形するにあたり、レンズ成形体の肉厚分布により異な
る固化速度を、厚肉部分に対しては冷却により強制的に
促進し、薄肉部分に対しては電磁誘導加熱または加熱流
体等による加熱により遅らせて等しく制御する方法であ
る。
【0004】上記方法に用いられる金型装置の一つは、
成形品が凸レンズの場合、冷却手段を備えた固定および
可動のベース金型と、それらベース金型の内部の入子型
と、その一対の入子型のパーティング部に設けられた凸
レンズ成形用のキャビティと、両入子型のキャビティ側
周囲に設けた電磁誘導加熱手段または加熱流体による加
熱手段と、両入子型の中央部に設けた流路による冷却手
段とからなる。
成形品が凸レンズの場合、冷却手段を備えた固定および
可動のベース金型と、それらベース金型の内部の入子型
と、その一対の入子型のパーティング部に設けられた凸
レンズ成形用のキャビティと、両入子型のキャビティ側
周囲に設けた電磁誘導加熱手段または加熱流体による加
熱手段と、両入子型の中央部に設けた流路による冷却手
段とからなる。
【0005】また金型装置の他の一つは、一対の入子型
のパーティング部に設けられた凹レンズ成形用のキャビ
ティと、両入子型のキャビティ側中央部に設けた電磁誘
導加熱または加熱流体による加熱手段と、両入子型の周
縁に沿って設けた流路による冷却手段とからなる。
のパーティング部に設けられた凹レンズ成形用のキャビ
ティと、両入子型のキャビティ側中央部に設けた電磁誘
導加熱または加熱流体による加熱手段と、両入子型の周
縁に沿って設けた流路による冷却手段とからなる。
【0006】さらに、金型装置の上記加熱および冷却手
段を、両入子型のキャビティ側の中央部と周縁部とに同
心円に設けた冷却流路と、各冷却流路に収容した電磁コ
イルによる電磁誘導加熱の両方から構成され、そこに設
けられたキャビティの形状に合わせてその両方を加熱ま
たは冷却用として交互使用を可能とし、キャビティのみ
の交換で凹凸両方のレンズの成形に使用できる構成より
なる。
段を、両入子型のキャビティ側の中央部と周縁部とに同
心円に設けた冷却流路と、各冷却流路に収容した電磁コ
イルによる電磁誘導加熱の両方から構成され、そこに設
けられたキャビティの形状に合わせてその両方を加熱ま
たは冷却用として交互使用を可能とし、キャビティのみ
の交換で凹凸両方のレンズの成形に使用できる構成より
なる。
【0007】上記加熱と冷却手段とを備えた入子型の複
数組を、冷却手段を備えた固定および可動のベース金型
の所要箇所へ等間隔に内設し、各入子型内のキャビティ
を固定側ベース金型の中央から配設されたランナーと接
続して多数個取りの成形金型を構成した際には、入子型
相互の熱の干渉を断つ冷却路が上記ベース金型と入子型
との間に設けられる。
数組を、冷却手段を備えた固定および可動のベース金型
の所要箇所へ等間隔に内設し、各入子型内のキャビティ
を固定側ベース金型の中央から配設されたランナーと接
続して多数個取りの成形金型を構成した際には、入子型
相互の熱の干渉を断つ冷却路が上記ベース金型と入子型
との間に設けられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平3−219936号公報記載の発明においては以下
のような欠点がある。すなわち、成形品の内部歪みを緩
和するために厚肉部分と薄肉部分とのそれぞれの固化速
度を冷却手段あるいは加熱手段によってほぼ等しくしよ
うとするものであるため、温度制御が極めて困難であ
る。また、そのための装置も複雑なものとなってしま
う。さらに、キャビティの表面は全体的に温度分布が不
均一なものとなるために熱膨張の差異が生じ、キャビテ
ィ表面の面精度が悪化してしまうことも欠点の一つとし
て挙げられる。
開平3−219936号公報記載の発明においては以下
のような欠点がある。すなわち、成形品の内部歪みを緩
和するために厚肉部分と薄肉部分とのそれぞれの固化速
度を冷却手段あるいは加熱手段によってほぼ等しくしよ
うとするものであるため、温度制御が極めて困難であ
る。また、そのための装置も複雑なものとなってしま
う。さらに、キャビティの表面は全体的に温度分布が不
均一なものとなるために熱膨張の差異が生じ、キャビテ
ィ表面の面精度が悪化してしまうことも欠点の一つとし
て挙げられる。
【0009】請求項1の課題は、比較的簡単な金型構造
でキャビティ内の樹脂の温度制御を行うことができ、し
かも高い面精度を確保することが可能な成形方法を提供
することにある。請求項2および3の課題は、成形品の
成形精度を更に良好かつ安定的とすることのできる射出
成形用金型を提供することにある。
でキャビティ内の樹脂の温度制御を行うことができ、し
かも高い面精度を確保することが可能な成形方法を提供
することにある。請求項2および3の課題は、成形品の
成形精度を更に良好かつ安定的とすることのできる射出
成形用金型を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、金型
キャビティを形成する鏡面駒に温度調節器を有する発熱
体を装填し、キャビティ温度を自在に制御して成形する
射出成形方法において、前記キャビティ内に射出した溶
融樹脂がガラス転移温度よりも高い温度域に存在する間
に前記発熱体でキャビティ表面を溶融樹脂のガラス転移
温度以上の域まで加熱し、キャビティ内の樹脂の低温部
と高温部とのそれぞれの温度差の絶対値が最小値付近と
なるまでキャビティ表面を一定温度に保持した後、前記
発熱体の稼動を停止して溶融樹脂をガラス転移温度以下
の域まで冷却することを特徴とする射出成形方法であ
る。
キャビティを形成する鏡面駒に温度調節器を有する発熱
体を装填し、キャビティ温度を自在に制御して成形する
射出成形方法において、前記キャビティ内に射出した溶
融樹脂がガラス転移温度よりも高い温度域に存在する間
に前記発熱体でキャビティ表面を溶融樹脂のガラス転移
温度以上の域まで加熱し、キャビティ内の樹脂の低温部
と高温部とのそれぞれの温度差の絶対値が最小値付近と
なるまでキャビティ表面を一定温度に保持した後、前記
発熱体の稼動を停止して溶融樹脂をガラス転移温度以下
の域まで冷却することを特徴とする射出成形方法であ
る。
【0011】請求項1の発明においては、型締めが完了
すると射出成形機から型締め完了信号が出力され、コン
トローラにより発熱体作動信号が出力される。これによ
り発熱体の加熱が開始され、この発熱体からの熱伝導に
よってこれを保持するキャビティ鏡面駒は成形樹脂のガ
ラス転移温度以上の域における適切な温度に調節され
る。溶融樹脂のキャビティへの射出はキャビティ表面が
樹脂のガラス転移温度を越えた時点で行われる。
すると射出成形機から型締め完了信号が出力され、コン
トローラにより発熱体作動信号が出力される。これによ
り発熱体の加熱が開始され、この発熱体からの熱伝導に
よってこれを保持するキャビティ鏡面駒は成形樹脂のガ
ラス転移温度以上の域における適切な温度に調節され
る。溶融樹脂のキャビティへの射出はキャビティ表面が
樹脂のガラス転移温度を越えた時点で行われる。
【0012】この後、冷却工程が開始されるが、キャビ
ティ表面は成形樹脂のガラス転移温度以上の温度に調節
されているため、完全に固化されない状態で樹脂温は先
ずこの時のキャビティ温度付近において安定しようとす
る。この状態を、成形品の低温部すなわち薄肉部と高温
部すなわち厚肉部との温度差の絶対値が最小となるまで
保持する。これにより、キャビティ内の樹脂の温度分布
はほぼ均一となる。
ティ表面は成形樹脂のガラス転移温度以上の温度に調節
されているため、完全に固化されない状態で樹脂温は先
ずこの時のキャビティ温度付近において安定しようとす
る。この状態を、成形品の低温部すなわち薄肉部と高温
部すなわち厚肉部との温度差の絶対値が最小となるまで
保持する。これにより、キャビティ内の樹脂の温度分布
はほぼ均一となる。
【0013】しかる後、発熱体の作動は停止され、キャ
ビティ表面は樹脂のガラス転移温度以下の域まで冷却さ
れるが、薄肉部と厚肉部との温度差がほとんどない状態
で冷却されるため、内部の残留応力や不均一な収縮分布
を生じることはない。これにより、極めて良好な面精度
を持つレンズが成形される。そして、取り出し温度まで
冷却された後、成形されたレンズは金型外へ取り出され
る。
ビティ表面は樹脂のガラス転移温度以下の域まで冷却さ
れるが、薄肉部と厚肉部との温度差がほとんどない状態
で冷却されるため、内部の残留応力や不均一な収縮分布
を生じることはない。これにより、極めて良好な面精度
を持つレンズが成形される。そして、取り出し温度まで
冷却された後、成形されたレンズは金型外へ取り出され
る。
【0014】請求項2の発明は、キャビティを形成する
鏡面駒に温度調節器を有する少なくとも一つの発熱体を
装填し、キャビティ温度を自在に制御し得る射出成形用
金型において、前記発熱体と前記鏡面駒に形成された鏡
面部との間に低熱伝導部材の断熱層を設けたことを特徴
とする射出成形用金型である。
鏡面駒に温度調節器を有する少なくとも一つの発熱体を
装填し、キャビティ温度を自在に制御し得る射出成形用
金型において、前記発熱体と前記鏡面駒に形成された鏡
面部との間に低熱伝導部材の断熱層を設けたことを特徴
とする射出成形用金型である。
【0015】請求項2の発明においては、キャビティ鏡
面駒の鏡面部と該鏡面駒に装填された発熱体との間には
低熱伝導部材の断熱層が形成されている。この断熱層に
より、鏡面部において発熱体加熱初期に発熱体近傍のみ
が高温となることはなく、比較的均一な温度分布で鏡面
を昇温する。これにより、成形品の成形精度は常に良好
かつ安定的となる。
面駒の鏡面部と該鏡面駒に装填された発熱体との間には
低熱伝導部材の断熱層が形成されている。この断熱層に
より、鏡面部において発熱体加熱初期に発熱体近傍のみ
が高温となることはなく、比較的均一な温度分布で鏡面
を昇温する。これにより、成形品の成形精度は常に良好
かつ安定的となる。
【0016】請求項3の発明は、前記断熱層が空気層で
あることを特徴とする請求項2記載の射出成形用金型で
ある。請求項3の発明においては、断熱層を空気層とし
たことにより、鏡面方向への直接的な熱伝導が抑制さ
れ、更に均一な温度分布で鏡面を昇温する。
あることを特徴とする請求項2記載の射出成形用金型で
ある。請求項3の発明においては、断熱層を空気層とし
たことにより、鏡面方向への直接的な熱伝導が抑制さ
れ、更に均一な温度分布で鏡面を昇温する。
【0017】
(実施の形態1)図1〜図3は本実施の形態を示し、図
1は用いる装置の概略構成図、図2は射出成形方法のフ
ローチャート、図3は射出直後の樹脂温降下を高温部と
低温部とに分けて示したグラフである。固定側型板1と
可動側型板2とには互いに軸を同じにしてそれぞれ凹面
を有する固定側鏡面駒3および可動側鏡面駒4が摺動可
能に具備されている。キャビティ5は、これらの鏡面駒
3,4の鏡面部3a,4aを突き合わせることにより形
成される。なお、鏡面形状は両側凹形状のみに限らず、
凹形状と凸形状とのいかなる組み合わせでも構わない。
1は用いる装置の概略構成図、図2は射出成形方法のフ
ローチャート、図3は射出直後の樹脂温降下を高温部と
低温部とに分けて示したグラフである。固定側型板1と
可動側型板2とには互いに軸を同じにしてそれぞれ凹面
を有する固定側鏡面駒3および可動側鏡面駒4が摺動可
能に具備されている。キャビティ5は、これらの鏡面駒
3,4の鏡面部3a,4aを突き合わせることにより形
成される。なお、鏡面形状は両側凹形状のみに限らず、
凹形状と凸形状とのいかなる組み合わせでも構わない。
【0018】各鏡面駒3,4の内部中央には、鏡面部3
a,4aから一定の距離Hを介してそれぞれ一つずつ円
筒形状のヒータ6,7が具備されている。ヒータ6,7
には電線11が接続されており、電線11はコントロー
ラ10,コントローラ接点10aを介して電源9に接続
されている。ヒータ6,7と鏡面部3a,4aとの間の
一定距離Hは、樹脂圧によって撓みを生じることがほと
んどない程度の距離である。
a,4aから一定の距離Hを介してそれぞれ一つずつ円
筒形状のヒータ6,7が具備されている。ヒータ6,7
には電線11が接続されており、電線11はコントロー
ラ10,コントローラ接点10aを介して電源9に接続
されている。ヒータ6,7と鏡面部3a,4aとの間の
一定距離Hは、樹脂圧によって撓みを生じることがほと
んどない程度の距離である。
【0019】さらに、各鏡面駒3,4の鏡面部3a,4
a近傍には厚肉部付近温度検知用の熱電対13aと薄肉
部付近温度検知用の熱電対13bとが設けられており、
各熱電対13a,13bはコントローラ10に接続され
ている。なお、図1中の8aはスプル、8bはランナ
ー、12はエジェクタピンを示している。この他、10
0は射出成形機を示しており、射出成形機100はコン
トローラ10に接続されている。
a近傍には厚肉部付近温度検知用の熱電対13aと薄肉
部付近温度検知用の熱電対13bとが設けられており、
各熱電対13a,13bはコントローラ10に接続され
ている。なお、図1中の8aはスプル、8bはランナ
ー、12はエジェクタピンを示している。この他、10
0は射出成形機を示しており、射出成形機100はコン
トローラ10に接続されている。
【0020】以上の構成からなる装置を用いての射出成
形方法は、型締めが完了すると射出成形機100から型
締め完了信号が出力され、コントローラ10によりヒー
タ加熱信号が出力される。これにより、コントローラ接
点10aが閉じ、固定側および可動側のヒータ6,7は
加熱を開始する。このヒータ6,7からの熱伝導によ
り、これを保持する各鏡面駒3,4の鏡面部3a,4a
は成形樹脂のガラス転移温度以上の域における適切な温
度に調整される。
形方法は、型締めが完了すると射出成形機100から型
締め完了信号が出力され、コントローラ10によりヒー
タ加熱信号が出力される。これにより、コントローラ接
点10aが閉じ、固定側および可動側のヒータ6,7は
加熱を開始する。このヒータ6,7からの熱伝導によ
り、これを保持する各鏡面駒3,4の鏡面部3a,4a
は成形樹脂のガラス転移温度以上の域における適切な温
度に調整される。
【0021】各鏡面駒3,4の鏡面部3a,4aが樹脂
のガラス転移温度を越えた時点で溶融樹脂がキャビティ
5に射出される。この時の樹脂温は薄肉部および厚肉部
に関わらず、図3における0sec時の値に相当する。
この後、冷却工程が開始されるが、鏡面部3a,4aは
成形樹脂のガラス転移温度以上の温度に調節されている
ため、樹脂温は先ずこの時のキャビティ5温度付近にお
いて安定しようとする。但し、この時の樹脂はガラス転
移温度以上の域にあるため、完全には固化されていな
い。
のガラス転移温度を越えた時点で溶融樹脂がキャビティ
5に射出される。この時の樹脂温は薄肉部および厚肉部
に関わらず、図3における0sec時の値に相当する。
この後、冷却工程が開始されるが、鏡面部3a,4aは
成形樹脂のガラス転移温度以上の温度に調節されている
ため、樹脂温は先ずこの時のキャビティ5温度付近にお
いて安定しようとする。但し、この時の樹脂はガラス転
移温度以上の域にあるため、完全には固化されていな
い。
【0022】上記状態を成形樹脂の低温部と高温部との
温度差の絶対値が最小値付近となるまで保持し、この数
値を近似的に厚肉部付近に設けた熱電対13aと薄肉部
付近に設けた熱電対13bとを介してコントローラ10
によって検知する。検知後、コントローラ10よりヒー
タ非加熱信号が出力され、コントローラ接点10aが開
く。ここまでが、図3における300sec時までの樹
脂温傾向を示すものである。
温度差の絶対値が最小値付近となるまで保持し、この数
値を近似的に厚肉部付近に設けた熱電対13aと薄肉部
付近に設けた熱電対13bとを介してコントローラ10
によって検知する。検知後、コントローラ10よりヒー
タ非加熱信号が出力され、コントローラ接点10aが開
く。ここまでが、図3における300sec時までの樹
脂温傾向を示すものである。
【0023】コントローラ接点10aが開くことにより
各ヒータ6,7は非導通となり、各鏡面駒3,4はガラ
ス転移温度以下まで冷却される。この時、樹脂における
薄肉部と厚肉部との温度差がほぼ最小の状態で冷却され
るため、内部の残留応力や不均一な収縮分布を生じるこ
とはない。これにより、極めて良好な面精度を持つレン
ズを成形することができる。しかる後、レンズは取り出
し可能な温度となり、スプル8aおよびランナー8bと
ともに可動側鏡面駒4およびエジェクタピン12に突き
出され、金型外へ取り出される。
各ヒータ6,7は非導通となり、各鏡面駒3,4はガラ
ス転移温度以下まで冷却される。この時、樹脂における
薄肉部と厚肉部との温度差がほぼ最小の状態で冷却され
るため、内部の残留応力や不均一な収縮分布を生じるこ
とはない。これにより、極めて良好な面精度を持つレン
ズを成形することができる。しかる後、レンズは取り出
し可能な温度となり、スプル8aおよびランナー8bと
ともに可動側鏡面駒4およびエジェクタピン12に突き
出され、金型外へ取り出される。
【0024】本実施の形態によれば、温度制御可能な発
熱体を鏡面駒内に装填し、成形樹脂のガラス転移温度よ
りも高い温度範囲で成形樹脂の温度分布を均一化した
後、取り出し温度まで冷却するものである。因って、厚
肉部と薄肉部との肉厚差の大きな光学レンズを成形する
場合においても、比較的簡単な金型構造でありながら良
好な成形精度を得ることができる等、生産効率の飛躍的
な向上に貢献することができる。
熱体を鏡面駒内に装填し、成形樹脂のガラス転移温度よ
りも高い温度範囲で成形樹脂の温度分布を均一化した
後、取り出し温度まで冷却するものである。因って、厚
肉部と薄肉部との肉厚差の大きな光学レンズを成形する
場合においても、比較的簡単な金型構造でありながら良
好な成形精度を得ることができる等、生産効率の飛躍的
な向上に貢献することができる。
【0025】尚、本実施の形態では300secでヒー
タをOFFとしたが、より多くの時間を費やせば、更に
薄肉部と厚肉部との温度差を小さくすることができ、よ
り良好な面精度を持ったレンズを得ることが出来る。
タをOFFとしたが、より多くの時間を費やせば、更に
薄肉部と厚肉部との温度差を小さくすることができ、よ
り良好な面精度を持ったレンズを得ることが出来る。
【0026】(実施の形態2)図4は本実施の形態を示
す要部拡大断面図である。本実施の形態では、前記実施
の形態1で用いた装置の各鏡面駒3,4に断熱層を設け
て構成した点が異なり、他の構成は同様な構成部分から
成るもので、同一構成部分には同一番号を付してその説
明を省略する。本実施の形態における断熱層は、固定側
鏡面駒3および可動側鏡面駒4に具備される各ヒータ
6,7のそれぞれの挿入穴6a,7aの鏡面側最深部に
円錐形状の空間6b,7bをそれぞれ設けたものであ
る。
す要部拡大断面図である。本実施の形態では、前記実施
の形態1で用いた装置の各鏡面駒3,4に断熱層を設け
て構成した点が異なり、他の構成は同様な構成部分から
成るもので、同一構成部分には同一番号を付してその説
明を省略する。本実施の形態における断熱層は、固定側
鏡面駒3および可動側鏡面駒4に具備される各ヒータ
6,7のそれぞれの挿入穴6a,7aの鏡面側最深部に
円錐形状の空間6b,7bをそれぞれ設けたものであ
る。
【0027】以上の構成からなる装置は、固定側および
可動側の各ヒータ6,7が加熱を開始すると、熱伝導に
より各鏡面駒3,4も昇温を始める。しかし、ヒータ挿
入穴6a,7aの円錐形状の空間6b,7bにより鏡面
方向への直接的な熱伝導は抑制されるため、鏡面部3
a,4aにおける不均一な温度分布が発生することはな
い。これにより、個々の鏡面駒3,4の鏡面部3a,4
aはそれぞれ均一的な温度分布に保持され、鏡面駒3,
4自体の偏った熱膨張による面精度劣化を阻止する。
可動側の各ヒータ6,7が加熱を開始すると、熱伝導に
より各鏡面駒3,4も昇温を始める。しかし、ヒータ挿
入穴6a,7aの円錐形状の空間6b,7bにより鏡面
方向への直接的な熱伝導は抑制されるため、鏡面部3
a,4aにおける不均一な温度分布が発生することはな
い。これにより、個々の鏡面駒3,4の鏡面部3a,4
aはそれぞれ均一的な温度分布に保持され、鏡面駒3,
4自体の偏った熱膨張による面精度劣化を阻止する。
【0028】本実施の形態によれば、個々の鏡面駒をそ
れぞれ均一的な温度分布に保持し、鏡面駒自体の偏った
熱膨張による面精度劣化を阻止することができる。因っ
て、厚肉部と薄肉部との肉厚差の大きな光学レンズを成
形する場合においても、更に良好な面精度を有したレン
ズを成形することができる等、種々の効果を発揮するこ
とができる。
れぞれ均一的な温度分布に保持し、鏡面駒自体の偏った
熱膨張による面精度劣化を阻止することができる。因っ
て、厚肉部と薄肉部との肉厚差の大きな光学レンズを成
形する場合においても、更に良好な面精度を有したレン
ズを成形することができる等、種々の効果を発揮するこ
とができる。
【0029】尚、本実施の形態では各挿入穴6a,7a
の鏡面側最深部を空間6b,7bとしたが、本発明は空
間6b,7b(空間といえども空気は充填されている)
に限定するものではなく、ヒータ6,7の熱を直接鏡面
部3a,4aに伝えない断熱部材で構成しても良い。例
えば、セラミックス等の耐熱性の有る断熱部材を存在さ
せることでも同等の効果が得られる。
の鏡面側最深部を空間6b,7bとしたが、本発明は空
間6b,7b(空間といえども空気は充填されている)
に限定するものではなく、ヒータ6,7の熱を直接鏡面
部3a,4aに伝えない断熱部材で構成しても良い。例
えば、セラミックス等の耐熱性の有る断熱部材を存在さ
せることでも同等の効果が得られる。
【0030】また、各空間6b,7bの形状について
も、円錐形状に限定されるものではなく、鏡面駒3,4
の鏡面部3a,4a方向へ対するヒータ6,7の面積を
覆う程度の大きさを有するものであれば、その材質に応
じて本発明の主旨を損なわない範囲で任意の形状をとり
得るものである。
も、円錐形状に限定されるものではなく、鏡面駒3,4
の鏡面部3a,4a方向へ対するヒータ6,7の面積を
覆う程度の大きさを有するものであれば、その材質に応
じて本発明の主旨を損なわない範囲で任意の形状をとり
得るものである。
【0031】
【発明の効果】請求項1の効果は、温度制御可能な発熱
体を鏡面駒内に装填し、成形樹脂のガラス転移温度より
も高い温度範囲で成形樹脂の温度分布を均一化した後、
取り出し温度まで冷却するものであり、厚肉部と薄肉部
との肉厚差の大きな光学レンズを成形する場合において
も、比較的簡単な金型構造でありながら良好な成形精度
を得ることができる
体を鏡面駒内に装填し、成形樹脂のガラス転移温度より
も高い温度範囲で成形樹脂の温度分布を均一化した後、
取り出し温度まで冷却するものであり、厚肉部と薄肉部
との肉厚差の大きな光学レンズを成形する場合において
も、比較的簡単な金型構造でありながら良好な成形精度
を得ることができる
【0032】請求項2および3の効果は、個々の鏡面駒
をそれぞれ均一的な温度分布に保持し、鏡面駒自体の偏
った熱膨張による面精度劣化を阻止することで、更に良
好な面精度を有したレンズを成形することができる。
をそれぞれ均一的な温度分布に保持し、鏡面駒自体の偏
った熱膨張による面精度劣化を阻止することで、更に良
好な面精度を有したレンズを成形することができる。
【図1】実施の形態1を示す概略構成図である。
【図2】実施の形態1を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態1を示すグラフである。
【図4】実施の形態2を示す要部拡大断面図である。
1 固定側型板 2 可動側型板 3 固定側鏡面駒 4 可動側鏡面駒 5 キャビティ 6,7 ヒータ 8a スプル 8b ランナー 9 電源 10 コントローラ 10a コントローラ接点 11 電線 12 エジェクタピン 13a,13b 熱電対 100 射出成形機
Claims (3)
- 【請求項1】 金型キャビティを形成する鏡面駒に温度
調節器を有する発熱体を装填し、キャビティ温度を自在
に制御して成形する射出成形方法において、前記キャビ
ティ内に射出した溶融樹脂がガラス転移温度よりも高い
温度域に存在する間に前記発熱体でキャビティ表面を溶
融樹脂のガラス転移温度以上の域まで加熱し、キャビテ
ィ内の樹脂の低温部と高温部とのそれぞれの温度差の絶
対値が最小値付近となるまでキャビティ表面を一定温度
に保持した後、前記発熱体の稼動を停止して溶融樹脂を
ガラス転移温度以下の域まで冷却することを特徴とする
射出成形方法。 - 【請求項2】 キャビティを形成する鏡面駒に温度調節
器を有する少なくとも一つの発熱体を装填し、キャビテ
ィ温度を自在に制御し得る射出成形用金型において、前
記発熱体と前記鏡面駒に形成された鏡面部との間に断熱
層を設けたことを特徴とする射出成形用金型。 - 【請求項3】 前記断熱層が空気層であることを特徴と
する請求項2記載の射出成形用金型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34401095A JPH09183146A (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 射出成形方法および射出成形用金型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34401095A JPH09183146A (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 射出成形方法および射出成形用金型 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09183146A true JPH09183146A (ja) | 1997-07-15 |
Family
ID=18365967
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34401095A Withdrawn JPH09183146A (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 射出成形方法および射出成形用金型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09183146A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008188909A (ja) * | 2007-02-06 | 2008-08-21 | Olympus Corp | 射出成形装置、射出成形方法 |
-
1995
- 1995-12-28 JP JP34401095A patent/JPH09183146A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008188909A (ja) * | 2007-02-06 | 2008-08-21 | Olympus Corp | 射出成形装置、射出成形方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030304 |