JPH09175999A - 球形顆粒およびその製造方法 - Google Patents
球形顆粒およびその製造方法Info
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- JPH09175999A JPH09175999A JP34943295A JP34943295A JPH09175999A JP H09175999 A JPH09175999 A JP H09175999A JP 34943295 A JP34943295 A JP 34943295A JP 34943295 A JP34943295 A JP 34943295A JP H09175999 A JPH09175999 A JP H09175999A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 溶出制御された顆粒状医薬品等の製造に有用
な水溶性炭水化物を主成分とする高硬度でブロッキング
性のない球形顆粒とその製造法を提供する。 【解決手段】 填料の少なくとも一部は水溶性炭水化物
の微粉末であり、結合剤はこれと同一または異なる水溶
性炭水化物であって、該填料と該結合剤の少なくとも一
方は澱粉糖化物またはその還元物である材料から形成さ
れている層を核の外側に有する球形顆粒と、転動造粒法
による該球形顆粒の製造方法。
な水溶性炭水化物を主成分とする高硬度でブロッキング
性のない球形顆粒とその製造法を提供する。 【解決手段】 填料の少なくとも一部は水溶性炭水化物
の微粉末であり、結合剤はこれと同一または異なる水溶
性炭水化物であって、該填料と該結合剤の少なくとも一
方は澱粉糖化物またはその還元物である材料から形成さ
れている層を核の外側に有する球形顆粒と、転動造粒法
による該球形顆粒の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水溶性炭水化物を主
成分とする球形顆粒に関する。また、本発明は、核の外
側に水溶性炭水化物からなる層部を球形に形成させる転
動造粒方法による球形顆粒の製造方法に関する。
成分とする球形顆粒に関する。また、本発明は、核の外
側に水溶性炭水化物からなる層部を球形に形成させる転
動造粒方法による球形顆粒の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬品の溶出制御技術の一つとして、微
小な球形顆粒の表面に薬剤と溶出制御層とをコーティン
グし、必要なら何種類かのかかるコーティング物を混合
して所望の溶出特性に設定する方法が広く行なわれてい
る。
小な球形顆粒の表面に薬剤と溶出制御層とをコーティン
グし、必要なら何種類かのかかるコーティング物を混合
して所望の溶出特性に設定する方法が広く行なわれてい
る。
【0003】このような顆粒状医薬品の製造に使用され
る球形顆粒としては、通常蔗糖または蔗糖と澱粉との混
合物から製造されたものが広く用いられている。この球
形顆粒は通常、蔗糖の結晶を核として遠心転動造粒装置
に仕込み、蔗糖または蔗糖と澱粉との微粉混合物を振り
かけながら蔗糖水溶液を噴霧し、核の外側に蔗糖または
蔗糖と澱粉の外層部を形成させて製造されるものであっ
て、該外層部の上層部は遠心転動作用によって外形が球
形になるから、これを所望の粒度にまで成長させること
により製造されている。
る球形顆粒としては、通常蔗糖または蔗糖と澱粉との混
合物から製造されたものが広く用いられている。この球
形顆粒は通常、蔗糖の結晶を核として遠心転動造粒装置
に仕込み、蔗糖または蔗糖と澱粉との微粉混合物を振り
かけながら蔗糖水溶液を噴霧し、核の外側に蔗糖または
蔗糖と澱粉の外層部を形成させて製造されるものであっ
て、該外層部の上層部は遠心転動作用によって外形が球
形になるから、これを所望の粒度にまで成長させること
により製造されている。
【0004】上記の蔗糖単独、または蔗糖と澱粉からな
る球形顆粒は広く実用に供されているものであるが、蔗
糖の球形顆粒は、蔗糖の吸湿性のため、ブロッキングし
易い欠点があり、製造、輸送、保管等において取扱い難
いだけでなく、強度的にも充分とは言えない。また、水
に対する蔗糖の溶解速度が大きすぎるため、球形粒子の
表面に薬剤層や溶出制御層をコーティングする際に水系
の液を用いると、粒子同士が凝集したり、造粒装置の器
壁に付着したりすることがある。
る球形顆粒は広く実用に供されているものであるが、蔗
糖の球形顆粒は、蔗糖の吸湿性のため、ブロッキングし
易い欠点があり、製造、輸送、保管等において取扱い難
いだけでなく、強度的にも充分とは言えない。また、水
に対する蔗糖の溶解速度が大きすぎるため、球形粒子の
表面に薬剤層や溶出制御層をコーティングする際に水系
の液を用いると、粒子同士が凝集したり、造粒装置の器
壁に付着したりすることがある。
【0005】これに対して蔗糖と澱粉の球形顆粒は、ブ
ロッキングし難く、取扱いが容易であるが、硬度(圧潰
強度)が小さく、輸送中や、使用に際してこの球形顆粒
上に薬物をコーティングする工程等で崩壊、破損する欠
点があった。
ロッキングし難く、取扱いが容易であるが、硬度(圧潰
強度)が小さく、輸送中や、使用に際してこの球形顆粒
上に薬物をコーティングする工程等で崩壊、破損する欠
点があった。
【0006】このような欠点のない球形顆粒について
は、幾つかの提案がなされている。例えば、結晶セルロ
ース単独の球形顆粒について、特開昭61−21320
1号公報や「第7回 製剤と粒子設計シンポジウム講演
要旨集(1990年10月24・25日)p.89」、
あるいは特開平7−173050号公報等に開示があ
り、商品も市販されている。
は、幾つかの提案がなされている。例えば、結晶セルロ
ース単独の球形顆粒について、特開昭61−21320
1号公報や「第7回 製剤と粒子設計シンポジウム講演
要旨集(1990年10月24・25日)p.89」、
あるいは特開平7−173050号公報等に開示があ
り、商品も市販されている。
【0007】結晶セルロースと乳糖などの水溶性物質を
併用したものについては、特開平5−229961号公
報、特開平4−283520号公報および前記特開昭6
1−213201号公報、特開平7−173050号公
報等に記載があり、結晶セルロース30%と乳糖70%
の混合球形顆粒が最近上市されている。また、乳糖単独
の球形顆粒も特開平6−205959号公報に開示され
ている。
併用したものについては、特開平5−229961号公
報、特開平4−283520号公報および前記特開昭6
1−213201号公報、特開平7−173050号公
報等に記載があり、結晶セルロース30%と乳糖70%
の混合球形顆粒が最近上市されている。また、乳糖単独
の球形顆粒も特開平6−205959号公報に開示され
ている。
【0008】これらの球形顆粒のうち、結晶セルロース
を含むものは、崩壊、溶出に長時間を要することがあ
り、溶出制御層が不適当であると、薬剤の完全溶出を期
せないことがあったり、消化されないで排泄されるセル
ロースがあって患者に薬効についての疑念を抱かせるこ
とがあるほか、製造原価が高いなどの問題点がある。ま
た、乳糖単独のものは、乳糖の結合力が弱くて硬度が低
いことと、乳糖の結晶性状が針状であるため、顆粒表面
の凹凸が大きく、摩損度が大きいという難点がある。
を含むものは、崩壊、溶出に長時間を要することがあ
り、溶出制御層が不適当であると、薬剤の完全溶出を期
せないことがあったり、消化されないで排泄されるセル
ロースがあって患者に薬効についての疑念を抱かせるこ
とがあるほか、製造原価が高いなどの問題点がある。ま
た、乳糖単独のものは、乳糖の結合力が弱くて硬度が低
いことと、乳糖の結晶性状が針状であるため、顆粒表面
の凹凸が大きく、摩損度が大きいという難点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶解性能が
よく、硬度が高く、表面が平滑でブロッキング等が生じ
ない球形顆粒を安価に製造することを目的とするもので
ある。
よく、硬度が高く、表面が平滑でブロッキング等が生じ
ない球形顆粒を安価に製造することを目的とするもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の球
形顆粒にみられる前記の欠点を解決するため、各種の処
方を検討した結果、従来の球形顆粒の外層部の蔗糖の一
部または全部に替えて、澱粉の種々の程度の糖化物(加
水分解物)、またはその還元物である糖アルコールを用
いると、良好な物性を有する球形顆粒を得ることができ
ることを発見して本発明を完成した。
形顆粒にみられる前記の欠点を解決するため、各種の処
方を検討した結果、従来の球形顆粒の外層部の蔗糖の一
部または全部に替えて、澱粉の種々の程度の糖化物(加
水分解物)、またはその還元物である糖アルコールを用
いると、良好な物性を有する球形顆粒を得ることができ
ることを発見して本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明は、層部が填料と結合剤
とから成り、該填料は少くともその一部が水溶性炭水化
物の微粉末であり、該結合剤は該填料と同一または異な
る水溶性炭水化物であって、前記填料または結合剤の水
溶性炭水化物の少くとも一方は澱粉糖化物またはその還
元物であるような前記層部を有することを特徴とする球
形顆粒に関するものである。
とから成り、該填料は少くともその一部が水溶性炭水化
物の微粉末であり、該結合剤は該填料と同一または異な
る水溶性炭水化物であって、前記填料または結合剤の水
溶性炭水化物の少くとも一方は澱粉糖化物またはその還
元物であるような前記層部を有することを特徴とする球
形顆粒に関するものである。
【0012】本発明は、前記層部が、層部と異なる組成
の核の外側に形成されている球形顆粒に関するものであ
る。また本発明は、上記球形顆粒の外側に薬効成分およ
び溶出制御成分を含有する医薬品に関する。
の核の外側に形成されている球形顆粒に関するものであ
る。また本発明は、上記球形顆粒の外側に薬効成分およ
び溶出制御成分を含有する医薬品に関する。
【0013】本発明は、接粉部の水平断面が円形の容器
の底部に回転円板を有する遠心転動造粒装置に核を仕込
み、水溶性炭水化物を含む微粉末を散布しつつ、該微粉
末と同一または異なる水溶性炭水化物を含む水溶液を添
加して前記核の外側に層部を球形に形成させて転動造粒
し、その際、前記微粉末と水溶液の水溶性炭水化物の少
くとも一方を澱粉糖化物またはその還元物とすることを
特徴とする前記球形顆粒の製造方法に関する。
の底部に回転円板を有する遠心転動造粒装置に核を仕込
み、水溶性炭水化物を含む微粉末を散布しつつ、該微粉
末と同一または異なる水溶性炭水化物を含む水溶液を添
加して前記核の外側に層部を球形に形成させて転動造粒
し、その際、前記微粉末と水溶液の水溶性炭水化物の少
くとも一方を澱粉糖化物またはその還元物とすることを
特徴とする前記球形顆粒の製造方法に関する。
【0014】なお、本発明にいう「水溶性炭水化物」と
は、室温の水に容易に溶解する炭水化物を意味するもの
であり、澱粉のように加熱しないと溶解しないものは含
まない。
は、室温の水に容易に溶解する炭水化物を意味するもの
であり、澱粉のように加熱しないと溶解しないものは含
まない。
【0015】
【発明の実施の形態】現在、本発明が改良の対象として
いる従来の蔗糖と澱粉より成る球形顆粒は、蔗糖の結晶
を核として、遠心転動造粒装置で転動させつつ、蔗糖と
澱粉の微粉末を散布し、蔗糖の50〜60%水溶液を噴
霧してこれらの微粉末を核上に付着させて造粒すること
により得られている。この方法では、蔗糖微粉末の一部
は、蔗糖水溶液に溶解して飽和水溶液となり、一部は溶
け残って微粉末のまゝこの蔗糖水溶液を結合剤として蔗
糖の結晶からなる核に固着する。それ故、この外層部は
蔗糖微粉末と澱粉を填料とし、蔗糖を結合剤とした構造
となっている。かゝる構造の球形顆粒において、填料と
結合剤の双方が蔗糖を主としたものであると強度が小さ
く、グルコースやソルビトールのような単糖類を使用し
たときも同様に低強度である。
いる従来の蔗糖と澱粉より成る球形顆粒は、蔗糖の結晶
を核として、遠心転動造粒装置で転動させつつ、蔗糖と
澱粉の微粉末を散布し、蔗糖の50〜60%水溶液を噴
霧してこれらの微粉末を核上に付着させて造粒すること
により得られている。この方法では、蔗糖微粉末の一部
は、蔗糖水溶液に溶解して飽和水溶液となり、一部は溶
け残って微粉末のまゝこの蔗糖水溶液を結合剤として蔗
糖の結晶からなる核に固着する。それ故、この外層部は
蔗糖微粉末と澱粉を填料とし、蔗糖を結合剤とした構造
となっている。かゝる構造の球形顆粒において、填料と
結合剤の双方が蔗糖を主としたものであると強度が小さ
く、グルコースやソルビトールのような単糖類を使用し
たときも同様に低強度である。
【0016】本発明の球形顆粒の層部形成に使用する結
合剤としては、粘着力が大きく、或る程度分子量の大き
なオリゴ糖やオリゴ糖アルコールが適しており、特に安
価で容易に入手しうる澱粉糖化物即ち通常水飴と言われ
ているものや、還元麦芽糖などのようなその還元物が好
ましい。上記の結合剤を用いると、散布した微粉末のう
ち、水溶性の物質は噴霧される水溶性炭水化物の水溶液
に一部溶解して結合剤として機能するから、散布する微
粉末として上記澱粉糖化物やその還元物を使用しても好
結果が得られる。
合剤としては、粘着力が大きく、或る程度分子量の大き
なオリゴ糖やオリゴ糖アルコールが適しており、特に安
価で容易に入手しうる澱粉糖化物即ち通常水飴と言われ
ているものや、還元麦芽糖などのようなその還元物が好
ましい。上記の結合剤を用いると、散布した微粉末のう
ち、水溶性の物質は噴霧される水溶性炭水化物の水溶液
に一部溶解して結合剤として機能するから、散布する微
粉末として上記澱粉糖化物やその還元物を使用しても好
結果が得られる。
【0017】本発明に用いられる澱粉糖化物としては、
酸糖化物でも酵素糖化物でもよく、3糖から6糖程度の
オリゴ糖が多いものが好ましく、その還元物についても
同様である。糖化が進みすぎて、グルコースやソルビト
ールなどの単糖やマルトースやマルチトールなどの2糖
が多くなると強度が小さく、逆に糖化が不十分なものは
高粘度となって、噴霧時の水溶液濃度を高くできず、ま
た溶解速度が小さくて散布微粉末が結合剤として作用し
難くなる。適当な糖化の程度は、糖化方法や条件によっ
て異なるので一概に定めるのは困難であるが、糖化程度
の指標として3糖、即ちマルトトリオースやマルトトリ
イトールが2〜80%で単糖が20%以下、かつ4糖以
上が80%以下であるものが好ましい。
酸糖化物でも酵素糖化物でもよく、3糖から6糖程度の
オリゴ糖が多いものが好ましく、その還元物についても
同様である。糖化が進みすぎて、グルコースやソルビト
ールなどの単糖やマルトースやマルチトールなどの2糖
が多くなると強度が小さく、逆に糖化が不十分なものは
高粘度となって、噴霧時の水溶液濃度を高くできず、ま
た溶解速度が小さくて散布微粉末が結合剤として作用し
難くなる。適当な糖化の程度は、糖化方法や条件によっ
て異なるので一概に定めるのは困難であるが、糖化程度
の指標として3糖、即ちマルトトリオースやマルトトリ
イトールが2〜80%で単糖が20%以下、かつ4糖以
上が80%以下であるものが好ましい。
【0018】本発明球形顆粒の填料と結合剤とは、同一
の澱粉糖化物またはその還元物であってもよく、この場
合は本発明方法における散布微粉末中の水溶性炭水化物
は噴霧される水溶性炭水化物と同一のものとなる。ま
た、填料と結合剤とは異っていてもよく、この場合は散
布微粉末中の水溶性炭水化物と噴霧される水溶性炭水化
物とは異なるものを使用するが、前述のように結合剤中
には散布微粉末中の水溶性炭水化物成分をも含有するも
のとなる。
の澱粉糖化物またはその還元物であってもよく、この場
合は本発明方法における散布微粉末中の水溶性炭水化物
は噴霧される水溶性炭水化物と同一のものとなる。ま
た、填料と結合剤とは異っていてもよく、この場合は散
布微粉末中の水溶性炭水化物と噴霧される水溶性炭水化
物とは異なるものを使用するが、前述のように結合剤中
には散布微粉末中の水溶性炭水化物成分をも含有するも
のとなる。
【0019】本発明球形顆粒の填料には、水溶性炭水化
物以外の微粉末を含有していてよく、これには薬効成分
や澱粉、微結晶セルロース、粉末セルロース、二酸化チ
タンなどの顔料などが例示される。結合剤中には、水溶
性炭水化物のほか、他種の結合剤や薬効成分を含有して
いてもよい。
物以外の微粉末を含有していてよく、これには薬効成分
や澱粉、微結晶セルロース、粉末セルロース、二酸化チ
タンなどの顔料などが例示される。結合剤中には、水溶
性炭水化物のほか、他種の結合剤や薬効成分を含有して
いてもよい。
【0020】本発明球形顆粒は上記填料と結合剤とから
成る層部のみで形成されていてもよいが、製造上の便宜
さからは、中心の層部と異なる組成の核の外側に層部が
形成されているものがよく、この核としては蔗糖や乳糖
などの炭水化物の結晶や、所望の直径より小さな直径の
球形顆粒が用いられる。核は、最長部が0.2〜0.6
mmのものが好ましい。
成る層部のみで形成されていてもよいが、製造上の便宜
さからは、中心の層部と異なる組成の核の外側に層部が
形成されているものがよく、この核としては蔗糖や乳糖
などの炭水化物の結晶や、所望の直径より小さな直径の
球形顆粒が用いられる。核は、最長部が0.2〜0.6
mmのものが好ましい。
【0021】本発明の方法に用いられる造粒装置として
は、市販の遠心転動造粒装置(例えばフロイント産業株
式会社製の「CF造粒装置」)、即ち接粉部の水平断面
が円形の容器の底部に回転円板を有する装置が好適であ
る。この装置の接粉部は通常円筒形であるが、截頭逆円
錐形や球の一部のような形状でもよい。回転円板は平面
板である必要はなく、縁部が上に反った皿状をなしてい
てもよく、また円板中央部が円錐状や山型に盛り上った
形をしていてもよい。回転円板は前記CF造粒装置のよ
うに接粉部が平滑であるのが好ましい。この装置の容器
の内壁と回転円板との間は0.2〜1mmの間隙となっ
ていて、内容物の落下防止と乾燥作用を果すため、下方
から気体が送入される。
は、市販の遠心転動造粒装置(例えばフロイント産業株
式会社製の「CF造粒装置」)、即ち接粉部の水平断面
が円形の容器の底部に回転円板を有する装置が好適であ
る。この装置の接粉部は通常円筒形であるが、截頭逆円
錐形や球の一部のような形状でもよい。回転円板は平面
板である必要はなく、縁部が上に反った皿状をなしてい
てもよく、また円板中央部が円錐状や山型に盛り上った
形をしていてもよい。回転円板は前記CF造粒装置のよ
うに接粉部が平滑であるのが好ましい。この装置の容器
の内壁と回転円板との間は0.2〜1mmの間隙となっ
ていて、内容物の落下防止と乾燥作用を果すため、下方
から気体が送入される。
【0022】本発明の造粒方法を実施するには、前記し
た遠心転動造粒装置に核を仕込んで回転円板を回転し、
前記気体を送入する。次に、水溶性炭水化物を含む微粉
末を散布しながら、水溶性炭水化物を含む水溶液を噴霧
する。この水溶液の濃度は、噴霧に適した粘度であるこ
とが必要であり、水溶性炭水化物の溶解度により個々に
異なるが、普通は約10〜70%の濃度とする。散布す
る微粉末と水溶液との添加速度は、核上の微粉末の溶解
残部と水溶液との比(液/固比)が一定の範囲となるよ
うに制御する公知の技術(例えば「月刊薬事31, No.
11,83〜89,(1989)」により行うのがよ
い。
た遠心転動造粒装置に核を仕込んで回転円板を回転し、
前記気体を送入する。次に、水溶性炭水化物を含む微粉
末を散布しながら、水溶性炭水化物を含む水溶液を噴霧
する。この水溶液の濃度は、噴霧に適した粘度であるこ
とが必要であり、水溶性炭水化物の溶解度により個々に
異なるが、普通は約10〜70%の濃度とする。散布す
る微粉末と水溶液との添加速度は、核上の微粉末の溶解
残部と水溶液との比(液/固比)が一定の範囲となるよ
うに制御する公知の技術(例えば「月刊薬事31, No.
11,83〜89,(1989)」により行うのがよ
い。
【0023】このようにして造粒を続けると、核上に次
第に外層部が形成され、転動作用のために、核として結
晶などの非球形粒子を用いたものも球形に近づいて行
く。核と微粉末の粒度を適当に選択すれば、最小限の外
層量で、所望の粒子径を有する球形度の良好な顆粒を得
ることができる。
第に外層部が形成され、転動作用のために、核として結
晶などの非球形粒子を用いたものも球形に近づいて行
く。核と微粉末の粒度を適当に選択すれば、最小限の外
層量で、所望の粒子径を有する球形度の良好な顆粒を得
ることができる。
【0024】本発明の球形顆粒は硬度が大きく、ブロッ
キング性がない為取扱い易く、水溶性物質や消化可能な
物質のみで構成することができるので、未消化で排泄さ
れることもなく、また水溶性炭水化物を適宜選択すれば
所望の溶解速度の顆粒とすることができ、医薬品の溶出
制御用の基材として、従来にない、すぐれた性能を有し
ており、この他着色、着味等を施して食品の装飾や味付
けなどに利用することもできる。
キング性がない為取扱い易く、水溶性物質や消化可能な
物質のみで構成することができるので、未消化で排泄さ
れることもなく、また水溶性炭水化物を適宜選択すれば
所望の溶解速度の顆粒とすることができ、医薬品の溶出
制御用の基材として、従来にない、すぐれた性能を有し
ており、この他着色、着味等を施して食品の装飾や味付
けなどに利用することもできる。
【0025】
【実施例】以下に実施例および比較例に従って本発明を
より詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によっ
て限定されるものではない。
より詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によっ
て限定されるものではない。
【0026】実施例1〜5、比較例1 遠心転動造粒装置CF−360(フロイント産業株式会
社)に核として蔗糖結晶(グラニュー糖)の0.3〜
0.42mm品500gを仕込み、回転円板下方から空
気を送入しつつ180RPMで回転した。散布微粉末と
して蔗糖(粉糖)の粒径5〜30μmのもの60%、コ
ーンスターチ40%の混合粉末1,000gを散布しつ
つ表1に示す水溶性炭水化物50%水溶液200gを噴
霧して造粒した。得られた球形顆粒の粒度は直径0.5
〜0.7mmで、いずれも真球度は良好であった。岡本
精工(株)製の硬度測定装置「グラノ」により顆粒1個
づつの圧潰強度のピーク値(g)を測定し、顆粒20個
の平均値を得られた顆粒の硬度とした。これらの球形顆
粒の性質を表2に示す。
社)に核として蔗糖結晶(グラニュー糖)の0.3〜
0.42mm品500gを仕込み、回転円板下方から空
気を送入しつつ180RPMで回転した。散布微粉末と
して蔗糖(粉糖)の粒径5〜30μmのもの60%、コ
ーンスターチ40%の混合粉末1,000gを散布しつ
つ表1に示す水溶性炭水化物50%水溶液200gを噴
霧して造粒した。得られた球形顆粒の粒度は直径0.5
〜0.7mmで、いずれも真球度は良好であった。岡本
精工(株)製の硬度測定装置「グラノ」により顆粒1個
づつの圧潰強度のピーク値(g)を測定し、顆粒20個
の平均値を得られた顆粒の硬度とした。これらの球形顆
粒の性質を表2に示す。
【0027】実施例6 実施例4の散布微粉末を蔗糖の粒径5〜30μmのもの
60%と、微結晶セルロース アビセルPH−301
(旭化成工業(株)製)40%の混合粉末1,000g
としたほか実施例4と同様に操作して直径0.5〜0.
7mmの良好な球形顆粒を得た。その性質を表2に示
す。 実施例7 実施例4の散布微粉末を蔗糖の粒径5〜30μmのもの
1,000gとしたほか実施例4と同様に操作して直径
0.5〜0.7mmの良好な球形顆粒を得た。その性質
を表2に示す。
60%と、微結晶セルロース アビセルPH−301
(旭化成工業(株)製)40%の混合粉末1,000g
としたほか実施例4と同様に操作して直径0.5〜0.
7mmの良好な球形顆粒を得た。その性質を表2に示
す。 実施例7 実施例4の散布微粉末を蔗糖の粒径5〜30μmのもの
1,000gとしたほか実施例4と同様に操作して直径
0.5〜0.7mmの良好な球形顆粒を得た。その性質
を表2に示す。
【0028】実施例8〜9 散布微粉末として実施例1〜5の蔗糖に代えてアマルテ
ィ(表1参照)の粒径5〜50μmのものを用いたほか
実施例1〜5と同様に操作した。実施例8は水溶性炭水
化物水溶液として蔗糖水溶液を、実施例9はアマルティ
シロップを用いた。結果を表2に示す。
ィ(表1参照)の粒径5〜50μmのものを用いたほか
実施例1〜5と同様に操作した。実施例8は水溶性炭水
化物水溶液として蔗糖水溶液を、実施例9はアマルティ
シロップを用いた。結果を表2に示す。
【0029】比較例2 噴霧する水溶性炭水化物として蔗糖の50%水溶液を用
いたほか実施例7と同様に操作して直径0.5〜0.7
mmの良好な球形顆粒を得た。結果を表2に示す。
いたほか実施例7と同様に操作して直径0.5〜0.7
mmの良好な球形顆粒を得た。結果を表2に示す。
【0030】
【表1】 註) 1)加藤化学(株)製 酵素糖化水飴 2) 〃 酸糖化水飴 3)東和化成工業(株)製 還元澱粉糖化物
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】表1および表2から明らかなように、本
発明の球形顆粒はさらに薬剤等からなる層をコーティン
グする際の操作に充分に耐え得る高い硬度を有してお
り、かつブロッキング性がないことから薬剤層等のコー
ティング操作がし易く、均質な医薬品顆粒を製造するた
めに適したものである。
発明の球形顆粒はさらに薬剤等からなる層をコーティン
グする際の操作に充分に耐え得る高い硬度を有してお
り、かつブロッキング性がないことから薬剤層等のコー
ティング操作がし易く、均質な医薬品顆粒を製造するた
めに適したものである。
フロントページの続き (72)発明者 坂田 有司 東京都新宿区高田馬場2丁目14番2号 フ ロイント産業株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 層部が填料と結合剤とから成り、該填料
は少くともその一部が水溶性炭水化物の微粉末であり、
該結合剤は該填料と同一または異なる水溶性炭水化物で
あって、前記填料または結合剤の水溶性炭水化物の少く
とも一方は澱粉糖化物またはその還元物であることを特
徴とする、核の外側に層部が形成されている球形顆粒。 - 【請求項2】 前記層部が、層部と異なる組成の核の外
側に形成されていることを特徴とする請求項1記載の球
形顆粒。 - 【請求項3】 前記核の外側に形成されている層部は蔗
糖と澱粉と、澱粉糖化物またはその還元物との混合物か
ら形成されていることを特徴とする請求項1または2記
載の球形顆粒。 - 【請求項4】 接粉部の水平断面が円形の容器の底部に
回転円板を有する遠心転動造粒装置に核を仕込み、水溶
性炭水化物を含む微粉末を散布しつつ、該微粉末と同一
または異なる水溶性炭水化物を含む水溶液を添加して前
記核の外側に層部を球形に形成させる転動造粒方法であ
って、前記微粉末と前記水溶液に含まれる水溶性炭水化
物の少くとも一方が澱粉糖化物またはその還元物である
ことを特徴とする、核の外側に層部が形成されている球
形顆粒の製造方法。 - 【請求項5】 前記層部の形成に使用される澱粉糖化物
またはその還元物は、前記水溶液に添加されていること
を特徴とする請求項3記載の球形顆粒の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34943295A JPH09175999A (ja) | 1995-12-22 | 1995-12-22 | 球形顆粒およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34943295A JPH09175999A (ja) | 1995-12-22 | 1995-12-22 | 球形顆粒およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09175999A true JPH09175999A (ja) | 1997-07-08 |
Family
ID=18403711
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34943295A Pending JPH09175999A (ja) | 1995-12-22 | 1995-12-22 | 球形顆粒およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09175999A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999004760A1 (fr) * | 1997-07-23 | 1999-02-04 | Freund Industrial Co., Ltd. | Particules spheriques constituees d'une substance unique, medicaments et produits alimentaires contenant lesdites particules, et procede de fabrication associe |
EP1072612A1 (en) * | 1999-07-24 | 2001-01-31 | Cerestar Holding B.V. | Starch granulation |
US7192608B2 (en) | 2001-03-07 | 2007-03-20 | Sumitomo Pharmaceuticals Company Limited | Method of manufacturing drug granules, the drug granules and pharmaceutical preparation containing the drug granules |
JPWO2009072334A1 (ja) * | 2007-12-03 | 2011-04-21 | 富田製薬株式会社 | 製剤用核粒子 |
WO2012091040A1 (ja) | 2010-12-27 | 2012-07-05 | 富田製薬株式会社 | 製剤用崩壊型核粒子 |
JP5585920B2 (ja) * | 2010-12-27 | 2014-09-10 | 富田製薬株式会社 | 粒子状製剤 |
-
1995
- 1995-12-22 JP JP34943295A patent/JPH09175999A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999004760A1 (fr) * | 1997-07-23 | 1999-02-04 | Freund Industrial Co., Ltd. | Particules spheriques constituees d'une substance unique, medicaments et produits alimentaires contenant lesdites particules, et procede de fabrication associe |
US6264989B1 (en) | 1997-07-23 | 2001-07-24 | Freund Industrial Co., Ltd. | Spherical single-substance particles, medicines and foodstuffs containing the particles, and method of production thereof |
EP1072612A1 (en) * | 1999-07-24 | 2001-01-31 | Cerestar Holding B.V. | Starch granulation |
US7192608B2 (en) | 2001-03-07 | 2007-03-20 | Sumitomo Pharmaceuticals Company Limited | Method of manufacturing drug granules, the drug granules and pharmaceutical preparation containing the drug granules |
JPWO2009072334A1 (ja) * | 2007-12-03 | 2011-04-21 | 富田製薬株式会社 | 製剤用核粒子 |
JP2014196361A (ja) * | 2007-12-03 | 2014-10-16 | 富田製薬株式会社 | 製剤用核粒子 |
US9149434B2 (en) | 2007-12-03 | 2015-10-06 | Tomita Pharmaceutical Co., Ltd. | Core particle for pharmaceutical preparation |
WO2012091040A1 (ja) | 2010-12-27 | 2012-07-05 | 富田製薬株式会社 | 製剤用崩壊型核粒子 |
JP5585920B2 (ja) * | 2010-12-27 | 2014-09-10 | 富田製薬株式会社 | 粒子状製剤 |
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