JPH09175731A - 合成繊維の高速巻取り方法及び合成繊維チーズ状パッケージ - Google Patents
合成繊維の高速巻取り方法及び合成繊維チーズ状パッケージInfo
- Publication number
- JPH09175731A JPH09175731A JP34217095A JP34217095A JPH09175731A JP H09175731 A JPH09175731 A JP H09175731A JP 34217095 A JP34217095 A JP 34217095A JP 34217095 A JP34217095 A JP 34217095A JP H09175731 A JPH09175731 A JP H09175731A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- winding
- yarn
- package
- cheese
- speed
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Winding Filamentary Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高速巻取りしても糸落ちがなく、しかも、
バルジが小さく巻姿が良好なチーズ状パッケージを得
る。 【解決手段】 スピンドル軸上に形成されるチーズ状
糸条パッケージにタッチローラを接触させて3000m
/分以上の高速で合成繊維糸条を巻取る際、スピンドル
とタッチローラを別個のモータでそれぞれ駆動回転さ
せ、タッチローラの回転数が一定となるようにスピンド
ル回転数を制御し、かつ、綾角をパッケージの巻径に応
じて変化させる。
バルジが小さく巻姿が良好なチーズ状パッケージを得
る。 【解決手段】 スピンドル軸上に形成されるチーズ状
糸条パッケージにタッチローラを接触させて3000m
/分以上の高速で合成繊維糸条を巻取る際、スピンドル
とタッチローラを別個のモータでそれぞれ駆動回転さ
せ、タッチローラの回転数が一定となるようにスピンド
ル回転数を制御し、かつ、綾角をパッケージの巻径に応
じて変化させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成繊維の高速巻
取り方法や合成繊維チーズ状パッケージの改良に関する
ものである。
取り方法や合成繊維チーズ状パッケージの改良に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、合成繊維の巻取りの高速化が進ん
できているが高速化に伴ってパッケージの巻姿が不良に
なるという問題が生じる。巻姿が不良であると、図4の
ようにパッケージ側面における膨らみ(バルジ11)が
大きかったり、あるいは図5のように糸が端面からはみ
だして落ちる(糸落ち)という現象が生じる。図5にお
いて符号1が糸落ちした糸条を示す。この巻姿不良の問
題は単に見栄えが悪いというだけでなく、パッケージか
ら糸を解舒する際の解舒不良、斑による品位不良、さら
には、糸切れを誘発する要因となる。
できているが高速化に伴ってパッケージの巻姿が不良に
なるという問題が生じる。巻姿が不良であると、図4の
ようにパッケージ側面における膨らみ(バルジ11)が
大きかったり、あるいは図5のように糸が端面からはみ
だして落ちる(糸落ち)という現象が生じる。図5にお
いて符号1が糸落ちした糸条を示す。この巻姿不良の問
題は単に見栄えが悪いというだけでなく、パッケージか
ら糸を解舒する際の解舒不良、斑による品位不良、さら
には、糸切れを誘発する要因となる。
【0003】この対策としては綾角を適正化することが
一般的にとられている。しかし、綾角を大きくするとふ
くらみ(バルジ)は小さくなる反面、糸落ちが発生し易
くなるという別の問題が生じてくるので、この両者をバ
ランス良く保つことができる適正な綾角を設定する必要
がある。しかし、高速巻取ではその調整に限界があり両
者を同時に満足させることは実際上困難であった。
一般的にとられている。しかし、綾角を大きくするとふ
くらみ(バルジ)は小さくなる反面、糸落ちが発生し易
くなるという別の問題が生じてくるので、この両者をバ
ランス良く保つことができる適正な綾角を設定する必要
がある。しかし、高速巻取ではその調整に限界があり両
者を同時に満足させることは実際上困難であった。
【0004】また、特開平5−30609号公報では巻
径に応じて綾角を変化させる方法が提案されており、こ
の方法はバルジを小さくするためには有効であるが、糸
落ちに対しては未だ不十分である。特に、バルジを小さ
くするために綾角を大きくしている中層においてはその
綾角の増加によって糸落ちが発生し易くなるので、バル
ジの問題と糸落ちの問題との両方を同時に解決すること
は困難であった。この問題は、特に、巻取り速度が高速
である場合や、相対粘度が高く高収縮率のフィラメント
糸を巻取る場合や、糸条のフィラメント数が少ない場合
などにおいて大きく、改善が望まれていた。
径に応じて綾角を変化させる方法が提案されており、こ
の方法はバルジを小さくするためには有効であるが、糸
落ちに対しては未だ不十分である。特に、バルジを小さ
くするために綾角を大きくしている中層においてはその
綾角の増加によって糸落ちが発生し易くなるので、バル
ジの問題と糸落ちの問題との両方を同時に解決すること
は困難であった。この問題は、特に、巻取り速度が高速
である場合や、相対粘度が高く高収縮率のフィラメント
糸を巻取る場合や、糸条のフィラメント数が少ない場合
などにおいて大きく、改善が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、高
速巻取りしても糸落ちがなく、しかも、バルジが小さく
巻姿が良好なチーズ状パッケージを得るために有効な合
成繊維の高速巻取り方法、及びそれによる合成繊維チー
ズ状パッケージを提供することを主たる目的とする。
速巻取りしても糸落ちがなく、しかも、バルジが小さく
巻姿が良好なチーズ状パッケージを得るために有効な合
成繊維の高速巻取り方法、及びそれによる合成繊維チー
ズ状パッケージを提供することを主たる目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の合成繊維の高速巻取り方法は、スピンドル
軸上に形成されるチーズ状糸条パッケージにタッチロー
ラを接触させて3000m/分以上の高速で合成繊維糸
条を巻取る方法において、スピンドルとタッチローラを
別個のモータでそれぞれ駆動回転させ、タッチローラの
回転数が一定となるようにスピンドル回転数を制御する
こと、及び、綾角をパッケージの巻径に応じて変化させ
ることを特徴とする。
め、本発明の合成繊維の高速巻取り方法は、スピンドル
軸上に形成されるチーズ状糸条パッケージにタッチロー
ラを接触させて3000m/分以上の高速で合成繊維糸
条を巻取る方法において、スピンドルとタッチローラを
別個のモータでそれぞれ駆動回転させ、タッチローラの
回転数が一定となるようにスピンドル回転数を制御する
こと、及び、綾角をパッケージの巻径に応じて変化させ
ることを特徴とする。
【0007】この方法において、綾角は巻始めと巻終り
が小さく、その巻取り中間において大きくなるように変
化し、かつ、巻取り中間における綾角の最大値が巻始め
時の綾角よりも1度以上大きいことが好ましい。
が小さく、その巻取り中間において大きくなるように変
化し、かつ、巻取り中間における綾角の最大値が巻始め
時の綾角よりも1度以上大きいことが好ましい。
【0008】そして、この巻取り方法は、巻取られる合
成繊維糸条が単糸繊度4デニール以上である場合や、相
対粘度2.7以上のポリアミド繊維糸条からなる場合に
おいて効果的であり、次のような優れた合成繊維チーズ
状パッケージが得られる。
成繊維糸条が単糸繊度4デニール以上である場合や、相
対粘度2.7以上のポリアミド繊維糸条からなる場合に
おいて効果的であり、次のような優れた合成繊維チーズ
状パッケージが得られる。
【0009】即ち、単糸繊度が4デニール以上の合成繊
維が巻かれてなるチーズ状パッケージや相対粘度2.7
以上のポリアミド繊維が巻かれてなるチーズ状パッケー
ジにおいて、綾角は中層よりも表層及び最内層の方が小
さく、中層における最大の綾角が最内層よりも1度以上
大きく、バルジ率が10%以下であり、かつ、糸落ちが
実質的にない合成繊維チーズ状パッケージが得られるの
である。
維が巻かれてなるチーズ状パッケージや相対粘度2.7
以上のポリアミド繊維が巻かれてなるチーズ状パッケー
ジにおいて、綾角は中層よりも表層及び最内層の方が小
さく、中層における最大の綾角が最内層よりも1度以上
大きく、バルジ率が10%以下であり、かつ、糸落ちが
実質的にない合成繊維チーズ状パッケージが得られるの
である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で巻取られる合成繊維は、
ポリエステル繊維、ポリアミド繊維で代表される熱可塑
性合成繊維であり、特に、ナイロン6繊維やナイロン6
6繊維で代表されるポリアミド繊維に有効である。
ポリエステル繊維、ポリアミド繊維で代表される熱可塑
性合成繊維であり、特に、ナイロン6繊維やナイロン6
6繊維で代表されるポリアミド繊維に有効である。
【0011】本発明にいう綾角とは、図1に示すように
チーズ状パッケージに綾状に巻かれる糸条のなす角度θ
であり、その綾角の水準は、糸条のトラバース速度の変
化によって制御することができる。
チーズ状パッケージに綾状に巻かれる糸条のなす角度θ
であり、その綾角の水準は、糸条のトラバース速度の変
化によって制御することができる。
【0012】バルジ率とは図4に示す最内層の巻き幅
(A)に対する中層の最大膨らみ部の巻き幅(B)の割
合を示すものであり、次式で表される。 バルジ率(%)=[(B−A)/A]×100%
(A)に対する中層の最大膨らみ部の巻き幅(B)の割
合を示すものであり、次式で表される。 バルジ率(%)=[(B−A)/A]×100%
【0013】またポリアミド繊維の相対粘度は20℃、
98%の濃硫酸溶液中で重合体濃度10mg/mlの条
件で測定した値である。
98%の濃硫酸溶液中で重合体濃度10mg/mlの条
件で測定した値である。
【0014】次に、本発明の高速巻取りが適用される高
速製糸巻取り工程の一例の概略を示す工程図(図3)に
沿って説明する。
速製糸巻取り工程の一例の概略を示す工程図(図3)に
沿って説明する。
【0015】本発明が対象とする3000m/分以上で
の高速巻取りは、製糸された合成繊維糸条がそのような
高速で巻取られる場合一般に適用できるが、特に、溶融
紡糸された糸条を冷却、給油後に高速で引取り、続いて
実質的に延伸することなく高速で巻取るという高速紡糸
法や、その高速での引取りの後に、続いて低倍率延伸し
熱処理して巻取る高速直接紡糸延伸法による製糸工程に
おいて高速巻取りする際に有効である。例えば、図3に
示すように、紡糸口金2から紡出された糸条は、冷却さ
れ、給油ガイド3で集束されつつ給油され、第1ゴデー
ローラ4、第2ゴデーローラ5に順次引取られ、トラバ
ース装置6、積極駆動回転するタッチローラ7及び別途
積極駆動回転するスピンドル8とを有する巻取機10に
よって綾振りされつつ巻取られ、チーズ状パッケージ9
が形成される。この製糸工程において延伸を行う場合に
は第1ゴデーローラ4と第2ゴデーローラ5との間で行
えばよく、また、巻取り糸条に集束性を付与するため巻
取りに至る迄に流体交絡を付与することが好ましい。
の高速巻取りは、製糸された合成繊維糸条がそのような
高速で巻取られる場合一般に適用できるが、特に、溶融
紡糸された糸条を冷却、給油後に高速で引取り、続いて
実質的に延伸することなく高速で巻取るという高速紡糸
法や、その高速での引取りの後に、続いて低倍率延伸し
熱処理して巻取る高速直接紡糸延伸法による製糸工程に
おいて高速巻取りする際に有効である。例えば、図3に
示すように、紡糸口金2から紡出された糸条は、冷却さ
れ、給油ガイド3で集束されつつ給油され、第1ゴデー
ローラ4、第2ゴデーローラ5に順次引取られ、トラバ
ース装置6、積極駆動回転するタッチローラ7及び別途
積極駆動回転するスピンドル8とを有する巻取機10に
よって綾振りされつつ巻取られ、チーズ状パッケージ9
が形成される。この製糸工程において延伸を行う場合に
は第1ゴデーローラ4と第2ゴデーローラ5との間で行
えばよく、また、巻取り糸条に集束性を付与するため巻
取りに至る迄に流体交絡を付与することが好ましい。
【0016】3000m/分以上の高速巻取において問
題となるのは巻き中間部に巻かれた糸層のふくらみ(バ
ルジ)であり、これを防ぐためには膨らみの大きい中層
のみ綾角を巻始めよりも大きくすることが有効である。
この綾角の変化は、例えば、図2のように連続的に変化
させるものであり、この変化パターンは色々取り得るが
大事なことは最内層に対して中層の綾角を1度以上大き
くすることであり、バルジを小さく抑えるために有効で
ある。さらに好ましくは最外層の綾角を中層よりも低く
すること(例えば1度以上低くすること)が好ましく最
外巻部における耳立ちを抑制するために有効である。
題となるのは巻き中間部に巻かれた糸層のふくらみ(バ
ルジ)であり、これを防ぐためには膨らみの大きい中層
のみ綾角を巻始めよりも大きくすることが有効である。
この綾角の変化は、例えば、図2のように連続的に変化
させるものであり、この変化パターンは色々取り得るが
大事なことは最内層に対して中層の綾角を1度以上大き
くすることであり、バルジを小さく抑えるために有効で
ある。さらに好ましくは最外層の綾角を中層よりも低く
すること(例えば1度以上低くすること)が好ましく最
外巻部における耳立ちを抑制するために有効である。
【0017】ところが、綾角を大きくすることによって
糸落ちが多くなり易いという別の問題が生じてくるの
で、糸落ちの発生を抑制するためには、綾角の変化幅を
大きくすることも、また、綾角全体の平均値を上げるこ
ともできない。
糸落ちが多くなり易いという別の問題が生じてくるの
で、糸落ちの発生を抑制するためには、綾角の変化幅を
大きくすることも、また、綾角全体の平均値を上げるこ
ともできない。
【0018】また、その糸落ちの問題は、綾角水準を全
体的に低くすることによって解消することができるが、
逆にバルジ率が大きくなるという別の問題が生じ、解決
策とはなり得ない。
体的に低くすることによって解消することができるが、
逆にバルジ率が大きくなるという別の問題が生じ、解決
策とはなり得ない。
【0019】本発明では、スピンドル軸をモータで駆動
回転させるとともに、タッチローラも別個のモータで駆
動回転させ、タッチローラの回転数が一定になるように
スピンドル軸の回転数を制御させることによって、上記
した糸落ちの問題を解消させることができるのである。
即ち、スピンドル軸及びタッチローラの積極的駆動は糸
落ちの防止に極めて効果的であり、特に糸落ちし易い単
糸4d以上の太単糸フィラメント糸の場合や相対粘度
2.7以上のポリアミドのような高粘度のフィラメント
糸の場合や糸条フィラメント数が10以下のように少な
い場合等について特に効果的である。
回転させるとともに、タッチローラも別個のモータで駆
動回転させ、タッチローラの回転数が一定になるように
スピンドル軸の回転数を制御させることによって、上記
した糸落ちの問題を解消させることができるのである。
即ち、スピンドル軸及びタッチローラの積極的駆動は糸
落ちの防止に極めて効果的であり、特に糸落ちし易い単
糸4d以上の太単糸フィラメント糸の場合や相対粘度
2.7以上のポリアミドのような高粘度のフィラメント
糸の場合や糸条フィラメント数が10以下のように少な
い場合等について特に効果的である。
【0020】このようなタッチローラの積極的駆動が糸
落ち防止に有効である理由は、スピンドル軸もタッチロ
ーラも駆動させることによりその両回転体の間でのスリ
ップが十分に防止されるためであると考えられる。これ
に対し、スリップが生じると巻かれる糸が引っ張られる
ために綾の折り返しが保てず糸落ちになるものと推定さ
れる。単糸が太い場合は糸の剛性が強いために、糸粘度
が高い場合にはその収縮率が大きいために、また、フィ
ラメント数が少ないと交絡による集束が不十分となり易
いために、糸落ちし易さの傾向が強くなる。
落ち防止に有効である理由は、スピンドル軸もタッチロ
ーラも駆動させることによりその両回転体の間でのスリ
ップが十分に防止されるためであると考えられる。これ
に対し、スリップが生じると巻かれる糸が引っ張られる
ために綾の折り返しが保てず糸落ちになるものと推定さ
れる。単糸が太い場合は糸の剛性が強いために、糸粘度
が高い場合にはその収縮率が大きいために、また、フィ
ラメント数が少ないと交絡による集束が不十分となり易
いために、糸落ちし易さの傾向が強くなる。
【0021】このようにして糸落ちの問題を解消するこ
とができたので、綾角変化巻きによるバルジ防止や耳立
ち防止の効果と相俟って、極めて良好なパッケージフォ
ームを有するチーズ状パッケーシが、高速巻取りにより
製造可能となる。即ち、本発明によると、綾角変化巻き
とスピンドル軸及びタッチローラの積極的駆動という両
手段の併用によってその問題点が互いに補完され、各単
独では成し得なかった高速製糸による良好な巻姿のチー
ズ状パッケージを得ることができるようになったもので
ある。
とができたので、綾角変化巻きによるバルジ防止や耳立
ち防止の効果と相俟って、極めて良好なパッケージフォ
ームを有するチーズ状パッケーシが、高速巻取りにより
製造可能となる。即ち、本発明によると、綾角変化巻き
とスピンドル軸及びタッチローラの積極的駆動という両
手段の併用によってその問題点が互いに補完され、各単
独では成し得なかった高速製糸による良好な巻姿のチー
ズ状パッケージを得ることができるようになったもので
ある。
【0022】タッチローラの積極的駆動は、スピンドル
軸を駆動させるモータとは別個のモータで行うことが必
要である。また、スピンドル回転数の制御は、例えば、
タッチローラの表面速度を検出してスピンドル軸の駆動
モータ回転数をフィードバック制御するという手段等に
よればよい。
軸を駆動させるモータとは別個のモータで行うことが必
要である。また、スピンドル回転数の制御は、例えば、
タッチローラの表面速度を検出してスピンドル軸の駆動
モータ回転数をフィードバック制御するという手段等に
よればよい。
【0023】次に実施例を用いてさらに詳細に説明す
る。
る。
【0024】
【実施例】ナイロン6を通常の方法で、溶融紡糸し、冷
却、給油した後に高速で引取った後に続いて低倍率延伸
する直接紡糸延伸法によって製糸し、4000m/分の
速度で巻取り、15デニール、3フィラメント(相対粘
度2.63又は2.85)又は15デニール、5フィラ
メント(相対粘度2.63又は2.85)のナイロン6
フィラメント糸を製造した。得られたチーズ状パッケー
ジは、巻内径が122mm、巻外径が300mm、最内
巻巾が115mmであった。
却、給油した後に高速で引取った後に続いて低倍率延伸
する直接紡糸延伸法によって製糸し、4000m/分の
速度で巻取り、15デニール、3フィラメント(相対粘
度2.63又は2.85)又は15デニール、5フィラ
メント(相対粘度2.63又は2.85)のナイロン6
フィラメント糸を製造した。得られたチーズ状パッケー
ジは、巻内径が122mm、巻外径が300mm、最内
巻巾が115mmであった。
【0025】この巻取りにおいて、タッチローラはパッ
ケージに接触しない状態でその表面速度が4000m/
分となるようにその駆動モータの回転数を設定し、さら
に、パッケージと接触させた状態でタッチローラの表面
速度が4000m/分となるようにスピンドルの回転数
を制御させた。その制御手段としては、タッチローラの
表面速度を検出してスピンドル軸の駆動モータ回転数を
フィードバック制御するという手段をとった。比較とし
てタッチローラ駆動なしでも実施した。
ケージに接触しない状態でその表面速度が4000m/
分となるようにその駆動モータの回転数を設定し、さら
に、パッケージと接触させた状態でタッチローラの表面
速度が4000m/分となるようにスピンドルの回転数
を制御させた。その制御手段としては、タッチローラの
表面速度を検出してスピンドル軸の駆動モータ回転数を
フィードバック制御するという手段をとった。比較とし
てタッチローラ駆動なしでも実施した。
【0026】また、巻上げの進行とともに綾角は、巻始
めに最小、巻厚のほぼ中央部において最大値となるよう
図2のように増減変化させたが、その水準は表1に示す
とおりとした。比較として、綾角を変化させない条件下
でも実施した。得られたチーズ状パッケージの巻姿をバ
ルジ率及び糸落ちの多寡で評価し、その結果を表1に示
した。
めに最小、巻厚のほぼ中央部において最大値となるよう
図2のように増減変化させたが、その水準は表1に示す
とおりとした。比較として、綾角を変化させない条件下
でも実施した。得られたチーズ状パッケージの巻姿をバ
ルジ率及び糸落ちの多寡で評価し、その結果を表1に示
した。
【0027】この表の結果から分かるように本発明によ
ったパッケーシの場合は、バルジ率10%以下とバルジ
が小さくしかも糸落ちもなかった。これに対して、本発
明の範囲外で実施した比較例ではバルジ率が10%を越
えて大きかったり、糸落ちの発生がみられたりしてパッ
ケージフォーム不良であった。特に単糸繊度が5dの場
合や相対粘度2.85の高粘度糸の場合では、本発明に
よる効果が明瞭に表われていた。即ち、本発明の範囲内
で実施した実施例1、2、3、4、5では巻姿良好であ
った。
ったパッケーシの場合は、バルジ率10%以下とバルジ
が小さくしかも糸落ちもなかった。これに対して、本発
明の範囲外で実施した比較例ではバルジ率が10%を越
えて大きかったり、糸落ちの発生がみられたりしてパッ
ケージフォーム不良であった。特に単糸繊度が5dの場
合や相対粘度2.85の高粘度糸の場合では、本発明に
よる効果が明瞭に表われていた。即ち、本発明の範囲内
で実施した実施例1、2、3、4、5では巻姿良好であ
った。
【0028】しかし、比較例1、2、6,8では綾角が
一定であるためにタッチローラ駆動があっても巻姿が悪
かった。例えば、綾角が小さい比較例1、6、8では糸
落ちはないがバルジ率が大きく、逆に綾角が大きい比較
例2ではバルジ率は小さいが糸落ちが生じた。また綾角
を変化させて巻取ってもタッチローラ駆動がない比較例
3、4、9では糸落ちが発生した。
一定であるためにタッチローラ駆動があっても巻姿が悪
かった。例えば、綾角が小さい比較例1、6、8では糸
落ちはないがバルジ率が大きく、逆に綾角が大きい比較
例2ではバルジ率は小さいが糸落ちが生じた。また綾角
を変化させて巻取ってもタッチローラ駆動がない比較例
3、4、9では糸落ちが発生した。
【0029】なお、単糸繊度が3dと小さく、相対粘度
も2.63と低い比較例7の場合は、タッチローラ駆動
なしでも糸落ちは比較的少なかったが依然満足する水準
ではなかった。また、比較例5のように、タッチローラ
駆動がなくても巻取り全体にわたる綾角水準を低くすれ
ば糸落ちを生じさせないようにすることもできるが、逆
に、綾角水準が全体的に低くなったことによってバルジ
率が大きくなり、巻き姿不良となった。
も2.63と低い比較例7の場合は、タッチローラ駆動
なしでも糸落ちは比較的少なかったが依然満足する水準
ではなかった。また、比較例5のように、タッチローラ
駆動がなくても巻取り全体にわたる綾角水準を低くすれ
ば糸落ちを生じさせないようにすることもできるが、逆
に、綾角水準が全体的に低くなったことによってバルジ
率が大きくなり、巻き姿不良となった。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明によると、次のごとき優れた効果
を奏することができる。
を奏することができる。
【0032】バルジが小さくしかも糸落ちもない巻姿良
好なチーズ状パッケージが高速巻き取りによって製造で
きる。特に、良好な巻姿での巻取りが困難であった高粘
度糸、太単糸繊度糸あるいは寡フィラメント糸を高速巻
取りする場合でも、巻姿良好なチーズ状パッケージが得
られる。
好なチーズ状パッケージが高速巻き取りによって製造で
きる。特に、良好な巻姿での巻取りが困難であった高粘
度糸、太単糸繊度糸あるいは寡フィラメント糸を高速巻
取りする場合でも、巻姿良好なチーズ状パッケージが得
られる。
【図1】合成繊維チーズ状パッケージにおける綾角を説
明するパッケージ正面図である。
明するパッケージ正面図である。
【図2】巻取りの時間経過とともに増減する綾角の変化
を例示する巻位置−綾角の図である。
を例示する巻位置−綾角の図である。
【図3】本発明法が適用される高速製糸巻取り工程を例
示する工程概略図である。
示する工程概略図である。
【図4】バルジの大きい合成繊維チーズ状パッケージを
例示するパッケージ断面図である。
例示するパッケージ断面図である。
【図5】合成繊維チーズ状パッケージにおける糸落ちを
例示するパッケージ側面図である。
例示するパッケージ側面図である。
1:糸落ち、 6:トラバース装置、 7:タッチロー
ラ、 8:スピンドル、 9:パッケージ、 11:バ
ルジ、 θ:綾角
ラ、 8:スピンドル、 9:パッケージ、 11:バ
ルジ、 θ:綾角
Claims (6)
- 【請求項1】 スピンドル軸上に形成されるチーズ状
糸条パッケージにタッチローラを接触させて3000m
/分以上の高速で合成繊維糸条を巻取る方法において、
スピンドルとタッチローラを別個のモータでそれぞれ駆
動回転させ、タッチローラの回転数が一定となるように
スピンドル回転数を制御すること、及び、綾角をパッケ
ージの巻径に応じて変化させることを特徴とする、合成
繊維の高速巻取り方法。 - 【請求項2】 綾角は巻始めと巻終りが小さく、その
巻取り中間において大きくなるように変化し、かつ、巻
取り中間における綾角の最大値が巻始め時の綾角よりも
1度以上大きいことを特徴とする請求項1記載の合成繊
維の高速巻取り方法。 - 【請求項3】 巻取られる合成繊維糸条の単糸繊度が
4デニール以上であることを特徴とする請求項1記載の
合成繊維の高速巻取り方法。 - 【請求項4】 巻取られる合成繊維糸条が相対粘度
2.7以上のポリアミド繊維糸条からなることを特徴と
する請求項1記載の合成繊維の高速巻取り方法。 - 【請求項5】 単糸繊度が4デニール以上の合成繊維
が巻かれてなるチーズ状パッケージにおいて、綾角は中
層よりも表層及び最内層の方が小さく、中層における最
大の綾角が最内層よりも1度以上大きく、バルジ率が1
0%以下であり、かつ、糸落ちが実質的にないことを特
徴とする合成繊維チーズ状パッケージ。 - 【請求項6】 相対粘度2.7以上のポリアミド繊維
が巻かれてなるチーズ状パッケージにおいて、綾角は中
層よりも表層及び最内層の方が小さく、中層における最
大の綾角が最内層よりも1度以上大きく、バルジ率が1
0%以下であり、かつ、糸落ちが実質的にないことを特
徴とする合成繊維チーズ状パッケージ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34217095A JPH09175731A (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 合成繊維の高速巻取り方法及び合成繊維チーズ状パッケージ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34217095A JPH09175731A (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 合成繊維の高速巻取り方法及び合成繊維チーズ状パッケージ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09175731A true JPH09175731A (ja) | 1997-07-08 |
Family
ID=18351670
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34217095A Pending JPH09175731A (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 合成繊維の高速巻取り方法及び合成繊維チーズ状パッケージ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09175731A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10134073C1 (de) * | 2001-07-13 | 2003-02-06 | Zimmer Ag | Verfahren zum Aufspulen von Filamenten |
EP1300356A1 (en) * | 2000-07-06 | 2003-04-09 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Drawn yarn package and production method therefor |
JP2010189127A (ja) * | 2009-02-18 | 2010-09-02 | Tmt Machinery Inc | 糸条巻取機、及び糸条巻取方法 |
CN113697603A (zh) * | 2020-05-22 | 2021-11-26 | 岛津产业机械系统株式会社 | 纤维卷取装置 |
-
1995
- 1995-12-28 JP JP34217095A patent/JPH09175731A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1300356A1 (en) * | 2000-07-06 | 2003-04-09 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Drawn yarn package and production method therefor |
US6709689B2 (en) | 2000-07-06 | 2004-03-23 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Drawn yarn package and production method therefor |
DE10134073C1 (de) * | 2001-07-13 | 2003-02-06 | Zimmer Ag | Verfahren zum Aufspulen von Filamenten |
JP2010189127A (ja) * | 2009-02-18 | 2010-09-02 | Tmt Machinery Inc | 糸条巻取機、及び糸条巻取方法 |
KR101335495B1 (ko) * | 2009-02-18 | 2013-12-02 | 티엠티 머시너리 가부시키가이샤 | 사조 권취기 및 사조 권취 방법 |
CN113697603A (zh) * | 2020-05-22 | 2021-11-26 | 岛津产业机械系统株式会社 | 纤维卷取装置 |
CN113697603B (zh) * | 2020-05-22 | 2023-11-14 | 岛津产业机械系统株式会社 | 纤维卷取装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH09175731A (ja) | 合成繊維の高速巻取り方法及び合成繊維チーズ状パッケージ | |
US6886771B2 (en) | Conical cheese and method of forming the package of a conical cheese | |
JPS6242828B2 (ja) | ||
US6886770B2 (en) | Cylindrical cheese and method for forming the wound package of a cylindrical cheese | |
JP3496407B2 (ja) | ドラム状パッケージ | |
JPH09241922A (ja) | 高速直接紡糸延伸法によるポリアミド繊維の製造方法 | |
JPH08199424A (ja) | ポリエステルモノフィラメントパッケージ | |
JP2706343B2 (ja) | ドラム状パッケージへの糸条巻上げ方法 | |
JPS61275420A (ja) | ポリエステル糸条の直接紡糸延伸方法 | |
JPS5828370B2 (ja) | ポリアミドの製糸方法 | |
JPS6123088A (ja) | 自動糸切替巻取機における巻取方法 | |
JP2004360112A (ja) | ポリヘキサメチレンアジパミド繊維の延伸捲取方法 | |
JPH05306069A (ja) | ドラムパッケージへの糸条巻上げ方法 | |
JPH0429769B2 (ja) | ||
JPH03161546A (ja) | 合成繊維の直接紡糸延伸方法 | |
JPS6211084B2 (ja) | ||
JPS636647B2 (ja) | ||
JPS60128167A (ja) | ポリアミド繊維の製造法 | |
JP2000273719A (ja) | ポリアミド繊維の多糸条高速製糸方法 | |
JPH10273842A (ja) | 未延伸糸の紡糸巻取り方法 | |
JPS6337080A (ja) | ポリエステルフイラメントの巻取方法 | |
JP3374589B2 (ja) | 自動糸切替制御方法 | |
JPH10158929A (ja) | ポリエステル極細マルチフィラメントの溶融紡糸方法 | |
JPS6094616A (ja) | 仮撚加工用ポリアミド中間配向糸の製造方法 | |
JP2001200421A (ja) | 糸条引取装置 |