JPH09173069A - 4−クマル酸:補酵素aリガーゼ遺伝子、及び該遺伝子を用いた植物中のリグニンの低減方法 - Google Patents
4−クマル酸:補酵素aリガーゼ遺伝子、及び該遺伝子を用いた植物中のリグニンの低減方法Info
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Abstract
きる組み換え遺伝子を構築し、該遺伝子を任意の植物に
導入することで、形質転換植物体中のリグニン含量を制
御する。 【解決手段】 植物から単離された4−クマル酸:補酵
素Aリガーゼの遺伝子を用いて、植物で発現し得る新規
な遺伝子を作製し、これを植物に導入することで、形質
転換植物中のリグニン含量を減少させる。導入される遺
伝子は、プロモーター、4CL遺伝子の一部、又は全
部、及びターミネーターを持つ、4CLのアンチセンス
遺伝子、又はセンス遺伝子であることが望ましい。
Description
補酵素Aリガーゼ遺伝子(以下4CL遺伝子という場合
がある)、及び該遺伝子の全部、又はその一部を用いて
作製したアンチセンス遺伝子、又はセンス遺伝子を導入
することにより、形質転換植物中のリグニン含量を低減
せしめる方法及び同方法により作出された植物に関する
ものである。
プをアルカリ蒸解行程や各種薬剤を使用する漂白行程で
処理することにより、木材成分中のリグニンを溶出、除
去し、紙の原材料となるパルプを生産している。材料と
なる木材チップの蒸解適性は、チップ中のリグニン含量
やその分子構造に影響を受けるところが大きく、原料中
のリグニンの量や質を人為的に低下、変質することがで
きれば、パルプ生産におけるコストを大幅に減らすこと
が可能となる。
リグニン存在が家畜の胃腸中での飼料の消化性に悪影響
を与えることが知られており(特表平6−510429
号公報)低リグニン含量の飼料用作物が得られれば、食
肉、乳製品の生産性にも大きく貢献できる。
え技術を用いて、リグニンの生合成に関与する酵素の遺
伝子の発現を不活化、或は抑制することにより最終生成
物であるリグニンの量を低減させる試みがなされてき
た。
平6−181775号公報に見られる例では、植物中で
リグニン前駆体生合成の最終段階に関与すると考えられ
ている、シンナミルアルコールデヒドロゲナーゼをコー
ドする遺伝子の発現を抑制し、リグニン量のコントロー
ルを試みている。しかし、C. ハルピンらは、この方法
が、リグニンの絶対量を低減させる方法としては効果的
でないことを示している(Plant Journal, 6, 339-350,
1994 )。
マメのフェニルアラニンアンモニアリアーゼをコードす
るcDNAをカリフラワーモザイクウィルス35Sプロ
モーターに連結した遺伝子をタバコに導入したところ、
リグニン量の少ない形質転換タバコが得られたと報告し
ている。しかし、この方法により作出された形質転換タ
バコは、形態異常を起こしており、正常に生育しないた
め、この方法を広く植物の育種に利用することは実際上
非常に難しい。
から単離したS-アデノシル-L- メチオニン: カフェ酸/5
- ヒドロキシフェルラ酸 3/5-O- メチル- トランスフェ
ラーゼの遺伝子を用いてアンチセンス遺伝子を構築し、
タバコに導入したが、形質転換植物中のリグニンの分子
構造に変化が見られたものの、リグニンの絶対量にはほ
とんど変化がなかった(Plant Molecular Biology 26,
61-71, 1994 )。
細胞壁中のリグニン量を低下させた例は、1994年
に、W. ニイらがアルファルファのカフェ酸 3-O- メチ
ル- トランスフェラーゼ(以下OMTとする)の遺伝子
を用いたアンチセンス遺伝子を導入することにより、低
リグニン含量の形質転換タバコを作出している。しか
し、このOMTは本発明で着目した4CLとは全く別の
触媒機能を持つ酵素である。
88年にパセリにおいて初めてその塩基配列が報告され
た。その後ポテト、マメ、イネ、アラビドプシス等で単
離され、その一次構造が明らかにされてきた(Genetic
engineering of Plant Secondary Metabolism, Plenum
Press, 313-355, 1994)。しかし、タバコ4CL遺伝子
に関する報告は、現段階では本発明をおいて他にはな
い。
種から単離されていたにも関わらず、この遺伝子をリグ
ニンの生合成を制御する為に応用された例はない。単離
された4CL遺伝子を用いて構築された各種の遺伝子を
植物に導入した例はあるが、形質転換植物中のリグニン
含量を低下させることに成功した報告はなされていな
い。
ing of the American Society of Plant Physiologists
の要旨集の中で、 D. リーらはポテトの4CL遺伝子
を用いて構築したアンチセンス遺伝子、及びセンス遺伝
子をタバコに導入し、形質転換タバコ中に存在する4C
Lタンパク質の量を低下させたということを報告してい
るが、形質転換タバコ中のリグニンに関する記述は全く
ない(Supplement toPlant Physiology, 105, 37, 1994
)。
生合成に関与する新たな酵素の遺伝子に着目し、遺伝子
組み換え技術により該遺伝子の働きを変化させること
で、植物の細胞壁中に存在するリグニンの低減を行うこ
とを目的とするものである。
に述べた状況に鑑み、鋭意努力の結果、ポリメラーゼチ
ェインリアクション(PCR)を用いることによりタバ
コから4CLをコードするcDNAを単離し、このcD
NA断片を用いたアンチセンス、及びセンス遺伝子を植
物に導入することにより、形質転換植物中のリグニンを
低減させることができることを初めて見いだし、本発明
を完成させるに至った。
酵素Aリガーゼ遺伝子を単離し、この遺伝子の少なくと
も1つの一部分、又は全部を含む遺伝子を新たに植物に
導入して形質転換植物を作り出すことにより、該形質転
換植物中のリグニン含量を低減せしめる方法にある。以
下、本発明の詳細を説明する。
分化法が確立され、且つ遺伝子導入系が構築されている
のもであればいずれの植物種にも適用できる。特に、飼
料用作物、或いはEucalyptus( ユーカリ)属、Populus
(ポプラ)属、Acacia(アカシア)属、Pinus (マツ)
属等に分類される製紙原材料に供される林木を用いると
利用上の効果が著しい。
り、酵素番号のEC6. 2. 1. 12に分類される酵素
で、少なくとも4−クマル酸と補酵素A(Coenzyme A、
或いは単にCoA といわれる)との間の化学結合の形成反
応を触媒する酵素のアミノ酸配列をコードする構造遺伝
子、その相補DNA( cDNA) の一部、或いは全部を
含むものである。この遺伝子を単離するには、幾つかの
遺伝子クローニング方法を使用することができる。例え
ば、酵素を精製し、そのアミノ酸配列を決定し、この配
列をもとに合成ヌクレオチドを作製し、ハイブリダイゼ
ーション法により遺伝子ライブラリーから選択できる。
基配列情報を基にポリメラーゼチェインリアクション
(以下PCRと略す)に用いるプライマーを作製し、P
CRを行うことにより遺伝子の特定の領域、或いは全領
域を増幅し、単離する方法もある。
センス遺伝子、及びセンス遺伝子のの構築 上記のようにして得られた遺伝子を用いて、適切なプロ
モーターとターミネーター配列の制御の元に、植物細胞
中で転写、発現し得る新規な遺伝子を構築することがで
きる。プロモーター領域に隣接して導入される4CLの
遺伝子は、プロモーターに対して本来の向きとは逆方向
に(この場合をアンチセンス遺伝子と定義する)、又は
順方向(この場合をセンス遺伝子と定義する)に導入さ
れ得る。ここで言う逆方向とは、本来のアミノ酸配列を
規定する向きとは反対の向き、順方向とは本来のアミノ
酸を規定する向きのことを指す。導入される4CL遺伝
子はタンパク質コード領域、非コード領域のいずれも使
用できるが、コード領域を使用することが望ましい。
遺伝子のいずれを使用した場合でもリグニン低減効果が
発揮されるが、特にセンス遺伝子を用いた場合がより効
果的である。
ーモザイクウィルス35Sプロモーターや4CL遺伝子
に本来含まれているプロモーター部位を挙げることがで
きるが、植物の茎、特に木部組織で特異的に働くプロモ
ーターを使用すると一層効果が上がると考えられる。タ
ーミネーターとしては、植物細胞で機能するものであれ
ばよく、例えばノパリン合成酵素遺伝子のターミネータ
ーを挙げることができる。
構築するために用いられる4CL遺伝子は、植物由来の
遺伝子であれば十分に機能すると考えられるが、特に形
質転換を行う植物と同じ属、又は同じ種に属する植物か
ら単離したものを利用することが望ましい。
の組み込み 以上のようにして構築した導入遺伝子は、エレクトロポ
レーション法、パーティクルガンを用いる方法、及びア
グロバクテリウムを用いる方法等、化学的、物理的、生
物的方法を用いて植物のゲノムに導入することが可能で
ある。遺伝子が導入された植物細胞は、抗生物質等の薬
剤耐性の性質を利用することにより選抜され、再分化さ
せることができる。植物に導入された遺伝子は、本来植
物がゲノム中に持つ4CL遺伝子の働きを抑制し、正常
なリグニンの生合成を阻害する。
ス遺伝子、及びセンス遺伝子、すなわち、4CL遺伝子
の少なくとも1つの一部分、又は、全部を含む遺伝子を
新たに植物に導入することにより、リグニン含量が低減
された形質転換植物を得ることができる。
cum L.) のサムソン(Samsun)NN株とSR1 株を用いた。
両株ともに、種子を発芽させて得た苗を温室で栽培した
が、場合により無菌苗も作製した。
物体の葉と茎を材料に各々独立にRNAを抽出し、更に
カラムクロマトグラフィーによりポリ(A) +RNAを得
た。各々の株のポリ(A) +RNA画分を材料に、ファル
マシア社製cDNA合成キットを用いて2本鎖cDNA
を合成し、SR1 株については得られたcDNAを更にス
トラタジーン社製のλZAPIIベクターに連結して、パ
ッケージング処理し、cDNAライブラリーを構築し
た。
プライマーのデザイン タバコから4CLをコードするcDNAを単離するため
に、既に報告されているパセリ、ポテト、マメ、及びイ
ネの4CL遺伝子のアミノ酸コード領域を比較し、これ
らの植物間で保存されている4CL中のアミノ酸配列を
探策した。そして、2つのアミノ酸配列の領域(Ala-Gl
n-Gln-Val-Asp-Gly 、及びGly-Glu-Ile-Cys-Ile-Arg )
が、これらの植物間で保存されていることを突き止め、
これらのアミノ酸配列に対応する17塩基からなるオリ
ゴヌクレオチド2本を化学合成したこれらの塩基配列
は、表1にある配列番号1、及び表2にある配列番号2
で示した。
単離 上記のように作製したオリゴヌクレオチドをプライマー
に、サムソン NN 株由来のc DNAを鋳型としてPCR
を行った。反応条件は、変性を94℃、30秒、プライ
マーと鋳型とのアニールを46℃、30秒、伸長反応を
74℃、90秒の条件で行った。反応には、宝酒造社製
のTaqポリメラーゼを用いた。反応液の一部を1. 8
%アガロースゲルの電気泳動で分離したところ、予想し
たサイズにDNAの増幅物が認められた。増幅断片をア
ガロースより切り出し、末端を平滑処理した後に、宝酒
造社製のプラスミドベクターpUC19のSma I部位
にクローニングした。クローニングしたDNAサンプル
を20個拾い出し、これらを制限酵素を用いて解析した
ところ、増幅断片中には異なる塩基配列を持つDNA断
片が少なくとも3種存在することが示唆された。更に、
これらの異なる断片の候補の塩基配列をダイデオキシ法
により決定したところ、増幅断片には表3と表4にある
配列番号3、及び表5と表6にある配列番号4で示した
2種の異なるDNA断片の存在が確認された。これらの
DNA断片は542塩基対からなっており、その塩基配
列は既に知られている双子葉植物の4CL遺伝子の塩基
配列との75%以上の高い相同性を有していた。このこ
とから、増幅されたDNAはタバコの4CLをコードす
るcDNAの一部であると結論した。尚、配列番号3、
及び配列番号4で表されるDNAを含むプラスミドを保
持した大腸菌を通産省工業技術院生命工学技術研究所の
特許微生物寄託センターに寄託した。配列番号3のDN
Aを含むプラスミドを保持する大腸菌(識別の為の表示
NT4CL2)についてはFERM P−15336、
配列番号4のDNAを含むプラスミドを保持する大腸菌
(識別の為の表示NT4CL6)についてはFERM
P−15337の寄託番号で登録されている。
A断片が得られたため、このcDNA断片の塩基配列を
基に更にPCRプライマーを作製し、得られたcDNA
断片に対して5´側、及び3´側に相当する塩基配列の
未知のcDNA部分を増幅した。PCRの鋳型には、SR
1 株由来のcDNAを用いて作製したcDNAライブラ
リーからファージDNAを調製し、これを用いた。未知
の5´領域、及び3´領域に相当する部分に対応するP
CRプライマーは、ストラタジーン社製のブルースクリ
プトIIファージミドベクター用のマルチプルクローニン
グ領域の塩基配列を持つ17塩基のオリゴヌクレオチド
を使用した。反応条件は、変性94℃、30秒、アニー
ル60℃、30秒、伸長反応74℃、90秒の条件で行
った。PCR反応の結果、cDNAの未知な5´領域、
及び3´領域に相当するcDNA部分が得られたので、
更にこれらの塩基配列情報を基にPCRプライマーを作
製し、先と同様の条件でPCRを行うことで、最終的に
表7から表12にある配列番号5に示した1860塩基
対からなるcDNAを得た。得られた全長鎖cDNA
は、その末端を平滑化した後に、プラスミドベクターp
UC19のSma I部位に導入し、このベクターをp
NT4CL1と命名した。尚、pNT4CL1を保持す
る大腸菌についても、通産省工業技術院生命工学技術研
究所の特許微生物寄託センターに寄託した(識別の為の
表示NT4CL18、寄託番号FERM P−1533
8)。
ドしているか、否かを確かめるために、得られたcDN
A全長鎖をファルマシア社製の発現ベクターpTrc9
9Aに読み枠を合わせて結合させたベクターpTCLF
1を作製した。このpTCLF1を大腸菌JM109株
に導入して、cDNAにコードされる蛋白質を生産させ
た。pTCLF1で形質転換した大腸菌の菌体破砕液を
ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ポリアクリルアミド
電気泳動にかけ、分離したタンパク質を和光純薬社製の
銀染色キットを用いて染色したところ、分子量約60キ
ロダルトンの新たなタンパク質が生産されていた。更
に、電気泳動に供した菌体破砕液中には4CLの活性が
検出された。尚、cDNAを組み込んでいない発現ベク
ターpTrc99Aで形質転換した大腸菌の菌体破砕液
からは4CL活性は検出されず、また、SDSポリアク
リルアミド電気泳動後の染色でも新たなタンパク質の生
産は認められなかった。以上のことから、配列番号5に
塩基配列を示したcDNAは、タバコの4CLをコード
していることが明らかとなった。
ンチセンス遺伝子、及びセンス遺伝子の構築 始めに、
クローンテック社製のTiプラスミドベクターpBI1
21からGUS遺伝子を制限酵素消化によって除去し、
GUS遺伝子の除かれたプラスミドベクターをセルフラ
イゲーションして得たTiプラスミドベクターをpBI
121DGと命名した。次にpNT4CL1を制限酵素
Xba Iで消化し、タバコ4CLcDNAの全領域を取
り出した。そして、このcDNA断片をpBI121D
G上のカリフラワーモザイクウィルス35Sプロモータ
ーに対して逆方向、及び順方向に導入した。ここで、逆
方向とは、本来のアミノ酸配列を規定する向きとは反対
の向き、順方向とは、本来のアミノ酸配列を規定する向
きのことを指す。タバコ4CLcDNAを逆方向に導入
して得られたプラスミドDNAをpANT4CL、順方
向に導入して得られたそれをpSNT4CLと命名し
た。即ち、pANT4CLはタバコ4CLのアンチセン
ス遺伝子を、pSNT4CLはタバコ4CLのセンス遺
伝子をも持つTiプラスミドベクターである。
ンス遺伝子の植物への組み込み pANT4CL、又はpSNT4CLを保持するアグロ
バクテリウム・ツメファシエンスLBA4404株を用
いて、タバコSR1 株に4CLアンチセンス、及びセンス
DNAを導入し、形質転換植物体を得た。また、pBI
121DGを保持するアグロバクテリウム・ツメファシ
エンスLBA4404株を用いて形質転換植物体を得、
これを対照とした。上記のように作製した遺伝子を用い
てタバコを形質転換し、対照個体4個体(表13中の個
体番号#1〜#4で表される)、アンチセンス4CL遺
伝子を導入した形質転換体5個体(表13中の個体番号
#5〜#9で表される)、及びセンス4CL遺伝子を導
入した形質転換植物体5個体(表13中の個体番号#1
0〜#14で表される)を得た。これらに各々の遺伝子
が導入されていることは、各個体由来の全DNAを用い
たサザン解析、PCR解析によって確かめた。
各植物体の茎から木部組織を取り出し、摩砕処理して木
粉を得た。この木粉をソックスレー抽出器中、エタノー
ル・トルエン混合液(エタノール1容:トルエン2
容)、エタノール、熱水で順次抽出処理し、残さを1週
間真空乾燥した。以上の操作によって得られた脱脂木粉
中のリグニンを、アセチルブロマイド法(Wood Sci. Te
chnol., 22,271-280, 1988 )により定量した。その結
果を表13に示した。
体では、個体の木部組織中に存在するリグニンが、対照
個体の平均値に対して最大で約18%減少していた。ま
た、センス遺伝子を導入した形質転換個体では、対照個
体に対して最大で約34%のリグニン量の減少が確認さ
れた。
ンチセンス遺伝子、或はセンス遺伝子を植物に導入する
ことにより、形質転換植物中のリグニン含量を低下させ
ることができる。このことは、パルプ製造において、リ
グニン除去に必要なエネルギー、各種薬品の所要量を減
少させ、その結果として生産コストの低減をもたらす。
また、低リグニン含量の飼料用植物の育種が可能になっ
たことで、易消化性の飼料を供給でき、畜産業の生産性
向上に寄与することができる。
Claims (13)
- 【請求項1】 植物中に存在する4−クマル酸:補酵素
Aリガーゼ遺伝子の少なくとも1つの一部分、又は全部
を含む遺伝子を新たに植物に導入し、植物中のリグニン
を低減させる方法。 - 【請求項2】 新たに植物に導入する遺伝子が、4−ク
マル酸:補酵素Aリガーゼ遺伝子の少なくとも1つの一
部分、或は全部を含むアンチセンス遺伝子である請求項
1に記載の方法。 - 【請求項3】 新たに植物に導入する遺伝子が、4−ク
マル酸:補酵素Aリガーゼ遺伝子の少なくとも1つの一
部分、或は全部を含むセンス遺伝子である請求項1に記
載の方法。 - 【請求項4】 4−クマル酸:補酵素Aリガーゼ遺伝子
がcDNAである、請求項1、2、又は3に記載の方
法。 - 【請求項5】 新たに導入する遺伝子が、遺伝子を導入
される植物と同じ属に分類される植物に由来する4−ク
マル酸:補酵素Aリガーゼ遺伝子の少なくとも1つの一
部分、又は全部を含む、請求項1、2、又は3に記載の
方法。 - 【請求項6】 新たに導入する遺伝子が、遺伝子を導入
される植物と同じ種に分類される植物に由来する4−ク
マル酸:補酵素Aリガーゼ遺伝子の少なくとも1つの一
部分、又は全部を含む、請求項1、2、又は3に記載の
方法。 - 【請求項7】 配列番号3(塩基番号1〜542)に示
した塩基配列を有する4−クマル酸:補酵素Aリガーゼ
遺伝子。 - 【請求項8】 配列番号4(塩基番号1〜542)に示
した塩基配列を有する4−クマル酸:補酵素Aリガーゼ
遺伝子。 - 【請求項9】 配列番号5(アミノ酸番号1〜542)
で示したアミノ酸配列をコードする4−クマル酸:補酵
素Aリガーゼ遺伝子。 - 【請求項10】 配列番号5に示されるアミノ酸(アミ
ノ酸番号1〜542)を有するタバコ由来の4−クマル
酸:補酵素Aリガーゼ。 - 【請求項11】 請求項7、8又は9のいずれかに記載
の4−クマル酸:補酵素Aリガーゼ遺伝子の一部、又は
全部を含有する遺伝子。 - 【請求項12】 4−クマル酸:補酵素Aリガーゼ遺伝
子が、請求項7、8、又は9のいずれかに記載の遺伝子
である請求項1、2、又は3に記載の方法。 - 【請求項13】 請求項12に記載の方法により作出さ
れた植物。
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