JPH09168722A - 局所空間の汚染防止方法及び装置 - Google Patents
局所空間の汚染防止方法及び装置Info
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- JPH09168722A JPH09168722A JP8031230A JP3123096A JPH09168722A JP H09168722 A JPH09168722 A JP H09168722A JP 8031230 A JP8031230 A JP 8031230A JP 3123096 A JP3123096 A JP 3123096A JP H09168722 A JPH09168722 A JP H09168722A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
Landscapes
- Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
- Devices For Use In Laboratory Experiments (AREA)
- Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 有機性ガスによる汚染を効果的に防止できる
局所空間の汚染防止方法と装置を提供する。 【解決手段】 局所空間の有機性ガスによる汚染を防止
する装置において、前記局所空間例えばクリーンルーム
11の一部を光触媒材13で構成すると共に、該光触媒
材に光を照射する手段16を設けたものであり、前記光
触媒としてはTiO2 又はTiO2 にPt、Ag、P
d、RuO2 、Co3 O4 から選ばれた一種以上を添加
して用いることができ、また、光を照射する手段として
は紫外線ランプ16、蛍光灯等を用いることができ、こ
れにより、発生した有害な有機性ガス19を無害なガス
20として空間内を超清浄化できる。
局所空間の汚染防止方法と装置を提供する。 【解決手段】 局所空間の有機性ガスによる汚染を防止
する装置において、前記局所空間例えばクリーンルーム
11の一部を光触媒材13で構成すると共に、該光触媒
材に光を照射する手段16を設けたものであり、前記光
触媒としてはTiO2 又はTiO2 にPt、Ag、P
d、RuO2 、Co3 O4 から選ばれた一種以上を添加
して用いることができ、また、光を照射する手段として
は紫外線ランプ16、蛍光灯等を用いることができ、こ
れにより、発生した有害な有機性ガス19を無害なガス
20として空間内を超清浄化できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、局所空間の汚染防
止に係り、特に、半導体、液晶、精密機械工業などの先
端産業における原料、半製品、製品の基材や基板表面へ
の空気中及び/又は構成材料の有機物から発生する有機
性ガスによる汚染を防止する方法に関する。
止に係り、特に、半導体、液晶、精密機械工業などの先
端産業における原料、半製品、製品の基材や基板表面へ
の空気中及び/又は構成材料の有機物から発生する有機
性ガスによる汚染を防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の局所空間の汚染防止技術を、半導
体製造工場におけるクリーンルームの空気洗浄を例に、
図13を用いて説明する。図13において、外気1は先
ずプレフィルタ2で粗粒子が除去され、次いで空調機3
で空調され、中性能フィルタ4で除塵される。次に、ク
リーンルーム5の天井部に設置されているHEPAフィ
ルタ(高性能フィルタ)6で微細な粒子が除去され、ク
リーンルーム5はクラス10〜100が維持される
(「洗浄設計」p11〜24、Summer 1988)。7
-1、7-2はファン、矢印は空気の流れを示す。
体製造工場におけるクリーンルームの空気洗浄を例に、
図13を用いて説明する。図13において、外気1は先
ずプレフィルタ2で粗粒子が除去され、次いで空調機3
で空調され、中性能フィルタ4で除塵される。次に、ク
リーンルーム5の天井部に設置されているHEPAフィ
ルタ(高性能フィルタ)6で微細な粒子が除去され、ク
リーンルーム5はクラス10〜100が維持される
(「洗浄設計」p11〜24、Summer 1988)。7
-1、7-2はファン、矢印は空気の流れを示す。
【0003】ところで、今後半導体産業では製品の高品
質化、精密化が増々進み、これに伴いガス状物質が汚染
物として関与する。即ち、従来は微粒子除去のみで十分
であったのが、今後は、ガス状物質の制御が重要となっ
てくる。そして、前記図13に示した、従来のクリーン
ルームのフィルタでは、微粒子のみしか除去されず、外
気からのガス状汚染物質は、除去されずにクリーンルー
ムに導入されてしまうので問題となる。ガス状汚染物質
には、(1)NOx、SOxなどの酸性ガス、(2)N
H3 、アミンなどの塩基性ガス、(3)有機性ガス
(H.C)がある。この内、通常のクリーンルームで
は、H.Cがガス状汚染物質として重要である。即ち、
H.Cは通常のクリーンルームの濃度レベルで基板、基
材に吸着し、悪影響を与えるためである。
質化、精密化が増々進み、これに伴いガス状物質が汚染
物として関与する。即ち、従来は微粒子除去のみで十分
であったのが、今後は、ガス状物質の制御が重要となっ
てくる。そして、前記図13に示した、従来のクリーン
ルームのフィルタでは、微粒子のみしか除去されず、外
気からのガス状汚染物質は、除去されずにクリーンルー
ムに導入されてしまうので問題となる。ガス状汚染物質
には、(1)NOx、SOxなどの酸性ガス、(2)N
H3 、アミンなどの塩基性ガス、(3)有機性ガス
(H.C)がある。この内、通常のクリーンルームで
は、H.Cがガス状汚染物質として重要である。即ち、
H.Cは通常のクリーンルームの濃度レベルで基板、基
材に吸着し、悪影響を与えるためである。
【0004】H.Cの起因は、外気の自動車排ガス、高
分子製品からの脱ガスのクリーンルームへの導入、クリ
ーンルーム構成材料の高分子材料(例えば、高分子製品
の可塑材、離型材、酸化防止剤等)からの脱ガスなどが
ある(「空気清浄」、第33巻、第1号、p16〜2
1、1995年)。また、プロセス装置の一部又は全部
をプラスチック板等で囲うので、これらのプラスチック
から有機性ガスが発生する。そして、最近省エネの点で
クリーンルームの空気を循環使用するため、クリーンル
ーム内の有機性ガスは徐々に高まってしまい、基材や基
板を汚染することになる。これらのH.Cは通常の大気
濃度レベルのような極低濃度でも悪影響を及ぼす。
分子製品からの脱ガスのクリーンルームへの導入、クリ
ーンルーム構成材料の高分子材料(例えば、高分子製品
の可塑材、離型材、酸化防止剤等)からの脱ガスなどが
ある(「空気清浄」、第33巻、第1号、p16〜2
1、1995年)。また、プロセス装置の一部又は全部
をプラスチック板等で囲うので、これらのプラスチック
から有機性ガスが発生する。そして、最近省エネの点で
クリーンルームの空気を循環使用するため、クリーンル
ーム内の有機性ガスは徐々に高まってしまい、基材や基
板を汚染することになる。これらのH.Cは通常の大気
濃度レベルのような極低濃度でも悪影響を及ぼす。
【0005】具体例で説明すると、H.Cによるウェハ
基板(貴重品)の汚染は、基板とレジストとの親和性
(なじみ)に影響を与える。そして、親和性が悪くなる
と、レジストと膜厚に影響を与えたり、基板とレジスト
との密着性に影響を与え、品質の低下や歩留まりの低下
をもたらす。このように、今後要求が高まるより質の高
い製品は、集積度が密(製品がより微細化、高精密化に
なる)であり、従来問題とならなかった有機性ガスのよ
うなガス状物質の制御が必要となってくる。(「空気清
浄」第33巻、第1号、p16〜21、1995) すなわち、今後重要性が増大する局所方式による清浄空
間で、高品質な製品を製造するためには、局所空間を構
成する材料の有機物からの汚染を防止する必要がある。
基板(貴重品)の汚染は、基板とレジストとの親和性
(なじみ)に影響を与える。そして、親和性が悪くなる
と、レジストと膜厚に影響を与えたり、基板とレジスト
との密着性に影響を与え、品質の低下や歩留まりの低下
をもたらす。このように、今後要求が高まるより質の高
い製品は、集積度が密(製品がより微細化、高精密化に
なる)であり、従来問題とならなかった有機性ガスのよ
うなガス状物質の制御が必要となってくる。(「空気清
浄」第33巻、第1号、p16〜21、1995) すなわち、今後重要性が増大する局所方式による清浄空
間で、高品質な製品を製造するためには、局所空間を構
成する材料の有機物からの汚染を防止する必要がある。
【0006】また、最近先端産業における製品の製造
は、コストを低減させて行う必要から、局所清浄化(ミ
ニエンバイロメント)が急速に広まっている。しかし、
局所清浄化においては、高分子材料の使用が多くなるの
で、これらの材料からの有機性ガスの発生による汚染を
効果的に防止する方式の出願が期待されていた((社)
日本機械工業連合会、平成6年度報告書、p41〜5
0、平成7年3月)。ここで、ウェハやガラス基板への
有機性ガス(H.C)の汚染は、簡便には接触角により
評価することができる。接触角とは水によるぬれの接触
角のことであり、基板表面の汚染の程度を示すものであ
る。すなわち、基板表面に疎水性(油性)の物質を付着
すると、その表面は水をはじき返してぬれにくくなる。
すると基板表面と水滴との接触角は大きくなる。従って
接触角が大きいと汚染度が高く、逆に接触角が小さいと
汚染度が低い。
は、コストを低減させて行う必要から、局所清浄化(ミ
ニエンバイロメント)が急速に広まっている。しかし、
局所清浄化においては、高分子材料の使用が多くなるの
で、これらの材料からの有機性ガスの発生による汚染を
効果的に防止する方式の出願が期待されていた((社)
日本機械工業連合会、平成6年度報告書、p41〜5
0、平成7年3月)。ここで、ウェハやガラス基板への
有機性ガス(H.C)の汚染は、簡便には接触角により
評価することができる。接触角とは水によるぬれの接触
角のことであり、基板表面の汚染の程度を示すものであ
る。すなわち、基板表面に疎水性(油性)の物質を付着
すると、その表面は水をはじき返してぬれにくくなる。
すると基板表面と水滴との接触角は大きくなる。従って
接触角が大きいと汚染度が高く、逆に接触角が小さいと
汚染度が低い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、前
記した問題点を解消し、有機性ガスによる汚染を効果的
に防止することができる局所空間の汚染防止方法と装置
を提供することを課題とする。
記した問題点を解消し、有機性ガスによる汚染を効果的
に防止することができる局所空間の汚染防止方法と装置
を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、局所空間における有機性ガスによる汚染
を防止する方法において、前記局所空間の一部を光触媒
で構成し、該光触媒に光を照射することとしたものであ
り、また、本発明では、局所空間における有機性ガスに
よる汚染を防止する装置において、前記局所空間の一部
を光触媒材で構成すると共に、該光触媒材に光を照射す
る手段を設けたものである。前記において、局所空間
は、一部が有機物で構成されていてもよく、また、前記
局所空間が、クリーンルームであり、照射される光を蛍
光灯とすることもできる。
に、本発明は、局所空間における有機性ガスによる汚染
を防止する方法において、前記局所空間の一部を光触媒
で構成し、該光触媒に光を照射することとしたものであ
り、また、本発明では、局所空間における有機性ガスに
よる汚染を防止する装置において、前記局所空間の一部
を光触媒材で構成すると共に、該光触媒材に光を照射す
る手段を設けたものである。前記において、局所空間
は、一部が有機物で構成されていてもよく、また、前記
局所空間が、クリーンルームであり、照射される光を蛍
光灯とすることもできる。
【0009】また、光触媒としてはTiO2 を用い、T
iO2 に、Pt、Ag、Pd、RuO2 、Co3 O4 か
ら選ばれた一種以上を添加したものが好適に用いること
ができる。なお、本発明の局所空間とは、クリーンルー
ム等の限定された高清浄な空間をいう。本発明は、
(a)一部が有機物で構成される局所空間では、該有機
物より極く微量の有機性ガスが発生し、局所空間中の収
容物(ウェハやガラス基板などの原料、半製品、製品)
を汚染すること、及び(b)微粒子による収容物への汚
染は瞬時(秒オーダ以内)であるが、有機性ガスによる
汚染は、比較的長い時間(10〜30分以上)により徐
々に進行すること、を見出してなされたものである。
iO2 に、Pt、Ag、Pd、RuO2 、Co3 O4 か
ら選ばれた一種以上を添加したものが好適に用いること
ができる。なお、本発明の局所空間とは、クリーンルー
ム等の限定された高清浄な空間をいう。本発明は、
(a)一部が有機物で構成される局所空間では、該有機
物より極く微量の有機性ガスが発生し、局所空間中の収
容物(ウェハやガラス基板などの原料、半製品、製品)
を汚染すること、及び(b)微粒子による収容物への汚
染は瞬時(秒オーダ以内)であるが、有機性ガスによる
汚染は、比較的長い時間(10〜30分以上)により徐
々に進行すること、を見出してなされたものである。
【0010】すなわち、局所空間は少なくともその一部
に有機物(例、パッキン材、シール材、接着材、容器の
材料)を使用しており、該有機物から極く微量の有機性
ガスが発生する。例えば、シール材からはシロキサン、
収納容器の材料であるプラスチック材からは、フタル酸
エステルが発生し、これらの有機性ガスは、発生濃度は
極く低濃度であるが、局所空間は閉鎖系であり、閉じ込
められ、さらに最近、省エネルギーの点で局所空間内の
空気の循環使用の比率が高くなるので、濃度は徐々に高
くなり局所空間の収容物(貴重品)の上に付着し、悪い
影響を与えてしまう。そこで、本発明では局所空間の構
成材の一部に光触媒を設置し、蛍光灯等の光を照射する
ことにより、空気中及び/又は局所空間の構成材の有機
物から発生した有機性ガスを収容物(貴重品)に影響し
ない無害な形態(付着しても影響を与えない安定な形
態)に変換するものである。
に有機物(例、パッキン材、シール材、接着材、容器の
材料)を使用しており、該有機物から極く微量の有機性
ガスが発生する。例えば、シール材からはシロキサン、
収納容器の材料であるプラスチック材からは、フタル酸
エステルが発生し、これらの有機性ガスは、発生濃度は
極く低濃度であるが、局所空間は閉鎖系であり、閉じ込
められ、さらに最近、省エネルギーの点で局所空間内の
空気の循環使用の比率が高くなるので、濃度は徐々に高
くなり局所空間の収容物(貴重品)の上に付着し、悪い
影響を与えてしまう。そこで、本発明では局所空間の構
成材の一部に光触媒を設置し、蛍光灯等の光を照射する
ことにより、空気中及び/又は局所空間の構成材の有機
物から発生した有機性ガスを収容物(貴重品)に影響し
ない無害な形態(付着しても影響を与えない安定な形
態)に変換するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明を詳細に説明する。
光触媒は、局所空間の一部として構成でき、光照射によ
り励起され、接触角増加に関与する有機性ガス(非メタ
ン炭化水素)を接触角の増加に関与しない形態に分解あ
るいは、付着しても影響を及ぼさない安定な形態に変換
するものであればいずれでもよい。通常、半導体材料が
効果的であり容易に入手出来、加工性も良いことから好
ましい。効果や経済性の面から、Se、Ge、Si、T
i、Zn、Cu、Al、Sn、Ga、In、P、As、
Sb、C、Cd、S、Te、Ni、Fe、Co、Ag、
Mo、Sr、W、Cr、Ba、Pbのいずれか、又はこ
れらの化合物、又は合金、又は酸化物が好ましく、これ
らは単独で、また2種類以上を複合して用いる。
光触媒は、局所空間の一部として構成でき、光照射によ
り励起され、接触角増加に関与する有機性ガス(非メタ
ン炭化水素)を接触角の増加に関与しない形態に分解あ
るいは、付着しても影響を及ぼさない安定な形態に変換
するものであればいずれでもよい。通常、半導体材料が
効果的であり容易に入手出来、加工性も良いことから好
ましい。効果や経済性の面から、Se、Ge、Si、T
i、Zn、Cu、Al、Sn、Ga、In、P、As、
Sb、C、Cd、S、Te、Ni、Fe、Co、Ag、
Mo、Sr、W、Cr、Ba、Pbのいずれか、又はこ
れらの化合物、又は合金、又は酸化物が好ましく、これ
らは単独で、また2種類以上を複合して用いる。
【0012】例えば、元素としてはSi、Ge、Se、
化合物としてはAlP、AlAs、GaP、AlSb、
GaAs、InP、GaSb、InAs、InSb、C
dS、CdSe、ZnS、MoS2 、WTe2 、Cr2
Te3 、MoTe、Cu2 S,WS2 、酸化物としては
TiO2 、Bi2 O3 、CuO、Cu2 O、ZnO、M
oO3 、InO3 、Ag2 O、PbO、SrTiO3 、
BaTiO3 、Co3O4 、Fe2 O3 、NiOなどが
ある。光触媒材の設置は、局所空間の壁面への固定が一
般的であるが、用途や要求性能などによっては天井部や
床部などにも適宜に固定できる。
化合物としてはAlP、AlAs、GaP、AlSb、
GaAs、InP、GaSb、InAs、InSb、C
dS、CdSe、ZnS、MoS2 、WTe2 、Cr2
Te3 、MoTe、Cu2 S,WS2 、酸化物としては
TiO2 、Bi2 O3 、CuO、Cu2 O、ZnO、M
oO3 、InO3 、Ag2 O、PbO、SrTiO3 、
BaTiO3 、Co3O4 、Fe2 O3 、NiOなどが
ある。光触媒材の設置は、局所空間の壁面への固定が一
般的であるが、用途や要求性能などによっては天井部や
床部などにも適宜に固定できる。
【0013】光触媒材の固定化は、光触媒材をセラミッ
ク、フッ素樹脂、ガラスあるいはガラス状物質の表面へ
コーティングしたり光触媒材を板状、綿状、網状、膜あ
るいは繊維状などの適宜の材料にコーティングしたり、
あるいは包み、又は挟み込んで固定して用いてもよい。
例として、ゾルゲル法によるガラス板への二酸化チタン
のコーティングがある。光触媒は、粉体状のままでも用
いることが出来るが、焼結、蒸着、スパッタリングなど
の周知の方法で適宜の形状にして用いることが出来る。
これらは、装置の規模や形状、種類、光源の種類や形
状、光触媒の種類、希望する効果、経済性などにより適
宜選択することが出来る。また、光触媒作用の向上のた
めに、上記光触媒材にPt、Ag、Pd、RuO2 、C
o3 O4 の様な物質を加えて使用することも出来る。該
物質の添加は、光触媒作用を加速するので好ましい。こ
れらは一種類又は複数組合せて用いることができる。添
加の方法は、含浸法、光還元法、スパッタ蒸着法、混練
法など周知手段を適宜用いることができる。
ク、フッ素樹脂、ガラスあるいはガラス状物質の表面へ
コーティングしたり光触媒材を板状、綿状、網状、膜あ
るいは繊維状などの適宜の材料にコーティングしたり、
あるいは包み、又は挟み込んで固定して用いてもよい。
例として、ゾルゲル法によるガラス板への二酸化チタン
のコーティングがある。光触媒は、粉体状のままでも用
いることが出来るが、焼結、蒸着、スパッタリングなど
の周知の方法で適宜の形状にして用いることが出来る。
これらは、装置の規模や形状、種類、光源の種類や形
状、光触媒の種類、希望する効果、経済性などにより適
宜選択することが出来る。また、光触媒作用の向上のた
めに、上記光触媒材にPt、Ag、Pd、RuO2 、C
o3 O4 の様な物質を加えて使用することも出来る。該
物質の添加は、光触媒作用を加速するので好ましい。こ
れらは一種類又は複数組合せて用いることができる。添
加の方法は、含浸法、光還元法、スパッタ蒸着法、混練
法など周知手段を適宜用いることができる。
【0014】光照射のための光源としては、光触媒材が
吸収する波長を発するものであれば何れでも良く、可視
及び/又は紫外領域の光が効果的であり、紫外線ランプ
や太陽光を適宜用いることができる。クリーンルームに
は照明用の蛍光灯が多く設置されているので、該蛍光灯
をそのまま用いると照明用ランプの有効利用ができ、好
ましい。蛍光灯に加えて、別に紫外線ランプを設置して
もよい。該紫外線ランプの設置は、紫外線量及び強度が
強いため、効果が向上するので、クリーンルームの形
状、規模、要求性能などによっては適宜用いることがで
きる。また、低圧水銀灯の表面に、蛍光体を被覆し、光
触媒の方向に光触媒に好適な波長(紫外光)を発生さ
せ、人のいるクリーン空間には蛍光体による照明用可視
光を放出するようにしてもよい。
吸収する波長を発するものであれば何れでも良く、可視
及び/又は紫外領域の光が効果的であり、紫外線ランプ
や太陽光を適宜用いることができる。クリーンルームに
は照明用の蛍光灯が多く設置されているので、該蛍光灯
をそのまま用いると照明用ランプの有効利用ができ、好
ましい。蛍光灯に加えて、別に紫外線ランプを設置して
もよい。該紫外線ランプの設置は、紫外線量及び強度が
強いため、効果が向上するので、クリーンルームの形
状、規模、要求性能などによっては適宜用いることがで
きる。また、低圧水銀灯の表面に、蛍光体を被覆し、光
触媒の方向に光触媒に好適な波長(紫外光)を発生さ
せ、人のいるクリーン空間には蛍光体による照明用可視
光を放出するようにしてもよい。
【0015】接触角を増加させる有機性ガスは、収容物
(ウェハ、ガラス材など)や収容物上の薄膜の種類、性
状によって異なるが、本発明者らの研究によると次のよ
うに考えられる。すなわち、クリーンルームにおける収
容物表面の接触角を増加させる有機性ガス(H.C)で
共通して言えることは、高分子量のH.Cであり、その
構造として−CO、−COO結合(親水性を有する)を
持つことである。このH.Cは親水部(−CO、−CO
O結合部)を有する疎水性物質(H.Cの基本構造の−
C−C−C−の部分)と考えることができる。具体例で
説明すると、通常のクリーンルームにおけるガラス基板
などの収容物表面の接触角を増加させる有機性ガスは、
C16〜C20は高分子量H.C、例えばフタル酸エステ
ル、高級脂肪酸フェノール誘導体であり、これらの成分
に共通することは化学的構造として、−CO、−COO
結合(親水性を有する)を持つことである。
(ウェハ、ガラス材など)や収容物上の薄膜の種類、性
状によって異なるが、本発明者らの研究によると次のよ
うに考えられる。すなわち、クリーンルームにおける収
容物表面の接触角を増加させる有機性ガス(H.C)で
共通して言えることは、高分子量のH.Cであり、その
構造として−CO、−COO結合(親水性を有する)を
持つことである。このH.Cは親水部(−CO、−CO
O結合部)を有する疎水性物質(H.Cの基本構造の−
C−C−C−の部分)と考えることができる。具体例で
説明すると、通常のクリーンルームにおけるガラス基板
などの収容物表面の接触角を増加させる有機性ガスは、
C16〜C20は高分子量H.C、例えばフタル酸エステ
ル、高級脂肪酸フェノール誘導体であり、これらの成分
に共通することは化学的構造として、−CO、−COO
結合(親水性を有する)を持つことである。
【0016】これらの汚染有機性ガスの起因は、高分子
製品の可塑剤、離型剤、酸化防止剤などであり、高分子
製品の存在する個所が発生源である。(「空間清浄」第
33巻、第1号、p16〜21、1995) 光触媒によるこれらの有機性ガスの処理メカニズムの詳
細は不明であるが、次のように推定できる。すなわち、
これらの有機性ガスは−CO、−COO結合の部分がウ
ェハやガラス表面のOH基と水素結合し、その上部は疎
水面となり、結果としてウェハやガラス表面は疎水性に
なり、接触角が大きくなり、その表面に成膜すると膜の
付着力は弱い。
製品の可塑剤、離型剤、酸化防止剤などであり、高分子
製品の存在する個所が発生源である。(「空間清浄」第
33巻、第1号、p16〜21、1995) 光触媒によるこれらの有機性ガスの処理メカニズムの詳
細は不明であるが、次のように推定できる。すなわち、
これらの有機性ガスは−CO、−COO結合の部分がウ
ェハやガラス表面のOH基と水素結合し、その上部は疎
水面となり、結果としてウェハやガラス表面は疎水性に
なり、接触角が大きくなり、その表面に成膜すると膜の
付着力は弱い。
【0017】有機性ガスが存在する雰囲気に光触媒を設
置すると、先ず、光触媒にウェハやガラス基板と同様に
有機性ガスがその表面に吸着し、次いで、その活性部で
ある−CO、−COO結合部が、光触媒への光の照射で
別の安定な形態に変換される。その結果として、有機性
ガスは安定な形態となり、ウェハやガラス基板上には付
着しないか、又は付着しても疎水性を示さない。光触媒
による作用は、紫外線照射された光触媒の上下には、わ
ずかな温度差が生じ、これにより局所空間内の空気に上
下の流れ(循環流)が生じ、空気は順次光触媒に接触
し、効果的に処理される。本発明の局所空間は、空間内
の気体が空気(大気)、窒素、アルゴンなどの通常の気
体、あるいは加圧下、減圧下、真空下であっても適用で
きる。
置すると、先ず、光触媒にウェハやガラス基板と同様に
有機性ガスがその表面に吸着し、次いで、その活性部で
ある−CO、−COO結合部が、光触媒への光の照射で
別の安定な形態に変換される。その結果として、有機性
ガスは安定な形態となり、ウェハやガラス基板上には付
着しないか、又は付着しても疎水性を示さない。光触媒
による作用は、紫外線照射された光触媒の上下には、わ
ずかな温度差が生じ、これにより局所空間内の空気に上
下の流れ(循環流)が生じ、空気は順次光触媒に接触
し、効果的に処理される。本発明の局所空間は、空間内
の気体が空気(大気)、窒素、アルゴンなどの通常の気
体、あるいは加圧下、減圧下、真空下であっても適用で
きる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1 図2は、クラス100,000のクリーンルーム(高清
浄にしないクリーンルーム)における半導体製造におい
て、A工程からB工程にウェハを搬送する搬送装置11
に、A工程とB工程の途中にウェハストッカ12を備え
たものである。搬送装置11は、図1にその断面図を示
す。図1において、光触媒13は、局所空間である搬送
装置11の壁面のガラス板の上にTiO2 を被覆したも
のである。搬送装置11は、ウェハ14の搬送を行う搬
送のための駆動装置15、光触媒13、紫外線ランプ1
6、紫外線の反射面17、壁材18より構成されてい
る。
る。 実施例1 図2は、クラス100,000のクリーンルーム(高清
浄にしないクリーンルーム)における半導体製造におい
て、A工程からB工程にウェハを搬送する搬送装置11
に、A工程とB工程の途中にウェハストッカ12を備え
たものである。搬送装置11は、図1にその断面図を示
す。図1において、光触媒13は、局所空間である搬送
装置11の壁面のガラス板の上にTiO2 を被覆したも
のである。搬送装置11は、ウェハ14の搬送を行う搬
送のための駆動装置15、光触媒13、紫外線ランプ1
6、紫外線の反射面17、壁材18より構成されてい
る。
【0019】搬送装置11内における接触角を増加させ
る有機性ガス19は、紫外線ランプ16により照射され
光触媒13により、接触角を増加しない有機性ガス20
に変換される。光触媒13に紫外線ランプ16からの紫
外線を照射すると、光触媒13の上下にはわずかな温度
差が生じる。これにより局所空間(搬送装置11)内の
空気は上下の流れ(循環流)を生じ、空気は順次光触媒
に接触し処理される。図1中、矢印は生じた空気の流れ
を示す。なお、接触角を増加させる有機性ガスの起因
は、クリーンルームのHEPAフィルタ周辺(近傍)に
おけるシリコンシール材からのシロキサン、及び搬送装
置10のシール材とパッキン材からと推定される。
る有機性ガス19は、紫外線ランプ16により照射され
光触媒13により、接触角を増加しない有機性ガス20
に変換される。光触媒13に紫外線ランプ16からの紫
外線を照射すると、光触媒13の上下にはわずかな温度
差が生じる。これにより局所空間(搬送装置11)内の
空気は上下の流れ(循環流)を生じ、空気は順次光触媒
に接触し処理される。図1中、矢印は生じた空気の流れ
を示す。なお、接触角を増加させる有機性ガスの起因
は、クリーンルームのHEPAフィルタ周辺(近傍)に
おけるシリコンシール材からのシロキサン、及び搬送装
置10のシール材とパッキン材からと推定される。
【0020】実施例2 実施例1において、紫外線ランプ16からの紫外線が、
ウェハ(半製品で紫外線に敏感なもの)に照射されるの
を防ぐためにしゃ光材21を装置した例を図3に示す。
図3で、図1と同一記号は、同じ意味を示す。
ウェハ(半製品で紫外線に敏感なもの)に照射されるの
を防ぐためにしゃ光材21を装置した例を図3に示す。
図3で、図1と同一記号は、同じ意味を示す。
【0021】実施例3 図4は、実施例1におけるウェハストッカ12である。
ストッカ12には、ウェハキャリア22にウェハ23が
収納されている。ストッカ12には、その壁材18の一
部に光触媒13が設置され、光触媒13には、紫外線ラ
ンプ16からの紫外線が照射されている。ストッカ12
は、その構成部にパッキン材(プラスチック)、シール
材を使用しているので、ウェハ上に付着すると接触角の
増加をもたらす、極微量の有機性ガス19が発生する
が、光触媒13により処理され、無害化される。図4
で、図1と同一記号は、同じ意味を示す。
ストッカ12には、ウェハキャリア22にウェハ23が
収納されている。ストッカ12には、その壁材18の一
部に光触媒13が設置され、光触媒13には、紫外線ラ
ンプ16からの紫外線が照射されている。ストッカ12
は、その構成部にパッキン材(プラスチック)、シール
材を使用しているので、ウェハ上に付着すると接触角の
増加をもたらす、極微量の有機性ガス19が発生する
が、光触媒13により処理され、無害化される。図4
で、図1と同一記号は、同じ意味を示す。
【0022】実施例4 クラス100,000のクリーンルーム(高清浄にしな
いクリーンルーム)に成膜に係わる複数の装置が設置さ
れており、その中を図5に示すウェハカセット(ウェハ
収納ボックス)22にウェハ23を収納して、これらの
装置に順次移動して成膜を行っている。図5において、
ウェハカセット22には、その壁材18の一部に光触媒
13が設置され、光触媒13には紫外線ランプ16から
の紫外線が照射されている。光触媒13は、ガラス板に
TiO2 を被覆したものである。ウェハカセットは、プ
ラスチック質であるので、極微量の有機性ガス19が発
生するが、光触媒13により処理され無害化ガス20に
変換される。
いクリーンルーム)に成膜に係わる複数の装置が設置さ
れており、その中を図5に示すウェハカセット(ウェハ
収納ボックス)22にウェハ23を収納して、これらの
装置に順次移動して成膜を行っている。図5において、
ウェハカセット22には、その壁材18の一部に光触媒
13が設置され、光触媒13には紫外線ランプ16から
の紫外線が照射されている。光触媒13は、ガラス板に
TiO2 を被覆したものである。ウェハカセットは、プ
ラスチック質であるので、極微量の有機性ガス19が発
生するが、光触媒13により処理され無害化ガス20に
変換される。
【0023】実施例5 実施例4において、紫外線ランプ16からの紫外線が、
ウェハ23(半製品で紫外線に敏感なもの)に照射され
るのを防ぐためしゃ光材21を設置した例を図6に示
す。図6で、図5と同一記号は、同じ意味を示す。
ウェハ23(半製品で紫外線に敏感なもの)に照射され
るのを防ぐためしゃ光材21を設置した例を図6に示
す。図6で、図5と同一記号は、同じ意味を示す。
【0024】実施例6 実施例4の図5において、光触媒有無の場合について、
ウェハ基板上の接触角、及びウェハ基板上にCr膜を成
膜し、該膜のウェハ基板とのなじみ(付着力)を測定し
た。また、ウェハカセット内のウェハに吸着した有機性
ガスの測定を行った。 ウェハカセット(ウェハ、収納ボックス);プラスチッ
ク製(ポリエステル)収納ウェハ 10枚 光触媒;ガラス板にTiO2 をゾル−ゲルで被覆し、ウ
ェハカセットの壁材の一部に固定した。 紫外線ランプ;低圧水銀灯 10W
ウェハ基板上の接触角、及びウェハ基板上にCr膜を成
膜し、該膜のウェハ基板とのなじみ(付着力)を測定し
た。また、ウェハカセット内のウェハに吸着した有機性
ガスの測定を行った。 ウェハカセット(ウェハ、収納ボックス);プラスチッ
ク製(ポリエステル)収納ウェハ 10枚 光触媒;ガラス板にTiO2 をゾル−ゲルで被覆し、ウ
ェハカセットの壁材の一部に固定した。 紫外線ランプ;低圧水銀灯 10W
【0025】接触角の測定;水滴接触角法〔(株)協和
界面科学製、CA−DT型〕 ウェハ上の成膜;Cr 300nm厚さ、スパッタリン
グ法 成膜したCrの付着力;スクラッチ試験(RHESCA
製 CSR02型) 有機性ガスの測定;GC/MS 結果 図7に、経過時間によるウェハ基板上の接触角の値(角
度)、光触媒有り−○−、無し−●−、及び付着力(m
N)、光触媒有り−△−、無し−▲−を示す。このよう
に、光触媒を設置したものは、時間の経過によっても変
化がなかった。また、ウェハを、ウェハカセット内に収
納し、20時間後にウェハを取り出し、加熱によりウェ
ハ上に付着した有機性ガスを脱離させ、GC/MSで測
定したところ、フタル酸エステルを検出した。光触媒を
設置した場合は検出しなかった。
界面科学製、CA−DT型〕 ウェハ上の成膜;Cr 300nm厚さ、スパッタリン
グ法 成膜したCrの付着力;スクラッチ試験(RHESCA
製 CSR02型) 有機性ガスの測定;GC/MS 結果 図7に、経過時間によるウェハ基板上の接触角の値(角
度)、光触媒有り−○−、無し−●−、及び付着力(m
N)、光触媒有り−△−、無し−▲−を示す。このよう
に、光触媒を設置したものは、時間の経過によっても変
化がなかった。また、ウェハを、ウェハカセット内に収
納し、20時間後にウェハを取り出し、加熱によりウェ
ハ上に付着した有機性ガスを脱離させ、GC/MSで測
定したところ、フタル酸エステルを検出した。光触媒を
設置した場合は検出しなかった。
【0026】実施例7 図8に、本発明の汚染防止方法を用いた別のクリーンル
ームの概略構成図を示す。図8は、クラス100の全面
垂直層流方式による半導体を製造するクリーンルーム3
0において、クリーンルームの壁面31及び製造装置の
側面32に夫々光触媒を設置し、蛍光灯37により、光
触媒31、32に光照射しクリーンルーム空気中の有機
性ガス(H.C)の処理を行っている。図8において、
クリーンルーム30は、主にファンフィルタユニット3
3のULPAフィルタ35により微粒子が除去され、ク
ラス100が維持される。クリーンルーム30では、製
造装置36によりウェハの成膜が実施されている。
ームの概略構成図を示す。図8は、クラス100の全面
垂直層流方式による半導体を製造するクリーンルーム3
0において、クリーンルームの壁面31及び製造装置の
側面32に夫々光触媒を設置し、蛍光灯37により、光
触媒31、32に光照射しクリーンルーム空気中の有機
性ガス(H.C)の処理を行っている。図8において、
クリーンルーム30は、主にファンフィルタユニット3
3のULPAフィルタ35により微粒子が除去され、ク
ラス100が維持される。クリーンルーム30では、製
造装置36によりウェハの成膜が実施されている。
【0027】クリーンルーム30内では、クリーンルー
ム構成材(例えば、ULPAフィルタのシール材、クリ
ーンルームのシール材、接着材、合成樹脂等)やクリー
ンルームにおいて使用の高分子材料(例えば、ウェハカ
セット等)により、極微量のH.Cが発生している。こ
の発生したH.Cは、上記のULPAフィルタ35で
は、捕集、除去できないので、本発明の光触媒31、3
2の設置がない場合は、クリーンルーム30中のH.C
濃度は、徐々に高くなる。すなわち、クリーンルーム3
0の空気は、省エネ(粒子除去させ、空調させた空気の
有効利用)の点から、空調機と循環ファン34によっ
て、循環使用されるため、クリーンルーム30内での
H.C濃度は高まってしまう。
ム構成材(例えば、ULPAフィルタのシール材、クリ
ーンルームのシール材、接着材、合成樹脂等)やクリー
ンルームにおいて使用の高分子材料(例えば、ウェハカ
セット等)により、極微量のH.Cが発生している。こ
の発生したH.Cは、上記のULPAフィルタ35で
は、捕集、除去できないので、本発明の光触媒31、3
2の設置がない場合は、クリーンルーム30中のH.C
濃度は、徐々に高くなる。すなわち、クリーンルーム3
0の空気は、省エネ(粒子除去させ、空調させた空気の
有効利用)の点から、空調機と循環ファン34によっ
て、循環使用されるため、クリーンルーム30内での
H.C濃度は高まってしまう。
【0028】光触媒は、クリーンルームの壁面31と製
造装置36の側面32に設置され、該光触媒には、クリ
ーンルームの蛍光灯37からの光が照射され、これによ
り光触媒作用を有するようになり、H.Cは接触角の増
加に関与しない構造のH.Cに変換される。本例では、
光触媒の使用は、クリーンルームの壁面や装置の側面へ
の固定が主体であるが、クリーンルームの種類、構造、
規模、要求性能によっては、蛍光灯37に直接被覆して
用いることもできる。ここで用いた光触媒は、TiO2
であり、Al2 O3 の上にTiO2 を付加したものであ
る。図中、矢印は気流の方向を示す。
造装置36の側面32に設置され、該光触媒には、クリ
ーンルームの蛍光灯37からの光が照射され、これによ
り光触媒作用を有するようになり、H.Cは接触角の増
加に関与しない構造のH.Cに変換される。本例では、
光触媒の使用は、クリーンルームの壁面や装置の側面へ
の固定が主体であるが、クリーンルームの種類、構造、
規模、要求性能によっては、蛍光灯37に直接被覆して
用いることもできる。ここで用いた光触媒は、TiO2
であり、Al2 O3 の上にTiO2 を付加したものであ
る。図中、矢印は気流の方向を示す。
【0029】実施例8 図9は、トンネル方式のクリーンルーム30を用いた半
導体製造において、クリーンルームの壁面31、及び製
造装置の側面32に夫々光触媒を設置し、クリーンルー
ム空気中の有機性ガス(H.C)の処理を行っている。
Aは、装置域、Bは作業域で、夫々に区分され、作業域
Bではクラス1,000、装置域Aではクラス10が保
持され、高清浄な環境で製品の製造が行われている。ク
リーンルーム30は、主に装置域A用のフィルタファン
ユニット33、作業域B用のファンユニット38、空調
機と循環ファン34より構成されており、ファンフィル
タユニット33のULPAフィルタ35、ファンフィル
タユニット38のHEPAフィルタ39により微粒子が
除去され、夫々適正なクリーン度、装置域A:クラス1
0、作業域B:クラス1,000で運転される。
導体製造において、クリーンルームの壁面31、及び製
造装置の側面32に夫々光触媒を設置し、クリーンルー
ム空気中の有機性ガス(H.C)の処理を行っている。
Aは、装置域、Bは作業域で、夫々に区分され、作業域
Bではクラス1,000、装置域Aではクラス10が保
持され、高清浄な環境で製品の製造が行われている。ク
リーンルーム30は、主に装置域A用のフィルタファン
ユニット33、作業域B用のファンユニット38、空調
機と循環ファン34より構成されており、ファンフィル
タユニット33のULPAフィルタ35、ファンフィル
タユニット38のHEPAフィルタ39により微粒子が
除去され、夫々適正なクリーン度、装置域A:クラス1
0、作業域B:クラス1,000で運転される。
【0030】一方、有機性ガスは、実施例7と同様の起
因により発生しているが、上述ULPA、HEPAフィ
ルタでは有機性ガスは除去できないので、そしてクリー
ンルーム30内空気は省エネの点で、空調機と循環ファ
ン34によりクリーンルーム30内を循環使用されるの
で、本発明の光触媒31、32の設置がない場合はクリ
ーンルーム30の空気中H.C濃度は徐々に高くなる。
光触媒は、クリーンルームの壁面31及び製造装置36
の側面32に設置され、該光触媒にはクリーンルームの
蛍光灯37からの光が照射され、これにより光触媒作用
を有するようになりH.Cは接触角の増加に関与しない
構造のH.Cに変換される。本例の光触媒は主にTiO
2 であり、Al2 O3 の上にTiO2 と2wt%のPt
を付加したものである。図中矢印は、気流の方向を示
す。図9において、図8と同じ記号は、同じ意味を示
す。
因により発生しているが、上述ULPA、HEPAフィ
ルタでは有機性ガスは除去できないので、そしてクリー
ンルーム30内空気は省エネの点で、空調機と循環ファ
ン34によりクリーンルーム30内を循環使用されるの
で、本発明の光触媒31、32の設置がない場合はクリ
ーンルーム30の空気中H.C濃度は徐々に高くなる。
光触媒は、クリーンルームの壁面31及び製造装置36
の側面32に設置され、該光触媒にはクリーンルームの
蛍光灯37からの光が照射され、これにより光触媒作用
を有するようになりH.Cは接触角の増加に関与しない
構造のH.Cに変換される。本例の光触媒は主にTiO
2 であり、Al2 O3 の上にTiO2 と2wt%のPt
を付加したものである。図中矢印は、気流の方向を示
す。図9において、図8と同じ記号は、同じ意味を示
す。
【0031】実施例9 図10は、実施例7において、光触媒31への光の照射
を、蛍光灯37に加えて、専用の紫外線ランプ(低圧水
銀灯)16を用いて行っている。17は紫外線ランプ1
6からの紫外線を光触媒に効率よく照射するための反射
面を示す。図10において、図8と同じ記号は、同じ意
味を示す。
を、蛍光灯37に加えて、専用の紫外線ランプ(低圧水
銀灯)16を用いて行っている。17は紫外線ランプ1
6からの紫外線を光触媒に効率よく照射するための反射
面を示す。図10において、図8と同じ記号は、同じ意
味を示す。
【0032】実施例10 実施例7の図8において、光触媒31及び32の有無の
場合について、クリーンルーム30の製造装置36の近
傍(製造装置から20cm離れ、高さ50cmの所)に
設置したウェハ基板上の接触角、及び該ウェハ基板上に
Cr膜を成膜し、該膜のウェハ基板とのなじみ(付着
力)を測定した。また、ウェハ上に吸着した有機性ガス
の測定を行った。 クリーンルーム;30m3 大きさ、クラス10,000 光触媒;Al2 O3 板にTiO2 をゾル−ゲルで被覆
し、クリーンルームの壁及び製造装置の測定に設置し
た。 光源;蛍光灯 接触角の測定;水滴接触角法〔(株)協和界面科学製、
CA−DT型〕 ウェハ上の成膜;Cr 300mm厚さ、スパッタリン
グ法 成膜したCrの付着力;スクラッチ試験(RHESCA
製 CSR02型) 有機性ガスの測定;GC/MS
場合について、クリーンルーム30の製造装置36の近
傍(製造装置から20cm離れ、高さ50cmの所)に
設置したウェハ基板上の接触角、及び該ウェハ基板上に
Cr膜を成膜し、該膜のウェハ基板とのなじみ(付着
力)を測定した。また、ウェハ上に吸着した有機性ガス
の測定を行った。 クリーンルーム;30m3 大きさ、クラス10,000 光触媒;Al2 O3 板にTiO2 をゾル−ゲルで被覆
し、クリーンルームの壁及び製造装置の測定に設置し
た。 光源;蛍光灯 接触角の測定;水滴接触角法〔(株)協和界面科学製、
CA−DT型〕 ウェハ上の成膜;Cr 300mm厚さ、スパッタリン
グ法 成膜したCrの付着力;スクラッチ試験(RHESCA
製 CSR02型) 有機性ガスの測定;GC/MS
【0033】結果 図11に、クリーンルームに設置したウェハ基板上の接
触角の値(角度)、光触媒有り−○−、無し−●−、及
び付着力(mN)、光触媒有り−△−、無し−▲−を示
す。このように、光触媒を設置すると、接触角の増加防
止、付着力維持に効果があった。ウェハを、クリーンル
ーム空気に暴露して、20時間後にウェハを取り出し、
加熱によりウェハ上に付着したH.Cを脱離させ、GC
/MSで測定したところ、フタル酸エステルを検出し
た。光触媒を設置した場合は、光触媒を設置しない場合
に比べて100分の1(99%減少)に減少した。
触角の値(角度)、光触媒有り−○−、無し−●−、及
び付着力(mN)、光触媒有り−△−、無し−▲−を示
す。このように、光触媒を設置すると、接触角の増加防
止、付着力維持に効果があった。ウェハを、クリーンル
ーム空気に暴露して、20時間後にウェハを取り出し、
加熱によりウェハ上に付着したH.Cを脱離させ、GC
/MSで測定したところ、フタル酸エステルを検出し
た。光触媒を設置した場合は、光触媒を設置しない場合
に比べて100分の1(99%減少)に減少した。
【0034】実施例11 実施例10において、光触媒のTiO2 にPt、Ag、
Pd、RuO2 、Co3 O4 を夫々添加し、同様に試験
した。 光触媒の調製法; (1)Pt/TiO2 /Al2 O3 ;1wt%H2 Pt
Cl6 ・6H2 O水溶液380mlに酢酸15gを加
え、次いでTiO2 −clay100gを水15リットルに
分散し、キセノンランプを照射して、光還元法で、Ti
O2 粒子にPtを担持した。得られたPt/TiO2 を
Al2 O3 上に固定した。 (2)Ag/TiO2 /Al2 O3 :実施例10で得た
TiO2 /Al2 O3 にAgをスパッタ蒸着によりAg
5wt%になるよう添加した。 (3)Pd/TiO2 /Al2 O3 :(2)と同様にP
dをスパッタ蒸着した(Pd:5wt%)。 (4)RuO2 /TiO2 /Al2 O3 :(2)と同様
にRuO2 をスパッタ蒸着した(RuO2 :5wt
%)。 (5)Co3 O4 /TiO2 /Al2 O3 :(2)と同
様にCo3 O4 をスパッタ蒸着した(Co3 O4 :5w
t%)。
Pd、RuO2 、Co3 O4 を夫々添加し、同様に試験
した。 光触媒の調製法; (1)Pt/TiO2 /Al2 O3 ;1wt%H2 Pt
Cl6 ・6H2 O水溶液380mlに酢酸15gを加
え、次いでTiO2 −clay100gを水15リットルに
分散し、キセノンランプを照射して、光還元法で、Ti
O2 粒子にPtを担持した。得られたPt/TiO2 を
Al2 O3 上に固定した。 (2)Ag/TiO2 /Al2 O3 :実施例10で得た
TiO2 /Al2 O3 にAgをスパッタ蒸着によりAg
5wt%になるよう添加した。 (3)Pd/TiO2 /Al2 O3 :(2)と同様にP
dをスパッタ蒸着した(Pd:5wt%)。 (4)RuO2 /TiO2 /Al2 O3 :(2)と同様
にRuO2 をスパッタ蒸着した(RuO2 :5wt
%)。 (5)Co3 O4 /TiO2 /Al2 O3 :(2)と同
様にCo3 O4 をスパッタ蒸着した(Co3 O4 :5w
t%)。
【0035】結果 図12に、接触角について、図11と同様に示す。図
中、光触媒無しを−●−、TiO2 のみを−△−、
(4)を−□−、(4)以外を一括に−○−で示す。成
膜したCr膜の付着力は、初期36mN、37時間後及
び47時間後36mNであり、初期の付着力が維持して
いた。ウェハをクリーンルーム空気に暴露して、42時
間後ウェハを取り出し、加熱によりウェハ上に付着した
有機性ガスを脱離させ、GC/MSで測定したところ、
フタル酸エステルを検出した。Pt、Ag、Pd、Ru
O2 、Co3 O4 を添加した光触媒を設置した場合は不
検出であった。
中、光触媒無しを−●−、TiO2 のみを−△−、
(4)を−□−、(4)以外を一括に−○−で示す。成
膜したCr膜の付着力は、初期36mN、37時間後及
び47時間後36mNであり、初期の付着力が維持して
いた。ウェハをクリーンルーム空気に暴露して、42時
間後ウェハを取り出し、加熱によりウェハ上に付着した
有機性ガスを脱離させ、GC/MSで測定したところ、
フタル酸エステルを検出した。Pt、Ag、Pd、Ru
O2 、Co3 O4 を添加した光触媒を設置した場合は不
検出であった。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果を奏す
ることができる。 (1)クリーンルーム等の局所空間を構成する一部に光
触媒を設置し、該光触媒に蛍光灯等の光を照射すること
により、 クリーンルーム等の局所空間で発生及び/又は外気よ
り導入された接触角を増加させる極く微量の有機性ガス
は無害化処理された。 光触媒への光照射は、クリーンルーム内の照射用蛍光
灯で良いので、簡便な構成により、クリーンルーム空間
が超清浄(ウェハやガラス基板の接触角が増加しない空
間)に維持できた。 TiO2 にPt、Ag、Pd、RuO2 、Co3 O4
を加えた光触媒を用いると一層効果的となった。
ることができる。 (1)クリーンルーム等の局所空間を構成する一部に光
触媒を設置し、該光触媒に蛍光灯等の光を照射すること
により、 クリーンルーム等の局所空間で発生及び/又は外気よ
り導入された接触角を増加させる極く微量の有機性ガス
は無害化処理された。 光触媒への光照射は、クリーンルーム内の照射用蛍光
灯で良いので、簡便な構成により、クリーンルーム空間
が超清浄(ウェハやガラス基板の接触角が増加しない空
間)に維持できた。 TiO2 にPt、Ag、Pd、RuO2 、Co3 O4
を加えた光触媒を用いると一層効果的となった。
【0037】(2)前記により、超清浄な局所空間を実
用上効果的に得られたので、 先端産業における製品の製造に対して、コストの安い
方式が確立できた。 製品のコストが下がったので競争力ができた。 有機性ガスによる汚染を防止できるので、より高品質
(商品価値の高い製品)な製品が得られた。 (3)前記によりクリーンルーム等の局所空間の構成材
として、プラスチック材を使用できるので、局所清浄化
(ミニエンバイロメント)が効果的にでき、任意の形状
の局所空間ができた。これより、コストの安い製品の製
造ができた。
用上効果的に得られたので、 先端産業における製品の製造に対して、コストの安い
方式が確立できた。 製品のコストが下がったので競争力ができた。 有機性ガスによる汚染を防止できるので、より高品質
(商品価値の高い製品)な製品が得られた。 (3)前記によりクリーンルーム等の局所空間の構成材
として、プラスチック材を使用できるので、局所清浄化
(ミニエンバイロメント)が効果的にでき、任意の形状
の局所空間ができた。これより、コストの安い製品の製
造ができた。
【図1】本発明の局所空間を搬送装置に適用した断面構
成図。
成図。
【図2】半導体製造装置内のウェハ搬送部分を示す構成
図。
図。
【図3】本発明の局所空間を搬送装置に適用した他の断
面構成図。
面構成図。
【図4】本発明の局所空間をウェハストッカに適用した
断面構成図。
断面構成図。
【図5】本発明の局所空間をウェハカセットに適用した
断面構成図。
断面構成図。
【図6】本発明の局所空間をウェハカセットに適用した
他の断面構成図。
他の断面構成図。
【図7】接触角と付着力の経時変化を示すグラフ。
【図8】本発明の汚染防止方法を用いたクリーンルーム
の概略構成図。
の概略構成図。
【図9】本発明の汚染防止方法を用いた他のクリーンル
ームの概略構成図。
ームの概略構成図。
【図10】本発明の汚染防止方法を用いたもう一つのク
リーンルームの概略構成図。
リーンルームの概略構成図。
【図11】接触角と付着力の経過時間による変化を示す
グラフ。
グラフ。
【図12】接触角の経過時間による変化を示すグラフ。
【図13】従来のクリーンルームの概略構成図。
1:外気、2:プレフィルタ、3:空調機、4:中性能
フィルタ、5:クリーンルーム、6:高性能フィルタ、
7:ファン、11:搬送装置、12:ウェハストッカ、
13:光触媒、14:ウェハ、15:駆動装置、16:
紫外線ランプ、17:反射面、18:壁材、19:汚染
有機性ガス、20:無害有機性ガス、21:しゃ光材、
22:ウェハキャリア、23:ウェハ、30:クリーン
ルーム、31、32:光触媒、33:ファンフィルタユ
ニット、34:空調機と循環ファン、35:ULPAフ
ィルタ、36:半導体製造装置、37:蛍光灯、38:
ファンフィルタユニット、39:HEPAフィルタ
フィルタ、5:クリーンルーム、6:高性能フィルタ、
7:ファン、11:搬送装置、12:ウェハストッカ、
13:光触媒、14:ウェハ、15:駆動装置、16:
紫外線ランプ、17:反射面、18:壁材、19:汚染
有機性ガス、20:無害有機性ガス、21:しゃ光材、
22:ウェハキャリア、23:ウェハ、30:クリーン
ルーム、31、32:光触媒、33:ファンフィルタユ
ニット、34:空調機と循環ファン、35:ULPAフ
ィルタ、36:半導体製造装置、37:蛍光灯、38:
ファンフィルタユニット、39:HEPAフィルタ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】また、最近先端産業における製品の製造
は、コストを低減させて行う必要から、局所清浄化(ミ
ニエンバイロメント)が急速に広まっている。しかし、
局所清浄化においては、高分子材料の使用が多くなるの
で、これらの材料からの有機性ガスの発生による汚染を
効果的に防止する方式の出現が期待されていた((社)
日本機械工業連合会、平成6年度報告書、p41〜5
0)平成7年3月)。ここで、ウェハやガラス基板への
有機性ガス(H.C)の汚染は、簡便には接触角により
評価することができる。接触角とは水によるぬれの接触
角のことであり、基板表面の汚染の程度を示すものであ
る。すなわち、基板表面に疎水性(油性)の物質を付着
すると、その表面は水をはじき返してぬれにくくなる。
すると基板表面と水滴との接触角は大きくなる。従って
接触角が大きいと汚染度が高く、逆に接触角が小さいと
汚染度が低い。
は、コストを低減させて行う必要から、局所清浄化(ミ
ニエンバイロメント)が急速に広まっている。しかし、
局所清浄化においては、高分子材料の使用が多くなるの
で、これらの材料からの有機性ガスの発生による汚染を
効果的に防止する方式の出現が期待されていた((社)
日本機械工業連合会、平成6年度報告書、p41〜5
0)平成7年3月)。ここで、ウェハやガラス基板への
有機性ガス(H.C)の汚染は、簡便には接触角により
評価することができる。接触角とは水によるぬれの接触
角のことであり、基板表面の汚染の程度を示すものであ
る。すなわち、基板表面に疎水性(油性)の物質を付着
すると、その表面は水をはじき返してぬれにくくなる。
すると基板表面と水滴との接触角は大きくなる。従って
接触角が大きいと汚染度が高く、逆に接触角が小さいと
汚染度が低い。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】結果 図12に、接触角について、図11と同様に示す。図
中、光触媒無しを−●−、TiO2のみを−△−、
(4)を−□−、(4)以外を一括に−○−で示す。上
記(1)〜(3)の光触媒を用いた場合について、ウェ
ハ上に成膜したCr膜の付着力は、初期36mN、37
時間後及び47時間後36mNであり、初期の付着力が
維持していた。ウェハをクリーンルーム空気に暴露し
て、42時間後ウェハを取り出し、加熱によりウェハ上
に付着した有機性ガスを脱離させ、GC/MSで測定し
たところ、フタル酸エステルを検出した。Pt、Ag、
Pd、RuO2、Co3O4を添加した光触媒を設置し
た場合は不検出であった。
中、光触媒無しを−●−、TiO2のみを−△−、
(4)を−□−、(4)以外を一括に−○−で示す。上
記(1)〜(3)の光触媒を用いた場合について、ウェ
ハ上に成膜したCr膜の付着力は、初期36mN、37
時間後及び47時間後36mNであり、初期の付着力が
維持していた。ウェハをクリーンルーム空気に暴露し
て、42時間後ウェハを取り出し、加熱によりウェハ上
に付着した有機性ガスを脱離させ、GC/MSで測定し
たところ、フタル酸エステルを検出した。Pt、Ag、
Pd、RuO2、Co3O4を添加した光触媒を設置し
た場合は不検出であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 23/50 H01L 21/02 D 23/75 B01L 1/04 H01L 21/02 B01D 53/36 J // B01L 1/04 B01J 23/74 311A
Claims (6)
- 【請求項1】 局所空間における有機性ガスによる汚染
を防止する方法において、前記局所空間の一部を光触媒
で構成し、該光触媒に光を照射することを特徴とする局
所空間の汚染防止方法。 - 【請求項2】 前記局所空間は、一部が有機物で構成さ
れていることを特徴とする請求項1記載の局所空間の汚
染防止方法。 - 【請求項3】 前記局所空間が、クリーンルームであ
り、照射される光が蛍光灯である請求項1記載の局所空
間の汚染防止方法。 - 【請求項4】 前記光触媒が、TiO2 である請求項1
記載の局所空間の汚染防止方法。 - 【請求項5】 前記光触媒が、TiO2 に、Pt、A
g、Pd、RuO2 、Co3 O4 から選ばれた一種以上
を添加したものである請求項1記載の局所空間の汚染防
止方法。 - 【請求項6】 局所空間における有機性ガスによる汚染
を防止する装置において、前記局所空間の一部を光触媒
材で構成すると共に、該光触媒材に光を照射する手段を
設けたことを特徴とする局所空間の汚染防止装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8031230A JPH09168722A (ja) | 1995-10-17 | 1996-01-26 | 局所空間の汚染防止方法及び装置 |
US08/733,146 US6159421A (en) | 1995-10-17 | 1996-10-16 | Method of cleaning gases |
DE69634396T DE69634396T2 (de) | 1995-10-17 | 1996-10-17 | Verfahren zur Gasreinigung mit einem Photokatalysator |
EP96116682A EP0769322B1 (en) | 1995-10-17 | 1996-10-17 | Method of cleaning gases with a photocatalyst |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29330195 | 1995-10-17 | ||
JP7-293301 | 1995-10-17 | ||
JP8031230A JPH09168722A (ja) | 1995-10-17 | 1996-01-26 | 局所空間の汚染防止方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09168722A true JPH09168722A (ja) | 1997-06-30 |
Family
ID=26369681
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8031230A Pending JPH09168722A (ja) | 1995-10-17 | 1996-01-26 | 局所空間の汚染防止方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09168722A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11207149A (ja) * | 1998-01-23 | 1999-08-03 | Akio Komatsu | 金属担持光触媒型の空気清浄器 |
WO2000003423A1 (fr) * | 1998-07-08 | 2000-01-20 | Nippon Sanso Corporation | Systeme et procede de production et de fourniture d'air tres pur |
US6307620B1 (en) | 1999-04-27 | 2001-10-23 | Canon Kabushiki Kaisha | Substrate holding apparatus, substrate transfer system, exposure apparatus, coating apparatus, method for making a device, and method for cleaning a substrate holding section |
US7150940B2 (en) | 2001-10-29 | 2006-12-19 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Lithium ion secondary battery |
JP2015522406A (ja) * | 2012-05-25 | 2015-08-06 | エルジー・ハウシス・リミテッドLg Hausys,Ltd. | 光触媒材、その製造方法及び光触媒装置 |
CN105251483A (zh) * | 2015-10-19 | 2016-01-20 | 安徽理工大学 | 一种可控制备Ag修饰TiO2纳米花光催化剂的方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1994011092A1 (en) * | 1992-11-10 | 1994-05-26 | Toto Ltd. | Air treating method using photocatalyst under interior illumination |
JPH06278241A (ja) * | 1992-09-22 | 1994-10-04 | Takenaka Komuten Co Ltd | 建築材料 |
JPH0751646A (ja) * | 1993-08-12 | 1995-02-28 | Ishihara Sangyo Kaisha Ltd | 固体表面の汚れ浄化方法 |
JPH0757981A (ja) * | 1993-08-17 | 1995-03-03 | Ebara Res Co Ltd | 基材又は基板表面の汚染防止方法と装置 |
-
1996
- 1996-01-26 JP JP8031230A patent/JPH09168722A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH06278241A (ja) * | 1992-09-22 | 1994-10-04 | Takenaka Komuten Co Ltd | 建築材料 |
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Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH11207149A (ja) * | 1998-01-23 | 1999-08-03 | Akio Komatsu | 金属担持光触媒型の空気清浄器 |
WO2000003423A1 (fr) * | 1998-07-08 | 2000-01-20 | Nippon Sanso Corporation | Systeme et procede de production et de fourniture d'air tres pur |
US6312328B1 (en) | 1998-07-08 | 2001-11-06 | Nippon Sanso Corporation | System and method for producing and supplying highly clean dry air |
US6307620B1 (en) | 1999-04-27 | 2001-10-23 | Canon Kabushiki Kaisha | Substrate holding apparatus, substrate transfer system, exposure apparatus, coating apparatus, method for making a device, and method for cleaning a substrate holding section |
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US9636660B2 (en) | 2012-05-25 | 2017-05-02 | Lg Hausys, Ltd. | Photocatalyst, manufacturing method therefor, and photocatalyst apparatus |
CN105251483A (zh) * | 2015-10-19 | 2016-01-20 | 安徽理工大学 | 一种可控制备Ag修饰TiO2纳米花光催化剂的方法 |
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