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JPH09164626A - バリアー性積層体 - Google Patents

バリアー性積層体

Info

Publication number
JPH09164626A
JPH09164626A JP32552295A JP32552295A JPH09164626A JP H09164626 A JPH09164626 A JP H09164626A JP 32552295 A JP32552295 A JP 32552295A JP 32552295 A JP32552295 A JP 32552295A JP H09164626 A JPH09164626 A JP H09164626A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
vapor deposition
biodegradable plastic
base material
barrier
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32552295A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Taniguchi
谷口  正幸
Takehito Tomita
岳人 富田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP32552295A priority Critical patent/JPH09164626A/ja
Publication of JPH09164626A publication Critical patent/JPH09164626A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】紙容器等の素材に利用される紙を主体としたヒ
ートシール適性のある積層体で、高いバリア性と優れた
環境適合性とを併せ持つ積層体を提供することを目的と
する。 【解決手段】 紙基材に金属あるいは金属酸化物の蒸着
層を設けた積層体において、紙基材表面に蒸着前に予
め、生分解性プラスチックが積層されていることを特徴
とするバリアー性積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層体に関するもの
である。さらに詳しくは食品、薬品、工業用品等の輸送
あるいは保管、保存用として使用される紙を主体にした
容器等の包装材の素材として用いられるバリアー性積層
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に食品、薬品および工業用品等の輸
送、保管および保存には内容物保護の目的で容器および
その素材にバリアー性機能(耐酸素、耐水蒸気)が要求
されるものがあり、特に食品の長期保存を目的とするも
のでは特に高いバリアー性が要求される。このバリアー
性により内容物の揮発、蒸発による容量あるいは濃度の
変化を防ぎ、外部からの酸素による酸化劣化を防ぐこと
ができる。輸送、保管および保存用としての紙容器に要
求されるバリアー性の度合は内容物や使用方法によって
様々であるが、一般的にこれらの構成において高いバリ
アー性を得るためにはポリ塩化ビニリデン(PVDC)
等の合成高分子を紙に数μm〜数10μmコーティング
して積層体全体として水蒸気バリアー性(10g/m2
・24hr以下)・酸素バリアー性(10cc/m2
24hr以下)を付与する手法、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等を溶融押出法にて10μm〜50μm積層し
て水蒸気バリアー性(10〜50g/m2 ・24hr以
下)のみ付与させる手法、あるいは二軸延伸ポリエステ
ルフィルムや二軸延伸ポリプロピレンフィルムを接着剤
で貼り合わせる手法等も用いられている(表1参照)。
【0003】
【表1】
【0004】しかし、これらの方法によって得られた積
層体では使用後に埋立て処理、または自然界に散乱ゴミ
となった場合に、積層体の主な構成物質である天然素材
の紙はそれ単体の場合は速やかに水分を吸収し、膨潤し
てバラバラになり、微生物により分解するが、10数μ
〜数10μのポリエチレン等のフィルムが積層されたも
のはその被膜やフィルムがそのままの形で残り、非常に
長い期間、自然界に放置されてしまうだけでなく、積層
体として用いられている紙も積層されているがために、
紙単体であるときよりも分解が遅くなり、本来の分解性
機能が著しく損われてしまう。また、バリアー性付与の
ためにPVDC構成とした場合にはPVDC被膜が塩素
化合物を含んでいるので、焼却処理において燃焼時にダ
イオキシンの生成が懸念されており、包装資材分野にお
いて使用を控える風潮にある。
【0005】その一方で、紙の持つ優れた環境適合性
(分解性・易焼却性)が見直され、様々な分野・用途に
おいてプラスチックから紙基材への転換が提案され、置
き換わってきている。それと同時に近年、市場に供給さ
れ始めた生分解性樹脂についても環境適合性をセールス
ポイントとした製品化が図られつつある。我々も既に紙
と生分解性プラスチックとの複合化を提案している。内
容は、紙を主体にした紙容器において、紙に積層するプ
ラスチックに生分解性を有するプラスチックを利用した
積層体およびその製造方法である(特開平6−6294
4号)。さらに熱可塑性のある生分解性プラスチックを
用いることで、そのヒートシール性能を利用した容器素
材としての製函適性を生かした、容器全体が生分解性を
有することを特徴とした紙容器を提案している(特開平
6−64111号)。
【0006】食品、薬品および工業用品等の輸送、保管
および保存には内容物保護の目的で上記素材を利用しよ
うとするとき、生分解性プラスチックはそのほとんどが
脂肪族ポリエステルであるため、化学構造上、水分子と
の親和性が良いため水蒸気バリアー性がなく、酸素バリ
アー性も殆どないために内容物保護の面で機能的に不充
分である。現在、入手できる生分解性プラスチックの気
体透過性は、30μmフィルム当りで水蒸気透過度は1
000〜100g/m2 ・24hr、酸素透過度はポリ
ビニルアルコールを主成分としている生分解性プラスチ
ックを除くと30μmフィルム当り1000〜4000
cc/m2 ・24hrで、何れの値もバリアー性に要求
される水蒸気透過度が10g/m2 ・24hr以下程
度、かつ酸素透過度は50cc/m2 ・24hr以下程
度にはほど遠く、これらを紙と積層しただけでは積層体
全体としてバリアー機能を有する積層体を作製すること
は到底できない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、紙容器等の
素材に利用される紙を主体としたヒートシール適性のあ
る積層体が保管・保存中は積層体の高いバリアー性によ
り紙容器内の内容物の酸化劣化等の化学反応を防ぎ、使
用後、焼却処理・埋立て処理される場合、または自然界
に散乱ゴミとなってしまった場合においても優れた環境
適合性と高いバリアー性と優れた環境適合性を併せ持つ
積層体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
すべく考えられたものであり、請求項1の発明は紙基材
に金属あるいは金属酸化物の蒸着層を設けた積層体にお
いて、紙基材の表面に蒸着前に予め、生分解性プラスチ
ックが積層されていることを特徴とするバリアー性積層
体、請求項2の発明は紙基材に金属あるいは金属酸化物
の蒸着層を設けた積層体において、紙基材の蒸着面が平
滑なコート紙であることを特徴とするバリアー性積層
体、請求項3の発明は金属あるいは金属酸化物の蒸着層
の上にさらに生分解性プラスチックを積層したことを特
徴とする請求項2記載のバリアー性積層体、請求項4の
発明は生分解性プラスチックが被膜厚みで1〜200μ
mであることを特徴とする請求項1又は3記載のバリア
ー性積層体、請求項5の発明はコート紙としてクレーコ
ート紙を用いたことを特徴とする請求項2乃至4記載の
バリアー性積層体、請求項6の発明はクレーコート紙に
厚み1〜10μmの樹脂被膜を設けたことを特徴とする
請求項2乃至5記載のバリアー性積層体であり、そし
て、請求項7の発明は生分解性プラスチックが乳酸を主
成分とする樹脂であることを特徴とする請求項1又は3
乃至6記載のバリアー性積層体である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
金属又は金属酸化物層を真空蒸着法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法、酸素ガス等の反応性ガス
雰囲気中で成膜を行う反応性真空蒸着法や反応性スパッ
タリング法、また、このようなPVDの他にプラズマ活
性化CVD法によって蒸着層を設けて、フィルム、紙等
の基材に所望のバリアー性を付与させることは既に公知
である。
【0010】また、既に我々は紙自体にこのバリアー性
機能を付与させる方法として、紙基材表面に目止め層と
して極薄い被膜を設けてから、金属あるいは金属酸化
物、あるいは金属と金属酸化物から成る蒸着層を形成し
たことを特徴とするバリアー性の優れた包装用素材及び
それを用いた包装用容器を発明し、これを環境対応製品
として、現在、医薬品包材に多用されているPTP包装
のアルミ箔の代りに用いて、特に焼却処理で嫌われるア
ルミ箔を使わない構成のものを提案している(特願平6
−50361号)。上記バリアー性紙の基材となる紙
は、表面に優れた平滑性があるクレーコート紙、または
平滑性を特に高めたクレーコート紙であることが必要で
ある。ここで上記クレーコート紙の平滑性はバリアー性
発現に大きく影響する因子である。クレーコート紙の種
類として、紙抄造時の乾燥工程でヤンキードライヤーを
用いた純白ロール紙にクレーコート処理し、さらにスー
パーカレンダー加工をした、平滑性が特に優れた特殊加
工紙と言われるものは、バリアー性を持たせる基材とし
て最も効果的なものの一つであり、さらにこの特殊加工
紙に蒸着の目止め層としてクレーコート面に樹脂をコー
ティングして平滑性、目止め性を持たせる方法で効果的
にバリアー性を付与することを提案している。
【0011】上記方法は紙基材表面に樹脂被膜を設けて
から蒸着する場合に、その紙基材および表面に設ける樹
脂被膜を適切に選択して用いることにより、その上に重
ねる蒸着層によりクラック等の欠陥の少ない優れたバリ
アー性を獲得することができ、さらに紙として焼却処理
でき、環境に適合する素材を提供している。しかし、使
用後に埋立て処理、または自然界に散乱ゴミとなった場
合には、10数μの被膜がそのままの形で自然界に残留
してしまうために、本来の紙の生分解性機能が充分に生
かしきれていなかった。
【0012】本発明は上記問題点を鋭意検討の結果、バ
リアー性紙基材と熱可塑性の生分解性プラスチックを組
合わせたときに、バリアー性素材として、バリアー性機
能と環境適合性といった、使用している材料面から相反
してしまう機能を塗工条件、特に樹脂被膜の厚みを特定
することにより、獲得できることを示している。さらに
蒸着層の上に重ねる生分解性プラスチックは単に製函適
性等の付与するだけではなく、使用後に埋立て処理ある
いは自然界に放出された場合に、紙だけではなく平滑化
のため樹脂被膜もいち早くバラバラにすること機能も併
せ持っている。ここで、「バラバラになる」分解による
環境適合性であるが、使用している全ての物質が生分解
性を有しているといった全体的な「生分解性」という意
味とは異なり、平滑化のため樹脂被膜が極めて薄いこと
から生分解性を有しない樹脂を用いても、自然界に散乱
してしまった場合、その数μmの樹脂層は生分解はしな
いが、被膜が薄いので形状を維持できずに形態がバラバ
ラに崩壊するといった意味の「崩壊性」という形で環境
保全には貢献できると考えられる。
【0013】平滑化のため樹脂被膜の厚みがどの程度な
らバリアー性機能と環境適合性(崩壊性機能)を両立す
ることができるかが、本発明の主点である。優れたバリ
アー性能は蒸着層が完全な被膜として形成されるかどう
かが必要条件であり、そのためにはその下地となるクレ
ーコート紙を樹脂によりどれだけ目止めし、さらにどれ
だけ平滑化すれば充分なのか見極める必要がある。
【0014】ここで用いることができる平滑化の樹脂と
しては一般的な化学合成のコーティング用樹脂を用いた
ものも使用できる。このときの樹脂としてはアクリルポ
リオール系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエステル/
メラミン樹脂、硝化綿/アクリルポリオール系樹脂、硝
化綿系樹脂、アミノ/アルキッド系樹脂等を使用するこ
とができる。塗工方法としては一般的な方法でよく、溶
剤分散またはエマルジョン系にして塗工する方法が好ま
しく用いられる。上記目止め樹脂塗工済みのクレーコー
ト紙の少なくとも平滑処理面に金属あるいは一般式AX
Y (Aは金属、X、Yは正の実数)から成る組成の金
属酸化物の厚み100〜3000Åの薄膜層を蒸着す
る。蒸着方法としては真空蒸着法、スパッタリング法イ
オンプレーティング法、酸素ガス等の反応性ガス雰囲気
中で成膜を行う反応性真空蒸着法や反応性スパッタリン
グ法、また、このようなPVDCの他にプラズマ活性化
CVD法によって行なうことができる。また、目止め層
として水溶性高分子と、金属アルコキシドおよびその加
水分解物、または塩化錫の少なくとも一方を含む水溶
液、あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコー
ティング剤を塗布して成るガラス性被膜を設け、その上
に前記同様に蒸着層を設けても効果的にバリアー性を得
ることができる。
【0015】上記のように作成した紙に蒸着した素材の
両面、あるいは少なくとも蒸着面上に熱可塑性を有した
生分解性プラスチックをさらに積層する。この生分解性
プラスチックとしては脂肪族ポリエステルを用いること
ができる。脂肪族ポリエステルとしては乳酸を主成分に
した樹脂のほか、ヒドロキシアルカノエートユニットを
有する生物産生のによる脂肪族ポリエステルおよび化学
合成による脂肪族ポリエステルを用いることができる。
【0016】乳酸を主体にした樹脂としては数平均分子
量が10000〜100000である乳酸が好ましく、
乳酸とオキシカルボン酸のコポリマーでもよい、また乳
酸はD−乳酸、L−乳酸またはそれらの混合物の何れで
あってもよい。また、前記オキシカルボン酸はグリコー
ル酸、または6−ヒドロキシカプロン酸を用いることも
可能である。また、ヒドロキシアルカノエートユニット
を有する微生物産生の脂肪族ポリエステルとしては3−
ヒドロキシバリレート、3−ヒドロキシブチレート、3
−ヒドロキシカプロエート,3−ヒドロキシヘプタノエ
ートおよびそれらの側鎖に種々の官能基を有するP(3
HA)共重合体の一つまたは二つ以上の混合物を用いる
ことができる。また、化学合成による脂肪族ポリエステ
ルとしては数平均分子量として10000〜10000
0の(化1)で示される樹脂、あるいは数平均分子量と
して25000〜70000の(化2)で示される樹
脂、又はそれらの樹脂の混合物でも構わない。
【0017】
【化1】
【0018】
【化2】
【0019】生分解性プラスチックを積層する方法とし
ては通常のプラスチック積層紙の製造に用いられる方法
で良く、紙と生分解性プラスチックフィルムとのラミネ
ーション、紙への生分解性プラスチックの溶融押出コー
ティング等の方法で積層できる。そして、上記方法によ
り生分解性プラスチックを用途に応じて、紙の片面ある
いは両面に積層すればよい。さらに、両面に積層する場
合は両面に用いる生分解性を有するプラスチックの種類
が異なっていてもよい。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 <実施例1>コート紙として特殊コート紙、「竜王コー
ト紙」(73g/m2 )(大王製紙(株)製)を用い、
そのコート面に目止め層としてポリエステル/メラミン
系樹脂をグラビアコート法にて塗布量10g/m2 、7
g/m2 、5g/m2 、2g/m2 コーティングし、そ
れぞれ被膜厚み7〜10μm、5〜7μm、3〜
5μm、1〜3μmの平滑処理コート紙を作成し、こ
の表面に真空蒸着法により約1000Åの酸化珪素蒸着
層を設けてバリアー性基材を作成し、さらにこの面にT
ダイ式溶融押出機にて加工温度240℃で脂肪族ポリエ
ステル「ビオノーレ#1910」(昭和高分子(株)
製)を20μmの厚さにコーティングし、バリアー性積
層体を得た。また、比較として、「竜王コート紙」(7
3g/m2 )に押出コーティング法にてポリエチレン、
ミラソン14P(三井日石ポリマー(株)製)を加工温
度320℃で厚み15μm、10μmコーティング
して、この表面にそれぞれ真空蒸着法により約1000
Åの酸化珪素蒸着層を設けてバリアー性基材を作成し、
前記同様に「ビオノーレ#1910」を20μの厚さに
コーティングした積層体(、)、さらにポリエステ
ルフィルム、12μ厚みE5100(東洋紡)に同様に
約1000Åの酸化珪素蒸着層を設けて、「ビオノーレ
#1910」を20μmの厚さにコーティングした積層
体を作製した。積層体単体の水蒸気透過度、酸素透過
度を測定したところ、それぞれ、は5g/m2 ・24
hr以下、5cc/m2 ・24hr以下、は5g/m
2 ・24hr以下、5cc/m2 ・24hr以下、は
5g/m2 ・24hr以下、30cc/m2 ・24h
r、は50g/m2 ・24hr、50cc/m2 ・2
4hr、は30g/m2 ・24hr、1000cc/
2 ・24hr、は40g/m2 ・24hr、100
0cc/m2 ・24hrおよびは5g/m2 ・24h
r、5cc/m2 ・24hr以下であった。
【0021】この積層体を畑土壌中深さ10cmのとこ
ろに埋設し、分解の状態を観察したところ、メラミンコ
ートを1〜2μm塗工した上に蒸着層を設けたは、1
ヶ月ほどで生分解性プラスチック面に穴があき始め、3
ヶ月後には紙に蒸着処理した比較品よりも早く、紙を含
めてバラバラになり回収不能なほどになった。被膜厚み
が3〜5μmのは3ヶ月ではまだ形状をとどめていた
が、生分解性プラスチック面は同様に分解していた。
5ヶ月後には同様にバラバラになった。被膜厚5〜7
μmのは5ヶ月後に確認したところ、分解性プラスチ
ックは完全になくなっているが、紙表面に塗工した樹脂
が紙の崩壊を妨げるように形状を維持していた。これは
7ヶ月後も変らなかった。厚みが7〜10μmあるは
7ヶ月後においてもさらに顕著に紙の崩壊を妨げるよう
に残存していた。これを1年後に確認したところ樹脂層
が片面に塗工された紙がバラバラにならず残存している
のを確認することができた。ポリエチレンやポリエステ
ルを用いた、およびの状態もとほぼ同様に1年
経過しても生分解性プラスチック部は分解しても紙部は
片側に非分解性プラスチックが密着しているために、紙
といえども全くバラバラに崩壊することなく残存してい
るのが確認できた。以上の結果を表2に示した。
【0022】
【表2】
【0023】<実施例2>生分解性プラスチックとして
は乳酸とオキシカルボン酸のコポリマー樹脂(東洋紡績
(株)製 TYB−250)を用い、固形分20%濃度
になるようにトルエン/MEK(50:50)溶剤に溶
解させた。紙基材としては特殊コート紙の竜王コート紙
(73g/m2 )を用い、そのコート面に前記塗料を、
(1)No.20バーコーターにて5μm、(2)N
o.36バーコーターにて12μmになるように塗工
し、紙基材の平滑処理および目止め処理を行った。つぎ
にこの生分解性プラスチックを塗工した表面に真空蒸着
法により約1000Åの酸化珪素蒸着層を設けてバリア
ー性基材を作成した。さらに紙基材、竜王コート紙(7
3g/m2 )のコート面にTダイ式溶融押出機にて加工
温度240℃で脂肪族ポリエステル「ビオノーレ#19
10」(昭和高分子(株)製)を、30μmおよび
100μmの厚さにコーティングし、前述同様に塗工し
た表面に真空蒸着法により約1000Åの酸化珪素蒸着
層を設けてバリアー性基材を作成した。積層体単体の水
蒸気透過度、酸素透過度を測定したところ、は50g
/m2・24hr、50cc/m2 ・24hr、は1
0g/m2 ・24hr、30cc/m2 ・24hr、
は5g/m2 ・24hr、5cc/m2 ・24hr、
は1g/m2 ・24h以下、1cc/m2 ・24hr以
下であった。これら全ての積層体を畑土壌中深さ10c
mのところに埋設し、分解の状態を観察したところ、1
ヶ月ほどで生分解性プラスチック面に穴があき始め、3
ヶ月後には紙基材を含めてバラバラになり回収不能なほ
どになった。1年経過後は全てバラバラに崩壊しており
確認するのも困難であった。 <比較例2>実施例2と同じ紙基材に、直接、真空蒸
着法により約1000Åの酸化珪素蒸着層を設けたもの
と、目止め層としてポリエステル/メラミン系樹脂を
10μm塗工し、同様に約1000Åの酸化珪素蒸着層
を設けたものを比較例として用いた。水蒸気透過度、酸
素透過度は、が10000g/m2 ・24hr以上、
10000cc/m2 ・24hr以上、が5g/m2
・24hr以上、5cc/m2 ・24hr以上であっ
た。これら積層体を畑土壌中深さ10cmのところに埋
設し、分解の状態を観察したところ、1ヶ月目ではどち
らも殆ど変化なく、3ヶ月後には紙に蒸着処理したは
バラバラになり回収不能になっていたが、の方は殆ど
変化なかった。1年経過後、は全く確認できず、は
紙基材は汚れてはいるものの、形状には殆ど変化はなく
残存していた。以上の結果を表3に示した。
【0024】
【表3】
【0025】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、積層体全体が
生分解性を有しているのでバリアー性が優れているだけ
でなく、環境適合性も優れており、各種包装材料等とし
て使用した後、廃棄処理上、全く問題がない。また、請
求項2の発明によれば、紙本来の環境適合性を損なうこ
となく、優れたバリアー性が発揮されるだけでなく、紙
基材と蒸着層との密着性がすぐれているためにバリアー
性が低下することもない。さらに、膜の厚みを1〜10
μmに特定することにより、紙の本来の環境適合性(生
分解性、崩壊性)がより一層、優れたものとなる。ま
た、請求項3の発明によれば、紙単体の場合よりも積層
体としてバラバラに崩壊するのを促進することができ、
かつこれを容器等の素材として用いた場合、生分解性プ
ラスチックの熱可塑性によりシール性があるため、効果
的に接着加工等することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 14/10 C23C 14/10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙基材に金属あるいは金属酸化物の蒸着層
    を設けた積層体において、紙基材表面に蒸着前に予め、
    生分解性プラスチックが積層されていることを特徴とす
    るバリアー性積層体。
  2. 【請求項2】紙基材に金属あるいは金属酸化物の蒸着層
    を設けた積層体において、紙基材の蒸着面が平滑なコー
    ト紙であることを特徴とするバリアー性積層体。
  3. 【請求項3】金属あるいは金属酸化物の蒸着層の上にさ
    らに生分解性プラスチックを積層したことを特徴とする
    請求項2記載のバリアー性積層体。
  4. 【請求項4】生分解性プラスチックが被膜厚みで1〜2
    00μmであることを特徴とする請求項1又は3記載の
    バリアー性積層体。
  5. 【請求項5】コート紙としてクレーコート紙を用いたこ
    とを特徴とする請求項2乃至4記載のバリアー性積層
    体。
  6. 【請求項6】クレーコート紙に厚み1〜10μmの樹脂
    被膜を設けたことを特徴とする請求項2乃至5記載のバ
    リアー性積層体。
  7. 【請求項7】生分解性プラスチックが乳酸を主成分とす
    る樹脂であることを特徴とする請求項1又は3乃至6記
    載のバリアー性積層体。
JP32552295A 1995-12-14 1995-12-14 バリアー性積層体 Pending JPH09164626A (ja)

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