JPH09131199A - リポマイセス属微生物の産生する菌体外多糖の製造方法 - Google Patents
リポマイセス属微生物の産生する菌体外多糖の製造方法Info
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- JPH09131199A JPH09131199A JP29088995A JP29088995A JPH09131199A JP H09131199 A JPH09131199 A JP H09131199A JP 29088995 A JP29088995 A JP 29088995A JP 29088995 A JP29088995 A JP 29088995A JP H09131199 A JPH09131199 A JP H09131199A
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- lipomyces
- extracellular polysaccharide
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 リポマイセス属微生物の菌体外多糖の製造方
法において、従来の生産性の低いバッチ培養の欠点を解
消し、生産性を飛躍的に向上させ、工業的に有利な方法
を提供する。 【解決手段】 リポマイセス属に属し、菌体外多糖を生
産する能力を有する微生物を液体培地に培養し増殖させ
た後、培養液の粘度を150センチポイズ以下、好まし
くは100センチポイズ以下に維持しつつ連続培養もし
くは半連続培養し、培養液中に菌体外多糖を生成蓄積せ
しめる。
法において、従来の生産性の低いバッチ培養の欠点を解
消し、生産性を飛躍的に向上させ、工業的に有利な方法
を提供する。 【解決手段】 リポマイセス属に属し、菌体外多糖を生
産する能力を有する微生物を液体培地に培養し増殖させ
た後、培養液の粘度を150センチポイズ以下、好まし
くは100センチポイズ以下に維持しつつ連続培養もし
くは半連続培養し、培養液中に菌体外多糖を生成蓄積せ
しめる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リポマイセス属微
生物の産生する菌体外多糖の製造方法に関する。リポマ
イセス属微生物の産生する菌体外多糖は、土壌改良剤や
紙力増強剤等として有用な物質である(特開平5−31
1169号、特開平5−321192号参照)。
生物の産生する菌体外多糖の製造方法に関する。リポマ
イセス属微生物の産生する菌体外多糖は、土壌改良剤や
紙力増強剤等として有用な物質である(特開平5−31
1169号、特開平5−321192号参照)。
【0002】
【従来の技術】リポマイセス属に属する微生物が菌体外
に多糖を生産することは既に知られている(M.E.Slodik
i et al., J.Gen.Microbiol., 42, 381-385 (1966))。
しかしながら、リポマイセス属微生物の産生する菌体外
多糖の製造方法としては、従来、バッチ(回分)培養に
よる製造方法しか知られておらず、生産性が極めて低
く、工業生産の見地から満足できるものではなかった。
に多糖を生産することは既に知られている(M.E.Slodik
i et al., J.Gen.Microbiol., 42, 381-385 (1966))。
しかしながら、リポマイセス属微生物の産生する菌体外
多糖の製造方法としては、従来、バッチ(回分)培養に
よる製造方法しか知られておらず、生産性が極めて低
く、工業生産の見地から満足できるものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、リポ
マイセス属微生物の産生する菌体外多糖の製造方法にお
いて、従来の生産性の低いバッチ培養の欠点を解消し、
連続培養もしくは半連続培養によって生産性を向上さ
せ、工業的に有利な方法を提供することにある。
マイセス属微生物の産生する菌体外多糖の製造方法にお
いて、従来の生産性の低いバッチ培養の欠点を解消し、
連続培養もしくは半連続培養によって生産性を向上さ
せ、工業的に有利な方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、リポマイ
セス属微生物の産生する菌体外多糖の連続培養もしくは
半連続培養による製造方法について鋭意検討した結果、
リポマイセス属に属し、菌体外多糖を生産する能力を有
する微生物を、培養液の粘度を150センチポイズ以
下、好ましくは100センチポイズ以下に維持しつつ連
続培養もしくは半連続培養することにより、菌体外多糖
の生産性が飛躍的に向上することを見いだし、本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は、リポマイセス
属に属し、菌体外多糖を生産する能力を有する微生物を
液体培地に培養し増殖させた後、培養液の粘度を150
センチポイズ以下、好ましくは100センチポイズ以下
に維持しつつ連続培養もしくは半連続培養し、培養液中
に菌体外多糖を生成蓄積せしめることを特徴とするリポ
マイセス属微生物の産生する多糖の製造方法である。
セス属微生物の産生する菌体外多糖の連続培養もしくは
半連続培養による製造方法について鋭意検討した結果、
リポマイセス属に属し、菌体外多糖を生産する能力を有
する微生物を、培養液の粘度を150センチポイズ以
下、好ましくは100センチポイズ以下に維持しつつ連
続培養もしくは半連続培養することにより、菌体外多糖
の生産性が飛躍的に向上することを見いだし、本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は、リポマイセス
属に属し、菌体外多糖を生産する能力を有する微生物を
液体培地に培養し増殖させた後、培養液の粘度を150
センチポイズ以下、好ましくは100センチポイズ以下
に維持しつつ連続培養もしくは半連続培養し、培養液中
に菌体外多糖を生成蓄積せしめることを特徴とするリポ
マイセス属微生物の産生する多糖の製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いるリポマイセス属に
属し、菌体外多糖を生産する能力を有する微生物には、
特に制限はないが、このような微生物としては、例え
ば、リポマイセス・スタルキー(Lipomyces starkey
i)、リポマイセス・リポフェラス(Lipomyces lipofer
us)(現在は、ワルトマイセス・リポファー(Waltomyc
es lipofer)として分類されている)、リポマイセス・
コノネンコアーエ(Lipomyces kononenkoae)、リポマ
イセス・テトラスポルス(Lipomyces tetrasporus)等
が挙げられる。これらの微生物は、多くの菌株保存機関
に保存されており、また土壌から容易に分離することが
できるので、容易に入手することができる。以下にこれ
らの寄託菌株を例示する。
属し、菌体外多糖を生産する能力を有する微生物には、
特に制限はないが、このような微生物としては、例え
ば、リポマイセス・スタルキー(Lipomyces starkey
i)、リポマイセス・リポフェラス(Lipomyces lipofer
us)(現在は、ワルトマイセス・リポファー(Waltomyc
es lipofer)として分類されている)、リポマイセス・
コノネンコアーエ(Lipomyces kononenkoae)、リポマ
イセス・テトラスポルス(Lipomyces tetrasporus)等
が挙げられる。これらの微生物は、多くの菌株保存機関
に保存されており、また土壌から容易に分離することが
できるので、容易に入手することができる。以下にこれ
らの寄託菌株を例示する。
【0006】 リポマイセス・スタルキー CBS 1807 リポマイセス・スタルキー CBS 1809 リポマイセス・スタルキー CBS 2516 リポマイセス・スタルキー IFO 10381リホ゜マイセス・スタルキー AJ 14695 (FERM P-14276) リポマイセス・コノネンコアーエ CBS 2514 リポマイセス・コノネンコアーエ CBS 5608 リポマイセス・テトラスポルス CBS 1810 リポマイセス・テトラスポルス CBS 2511 リポマイセス・テトラスポルス CBS 5910 リポマイセス・リポフェラス CBS 944 リポマイセス・リポフェラス CBS 5841 リポマイセス・リポフェラス CBS 5842
【0007】リポマイセス・スタルキーの産生する菌体
外多糖は、マンノース、グルクロン酸、ガラクトース、
及びマンノースとグルクロン酸を1:2のモル比で含む
トリサッカライドを含み、一方、リポマイセス・リポフ
ェラスの酸生する菌体外多糖は、マンノースとグルクロ
ン酸を含むことが報告されている(M.E.Slodiki et a
l., J.Gen.Microbiol., 42, 381-385 (1966))。また、
特開平5−311169号公報には、リポマイセス・ス
タルキーの酸生する菌体外多糖は、マンノース、ガラク
トース、グルクロン酸、及び少量のグルコースから成
り、その構成比は2:2:1:微量となっている。
外多糖は、マンノース、グルクロン酸、ガラクトース、
及びマンノースとグルクロン酸を1:2のモル比で含む
トリサッカライドを含み、一方、リポマイセス・リポフ
ェラスの酸生する菌体外多糖は、マンノースとグルクロ
ン酸を含むことが報告されている(M.E.Slodiki et a
l., J.Gen.Microbiol., 42, 381-385 (1966))。また、
特開平5−311169号公報には、リポマイセス・ス
タルキーの酸生する菌体外多糖は、マンノース、ガラク
トース、グルクロン酸、及び少量のグルコースから成
り、その構成比は2:2:1:微量となっている。
【0008】このように、リポマイセス属に属する微生
物であっても種によって産生する菌体外多糖が異なり、
一種の分類法として提唱されている(M.E.Slodiki et a
l.,J.Gen.Microbiol., 42, 381-385 (1966))が、本発
明の方法はいずれの菌体外多糖の製造にも適用できる。
物であっても種によって産生する菌体外多糖が異なり、
一種の分類法として提唱されている(M.E.Slodiki et a
l.,J.Gen.Microbiol., 42, 381-385 (1966))が、本発
明の方法はいずれの菌体外多糖の製造にも適用できる。
【0009】以下にリポマイセス・スタルキー IFO103
81より子嚢形成率が低下した菌体外多糖高生産株として
誘導されたAJ 14695株を用いた菌体外多糖の製造方法を
例として示す。なお、リポマイセス・スタルキー AJ 1
4695は、平成6年4月14日付で通商産業省工業技術院
生命工学工業技術研究所にFERM P-14276の受託番号で寄
託されている。
81より子嚢形成率が低下した菌体外多糖高生産株として
誘導されたAJ 14695株を用いた菌体外多糖の製造方法を
例として示す。なお、リポマイセス・スタルキー AJ 1
4695は、平成6年4月14日付で通商産業省工業技術院
生命工学工業技術研究所にFERM P-14276の受託番号で寄
託されている。
【0010】まず、リポマイセス・スタルキー AJ 146
95を適当な液体培地で培養し、菌体を増殖させる。液体
培地としては、炭素源、窒素源、有機栄養源、無機塩等
を適宜含有したものが用いられ、例えば後述のCT−G
培地等が好適である。炭素源としては、グルコース、フ
ラクトース、シュクロース、澱粉加水分解物、糖蜜など
から選ばれる1種または2種以上の糖質が用いられる。
炭素源の初発濃度は、0.5〜5g/dl、好ましくは1
g/dl付近である。窒素源としては、アンモニウム塩や
硝酸塩などが用いられ、また、有機栄養源としては、酵
母エキス、麦芽エキス、ペプトン、コーンスティープリ
カー、大豆蛋白加水分解物などが必要に応じ用いられ
る。無機塩としては、リン酸塩、マグネシウム塩、ナト
リウム塩、カルシウム塩その他が適宜用いられる。
95を適当な液体培地で培養し、菌体を増殖させる。液体
培地としては、炭素源、窒素源、有機栄養源、無機塩等
を適宜含有したものが用いられ、例えば後述のCT−G
培地等が好適である。炭素源としては、グルコース、フ
ラクトース、シュクロース、澱粉加水分解物、糖蜜など
から選ばれる1種または2種以上の糖質が用いられる。
炭素源の初発濃度は、0.5〜5g/dl、好ましくは1
g/dl付近である。窒素源としては、アンモニウム塩や
硝酸塩などが用いられ、また、有機栄養源としては、酵
母エキス、麦芽エキス、ペプトン、コーンスティープリ
カー、大豆蛋白加水分解物などが必要に応じ用いられ
る。無機塩としては、リン酸塩、マグネシウム塩、ナト
リウム塩、カルシウム塩その他が適宜用いられる。
【0011】培養は、培養温度25℃〜30℃にてpH
5.0〜6.0、好ましくはpH5.5付近に制御しつ
つ好気条件下で行う。30〜40時間培養を行うことに
より、菌体外多糖を生産するための十分量の菌体が形成
される(菌体増殖期)。その後、フェッドバッチ方式で
炭素源を添加して培養を継続し、培養液の粘度が150
センチポイズを超えない程度まで、好ましくは100セ
ンチポイズを超えない程度まで菌体外多糖を生成蓄積さ
せる。ついで連続培養では、栄養培地を連続的にフィー
ドしつつ培養液の引き抜きを行い、培養液の粘度を15
0センチポイズ以下、好ましくは100センチポイズ以
下に維持しつつ連続培養を行う。また、半連続培養で
は、粘度を150センチポイズ以下、好ましくは100
センチポイズ以下に維持するよう培養液の引き抜きを間
歇的に行い、栄養培地を追加供給する。これらの菌体外
多糖生成蓄積期においては、pH5.0未満、好ましく
はpH3.0〜4.5に制御しつつ菌体増殖期と同様に
好気条件下で培養を行う。また、培養液の粘度を150
センチポイズ以下または100センチポイズ以下に維持
するには、培養液中の炭素源の消費速度に合わせて栄養
培地を間歇的または連続的に追加供給するが、フィード
する栄養培地に含まれる炭素源の濃度を20g/dl以下
とし、菌体外多糖の蓄積濃度が5g/dlまたは3.5g
/dlを大きく越えないように培養液を引き抜きを行えば
よい。培養液の希釈速度は、通常、0.01から0.1
h-1の範囲である。
5.0〜6.0、好ましくはpH5.5付近に制御しつ
つ好気条件下で行う。30〜40時間培養を行うことに
より、菌体外多糖を生産するための十分量の菌体が形成
される(菌体増殖期)。その後、フェッドバッチ方式で
炭素源を添加して培養を継続し、培養液の粘度が150
センチポイズを超えない程度まで、好ましくは100セ
ンチポイズを超えない程度まで菌体外多糖を生成蓄積さ
せる。ついで連続培養では、栄養培地を連続的にフィー
ドしつつ培養液の引き抜きを行い、培養液の粘度を15
0センチポイズ以下、好ましくは100センチポイズ以
下に維持しつつ連続培養を行う。また、半連続培養で
は、粘度を150センチポイズ以下、好ましくは100
センチポイズ以下に維持するよう培養液の引き抜きを間
歇的に行い、栄養培地を追加供給する。これらの菌体外
多糖生成蓄積期においては、pH5.0未満、好ましく
はpH3.0〜4.5に制御しつつ菌体増殖期と同様に
好気条件下で培養を行う。また、培養液の粘度を150
センチポイズ以下または100センチポイズ以下に維持
するには、培養液中の炭素源の消費速度に合わせて栄養
培地を間歇的または連続的に追加供給するが、フィード
する栄養培地に含まれる炭素源の濃度を20g/dl以下
とし、菌体外多糖の蓄積濃度が5g/dlまたは3.5g
/dlを大きく越えないように培養液を引き抜きを行えば
よい。培養液の希釈速度は、通常、0.01から0.1
h-1の範囲である。
【0012】かくして30〜50時間程度連続培養もし
くは半連続培養を行うことにより、菌体外多糖が顕著に
高い生産性で培養液中に生成蓄積される。なお、生産性
の向上は、培養液の粘度を150センチポイズ以下に維
持することにより達成されるが、粘度をより低く、例え
ば100センチポイズ以下に維持すれば生産性が更に向
上し、より好ましい結果を得ることができる。
くは半連続培養を行うことにより、菌体外多糖が顕著に
高い生産性で培養液中に生成蓄積される。なお、生産性
の向上は、培養液の粘度を150センチポイズ以下に維
持することにより達成されるが、粘度をより低く、例え
ば100センチポイズ以下に維持すれば生産性が更に向
上し、より好ましい結果を得ることができる。
【0013】培養終了後、上記の培養液から菌体外多糖
を回収することによって、従来の方法よりも効率よく菌
体外多糖を製造することができる。培養液からの回収
は、必要に応じて希釈し遠心分離により菌体を除いた
後、濃縮しスプレードライヤー等で乾燥粉体とすればよ
い。更に高純度の菌体外多糖を必要とする際には、脱
色、脱塩し、溶液状の菌体外多糖高含有物、または、こ
れを更に粉末化して、粉末状の菌体外多糖を採取する。
更に必要ならば、分子量分画、イソプロパノールやエタ
ノールなどを用いた有機溶媒沈殿分離などによって、よ
り高純度の菌体外多糖を得ることもできる。
を回収することによって、従来の方法よりも効率よく菌
体外多糖を製造することができる。培養液からの回収
は、必要に応じて希釈し遠心分離により菌体を除いた
後、濃縮しスプレードライヤー等で乾燥粉体とすればよ
い。更に高純度の菌体外多糖を必要とする際には、脱
色、脱塩し、溶液状の菌体外多糖高含有物、または、こ
れを更に粉末化して、粉末状の菌体外多糖を採取する。
更に必要ならば、分子量分画、イソプロパノールやエタ
ノールなどを用いた有機溶媒沈殿分離などによって、よ
り高純度の菌体外多糖を得ることもできる。
【0014】
【実施例】以下に、本発明を比較例及び実施例により更
に具体的に説明する。なお、本実施例で使用したYM培
地及びCG−T培地の組成をそれぞれ表1及び表2に示
す。
に具体的に説明する。なお、本実施例で使用したYM培
地及びCG−T培地の組成をそれぞれ表1及び表2に示
す。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】また、菌体外多糖の測定は次のようにして
行った。培養液を遠心分離し、上清を0.01M酢酸で
洗浄し短冊状に切断した濾紙(例えば東洋濾紙No.50)
にスポットし、エチル酢酸:酢酸:ピリジン:水(5:
1:5:3 V/V)混合液で3〜5時間展開させた。この
濾紙を風乾し、多糖部分(出発点の前後約1cm)を切
り取って試験管に入れ、蒸留水1mlを添加した。試験管
をタワーミキサーを用いて4〜6時間攪拌し、フィルタ
ー(0.45μm)を通して繊維を除去した。濾液10
0μlを試験管に取り、2.5%フェノール液2mlを添
加し、ビューレットで一定の高さから濃硫酸5mlを加え
た。10分間放置した後、よく混合し、更に30℃で1
5分冷却し、攪拌せずに490nmで吸光度を測定した。
行った。培養液を遠心分離し、上清を0.01M酢酸で
洗浄し短冊状に切断した濾紙(例えば東洋濾紙No.50)
にスポットし、エチル酢酸:酢酸:ピリジン:水(5:
1:5:3 V/V)混合液で3〜5時間展開させた。この
濾紙を風乾し、多糖部分(出発点の前後約1cm)を切
り取って試験管に入れ、蒸留水1mlを添加した。試験管
をタワーミキサーを用いて4〜6時間攪拌し、フィルタ
ー(0.45μm)を通して繊維を除去した。濾液10
0μlを試験管に取り、2.5%フェノール液2mlを添
加し、ビューレットで一定の高さから濃硫酸5mlを加え
た。10分間放置した後、よく混合し、更に30℃で1
5分冷却し、攪拌せずに490nmで吸光度を測定した。
【0018】比較例(フェッドバッチ培養による菌体外
多糖の製造例) YM寒天培地に保存しておいたリポマイセス・スタルキ
ー AJ 14696をYM寒天培地で培養(30℃、2日)し
た。これを500ml容の坂口フラスコ内のYM液体培地
50mlに接種し振盪培養(30℃、2日)を行い、種培
養とした。ジャーファーメンターにCG−T培地300
mlを入れ、120℃、20分間加圧滅菌した後、上記の
種培養を無菌的に接種し、培養温度30℃、アンモニア
ガスによりpH5.5乃至6.0に制御しつつ、通気攪
拌培養した。培養開始40時間後に培養液中のグルコー
スが無くなった時点で、糖フィード液(グルコース75
g/dl、40ml)を添加し、pHを3.5にシフトして
培養を継続した。再び残グルコース濃度がゼロとなった
時点で、再度先と同様の糖フィード液を添加して培養を
継続し、計3度糖フィード液を添加し計140時間培養
した。培養の際、培養液中の溶存酸素濃度がゼロとなら
ないように攪拌速度及び通気量によって制御した。培養
終了後、培養液中の菌体外多糖の蓄積濃度を測定し、対
グルコース収率、得量、生産性を算出した。また、培養
液の粘度を測定した。その結果を表3に示す。
多糖の製造例) YM寒天培地に保存しておいたリポマイセス・スタルキ
ー AJ 14696をYM寒天培地で培養(30℃、2日)し
た。これを500ml容の坂口フラスコ内のYM液体培地
50mlに接種し振盪培養(30℃、2日)を行い、種培
養とした。ジャーファーメンターにCG−T培地300
mlを入れ、120℃、20分間加圧滅菌した後、上記の
種培養を無菌的に接種し、培養温度30℃、アンモニア
ガスによりpH5.5乃至6.0に制御しつつ、通気攪
拌培養した。培養開始40時間後に培養液中のグルコー
スが無くなった時点で、糖フィード液(グルコース75
g/dl、40ml)を添加し、pHを3.5にシフトして
培養を継続した。再び残グルコース濃度がゼロとなった
時点で、再度先と同様の糖フィード液を添加して培養を
継続し、計3度糖フィード液を添加し計140時間培養
した。培養の際、培養液中の溶存酸素濃度がゼロとなら
ないように攪拌速度及び通気量によって制御した。培養
終了後、培養液中の菌体外多糖の蓄積濃度を測定し、対
グルコース収率、得量、生産性を算出した。また、培養
液の粘度を測定した。その結果を表3に示す。
【0019】実施例1(連続培養による菌体外多糖の製
造例1) 上記比較例と同様に、種培養を調製した。ジャーファー
メンターにCG−T培地300mlを入れ、120℃、2
0分間加圧滅菌し、種培養を接種し、培養温度30℃、
アンモニアガスによりpH5.5乃至6.0で制御しつ
つ、通気攪拌培養した。培養開始40時間後に培養液中
のグルコースが無くなった時点で、糖フィード液(グル
コース75g/dl、40ml)を添加し、pHを3.5に
シフトして培養を継続した。再び残グルコース濃度がゼ
ロとなった時点で、CG-T培地と同様の栄養素を含む
糖フィード液(グルコース15g/dl、400ml)を連
続的に添加した。培養液のワーキング・ボリュームが約
380mlとなったところで引き抜きを開始し、糖フィー
ド液の全量を添加し終えるまで合計115時間培養し
た。培養終了後、培養液中の菌体外多糖の蓄積濃度を測
定し、対グルコース収率、得量、生産性を算出した。ま
た、培養液の粘度を測定した。その結果を表3に示す。
比較例の結果に比べ、培養液中の粘度が低く抑えられて
おり、菌体外多糖の収率、及び生産性が顕著に向上して
いた。
造例1) 上記比較例と同様に、種培養を調製した。ジャーファー
メンターにCG−T培地300mlを入れ、120℃、2
0分間加圧滅菌し、種培養を接種し、培養温度30℃、
アンモニアガスによりpH5.5乃至6.0で制御しつ
つ、通気攪拌培養した。培養開始40時間後に培養液中
のグルコースが無くなった時点で、糖フィード液(グル
コース75g/dl、40ml)を添加し、pHを3.5に
シフトして培養を継続した。再び残グルコース濃度がゼ
ロとなった時点で、CG-T培地と同様の栄養素を含む
糖フィード液(グルコース15g/dl、400ml)を連
続的に添加した。培養液のワーキング・ボリュームが約
380mlとなったところで引き抜きを開始し、糖フィー
ド液の全量を添加し終えるまで合計115時間培養し
た。培養終了後、培養液中の菌体外多糖の蓄積濃度を測
定し、対グルコース収率、得量、生産性を算出した。ま
た、培養液の粘度を測定した。その結果を表3に示す。
比較例の結果に比べ、培養液中の粘度が低く抑えられて
おり、菌体外多糖の収率、及び生産性が顕著に向上して
いた。
【0020】実施例2(連続培養による菌体外多糖の製
造例2) 連続培養に入るまでは実施例1と同様に培養し、連続培
養ではCG-T培地と同様の栄養素を含む糖フィード液
(7.5g/dl、800ml)を連続的に添加した。培養
液のワーキング・ボリュームが約380mlとなったとこ
ろで引き抜きを開始し、実施例1と同様に合計115時
間培養した。培養終了後、培養液中の菌体外多糖の蓄積
濃度を測定し、対グルコース収率、得量、生産性を算出
した。また、培養液の粘度を測定した。その結果を表3
に示す。比較例の結果に比べ、培養液中の粘度が低く抑
えられており、菌体外多糖の収率、及び生産性が顕著に
向上していた。また、実施例1に比べても更に高い生産
性が認められた。
造例2) 連続培養に入るまでは実施例1と同様に培養し、連続培
養ではCG-T培地と同様の栄養素を含む糖フィード液
(7.5g/dl、800ml)を連続的に添加した。培養
液のワーキング・ボリュームが約380mlとなったとこ
ろで引き抜きを開始し、実施例1と同様に合計115時
間培養した。培養終了後、培養液中の菌体外多糖の蓄積
濃度を測定し、対グルコース収率、得量、生産性を算出
した。また、培養液の粘度を測定した。その結果を表3
に示す。比較例の結果に比べ、培養液中の粘度が低く抑
えられており、菌体外多糖の収率、及び生産性が顕著に
向上していた。また、実施例1に比べても更に高い生産
性が認められた。
【0021】
【表3】
【0022】
【発明の効果】本発明のリポマイセス属微生物菌体外多
糖の製造方法は、従来の方法に比べて収率及び生産性を
飛躍的に改良し、菌体外多糖の大量・安価な供給を可能
とするものであり、当該菌体外多糖の土壌改良剤、紙力
増強剤その他への利用が容易となる。
糖の製造方法は、従来の方法に比べて収率及び生産性を
飛躍的に改良し、菌体外多糖の大量・安価な供給を可能
とするものであり、当該菌体外多糖の土壌改良剤、紙力
増強剤その他への利用が容易となる。
Claims (2)
- 【請求項1】 リポマイセス属に属し、菌体外多糖を生
産する能力を有する微生物を液体培地に培養し増殖させ
た後、培養液の粘度を150センチポイズ以下に維持し
つつ連続培養もしくは半連続培養し、培養液中に菌体外
多糖を生成蓄積せしめることを特徴とするリポマイセス
属微生物の産生する菌体外多糖の製造方法。 - 【請求項2】 培養液の粘度が100センチポイズ以下
である請求項1記載のリポマイセス属微生物の産生する
菌体外多糖の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29088995A JPH09131199A (ja) | 1995-11-09 | 1995-11-09 | リポマイセス属微生物の産生する菌体外多糖の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29088995A JPH09131199A (ja) | 1995-11-09 | 1995-11-09 | リポマイセス属微生物の産生する菌体外多糖の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09131199A true JPH09131199A (ja) | 1997-05-20 |
Family
ID=17761827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29088995A Pending JPH09131199A (ja) | 1995-11-09 | 1995-11-09 | リポマイセス属微生物の産生する菌体外多糖の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09131199A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0879944A2 (en) | 1997-05-21 | 1998-11-25 | Nissan Motor Company, Limited | Cylinder direct injection spark-ignition engine |
WO2019177171A1 (ja) | 2018-03-16 | 2019-09-19 | 味の素株式会社 | 飼料用添加剤及び飼料 |
WO2019177172A1 (ja) | 2018-03-16 | 2019-09-19 | 味の素株式会社 | 飼料用添加剤及び飼料 |
-
1995
- 1995-11-09 JP JP29088995A patent/JPH09131199A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0879944A2 (en) | 1997-05-21 | 1998-11-25 | Nissan Motor Company, Limited | Cylinder direct injection spark-ignition engine |
WO2019177171A1 (ja) | 2018-03-16 | 2019-09-19 | 味の素株式会社 | 飼料用添加剤及び飼料 |
WO2019177172A1 (ja) | 2018-03-16 | 2019-09-19 | 味の素株式会社 | 飼料用添加剤及び飼料 |
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