JPH09131198A - 発酵と微生物変換反応との融合方法 - Google Patents
発酵と微生物変換反応との融合方法Info
- Publication number
- JPH09131198A JPH09131198A JP8194109A JP19410996A JPH09131198A JP H09131198 A JPH09131198 A JP H09131198A JP 8194109 A JP8194109 A JP 8194109A JP 19410996 A JP19410996 A JP 19410996A JP H09131198 A JPH09131198 A JP H09131198A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fermentation
- alcohol
- water
- microorganism
- organic acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 グルコース等の糖類からの発酵生産物である
水溶性有機酸類、アルコール類またはアセチル−CoA
を、微生物的にエステル化反応に組み込む発酵と微生物
変換反応との融合方法を提供する。 【解決手段】 親水性固定化担体に有機酸発酵能、アル
コール発酵能またはアセチル−CoA発酵能を有し、且
つリパーゼ、エステラーゼまたはアルコールアセチルト
ランスフエラーゼを生産する能力を有する微生物を付着
させ、該微生物の栄養源である糖類を含む水性媒体の存
在下に、疎水性有機溶媒を該担体上の該微生物と接触さ
せて接触界面で該微生物を増殖させ、該発酵原料から水
溶性有機酸類、アルコール類またはアセチル−CoAを
発酵生産させながら該発酵生産物と上記疎水性有機溶媒
中の水に不溶性もしくは難溶性のアルコールまたは有機
酸との間で微生物的エステル化反応を行わせることを特
徴とする発酵と微生物変換との融合方法。
水溶性有機酸類、アルコール類またはアセチル−CoA
を、微生物的にエステル化反応に組み込む発酵と微生物
変換反応との融合方法を提供する。 【解決手段】 親水性固定化担体に有機酸発酵能、アル
コール発酵能またはアセチル−CoA発酵能を有し、且
つリパーゼ、エステラーゼまたはアルコールアセチルト
ランスフエラーゼを生産する能力を有する微生物を付着
させ、該微生物の栄養源である糖類を含む水性媒体の存
在下に、疎水性有機溶媒を該担体上の該微生物と接触さ
せて接触界面で該微生物を増殖させ、該発酵原料から水
溶性有機酸類、アルコール類またはアセチル−CoAを
発酵生産させながら該発酵生産物と上記疎水性有機溶媒
中の水に不溶性もしくは難溶性のアルコールまたは有機
酸との間で微生物的エステル化反応を行わせることを特
徴とする発酵と微生物変換との融合方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術】本発明は、グルコース等の糖類か
らの発酵生産物である水溶性有機酸類またはアルコール
類を、微生物的にエステル化反応に組み込む発酵と微生
物変換反応との融合方法に関する。
らの発酵生産物である水溶性有機酸類またはアルコール
類を、微生物的にエステル化反応に組み込む発酵と微生
物変換反応との融合方法に関する。
【0002】
【従来技術およびその課題】近年、微生物変換法による
物質生産が世界中で試みられており、この微生物変換法
の1つの応用例として、リパーゼやエステラーゼのよう
な加水分解酵素の逆反応によってエステルを合成する方
法が、特に光学分割を目的として数多く提案されている
[T.Sugai and H.Ohta,Agric.Biol.Chem.,55,
293(1991);H.Kakeya,et al.,Agric.Bio
l.Chem.,55,1877(1991);T.Sugai and
H.Ohta,Agric.Biol.Chem.,54,3337(19
90)]。この酵素によるエステル化反応を効率的に進
めるためには、反応系に存在する水分量を減少させるこ
とが必要であり、そのために酵素反応は一般には有機溶
媒中で行われる。
物質生産が世界中で試みられており、この微生物変換法
の1つの応用例として、リパーゼやエステラーゼのよう
な加水分解酵素の逆反応によってエステルを合成する方
法が、特に光学分割を目的として数多く提案されている
[T.Sugai and H.Ohta,Agric.Biol.Chem.,55,
293(1991);H.Kakeya,et al.,Agric.Bio
l.Chem.,55,1877(1991);T.Sugai and
H.Ohta,Agric.Biol.Chem.,54,3337(19
90)]。この酵素によるエステル化反応を効率的に進
めるためには、反応系に存在する水分量を減少させるこ
とが必要であり、そのために酵素反応は一般には有機溶
媒中で行われる。
【0003】一方、市販されているリパーゼおよびエス
テラーゼは、コスト上の問題の他に、三級水酸基のエス
テル化が不可能である、立体障害の大きいカルボン酸の
エステル化が困難である。α,β−不飽和カルボン酸の
エステル化が困難である、芳香環に置換したカルボン酸
のエステル化が困難である、比較的対称性のよい一級水
酸基のエステル化では光学分割が困難である、等の多く
の問題を有している。さらに、エステル化に供する低分
子量の有機酸またはアルコールを高濃度で反応系に投入
すると、反応系のpH低下やリパーゼまたはエステラー
ゼの失活が生ずるため、高濃度のエステル合成は非常に
困難である[B.Cambou and A.M.Klibanov,Biotechn
ol.Bioeng.,26,1449(1984)]。
テラーゼは、コスト上の問題の他に、三級水酸基のエス
テル化が不可能である、立体障害の大きいカルボン酸の
エステル化が困難である。α,β−不飽和カルボン酸の
エステル化が困難である、芳香環に置換したカルボン酸
のエステル化が困難である、比較的対称性のよい一級水
酸基のエステル化では光学分割が困難である、等の多く
の問題を有している。さらに、エステル化に供する低分
子量の有機酸またはアルコールを高濃度で反応系に投入
すると、反応系のpH低下やリパーゼまたはエステラー
ゼの失活が生ずるため、高濃度のエステル合成は非常に
困難である[B.Cambou and A.M.Klibanov,Biotechn
ol.Bioeng.,26,1449(1984)]。
【0004】このような市販のリパーゼまたはエステラ
ーゼがもつ上記の如き欠陥を克服するために、新規なリ
パーゼまたはエステラーゼを生産し得る微生物のスクリ
ーニングおよび該微生物をそのまま生体触媒として利用
する微生物変換法が広く試みられているが、微生物は一
般に有機溶媒中では死滅するかもしくは増殖不能であ
り、エステル化反応を安定的に進行せしめることは困難
である。
ーゼがもつ上記の如き欠陥を克服するために、新規なリ
パーゼまたはエステラーゼを生産し得る微生物のスクリ
ーニングおよび該微生物をそのまま生体触媒として利用
する微生物変換法が広く試みられているが、微生物は一
般に有機溶媒中では死滅するかもしくは増殖不能であ
り、エステル化反応を安定的に進行せしめることは困難
である。
【0005】また、アルコールアセチルトランスフエラ
ーゼによるエステル生成が知られているが、清酒香気エ
ステルの生成のみに関心がもたれており、有用なエステ
ルの合成を目的とする報告は皆無である。
ーゼによるエステル生成が知られているが、清酒香気エ
ステルの生成のみに関心がもたれており、有用なエステ
ルの合成を目的とする報告は皆無である。
【0006】一方、栄養源および水を含む親水性担体に
付着させた、微生物に対して実質的に毒性を示さない疎
水性有機溶媒界面で増殖する微生物を生体触媒として利
用する界面バイオリアクターは、ほとんど全ての微生物
および微生物反応に適用することができ、エステル化反
応も非常に効率的に進行させることができる[S.Odaan
d H.Ohta,Biosci.Biotech.Biochem.,56,204
1(1992);S.Oda,et al.,J.Ferment.Bioen
g.,78,149(1994),特開平5−34489
6号公報]。しかしながら、界面バイオリアクターで
は、親水性の毒物に対する毒性回避は不可能であり、低
分子の有機酸類またはアルコール類を高濃度で反応系に
添加することは困難である[S.Oda and H.Ohta,Bios
ci.Biotech.Biochem.,56,1515(199
2)]。
付着させた、微生物に対して実質的に毒性を示さない疎
水性有機溶媒界面で増殖する微生物を生体触媒として利
用する界面バイオリアクターは、ほとんど全ての微生物
および微生物反応に適用することができ、エステル化反
応も非常に効率的に進行させることができる[S.Odaan
d H.Ohta,Biosci.Biotech.Biochem.,56,204
1(1992);S.Oda,et al.,J.Ferment.Bioen
g.,78,149(1994),特開平5−34489
6号公報]。しかしながら、界面バイオリアクターで
は、親水性の毒物に対する毒性回避は不可能であり、低
分子の有機酸類またはアルコール類を高濃度で反応系に
添加することは困難である[S.Oda and H.Ohta,Bios
ci.Biotech.Biochem.,56,1515(199
2)]。
【0007】
【問題を解決するための手段】そこで本発明者は、上記
の如き従来技術の様々な問題点を解決するために鋭意検
討を重ねた結果、界面バイオリアクターの大きな長所で
ある有機溶媒中での微生物の増殖能と該微生物の発酵能
を効果的に活用し、水溶性の有機酸類、アルコール類ま
たはそれらの前駆体であるアセチルコエンザイムAを発
酵生産させつつ、これら水溶性有機酸類、アルコール類
またはアセチルコエンザイムAを逐次微生物エステル化
反応に組み込み、発酵と微生物的エステル化反応を融合
させることによって解決できることを見出し本発明を完
成するに至った。
の如き従来技術の様々な問題点を解決するために鋭意検
討を重ねた結果、界面バイオリアクターの大きな長所で
ある有機溶媒中での微生物の増殖能と該微生物の発酵能
を効果的に活用し、水溶性の有機酸類、アルコール類ま
たはそれらの前駆体であるアセチルコエンザイムAを発
酵生産させつつ、これら水溶性有機酸類、アルコール類
またはアセチルコエンザイムAを逐次微生物エステル化
反応に組み込み、発酵と微生物的エステル化反応を融合
させることによって解決できることを見出し本発明を完
成するに至った。
【0008】かくして、本発明に従えば、親水性固定化
担体に有機酸発酵能、アルコール発酵能またはアセチル
コエンザイムA発酵能を有し且つリパーゼ、エステラー
ゼまたはアルコールアセチルトランスフエラーゼを生産
する能力を有する微生物を付着させ、該微生物の栄養源
である発酵原料である糖類を含む水性媒体の存在下に、
水に不溶性もしくは難溶性(以下、まとめて「水難溶
性」という)のアルコールまたは有機酸を含有する疎水
性有機溶媒を該担体上の該微生物に接触させて接触界面
で該微生物を増殖させ、該増殖微生物の作用によって、
該発酵原料から水溶性有機酸、アルコールまたはアセチ
ルコエンザイムA(以下、「アセチル−CoA」と略
す)を発酵生産させながら、該微生物と上記疎水性有機
溶媒中の水難溶性のアルコールまたは有機酸類との間で
微生物的エステル化反応を行うことを特徴とする発酵と
微生物変換との融合方法が提供される。
担体に有機酸発酵能、アルコール発酵能またはアセチル
コエンザイムA発酵能を有し且つリパーゼ、エステラー
ゼまたはアルコールアセチルトランスフエラーゼを生産
する能力を有する微生物を付着させ、該微生物の栄養源
である発酵原料である糖類を含む水性媒体の存在下に、
水に不溶性もしくは難溶性(以下、まとめて「水難溶
性」という)のアルコールまたは有機酸を含有する疎水
性有機溶媒を該担体上の該微生物に接触させて接触界面
で該微生物を増殖させ、該増殖微生物の作用によって、
該発酵原料から水溶性有機酸、アルコールまたはアセチ
ルコエンザイムA(以下、「アセチル−CoA」と略
す)を発酵生産させながら、該微生物と上記疎水性有機
溶媒中の水難溶性のアルコールまたは有機酸類との間で
微生物的エステル化反応を行うことを特徴とする発酵と
微生物変換との融合方法が提供される。
【0009】本発明によれば、界面バイオリアクターに
おける担体/疎水性有機溶媒からなる固/液界面に増殖
する微生物は、担体中のグルコース、デンプン、ショ糖
などの糖類からなる発酵原料を利用して低分子量の水溶
性有機酸類、アルコール類またはアセチル−CoAを発
酵生産する。これらの発酵生産物は、該微生物の有する
リパーゼ、エステラーゼまたはアルコールアセチルトラ
ンスフエラーゼの酵素作用によって、疎水性有機溶媒中
の水難溶性アルコール類あるいは有機酸類でエステル化
されて、疎水性有機溶媒中にエステル化物が大量に蓄積
してくる。この場合、有機酸発酵、アルコール発酵また
はアセチル−CoA発酵によって生成してくる低分子量
の水溶性有機酸類、アルコール類またはアセチル−Co
Aは、担体中で毒性を発現する濃度に達する前に逐次エ
ステル化反応に供されるため、微生物に対して毒性を発
現することはない。また、疎水性有機溶媒中の水難溶性
アルコール類または有機酸類は、界面バイオリアクター
の大きな長所である固/液界面における毒性緩和現象に
基づき、その添加濃度および蓄積濃度を従来技術よりも
格段に引き上げることが可能である。さらに、エステル
化によって生ずるエステル類もまた、該毒性緩和現象に
基づき、従来技術をはるかに凌ぐ高濃度レベルで蓄積可
能である。
おける担体/疎水性有機溶媒からなる固/液界面に増殖
する微生物は、担体中のグルコース、デンプン、ショ糖
などの糖類からなる発酵原料を利用して低分子量の水溶
性有機酸類、アルコール類またはアセチル−CoAを発
酵生産する。これらの発酵生産物は、該微生物の有する
リパーゼ、エステラーゼまたはアルコールアセチルトラ
ンスフエラーゼの酵素作用によって、疎水性有機溶媒中
の水難溶性アルコール類あるいは有機酸類でエステル化
されて、疎水性有機溶媒中にエステル化物が大量に蓄積
してくる。この場合、有機酸発酵、アルコール発酵また
はアセチル−CoA発酵によって生成してくる低分子量
の水溶性有機酸類、アルコール類またはアセチル−Co
Aは、担体中で毒性を発現する濃度に達する前に逐次エ
ステル化反応に供されるため、微生物に対して毒性を発
現することはない。また、疎水性有機溶媒中の水難溶性
アルコール類または有機酸類は、界面バイオリアクター
の大きな長所である固/液界面における毒性緩和現象に
基づき、その添加濃度および蓄積濃度を従来技術よりも
格段に引き上げることが可能である。さらに、エステル
化によって生ずるエステル類もまた、該毒性緩和現象に
基づき、従来技術をはるかに凌ぐ高濃度レベルで蓄積可
能である。
【0010】上記した微生物的エステル化反応におい
て、発酵によって水溶性有機酸類が生産される場合に
は、当然このものは疎水性溶媒中のアルコール類との間
で、そして発酵によって水溶性アルコール類が生産され
る場合にはこのものは疎水性溶媒中の有機酸類との間で
エステル化が行われる。
て、発酵によって水溶性有機酸類が生産される場合に
は、当然このものは疎水性溶媒中のアルコール類との間
で、そして発酵によって水溶性アルコール類が生産され
る場合にはこのものは疎水性溶媒中の有機酸類との間で
エステル化が行われる。
【0011】一方、アセチル−CoAが発酵生産される
場合には、該アセチル−CoAはアセチルドナーとして
有機溶媒中のアルコール類とエステル化される。
場合には、該アセチル−CoAはアセチルドナーとして
有機溶媒中のアルコール類とエステル化される。
【0012】しかして、本発明の第一の特徴は、界面バ
イオリアクターの長所である有機溶媒中での微生物の増
殖現象を活用し、該微生物に発酵によって水溶性有機
酸、アルコールまたはアセチル−CoAを産出させつ
つ、これを逐次該微生物によるエステル化反応に組み込
むことにある。従来のバイオテクノロジーの領域では、
発酵法と微生物変換法とは全く異種の研究あるいは応用
分野であり、したがって、各分野の研究あるいは応用は
全く独立に展開されてきたため、発酵と微生物変換法を
融合させる試みは皆無であった。しかるに本発明では、
発酵によって水溶性有機酸類、アルコール類またはアセ
チル−CoAを生産させつつ、これらを逐次エステル化
反応に組み込むため、微生物にとって好ましい状態で発
酵と微生物的エステル化反応の融合を図ることができ
る。
イオリアクターの長所である有機溶媒中での微生物の増
殖現象を活用し、該微生物に発酵によって水溶性有機
酸、アルコールまたはアセチル−CoAを産出させつ
つ、これを逐次該微生物によるエステル化反応に組み込
むことにある。従来のバイオテクノロジーの領域では、
発酵法と微生物変換法とは全く異種の研究あるいは応用
分野であり、したがって、各分野の研究あるいは応用は
全く独立に展開されてきたため、発酵と微生物変換法を
融合させる試みは皆無であった。しかるに本発明では、
発酵によって水溶性有機酸類、アルコール類またはアセ
チル−CoAを生産させつつ、これらを逐次エステル化
反応に組み込むため、微生物にとって好ましい状態で発
酵と微生物的エステル化反応の融合を図ることができ
る。
【0013】本発明の第二の特徴は、エステル化に供さ
れる水溶性の有機酸類、アルコール類またはアセチル−
CoAの微生物に対する毒性発現を抑えることができる
ことである。水溶性の有機酸類、アルコール類またはア
セチル−CoAは、微生物に対して強毒性もしくはフィ
ードバック阻害を発現するため、これらを従来技術に従
って微生物反応系に添加する場合、その添加濃度は低く
設定せざるを得ず、その結果、低反応速度、低収量を余
儀なくされる。また、市販のアセチル−CoA塩は極め
て高価であるため、これをアセチルドナーとして用いる
ことは実用上不可能である。しかるに、本発明において
は、発酵によって生ずる水溶性有機酸類、アルコール類
またはアセチル−CoAは、微生物に対して毒性あるい
はフィードバック阻害を発現する濃度に達する前に逐次
エステル化反応に供されるため、該水溶性有機酸類、ア
ルコール類またはアセチル−CoAの毒性もしくはフィ
ードバック阻害発現の問題は生じず、安定的に発酵およ
びエステル化反応を継続せしめることができる。
れる水溶性の有機酸類、アルコール類またはアセチル−
CoAの微生物に対する毒性発現を抑えることができる
ことである。水溶性の有機酸類、アルコール類またはア
セチル−CoAは、微生物に対して強毒性もしくはフィ
ードバック阻害を発現するため、これらを従来技術に従
って微生物反応系に添加する場合、その添加濃度は低く
設定せざるを得ず、その結果、低反応速度、低収量を余
儀なくされる。また、市販のアセチル−CoA塩は極め
て高価であるため、これをアセチルドナーとして用いる
ことは実用上不可能である。しかるに、本発明において
は、発酵によって生ずる水溶性有機酸類、アルコール類
またはアセチル−CoAは、微生物に対して毒性あるい
はフィードバック阻害を発現する濃度に達する前に逐次
エステル化反応に供されるため、該水溶性有機酸類、ア
ルコール類またはアセチル−CoAの毒性もしくはフィ
ードバック阻害発現の問題は生じず、安定的に発酵およ
びエステル化反応を継続せしめることができる。
【0014】また、本発明の第三の特徴は、エステル化
に供される水難溶性アルコール類あるいは有機酸類は、
界面バイオリアクターにおける毒性緩和現象によって、
その添加濃度を高く設定できる点にある。原料の添加濃
度は、生産性や収率の向上、さらには生成物の分離精製
上非常に重要な因子であり、製造コスト低減に大きく寄
与する。
に供される水難溶性アルコール類あるいは有機酸類は、
界面バイオリアクターにおける毒性緩和現象によって、
その添加濃度を高く設定できる点にある。原料の添加濃
度は、生産性や収率の向上、さらには生成物の分離精製
上非常に重要な因子であり、製造コスト低減に大きく寄
与する。
【0015】本発明の第四の特徴は、生成してくる水不
溶性エステル類が界面バイオリアクターの反応溶媒層に
自動的に移行するため、該エステル類の毒性回避や反応
平衡のエステル化へのシフト、反応速度の向上等を達成
することができる点にある。さらに、基質の水難溶性ア
ルコール類もしくは有機酸類が強毒性である場合、これ
らの基質を流加法によって逐次低濃度で添加することが
できる。生成物であるエステル類の反応溶媒中への高濃
度の蓄積は、第三の特徴とともに、製造コスト低減に大
きく寄与するものである。
溶性エステル類が界面バイオリアクターの反応溶媒層に
自動的に移行するため、該エステル類の毒性回避や反応
平衡のエステル化へのシフト、反応速度の向上等を達成
することができる点にある。さらに、基質の水難溶性ア
ルコール類もしくは有機酸類が強毒性である場合、これ
らの基質を流加法によって逐次低濃度で添加することが
できる。生成物であるエステル類の反応溶媒中への高濃
度の蓄積は、第三の特徴とともに、製造コスト低減に大
きく寄与するものである。
【0016】さらに本発明の第五の特徴は、発酵生産を
効率化させるために担体中の糖類濃度を引き上げる場
合、エステル化反応と並行して生ずる、増殖微生物によ
ってもたらされる副反応、例えば、微生物的酸化反応を
効果的に抑止することができる点にある。微生物酸化反
応を触媒するアルコール脱水素酵素は一般に高濃度の糖
類、例えばグルコースによって活性抑止されることが知
られている[U.Lutstrof and R.Megnet,Arch.Bioch
em.Biophys.,126,933(1968);B.S.Ya
dav,et al.,J.Ferment.Technol.,57,244
(1979)]。従って、本発明によって高濃度の糖類
で発酵能を向上させる場合には、同時に副反応である微
生物的酸化反応が抑止され、結果として生成するエステ
ルの収率および収量は大幅に向上する。
効率化させるために担体中の糖類濃度を引き上げる場
合、エステル化反応と並行して生ずる、増殖微生物によ
ってもたらされる副反応、例えば、微生物的酸化反応を
効果的に抑止することができる点にある。微生物酸化反
応を触媒するアルコール脱水素酵素は一般に高濃度の糖
類、例えばグルコースによって活性抑止されることが知
られている[U.Lutstrof and R.Megnet,Arch.Bioch
em.Biophys.,126,933(1968);B.S.Ya
dav,et al.,J.Ferment.Technol.,57,244
(1979)]。従って、本発明によって高濃度の糖類
で発酵能を向上させる場合には、同時に副反応である微
生物的酸化反応が抑止され、結果として生成するエステ
ルの収率および収量は大幅に向上する。
【0017】本発明の融合方法で使用し得る界面バイオ
リアクターは、それ自体既知のものであることができ、
使用される親水性固定化担体の素材、大きさおよび形
態、使用可能な反応溶媒等としては、例えば、特開平5
−91878号公報に記載されたものを使用することが
できる。
リアクターは、それ自体既知のものであることができ、
使用される親水性固定化担体の素材、大きさおよび形
態、使用可能な反応溶媒等としては、例えば、特開平5
−91878号公報に記載されたものを使用することが
できる。
【0018】親水性固定化担体としては、例えば、アル
ギン酸、カラギーナン、デンプンマトリクス、寒天、濾
過板のようなセルロース材などの天然高分子;ポリビニ
ルアルコール、ウレタンポリマー、ポリアクリルアミ
ド、ポリアクリル酸などの合成高分子;泡ガラス板のよ
うな無機多孔質材料の板状化物などを挙げることができ
る。担体を繰り返し再生使用する場合には、ゲル状合成
高分子や無機多孔質材料の板状化物などを用いるのが好
ましく、また、強度を付与するために、強固なろ過板や
泡ガラス板のような多孔質の板やステンレス等の板状ま
たは棒状物などを担体の骨格として用いるのが好まし
い。
ギン酸、カラギーナン、デンプンマトリクス、寒天、濾
過板のようなセルロース材などの天然高分子;ポリビニ
ルアルコール、ウレタンポリマー、ポリアクリルアミ
ド、ポリアクリル酸などの合成高分子;泡ガラス板のよ
うな無機多孔質材料の板状化物などを挙げることができ
る。担体を繰り返し再生使用する場合には、ゲル状合成
高分子や無機多孔質材料の板状化物などを用いるのが好
ましく、また、強度を付与するために、強固なろ過板や
泡ガラス板のような多孔質の板やステンレス等の板状ま
たは棒状物などを担体の骨格として用いるのが好まし
い。
【0019】また、反応溶媒である疎水性有機溶媒とし
ては、固定化された微生物菌体に対して実質的に毒性を
示さないものが好ましく、具体的には例えば、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の炭素数6
〜20のメタン系炭化水素に代表されるノルマルパラフ
ィン類または流動パラフィン類;イソオクタン等のイソ
パラフィン類;ペンチルベンゼン、ヘキシルベンゼン、
ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン等の脂肪族鎖の炭
素数が5〜15のノルマルアルキルベンゼン類;キュメ
ン等のイソアルキルベンゼン類;シクロヘキサン等の脂
環式炭化水素類;ジヘキシルエーテル等の脂肪族エーテ
ル類;ジブチルフタレート等の芳香族エステル類;デカ
ン酸エチル等の脂肪族エステル類;ポリジメチルシロキ
サン等のシリコンオイル等を例示することができる。
ては、固定化された微生物菌体に対して実質的に毒性を
示さないものが好ましく、具体的には例えば、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の炭素数6
〜20のメタン系炭化水素に代表されるノルマルパラフ
ィン類または流動パラフィン類;イソオクタン等のイソ
パラフィン類;ペンチルベンゼン、ヘキシルベンゼン、
ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン等の脂肪族鎖の炭
素数が5〜15のノルマルアルキルベンゼン類;キュメ
ン等のイソアルキルベンゼン類;シクロヘキサン等の脂
環式炭化水素類;ジヘキシルエーテル等の脂肪族エーテ
ル類;ジブチルフタレート等の芳香族エステル類;デカ
ン酸エチル等の脂肪族エステル類;ポリジメチルシロキ
サン等のシリコンオイル等を例示することができる。
【0020】しかして、界面バイオリアクターの具体例
としては、例えば、反応溶媒としてパラフィン類を用
い、固定化担体としてポリビニルアルコール被覆のろ過
板を使用して、これを反応溶媒中に横配列もしくは縦配
列に充填したものを挙げることができる。
としては、例えば、反応溶媒としてパラフィン類を用
い、固定化担体としてポリビニルアルコール被覆のろ過
板を使用して、これを反応溶媒中に横配列もしくは縦配
列に充填したものを挙げることができる。
【0021】一方、界面バイオリアクターの親水性固定
化担体の代わりに、液体培地を用いる水/有機溶媒二相
系反応法[M.D.Hocknull and M.D.Lilly,Appl.Mi
crobiol.Biotechnol.,33,148(1990)]に
よっても、本発明における発酵と微生物変換反応との融
合は可能であるが、その際には、有機溶媒やエステル化
に供する水難溶性アルコール類または有機酸類の毒性発
現が生じるため、界面バイオリアクターで得られる成績
を凌駕することはできない。
化担体の代わりに、液体培地を用いる水/有機溶媒二相
系反応法[M.D.Hocknull and M.D.Lilly,Appl.Mi
crobiol.Biotechnol.,33,148(1990)]に
よっても、本発明における発酵と微生物変換反応との融
合は可能であるが、その際には、有機溶媒やエステル化
に供する水難溶性アルコール類または有機酸類の毒性発
現が生じるため、界面バイオリアクターで得られる成績
を凌駕することはできない。
【0022】微生物増殖のための酸素の供給について
は、有機酸発酵またはアルコール発酵を微生物に行わせ
る場合には、むしろ酸素供給をせずに嫌気条件下で増
殖、反応させる方がよいが、一般に微生物は増殖の過程
で反応溶媒中の酸素を消費してしまうため、必ずしも反
応溶媒の脱気あるいは窒素置換等の操作を行う必要はな
い。一方、アセチル−CoAを生産させる場合には、好
気条件下で発酵生産させるほうが好ましいため、特に界
面バイオリアクターは有効である。
は、有機酸発酵またはアルコール発酵を微生物に行わせ
る場合には、むしろ酸素供給をせずに嫌気条件下で増
殖、反応させる方がよいが、一般に微生物は増殖の過程
で反応溶媒中の酸素を消費してしまうため、必ずしも反
応溶媒の脱気あるいは窒素置換等の操作を行う必要はな
い。一方、アセチル−CoAを生産させる場合には、好
気条件下で発酵生産させるほうが好ましいため、特に界
面バイオリアクターは有効である。
【0023】微生物の増殖に必要な栄養源としては、水
溶性の有機酸類、アルコール類またはアセチル−CoA
を発酵によって生じさせることが必要であるため、該水
溶性有機酸類、アルコール類またはアセチル−CoAの
発酵生産のための原料を含んでいることが必須であり、
その発酵原料としては、例えば、グルコース、デンプ
ン、ショ糖等の糖類が挙げられる。該栄養源は、これら
の水溶性有機酸、アルコール類またはアセチル−CoA
を発酵生産する基質以外に、例えば特開平5−9187
8号公報に記載されている一般的な培地成分を含むこと
ができる。
溶性の有機酸類、アルコール類またはアセチル−CoA
を発酵によって生じさせることが必要であるため、該水
溶性有機酸類、アルコール類またはアセチル−CoAの
発酵生産のための原料を含んでいることが必須であり、
その発酵原料としては、例えば、グルコース、デンプ
ン、ショ糖等の糖類が挙げられる。該栄養源は、これら
の水溶性有機酸、アルコール類またはアセチル−CoA
を発酵生産する基質以外に、例えば特開平5−9187
8号公報に記載されている一般的な培地成分を含むこと
ができる。
【0024】発酵原料としてのグルコース等の糖類の水
性媒体中における濃度は、高過ぎると、微生物の増殖阻
害や酵素活性、発酵能を阻害するので、一般には3〜5
重量%程度の濃度が適当であるが、糖類の濃度を約3重
量%以上に引き上げることによって、好ましくない副反
応、例えば反応溶媒中の水難溶性アルコール類や有機酸
類の酸化分解反応等が有意に抑制され、結果としてエス
テルの収率が著しく向上する場合も多くみられるので、
糖類の最適添加濃度は個々に実験的に決定することが望
ましい。
性媒体中における濃度は、高過ぎると、微生物の増殖阻
害や酵素活性、発酵能を阻害するので、一般には3〜5
重量%程度の濃度が適当であるが、糖類の濃度を約3重
量%以上に引き上げることによって、好ましくない副反
応、例えば反応溶媒中の水難溶性アルコール類や有機酸
類の酸化分解反応等が有意に抑制され、結果としてエス
テルの収率が著しく向上する場合も多くみられるので、
糖類の最適添加濃度は個々に実験的に決定することが望
ましい。
【0025】本発明において上記糖類の有機酸発酵によ
って生産される有機酸類としては、例えば、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸、アミノ酸等が挙げら
れ、また、上記糖類のアルコール発酵によって生産され
るアルコール類には、例えば、エタノール、プロパノー
ル、ブタノールのような低級アルコール類;ブタンジオ
ールのようなジオール類等が包含される。これらの発酵
生産物およびアセチル−CoAは、本発明に従い、以下
に述べる如き水難溶性アルコール類または有機酸類との
間での微生物的エステル化反応に供される。
って生産される有機酸類としては、例えば、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸、アミノ酸等が挙げら
れ、また、上記糖類のアルコール発酵によって生産され
るアルコール類には、例えば、エタノール、プロパノー
ル、ブタノールのような低級アルコール類;ブタンジオ
ールのようなジオール類等が包含される。これらの発酵
生産物およびアセチル−CoAは、本発明に従い、以下
に述べる如き水難溶性アルコール類または有機酸類との
間での微生物的エステル化反応に供される。
【0026】このエステル化反応に供される反応溶媒中
の水難溶性アルコール類または有機酸類としては、反応
溶媒である疎水性有機溶媒に溶解し得るものであれば特
に制約はなく、例えば、1−オクタノールや1−デカノ
ール等の中鎖アルカノール類;1−オクタデカノール等
の長鎖アルカノール類;シトロネロールやメントール、
ゲラニオールのようなテルペンアルコール類;フェニル
プロパノールやフェニルブタノールのような芳香族アル
コール類;オクタン酸やデカン酸等のアルカン酸類;2
−ヒドロキシ−4−フェニルブタン酸のような芳香族酸
類;シトロネル酸やゲラニル酸のようなテルペン酸類;
等を挙げることができる。これらの水難溶性アルコール
類または有機酸類の添加量は、一般に界面バイオリアク
ターにおける毒性緩和現象に基づき高い濃度に設定可能
であるが、微生物種や原料の極性によっても左右され
る。例えば、シトロネロールのようなテルペンアルコー
ルや1−オクタノールのような中鎖アルカノールは、特
に水溶性アルコール、有機酸、アセチル−CoA生産経
路にダメージを与えるため、界面バイオリアクターによ
ってもその毒性を大きく回避することはできず、微生物
種によってはわずか1〜5%の濃度しか添加できない場
合もあるが、そのような場合には、原料であるテルペル
アルコールやアルカノール類を逐次添加法(流加法)に
よって添加することにより解決することができる。
の水難溶性アルコール類または有機酸類としては、反応
溶媒である疎水性有機溶媒に溶解し得るものであれば特
に制約はなく、例えば、1−オクタノールや1−デカノ
ール等の中鎖アルカノール類;1−オクタデカノール等
の長鎖アルカノール類;シトロネロールやメントール、
ゲラニオールのようなテルペンアルコール類;フェニル
プロパノールやフェニルブタノールのような芳香族アル
コール類;オクタン酸やデカン酸等のアルカン酸類;2
−ヒドロキシ−4−フェニルブタン酸のような芳香族酸
類;シトロネル酸やゲラニル酸のようなテルペン酸類;
等を挙げることができる。これらの水難溶性アルコール
類または有機酸類の添加量は、一般に界面バイオリアク
ターにおける毒性緩和現象に基づき高い濃度に設定可能
であるが、微生物種や原料の極性によっても左右され
る。例えば、シトロネロールのようなテルペンアルコー
ルや1−オクタノールのような中鎖アルカノールは、特
に水溶性アルコール、有機酸、アセチル−CoA生産経
路にダメージを与えるため、界面バイオリアクターによ
ってもその毒性を大きく回避することはできず、微生物
種によってはわずか1〜5%の濃度しか添加できない場
合もあるが、そのような場合には、原料であるテルペル
アルコールやアルカノール類を逐次添加法(流加法)に
よって添加することにより解決することができる。
【0027】また、水溶性の比較的高い有機酸類または
アルコール類であっても、反応溶媒中への添加量を低く
抑え、段階的にこれを添加する流加法を適用すれば、本
発明のエステル化用の基質として用いることができる。
アルコール類であっても、反応溶媒中への添加量を低く
抑え、段階的にこれを添加する流加法を適用すれば、本
発明のエステル化用の基質として用いることができる。
【0028】本発明で使用可能な微生物種としては、糖
類の発酵による水溶性有機酸類、アルコール類またはア
セチル−CoAの生産能(有機酸発酵能、アルコール発
酵能またはアセチル−CoA発酵能)を有し、且つリパ
ーゼ、エステラーゼまたはアルコールアセチルトランス
フエラーゼを生産する能力を有するものであれば特に制
約はなく、例えば、プロピオニバクテリウム属(Propio
nibacterium)、アセトバクター属(Acetobacter)、ラ
クトバチルス属(Lactobacillus)、シュードモナス属
(Pseudomonas)、バチルス属(Bacillus)等の細菌
類;イサチェンキア属(Issatchenkia)、ハンゼヌラ属
(Hansenula)、カンジダ属(Candida)、サッカロマイ
セス属(Saccharomyces)、クルイベロマイセス属(Klu
yberomyces)、ピシア属(Pichia)等の酵母類;リゾープ
ス属(Rhizopus)、アスペルギルス属(Aspergillu
s)、ペニシリウム属(Penicillium)等糸状菌類が挙げ
られ、さらに具体的には、例えば、プロピオニバクテリ
ウム・シャーマニィ(P.shemanii)、アセトバクター
・アセティ(A.aceti)、ラクトバチルス・ブレビス
(L.brevis)、シュードモナス・フルオレッセンス
(P.fluorescens)、ハンゼヌラ・サチュールナス
(H.saturnus)、ハンゼヌラ・アノマラ(H.anomal
a)、カンジダ・ユーティリス(C.utilis)、イサチエ
ンキア・テリコア(I.terricola)、バチルス・サブチ
リス・サブスピーシス・ニガー(B.subtili subsp.ni
ger)、サッカロマイセス・セレビシエ(S.cerevisia
e)、ピシア・ヒーディ(P.heedii)、 ピシア・クエルキ
ューム(P. quercuum)、リゾープス・デレマー(R.dele
mar)、アスペルギルス・テレウス(A.terreus)、ペ
ニシリウム・ノタウム(P.notaum)等が挙げられる。
特に、立体選択性に優れるリパーゼやエステラーゼを生
産し得る微生物、例えば、シュードモナス属、カンジダ
属、アスペルギルス属等の微生物を使用した場合には、
反応溶媒中のアルコール類または有機酸類の種類によっ
ては、微生物的エステル化反応が立体選択的に進行する
ため、光学分割法としても活用することができる。
類の発酵による水溶性有機酸類、アルコール類またはア
セチル−CoAの生産能(有機酸発酵能、アルコール発
酵能またはアセチル−CoA発酵能)を有し、且つリパ
ーゼ、エステラーゼまたはアルコールアセチルトランス
フエラーゼを生産する能力を有するものであれば特に制
約はなく、例えば、プロピオニバクテリウム属(Propio
nibacterium)、アセトバクター属(Acetobacter)、ラ
クトバチルス属(Lactobacillus)、シュードモナス属
(Pseudomonas)、バチルス属(Bacillus)等の細菌
類;イサチェンキア属(Issatchenkia)、ハンゼヌラ属
(Hansenula)、カンジダ属(Candida)、サッカロマイ
セス属(Saccharomyces)、クルイベロマイセス属(Klu
yberomyces)、ピシア属(Pichia)等の酵母類;リゾープ
ス属(Rhizopus)、アスペルギルス属(Aspergillu
s)、ペニシリウム属(Penicillium)等糸状菌類が挙げ
られ、さらに具体的には、例えば、プロピオニバクテリ
ウム・シャーマニィ(P.shemanii)、アセトバクター
・アセティ(A.aceti)、ラクトバチルス・ブレビス
(L.brevis)、シュードモナス・フルオレッセンス
(P.fluorescens)、ハンゼヌラ・サチュールナス
(H.saturnus)、ハンゼヌラ・アノマラ(H.anomal
a)、カンジダ・ユーティリス(C.utilis)、イサチエ
ンキア・テリコア(I.terricola)、バチルス・サブチ
リス・サブスピーシス・ニガー(B.subtili subsp.ni
ger)、サッカロマイセス・セレビシエ(S.cerevisia
e)、ピシア・ヒーディ(P.heedii)、 ピシア・クエルキ
ューム(P. quercuum)、リゾープス・デレマー(R.dele
mar)、アスペルギルス・テレウス(A.terreus)、ペ
ニシリウム・ノタウム(P.notaum)等が挙げられる。
特に、立体選択性に優れるリパーゼやエステラーゼを生
産し得る微生物、例えば、シュードモナス属、カンジダ
属、アスペルギルス属等の微生物を使用した場合には、
反応溶媒中のアルコール類または有機酸類の種類によっ
ては、微生物的エステル化反応が立体選択的に進行する
ため、光学分割法としても活用することができる。
【0029】これら微生物の前述した親水性固定化担体
への付着は、例えば、親水性固定化担体に、前述した糖
類を必須成分とする栄養源を含む水性媒体(培地)を含
浸保持させ、それに所期の微生物を植菌し、その微生物
の至適条件下で0〜5日間程度培養することにより行な
うことができる。
への付着は、例えば、親水性固定化担体に、前述した糖
類を必須成分とする栄養源を含む水性媒体(培地)を含
浸保持させ、それに所期の微生物を植菌し、その微生物
の至適条件下で0〜5日間程度培養することにより行な
うことができる。
【0030】このようにして微生物を付着させた親水性
固定化担体に、必要により栄養源を含む水性媒体を補充
し、該微生物の性質に応じて水難溶性アルコール類また
は有機酸類を溶解した疎水性有機溶媒を加えて、エステ
ルが十分に蓄積するまで培養を続ける。その際の培養温
度は使用する微生物に好ましい温度、例えば約20〜約
40℃間の至適温度とすることができる。
固定化担体に、必要により栄養源を含む水性媒体を補充
し、該微生物の性質に応じて水難溶性アルコール類また
は有機酸類を溶解した疎水性有機溶媒を加えて、エステ
ルが十分に蓄積するまで培養を続ける。その際の培養温
度は使用する微生物に好ましい温度、例えば約20〜約
40℃間の至適温度とすることができる。
【0031】反応溶媒中に高濃度で蓄積したエステル類
の回収は、一般的な分離精製法に従い、例えば、蒸留に
よる反応溶媒の留去による濃縮を経る工程やシリカゲル
やアルミナ等の吸着剤に生成エステル類を吸着分離する
方法等により行なうことができる。
の回収は、一般的な分離精製法に従い、例えば、蒸留に
よる反応溶媒の留去による濃縮を経る工程やシリカゲル
やアルミナ等の吸着剤に生成エステル類を吸着分離する
方法等により行なうことができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0033】実施例1 直径21cmのガラス製シャーレに、ペプトン5g、酵
母エキス3g、麦芽エキス3g、硫酸マグネシウム1
g、グルコース40g、寒天20gおよび蒸留水1 lit
er よりなる寒天平板培地(pH6.0)を200ml
分注し、これにハンゼヌラ・サチュールナス(H.satur
nus)IFO 0809の1日培養液2mlをコンラー
ジ棒を用いて植菌した。1夜静置培養の後、2%シトロ
ネロール/デカン溶液70mlを重層して5日間発酵−
変換試験を行った。デカン層のガスクロマトグラフィー
による分析の結果、デカン層中への酢酸シトロネリルの
蓄積が反応開始後1日目より確認され、5日目にはその
蓄積濃度は18g/lに達した。
母エキス3g、麦芽エキス3g、硫酸マグネシウム1
g、グルコース40g、寒天20gおよび蒸留水1 lit
er よりなる寒天平板培地(pH6.0)を200ml
分注し、これにハンゼヌラ・サチュールナス(H.satur
nus)IFO 0809の1日培養液2mlをコンラー
ジ棒を用いて植菌した。1夜静置培養の後、2%シトロ
ネロール/デカン溶液70mlを重層して5日間発酵−
変換試験を行った。デカン層のガスクロマトグラフィー
による分析の結果、デカン層中への酢酸シトロネリルの
蓄積が反応開始後1日目より確認され、5日目にはその
蓄積濃度は18g/lに達した。
【0034】実施例2 10%ポリビニルアルコールのゲル(ENTV−50
0,関西ペイント製)で被覆したろ過板(6×13c
m)の内部空子bを実施例1と同様の組成の液体培地で
置換し、これにピシア・ヒーディ(Pichia heedii)IF
O 10019の1日培養液を上記板状担体13枚に植
菌して1日培養後、内容量3 liter のステンレスタン
クにステンレス製フレームを用いて縦配列にて充填し
た。
0,関西ペイント製)で被覆したろ過板(6×13c
m)の内部空子bを実施例1と同様の組成の液体培地で
置換し、これにピシア・ヒーディ(Pichia heedii)IF
O 10019の1日培養液を上記板状担体13枚に植
菌して1日培養後、内容量3 liter のステンレスタン
クにステンレス製フレームを用いて縦配列にて充填し
た。
【0035】これに3%ゲラニオール/ウンデカン溶液
1 liter を分注し、反応器底部に設置したマグネット
の撹拌下で5日間反応させた。ウンデカン層のガスクロ
マトグラフィーによる分析の結果、ウンデカン層中への
酢酸ゲラニルの著量蓄積が反応開始後1日目より確認さ
れ、5日目にはその蓄積濃度は26g/lに達した。 実施例3 直径21cmのガラス製シャーレに実施例1と同様の組
成の寒天平板培地を分注した。これにイサチェンキア・
テリコラ(Issatchnkia terricola)IFO0933の
1日培養液2mlをコンラージ棒を用いて植菌した。1
夜静置培養の後、2%デカン酸/デカン溶液70mlを
重層して5日間発酵−変換試験を行った。デカン層のガ
スクロマトグラフィーによる分析の結果、デカン層中へ
のデカン酸エチルの蓄積が反応開始後1日目より確認さ
れ、5日目にはその蓄積濃度は9g/lに達した。
1 liter を分注し、反応器底部に設置したマグネット
の撹拌下で5日間反応させた。ウンデカン層のガスクロ
マトグラフィーによる分析の結果、ウンデカン層中への
酢酸ゲラニルの著量蓄積が反応開始後1日目より確認さ
れ、5日目にはその蓄積濃度は26g/lに達した。 実施例3 直径21cmのガラス製シャーレに実施例1と同様の組
成の寒天平板培地を分注した。これにイサチェンキア・
テリコラ(Issatchnkia terricola)IFO0933の
1日培養液2mlをコンラージ棒を用いて植菌した。1
夜静置培養の後、2%デカン酸/デカン溶液70mlを
重層して5日間発酵−変換試験を行った。デカン層のガ
スクロマトグラフィーによる分析の結果、デカン層中へ
のデカン酸エチルの蓄積が反応開始後1日目より確認さ
れ、5日目にはその蓄積濃度は9g/lに達した。
【0036】実施例4 直径21cmのガラス製シャーレに実施例1と同様の組
成の寒天平板培地を分注した。これにバチルス・サブチ
リス・サブスピーシス・ニガー(Bacillus subtilis su
bsp.niger)IFO 3108の1日培養液2mlをコ
ンラージ棒を用いて植菌した。1夜静置培養の後、1%
メントール・デカン溶液70mlを重層して5日間発酵
−変換試験を行った。デカン層のガスクロマトグラフィ
ーによる分析の結果、デカン層中へのデカン酸エチルの
蓄積が反応開始1日目から確認され、5日目にはその蓄
積濃度は6g/lに達した。
成の寒天平板培地を分注した。これにバチルス・サブチ
リス・サブスピーシス・ニガー(Bacillus subtilis su
bsp.niger)IFO 3108の1日培養液2mlをコ
ンラージ棒を用いて植菌した。1夜静置培養の後、1%
メントール・デカン溶液70mlを重層して5日間発酵
−変換試験を行った。デカン層のガスクロマトグラフィ
ーによる分析の結果、デカン層中へのデカン酸エチルの
蓄積が反応開始1日目から確認され、5日目にはその蓄
積濃度は6g/lに達した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:72) (C12P 7/62 C12R 1:645) (C12P 7/62 C12R 1:125)
Claims (6)
- 【請求項1】 親水性固定化担体に有機酸発酵能、アル
コール発酵能またはアセチルコエンザイムA発酵能を有
し且つリパーゼ、エステラーゼまたはアルコールアセチ
ルトランスフエラーゼを生産する能力を有する微生物を
付着させ、該微生物の栄養源であり且つ発酵原料である
糖類を含む水性媒体の存在下に、水に不溶性もしくは難
溶性のアルコールまたは有機酸を含有する疎水性有機溶
媒を該担体上の該微生物と接触させて接触界面で該微生
物を増殖させ、該増殖微生物の作用によって、該発酵原
料から水溶性有機酸、アルコールまたはアセチルコエン
ザイムAを発酵生産させながら、該発酵生産物と上記疎
水性有機溶媒中の水に不溶性もしくは難溶性のアルコー
ルまたは有機酸との間で微生物的エステル化反応を行わ
せることを特徴とする発酵と微生物変換との融合方法。 - 【請求項2】 微生物がプロピオニバクテリウム・シャ
ーマニィ(Propionibacterium shermanii)、アセトバ
クター・アセティ(Acetobactor aceti)、ラクトバチ
ルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、シュードモ
ナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescen
s)、ハンゼヌラ・サチュールナス(Hansenula saturnu
s)、ハンゼヌラ・アノマラ(Hansenula anomala)、ピ
シア・ヒーディ(Pichiaheedii)、ピシア・クエルキュー
ム(Pichiaquercuum)、カンジダ・ユーティリス(Candid
a utilis)、イサチエンキア・テリコア(Issatchenkia
terricola)、バチルス・サブチリス・サブスピーシス
・ニガー(Bacillus subtilissubsp.niger)サッカロ
マイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、
リゾープス・デレマー(Rhizopus delemar)、アスペル
ギルス・テレウス(Aspergillus terreus)及びペニシ
リウム・ノタウム(Penicillium notaum)から選ばれる
請求項1記載の融合方法。 - 【請求項3】 発酵原料である糖類がグルコース、デン
プン及びショ糖から選ばれる請求項1記載の融合方法。 - 【請求項4】 疎水性有機溶媒がノルマルパラフィン、
流動パラフィン、イソパラフィン、ノルマルアルキルベ
ンゼン、イソアルキルベンゼン脂環式炭化水素、及び脂
肪族エーテル類から選ばれる請求項1記載の融合方法。 - 【請求項5】 水に不溶性もしくは難溶性のアルコール
が中鎖もしくは長鎖アルカノール類、テルペンアルコー
ル類及び芳香族アルコール類から選ばれる請求項1記載
の融合方法。 - 【請求項6】 水に不溶性もしくは難溶性の有機酸がア
ルカン酸類、芳香族酸類及びテルペン酸類から選ばれる
請求項1記載の融合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8194109A JP3038151B2 (ja) | 1995-09-07 | 1996-07-05 | 発酵と微生物変換反応との融合方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-254534 | 1995-09-07 | ||
JP25453495 | 1995-09-07 | ||
JP8194109A JP3038151B2 (ja) | 1995-09-07 | 1996-07-05 | 発酵と微生物変換反応との融合方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09131198A true JPH09131198A (ja) | 1997-05-20 |
JP3038151B2 JP3038151B2 (ja) | 2000-05-08 |
Family
ID=26508310
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8194109A Expired - Fee Related JP3038151B2 (ja) | 1995-09-07 | 1996-07-05 | 発酵と微生物変換反応との融合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3038151B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013503647A (ja) * | 2009-09-09 | 2013-02-04 | ブラスケム ソシエダッド アノニマ | n−プロパノールを製造するための微生物および方法 |
JP2022549470A (ja) * | 2019-09-27 | 2022-11-25 | 常熟理工学院 | リパーゼ産生株およびその適用 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103202393A (zh) * | 2012-01-11 | 2013-07-17 | 四川省环亚生物科技有限公司 | 一种兽用高效复合微生态预混剂的制备方法 |
-
1996
- 1996-07-05 JP JP8194109A patent/JP3038151B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013503647A (ja) * | 2009-09-09 | 2013-02-04 | ブラスケム ソシエダッド アノニマ | n−プロパノールを製造するための微生物および方法 |
JP2022549470A (ja) * | 2019-09-27 | 2022-11-25 | 常熟理工学院 | リパーゼ産生株およびその適用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3038151B2 (ja) | 2000-05-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Feron et al. | Prospects for the microbial production of food flavours | |
Patel et al. | Enantioselective microbial reduction of 3, 5-dioxo-6-(benzyloxy) hexanoic acid, ethyl ester | |
EA022710B1 (ru) | Штамм бактерии clostridium autoethanogenum, способный продуцировать этанол и ацетат путем анаэробной ферментации субстрата, содержащего co | |
EP0258993B1 (en) | Production of lactones | |
US5780275A (en) | Coupled process of saccharide fermentation and microbial esterification | |
Yoshikawa et al. | Production of mannitol from raw glycerol by Candida azyma | |
Buisson et al. | A study of the stereocontrolled reduction of aliphatic β-ketoesters by Geotrichum candidum | |
Molinari et al. | Production of geranyl acetate and other acetates by direct esterification catalyzed by mycelium of Rhizopus delemar in organic solvent | |
Lou et al. | Efficient synthesis of optically active organosilyl alcohol via asymmetric reduction of acyl silane with immobilized yeast | |
Oda et al. | Coupling of metabolism and bioconversion: microbial esterification of citronellol with acetyl coenzyme A produced via metabolism of glucose in an interface bioreactor | |
CN104254609A (zh) | 正丁醛的微生物生产 | |
CN101671639B (zh) | 一种苏云金芽孢杆菌及其l-薄荷醇的制备方法 | |
JP3038151B2 (ja) | 発酵と微生物変換反応との融合方法 | |
US20100261251A1 (en) | Microbial kinetic resolution of ethyl-3,4-epoxybutyrate | |
Oda et al. | Double coupling of acetyl coenzyme A production and microbial esterification with alcohol acetyltransferase in an interface bioreactor | |
RU2405830C2 (ru) | Способ получения органических растворителей | |
Gong et al. | Biocatalytic preparation of enantiopure (R)-ketoprofen from its racemic ester by a new yeast isolate Citeromyces matriensis CGMCC 0573 | |
Oda et al. | Optical resolution of racemic citronellol via a double coupling system in an interface bioreactor | |
JPH09131197A (ja) | 発酵と微生物変換反応との融合方法 | |
KR100323266B1 (ko) | 발효와미생물변환반응과의융합방법 | |
EP0745681B1 (en) | Optical resolution of chlorohydrin with microorganism | |
US6027926A (en) | Method of producing optically active 1,2,4-butanetriol | |
Dawson et al. | Reduction of bicyclo [3.2. 0] hept-2-en-6-one with dehydrogenase enzymes in whole cell preparations of some fungi and yeasts | |
US5219742A (en) | Method of producing gamma-hydroxydecanoic acid or its lactone by feeding a ricinoleic acid source to sp. odorus or rh. glutinis | |
Okazaki et al. | Enzymatic resolution of (±)-epoxy-β-cyclogeraniol, a synthetic precursor for abscisic acid analogs |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090225 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |