[go: up one dir, main page]

JPH0912698A - ポリエステル成形物の製造方法およびポリエステル成形物 - Google Patents

ポリエステル成形物の製造方法およびポリエステル成形物

Info

Publication number
JPH0912698A
JPH0912698A JP7159536A JP15953695A JPH0912698A JP H0912698 A JPH0912698 A JP H0912698A JP 7159536 A JP7159536 A JP 7159536A JP 15953695 A JP15953695 A JP 15953695A JP H0912698 A JPH0912698 A JP H0912698A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
molded product
producing
phase polycondensation
liquid phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7159536A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoji Hiraoka
岡 章 二 平
Koji Takahashi
橋 浩 二 高
Isao Hata
功 夫 秦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Petrochemical Industries Ltd filed Critical Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority to JP7159536A priority Critical patent/JPH0912698A/ja
Publication of JPH0912698A publication Critical patent/JPH0912698A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ホルム含有率、アセトアルデヒド含有率が極め
て低いポリエステル成形物およびその製造方法を提供す
る。 【構成】(A)テレフタル酸を含むジカルボン酸と、エ
チレングリコールを含むジヒドロキシ化合物とを、重縮
合触媒の存在下に液相重縮合させる工程と、(C)固相
重縮合工程と、(D)水処理工程とを含んで製造された
ポリエステルを、(E)射出成形または押出成形する成
形工程と、さらに上記液相重縮合工程(A)または成形
工程(E)においてフェノール系化合物を添加する工程
(F)とからなり、かつ得られる成形物中に含まれるホ
ルムアルデヒド量が2ppm 以下であり、アセトアルデヒ
ド量が15ppm 以下であるポリエステル成形物の製造方
法。ポリエステル成形物は、ボトル形成用プリフォー
ム、ボトル、シートであることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ポリエステル成形物の製
造方法およびポリエステル成形物に関し、さらに詳しく
は、アルデヒド類含有率が極めて低いポリエステル成形
物が得られるポリエステル成形物およびこのようなポリ
エステル成形物の製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリエステルは、種々の成形方法
によりボトル、シート、繊維などに成形されて、広範な
用途に用いられている。
【0003】特にポリエチレンテレフタレートなどの飽
和ポリエステルからなるボトルは、透明性、機械的強
度、耐熱性およびガスバリヤ性に優れており、ジュー
ス、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充填用容器(PET
ボトル)として広く用いられている。
【0004】このようなポリエステルは、通常、ジカル
ボン酸またはそのエステル誘導体と、ジヒドロキシ化合
物またはそのエステル誘導体とを重縮合触媒の存在下に
液相重縮合させ、次いで固相重縮合させることにより製
造されている。そして上記のようなPETボトルなどの
飲料充填用容器は、通常まずポリエステルを射出成形し
てプリフォームを製造し、次いでこのプリフォームをブ
ロー成形するなどして二軸延伸し、ボトル状に成形する
ことにより製造されている。
【0005】ところでこのように製造されたポリエステ
ルボトルは、通常ホルムアルデヒドおよびアセトアルデ
ヒドを含んでいるが、このアルデヒド類は、成形前のポ
リエステル中に含まれているとともに、成形時にも生成
することが知られている。
【0006】そしてこのホルムアルデヒドおよびアセト
アルデヒドは、ボトルに充填された内容物の味、香りな
どの品質を低下させるため、特に飲料充填用に用いられ
るボトルは、ホルムアルデヒド含有率およびアセトアル
デヒド含有率はできる限り低いことが望ましい。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであって、ホルムアルデヒド含有率、ア
セトアルデヒド含有率が極めて低いポリエステル成形物
およびこのようなポリエステル成形物の製造方法を提供
することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係るポリエステル成形物の製造
方法は、(A)テレフタル酸を含むジカルボン酸または
そのエステル誘導体と、エチレングリコールを含むジヒ
ドロキシ化合物またはそのエステル誘導体とを、重縮合
触媒の存在下に液相重縮合させてポリエステル(a) を製
造する液相重縮合工程と、(C)前記ポリエステル(a)
を不活性ガス雰囲気で融点以下の温度に加熱して、o-ク
ロロフェノール中で測定される極限粘度(IV)0.5〜
1.4dl/gのポリエステル(c) を製造する固相重縮合
工程と、(D)ポリエステル(c) を50〜150℃の水
と3分〜48時間接触させてポリエステル(d) を製造す
る水処理工程と、(E)得られるポリエステル(d) を射
出成形または押出成形する成形工程と、(F)上記液相
重縮合工程(A)または成形工程(E)において、フェ
ノール系化合物を添加する工程とからなり、かつ得られ
る成形物中に含まれるホルムアルデヒド量が2ppm 以下
であり、アセトアルデヒド量が15ppm 以下であること
を特徴としている。
【0009】本発明では、固相重縮合工程(C)に先立
って、(B)前記ポリエステル(a) を、昇温結晶化温度
(Tc1)以上で、かつ融点未満の温度に1〜30分間保
って予備結晶化させてポリエステル(b) を得る予備結晶
化工程を加えてもよい。
【0010】また上記のフェノール系化合物を添加する
工程(F)は、液相重縮合工程(A)において実施され
ることが好ましい。本発明で用いられるジカルボン酸は
イソフタル酸および/またはナフタレンジカルボン酸を
0〜10モル%の量で含有し、ジヒドロキシ化合物はジ
エチレングリコールおよび/またはシクロヘキサンジメ
タノールを0〜10モル%の量で含有していてもよい。
【0011】本発明に係るポリエステル成形物は、o-ク
ロロフェノール中で測定される極限粘度(IV)が0.5
〜1.4dl/gであり、フェノール系化合物を0.001
〜5重量%の量で含有するポリエステルの射出成形物ま
たは押出成形物であって、ホルムアルデヒド含有率が2
ppm 以下、アセトアルデヒド含有率が15ppm 以下であ
ることを特徴としている。このようなポリエステル成形
物は、上記のようなポリエステル成形物の製造方法によ
り製造することができる。
【0012】本発明に係るポリエステル成形物は、ボト
ル形成用プリフォーム、ボトル、シートであることが好
ましい。
【0013】
【発明の具体的説明】以下、まず本発明に係るポリエス
テル成形物の製造方法について、図1に示すプロセスフ
ローを参照しながら具体的に説明する。
【0014】図1にも示すように、本発明に係るポリエ
ステル成形物の製造方法は、本発明に係るポリエステル
成形物の製造方法は、(A)ジカルボン酸とジヒドロキ
シ化合物とを、液相重縮合させてポリエステル(a) を製
造する液相重縮合工程と、(C)前記ポリエステル(a)
を固相重縮合させてポリエステル(c) を製造する固相重
縮合工程と、(D)ポリエステル(c) を水処理してポリ
エステル(d) を製造する水処理工程と、(E)得られる
ポリエステル(d) を射出成形または押出成形してポリエ
ステル成形物を製造する工程と、(F)上記液相重縮合
工程(A)または成形工程(E)において、ポリエステ
ルにフェノール系化合物を添加する工程とからなり、か
つ得られる成形物中に含まれるホルムアルデヒド量が2
ppm 以下であり、アセトアルデヒド量が15ppm 以下で
あることを特徴としている。
【0015】本発明では、上記の固相重縮合工程(C)
に先立って、(B)前記ポリエステル(a) を予備結晶化
させてポリエステル(b) を製造する予備結晶化工程を加
えてもよい。
【0016】以下、各工程について詳細に説明する。(A)液相重縮合工程 本発明では、まず液相重縮合工程において、テレフタル
酸を含むジカルボン酸またはそのエステル誘導体(たと
えば低級アルキルエステル、フェニルエステルなど)
と、エチレングリコールを含むジヒドロキシ化合物また
はそのエステル誘導体(たとえばモノカルボン酸エステ
ルエチレンオキサイドなど)とのエステル化物を、重縮
合触媒の存在下に加熱溶融して液相重縮合させてポリエ
ステル(a)を製造する。
【0017】本発明では、テレフタル酸とエチレングリ
コールとを用いてホモポリエチレンテレフタレートを製
造してもよく、またテレフタル酸とテレフタル酸以外の
ジカルボン酸を含有するジカルボン酸および/またはエ
チレングリコールとエチレングリコール以外のジヒドロ
キシ化合物を含有するジヒドロキシ化合物を用いて共重
合ポリエステルを製造することもできる。
【0018】共重合ポリエステルを製造する際に用いら
れるテレフタル酸以外のジカルボン酸としては、具体的
に、フタル酸(オルトフタル酸)、イソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェ
ノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、
アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカル
ボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカ
ルボン酸などの脂環族ジカルボン酸およびこれらのエス
テル誘導体などが挙げられる。これらを2種以上組合わ
せて用いてもよい。これらの中ではイソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸が好ましく用いられる。
【0019】またエチレングリコール以外のジヒドロキ
シ化合物としては、具体的には、ジエチレングリコー
ル、トリメチレングリコール(プロピレングリコー
ル)、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリ
コール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリ
コール、ポリエチレングリコールなどの脂肪族グリコー
ル、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコー
ル、ビスフェノール類、ハイドロキノン、2,2-ビス(4-
β-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどの芳香
族ジヒドロキシ化合物類およびこれらのエステル誘導体
などが挙げられる。これらを2種以上組合わせて用いて
もよい。これらの中ではジエチレングリコール、シクロ
ヘキサンジメタノールが好ましく用いられる。
【0020】本発明で用いられるジカルボン酸は、テレ
フタル酸以外のジカルボン酸を0〜10モル%好ましく
は0〜5モル%より好ましくは0〜3モル%の量で含有
していてもよく、またジヒドロキシ化合物は、エチレン
グリコール以外のジヒドロキシ化合物を0〜10モル%
好ましくは0〜5モル%、より好ましくは0〜3モル%
の量で含有していてもよい。
【0021】また本発明では、トリメシン酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸、トリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン、トリメチロールメタン、ペンタエ
リスリトールなどの多官能化合物から導かれる単位を少
量たとえば2モル%以下の量で含有するポリエステルを
製造することもできる。
【0022】液相重縮合工程(A)においては、上記の
ようなジカルボン酸またはそのエステル誘導体(以下ジ
カルボン酸)と、ジヒドロキシ化合物またはそのエステ
ル誘導体(以下ジヒドロキシ化合物)とを重縮合させて
ポリエステル(a) を製造するが、この液相重縮合工程で
は、通常まずジカルボン酸とジヒドロキシ化合物とをエ
ステル化反応させ、次いで液相重縮合反応させる。
【0023】具体的には、まずジカルボン酸とジヒドロ
キシ化合物とを含むスラリーを調製する。このスラリー
には、ジカルボン酸1モルに対して1.02〜2.0モ
ル、好ましくは1.03〜1.5モルのジヒドロキシ化合
物が含まれる。このスラリーは、通常エステル化反応に
連続的に供給される。
【0024】エステル化反応は、少なくとも2個のエス
テル化反応器を直列に連結した装置を用いてジヒドロキ
シ化合物が還流する条件下で、反応によって生成した水
あるいはアルコールを精留塔で系外に除去しながら実施
される。
【0025】エステル化反応は、通常多段で実施され、
第1段目のエステル化反応は、通常、反応温度240〜
270℃、好ましくは245〜265℃、圧力0.2〜
3kg/cm2G 、好ましくは0.5〜2kg/cm2G の条件下
で行われ、また最終段目のエステル化反応は、通常、反
応温度250〜280℃、好ましくは255〜275
℃、圧力0〜1.5kg/cm2G 、好ましくは0〜1.3kg
/cm2G の条件下で行われる。
【0026】エステル化反応を3段階以上で実施する場
合には、中間の各段は、上記第1段目の反応条件と最終
段目の反応条件の間の条件下で行う。たとえばエステル
化反応を3段階で実施する場合には、第2段目のエステ
ル化反応は、通常、反応温度245〜275℃、好まし
くは250〜270℃、圧力0〜2kg/cm2G 、好まし
くは0.2〜1.5kg/cm2G の条件下で行われる。
【0027】これらの各段におけるエステル化反応率は
特に制限されないが、各段におけるエステル化反応率の
上昇の度合が滑らかに分配されることが好ましく、さら
に最終段目のエステル化反応生成物においては通常90
%以上、好ましくは93%以上に達することが望まし
い。
【0028】上記のようなエステル化反応によりジカル
ボン酸とジヒドロキシ化合物とのエステル化物(低次縮
合物)が得られ、通常数平均分子量が500〜5000
程度の低次縮合物が得られる。
【0029】上記のようなエステル化反応は、ジカルボ
ン酸およびジヒドロキシ化合物以外の添加物を添加せず
に実施することも可能であり、また後述する重縮合触媒
を添加して実施することも可能であるが、通常下記のよ
うな塩基性化合物を少量添加して行なうことが望まし
い。
【0030】塩基性化合物としては、たとえばトリエチ
ルアミン、トリn-ブチルアミン、ベンジルジメチルアミ
ンなどの第3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウ
ム、水酸化テトラn-ブチルアンモニウム、水酸化トリメ
チルベンジルアンモニウムなどの水酸化第4級アンモニ
ウムおよび炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0031】これらの塩基性化合物は、エステル化反応
器のすべてに添加してもよいし、第1段目あるいは第2
段目以降の特定の反応器に添加してもよい。このように
して得られたエステル化物は、液相重縮合反応器に連続
的に供給される。
【0032】液相重縮合反応器では、重縮合触媒の存在
下に減圧下で、得られるポリエステルの融点以上の温度
に加熱し、この際副生するグリコールを系外に留去させ
ながら重縮合させる。
【0033】重縮合反応は、1段で行ってもよく、複数
段に分けて行ってもよい。たとえば重縮合反応が2段で
実施される場合には、第1段目の重縮合反応、250〜
290℃好ましくは260〜280℃の温度で、また5
00〜20torr好ましくは200〜30torrの圧力下で
行なわれる。第2段(最終段)目の重縮合反応は、26
5〜300℃好ましくは270〜295℃の温度で、1
0〜0.1torr好ましくは5〜0.5torrの圧力下で行な
われる。
【0034】重縮合反応工程が3段以上で実施される場
合には、中間の各段の重縮合反応は、上記1段目の反応
条件と最終段目の反応条件との間の条件下で行われる。
たとえば重縮合反応工程が3段で実施される場合には、
第2段目の重縮合反応は、通常、反応温度260〜29
5℃好ましくは270〜285℃で圧力50〜2torr、
好ましくは40〜5torrの条件下で行われる。
【0035】複数段で行なわれる液相重縮合反応の各段
において到達される極限粘度は、最終段目を除いて特に
制限されないが、各段における極限粘度の上昇の度合が
滑らかに分配されることが好ましい。
【0036】上記のような液相重縮合反応は、重縮合触
媒の存在下に行われる。重縮合触媒としては、二酸化ゲ
ルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニ
ウムテトラn-ブトキシドなどのゲルマニウム化合物、三
酸化アンチモンなどのアンチモン触媒を用いることがで
きる。
【0037】これらの重縮合触媒のうち二酸化ゲルマニ
ウム化合物を用いると、色相および透明性に優れたポリ
エステルが得られるので好ましい。上記のような重縮合
触媒は、ジカルボン酸とジヒドロキシ化合物との合計重
量に対して、重縮合触媒中の金属重量換算で、0.00
05〜0.2重量%、好ましくは0.001〜0.05重
量%の割合で用いられることが望ましい。
【0038】また重縮合反応は、リン系安定剤の共存下
に実施されることが好ましい。リン系安定剤しては、た
とえばトリメチルフォスフェート、トリエチルフォスフ
ェート、トリn-ブチルフォスフェート、トリオクチルフ
ォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリクレ
ジルフォスフェートなどのリン酸エステル類、メチルア
シッドフォスフェート、エチルアシッドフォスフェー
ト、イソプロピルアシッドフォスフェート、ブチルアシ
ッドフォスフェート、ジブチルフォスフェート、モノブ
チルフォスフェート、ジオクチルフォスフェートなどの
酸性リン酸エステルおよびリン酸、ポリリン酸などのリ
ン酸類、トリメチルフォスファイト、トリエチルフォス
ファイト、トリフェニルフォスファイト、トリラウリル
フォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリイソ
デシルフォスファイト、トリイソオクチルフォスファイ
ト、トリオクチルフォスファイト、トリオクタデシルフ
ォスファイト、トリステアリルフォスファイト、トリス
ドデシルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォス
ファイト、トリス-di-ノニルフェニルフォスファイト、
トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスファイ
ト、トリスノニルフェニルフォスファイト、ビス(2,6-
ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリト
ール-di-フォスファイトなどの亜リン酸エステル類、ジ
ラウリルフォスファイト、ジメチルフォスファイト、ジ
エチルフォスファイト、ジフェニルフォスファイトなど
の亜リン酸ジエステル類および亜リン酸などのリン化合
物を挙げることができる。
【0039】これらの中でもトリメチルフォスフェー
ト、トリエチルフォスフェート、メチルアシッドフォス
フェート、エチルアシッドフォスフェート、イソプロピ
ルアシッドフォスフェート、リン酸が好ましい。
【0040】これらのリン系化合物は単独で用いてもよ
く、また複数の安定剤を併用してもよい。上記のような
リン系化合物は、ジカルボン酸とジヒドロキシ化合物と
の合計重量に対して、安定剤中のリン原子重量換算で、
0.001〜0.1重量%、好ましくは0.002〜0.0
2重量%の割合で用いられることが望ましい。
【0041】これらの重縮合触媒およびリン系化合物
は、重縮合反応の第1段目の反応器に供給してもよく、
また前述のようにエステル化反応に供給してもよい。上
記のような液相重縮合工程(A)では、最終的に25℃
のo-クロロフェノール中で測定される極限粘度(IV)
が、0.35〜0.80dl/g好ましくは0.45〜0.7
5dl/gであるポリエステル(a) を製造する。
【0042】このポリエステル(a) は、通常溶融押出成
形法によって粒状(チップ)に成形される。このような
粒状ポリエチレンテレフタレートは、通常2.0〜5.0
mm好ましくは2.2〜4.0mmの平均粒径を有することが
望ましい。
【0043】なお本明細書において、極限粘度(IV)値
は、ポリエステル1.2gをo-クロロフェノール15m
l中に加熱溶解した後、冷却して25℃で測定された溶
液粘度から算出した値である。
【0044】本発明では、上記のような重縮合工程
(A)は、バッチ式、半連続式、連続方式のいずれでも
行うことができる。(B)予備結晶化工程 本発明では、このようにして得られたポリエステル(a)
は、次いで固相重縮合されるに先立って予備結晶化され
てもよい。
【0045】予備結晶化工程は、ポリエステル(a) のチ
ップを、乾燥状態で昇温結晶化温度(Tc1)〜融点未満
の温度、好ましくはTc1より10℃高くかつ融点より4
0℃以上低い温度下に、1〜30分間好ましくは5〜2
0分間保つことによって行われる。たとえばポリエステ
ル(a) がポリエチレンテレフタレートである場合には、
具体的に、160〜200℃好ましくは165〜190
℃の温度に1〜30分間加熱する。予備結晶化工程は、
酸素濃度20ppm 以下の不活性雰囲気下で行われること
が好ましい。
【0046】このように予備結晶化されたポリエステル
(b) は、結晶化度が20〜50%であることが望まし
い。予備結晶化工程では、いわゆるポリエステルの固相
重縮合反応は進行せず、予備結晶化されたポリエステル
(b) の極限粘度は、液相重縮合工程(A)で得られたポ
リエステル(a) の極限粘度とほぼ同じであり、予備結晶
化されたポリエステル(b) の極限粘度と、予備結晶化前
のポリエステル(a) の極限粘度との差は、通常0.06d
l/g以下である。
【0047】(C)固相重縮合工程 本発明では、上記のようにして得られたポリエステル
(a) またはポリエステル(b) をポリエステル(a) (また
は(b) )の融点以下の温度に加熱して固相重縮合させ
る。
【0048】固相重縮合工程は、少なくとも1段からな
り、通常190〜230℃好ましくは195〜225℃
の温度で、1kg/cm2G 〜10torr好ましくは常圧ない
し100torrの圧力下、窒素ガス、アルゴンガス、炭酸
ガスなどの不活性ガス雰囲気下で実施される。不活性ガ
スの中では窒素ガスが好ましい。また酸素濃度は20pp
m 以下であることが望ましい。固相重縮合は、通常8〜
40時間好ましくは15〜30時間で行なわれる。
【0049】このようして得られたポリエステル(c) の
極限粘度(IV)は、0.5〜1.4dl/g好ましくは0.
6〜1.3dl/gであることが望ましい。またこのポリ
エステル(c) の密度は、1.37g/cm3 以上好ましく
は1.38g/cm3 以上さらに好ましくは1.39g/cm
3 以上であることが望ましい。
【0050】(D)水処理工程 本発明では、上記のように固相重縮合されたポリエステ
ルを(c) 水処理している。
【0051】水処理は、ポリエステルチップを、水、水
蒸気、水蒸気含有不活性ガス、水蒸気含有空気などと接
触させることにより行なわれる。ポリエステルチップの
水処理は、具体的に、ポリエステルチップを50〜15
0℃の水に3分〜48時間好ましくは5分〜20時間浸
漬することにより行なわれる。特にポリエステルチップ
を70〜110℃の水に5分〜5時間浸漬することが好
ましい。
【0052】以下にポリエステルチップの水処理を工業
的に行なう方法を例示するが、これに限定されるもので
はない。また処理方法は連続方式、バッチ方式のいずれ
であっても差し支えない。
【0053】ポリエステルチップをバッチ方式で水処理
する場合には、ポリエステルチップをサイロタイプの処
理装置へ入れ、バッチ方式で水を供給し、水と接触させ
る。あるいは回転筒型の接触処理装置にポリエステルチ
ップを入れ、回転させながら水と接触させることにより
水処理をより効率的に行なうこともできる。
【0054】ポリエステルチップを連続方式で水処理す
る場合には、塔型の処理装置に上部より連続でポリエス
テルチップを受け入れ、並流あるいは向流で水を連続供
給して、連続的に接触処理を行なうことができる。
【0055】このように水処理されたポリエステルチッ
プは、振動篩機、シモンカーターなどの水切り装置で水
切りし、次いで乾燥工程に供される。なお水処理を水蒸
気または水蒸気含有ガスにより行なった場合には、その
まま乾燥工程へ供することができる。
【0056】ポリエステルチップの乾燥工程は、公知の
乾燥方法によって行なうことができる。ポリエステルを
連続的に乾燥する際には、通常上部よりポリエステルチ
ップを供給し、下部より乾燥ガスを通気するホッパー型
の通気乾燥機が使用される。また少量の乾燥ガスを通気
しながら、回転ディスクまたは外部ジャケットに加熱蒸
気、加熱媒体などを供給してポリエステルチップを間接
的に加熱乾燥する回転ディスク型加熱方式の連続乾燥機
を用いると、少ない乾燥ガス量で効率的に乾燥すること
ができる。
【0057】ポリエステルをバッチ方式で乾燥する際に
は、通常ダブルコーン型回転乾燥機を用いて、真空下ま
たは真空下に少量の乾燥ガスを通気しながら乾燥するこ
とができる。あるいは大気圧下で乾燥ガスを通気しなが
ら乾燥してもよい。
【0058】乾燥ガスとしては、大気空気でも差し支え
ないが、ポリエステルの加水分解による分子量低下を防
止する点からは乾燥窒素、除湿空気が好ましい。このよ
うして得られたポリエステル(d) の極限粘度(IV)およ
び密度は、前記ポリエステル(c) とほぼ同等である。
【0059】(E)ポリエステルの成形 本発明では、上記のように製造されたポリエステル(d)
を、射出成形または押出成形により種々形状の成形物に
成形している。
【0060】たとえばポリエステル(d) を射出成形する
ことによりボトル成形用プリフォームおよびボトルが得
られる。またポリエステル(d) を押出成形することによ
りシートが得られる。
【0061】本発明では、このように射出成形または押
出成形されたポリエステル成形物中に含まれるホルムア
ルデヒド含有率は2ppm 以下であり、アセトアルデヒド
含有率は15ppm 以下である。
【0062】本発明では、上記の射出成形により製造さ
れたプリフォームおよびボトルを、延伸ブロー成形して
もよい。また本発明では、ポリエステル(d) を射出成形
または押出成形するに先立って、ポリエステル(d) を乾
燥してから用いることができる。ポリエステルの乾燥
は、露点ー25℃以下の空気を用いて120℃〜180
℃、好ましくは135℃〜170℃の温度で、2〜16
時間好ましくは3〜8時間行うことができる。また露点
ー25℃以下の空気に代えて酸素などの不純物量が10
0ppm 好ましくは15ppm 以下の不活性ガスを用いるこ
ともできる。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴン
ガス、炭酸ガスなどが挙げられ、窒素ガスが特に好まし
い。
【0063】たとえばポリエステル(d) からボトルなど
の中空成形体を製造するには、まず必要に応じて上記の
ようなポリエステル(d) を乾燥し、次いで乾燥されたポ
リエステル(d) を、射出成形機などの成形機に供給して
中空成形体用プリフォームを成形する。次にこのプリフ
ォームを所定形状の金型に挿入し、延伸ブロー成形する
ことにより中空成形体(ボトル)が得られる。
【0064】またポリエステル(d) からシートを製造す
るには、たとえば成形直前に上記のような乾燥を行い、
次いで押出機を用い、溶融したポリエステル(d) をTダ
イから押出すことにより成形する。
【0065】(F)フェノール系化合物添加工程 本発明では上記のようにポリエステル成形物を製造する
に際して、上記のような液相重縮合工程(A)、または
成形工程(E)において、フェノール系化合物を添加し
ている。具体的に液相重縮合工程(A)においてフェノ
ール系化合物を添加する場合には、フェノール系化合物
を、液相重縮合工程においてエステル化反応時に添加し
てもよく、重縮合反応時に第1〜3段目の反応器いずれ
かに添加してもよく、重縮合反応が終了して得られたポ
リエステル(a) をチップに成形する際に添加してもよ
い。また成形工程(E)においてフェノール系化合物を
添加する場合には、射出成形時または押出成形時に、溶
融状態のポリエステル(d) にフェノール系化合物を添加
することができる。
【0066】これらのうちでも、液相重縮合工程(A)
において添加することが好ましく、特にエステル化反応
時または重縮合反応時に添加することが好ましい。本発
明で用いられるフェノール系化合物としては、たとえば
2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチ
ル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチル-p-
クレゾール、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチル-p-クレゾー
ル、2,6-ジシクロヘキシル-4-メチルフェノール、2,6-
ジイソプロピル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-t-アミル
-4-メチルフェノール、2,6-ジ-t-オクチル-4-n-プロピ
ルフェノール、2,6-ジシクロヘキシル-4-n-オクチルフ
ェノール、2-イソプロピル-4-メチル-6-t-ブチルフェノ
ール、2-t-ブチル-2-エチル-6-t-オクチルフェノール、
2-イソブチル-4-エチル-6-t-ヘキシルフェノール、2-シ
クロヘキシル-4-n-ブチル-6-イソプロピルフェノール、
スチレン化混合クレゾール、dl-α-トコフェノール、t-
ブチルヒドロキノン、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-
t-ブチルフェノール)、4,4'-ブチリデンビス(3-メチ
ル-6-t-ブチルフェノール)、4,4'-チオビス(3-メチル
-6-t-ブチルフェノール)、4,4'-メチレンビス(2,6-ジ
-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス[6-(1-メ
チルシクロヘキシル)-p-クレゾール]、2,2'- エチリ
デンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2'-ブチリ
デンビス(2-t-ブチル-4-メチルフェノール)、1,1,3-
トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)
ブタン、トリエチレングリコール−ビス[3-(3-t-ブチ
ル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、1,6-ヘキサンジオール−ビス[3-(3,5-ジ-t-ブ
チル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2-
チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4,4-ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]、N,N'-ヘキサメチレ
ンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナ
ミド)、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジメフォス
ホネート-ジエチルエステル、1,3,5-トリス(2,6-ジメ
チル-3-ヒドロキシ-4-t-ブチルベンジル)イソシアヌレ
ート、1,3,5-トリス[(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ
フェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレー
ト、トリス(4-t-ブチル−2,6-ジメチル-3-ヒドロキシ
ベンジル)イソシアヌレート、2,4-ビス(n−オクチル
チオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-
1,3,5-トリアジン、テトラキス[メチレン(3,5-ジ-t-
ブチル-4-ヒドロキシ)ヒドロシンナメート]メタン、
ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルフォスホ
ン酸エチル)カルシウム、ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒ
ドロキシベンジルフォスホン酸エチル)ニッケル、ビス
[(3,3-ビス(3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)ブ
チリックアシッド]グリコールエステル、N,N'-ビス[3
-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオ
ニル]ヒドラジン、2,2'-オギザミドビス[エチル-3-
(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]、ビス[2-t-ブチル-4-メチル-6-(3-t-ブチル-5
-メチル−2-ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタ
レート、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブ
チル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9-ビス[1,1
-ジメチル2-{β-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチル
フェニル)プロピオニルオキシ}エチル]-2,4,8,10-テ
トラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、2,2-ビス[4-(2
-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシシンナモイルオキ
シ))エトキシフェニル]プロパン、β-(3,5-ジ-t-ブ
チル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエ
ステルなどを挙げることができる。
【0067】これらは、2種以上併用することもでき
る。これらの中でも、テトラキス[メチレン(3,5-ジ-t
-ブチル-4-ヒドロキシ)ヒドロシンナメート]メタン、
1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-
ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5-トリス[(3,5-
ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキ
シエチル]イソシアヌレートが好ましい。
【0068】本発明では、上記のようなフェノール系化
合物は、成形時に用いられるポリエステル(d) 中に、
0.001〜5重量%好ましくは0.005〜3重量%さ
らに好ましくは0.01〜2重量%の量で含まれるよう
に用いられる。
【0069】ポリエステル成形物 本発明に係るポリエステル成形物は、極限粘度(IV)が
0.5〜1.4dl/gであり、フェノール系化合物を0.
001〜5重量%の量で含有するポリエステルの射出成
形物または押出成形物であって、ホルムアルデヒド含有
率が2ppm 以下であり、アセトアルデヒド含有率が15
ppm 以下である。
【0070】この成形物を形成するポリエステルの極限
粘度(IV)は、好ましくは0.6〜1.3dl/gである。
またこの成形物中のフェノール系化合物含有量は、好ま
しくは0.005〜3重量%さらに好ましくは0.01〜
2重量%である。
【0071】このポリエステル成形物は、上述のような
ポリエステル成形物の製造方法により製造することがで
きる。この射出成形物または押出成形物は、さらにブロ
ー成形などの他の成形が加えられてもよい。
【0072】射出成形物または押出成形物としては、ボ
トル成形用プリフォーム、ボトル、シートなどが挙げら
れる。従来、ポリエステル成形物のホルムアルデヒド含
有率は、通常2〜10ppm 程度であり、このように特に
ホルムアルデヒド含有率が極めて低いポリエステル成形
物は、存在しなかった。
【0073】
【発明の効果】本発明に係るポリエステル成形物の製造
方法によれば、ホルムアルデヒド含有率およびアセトア
ルデヒド含有率が極めて低いポリエステル成形物が得ら
れる。
【0074】本発明に係るポリエステル成形物は、ホル
ムアルデヒドおよびアセトアルデヒドの含有率がいずれ
も極めて低いため、特に水などの飲料充填用容器、食品
包装などの食品用途に好適に用いられる。
【0075】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0076】本発明において、ポリエステル成形物のホ
ルムアルデヒド含有率およびアセトアルデヒド含有率の
測定、透明性の評価は、下記のようにして行った。以下
の実施例において、極限粘度(IV)はo-クロロフェノー
ル中25℃で測定した値である。
【0077】[ホルムアルデヒド含有率の測定]ポリエ
ステル成形物から試験片を約2g採取し、SPEX社製
冷凍粉砕機にて冷凍粉砕した。得られたポリエステル粉
末1gをバイヤル瓶に入れ、蒸留水2mlを加え、水と
ポリエステル粉末とをよく混ぜた。キャップをしめた後
バイヤル瓶を120℃で1時間加熱した。加熱後氷水中
にて冷却し、水溶液を別のバイヤル瓶に移し、0.25
% 2,4-ジニトロフェニルヒドラゾン 6N塩酸溶液
0.2mlとヘキサン1mlを加え、密栓した。攪拌し
誘導体化反応後、ヘキサン相をガスクロマトグラフ測定
した。
【0078】[アセトアルデヒド含有率の測定]ポリエ
ステル成形物のアセトアルデヒド含有率は、試料をフリ
ーザミルで粉砕処理後、試料中のアセトアルデヒドを熱
水で抽出し、ガスクロマトグラフィーを使用して、内部
標準法により定量した。
【0079】[透明性の評価]成形物の透明性は、目視
により判断した。 ○:曇りは無く透明であった。 ×:曇りが見られた。
【0080】
【実施例1】高純度テレフタル酸 332g、エチレン
グリコール 136gをオートクレーブに仕込み、圧力
1.7kg/cm2 、255℃の窒素雰囲気下にて2時
間、攪拌しながら反応させた。
【0081】次いで、加熱温度を250℃にして6時間
反応させた。この反応により生成した水は常時系外に留
去した。次に、二酸化ゲルマニウムとエチレングリコー
ルを1:10の重量比でなる混合物溶液 0.46gを
反応系に加え、20分攪拌した後、リン酸0.70g、
テトラキス[メチレン(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキ
シ)ヒドロシンナメート]メタン 1.92gを加え
て、1時間反応させた。
【0082】その後、1時間かけて280℃まで昇温さ
せ、系内を1torrにまで減圧し、さらに4時間反応さ
せ、未反応のエチレングリコールを系外に留去した。反
応終了後、反応物を反応器外にストランド状に抜き出
し、水中に浸漬し冷却した後、ストランドカッターによ
ってチップ状に裁断した。
【0083】以上の液相重縮合によって得られたポリエ
チレンテレフタレートの極限粘度(IV)は0.57dl/
gであった。次いでこのポリエチレンテレフタレート
を、170℃で2時間予備結晶化を行なった後、窒素雰
囲気下、205℃で15時間固相重縮合を行なった。
【0084】このようにして得られたポリエチレンテレ
フタレートの極限粘度(IV)は0.80dl/gであり、
密度は1.40g/cm3 であった。。このようにして得
られたポリエチレンテレフタレート10kgを、90℃
の蒸留水13kgに4時間浸漬、水処理を行なった。次
いで脱水し、140℃、乾燥空気中で14時間乾燥し
た。
【0085】得られたポリエステルを用いボトル形成用
プリフォーム(口部外径;28mmφ)を成形した。成
形機は、名機M100Aを用い、設定温度275℃、金
型温度10℃、ホッパー雰囲気を乾燥空気とした条件で
成形した。
【0086】得られたプリフォームの透明性を評価する
とともに、プリフォームの口部から試験片を採取し、ホ
ルムアルデヒド含有率(ppm )、アセトアルデヒド含有
率(ppm )を測定した。結果を表1に示す。
【0087】
【実施例2】実施例1において、テトラキス[メチレン
(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ)ヒドロシンナメー
ト]メタンに代えて、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス
(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼンを
0.077g用いた以外は実施例1と同様にしてボトル
形成用プリフォームを製造した。結果を表1に示す。
【0088】
【実施例3】高純度テレフタル酸 332g、エチレン
グリコール 136g、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリ
ス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン
5.76gをオートクレーブに仕込み、圧力1.7kg/
cm2 、255℃の窒素雰囲気下にて2時間、攪拌しなが
ら反応させた。
【0089】次いで、加熱温度を250℃にして6時間
反応させた。この反応により生成した水は常時系外に留
去した。次に、二酸化ゲルマニウムとエチレングリコー
ルを1:10の重量比でなる混合物溶液 0.46gを
反応系に加え、20分攪拌した後、リン酸0.70g、
を加えて、1時間反応させた。
【0090】その後、1時間かけて280℃まで昇温さ
せ、系内を1torrにまで減圧し、さらに3時間反応さ
せ、未反応のエチレングリコールを系外に留去した。反
応終了後、反応物を反応器外にストランド状に抜き出
し、水中に浸漬し冷却した後、ストランドカッターによ
ってチップ状に裁断した。
【0091】以上の液相重縮合によって得られたポリエ
チレンテレフタレートの極限粘度(IV)は0.54dl/
gであった。さらに、その液相重縮合によるポリエチレ
ンテレフタレートは、170℃で2時間予備結晶化を行
なった後、窒素雰囲気下、205℃で15時間固相重縮
合を行なった。このようにして得られたポリエチレンテ
レフタレートの極限粘度(IV)は0.77dl/gであ
り、密度は1.40g/cm3 であった。
【0092】このようにして得られたポリエチレンテレ
フタレート10kgを、90℃の蒸留水13kgに4時
間浸漬、水処理を行なった。次いで脱水し、140℃、
乾燥空気中で14時間乾燥した。
【0093】得られたポリエステルを用い、実施例1と
同様にボトル形成用プリフォームを製造した。結果を表
1に示す。
【0094】
【実施例4】実施例1と同様にして高純度テレフタル
酸、エチレングリコールのエステル化物を製造した。
【0095】次に二酸化ゲルマニウムとエチレングリコ
ールを1:10の重量比でなる混合物溶液 0.46g
を反応系に加え、20分攪拌した後、リン酸0.70g
を加えて、1時間反応させた。
【0096】その後、1時間かけて280℃まで昇温さ
せ、系内を1torrにまで減圧し、さらに3時間反応さ
せ、未反応のエチレングリコールを系外に留去した。反
応中、ポリエチレンテレフタレートの極限粘度(IV)が
0.48dl/gに到達した時点で、1,3,5-トリス[(3,5
-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオ
キシエチル]イソシアヌレート 3.84gを反応系内
に添加した。反応開始後4時間の時点で、反応物を反応
器外にストランド状に抜き出し、水中に浸漬し冷却した
後、ストランドカッターによってチップ状に裁断した。
【0097】以上の液相重縮合によって得られたポリエ
チレンテレフタレートの極限粘度(IV)は0.56dl/
gであった。さらに、その液相重縮合によるポリエチレ
ンテレフタレートは、170℃で2時間予備結晶化を行
なった後、窒素雰囲気下、205℃で15時間固相重縮
合を行なった。このようにして得られたポリエチレンテ
レフタレートの極限粘度(IV)は0.79dl/gであ
り、密度は1.40g/cm3 であった。
【0098】実施例1と同様に水処理、乾燥を行なった
後、ボトル形成用プリフォームを製造した。結果を表1
に示す。
【0099】
【実施例5】高純度テレフタル酸 332g、エチレン
グリコール 136gをオートクレーブに仕込み、圧力
1.7kg/cm2 、255℃の窒素雰囲気下にて2時
間、攪拌しながら反応させた。
【0100】次いで、加熱温度を250℃にして6時間
反応させた。この反応により生成した水は常時系外に留
去した。次に、二酸化ゲルマニウムとエチレングリコー
ルを1:10の重量比でなる混合物溶液 0.46gを
反応系に加え、20分攪拌した後、リン酸0.70gを
加えて、1時間反応させた。
【0101】その後、1時間かけて280℃まで昇温さ
せ、系内を1torrにまで減圧し、さらに4時間反応さ
せ、未反応のエチレングリコールを系外に留去した。反
応終了後、反応物を反応器外にストランド状に抜き出
し、水中に浸漬し冷却した後、ストランドカッターによ
ってチップ状に裁断した。
【0102】以上の液相重縮合によって得られたポリエ
チレンテレフタレートの極限粘度(IV)は0.57dl/
gであった。さらに、その液相重縮合によるポリエチレ
ンテレフタレートは、170℃で2時間予備結晶化を行
なった後、窒素雰囲気下、205℃で15時間固相重縮
合を行なった。このようにして得られたポリエチレンテ
レフタレートの極限粘度(IV)は0.80dl/gであ
り、密度は1.40g/cm3 であった。
【0103】このようにして得られたポリエチレンテレ
フタレート10kgを、90℃の蒸留水13kgに4時
間浸漬、水処理を行なった。次いで脱水し、140℃、
乾燥空気中で14時間乾燥した。
【0104】得られたポリエステル100重量部とテト
ラキス[メチレン(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ)ヒ
ドロシンナメート]メタン 0.8重量部を混合した
後、ボトル形成用プリフォームを成形した。結果を表1
に示す。
【0105】
【実施例6】実施例1で製造されたプリフォームからボ
トルを製造した。プリフォームの口部を180℃のシリ
コンオイルに5分間浸漬して結晶化した後、1.5リッ
トルのボトルを成形した。成形機は、コーポプラストL
B01を用い、延伸温度105℃、金型温度130℃に
てヒートセットの条件で成形した。結果を表1に示す。
【0106】
【実施例7】実施例1と同様にして製造したポリエステ
ルを用いて、シート(厚み;0.6mm)を製造した。
成形機は、日立製シート成型機(シリンダー径:50m
mφを用い、設定温度275℃、ホッパー雰囲気を乾燥
空気とした条件で成形した。結果を表1に示す。
【0107】
【実施例8】高純度テレフタル酸 332g、エチレン
グリコール 136g、1,4-シクロヘキサンジメタノー
ル 6gをオートクレーブに仕込み、実施例1と同様に
してエステル化反応を行なった。
【0108】次に、二酸化ゲルマニウムとエチレングリ
コールを1:10の重量比でなる混合物溶液 0.46
gを反応系に加え、20分攪拌した後、リン酸0.70
g、1,3,5-トリメチル2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-
4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン 0.38gを加え
て、1時間反応させた。
【0109】以下実施例1と同様にしてプリフォームを
製造した。結果を表1に示す。
【0110】
【比較例1】実施例5において、水処理を行なわなかっ
た以外は実施例5と同様にして得たポリエステルを用い
てプリフォームを成形した。結果を表1に示す。
【0111】
【比較例2】テトラキス[メチレン(3,5-ジ-t-ブチル-
4-ヒドロキシ)ヒドロシンナメート]メタンを添加しな
かった以外は、実施例5と同様にして得たポリエステル
を用いてプリフォームを製造した。結果を表1に示す。
【0112】
【比較例3】実施例1において、水処理を行なわなかっ
た以外は実施例1と同様にして得たポリエステルを用い
てプリフォームを製造した。結果を表1に示す。
【0113】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るポリエステル成形物の製造工程
の一例をフローチャートで示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)テレフタル酸を含むジカルボン酸ま
    たはそのエステル誘導体と、エチレングリコールを含む
    ジヒドロキシ化合物またはそのエステル誘導体とを、 重縮合触媒の存在下に液相重縮合させてポリエステル
    (a) を製造する液相重縮合工程と、(C)前記ポリエス
    テル(a) を不活性ガス雰囲気で融点以下の温度に加熱し
    て、 o-クロロフェノール中で測定される極限粘度(IV)0.
    5〜1.4dl/gのポリエステル(c) を製造する固相重
    縮合工程と、(D)ポリエステル(c) を50〜150℃
    の水と3分〜48時間接触させてポリエステル(d) を製
    造する水処理工程と、(E)得られるポリエステル(d)
    を射出成形または押出成形する成形工程と、(F)上記
    液相重縮合工程(A)または成形工程(E)において、
    フェノール系化合物を添加する工程とからなり、かつ得
    られる成形物中に含まれるホルムアルデヒド量が2ppm
    以下であり、アセトアルデヒド量が15ppm 以下である
    ことを特徴とするポリエステル成形物の製造方法。
  2. 【請求項2】(A)テレフタル酸を含むジカルボン酸ま
    たはそのエステル誘導体と、エチレングリコールを含む
    ジヒドロキシ化合物またはそのエステル誘導体とを、 重縮合触媒の存在下に液相重縮合させてポリエステル
    (a) を製造する液相重縮合工程と、 (B)前記ポリエステル(a) を、昇温結晶化温度(T
    c1)以上でかつ融点未満の温度に1〜30分間保って予
    備結晶化させてポリエステル(b) を得る予備結晶化工程
    と、(C)前記ポリエステル(b) を不活性ガス雰囲気で
    融点以下の温度に加熱して、 o-クロロフェノール中で測定される極限粘度(IV)0.
    5〜1.4dl/gのポリエステル(c) を製造する固相重
    縮合工程と、(D)ポリエステル(c) を50〜150℃
    の水と3分〜48時間接触させてポリエステル(d) を製
    造する水処理工程と、(E)得られるポリエステル(d)
    を射出成形または押出成形する成形工程と、(F)上記
    液相重縮合工程(A)または成形工程(E)において、
    フェノール系化合物を添加する工程とからなり、かつ得
    られる成形物中に含まれるホルムアルデヒド量が2ppm
    以下であり、アセトアルデヒド量が15ppm 以下である
    ことを特徴とするポリエステル成形物の製造方法。
  3. 【請求項3】フェノール系化合物を添加する工程(F)
    を、液相重縮合工程(A)において実施することを特徴
    とする請求項1または2に記載のポリエステル成形物の
    製造方法。
  4. 【請求項4】前記ジカルボン酸はイソフタル酸および/
    またはナフタレンジカルボン酸を0〜10モル%の量で
    含有し、ジヒドロキシ化合物はジエチレングリコールお
    よび/またはシクロヘキサンジメタノールを0〜10モ
    ル%の量で含有することを特徴とする請求項1または2
    に記載のポリエステル成形物の製造方法。
  5. 【請求項5】o-クロロフェノール中で測定される極限粘
    度(IV)が0.5〜1.4dl/gであり、フェノール系化
    合物を0.001〜5重量%の量で含有するポリエステ
    ルの射出成形物または押出成形物であって、ホルムアル
    デヒド含有率が2ppm 以下であり、アセトアルデヒド含
    有率が15ppm 以下であることを特徴とするポリエステ
    ル成形物。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法
    により得られることを特徴とする請求項5に記載のポリ
    エステル成形物。
  7. 【請求項7】前記成形物がボトル形成用プリフォームで
    ある請求項5または6に記載のポリエステル成形物。
  8. 【請求項8】前記成形物がボトルである請求項5または
    6に記載のポリエステル成形物。
  9. 【請求項9】前記成形物がシートである請求項5または
    6に記載のポリエステル成形物。
JP7159536A 1995-06-26 1995-06-26 ポリエステル成形物の製造方法およびポリエステル成形物 Pending JPH0912698A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7159536A JPH0912698A (ja) 1995-06-26 1995-06-26 ポリエステル成形物の製造方法およびポリエステル成形物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7159536A JPH0912698A (ja) 1995-06-26 1995-06-26 ポリエステル成形物の製造方法およびポリエステル成形物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0912698A true JPH0912698A (ja) 1997-01-14

Family

ID=15695918

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7159536A Pending JPH0912698A (ja) 1995-06-26 1995-06-26 ポリエステル成形物の製造方法およびポリエステル成形物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0912698A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0943649A3 (en) * 1998-03-17 2001-02-07 SINCO RICERCHE S.p.A. Stabilized polyester resins having reduced formaldehyde content

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0943649A3 (en) * 1998-03-17 2001-02-07 SINCO RICERCHE S.p.A. Stabilized polyester resins having reduced formaldehyde content

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5573820A (en) Process for preparing polyester
US4340721A (en) Novel polyester for the packaging of comestibles
US5241046A (en) Process for treatment of polyethylene terephthalate, polyethylene terephthalate for molding purposes and process for preparation thereof
EP0389948B1 (en) Process for the preparation of polyethylene terephthalate
US5270444A (en) Process for treatment of polyethylene terephthalate, polyethylene terephthalate for molding purposes and process for preparation thereof
JPH08283393A (ja) ポリエチレンテレフタレートおよびその製造方法
JPH0347830A (ja) ポリエチレンテレフタレートの製造方法
JPH08253563A (ja) ポリエチレンテレフタレートの処理方法
JPH0764920B2 (ja) ポリエチレンテレフタレート
JP2583008B2 (ja) ポリエチレンテレフタレートの製造方法
JP3357489B2 (ja) ポリエステルの製造方法
JPH0912698A (ja) ポリエステル成形物の製造方法およびポリエステル成形物
JP3357488B2 (ja) ポリエステルの製造方法
JP2854834B2 (ja) ポリエチレンテレフタレートの製造方法
JP3365679B2 (ja) ポリエステル成形物の製造方法
JPH10114819A (ja) ポリエチレンテレフタレート
JP3136767B2 (ja) 共重合ポリエステルならびにそれより成る中空容器および延伸フィルム
JPH0873611A (ja) ポリエステル成形物の製造方法およびポリエステル成形物
JP4624590B2 (ja) 金属化合物含有ポリエステル樹脂組成物の製造方法、ならびに中空成形体用プリフォームおよび中空成形体の製造方法
JP3365687B2 (ja) ポリエステル樹脂の製造方法およびポリエステル樹脂
JP3136768B2 (ja) 共重合ポリエステルならびにそれより成る中空容器および延伸フィルム
JPH0737515B2 (ja) ポリエチレンテレフタレートの処理方法
JP3205350B2 (ja) ポリエチレンテレフタレート
JPH08127640A (ja) ポリエステル成形物の製造方法およびポリエステル成形物
JP3015061B2 (ja) ポリエチレンテレフタレートおよびその製造方法