JPH09122799A - シームレス缶及びその製造方法とその製造に用いるラミネート板 - Google Patents
シームレス缶及びその製造方法とその製造に用いるラミネート板Info
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- JPH09122799A JPH09122799A JP28495795A JP28495795A JPH09122799A JP H09122799 A JPH09122799 A JP H09122799A JP 28495795 A JP28495795 A JP 28495795A JP 28495795 A JP28495795 A JP 28495795A JP H09122799 A JPH09122799 A JP H09122799A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 異方性欠陥の発生を防止し、加工性及び耐内
容物性に優れたシームレス缶並びにその製造のためのラ
ミネート材を提供する。 【解決手段】 シームレス缶底部となるべき円形部分の
ポリエステル(A)が式:Rx=IA /IB [IA はポ
リエステルフィルム表面に平行な面間隔約0.34nm
の回折面による回折強度であり、IB はポリエステルフ
ィルム表面に平行な面間隔約0.39nmの回折面によ
る回折強度]で定義される二軸配向度(Rx)が2.5
乃至20のポリエステルであり、かつ缶胴部に対応する
他の部分のポリエステル(B)が、二つの式:RxBM
≦ 0.95Rx及び(RxBM−RxBm)≦1800×
(Rx BM)-5[RxBMは缶胴部対応部分における最大配
向部の二軸配向度、RxBmは最大配向部から周方向に隔
てた缶胴部対応部分の最小配向部の配向度]を満足する
二軸配向度を有するラミネート板。
容物性に優れたシームレス缶並びにその製造のためのラ
ミネート材を提供する。 【解決手段】 シームレス缶底部となるべき円形部分の
ポリエステル(A)が式:Rx=IA /IB [IA はポ
リエステルフィルム表面に平行な面間隔約0.34nm
の回折面による回折強度であり、IB はポリエステルフ
ィルム表面に平行な面間隔約0.39nmの回折面によ
る回折強度]で定義される二軸配向度(Rx)が2.5
乃至20のポリエステルであり、かつ缶胴部に対応する
他の部分のポリエステル(B)が、二つの式:RxBM
≦ 0.95Rx及び(RxBM−RxBm)≦1800×
(Rx BM)-5[RxBMは缶胴部対応部分における最大配
向部の二軸配向度、RxBmは最大配向部から周方向に隔
てた缶胴部対応部分の最小配向部の配向度]を満足する
二軸配向度を有するラミネート板。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属基体とポリエ
ステルフィルムとのラミネート材から形成されたシーム
レス缶及びその製造のためのラミネート材に関するもの
で、より詳細には缶の巻締部やネック部等において生ず
る異方性欠陥、即ち加工性低下、被覆劣化及び腐食等を
防止し、加工性及び耐内容物性に優れているシームレス
缶及びその製造のためのラミネート材に関する。
ステルフィルムとのラミネート材から形成されたシーム
レス缶及びその製造のためのラミネート材に関するもの
で、より詳細には缶の巻締部やネック部等において生ず
る異方性欠陥、即ち加工性低下、被覆劣化及び腐食等を
防止し、加工性及び耐内容物性に優れているシームレス
缶及びその製造のためのラミネート材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、側面無継目缶(サイド・シームレ
ス缶)としては、アルミニウム板、ブリキ板或いはティ
ン・フリー・スチール板等の金属素材を、絞りダイスと
ポンチとの間で少なくとも1段の絞り加工に付して、側
面継目のない胴部と該胴部に、継目なしに一体に接続さ
れた底部とから成るカップに形成し、次いで所望により
前記胴部に、しごきポンチとダイスとの間でしごき加工
を加えて、容器胴部を薄肉化したものが知られている。
また、しごき加工の代わりに、再絞りダイスの曲率コー
ナ部で曲げ伸ばして側壁部を薄肉化することも既に知ら
れている(特公昭56−501442号公報。)
ス缶)としては、アルミニウム板、ブリキ板或いはティ
ン・フリー・スチール板等の金属素材を、絞りダイスと
ポンチとの間で少なくとも1段の絞り加工に付して、側
面継目のない胴部と該胴部に、継目なしに一体に接続さ
れた底部とから成るカップに形成し、次いで所望により
前記胴部に、しごきポンチとダイスとの間でしごき加工
を加えて、容器胴部を薄肉化したものが知られている。
また、しごき加工の代わりに、再絞りダイスの曲率コー
ナ部で曲げ伸ばして側壁部を薄肉化することも既に知ら
れている(特公昭56−501442号公報。)
【0003】また、側面無継目缶の有機被覆法としては
一般に広く使用されている成形後の缶に有機塗料を施す
方法の他に、成形前の金属素材に予め樹脂フィルムをラ
ミネートする方法が知られており、特公昭59−345
80号公報には金属素材にテレフタル酸とテトラメチレ
ングリコールとから誘導されたポリエステルフィルムを
ラミネートしたものを用いることが記載されている。ま
た、曲げ伸ばしによる再絞り缶の製造に際して、ビニル
オルガノゾル、エポキシ、フェノリクス、ポリエステ
ル、アクリル等の被覆金属板を用いることも知られてい
る。
一般に広く使用されている成形後の缶に有機塗料を施す
方法の他に、成形前の金属素材に予め樹脂フィルムをラ
ミネートする方法が知られており、特公昭59−345
80号公報には金属素材にテレフタル酸とテトラメチレ
ングリコールとから誘導されたポリエステルフィルムを
ラミネートしたものを用いることが記載されている。ま
た、曲げ伸ばしによる再絞り缶の製造に際して、ビニル
オルガノゾル、エポキシ、フェノリクス、ポリエステ
ル、アクリル等の被覆金属板を用いることも知られてい
る。
【0004】特開平3−101930号公報には、金属
板と、エチレンテレフタレート単位を主体とするポリエ
ステルフィルム層と、必要により金属板とポリエステル
フィルム層の間に介在する接着プライマー層との積層体
から成り、該ポリエステルフィルム層は、式 Rx =IA /IB 式中、IA はポリエステルフィルム表面に平行な、面間
隔約0.34nm(CuKαX線回折角が24°から2
8°)の回折面によるX線回折強度、IB はポリエステ
ルフィルム表面に平行な面間隔約0.39nmCuKα
X線回折角が21.5°から24°)の回折面によるX
線回折強度、で定義されるX線回折強度比が0.5乃至
15の範囲内にあり且つ結晶の面内配向の異方性指数が
30以下であるフィルム層から成ることを特徴とする絞
り缶用被覆金属板並びにこれを使用して、缶胴側壁部を
曲げ伸ばしにより薄肉化した薄肉化絞り缶が記載されて
いる。
板と、エチレンテレフタレート単位を主体とするポリエ
ステルフィルム層と、必要により金属板とポリエステル
フィルム層の間に介在する接着プライマー層との積層体
から成り、該ポリエステルフィルム層は、式 Rx =IA /IB 式中、IA はポリエステルフィルム表面に平行な、面間
隔約0.34nm(CuKαX線回折角が24°から2
8°)の回折面によるX線回折強度、IB はポリエステ
ルフィルム表面に平行な面間隔約0.39nmCuKα
X線回折角が21.5°から24°)の回折面によるX
線回折強度、で定義されるX線回折強度比が0.5乃至
15の範囲内にあり且つ結晶の面内配向の異方性指数が
30以下であるフィルム層から成ることを特徴とする絞
り缶用被覆金属板並びにこれを使用して、缶胴側壁部を
曲げ伸ばしにより薄肉化した薄肉化絞り缶が記載されて
いる。
【0005】本発明者らの提案にかかる特開平7−22
3645号公報には、容器底部に対応する部分のポリエ
ステル(A)が式 Rx=IA / IB 式中IA は缶底部のポリエステルフィルム表面に平行な
面間隔約0.34nm(CuKαX線回折角が24゜か
ら28゜)の回折面による回折強度であり、IB は上記
缶底部のポリエステルフィルム表面に平行な面間隔約
0.39nm(CuKαX線回折角が21.5゜から2
4゜)の回折面による回折強度である、で定義される二
軸配向度(Rx) 2.5乃至20のポリエステルであ
り、かつ容器胴上部に対応する部分のポリエステル
(B)が前記ポリエステル(A)の二軸配向度の値より
も少なくとも5%低い値の二軸配向度(Rx)を有する
ポリエステルであるラミネート板を使用し、容器胴部の
ポリエステルが下記式 0.55<cos2 φ<1−exp〔−0.45IA /IB −1.
1 ε+0.53〕 を満足する一軸配向度(cos2 φ)を有するシームレ
ス缶を製造することが記載されている。
3645号公報には、容器底部に対応する部分のポリエ
ステル(A)が式 Rx=IA / IB 式中IA は缶底部のポリエステルフィルム表面に平行な
面間隔約0.34nm(CuKαX線回折角が24゜か
ら28゜)の回折面による回折強度であり、IB は上記
缶底部のポリエステルフィルム表面に平行な面間隔約
0.39nm(CuKαX線回折角が21.5゜から2
4゜)の回折面による回折強度である、で定義される二
軸配向度(Rx) 2.5乃至20のポリエステルであ
り、かつ容器胴上部に対応する部分のポリエステル
(B)が前記ポリエステル(A)の二軸配向度の値より
も少なくとも5%低い値の二軸配向度(Rx)を有する
ポリエステルであるラミネート板を使用し、容器胴部の
ポリエステルが下記式 0.55<cos2 φ<1−exp〔−0.45IA /IB −1.
1 ε+0.53〕 を満足する一軸配向度(cos2 φ)を有するシームレ
ス缶を製造することが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平7−223
645号公報に見られる提案は、缶底部におけるポリエ
ステル層の二軸配向度を相対的に高く、缶胴部における
ポリエステル層の二軸配向度を相対的に低く設定すると
共に、胴部のポリエステル層の一軸配向度をも一定の範
囲にすることにより、缶胴部及び缶底部の両方が耐内容
物性及びフレーバー保持性に優れていると共に、缶胴部
は優れた密着性及び加工性を有し且つ缶底部は優れた耐
衝撃性(耐デント性)を有するシームレス缶を提供した
という点で、重大な意義を有するものと認められるが、
加工性及び耐内容物性の点で未だ改善されるべき点があ
ることがわかった。
645号公報に見られる提案は、缶底部におけるポリエ
ステル層の二軸配向度を相対的に高く、缶胴部における
ポリエステル層の二軸配向度を相対的に低く設定すると
共に、胴部のポリエステル層の一軸配向度をも一定の範
囲にすることにより、缶胴部及び缶底部の両方が耐内容
物性及びフレーバー保持性に優れていると共に、缶胴部
は優れた密着性及び加工性を有し且つ缶底部は優れた耐
衝撃性(耐デント性)を有するシームレス缶を提供した
という点で、重大な意義を有するものと認められるが、
加工性及び耐内容物性の点で未だ改善されるべき点があ
ることがわかった。
【0007】即ち、上記の缶胴部配向緩和型のシームレ
ス缶であっても、高度の薄肉化やネック部の縮径化を行
った場合、或いは、より金属腐食性の強い内容物を充填
した場合に巻締部或いはネック部等の部分で、しかも周
方向のある限られた位置で、加工性不足、被覆欠陥及び
金属腐食等の欠陥が発生することがわかった。
ス缶であっても、高度の薄肉化やネック部の縮径化を行
った場合、或いは、より金属腐食性の強い内容物を充填
した場合に巻締部或いはネック部等の部分で、しかも周
方向のある限られた位置で、加工性不足、被覆欠陥及び
金属腐食等の欠陥が発生することがわかった。
【0008】上記欠陥が周方向の限られた部分に発生す
ることは、缶底部が高二軸配向度及び缶胴部が低二軸配
向度となったラミネート材を使用したシームレス缶にの
み認められるものであり、これは従来のシームレス缶に
おける被覆欠陥や腐食が一定の高さの部分では周方向の
ほぼ全体にわたって認められるいわば等方性欠陥である
のに対して、異方性欠陥ともいうべきものである。
ることは、缶底部が高二軸配向度及び缶胴部が低二軸配
向度となったラミネート材を使用したシームレス缶にの
み認められるものであり、これは従来のシームレス缶に
おける被覆欠陥や腐食が一定の高さの部分では周方向の
ほぼ全体にわたって認められるいわば等方性欠陥である
のに対して、異方性欠陥ともいうべきものである。
【0009】従来実用化されているシームレス缶の胴壁
薄肉化の程度は、高々35%程度のものであるが、金属
素材のコストを低減し、缶体を軽量化するという要求か
ら、薄肉化の程度を40%或いはそれ以上にすること
は、非常に望まれていることである。このように、缶胴
部を薄肉化することで、上記異方性欠陥の発生が一層顕
著になることもわかった。
薄肉化の程度は、高々35%程度のものであるが、金属
素材のコストを低減し、缶体を軽量化するという要求か
ら、薄肉化の程度を40%或いはそれ以上にすること
は、非常に望まれていることである。このように、缶胴
部を薄肉化することで、上記異方性欠陥の発生が一層顕
著になることもわかった。
【0010】また、シームレス缶の美観の点でも、蓋の
コストを低減させる点でもネックイン加工による縮径の
程度を大きくすることは望まれているが、ネックインに
よる縮径の程度を大きくする場合にも、異方性欠陥の発
生が顕著になることもわかった。
コストを低減させる点でもネックイン加工による縮径の
程度を大きくすることは望まれているが、ネックインに
よる縮径の程度を大きくする場合にも、異方性欠陥の発
生が顕著になることもわかった。
【0011】従って、本発明の目的は、缶底部が高二軸
配向度及び缶胴部が低二軸配向度となった金属−ポリエ
ステルラミネート材を使用したシームレス缶において、
上記の異方性欠陥の発生を防止し、加工性及び耐内容物
性に優れたシームレス缶並びにその製造のためのラミネ
ート材を提供するにある。
配向度及び缶胴部が低二軸配向度となった金属−ポリエ
ステルラミネート材を使用したシームレス缶において、
上記の異方性欠陥の発生を防止し、加工性及び耐内容物
性に優れたシームレス缶並びにその製造のためのラミネ
ート材を提供するにある。
【0012】本発明の他の目的は、側壁部の薄肉化の程
度を大きくした場合にも、またネック部の縮径の程度を
大きくした場合にも、異方性欠陥の発生を有効に抑制で
きるシームレス缶を提供するにある。
度を大きくした場合にも、またネック部の縮径の程度を
大きくした場合にも、異方性欠陥の発生を有効に抑制で
きるシームレス缶を提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、金属と
ポリエステル系フィルムとから成るシームレス缶製造用
のラミネート板であって、シームレス缶底部となるべき
円形部分のポリエステル(A)が式(1) Rx=IA / IB …(1) 式中IA は缶底部のポリエステルフィルム表面に平行な
面間隔約0.34nm(CuKαX線回折角が24゜か
ら28゜)の回折面による回折強度であり、IB は上記
缶底部のポリエステルフィルム表面に平行な面間隔約
0.39nm(CuKαX線回折角が21.5゜から2
4゜)の回折面による回折強度である、で定義される二
軸配向度(Rx)が2.5乃至20のポリエステルであ
り、かつ缶胴部に対応する他の部分のポリエステル
(B)が、下記式(2)及び(3) RxBM≦0.95Rx …(2) 及び (RxBM−RxBm)≦1800×(RxBM)-5 …(3) 式中、RxBMは缶胴部対応部分における最大配向部の二
軸配向度であり、RxBmは前記最大配向部から周方向に
隔てた缶胴部対応部分の最小配向部の配向度であり、R
xは前述した意味を有する、を満足する二軸配向度を有
することを特徴とするラミネート板が提供される。
ポリエステル系フィルムとから成るシームレス缶製造用
のラミネート板であって、シームレス缶底部となるべき
円形部分のポリエステル(A)が式(1) Rx=IA / IB …(1) 式中IA は缶底部のポリエステルフィルム表面に平行な
面間隔約0.34nm(CuKαX線回折角が24゜か
ら28゜)の回折面による回折強度であり、IB は上記
缶底部のポリエステルフィルム表面に平行な面間隔約
0.39nm(CuKαX線回折角が21.5゜から2
4゜)の回折面による回折強度である、で定義される二
軸配向度(Rx)が2.5乃至20のポリエステルであ
り、かつ缶胴部に対応する他の部分のポリエステル
(B)が、下記式(2)及び(3) RxBM≦0.95Rx …(2) 及び (RxBM−RxBm)≦1800×(RxBM)-5 …(3) 式中、RxBMは缶胴部対応部分における最大配向部の二
軸配向度であり、RxBmは前記最大配向部から周方向に
隔てた缶胴部対応部分の最小配向部の配向度であり、R
xは前述した意味を有する、を満足する二軸配向度を有
することを特徴とするラミネート板が提供される。
【0014】ポリエステル層(B)が下記式(4) (RxBM−RxBm)≦240×(RxBM)-4 …(4) を満足する二軸配向度を有することが特に好ましい。
【0015】本発明によればまた、金属とポリエステル
系フィルムとのラミネート材を、H/D(H:高さ、
D:底部径)比が1.5以上となるようにカップ状に成
形して成るシームレス缶において、缶底部のポリエステ
ル(A)が式(1) Rx=IA / IB …(1) 式中IA は缶底部のポリエステルフィルム表面に平行な
面間隔約0.34nm(CuKαX線回折角が24゜か
ら28゜)の回折面による回折強度であり、IB は上記
缶底部のポリエステルフィルム表面に平行な面間隔約
0.39nm(CuKαX線回折角が21.5゜から2
4゜)の回折面による回折強度である、で定義される二
軸配向度(Rx)が2.5乃至20のポリエステル層で
ありかつ缶胴部のポリエステル層(B)が、巻締部直下
において且つ周方向の最も一軸配向されている部分にお
いて、下記式(5) 0.55<cos2 φM <1−exp〔−0.45IA /IB −1.1 ε+0.53〕 …(5) 式中、cos2 φM は缶胴測定部のポリエステルフィル
ムの最大一軸配向の程度を表わす指数であり、IA 及び
IB は前述した意味を有し、εは前記缶胴測定部におけ
るラミネート材の加工による相当ひずみである。を満足
する一軸配向度を有し、且つその最大一軸配向度部分か
ら周方向に隔てた最小一軸配向部分において、式(6) (cos2 φM −cos2 φm )≦25×10-4×(cos2 φM )-40 …(6) 式中、cos2 φm は缶胴ポリエステル層の最小一軸配
向部における一軸配向の程度を表す指数であり、cos
2 φM は前述した意味を有する、を満足する一軸配向度
を有することを特徴とするシームレス缶が提供される。
系フィルムとのラミネート材を、H/D(H:高さ、
D:底部径)比が1.5以上となるようにカップ状に成
形して成るシームレス缶において、缶底部のポリエステ
ル(A)が式(1) Rx=IA / IB …(1) 式中IA は缶底部のポリエステルフィルム表面に平行な
面間隔約0.34nm(CuKαX線回折角が24゜か
ら28゜)の回折面による回折強度であり、IB は上記
缶底部のポリエステルフィルム表面に平行な面間隔約
0.39nm(CuKαX線回折角が21.5゜から2
4゜)の回折面による回折強度である、で定義される二
軸配向度(Rx)が2.5乃至20のポリエステル層で
ありかつ缶胴部のポリエステル層(B)が、巻締部直下
において且つ周方向の最も一軸配向されている部分にお
いて、下記式(5) 0.55<cos2 φM <1−exp〔−0.45IA /IB −1.1 ε+0.53〕 …(5) 式中、cos2 φM は缶胴測定部のポリエステルフィル
ムの最大一軸配向の程度を表わす指数であり、IA 及び
IB は前述した意味を有し、εは前記缶胴測定部におけ
るラミネート材の加工による相当ひずみである。を満足
する一軸配向度を有し、且つその最大一軸配向度部分か
ら周方向に隔てた最小一軸配向部分において、式(6) (cos2 φM −cos2 φm )≦25×10-4×(cos2 φM )-40 …(6) 式中、cos2 φm は缶胴ポリエステル層の最小一軸配
向部における一軸配向の程度を表す指数であり、cos
2 φM は前述した意味を有する、を満足する一軸配向度
を有することを特徴とするシームレス缶が提供される。
【0016】缶胴部が缶底部に比して下記式(7) Rr=((t0 −tw )/t0 )×100 …(7) 式中、t0 は缶底部の厚みであり、tW は缶胴部の厚み
である、で定義される厚みの減少率が15乃至80%と
なるように薄肉化されていることが好ましい。
である、で定義される厚みの減少率が15乃至80%と
なるように薄肉化されていることが好ましい。
【0017】前記巻締部はネック部を介して缶胴部に接
続され、該ネック部は下記式(8) R=((D−D1 )/D)×100 …(8) 式中、Dは缶胴部の内径であり、D1 はネック部の内径
である、で定義される縮径率が60乃至95%であるこ
とが好ましい。
続され、該ネック部は下記式(8) R=((D−D1 )/D)×100 …(8) 式中、Dは缶胴部の内径であり、D1 はネック部の内径
である、で定義される縮径率が60乃至95%であるこ
とが好ましい。
【0018】本発明によれば更に、前記ラミネート板
を、H/D(H:高さ、D:底部径)比が1.5以上と
なるように絞り及び再絞りを行うと共に、少なくとも最
終段の深絞りにおいてカップ胴部を曲げ伸ばしにより或
いはしごき加工により薄肉化することを特徴とするシー
ムレス缶の製造方法が提供される。
を、H/D(H:高さ、D:底部径)比が1.5以上と
なるように絞り及び再絞りを行うと共に、少なくとも最
終段の深絞りにおいてカップ胴部を曲げ伸ばしにより或
いはしごき加工により薄肉化することを特徴とするシー
ムレス缶の製造方法が提供される。
【0019】
【発明の実施形態】本発明によるシームレス缶の製造で
は、金属基体にポリエステルフィルムを熱接着させて成
るラミネート板を絞りおよび再絞り成形し、少なくとも
最終段の深絞りにおいてカップ胴部を曲げ伸ばしにより
或いはしごき加工により薄肉化するが、前記従来例と同
様に、このラミネート板として、容器底部に対応する部
分のポリエステル(A)が二軸配向を有し、一方容器胴
部に対応する部分のポリエステル(B)が前記ポリエス
テル(A)よりも低い二軸配向度を有するように配向度
分布をもたらしたものを用いることが基本的に重要であ
る。
は、金属基体にポリエステルフィルムを熱接着させて成
るラミネート板を絞りおよび再絞り成形し、少なくとも
最終段の深絞りにおいてカップ胴部を曲げ伸ばしにより
或いはしごき加工により薄肉化するが、前記従来例と同
様に、このラミネート板として、容器底部に対応する部
分のポリエステル(A)が二軸配向を有し、一方容器胴
部に対応する部分のポリエステル(B)が前記ポリエス
テル(A)よりも低い二軸配向度を有するように配向度
分布をもたらしたものを用いることが基本的に重要であ
る。
【0020】本発明のシームレス缶製造用の金属−ポリ
エステルラミネート板は、シームレス缶底部となるべき
円形部分のポリエステル(A)が式(1) Rx=IA / IB …(1) 式中IA は缶底部のポリエステルフィルム表面に平行な
面間隔約0.34nm(CuKαX線回折角が24゜か
ら28゜)の回折面による回折強度であり、IB は上記
缶底部のポリエステルフィルム表面に平行な面間隔約
0.39nm(CuKαX線回折角が21.5゜から2
4゜)の回折面による回折強度である、で定義される二
軸配向度(Rx)が2.5乃至20のポリエステルであ
り、かつ缶胴部に対応する他の部分のポリエステル
(B)が、下記式(2) RxBM≦0.95Rx …(2) 式中、RxBMは缶胴部対応部分における最大配向部の二
軸配向度であり、Rxは前述した意味を有する。で表さ
れる最大二軸配向度(RxBM)を有するが、缶胴部に対
応する部分のポリエステルの二軸配向度の分布を、下記
式(3) (RxBM−RxBm)≦1800×(RxBM)-5 …(3) 式中、RxBMは缶胴部対応部分における最大配向部の二
軸配向度であり、RxBmは前記最大配向部から周方向に
隔てた缶胴部対応部分の最小配向部の配向度であり、R
xは前述した意味を有する、を満足するように定めたこ
とが顕著な特徴であり、これにより絞り−再絞り成形或
いは更にしごき成形に際して、前述した異方性欠陥の発
生を防止し、シームレス缶の加工性や耐内容物性を向上
させることができる。
エステルラミネート板は、シームレス缶底部となるべき
円形部分のポリエステル(A)が式(1) Rx=IA / IB …(1) 式中IA は缶底部のポリエステルフィルム表面に平行な
面間隔約0.34nm(CuKαX線回折角が24゜か
ら28゜)の回折面による回折強度であり、IB は上記
缶底部のポリエステルフィルム表面に平行な面間隔約
0.39nm(CuKαX線回折角が21.5゜から2
4゜)の回折面による回折強度である、で定義される二
軸配向度(Rx)が2.5乃至20のポリエステルであ
り、かつ缶胴部に対応する他の部分のポリエステル
(B)が、下記式(2) RxBM≦0.95Rx …(2) 式中、RxBMは缶胴部対応部分における最大配向部の二
軸配向度であり、Rxは前述した意味を有する。で表さ
れる最大二軸配向度(RxBM)を有するが、缶胴部に対
応する部分のポリエステルの二軸配向度の分布を、下記
式(3) (RxBM−RxBm)≦1800×(RxBM)-5 …(3) 式中、RxBMは缶胴部対応部分における最大配向部の二
軸配向度であり、RxBmは前記最大配向部から周方向に
隔てた缶胴部対応部分の最小配向部の配向度であり、R
xは前述した意味を有する、を満足するように定めたこ
とが顕著な特徴であり、これにより絞り−再絞り成形或
いは更にしごき成形に際して、前述した異方性欠陥の発
生を防止し、シームレス缶の加工性や耐内容物性を向上
させることができる。
【0021】ポリエステル層(B)が下記式(4) (RxBM−RxBm)≦240×(RxBM)-4 …(4) を満足する二軸配向度を有する場合には、高度の側壁部
薄肉化を行い、また高度のネック部の縮径を行った場合
においても、異方性欠陥の発生をより有効に防止するこ
とができる。
薄肉化を行い、また高度のネック部の縮径を行った場合
においても、異方性欠陥の発生をより有効に防止するこ
とができる。
【0022】また、上記ラミネート材を使用することに
より、缶胴部のポリエステル層(B)一軸配向度の分布
を、巻締部直下において且つ周方向の最も一軸配向され
ている部分において、下記式(5) 0.55<cos2 φM <1−exp〔−0.45IA /IB −1.1 ε+0.53〕 …(5) 式中、cos2 φM は缶胴測定部のポリエステルフィル
ムの最大一軸配向の程度を表わす指数であり、IA 及び
IB は前述した意味を有し、εは前記缶胴測定部におけ
るラミネート材の加工による相当ひずみである。を満足
する一軸配向度を有し、且つその最大一軸配向度部分か
ら周方向に隔てた最小一軸配向部分において、式(6) (cos2 φM −cos2 φm )≦25×10-4×(cos2 φM )-40 …(6) 式中、cos2 φm は缶胴ポリエステル層の最小一軸配
向部における一軸配向の程度を表す指数であり、cos
2 φM は前述した意味を有する、を満足する一軸配向度
を有するようにすることができ、これによりシームレス
缶の異方性欠陥の発生を防止し、シームレス缶の加工性
及び耐内容物性を顕著に向上させることができる。
より、缶胴部のポリエステル層(B)一軸配向度の分布
を、巻締部直下において且つ周方向の最も一軸配向され
ている部分において、下記式(5) 0.55<cos2 φM <1−exp〔−0.45IA /IB −1.1 ε+0.53〕 …(5) 式中、cos2 φM は缶胴測定部のポリエステルフィル
ムの最大一軸配向の程度を表わす指数であり、IA 及び
IB は前述した意味を有し、εは前記缶胴測定部におけ
るラミネート材の加工による相当ひずみである。を満足
する一軸配向度を有し、且つその最大一軸配向度部分か
ら周方向に隔てた最小一軸配向部分において、式(6) (cos2 φM −cos2 φm )≦25×10-4×(cos2 φM )-40 …(6) 式中、cos2 φm は缶胴ポリエステル層の最小一軸配
向部における一軸配向の程度を表す指数であり、cos
2 φM は前述した意味を有する、を満足する一軸配向度
を有するようにすることができ、これによりシームレス
缶の異方性欠陥の発生を防止し、シームレス缶の加工性
及び耐内容物性を顕著に向上させることができる。
【0023】本発明に用いるラミネート板を示す図1
(平面図)及び図2(a)(拡大断面図)、図2(b)
(他の例の拡大断面図)において、深絞り成形に用いる
ブランク1は、金属基体2とこれに熱接着されたポリエ
ステルフィルムの内層3及び外層4とのラミネートから
成っている(図2(a),(b)参照)が、このブラン
ク1には、図1に示すとおり、容器底部に形成される部
分5と、その外周にあって容器胴部に形成される部分6
とがある。
(平面図)及び図2(a)(拡大断面図)、図2(b)
(他の例の拡大断面図)において、深絞り成形に用いる
ブランク1は、金属基体2とこれに熱接着されたポリエ
ステルフィルムの内層3及び外層4とのラミネートから
成っている(図2(a),(b)参照)が、このブラン
ク1には、図1に示すとおり、容器底部に形成される部
分5と、その外周にあって容器胴部に形成される部分6
とがある。
【0024】本発明では先ず、この容器底部相当部分5
のポリエステル(A)が高二軸配向状態に維持され、一
方容器胴部相当部分6のポリエステル(B)が低二軸配
向状態に維持されるように、ブランク1のポリエステル
フィルムに配向度の分布をもたせる。
のポリエステル(A)が高二軸配向状態に維持され、一
方容器胴部相当部分6のポリエステル(B)が低二軸配
向状態に維持されるように、ブランク1のポリエステル
フィルムに配向度の分布をもたせる。
【0025】これにより、深絞り成形及び曲げ伸ばし薄
肉化に際して、容器胴部では、ポリエステルの二軸配向
が緩和されているため、缶軸方向への引張り変形(流
動)や缶周方向への圧縮変形(流動)がフィルム層の破
断やピンホール乃至クラックの発生なしに円滑に行わ
れ、且つ曲げ伸ばしやしごきによる薄肉化も容易に行わ
れるだけでなく、成形が終了した状態においても、ポリ
エステルフィルム層は、金属基体への密着性に優れ、し
かもネックイン加工、ビード加工、フランジ加工及び巻
締加工等のその後の加工にも耐えることが期待されるの
である。
肉化に際して、容器胴部では、ポリエステルの二軸配向
が緩和されているため、缶軸方向への引張り変形(流
動)や缶周方向への圧縮変形(流動)がフィルム層の破
断やピンホール乃至クラックの発生なしに円滑に行わ
れ、且つ曲げ伸ばしやしごきによる薄肉化も容易に行わ
れるだけでなく、成形が終了した状態においても、ポリ
エステルフィルム層は、金属基体への密着性に優れ、し
かもネックイン加工、ビード加工、フランジ加工及び巻
締加工等のその後の加工にも耐えることが期待されるの
である。
【0026】一方、容器底部ではポリエステルの高二軸
配向状態が維持されているため、このフィルム被覆は優
れた耐衝撃性を保持しており、デンティングを加えた場
合にも、剥離、破断、クラック、ピンホールを発生しな
いという利点を与える。また底部のフィルムでは二軸配
向状態が維持されるため、各種イオン等の腐食性成分に
対するバリアー性に優れていると共に、内容物の香味
(フレーバー)成分を吸着する傾向が少なく、耐内容物
性に優れているという利点を与える。更に、容器底部の
ポリエステルが二軸配向されているため、製缶工程での
熱処理(例えば印刷インキの乾燥)や缶詰後の熱処理
(熱間充填や加熱殺菌)に際してもポリエステルフィル
ムが熱結晶化(ラメラの生成)するのが避けられ、優れ
た強靭性と密着性とが維持されるものである。
配向状態が維持されているため、このフィルム被覆は優
れた耐衝撃性を保持しており、デンティングを加えた場
合にも、剥離、破断、クラック、ピンホールを発生しな
いという利点を与える。また底部のフィルムでは二軸配
向状態が維持されるため、各種イオン等の腐食性成分に
対するバリアー性に優れていると共に、内容物の香味
(フレーバー)成分を吸着する傾向が少なく、耐内容物
性に優れているという利点を与える。更に、容器底部の
ポリエステルが二軸配向されているため、製缶工程での
熱処理(例えば印刷インキの乾燥)や缶詰後の熱処理
(熱間充填や加熱殺菌)に際してもポリエステルフィル
ムが熱結晶化(ラメラの生成)するのが避けられ、優れ
た強靭性と密着性とが維持されるものである。
【0027】本発明に用いるラミネートブランクの胴部
対応部分ではポリエステルの二軸配向が緩和されている
が、絞り及び再絞り加工更にはその後の曲げ伸ばしやし
ごき加工により、この部分のポリエステルには、加工に
伴なう一軸配向が付与される。この一軸配向は、ポリエ
ステルフィルムに腐食性成分に対するバリアー性や内容
物フレーバーの吸着防止に役立つので、缶胴部の耐内容
物性も結果的に向上することが期待されるのである。
対応部分ではポリエステルの二軸配向が緩和されている
が、絞り及び再絞り加工更にはその後の曲げ伸ばしやし
ごき加工により、この部分のポリエステルには、加工に
伴なう一軸配向が付与される。この一軸配向は、ポリエ
ステルフィルムに腐食性成分に対するバリアー性や内容
物フレーバーの吸着防止に役立つので、缶胴部の耐内容
物性も結果的に向上することが期待されるのである。
【0028】ところが、既に指摘したとおり、上記の缶
胴部配向緩和型のシームレス缶では、巻締部或いはネッ
ク部等の缶胴部分で、しかも周方向のある限られた位置
で、加工性低下、被覆欠陥及び金属腐食等の欠陥、即ち
異方性欠陥が発生するのである。
胴部配向緩和型のシームレス缶では、巻締部或いはネッ
ク部等の缶胴部分で、しかも周方向のある限られた位置
で、加工性低下、被覆欠陥及び金属腐食等の欠陥、即ち
異方性欠陥が発生するのである。
【0029】本発明者らは、この原因について究明した
結果、異方性欠陥が発生したラミネートシームレス缶で
は、ポリエステルにおける缶軸方向の一軸配向度の値が
周方向に見て異なっており、一軸配向度の高い部分で異
方性欠陥を発生していることを見いだした。更に、一軸
配向度に分布が発生する原因についても検討した結果、
この分布は缶胴部となるべきラミネートの部分のポリエ
ステルの残留二軸配向度の分布に起因することを見いだ
した。
結果、異方性欠陥が発生したラミネートシームレス缶で
は、ポリエステルにおける缶軸方向の一軸配向度の値が
周方向に見て異なっており、一軸配向度の高い部分で異
方性欠陥を発生していることを見いだした。更に、一軸
配向度に分布が発生する原因についても検討した結果、
この分布は缶胴部となるべきラミネートの部分のポリエ
ステルの残留二軸配向度の分布に起因することを見いだ
した。
【0030】即ち、上記の二軸配向分布型ラミネート板
は、金属板とポリエステルフィルムとの熱接着に際し
て、容器底部に対応する部分の熱接着を比較的低温で行
なって二軸配向の緩和の程度を少なくし、一方容器胴部
に対応する部分の熱接着を比較的高温で行って二軸配向
の緩和の程度を大きくすることにより製造され、接着す
べき金属板に上記温度分布を形成させるには、温度分布
のパターンを有する加熱ロールと金属板とを接触させる
ことにより行うのであるが、加熱ロールと金属板とが接
触する際、胴部となる金属板部分が熱変形して波うちを
生じ、胴部となる金属板部分に温度パターンが正確に伝
達されないという問題を生じるのである。この波うち
は、缶底部の耐デント性を一層向上させるために、より
低温とし、缶胴対応部との温度差が大きくなるほど顕著
である。
は、金属板とポリエステルフィルムとの熱接着に際し
て、容器底部に対応する部分の熱接着を比較的低温で行
なって二軸配向の緩和の程度を少なくし、一方容器胴部
に対応する部分の熱接着を比較的高温で行って二軸配向
の緩和の程度を大きくすることにより製造され、接着す
べき金属板に上記温度分布を形成させるには、温度分布
のパターンを有する加熱ロールと金属板とを接触させる
ことにより行うのであるが、加熱ロールと金属板とが接
触する際、胴部となる金属板部分が熱変形して波うちを
生じ、胴部となる金属板部分に温度パターンが正確に伝
達されないという問題を生じるのである。この波うち
は、缶底部の耐デント性を一層向上させるために、より
低温とし、缶胴対応部との温度差が大きくなるほど顕著
である。
【0031】このため、ラミネート板の缶胴部となるべ
き部分で、加熱ロールと接触して配向の緩和が正常に行
われた部分と、加熱ロールから浮いて配向の緩和が正常
に行われなかった部分との二軸配向の差を生じることに
なる。また、この二軸配向の差により、同一容器の同一
高さでも、周方向の位置によって一軸配向度に大きな差
を生じるのである。
き部分で、加熱ロールと接触して配向の緩和が正常に行
われた部分と、加熱ロールから浮いて配向の緩和が正常
に行われなかった部分との二軸配向の差を生じることに
なる。また、この二軸配向の差により、同一容器の同一
高さでも、周方向の位置によって一軸配向度に大きな差
を生じるのである。
【0032】本発明者らは、シームレス缶の缶胴部の巻
締部近傍におけるポリエステルの一軸配向度の分布を前
記式(6)を満足する範囲に制御すると、異方性欠陥の
発生が有効に抑制されることを見いだした。
締部近傍におけるポリエステルの一軸配向度の分布を前
記式(6)を満足する範囲に制御すると、異方性欠陥の
発生が有効に抑制されることを見いだした。
【0033】また、そのためには、用いるラミネート材
における缶胴部対応部分のポリエステルの二軸配向度の
分布を前記式(3)を満足する範囲、特に前記式(4)
を満足する範囲に制御すればよいことを見いだした。
における缶胴部対応部分のポリエステルの二軸配向度の
分布を前記式(3)を満足する範囲、特に前記式(4)
を満足する範囲に制御すればよいことを見いだした。
【0034】この制御は、金属板を、缶底部に対応する
部分を相対的に低温にかつ缶胴部に対応する部分を相対
的に高温に維持した加熱ロールと接触させて、金属板に
温度パターンを形成し、次いでこの金属板と二軸延伸ポ
リエステルフィルムとを貼り合わせて熱接着させる際、
金属板と加熱ロールとを、金属板の熱変形が防止される
条件下に接触させて、温度パターンの転写を行うこと、
例えば金属板が加熱ロールを離れる位置乃至その上流側
近傍の位置に、加熱ロールとの間で金属板を挟持する少
なくとも1本のニップロールを配置して温度パターンの
転写を行うことにより達成されることも見いだした。
部分を相対的に低温にかつ缶胴部に対応する部分を相対
的に高温に維持した加熱ロールと接触させて、金属板に
温度パターンを形成し、次いでこの金属板と二軸延伸ポ
リエステルフィルムとを貼り合わせて熱接着させる際、
金属板と加熱ロールとを、金属板の熱変形が防止される
条件下に接触させて、温度パターンの転写を行うこと、
例えば金属板が加熱ロールを離れる位置乃至その上流側
近傍の位置に、加熱ロールとの間で金属板を挟持する少
なくとも1本のニップロールを配置して温度パターンの
転写を行うことにより達成されることも見いだした。
【0035】後述する例を参照されたい。表3には、前
記式(6)の左辺の値と右辺の値とが記載されている。
左辺の値が右辺の値よりも大きい場合(例2、3及び
4)には異方性欠陥が発生したり、成形時の破胴が生じ
るのに対して、左辺の値を右辺の値よりも小さくする場
合には、成形時の破胴を防止し、異方性欠陥の発生を防
止しうることが明らかである。また、そのためには、用
いるラミネート材のポリエステル層の二軸配向度を前記
式(3)、特に式(4)を満足する範囲とすべきことも
了解される。
記式(6)の左辺の値と右辺の値とが記載されている。
左辺の値が右辺の値よりも大きい場合(例2、3及び
4)には異方性欠陥が発生したり、成形時の破胴が生じ
るのに対して、左辺の値を右辺の値よりも小さくする場
合には、成形時の破胴を防止し、異方性欠陥の発生を防
止しうることが明らかである。また、そのためには、用
いるラミネート材のポリエステル層の二軸配向度を前記
式(3)、特に式(4)を満足する範囲とすべきことも
了解される。
【0036】本発明においてラミネート材の缶底部対応
部分とは、この部分が厳密に容器底部と対応していると
いう意味では決してなく、この底部対応部分から容器底
部が形成されるという意味であり、容器胴部の下方部分
がブランクの底部対応部分から形成されていても何等差
支えない。
部分とは、この部分が厳密に容器底部と対応していると
いう意味では決してなく、この底部対応部分から容器底
部が形成されるという意味であり、容器胴部の下方部分
がブランクの底部対応部分から形成されていても何等差
支えない。
【0037】[二軸配向度]先ず、ポリエステルフィル
ムの二軸配向度(Rx )は、式(1) Rx =IA /IB …(1) で表わされる。ここで、IA 及びIB は前述したX線回
折により求められるが、IA は面指数(100)におけ
る回折強度、IB は面指数(−110)における回折強
度であり、より詳細には、次のように求められる。
ムの二軸配向度(Rx )は、式(1) Rx =IA /IB …(1) で表わされる。ここで、IA 及びIB は前述したX線回
折により求められるが、IA は面指数(100)におけ
る回折強度、IB は面指数(−110)における回折強
度であり、より詳細には、次のように求められる。
【0038】IA /IB の測定方法:測定試料は容器の
底面部からサンプリングする。X線ディフラクトメータ
を用い、下記のように測定する。測定条件として、X線
管球(ターゲット)は銅(波長λ=0.1542nm)
を使用して、管電圧、管電流は30KV−100mA程
度で、面間隔約0.39nm(2θが22.5°付近)
の回折面と面間隔約0.34nm(2θが26°付近)
の回折面の二つの回折ピークが分離できるようにスリッ
ト幅が角度にして0.1°以下の受光スリットを選択
し、回折角2θに対しX線の入射角と反射角がそれぞれ
θであり、かつ、入射X線と回折X線がフィルム面法線
に対して対称になるように試料を取り付け、入射角θと
反射角θが常に等しくなるように保ちながら、回折角2
θを20〜30°間走査し、X線回折スペクトルを測定
する。測定した例を図3に示す。
底面部からサンプリングする。X線ディフラクトメータ
を用い、下記のように測定する。測定条件として、X線
管球(ターゲット)は銅(波長λ=0.1542nm)
を使用して、管電圧、管電流は30KV−100mA程
度で、面間隔約0.39nm(2θが22.5°付近)
の回折面と面間隔約0.34nm(2θが26°付近)
の回折面の二つの回折ピークが分離できるようにスリッ
ト幅が角度にして0.1°以下の受光スリットを選択
し、回折角2θに対しX線の入射角と反射角がそれぞれ
θであり、かつ、入射X線と回折X線がフィルム面法線
に対して対称になるように試料を取り付け、入射角θと
反射角θが常に等しくなるように保ちながら、回折角2
θを20〜30°間走査し、X線回折スペクトルを測定
する。測定した例を図3に示す。
【0039】面間隔約0.39nm(2θが22.5°
付近)の回折面の回折と、面間隔約0.34nm(2θ
が26°付近)の回折面の回折の各々の積分強度(ピー
ク面積)IB ,IA を求め、強度比IA /IB の値を計
算する。IA とIB の積分強度は、図のように、それぞ
れ2θ=24と28°、2θ=21.5と24°の各々
の強度のところを直線で結びバックグラウンドとし、バ
ックグラウンドを引いた図の斜線部分の強度とする。
付近)の回折面の回折と、面間隔約0.34nm(2θ
が26°付近)の回折面の回折の各々の積分強度(ピー
ク面積)IB ,IA を求め、強度比IA /IB の値を計
算する。IA とIB の積分強度は、図のように、それぞ
れ2θ=24と28°、2θ=21.5と24°の各々
の強度のところを直線で結びバックグラウンドとし、バ
ックグラウンドを引いた図の斜線部分の強度とする。
【0040】本発明において、缶底部のポリエステルフ
ィルムは、2.5乃至20、特に2.8乃至20の二軸
配向度(Rx)を有する。この二軸配向度は、底の耐デ
ント性や耐内容物性に関して重要なものであり、上記範
囲よりも低いと、底の耐デントや耐内容物が低下する。
一方、二軸配向度が上記範囲を上回ると金属基体への密
着性が低下するので何れも好ましくない。
ィルムは、2.5乃至20、特に2.8乃至20の二軸
配向度(Rx)を有する。この二軸配向度は、底の耐デ
ント性や耐内容物性に関して重要なものであり、上記範
囲よりも低いと、底の耐デントや耐内容物が低下する。
一方、二軸配向度が上記範囲を上回ると金属基体への密
着性が低下するので何れも好ましくない。
【0041】一方、缶胴部における最大二軸配向度Rx
BMが上記缶底部のポリエステルの二軸配向度Rxの95
%を上回ると、シームレス缶への成形性が低下すること
は既に指摘したとおりであり、また最大二軸配向度Rx
BMと最小二軸配向度RxBmとの差が前記(3)の範囲を
はずれると、異方性欠陥が生じやすいことも既に指摘し
たとおりである。
BMが上記缶底部のポリエステルの二軸配向度Rxの95
%を上回ると、シームレス缶への成形性が低下すること
は既に指摘したとおりであり、また最大二軸配向度Rx
BMと最小二軸配向度RxBmとの差が前記(3)の範囲を
はずれると、異方性欠陥が生じやすいことも既に指摘し
たとおりである。
【0042】[一軸配向度]一方、缶胴部ポリエステル
フィルムの一軸配向度cos2 φは、下記式(9)
フィルムの一軸配向度cos2 φは、下記式(9)
【数1】 ここでI(φ)は角度φでのポリエステルフィルム表面
に直角な面間隔約0.21nm(CuKαX線回折角が
41°から45°)の回折面(面指数(−105)によ
るX線回折強度を表わし、φは缶高さ方向に対し回折面
法線ベクトルとポリエステル繊維軸との構造上の傾き分
を考慮した角度をゼロとして、−90゜迄のX線回折の
βスキャン角度で示される値である、で表される。
に直角な面間隔約0.21nm(CuKαX線回折角が
41°から45°)の回折面(面指数(−105)によ
るX線回折強度を表わし、φは缶高さ方向に対し回折面
法線ベクトルとポリエステル繊維軸との構造上の傾き分
を考慮した角度をゼロとして、−90゜迄のX線回折の
βスキャン角度で示される値である、で表される。
【0043】一軸配向度指数cos2 φは、前記式
(9)から算出されるがより詳細には次の方法で求めら
れる。
(9)から算出されるがより詳細には次の方法で求めら
れる。
【0044】◇一軸配向度の測定方法: ・装置 :X線回折装置、Cuはターゲット、ボールフ
ィギャーアタッチメント ・測定法:最終缶の缶胴より単離(50%希釈塩酸によ
る)したフィルム透過法、α=0°、βスキャン(β=
90°:軸方向) 2θ=43°→(−105)面:繊
維軸にほぼ直角 ・データ処理:β=82°→φ=0°として(8°は面
と軸のズレ分)
ィギャーアタッチメント ・測定法:最終缶の缶胴より単離(50%希釈塩酸によ
る)したフィルム透過法、α=0°、βスキャン(β=
90°:軸方向) 2θ=43°→(−105)面:繊
維軸にほぼ直角 ・データ処理:β=82°→φ=0°として(8°は面
と軸のズレ分)
【0045】図4は缶胴部ポリエステルフィルムについ
てβスキャン角度と回折強度との関係の一例を示すグラ
フであり、図5は缶胴の種々の高さの部分についてco
s2φと高さとの関係を示すグラフである。
てβスキャン角度と回折強度との関係の一例を示すグラ
フであり、図5は缶胴の種々の高さの部分についてco
s2φと高さとの関係を示すグラフである。
【0046】cos2 φは、配向が高さ方向に完全一軸
配向の場合1であり、配向がランダムである場合1/2
であり、配向が缶の周方向である場合0である(絞り缶
ではあり得ないが)指数である。
配向の場合1であり、配向がランダムである場合1/2
であり、配向が缶の周方向である場合0である(絞り缶
ではあり得ないが)指数である。
【0047】本発明のシームレス缶では、巻締部直下に
おいて、最大一軸配向度 cos2φM が、缶底部ポリ
エステルの二軸配向度IA /IB 及び缶胴部の部位にお
ける加工による相当ひずみεに関連して前記不等式
(5)を満足する範囲内になければならず、最大一軸配
向度cos2 φM と最小一軸配向度cos2 φm との差
が前記不等式(6)を満足する範囲になければならな
い。
おいて、最大一軸配向度 cos2φM が、缶底部ポリ
エステルの二軸配向度IA /IB 及び缶胴部の部位にお
ける加工による相当ひずみεに関連して前記不等式
(5)を満足する範囲内になければならず、最大一軸配
向度cos2 φM と最小一軸配向度cos2 φm との差
が前記不等式(6)を満足する範囲になければならな
い。
【0048】一方、加工による相当ひずみεは、ブラン
ク(素板)から缶胴への加工による相当ひずみであり、
板厚ひずみεt、高さ方向ひずみεφ及び周方向ひずみ
εθから算出される。その算出法は次の通りである。 ◇加工による相当ひずみ:εの算出法:相当ひずみε
は、板厚ひずみεt、高さ方法ひずみεφ及び周方向ひ
ずみεθから、式(10)
ク(素板)から缶胴への加工による相当ひずみであり、
板厚ひずみεt、高さ方向ひずみεφ及び周方向ひずみ
εθから算出される。その算出法は次の通りである。 ◇加工による相当ひずみ:εの算出法:相当ひずみε
は、板厚ひずみεt、高さ方法ひずみεφ及び周方向ひ
ずみεθから、式(10)
【数2】 で無次元の値として算出される。
【0049】この加工による相当ひずみは、ひずみ算出
の説明図(図6)において、任意の直径位置dn におけ
る素板の周長w0 、径方向単位長さl0 及び厚みt0 の
部分が、缶胴における缶底からの高さhn の周長w、高
さl及び厚みtの形状に変化したとして、次のように求
める。 板厚ひずみ εt=ln (t/t0 ) 高さ(半径)方向ひずみ εφ=ln (l/l0 ) 周方向ひずみ εθ=ln (w/w0 ) ただし εt+εφ+εθ=0
の説明図(図6)において、任意の直径位置dn におけ
る素板の周長w0 、径方向単位長さl0 及び厚みt0 の
部分が、缶胴における缶底からの高さhn の周長w、高
さl及び厚みtの形状に変化したとして、次のように求
める。 板厚ひずみ εt=ln (t/t0 ) 高さ(半径)方向ひずみ εφ=ln (l/l0 ) 周方向ひずみ εθ=ln (w/w0 ) ただし εt+εφ+εθ=0
【数3】 Vn が素板の時の直径dn は dn =Vn ×〔4/(πt0 )〕 従って w0 =πdn =4Vn /t0 εφn =−(εtn +εθn ) 深絞り缶では、缶胴部での位置が高くなる程加工の程度
が高くなり、これに伴ってεの値も当然高くなる。
が高くなり、これに伴ってεの値も当然高くなる。
【0050】缶胴部ポリエステルの最大一軸配向度co
s2 φM が式(5)の右辺と等しい場合には、成形に際
してフィルムの破断を生じるか、或いは成形可能であっ
たとしても、フィルムの剥離や、マイクロクラックピン
ホール等の発生によって密着性や耐食性の低下がもたら
されるのに対して、式(5)を満足するように、缶胴ポ
リエステルの最大一軸配向度を抑制することにより、上
記欠点を解消することができる。
s2 φM が式(5)の右辺と等しい場合には、成形に際
してフィルムの破断を生じるか、或いは成形可能であっ
たとしても、フィルムの剥離や、マイクロクラックピン
ホール等の発生によって密着性や耐食性の低下がもたら
されるのに対して、式(5)を満足するように、缶胴ポ
リエステルの最大一軸配向度を抑制することにより、上
記欠点を解消することができる。
【0051】尚、式(5)において、最大一軸配向度c
os2 φM を0.55より大と規定しているのは、缶胴
ポリエステルの一軸配向による耐内容物性の向上が得ら
れることによるものである。
os2 φM を0.55より大と規定しているのは、缶胴
ポリエステルの一軸配向による耐内容物性の向上が得ら
れることによるものである。
【0052】また、図5によると、加工による相当ひず
みεが大きくなると、一軸配向度cos2 φも大きくな
ることがわかるが、本発明によれば缶胴対応部分の平均
Rxが同じであっても、RXMが小さく、その結果cos
2 φM が小さいので、εを大きくできる。従って、従来
可能であった高々35%程度の薄肉化率を40%以上、
特に60%にも達する薄肉化深絞り加工が可能となるも
のであり、これにより素材コストの低減及び容器の軽量
化が可能となる。
みεが大きくなると、一軸配向度cos2 φも大きくな
ることがわかるが、本発明によれば缶胴対応部分の平均
Rxが同じであっても、RXMが小さく、その結果cos
2 φM が小さいので、εを大きくできる。従って、従来
可能であった高々35%程度の薄肉化率を40%以上、
特に60%にも達する薄肉化深絞り加工が可能となるも
のであり、これにより素材コストの低減及び容器の軽量
化が可能となる。
【0053】本発明においては、最大一軸配向度cos
2 φM と最小一軸配向度cos2 φ m との差が、式
(6)を満足するようにすることが重要であることは、
既に述べたとおりであるが、式(6)から、最大一軸配
向度cos2 φM が大きくなるほど、許容される最大一
軸配向度cos2 φM と最小一軸配向度cos2 φm と
の差は小さくなることが理解されるべきである。
2 φM と最小一軸配向度cos2 φ m との差が、式
(6)を満足するようにすることが重要であることは、
既に述べたとおりであるが、式(6)から、最大一軸配
向度cos2 φM が大きくなるほど、許容される最大一
軸配向度cos2 φM と最小一軸配向度cos2 φm と
の差は小さくなることが理解されるべきである。
【0054】[シームレス缶]本発明のシームレス缶の
一例を示す図7において、このシームレス缶10は前述
した被覆金属板の深絞り(絞り−再絞り)或いは更に再
絞り時の曲げ伸ばしやしごき加工による薄肉化により形
成され、底部11と胴側壁部12とから成っている。側
壁部12の上端には所望によりネック部13を介してフ
ランジ部14が形成されている。この缶10では、底部
11に比して側壁部12は曲げ伸ばしにより薄肉化され
ている。
一例を示す図7において、このシームレス缶10は前述
した被覆金属板の深絞り(絞り−再絞り)或いは更に再
絞り時の曲げ伸ばしやしごき加工による薄肉化により形
成され、底部11と胴側壁部12とから成っている。側
壁部12の上端には所望によりネック部13を介してフ
ランジ部14が形成されている。この缶10では、底部
11に比して側壁部12は曲げ伸ばしにより薄肉化され
ている。
【0055】側壁部12の断面構造は図2(a)に示す
ラミネート板の断面構造と同様で、この側壁部12は金
属基体2とその表面上に設けられたポリエステルの内面
被膜3と基体の他方の表面に設けられたポリエステルの
外面被膜4とから成っている。断面構造の他の例を示す
図2(b)において、断面構造は図2(a)の場合と同
様であるが、金属表面と内面被膜3との間、並びに金属
表面と外面被膜4との間に、それぞれ接着剤層15a,
15bが介在されている点で構造を異にしている。これ
ら何れの場合も、底部11の断面構造は側壁部12の断
面構造と同様である。
ラミネート板の断面構造と同様で、この側壁部12は金
属基体2とその表面上に設けられたポリエステルの内面
被膜3と基体の他方の表面に設けられたポリエステルの
外面被膜4とから成っている。断面構造の他の例を示す
図2(b)において、断面構造は図2(a)の場合と同
様であるが、金属表面と内面被膜3との間、並びに金属
表面と外面被膜4との間に、それぞれ接着剤層15a,
15bが介在されている点で構造を異にしている。これ
ら何れの場合も、底部11の断面構造は側壁部12の断
面構造と同様である。
【0056】[金属素材]本発明では、金属板としては
各種表面処理鋼板やアルミニウム等の軽金属板が使用さ
れる。表面処理鋼板としては、冷圧延鋼板を焼鈍後二次
冷間圧延し、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッケルメッキ、
電解クロム酸処理、クロム酸処理等の表面処理の一種ま
たは二種以上行ったものを用いることができる。好適な
表面処理鋼板の一例は、電解クロム酸処理鋼板であり、
特に10乃至200mg/m2 の金属クロム層と1乃至
50mg/m2 (金属クロム換算)のクロム酸化物層と
を備えたものであり、このものは塗膜密着性と耐腐食性
との組合せに優れている。表面処理鋼板の他の例は、
0.6乃至11.2g/m2 の錫メッキ量を有する硬質
ブリキ板である。このブリキ板は、金属クロム換算で、
クロム量が1乃至30mg/m2 となるようなクロム酸
処理或いはクロム酸/リン酸処理が行われていることが
望ましい。更に他の例としてはアルミニウムメッキ、ア
ルミニウム圧接等を施したアルミニウム被覆鋼板が用い
られる。
各種表面処理鋼板やアルミニウム等の軽金属板が使用さ
れる。表面処理鋼板としては、冷圧延鋼板を焼鈍後二次
冷間圧延し、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッケルメッキ、
電解クロム酸処理、クロム酸処理等の表面処理の一種ま
たは二種以上行ったものを用いることができる。好適な
表面処理鋼板の一例は、電解クロム酸処理鋼板であり、
特に10乃至200mg/m2 の金属クロム層と1乃至
50mg/m2 (金属クロム換算)のクロム酸化物層と
を備えたものであり、このものは塗膜密着性と耐腐食性
との組合せに優れている。表面処理鋼板の他の例は、
0.6乃至11.2g/m2 の錫メッキ量を有する硬質
ブリキ板である。このブリキ板は、金属クロム換算で、
クロム量が1乃至30mg/m2 となるようなクロム酸
処理或いはクロム酸/リン酸処理が行われていることが
望ましい。更に他の例としてはアルミニウムメッキ、ア
ルミニウム圧接等を施したアルミニウム被覆鋼板が用い
られる。
【0057】軽金属板としては、所謂純アルミニウム板
の他にアルミニウム合金板が使用される。耐腐食性と加
工性との点で優れたアルミニウム合金板は、Mn:0.
2乃至1.5重量%、Mg:0.8乃至5重量%、Z
n:0.25乃至0.3重量%、及びCu:0.16乃
至0.26重量%、残部がAlの組成を有するものであ
る。これらの軽金属板も、金属クロム換算で、クロム量
が20乃至300mg/m2 となるようなクロム酸処理
或いはクロム酸/リン酸処理が行われていることが望ま
しい。
の他にアルミニウム合金板が使用される。耐腐食性と加
工性との点で優れたアルミニウム合金板は、Mn:0.
2乃至1.5重量%、Mg:0.8乃至5重量%、Z
n:0.25乃至0.3重量%、及びCu:0.16乃
至0.26重量%、残部がAlの組成を有するものであ
る。これらの軽金属板も、金属クロム換算で、クロム量
が20乃至300mg/m2 となるようなクロム酸処理
或いはクロム酸/リン酸処理が行われていることが望ま
しい。
【0058】金属板の素板厚、即ち缶底部の厚み
(tB )は、金属の種類、容器の用途或いはサイズによ
っても相違するが、一般に0.10乃至0.50mmの
厚みを有するのがよく、この内でも表面処理鋼板の場合
には、0.10乃至0.30mmの厚み、また軽金属板
の場合には0.15乃至0.40mmの厚みを有するの
がよい。
(tB )は、金属の種類、容器の用途或いはサイズによ
っても相違するが、一般に0.10乃至0.50mmの
厚みを有するのがよく、この内でも表面処理鋼板の場合
には、0.10乃至0.30mmの厚み、また軽金属板
の場合には0.15乃至0.40mmの厚みを有するの
がよい。
【0059】[ポリエステルフィルム]本発明に用いる
ラミネート板は、上記金属基体に二軸配向ポリエステル
フィルムを熱接着により積層することにより得られる
が、このフィルムは、IA /IBで表わされる二軸配向
度(Rx)が2.5以上、特に3以上であるのがよい。
このフィルムは、エチレンテレフタレート単位を主体と
するポリエステルを、T−ダイ法やインフレーション製
膜法でフィルムに成形し、このフィルムを延伸温度で、
逐次或いは同時二軸延伸し、延伸後のフィルムを熱固定
することにより製造される。
ラミネート板は、上記金属基体に二軸配向ポリエステル
フィルムを熱接着により積層することにより得られる
が、このフィルムは、IA /IBで表わされる二軸配向
度(Rx)が2.5以上、特に3以上であるのがよい。
このフィルムは、エチレンテレフタレート単位を主体と
するポリエステルを、T−ダイ法やインフレーション製
膜法でフィルムに成形し、このフィルムを延伸温度で、
逐次或いは同時二軸延伸し、延伸後のフィルムを熱固定
することにより製造される。
【0060】原料ポリエステルとしては、ポリエチレン
テレフタレートそのものも制限された条件下で使用可能
であるが、缶胴部対応部分のフィルムの配向緩和の点
で、また熱接着性や耐内容物性の点でポリエステル中に
エチレンテレフタレート以外の共重合エステル単位を導
入するのがよい。本発明ではエチレンテレフタレート単
位を主体とし、他のエステル単位の少量を含む融点(示
差熱分析における融解吸熱のピーク温度)が210乃至
252℃の共重合ポリエステルの二軸延伸フィルムを用
いることが特に好ましい。尚、ホモポリエチレンテレフ
タレートの融点は一般に255〜265℃である。
テレフタレートそのものも制限された条件下で使用可能
であるが、缶胴部対応部分のフィルムの配向緩和の点
で、また熱接着性や耐内容物性の点でポリエステル中に
エチレンテレフタレート以外の共重合エステル単位を導
入するのがよい。本発明ではエチレンテレフタレート単
位を主体とし、他のエステル単位の少量を含む融点(示
差熱分析における融解吸熱のピーク温度)が210乃至
252℃の共重合ポリエステルの二軸延伸フィルムを用
いることが特に好ましい。尚、ホモポリエチレンテレフ
タレートの融点は一般に255〜265℃である。
【0061】一般に共重合ポリエステル中の二塩基酸成
分の70モル%以上、特に75モル%以上がテレフタル
酸成分から成り、ジオール成分の70モル%以上、特に
75モル%以上がエチレングリコールから成り、二塩基
酸成分及び/又はジオール成分の1乃至30モル%、特
に5乃至25%がテレフタル酸以外の二塩基酸成分及び
/又はエチレングリコール以外のジオール成分から成る
ことが好ましい。
分の70モル%以上、特に75モル%以上がテレフタル
酸成分から成り、ジオール成分の70モル%以上、特に
75モル%以上がエチレングリコールから成り、二塩基
酸成分及び/又はジオール成分の1乃至30モル%、特
に5乃至25%がテレフタル酸以外の二塩基酸成分及び
/又はエチレングリコール以外のジオール成分から成る
ことが好ましい。
【0062】テレフタル酸以外の二塩基酸としては、イ
ソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳
香族ジカルボン酸:シクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環族ジカルボン酸:コハク酸、アジピン酸、セバチン
酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸:の1種
又は2種以上の組合せが挙げられ、エチレングリコール
以外のジオール成分としては、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,
6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の
1種又は2種以上が挙げられる。勿論、これらのコモノ
マーの組合せは、共重合ポリエステルの融点が前記範囲
となるものがよい。
ソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳
香族ジカルボン酸:シクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環族ジカルボン酸:コハク酸、アジピン酸、セバチン
酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸:の1種
又は2種以上の組合せが挙げられ、エチレングリコール
以外のジオール成分としては、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,
6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の
1種又は2種以上が挙げられる。勿論、これらのコモノ
マーの組合せは、共重合ポリエステルの融点が前記範囲
となるものがよい。
【0063】金属への密着性、加工性及びフレーバー吸
着防止の点で特に好適なポリエステルは、ポリ(エチレ
ンテレフタレート/イソフタレート)(PET/I)を
主体とするものである。
着防止の点で特に好適なポリエステルは、ポリ(エチレ
ンテレフタレート/イソフタレート)(PET/I)を
主体とするものである。
【0064】用いるポリエステルは、フィルムを形成す
るに足る分子量を有するべきであり、このためには固有
粘度(I.V.)が0.50乃至1.9dl/g、特に
0.55乃至1.4dl/gの範囲にあるものが望まし
い。
るに足る分子量を有するべきであり、このためには固有
粘度(I.V.)が0.50乃至1.9dl/g、特に
0.55乃至1.4dl/gの範囲にあるものが望まし
い。
【0065】ポリエステルフィルムは、二軸延伸されて
いることが重要である。二軸配向の程度は、偏光蛍光
法、複屈折法、密度勾配管法密度等でも確認することが
できる。また、フィルムの厚みは、腐食成分に対するバ
リヤー性と加工性との兼ね合いから、8乃至50μm、
特に12乃至40μmの厚みを有することが望ましい。
いることが重要である。二軸配向の程度は、偏光蛍光
法、複屈折法、密度勾配管法密度等でも確認することが
できる。また、フィルムの厚みは、腐食成分に対するバ
リヤー性と加工性との兼ね合いから、8乃至50μm、
特に12乃至40μmの厚みを有することが望ましい。
【0066】勿論、この二軸配向フィルムには、それ自
体公知のフィルム用配合剤、例えば非晶質シリカ等のア
ンチブロッキング剤、二酸化チタン(チタン白)等の顔
料、各種帯電防止剤、滑剤等を公知の処方に従って配合
することができる。
体公知のフィルム用配合剤、例えば非晶質シリカ等のア
ンチブロッキング剤、二酸化チタン(チタン白)等の顔
料、各種帯電防止剤、滑剤等を公知の処方に従って配合
することができる。
【0067】フィルムの延伸は一般に80乃至110℃
の温度で、面積延伸倍率が2.5乃至16.0、特に
4.0乃至14.0となる範囲から、ポリエステルの種
類や他の条件との関連で、IA /IB が前記範囲となる
延伸倍率を選ぶ。また、フィルムの熱固定は、130乃
至240℃、特に150乃至230℃の範囲から、やは
り前記条件が満足されるような熱固定温度を選ぶ。
の温度で、面積延伸倍率が2.5乃至16.0、特に
4.0乃至14.0となる範囲から、ポリエステルの種
類や他の条件との関連で、IA /IB が前記範囲となる
延伸倍率を選ぶ。また、フィルムの熱固定は、130乃
至240℃、特に150乃至230℃の範囲から、やは
り前記条件が満足されるような熱固定温度を選ぶ。
【0068】ポリエステルフィルムとして単層のフィル
ムを使用できるのは勿論であるが、2層或いはそれ以上
の多層からなる積層フィルムを使用することもできる。
積層フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート等の腐食
成分に対するバリアー性、内容物の非吸着性等に優れた
ポリエステル表層と、金属との接着性に優れた共重合コ
ポリエステル、ブレンドポリエステル或いはブレンドコ
ポリエステル下層とからなるものを用いることができ
る。
ムを使用できるのは勿論であるが、2層或いはそれ以上
の多層からなる積層フィルムを使用することもできる。
積層フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート等の腐食
成分に対するバリアー性、内容物の非吸着性等に優れた
ポリエステル表層と、金属との接着性に優れた共重合コ
ポリエステル、ブレンドポリエステル或いはブレンドコ
ポリエステル下層とからなるものを用いることができ
る。
【0069】[ラミネート材の製造]本発明に使用する
金属−ポリエステルラミネート材のブランク(素板)
は、少なくとも容器底部に対応する部分のポリエステル
(A)が、2.5乃至20の範囲、特に3乃至20の範
囲内の二軸配向度(IA /IB )を有し、容器胴部に対
応する部分のポリエステル(B)が式(2)及び(3)
を満足する二軸配向度を有するものである。
金属−ポリエステルラミネート材のブランク(素板)
は、少なくとも容器底部に対応する部分のポリエステル
(A)が、2.5乃至20の範囲、特に3乃至20の範
囲内の二軸配向度(IA /IB )を有し、容器胴部に対
応する部分のポリエステル(B)が式(2)及び(3)
を満足する二軸配向度を有するものである。
【0070】容器胴部に対応する部分のポリエステル
(B)は、ラミネート製造の際ポリエステルの二軸配向
を予じめ緩和させることにより形成され、この際容器胴
部に対応する部分の二軸配向度の分布を前記式(2)及
び(3)を満足するようにする。
(B)は、ラミネート製造の際ポリエステルの二軸配向
を予じめ緩和させることにより形成され、この際容器胴
部に対応する部分の二軸配向度の分布を前記式(2)及
び(3)を満足するようにする。
【0071】このために、金属板に、缶底部に対応する
部分が相対的に低温となり且つ缶胴部に対応する部分が
相対的に高温となる温度パターンを形成し、この温度パ
ターンを有する金属板とポリエステルフィルムとを熱接
着させる。
部分が相対的に低温となり且つ缶胴部に対応する部分が
相対的に高温となる温度パターンを形成し、この温度パ
ターンを有する金属板とポリエステルフィルムとを熱接
着させる。
【0072】缶底部対応部分において、ポリエステルフ
ィルムの二軸配向を有効に残留させるには、金属基体表
面を、ポリエステルの融点(Tm )近傍の温度(TA
)、一般にTm −50℃〜Tm +30℃の温度、特に
Tm −30℃乃至Tm +20℃の温度に維持して熱接着
させるのがよい。
ィルムの二軸配向を有効に残留させるには、金属基体表
面を、ポリエステルの融点(Tm )近傍の温度(TA
)、一般にTm −50℃〜Tm +30℃の温度、特に
Tm −30℃乃至Tm +20℃の温度に維持して熱接着
させるのがよい。
【0073】一方、缶胴部に対応する部分の金属基体表
面の温度(TB )は、前記温度TAよりも高く且つポリ
エステルの融点(Tm ℃)程度以上の温度、特にTm −
10℃乃至Tm +50℃の温度、最も好適にはTm −5
℃乃至Tm +40℃の範囲の温度にあるのがよい。缶胴
部対応部分のポリエステルの二軸配向度を前記範囲にす
るためには、缶胴部に対応する部分の金属基体表面温度
を均一且つ一様な温度に維持しておくことが重要であ
る。
面の温度(TB )は、前記温度TAよりも高く且つポリ
エステルの融点(Tm ℃)程度以上の温度、特にTm −
10℃乃至Tm +50℃の温度、最も好適にはTm −5
℃乃至Tm +40℃の範囲の温度にあるのがよい。缶胴
部対応部分のポリエステルの二軸配向度を前記範囲にす
るためには、缶胴部に対応する部分の金属基体表面温度
を均一且つ一様な温度に維持しておくことが重要であ
る。
【0074】金属基体の加熱には通電発熱、高周波誘導
加熱、赤外線加熱、熱風炉加熱、ロール加熱等のそれ自
体公知の加熱手段を用いることができ、また熱接着を短
時間で行うために、熱接着すべきフィルムを二軸配向が
実質上緩和されない条件下で予備加熱しておくことがで
きる。この予備加熱の温度は、50〜180℃程度の温
度であるのがよい。
加熱、赤外線加熱、熱風炉加熱、ロール加熱等のそれ自
体公知の加熱手段を用いることができ、また熱接着を短
時間で行うために、熱接着すべきフィルムを二軸配向が
実質上緩和されない条件下で予備加熱しておくことがで
きる。この予備加熱の温度は、50〜180℃程度の温
度であるのがよい。
【0075】上記加熱手段の内でも、金属基体上に温度
パターンを形成させるに適した工業的手段として、ロー
ル加熱手段が特に適している。即ち、金属板を、缶底部
に対応する部分を相対的に低温にかつ缶胴部に対応する
部分を相対的に高温に維持した加熱ロールと接触させ
て、金属板に温度パターンを形成する。
パターンを形成させるに適した工業的手段として、ロー
ル加熱手段が特に適している。即ち、金属板を、缶底部
に対応する部分を相対的に低温にかつ缶胴部に対応する
部分を相対的に高温に維持した加熱ロールと接触させ
て、金属板に温度パターンを形成する。
【0076】温度パターン転写時に、金属基体が熱変形
して波打ちが生じるのを防止するように、加熱ロールと
金属板とを密接に接触させて、正確な温度パターンの転
写が行われるようにするのがよく、このため、例えば金
属板が加熱ロールを離れる位置乃至その上流側近傍の位
置に、加熱ロールとの間で金属板を挟持する少なくとも
1本のニップロールを配置するのがよい。
して波打ちが生じるのを防止するように、加熱ロールと
金属板とを密接に接触させて、正確な温度パターンの転
写が行われるようにするのがよく、このため、例えば金
属板が加熱ロールを離れる位置乃至その上流側近傍の位
置に、加熱ロールとの間で金属板を挟持する少なくとも
1本のニップロールを配置するのがよい。
【0077】缶胴部に対応する金属板部分の温度を均一
化するために、上記ニップロールを缶胴部に対応する部
分の温度と同じ温度乃至それよりも若干高い温度に維持
することも有効である。
化するために、上記ニップロールを缶胴部に対応する部
分の温度と同じ温度乃至それよりも若干高い温度に維持
することも有効である。
【0078】加熱ロールに温度パターンを形成させるに
は、種々の方式を用いることができ、例えば温度パター
ンに対応する面状発熱体、特に胴部に対応する高温側の
面状発熱体と底部に対応する低温側の面状発熱体との組
み合わせをロールに内蔵させる選択加熱方式や、胴部に
対応する部分では板への熱伝導が有効に行われ、底部に
対応する部分では熱伝導が抑制された割合で行われる選
択伝熱方式が採用される。後者の場合、熱伝導を抑制す
るために、ロールの缶底部に対応する部分を円筒面より
径内方に微小間隔だけ凹ませたり或いは缶底部に対応す
る部分に中空部を設けたりすることができる。
は、種々の方式を用いることができ、例えば温度パター
ンに対応する面状発熱体、特に胴部に対応する高温側の
面状発熱体と底部に対応する低温側の面状発熱体との組
み合わせをロールに内蔵させる選択加熱方式や、胴部に
対応する部分では板への熱伝導が有効に行われ、底部に
対応する部分では熱伝導が抑制された割合で行われる選
択伝熱方式が採用される。後者の場合、熱伝導を抑制す
るために、ロールの缶底部に対応する部分を円筒面より
径内方に微小間隔だけ凹ませたり或いは缶底部に対応す
る部分に中空部を設けたりすることができる。
【0079】温度パターン形成後の金属板とポリエステ
ルフィルムとをラミネートロールに通して熱接着し、熱
接着終了後のラミネート板は、二軸配向の過度の緩和を
防止するために、可及的速やかに冷却するのがよい。こ
の冷却は、冷風吹き付け、冷却水噴霧、冷却水浸漬、冷
却ロールとの接触等により行われる。
ルフィルムとをラミネートロールに通して熱接着し、熱
接着終了後のラミネート板は、二軸配向の過度の緩和を
防止するために、可及的速やかに冷却するのがよい。こ
の冷却は、冷風吹き付け、冷却水噴霧、冷却水浸漬、冷
却ロールとの接触等により行われる。
【0080】温度パターンの形成に際して、低温の底部
対応部分と高温の胴部対応部分との境界はできる限りシ
ャープであることが好ましい。なぜならば温度パターン
の形成からラミネートまでの時間に、高温部と低温部の
境界はくずれる方向にあり、場合によっては境界前後で
の配向の緩和不足や耐デント性の低下につながるためで
ある。
対応部分と高温の胴部対応部分との境界はできる限りシ
ャープであることが好ましい。なぜならば温度パターン
の形成からラミネートまでの時間に、高温部と低温部の
境界はくずれる方向にあり、場合によっては境界前後で
の配向の緩和不足や耐デント性の低下につながるためで
ある。
【0081】本発明において、ポリエステルフィルムの
熱接着に必要な時間及び二軸配向緩和に必要な時間は、
かなりの短時間で十分であり、一般に前述した温度に
0.005乃至2秒間保持されれば十分である。
熱接着に必要な時間及び二軸配向緩和に必要な時間は、
かなりの短時間で十分であり、一般に前述した温度に
0.005乃至2秒間保持されれば十分である。
【0082】ラミネート材の製造に際し、ポリエステル
フィルムを、格別の接着剤を使用することなしに、金属
基体に熱接着させ絞り−深絞り加工用のラミネートを製
造することができる。勿論、所望によっては、両者の熱
接着に際して接着プライマーを介在させることができ
る。
フィルムを、格別の接着剤を使用することなしに、金属
基体に熱接着させ絞り−深絞り加工用のラミネートを製
造することができる。勿論、所望によっては、両者の熱
接着に際して接着プライマーを介在させることができ
る。
【0083】密着性と耐腐食性とに優れたプライマー塗
料の代表的なものは、種々のフェノール類とホルムアル
デヒドから誘導されるレゾール型フェノールアルデヒド
樹脂と、ビスフェノール型エポキシ樹脂とから成るフェ
ノールエポキシ系塗料であり、特にフェノール樹脂とエ
ポキシ樹脂とを50:50乃至5:95重量比、特に4
0:60乃至10:90の重量比で含有する塗料であ
る。
料の代表的なものは、種々のフェノール類とホルムアル
デヒドから誘導されるレゾール型フェノールアルデヒド
樹脂と、ビスフェノール型エポキシ樹脂とから成るフェ
ノールエポキシ系塗料であり、特にフェノール樹脂とエ
ポキシ樹脂とを50:50乃至5:95重量比、特に4
0:60乃至10:90の重量比で含有する塗料であ
る。
【0084】接着プライマー層は、一般に0.03乃至
10μmの厚みに設けるのがよい。接着プライマー層は
予め金属素材上に設けてもよく或いは予めポリエステル
フィルム上に設けてもよい。
10μmの厚みに設けるのがよい。接着プライマー層は
予め金属素材上に設けてもよく或いは予めポリエステル
フィルム上に設けてもよい。
【0085】接着用プライマーを用いる場合に、フィル
ムへの接着用プライマーとの密着性を高めるために、二
軸延伸コポリエステルフィルムの表面をコロナ放電処理
しておくことも可能である。コロナ放電処理の程度は、
そのぬれ張力が44dyne/cm以上となるようなも
のであることが望ましい。
ムへの接着用プライマーとの密着性を高めるために、二
軸延伸コポリエステルフィルムの表面をコロナ放電処理
しておくことも可能である。コロナ放電処理の程度は、
そのぬれ張力が44dyne/cm以上となるようなも
のであることが望ましい。
【0086】この他、フィルムへのプラズマ処理、火炎
処理等のそれ自体公知の接着性向上表面処理やウレタン
樹脂系、変性ポリエステル樹脂系等の接着性向上コーテ
ィング処理を行っておくことも可能である。
処理等のそれ自体公知の接着性向上表面処理やウレタン
樹脂系、変性ポリエステル樹脂系等の接着性向上コーテ
ィング処理を行っておくことも可能である。
【0087】[薄肉化深絞り成形]本発明における薄肉
化深絞り成形は、前述した配向度分布をもたせたラミネ
ート板を使用する点を除けばそれ自体公知の方法で行わ
れる。
化深絞り成形は、前述した配向度分布をもたせたラミネ
ート板を使用する点を除けばそれ自体公知の方法で行わ
れる。
【0088】即ち、薄肉化深絞り成形(絞り−再絞り成
形)によれば図8に示す通り、被覆金属板から成形され
た前絞りカップ21は、このカップ内に挿入された環状
の保持部材22とその下に位置する再絞りダイス23と
で保持される。これらの保持部材22及び再絞りダイス
23と同軸に、且つ保持部材22内を出入し得るように
再絞りポンチ24が設けられる。再絞りポンチ24と再
絞りダイス23とを互いに噛みあうように相対的に移動
させる。
形)によれば図8に示す通り、被覆金属板から成形され
た前絞りカップ21は、このカップ内に挿入された環状
の保持部材22とその下に位置する再絞りダイス23と
で保持される。これらの保持部材22及び再絞りダイス
23と同軸に、且つ保持部材22内を出入し得るように
再絞りポンチ24が設けられる。再絞りポンチ24と再
絞りダイス23とを互いに噛みあうように相対的に移動
させる。
【0089】これにより、前絞りカップ21の側壁部
は、環状保持部材22の外周面25から、その曲率コー
ナ部26を経て、径内方に垂直に曲げられて環状保持部
材22の環状底面27と再絞りダイス23の上面28と
で規定される部分を通り、再絞りダイス23の作用コー
ナ部29により軸方向にほぼ垂直に曲げられ、前絞りカ
ップ21よりも小径の深絞りカップ30に成形され、更
に側壁部が曲げ伸ばしにより薄肉化される。深絞り缶で
は、下記式 式中、Dは剪断したラミネート材の径であり、dはポン
チ径である、で定義される実用絞り比RD は一段では
1.1乃至3.0の範囲、トータルでは1.5乃至5.
0の範囲にあるのがよい。
は、環状保持部材22の外周面25から、その曲率コー
ナ部26を経て、径内方に垂直に曲げられて環状保持部
材22の環状底面27と再絞りダイス23の上面28と
で規定される部分を通り、再絞りダイス23の作用コー
ナ部29により軸方向にほぼ垂直に曲げられ、前絞りカ
ップ21よりも小径の深絞りカップ30に成形され、更
に側壁部が曲げ伸ばしにより薄肉化される。深絞り缶で
は、下記式 式中、Dは剪断したラミネート材の径であり、dはポン
チ径である、で定義される実用絞り比RD は一段では
1.1乃至3.0の範囲、トータルでは1.5乃至5.
0の範囲にあるのがよい。
【0090】また、本発明では、缶胴部が缶底部に比し
て下記式(7) Rr=((t0 −tw )/t0 )×100 …(7) 式中、t0 は缶底部の厚みであり、tW は缶胴部の厚み
である、で定義される厚みの減少率が15乃至80%、
特に20乃至80%となるように薄肉化することができ
る。
て下記式(7) Rr=((t0 −tw )/t0 )×100 …(7) 式中、t0 は缶底部の厚みであり、tW は缶胴部の厚み
である、で定義される厚みの減少率が15乃至80%、
特に20乃至80%となるように薄肉化することができ
る。
【0091】更に、再絞りされたカップをしごきダイス
とかみ合わせることで、カップ側壁部にしごきを加え、
側壁部を更に薄肉化することもでき、このようにしごき
により薄肉化を行った場合にも、優れた耐腐食性が維持
されることが本発明の利点である。
とかみ合わせることで、カップ側壁部にしごきを加え、
側壁部を更に薄肉化することもでき、このようにしごき
により薄肉化を行った場合にも、優れた耐腐食性が維持
されることが本発明の利点である。
【0092】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明する。
説明する。
【0093】[例1]素板厚0.18mm、調質度DR
−9のティンフリースチール(TFS)板の両面に厚み
20μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートイソフ
タレート(PET/I)フィルムを熱接着することによ
り、有機被覆金属板を得た。熱接着したときのTFSの
温度は、最終的な缶の下部及び底部に相当する部分が平
均233℃、缶胴上部に相当する部分が平均242℃で
あり、これらの温度パターンを熱ロールからTFS板に
転写する際にニップロールを用いた。これによりそれぞ
れ表1乃至3に示すような二軸配向度であった。
−9のティンフリースチール(TFS)板の両面に厚み
20μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートイソフ
タレート(PET/I)フィルムを熱接着することによ
り、有機被覆金属板を得た。熱接着したときのTFSの
温度は、最終的な缶の下部及び底部に相当する部分が平
均233℃、缶胴上部に相当する部分が平均242℃で
あり、これらの温度パターンを熱ロールからTFS板に
転写する際にニップロールを用いた。これによりそれぞ
れ表1乃至3に示すような二軸配向度であった。
【0094】この被覆金属板にワックス系潤滑剤を塗布
し、直径φ150mmの円板に打ち抜いた後に常法に従
い浅絞りカップに成形した。この絞り工程における絞り
比は、1.63である。次いで、以下の成形条件によ
り、第一次・第二次再絞り工程(薄肉化深絞り成形:
A)を行った。 第一次再絞り比 1.18 第二次再絞り比 1.18 再絞りダイス 作用コーナー部曲率半径(Rd) 0.40mm 保持コーナー部曲率半径(Rh) 2.0mm このようにして薄肉化深絞り成形された深絞りカップ
に、次いで底部のドーミング加工を施した。その深絞り
カップの諸特性は以下のとおりである。 カップ径 :D 66mm カップ高さ :H 130mm → H/D=1.97 側壁厚み減少率 50%
し、直径φ150mmの円板に打ち抜いた後に常法に従
い浅絞りカップに成形した。この絞り工程における絞り
比は、1.63である。次いで、以下の成形条件によ
り、第一次・第二次再絞り工程(薄肉化深絞り成形:
A)を行った。 第一次再絞り比 1.18 第二次再絞り比 1.18 再絞りダイス 作用コーナー部曲率半径(Rd) 0.40mm 保持コーナー部曲率半径(Rh) 2.0mm このようにして薄肉化深絞り成形された深絞りカップ
に、次いで底部のドーミング加工を施した。その深絞り
カップの諸特性は以下のとおりである。 カップ径 :D 66mm カップ高さ :H 130mm → H/D=1.97 側壁厚み減少率 50%
【0095】この有機被覆深絞りカップを、フランジ付
きのまま210℃で熱処理を行うことにより脱脂及びヒ
ートセットを施し、その後トリミング・印刷(210℃
−15秒焼付け)・ネッキング・フランジングを行っ
て、薄肉化深絞りによるシームレス缶を作成した。表1
乃至3にこのラミネート金属板並びに缶体の特性及び評
価を示す。この成形性に優れたラミネート金属板を使用
した結果、耐食性に優れた薄肉化深絞りによるシームレ
ス缶を得ることができた。
きのまま210℃で熱処理を行うことにより脱脂及びヒ
ートセットを施し、その後トリミング・印刷(210℃
−15秒焼付け)・ネッキング・フランジングを行っ
て、薄肉化深絞りによるシームレス缶を作成した。表1
乃至3にこのラミネート金属板並びに缶体の特性及び評
価を示す。この成形性に優れたラミネート金属板を使用
した結果、耐食性に優れた薄肉化深絞りによるシームレ
ス缶を得ることができた。
【0096】[例2]素板厚0.18mm、調質度DR
−9のティンフリースチール(TFS)板の両面に厚み
20μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートイソフ
タレート(PET/I)フィルムを熱接着することによ
り、有機被覆金属板を得た。熱接着したときのTFSの
温度は、最終的な缶の下部及び底部に相当する部分が平
均235℃、缶胴上部に相当する部分が平均240℃で
あり、これによりそれぞれ表1乃至3に示すような二軸
配向度であった。この被覆金属板を用い、例1と同様に
して絞り−しごきによるシームレス缶を作成した。表1
乃至3にこの缶体の特性及び評価を示す。本例ではラミ
ネート金属板の二軸配向度の分布は、本発明の範囲であ
る式(3)を満たしていたため成形は可能であったが、
式(4)を満たしておらずその結果、缶体の一軸配向度
の分布が本発明の範囲外となったため、ネック部におい
てフィルムとTFSの密着性に劣り腐食した。また缶底
部の二軸配向度があまり高くなかったため、高酸性飲料
を充填するには耐食性能が不十分であった。
−9のティンフリースチール(TFS)板の両面に厚み
20μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートイソフ
タレート(PET/I)フィルムを熱接着することによ
り、有機被覆金属板を得た。熱接着したときのTFSの
温度は、最終的な缶の下部及び底部に相当する部分が平
均235℃、缶胴上部に相当する部分が平均240℃で
あり、これによりそれぞれ表1乃至3に示すような二軸
配向度であった。この被覆金属板を用い、例1と同様に
して絞り−しごきによるシームレス缶を作成した。表1
乃至3にこの缶体の特性及び評価を示す。本例ではラミ
ネート金属板の二軸配向度の分布は、本発明の範囲であ
る式(3)を満たしていたため成形は可能であったが、
式(4)を満たしておらずその結果、缶体の一軸配向度
の分布が本発明の範囲外となったため、ネック部におい
てフィルムとTFSの密着性に劣り腐食した。また缶底
部の二軸配向度があまり高くなかったため、高酸性飲料
を充填するには耐食性能が不十分であった。
【0097】[例3]素板厚0.18mm、調質度DR
−9のティンフリースチール(TFS)板の両面に厚み
20μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートイソフ
タレート(PET/I)フィルムを熱接着することによ
り、有機被覆金属板を得た。熱接着したときのTFSの
温度は、最終的な缶の下部及び底部に相当する部分が平
均233℃、缶胴上部に相当する部分が平均242℃で
あり、これによりそれぞれ表に示すような二軸配向度で
あった。本例の二軸配向度の分布は式(3)、式(4)
ともに満たしておらず本発明の範囲外であるため、著し
く成形性に劣るものであり、絞り−しごき加工の過程に
おいて破胴した。
−9のティンフリースチール(TFS)板の両面に厚み
20μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートイソフ
タレート(PET/I)フィルムを熱接着することによ
り、有機被覆金属板を得た。熱接着したときのTFSの
温度は、最終的な缶の下部及び底部に相当する部分が平
均233℃、缶胴上部に相当する部分が平均242℃で
あり、これによりそれぞれ表に示すような二軸配向度で
あった。本例の二軸配向度の分布は式(3)、式(4)
ともに満たしておらず本発明の範囲外であるため、著し
く成形性に劣るものであり、絞り−しごき加工の過程に
おいて破胴した。
【0098】[例4]素板厚0.18mm、調質度DR
−9のティンフリースチール(TFS)板の両面に厚み
20μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートイソフ
タレート(PET/I)フィルムを熱接着することによ
り、有機被覆金属板を得た。熱接着したときのTFSの
温度は、最終的な缶の下部及び底部に相当する部分が平
均233℃、缶胴上部に相当する部分が平均237℃で
あり、これによりそれぞれ表に示すような二軸配向度で
あった。この被覆金属板を用い、例1と同様にして薄肉
化深絞りによるシームレス缶を作成した。表1乃至3に
このラミネート金属板並びに缶体の特性及び評価を示
す。本例のラミネート金属板の二軸配向度の分布は、本
発明の範囲である式(3)を満たしており成形は可能で
あったが、式(4)を満たしておらず結果として缶体の
一軸配向度が本発明の範囲外であり、それにより一部で
本発明の関係式(5)を満たしていないため、缶上部に
おいて部分的に白化し成形性に劣るものであった。
−9のティンフリースチール(TFS)板の両面に厚み
20μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートイソフ
タレート(PET/I)フィルムを熱接着することによ
り、有機被覆金属板を得た。熱接着したときのTFSの
温度は、最終的な缶の下部及び底部に相当する部分が平
均233℃、缶胴上部に相当する部分が平均237℃で
あり、これによりそれぞれ表に示すような二軸配向度で
あった。この被覆金属板を用い、例1と同様にして薄肉
化深絞りによるシームレス缶を作成した。表1乃至3に
このラミネート金属板並びに缶体の特性及び評価を示
す。本例のラミネート金属板の二軸配向度の分布は、本
発明の範囲である式(3)を満たしており成形は可能で
あったが、式(4)を満たしておらず結果として缶体の
一軸配向度が本発明の範囲外であり、それにより一部で
本発明の関係式(5)を満たしていないため、缶上部に
おいて部分的に白化し成形性に劣るものであった。
【0099】[例5]素板厚0.26mmのアルミニウ
ム合金板(3004H34)の両面に厚み20μmの二
軸延伸ポリエチレンテレフタレートイソフタレート(P
ET/I)フィルムを熱接着することにより、有機被覆
金属板を得た。熱接着したときのアルミ合金板の温度
は、最終的な缶の下部及び底部に相当する部分が平均2
33℃、缶胴上部に相当する部分が平均243℃であ
り、これらの温度パターンを熱ロールからアルミニウム
合金板に転写する際にニップロールを用いた。これによ
りそれぞれ表に示すような二軸配向度であった。
ム合金板(3004H34)の両面に厚み20μmの二
軸延伸ポリエチレンテレフタレートイソフタレート(P
ET/I)フィルムを熱接着することにより、有機被覆
金属板を得た。熱接着したときのアルミ合金板の温度
は、最終的な缶の下部及び底部に相当する部分が平均2
33℃、缶胴上部に相当する部分が平均243℃であ
り、これらの温度パターンを熱ロールからアルミニウム
合金板に転写する際にニップロールを用いた。これによ
りそれぞれ表に示すような二軸配向度であった。
【0100】この被覆金属板にワックス系潤滑剤を塗布
し、直径φ150mmの円板に打ち抜いた後に常法に従
い浅絞りカップに成形した。この絞り工程における絞り
比は、1.63である。次いで、以下の成形条件によ
り、第一次・第二次再絞り工程(薄肉化深絞り成形:
A)を行った。 第一次再絞り比 1.18 第二次再絞り比 1.18 再絞りダイス 作用コーナー部曲率半径(Rd) 0.40mm 保持コーナー部曲率半径(Rh) 2.0mm このようにして薄肉化深絞り成形された深絞りカップ
に、次いで底部のドーミング加工を施した。その深絞り
カップの諸特性は以下のとおりである。 カップ径 :D 66mm カップ高さ :H 130mm → H/D=1.97 側壁厚み減少率 50%
し、直径φ150mmの円板に打ち抜いた後に常法に従
い浅絞りカップに成形した。この絞り工程における絞り
比は、1.63である。次いで、以下の成形条件によ
り、第一次・第二次再絞り工程(薄肉化深絞り成形:
A)を行った。 第一次再絞り比 1.18 第二次再絞り比 1.18 再絞りダイス 作用コーナー部曲率半径(Rd) 0.40mm 保持コーナー部曲率半径(Rh) 2.0mm このようにして薄肉化深絞り成形された深絞りカップ
に、次いで底部のドーミング加工を施した。その深絞り
カップの諸特性は以下のとおりである。 カップ径 :D 66mm カップ高さ :H 130mm → H/D=1.97 側壁厚み減少率 50%
【0101】この有機被覆深絞りカップを、フランジ付
きのまま210℃で熱処理を行うことにより脱脂及びヒ
ートセットを施し、その後トリミング・印刷(210℃
−15秒焼付け)・ネッキング・フランジングを行っ
て、薄肉化深絞りによるシームレス缶を作成した。表1
乃至3にこのラミネート金属板並びに缶体の特性及び評
価を示す。この結果、金属板としてアルミニウム合金板
を用いた場合にでも成形性に優れ、耐食性に優れた薄肉
化深絞りによるシームレス缶を得ることができた。
きのまま210℃で熱処理を行うことにより脱脂及びヒ
ートセットを施し、その後トリミング・印刷(210℃
−15秒焼付け)・ネッキング・フランジングを行っ
て、薄肉化深絞りによるシームレス缶を作成した。表1
乃至3にこのラミネート金属板並びに缶体の特性及び評
価を示す。この結果、金属板としてアルミニウム合金板
を用いた場合にでも成形性に優れ、耐食性に優れた薄肉
化深絞りによるシームレス缶を得ることができた。
【0102】[例6]素板厚0.20mmのブリキ板の
両面に厚み20μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)フィルムを熱接着することにより、有機
被覆金属板を得た。熱接着したときのブリキ板の温度
は、最終的な缶の下部及び底部に相当する部分が平均2
33℃、缶胴上部に相当する部分が平均243℃であ
り、これらの温度パターンを熱ロールからブリキ板に転
写する際にニップロールを用いた。これによりそれぞれ
表に示すような二軸配向度であった。この被覆金属板を
用い、例1と同様にして薄肉化深絞りによるシームレス
缶を作成した。表1乃至3にこのラミネート金属板並び
に缶体の特性及び評価を示す。この結果、金属板として
ブリキ板を用いた場合でも成形性に優れ、耐食性に優れ
た薄肉化深絞りによるシームレス缶を得ることができ
た。
両面に厚み20μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)フィルムを熱接着することにより、有機
被覆金属板を得た。熱接着したときのブリキ板の温度
は、最終的な缶の下部及び底部に相当する部分が平均2
33℃、缶胴上部に相当する部分が平均243℃であ
り、これらの温度パターンを熱ロールからブリキ板に転
写する際にニップロールを用いた。これによりそれぞれ
表に示すような二軸配向度であった。この被覆金属板を
用い、例1と同様にして薄肉化深絞りによるシームレス
缶を作成した。表1乃至3にこのラミネート金属板並び
に缶体の特性及び評価を示す。この結果、金属板として
ブリキ板を用いた場合でも成形性に優れ、耐食性に優れ
た薄肉化深絞りによるシームレス缶を得ることができ
た。
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】
【表3】 *注釈(1) ここで、式(5)の右辺とは、1−ex
p〔−0.45IA/IB−1.1ε+0.53〕の値を
いう。
p〔−0.45IA/IB−1.1ε+0.53〕の値を
いう。
【0106】
【発明の効果】本発明によれば、缶底部が高二軸配向度
及び缶胴部が低二軸配向度となった金属−ポリエステル
ラミネート材を使用したシームレス缶において、缶胴部
に対応するラミネート材の二軸配向度の分布を前記式
(2)及び(3)を満足する範囲に抑制することによ
り、このタイプのシームレス缶においてみられる異方性
欠陥の発生を防止し、加工性及び耐内容物性を向上させ
ることができた。また、側壁部の薄肉化の程度を大きく
した場合にも、またネック部の縮径の程度を大きくした
場合にも、異方性欠陥の発生を有効に抑制することがで
きた。
及び缶胴部が低二軸配向度となった金属−ポリエステル
ラミネート材を使用したシームレス缶において、缶胴部
に対応するラミネート材の二軸配向度の分布を前記式
(2)及び(3)を満足する範囲に抑制することによ
り、このタイプのシームレス缶においてみられる異方性
欠陥の発生を防止し、加工性及び耐内容物性を向上させ
ることができた。また、側壁部の薄肉化の程度を大きく
した場合にも、またネック部の縮径の程度を大きくした
場合にも、異方性欠陥の発生を有効に抑制することがで
きた。
【図1】深絞り成形に用いるラミネート板の平面図であ
る。
る。
【図2】図1のラミネート板の拡大断面図である。
【図3】ポリエステルの二軸配向度を求める測定法を説
明するX線回折図である。
明するX線回折図である。
【図4】缶胴部ポリエステルフィルムについてβスキャ
ン角度と回折強度との関係を示すグラフである。
ン角度と回折強度との関係を示すグラフである。
【図5】缶胴部の種々の高さの部分についてcos2 φ
と高さとの関係を示すグラフである。
と高さとの関係を示すグラフである。
【図6】ブランクと缶胴とに関してひずみの発生を説明
する説明図である。
する説明図である。
【図7】シームレス缶の一部断面側面図である。
【図8】薄肉化深絞り成形を説明するための説明図であ
る。
る。
1 ブランク 2 金属基体 3 ポリエステルフィルム内層 4 外層 5 容器底部に形成される部分 6 容器胴部に形成される部分 10 深絞り缶 11 底部 12 胴側壁部 13 ネック部 14 フランジ部 15a,15b 接着剤層 21 前絞りカップ 22 環状の保持部材 23 再絞りダイス 24 再絞りポンチ 25 保持部材の外周面 26 曲率コーナ部 27 環状底面 28 ダイスの上面 29 ダイスの作用コーナ部 30 深絞りカップ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年2月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】前記巻締部はネック部を介して缶胴部に接
続され、該ネック部は下記式(8) R=((D−D1 )/D)×100 …(8) 式中、Dは缶胴部の内径であり、D1 はネック部の内径
である、で定義される縮径率が5乃至40%であること
が好ましい。
続され、該ネック部は下記式(8) R=((D−D1 )/D)×100 …(8) 式中、Dは缶胴部の内径であり、D1 はネック部の内径
である、で定義される縮径率が5乃至40%であること
が好ましい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B65D 8/04 B65D 8/04 G 8/16 8/16 25/14 25/14 A (72)発明者 鷲崎 俊朗 東京都大田区東六郷3−1−1 フェアコ ート多摩川314号 (72)発明者 倉島 秀夫 神奈川県横須賀市岩戸3−26−16 (72)発明者 今津 勝宏 神奈川県横浜市泉区和泉町6205−1 グリ ーンハイムいずみ野27−101
Claims (12)
- 【請求項1】 金属とポリエステル系フィルムとから成
るシームレス缶製造用のラミネート板であって、シーム
レス缶底部となるべき円形部分のポリエステル(A)が
式(1) Rx=IA / IB …(1) 式中IA は缶底部のポリエステルフィルム表面に平行な
面間隔約0.34nm(CuKαX線回折角が24゜か
ら28゜)の回折面による回折強度であり、IB は上記
缶底部のポリエステルフィルム表面に平行な面間隔約
0.39nm(CuKαX線回折角が21.5゜から2
4゜)の回折面による回折強度である、で定義される二
軸配向度(Rx)が2.5乃至20のポリエステルであ
り、かつ缶胴部に対応する他の部分のポリエステル
(B)が、下記式(2)及び(3) RxBM ≦ 0.95Rx …(2) 及び (RxBM−RxBm)≦1800×(RxBM)-5 …(3) 式中、RxBMは缶胴部対応部分における最大配向部の二
軸配向度であり、RxBmは前記最大配向部から周方向に
隔てた缶胴部対応部分の最小配向部の配向度であり、R
xは前述した意味を有する、を満足する二軸配向度を有
することを特徴とするラミネート板。 - 【請求項2】 ポリエステル層(B)が下記式(4) (RxBM−RxBm) ≦ 240×(RxBM)-4 …(4) を満足する二軸配向度を有することを特徴とする請求項
1記載のラミネート板。 - 【請求項3】 ポリエステル層(A)及びポリエステル
層(B)が同一組成のポリエステルである請求項1また
は2記載のラミネート板。 - 【請求項4】 ポリエステルがポリエチレンテレフタレ
ートまたはエチレンテレフタレートを主体とする共重合
ポリエステルである請求項1乃至3の何れかに記載のラ
ミネート板。 - 【請求項5】 金属がTFS、ブリキまたはアルミニウ
ム系金属である請求項1乃至4の何れかに記載のラミネ
ート板。 - 【請求項6】 金属とポリエステル系フィルムとのラミ
ネート材を、H/D(H:高さ、D:底部径)比が1.
5以上となるようにカップ状に成形して成るシームレス
缶において、缶底部のポリエステル(A)が式(1) Rx=IA / IB …(1) 式中IA は缶底部のポリエステルフィルム表面に平行な
面間隔約0.34nm(CuKαX線回折角が24゜か
ら28゜)の回折面による回折強度であり、IB は上記
缶底部のポリエステルフィルム表面に平行な面間隔約
0.39nm(CuKαX線回折角が21.5゜から2
4゜)の回折面による回折強度である、で定義される二
軸配向度(Rx)が2.5乃至20のポリエステル層で
ありかつ缶胴部のポリエステル層(B)が、巻締部直下
において且つ周方向の最も一軸配向されている部分にお
いて、下記式(5) 0.55<cos2 φM <1−exp〔−0.45IA /IB −1.1 ε+0.53〕 …(5) 式中、cos2 φM は缶胴測定部のポリエステルフィル
ムの最大一軸配向の程度を表わす指数であり、 IA 及びIB は前述した意味を有し、 εは前記缶胴測定部におけるラミネート材の加工による
相当ひずみである。を満足する一軸配向度を有し、且つ
その最大一軸配向度部分から周方向に隔てた最小一軸配
向部分において、式(6) (cos2 φM −cos2 φm )≦25×10-4×(cos2 φM )-40 …(6) 式中、cos2 φm は缶胴ポリエステル層の最小一軸配
向部における一軸配向の程度を表す指数であり、cos
2 φM は前述した意味を有する、を満足する一軸配向度
を有することを特徴とするシームレス缶。 - 【請求項7】 缶胴部が缶底部に比して下記式(7) Rr=((t0 −tw )/t0 )×100 …(7) 式中、t0 は缶底部の厚みであり、tW は缶胴部の厚み
である、で定義される厚みの減少率が15乃至80%と
なるように薄肉化されている請求項6記載のシームレス
缶。 - 【請求項8】 ポリエステル層(A)及びポリエステル
層(B)が同一組成のポリエステルである請求項6また
は7記載のシームレス缶。 - 【請求項9】 ポリエステルがポリエチレンテレフタレ
ートまたはエチレンテレフタレートを主体とする共重合
ポリエステルである請求項6乃至8の何れかに記載のシ
ームレス缶。 - 【請求項10】 金属がTFS、ブリキまたはアルミニ
ウム系金属である請求項6乃至9の何れかに記載のシー
ムレス缶。 - 【請求項11】 前記巻締部はネック部を介して缶胴部
に接続され、該ネック部は下記式(8) R=((D−D1 )/D)×100 …(8) 式中、Dは缶胴部の内径であり、D1 はネック部の内径
である、で定義される縮径率が5乃至40%である請求
項6乃至10の何れかに記載のシームレス缶。 - 【請求項12】 請求項1乃至5記載のラミネート板
を、H/D(H:高さ、D:底部径)比が1.5以上と
なるように絞り及び再絞りを行うと共に、少なくとも最
終段の深絞りにおいてカップ胴部を曲げ伸ばしにより或
いはしごき加工により薄肉化することを特徴とするシー
ムレス缶の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28495795A JPH09122799A (ja) | 1995-11-01 | 1995-11-01 | シームレス缶及びその製造方法とその製造に用いるラミネート板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28495795A JPH09122799A (ja) | 1995-11-01 | 1995-11-01 | シームレス缶及びその製造方法とその製造に用いるラミネート板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09122799A true JPH09122799A (ja) | 1997-05-13 |
Family
ID=17685275
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28495795A Pending JPH09122799A (ja) | 1995-11-01 | 1995-11-01 | シームレス缶及びその製造方法とその製造に用いるラミネート板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09122799A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021235403A1 (ja) * | 2020-05-22 | 2021-11-25 | 東洋製罐株式会社 | ポリエステル樹脂被覆シームレス缶及びその製造方法 |
-
1995
- 1995-11-01 JP JP28495795A patent/JPH09122799A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021235403A1 (ja) * | 2020-05-22 | 2021-11-25 | 東洋製罐株式会社 | ポリエステル樹脂被覆シームレス缶及びその製造方法 |
CN115515859A (zh) * | 2020-05-22 | 2022-12-23 | 东洋制罐株式会社 | 聚酯树脂被覆无缝罐以及其制造方法 |
EP4155006A4 (en) * | 2020-05-22 | 2024-11-06 | Toyo Seikan Co., Ltd. | Polyester-resin-coated seamless can and method for manufacturing same |
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