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JPH09118612A - 皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤

Info

Publication number
JPH09118612A
JPH09118612A JP7278031A JP27803195A JPH09118612A JP H09118612 A JPH09118612 A JP H09118612A JP 7278031 A JP7278031 A JP 7278031A JP 27803195 A JP27803195 A JP 27803195A JP H09118612 A JPH09118612 A JP H09118612A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
extract
skin
seeds
mungo
product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7278031A
Other languages
English (en)
Inventor
Akiko Kanamaru
晶子 金丸
Akihiro Tada
明弘 多田
Koji Yokoyama
浩治 横山
Takayuki Katagiri
崇行 片桐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pola Orbis Holdings Inc
Original Assignee
Pola Chemical Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pola Chemical Industries Inc filed Critical Pola Chemical Industries Inc
Priority to JP7278031A priority Critical patent/JPH09118612A/ja
Publication of JPH09118612A publication Critical patent/JPH09118612A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膚の色素沈着の予防、改善又は治療におい
て優れた効果を発揮するばかりでなく、経時安定性もあ
り、さらに皮膚に対する弊害がなく安全に使用すること
のできる皮膚外用剤を提供する。 【解決手段】 皮膚外用剤に、マメ科ササゲ属植物に分
類されるビグナ ムンゴ(Vigna mungo)の種子の乾燥
粉砕物及び/又はエキスを、好ましくはその乾燥重量
で、皮膚外用剤全量に対して0.001〜10重量%配
合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は皮膚外用剤に関し、
詳しくは、シミ、ソバカス等の皮膚の色素沈着を有効に
予防及び治療、改善する皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】シミ、ソバカスや日焼け後の皮膚の色素
沈着は、皮膚内に存在する色素細胞(メラノサイト)の
活性化によりメラニン生成が著しく亢進したものであ
り、中高年令層の肌の悩みの一つになっている。
【0003】これら皮膚の色素沈着に関するトラブルを
防止、改善する目的でアスコルビン酸類、過酸化水素、
グルタチオン、コロイド硫黄等を配合した皮膚外用剤が
知られている。
【0004】しかしながら、皮膚の色素沈着の予防、改
善に関し、アスコルビン酸類は、含水化粧料の如き水分
を多く含む系においては酸化され易く不安定であり、変
色の原因となる。また、過酸化水素水は保存上の安定性
ならびに安全性上の問題があり、グルタチオンやコロイ
ド硫黄は著しい異臭を放つため製品に使用することは制
約されている。更には、ハイドロキノン、カテコールの
ようなものは皮膚刺激、アレルギー性などの安全性上に
問題があり、いまだ充分に満足すべきものが得られてい
ないのが現状である。
【0005】一方、豆類の乾燥粉末や抽出物、搾汁液を
皮膚外用剤に用いることは、以前より行われている。例
えば、特開昭61−37712号公報では、緑豆の乾燥
粉末を配合した化粧料に、米糠を配合した化粧料と同等
の漂白効果が見られたとしている。しかし、この漂白効
果は従来品と同等という程度で、まだ十分なものではな
かった。また、特開平5−320061号公報には、豆
類の抽出物または搾汁液に活性酸素消去作用があるとし
てこれらを有効成分とする活性酸素消去剤が提案されて
おり、さらに、活性酸素濃度の上昇にともないメラニン
色素の生成、シミ、小皺等の障害を起こしやすくなって
いるという記載がある。このことから、豆類の抽出物ま
たは搾汁液がメラニン色素の生成を抑制し、シミ、小皺
等を改善する作用を有することが考えられる。しかし、
ここでは、豆類の抽出物または搾汁液を有効成分とする
活性酸素消去剤が、活性酸素消去作用や繊維芽細胞賦活
作用、抗菌作用、保湿作用を有することが確認されてい
るものの、メラニン色素生成抑制作用やシミ等の色素沈
着を改善する効果等を実際に確認してはいなかった。さ
らに、実験に用いられている豆の種類は、小豆、蚕豆、
大豆であった。
【0006】この様に、豆類にはメラニン色素の生成を
抑制し、皮膚の色素沈着を防止、改善する効果を有する
成分が存在することは予想されていたものの、前記効果
を顕著に示す成分やそのような成分を多く含有する豆類
は見出されておらず、また、これらを皮膚の色素沈着の
防止、改善等を目的として利用することは行われていな
かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたものであり、皮膚の色素沈着の予防、改善又
は治療において優れた効果を発揮するばかりでなく、経
時安定性もあり、さらに皮膚に対する弊害がなく安全に
使用することのできる皮膚外用剤を提供することを課題
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、食用として用
いられておりその安全性が確認されている、マメ科ササ
ゲ属植物に分類されるビグナ ムンゴ(Vigna mungo)
の種子中に、優れたメラニン生成抑制作用を有する成分
が存在することを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明はマメ科ササゲ属植物に
分類されるビグナ ムンゴ(Vignamungo)の種子の乾燥
粉砕物及び/又はエキスを配合した皮膚外用剤である。
本発明に用いるビグナ ムンゴ(Vigna mungo)とは、
上述の通りマメ科ササゲ属植物に分類される植物であ
り、その種子を食用とする目的で熱帯アジアで広く栽培
されている植物であるが、ビグナ ムンゴの種子は、市
販されているので入手は容易である。この様なビグナ
ムンゴの種子に関しては、食用として栄養学的な研究は
広く行われているものの、メラニン生成抑制作用は知ら
れておらず、また皮膚色素沈着症の予防や治療に使用さ
れた例は見当たらず、本発明者らが初めて確証したもの
である。
【0010】本発明の皮膚外用剤には、ビグナ ムンゴ
の種子の乾燥粉砕物及び/又はエキスが配合されるが、
本発明でいうビグナ ムンゴの種子のエキスとは、生の
種子の搾汁液、生の種子またはその加工品を水や有機溶
媒等の抽出溶媒で抽出して得られる抽出物や抽出物の溶
媒除去物、搾汁液や抽出物をカラムクロマトグラフィー
や液液抽出で分画した精製物等の総称である。これらビ
グナ ムンゴの種子の乾燥粉砕物及び/又はエキスのう
ちでも、ビグナ ムンゴの種子より抽出された、メラニ
ン生成抑制作用を有する成分を含有する抽出物やその溶
媒除去物、さらに抽出物より分画された、前記作用を有
する成分をより多く含有する精製物等が本発明の皮膚外
用剤に好ましく用いられる。
【0011】本発明の皮膚外用剤におけるビグナ ムン
ゴの種子の乾燥粉砕物及び/又はエキスの配合量である
が具体的には、その乾燥重量で、皮膚外用剤全量に対し
て0.001〜10重量%程度の配合量を挙げることが
できる。配合量が0.001重量%未満では、メラニン
生成抑制作用が十分に発揮されず、色素沈着を十分に予
防したり、治療、改善したりすることができないことが
あり、また10重量%を越えて配合しても、増加分に見
合った効果の向上が望みにくい。
【0012】本発明の皮膚外用剤の剤形は、特に限定さ
れるものではなく、皮膚外用剤に通常用いられている配
合成分に、適量のビグナ ムンゴの種子の乾燥粉砕物及
び/又はエキスを配合する以外は、通常の皮膚外用剤の
製造方法で、通常、皮膚外用剤として用いられている剤
形に、製造される。
【0013】ビグナ ムンゴの種子中には、メラニン生
成抑制作用に優れる成分が存在するので、ビグナ ムン
ゴの種子の乾燥粉砕物及び/又はエキスを配合する本発
明の皮膚外用剤は、メラニン生成を抑制する作用を有
し、メラニン生成の亢進により起こるシミ、ソバカス等
の皮膚の色素沈着を防止、改善する効果を有する。ま
た、ビグナ ムンゴの種子は上述の通り、熱帯アジアで
食用として広く用いられていることから安全性に問題は
なく、さらに、ビグナ ムンゴの種子の乾燥粉砕物及び
/又はエキスは、皮膚外用剤に安定して配合することが
でき、上記メラニン生成を抑制する作用を長期にわたっ
て安定して発揮することが可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。まず、本発明の皮膚外用剤に皮膚の色素沈着防
止、改善の有効成分として配合するビグナ ムンゴの種
子の乾燥粉砕物及び/又はエキスについて説明する。
【0015】(1)ビグナ ムンゴの種子の乾燥粉砕物
及び/又はエキス 本発明の皮膚外用剤に配合されるビグナ ムンゴの種子
の乾燥粉砕物及び/又はエキスには、上述の様に、種子
の乾燥粉砕物、生の種子の搾汁液、生の種子またはその
加工品を抽出溶媒で抽出して得られる抽出物や抽出物の
溶媒除去物、搾汁液や抽出物の精製物等が含まれる。こ
れらビグナ ムンゴの種子の乾燥粉砕物及び/又はエキ
スを製造する方法は、特に制限されず、通常の方法で行
われるが、これらのうちでも、本発明において好ましく
用いられる、ビグナ ムンゴの種子より抽出された、メ
ラニン生成抑制作用を有する成分を含有する抽出物やそ
の溶媒除去物、さらに抽出物より分画された、前記作用
を有する成分をより多く含有する精製物等の製造方法を
以下に説明する。
【0016】ビグナ ムンゴの種子より、メラニン生成
抑制作用を有する成分を含有する抽出物を得る方法であ
るが、生の種子または種子の乾燥粉砕物等の加工品をそ
の1〜100倍量の水や有機溶媒等の抽出溶媒に、適当
な時間浸漬すればよい。この際、撹拌や加熱を加えても
よい。抽出に要する時間は、室温で抽出を行う場合には
1〜7日、または溶媒の沸点付近の温度で抽出する場合
には、数時間が適当である。
【0017】抽出に用いる溶媒としては、特に制限され
るものではないが、例えば、メタノール、エタノール、
n−プロパノール、n−ブタノール、酢酸エチル、アセ
トン、クロロホルム、ジクロルエタン、ジブロモエタ
ン、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、n−ヘ
キサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの有機溶媒
や水等を挙げることができる。これらは単独で用いても
よいし、二種以上を混合して用いてもよい。
【0018】この様にして得られた抽出物は、必要に応
じて、濾過等により不溶物を取り除いた後、抽出溶媒を
除去して濃縮乾固物とすることも可能である。さらにこ
れを通常の液液抽出、カラムクロマトグラフィー、高速
液体クロマトグラフィー(HPLC)、活性炭または活
性白土などによる精製方法で精製して得られた精製物を
本発明の皮膚外用剤に配合することも可能である。
【0019】具体例を挙げると、ビグナ ムンゴの種子
の乾燥粉砕物を、抽出溶媒として十分量のメタノールを
用いて7日間程度室温抽出し、濾過により不溶物を取り
除いた後、得られた抽出液からエバポレーターを用いて
溶媒留去した。その後、さらにこれを真空ポンプで濃縮
乾固する。得られた濃縮乾固物を、ジエチルエーテルと
水で分液ロ斗を用いて液々分配し、ジエチルエーテル相
を取り出し、これより上記同様エバポレーターと真空ポ
ンプを用いてジエチルエーテルを除去して精製乾燥物を
得る等である。この様にして得られるビグナ ムンゴの
種子の抽出液、濃縮乾固物、精製乾燥物等は、メラニン
生成抑制作用に優れ、これらが以下に説明する本発明の
皮膚外用剤に好ましく配合される。
【0020】(2)本発明の皮膚外用剤 本発明の皮膚外用剤は、メラニン生成を抑制させ、皮膚
の色素沈着を予防、治療又は改善する目的で上記ビグナ
ムンゴの種子の乾燥粉砕物及び/又はエキスを配合し
たものである。好ましい配合量は、上述の様に、その乾
燥重量で、皮膚外用剤全量に対して0.001〜10重
量%程度であるが、日焼けによるシミ、ソバカス、色黒
を予防することを目的とした化粧料のような皮膚外用剤
に用いる場合には、配合量の下限は0.001重量%程
度とすることが可能であり、また、色素沈着症の治療を
目的とした医薬品として皮膚外用剤に用いる場合には、
配合量の下限は1.0重量%程度とすることが好まし
い。
【0021】本発明の皮膚外用剤の剤形は、特に限定さ
れるものではなく、例えば、ローション、乳液、クリー
ム、パック、水性ゲル、オイルゲル、軟膏等の通常、皮
膚外用剤として用いられているものが挙げられる。これ
らの皮膚外用剤は、上記ビグナ ムンゴの種子の乾燥粉
砕物及び/又はエキスを、皮膚外用剤の用途、剤形等に
より適宜選択される配合量で配合する以外は、通常の皮
膚外用剤と同様の方法で製造することができる。
【0022】また、本発明の皮膚外用剤には、上記ビグ
ナ ムンゴの種子の乾燥粉砕物及び/又はエキス以外
に、通常、皮膚外用剤に適用されるワセリン、スクワラ
ン等のような炭化水素類、ホホバ油、カルナウバワック
ス等のようなエステル類、オリーブ油、牛脂の様なトリ
グリセライド類、セタノール、ステアリルアルコール等
のような高級アルコール類、ステアリン酸、オレイン酸
等のような高級脂肪酸類、グリセリン、プロピレングリ
コール等の多価アルコール類、ポリエチレングリコール
等の保湿剤、脂肪酸モノグリセライド、ポオキシエチレ
ン硬化ヒマシ油等のノニオン界面活性剤、ラウリル硫酸
ナトリウム、アルキルスルホコハク酸エステル等のアニ
オン界面活性剤、4級アルキルアミン塩等のカチオン界
面活性剤、アルキルベタイン等の両性界面活性剤、エタ
ノール、プロパノール等の低級アルコール類、アラビア
ゴム、カルボキシビニルポリマー等の増粘剤、パラベ
ン、グルコン酸クロルヘキシジン等の防腐剤、タルク、
シリカゲル、酸化チタンの様な粉体類、トコフェロー
ル、ブチルヒドロキシトルエン等の抗酸化剤、パラアミ
ノ安息香酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸
収剤、ヒアルロン酸等の保湿剤、グリチルリチン酸ジカ
リウム等の抗炎症剤、クエン酸塩、酢酸塩等のpH調整
剤、キレート剤、香料、色素等、胎盤抽出物、朝鮮人参
エキス、ステロール配糖体等の各種目的に応じた薬効成
分などが適宜選択されて配合される。
【0023】更に、本発明の皮膚外用剤には、上記ビグ
ナ ムンゴの種子の乾燥粉砕物及び/又はエキス以外の
美白剤、例えば、グルタチオン誘導体等の含硫化合物、
アスコルビン酸誘導体等を配合してもかまわない。
【0024】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。まず、本
発明の皮膚外用剤に配合するビグナ ムンゴの種子の乾
燥粉砕物及び/又はエキスの製造例を示す。
【0025】
【製造例1】ビグナ ムンゴの種子の乾燥粉砕物3kg
を10Lのメタノールに浸漬して7日間の室温抽出を行
った。濾過により不溶物を取り除いた後、得られた抽出
液からエバポレーターを用いてメタノールを留去し、こ
れをさらに真空ポンプで濃縮乾固して、濃縮乾固物20
gを得た。得られた濃縮乾固物20gをジエチルエーテ
ル500mlと水500mlの混合液中に加え、これを
分液ロ斗を用いて液々分配した。このジエチルエーテル
相を取り出してエバポレーターと真空ポンプを用いてジ
エチルエーテルを除去し、精製物を濃縮乾固して乾燥精
製物9gを得た。
【0026】
【製造例2】ビグナ ムンゴの種子の乾燥粉砕物3kg
をエタノール:水=7:3の抽出溶媒10Lに浸漬して
7日間の室温抽出を行った。濾過により不溶物を取り除
いた後、得られた抽出液からエバポレーターを用いて抽
出溶媒を留去し、これをさらに凍結乾燥機にかけて水分
を除去して乾燥物17gを得た。得られた乾燥物10g
をシリカゲルカラム上にのせ、容積比でクロロホルム:
メタノール=9:1の溶出溶媒で溶出し、この溶出溶媒
を留去して乾燥精製物6gを得た。
【0027】
【製造例3】ビグナ ムンゴの種子の乾燥粉砕物3kg
を5Lの熱水にて8時間抽出し、濾過により不溶物を取
り除いた後、凍結乾燥機を用いて水分を除去して10g
の乾燥物を得た。
【0028】
【比較例】上記製造例1においてビグナ ムンゴの種子
の乾燥粉砕物の替わりに緑豆の乾燥粉砕物を用いた以外
は、製造例1と全く同様の処理を行い、緑豆のメタノー
ル抽出物の乾燥精製物8.5gを得た。
【0029】<ビグナ ムンゴの種子の乾燥粉砕物及び
/又はエキスの評価>ビグナ ムンゴの種子の乾燥粉砕
物及び/又はエキスとして、上記製造例1で得られたビ
グナ ムンゴの種子抽出物の乾燥精製物を用いて、メラ
ニン生成抑制作用及び安全性の試験を行い評価した。
【0030】(1)色素細胞に対するメラニン生成抑制
作用 プラスチック培養フラスコ(75cm2)に、3×105
個のマウスメラノーマ由来細胞B−16を播種し、10
%牛胎児血清を含むイーグルMEM培地を用いて、二酸
化炭素濃度5%、37℃条件下で培養を行った。播種1
日後、上記製造例1で得られた乾燥精製物をそれぞれ培
地中の濃度で1×10-4%、1×10-3%、1×10-2
%(W/V)となるように添加し、さらに2日間培養し
た。培養終了後、培地を除去し、平衡リン酸緩衝塩溶液
(PBS)で洗浄後、トリプシンおよびEDTA含有溶
液を使用して細胞を剥離させ、これを遠心分離機にかけ
て回収した。回収した細胞を平衡リン酸緩衝塩溶液で洗
浄した後、沈渣に1N水酸化ナトリウムを加え加熱溶解
した。冷却後クロロホルムを加えてよく撹拌し、再び遠
心分離した。これによって得られた上清を400nmの
吸光度で測定し、予め合成メラニンを用いて作成した検
量線よりメラニン量を求めた。メラニン量は細胞106
個当りの重量(μg)として求めた。また、試験は上記
各試料濃度においてフラスコ数5本で行った。
【0031】また、コントロールとして、上記試験にお
いて製造例1で得られた乾燥精製物を添加しない以外は
同様に実験を行い、メラニン量を求めた。この無添加時
のメラニン量と試料添加時のメラニン量を用いて次式よ
りメラニン生成抑制率を求めた。
【0032】
【数1】メラニン生成抑制率(%)=(無添加時のメラ
ニン量−試料添加時のメラニン量)×100/無添加時
のメラニン量
【0033】さらに、比較のために上記比較例で得られ
た緑豆抽出物の乾燥精製物を用いて、上記と同様にして
フラスコ数5本で色素細胞に対するメラニン生成抑制作
用を評価した。結果をフラスコ5本の平均値として表1
に示す。
【0034】
【表1】
【0035】この結果から、製造例1で得られたビグナ
ムンゴの種子抽出物の乾燥精製物は、比較例1で得ら
れた緑豆抽出物の乾燥精製物に比べて、極めて低濃度で
も色素細胞に対して優れたメラニン生成抑制作用を有す
ることがわかる。
【0036】(2)安全性試験 安全性試験として、皮膚累積刺激性試験及び感作性試験
を行った。
【0037】(i)皮膚累積刺激性試験 白色モルモット(各群5匹)の背部を電気バリカンを用
いて除毛し、消毒液で洗浄した後、上記製造例1で得ら
れた乾燥精製物を1%、5%、10%濃度で含有する5
0%エタノール水溶液を1日1回各50mg/cm2
割合で毎日塗布し、塗布後に刺激の度合いを肉眼判定し
た。塗布開始1日目、3日目、7日目の判定結果を表2
に示す。
【0038】
【表2】
【0039】(ii)感作性試験 体重380〜420gの健常なモルモット6匹を使用
し、佐藤らの方法(Contact Dermatitis,7,225
(1981)を参照)に準じて紅斑、浮腫感作性試験を
行った。
【0040】刈毛したモルモット頸部の2×4cmの4
隅に、フロイント・コンプリート・アジュバントと等量
の蒸留水と乳液0.1mlを皮内注射し、注射部位の角
質層に井型の傷をつけた後、上記製造例1で得られた乾
燥精製物を10%濃度で含有する50%エタノール水溶
液0.1mlを塗布した絆創膏を貼付し、24時間放置
した。この操作をその後2日間続けた。
【0041】試験開始後7日目に、剃毛した肩甲骨上に
ラウリル硫酸ナトリウム10%を含むワセリンを塗布
し、24時間後に上記試験溶液0.2mlを2×4cm
の濾紙を用いて48時間閉塞適用した。感作誘導操作開
始後21日目に、剃毛した背部皮膚に上記試験溶液を段
階希釈して塗布し、解放適用した。感作操作終了後、4
8時間目に皮膚反応(紅斑及び浮腫)を観察した。
【0042】その結果、いずれのモルモットにおいても
紅斑、浮腫はまったく観察されず、感作性は認められな
かった。これらの結果から、製造例1で得られたビグナ
ムンゴの種子抽出物の乾燥精製物は、かなり高濃度で
使用しても皮膚刺激性はなく、また感作性も認められ
ず、安全に使用できることがわかった。
【0043】次に、上記製造例で得られたビグナ ムン
ゴの種子のエキスを配合した皮膚外用剤の実施例を説明
する。なお、以下に示す配合量は全て重量部である。
【0044】
【実施例1】 クリーム 表3に示すA成分を合わせて80℃に加熱し、これに、
別に80℃に加熱したB成分を加えて攪拌乳化し、その
後冷却してクリームを製造した。また、同様にしてビグ
ナ ムンゴの種子のエキスを含有しない比較例のクリー
ムを製造した。
【0045】
【表3】
【0046】
【実施例2】 乳液 表4に示すA成分及びB成分を各々攪拌しながら70℃
で溶解させた。このB成分にA成分を加えて予備乳化を
行った後、ホモミキサーで均一に乳化し、乳化後かき混
ぜながら30℃まで冷却して乳液を製造した。
【0047】
【表4】
【0048】
【実施例3】 化粧水 表5に示すA成分を合わせ室温下にて溶解した。一方、
B成分も室温下に溶解し、これをA成分に加えて可溶化
し化粧水を製造した。
【0049】
【表5】
【0050】<本発明の皮膚外用剤の評価>上記各実施
例及び比較例で得られた皮膚外用剤を用いて実使用試験
及び安全性試験を行い、本発明の皮膚外用剤の評価とし
た。
【0051】(1)色素沈着改善効果 色黒、シミ、ソバカスに悩む女性ボランティア80名
を、統計的に同等な4グループ(20名ずつ)に分け、
各グループのボランティアに、実施例1〜3及び比較例
1で得られた皮膚化粧料をそれぞれ3カ月間毎日、通常
の使用方法で使用してもらった。使用開始から3カ月後
に、各グループのボランティアの色素沈着に対する改善
効果を、美容専門家が肉眼観察により評価した。評価
は、著しく改善、かなり改善、やや改善、不変、憎悪の
5段階で行われた。やや改善以上の評価が与えられた人
を有効として、各グループ毎に有効の人数を求め、以下
の式で有効性(%)を算出した。結果を表6に示す。
【0052】
【数2】有効性(%)=100×やや改善以上と評価さ
れた人数/グループの総人数
【0053】
【表6】
【0054】この結果からビグナ ムンゴの種子の乾燥
粉砕物及び/又はエキスを含有しない比較例の皮膚外用
剤に比べ、本発明の皮膚外用剤は、色黒、シミ、ソバカ
ス等の色素沈着を改善する作用に優れることが明らかで
ある。
【0055】また、テスト期間中、各実施例の皮膚外用
剤塗布部位において皮膚に好ましくない反応は観察され
ず、本発明の皮膚外用剤は、安全性の高いことが確かめ
られた。さらに、上記3カ月のテスト期間中、各実施例
で得られた皮膚外用剤は、分離、異臭、着色等の変化は
なく安定性に問題はなかった。
【0056】(2)安全性試験 上記、ビグナ ムンゴの種子の乾燥粉砕物及び/又はエ
キスの評価で行われた安全性試験と同様の試験(皮膚累
積刺激性試験及び感作性試験)を、実施例1のクリーム
を用いて行った。尚、各試験においてクリームは希釈せ
ずにそのままを検体として用いた。
【0057】結果は、皮膚累積刺激性試験では、刺激性
の認められた動物数は、1日目、3日目、7日目ともに
0/5であった。また感作性試験では、何れのモルモッ
トにおいても紅斑、浮腫は観察されず、感作性は認めら
れなかった。これらの結果より本発明の皮膚外用剤の安
全性が確認された。
【0058】
【発明の効果】本発明の皮膚外用薬は、安全性、メラニ
ン生成抑制作用に優れるビグナ ムンゴの種子の乾燥粉
砕物及び/又はエキスを含有するので、シミ、ソバカ
ス、日焼けによる色黒等の局所性の色素沈着並びにアジ
ソン病等の全身性色素沈着症などの予防、改善又は治療
用として優れた効果を発揮するばかりでなく、皮膚に対
する弊害がなく安全性にも優れ、さらに、経時安定性も
あるため長期にわたって連続使用が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片桐 崇行 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560ポーラ化 成工業株式会社戸塚研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マメ科ササゲ属植物に分類されるビグナ
    ムンゴ(Vigna mungo)の種子の乾燥粉砕物及び/又
    はエキスを配合した皮膚外用剤。
  2. 【請求項2】 前記乾燥粉砕物及び/又はエキスの配合
    量が、その乾燥重量で、皮膚外用剤全量に対して0.0
    01〜10重量%である請求項1記載の皮膚外用剤。
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