JPH09105583A - 誘導加熱型熱処理装置 - Google Patents
誘導加熱型熱処理装置Info
- Publication number
- JPH09105583A JPH09105583A JP28676995A JP28676995A JPH09105583A JP H09105583 A JPH09105583 A JP H09105583A JP 28676995 A JP28676995 A JP 28676995A JP 28676995 A JP28676995 A JP 28676995A JP H09105583 A JPH09105583 A JP H09105583A
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- Japan
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- heated
- coils
- heat treatment
- coil
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Abstract
(57)【要約】
【課題】被加熱体を長さ方向に複数の温度に加熱できる
とともに、隣合うコイル間の磁場の干渉を防止し、電源
回路の負荷を軽減できる誘導加熱型熱処理装置を提供す
る。 【解決手段】中空の金属製被加熱体1の周囲に、被加熱
体の軸線方向に間隔をあけて複数のコイル4,5を巻装
し、これらコイルに個別に交流電流を供給することによ
り被加熱体を誘導加熱し、この被加熱体の中に被処理物
Wを通過させることによって熱処理を行う。各コイルの
間には、隣合うコイル同士の相互干渉を防止する磁性体
よりなる干渉防止部材10が配置される。コイルによっ
て被加熱体を長さ方向に複数の温度に独立して加熱でき
る。
とともに、隣合うコイル間の磁場の干渉を防止し、電源
回路の負荷を軽減できる誘導加熱型熱処理装置を提供す
る。 【解決手段】中空の金属製被加熱体1の周囲に、被加熱
体の軸線方向に間隔をあけて複数のコイル4,5を巻装
し、これらコイルに個別に交流電流を供給することによ
り被加熱体を誘導加熱し、この被加熱体の中に被処理物
Wを通過させることによって熱処理を行う。各コイルの
間には、隣合うコイル同士の相互干渉を防止する磁性体
よりなる干渉防止部材10が配置される。コイルによっ
て被加熱体を長さ方向に複数の温度に独立して加熱でき
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は誘導加熱型熱処理装
置、特に誘導加熱される中空の被加熱体の中に被処理物
を通過させることにより、熱処理を行う熱処理装置に関
するものである。
置、特に誘導加熱される中空の被加熱体の中に被処理物
を通過させることにより、熱処理を行う熱処理装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、円筒形の金属製被加熱体の周囲に
コイルを巻装し、コイルに交流電流を供給することによ
り被加熱体を誘導加熱し、この被加熱体の中に被処理物
を通過させることにより、熱処理を行う熱処理装置が知
られている(特開昭57−115670号公報)。
コイルを巻装し、コイルに交流電流を供給することによ
り被加熱体を誘導加熱し、この被加熱体の中に被処理物
を通過させることにより、熱処理を行う熱処理装置が知
られている(特開昭57−115670号公報)。
【0003】この熱処理装置の場合には、被加熱体の内
面にらせん状の突条が形成され、被加熱体の一端から供
給された被処理物は、被加熱体の回転に伴って突条によ
って他端側へ運ばれ、被処理物が被加熱体の中を通過す
る間に熱処理される。特に、被加熱体の周囲には、軸線
方向に間隔を開けて複数のコイルが巻装されており、こ
れらコイルに個別に電流を供給することにより、被加熱
体をその長さに沿って異なる温度に加熱できる。なお、
隣合うコイルの間に繊維性絶縁材料のリングを配置し、
熱の伝達を防止している。
面にらせん状の突条が形成され、被加熱体の一端から供
給された被処理物は、被加熱体の回転に伴って突条によ
って他端側へ運ばれ、被処理物が被加熱体の中を通過す
る間に熱処理される。特に、被加熱体の周囲には、軸線
方向に間隔を開けて複数のコイルが巻装されており、こ
れらコイルに個別に電流を供給することにより、被加熱
体をその長さに沿って異なる温度に加熱できる。なお、
隣合うコイルの間に繊維性絶縁材料のリングを配置し、
熱の伝達を防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】誘導加熱は、周知のと
おり、コイルに電流が流れると、磁場が発生し、この磁
場の中にある金属製被加熱体にうず電流を発生させ、被
加熱体を自身の電気抵抗によって発熱させるものであ
る。しかしながら、上記のような熱処理装置の場合、隣
合うコイル間で磁場が干渉し合い、コイル同士に電磁誘
導による起電力が発生するため、電源回路の負荷が増大
し、最悪の場合には電源回路が破損する恐れがあった。
この問題は、コイルの間に絶縁リングを配置しても、全
く効果がない。
おり、コイルに電流が流れると、磁場が発生し、この磁
場の中にある金属製被加熱体にうず電流を発生させ、被
加熱体を自身の電気抵抗によって発熱させるものであ
る。しかしながら、上記のような熱処理装置の場合、隣
合うコイル間で磁場が干渉し合い、コイル同士に電磁誘
導による起電力が発生するため、電源回路の負荷が増大
し、最悪の場合には電源回路が破損する恐れがあった。
この問題は、コイルの間に絶縁リングを配置しても、全
く効果がない。
【0005】そこで、本発明の目的は、被加熱体を長さ
方向に複数の温度にかつ高い精度で加熱できる誘導加熱
型熱処理装置を提供することにある。また、他の目的
は、隣合うコイル間の磁場の干渉を防止し、電源回路の
負荷を軽減できる誘導加熱型熱処理装置を提供すること
にある。
方向に複数の温度にかつ高い精度で加熱できる誘導加熱
型熱処理装置を提供することにある。また、他の目的
は、隣合うコイル間の磁場の干渉を防止し、電源回路の
負荷を軽減できる誘導加熱型熱処理装置を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、中空の金属製被加熱体の周囲に、被加熱
体の軸線方向に間隔をあけて複数のコイルを巻装し、こ
れらコイルに個別に交流電流を供給することにより被加
熱体を誘導加熱し、この被加熱体の中に被処理物を通過
させることによって熱処理を行う熱処理装置において、
上記各コイルの間に、隣合うコイル同士の相互干渉を防
止する磁性体よりなる干渉防止部材を配置し、上記コイ
ルによって被加熱体の各部の温度を独立して制御可能と
したものである。
に、本発明は、中空の金属製被加熱体の周囲に、被加熱
体の軸線方向に間隔をあけて複数のコイルを巻装し、こ
れらコイルに個別に交流電流を供給することにより被加
熱体を誘導加熱し、この被加熱体の中に被処理物を通過
させることによって熱処理を行う熱処理装置において、
上記各コイルの間に、隣合うコイル同士の相互干渉を防
止する磁性体よりなる干渉防止部材を配置し、上記コイ
ルによって被加熱体の各部の温度を独立して制御可能と
したものである。
【0007】被加熱体の軸線方向に間隔をあけて複数の
コイルを巻装し、これらコイルに交流電流を供給する
と、被加熱体は各コイルによって誘導加熱され、被加熱
体をその長さ方向に異なる温度に加熱できる。このと
き、隣合うコイル間で磁場が干渉し合うが、コイル間に
配置された干渉防止部材が隣のコイルへの磁場の影響を
軽減し、コイル同士の電磁誘導による起電力の発生を抑
制できる。そのため、電源回路の負荷が軽減される。ま
た、コイル同士の電磁誘導による影響が少ないので、被
加熱体の各部を独立して、かつ高精度に温度制御でき
る。
コイルを巻装し、これらコイルに交流電流を供給する
と、被加熱体は各コイルによって誘導加熱され、被加熱
体をその長さ方向に異なる温度に加熱できる。このと
き、隣合うコイル間で磁場が干渉し合うが、コイル間に
配置された干渉防止部材が隣のコイルへの磁場の影響を
軽減し、コイル同士の電磁誘導による起電力の発生を抑
制できる。そのため、電源回路の負荷が軽減される。ま
た、コイル同士の電磁誘導による影響が少ないので、被
加熱体の各部を独立して、かつ高精度に温度制御でき
る。
【0008】干渉防止部材の材料としては、フェライト
のような磁性体や、Fe,Niのような強磁性金属を用
いることができる。また、干渉防止部材の形状は、隣合
うコイル間の磁界の漏れを少なくするため、被加熱体の
全周を取り囲む環状とするのが望ましい。干渉防止部材
を環状に形成するのが困難な場合には、複数の干渉防止
部材を環状に配列してもよい。干渉防止部材を薄肉に形
成した場合には、隣合うコイルの間隔を小さくできる。
したがって、あるコイルの温度ゾーンから隣のコイルの
温度ゾーンへ被処理物が移行する際、その中間ゾーンを
狭くでき、中間ゾーンでの温度低下を防止できる。
のような磁性体や、Fe,Niのような強磁性金属を用
いることができる。また、干渉防止部材の形状は、隣合
うコイル間の磁界の漏れを少なくするため、被加熱体の
全周を取り囲む環状とするのが望ましい。干渉防止部材
を環状に形成するのが困難な場合には、複数の干渉防止
部材を環状に配列してもよい。干渉防止部材を薄肉に形
成した場合には、隣合うコイルの間隔を小さくできる。
したがって、あるコイルの温度ゾーンから隣のコイルの
温度ゾーンへ被処理物が移行する際、その中間ゾーンを
狭くでき、中間ゾーンでの温度低下を防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1,図2は本発明にかかる誘導
加熱型熱処理装置の一例を示す。1は円筒形金属よりな
る被加熱体であり、例えばステンレス鋼、チタンおよび
チタン合金、耐熱性の高いNi基合金などを使用でき
る。被加熱体1はその両端部が回転ローラ2で支持さ
れ、かつ終端部1bが始端部1aより下方になるように
若干(例えばθ=5°)傾斜した状態で設置されてい
る。ローラ2は図示しないモータにより駆動され、始端
部1aより供給された被処理物Wは被加熱体1の中を通
過する間に攪拌されながら熱処理され、終端部1bより
排出される。
加熱型熱処理装置の一例を示す。1は円筒形金属よりな
る被加熱体であり、例えばステンレス鋼、チタンおよび
チタン合金、耐熱性の高いNi基合金などを使用でき
る。被加熱体1はその両端部が回転ローラ2で支持さ
れ、かつ終端部1bが始端部1aより下方になるように
若干(例えばθ=5°)傾斜した状態で設置されてい
る。ローラ2は図示しないモータにより駆動され、始端
部1aより供給された被処理物Wは被加熱体1の中を通
過する間に攪拌されながら熱処理され、終端部1bより
排出される。
【0010】被加熱体1の外周は円筒形の絶縁性断熱材
3で覆われており、この断熱材3の周囲に軸線方向に間
隔をあけて複数(この実施例では2個)のコイル4,5
が巻装されている。断熱材3は一定位置に固定されてお
り、コイル4,5は断熱材3によって被加熱体1の輻射
熱から保護されている。コイル4,5はそれぞれインバ
ータ電源などの交流電源回路6,7に接続され、これら
電源回路6,7には被加熱体1の各部の温度を検出する
温度検出器8,9が接続されている。温度検出器8,9
としては、熱電対や放射温度計等を用いることができ
る。電源回路6,7は温度検出器8,9で検出された被
加熱体1の温度をフィードバックすることにより、コイ
ル4,5に流す電流を制御し、被加熱体1の前段部と後
段部とを目的とする温度に加熱する。
3で覆われており、この断熱材3の周囲に軸線方向に間
隔をあけて複数(この実施例では2個)のコイル4,5
が巻装されている。断熱材3は一定位置に固定されてお
り、コイル4,5は断熱材3によって被加熱体1の輻射
熱から保護されている。コイル4,5はそれぞれインバ
ータ電源などの交流電源回路6,7に接続され、これら
電源回路6,7には被加熱体1の各部の温度を検出する
温度検出器8,9が接続されている。温度検出器8,9
としては、熱電対や放射温度計等を用いることができ
る。電源回路6,7は温度検出器8,9で検出された被
加熱体1の温度をフィードバックすることにより、コイ
ル4,5に流す電流を制御し、被加熱体1の前段部と後
段部とを目的とする温度に加熱する。
【0011】断熱材3の外周であって、かつコイル4,
5の中間部には、干渉防止部材10が取り付けられてい
る。この実施例の干渉防止部材10は、図3に示すよう
に複数個のフェライト製磁性板10aを円環状に配列し
たものであるが、円環状の磁性板を用いてもよい。
5の中間部には、干渉防止部材10が取り付けられてい
る。この実施例の干渉防止部材10は、図3に示すよう
に複数個のフェライト製磁性板10aを円環状に配列し
たものであるが、円環状の磁性板を用いてもよい。
【0012】次に、上記構成の熱処理装置の作動を説明
する。まず、ローラ2を駆動して被加熱体1を一方向に
一定速度で回転させる。そして、コイル4,5に電源回
路6,7から個別に交流電流を供給し、被加熱体1の前
段部と後段部とをそれぞれの温度に誘導加熱する。加熱
された被加熱体1の始端部1aより被処理物Wを投入す
ると、被処理物Wは被加熱体1の回転に伴って回転・攪
拌されながら終端部1bへと送られる。被加熱体1の中
を通過する間に被処理物Wは複数段階で熱処理が行わ
れ、終端部1bから熱処理済みの被処理物が自動的に排
出される。
する。まず、ローラ2を駆動して被加熱体1を一方向に
一定速度で回転させる。そして、コイル4,5に電源回
路6,7から個別に交流電流を供給し、被加熱体1の前
段部と後段部とをそれぞれの温度に誘導加熱する。加熱
された被加熱体1の始端部1aより被処理物Wを投入す
ると、被処理物Wは被加熱体1の回転に伴って回転・攪
拌されながら終端部1bへと送られる。被加熱体1の中
を通過する間に被処理物Wは複数段階で熱処理が行わ
れ、終端部1bから熱処理済みの被処理物が自動的に排
出される。
【0013】上記コイル4,5に交流電流を供給した
時、隣合うコイル4,5の部分で磁場干渉が起こり、互
いの電磁誘導によりコイル4,5に誘導起電力が発生
し、電源回路6,7の負担が増す恐れがある。しかしな
がら、本発明ではコイル4,5の間に干渉防止部材10
を配置しているので、一方のコイルの磁場が他方のコイ
ルに及ぶのを抑制でき、電源回路6,7の負担を軽減で
きる。その結果、電源回路6,7の破損を防止できる。
また、コイル4,5間の干渉が少なくなることから、コ
イル4,5に対応する被加熱体1の前段部と後段部の温
度を高精度に制御でき、エネルギー効率が高く、効率の
よい熱処理が可能となる。
時、隣合うコイル4,5の部分で磁場干渉が起こり、互
いの電磁誘導によりコイル4,5に誘導起電力が発生
し、電源回路6,7の負担が増す恐れがある。しかしな
がら、本発明ではコイル4,5の間に干渉防止部材10
を配置しているので、一方のコイルの磁場が他方のコイ
ルに及ぶのを抑制でき、電源回路6,7の負担を軽減で
きる。その結果、電源回路6,7の破損を防止できる。
また、コイル4,5間の干渉が少なくなることから、コ
イル4,5に対応する被加熱体1の前段部と後段部の温
度を高精度に制御でき、エネルギー効率が高く、効率の
よい熱処理が可能となる。
【0014】
【実施例】本発明者は、干渉防止部材の効果を測定する
ため、次のような実験を行った。まず、被加熱体1とし
て外径が300mm、長さが1000mmのステンレス
鋼よりなる円筒を用いた。また、干渉防止部材10とし
て2種類の長方形フェライト板を環状に配列した場合と
磁性板10を使用しなかった場合とについて、一方のコ
イル4に500V,25kHzの交流電流を供給したと
き、他方のコイル5に発生する誘導起電力を測定した。
なお、この実験で使用したフェライトの透磁率μは60
0、キュリー温度Tcは120℃である。
ため、次のような実験を行った。まず、被加熱体1とし
て外径が300mm、長さが1000mmのステンレス
鋼よりなる円筒を用いた。また、干渉防止部材10とし
て2種類の長方形フェライト板を環状に配列した場合と
磁性板10を使用しなかった場合とについて、一方のコ
イル4に500V,25kHzの交流電流を供給したと
き、他方のコイル5に発生する誘導起電力を測定した。
なお、この実験で使用したフェライトの透磁率μは60
0、キュリー温度Tcは120℃である。
【0015】干渉防止部材10を使用しない場合、他方
のコイル5に発生する誘導起電力は約500V,25k
Hz、つまり一方のコイル4に供給された交流電流とほ
ぼ同程度の交流電流が得られた。これに対し、高さ30
mm,幅30mm,厚み5mmのフェライト板を用いた
場合には、他方のコイルに発生する誘導起電力は110
V,25kHzに下がった。さらに、高さ60mm,幅
30mm,厚み5mmのフェライト板を用いた場合に
は、他方のコイルに発生する誘導起電力は40V,25
kHzとなった。
のコイル5に発生する誘導起電力は約500V,25k
Hz、つまり一方のコイル4に供給された交流電流とほ
ぼ同程度の交流電流が得られた。これに対し、高さ30
mm,幅30mm,厚み5mmのフェライト板を用いた
場合には、他方のコイルに発生する誘導起電力は110
V,25kHzに下がった。さらに、高さ60mm,幅
30mm,厚み5mmのフェライト板を用いた場合に
は、他方のコイルに発生する誘導起電力は40V,25
kHzとなった。
【0016】以上の結果から明らかなように、干渉防止
部材として磁性板10を用いると、コイル4,5間の磁
場の干渉を抑制でき、コイル同士の電磁誘導による起電
力の発生を抑制できた。そのため、電源回路の負荷が軽
減された。なお、磁性板10の形状を種々変更した場合
についても実験したところ、磁性板10の厚みは干渉防
止効果に殆ど差異がなく、磁性板10の高さ(半径方
向)が最も大きな影響を及ぼすことがわかった。したが
って、出来るだけ磁性板10の高さを高くするのが望ま
しい。
部材として磁性板10を用いると、コイル4,5間の磁
場の干渉を抑制でき、コイル同士の電磁誘導による起電
力の発生を抑制できた。そのため、電源回路の負荷が軽
減された。なお、磁性板10の形状を種々変更した場合
についても実験したところ、磁性板10の厚みは干渉防
止効果に殆ど差異がなく、磁性板10の高さ(半径方
向)が最も大きな影響を及ぼすことがわかった。したが
って、出来るだけ磁性板10の高さを高くするのが望ま
しい。
【0017】なお、図1の熱処理装置は、例えばPVA
系樹脂を含んだセラミックスについて、樹脂成分の除去
処理に用いることができる。この場合には、前段のコイ
ル4側を樹脂が分解する250〜300℃とし、後段の
コイル5側を樹脂が完全に燃焼する約500℃に設定す
ればよい。低温のコイル4側から被処理物を投入する
と、高温のコイル5側より自動的に被処理物を排出でき
る。
系樹脂を含んだセラミックスについて、樹脂成分の除去
処理に用いることができる。この場合には、前段のコイ
ル4側を樹脂が分解する250〜300℃とし、後段の
コイル5側を樹脂が完全に燃焼する約500℃に設定す
ればよい。低温のコイル4側から被処理物を投入する
と、高温のコイル5側より自動的に被処理物を排出でき
る。
【0018】また、この熱処理装置は、樹脂を含んだセ
ラミックスの焼成処理の他、比較的低温で合成できるN
i−Znフェライトのスピネル相(600〜700℃)
の合成、Pb系複合ペロブスカイト材料のペロブスカイ
ト相(700〜800℃)の合成などにも適している。
この場合には、前段のコイル4側の温度を乾燥ゾーンと
して400〜500℃に設定し、後段のコイル5側を合
成ゾーンとして約700℃に設定すればよい。この場
合、前段は乾燥の他、被処理物の予熱も行うので、合成
の安定性,バラツキの減少に役立つ。
ラミックスの焼成処理の他、比較的低温で合成できるN
i−Znフェライトのスピネル相(600〜700℃)
の合成、Pb系複合ペロブスカイト材料のペロブスカイ
ト相(700〜800℃)の合成などにも適している。
この場合には、前段のコイル4側の温度を乾燥ゾーンと
して400〜500℃に設定し、後段のコイル5側を合
成ゾーンとして約700℃に設定すればよい。この場
合、前段は乾燥の他、被処理物の予熱も行うので、合成
の安定性,バラツキの減少に役立つ。
【0019】被加熱体の形状は、実施例のような円筒形
状に限らず、角筒形、円錐形、角錐形など如何なる形状
であってもよく、一端側から被処理物を投入でき、他端
側から被処理物を排出できる形状であればよい。また、
被加熱体の内壁に、螺旋状の突条を設けたり、攪拌用の
突起を設けてもよい。被加熱体は、回転されるものに限
らず、一定位置に固定されたものでもよい。固定形の場
合、被加熱体の内部で被処理物を搬送するための手段と
して、振動あるいはプッシャ等の排出用治具を用いてい
もよい。
状に限らず、角筒形、円錐形、角錐形など如何なる形状
であってもよく、一端側から被処理物を投入でき、他端
側から被処理物を排出できる形状であればよい。また、
被加熱体の内壁に、螺旋状の突条を設けたり、攪拌用の
突起を設けてもよい。被加熱体は、回転されるものに限
らず、一定位置に固定されたものでもよい。固定形の場
合、被加熱体の内部で被処理物を搬送するための手段と
して、振動あるいはプッシャ等の排出用治具を用いてい
もよい。
【0020】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、被加熱体の外周に軸線方向に間隔をあけて巻装
されたコイルの間に干渉防止部材を介在させることによ
り、コイル同士の電磁誘導による起電力の発生を抑制し
たので、電源回路の負荷が軽減され、電源回路の破損を
防止できる。また、コイルに個別の電流を流すことによ
り、コイルによって被加熱体を長さ方向に独立して温度
制御できるため、1つの被加熱体の中で連続的にかつ複
数段階の熱処理が可能となる。
よれば、被加熱体の外周に軸線方向に間隔をあけて巻装
されたコイルの間に干渉防止部材を介在させることによ
り、コイル同士の電磁誘導による起電力の発生を抑制し
たので、電源回路の負荷が軽減され、電源回路の破損を
防止できる。また、コイルに個別の電流を流すことによ
り、コイルによって被加熱体を長さ方向に独立して温度
制御できるため、1つの被加熱体の中で連続的にかつ複
数段階の熱処理が可能となる。
【図1】本発明にかかる熱処理装置の正面図である。
【図2】図1の熱処理装置の縦断面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
1 被加熱体 3 絶縁性断熱材 4,5 コイル 6,7 交流電源回路 10 干渉防止部材
Claims (1)
- 【請求項1】中空の金属製被加熱体の周囲に、被加熱体
の軸線方向に間隔をあけて複数のコイルを巻装し、これ
らコイルに個別に交流電流を供給することにより被加熱
体を誘導加熱し、この被加熱体の中に被処理物を通過さ
せることによって熱処理を行う熱処理装置において、 上記各コイルの間に、隣合うコイル同士の相互干渉を防
止する磁性体よりなる干渉防止部材を配置し、上記コイ
ルによって被加熱体の各部の温度を独立して制御可能と
した誘導加熱型熱処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28676995A JPH09105583A (ja) | 1995-10-05 | 1995-10-05 | 誘導加熱型熱処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28676995A JPH09105583A (ja) | 1995-10-05 | 1995-10-05 | 誘導加熱型熱処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09105583A true JPH09105583A (ja) | 1997-04-22 |
Family
ID=17708816
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28676995A Pending JPH09105583A (ja) | 1995-10-05 | 1995-10-05 | 誘導加熱型熱処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09105583A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003095794A (ja) * | 2001-09-19 | 2003-04-03 | Bridgestone Corp | 炭化ケイ素単結晶及びその製造方法 |
JP2004127854A (ja) * | 2002-10-07 | 2004-04-22 | Dai Ichi High Frequency Co Ltd | 移動加熱方法及び移動加熱装置 |
JP2007132552A (ja) * | 2005-11-08 | 2007-05-31 | Kyudenko Corp | 廃石膏の加熱装置 |
JP2010236822A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Johnan Corp | 加熱回転炉 |
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