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JPH088836B2 - 酵素により特性を改変した澱粉粒の利用方法 - Google Patents

酵素により特性を改変した澱粉粒の利用方法

Info

Publication number
JPH088836B2
JPH088836B2 JP3311508A JP31150891A JPH088836B2 JP H088836 B2 JPH088836 B2 JP H088836B2 JP 3311508 A JP3311508 A JP 3311508A JP 31150891 A JP31150891 A JP 31150891A JP H088836 B2 JPH088836 B2 JP H088836B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
starch granules
starch
modified
amylase
corn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3311508A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05123116A (ja
Inventor
洋一 深井
悦子 高木
恒友 松澤
清之助 島田
Original Assignee
社団法人長野県農村工業研究所
島田化学工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 社団法人長野県農村工業研究所, 島田化学工業株式会社 filed Critical 社団法人長野県農村工業研究所
Priority to JP3311508A priority Critical patent/JPH088836B2/ja
Publication of JPH05123116A publication Critical patent/JPH05123116A/ja
Publication of JPH088836B2 publication Critical patent/JPH088836B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
  • Noodles (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Cereal-Derived Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酵素により物性を改変
した澱粉粒の利用方法に関し、詳しくは澱粉粒に各種澱
粉分解酵素を作用させて特性を改変した澱粉粒の各種食
品への利用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】これまでの澱粉の利用法としては、澱粉
と水を混ぜて糊化して糊状として用いる際に、α−アミ
ラーゼまたは酸を添加して低粘性にするか、金属イオ
ン,海藻多糖,水溶性ガム類など各種物質の添加により
澱粉糊の物性を高め、または低下させたりして利用する
などの方法がある。また、澱粉粒の特性改変法として
は、澱粉粒に架橋処理を施して低溶解性とする方法が知
られている。
【0003】しかし、澱粉粒に直接酵素を作用させて、
澱粉粒の特性を改変させ、これを水などに溶解したとき
に物性を大きく変化させる方法は従来全く知られていな
い。ましてや、如何なる酵素で澱粉粒を処理すれば、該
澱粉粒を溶解したときに、その物性が大きく変化するか
ということについては全く知られておらず、このような
処理で澱粉粒の物性が大きく変化するなどは予想だにさ
れていなかった。さらに、酵素処理により特性を改変さ
せた澱粉粒の利用については従来全く知られていなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、農林水
産省食品総合研究所の小林 昭一氏らが開発した、澱粉
粒を直接澱粉分解酵素で処理して特性を改変した澱粉粒
の利用法について検討を重ね、該澱粉粒の特性を活かし
た食品素材等としての利用法を確立して本発明を完成し
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は第1
に、米,小麦またはトウモロコシ由来の澱粉粒に、α−
アミラーゼを直接作用させて得られる分解率0.1〜15.
0%の、特性を改変させた澱粉粒を含有することを特徴
とする即席および/または液状食品素材に関し、第2
に、米,小麦またはトウモロコシ由来の澱粉粒に、α−
アミラーゼおよび/またはグルコアミラーゼを直接作用
させて得られる分解率0.1〜15.0%の、特性を改変さ
せた澱粉粒を含有することを特徴とする疎水性素材吸着
剤に関する。第3に、小麦粉を用いて麺類またはパン類
を製造するにあたり、α−アミラーゼおよび/またはグ
ルコアミラーゼを直接作用させて得られる分解率0.1〜
15.0%の、特性を改変させたトウモロコシ澱粉粒を小
麦粉に混合することを特徴とする麺類またはパン類の
造方法に関する
【0006】酵素処理により特性が改変される澱粉粒と
しては米,小麦,トウモロコシに由来するものがある。
これら澱粉粒は、澱粉分解酵素で直接処理して分解され
るが、該酵素として通常は市販品、例えば精製α−アミ
ラーゼ〔シグマ社、バチルス・アミロリクエファシエン
ス(Bacillus amyloliquefaciens)由来、930 IU=国際
単位/mg)が使用される。
【0007】酵素処理された澱粉粒は、通常分解率が0.
1〜15.0%であり、分解の程度により、該酵素処理澱
粉粒を溶解したときに、各種の物性を示す。例えば米ま
たはトウモロコシをα−アミラーゼで処理して得た分解
率2%程度の澱粉粒は、熱湯を注ぐことにより、急速に
液化し、均質に溶解する。したがって、このものは即席
スープ,その他の汁物等の液状食品に広く利用すること
ができる。また、軽微に分解したトウモロコシ澱粉粒
は、麺類やパン類の製造にあたり、小麦粉と混合して用
いることにより麺類やパン類のテクスチャーの改良に効
果がある。さらに、α−アミラーゼを作用させて特性を
改変させた澱粉粒は疎水性食品素材を吸着する性質があ
る。その他、これら酵素処理澱粉粒で調製した糊は、滑
らかで、舌ざわりが良好であるので、飲料,その他の食
品に混合して食味の改善を図ることができる。
【0008】酵素処理澱粉粒を上記の様々な用途に用い
る場合、その使用量などの使用方法には特別な条件はな
く、既知の方法に準じて行えばよい。
【0009】
【実施例】次に、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 軽く焙焼した米澱粉粒を50%水懸濁液とし、これにα
−アミラーゼを加えて処理し、分解率2%の酵素処理澱
粉粒を得た。次いで、これを乾燥した後、呈味成分を加
えて粉末スープとすることができた。この粉末に熱湯を
注ぐと、適度の粘度をもつスープが得られた。したがっ
て、この酵素処理澱粉粒は即席スープ食品に用いること
ができる。
【0010】実施例2 実施例1と同様にして得た酵素処理米澱粉粒にペパーミ
ントオイルを5%の割合で加え、乾燥状態で10分以
上、室温で攪拌した。その結果、ペパーミントオイルは
酵素処理米澱粉粒に吸着され、ペパーミントオイル吸着
澱粉粒を得た。なお、澱粉粒に吸着できる香味成分はペ
パーミントに限らず、殆どの香味成分を吸着することが
でき、その程度は無処理澱粉粒に比較して2〜10倍で
ある。また、揮散防止効果も強く、1年間の保存でも香
味保持率60%以上という結果を示した。なお、他の澱
粉粒について試験したところ、澱粉粒の種類では、米,
トウモロコシ,小麦などの穀類澱粉粒が優れており、馬
鈴薯,甘藷などのいも澱粉粒は吸着,保持効果が穀類澱
粉粒の70%以下であった。この性質は食品用疎水性素
材に限らず、農薬,化粧品,医薬等の分野でも応用可能
である。
【0011】実施例3 α−アミラーゼを作用させて分解率0.5〜1.0%のトウ
モロコシ澱粉粒を得、この澱粉粒を小麦粉に混合して製
麺したところ、腰の強いテクスチャーをもつ麺を製造す
ることができた。同様に、グルコアミラーゼを作用させ
て得た分解率2〜5%のトウモロコシ澱粉粒も製麺に用
いたところ、同様なテクスチャーを示した。
【0012】実施例4 α−アミラーゼを作用させて得た分解率2%の米澱粉粒
を50%濃度となるように水に溶解し、さらに澱粉粒に
対して10%量の大豆油を混合し、マヨネーズ様ペ−ス
トを得た。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、澱粉粒に各種澱粉分解
酵素を作用させて特性を変化させた澱粉粒を食品素材な
ど各種用途に有効に利用できる。特に、α−アミラーゼ
で軽度に分解した穀類澱粉粒は、その粘度特性が急激に
変化し、粘性を僅かに示す程度にまで減少するので、処
理澱粉粒を即席液状食品とすることができ、その用途は
著しく広いものと期待される。この処理澱粉粒と他の無
処理澱粉または処理澱粉粒を任意に混合して、各種の粘
性を作り出すこともできる。酵素処理澱粉粒から調製さ
れる糊または液は滑らかな感触であるので、この他に各
種食品製造用基材としても利用できる。
【0014】 また、酵素処理によって穴のあいた澱粉粒
が各種香味成分を吸着する作用を示すことは、非常に興
味ある特性である。澱粉分解酵素は澱粉粒の親水性部分
を優先的に分解し、疎水性部分が残り、結果として香味
成分など疎水性物質を吸着するものと予想される。この
ようにして香味成分を取り込ませた酵素処理澱粉粒は、
酵素処理低粘性澱粉粒と組み合わせたりして各種食品と
することもできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 20/24 Z (56)参考文献 特開 昭60−9458(JP,A) 特開 昭59−501492(JP,A) 特開 平3−244340(JP,A) 特公 昭40−20652(JP,B1) 特公 昭47−24137(JP,B2) 二國二郎監修「澱粉科学ハンドブック」 株式会社朝倉書店(昭和52年7月20日)、 第441−445頁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米,小麦またはトウモロコシ由来の澱粉
    粒に、α−アミラーゼを直接作用させて得られる分解率
    0.1〜15.0%の、特性を改変させた澱粉粒を含有する
    ことを特徴とする即席および/または液状食品素材。
  2. 【請求項2】 米,小麦またはトウモロコシ由来の澱粉
    粒に、α−アミラーゼおよび/またはグルコアミラーゼ
    を直接作用させて得られる分解率0.1〜15.0%の、
    性を改変させた澱粉粒を含有することを特徴とする疎水
    性素材吸着剤。
  3. 【請求項3】 小麦粉を用いて麺類またはパン類を製造
    するにあたり、α−アミラーゼおよび/またはグルコア
    ミラーゼを直接作用させて得られる分解率0.1〜15.0
    %の、特性を改変させたトウモロコシ澱粉粒を小麦粉に
    混合することを特徴とする麺類またはパン類の製造方
    法。
JP3311508A 1991-10-31 1991-10-31 酵素により特性を改変した澱粉粒の利用方法 Expired - Lifetime JPH088836B2 (ja)

Priority Applications (1)

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JP3311508A JPH088836B2 (ja) 1991-10-31 1991-10-31 酵素により特性を改変した澱粉粒の利用方法

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Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05123116A JPH05123116A (ja) 1993-05-21
JPH088836B2 true JPH088836B2 (ja) 1996-01-31

Family

ID=18018081

Family Applications (1)

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JP3311508A Expired - Lifetime JPH088836B2 (ja) 1991-10-31 1991-10-31 酵素により特性を改変した澱粉粒の利用方法

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JP (1) JPH088836B2 (ja)

Cited By (1)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9315839B2 (en) 2001-12-27 2016-04-19 Kaneka Corporation Processes for producing coenzyme Q10

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JPH05123116A (ja) 1993-05-21

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