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JPH0887986A - 蛍光ランプ、蛍光ランプ点灯装置および照明装置 - Google Patents

蛍光ランプ、蛍光ランプ点灯装置および照明装置

Info

Publication number
JPH0887986A
JPH0887986A JP20400594A JP20400594A JPH0887986A JP H0887986 A JPH0887986 A JP H0887986A JP 20400594 A JP20400594 A JP 20400594A JP 20400594 A JP20400594 A JP 20400594A JP H0887986 A JPH0887986 A JP H0887986A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorescent lamp
starting
phosphor
lighting device
metal oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20400594A
Other languages
English (en)
Inventor
Kimio Shiraiwa
公夫 白岩
Hidenori Ito
秀徳 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Lighting and Technology Corp filed Critical Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority to JP20400594A priority Critical patent/JPH0887986A/ja
Publication of JPH0887986A publication Critical patent/JPH0887986A/ja
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  • Circuit Arrangements For Discharge Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 屈曲した放電路23を有する蛍光ランプ11にお
いて、始動を容易にする。 【構成】 発光管12の放電路23の中間部に始動補助用の
補助電極41を封着する。補助電極41を、一方の電極24a
側に抵抗44を介して電気的に接続する。発光管12の内面
に形成する蛍光体被膜29は、表面に鉄に対する帯電傾向
が正の金属酸化物粒子が被覆された蛍光体粒子を積層す
る。 【効果】 補助電極41と電極24a との間でグロー放電を
誘起させ、両電極24a ,24b 間の主放電へ移行させて始
動を促す。蛍光体被膜29は、金属酸化物粒子が正に帯電
し易いことで電子を放出し易く、電子が始動を容易にす
る。したがって、補助電極41の放電誘発作用と金属酸化
物粒子による電子放出作用とにより、始動電圧が低くな
り、容易に始動できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、略U字形または略H字
形の複数のガラスチューブが互いに並置接合されて内部
に1本の屈曲した放電路が形成されてなるコンパクト形
の蛍光ランプ、この蛍光ランプの蛍光ランプ点灯装置、
この蛍光ランプを用いた照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、蛍光ランプとして、1本の略U字
形または略H字形のガラスチューブにより屈曲した放電
路を形成したコンパクト形の蛍光ランプや、複数本の略
U字形または略H字形の複数のガラスチューブをその端
部の側壁同志で互いに接合して、これら複数のガラスチ
ューブにより内部に全体として1本の蛇行形の放電路を
形成した発光管をもつコンパクト形の蛍光ランプが開発
されている。この種の蛍光ランプは、発光部が1か所に
集中するので、小形になり、かつ、輝度が高くなるなど
の利点がある。
【0003】ところで、この種の蛍光ランプは、始動時
の放電開始電圧が低いことが望まれる。このため、従
来、たとえば特開平4−206439号公報に記載され
ているように、発光管の中間部位に、導電体からなる始
動補助のための近接導体を設ける提案がなされている。
このような近接導体を用いれば、始動時に発光管の両端
に設置された主電極とこの近接導体との間で電位差が生
じ、これらの間でグロー放電が発生し、このグロー放電
が前記途中の近接導体を中継して拡大するので、アーク
放電への移行が容易になり、始動電圧が低くても確実な
放電が発生するようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
始動補助用の近接導体を用いる構造では、単に発光管の
中間部位に近接導体が設けられているだけであるため、
近接導体を用いない場合に比べて始動電圧を低くするこ
とができるが、それでもまだ、始動電圧が高い傾向にあ
り、始動電圧の引き下げが要請されている。
【0005】また、最近では高周波電子点灯回路による
インバータ点灯装置が開発されており、主に略U字形シ
ングルガラスチューブまたは略H字形シングルガラスチ
ューブからなる蛍光ランプに適用するように開発されて
いる。これらシングルガラスチューブの蛍光ランプは比
較的始動電圧が低いので、インバータ点灯装置の二次電
圧も低く設定されている。
【0006】ところが、近時、このようなシングルガラ
スチューブ用の高周波インバータ点灯装置を、複数本の
略U字形または略H字形のガラスチューブを接合してな
るダブルまたはトリプルチューブ形の蛍光ランプに使用
しようとする試みがある。しかし、ダブルまたはトリプ
ルチューブ形の蛍光ランプはシングルガラスチューブの
蛍光ランプに比べて、発光長が大きく、途中の接合箇所
で放電路が絞られているなどの構造的特徴から、始動電
圧が相対的に高くなる傾向にある。このため、シングル
ガラスチューブ用の高周波インバータ点灯装置を、複数
本の略U字形または略H字形のガラスチューブを接合し
てなるダブルまたはトリプルチューブ形の蛍光ランプに
用いようとすると、ダブルまたはトリプルチューブ形の
蛍光ランプを低い始動電圧で点灯できるように改良する
ことが課題となっている。
【0007】そこで、本発明の目的は、略U字形または
略H字形のガラスチューブにより屈曲した放電路を有す
る蛍光ランプにおいて、始動を容易にし、しかも、その
蛍光ランプを用いた蛍光ランプ点灯装置、その蛍光ラン
プを用いた照明装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の蛍光ラン
プは、略U字形または略H字形の複数のガラスチューブ
が互いに並置接合されて内部に1本の屈曲した放電路が
形成されるとともに、この放電路の内面に蛍光体被膜が
形成され、かつ、前記放電路の両端部に電極が封着され
た発光管と、この発光管の両端部にそれぞれ取り付けら
れた口金とからなる蛍光ランプにおいて、前記発光管の
放電路の中間部に始動補助用の補助電極が封着され、こ
の補助電極が一方の前記電極側に抵抗を介して電気的に
接続され、前記蛍光体被膜は、表面に鉄に対する帯電傾
向が正の金属酸化物粒子が被覆された蛍光体粒子を積層
したものである。
【0009】請求項2記載の蛍光ランプは、請求項1記
載の蛍光ランプにおいて、少なくとも1種の金属酸化物
粒子を蛍光体粒子の表面に、該蛍光体粒子に対して0.
01〜3.00重量%の範囲で被覆したものである。
【0010】請求項3記載の蛍光ランプ点灯装置は、請
求項1記載の蛍光ランプと、この蛍光ランプに接続され
た高周波点灯装置とを具備したものである。
【0011】請求項4記載の照明装置は、請求項1記載
の蛍光ランプと、この蛍光ランプが装着される器具本体
とを具備したものである。
【0012】
【作用】請求項1記載の蛍光ランプによれば、点灯始動
時において、発光管の放電路の中間部に補助電極が設け
られ、この補助電極が一方の電極側に電気的に接続され
ているので、補助電極とこれに対向電位の電極との間に
電位差が生じ、この補助電極と電極との間でグロー放電
が誘起され、さらに、電流が増加するにつれて、補助電
極に接続された抵抗の両端間の電位が大きくなり、両電
極間の電位差が大きくなっていき、グロー放電が両端の
電極間の主放電へ移行して始動が促される。しかも、蛍
光体被膜は、表面に鉄に対する帯電傾向が正の金属酸化
物粒子が被覆された蛍光体粒子を積層したから、金属酸
化物粒子が正に帯電し易いことにより電子を放出し易
く、この電子が始動を容易にする。したがって、補助電
極の放電誘発作用と金属酸化物粒子による電子放出作用
とにより、始動電圧が低くなり、容易に始動される。
【0013】請求項2記載の蛍光ランプでは、請求項1
記載の蛍光ランプにおいて、少なくとも1種の金属酸化
物粒子を蛍光体粒子の表面に、該蛍光体粒子に対して
0.01〜3.00重量%の範囲で被覆したため、金属
酸化物粒子の帯電傾向による電子放出作用が十分に確保
されるとともに、蛍光体の発光効率が低下するのが防止
される。
【0014】請求項3記載の蛍光ランプ点灯装置では、
請求項1記載の始動特性に優れた蛍光ランプを光源とし
て使用するから、シングルガラスチューブ用の高周波点
灯装置を使用しても容易に始動される。
【0015】請求項4記載の照明装置では、請求項1記
載の始動特性に優れた蛍光ランプを光源として使用する
から、始動動作を繰り返しても照明装置に負担をかけた
りする問題が解消される。
【0016】
【実施例】以下、本発明の第1実施例の構成を図1ない
し図5を参照して説明する。
【0017】図1はダブルチューブ形でフラット形の蛍
光ランプ11の断面図を示す。この蛍光ランプ11は、発光
管12と口金13とから構成されている。
【0018】発光管12は、外径が約20.0mmの2本の
略U字形のガラスチューブ21a ,21b をその端部相互で
接合したつなぎ形に構成されている。2本の略U字形の
ガラスチューブ21a ,21b はそれぞれ鉛ガラスまたはソ
ーダライムマグネシアガラスなどからなり、隣接する端
部の側壁をそれぞれ加熱して吹き破り、この吹き破り箇
所を相互に突き合わせて融着することにより融着部22を
介して接合されている。
【0019】したがって、発光管12は、2本の略U字形
のガラスチューブ21a ,21b が融着部22で相互に機械的
に接合されているとともに、融着部22を通じて各ガラス
チューブ21a ,21b の内部空間が相互に導通されてお
り、そのため、発光管12の内部には全体として1本の蛇
行形の放電路23が形成されている。
【0020】放電路23の両端部に相当する各ガラスチュ
ーブ21a ,21b の端部には電極24a,24b が封着されて
いる。この電極24a ,24b は、タングステンからなる2
重または3重コイル構造のフィラメント電極であり、酸
化バリウム(BaO)、酸化ストロンチウム(Sr
O)、酸化カルシウム(CaO)などの電子放射物質
(エミッタ)が塗布されている。この電極24a ,24b の
両端はそれぞれリード線25a,25b に接続されており、
これらリード線25a ,25b は、ガラスチューブ21a ,21
b の端部に封着された鉛ガラスまたはソーダライムマグ
ネシアガラスなどからなるフレアステム26a ,26b を気
密に貫通して外部リード線27a ,27b に接続されてい
る。
【0021】なお、フレアステム26a ,26b にはそれぞ
れ排気細管28a ,28b が接続されており、これら排気細
管28a ,28b は排気工程後に封止切りされる。
【0022】また、発光管12における放電路23の内面に
は蛍光体被膜29が形成されている。この蛍光体被膜29
は、たとえばハロリン酸カルシウム蛍光体[3Ca
3 (PO4)2 ・Ca(F,Cl)2 :Sb]などであ
ってもよいが、本実施例では、赤、緑、青の各波長域に
発光する3種類の希土類蛍光体を混ぜた3波長発光蛍光
体が使用されている。この3波長発光蛍光体は、たとえ
ば赤色蛍光体としてユーロピウム付活酸化イットリウム
(Y2 3 :Eu)、緑色蛍光体としてはリン酸塩蛍光
体[(La,Ce,Tb)・(P,Si)O4 ]、およ
び青色蛍光体として2価のユーロピウム付活アルカリ土
類ハロリン酸塩蛍光体または2価のユーロピウム付活ア
ルカリ土類アルミン酸塩蛍光体(BaMg2 Al
1627:Eu)が用いられている。
【0023】そして、前記蛍光体被膜29は、表面に鉄
(Fe)に対する帯電傾向が正の領域に偏った金属酸化
物粒子が被覆された前記蛍光体粒子を積層して形成され
ている。金属酸化物粒子は、マグネシウム(Mg)、カ
ルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム
(Ba)などのなかの少なくとも1種、たとえば酸化マ
グネシウム(MgO)の粒子を添加してこの粒子で覆っ
たものである。
【0024】すなわち、蛍光体粒子を金属酸化物粒子で
被覆するには、まず、純水200ccに硝酸マグネシウム
[Mg(NO3 2 ]を1.10g溶解する。次に、ユ
ーロピウム付活酸化イットリウム(Y2 3 :Eu)、
2価のユーロピウム付活アルカリ土類ハロリン酸塩蛍光
体または2価のユーロピウム付活アルカリ土類アルミン
酸塩蛍光体(BaMg2 Al1627:Eu)、リン酸塩
蛍光体[(La,Ce,Tb)・(P,Si)O4 ]の
混合蛍光体を100g添加し、十分に撹拌する。撹拌し
ながら、アンモニア水(NH4 OH)を用いてpHアル
カリ領域に調整する。すると、水酸化マグネシウムのゲ
ル状物質が生成する。この状態の下で、撹拌をさらに十
分に行なった後、純水にて数回洗浄を行ない、その懸濁
液を吸引濾過する。この後、得られた濾過ケーキを30
0〜400℃で乾燥する。こうして得られた蛍光体粒子
は、その表面が0.3%の酸化マグネシウム(MgO)
の微粒子層によって被覆されたものとなる。
【0025】そして、蛍光体粒子をこのような金属酸化
物粒子で覆った場合は、蛍光体被膜29全体の帯電傾向が
正に偏るから、電子の静電引力が高くなり、電極から電
子を引き出し易くなるので、始動が容易になる。
【0026】また、口金13は、たとえばポリブチレンテ
レフタレート(PBT)樹脂などのような絶縁体からな
る口金ベース31と、黄銅などの導電材料からなる合計4
本の口金ピン32(2本のみ図示)により形成されてい
る。なお、口金13は、36W以下用のJIS規格のGX
10qタイプである。
【0027】口金ベース31は、発光管12における電極24
a ,24b を封着した端部が挿入される挿入孔33と、融着
部22が挿入される立上がり筒部34とを備えており、これ
ら挿入孔33および立上がり筒部34に発光管12の両端部お
よび融着部22を有する端部がそれぞれ挿入されるととも
に接着剤35を介して口金ベース31に接合されている。
【0028】口金ピン32は、本実施例の口金13が36W
以下用のJIS規格のGX10qタイプであるから、口
金ベース31の底面より外に突出して設けられている。こ
れら口金ピン32には、発光管12の電極24a ,24b と接続
された外部リード線27a ,27b が接続されている。
【0029】また、発光管12の放電路23の略中間部に相
当する一方のガラスチューブ21a の融着部22近傍の端部
に、始動補助用の補助電極41が封着されている。この補
助電極41は、ガラスチューブ21a の端部に封着された鉛
ガラスまたはソーダライムマグネシアガラスなどからな
るフレアステム42を気密に貫通して導電線43に接続され
ている。導電線43は、抵抗44を介して、他方の電極24b
側の1本の外部リード線27b に接続されている。
【0030】次に、図2および図3は、前記のように構
成された蛍光ランプ11を光源として用いた照明装置を示
す。この照明装置は、天井埋込形照明器具に適用した例
であり、51は器具本体で、この器具本体51は、天井面52
に形成した埋込み孔53に埋め込み配設される。
【0031】器具本体51の内部には反射体54が取り付け
られており、この反射体54の開口部には制光用ルーバ55
が取り付けられている。器具本体51には、複数灯の蛍光
ランプ11がそれぞれ着脱可能に接続されるソケット56が
取り付けられ、このソケット56に蛍光ランプ11を点灯さ
せる高周波点灯装置57がそれぞれ器具本体51の天井部に
取り付けられている。
【0032】次に、図4は高周波点灯装置57の回路図を
示す。
【0033】商用交流電源Eに対してヒューズFを介し
て、コンデンサC1およびインダクタL1からなるフィルタ
回路61を接続し、このフィルタ回路61に整流平滑回路62
を接続する。
【0034】この整流平滑回路62は、フィルタ回路61に
全波整流器63の入力端子を接続し、この全波整流器63の
出力端子にコンデンサC2およびコンデンサC3の並列回路
を接続する。さらに、このコンデンサC3の両端子間に
は、高周波発信用のインバータ回路64を接続する。
【0035】また、このインバータ回路64は、コンデン
サC3に対して並列に電界効果トランジスタQ1のドレイ
ン、ソースと、電界効果トランジスタQ2のドレイン、ソ
ースとが直列に接続され、電界効果トランジスタQ1のソ
ースおよび電界効果トランジスタQ2のドレイン間には、
可飽和電流トランスCTの入力巻線CTa が接続されてい
る。さらに、電界効果トランジスタQ1のゲート、ソース
間には、抵抗R1および制御巻線CTb と、コンデンサC4と
が並列に接続され、電界効果トランジスタQ2のゲート、
ソース間には、抵抗R2および制御巻線CTc と、コンデン
サC5および始動タイマ回路65とが接続されている。
【0036】そして、この始動タイマ回路65は、全波整
流器63の出力端子間に抵抗R3およびコンデンサC6の直列
回路が接続され、このコンデンサC6に対して並列に抵抗
R4および抵抗R5の直列回路が接続され、これら抵抗R4お
よび抵抗R5の接続点には、電界効果トランジスタQ3のゲ
ートが接続され、この電界効果トランジスタQ3のドレイ
ンはコンデンサC5に、ソースは全波整流器63の負極に接
続されている。また、電界効果トランジスタQ3のゲー
ト、ソース間にコンデンサC7が接続されている。
【0037】さらに、全波整流器63の出力端子間には、
抵抗R6およびコンデンサC8の直列回路が接続されてお
り、抵抗R6およびコンデンサC8の接続点はダイオードD1
を介して電界効果トランジスタQ1のソースおよび電界効
果トランジスタQ2のドレイン間に接続されている。ま
た、電界効果トランジスタQ1のドレイン、ソース間には
抵抗R7が接続され、電界効果トランジスタQ2のドレイ
ン、ソース間にはコンデンサC9が接続され、抵抗R6およ
びコンデンサC8の接続点は、トリガ素子Q4を介して電界
効果トランジスタQ2のゲートに接続されている。
【0038】そして、可飽和電流トランスCTの入力巻線
CTa は、チョークコイルL2および直流カット用のコンデ
ンサC10 を介して蛍光ランプ11の電極24a ,24b の一端
がそれぞれ接続されている。また、電極24a ,24b の他
端には、共振用のコンデンサC11 が接続されている。
【0039】次に、第1実施例の作用を説明する。
【0040】商用交流電源Eの交流電圧を全波整流器63
で全波整流し、コンデンサC3で平滑する。
【0041】そして、始動時にはコンデンサC6およびコ
ンデンサC7が充電されるまで電界効果トランジスタQ3は
オフ状態を維持し、所定時間経過することにより、電界
効果トランジスタQ3がオンする。また、コンデンサC8が
充電されるとトリガ素子Q4がオンし、電界効果トランジ
スタQ2をオンする。
【0042】その後、可飽和電流トランスCTが飽和する
ことにより電界効果トランジスタQ1および電界効果トラ
ンジスタQ2を交互に高周波でオン、オフさせ、インバー
タ回路64で高周波交流を出力し、インダクタL2およびコ
ンデンサC11 を共振させて蛍光ランプ11を始動させ、高
周波で蛍光ランプ11を点灯させる。
【0043】また、点灯始動時において、蛍光ランプ11
は、発光管12の放電路23の中間部に補助電極41が設けら
れ、この補助電極41が導電線43によって他方の電極24b
側の外部リード線27b に電気的に接続されているので、
補助電極41とこれに対向電位の一方の電極24a との間に
電位差が生じ、この補助電極41と一方の電極24a との間
でグロー放電が誘起され、さらに、電流が増加するにつ
れて、補助電極41に接続された抵抗44の電位差が大きく
なることにより、補助電極41に対して抵抗44の電位差が
大きくなっていき、グロー放電が両端の電極24a ,24b
間の主放電へ移行して始動が促される。故に、始動が容
易に行なわれ、始動電圧が低くなり確実に始動できる。
【0044】そして、発光管12の内面に形成された蛍光
体被膜29は、表面に鉄(Fe)に対する帯電傾向が正の
領域に偏った金属酸化物粒子、たとえば酸化マグネシウ
ム(MgO)などが被覆された蛍光体粒子を積層したも
のであるから、蛍光体も始動電圧を引き下げる効果を奏
する。すなわち、蛍光体粒子に、正の帯電傾向をもつ金
属酸化物粒子を添加した場合は、蛍光体被膜29全体の帯
電傾向が正に偏るようになり、電子の静電引力が高くな
って電極から電子を誘発し易くなるから、始動が容易に
なる。
【0045】また、蛍光体被膜29は、少なくとも1種の
金属酸化物粒子を蛍光体粒子の表面に、該蛍光体粒子に
対して0.01〜3.00重量%の範囲で被覆させる。
これは、被覆量が0.01重量%未満では金属酸化物粒
子による帯電蛍光の制御効果が十分に得られず、逆に、
3.00重量%を越えると蛍光体の発光効率が低下する
ためである。したがって、被覆量が0.01〜3.00
重量%の範囲では、金属酸化物粒子の帯電傾向による電
子放出作用が十分に確保できるとともに、蛍光体の発光
効率が低下するのを防止できる。
【0046】したがって、補助電極41の放電誘起作用
と、金属酸化物粒子による電子放出作用とが相互に機能
して、蛍光ランプ11の始動電圧をより一層低くすること
ができる。
【0047】この点は、実験により確認されており、そ
の始動電圧の測定結果を図5に示す。すなわち、図5
は、図1に示すような構造の蛍光ランプ(定格ランプ電
力36W)について、蛍光体被膜29の種類と、近接導体
や補助電極41を種々変えて組み合わせた場合におけるそ
れぞれの始動電圧を測定した結果を示す特性図である。
なお、蛍光体は、前述の3波長発光蛍光体を用いた。測
定条件は、高周波標準回路(45kHz 一定)を使用し、
ランプ周囲温度は0℃で行なった。
【0048】図中各特性a〜iの蛍光ランプの仕様は次
のとおりである。特性aは、蛍光体被膜を金属酸化物粒
子で覆わず、補助電極も近接導体も用いない蛍光ラン
プ。特性bは、蛍光体被膜を金属酸化物粒子で覆い、補
助電極も近接導体も用いない蛍光ランプ。特性cは、蛍
光体被膜にα−Al2 3 粒子を混ぜ、補助電極も近接
導体も用いない蛍光ランプ。特性dは、蛍光体被膜を金
属酸化物粒子で覆わず、補助電極を用いた蛍光ランプ。
特性eは、蛍光体被膜を金属酸化物粒子で覆わず、近接
導体を用いた蛍光ランプ。特性fは、蛍光体被膜を金属
酸化物粒子(MgO)で覆い、補助電極または近接導体
を用いた蛍光ランプ。特性gは、蛍光体被膜を金属酸化
物粒子(α−Al2 3 )で覆い、補助電極または近接
導体を用いた蛍光ランプ。
【0049】そして、図5の特性aと特性b,cとを比
較してわかるように、蛍光体被膜を金属酸化物粒子で覆
わない場合に比べて、覆った蛍光ランプの方が、始動電
圧が低いことが確認できる。
【0050】また、図5の特性aと特性d,eとを比較
してわかるように、補助電極や近接導体を用いない場合
に比べて、それらを用いた蛍光ランプの方が、始動電圧
が低いことが確認できる。
【0051】さらに、図5の特性f,gに示すように、
蛍光体被膜を金属酸化物粒子で覆い、補助電極または近
接導体を用いた蛍光ランプでは、始動電圧が最も低くな
ることが確認できる。
【0052】したがって、図1に示す構成のダブルチュ
ーブ形でフラット形の蛍光ランプ11は、始動電圧が低く
なることから、従来ではシングルガラスチューブ形蛍光
ランプ用として使用されていた図4に示すような高周波
点灯装置57を本実施例のダブルチューブ形の蛍光ランプ
11に使用しても始動が可能になる。そして、高周波点灯
装置57を用いると、安定器を使用する場合に比べてラン
プ効率が向上する利点がある。
【0053】また、このような蛍光ランプ11および高周
波点灯装置57を備えた図2および図3に示されている照
明装置は、始動電圧が低くなり、始動が容易である。
【0054】次に、図6は本発明の第2実施例を示し、
この第2実施例では、各ガラスチューブ21a ,21b の端
部に補助電極41a ,41b をそれぞれ封着し、各補助電極
41a,41b の導電線43a ,43b を各ガラスチューブ21a
,21b に対して他方となる各電極24a ,24b の外部リ
ード線27a ,27b の1本にそれぞれ接続する。
【0055】このように構成することにより、点灯始動
時において、補助電極41a と電極24a との間、補助電極
41b と電極24b との間、両補助電極41a ,41b の間でそ
れぞれグロー放電が誘起され、それぞれの抵抗44a ,44
b に流れる電流が大きくなることにより各抵抗44a ,44
b の電位差が大きくなり、両電極24a ,24b 間の主放電
への移行が容易に行なわれ、より一層低い始動電圧でも
って容易に始動させることができる。
【0056】次に、図7は本発明の第3実施例を示し、
この第3実施例では、2本の略U字形のガラスチューブ
21a ,21b を平行に配置したFDL形の蛍光ランプ11で
ある。このようなFDL形の蛍光ランプ11でも、前記ダ
ブルチューブ形でフラット形の蛍光ランプ11と同様の作
用効果を奏する。
【0057】なお、前記各実施例では、ガラスチューブ
21a ,21b を2本接合した蛍光ランプ11について説明し
たが、連結本数を3本以上にしても同様の作用効果を奏
する。
【0058】次に、図8は本発明の第4実施例を示し、
この第4実施例では、4本のガラスチューブ21をブリッ
ジ状に接合したフラット形の蛍光ランプ11である。この
蛍光ランプ11の発光管12は、4本の棒状のガラスチュー
ブ21の一端間または他端間が融着部22で相互に機械的に
接合されているとともに、融着部22を通じて各ガラスチ
ューブ21の内部空間が相互に導通されており、発光管12
の内部には全体として1本の蛇行形の放電路23が形成さ
れている。そして、このような蛍光ランプ11でも、前記
各実施例の蛍光ランプ11と同様の作用効果を奏する。
【0059】次に、図9は蛍光ランプの周囲温度に対す
る始動電圧の関係をJISに規定された始動試験によっ
て行なった結果をグラフにしたものである。
【0060】グラフ中、菱形プロットをつないだ破線の
曲線Aは、比較用例としての蛍光体被膜を金属酸化物粒
子で覆わず、補助電極または近接導体を用いた蛍光ラン
プ(図5のd,eに相当)の例を示す。
【0061】丸形プロットでつないだ実線の曲線Bは、
第1実施例のつなぎ形の蛍光ランプ11の場合を示す。四
角形プロットをつないだ1点鎖線の曲線Cは、第4実施
例のブリッジ形の蛍光ランプ11の場合を示す。
【0062】図9のグラフに示すように、始動試験によ
れば、蛍光ランプの周囲温度が約25℃程度以下では、
比較用例(曲線A)および各実施例(曲線B,C)とも
略同程度の始動電圧で始動することがわかった。また、
周囲温度が約25℃程度を越えて上昇するにつれて、比
較用例(曲線A)は略同じ始動電圧を保つことがわかっ
たが、各実施例(曲線B,C)は始動電圧が低下してい
く傾向にあることがわかった。特に、約65℃程度で
は、比較用例(曲線A)の始動電圧に比べて各実施例
(曲線B,C)の始動電圧は約20V程度低下すること
がわかった。
【0063】このように、各実施例の蛍光ランプ11は、
比較用例に比べて、周囲温度が高くなるにつれて始動電
圧が低く、始動性がよくなる。そのため、蛍光ランプ11
を連続点灯していて蛍光ランプ11からの熱で周囲温度が
約25℃程度以上の高い状態で、一旦消灯した後に、直
ぐに再点灯させるような高温再始動を行なう使用状況に
おいても、蛍光ランプ11を容易に始動させることができ
る。
【0064】さらに、ここでの実験結果はないが、図5
のaとd,eの結果より分かる通り、従来の蛍光ランプ
(図5のaの蛍光体被膜を金属酸化物粒子で覆わず、補
助電極も近接導体も用いない蛍光ランプ)の指導電圧は
比較用例に相当するd,eに比べて明らかに高く、比較
用例のレベルよりも劣る。したがって、この実験による
従来の蛍光ランプの結果は比較用例よりも始動電圧が高
くなることは明らかである。
【0065】したがって、蛍光ランプ11を小形の器具内
に配設して蛍光ランプ11の周囲空間が少なくなるような
場合、同サイズの器具内に多数の蛍光ランプ11を密に配
設した場合に、蛍光ランプ11の周囲温度が高くなって
も、蛍光ランプ11を容易に始動できるため、照明装置の
小形化、多灯化を図ることができる。
【0066】なお、照明装置としては、天井埋込形照明
器具に限定されるものではなく、天井直付形照明器具や
ペンダント照明器具、スタンド照明器具など種々の照明
器具に実施可能である。
【0067】
【発明の効果】請求項1記載の蛍光ランプによれば、点
灯始動時において、発光管の放電路の中間部に補助電極
が設けられ、この補助電極が一方の電極側に電気的に接
続されるので、補助電極とこれに対向電位の電極との間
に電位差が生じ、この補助電極と電極との間でグロー放
電が誘起され、さらに、電流が増加するにつれて、抵抗
の電位差が大きくなることにより、補助電極に対して両
電極間の電位差が大きくなっていき、グロー放電が両端
の電極間の主放電へ移行して始動が促される。しかも、
蛍光体被膜は、表面に鉄に対する帯電傾向が正の金属酸
化物粒子が被覆された蛍光体粒子を積層したものである
から、金属酸化物粒子が正に帯電し易いことにより電子
を放出し易く、この電子が始動を容易にする。したがっ
て、補助電極の放電誘発作用と金属酸化物粒子による電
子放出作用とにより、始動電圧が低くなり、容易に始動
させることができる。
【0068】請求項2記載の蛍光ランプによれば、請求
項1記載の蛍光ランプの効果に加えて、少なくとも1種
の金属酸化物粒子を蛍光体粒子の表面に、該蛍光体粒子
に対して0.01〜3.00重量%の範囲で被覆したた
め、金属酸化物粒子の帯電傾向による電子放出作用が十
分に確保できるとともに、蛍光体の発光効率が低下する
のを防止できる。
【0069】請求項3記載の蛍光ランプ点灯装置によれ
ば、始動特性に優れた蛍光ランプを光源として使用する
から、シングルガラスチューブ用の高周波点灯装置を使
用しても容易に始動させることができる。
【0070】請求項4記載の照明装置によれば、始動特
性に優れた蛍光ランプを光源として使用するから、始動
動作を繰り返しても照明装置に負担をかけるような問題
を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すダブルチューブ形で
フラット形の蛍光ランプの断面図である。
【図2】同上実施例の蛍光ランプを光源として使用した
天井埋込形照明器具の底面図である。
【図3】同上実施例の天井埋込形照明器具の断面図であ
る。
【図4】同上実施例の高周波点灯装置を示す回路図であ
る。
【図5】始動電圧を測定した特性図である。
【図6】本発明の第2実施例を示すダブルチューブ形で
フラット形の蛍光ランプの断面図である。
【図7】本発明の第3実施例を示す蛍光ランプの斜視図
である。
【図8】本発明の第4実施例を示す蛍光ランプの断面図
である。
【図9】比較用例の蛍光ランプ、第1および第4実施例
の蛍光ランプについて、蛍光ランプの周囲温度に対する
始動電圧の関係をJISに規定された始動試験によって
行なった結果を示すグラフである。
【符号の説明】
11 蛍光ランプ 12 発光管 13 口金 21,21a ,21b ガラスチューブ 23 放電路 24a ,24b 電極 29 蛍光体被膜 41,41a ,41b 補助電極 44,44a ,44b 抵抗 51 器具本体 57 高周波点灯装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略U字形または略H字形の複数のガラス
    チューブが互いに並置接合されて内部に1本の屈曲した
    放電路が形成されるとともに、この放電路の内面に蛍光
    体被膜が形成され、かつ、前記放電路の両端部に電極が
    封着された発光管と、この発光管の両端部にそれぞれ取
    り付けられた口金とからなる蛍光ランプにおいて、 前記発光管の放電路の中間部に始動補助用の補助電極が
    封着され、この補助電極が一方の前記電極側に抵抗を介
    して電気的に接続され、 前記蛍光体被膜は、表面に鉄に対する帯電傾向が正の金
    属酸化物粒子が被覆された蛍光体粒子を積層したことを
    特徴とする蛍光ランプ。
  2. 【請求項2】 少なくとも1種の金属酸化物粒子を蛍光
    体粒子の表面に、該蛍光体粒子に対して0.01〜3.
    00重量%の範囲で被覆したことを特徴とする請求項1
    記載の蛍光ランプ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の蛍光ランプと、この蛍光
    ランプに接続された高周波点灯装置とを具備したことを
    特徴とする蛍光ランプ点灯装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の蛍光ランプと、この蛍光
    ランプが装着される器具本体とを具備したことを特徴と
    する照明装置。
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