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JPH0885894A - 電 極 - Google Patents

電 極

Info

Publication number
JPH0885894A
JPH0885894A JP6248856A JP24885694A JPH0885894A JP H0885894 A JPH0885894 A JP H0885894A JP 6248856 A JP6248856 A JP 6248856A JP 24885694 A JP24885694 A JP 24885694A JP H0885894 A JPH0885894 A JP H0885894A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
iridium
base material
platinum
electroplating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6248856A
Other languages
English (en)
Inventor
Matsunori Sawada
松範 沢田
Eisaku Ushiku
英作 牛久
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
Original Assignee
Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tanaka Kikinzoku Kogyo KK filed Critical Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
Priority to JP6248856A priority Critical patent/JPH0885894A/ja
Publication of JPH0885894A publication Critical patent/JPH0885894A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Electrodes For Compound Or Non-Metal Manufacture (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高電流密度条件や高電圧条件下での基材の損
傷が少なく、塩素など酸素以外の電解生成物の生成効率
において白金電極より優れた電極を提供する。 【構成】 チタニウム、ニオブ及びタンタルより選択さ
れる1種以上の金属を含む電極基材上にイリジウムの電
気めっき被覆を有する電極。またイリジウムと基材の間
に白金被覆を施すと好ましい。イリジウムめっき後、 4
00℃乃至 800℃で熱処理を行なうと白金−イリジウムの
拡散層を有しさらに好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不溶性電極に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に電解操作に供する電極として、チ
タニウムなどの弁金属基材上に電極活性材料をバインダ
とともに焼成し、酸化イリジウム単体や酸化イリジウム
と金属白金などを電極活性物質とする焼き付け電極また
は、チタニウムなどの弁金属基材上に白金メッキを施し
た電極等が用いられている。
【0003】チタニウム、ニオブ、タンタルなどの金属
を基材として電極とすることは、広く行われている。電
極表面の一部が剥落しても、これらの金属は速やかに酸
化し不導体皮膜を作り、電気が流れにくくなり基材を保
護するからである。そして、剥落部に流れていた電流は
剥落を起こしていない触媒活性物質層に流れるようにな
る。
【0004】酸化イリジウムを含む焼き付け電極では、
バインダが含まれるので触媒活性物質層の電気抵抗が高
く、触媒活性物質の剥落の際には触媒活性物質層にかか
る電圧と不導体化した電極基材にかかる電圧の差が小さ
い。両者の電圧の差が小さいと、触媒活性物質層ばかり
でなく、不導体化した基材にも電流が多く流れるように
なる。不導体化した基材にも電流が多く流れると、基材
の消耗が速くおこるだけでなく、触媒活性物質層と電極
基材との間にも損傷が進行し、急速に触媒活性物質層の
剥離が進行する。これらの理由により、焼き付け電極は
高電流密度条件や高電圧条件下での電気分解では好まし
くなく、電流密度では5A/dm2 以下の条件で用いられて
いる。電圧が上昇しはじめると、触媒活性物質層の剥離
は急速に進行するため、電極の交換時期を予測するのは
困難である。即ち、電圧が上昇しはじめたら、速やかに
電極を交換しなけらばならず、怠ると電極基材も腐食し
て穴があいてしまい、電極基材を再利用することが出来
なくなる。
【0005】白金メッキを施した電極は、触媒活性物質
層が金属白金であるので、消耗がおこっても、不導体化
した電極基材にかかる電圧と白金メッキ部分にかかる電
圧の差は、焼き付け電極に比べて大きい。基材は保護さ
れ、剥落部に流れていた電流は剥落を起こしていない触
媒活性物質層に流れるようになる。従って高電流密度条
件や高電圧条件下でも基材の損傷を抑制される。白金層
と電極基材との間の損傷も、徐々に進むので、電極の消
耗は電圧の上昇などで、事前に判断できる。消耗は、徐
々にすすむため前述の酸化イリジウムを含む焼き付け電
極に比べて、交換計画を立てやすい。しかし、火力発電
における冷却水用の海水電解を例にとすれば、陽極とし
て使用した際に、酸素の発生量が多く、塩素の発生量が
少なくなってしまう欠点がある。すなわち酸素発生が支
配的であり、酸素以外の電解生成物を得る場合には不利
である。また酸素を発生する場合においても、酸素過電
圧が高く電力を多く投入する必要がある。電流密度が高
ければなおさらこの傾向は、顕著になる。従って工業用
の不溶解性陽極を用いた電解操作では、寿命判定や電解
条件を加味して酸化イリジウムを含む焼き付け電極や白
金の電極などが適宜用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、焼き付け電
極の欠点である、高電流密度条件や高電圧条件下での基
材の損傷を抑制することができ、事前に電極寿命の判定
ができる電極を提供するものである。また、塩素など酸
素以外の電解生成物の生成効率において、白金電極の欠
点を補うものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、チタニウム、
ニオブ、タンタルより選択される1種以上の金属を含む
電極基材上にイリジウムの電気めっきを施したことを特
徴とする電極である。また本発明はイリジウムの電気め
っき後、熱処理(特に 400℃乃至 800℃の)が施された
電極である。さらに本発明は基材とイリジウムの中間に
白金被覆を施した電極である。上記イリジウムめっきの
厚さは 0.2乃至 5.0マイクロメーターが好ましく、また
白金めっきの厚さは 0.1乃至 2.0マイクロメーターが好
ましい。本発明によれば、5A/dm2 以上 200A/dm2 以下
といった高電流密度条件や高電圧条件下での基材の損傷
を抑制し、酸化イリジウム電極などと同様の触媒活性の
得られる電極が得られる。また電極の寿命点付近では、
電解電圧の上昇または、電解電流の低下が徐々に始まる
ため、電圧値や電流値の変化で事前に電極の寿命を判定
できる。酸化イリジウム電極の欠点と白金メッキ電極の
欠点を補うことができるので、電極の利用分野におい
て、応用範囲が広くなる。
【0008】
【作用】本発明は、チタニウム、ニオブ、タンタルより
選択される1種以上の金属を含む電極基材上にイリジウ
ムの電気めっきを施したことを特徴とする電極である。
【0009】本発明による電極では、電気分解に伴い電
極表面のイリジウムは、陽極酸化により酸化イリジウム
に変化すると言える。正電解中は、酸化イリジウムの作
用により、海水電解を例にとれば、高い塩素発生効率が
得られる。使用に伴い基材の一部が露出しても、電極表
面の酸化イリジウムの下層は、金属イリジウムで良好な
導電性を有するので、電流は露出した基材の方には流れ
にくく、触媒活性物質であるイリジウムめっきの付着し
ている側に多く流れる。触媒活性物質層にかかる電圧と
不導体化した電極基材にかかる電圧の差は、焼成電極に
比べて大きいので、基材は保護される。イリジウムめっ
き部の消耗も電極の使用につれて進み、その過程は電圧
の上昇、または電流の低下として観測される。しかしそ
の速度は緩やかで、寿命が近いことを事前に知ることが
できる。そこで、予め電極の交換等の保守を行い、トラ
ブルを防止できる。
【0010】イリジウム層の形成は、電気めっきによ
る。イリジウムは加工性が悪く、チタニウム、ニオブ、
タンタルなどの電極基材に金属を張ることはほとんど不
可能に近く、張ることができても薄い皮膜をつくること
が難しいからである。またイリジウムは高価であるの
で、電極そのものをイリジウムで作ると多くの費用がか
かる。電気めっき法であれば、容易に数ミクロンの被覆
をチタニウム、ニオブ、タンタルなどの電極基材上に形
成することができるからである。
【0011】イリジウムめっきを形成したのち、熱処理
をおこなうと、電極寿命は増大する。このようにして熱
処理を施したものは、白金めっきによる電極を熱処理し
た際の、寿命に対する効果は、 1.3倍程度であるが、本
発明のイリジウムめっきにおいては、熱処理の効果は
2.5倍であった。この効果は電気メッキによる、結晶の
成長方向、粒子の生成、と熱処理との相互作用によるも
のと考えられる。
【0012】熱処理温度は、大気または簡便な酸化雰囲
気で、概ね 400℃乃至 800℃の範囲で行う。 400℃未満
では、長寿命化にあまり効果がなく、大気で行った場合
800℃を超えた温度では基材の酸化が激しく好ましくな
い。 800℃を超えた温度で熱処理を施す場合は、基材の
損傷を防止するために、真空下、窒素雰囲気、アルゴン
雰囲気で処理するのが良いが、設備費用やコストがかか
る。処理時間は、概ね数分から数時間程度であるが、長
時間行う場合には低い温度で、短時間で行うためには高
い温度で良い。熱処理条件は、適宜選択すれば良いが、
大気中では、 450℃から 650℃の間で10分から60分程度
が良い。
【0013】基材とイリジウム層の中間に白金メッキ層
を設けると、イリジウムの回収が容易になるという効果
と電極基材が保護されるという効果がある。使用済みの
イリジウムを使用した電極から、イリジウムを回収する
には塩酸塩素水にて溶解する方法がある。しかし、表面
の僅かなイリジウムを回収する際に、基材も溶解してし
まうので、薬液を多く使用し、基材を再利用することが
できない。中間に白金メッキ層を設けると、王水により
白金部分が溶解しイリジウムは箔、及び微細な粉として
基材より分離することができる。基材には、チタニウ
ム、ニオブ、タンタルなどの金属や合金を用いるので、
王水には溶解しないので、少ない薬液で回収することが
でき、基材も再利用することができる。分離されたイリ
ジウム粉や箔、白金の溶液は、前述の方法に比べれば、
回収は容易である。イリジウム電気メッキ層の下地に、
白金メッキが施してあると、イリジウムメッキ層が消耗
しても基材が露出することはない。露出した白金メッキ
部分は電解に寄与するので、イリジウム層の剥落が進ん
でも、電解性能の低下は抑えられる。電圧の上昇は、こ
の間に徐々に進行するので、白金メッキ層が露出しはじ
めた時点で電極を交換すれば良い。熱処理が加えてある
と、白金メッキの上層には、イリジウムの拡散層が生じ
ている。このため、白金層が露出した当初は、白金イリ
ジウムの合金に近い状態なので熱処理を加えた電極は、
更に優れた特性を示す。
【0014】イリジウムの電気めっきの厚みは、経済性
や作業性を考慮して 0.2から 5.0マイクロメートル程度
施すのが好ましい。また白金については、 0.1から 2.0
マイクロメートル程度にするのが良い。特に白金につい
ては、電極のイリジウムめっき層の消耗が始まり、交換
するまでの時間を考慮して設定することができる。
【0015】本発明による電極は、低い電流密度から高
電流密度まで使用することができ、5A/dm2 以上の条件
において優れた性能を示す。上限は、実用面を考えて 2
00A/dm2 以下とする。
【0016】本発明の電極を製造する方法の一例を、実
施例1に記載した。この他の手段としては、チタニウム
等の弁金属上にメッキを施すための公知の手段を用いれ
ば良く、本発明を限定するものではない。基材に用いる
チタニウム、ニオブ、タンタルなどの弁金属の入手は容
易である。ニオブとタンタル、ニオブとチタニウムなど
の合金も好ましい。触媒活性物質層の剥落後に、基材表
面が不動態化して、電極基材が保護されれば良いからで
ある。基材の前処理には、エメリ−によるブラスト処理
や化学エッチング法により基材表面を粗にしておくとめ
っき電着物と基材との密着性が良くなる。化学エッチン
ング法においては、フッ化物によるエッチング液が良く
用いられるが、この他にも、濃硫酸、塩酸、シュウ酸な
どによる液が使用されフッ化物と混合して使用されるこ
ともある。これらの処理の他に、メッキ前の基材のコン
ディションを整えるための、硫酸浸漬工程や水洗工程、
フッ化物溶液中での酸化物除去工程などの公知の前処理
方法を組み合わせれば良い。イリジウムメッキは、実施
例1に記載したものを用いた。白金の被覆形成には、ス
パッタリング等の各種方法があるが、湿式電気メッキに
よるのが最も簡便である。本発明の実施例に使用した白
金メッキ液(タナカ白金メッキ液:田中貴金属工業株式
会社製)は、硫酸浴のものである。この他にも中性浴や
アルカリ浴のものもあるので適宜選択して使用する。熱
処理は、電気炉による方法が簡便である。基材の酸化を
防ぐには雰囲気炉の使用が好ましい。
【0017】以下、本発明の実施例について説明する。
【0018】
【実施例1】幅10mm長さ 100mmのリードをもつ縦40mm×
横50mm×厚さ1mmのチタニウム板を電極基材として本発
明の電極を作成した際の実施例について示す。メッキの
前処理は、酸性脱脂液(日本エレクトロプレーティング
エンジニアーズ社製:イートレックス15)に30秒浸漬の
後、水洗し、アルカリ性脱脂液(日本エレクトロプレー
ティングエンジニアーズ社製:イートレックス11)に超
音波下で1分間浸漬し水洗した。さらにチタンの酸化皮
膜を除去するため、1%の硝酸を含む5%の酸性フッ化
アンモニウム溶液に1分間浸漬し、水洗、5%硫酸溶液
30秒浸漬をおこない、水洗した。前処理の後、浴温80
℃、電流密度0.15A/dm2 、攪拌条件下でイリジウムめっ
きを行った。イリジウムめっき浴は、ヘキサブロモイリ
ジウム(III) 酸ナトリウムとシュウ酸による浴(表面技
術 Vol.44,No.12,1993 )によっておこなっ
た。
【0019】
【実施例2】本実施例は、海水電解やソーダ電解を想定
して、塩素の発生効率を測定した際の試験の方法につい
て示す。幅60mm、長さ 100mmの電極を6枚使用し、極間
3mmで5セルとしたバイポーラ型隔膜電解槽に、2l/
分の速度で陰極液流量と陽極液流量比を1:1とし、20
℃の塩化ナトリウム溶液(濃度5g/l 及び20g/l )を流
した。隔膜には、プラスチックの枠に整流桟の付いたも
のに、隔膜としてフッ素系の陽イオン交換膜を張ったも
のを使用した。1セルあたり電流密度で10A/dm2 の電流
を印加し、5分後に陽極側より流出する液中の有効塩素
濃度を測定する。
【0020】
【実施例3】実施例2に示した電極の寸法のもので、チ
タニウムの板にイリジウムの電気めっきを施したものに
ついて実施例1の手順にて6枚作成した。これを実施例
2の手順により試験した。この結果について表1に示
す。
【0021】
【従来例1】実施例2に示した電極の寸法のもので、チ
タニウムの板に酸化イリジウムを触媒活性物質成分とす
る焼成電極6枚を用意した。これを実施例2の手順によ
り試験した。この結果について表1に示す。
【0022】
【従来例2】実施例2に示した電極の寸法のもので、チ
タニウムの板に白金メッキした電極を6枚用意した。こ
れを実施例2の手順により試験した。この結果について
表1に示す。
【0023】
【比較例1】実施例2に示した電極の寸法のもので、白
金の無垢板よりなる電極を6枚用意した。これを実施例
2の手順により試験した。この結果について表1に示
す。
【0024】
【表1】
【0025】表1に示すように、本発明による電極は、
有効塩素濃度が高いことから、塩素発生効率が高いこと
がわかる。また従来例の2及び比較例1に示した様に白
金めっき、白金では塩素発生効率が低く、酸素発生が多
くなる。
【0026】
【実施例4】本実施例は、電極の寿命試験をした際の方
法について示す。横幅20mm、縦幅80mm、深さ 100mmの塩
化ビニル製の水槽に、下部より塩化ナトリウムの溶液を
送り込む入口を設け、深さ20mmのところより液がオーバ
ーフローする液排出口を設けた無隔膜電解セルにて加速
寿命試験を実施した。実施例1にて示した電極寸法であ
る幅10mm長さ 100mmのリードをもつ縦40mm×横50mm×厚
さ1mmの電極を陰極および陽極とし、極間距離3mmにて
セルの中央に配し、 200A/dm2 の電流密度で定電流電解
をした。塩化ナトリウム溶液は、室温にて濃度5g/l の
ものを50ml/分の速度で連続して試験セルに送り込み、
電解開始からの時間と、電解中の電圧を常時監視し、触
媒活性物質が消耗して電気が流れにくくなり電圧が上昇
するので、電圧が上がって来たところを寿命と判断し
た。以下に示す実施例及び従来例の場合、電解開始初期
の電圧は電解試験中では常に安定であったので、電解電
圧が10%上昇したところを電圧上昇開始点とし、30%上
昇したところを電極寿命点と判断した。
【0027】
【実施例5】実施例1に示した工程で、チタニウムの板
にイリジウムの電気メッキを 0.5マイクロメートル施し
たものを製作した。これを陽極とし、陰極には、同寸の
ステンレス板を用いて、実施例4の試験方法に従い寿命
試験を行った結果を表2に示す。
【0028】
【実施例6】実施例1に示した工程で、チタニウムの板
にイリジウムの電気メッキを 2.0マイクロメートル施し
たものを製作した。これを陽極とし、陰極には、同寸の
ステンレス板を用いて、実施例4の試験方法に従い寿命
試験を行った結果を表2に示す。
【0029】
【実施例7】実施例1に示した工程で、チタニウムの板
にイリジウムの電気メッキを 0.5マイクロメートル施し
たのち、電気炉にて大気で 600℃1時間熱処理を施した
ものを製作した。これを陽極とし、陰極には、同寸のス
テンレス板を用いて、実施例4の方法に従い寿命試験を
行った結果を表2に示す。
【0030】
【実施例8】実施例1に示した工程で、チタニウムの板
にイリジウムの電気メッキを 2.0マイクロメートル施し
たのち、電気炉にて大気で 600℃1時間熱処理を施した
ものを製作した。これを陽極とし、陰極には、同寸のス
テンレス板を用いて、実施例4の方法に従い寿命試験を
行った結果を表2に示す。
【0031】
【実施例9】実施例1に示した工程で、チタニウムの板
にイリジウムの電気メッキを 2.0マイクロメートル施し
たのち、電気炉にて簡単な窒素雰囲気中で 700℃30分間
熱処理を施したものを製作した。これを陽極とし、陰極
には、同寸のステンレス板を用いて、実施例4の方法に
従い寿命試験を行った結果を表2に示す。
【0032】
【実施例10】実施例1に示した工程で、イリジウムメッ
キに先立ち、白金電気メッキを0.25マイクロメートル施
し、次いでイリジウムの電気メッキを0.25マイクロメー
トル施したものを製作した。これを陽極とし、陰極に
は、同寸のステンレス板を用いて、実施例4の方法に従
い寿命試験を行った結果を表2に示す。
【0033】
【実施例11】実施例1に示した工程で、イリジウムメッ
キに先立ち、白金電気メッキを0.25マイクロメートル施
し、次いでイリジウムの電気メッキを0.25マイクロメー
トル施した後、電気炉にて大気で 600℃1時間熱処理を
施したものを製作した。これを陽極とし、陰極には、同
寸のステンレス板を用いて、実施例4の方法に従い寿命
試験を行った結果を表2に示す。
【0034】
【実施例12】実施例1に示した工程で、イリジウムメッ
キに先立ち、白金電気メッキを 0.5マイクロメートル施
し、次いでイリジウムの電気メッキを 2.0マイクロメー
トル施した後、電気炉にて大気で 600℃1時間熱処理を
施したものを製作した。これを陽極とし、陰極には、同
寸のステンレス板を用いて、実施例4の方法に従い寿命
試験を行った結果を表2に示す。
【0035】
【従来例3】実施例1に示した前処理工程の後、白金電
気メッキのみを 0.5マイクロメーター施し、次いで簡便
な窒素雰囲気で 550℃で1時間熱処理を施したものを製
作した。これを陽極とし、陰極には、同寸のステンレス
板を用いて、実施例4の方法に従い寿命試験を行った結
果を表2に示す。
【0036】
【従来例4】酸化イリジウムの焼き付け電極において、
触媒活性物質層の厚みが 0.8マイクロメーターであるも
のについて、これを陽極とし、陰極には、同寸のステン
レス板を用いて、実施例4の方法に従い寿命試験を行っ
た結果を表2に示す。
【0037】
【従来例5】酸化イリジウムの焼き付け電極において、
触媒活性物質層の厚みが 2.0マイクロメーターであるも
のについて、これを陽極とし、陰極には、同寸のステン
レス板を用いて、実施例4の方法に従い寿命試験を行っ
た結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】本試験では、電流密度を高くして加速試験
となるようにしている。イリジウムの電気メッキの厚み
が 0.5マイクロメートル(実施例5)と、焼き付け法に
より0.8マイクロメートル被覆した酸化イリジウム電極
(従来例4)とでは、イリジウムの電気めっきによるも
ののほうが寿命が長い。イリジウムの電気メッキは、熱
処理を施すと寿命が 2.5倍のびることが実施例7及び8
よりわかる。イリジウムの下地に白金メッキを施したも
のも寿命が長くなることが実施例11から12によりわか
る。従来例5に示したように、焼き付け法による電極で
は、電圧が上昇しはじめると、約20時間で電極が寿命と
なる。本発明では、実施例6にみられる様に、電圧が上
昇しはじめてから、 140時間で電極が寿命となる。従来
例3に示す様に、白金メッキによる電極は寿命は長い、
しかし前述の従来例2に示したように、塩素の発生効率
が劣ることが判っている。この他の実施例については塩
素の発生効率に大きな差はなかった。
【0040】
【実施例13】実施例4で用いた方法により、電流密度条
件を5A/dm2 として同様の方法で、実施例1に示した工
程で、チタニウムの板にイリジウムの電気メッキを 0.5
マイクロメートル施したものについて、2000時間の寿命
試験を行った。結果を表3に示す。
【0041】
【実施例14】実施例4で用いた方法により、電流密度条
件を5A/dm2 として同様の方法で、実施例1に示した工
程で、チタニウムの板にイリジウムの電気メッキを 0.5
マイクロメートルの後、 600℃で1時間大気中で熱処理
したものについて、2000時間の寿命試験を行った結果を
表3に示す。
【0042】
【従来例6】実施例4で用いた方法により、電流密度条
件を5A/dm2 として同様の方法で、酸化イリジウムの焼
き付け電極において、触媒活性物質層の厚みが 0.8マイ
クロメーターであるものについて、2000時間の寿命試験
を行った結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】本発明による電極では、5A/dm2 の電流密
度条件で、2000時間では大きな差はみられなかった。本
発明による電極は表面がわずかに黒ずんだが、イリジウ
ムのめっき厚みには変化はなかった。
【0045】
【発明の効果】本発明による、酸性水用電極によれば、 (1)イリジウムの電気メッキによる電極の構成により、
電極の長寿命化と、メンテナンス上での利点を得ること
ができる。 (2)高電流密度条件での電極の消耗を抑え、ひいては本
発明品を組み込んだ装置では、長期間の使用に耐えう
る。 (3)高価な貴金属を容易に回収することができ、基材も
再利用が可能である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタニウム、ニオブ及びタンタルより選
    択される1種以上の金属を含む電極基材上にイリジウム
    の電気めっき被覆を有することを特徴とする電極。
  2. 【請求項2】 上記イリジウムの電気メッキ被覆後に熱
    処理が施されていることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項に記載の電極。
  3. 【請求項3】 上記熱処理が、大気中または酸化雰囲気
    での加熱処理によるものであり、かつ熱処理の温度が 4
    00℃乃至 800℃の範囲である特許請求の範囲第2項に記
    載の電極。
  4. 【請求項4】 イリジウムと基材との中間層として白金
    被覆を有することを特徴とする特許請求の範囲第1項か
    ら第3項のいずれかに記載の電極。
  5. 【請求項5】 イリジウムと白金の層の間に、白金イリ
    ジウムの拡散層を有する特許請求の範囲第1項から第4
    項のいずれかに記載の電極。
  6. 【請求項6】 上記イリジウムの電気めっきの厚みが
    0.2乃至 5.0マイクロメートルである特許請求の範囲第
    1項から第5項のいずれかに記載の電極。
  7. 【請求項7】 上記白金被覆の厚みが 0.1から 2.0マイ
    クロメートルである特許請求の範囲第4項から第6項の
    いずれかに記載の電極。
  8. 【請求項8】 上記電極が5A/dm2 以上 200A/dm2 以下
    の電流密度条件での電解用電極である特許請求の範囲第
    1項から第7項のいずれかに記載の電極。
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