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JPH0872431A - 感光性平版印刷版 - Google Patents

感光性平版印刷版

Info

Publication number
JPH0872431A
JPH0872431A JP23858394A JP23858394A JPH0872431A JP H0872431 A JPH0872431 A JP H0872431A JP 23858394 A JP23858394 A JP 23858394A JP 23858394 A JP23858394 A JP 23858394A JP H0872431 A JPH0872431 A JP H0872431A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing plate
photosensitive
lithographic printing
aluminum
treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23858394A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Takagi
宏司 高木
Noriyoshi Kojima
紀美 小島
Shinichi Matsubara
真一 松原
Mitsuru Sasaki
充 佐々木
Fumiyuki Matsuo
史之 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Konica Minolta Inc filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP23858394A priority Critical patent/JPH0872431A/ja
Publication of JPH0872431A publication Critical patent/JPH0872431A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐刷性に優れ、非画線部が汚れ難く、かつ、
小点再現性、網点再現性が良好で、網点の形状がシャー
プである印刷物が得られる感光性平版印刷版及び耐刷性
に優れ、非画線部が汚れ難く、かつ、水幅が広く、現行
設備に若干の変更を加えることによりにより製造するこ
とができる感光性平版印刷版を提供すること。 【構成】 電解粗面化処理を施したアルミニウム支持体
の表面に形成されたピットの85%以上が1〜3μmの
ピット径を有するアルミニウム支持体又は硝酸系電解液
中で電解粗面化した後、表面に均一に10〜200g/
cm2の圧力をかけ、さらに陽極酸化処理を行ったアルミ
ニウム支持体を用いた感光性平版印刷版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光性平版印刷版に関
し、更に詳しくは、耐刷性に優れ、非画線部が汚れ難
く、小点再現性、調子再現性が良好で、かつ網点の形状
がシャープである印刷物が得られる感光性平版印刷版、
及び、耐刷力に優れ、かつ水幅が広く、非画線部が汚れ
にくい感光性平版印刷版に関する。
【0002】
【発明の背景】 感光性平版印刷版は、親水性支持体上
に感光層を設けたもので、支持体上にポジ型感光性組成
物の層を設けてなるポジ型感光性平版印刷版、支持体上
にネガ型感光性組成物の層を設けてなるネガ型感光性平
版印刷版がある。
【0003】従来、これら感光性平版印刷版に用いる支
持体には、印刷適性の面から、優れた親水性及び保水性
を有し、かつ、感光層との接着性が優れているものが要
求されている。
【0004】これら要求を満たすために、感光性平版印
刷版用の支持体には、通常、表面を砂目立てといわれる
粗面化処理を施したアルミニウム板が用られている。こ
れら粗面化処理の方法としては、ボール研磨、ブラシ研
磨、ブラスト研磨、バフ研磨等による機械的粗面化法、
塩酸、硝酸等の酸性電解液中で交流あるいは直流によっ
て支持体表面を電解処理する電解粗面化法、化学的に表
面を選択溶解させ粗面化するいわゆる化学的粗面化法が
知られている。
【0005】これら方法で砂目立て処理したアルミニウ
ム板は、そのままでは表面が柔らかく、摩耗し易いの
で、陽極酸化処理をして酸化皮膜を形成している。この
ように処理されたアルミニウム板の表面は硬く、耐摩耗
性に優れ、さらに良好な親水性及び保水性を有し、ま
た、感光層との接着性が優れている。
【0006】近年、印刷物には仕上がりの良さ、品質の
高さが要求されてきており、いわゆる高精細印刷が普及
してきている。これら高精細印刷においては、最小点の
網点サイズ、いわゆるドットの大きさは数μmであり、
従来の感光性平版印刷版では粗面化によって支持体に形
成されたピット径がドットの大きさよりも大きいため、
印刷版上のドットの形状がシャープに再現されず、著し
く再現性が損なわれ、印刷物の仕上がりも損なわれてし
まう。
【0007】従来粗面化方法のうちでも電解粗面化法
は、粗面形状の制御が比較的容易で、しかも微細な粗面
が得られるが、電解粗面化法を用いただけでは、印刷版
上のドットの形状をシャープに再現することはできず、
印刷物の仕上がりも十分なものとはいえなかった。ま
た、耐刷性と汚れ難さを改良するために、ピット径を特
定のものとすることが知られており、例えば、米国特許
第4,301,229号明細書には、ピット径の累積度
数分布と中心線平均粗さを規定することが、米国特許第
3,861,917号明細書には、粗面の深さを規定す
ることが、カナダ特許第955,449号明細書には、
粗面の山の高さと直径を規定することが、ドイツ特許第
1,813,443号明細書には、粗面の高低差を規定
することが、特開昭55−132294号公報には、平
均深さを規定することが、特開平5−24376号公報
には、ピット径と径に垂直な方向の最大深さを規定する
ことが記載されているが、これらの先行技術によって
は、網点の形状をシャープにすることはできなかった。
【0008】また、砂目立て処理した後直ちに陽極酸化
処理を行うと、砂目立て処理した際に生じる不溶性物質
(研磨剤残渣、切削くず、酸化アルミ等)により、得ら
れた陽極酸化皮膜が黒くなり、外観的価値を著しく損な
うと同時に、その上に設けられた感光層の感度の低下や
ばらつきをもたらし、また、現像後の画線部と非画線部
の区別が困難になる、印刷時において水/インキバラン
スの調整が困難になる、非画線部が汚れるという欠点が
発生した。
【0009】これら欠点を避けるために、通常、陽極酸
化処理を行う前に中間処理が行われている。これら中間
処理方法としては、特公昭51−33444号公報に記
載の化学的エッチング法および特開昭51−26113
号公報に記載の電気化学的エッチング法が知られてい
る。これら処理はデスマットといわれる。
【0010】特公昭48−28123号公報には、塩酸
中で電解粗面化したアルミニウム板に対してアルカリエ
ッチング法でデスマット処理を行うことが提案されてい
るが、これら方法によって非画線部の汚れ難さは改善さ
れるものの、アルカリ水溶液によるアルカリエッチング
によって微細な砂目構造が破壊され、耐刷力が低下して
しまう欠点があった。また、特公平2−12752号公
報には、硝酸系電解液中で電解粗面化したアルミニウム
板に対してアルカリエッチング法でデスマット処理を行
うことが提案されている。これら方法によれば、優れた
耐刷力が得られるが、非画線部に汚れが発生してしまう
という問題があった。
【0011】また、特公昭62−25117号公報に
は、機械的粗面化したアルミニウム板を、アルカリエッ
チング処理し、次いで酸性電解液中で電解粗面化処理を
行うことが提案されているが、これら方法を実施するに
は多くの設備を必要とし、製造設備費、運転経費のコス
トが高くなってしまうという問題がある。
【0012】特に、感光性平版印刷版用の支持体の粗面
化を硝酸系電解液中での電解粗面化で行った場合、電解
粗面化処理によって生じる砂目凸部のエッジに乳化イン
キが引っかかり非画線部に汚れが発生し、また、砂目凸
部が不均一なために耐刷力に均一性がなく、また、砂目
凸部エッジが印刷時にかかる圧力に対して耐性がないた
めに耐刷力が悪いという問題があった。
【0013】従って、感光性平版印刷版用の支持体の粗
面化を硝酸系電解液中での電解粗面化で行った場合に生
じるこれら欠点をなくすことが望まれていた。
【0014】
【発明の目的】従って、請求項1記載の発明の目的は、
耐刷性に優れ、非画線部が汚れ難く、かつ、小点再現
性、網点再現性が良好で、網点の形状がシャープである
印刷物が得られる感光性平版印刷版を提供することにあ
る。
【0015】また、請求項2〜3記載の発明の目的は、
耐刷性に優れ、非画線部が汚れ難く、かつ、水幅が広
く、現行設備に若干の変更を加えることによりにより製
造することができる感光性平版印刷版を提供することに
ある。
【0016】
【発明の構成】本発明の上記目的は、 (1)電解粗面化、陽極酸化処理を施したアルミニウム
支持体上に感光性組成物の層を有する感光性平版印刷版
において、電解粗面化処理を施したアルミニウム支持体
の表面に形成されたピットの85%以上が1〜3μmの
ピット径を有するものとしたことを特徴とする感光性平
版印刷版。 (2)アルミニウム板を硝酸系電解液中で電解粗面化し
た後、表面に均一に10〜200g/cm2の圧力をか
け、さらに陽極酸化処理を行った後、感光性組成物の層
を設けたことを特徴とする感光性平版印刷版。 (3)アルミニウム板を硝酸系電解液中で電解粗面化し
た後、デスマット処理を行い、次いで表面に均一に10
〜200g/cm2の圧力をかけ、さらに陽極酸化処理を
行った後、感光性組成物の層を設けたことを特徴とする
感光性平版印刷版。 によって達成することができる。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】先ず、本発明の感光性組成物について説明
する。
【0019】本発明の感光性組成物は特に限定されるも
のではなく、本発明においては、通常、感光性平版印刷
版に用いられている感光性組成物を用いることができ
る。本発明において用いることができる感光性組成物と
しては、例えば、下記のものを挙げることができる。 1)光架橋系感光性樹脂組成物 光架橋系感光性樹脂組成物における感光成分は、分子中
に不飽和二重結合を有する感光性樹脂からなるもので、
例えば、米国特許第3,030,208号明細書、同第
3,435,237号明細書及び同第3,622,32
0号明細書等に記載されている如き、重合体主鎖中に感
光基として
【0020】
【化1】 を含む感光性樹脂及び重合体の側鎖に感光基を有するポ
リビニルシンナメート等が挙げられる。 2)光重合系感光性樹脂組成物 付加重合性不飽和化合物を含む光重合成性組成物であっ
て、二重結合を有する単量体または二重結合を有する単
量体と高分子バインダーとからなり、このような組成物
の代表的なものは、例えば、米国特許第2,760,8
63号明細書及び同第2,791,504号明細書等に
記載されている。
【0021】光重合成性組成物としては、例えば、メタ
クリル酸メチルを含む組成物、メタクリル酸メチル及び
ポリメチルメタクリレートを含む組成物、メタクリル酸
メチル、ポリメチルメタクリレート及びポリエチレング
リコールメタクリレートモノマーを含む組成物、メタク
リル酸メチル、アルキッド樹脂とポリエチレングリコー
ルジメタクリレートモノマーを含む組成物等の光重合性
組成物が挙げられる。
【0022】これら光重合系感光性樹脂組成物には、こ
の技術分野で通常知られている光重合開始剤(例えば、
べンゾインメチルエーテル等のべンゾイン誘導体、ベン
ゾフェノン等のべンゾフェノン誘導体、チオキサントン
誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体等)
が添加される。 3)ジアゾ化合物を含む感光性組成物 感光性組成物に用いられるジアゾ化合物の好ましい例と
しては、芳香族ジアゾニウム塩とホルムアルデヒドまた
はアセトアルデヒドとの縮合物で代表されるジアゾ樹脂
が挙げられる。特に好ましくは、p−ジアゾフェニルア
ミンとホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドとの縮
合物の塩、例えば、へキサフルオロ燐酸塩、テトラフル
オロホウ酸塩、過塩素酸塩または過ヨウ素酸塩と前記縮
合物との反応生成物であるジアゾ樹脂無機塩や、米国特
許第3,300,309号明細書中に記載されている、
前記縮合物とスルホン酸類との反応生成物であるジアゾ
樹脂有機塩等が挙げられる。
【0023】ジアゾ樹脂は、好ましくは結合剤と共に使
用される。かかる結合剤としては種々の高分子化合物を
使用することができるが、好ましくは、特開昭54−9
8613号公報に記載されている芳香族性水酸基を有す
る単量体、例えば、N−(4−ヒドロキシフェニル)ア
クリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタク
リルアミド、o−、m−またはp−ヒドロキシスチレ
ン、o−、m−またはp−ヒドロキシフェニルメタクリ
レート等と他の単量体との共重合体、米国特許第4,1
23,276号明細書に記載されているヒドロキシエチ
ルアクリレート単位またはヒドロキシエチルメタクリレ
ート単位を主な繰り返し単位として含むポリマー、シェ
ラック、ロジン等の天然樹脂、ポリビニルアルコール、
米国特許第3,751,257号明細書に記載されてい
る線状ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコールのフタ
レート化樹脂、ビスフェノールAとエピクロルヒドリン
との縮合物であるエポキシ樹脂、酢酸セルロース、セル
ロースアセテートフタレート等のセルロール誘導体が挙
げられる。 4)o−キノンジアジド化合物を含む感光性組成物 o−キノンジアジド化合物とは、分子中にo−キノンジ
アジド基を有する化合物であって、本発明で使用するこ
とができるo−キノンジアジド化合物としては、例え
ば、o−ナフトキノンジアジド化合物、例えば、o−ナ
フトキノンジアジドスルホン酸とフェノール類及びアル
デヒド又はケトンとの重縮合樹脂とのエステル化合物等
が挙げられる。
【0024】上記フェノール類及びアルデヒドまたはケ
トンとの重縮合樹脂におけるフェノール類としては、例
えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、
p−クレゾール、3,5−キシレノール、カルバクロー
ル、チモール等の一価フェノール、カテコール、レゾル
シン、ヒドロキノン等の二価フェノール、ピロガロー
ル、フロログルシン等の三価フェノール等が挙げられ
る。アルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、
ベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、クロトンアルデ
ヒド、フルフラール等が挙げられる。これらのうちで好
ましいものはホルムアルデヒド及びベンズアルデヒドで
ある。ケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチ
ルケトン等が挙げられる。
【0025】フェノール類及びアルデヒドまたはケトン
との重縮合樹脂の具体的な例としては、フェノール・ホ
ルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール・ホルムアルデヒ
ド樹脂、m−,p−混合クレゾール・ホルムアルデヒド
樹脂、レゾルシン・ベンズアルデヒド樹脂、ピロガロー
ル・アセトン樹脂等が挙げられる。
【0026】前記o−ナフトキノンジアジド化合物にお
いて、フェノール類のOH基に対するo−ナフトキノン
ジアジドスルホン酸の縮合率(OH基1個に対する反応
率)は、15%〜80%が好ましく、より好ましくは2
0%〜45%である。
【0027】更に本発明に用いられるo−キノンジアジ
ド化合物としては、特開昭58−43451号公報に記
載の以下の化合物も挙げることができる。即ち、例え
ば、1,2−ベンゾキノンジアジドスルホン酸エステ
ル、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステ
ル、1,2−ベンゾキノンジアジドスルホン酸アミド、
1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミドなどの
公知の1,2−キノンジアジド化合物、更に具体的に
は、ジェイ・コサール(J.Kosar)著「ライト−センシ
ティブ・システムズ」(Light-Sensitive Systems)第
339〜352頁(1965年)、ジョン・ウィリー・
アンド・サンズ(John Willey & Sons)社(ニューヨー
ク)やダブリュー・エス・ディ・フォレスト(W.S.De F
orest)著「フォトレジスト」(Photoresist)第50巻
(1975年)、マックローヒル(McGraw Hill)社
(ニューヨーク)に記載されている1,2−ベンゾキノ
ンジアジド−4−スルホン酸フェニルエステル、1,
2,1′,2′−ジ−(ベンゾキノンジアジド−4−ス
ルホニル)−ジヒドロキシビフェニル、1,2−ベンゾ
キノンジアジド−4−(N−エチル−N−β−ナフチ
ル)−スルホンアミド、1,2−ナフトキノンジアジド
−5−スルホン酸シクロヘキシルエステル、1−(1,
2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル)−3,5
−ジメチルピラゾール、1,2−ナフトキノンジアジド
−5−スルホン酸−4′−ヒドロキシジフェニル−4′
−アゾ−β−ナフトールエステル、N,N−ジ−(1,
2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル)−アニリ
ン、2′−(1,2−ナフトキノンジアジド−5−スル
ホニルオキシ)−1−ヒドロキシ−アントラキノン、
1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸−2,
4−ジヒドロキシベンゾフェノンエステル、1,2−ナ
フトキノンジアジド−5−スルホン酸−2,3,4−ト
リヒドロキシベンゾフェノンエステル、1,2−ナフト
キノンジアジド−5−スルホン酸クロリド2モルと4,
4′−ジアミノベンゾフェノン1モルとの縮合物、1,
2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド2
モルと4,4′−ジヒドロキシ−1,1′−ジフェニル
スルホン酸1モルとの縮合物、1,2−ナフトキノンジ
アジド−5−スルホン酸クロリド1モルとプルプロガリ
ン1モルとの縮合物、1,2−ナフトキノンジアジド−
5−(N−ジヒドロアビエチル)−スルホンアミドなど
の1,2−キノンジアジド化合物を例示することができ
る。また、特公昭37−1953号、同37−3627
号、同37−13109号、同40−26126号、同
40−3801号、同45−5604号、同45−27
345号、同51−13013号、特開昭48−965
75号、同48−63802号、同48−63803号
各公報に記載された1,2−キノンジアジド化合物も挙
げることができる。
【0028】上記o−キノンジアジド化合物のうち、
1,2−ベンゾキノンジアジドスルホニルクロリド又は
1,2−ナフトキノンジアジドスルホニルクロリドをピ
ロガロール・アセトン縮合樹脂又は2,3,4−トリヒ
ドロキシベンゾフェノンと反応させて得られるo−キノ
ンジアジドエステル化合物が特に好ましい。
【0029】本発明において、o−キノンジアジド化合
物は、上記化合物を各々単独で用いてもよいし、2種以
上を組合せて用いてもよい。
【0030】o−キノンジアジド化合物の感光性組成物
中に占める割合は、5〜60重量%が好ましく、特に好
ましいのは、10〜50重量%である。
【0031】o−キノンジアジド化合物を含む感光性組
成物には、さらにアルカリ可溶性樹脂を添加することが
好ましい。
【0032】本発明において、o−キノンジアジド化合
物と併用することが好ましいアルカリ可溶性樹脂として
は、例えば、ノボラック樹脂、フェノール性水酸基を有
するビニル系重合体、特開昭55−57841号公報に
記載されている多価フェノールとアルデヒド又はケトン
との縮合樹脂等が挙げられる。
【0033】上記ノボラック樹脂としては、例えば、フ
ェノール・ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール・ホルム
アルデヒド樹脂、特開昭55−57841号公報に記載
されているようなフェノール・クレゾール・ホルムアル
デヒド共重合体樹脂、特開昭55−127553号公報
に記載されているようなp−置換フェノールとフェノー
ルもしくはクレゾールとホルムアルデヒドとの共重合体
樹脂等が挙げられる。
【0034】ノボラック樹脂の分子量(ポリスチレン標
準)は、好ましくは数平均分子量Mnが3.00×10
2〜7.50×103、重量平均分子量Mwが1.00×
103〜3.00×104、より好ましくはMnが5.0
0×102〜4.00×103、Mwが3.00×103
〜2.00×104である。
【0035】上記ノボラック樹脂は単独で用いてもよい
し、2種以上を組合せて用いてもよい。
【0036】ノボラック樹脂を併用する場合、ノボラッ
ク樹脂は感光性組成物中に5〜95重量%含有させるの
が好ましい。
【0037】また、フェノール性水酸基を有するビニル
系重合体とは、該フェノール性水酸基を有する単位を分
子構造中に有する重合体であり、下記一般式[I]〜
[V]で表される構造単位を少なくとも1つの含む重合
体が好ましい。
【0038】
【化2】
【0039】一般式[I]〜一般式[V]において、R
1およびR2は、それぞれ水素原子、アルキル基又はカル
ボキシル基を表し、好ましくは水素原子である。R
3は、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表し、
好ましくは水素原子又はメチル基、エチル基等のアルキ
ル基である。R4、R5は、水素原子、アルキル基、アリ
ール基又はアラルキル基を表し、好ましくは水素原子で
ある。Aは、窒素原子又は酸素原子と芳香族炭素原子と
を連結する、置換基を有していてもよいアルキレン基を
表し、mは、0〜10の整数を表し、Bは、置換基を有
していてもよいフェニレン基又は置換基を有してもよい
ナフチレン基を表す。
【0040】本発明に用いる上記フェノール性水酸基を
有するビニル系重合体は、前記一般式[I]〜一般式
[V]でそれぞれ表される構造単位を有する共重合体型
の構造を有するものが好ましく、共重合させる単量体と
しては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレ
ン、ブタジエン、イソプレン等のエチレン系不飽和オレ
フィン類、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、p−クロロスチレン等のスチレン
類、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のアクリル酸
類、例えば、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸
等の不飽和脂肪族ジカルボン酸類、例えば、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、
アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル
酸−2−クロロエチル、アクリル酸フェニル、α−クロ
ロアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、エタクリル酸エチル等のα−メチレン脂肪族
モノカルボン酸のエステル類、例えば、アクリロニトリ
ル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、例えば、ア
クリルアミド等のアミド類、例えば、アクリルアニリ
ド、p−クロロアクリルアニリド、m−ニトロアクリル
アニリド、m−メトキシアクリルアニリド等のアニリド
類、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾ
エ酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル類、例え
ば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イ
ソブチルビニルエーテル、β−クロロエチルビニルエー
テル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、ビニリデンク
ロライド、ビニリデンシアナイド、例えば、1−メチル
−1−メトキシエチレン、1,1−ジメトキシエチレ
ン、1,2−ジメトキシエチレン、1,1−ジメトキシ
カルボニルエチレン、1−メチル−1−ニトロエチレン
等のエチレン誘導体類、例えば、N−ビニルピロール、
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−
ビニルピロリデン、N−ビニルピロリドン等のN−ビニ
ル系単量体がある。これらの単量体は、不飽和二重結合
が開裂した構造で高分子化合物中に存在する。
【0041】上記の単量体のうち脂肪族モノカルボン酸
のエステル類、ニトリル類が本発明の目的に対して優れ
た性能を示し、好ましい。
【0042】これらの単量体は、本発明に用いられる重
合体中にブロックまたはランダムのいずれかの状態で結
合していてもよい。
【0043】フェノール性水酸基を有するビニル系重合
体を併用する場合、フェノール性水酸基を有するビニル
系重合体は感光性組成物中に0.5〜70重量%含有さ
せるのが好ましい。
【0044】フェノール性水酸基を有するビニル系重合
体は、上記重合体を単独で用いてもよいし、又2種以上
を組合せて用いてもよい。又、他の高分子化合物等と組
合せて用いることもできる。
【0045】アルカリ可溶性樹脂を併用する場合、o−
キノンジアジド化合物の感光性組成物中に占める割合
は、5〜60重量%が好ましく、特に好ましいのは、1
0〜50重量%である。
【0046】更に、本発明の感光性組成物には、露光に
より可視画像を形成させるプリントアウト材料を添加す
ることができる。プリントアウト材料は、露光により酸
もしくは遊離基を生成する化合物と該生成された酸もし
くは遊離基と相互作用することによってその色調を変え
る有機染料より成るもので、露光により酸もしくは遊離
基を生成する化合物としては、例えば、特開昭50−3
6209号公報に記載のo−ナフトキノンジアジド−4
−スルホン酸ハロゲニド、特開昭53−36223号公
報に記載のトリハロメチル−2−ピロンやトリハロメチ
ル−トリアジン、特開昭55−6244号公報に記載の
o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド
と電子吸引性置換基を有するフェノール類またはアニリ
ンとのエステル化合物またはアミド化合物、特開昭55
−77742号公報、特開昭57−148784号公報
等に記載のハロメチルビニルオキサジアゾール化合物及
びジアゾニウム塩等を挙げることができ、また、有機染
料としては、例えば、ビクトリアピュアーブルーBOH
(保土ヶ谷化学(株)製)、パテントピュアーブルー
(住友三国化学(株)製)、オイルブルー#603(オ
リエント化学工業(株)製)、スーダンブルーII(BA
SF製)、クリスタルバイオレット、マラカイトグリー
ン、フクシン、メチルバイオレット、エチルバイオレッ
ト、メチルオレンジ、ブリリアントグリーン、コンゴー
レッド、エオシン、ローダミン66等を挙げることがで
きる。
【0047】また、本発明の感光性組成物には、上記の
素材の他、必要に応じて可塑剤、界面活性剤、有機酸、
酸無水物などを添加することができる。
【0048】さらに、本発明の感光性組成物には、該感
光性組成物の感脂性を向上させるために、例えば、p−
tert−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂、p−n
−オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂あるいはこ
れらの樹脂がo−キノンジアジド化合物で部分的にエス
テル化されている樹脂などを添加することもできる。
【0049】本発明の感光性組成物の層は、これらの各
成分よりなる感光性組成物を溶媒に溶解又は分散した塗
布液を、支持体上に塗布し、乾燥することにより形成す
ることができる。
【0050】感光性組成物を溶解する際に使用し得る溶
媒としては、例えば、メチルセロソルブ、メチルセロソ
ルブアセテート、エチルセロソルブ、エチルセロソルブ
アセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエ
ーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコール
モノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール
モノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ギ
酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸アミル、酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プ
ロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、
酪酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジアセトン
アルコール、アセチルアセトン、γ−ブチロラクトン等
が挙げられる。これらの溶媒は、単独であるいは2種以
上を混合して使用することができる。
【0051】感光性組成物を支持体表面に塗布する際に
用いる塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、回
転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイ
フ塗布、スプレー塗布、エアースプレー塗布、静電エア
ースプレー塗布、ロール塗布、ブレード塗布及びカーテ
ン塗布等の方法が用いられる。この際塗布量は用途によ
り異なるが、例えば,固形分として0.05〜5.0g
/m2の塗布量が好ましい。
【0052】次に、本発明の感光性平版印刷版を形成す
るのに用いられる支持体について説明する。
【0053】本発明に使用されるアルミニウム支持体に
は、純アルミニウムおよびアルミニウム合金よりなる支
持体が含まれる。アルミニウム合金としては種々のもの
が使用でき、例えば珪素、銅、マンガン、マグネシウ
ム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル等の金属と
アルミニウムの合金が用いられる。
【0054】アルミニウム支持体は、粗面化に先立って
アルミニウム表面の圧延油を除去するために脱脂処理を
施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリクレン、
シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロンとトリエ
タノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処
理等が用いられる。また、脱脂処理には、苛性ソーダ等
のアルカリの水溶液を用いることもできる。脱脂処理に
苛性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いた場合、上記脱
脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去する
ことができる。
【0055】支持体の電解粗面化法には、通常、電解粗
面化処理に用いられる電解液がいずれも使用できる。特
に好ましい電解粗面化法は、硝酸系電解液中で電解粗面
化を行う方法である。
【0056】電解粗面化処理については、例えば、特公
昭48−28123号公報、英国特許第896563号
明細書、特開昭53−67507号公報に記載されてお
り、本発明においては、これら方法を用いることができ
る。
【0057】電解粗面化において印加される電圧は、1
〜50ボルトが好ましく、2〜30ボルトが更に好まし
い。電流密度は、10〜150A/dm2が好ましく、2
0〜100A/dm2が更に好ましい。電気量は、100
〜20000c/dm2、好ましくは100〜10000
c/dm2、より好ましくは200〜5000c/dm2であ
る。温度は、10〜50℃が好ましく、15〜45℃が
更に好ましい。硝酸濃度は、0.1〜5重量%が好まし
い。
【0058】電解液には、必要に応じて硝酸塩、塩化
物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ酸
等を加えることができる。
【0059】上記のようにして粗面化処理をして得られ
た支持体の表面には、スマットが生成しているので、こ
のスマットを除去するために、適宜水洗あるいはアルカ
リエッチング等の処理を行うことが一般に好ましい。こ
のような処理としては、例えば、特公昭48−2812
3号公報に記載されているアルカリエッチング法や特開
昭53−12739号公報に記載されている硫酸デスマ
ット法等の処理方法等が挙げられる。
【0060】本発明においては、電解粗面化処理を施し
たアルミニウム支持体の表面に形成されたピットの85
%以上が1〜3μmのピット径を有するものとされる。
支持体表面に形成される1〜3μmのピット径を有する
ピットは、95%以上あることが好ましい。支持体表面
に形成される1〜2μmのピット径を有するピットが7
5%以上あることがより好ましい。
【0061】本発明においては、支持体表面に1〜3μ
mのピット径のものが85%以上存在するように上記電
解粗面化法、陽極酸化処理法の条件を選択すればよい。
【0062】ピット径は、撮影倍率1500〜5000
倍程で撮影した電子顕微鏡写真を用いて測定することが
できる。本発明でいうピット径とは、ピットのくぼみの
縁から、もう一方の縁までの直線距離で表される。
【0063】アルミニウム支持体の表面に形成されたピ
ットの85%以上が1〜3μmのピット径を有するもの
とするには、電解粗面化において印加される電圧は、1
〜50ボルトが好ましく、2〜30ボルトが更に好まし
い。電流密度は、10〜80A/dm2が好ましく、20
〜60A/dm2が更に好ましい。電気量は、100〜5
000c/dm2、好ましくは100〜4000c/dm2
より好ましくは200〜1000c/dm2である。温度
は、10〜50℃が好ましく、15〜45℃が更に好ま
しい。硝酸濃度は、0.1〜5重量%が好ましい。
【0064】また、本発明においては、アルミニウム板
を硝酸系電解液中で電解粗面化し、デスマット処理を行
った後、アルミニウム板表面に均一に10〜200g/
cm2の圧力がかけられる。アルミニウム板表面にかける
圧力が10g/cm2以下であると耐刷力の均一性が得ら
れず、また、200g/cm2以上であると砂目凸部がつ
ぶれすぎてしまい耐刷力が著しく低下してしまう。粗面
化した支持体の表面にかける圧力は50〜150g/cm
2であることが更に好ましい。
【0065】圧力をかける方法は特に制限されないが、
加圧に搬送用のローラを使用すれば、追加の設備を必要
としないので好ましい。
【0066】本発明で用いられる陽極酸化処理の方法に
は特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。
陽極酸化処理により支持体上には酸化皮膜が形成され
る。本発明において、陽極酸化処理には、硫酸および/
または燐酸等を10〜50%の濃度で含む水溶液を電解
液として、電流密度1〜10A/dm2で電解する方法が
好ましく用いられるが、他に米国特許第1,412,7
68号明細書に記載されている硫酸中で高電流密度で電
解する方法や、米国特許第3,511,661号明細書
に記載されている燐酸を用いて電解する方法等を用いる
ことができる。
【0067】陽極酸化処理された支持体は、必要に応じ
封孔処理を施してもよい。これら封孔処理は、熱水処
理、沸騰水処理、水蒸気処理、珪酸ソーダ処理、重クロ
ム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理等公知の方法を用いて
行うことができる。
【0068】支持体にはさらに、親水性層を設けること
が好ましい。親水性層の形成には、米国特許第3,18
1,461号明細書に記載のアルカリ金属珪酸塩、米国
特許第1,860,426号明細書に記載の親水性セル
ロース、特開昭60−149491号公報、特開昭63
−165183号公報に記載のアミノ酸およびその塩、
特開昭60−232998号公報に記載の水酸基を有す
るアミン類およびその塩、特開昭62−19494号公
報に記載の燐酸塩、特開昭59−101651号公報に
記載のスルホ基を有するモノマー単位を含む高分子化合
物等を用いることができる。
【0069】本発明の感光性平版印刷版は、通常の方法
で露光、現像処理することにより製版することができ
る。例えば、線画像、網点画像などを有する透明原画を
感光面に密着して露光し、次いでこれを適当な現像液を
用いて感光性層を除去することによりレリーフ像が得ら
れる。
【0070】露光に好適な光源としては、水銀灯、メタ
ルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、
カーボンアーク灯などが挙げられる。また、現像に使用
される現像液としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸
カリウム等のアルカリ金属珪酸塩、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナ
トリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の水溶液の
ようなアルカリ水溶液を用いることができる。このとき
のアルカリ水溶液の濃度は、感光性組成物及びアルカリ
の種類により異なるが、概して0.1〜10重量%の範
囲が適当である。また、アルカリ水溶液には必要に応じ
界面活性剤やアルコール等のような有機溶媒を加えるこ
ともできる。
【0071】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。
【0072】実施例1 厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質1050、調質H
16)を、85℃に保たれた10%水酸化ナトリウム水
溶液中に浸漬し、1分間脱脂処理を行った後水洗した。
この脱脂したアルミニウム板を、25℃に保たれた10
%硫酸水溶液中に1分間浸漬して中和した後水洗した。
次いで、このアルミニウム板を、0.8重量%の硝酸水
溶液中において、温度30℃、電流密度30A/dm2
条件で交流電流により30秒間電解粗面化を行った後、
70℃に保たれた1%水酸化ナトリウム水溶液中で10
秒間のデスマット処理を行った。その後、20%硫酸水
溶液中で、温度35℃、電流密度3A/dm2の条件で1
分間陽極酸化処理を行い、次いで、30℃の熱水で20
秒間、熱水封孔処理を行い、80℃で5分間乾燥してア
ルミニウム支持体を得た。
【0073】得られたアルミニウム支持体表面を、常法
により電子顕微鏡にて倍率3500倍で撮影観察したと
ころ、ピット径1〜3μmのものが92%、1〜2μmの
ものが79%であった。
【0074】得られた支持体に、下記組成の感光性組成
物塗布液をワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で2分
間乾燥し感光性平版印刷版を得た。このとき、感光性組
成物塗布液の塗布量は、乾燥重量として2.0g/m2
なるようにした。
【0075】 〈感光性組成物塗布液〉 ノボラック樹脂(フェノール/m−クレゾール/p−クレゾールのモル比が10 /54/36でMwが4000) 6.70g ピロガロールアセトン樹脂(Mw:3000)とo−ナフトキノンジアジド−5 −スルホニルクロリドとの縮合物(エステル化率30%) 1.50g ポリエチレングリコール#2000 0.20g ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学(株)製) 0.08g 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシスチリル)−s−トリ アジン 0.15g FC−430(住友3M(株)製) 0.03g cis−1,2シクロヘキサンジカルボン酸 0.02g メチルセロソルブ 100ミリリットル
【0076】得られた感光性平版印刷版に網点及び細線
を有するポジ原稿フィルムを密着し、光源として2kW
メタルハライドランプを使用し、8mW/cm2で60秒
間照射することにより露光した。この露光済みの感光性
平版印刷版を、市販されている現像液(SD−32、コ
ニカ(株)製、5倍に希釈、現像時間30秒、現像温度
25℃)で現像した。
【0077】得られた平版印刷版を用いて印刷を行い、
下記の評価方法により水幅、耐刷性、網点の形状の評価
を行った。得られた結果を表1に示した。 《評価方法》 〈耐刷性の評価〉得られた平版印刷版を、印刷機(三菱
重工業(株)製DAIYA1F−1)にかけ、コート
紙、湿し水(東京インキ(株)製エッチ液SG−51、
濃度1.5%)、インキ(東洋インキ製造(株)製ハイ
プラスM紅)を使用して印刷を行い、印刷物の画像部に
インキ着肉不良が現れるか非画像部にインキが付着する
まで印刷を行い、その時までに印刷した印刷枚数を求
め、耐刷性を評価した。
【0078】〈水幅の評価〉上記耐刷性の評価における
と同様の条件で印刷を行い、インキ量ダイヤルを一定に
して、水量ダイヤルを変更し、非画線部が汚れ始めるか
平網部がからみ始める水量のダイヤル値と、画線部のイ
ンキ濃度が低下してくる水量のダイヤル値を求め、その
差を水幅とした。
【0079】〈網点の形状の評価〉上記耐刷性の評価に
おけると同様の条件で印刷を行って得た印刷物上の50
0line/inchの2%網点(フィルム原稿のドットサイズ
は7.18μm)を光学顕微鏡で倍率500倍で形状を
観察した。 〇…ガサツキがなく良好な点が得られる。 ×…ガサツキがあり良好な点が得られない。
【0080】実施例2 実施例1において、熱水封孔処理を省略し、その代わり
に、陽極酸化処理を行った後に、1g/リットルのポリ
ビニルホスホン酸水溶液中に60℃、30秒間浸漬する
処理を行ったほかは、実施例1と同様にして平版印刷版
を得た。
【0081】得られた平版印刷版について、実施例1と
同様にして水幅、耐刷性、網点の形状の評価を行った。
得られた結果を表1に示した。
【0082】比較例1 実施例1において、アルミニウム板の電解粗面化処理の
条件を、1.8%の硝酸水溶液中において、温度30
℃、電流密度150A/dm2の条件で交流電流により4
0秒間行うように代えた以外は、実施例1と同様にして
アルミニウム支持体および平版印刷版を得た。
【0083】得られたアルミニウム支持体表面を、常法
により電子顕微鏡にて倍率3500倍で撮影観察したと
ころ、ピット径1〜3μmのものが73%、1〜2μmの
ものが35%であった。
【0084】得られた平版印刷版について、実施例1と
同様にして水幅、耐刷性、網点の形状の評価を行った。
得られた結果を表1に示した。
【0085】
【表1】
【0086】実施例3 厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質1050、調質H
16)を、85℃に保たれた10%水酸化ナトリウム水
溶液中に浸漬し、1分間脱脂処理を行った後水洗した。
この脱脂したアルミニウム板を、25℃に保たれた10
%硫酸水溶液中に1分間浸漬して中和した後水洗した。
次いで、このアルミニウム板を、1.8重量%の硝酸水
溶液中において、温度30℃、電流密度50A/dm2
条件で交流電流により60秒間電解粗面化を行った後、
70℃に保たれた1%水酸化ナトリウム水溶液中で10
秒間のデスマット処理を行った。次いで、銅製のローラ
ーを使用して、支持体の表面に100g/cm2の圧力を
均一かけた。その後、20%硫酸水溶液中で、温度35
℃、電流密度3A/dm2の条件で1分間陽極酸化処理を
行い、次いで、30℃の熱水で20秒間、熱水封孔処理
を行い、80℃で5分間乾燥してアルミニウム支持体を
得た。
【0087】得られた支持体に、下記組成の感光性組成
物塗布液をワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で2分
間乾燥し感光性平版印刷版を得た。このとき、感光性組
成物塗布液の塗布量は、乾燥重量として2.0g/m2
なるようにした。
【0088】 〈感光性組成物塗布液〉 ノボラック樹脂(フェノール/m−クレゾール/p−クレゾールのモル比が10 /54/36でMwが4000) 6.70g ピロガロールアセトン樹脂(Mw:3000)とo−ナフトキノンジアジド−5 −スルホニルクロリドとの縮合物(エステル化率30%) 1.50g ポリエチレングリコール#2000 0.20g ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学(株)製) 0.08g 2、4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシスチリル)−s−トリ アジン 0.15g FC−430(住友3M(株)製) 0.03g cis−1,2シクロヘキサンジカルボン酸 0.02g メチルセロソルブ 100ミリリットル
【0089】得られた感光性平版印刷版に網点及び細線
を有するポジ原稿フィルムを密着し、光源として2kW
メタルハライドランプを使用し、8mW/cm2で60秒
間照射することにより露光した。この露光済みの感光性
平版印刷版を、市販されている現像液(SD−32、コ
ニカ(株)製、5倍に希釈、現像時間30秒、現像温度
25℃)で現像した。
【0090】得られた平版印刷版について、実施例1と
同様にして水幅、耐刷性の評価を行った。得られた結果
を表2に示した。
【0091】実施例4 実施例3において、熱水封孔処理を省略し、その代わり
に、陽極酸化処理を行った後に、1g/リットルのポリ
ビニルホスホン酸水溶液中に60℃、30秒間浸漬する
処理を行ったほかは、実施例3と同様にして平版印刷版
を得た。
【0092】得られた平版印刷版について、実施例1と
同様にして水幅、耐刷性の評価を行った。得られた結果
を表2に示した。
【0093】比較例2 実施例3において、アルミニウム板に圧力をかけなかっ
た他は、実施例3と同様にして平版印刷版を得た。
【0094】得られた平版印刷版について、実施例1と
同様にして水幅、耐刷性の評価を行った。得られた結果
を表2に示した。
【0095】比較例3 実施例3において、アルミニウム板に300g/cm2
圧力をかけた他は、実施例3と同様にして平版印刷版を
得た。
【0096】得られた平版印刷版について、実施例3と
同様にして水幅、耐刷性の評価を行った。得られた結果
を表1に示した。
【0097】
【表2】
【0098】
【発明の効果】本発明のピットの85%以上が1〜3μ
mのピット径を有する電解粗面化処理を施したアルミニ
ウム支持体を用いた感光性平版印刷版は、耐刷性に優
れ、非画線部が汚れ難く、小点再現性、調子再現性が良
好で、かつ網点の形状がシャープである印刷物を得るこ
とができる。
【0099】また、本発明のアルミニウム板を硝酸系電
解液中で電解粗面化した後に表面に均一に10〜200
g/cm2の圧力をかけ、さらに陽極酸化処理を行った支
持体を用いた感光性平版印刷版は、耐刷力に優れ、かつ
水幅が広く、非画線部が汚れ難く、また、現行設備を若
干変更するだけで容易に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松原 真一 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 佐々木 充 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 松尾 史之 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解粗面化、陽極酸化処理を施したアル
    ミニウム支持体上に感光性組成物の層を有する感光性平
    版印刷版において、電解粗面化処理を施したアルミニウ
    ム支持体の表面に形成されたピットの85%以上が1〜
    3μmのピット径を有するものとしたことを特徴とする
    感光性平版印刷版。
  2. 【請求項2】 アルミニウム板を硝酸系電解液中で電解
    粗面化した後、表面に均一に10〜200g/cm2の圧
    力をかけ、さらに陽極酸化処理を行った後、感光性組成
    物の層を設けたことを特徴とする感光性平版印刷版。
  3. 【請求項3】 アルミニウム板を硝酸系電解液中で電解
    粗面化した後、デスマット処理を行い、次いで表面に均
    一に10〜200g/cm2の圧力をかけ、さらに陽極酸
    化処理を行った後、感光性組成物の層を設けたことを特
    徴とする感光性平版印刷版。
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