JPH0871627A - 制御装置 - Google Patents
制御装置Info
- Publication number
- JPH0871627A JPH0871627A JP7117214A JP11721495A JPH0871627A JP H0871627 A JPH0871627 A JP H0871627A JP 7117214 A JP7117214 A JP 7117214A JP 11721495 A JP11721495 A JP 11721495A JP H0871627 A JPH0871627 A JP H0871627A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- control
- parameter
- control system
- looper
- gain
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 238000005096 rolling process Methods 0.000 claims abstract description 91
- 238000012546 transfer Methods 0.000 claims abstract description 48
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 claims description 59
- 238000013016 damping Methods 0.000 claims description 54
- 230000006870 function Effects 0.000 claims description 50
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 37
- 239000000463 material Substances 0.000 claims description 30
- 238000012937 correction Methods 0.000 claims description 25
- 238000001514 detection method Methods 0.000 claims description 18
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 claims description 3
- 230000004043 responsiveness Effects 0.000 abstract description 4
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 37
- 230000004044 response Effects 0.000 description 21
- 230000003044 adaptive effect Effects 0.000 description 10
- 230000009471 action Effects 0.000 description 9
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 description 6
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 6
- 238000004088 simulation Methods 0.000 description 6
- 239000010959 steel Substances 0.000 description 6
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 5
- 230000001052 transient effect Effects 0.000 description 5
- XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N Iron Chemical compound [Fe] XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 description 4
- 230000008569 process Effects 0.000 description 4
- 230000003068 static effect Effects 0.000 description 4
- 238000005070 sampling Methods 0.000 description 3
- 241001123248 Arma Species 0.000 description 2
- 230000008859 change Effects 0.000 description 2
- 238000013461 design Methods 0.000 description 2
- 229910052742 iron Inorganic materials 0.000 description 2
- 230000003534 oscillatory effect Effects 0.000 description 2
- 239000002436 steel type Substances 0.000 description 2
- 230000001687 destabilization Effects 0.000 description 1
- 230000007613 environmental effect Effects 0.000 description 1
- 238000005098 hot rolling Methods 0.000 description 1
- 230000010354 integration Effects 0.000 description 1
- 239000005367 kimax Substances 0.000 description 1
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 1
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 1
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 1
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 1
- 238000005316 response function Methods 0.000 description 1
- 230000007704 transition Effects 0.000 description 1
Landscapes
- Control Of Metal Rolling (AREA)
- Feedback Control In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 圧延プロセスの動特性の変化に関係なく,常
に制御系を安定に保ち且つ高速応答可能なルーパ制御を
実現しうる連続圧延機の制御装置。 【構成】 本装置0は,タンデム配置されたローラスタ
ンド1,1により圧延される被圧延材2に張力を与える
ルーパ3の位置を検出し,この検出データに基づいてス
タンド1,1のローラ速度を修正する制御系によって連
続圧延機を制御するに際し,上記ローラ速度の修正量
と,上記ルーパ位置の検出データとに基づいて上記制御
系の伝達関数の減衰係数を演算するパラメータ推定装置
7aと,上記演算された減衰係数と予め記憶された減衰
係数の最大及び最小値とに基づいて,上記制御系の制御
ゲインを設定する補間型PIコントローラ7bとを具備
している。上記構成により,常に制御系を安定に保ち且
つ高速応答可能なルーパ制御を実現することができる。
に制御系を安定に保ち且つ高速応答可能なルーパ制御を
実現しうる連続圧延機の制御装置。 【構成】 本装置0は,タンデム配置されたローラスタ
ンド1,1により圧延される被圧延材2に張力を与える
ルーパ3の位置を検出し,この検出データに基づいてス
タンド1,1のローラ速度を修正する制御系によって連
続圧延機を制御するに際し,上記ローラ速度の修正量
と,上記ルーパ位置の検出データとに基づいて上記制御
系の伝達関数の減衰係数を演算するパラメータ推定装置
7aと,上記演算された減衰係数と予め記憶された減衰
係数の最大及び最小値とに基づいて,上記制御系の制御
ゲインを設定する補間型PIコントローラ7bとを具備
している。上記構成により,常に制御系を安定に保ち且
つ高速応答可能なルーパ制御を実現することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,高さや位置の制御を行
うフィードバック制御系の制御装置に係り,例えば連続
圧延機において圧延材料のスタンド間張力およびルーパ
位置を制御するルーパ高さの制御装置に関するものであ
る。
うフィードバック制御系の制御装置に係り,例えば連続
圧延機において圧延材料のスタンド間張力およびルーパ
位置を制御するルーパ高さの制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】高さや位置の制御を行うフィードバック
制御系の制御装置は広範囲な分野に応用されている。例
えば,図17に示すような連続圧延機においては,各ス
タンド間の被圧延材張力は製品,板厚,板幅,板形状精
度に及ぼす影響が大きく,種々の圧延外乱に対してこの
張力値を一定に制御することが要求される。このため,
各スタンド間にルーパが設置されている。瞬間的な張力
変動はこのルーパが動いて吸収するが,定常時の張力は
ルーパ高さ(ルーパ角度)で決まる。従って,圧延外乱
のもとで,いかにルーパ高さを設定位置の近傍に制御す
るかが重要な課題となる。従来の連続圧延機の制御装置
0′を図18に示す。図18において,各スタンド1,
1間の被圧延材2の張力が適切な値となるように,ルー
パ3にはルーパモータ4により適当なトルクが与えられ
ている。ルーパ高さは,ルーパ角度検出器5により検出
したルーパ位置とルーパ位置設定器6により設定された
ルーパ設定位置との偏差に基づき,ルーパ位置制御装置
7′におけるPIコントローラ7b′によって隣接スタ
ンドの圧延速度を修正するように制御される。即ち,P
Iコントローラ7b′によりミルモータ8の速度制御器
9に信号が送られ,各スタンド1,1間の被圧延材2の
長さを介してルーパ3の位置が安定にその設定位置に復
帰保持するようにフィードバック制御が実施されてい
る。この制御系のブロック線図を図19に示す。高さや
位置の制御を行うフィードバック制御系の制御装置には
同様の構成をとるものが多い。
制御系の制御装置は広範囲な分野に応用されている。例
えば,図17に示すような連続圧延機においては,各ス
タンド間の被圧延材張力は製品,板厚,板幅,板形状精
度に及ぼす影響が大きく,種々の圧延外乱に対してこの
張力値を一定に制御することが要求される。このため,
各スタンド間にルーパが設置されている。瞬間的な張力
変動はこのルーパが動いて吸収するが,定常時の張力は
ルーパ高さ(ルーパ角度)で決まる。従って,圧延外乱
のもとで,いかにルーパ高さを設定位置の近傍に制御す
るかが重要な課題となる。従来の連続圧延機の制御装置
0′を図18に示す。図18において,各スタンド1,
1間の被圧延材2の張力が適切な値となるように,ルー
パ3にはルーパモータ4により適当なトルクが与えられ
ている。ルーパ高さは,ルーパ角度検出器5により検出
したルーパ位置とルーパ位置設定器6により設定された
ルーパ設定位置との偏差に基づき,ルーパ位置制御装置
7′におけるPIコントローラ7b′によって隣接スタ
ンドの圧延速度を修正するように制御される。即ち,P
Iコントローラ7b′によりミルモータ8の速度制御器
9に信号が送られ,各スタンド1,1間の被圧延材2の
長さを介してルーパ3の位置が安定にその設定位置に復
帰保持するようにフィードバック制御が実施されてい
る。この制御系のブロック線図を図19に示す。高さや
位置の制御を行うフィードバック制御系の制御装置には
同様の構成をとるものが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したような従来の
連続圧延機の制御装置0′では,以下のような問題点が
あった。ルーパ系の応答特性はその周波数特性で一般に
表すことができるが,実際の操業状態,すなわち多種多
様な圧延材料や圧延中にも変化する圧延条件の下では,
ルーパ系の周波数特性は変動している。例えば,圧延材
料の特性によりルーパ系の共振周波数でのゲインピーク
値が変動したり,観測雑音の影響により高周波域でのゲ
インが大きくなったりする。従来装置0′におけるPI
制御では,比例動作要素(P)や積分動作要素(I)に
よるフィードバックゲインは,制御系(ルーパ高さ系)
の周波数特性の変動は考慮せずに,全周波数域において
一定の値であった。このため,制御系の周波数特性が変
動したときに,ルーパ高さが不安定になることがあっ
た。この問題点は同様の構成をとる高さや位置の制御を
行うフィードバック制御系の制御装置全般に共通するも
のであった。第1,第2及び第3の発明は,このような
従来の技術における課題を解決するために,制御装置を
改良し,制御系の周波数特性の変動の中で特に変動が大
きく,制御系の安定性に影響を与える減衰係数等のパラ
メータの変動を考慮することにより,応答特性がよく,
且つ安定性にも優れたルーパ高さ等の高さや位置制御を
実現し得る制御装置を提供することを目的(第1の目
的)とするものである。また,第4の発明は,周波数特
性の変動にあわせて制御ゲインを自動調整することによ
り,応答特性がよく,且つ安定性にも優れたルーパ高さ
等の高さや位置制御を実現し得る制御装置を提供するこ
とを目的(第2の目的)とするものである。一方,従来
装置の制御ゲインチューニングは,トラブル(不安定現
象)を恐れるあまり,ゲインを下げることが中心となっ
ていた。そのため,安定性の確保と引き換えに,速応性
が犠牲になる場合があった。第5の発明は,安定性を確
保できる範囲内で制御ゲインをその増加をも含めて自動
調整することにより,応答特性がよく,且つ安定性にも
優れた高さや位置の制御を実現し得る制御装置を提供す
ることを目的(第3の目的)とするものである。
連続圧延機の制御装置0′では,以下のような問題点が
あった。ルーパ系の応答特性はその周波数特性で一般に
表すことができるが,実際の操業状態,すなわち多種多
様な圧延材料や圧延中にも変化する圧延条件の下では,
ルーパ系の周波数特性は変動している。例えば,圧延材
料の特性によりルーパ系の共振周波数でのゲインピーク
値が変動したり,観測雑音の影響により高周波域でのゲ
インが大きくなったりする。従来装置0′におけるPI
制御では,比例動作要素(P)や積分動作要素(I)に
よるフィードバックゲインは,制御系(ルーパ高さ系)
の周波数特性の変動は考慮せずに,全周波数域において
一定の値であった。このため,制御系の周波数特性が変
動したときに,ルーパ高さが不安定になることがあっ
た。この問題点は同様の構成をとる高さや位置の制御を
行うフィードバック制御系の制御装置全般に共通するも
のであった。第1,第2及び第3の発明は,このような
従来の技術における課題を解決するために,制御装置を
改良し,制御系の周波数特性の変動の中で特に変動が大
きく,制御系の安定性に影響を与える減衰係数等のパラ
メータの変動を考慮することにより,応答特性がよく,
且つ安定性にも優れたルーパ高さ等の高さや位置制御を
実現し得る制御装置を提供することを目的(第1の目
的)とするものである。また,第4の発明は,周波数特
性の変動にあわせて制御ゲインを自動調整することによ
り,応答特性がよく,且つ安定性にも優れたルーパ高さ
等の高さや位置制御を実現し得る制御装置を提供するこ
とを目的(第2の目的)とするものである。一方,従来
装置の制御ゲインチューニングは,トラブル(不安定現
象)を恐れるあまり,ゲインを下げることが中心となっ
ていた。そのため,安定性の確保と引き換えに,速応性
が犠牲になる場合があった。第5の発明は,安定性を確
保できる範囲内で制御ゲインをその増加をも含めて自動
調整することにより,応答特性がよく,且つ安定性にも
優れた高さや位置の制御を実現し得る制御装置を提供す
ることを目的(第3の目的)とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために第1の発明は,タンデム配置されたローラスタ
ンドにより圧延される被圧延材に張力を与えるルーパの
位置を検出し,該検出データに基づいて上記スタンドの
ローラ速度を修正する制御系を具備した連続圧延機の制
御装置において,上記ローラ速度の修正量と上記ルーパ
位置の検出データとに基づいて上記制御系の伝達関数の
減衰係数を演算する演算手段と,上記演算手段により演
算された減衰係数と予め記憶された減衰係数の最大及び
最小値とに基づいて上記制御系の制御ゲインを設定する
制御ゲイン設定手段とを具備してなることを特徴とする
連続圧延機の制御装置として構成されている。さらに
は,上記伝達関数が2次遅れ要素とむだ時間要素とから
なる連続圧延機の制御装置である。さらには,上記制御
系の制御ゲインが比例動作要素と積分動作要素とからな
る連続圧延機の制御装置である。さらには,上記演算手
段による減衰係数の演算に逐次型最小二乗法を用いる連
続圧延機の制御装置である。また,第2の発明はタンデ
ム配置されたローラスタンドにより圧延される被圧延材
に張力を与えるルーパの位置を検出し,該検出データに
基づいて上記スタンドのローラ速度を修正する制御系を
具備した連続圧延機の制御装置において,上記ルーパ位
置の検出データに基づいて該ルーパ位置の安定度を演算
する第1の安定度演算手段と,上記ローラ速度の修正量
と上記ルーパ位置の検出データとに基づいて上記制御系
の伝達関数の減衰係数を演算する第1のパラメータ演算
手段と,上記第1の安定度演算手段により演算された安
定度がしきい値を超えたときに,上記第1のパラメータ
演算手段により演算された減衰係数と,予め記憶された
減衰係数と制御ゲインとの対応関係とに基づいて上記制
御系の制御ゲインを設定する第1の制御ゲイン設定手段
とを具備してなることを特徴とする連続圧延機の制御装
置である。
るために第1の発明は,タンデム配置されたローラスタ
ンドにより圧延される被圧延材に張力を与えるルーパの
位置を検出し,該検出データに基づいて上記スタンドの
ローラ速度を修正する制御系を具備した連続圧延機の制
御装置において,上記ローラ速度の修正量と上記ルーパ
位置の検出データとに基づいて上記制御系の伝達関数の
減衰係数を演算する演算手段と,上記演算手段により演
算された減衰係数と予め記憶された減衰係数の最大及び
最小値とに基づいて上記制御系の制御ゲインを設定する
制御ゲイン設定手段とを具備してなることを特徴とする
連続圧延機の制御装置として構成されている。さらに
は,上記伝達関数が2次遅れ要素とむだ時間要素とから
なる連続圧延機の制御装置である。さらには,上記制御
系の制御ゲインが比例動作要素と積分動作要素とからな
る連続圧延機の制御装置である。さらには,上記演算手
段による減衰係数の演算に逐次型最小二乗法を用いる連
続圧延機の制御装置である。また,第2の発明はタンデ
ム配置されたローラスタンドにより圧延される被圧延材
に張力を与えるルーパの位置を検出し,該検出データに
基づいて上記スタンドのローラ速度を修正する制御系を
具備した連続圧延機の制御装置において,上記ルーパ位
置の検出データに基づいて該ルーパ位置の安定度を演算
する第1の安定度演算手段と,上記ローラ速度の修正量
と上記ルーパ位置の検出データとに基づいて上記制御系
の伝達関数の減衰係数を演算する第1のパラメータ演算
手段と,上記第1の安定度演算手段により演算された安
定度がしきい値を超えたときに,上記第1のパラメータ
演算手段により演算された減衰係数と,予め記憶された
減衰係数と制御ゲインとの対応関係とに基づいて上記制
御系の制御ゲインを設定する第1の制御ゲイン設定手段
とを具備してなることを特徴とする連続圧延機の制御装
置である。
【0005】さらには,上記伝達関数が2次遅れ要素と
むだ時間要素とからなる連続圧延機の制御装置である。
さらには,上記制御系の制御ゲインが比例動作要素と積
分動作要素とからなる連続圧延機の制御装置である。さ
らには,上記第1のパラメータ演算手段による減衰係数
の演算に逐次型最小二乗法を用いる連続圧延機の制御装
置である。また,第3の発明は制御対象に対する入出力
データに基づいて該制御対象を含む制御系の伝達関数の
パラメータを演算する第2のパラメータ演算手段と,上
記第2のパラメータ演算手段により演算されたパラメー
タと,予め記憶されたパラメータと制御ゲインとの対応
関係に基づいて上記制御系の制御ゲインを設定する第2
の制御ゲイン設定手段とを具備してなる制御装置であ
る。上記第2の目的を達成するために第4の発明は,タ
ンデム配置されたローラスタンドにより圧延される被圧
延材に張力を与えるルーパの位置を検出し,該検出デー
タに基づいて上記スタンドのローラ速度を修正する制御
系を具備した連続圧延機の制御装置において,上記ルー
パ位置の検出データに基づいて該ルーパ位置の安定度を
演算する第2の安定度演算手段と,上記ローラ速度の修
正量と上記ルーパ位置の検出データとに基づいて上記制
御系の伝達関数のパラメータを演算する第3のパラメー
タ演算手段と,上記第2の安定度演算手段により演算さ
れた安定度がしきい値を超えたときに,上記第3のパラ
メータ演算手段により演算されたパラメータを用いた上
記伝達関数の動特性に基づいて上記制御系の制御ゲイン
をオンラインで設定する第3の制御ゲイン設定手段とを
具備してなることを特徴とする連続圧延機の制御装置と
して構成されている。
むだ時間要素とからなる連続圧延機の制御装置である。
さらには,上記制御系の制御ゲインが比例動作要素と積
分動作要素とからなる連続圧延機の制御装置である。さ
らには,上記第1のパラメータ演算手段による減衰係数
の演算に逐次型最小二乗法を用いる連続圧延機の制御装
置である。また,第3の発明は制御対象に対する入出力
データに基づいて該制御対象を含む制御系の伝達関数の
パラメータを演算する第2のパラメータ演算手段と,上
記第2のパラメータ演算手段により演算されたパラメー
タと,予め記憶されたパラメータと制御ゲインとの対応
関係に基づいて上記制御系の制御ゲインを設定する第2
の制御ゲイン設定手段とを具備してなる制御装置であ
る。上記第2の目的を達成するために第4の発明は,タ
ンデム配置されたローラスタンドにより圧延される被圧
延材に張力を与えるルーパの位置を検出し,該検出デー
タに基づいて上記スタンドのローラ速度を修正する制御
系を具備した連続圧延機の制御装置において,上記ルー
パ位置の検出データに基づいて該ルーパ位置の安定度を
演算する第2の安定度演算手段と,上記ローラ速度の修
正量と上記ルーパ位置の検出データとに基づいて上記制
御系の伝達関数のパラメータを演算する第3のパラメー
タ演算手段と,上記第2の安定度演算手段により演算さ
れた安定度がしきい値を超えたときに,上記第3のパラ
メータ演算手段により演算されたパラメータを用いた上
記伝達関数の動特性に基づいて上記制御系の制御ゲイン
をオンラインで設定する第3の制御ゲイン設定手段とを
具備してなることを特徴とする連続圧延機の制御装置と
して構成されている。
【0006】さらには,上記伝達関数の動特性が2次遅
れ要素とむだ時間要素とからなる連続圧延機の制御装置
である。さらには,上記制御系の制御ゲインが比例動作
要素と積分動作要素とからなる連続圧延機の制御装置で
ある。さらには,上記制御系がI−P制御系である連続
圧延機の制御装置である。さらには,上記第3のパラメ
ータ演算手段による伝達関数のパラメータの演算に逐次
型最小二乗法を用いる連続圧延機の制御装置である。さ
らには,上記第3の制御ゲイン設定手段による制御ゲイ
ンの設定に部分的モデルマッチング法を用いる連続圧延
機の制御装置である。上記第3の目的を達成するために
第5の発明は,制御対象に対する入出力データに基づい
て該制御対象を含む制御系の伝達関数のパラメータを演
算する第4のパラメータ演算手段と,上記第4のパラメ
ータ演算手段により演算されたパラメータと,予め記憶
されたパラメータと制御ゲインとの対応関係とに基づい
て補間演算することによって上記制御系の制御ゲインを
設定する第4の制御ゲイン設定手段と,上記第4の制御
ゲイン設定手段により制御ゲインを設定する際の上記制
御系のハンチング発生による補間演算の頻度を演算する
補間頻度演算手段と,上記補間頻度演算手段により演算
された補間演算の頻度に応じて上記パラメータと制御ゲ
インとの対応関係を変化させる対応関係変化手段とを具
備してなる制御装置として構成されている。さらには,
上記補間頻度演算手段により演算された補間演算の頻度
が所定の上限値よりも小さいときは制御ゲインを大きく
とり,該頻度が所定の下限値よりも大きいときは制御ゲ
インを小さくとるように,上記第4の制御ゲイン設定手
段による制御ゲインの設定を行う制御装置である。さら
には,上記パラメータと制御ゲインとの対応関係を上記
制御対象の種類ごとに予めメモリに記憶しておく制御装
置である。
れ要素とむだ時間要素とからなる連続圧延機の制御装置
である。さらには,上記制御系の制御ゲインが比例動作
要素と積分動作要素とからなる連続圧延機の制御装置で
ある。さらには,上記制御系がI−P制御系である連続
圧延機の制御装置である。さらには,上記第3のパラメ
ータ演算手段による伝達関数のパラメータの演算に逐次
型最小二乗法を用いる連続圧延機の制御装置である。さ
らには,上記第3の制御ゲイン設定手段による制御ゲイ
ンの設定に部分的モデルマッチング法を用いる連続圧延
機の制御装置である。上記第3の目的を達成するために
第5の発明は,制御対象に対する入出力データに基づい
て該制御対象を含む制御系の伝達関数のパラメータを演
算する第4のパラメータ演算手段と,上記第4のパラメ
ータ演算手段により演算されたパラメータと,予め記憶
されたパラメータと制御ゲインとの対応関係とに基づい
て補間演算することによって上記制御系の制御ゲインを
設定する第4の制御ゲイン設定手段と,上記第4の制御
ゲイン設定手段により制御ゲインを設定する際の上記制
御系のハンチング発生による補間演算の頻度を演算する
補間頻度演算手段と,上記補間頻度演算手段により演算
された補間演算の頻度に応じて上記パラメータと制御ゲ
インとの対応関係を変化させる対応関係変化手段とを具
備してなる制御装置として構成されている。さらには,
上記補間頻度演算手段により演算された補間演算の頻度
が所定の上限値よりも小さいときは制御ゲインを大きく
とり,該頻度が所定の下限値よりも大きいときは制御ゲ
インを小さくとるように,上記第4の制御ゲイン設定手
段による制御ゲインの設定を行う制御装置である。さら
には,上記パラメータと制御ゲインとの対応関係を上記
制御対象の種類ごとに予めメモリに記憶しておく制御装
置である。
【0007】
【作用】第1発明によれば,タンデム配置されたローラ
スタンドにより圧延される被圧延材に張力を与えるルー
パの位置を検出し,該検出データに基づいて上記スタン
ドのローラ速度を修正する制御系により連続圧延機の制
御を行うに際し,上記ローラ速度の修正量と上記ルーパ
位置の検出データとに基づいて,上記制御系の伝達関数
の減衰係数が演算手段により検出される。上記演算手段
により演算された減衰係数と予め記憶された減衰係数の
最大及び最小値とに基づいて,上記制御系の制御ゲイン
が制御ゲイン設定手段により設定される。このように,
制御系の周波数特性の変動の中で,特に変動が大きく,
制御系の安定制御に影響を与える減衰係数の変動を考慮
することにより,応答特性がよく,且つ安定性にも優れ
たルーパ高さ制御を実現することができる。第2の発明
によれば,タンデム配置されたローラスタンドにより圧
延される被圧延材に張力を与えるルーパの位置を検出
し,該検出データに基づいて上記スタンドのローラ速度
を修正する制御系により連続圧延機の制御を行うに際
し,上記ルーパ位置の検出データに基づいて,該ルーパ
位置の安定度が第1の安定度演算手段により演算され
る。上記ローラ速度の修正量と上記ルーパ位置の検出デ
ータとに基づいて,上記制御系の伝達関数の減衰係数が
第1のパラメータ演算手段により演算される。上記第1
の安定度演算手段により演算された安定度がしきい値を
超えたときに,上記第1のパラメータ演算手段により演
算された減衰係数と,予め記憶された減衰係数と制御ゲ
インとの対応関係とに基づいて,上記制御系の制御ゲイ
ンが第1の制御ゲイン設定手段により設定される。尚,
上記第1の安定度演算手段により演算された安定度がし
きい値を超えないときは,予め記憶された制御ゲインが
上記第1の制御ゲイン設定手段により設定される。この
ように,制御系の周波数特性の変動により,制御系の安
定性が崩れた場合に,制御系の安定性に影響を与える減
衰係数の変動を考慮することにより,応答特性がよく,
且つ安定性にも優れたルーパ高さ制御を実現することが
できる。
スタンドにより圧延される被圧延材に張力を与えるルー
パの位置を検出し,該検出データに基づいて上記スタン
ドのローラ速度を修正する制御系により連続圧延機の制
御を行うに際し,上記ローラ速度の修正量と上記ルーパ
位置の検出データとに基づいて,上記制御系の伝達関数
の減衰係数が演算手段により検出される。上記演算手段
により演算された減衰係数と予め記憶された減衰係数の
最大及び最小値とに基づいて,上記制御系の制御ゲイン
が制御ゲイン設定手段により設定される。このように,
制御系の周波数特性の変動の中で,特に変動が大きく,
制御系の安定制御に影響を与える減衰係数の変動を考慮
することにより,応答特性がよく,且つ安定性にも優れ
たルーパ高さ制御を実現することができる。第2の発明
によれば,タンデム配置されたローラスタンドにより圧
延される被圧延材に張力を与えるルーパの位置を検出
し,該検出データに基づいて上記スタンドのローラ速度
を修正する制御系により連続圧延機の制御を行うに際
し,上記ルーパ位置の検出データに基づいて,該ルーパ
位置の安定度が第1の安定度演算手段により演算され
る。上記ローラ速度の修正量と上記ルーパ位置の検出デ
ータとに基づいて,上記制御系の伝達関数の減衰係数が
第1のパラメータ演算手段により演算される。上記第1
の安定度演算手段により演算された安定度がしきい値を
超えたときに,上記第1のパラメータ演算手段により演
算された減衰係数と,予め記憶された減衰係数と制御ゲ
インとの対応関係とに基づいて,上記制御系の制御ゲイ
ンが第1の制御ゲイン設定手段により設定される。尚,
上記第1の安定度演算手段により演算された安定度がし
きい値を超えないときは,予め記憶された制御ゲインが
上記第1の制御ゲイン設定手段により設定される。この
ように,制御系の周波数特性の変動により,制御系の安
定性が崩れた場合に,制御系の安定性に影響を与える減
衰係数の変動を考慮することにより,応答特性がよく,
且つ安定性にも優れたルーパ高さ制御を実現することが
できる。
【0008】第3の発明によれば,制御対象に対する入
出力データに基づいて該制御対象を含む制御系の伝達関
数のパラメータが第2のパラメータ演算手段により演算
される。上記第2のパラメータ演算手段により演算され
たパラメータと,予め記憶されたパラメータと制御ゲイ
ンとの対応関係とに基づいて上記制御系の制御ゲインが
第2の制御ゲイン設定手段により設定される。このよう
に,制御系の周波数特性の変動の中で特に変動が大き
く,制御系の安定性に影響を与えるパラメータの変動を
考慮することにより,応答特性がよく,且つ安定性にも
優れた高さや位置の制御を実現することができる。第4
の発明によれば,タンデム配置されたローラスタンドに
より圧延される被圧延材に張力を与えるルーパの位置を
検出し,該検出データに基づいて上記スタンドのローラ
速度を修正する制御系により連続圧延機の制御を行うに
際し,上記ルーパ位置の検出データに基づいて,該ルー
パ位置の安定度が第2の安定度演算手段により演算され
る。上記ローラ速度の修正量と上記ルーパ位置の検出デ
ータとに基づいて,上記制御系の伝達関数のパラメータ
が第3のパラメータ演算手段により検出される。上記第
2の安定度演算手段により演算された安定度がしきい値
を超えたときに,上記第3のパラメータ演算手段により
演算されたパラメータを用いた上記伝達関数の動特性に
基づいて,上記制御系の制御ゲインが第3の制御ゲイン
設定手段によりオンラインで設定される。尚,上記第1
の安定度演算手段により演算された安定度がしきい値を
超えないときは,予め記憶された制御ゲインが上記第1
の制御ゲイン設定手段により設定される。
出力データに基づいて該制御対象を含む制御系の伝達関
数のパラメータが第2のパラメータ演算手段により演算
される。上記第2のパラメータ演算手段により演算され
たパラメータと,予め記憶されたパラメータと制御ゲイ
ンとの対応関係とに基づいて上記制御系の制御ゲインが
第2の制御ゲイン設定手段により設定される。このよう
に,制御系の周波数特性の変動の中で特に変動が大き
く,制御系の安定性に影響を与えるパラメータの変動を
考慮することにより,応答特性がよく,且つ安定性にも
優れた高さや位置の制御を実現することができる。第4
の発明によれば,タンデム配置されたローラスタンドに
より圧延される被圧延材に張力を与えるルーパの位置を
検出し,該検出データに基づいて上記スタンドのローラ
速度を修正する制御系により連続圧延機の制御を行うに
際し,上記ルーパ位置の検出データに基づいて,該ルー
パ位置の安定度が第2の安定度演算手段により演算され
る。上記ローラ速度の修正量と上記ルーパ位置の検出デ
ータとに基づいて,上記制御系の伝達関数のパラメータ
が第3のパラメータ演算手段により検出される。上記第
2の安定度演算手段により演算された安定度がしきい値
を超えたときに,上記第3のパラメータ演算手段により
演算されたパラメータを用いた上記伝達関数の動特性に
基づいて,上記制御系の制御ゲインが第3の制御ゲイン
設定手段によりオンラインで設定される。尚,上記第1
の安定度演算手段により演算された安定度がしきい値を
超えないときは,予め記憶された制御ゲインが上記第1
の制御ゲイン設定手段により設定される。
【0009】このように,周波数特性の変動にあわせて
制御ゲインを自動調整することにより,応答特性がよ
く,且つ安定性にも優れたルーパ高さ等の高さや位置の
制御を実現することができる 第5の発明によれば,制御対象に対する入出力データに
基づいて該制御対象を含む制御系の伝達関数のパラメー
タが第4のパラメータ演算手段により演算される。上記
第4のパラメータ演算手段により演算されたパラメータ
と,予め記憶されたパラメータと制御ゲインとの対応関
係とに基づいて補間演算することによって,上記制御系
の制御ゲインが第4の制御ゲイン設定手段により設定さ
れる。上記第4の制御ゲイン設定手段により制御ゲイン
が設定される際の上記制御ゲインのハンチング発生によ
る補間演算の頻度が補間頻度演算手段により演算され
る。上記補間頻度演算手段により演算された補間演算の
頻度に応じて上記パラメータと制御ゲインとの対応関係
が対応関係変化手段により変化させられる。このよう
に,安定性を確保できる範囲内で制御ゲインをその増加
をも含めて自動調整することにより,応答特性がよく,
且つ安定性にも優れた高さや位置の制御を実現すること
ができる。
制御ゲインを自動調整することにより,応答特性がよ
く,且つ安定性にも優れたルーパ高さ等の高さや位置の
制御を実現することができる 第5の発明によれば,制御対象に対する入出力データに
基づいて該制御対象を含む制御系の伝達関数のパラメー
タが第4のパラメータ演算手段により演算される。上記
第4のパラメータ演算手段により演算されたパラメータ
と,予め記憶されたパラメータと制御ゲインとの対応関
係とに基づいて補間演算することによって,上記制御系
の制御ゲインが第4の制御ゲイン設定手段により設定さ
れる。上記第4の制御ゲイン設定手段により制御ゲイン
が設定される際の上記制御ゲインのハンチング発生によ
る補間演算の頻度が補間頻度演算手段により演算され
る。上記補間頻度演算手段により演算された補間演算の
頻度に応じて上記パラメータと制御ゲインとの対応関係
が対応関係変化手段により変化させられる。このよう
に,安定性を確保できる範囲内で制御ゲインをその増加
をも含めて自動調整することにより,応答特性がよく,
且つ安定性にも優れた高さや位置の制御を実現すること
ができる。
【0010】
【実施例】以下添付図面を参照して,本発明を具体化し
た実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以
下の実施例は本発明を具体化した一例であって,本発明
の技術的範囲を限定する性格のものではない。ここに,
図1は第1の発明の一実施例(第1の実施例)に係る連
続圧延機の制御装置0の概略構成を示す模式図,図2は
ルーパ位置制御装置7への入出力関係を示す説明図,図
3は制御装置0′及び0による各ルーパ角度の制御性能
を示す比較図,図4は第2の発明の一実施例(第2の実
施例)に係る連続圧延機の制御装置0x の概略構成を示
す模式図,図5はルーパ位置制御装置7x への入出力関
係を示す説明図,図6は制御装置0′及び0x による各
ルーパ角度の制御性能を示す比較図,図7は第3の発明
の一実施例(第3の実施例)に係る制御装置10の概略
構成を示す模式図,図8は第4の発明の一実施例(第4
の実施例)に係る連続圧延機の制御装置0y の概略構成
を示す模式図,図9はルーパ位置制御装置7y への入出
力関係を示す説明図,図10はI−P制御系のブロック
線図,図11は制御装置0y による動作手順を示すフロ
ー図,図12は制御装置0′及び0 y による各ルーパ角
度の制御性能を示す比較図,図13は第5の発明の一実
施例(第5の実施例)に係る制御装置20の概略構成を
示す模式図,図14はハンチング例を示す説明図,図1
5は補間制御の効果を示す説明図,図16は変形例にお
けるパラメータの補間方法を示す説明図である。尚,前
記図18に示した従来の連続圧延機の制御装置0′の一
例における概略構成を示す模式図と共通する要素には同
一の符号を使用する。
た実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以
下の実施例は本発明を具体化した一例であって,本発明
の技術的範囲を限定する性格のものではない。ここに,
図1は第1の発明の一実施例(第1の実施例)に係る連
続圧延機の制御装置0の概略構成を示す模式図,図2は
ルーパ位置制御装置7への入出力関係を示す説明図,図
3は制御装置0′及び0による各ルーパ角度の制御性能
を示す比較図,図4は第2の発明の一実施例(第2の実
施例)に係る連続圧延機の制御装置0x の概略構成を示
す模式図,図5はルーパ位置制御装置7x への入出力関
係を示す説明図,図6は制御装置0′及び0x による各
ルーパ角度の制御性能を示す比較図,図7は第3の発明
の一実施例(第3の実施例)に係る制御装置10の概略
構成を示す模式図,図8は第4の発明の一実施例(第4
の実施例)に係る連続圧延機の制御装置0y の概略構成
を示す模式図,図9はルーパ位置制御装置7y への入出
力関係を示す説明図,図10はI−P制御系のブロック
線図,図11は制御装置0y による動作手順を示すフロ
ー図,図12は制御装置0′及び0 y による各ルーパ角
度の制御性能を示す比較図,図13は第5の発明の一実
施例(第5の実施例)に係る制御装置20の概略構成を
示す模式図,図14はハンチング例を示す説明図,図1
5は補間制御の効果を示す説明図,図16は変形例にお
けるパラメータの補間方法を示す説明図である。尚,前
記図18に示した従来の連続圧延機の制御装置0′の一
例における概略構成を示す模式図と共通する要素には同
一の符号を使用する。
【0011】〈第1の発明〉図1に示す如く,第1の発
明の一実施例(第1の実施例)に係る連続圧延機の制御
装置0は,タンデム配置されたロールスタンド1,1に
より圧延される被圧延材2に張力を与えるルーパ3の位
置をルーパ角度検出器5により検出し,この検出データ
に基づいてスタンド1,1のローラ速度を修正する信号
をミルモータ速度制御器9に発する制御系を具備してい
る点で従来例と同様である。しかし,本第1の実施例で
は,上記ローラ速度の修正量と上記ルーパ位置の検出デ
ータとに基づいて上記制御系の伝達関数の減衰係数を演
算するパラメータ推定装置7a(演算手段に相当)と,
このパラメータ推定装置7aにより演算された減衰係数
と予め記憶された減衰係数の最大及び最小値とに基づい
て上記制御器の制御ゲインを設定する補間型PIコント
ローラ7b(制御ゲイン設定手段に相当)とを具備して
いる点で従来例と異なる。図2は本第1の実施例の部分
構成を示すブロック図であり,ルーパ位置を設定位置に
制御する制御信号の流れを示している。
明の一実施例(第1の実施例)に係る連続圧延機の制御
装置0は,タンデム配置されたロールスタンド1,1に
より圧延される被圧延材2に張力を与えるルーパ3の位
置をルーパ角度検出器5により検出し,この検出データ
に基づいてスタンド1,1のローラ速度を修正する信号
をミルモータ速度制御器9に発する制御系を具備してい
る点で従来例と同様である。しかし,本第1の実施例で
は,上記ローラ速度の修正量と上記ルーパ位置の検出デ
ータとに基づいて上記制御系の伝達関数の減衰係数を演
算するパラメータ推定装置7a(演算手段に相当)と,
このパラメータ推定装置7aにより演算された減衰係数
と予め記憶された減衰係数の最大及び最小値とに基づい
て上記制御器の制御ゲインを設定する補間型PIコント
ローラ7b(制御ゲイン設定手段に相当)とを具備して
いる点で従来例と異なる。図2は本第1の実施例の部分
構成を示すブロック図であり,ルーパ位置を設定位置に
制御する制御信号の流れを示している。
【0012】以下,本第1の実施例装置0の動作とその
基本原理について図1,2 を参照しつつ説明する。図1
において,各スタンド1,1間の被圧延材2の張力が適
切な値となるように,ルーパ3にはルーパモータ4によ
り適当なトルクが与えられている。ルーパ高さは,ルー
パ角度検出器5により検出したルーパ位置とルーパ位置
設定器6により設定されたルーパ設定位置との偏差に基
づき,ルーパ位置制御装置7におけるパラメータ推定装
置7a及び補間型PIコントローラ7bによって隣接ス
タンドの圧延速度(ローラ速度に相当)を修正するよう
に制御される。ここで,本第1の発明の特徴をなすパラ
メータ推定装置7a及び補間型PIコントローラ7bに
ついて詳述する。 〔パラメータ推定装置7a〕パラメータ推定装置7aで
は,逐次型最小二乗法を用いて,ミルモータ8の速度修
正量とルーパ角度のオンラインデータより減衰係数を演
算する。例えば,鉄鋼の熱間仕上げ圧延機の場合,実機
データの解析により,上記制御系(ルーパ高さ系)は2
次遅れ+むだ時間という伝達関数でモデル化できること
がわかっている。この解析には周知のARMA解析を用
いる。
基本原理について図1,2 を参照しつつ説明する。図1
において,各スタンド1,1間の被圧延材2の張力が適
切な値となるように,ルーパ3にはルーパモータ4によ
り適当なトルクが与えられている。ルーパ高さは,ルー
パ角度検出器5により検出したルーパ位置とルーパ位置
設定器6により設定されたルーパ設定位置との偏差に基
づき,ルーパ位置制御装置7におけるパラメータ推定装
置7a及び補間型PIコントローラ7bによって隣接ス
タンドの圧延速度(ローラ速度に相当)を修正するよう
に制御される。ここで,本第1の発明の特徴をなすパラ
メータ推定装置7a及び補間型PIコントローラ7bに
ついて詳述する。 〔パラメータ推定装置7a〕パラメータ推定装置7aで
は,逐次型最小二乗法を用いて,ミルモータ8の速度修
正量とルーパ角度のオンラインデータより減衰係数を演
算する。例えば,鉄鋼の熱間仕上げ圧延機の場合,実機
データの解析により,上記制御系(ルーパ高さ系)は2
次遅れ+むだ時間という伝達関数でモデル化できること
がわかっている。この解析には周知のARMA解析を用
いる。
【0013】ここに,ARMA解析とは,以下のような
手法をいう(相良 節夫ら著「システム同定」,計測自
動制御学会編参照)。即ち,制御対象を次式のような形
で表現し, y(k)+a1 y(k−1)+…+an y(k−n) =b1 u(k−1)+…+bm u(k−m)+e(k) 係数a1 ,〜an ,b1 〜bm を最小2乗法により算出
するモデル同定法のことである。ただし,y(・)は出
力,u(・)は入力,e(・)は白色ノイズ,kはステ
ップ数,n,mは任意の自然数である。
手法をいう(相良 節夫ら著「システム同定」,計測自
動制御学会編参照)。即ち,制御対象を次式のような形
で表現し, y(k)+a1 y(k−1)+…+an y(k−n) =b1 u(k−1)+…+bm u(k−m)+e(k) 係数a1 ,〜an ,b1 〜bm を最小2乗法により算出
するモデル同定法のことである。ただし,y(・)は出
力,u(・)は入力,e(・)は白色ノイズ,kはステ
ップ数,n,mは任意の自然数である。
【0014】この解析を行うため,まずその伝達関数を
離散化して得られる次式で表す3つのパラメータを推定
した後,その推定値を用いて減衰係数を演算する。
離散化して得られる次式で表す3つのパラメータを推定
した後,その推定値を用いて減衰係数を演算する。
【数1】
【数2】 ここに,p1,p2,p3は推定するパラメータ,y
〔・〕はルーパ角度,u〔・〕はミルモータの速度修正
量,kはステップ数,Lはむだ時間,Tはサンプリング
間隔,{・}はガウス記号,ζは減衰係数である。被圧
延材2が連続圧延機に達する前にあらかじめ,このパラ
メータ推定装置7aにより上記減衰係数の変動範囲を把
握し,減衰係数が最大および最小値をとった場合の上記
制御系の比例動作要素および積分動作要素のゲインを計
算し,図示しないメモリに記憶しておく。
〔・〕はルーパ角度,u〔・〕はミルモータの速度修正
量,kはステップ数,Lはむだ時間,Tはサンプリング
間隔,{・}はガウス記号,ζは減衰係数である。被圧
延材2が連続圧延機に達する前にあらかじめ,このパラ
メータ推定装置7aにより上記減衰係数の変動範囲を把
握し,減衰係数が最大および最小値をとった場合の上記
制御系の比例動作要素および積分動作要素のゲインを計
算し,図示しないメモリに記憶しておく。
【0015】〔補間型PIコントローラ7b〕圧延中に
上記パラメータ推定装置7aにより演算された減衰係数
と上記メモリに予め記憶しておいた減衰係数の最大及び
最小値に対応した比例動作要素および積分動作要素のゲ
インを基に制御に用いる比例動作要素および積分動作要
素のゲインを演算し,ルーパ3の位置が設定位置となる
ように必要なミルモータ8の速度修正量を演算する。減
衰係数が最大のときに対応する比例動作要素および積分
動作要素のゲインをKpmax,Kimax,減衰係数
が最小のときに対応する比例動作要素および積分動作要
素のゲインをそれぞれKpmin,Kimin,減衰係
数の最大値をζmax,最小値ζmin,減衰係数の推
定値をζestとし,補間型PIコントローラ7bの伝
達関数を次式のように表す。
上記パラメータ推定装置7aにより演算された減衰係数
と上記メモリに予め記憶しておいた減衰係数の最大及び
最小値に対応した比例動作要素および積分動作要素のゲ
インを基に制御に用いる比例動作要素および積分動作要
素のゲインを演算し,ルーパ3の位置が設定位置となる
ように必要なミルモータ8の速度修正量を演算する。減
衰係数が最大のときに対応する比例動作要素および積分
動作要素のゲインをKpmax,Kimax,減衰係数
が最小のときに対応する比例動作要素および積分動作要
素のゲインをそれぞれKpmin,Kimin,減衰係
数の最大値をζmax,最小値ζmin,減衰係数の推
定値をζestとし,補間型PIコントローラ7bの伝
達関数を次式のように表す。
【数3】 この補間型PIコントローラ7bによりミルモータ8の
速度制御器9に修正信号が送られ,各スタンド1,1間
の被圧延材2の長さを介してルーパ3の位置が安定にそ
の設定位置に復帰保持するようにフィードバック制御が
実施される。以上の本第1の実施例装置0を用いてシミ
ュレーションを行った結果を次に示す。
速度制御器9に修正信号が送られ,各スタンド1,1間
の被圧延材2の長さを介してルーパ3の位置が安定にそ
の設定位置に復帰保持するようにフィードバック制御が
実施される。以上の本第1の実施例装置0を用いてシミ
ュレーションを行った結果を次に示す。
【0016】図3は鉄鋼の熱間仕上げ連続圧延機を想定
したシミュレーション結果である。図中(a),(b)
は従来の制御装置0′によるものであるが,(c),
(d)は本第1の実施例装置0による制御性能を示して
いる。このように,本第1の実施例では,従来例に比べ
て制御系の特性が変動しても,安定性,応答性に優れた
制御性能が保たれることがわかる。その結果,本第1の
実施例によれば,圧延プロセスの動特性の変化に関係な
く常に制御系を安定に保ちかつ高速応答可能なルーパ制
御を実現しうる連続圧延機の制御装置を提供することが
でき,それにより製品の品質と歩留りを一層向上させる
ことができる。
したシミュレーション結果である。図中(a),(b)
は従来の制御装置0′によるものであるが,(c),
(d)は本第1の実施例装置0による制御性能を示して
いる。このように,本第1の実施例では,従来例に比べ
て制御系の特性が変動しても,安定性,応答性に優れた
制御性能が保たれることがわかる。その結果,本第1の
実施例によれば,圧延プロセスの動特性の変化に関係な
く常に制御系を安定に保ちかつ高速応答可能なルーパ制
御を実現しうる連続圧延機の制御装置を提供することが
でき,それにより製品の品質と歩留りを一層向上させる
ことができる。
【0017】〈第2の発明〉上記第1の実施例では,安
定な圧延状態でのルーパ位置制御装置7への入出力信号
のパワー不足による減衰係数の推定精度への影響が考え
られる。第2の発明(及び後述する第4の発明)はこの
影響をなくすべく開発されたものであり,以下第2の発
明について述べる。図4に示す如く,第2の発明の一実
施例(第2実施例)に係る連続圧延機の制御装置0
x は,タンデム配置されたローラスタンド1,1により
圧延される被圧延材2に張力を与えるルーパ3の位置を
ルーパ角度検出器5により検出し,この検出データに基
づいてスタンド1,1のローラ速度を修正する信号をミ
ルモータ8の速度制御器9に発する制御系を具備してい
る点で従来例と同様である。しかし,本第2の実施例で
は,上記ルーパ位置の検出データに基づいて上記ルーパ
位置の安定度を演算する安定度演算装置7ax (第1の
安定度演算手段に相当)と,上記ローラ速度の修正量と
上記ルーパ位置の検出データとに基づいて上記制御系の
伝達関数の減衰係数を演算するパラメータ推定装置7b
x (第1のパラメータ演算手段に相当)と,上記安定度
演算装置7ax により演算された安定度がしきい値を超
えたときに上記パラメータ推定装置7bx により演算さ
れた減衰係数と,予め記憶された複数個の減衰係数に対
応する複数個の制御ゲインのテーブル(減衰係数と制御
ゲインとの対応関係に相当)とに基づいて上記制御系の
制御ゲインを設定する補間型PIコントローラ7c
x (第1の制御ゲイン設定手段に相当)とを具備してい
る点で従来例と異なる。
定な圧延状態でのルーパ位置制御装置7への入出力信号
のパワー不足による減衰係数の推定精度への影響が考え
られる。第2の発明(及び後述する第4の発明)はこの
影響をなくすべく開発されたものであり,以下第2の発
明について述べる。図4に示す如く,第2の発明の一実
施例(第2実施例)に係る連続圧延機の制御装置0
x は,タンデム配置されたローラスタンド1,1により
圧延される被圧延材2に張力を与えるルーパ3の位置を
ルーパ角度検出器5により検出し,この検出データに基
づいてスタンド1,1のローラ速度を修正する信号をミ
ルモータ8の速度制御器9に発する制御系を具備してい
る点で従来例と同様である。しかし,本第2の実施例で
は,上記ルーパ位置の検出データに基づいて上記ルーパ
位置の安定度を演算する安定度演算装置7ax (第1の
安定度演算手段に相当)と,上記ローラ速度の修正量と
上記ルーパ位置の検出データとに基づいて上記制御系の
伝達関数の減衰係数を演算するパラメータ推定装置7b
x (第1のパラメータ演算手段に相当)と,上記安定度
演算装置7ax により演算された安定度がしきい値を超
えたときに上記パラメータ推定装置7bx により演算さ
れた減衰係数と,予め記憶された複数個の減衰係数に対
応する複数個の制御ゲインのテーブル(減衰係数と制御
ゲインとの対応関係に相当)とに基づいて上記制御系の
制御ゲインを設定する補間型PIコントローラ7c
x (第1の制御ゲイン設定手段に相当)とを具備してい
る点で従来例と異なる。
【0018】図5は本第2の実施例の部分構成を示すブ
ロック図であり,ルーパ位置を設定位置に制御する制御
信号の流れを示している。以下,本第2の実施例装置0
x の動作とその基本原理について図4,5を参照しつつ
説明する。図4において,各スタンド1,1間の被圧延
材2の張力が適切な値となるように,ルーパ3にはルー
パモータ4により適当なトルクが与えられている。ルー
パ高さは,ルーパ角度検出器5により検出したルーパ位
置と,ルーパ位置設定器6により設定されたルーパ設定
位置との偏差に基づき,ルーパ位置制御装置7x におけ
る安定度演算装置7ax ,パラメータ推定装置7bx 及
び補間型PIコントローラ7cx によって隣接スタンド
の圧延速度(ローラ速度に相当)を修正するように制御
される。ここで,本第2の発明の特徴をなす安定度演算
装置7ax ,パラメータ推定装置7bx 及び補間型PI
コントローラ7cx について詳述する。
ロック図であり,ルーパ位置を設定位置に制御する制御
信号の流れを示している。以下,本第2の実施例装置0
x の動作とその基本原理について図4,5を参照しつつ
説明する。図4において,各スタンド1,1間の被圧延
材2の張力が適切な値となるように,ルーパ3にはルー
パモータ4により適当なトルクが与えられている。ルー
パ高さは,ルーパ角度検出器5により検出したルーパ位
置と,ルーパ位置設定器6により設定されたルーパ設定
位置との偏差に基づき,ルーパ位置制御装置7x におけ
る安定度演算装置7ax ,パラメータ推定装置7bx 及
び補間型PIコントローラ7cx によって隣接スタンド
の圧延速度(ローラ速度に相当)を修正するように制御
される。ここで,本第2の発明の特徴をなす安定度演算
装置7ax ,パラメータ推定装置7bx 及び補間型PI
コントローラ7cx について詳述する。
【0019】[安定度演算装置7ax ]安定度演算装置
7ax では,次式を用いて上記ルーパ角度(ルーパ位置
に相当)の安定度を演算する。
7ax では,次式を用いて上記ルーパ角度(ルーパ位置
に相当)の安定度を演算する。
【数4】 ここに,J〔・〕はルーパ角度の安定度,y〔・〕はル
ーパ角度,kはステップ数,λは忘却係数,‖・‖は絶
対値である。この指標は,ルーパ角度の加速度の大きさ
の積分に相当する。このように加速度情報を用いるの
は,ルーパ角度の変動の中からバイアス及び緩やかなト
レンドを無視し,振動的な成分のみを抽出するためであ
る。上記安定度演算装置7ax の演算結果がしきい値よ
りも小さければ,制御系は安定であるとみなし,予め記
憶された静的な制御ゲインが設定され,しきい値以上な
らば,上記パラメータ推定装置7bx により演算された
減衰係数と,予め記憶された複数個の減衰係数に対応す
る複数個の制御ゲインのテーブルとに基づいて上記制御
系の制御ゲインが動的に設定される。
ーパ角度,kはステップ数,λは忘却係数,‖・‖は絶
対値である。この指標は,ルーパ角度の加速度の大きさ
の積分に相当する。このように加速度情報を用いるの
は,ルーパ角度の変動の中からバイアス及び緩やかなト
レンドを無視し,振動的な成分のみを抽出するためであ
る。上記安定度演算装置7ax の演算結果がしきい値よ
りも小さければ,制御系は安定であるとみなし,予め記
憶された静的な制御ゲインが設定され,しきい値以上な
らば,上記パラメータ推定装置7bx により演算された
減衰係数と,予め記憶された複数個の減衰係数に対応す
る複数個の制御ゲインのテーブルとに基づいて上記制御
系の制御ゲインが動的に設定される。
【0020】[パラメータ推定装置7bx ]パラメータ
推定装置7bx では,逐次型最小二乗法を用いて,ミル
モータ8の速度修正量とルーパ角度のオンラインデータ
とより減衰係数を演算する。例えば,鉄鋼の熱間仕上圧
延機の場合,実機データの解析により,上記制御系(ル
ーパ高さ系)は2次遅れ+むだ時間という伝達関数でモ
デル化できることが判っている。この解析には前記AR
MA解析を用いる。このため,先ずその伝達関数を離散
化して得られる次式で表す3つのパラメータを推定した
後,その推定値を用いて減衰係数を演算する。
推定装置7bx では,逐次型最小二乗法を用いて,ミル
モータ8の速度修正量とルーパ角度のオンラインデータ
とより減衰係数を演算する。例えば,鉄鋼の熱間仕上圧
延機の場合,実機データの解析により,上記制御系(ル
ーパ高さ系)は2次遅れ+むだ時間という伝達関数でモ
デル化できることが判っている。この解析には前記AR
MA解析を用いる。このため,先ずその伝達関数を離散
化して得られる次式で表す3つのパラメータを推定した
後,その推定値を用いて減衰係数を演算する。
【数5】
【数6】
【0021】ここに,p1 ,p2 ,p3 は推定するパラ
メータy〔・〕はルーパ角度,u〔・〕はミルモータの
速度修正量,kはステップ数,Lは無駄時間,Tはサン
プリング間隔,{・}はガウス記号,ζは減衰係数であ
る。被圧延材2が連続圧延機に達する前に予め,このパ
ラメータ推定装置7bx により上記減衰係数の変動範囲
を把握し,減衰係数がその変動範囲内のいくつかの値を
とった場合の上記制御系の比例動作要素及び積分動作要
素の制御ゲインを計算しテーブルとして,図示しないメ
モリに記憶しておく。 [補間型PIコントローラ7cx ]圧延中に上記安定度
演算装置7ax により演算された安定度がしきい値未満
ならば,予め記憶しておいた静的な比例動作要素及び積
分動作要素の制御ゲインを制御に用い,ルーパ3の位置
が設定位置となるように必要なミルモータ8の速度修正
量を演算する。また,上記安定度がしきい値以上なら
ば,上記パラメータメータ推定装置7bx により演算さ
れた減衰係数と,上記メモリに予め記憶しておいたテー
ブルの比例動作要素及び積分動作要素の制御ゲインを基
にして制御に用いる比例動作要素及び積分動作要素の動
作を線形補間により演算し,ルーパ3の位置が設定位置
となるように必要なミルモータ8の速度修正量を演算す
る。この補間型PIコントローラ7cx によりミルモー
タ8の速度制御器9に修正信号が送られ,各スタンド
1,1間の被圧延材2の長さを介してルーパ3の位置が
安定にその設定位置に復帰保持するようにフィードバッ
ク制御が実施される。
メータy〔・〕はルーパ角度,u〔・〕はミルモータの
速度修正量,kはステップ数,Lは無駄時間,Tはサン
プリング間隔,{・}はガウス記号,ζは減衰係数であ
る。被圧延材2が連続圧延機に達する前に予め,このパ
ラメータ推定装置7bx により上記減衰係数の変動範囲
を把握し,減衰係数がその変動範囲内のいくつかの値を
とった場合の上記制御系の比例動作要素及び積分動作要
素の制御ゲインを計算しテーブルとして,図示しないメ
モリに記憶しておく。 [補間型PIコントローラ7cx ]圧延中に上記安定度
演算装置7ax により演算された安定度がしきい値未満
ならば,予め記憶しておいた静的な比例動作要素及び積
分動作要素の制御ゲインを制御に用い,ルーパ3の位置
が設定位置となるように必要なミルモータ8の速度修正
量を演算する。また,上記安定度がしきい値以上なら
ば,上記パラメータメータ推定装置7bx により演算さ
れた減衰係数と,上記メモリに予め記憶しておいたテー
ブルの比例動作要素及び積分動作要素の制御ゲインを基
にして制御に用いる比例動作要素及び積分動作要素の動
作を線形補間により演算し,ルーパ3の位置が設定位置
となるように必要なミルモータ8の速度修正量を演算す
る。この補間型PIコントローラ7cx によりミルモー
タ8の速度制御器9に修正信号が送られ,各スタンド
1,1間の被圧延材2の長さを介してルーパ3の位置が
安定にその設定位置に復帰保持するようにフィードバッ
ク制御が実施される。
【0022】以上のような本第2の実施例装置0x を用
いてシミュレーションを行った結果を次に示す。図6は
鉄鋼の熱間仕上げ連続圧延機を想定したシミュレーショ
ン結果である。同図中,(b),(d)は従来の制御装
置0′によるものであるが,(a),(c)は本第2の
実施例装置0x による制御性能を示している。このよう
に本第2の実施例では,従来例に比べて制御系の特性が
変動しても,安定性,応答性に優れた制御性能が保たれ
ることがわかる。即ち,本第2の実施例では,安定度を
計算し,この安定度に応じて制御法を切り替えるため,
入出力信号の安定な圧延で起こる減衰係数の精度不良
(安定な圧延では,信号のパワー不足のため正確なパラ
メータ推定ができないことがある。)による不安定化を
回避できると共に,複数個の減衰係数に対応するゲイン
テーブルを持つことにより,制御ゲインをきめ細かく設
定できる。その結果,本第2の実施例によれば,圧延プ
ロセスの動特性の変化に関係なく,常に制御系を安定に
保ち,かつ高速応答可能なルーパ制御を実現しうる連続
圧延機の制御装置を提供することができ,それにより製
品の品質と歩留りを一層向上させることができる。
いてシミュレーションを行った結果を次に示す。図6は
鉄鋼の熱間仕上げ連続圧延機を想定したシミュレーショ
ン結果である。同図中,(b),(d)は従来の制御装
置0′によるものであるが,(a),(c)は本第2の
実施例装置0x による制御性能を示している。このよう
に本第2の実施例では,従来例に比べて制御系の特性が
変動しても,安定性,応答性に優れた制御性能が保たれ
ることがわかる。即ち,本第2の実施例では,安定度を
計算し,この安定度に応じて制御法を切り替えるため,
入出力信号の安定な圧延で起こる減衰係数の精度不良
(安定な圧延では,信号のパワー不足のため正確なパラ
メータ推定ができないことがある。)による不安定化を
回避できると共に,複数個の減衰係数に対応するゲイン
テーブルを持つことにより,制御ゲインをきめ細かく設
定できる。その結果,本第2の実施例によれば,圧延プ
ロセスの動特性の変化に関係なく,常に制御系を安定に
保ち,かつ高速応答可能なルーパ制御を実現しうる連続
圧延機の制御装置を提供することができ,それにより製
品の品質と歩留りを一層向上させることができる。
【0023】〈第3の発明〉上記第1,第2の実施例は
いずれも連続圧延機の制御装置についての例示である
が,さらに高さや位置の制御を行うフィードバック制御
装置には同様の構成をとるものが多い。第3の発明はそ
のような制御装置についてなされたものであり,以下第
3の発明について述べる。図7に示す如く,第3の発明
の一実施例(第3の実施例)に係る制御装置10は,制
御対象11を含む制御系の伝達関数のパラメータを演算
するパラメータ推定装置12(第2のパラメータ演算手
段に相当)と,上記パラメータ推定装置12により演算
されたパラメータと,予め記憶された減衰係数等のパラ
メータと制御ゲインとの対応関係を表すテーブルとに基
づいて,上記制御系の制御ゲインを設定する補間型PI
コントローラ13(第2の制御ゲイン設定手段に相当)
とより構成されている。本第3の実施例装置10の動作
とその基本原理については上記第1,第2の実施例装置
0,0x と同様である。従って,本第3の実施例によれ
ば制御系の周波数特性の変動の中で特に変動が大きく,
制御系の安定性に影響を与えるパラメータの変動を考慮
することにより,応答特性がよく,且つ安定性にも優れ
たルーパ高さ等の高さや位置の制御を実現することがで
きる。
いずれも連続圧延機の制御装置についての例示である
が,さらに高さや位置の制御を行うフィードバック制御
装置には同様の構成をとるものが多い。第3の発明はそ
のような制御装置についてなされたものであり,以下第
3の発明について述べる。図7に示す如く,第3の発明
の一実施例(第3の実施例)に係る制御装置10は,制
御対象11を含む制御系の伝達関数のパラメータを演算
するパラメータ推定装置12(第2のパラメータ演算手
段に相当)と,上記パラメータ推定装置12により演算
されたパラメータと,予め記憶された減衰係数等のパラ
メータと制御ゲインとの対応関係を表すテーブルとに基
づいて,上記制御系の制御ゲインを設定する補間型PI
コントローラ13(第2の制御ゲイン設定手段に相当)
とより構成されている。本第3の実施例装置10の動作
とその基本原理については上記第1,第2の実施例装置
0,0x と同様である。従って,本第3の実施例によれ
ば制御系の周波数特性の変動の中で特に変動が大きく,
制御系の安定性に影響を与えるパラメータの変動を考慮
することにより,応答特性がよく,且つ安定性にも優れ
たルーパ高さ等の高さや位置の制御を実現することがで
きる。
【0024】〈第4の発明〉上記第1〜第3の実施例で
は,いずれも予め記憶された複数個の減衰係数を線形補
間することにより,制御ゲインを設定するいわゆる補間
制御を行っている。これに対し,第4の発明では,周知
の適応制御技術を応用して制御ゲインを設定する。以下
第4の発明について述べる。図8に示す如く,第4の発
明の一実施例(第4の実施例)に係る連続圧延機の制御
装置0y は,タンデム配置されたローラスタンド1,1
により圧延される被圧延材2に張力を与えるルーパ3の
位置をルーパ角度検出器5により検出し,この検出デー
タに基づいてスタンド1,1のローラ速度を修正する信
号をミルモータ8の速度制御器9に発する制御系を具備
している点で従来例と同様である。しかし,本第4の実
施例では,上記ルーパ位置の検出データに基づいて上記
ルーパ位置の安定度を演算する安定度演算装置7a
y (第2の安定度演算手段に相当)と,上記ローラ速度
の修正量と上記ルーパ位置の検出データとに基づいて上
記制御系の伝達関数のパラメータを演算するパラメータ
推定装置7by (第3のパラメータ演算手段に相当)
と,上記安定度演算装置7ax により演算された安定度
がしきい値を超えたときに,上記パラメータ推定装置7
by により演算されたパラメータを用いた伝達関数の動
特性に基づいて上記制御系の制御ゲインをオンラインで
設定する適応コントローラ7cy (第3の制御ゲイン設
定手段に相当)とを具備している点で従来例と異なる。
さらに,制御ゲインの設定にはいわゆる部分的モデルマ
ッチング法を用いることとしてもよく,この点でも従来
例と異なる。
は,いずれも予め記憶された複数個の減衰係数を線形補
間することにより,制御ゲインを設定するいわゆる補間
制御を行っている。これに対し,第4の発明では,周知
の適応制御技術を応用して制御ゲインを設定する。以下
第4の発明について述べる。図8に示す如く,第4の発
明の一実施例(第4の実施例)に係る連続圧延機の制御
装置0y は,タンデム配置されたローラスタンド1,1
により圧延される被圧延材2に張力を与えるルーパ3の
位置をルーパ角度検出器5により検出し,この検出デー
タに基づいてスタンド1,1のローラ速度を修正する信
号をミルモータ8の速度制御器9に発する制御系を具備
している点で従来例と同様である。しかし,本第4の実
施例では,上記ルーパ位置の検出データに基づいて上記
ルーパ位置の安定度を演算する安定度演算装置7a
y (第2の安定度演算手段に相当)と,上記ローラ速度
の修正量と上記ルーパ位置の検出データとに基づいて上
記制御系の伝達関数のパラメータを演算するパラメータ
推定装置7by (第3のパラメータ演算手段に相当)
と,上記安定度演算装置7ax により演算された安定度
がしきい値を超えたときに,上記パラメータ推定装置7
by により演算されたパラメータを用いた伝達関数の動
特性に基づいて上記制御系の制御ゲインをオンラインで
設定する適応コントローラ7cy (第3の制御ゲイン設
定手段に相当)とを具備している点で従来例と異なる。
さらに,制御ゲインの設定にはいわゆる部分的モデルマ
ッチング法を用いることとしてもよく,この点でも従来
例と異なる。
【0025】図9は本第4の実施例の部分構成を示すブ
ロック図であり,ルーパ位置を設定位置に制御する制御
信号の流れを示している。以下,本第4の実施例装置0
y の動作とその基本原理について図8,9を参照しつつ
説明する。図8において,各スタンド1,1間の被圧延
材2の張力が適切な値となるように,ルーパ3にはルー
パモータ4により適当なトルクが与えられている。ルー
パ高さは,ルーパ角度検出器5により検出したルーパ位
置とルーパ位置設定器6により設定されたルーパ設定位
置との偏差に基づき,ルーパ位置制御装置7y における
安定度演算装置7ay ,パラメータ推定装置7by 及び
適応コントローラ7cy によって隣接スタンドの圧延速
度(ローラ速度に相当)を修正するように制御される。
ここで,本第4の発明の特徴をなす安定度演算装置7a
y ,パラメータ推定装置7by 及び適応コントローラ7
cy について詳述する。
ロック図であり,ルーパ位置を設定位置に制御する制御
信号の流れを示している。以下,本第4の実施例装置0
y の動作とその基本原理について図8,9を参照しつつ
説明する。図8において,各スタンド1,1間の被圧延
材2の張力が適切な値となるように,ルーパ3にはルー
パモータ4により適当なトルクが与えられている。ルー
パ高さは,ルーパ角度検出器5により検出したルーパ位
置とルーパ位置設定器6により設定されたルーパ設定位
置との偏差に基づき,ルーパ位置制御装置7y における
安定度演算装置7ay ,パラメータ推定装置7by 及び
適応コントローラ7cy によって隣接スタンドの圧延速
度(ローラ速度に相当)を修正するように制御される。
ここで,本第4の発明の特徴をなす安定度演算装置7a
y ,パラメータ推定装置7by 及び適応コントローラ7
cy について詳述する。
【0026】[安定度演算装置7ay ]安定度演算装置
7ay では,次式を用いて上記ルーパ角度(ルーパ位置
に相当)の安定度を演算する。
7ay では,次式を用いて上記ルーパ角度(ルーパ位置
に相当)の安定度を演算する。
【数7】 ここに,J〔・〕はルーパ角度の安定度,y〔・〕はル
ーパ角度,kはステップ数,λは忘却関数‖・‖は絶対
値である。この指標は,ルーパ角度の加速度の大きさの
積分に相当する。このように加速度情報を用いるのは,
ルーパ角度の変動の中からバイアス及び緩やかなトレン
ドを無視し,振動的な成分のみを抽出するためである。
上記安定度演算装置7ay の演算結果がしきい値より小
さければ,制御系は安定であるとみなし,予め記憶され
た静的な制御ゲインが設定され,しきい値以上ならば,
上記パラメータ推定装置7by により演算された伝達関
数に基づいて上記制御系の制御ゲインが動的に設定され
る。即ち,安定度演算装置7ay は上記第2の実施例に
おける安定度演算装置7ax と同様の動作を行う。
ーパ角度,kはステップ数,λは忘却関数‖・‖は絶対
値である。この指標は,ルーパ角度の加速度の大きさの
積分に相当する。このように加速度情報を用いるのは,
ルーパ角度の変動の中からバイアス及び緩やかなトレン
ドを無視し,振動的な成分のみを抽出するためである。
上記安定度演算装置7ay の演算結果がしきい値より小
さければ,制御系は安定であるとみなし,予め記憶され
た静的な制御ゲインが設定され,しきい値以上ならば,
上記パラメータ推定装置7by により演算された伝達関
数に基づいて上記制御系の制御ゲインが動的に設定され
る。即ち,安定度演算装置7ay は上記第2の実施例に
おける安定度演算装置7ax と同様の動作を行う。
【0027】[パラメータ推定装置7by ]パラメータ
推定装置7by では,逐次型最小二乗法を用いて,ミル
モータ8の速度修正量とルーパ角度のオンラインデータ
とよりこれらのデータ間の伝達関数のパラメータを演算
する。例えば,鉄鋼の熱間仕上げ圧延機の場合,実機デ
ータの解析により,上記制御系(ルーパ高さ系)は2次
遅れ+むだ時間という伝達関数でモデル化できることが
わかっており,むだ時間は一定と考えてよいので2次遅
れ部分のパラメータである減衰係数,共振周波数及び定
常ゲインを推定することになる。この解析にも前記AR
MA解析を用いる。このため,まずその伝達関数を離散
化して得られる次式で表す3つのパラメータを推定し,
その後それらの推定値を用いて減衰係数,共振周波数及
び定常ゲインを演算する。
推定装置7by では,逐次型最小二乗法を用いて,ミル
モータ8の速度修正量とルーパ角度のオンラインデータ
とよりこれらのデータ間の伝達関数のパラメータを演算
する。例えば,鉄鋼の熱間仕上げ圧延機の場合,実機デ
ータの解析により,上記制御系(ルーパ高さ系)は2次
遅れ+むだ時間という伝達関数でモデル化できることが
わかっており,むだ時間は一定と考えてよいので2次遅
れ部分のパラメータである減衰係数,共振周波数及び定
常ゲインを推定することになる。この解析にも前記AR
MA解析を用いる。このため,まずその伝達関数を離散
化して得られる次式で表す3つのパラメータを推定し,
その後それらの推定値を用いて減衰係数,共振周波数及
び定常ゲインを演算する。
【数8】
【数9】
【0028】
【数10】
【数11】 ここに,p1,p2,p3は推定するパラメータ,y
〔・〕はルーパ角度,u〔・〕はミルモータの速度修正
量,kはステップ数,Lはむだ時間,Tはサンプリング
間隔,{・}はガウス記号,ζは減衰係数,wn は共振
周波数,k1 は定常ゲインである。 [適応コントローラ7cy ]圧延中に上記安定度演算装
置7ay により演算された安定度がしきい値未満なら
ば,予め記憶しておいた静的な比例動作要素及び積分要
素の制御ゲインを制御に用い,ルーパ3の位置が設定位
置となるように必要なミルモータ8の速度修正量を演算
する。また,上記安定度がしきい値以上ならば上記パラ
メータ推定装置7by により演算された伝達関数のパラ
メータと周知の部分的モデルマッチング法を用いて決定
したI−Pコントローラの比例動作要素及び積分動作要
素の制御ゲインを制御に用い,ルーパ3の位置が設定位
置となるように必要なミルモータ8の速度修正量を演算
する。
〔・〕はルーパ角度,u〔・〕はミルモータの速度修正
量,kはステップ数,Lはむだ時間,Tはサンプリング
間隔,{・}はガウス記号,ζは減衰係数,wn は共振
周波数,k1 は定常ゲインである。 [適応コントローラ7cy ]圧延中に上記安定度演算装
置7ay により演算された安定度がしきい値未満なら
ば,予め記憶しておいた静的な比例動作要素及び積分要
素の制御ゲインを制御に用い,ルーパ3の位置が設定位
置となるように必要なミルモータ8の速度修正量を演算
する。また,上記安定度がしきい値以上ならば上記パラ
メータ推定装置7by により演算された伝達関数のパラ
メータと周知の部分的モデルマッチング法を用いて決定
したI−Pコントローラの比例動作要素及び積分動作要
素の制御ゲインを制御に用い,ルーパ3の位置が設定位
置となるように必要なミルモータ8の速度修正量を演算
する。
【0029】ここに,部分的モデルマッチング法とは以
下の手法をいう(北森 俊行著「制御系の設計」,オー
ム社出版参照)。 (1)制御対象をインパルス応答のモーメント系列で表
現した時,低次のモーメントは応答曲線の形状を決める
のに支配的な役割を果たしている。 (2)制御対象の伝達関数の逆数を演算子S=0まわり
で Maclaurin展開して次式で表すと,i次までのモーメ
ントに含まれる情報は全てパラメータC0 ,…Ci に含
まれる。
下の手法をいう(北森 俊行著「制御系の設計」,オー
ム社出版参照)。 (1)制御対象をインパルス応答のモーメント系列で表
現した時,低次のモーメントは応答曲線の形状を決める
のに支配的な役割を果たしている。 (2)制御対象の伝達関数の逆数を演算子S=0まわり
で Maclaurin展開して次式で表すと,i次までのモーメ
ントに含まれる情報は全てパラメータC0 ,…Ci に含
まれる。
【数12】 (3)部分的モデルマッチング法は上記性質を利用し,
対象とする制御系のパラメータC0 ,…Ci を望ましい
値(例えば{1,1,0.5,0.15,…}が望まし
いといわれている。)にマッチングさせる。つまり低次
モーメントだけを望ましい値に調整しようというもので
ある。 (4)この部分的モデルマッチング法によれば,制御対
象の完全な知識を使っているわけではないので,モデル
化に失敗することもあるが,制御対象の次数に依存せ
ず,制御ゲインを解析的に求めることができる。
対象とする制御系のパラメータC0 ,…Ci を望ましい
値(例えば{1,1,0.5,0.15,…}が望まし
いといわれている。)にマッチングさせる。つまり低次
モーメントだけを望ましい値に調整しようというもので
ある。 (4)この部分的モデルマッチング法によれば,制御対
象の完全な知識を使っているわけではないので,モデル
化に失敗することもあるが,制御対象の次数に依存せ
ず,制御ゲインを解析的に求めることができる。
【0030】上記適応コントローラ7cy の構造は常に
図10に示すような形となり,制御ゲインだけが変化す
る。この適応コントローラ7cy によりミルモータ8の
速度制御器9に修正信号が送られ,各スタンド1,1間
の被圧延材2の長さを介してルーパ3の位置が安定にそ
の設定位置に復帰保持するようにフィードバック制御が
実施される。この動作のフローを図11に示した。以上
のような本第4の実施例装置0y を用いてシミュレーシ
ョンを行った結果を図12に示す。図12は鉄鋼の熱間
仕上げ連続圧延機を想定したシミュレーション結果であ
る。同図中,(a)は従来の制御装置0′によるもので
あるが,(b)は本第4の実施例装置0y による制御性
能を示している。このように本第4の実施例では,従来
例に比べて制御系の特性が変動しても,安定性,応答性
に優れた制御性能が保たれることがわかる。
図10に示すような形となり,制御ゲインだけが変化す
る。この適応コントローラ7cy によりミルモータ8の
速度制御器9に修正信号が送られ,各スタンド1,1間
の被圧延材2の長さを介してルーパ3の位置が安定にそ
の設定位置に復帰保持するようにフィードバック制御が
実施される。この動作のフローを図11に示した。以上
のような本第4の実施例装置0y を用いてシミュレーシ
ョンを行った結果を図12に示す。図12は鉄鋼の熱間
仕上げ連続圧延機を想定したシミュレーション結果であ
る。同図中,(a)は従来の制御装置0′によるもので
あるが,(b)は本第4の実施例装置0y による制御性
能を示している。このように本第4の実施例では,従来
例に比べて制御系の特性が変動しても,安定性,応答性
に優れた制御性能が保たれることがわかる。
【0031】即ち,本第4の実施例では,安定度を計算
し,安定度に応じて制御法を切り替えるため,入出力信
号の安定な圧延で起こる伝達関数のパラメータの精度不
良(安定な圧延では,信号のパワー不足のため正確なパ
ラメータ推定ができないことがある。)による不安定化
を回避できる。この点は上記第2の実施例と同様であ
る。また,制御系の周波数特性の変動により,制御系の
安定性が崩れた場合に,制御系の伝達関数を動的に考慮
することにより,応答特性がよく,且つ安定性にも優れ
たルーパ高さ制御を実現することができる。その結果,
本第4の実施例によれば,圧延プロセスの動特性の変化
に関係なく,常に制御系を安定に保ち,かつ高速応答可
能なルーパ制御を実現しうる連続圧延機の制御装置を提
供することができ,それにより製品の品質と歩留りを一
層向上させることができる。 〈第5の発明〉上記第1〜第3の実施例では補間制御を
用い,上記第4の実施例では適応制御を用いている。こ
の内,適応制御は,システムの特性をオンラインで正確
に把握することが前提になっているが,オンライン化が
困難な場合は,制御性能がかえって悪化するため,その
ような場合には,補間制御の方が望ましい。
し,安定度に応じて制御法を切り替えるため,入出力信
号の安定な圧延で起こる伝達関数のパラメータの精度不
良(安定な圧延では,信号のパワー不足のため正確なパ
ラメータ推定ができないことがある。)による不安定化
を回避できる。この点は上記第2の実施例と同様であ
る。また,制御系の周波数特性の変動により,制御系の
安定性が崩れた場合に,制御系の伝達関数を動的に考慮
することにより,応答特性がよく,且つ安定性にも優れ
たルーパ高さ制御を実現することができる。その結果,
本第4の実施例によれば,圧延プロセスの動特性の変化
に関係なく,常に制御系を安定に保ち,かつ高速応答可
能なルーパ制御を実現しうる連続圧延機の制御装置を提
供することができ,それにより製品の品質と歩留りを一
層向上させることができる。 〈第5の発明〉上記第1〜第3の実施例では補間制御を
用い,上記第4の実施例では適応制御を用いている。こ
の内,適応制御は,システムの特性をオンラインで正確
に把握することが前提になっているが,オンライン化が
困難な場合は,制御性能がかえって悪化するため,その
ような場合には,補間制御の方が望ましい。
【0032】即ち,補間制御は理論的な完全さを多少犠
牲にして実施の簡便さをはかったものである。ただし,
「理論的完全さの犠牲」とはいっても、それは実用に耐
えうる程度である。通常,この補間制御は制御の基準的
なゲインは予め与えられているものとの前提にたってい
る。しかし,制御対象の特性変化等を考慮すれば,制御
ゲインは定期的に調整する必要がある。この点に着目し
てなされたのが第5の発明であり,以下第5の発明につ
いて述べる。図13に示す如く,第5の発明の一実施例
(第5の実施例)に係る制御装置20は,制御対象21
に対する入出力データに基づいて該制御対象21を含む
制御系の伝達関数のパラメータを演算するパラメータ推
定装置22(第4のパラメータ演算手段に相当)と,上
記パラメータ推定装置22により演算されたパラメータ
と,予め記憶されたパラメータと制御ゲインとの対応関
係を表すテーブルとに基づいて補間演算することによっ
て上記制御系の制御ゲインを設定する補間型PIコント
ローラ23(第4の制御ゲイン設定手段に相当)と,上
記補間型PIコントローラ23により制御ゲインを設定
する際の上記制御系のハンチング発生による補間演算の
頻度を演算する補間頻度演算装置24(補間頻度演算手
段に相当)と,上記補間頻度演算装置24により演算さ
れた補間演算の頻度に応じて上記テーブルの記憶内容を
変化させるテーブル記憶内容変更装置25(対応関係変
化手段に相当)とから構成されている。
牲にして実施の簡便さをはかったものである。ただし,
「理論的完全さの犠牲」とはいっても、それは実用に耐
えうる程度である。通常,この補間制御は制御の基準的
なゲインは予め与えられているものとの前提にたってい
る。しかし,制御対象の特性変化等を考慮すれば,制御
ゲインは定期的に調整する必要がある。この点に着目し
てなされたのが第5の発明であり,以下第5の発明につ
いて述べる。図13に示す如く,第5の発明の一実施例
(第5の実施例)に係る制御装置20は,制御対象21
に対する入出力データに基づいて該制御対象21を含む
制御系の伝達関数のパラメータを演算するパラメータ推
定装置22(第4のパラメータ演算手段に相当)と,上
記パラメータ推定装置22により演算されたパラメータ
と,予め記憶されたパラメータと制御ゲインとの対応関
係を表すテーブルとに基づいて補間演算することによっ
て上記制御系の制御ゲインを設定する補間型PIコント
ローラ23(第4の制御ゲイン設定手段に相当)と,上
記補間型PIコントローラ23により制御ゲインを設定
する際の上記制御系のハンチング発生による補間演算の
頻度を演算する補間頻度演算装置24(補間頻度演算手
段に相当)と,上記補間頻度演算装置24により演算さ
れた補間演算の頻度に応じて上記テーブルの記憶内容を
変化させるテーブル記憶内容変更装置25(対応関係変
化手段に相当)とから構成されている。
【0033】以下,本第5の実施例装置の動作とその基
本原理について詳述する。尚,ここでは連続圧延機の制
御を例にとって説明するが,前述の如く,本第5の実施
例装置は高さや位置の制御を行うフィードバック制御系
の制御装置であれば連続圧延機の制御以外にも適用可能
である。一般にPIコントローラの制御ゲインは,
(1)応答の即応性の観点からは高い方が好ましい。
(2)制御ゲインを高くすると安定性がそこなわれる。
という二つの競合する基準を考慮して決定する必要があ
る。ルーパ位置の制御系の制御ゲイン決定で難しいの
は,被圧延材である一本のコイルの圧延中であっても,
材料性質,環境条件(板温度,板成分,圧延速度など)
によってプロセスの特性が変動することである。そのた
め,圧延最中で,コントローラの制御ゲインが相対的に
高くなりすぎ,突然ルーパ位置の制御系が不安定とな
り,図14(a)に示すようにルーパがハンチングと呼
ばれる振動的を挙動を始めることがある。このハンチン
グ発生により,図14(b)に示すようにパラメータ推
定値も変動する。同図中のJは前記(4)式の安定度,
p1 ,p2,p3 は前記(1),(5)式の推定パラメ
ータである。このような不安定現象が生じると,一般的
にはコントローラの制御ゲインを下げることになる。し
かし,かかるゲイン調整は,制御ゲインを下げる方向に
のみ行われるため,全体的に制御ゲインが小さくなる一
方であり,速応性が劣化するという問題が生じる。
本原理について詳述する。尚,ここでは連続圧延機の制
御を例にとって説明するが,前述の如く,本第5の実施
例装置は高さや位置の制御を行うフィードバック制御系
の制御装置であれば連続圧延機の制御以外にも適用可能
である。一般にPIコントローラの制御ゲインは,
(1)応答の即応性の観点からは高い方が好ましい。
(2)制御ゲインを高くすると安定性がそこなわれる。
という二つの競合する基準を考慮して決定する必要があ
る。ルーパ位置の制御系の制御ゲイン決定で難しいの
は,被圧延材である一本のコイルの圧延中であっても,
材料性質,環境条件(板温度,板成分,圧延速度など)
によってプロセスの特性が変動することである。そのた
め,圧延最中で,コントローラの制御ゲインが相対的に
高くなりすぎ,突然ルーパ位置の制御系が不安定とな
り,図14(a)に示すようにルーパがハンチングと呼
ばれる振動的を挙動を始めることがある。このハンチン
グ発生により,図14(b)に示すようにパラメータ推
定値も変動する。同図中のJは前記(4)式の安定度,
p1 ,p2,p3 は前記(1),(5)式の推定パラメ
ータである。このような不安定現象が生じると,一般的
にはコントローラの制御ゲインを下げることになる。し
かし,かかるゲイン調整は,制御ゲインを下げる方向に
のみ行われるため,全体的に制御ゲインが小さくなる一
方であり,速応性が劣化するという問題が生じる。
【0034】ここで制御ゲインの適切なニューニングに
は以下の二点が必須である。 (1)対象プロセスの正確なモデル (2)ゲイン規範のための規範 そしてゲインチューニング方法として従来,例えば,次
のような方法が用いられていた。 (1)ゲイン調整規範として,予め好ましい規範モデル
を設定する(例えば,極の位置など)。 (2)制御対象のモデルをオンラインで同定し,制御系
が規範モデルに一致する(例えば,極が予め決められた
位置になる)ように制御系のパラメータを調整する。こ
のような方法は,実用的には,以下のような問題点があ
る。 (1)対象プロセスのモデルを同定するには,十分なパ
ワーを持った周波数を十分な数だけ含む信号を制御系に
入力する必要がある(sufficient rich 条件)。しか
し,実際の操業において,定常状態ではsufficient ric
h な入力信号を得られず,同定用にわざわざ入力するこ
ともできない。操業の外乱になるからである。従って,
精度のよいプロセスモデルを常時確保するのは難しい。
は以下の二点が必須である。 (1)対象プロセスの正確なモデル (2)ゲイン規範のための規範 そしてゲインチューニング方法として従来,例えば,次
のような方法が用いられていた。 (1)ゲイン調整規範として,予め好ましい規範モデル
を設定する(例えば,極の位置など)。 (2)制御対象のモデルをオンラインで同定し,制御系
が規範モデルに一致する(例えば,極が予め決められた
位置になる)ように制御系のパラメータを調整する。こ
のような方法は,実用的には,以下のような問題点があ
る。 (1)対象プロセスのモデルを同定するには,十分なパ
ワーを持った周波数を十分な数だけ含む信号を制御系に
入力する必要がある(sufficient rich 条件)。しか
し,実際の操業において,定常状態ではsufficient ric
h な入力信号を得られず,同定用にわざわざ入力するこ
ともできない。操業の外乱になるからである。従って,
精度のよいプロセスモデルを常時確保するのは難しい。
【0035】(2)制御系に加わる外乱は,システム同
定にとっても外乱となる。システム同定の安定性と速応
性もまたトレードオフの関係にあり,制御ゲインの調整
に加え,新たな調整問題が生じる。 (3)システム同定の過渡状態において,制御ゲインも
過渡的に変化するが,そのような過渡状態における安定
性の確保の保証が難しい。過渡状態は,操業にとっては
外乱となるからである。 (4)規範モデルの選び方によっては,制御器の次数が
高くなり,設計,調整が難しくなり,計算における安定
性の確保が難しくなる。例えば,よりrichな入力信号が
必要になる,外乱に弱くなるなどとなる。このような問
題点を考慮し,実現しやすさと適応機能のバランスをと
った手法が上記第1〜第3の実施例におけるような補間
制御である。ここでは, (1)予め代表的な制御パラメータを複数の状況に対し
てテーブルとして用意しておく。 (2)現在の状況が,上記テーブル中のどの状況に類似
しているかを判断し,適切な制御パラメータを選択す
る。あるいは,複数の制御パラメータを,類似度合いに
応じて補間する。
定にとっても外乱となる。システム同定の安定性と速応
性もまたトレードオフの関係にあり,制御ゲインの調整
に加え,新たな調整問題が生じる。 (3)システム同定の過渡状態において,制御ゲインも
過渡的に変化するが,そのような過渡状態における安定
性の確保の保証が難しい。過渡状態は,操業にとっては
外乱となるからである。 (4)規範モデルの選び方によっては,制御器の次数が
高くなり,設計,調整が難しくなり,計算における安定
性の確保が難しくなる。例えば,よりrichな入力信号が
必要になる,外乱に弱くなるなどとなる。このような問
題点を考慮し,実現しやすさと適応機能のバランスをと
った手法が上記第1〜第3の実施例におけるような補間
制御である。ここでは, (1)予め代表的な制御パラメータを複数の状況に対し
てテーブルとして用意しておく。 (2)現在の状況が,上記テーブル中のどの状況に類似
しているかを判断し,適切な制御パラメータを選択す
る。あるいは,複数の制御パラメータを,類似度合いに
応じて補間する。
【0036】従って,これらの方法には,以下のような
利点がある。 (1)システム同定誤差により,制御パラメータが過剰
に乱れるのを防げる(予め用意された制御パラメータの
範囲内でのみ決定される)。 (2)対象モデルの全てのパラメータを同定するわけで
はないので,同定すべき変数の数がへり,従って推定精
度,推定の安定性も向上する。しかし,問題点として
は, (3)過渡状態(制御パラメータが変化している最中)
における,制御系全体の特性は一定ではない。ただし,
この問題点は,過渡状態は時間的に短いため,それほど
重要なものではない。 また,上記補間制御の効果は,「ハンチングが起こる初
期の段階で,制御ゲインを自動的に弱くし,ハンチング
を押さえる」ことにある。その効果を図15に示す。補
間PI制御では,図15(a)に示すように,ほぼハン
チングを初期段階で押さえているため,人間の目にはほ
とんどハンチングとは気付かない程度になっている。こ
れに対し,従来のPI制御では,図15(b)に示すよ
うに,大きなハンチングが見られる。
利点がある。 (1)システム同定誤差により,制御パラメータが過剰
に乱れるのを防げる(予め用意された制御パラメータの
範囲内でのみ決定される)。 (2)対象モデルの全てのパラメータを同定するわけで
はないので,同定すべき変数の数がへり,従って推定精
度,推定の安定性も向上する。しかし,問題点として
は, (3)過渡状態(制御パラメータが変化している最中)
における,制御系全体の特性は一定ではない。ただし,
この問題点は,過渡状態は時間的に短いため,それほど
重要なものではない。 また,上記補間制御の効果は,「ハンチングが起こる初
期の段階で,制御ゲインを自動的に弱くし,ハンチング
を押さえる」ことにある。その効果を図15に示す。補
間PI制御では,図15(a)に示すように,ほぼハン
チングを初期段階で押さえているため,人間の目にはほ
とんどハンチングとは気付かない程度になっている。こ
れに対し,従来のPI制御では,図15(b)に示すよ
うに,大きなハンチングが見られる。
【0037】このようなゲインを下げる一方のゲイン調
整方法を改善すべく,上記補間制御をベースにゲインを
高めていく点が,本第5の発明の特徴をなす。本第5の
発明の概要は,直観的には,以下のように説明できる。 (1)制御ゲインが高すぎてハンチングが起こりかける
と補間制御が作動し,それを押さえてくれるので,安心
して制御ゲインをあげられる。 (2)しかし,頻繁に補間制御が作動するのは,制御ゲ
インが高すぎるということである。 (3)そこで,各鋼種(例えば,仕上げ厚み,幅,強度
でコイルを分類している)毎に,どれくらいの頻度で補
間制御が作動したかを監視する。 (4)もし,現時点で作動頻度が,所定のしきい値より
低ければ,ある比率で制御ゲインをあげる。逆に,作動
頻度が,所定のしきい値より高ければ,ある頻度で制御
ゲインを下げる。ここで,コントローラの伝達関数が, Kp(1+(1/Ti)(1/s)) で与えられるとする(PI制御)。ここで,Kp,Ti
は制御パラメータである。ここでのゲインチューニング
は,Kpにある定数g,hを乗じることにより決定す
る。
整方法を改善すべく,上記補間制御をベースにゲインを
高めていく点が,本第5の発明の特徴をなす。本第5の
発明の概要は,直観的には,以下のように説明できる。 (1)制御ゲインが高すぎてハンチングが起こりかける
と補間制御が作動し,それを押さえてくれるので,安心
して制御ゲインをあげられる。 (2)しかし,頻繁に補間制御が作動するのは,制御ゲ
インが高すぎるということである。 (3)そこで,各鋼種(例えば,仕上げ厚み,幅,強度
でコイルを分類している)毎に,どれくらいの頻度で補
間制御が作動したかを監視する。 (4)もし,現時点で作動頻度が,所定のしきい値より
低ければ,ある比率で制御ゲインをあげる。逆に,作動
頻度が,所定のしきい値より高ければ,ある頻度で制御
ゲインを下げる。ここで,コントローラの伝達関数が, Kp(1+(1/Ti)(1/s)) で与えられるとする(PI制御)。ここで,Kp,Ti
は制御パラメータである。ここでのゲインチューニング
は,Kpにある定数g,hを乗じることにより決定す
る。
【0038】(1)今,鋼種毎の基準ゲイン(通常時に
用いるゲイン)Kp,Tiが与えられているとする。 (2)また, g=1.05 h=1/g と決められているとする。 (3)過去1か月(パラメータx1)における補間動作
の作動頻度をrとする。この作動頻度rの値は,自動的
に計算される。この時,以下のロジックで制御ゲインを
チューニングする。 (1)もし,作動頻度rが5%(パラメータX2)以下
であれば,基準ゲインKpに定数gを乗じる。 (2)もし,作動頻度rが10%(パラメータX3)以
上であれば,基準ゲインKpに定数hを乗じる。 このようなチューニングを一週間(パラメータX4)に
一度行う。ここで,以下のパラメータは,状況に応じて
ユーザが調整するものとする。 (1)制御ゲインの増加・現象を行う定数g,h (2)補間制御の作動を計算するデータの範囲を決定す
るパラメータX1 (3)制御ゲインの増加,現象のトリガーとなる作動頻
度rのしきい値パラメータX2,X3 (4)調整の間隔を決定するパラメータX4
用いるゲイン)Kp,Tiが与えられているとする。 (2)また, g=1.05 h=1/g と決められているとする。 (3)過去1か月(パラメータx1)における補間動作
の作動頻度をrとする。この作動頻度rの値は,自動的
に計算される。この時,以下のロジックで制御ゲインを
チューニングする。 (1)もし,作動頻度rが5%(パラメータX2)以下
であれば,基準ゲインKpに定数gを乗じる。 (2)もし,作動頻度rが10%(パラメータX3)以
上であれば,基準ゲインKpに定数hを乗じる。 このようなチューニングを一週間(パラメータX4)に
一度行う。ここで,以下のパラメータは,状況に応じて
ユーザが調整するものとする。 (1)制御ゲインの増加・現象を行う定数g,h (2)補間制御の作動を計算するデータの範囲を決定す
るパラメータX1 (3)制御ゲインの増加,現象のトリガーとなる作動頻
度rのしきい値パラメータX2,X3 (4)調整の間隔を決定するパラメータX4
【0039】このように,本第5の実施例よれば,安定
性を確保できる範囲内で制御ゲインをその増加をも含め
て自動調整することにより,応答特性がよく,且つ安定
性にも優れた高さや位置の制御を実現することができ
る。 〈変形例〉上記第1,2,3及び5の実施例では,いず
れもベースとなるコントローラはPI型のコントローラ
を用いているが,この代わりにPID型のコントローラ
を用いてもよい。以下,そのような変形例について略述
する。今,コントローラの伝達関数が, Kp(1+(1/Ti)(1/s)+Tds) で与えられるとする(PID制御)。ここで,KpはP
IDゲイン,Tiは積分時定数,Tdは微分時定数であ
り,それらを複数組用意する。例えば,ここでは次の2
組を用意する。 セット1:PS1=(Kp1 ,Ti1 ,Td1 ) セット2:PS2=(Kp2 ,Ti2 ,Td2 ) このうち,セット1(PS1)を通常使用する制御ゲイ
ンとし,セット2(PS2)はセット1(PS1)のP
IDゲインを50%減じたもの(Kp2 =0.5K
p1 )とする。
性を確保できる範囲内で制御ゲインをその増加をも含め
て自動調整することにより,応答特性がよく,且つ安定
性にも優れた高さや位置の制御を実現することができ
る。 〈変形例〉上記第1,2,3及び5の実施例では,いず
れもベースとなるコントローラはPI型のコントローラ
を用いているが,この代わりにPID型のコントローラ
を用いてもよい。以下,そのような変形例について略述
する。今,コントローラの伝達関数が, Kp(1+(1/Ti)(1/s)+Tds) で与えられるとする(PID制御)。ここで,KpはP
IDゲイン,Tiは積分時定数,Tdは微分時定数であ
り,それらを複数組用意する。例えば,ここでは次の2
組を用意する。 セット1:PS1=(Kp1 ,Ti1 ,Td1 ) セット2:PS2=(Kp2 ,Ti2 ,Td2 ) このうち,セット1(PS1)を通常使用する制御ゲイ
ンとし,セット2(PS2)はセット1(PS1)のP
IDゲインを50%減じたもの(Kp2 =0.5K
p1 )とする。
【0040】そして,ハンチング発生時には制御ゲイン
をセット1(PS1)からセット2(PS2)に切り替
えればよい。また補間制御は次のように行うこととすれ
ばよい。このときは,PIDゲインを,次式で与える。 Kp^=(1−γ)Kp1 +γKp2 ,(0<γ<1) …(8) ここに,Kp^はPIDゲインの補間演算値,γは正常
状態とハンチング状態への移行度合を表すパラメータで
ある。上記1,2,3及び5の実施例では,制御パラメ
ータをシステム同定結果に基づいて決定していたが,こ
のパラメータγの決定においては必ずしもその必要はな
い。例えば,このパラメータγは前記(4)式の安定度
Jに基づいて決定することもできる。即ち,図16に示
すように安定度Jの値に対してパラメータγを決定し,
それにより上記(8)式を用いてPIDゲインを補間演
算することができる。以上のように,いずれの実施例に
おいても,制御系の動特性の変化に関係なく,常に該制
御系を安定に保ち,かつ高速応答可能な高さや位置の制
御を実現することができる。
をセット1(PS1)からセット2(PS2)に切り替
えればよい。また補間制御は次のように行うこととすれ
ばよい。このときは,PIDゲインを,次式で与える。 Kp^=(1−γ)Kp1 +γKp2 ,(0<γ<1) …(8) ここに,Kp^はPIDゲインの補間演算値,γは正常
状態とハンチング状態への移行度合を表すパラメータで
ある。上記1,2,3及び5の実施例では,制御パラメ
ータをシステム同定結果に基づいて決定していたが,こ
のパラメータγの決定においては必ずしもその必要はな
い。例えば,このパラメータγは前記(4)式の安定度
Jに基づいて決定することもできる。即ち,図16に示
すように安定度Jの値に対してパラメータγを決定し,
それにより上記(8)式を用いてPIDゲインを補間演
算することができる。以上のように,いずれの実施例に
おいても,制御系の動特性の変化に関係なく,常に該制
御系を安定に保ち,かつ高速応答可能な高さや位置の制
御を実現することができる。
【0041】
【発明の効果】第1〜第5の発明に係る制御装置は,上
記したように構成されているため,いずれも制御系の動
特性の変化に関係なく,常に該制御系を安定に保ち,か
つ高速応答可能な高さや位置の制御を実現することがで
きる。
記したように構成されているため,いずれも制御系の動
特性の変化に関係なく,常に該制御系を安定に保ち,か
つ高速応答可能な高さや位置の制御を実現することがで
きる。
【図1】 第1の発明の一実施例(第1の実施例)に係
る連続圧延機の制御装置0の概略構成を示す模式図。
る連続圧延機の制御装置0の概略構成を示す模式図。
【図2】 ルーパ位置制御装置7への入出力関係を示す
説明図。
説明図。
【図3】 制御装置0′及び0による各ルーパ角度の制
御性能を示す比較図。
御性能を示す比較図。
【図4】 第2の発明の一実施例(第2の実施例)に係
る連続圧延機の制御装置0x の概略構成を示す模式図。
る連続圧延機の制御装置0x の概略構成を示す模式図。
【図5】 ルーパ位置制御装置7x への入出力関係を示
す説明図。
す説明図。
【図6】 制御装置0′及び0x による各ルーパ角度の
制御性能を示す比較図。
制御性能を示す比較図。
【図7】 第3の発明の一実施例(第3の実施例)に係
る制御装置10の概略構成を示す模式図。
る制御装置10の概略構成を示す模式図。
【図8】 第4の発明の一実施例(第4の実施例)に係
る連続圧延機の制御装置0y の概略構成を示す模式図。
る連続圧延機の制御装置0y の概略構成を示す模式図。
【図9】 ルーパ位置制御装置7y への入出力関係を示
す説明図。
す説明図。
【図10】 I−P制御系のブロック線図。
【図11】 制御装置0y による動作手順を示すフロー
図。
図。
【図12】 制御装置0′及び0y による各ルーパ角度
の制御性能を示す比較図。
の制御性能を示す比較図。
【図13】 第5の発明の一実施例(第5の実施例)に
係る制御装置20の概略構成を示す模式図。
係る制御装置20の概略構成を示す模式図。
【図14】 ハンチング例を示す説明図。
【図15】 補間制御の効果を示す説明図。
【図16】 変形例におけるパラメータ補間方法を示す
説明図。
説明図。
【図17】 ルーパ設備の概略構成図。
【図18】 従来の連続圧延機の制御装置0′の一例に
おける概略構成を示す模式図。
おける概略構成を示す模式図。
【図19】 PIコントローラのブロック線図。
0…第1の発明に係る連続圧延機の制御装置 1…ロールスタンド 2…被圧延材 3…ルーパ 7a…パラメータ推定装置(演算手段に相当) 7b…補間型PIコントローラ(制御ゲイン設定手段に
相当) 0x …第2の発明に係る連続圧延機の制御装置 7ax …安定度演算装置(第1の安定度演算手段に相
当) 7bx …パラメータ推定装置(第1のパラメータ演算手
段に相当) 7cx …補間型PIコントローラ(第1の制御ゲイン設
定手段に相当) 0x …第2の発明に係る連続圧延機の制御装置 7ax …安定度演算装置(第1の安定度演算手段に相
当) 7bx …パラメータ推定装置(第1のパラメータ演算手
段に相当) 7cx …補間型PIコントローラ(第1の制御ゲイン設
定手段に相当) 10…第3の発明に係る制御装置 11…制御対象 12…パラメータ推定装置(第2のパラメータ演算手段
に相当) 13…補間型PIコントローラ(第2の制御ゲイン設定
手段に相当) 0y …第4の発明に係る連続圧延機の制御装置 1…ロールスタンド 2…被圧延材 3…ルーパ 7ay …安定度演算装置(第2の安定度演算手段に相
当) 7by …パラメータ推定装置(第3のパラメータ演算手
段に相当) 7cy …補間型PIコントローラ(第3の制御ゲイン設
定手段に相当) 20…第5の発明に係る制御装置 21…制御対象 22…パラメータ推定装置(第4のパラメータ演算手段
に相当) 23…補間型PIコントローラ(第4の制御ゲイン設定
手段に相当) 24…補間頻度演算装置(補間頻度演算手段に相当) 25…テーブル記憶内容変更装置(対応関係変化手段に
相当)
相当) 0x …第2の発明に係る連続圧延機の制御装置 7ax …安定度演算装置(第1の安定度演算手段に相
当) 7bx …パラメータ推定装置(第1のパラメータ演算手
段に相当) 7cx …補間型PIコントローラ(第1の制御ゲイン設
定手段に相当) 0x …第2の発明に係る連続圧延機の制御装置 7ax …安定度演算装置(第1の安定度演算手段に相
当) 7bx …パラメータ推定装置(第1のパラメータ演算手
段に相当) 7cx …補間型PIコントローラ(第1の制御ゲイン設
定手段に相当) 10…第3の発明に係る制御装置 11…制御対象 12…パラメータ推定装置(第2のパラメータ演算手段
に相当) 13…補間型PIコントローラ(第2の制御ゲイン設定
手段に相当) 0y …第4の発明に係る連続圧延機の制御装置 1…ロールスタンド 2…被圧延材 3…ルーパ 7ay …安定度演算装置(第2の安定度演算手段に相
当) 7by …パラメータ推定装置(第3のパラメータ演算手
段に相当) 7cy …補間型PIコントローラ(第3の制御ゲイン設
定手段に相当) 20…第5の発明に係る制御装置 21…制御対象 22…パラメータ推定装置(第4のパラメータ演算手段
に相当) 23…補間型PIコントローラ(第4の制御ゲイン設定
手段に相当) 24…補間頻度演算装置(補間頻度演算手段に相当) 25…テーブル記憶内容変更装置(対応関係変化手段に
相当)
Claims (18)
- 【請求項1】 タンデム配置されたローラスタンドによ
り圧延される被圧延材に張力を与えるルーパの位置を検
出し,該検出データに基づいて上記スタンドのローラ速
度を修正する制御系を具備した連続圧延機の制御装置に
おいて,上記ローラ速度の修正量と上記ルーパ位置の検
出データとに基づいて上記制御系の伝達関数の減衰係数
を演算する演算手段と,上記演算手段により演算された
減衰係数と,予め記憶された減衰係数の最大及び最小値
とに基づいて上記制御系の制御ゲインを設定する制御ゲ
イン設定手段とを具備してなることを特徴とする連続圧
延機の制御装置。 - 【請求項2】 上記伝達関数が2次遅れ要素とむだ時間
要素とからなる請求項1記載の連続圧延機の制御装置。 - 【請求項3】 上記制御系の制御ゲインが比例動作要素
と積分動作要素とからなる請求項1記載の連続圧延機の
制御装置。 - 【請求項4】 上記演算手段による減衰係数の演算に逐
次型最小二乗法を用いる請求項1〜3のいずれかに記載
の連続圧延機の制御装置。 - 【請求項5】 タンデム配置されたローラスタンドによ
り圧延される被圧延材に張力を与えるルーパの位置を検
出し,該検出データに基づいて上記スタンドのローラ速
度を修正する制御系を具備した連続圧延機の制御装置に
おいて,上記ルーパ位置の検出データに基づいて該ルー
パ位置の安定度を演算する第1の安定度演算手段と,上
記ローラ速度の修正量と上記ルーパ位置の検出データと
に基づいて上記制御系の伝達関数の減衰係数を演算する
第1のパラメータ演算手段と,上記第1の安定度演算手
段により演算された安定度がしきい値を超えたときに,
上記第1のパラメータ演算手段により演算された減衰係
数と,予め記憶された減衰係数と制御ゲインとの対応関
係とに基づいて上記制御系の制御ゲインを設定する第1
の制御ゲイン設定手段とを具備してなることを特徴とす
る連続圧延機の制御装置。 - 【請求項6】 上記伝達関数が2次遅れ要素とむだ時間
要素とからなる請求項5記載の連続圧延機の制御装置。 - 【請求項7】 上記制御系の制御ゲインが比例動作要素
と積分動作要素とからなる請求項5記載の連続圧延機の
制御装置。 - 【請求項8】 上記第1のパラメータ演算手段による減
衰係数の演算に逐次型最小二乗法を用いる請求項5〜7
のいずれかに記載の連続圧延機の制御装置。 - 【請求項9】 制御対象に対する入出力データに基づい
て該制御対象を含む制御系の伝達関数のパラメータを演
算する第2のパラメータ演算手段と,上記第2のパラメ
ータ演算手段により演算されたパラメータと,予め記憶
されたパラメータと制御ゲインとの対応関係に基づいて
上記制御系の制御ゲインを設定する第2の制御ゲイン設
定手段とを具備してなる制御装置。 - 【請求項10】 タンデム配置されたローラスタンドに
より圧延される被圧延材に張力を与えるルーパの位置を
検出し,該検出データに基づいて上記スタンドのローラ
速度を修正する制御系を具備した連続圧延機の制御装置
において,上記ルーパ位置の検出データに基づいて該ル
ーパ位置の安定度を演算する第2の安定度演算手段と,
上記ローラ速度の修正量と上記ルーパ位置の検出データ
とに基づいて上記制御系の伝達関数のパラメータを演算
する第3のパラメータ演算手段と,上記第2の安定度演
算手段により演算された安定度がしきい値を超えたとき
に,上記第3のパラメータ演算手段により演算されたパ
ラメータを用いた上記伝達関数の動特性に基づいて上記
制御系の制御ゲインをオンラインで設定する第3の制御
ゲイン設定手段とを具備してなることを特徴とする連続
圧延機の制御装置。 - 【請求項11】 上記伝達関数の動特性が2次遅れ要素
とむだ時間要素とからなる請求項10記載の連続圧延機
の制御装置。 - 【請求項12】 上記制御系の制御ゲインが比例動作要
素と積分動作要素とからなる請求項10記載の連続圧延
機の制御装置。 - 【請求項13】 上記制御系がI−P制御系である請求
項10〜12のいずれかに記載の連続圧延機の制御装
置。 - 【請求項14】 上記第3のパラメータ演算手段による
伝達関数のパラメータの演算に逐次型最小二乗法を用い
る請求項10〜13のいずれかに記載の連続圧延機の制
御装置。 - 【請求項15】 上記第3の制御ゲイン設定手段による
制御ゲインの設定に部分的モデルマッチング法を用いる
請求項10〜14のいずれかに記載の連続圧延機の制御
装置。 - 【請求項16】 制御対象に対する入出力データに基づ
いて該制御対象を含む制御系の伝達関数のパラメータを
演算する第4のパラメータ演算手段と,上記第4のパラ
メータ演算手段により演算されたパラメータと,予め記
憶されたパラメータと制御ゲインとの対応関係とに基づ
いて補間演算することによって上記制御系の制御ゲイン
を設定する第4の制御ゲイン設定手段と,上記第4の制
御ゲイン設定手段により制御ゲインを設定する際の上記
制御系のハンチング発生による補間演算の頻度を演算す
る補間頻度演算手段と,上記補間頻度演算手段により演
算された補間演算の頻度に応じて上記パラメータと制御
ゲインとの対応関係を変化させる対応関係変化手段とを
具備してなる制御装置。 - 【請求項17】 上記補間頻度演算手段により演算され
た補間演算の頻度が所定の上限値よりも小さいときは制
御ゲインを大きくとり,該頻度が所定の下限値よりも大
きいときは制御ゲインを小さくとるように,上記第4の
制御ゲイン設定手段による制御ゲインの設定を行う請求
項16記載の制御装置。 - 【請求項18】 上記パラメータと制御ゲインとの対応
関係を上記制御対象の種類ごとに予めメモリに記憶して
おく請求項16又は17記載の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7117214A JP2891898B2 (ja) | 1994-07-01 | 1995-05-16 | 制御装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15090694 | 1994-07-01 | ||
JP6-150906 | 1994-07-01 | ||
JP7117214A JP2891898B2 (ja) | 1994-07-01 | 1995-05-16 | 制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0871627A true JPH0871627A (ja) | 1996-03-19 |
JP2891898B2 JP2891898B2 (ja) | 1999-05-17 |
Family
ID=26455369
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7117214A Expired - Fee Related JP2891898B2 (ja) | 1994-07-01 | 1995-05-16 | 制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2891898B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005516297A (ja) * | 2002-01-31 | 2005-06-02 | シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト | 工業的プロセスの調節方法 |
CN103551396A (zh) * | 2012-06-06 | 2014-02-05 | Ge能源能量变换技术有限公司 | 热带轧机控制器 |
CN108279693A (zh) * | 2017-12-29 | 2018-07-13 | 北京航天飞腾装备技术有限责任公司 | 一种空对地制导武器倒挂翻滚控制方法 |
CN110743922A (zh) * | 2019-10-30 | 2020-02-04 | 飞马智科信息技术股份有限公司 | 一种活套速度精准控制方法 |
WO2023173673A1 (zh) * | 2022-03-18 | 2023-09-21 | 中冶南方工程技术有限公司 | 冷轧生产线入出口速度自动调节的控制方法 |
-
1995
- 1995-05-16 JP JP7117214A patent/JP2891898B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005516297A (ja) * | 2002-01-31 | 2005-06-02 | シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト | 工業的プロセスの調節方法 |
CN103551396A (zh) * | 2012-06-06 | 2014-02-05 | Ge能源能量变换技术有限公司 | 热带轧机控制器 |
US9411324B2 (en) | 2012-06-06 | 2016-08-09 | Ge Energy Power Conversion Technology Limited | Hot strip mill controller |
CN108279693A (zh) * | 2017-12-29 | 2018-07-13 | 北京航天飞腾装备技术有限责任公司 | 一种空对地制导武器倒挂翻滚控制方法 |
CN108279693B (zh) * | 2017-12-29 | 2021-07-13 | 北京航天飞腾装备技术有限责任公司 | 一种空对地制导武器倒挂翻滚控制方法 |
CN110743922A (zh) * | 2019-10-30 | 2020-02-04 | 飞马智科信息技术股份有限公司 | 一种活套速度精准控制方法 |
WO2023173673A1 (zh) * | 2022-03-18 | 2023-09-21 | 中冶南方工程技术有限公司 | 冷轧生产线入出口速度自动调节的控制方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2891898B2 (ja) | 1999-05-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN105388764B (zh) | 基于动态矩阵前馈预测的电液伺服pid控制方法及系统 | |
CN101208161A (zh) | 优化带材轧制中的平整度控制的方法及装置 | |
JP3437807B2 (ja) | 制御演算装置及び制御演算方法 | |
JP4364509B2 (ja) | 連続圧延機の制御装置 | |
CN108628159A (zh) | 一种pid控制方法、装置、设备及系统 | |
CN112506056A (zh) | 基于闭环阶跃响应串级回路pid控制参数自校正方法 | |
JPH0871627A (ja) | 制御装置 | |
US5796608A (en) | Self controllable regulator device | |
CN104111605B (zh) | 单输入单输出非自衡生产过程的控制器及控制方法 | |
CN110824909A (zh) | 一种时滞系统的Smith自耦PI协同控制理论新方法 | |
CN110707967A (zh) | 一种无刷直流电机的自适应控制方法 | |
JP3085499B2 (ja) | 圧延機制御方法および装置 | |
JP3989775B2 (ja) | 制御モデルを用いた制御系のプリセット制御方法および制御装置 | |
JP2006150372A (ja) | 圧延材の温度制御方法及び温度制御装置 | |
JP2575818B2 (ja) | プラント制御装置 | |
Hwang et al. | Design of a robust thickness controller for a single-stand cold rolling mill | |
JPH0732926B2 (ja) | 圧延機における板厚制御方法 | |
JPH0934503A (ja) | Pidコントローラの調整法 | |
JP2815800B2 (ja) | 制御方法 | |
JPH08117824A (ja) | 圧延操業条件の予測方法およびそれを用いた設定制御圧延方法 | |
JPH07219601A (ja) | 調節装置 | |
JP2001150011A (ja) | 金属帯の圧延制御方法 | |
KR100508565B1 (ko) | 가변 피-제어기를 이용한 플라스틱 시트 필름 두께제어시스템 | |
JPH05233007A (ja) | 可変構造pi制御装置 | |
JPH07284832A (ja) | 制御方法及び装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |