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JPH0861800A - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

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Publication number
JPH0861800A
JPH0861800A JP6195503A JP19550394A JPH0861800A JP H0861800 A JPH0861800 A JP H0861800A JP 6195503 A JP6195503 A JP 6195503A JP 19550394 A JP19550394 A JP 19550394A JP H0861800 A JPH0861800 A JP H0861800A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
valve body
heat exchanger
compressor
case
Prior art date
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Granted
Application number
JP6195503A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3377614B2 (ja
Inventor
Akihiko Sugiyama
明彦 杉山
Shinichi Ide
伸一 井手
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP19550394A priority Critical patent/JP3377614B2/ja
Publication of JPH0861800A publication Critical patent/JPH0861800A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3377614B2 publication Critical patent/JP3377614B2/ja
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  • Multiple-Way Valves (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 暖房運転を継続しながら室外熱交換器の除霜
を行え、かつ停止時に冷凍サイクル内の圧力バランスを
迅速に行える空気調和機を提供する。 【構成】 圧縮機17、室内熱交換器63、膨脹弁2
1、室外熱交換器64を順次配管接続してなりかつ、上
記圧縮機17と室内熱交換器63の冷媒入口および室外
熱交換器の冷媒入口とを接続する除霜回路140を有す
る冷凍サイクルを有し、上記圧縮機17は、圧縮後の高
圧冷媒が満たされるケ−ス25内に設けられ、回動する
ことで上記冷媒の流路を切り換える第1、第2の弁体5
3、54を有する回転形五方弁28を有し、この回転形
五方弁28を制御し、上記第1、第2の弁体53、54
を回動させることで、暖房、冷房および除霜運転に切り
換えると共に、除霜運転への切換は、暖房運転を継続し
ながらケ−ス25内の高圧冷媒を上記除霜回路140に
供給することで行なわせる制御部106を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、冷凍サイクルを有
し、冷媒の流路の切り換えを行う流路切換弁を具備する
空気調和機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、冷房および暖房の双方を行う空
気調和機においては、冷房時と暖房時とで室内熱交換器
と室外熱交換器に流通する冷媒の流れを切り換える流路
切換弁装置を具備する。
【0003】このような流路切換弁装置としては、一般
に、図16に1で示すような四方切換弁装置が広く用い
られている。この四方弁装置1は、弁本体2と、この弁
本体2に接続された高圧ガス導入管3および低圧ガス吐
出管4とを具備し、さらに、上記弁本体2内に設けられ
た摺動弁5の切換によって上記低圧ガス吐出管4あるい
は上記高圧ガス導入管3と連通する第1、第2の接続管
6、7を具備する。
【0004】また、上記摺動弁5は、この摺動弁5に接
続されたピストン8、9によって上記弁本体2の長さ方
向両端部に区画された第1、第2の空間R1 、R2 の圧
力差によって作動するようになっている。
【0005】この弁本体2内に圧力差を導入し、上記摺
動弁5を作動させる装置としては、同図に10で示す電
磁弁装置が用いられる。この電磁弁装置10には、上記
第1、第2の空間R1 、R2 に接続された銅製の第1、
第2の毛細管11、12が接続されていると共に、上記
低圧ガス吐出管4から導出された同じく銅製の第3の毛
細管13が上記第1、第2の毛細管11、12の間に接
続されている。
【0006】そして、この電磁弁装置10内に設けられ
た弁体14を図に15で示す電磁石およびスプリング1
6の作用によって切り換えることで、上記四方弁装置1
の弁本体2内の第1あるいは第2の空間R1 、R2 内
に、低圧ガス吐出管4内の圧力(低圧)を導入する。
【0007】上記四方弁装置に設けられた上記ピストン
8、9には、図示しないが、それぞれ微細な通孔が設け
られ、上記第1、第2の空間R1 、R2 内にはあらかじ
め上記弁本体2内の圧力(高圧)が導入されている。従
って、上記第1、第2の空間R1 、R2 のどちらかに低
圧が導入されることで、両者の間に圧力差が生じ、その
圧力差により上記摺動弁5を切り換えるようになってい
る。
【0008】空気調和機においては、上記四方弁装置1
の高圧ガス導入管3は、同図中に18で示す圧縮機の吐
出管に接続され、上記低圧ガス吐出管4は上記圧縮機1
8の吸引管に接続されている。
【0009】また、上記第1の接続管6は図に19で示
す室外熱交換器に接続され、上記第2の接続管7は、2
0で示す室内熱交換器に接続されている。次に、この空
気調和機の運転について説明する。
【0010】暖房運転を行う場合には、図16に示す位
置(本体2内の左側の位置)に上記摺動弁5を位置させ
ることによって、上記第2の接続管7と上記高圧ガス導
入管3とを連通させると共に、上記第1の接続管6と上
記低圧ガス吐出管4とを連通させる。
【0011】このことで、空気調和機の冷媒配管内を流
通する冷媒(動作流体)は、状態変化を行いながら図に
矢印で示すように、圧縮機18、室内熱交換器20、膨
脹弁21、室外熱交換器19そして圧縮機18の順に流
通し、この空気調和機に暖房運転を行なわせる。
【0012】また、冷房時には、上記電磁弁装置10に
よって四方弁装置1の摺動弁5を本体2内の右側の位置
に切り換えることによって、上記第1の接続管6と上記
高圧ガス導入管3とを連通させると共に、上記第2の接
続管7と上記低圧ガス吐出管4とを連通させる。このこ
とで、冷媒は上述した場合とは反対に、室外熱交換器側
19から室内熱交換器20側へと流通し、この空気調和
機に冷房運転を行わせる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した四
方弁装置を具備する空気調和機には、以下に説明する解
決すべき課題がある。すなわち、上述したような四方弁
装置1および電磁弁装置10は構成が複雑で大型であ
り、また上述したように多数の部品を必要とする。ま
た、配管が複雑であり、特に、高圧ガス導入管3は上記
圧縮機18の吐出管に接続されているために振動を伝え
やすく、そのために防振措置を施す必要があるというこ
とがある。
【0014】一方、上記弁本体2と電磁弁装置10を接
続する第1〜第3の毛細管11〜13は少しの衝撃で変
形し、作動不良となるという欠点もある。このような課
題を解決するために成された発明として、従来、特開昭
60−124595号公報に開示されたものがある。
【0015】この発明は、図17に示すように、圧縮機
部22および電動機部23とを収納する密閉ケ−ス24
内に上記圧縮機部22から吐出された高圧吐出ガスを充
満させるタイプの圧縮機であり、上記ケ−ス24内に上
述した構成の四方弁装置1および電磁弁装置10を内蔵
することで、高圧ガス導入管4の配管を不要にすると共
に、上記毛細管11〜13の外力による破損を防止する
ものである。
【0016】しかし、このような構成であっても、構成
が複雑で大型であるという課題は解決されておらず、さ
らに、このような四方弁装置1をケ−ス25内に組み込
むことにより、圧縮機自体が大型になり、近年の圧縮機
の小形化の傾向に対応することができないという新たな
問題を生じる。
【0017】また、この四方弁装置1は、圧力差で作動
させる構成であるために、上記摺動弁5は常に弁座に密
着させておく必要がある。このために、停止時の圧力バ
ランスをとりずらいという不具合がある。
【0018】すなわち、このような構成では、この四方
弁装置1内で圧力バランスを図ることができないから、
他の部分、例えば膨脹弁21等の部分から圧力バランス
が図られることとなる。このため、圧力バランスを図る
ために長時間を要するということがある。
【0019】また、圧力バランスが図られなければ、停
止後の再起動や冷房、暖房間の運転切換えが行えないの
で、これらの動作(再起動や運転切換)を迅速に行うこ
とができないという不具合がある。従来の空気調和機で
は、再起動や運転切換を行うには、圧縮機を停止させて
から例えば3分間も待たなければならないということが
あった。
【0020】また、暖房運転中に、室外熱交換器19に
着霜が生じる場合がある。着霜が生じるとこの室外熱交
換器19の性能が低下することから、迅速に除霜を行う
必要がある。
【0021】従来、除霜機能を有する空気調和機におい
ては、圧縮機18から吐出される高温高圧冷媒をバイパ
ス管を通して上記室外熱交換器19に直接供給すること
で除霜を行っているが、このような構成では、上記圧縮
機18からの冷媒流路を切り換えるための切換弁を、前
記四方弁装置1とは別に設ける必要がある。
【0022】しかし、この方法であると、切換弁(およ
び電磁弁装置)を2つ設けることとなるから、構成が複
雑になると共に、この切換弁をケ−ス24の外部に設け
る場合には、圧縮機18からの振動がこの切換弁との間
の接続配管に生じるため、防振措置をとる必要がある。
【0023】また、この除霜用の切換弁をケ−ス24内
に設ける場合には、さらにケ−ス24を大型化する必要
が生じると共に、ケ−ス24から取り出す配線が多くな
り、配線構造が複雑化するという問題も生じる。
【0024】この発明はこのような事情に鑑みてなされ
たもので、暖房、冷房および暖房時の除霜運転を行う空
気調和機の配管構成を簡略化することができると共に、
簡単な構成で暖房運転を継続しながら除霜を行え、かつ
再起動および冷暖房間の運転切換を迅速に行える空気調
和機を提供することを目的とするものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】第1の手段は、圧縮機、
室内熱交換器、減圧装置、室外熱交換器を順次配管接続
してなる冷凍サイクルと、この冷凍サイクルを制御する
制御部とを有する空気調和機において、上記冷凍サイク
ルは、この圧縮機と暖房運転時室外熱交換器の冷媒入口
となる配管とを接続する室外熱交換器側接続管を有する
配管手段を有し、上記圧縮機は、圧縮後の高圧冷媒が満
たされるケ−スと、このケ−ス内に設けられ、回動する
ことで上記冷媒の流路を切り換える第1、第2の弁体を
有する回転形五方弁を有し、上記制御部は、この回転形
五方弁を制御し、上記第1、第2の弁体を回動させるこ
とで、暖房、冷房および除霜運転に切り換えると共に、
除霜運転への切換は、暖房運転を継続しながらケ−ス内
の高圧冷媒を上記室外熱交換器側接続管に供給すること
で行なわせる手段を有することを特徴とする空気調和機
である。
【0026】第2の手段は、第1の手段の空気調和機に
おいて、上記制御部は、さらに、上記五方切換弁による
暖房運転への切換にミスが生じた場合には、圧縮機を停
止すると共に、上記室外熱交換器側接続管にケ−ス内の
高圧冷媒を供給し、再び、第1、第2の弁体を回動させ
ることで暖房運転に切り換える手段を有することを特徴
とする空気調和機である。
【0027】第3の手段は、圧縮機、室内熱交換器、減
圧装置、室外熱交換器を順次配管接続してなる冷凍サイ
クルと、この冷凍サイクルを制御する制御部とを有する
空気調和機において、上記冷凍サイクルは、圧縮機と冷
房運転時室内熱交換器の冷媒入口となる配管とを接続す
る室内熱交換器側接続管、および圧縮機と暖房運転時室
外熱交換器の冷媒入口となる配管とを接続する室外熱交
換器側接続管とを有する配管手段を有し、上記圧縮機
は、圧縮後の高圧冷媒が満たされるケ−スと、このケ−
ス内に設けられ、回動することで上記冷媒の流路を切り
換える第1、第2の弁体を有する回転形五方弁を有し、
上記制御部は、この回転形五方弁を制御し、上記第1、
第2の弁体を回動させることで、暖房、冷房および除霜
運転に切り換えると共に、除霜運転への切換は、暖房運
転を継続しながらケ−ス内の高圧冷媒を上記室外熱交換
器側接続管に供給することで行なわせる手段を有するこ
とを特徴とする空気調和機である。
【0028】第4の手段は、第3の手段の空気調和機に
おいて、上記配管手段は、上記室内熱交換器側接続管に
設けられ、上記圧縮機方向への冷媒の流通を規制する第
1の逆止弁と、室外熱交換器側接続管に設けられ、上記
圧縮機方向への冷媒の流通を規制する第2の逆止弁とを
有し、上記制御部は、さらに、暖房運転停止と共にケ−
ス内の高圧冷媒を上記室外熱交換器側接続管に供給さ
せ、冷房運転時停止と共にケ−ス内の高圧冷媒を上記室
内熱交換器側接続管に供給させる手段を有することを特
徴とする空気調和機である。
【0029】第5の手段は、第3の手段の空気調和機に
おいて、上記制御部は、さらに、上記五方切換弁による
冷房運転への切換にミスが生じた場合には、圧縮機を停
止すると同時に、上記室内熱交換器側接続管にケ−ス内
の高圧冷媒を供給し、再び、第1、第2の弁体を回動さ
せることで冷房運転に切り換える手段と、上記五方切換
弁による暖房運転への切換にミスが生じた場合には、圧
縮機を停止すると共に、上記室外熱交換器側接続管にケ
−ス内の高圧冷媒を供給し、再び、第1、第2の弁体を
回動させることで暖房運転に切り換える手段とを有する
ことを特徴とする空気調和機である。
【0030】第6の手段は、第1あるいは第3の手段の
空気調和機において、上記回転形五方切換弁は、ケ−ス
に取着された弁ベ−スと、この弁ベ−スに設けられ、こ
の弁ベ−スのケ−ス内外面に開放し、それぞれ室外熱交
換器、室内熱交換器および圧縮機の吸込み側に接続され
る3つのポ−トおよび上記配管手段に接続される配管手
段用ポ−トと、上記弁ベ−スの上記3つのポ−トおよび
配管手段用ポ−トが開口するケ−ス内側面に回転自在に
設けられた第1の弁体と、この第1の弁体の上記弁ベ−
スに対向する面に設けられ、上記弁体が所定角度回動す
ることで上記3つのポ−トのうちの2つを選択的に互い
に連通させる連通溝と、上記第1の弁体に設けられ、他
の1つのポ−トおよび配管手段用ポ−トとをケ−ス内側
へ連通させる第1、第2の貫通孔と、上記第1の弁体に
対して回転自在に設けられ、この第1の弁体に対して所
定角度回動することで、上記第1の弁体の第1あるいは
第2の貫通孔を閉塞する第2の弁体とを具備するもので
あることを特徴とする空気調和機である。
【0031】第7の手段は、第6の手段の空気調和機に
おいて、上記回転形五方切換弁は、上記第1の弁体と上
記弁ベ−スとに設けられ、上記第1の弁体の上記弁ベ−
スに対する回動角度を規制する第1の規制手段と、上記
第1の弁体と上記第2の弁体とに設けられ、これらの相
対回動角度を所定範囲内に規制する第2の規制手段と、
上記第2の弁体を回動駆動させ、上記第1あるいは第2
の規制手段を作用させることで、ケ−ス内からの高圧冷
媒およびケ−ス外からの低圧冷媒を、室内熱交換器、室
外熱交換器、圧縮機の吸込み側、あるいは配管手段への
5方切換を行なわせる駆動手段とを具備することを特徴
とする空気調和機である。
【0032】第8の手段は、第7の手段の空気調和機に
おいて、上記駆動手段の駆動トルクは、上記圧縮機部運
転中に第1の弁体と上記弁ベ−スとの間に生じる静止摩
擦力よりも小さく、上記第1の弁ベ−スと上記第2の弁
ベ−スの間に生じる静止摩擦力よりは大きいことを特徴
とする空気調和機である。
【0033】
【作用】このような構成によれば、圧縮後の高圧流体が
満たされるケ−ス内に回転式の五方切換弁を設けること
で、暖房運転を継続しつつ室外熱交換器の除霜を行うこ
とができる。
【0034】また、停止時には、ケ−ス内の高圧冷媒を
室内熱交換器の冷媒入口あるいは室外熱交換器の冷媒入
口に供給することで冷凍サイクル内の圧力バランスを図
ることができる。
【0035】さらに、圧縮機運転中はケ−ス内の高圧冷
媒により弁ベ−スと第1の弁体の間に生じる静止摩擦力
が大きく、停止中は小さいことに鑑みて、上記第1の弁
体と第2の弁体を回動駆動する駆動手段の駆動トルクを
調整したので、圧縮機運転中は上記第2の弁体のみを駆
動でき、停止中は第1、第2の弁体の両方を駆動でき、
五方切換を行うことができる。
【0036】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面を参照して
説明する。図1は、この発明の空気調和機を示したもの
である。但し、この図では、冷凍サイクルのうち流体圧
縮機17以外の装置(室内熱交換器、室外熱交換器およ
び膨脹弁(減圧装置))については模式的に表してい
る。
【0037】以下、流体圧縮機17の構成を中心として
空気調和機の構成を説明する。図1中25は、流体圧縮
機21の密閉ケ−スである。この密閉ケ−ス25内に
は、高さ方向下端部、中途部および上端部に、それぞれ
圧縮機部26と、この圧縮機部26を駆動して圧縮動作
を行なわせる電動機部27と、この発明の要部である切
換弁部28とが設けられている。
【0038】以下、各部の構成について説明する。上記
電動機部27は、上記密閉ケ−ス25の内面に固定され
たステ−タ30と、このステ−タ30の内側に配置され
たロ−タ31とで構成されたDCブラシレスモ−タであ
る。なお、上記ロ−タ31は、図に32で示す駆動シャ
フトの上部に焼き嵌めされている。
【0039】また、この駆動シャフト32の下端部は、
上記圧縮機部26内へと延出されている。そして、この
駆動シャフト32の下端部には、上下方向に所定寸法離
間して設けられかつ互いに180°位相をずらして設け
られた2つのクランク部32aが形成されている。
【0040】上記圧縮機構部26は、ケ−ス25に固定
された仕切部材33によって保持されていると共に、図
に34で示す中間板を介して上下方向に接続された円筒
形の2つのシリンダ35、35を具備する。そして、こ
の2つのシリンダ35、35内には、上記駆動シャフト
32の2つのクランク部32a、32aがそれぞれ位置
するようになっている。
【0041】そして、このシャフト32は、上記仕切部
材33に固定された第1の軸受け部材37(主軸受)
と、この第1の軸受け部材37とで上記2つのシリンダ
35、35の上端および下端を閉塞する第2の軸受け部
材38(副軸受)とによって垂直軸線まわりに回転自在
に支持されている。
【0042】また、上記シャフト32の2つのクランク
部32a、32aにはそれぞれ円筒状のロ−ラ40、4
0が嵌着されている。このロ−ラ40は上記シリンダ3
5と偏心しかつ外周面の一部をこのシリンダ35の内周
面に当接させた状態で保持されている。
【0043】したがって、上記シリンダ35の内周面
と、上記偏心したロ−ラ40の外周面との間には、横断
面三日月形の圧縮空間41が区画されている。また、上
記シリンダ35内には、上記圧縮空間41を高圧側と低
圧側とに仕切るブレ−ド42が設けられている(上側の
シリンダ35については図示を省略)。このブレ−ド4
2は、図に43で示すスプリングによって上記ロ−ラ4
0側(シリンダ35の中心方向)へ付勢されており、上
記シリンダ35に設けられた図示しないブレ−ド溝を出
入りしてその先端を上記ロ−ラ40の外周面に常に接触
させるようになっている。
【0044】また、上記シリンダ35の、上記ブレ−ド
42を挟んだ両側には、それぞれ上記圧縮空間41内に
冷媒ガスを吸い込む吸い込み通路44と、圧縮した冷媒
ガス(吐出ガス)を吐出する吐き出し通路とが形成され
ている。なお、吸い込み通路44については、上側のシ
リンダ35にのみ図示する。
【0045】上記吸い込み通路44には、ぞれぞれ45
で示す吸込管が接続され、この吸込管45はこの密閉ケ
−ス11外へ延出されると共に、図に46で示す気液分
離器に接続されている。
【0046】一方、上記吐き出し通路は、上記第1の軸
受け部材のフランジ部に設けられた第1の吐出弁47か
らマフラ48を通って上記ケ−ス25の上部に開放する
第1の通路と、第2の軸受け部材38のフランジ部に設
けられた第2の吐出弁49からマフラ50に連通し、こ
のマフラ50から上記シリンダ35、中間板34、第1
の軸受け部材37を貫通して同じくケ−ス25の上部に
開放する第2の通路とからなる。
【0047】したがって、冷媒配管中の冷媒は、上記吸
込管45によって上記シリンダ35内に吸込まれ、上記
ロ−ラ40の旋回によって圧縮された後、上記第1、第
2の通路からなる吐き出し通路を通って上記ケ−ス25
の上部内に吐出されるようになっている。すなわち、上
記ケ−ス25内は、高圧吐出ガスによって高圧に保たれ
るようになっている。
【0048】次に、上記切換弁部28について図1〜図
6を参照して説明する。この切換弁部28は、図1に示
すように、密閉ケ−ス25に固定される弁ベ−ス52
と、この弁ベ−ス52の下面に回転自在に設けられ冷媒
の流路を切り換える第1の弁体53と、この第2の弁体
の下面に同じく回転自在に設けられた第2の弁体54
と、上記第1、第2の弁体53、54の外周面に取り付
けられる磁石部材55と、この磁石部材55に磁力を作
用させることで上記第1、第2の弁体53、54を回動
駆動し、流路を切り換える磁力切換部56と、この切換
弁部28を覆うホルダ57とを具備する。
【0049】上記弁ベ−ス52は、図3に示すように平
面視円形をなし、下端部には上端部よりも大径に形成さ
れた鍔部52aを有する。そして、この弁ベ−ス52は
図1に示すように、上記密閉ケ−ス25の上端を閉塞す
る蓋部25aに取り付けられている。
【0050】すなわち、この蓋部25aの上壁には図に
58で示す貫通孔が形成されている。そして、この弁ベ
−ス52は、上記上端側をこの貫通孔58内に挿入する
ことでこの蓋部25aに取着され、例えば溶接により上
記貫通孔58を気密に閉塞するように固定されるように
なっている。
【0051】また、図3に示すように、この弁ベ−ス5
2には、この弁ベ−ス52の中心軸線L上に設けられ、
下端側を上記ケ−ス25内に突出させた中心軸59が固
定されている。そして、この弁ベ−ス52には、この中
心軸59回りに周方向に90°間隔で、この弁ベ−ス5
2を軸方向に貫通する3つのポ−ト60〜62が設けら
れている。
【0052】この3つのポ−ト60〜62のうちの中央
に位置するポ−ト61は、図1に示すように、上記圧縮
機部26から延出された吸引管45に接続される低圧ガ
ス吐出ポ−ト(従来例(図11)における4に相当)と
なっており、この低圧ガス吐出ポ−ト61を挟む他の二
つポ−ト60、62は、それぞれ図1および図9に6
4、63で示す室外熱交換器(64)および室内熱交換
器(63)に接続される第1、第2の接続用ポ−ト(従
来例における6、7に相当)となっている。
【0053】なお、図3に示すように、この弁ベ−ス5
2の、上記低圧ガス吐出ポ−ト60から周方向に180
°離間した位置には、他のポ−トよりも小径に設けられ
たバイパス管用ポ−ト65がこの弁体52を軸方向に貫
通して設けられている。
【0054】このバイパス管用ポ−ト65は、図1に6
6で示すバイパス管が接続され、このバイパス管66
は、図に140で示す除霜回路(この発明の配管手段)
に接続されている。この除霜回路140は、上記バイパ
ス管66を上記膨脹弁21と室内熱交換器63とを接続
する配管に連通させる第1の接続管141(室内熱交換
器側接続管)と、この第1の接続管141に設けられた
第1の逆止弁142と、上記バイパス管66を上記膨脹
弁21と室外熱交換器64とを接続する配管に連通させ
る第2の接続管143(室外熱交換器側接続管)と、こ
の第2の接続管143に設けられた第2の逆止弁144
とからなる。
【0055】また、この弁ベ−ス52の上記鍔部52a
の下面には、図3に67で示すストッパが突設されてい
る(図に網書で示す)。このストッパ67は、図2
(b)に示すように、上端部を上記弁ベ−ス52に螺着
することで取り付けられている。
【0056】このように形成された上記弁ベ−ス52の
下面には、同図に示すように、前記第1の弁体53が取
り付けられている。この第1の弁体53は、その中央部
に設けられた中心孔53aに上記弁ベ−ス52から突設
された上記中心軸59を挿通させることで、その上面を
上記弁ベ−ス52の下面に当接させ、かつこの弁ベ−ス
52に対して回転自在に取り付けられている。
【0057】この第1の弁体53の上面には、図5に示
すように、上記3つのポ−ト59〜61のうち90°間
隔で隣合う2つのポ−トどうし(59、60あるいは6
0、61)を連通させる凹陥溝68が周方向に沿って設
けられている。
【0058】この凹陥溝68は、図に示すように、縦断
面半円形状に形成された内面を有する通路であり、上記
第1の弁体53が90°回動させられることで、図10
あるいは図12に示すように、隣合うポ−トどうし、す
なわち上記低圧ガス吐出ポ−ト61(鎖線で示す)と第
1の接続ポ−ト60(鎖線で示す)どうし、あるいは低
圧ガス吐出ポ−ト61と第2の接続ポ−ト62(鎖線で
示す)どうしを連通させるように切り換えられるように
なっている。
【0059】また、この第1の弁体53には、この第1
の弁体53の軸方向に貫通する第1、第2の貫通孔6
9、70が周方向に90°間隔で設けられている。この
第1、第2の貫通孔69、70は、上記凹陥溝68の幅
に比べて小径に形成されている。
【0060】そして、この第1、第2の貫通孔69、7
0は、上記第1の弁体53が上記中心孔53a回りに9
0°の範囲で回動駆動されることで、それぞれ、図10
(a)、図11(a)、図12(a)に示すように上記
弁ベ−ス52の上記第1、第2の接続ポ−ト60、62
(鎖線で示す)あるいは上記バイパス管用ポ−ト65
(鎖線で示す)に連通するようになっている。
【0061】また、この第1の弁体53の上面の径方向
外縁部には、この第1の弁体53が上記弁ベ−ス52に
取り付けられた場合に、この弁ベ−ス52の下面に突設
された上記ストッパ67が挿入される案内溝72が凹設
されている。
【0062】この案内溝72は、周方向に90°の範囲
に亘って設けられたもので、上記第1の弁体53が回動
駆動された場合に、この案内溝72の周方向一端および
他端を上記ストッパ67と当接させることで、図10
(a)、図11(a)、図12(a)に示すように、こ
の第1の弁体53の回動範囲を90°に規制するように
なっている。
【0063】したがって、このストッパ67と案内溝7
2とで、この発明の第1の規制手段を構成する。なお、
上記凹陥溝68と上記第1、第2の貫通孔69、70の
位置関係から、図10(a)に示すように、上記第2の
接続ポ−ト62が上記第1の貫通孔69と連通した場合
には、上記第1の接続ポ−ト60と上記低圧ガス吐出ポ
−ト61とが上記凹陥溝68によって互いに連通すると
共に、上記バイパス管用ポ−ト65は上記第2の貫通孔
70と連通するようになっている。
【0064】また、図12(a)に示すように、上記第
1の接続ポ−ト60が上記第2の貫通孔70に連通した
場合には、上記第2の接続ポ−ト62と上記低圧ガス吐
出ポ−ト61とが上記凹陥溝68によって互いに接続さ
れると共に、上記バイパス管用ポ−ト65は上記第1の
接続ポ−ト69に連通するようになっている。
【0065】そして、上記第1、第2の貫通孔69、7
0は、後述する前記第2の弁体54によって閉塞されな
い限り、上記ケ−ス25内に連通するようになってい
る。なお、図5に示すように、上記第1の弁体53の上
面には、この第1の弁体53と上記弁ベ−ス52との連
通部分を気密にシ−ルするために、上記凹陥溝68の回
りにシ−ル部材68a、第1の貫通孔69の回りにシ−
ル部材69a、第2の貫通孔70の回りにシ−ル部材7
0aが一体的に形成されている。なお、上記案内溝72
の回りに形成されるシ−ル部材72aは上記弁ベ−ス5
2と上記第1の弁体53との隙間を維持するためのもの
である。
【0066】また、図5に示すように、この弁体53の
上端部は、この弁体53の径方向外側に若干量突出する
鍔状のフランジ部53bとなっている。このフランジ部
53bの下端側の外面の周方向に沿う所定位置には、前
記磁石部材55と係合する位置決め用の第1の凸部73
が径方向外側方向に突設されている。
【0067】この第1の凸部73は、周方向に180°
離間して2つ設けられている。次に、この第1の弁体5
3の下面に取着される第2の弁体54について説明す
る。
【0068】この第2の弁体54は、図6に示すような
もので、その中央部に設けられた中心孔54aに、上記
弁ベ−ス52から上記第1の弁体53を貫通して突設さ
れた上記中心軸59を挿通させることで、その上面を上
記第1の弁体53の下面に対向させ、かつ上記弁ベ−ス
52およびこの第1の弁体53に対して回動自在に取り
付けられる。(図2(b)参照) この第2の弁体54の上面には、図6に76〜78で示
す第1〜第3の円形シ−ル部材が上記中心孔54aの回
りに120°間隔で上記第2の弁体54と一体的に形成
されている。
【0069】この第1〜第3のシ−ル部材76〜78
は、上記第1の弁体53の第1、第2の貫通孔69、7
0よりも大径に形成され、必要に応じてこれらを閉塞す
ることができるようになっている。
【0070】上記第2、第3のシ−ル部材77、78の
間には、シ−ル部材77、78の配置された同心円上
に、この第2の弁体54を軸方向に貫通する第1、第2
の通孔79、80が形成されている。
【0071】この第1、第2の通孔79、80は、上記
第1の弁体53の下面に開口する第1、第2の貫通孔6
9、70と略同じ径に形成され、これらと対向すること
で、これら第1、第2の貫通孔69、70を上記ケ−ス
25内に連通させるようになっている。
【0072】また、図6に示すように、上記第2のシ−
ル部材78と、上記第1の通孔79の位置関係は、上記
中心孔54aと中心として90°の角度をなすように設
定され、上記第1のシ−ル部材77と上記第2の通孔8
0の位置関係も同じく90°をなすように設定されてい
る。
【0073】したがって、図10(b)に示すように、
この第2の弁体54の第2の通孔80が、上記第1の弁
体53の第1の貫通孔69に対向した場合には、この第
2の弁体54に設けられた上記第2のシ−ル部材77は
上記第1の弁体53の上記第2の貫通孔70を閉塞する
ようになっている。
【0074】また、図11(b)に示すように、上記第
2の弁体54の記第1の通孔79が上記第1の弁体53
の上記第2の貫通孔70と対向した場合には、上記第2
の弁体54の上記第3のシ−ル部材78が第1の弁体5
3の上記第1の貫通孔69を閉塞するようになってい
る。
【0075】また、この第2の弁体54の外周面には、
図6に82で示す第2の凸部がこの弁体の径方向外側に
突設されている。この第2の凸部82は後述する磁石部
材56に設けられたスリットと係合して、この第2の弁
体54と上記磁石部材56とを相対回転不能に結合する
ためのものである。
【0076】なお、この第2の凸部82は、図に示すよ
うに、周方向に30°+α°(αは上記第1の弁体53
に設けられた第1の凸部73の幅)の幅で形成されてい
ると共に、互いに周方向に180°離間した位置に2つ
突設されている。
【0077】また、図2(b)に示すように、これら第
1、第2の弁体53、54の外周面には、前記磁石部材
55が取り付けられている。この磁石部材55は、同図
および図7に示すように、上記第1、第2の弁体53、
54に直接外挿される薄肉円筒状のカラ−84と、この
カラ−84の外面に固定された永久磁石85とからな
る。
【0078】また、上記カラ−84の上端部には、図7
に87で示すスリットが設けられている。このスリット
87は、周方向に30°+α°(上記第2の弁体54に
設けられた第2の凸部82と同じ幅)の幅で設けられた
もので、このカラ−84の周方向に互いに180°離間
して2つ設けられている。
【0079】上記第1、第2の弁体53、54は、それ
ぞれの外周面に突設された第1、第2の凸部73、82
を、図8に示すように上記スリット87内に位置させる
ようにして、この磁石部材55と組み合わされるように
なっている。
【0080】したがって、上記第2の弁体54とこの磁
石部材55は相対回転不能に設けられ、上記第1の弁体
53は、図に矢印で示すように、この磁石部材55に対
して周方向に30°の範囲で回動自在となっている。
【0081】したがって、上記第1、第2の凸部73、
82と上記スリット87とで、この発明の第2の規制手
段を構成する。また、このカラ−84の外周面に固定さ
れた上記永久磁石85は、180°間隔で2分割され、
それぞれN極部85aとS極部85bとから構成され、
前記磁力切換部56からの磁力によって駆動されるよう
になっている。
【0082】この磁力切換部56は、図2(d)および
図4に示すように、平行に離間して設けられた帯板状の
鉄製の一対のステ−88(この発明の磁性片)と、この
ステ−88の基端部間に架設された鉄心89と、この鉄
心89にコイル巻線を施して構成された電磁石90とか
らなる。
【0083】上記ステ−88の先端部は、上記第1、第
2の弁体53、54に取着された永久磁石85の外周面
に沿うように曲成され、その曲成半径は、内面が上記永
久磁石85の外周面と所定の微小隙間を存するように上
記永久磁石85の外径よりも若干大きく設定されてい
る。
【0084】そして、2つのステ−88の先端どうし
は、このステ−88の曲成方向に沿って互いに約90°
の角度をなして離間するように設定されている。この磁
力切換部56は、上記電磁石90に直流電流を印加する
ことで上記ステ−88の先端部を所定の極性に磁化する
ことができ、その磁性を切り換えることで、上記永久磁
石85との間に吸引・反発力を生じさせ上記弁体53を
回動駆動するようになっている。
【0085】なお、この磁力切換部56による上記磁石
部材56に対する駆動トルクは、後述する暖房および冷
房運転時に高圧冷媒と低圧冷媒との圧力差によって生じ
る上記第1の弁体53と上記弁ベ−ス52との間の静止
摩擦力よりも小さく設定されている。
【0086】また、上記磁力切換部56の駆動トルク
は、同運転時の上記第1の弁体53と第2の弁体54と
の間の静止摩擦力よりも大きくなるように設定されてい
る。したがって、暖房および冷房の運転中には、この磁
力切換部56は、上記第2の弁体54のみ駆動すること
ができ、運転停止時には、上記第1、第2の弁体53、
54の両方を駆動することができるようになっている。
【0087】また、このステ−88の先端部の外側に
は、図2(b)〜(e)に57で示すホルダ−が設けら
れている。このホルダ57は、薄肉円筒状の部材であ
り、上端部は上記弁ベ−ス52の鍔部52aの外縁部下
面に固着されている。
【0088】このホルダ−57には、同図(c)、
(d)に示すように、上記ステ−88の基端側(電磁石
90側)をこのホルダ57外に取り出すための切り込み
部57aが設けられている。上記ホルダ57は、この切
り込み部57aによって、上記磁力切換部56の位置決
めおよび回転防止を行うようになっている。
【0089】一方、上記ホルダ57の下端および上記弁
ベ−ス52から上記第1、第2の弁体53、54を貫通
して下方に延出された上記中心軸59の下端には、図2
(b)および同図(e)に92で示す押さえ部材が固定
されている。
【0090】この押さえ部材92は、帯板状に構成さ
れ、長手方向両端部を上記ホルダ57の下端に溶接によ
って固定されていると共に中央部は上記中心軸59の下
端に固定されている。
【0091】また、この押さえ部材92の中央部と上記
第2の弁体54の下面との間には図に93で示すスプリ
ングが軸方向に圧縮された状態で挿入され、上記第1、
第2の弁体53、54を上記弁ベ−ス52の下面に押し
付けるようになっている。
【0092】また、このスプリング93の付勢力は、こ
の圧縮機が作動していない状態、すなわち、この切換弁
部28に冷媒の高低圧差が作用していない状態では、上
記第1、第2の弁体53、54の自重によって上記第1
の弁体53の上面と上記弁ベ−ス52の下面との間に微
小な隙間が生じることを許容する程度の強さに調整され
ている。
【0093】次に、この切換弁部28の組み立てについ
て説明する。まず、上記弁ベ−ス52に上記ホルダ57
を固定する。一方、上記第1、第2の弁体53、54と
上記磁石部材55とは、上述したように、この磁石部材
55に設けられたカラ−84のスリット87に上記第
1、第2の弁体53、54の第1、第2の凸部73、7
4を挿入し(図8に示す状態)、互いに組み合わせた状
態で保持しておく。
【0094】なお、この状態で、上記第1の弁体53の
下面と第2の弁体54の上面との間には、図2(d)に
示すように、上記第1〜第3のシ−ル部材76〜78の
厚さに相当する隙間が区画されるようになっている。
【0095】ついで、上記弁ベ−ス52の上端部を上記
密閉ケ−ス25の蓋部25aに設けられた上記挿入孔5
8に挿入して溶接、固定する。その後、弁ベ−ス52の
中心軸59に上記第1、第2の弁体53、54および上
記磁石部材55の組み合わせ体を取り付けると共に、上
記磁力切換部56を組み付ける。最後に上記押さえ部材
92を上記スプリング93を圧縮しつつ上記中心軸59
および上記ホルダ57の下端に固定する。
【0096】一方、上記蓋部25aには、図1に示すよ
うに、上記切換弁部28の側方に第2、第3の貫通孔9
4a、95bが設けられており、この第2、第3の貫通
孔94a、94bには、図に95a、95bで示す第
1、第2の密閉端子(この発明の端子台)がそれぞれ上
記第2、第3の貫通孔94a、94bを気密に閉塞する
かたちで取り付けられている。
【0097】上記第1の密閉端子95aは、上記電動機
部27に給電するための配線を上記ケ−ス25外へ取り
出すためのものであり、ケ−ス25内側に突出した3本
の第1〜第3の内側端子96〜98と、それぞれの端子
に接続され、このケ−ス25外へ突出した3本の第1〜
第3の外側端子100〜102とを具備する。
【0098】また、上記第2の密封端子95は上記切換
弁部28の磁力切換部56に給電するための配線を上記
ケ−ス25外へ取り出すためのもので、ケ−ス25内側
に突出した一対の内側端子99、99と、両端子に接続
され、このケ−ス25外へ突出した一対の外側端子10
3、103とを具備する。
【0099】上記第1の密封端子95aの第1〜第3の
内側端子96〜98は、上記電動機部27(DCブラシ
レスモ−タ)の三相巻線から取り出された3本のリ−ド
線と一対の第1のコネクタ104を介して接続され、ま
た、上記第2の密封端子95bの上記一対の内側端子9
9、99は上記切換弁部28から取り出された2本のリ
−ド線と一対の第2のコネクタ105を介してそれぞれ
接続されている。
【0100】すなわち、この圧縮機を組み立てる際に
は、上記蓋部25aに上記切換弁部28と上記第1、第
2の密閉端子95a、95bを組み付け、上記第2の密
封端子95bの一対の内側端子99から延出された第2
のコネクタ105と上記切換弁部28から延出された同
じく第2のコネクタ105とを接続する。
【0101】ついで、上記蓋部25aを上記ケ−ス25
に取り付ける際に、上記第1の密閉端子95aの第1〜
第3の内側端子96〜98から導出された第1のコネク
タ104と上記電動機部27から導出された同じく第2
のコネクタ104とを接続するようにする。
【0102】一方、各密封端子95a、95bの各外側
端子100〜103は図に106で示す制御部に接続さ
れている。この制御部106は上記第1の密封端子95
aの各外側端子100〜102が接続される図示しない
一般的なインバ−タ回路と、上記第2の密封端子95b
の一対の外側端子103、103が接続される制御回路
111とを具備する。
【0103】この制御回路111は例えば図10に示す
ように構成される。すなわち、交流電源110からの上
記磁力切換部56に設けられた電磁石90への通電は、
半波制御を行うフォトトライアック112を介して行わ
れるようになっている。このとき、マイクロコンピュ−
タ113と交流の0V(ゼロクロス)タイミングを検知
するフォトトランジスタ114とにより、上記ゼロクロ
ス点に対し、上記フォトトライアック112に通電する
しないを判定し出力するようになっている。
【0104】このことで、上記磁力切換部56は、上記
一対のステ−88の磁性をN極とS極に切り換えること
ができると共に(図10〜図13)、磁力の発生を停止
することもできる。
【0105】次に、以上述べた空気調和機の制御(動
作)について説明する。なお、以下に説明する動作は、
前記制御部106からの指令によって行われる。まず、
停止時の状態について説明する。
【0106】停止時には、図示しないが、上記第1、第
2の弁体53、54は、自重により上記スプリング93
の付勢力に抗して若干量下降し、上記第1の弁体53の
上面と上記弁ベ−ス52の下面との間には若干量の隙間
が生じる。
【0107】この場合には、この隙間を介して上記第
1、第2の接続ポ−ト60、62、低圧ガス吐出ポ−ト
61およびバイパス管用ポ−ト65はすべて連通してい
る。したがって、この空気調和機の配管内の圧力はバラ
ンス(圧力バランス)している。
【0108】次に、この状態から暖房運転を行う際の制
御について説明する。暖房運転を行う際には、上記制御
回路111によって、上記切換弁部28の電磁石に印加
する電圧を図10(c)の波形図に示すように制御す
る。このことで、図中上側に位置するステ−88(磁性
片)がS極に磁化され、下側に位置するステ−88がN
極に磁化される。
【0109】したがって、上記磁石部材85のN極部8
5aが図中上側に位置するステ−88に吸引されると共
にS極部85bが下側に位置するステ−88に吸引さ
れ、このことによって上記磁石部材85は時計方向に回
動する。
【0110】上記第2の弁体54は、上述したように上
記磁石部材85に対して相対回転不能に組み合わされて
いる。また、上記第1の弁体53はこの第2の弁体54
によって支持されている。したがって、上記第1、第2
の弁体53、54は、上記磁石部材85と共に回動す
る。
【0111】そして、図10(a)に示すように、上記
弁ベ−ス52に突設されたストッパ67が、上記第1の
弁体53の案内溝72の周方向一端と当接したならば、
この第1の弁体53のみが回動を停止する。
【0112】このことで、同図に示すように、上記第1
の接続ポ−ト60と低圧ガス吐出ポ−ト61とがこの第
1の弁体53に設けられた凹陥溝68によって連通す
る。そして、上記第2の接続ポ−ト62は、この第1の
弁体53に設けられた第1の貫通孔69に対向すると共
に、上記バイパス管用ポ−ト65は上記第2の貫通孔7
0に対向する。
【0113】さらに、第2の弁体54が回動し、図10
(b)に示すように、この第1の弁体53に設けられた
第1の凸部73が上記磁石部材56のカラ−84に設け
られたスリット87の周方向一端と当接したならば、上
記磁石部材56および第2の弁体54の回動は停止す
る。
【0114】このことで、同図に示すように、上記第1
の弁体53に開口する上記第2の貫通孔70は、この第
2の弁体54に設けられた第2のシ−ル部材77によっ
て閉塞される。
【0115】一方、上記第1の弁体53の第1の貫通孔
69は、この第2の弁体54に設けられた第2の通孔8
0と対向することとなる。このことによって、上記第1
の弁体53の第1の貫通孔69と対向する上記第2の接
続ポ−ト62のみが上記ケ−ス25内に開放することと
なる。
【0116】この状態で、図1に示す上記電動機部27
を作動させる。この電動機部27が作動することで、上
記圧縮機構部28が作動し、冷媒(動作流体)の圧縮を
行う。圧縮された後の高温高圧冷媒は、上記密閉ケ−ス
25内に吐出される。そして、密閉ケ−ス25内に充満
した高圧冷媒は、上記第2の弁体54に設けられた上記
第2の通孔80および上記第1の弁体53と第2の弁体
54の隙間(シ−ル部材76〜78の厚さ分の隙間)か
ら上記第1の弁体53に設けられた第1の貫通孔69を
通過して上記第2の接続ポ−ト62に流入し、室内熱交
換器63、膨脹弁21、室外熱交換器64を順次状態変
化を行いながら通過して、室内の暖房を行う(図9参
照)。
【0117】上記室外熱交換器64を通過した冷媒は、
低温低圧冷媒となって上記第1の接続ポ−ト60に流入
し、上位弁体53に設けられた凹陥溝68を通って上記
低圧ガス吐出ポ−ト61に流れ、この低圧ガス吐出ポ−
ト61から圧縮機の吸引管45を通って上記ケ−ス25
内の圧縮機部26に導入される。
【0118】圧縮機部26内に導入された冷媒は、再び
この圧縮機部26によって圧縮されて上記ケ−ス25内
に吐出される。ついで、再び上記第2の弁体54の第2
の通孔80および第1の弁体の第1の貫通孔69を介し
て上記第2の接続ポ−ト62から室内熱交換器63に導
入され、この空気調和機の配管内を循環する。
【0119】なお、この間、上記制御回路111は、図
10(d)の波形図に示すように制御されるようになっ
ている。すなわち、上記印加電圧は0に制御され、上記
一対のステ−88は磁化されていない。
【0120】このような状態であっても、上記ステ−8
8は鉄製(磁性片)であるから、磁石部材55との吸引
力により、上記図10に示す状態を維持することができ
るようになっている。
【0121】また、このとき、上記第1の弁体53の凹
陥溝68内はケ−ス25の内部と比較して低圧であるか
ら、ケ−ス25内の圧力によって、この第1の弁体53
と弁ベ−ス52とは気密に密着し、上記磁力切換部56
の駆動トルク以上の静止摩擦力が発生するようになって
いる。
【0122】なお、このとき、上記バイパス管用ポ−ト
65に連通する第1の弁体53の第2の貫通孔70が上
記第2の弁体54の第2のシ−ル部材77によって閉塞
されていることにより、図1および図9に66で示すバ
イパス管にはケ−ス25内の冷媒は流入しないようにな
っている。
【0123】このようにして、この空気調和機は暖房運
転を行うのであるが、長時間運転していると、低温冷媒
が流通する室外熱交換器64の冷媒流通パイプや放熱フ
ィンに着霜が生じることがある。着霜が生じると、上記
室外熱交換器64の熱交換効率が低下し、空気調和機の
性能が低下するため、除霜運転を行う必要がある。次
に、この除霜運転について説明する。
【0124】この除霜運転は、暖房運転中に行う。すな
わち、図10に示す状態から、図11(c)の波形図に
示すように、上記磁力切換部56の電磁石90に印加す
る電圧を制御する。このことで、図10(a)に示す場
合とは逆に、図中上側に位置するステ−88がN極に磁
化され、下側に位置するステ−88がS極に磁化され
る。
【0125】このことで、永久磁石85とステ−88と
の間で反発が起こり、上記磁石部材54および第2の弁
体は図10(b)に矢印で示す反時計方向に回動する。
なお、このとき、上記第1の弁体53は暖房運転時の状
態を保ち、回動しない。すなわち、暖房運転中は、上記
第1の弁体53の上面に形成された凹陥溝68内は負圧
であり、上記ケ−ス25内は高圧であるから、その圧力
差によって上記第1の弁体53は上記弁ベ−ス52の下
面に強く密着し、その間に生じる静止摩擦力はこの磁力
切換部56の駆動トルク以上となっているからである。
【0126】一方、前述したように、上記第1の弁体5
3と上記第2の弁体54との間に生じる静止摩擦力は、
第1の弁体53の第1および第2の貫通孔69、70の
開口面積とこれらの貫通孔を閉塞する第2の弁体54の
シ−ル部材76、77にかかる圧力に応じた力であるの
で上記磁力切換部56の駆動トルクよりも小さく、した
がって、上記第2の弁体54のみが上記第1の弁体53
とは独立して上記磁石部材55と共に回動することとな
るのである。
【0127】したがって、図11(b)に示すように、
上記第1の弁体53に設けられた第1の凸部73が上記
磁石部材55のカラ−76に設けられたスリット87の
周方向他端部に当接したならば、上記第2の弁体54と
磁石部材55は回動を停止する。
【0128】上述したように、上記磁力切換部56によ
る上記磁石部材55の駆動力(駆動トルク)は、上記暖
房運転中の第1の弁体53と弁ベ−ス52との間の静止
摩擦力よりも小さく設定されているから、上記第2の弁
体54と磁石部材55は、これ以上回転することはな
い。
【0129】このことにより、図11(b)に示すよう
に、上記バイパス管用ポ−ト65に連通する上記第1の
弁体の第2の貫通孔70は上記第2の弁体54に設けら
れた第1の通孔79に対向してケ−ス25内に開放し、
上記第2の接続ポ−ト62に連通する第1の弁体53の
第1の貫通孔69は、この第3のシ−ル部材78によっ
て閉塞される。
【0130】このことにより、ケ−ス25内の高温高圧
冷媒が、上記第1の通孔79、第2の貫通孔70および
バイパス管用ポ−ト65を介して、バイパス管66に流
れ込み除霜回路140の第2の接続管143を介して室
外熱交換器65に直接流通することとなるから(図9参
照)、上記室外熱交換器65の除霜が行われることとな
る。
【0131】また、同時に、第1の弁体53に一体形成
されたシ−ル部材68a〜70aおよび72aによって
上記弁ベ−ス52と第1の弁体53との間には所定の隙
間が形成されているので、この隙間からもケ−ス25内
の高温高圧冷媒が上記第2の接続ポ−ト62に流れこみ
室内熱交換器63に流通することになるため暖房運転が
継続される。
【0132】このため、暖房運転を継続しながら室外熱
交換器64の除霜運転が行えることになる。なお、この
とき、バイパス管66からの上記高温高圧冷媒は上記除
霜回路140の第1の接続管141にも若干量流れ込む
が、圧縮機24との間には絞り(膨脹弁21)があるの
で無視でき、問題はない。
【0133】なお、この除霜運転中は、図11(c)の
波形図に示すように、磁力切換部56への給電を維持し
ておく。そして、所定時間経過後に上記室外熱交換器6
4の除霜が終了したならば、上記磁力切換部56への給
電を停止する。このように給電を停止することで、上記
ステ−88(磁性体)と上記磁石部材55(永久磁石)
との吸引力によって、上記第2の弁体54は元の暖房運
転(図10(a)、(b))位置に復帰する。そして、
この状態で暖房運転が継続される。
【0134】一方、この暖房運転を停止させる場合に
は、上記電動機部27(圧縮機部26)を停止させる。
そして、電動機部27を停止させるのと略同時に、上記
切換弁部28に次に説明する圧力バランス動作を行わせ
る。
【0135】この圧力バランス動作は、暖房運転を停止
する際に行う場合(冷房運転を停止させる際の圧力バラ
ンス動作については後で述べる)には、前に説明した除
霜運転に切り換える際の動作とまったく同じである。
【0136】すなわち、上記制御回路は、図10(d)
に示す状態から図11(c)の波形図に示すように、上
記磁力切換部56の電磁石90に印加する電圧を制御す
る。このことで、上記第2の弁体を反時計回りに回動さ
せて、図11(a)、(b)に示すように、上記弁ベ−
ス52に設けられたバイパス管用ポ−ト65を上記第1
の弁体の第2の貫通孔70および第2の弁体54に設け
られた第1の通孔79を介してケ−ス25内に連通させ
る。
【0137】この動作の詳しい説明は、前述した除霜運
転においてすでに説明したので、ここでは省略する。こ
のような動作により、ケ−ス25内の高温高圧冷媒が、
上記第1の通孔79、第2の貫通孔70およびバイパス
管用ポ−ト65を介して、バイパス管66に流れ込み除
霜回路140の第2の接続管143を介して室外熱交換
器65に直接流通することとなる。(図9参照) 一方、上記電動機部27が完全に停止すると、前述した
除霜運転とは異なり、上記室外熱交換器64への低温低
圧冷媒の供給が停止されるから、上記室外熱交換器64
内の低圧冷媒と上記バイパス管66(除霜回路140)
から供給される高圧冷媒との間で急速に圧力バランスが
図られることとなる。このことにより、この空気調和機
の配管内の冷媒の圧力は、極めて短時間の間に一定の値
(バランス圧力)に収束することとなる。
【0138】この圧力バランス動作は、上記電動機部2
7と略同時に行われ、所定時間(例えば30秒〜1分
間)継続される。すなわち、上記電動機部27の停止直
後は、ケ−ス25内の圧力が上昇しているので、上記第
2の弁体54のみが回動し、上記第1の弁体53は上記
弁ベ−ス52との間の静止摩擦力によって回動しない。
【0139】そして、所定時間経過後には上記バイパス
管66および除霜回路140の作用によって圧力バラン
スが行われる。すると、前述したように、上記第1の弁
体53と上記弁ベ−ス52との間の静止摩擦力が上記磁
力切換部56の駆動トルクよりも小さくなるから、この
第1の弁体53を容易に駆動できるようになる。したが
って、後に述べる冷房運転への切換を容易に行うことが
できる。
【0140】このような圧力バランス動作により、冷凍
サイクル内の圧力バランスが迅速に行われるので、空気
調和機を再起動する際や、次に述べる冷房運転に切り換
える際の待ち時間を大幅に短縮することができる。
【0141】次に冷房運転時の制御および動作について
説明する。冷房運転時には、冷凍サイクル内の圧力バラ
ンスが図られた状態(第1の弁体を駆動できる状態)
で、図12(c)の波形図に示すように、上記切換弁部
28の電磁石90に印加する電圧を制御する。このこと
で、図10に示す暖房運転の場合とは逆に、図中上側に
位置するステ−88がN極に磁化され、下側に位置する
ステ−88がS極に磁化される。
【0142】このことで、上記磁石部材55のS極部8
5bが図中上側に位置するステ−88に吸引され、N極
部85aが下側に位置するステ−88に吸引され、この
ことによって上記磁石部材55は回動する。
【0143】上記第2の弁体54は、この磁石部材55
と回転不能に保持され、上記第1の弁体53はこの磁石
部材55に設けられたカラ−84のスリット87と係合
しているから、この第1、第2の弁体53、54は上記
磁石部材と共に回動する。
【0144】このとき、空気調和機は運転されていない
ので高低圧差が生じてなく、上記第1の弁体53と上記
弁ベ−ス52は密着しておらず過大な静止摩擦力が発生
していないから、上記電磁石90によって上記磁石部材
55に与えられる低トルクであっても、上記第1の弁体
53は容易に回動駆動されることとなる。
【0145】そして、上記弁ベ−ス52に突設されたス
トッパ67が上記第1の弁体53に設けられた案内溝7
2の周方向他端に当接したならば、図12(a)に示す
ように、上記第1の弁体53は回動を停止する。
【0146】このことで、暖房時とは逆に、上記第2の
接続ポ−ト62と低圧ガス吐出ポ−ト61とが上記凹陥
溝68によって連通する。そして、上記第1の接続ポ−
ト60は、この第1の弁体53に設けられた第2の貫通
孔70に対向すると共に、上記バイパス管用ポ−ト65
は第2の貫通孔69に対向する。
【0147】さらに、上記第1の弁体53に設けられた
第1の凸部73が、図12(b)に示すように、上記磁
石部材55のカラ−84に設けられたスリット87の周
方向他端面に当接したならば、上記第2の弁体54およ
び磁石部材55の回動は停止する。
【0148】このことで、上記第1の接続ポ−ト60に
対向する上記第1の弁体53の第2の貫通孔70は、こ
の第2の弁体54に設けられた第1の通孔79と対向し
てケ−ス25内に開放する。また、上記バイパス管用ポ
−ト65に対向する上記第1の弁体53の第1の貫通孔
69は、この第2の弁体54に設けられた第3のシ−ル
部材78によって閉塞される。
【0149】この状態で上記電動機部27の運転を開始
すると、上記圧縮機部26が作動することによって上記
ケ−ス25内に高圧冷媒が満たされ、この圧力と上記凹
陥溝68内のとの圧力差によって上記第1の弁体53は
上記弁ベ−ス52の下面に密着させられる。
【0150】そして、このケ−ス25内の高圧冷媒は、
第2の弁体54の第1の通孔79およびシ−ル部材76
〜78によって形成される第1の弁体53と上記第2の
弁体54の隙間から第1の弁体53の第2の貫通孔70
を通って上記第1の接続ポ−ト60へ流れ込む。また、
これと同時に上記第1の弁体53のシ−ル部材68a〜
70aおよび72aによる弁ベ−ス52と上記第1の弁
体53との間の隙間からもケ−ス25内の高温高圧冷媒
が上記第1の接続ポ−ト60に流れ込む。
【0151】そして、上記第1の接続ポ−ト60から室
外熱交換器64、膨脹弁21(減圧装置)、室内熱交換
器63へと順次状態変化を行いながら流通し、室内の冷
房を行う。
【0152】そして、上記室内熱交換器63を通過した
冷媒は、上記第2の接続ポ−ト62に流入し、上記凹陥
溝68を通って上記低圧ガス吐出ポ−ト61から、上記
ケ−ス25内の圧縮機部26へと導入される。
【0153】なお、この冷房運転中は、暖房運転中と同
様に、上記電磁石90に対する印加電圧は0に制御され
る(図12(d))。しかし、このような状態であって
も、上記ステ−88は鉄製(磁性片)であるから、磁石
部材55との吸引力により、上記図12(a)、(c)
の状態を維持することができるようになっている。ま
た、このとき、上記凹陥溝68内はケ−ス25の内部と
比較して低圧であるから、ケ−ス25内の圧力によっ
て、上記第1の弁体53と弁ベ−ス52とは気密に密着
し、容易には移動させることができないようになってい
る。
【0154】一方、この冷房運転を停止させる場合に
は、上記電動機部27(圧縮機部26)を停止させる。
そして、電動機部27を停止させるのと略同時に、上記
切換弁部28に次に説明する圧力バランス動作を行わせ
る。
【0155】すなわち、図12に示す状態から、図13
(c)の波形図に示すように、上記磁力切換部56の電
磁石90に印加する電圧を制御する。このことで、図1
2(a)に示す場合とは逆に、図中上側に位置するステ
−88がN極に磁化され、下側に位置するステ−88が
S極に磁化される。
【0156】このことで、永久磁石85とステ−88と
の間で反発が起こり、上記磁石部材54および第2の弁
体は図12(b)に矢印で示す時計方向に回動する。な
お、このとき、上記第1の弁体53は冷房運転時の状態
を保ち、回動しない。すなわち、上記電動機部27(圧
縮機部26)を停止させる直前あるいは直後は、冷房運
転中と同じく、上記第1の弁体53の上面に形成された
凹陥溝68内は負圧に保たれ、上記ケ−ス25内は高圧
に保たれているから、その圧力差によって上記第1の弁
体53は上記弁ベ−ス52の下面に強く密着し、その間
に生じる静止摩擦力はこの磁力切換部56の駆動トルク
以上となっているからである。
【0157】一方、前述したように、上記第1の弁体5
3と上記第2の弁体54との間に生じる静止摩擦力は、
前述したように上記磁力切換部56の駆動トルクよりも
小さい。したがって、上記第2の弁体54のみが上記第
1の弁体53とは独立して上記磁石部材55と共に回動
することとなるのである。
【0158】したがって、図13(b)に示すように、
上記第1の弁体53に設けられた第1の凸部73が上記
磁石部材55のカラ−76に設けられたスリット87の
周方向一端部に当接したならば、上記第2の弁体54と
磁石部材55は回動を停止する。
【0159】上述したように、上記磁力切換部56によ
る上記磁石部材55の駆動力(駆動トルク)は、上記暖
房運転中の第1の弁体53と弁ベ−ス52との間の静止
摩擦力よりも小さく設定されているから、上記第2の弁
体54と磁石部材55は、これ以上回転することはな
い。
【0160】このことにより、図13(b)に示すよう
に、上記バイパス管用ポ−ト65に連通する上記第1の
弁体の第1の貫通孔69は上記第2の弁体54に設けら
れた第2の通孔80に対向してケ−ス25内に開放し、
上記第1の接続ポ−ト60に連通する第1の弁体53の
第2の貫通孔70は、第2の弁体54に設けられた第2
のシ−ル部材77によって閉塞される。
【0161】このような動作により、ケ−ス25内に満
たされている高温高圧冷媒は、上記第2の通孔80、第
1の貫通孔69およびバイパス管用ポ−ト65を介し
て、バイパス管66に流れ込み除霜回路140の第1の
接続管141を介して室内熱交換器63に直接流入する
こととなる。(図9参照) 一方、上記電動機部27が完全に停止すると、上記室内
熱交換器63への低温低圧冷媒の供給が停止されるか
ら、上記室内熱交換器64内の低圧冷媒と上記バイパス
管66(除霜回路140)から供給される高圧冷媒との
間で急速に圧力バランスが図られることとなる。このこ
とにより、この空気調和機の配管内の冷媒の圧力は、極
めて短時間の間に一定の値(バランス圧力)に収束する
こととなる。
【0162】この圧力バランス動作は、上記電動機部2
7と略同時に行われ、所定時間(例えば30秒〜1分
間)継続される。すなわち、上記電動機部27の停止直
後は、ケ−ス25内の圧力が上昇しているので、上記第
2の弁体54のみが回動し、上記第1の弁体53は上記
弁ベ−ス52との間の静止摩擦力によって回動しない。
【0163】そして、所定時間経過後には上記バイパス
管66および除霜回路140の作用によって圧力バラン
スが行われる。すると、前述したように、上記第1の弁
体53と上記弁ベ−ス52との間の静止摩擦力が上記磁
力切換部56の駆動トルクよりも小さくなるから、この
第1の弁体53を容易に駆動できるようになる。したが
って、暖房運転への切換等を容易に行うことができる。
【0164】このような圧力バランス動作により、圧力
バランスが迅速に行われるので、空気調和機を再起動す
る際や、冷房運転から暖房運転に切り換える際の待ち時
間を大幅に短縮することができる。
【0165】次に、冷房運転および暖房運転への切り換
えを失敗した場合の動作について説明する。切り換えを
失敗した場合とは、何等かの原因で圧力がバランスしな
い状態で切り換えを行い、第1の弁体53が冷房あるい
は暖房時の正規のポジション(図10および図12に示
す)に切り換えられない場合をいう。
【0166】したがって、冷媒が流通しずらくなり、通
常の冷房あるいは暖房運転が行えないことになる。この
状態の解消は、次に説明する切換ミス解消動作により行
う。
【0167】この切換ミス解消動作は、前述した圧力バ
ランス動作と略同じ動作である。すなわち、暖房運転
(図10)に切り換える際に切換ミスをした場合には、
上記電動機部27(圧縮機部26)を停止させると略同
時に、上記磁力切換部56の電磁石90に印加する電圧
を図11(c)の波形図に示すように制御する。
【0168】このことで、前に説明したように、第2の
弁体54のみが回動し、図11(b)に示すように、上
記第1の弁体53の第2の貫通孔70と、第2の弁体の
第1の通孔79とが連通する。上記暖房運転が少しでも
行われていた場合には、上記第1の弁体53の第2の貫
通孔70は、上記弁ベ−ス52のバイパス管用ポ−ト6
5に連通しているから、このポ−ト65から、上記バイ
パス管66および除霜回路140を利用して配管内の圧
力バランスを急速に行うことができる。
【0169】したがって、この後、改めて、上記磁力切
換部56の電磁石90に印加する電圧を図10(c)の
波形図に示すように制御し、図10(a)、(b)に示
す暖房運転時のポジションに上記第1、第2の弁体5
3、54を切り換えるようにする。
【0170】このような動作により、切換ミスがあった
場合にも、迅速にその状態を解消して暖房運転を再開す
ることができる。なお、冷房運転(図12)に切り換え
る際に切り換えミスをした場合には、上記電動機部27
を停止させると同時に、上記磁力切換部56の電磁石9
0に印加する電圧を図13(c)の波形図に示すように
制御する。
【0171】このことで、前述した冷房運転時の切換ミ
ス解消動作と同様に、バイパス管66および除霜回路1
40を利用して配管内の圧力バランスを急速に図ること
ができる。
【0172】したがって、切換ミスがあった場合にも、
迅速にその状態を解消して冷房運転を再開することがで
きる。なお、磁力切換部56は、上記第2の弁体54を
駆動するのに十分な駆動トルクを常に発生するから、上
記第2の弁体54の駆動は常に確実に行われる。
【0173】以上説明した構成によれば、以下に説明す
る効果がある。第1に、冷房あるいは暖房の停止時に圧
力バランス動作を行わせることができ、この圧力バラン
スが容易にかつ迅速に行える効果がある。
【0174】すなわち、従来の往復式の摺動弁の場合に
は、この圧縮ガス漏れを防止するために、上記摺動弁は
常に弁座に対して密着させる必要があるから、この切換
弁の部分で圧力バランスを行うことができず、圧縮機部
26の機械部分あるいは上記膨脹弁21という流量抵抗
の大きい部分を通してでしか圧力バランスを行えなかっ
た。したがって、圧縮機の停止から圧力バランスまでの
間、図14に一点鎖線で示すように長時間(例えば3分
以上)待つ必要があるということがあった。
【0175】一方、仮に、この圧力バランスが成されな
いまま冷房暖房間の切り換えを行うことも可能なのであ
るが、このような切り換えを行おうとすると、上記摺動
弁を過大な力で駆動しなければならず、切換負荷がかな
り大きくなる。このような切換負荷に耐える構成とする
には、上記弁本体や摺動弁の剛性を高くするのみなら
ず、前記電磁弁装置の駆動力も大きくしなければならな
いということがあり、装置全体が大型化するという欠点
がある。
【0176】しかし、この発明の場合には、切換弁をケ
−ス内蔵形とすると共に、回転形とすることで、ケ−ス
内の圧力差を利用して五方切り換えを行える構成とし
た。このことにより、ケ−ス内にバイパス管66を連通
させて圧力バランス動作を行なわせることができる。
【0177】このことにより、上記圧縮機部26の機械
部分や膨脹弁21などの流量抵抗の大きい箇所とは異な
り、流量抵抗の少ないバイパス管および除霜回路が追加
されるので、図14に実線で示すように、運転停止から
圧力バランスまでを急速に行うことができ、再起動や運
転切換を迅速に行える効果がある。また、冷媒の注入等
も圧力バランスのために長時間待つことなく迅速に行え
る効果がある。
【0178】また、通常と変わらない切換負荷で、圧力
バランス動作を行うことができるので、切換弁部や電磁
切換部を大形化して駆動力を大きくしなくても良く、ま
た、圧力バランス動作のための酢駆動手段は冷暖房切換
動作を行う磁力切換部ですむから装置の小形化を実現す
ることができる。
【0179】なお、このような圧力バランス動作を行わ
ない場合でも、上記電動機部27の運転を停止するとケ
−ス内の圧力が低下して上記第1、第2の弁体はその自
重により若干下がり、上記弁ベ−ス52との隙間を拡大
する。したがって、上記弁ベ−ス52に設けられた全て
のポ−ト60〜62が上記弁体53の上面との間に生じ
た隙間を介して連通するから、図14に点線で示すよう
に圧力バランスをある程度迅速に行うことができる。
【0180】ただしケ−ス内の圧力が低下するまで待た
なければならない分、この発明の圧力バランス動作を行
う場合に比べて、圧力バランスまでの時間が長くなる。
なお、上述したような構成であっても、運転時には、上
記ケ−ス25内の圧力により、上記第1の弁体53は、
上記弁ベ−ス52に対して押し付けられ密着するから、
圧縮ガス漏れが生じることはなく、また、回動方向に容
易に移動しないように保持されるようになっている。
【0181】第2に、簡単な構成で暖房運転を停止する
ことなく、室外熱交換器の除霜を迅速に行える効果があ
る。すなわち、従来例の構成においては、室外熱交換器
64に着霜が生じた場合には、この霜を溶かすために、
一時的に暖房サイクルを冷房サイクルに切り換えて室外
熱交換器に高温高圧冷媒を送る必要がある。
【0182】しかし、このようにすると室内温度の低下
を招くという問題点がある。また、上述したように従来
例の構成では、冷房暖房の切り換えを迅速に行うことが
できないから、迅速な除霜を行えないということがあ
る。
【0183】また、このような欠点を解消するために、
上記四方弁とは別の切換弁を設け、圧縮機からの高温高
圧冷媒を着霜状態にある室外熱交換器に直接供給して除
霜を行う方法が考えられる。
【0184】しかし、この方法であると、切換弁を2つ
設けることとなるから、構成が複雑になると共に、この
切換弁をケ−ス25の外部に設ける場合には、圧縮機か
らの振動が上記切換弁との間の接続管に生じるために防
振措置をとる必要も生じる。
【0185】また、この別の切換弁をケ−ス25内に設
けた場合には、ケ−ス25を大型化する必要が生じると
共に、ケ−ス25内から取り出す配線が多くなり、配線
構造が複雑化するという問題も生じる。
【0186】しかし、この発明では、上記切換弁部28
を第1、第2の2つの弁体53、54を有する回転式5
方弁として、これをケ−ス25内に収納するようにし
た。このことで、簡単な構成で暖房運転を停止すること
なく、除霜運転を迅速に行える圧縮機を得ることができ
る。
【0187】また、冷房あるいは暖房運転中の上記第1
の弁体53と弁ベ−ス52との密着状態による静止摩擦
力の増大を利用して、上記第1、第2の弁体53、54
を一つの磁力切換部56で別々に駆動することできるよ
うにしたから、配線も上記磁力切換部56に設けられた
電磁石90に給電するための2本の配線で済み、配線構
造も簡略化する効果がある。
【0188】なお、仮に、上述した構成を用いないで冷
房、暖房、圧力バランス動作および除霜の4つの運転状
態(図10〜図13)を切り換えようとすると、少なく
とも2以上の電磁石を必要とするから、構成が大型化す
ると共に配線や構造も複雑となる。
【0189】また、この発明によれば、除霜に用いるた
めのバイパス管66および除霜回路140を前述した圧
力バランス動作に用いることができるので、少ない配管
構造で、有効な運転を行える効果がある。
【0190】第3に、暖房、冷房運転への切換ミスが生
じた場合でも、切換ミス解消動作によりこの状態を迅速
に解消でき、暖房あるいは冷房運転を迅速に再開するこ
とができる。
【0191】すなわち、切換ミスがあった場合には、上
記電動機部27を停止させると同時に、磁力切換部56
を作動させることで、前記圧力バランス動作と同様に、
上記第2の弁体54の第1あるいは第2の通孔79、8
0を上記弁ベ−ス52のバイパス管用ポ−ト65に連通
させ、前記バイパス管66および除霜回路140を利用
して配管内の圧力バランスを急速に図ることができる。
【0192】したがって、改めて、第1、第2の弁体5
3、54を駆動しなおし、冷房あるいは暖房運転を迅速
に再開することができる効果がある。第4に、空気調和
機の配管を簡略化することができる効果がある。
【0193】すなわち、上記弁ベ−スに設けられた第1
あるいは第2の接続ポ−トを、上記第1、第2の弁体5
3、54を介して直接上記ケ−ス25内に開放させるこ
とができるから、高圧ガス用配管が不要になる。また、
このことに伴い従来高圧ガス用配管に必要だった防振措
置が不要になる。
【0194】さらに、この切換弁部28は、従来例のも
のと異なり、電磁弁装置を用いるものではないから、従
来の切換弁に必要だった毛細管(図16および図17に
示す11〜12)が不要になる。
【0195】したがって、圧縮機の組み立てが容易にな
ると共に、簡単な構成で振動の少ない空気調和機を得る
ことができる効果がある第5に、圧縮機を小形化するこ
とができる効果がある。
【0196】すなわち、この圧縮機のケ−ス25内に内
蔵された切換弁部28は、従来例のものと異なり回転式
であり、また、電磁弁装置を有しないから、その全長を
小さくすることができる。
【0197】しかも、上述したように、除霜運転や圧力
バランス動作を行う機構も一体的に組み込めるから、上
記ケ−ス25を大型化することなく、上記切換弁部28
を上記圧縮機のケ−ス25内に組み込むことができ、近
年の圧縮機の小形化の傾向にも十分対応することができ
る効果がある。
【0198】また、このことによって、ケ−ス25の蓋
体25aの貫通孔58と弁ベ−ス52の接続部の全長が
小さくなっているため、溶接箇所自体も小さくなり、ガ
スリ−クに対する信頼性や溶接作業の作業性も向上す
る。
【0199】第6に、切換弁部28を制御するための電
力を少なくすることができる効果がある。すなわち、上
記ステ−88は鉄製(磁性片)であるから、弁体52の
駆動時以外には、上記ステ−88を磁化しなくとも、こ
のステ−88と上記磁石部材54との吸引力により、切
換位置を維持することができる。
【0200】したがって、スプリングと電磁石とにより
摺動弁の位置を維持する従来例と異なり、運転中は、上
記磁力切換部56に電圧を印加する必要がないから、消
費電力を少なくすることができる。
【0201】なお、この発明は、上記一実施例に限定さ
れるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々
変形可能である。上記一実施例では、上記バイパス管に
除霜回路として、第1、第2の接続管および逆止弁が接
続されていたが、図15に示すように、第2の接続管の
みであっても良い。
【0202】このような構成によれば、第1の接続管が
存在しないので、冷房運転停止時の圧力バランス動作は
行えないが、暖房運転停止時の圧力バランス動作および
暖房運転中の除霜動作は上記第2の接続管を通して行う
ことができる。
【0203】ただし、上記冷房運転停止時に前記圧力バ
ランス動作を行わなくても、ケ−ス内の圧力が低下する
と第1の弁体が下降することから、前述したように図1
4の点線で示す速度で圧力バランスを行える。
【0204】このことを考えると、図15の構成は、上
記一実施例と比較して第1の接続管および第1、第2の
逆止弁が不要なるから、この空気調和機の配管構成を大
幅に簡略化できる効果がある。
【0205】また、冷房運転から暖房運転への切換をミ
スした場合にも、上記バイパス回路および上記第2の接
続管を通して高圧冷媒を上記室外熱交換器に直接供給す
ることで圧力バランスを急速に図れ、切換ミスの状態を
迅速に解消することが可能である。
【0206】また、上記一実施例では、上記流体圧縮機
は、2つのシリンダ35およびロ−ラ40を有するツイ
ンロ−タリ圧縮機であったが、これに限定されるもので
はない。例えばロ−ラ40が一つのみのシングルロ−タ
リ圧縮機であっても良い。
【0207】また、旋回スクロ−ル翼と非旋回スクロ−
ル翼とを組み合わせて圧縮空間を形成し、上記旋回スク
ロ−ルを非旋回スクロ−ルに対して旋回させることで上
記圧縮空間内の流体を圧縮するスクロ−ル形圧縮機であ
っても良い。要は、ケ−ス内が圧縮後の高圧冷媒によっ
て満たされるものであれば良い。
【0208】さらに、上記一実施例では、ケ−ス25内
に圧縮機部28のみならず電動機部27をも設けていた
が、圧縮機部27と上記切換弁部28のみがケ−ス25
内に収められ、上記電動機部27はケ−ス25外に設け
られているものであっても良い。
【0209】また、上記一実施例では、上記第1の弁体
53と、第2の弁体54とを一つの磁力切換部56で駆
動するようにしたが、これに限定されるものではない。
例えば、上記第1の弁体53をサ−ボモ−タで駆動し、
上記第2の弁体54を電磁切換弁に接続されたクランク
機構で駆動するようにしても良い。
【0210】この場合でも、上述したように上記第1、
第2の弁体に大きな駆動力を要しないから、駆動機構を
大型化する必要がなく、切換弁自体を小形化することが
できる効果がある。
【0211】
【発明の効果】以上述べたような構成によれば、圧縮後
の高圧流体が満たされるケ−ス内に回転式の五方切換弁
を設けることで、暖房運転を継続しつつ室外熱交換器の
除霜を行うことができる。
【0212】また、停止時には、ケ−ス内の高圧冷媒を
室内熱交換器の冷媒入口あるいは室外熱交換器の冷媒入
口に供給することで冷凍サイクル内の圧力バランスを急
速に図ることができる。したがって、再起動あるいは冷
房、暖房の運転切換を迅速に行うことができる効果があ
る。
【0213】さらに、圧縮機運転中はケ−ス内の高圧冷
媒により弁ベ−スと第1の弁体の間に生じる静止摩擦力
が大きく、停止中は小さいことに鑑みて、上記第1の弁
体と第2の弁体を回動駆動する駆動手段の駆動トルクを
調整したので、圧縮機運転中は上記第2の弁体のみを駆
動でき、停止中は第1、第2の弁体の両方を駆動でき、
五方切換を行うことができる。
【0214】また、したがって、切換弁をケ−ス内に組
み込んだ場合にも、このケ−スが大形化することがな
く、また、配管構成を簡略化できるからコンパクトな空
気調和機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す縦断面図。
【図2】同じく、切換弁部を示す平面図、正面図、側面
図、横断断面図および縦断面図。
【図3】同じく、切換弁部の弁ベ−スを示す平面図、側
面図および下面図。
【図4】同じく、磁力切換部を示す平面図、側面図およ
び正面図。
【図5】同じく、第1の弁体を示す平面図、側面図およ
び下面図。
【図6】同じく、第1の弁体を示す平面図、側面図およ
び下面図。
【図7】同じく、磁石部材を示す平面図および縦断面
図。
【図8】同じく、磁石部材と第1、第2の弁体の組み合
わせ状態を示す斜視図。
【図9】同じく、圧縮機の上面図。
【図10】同じく、暖房運転時の切換弁部の切換動作を
示す動作図および波形図。
【図11】同じく、除霜運転時(圧力バランス動作)の
切換弁部の切換動作を示す動作図および波形図。
【図12】同じく、冷房運転時の切換弁部の切換動作を
示す動作図および波形図。
【図13】同じく、圧力バランス動作を示す動作図およ
び波形図。
【図14】同じく、圧力バランスまでの時間を示すグラ
フ。
【図15】他の実施例の要部を示す縦断面図。
【図16】従来例の四方弁を示す縦断面図。
【図17】同じく、圧縮機を示す縦断面図。
【符号の説明】
17…圧縮機、21…膨脹弁(減圧装置)、25…ケ−
ス、26…圧縮機部、28…切換弁部(回転形五方切換
弁)、52…弁ベ−ス、53…第1の弁体、54…第2
の弁体、55…磁石部材、56…磁力切換部(駆動手
段)、60…第1の接続ポ−ト、61…低圧ガス吐出ポ
−ト、62…第2の接続ポ−ト、63…室内熱交換器、
64…室外外側熱交換器、65…バイパス管用ポ−ト
(配管手段用ポ−ト)、66…バイパス管、68…凹陥
溝(連通溝)、69…第1の貫通孔、70…第2の貫通
孔、106…制御部、140…除霜回路(配管手段)、
141…第1の接続管(室内熱交換器側接続管)、14
2、…第1の逆止弁、143…第2の接続管(室外熱交
換器側接続管)、144…第2の逆止弁。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機、室内熱交換器、減圧装置、室外
    熱交換器を順次配管接続してなる冷凍サイクルと、この
    冷凍サイクルを制御する制御部とを有する空気調和機に
    おいて、 上記冷凍サイクルは、この圧縮機と暖房運転時室外熱交
    換器の冷媒入口となる配管とを接続する室外熱交換器側
    接続管を有する配管手段を有し、 上記圧縮機は、圧縮後の高圧冷媒が満たされるケ−ス
    と、このケ−ス内に設けられ、回動することで上記冷媒
    の流路を切り換える第1、第2の弁体を有する回転形五
    方弁を有し、 上記制御部は、この回転形五方弁を制御し、上記第1、
    第2の弁体を回動させることで、暖房、冷房および除霜
    運転に切り換えると共に、除霜運転への切換は、暖房運
    転を継続しながらケ−ス内の高温高圧冷媒を上記室外熱
    交換器側接続管に供給することで行なわせる手段を有す
    ることを特徴とする空気調和機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の空気調和機において、 上記制御部は、さらに、上記五方切換弁による暖房運転
    への切換にミスが生じた場合には、圧縮機を停止すると
    共に、上記室外熱交換器側接続管にケ−ス内の高圧冷媒
    を供給し、再び、第1、第2の弁体を回動させることで
    暖房運転に切り換える手段を有することを特徴とする空
    気調和機。
  3. 【請求項3】圧縮機、室内熱交換器、減圧装置、室外熱
    交換器を順次配管接続してなる冷凍サイクルと、この冷
    凍サイクルを制御する制御部とを有する空気調和機にお
    いて、 上記冷凍サイクルは、圧縮機と冷房運転時室内熱交換器
    の冷媒入口となる配管とを接続する室内熱交換器側接続
    管、および圧縮機と暖房運転時室外熱交換器の冷媒入口
    となる配管とを接続する室外熱交換器側接続管とを有す
    る配管手段を有し、 上記圧縮機は、圧縮後の高圧冷媒が満たされるケ−ス
    と、このケ−ス内に設けられ、回動することで上記冷媒
    の流路を切り換える第1、第2の弁体を有する回転形五
    方弁を有し、 上記制御部は、この回転形五方弁を制御し、上記第1、
    第2の弁体を回動させることで、暖房、冷房および除霜
    運転に切り換えると共に、除霜運転への切換は、暖房運
    転を継続しながらケ−ス内の高圧冷媒を上記室外熱交換
    器側接続管に供給することで行なわせる手段を有するこ
    とを特徴とする空気調和機。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の空気調和機において、 上記配管手段は、上記室内熱交換器側接続管に設けら
    れ、上記圧縮機方向への冷媒の流通を規制する第1の逆
    止弁と、室外熱交換器側接続管に設けられ、上記圧縮機
    方向への冷媒の流通を規制する第2の逆止弁とを有し、 上記制御部は、さらに、暖房運転停止と共にケ−ス内の
    高圧冷媒を上記室外熱交換器側接続管に供給させ、冷房
    運転時停止と共にケ−ス内の高圧冷媒を上記室内熱交換
    器側接続管に供給させる手段を有することを特徴とする
    空気調和機。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の空気調和機において、 上記制御部は、さらに、上記五方切換弁による冷房運転
    への切換にミスが生じた場合には、圧縮機を停止すると
    同時に、上記室内熱交換器側接続管にケ−ス内の高圧冷
    媒を供給し、再び、第1、第2の弁体を回動させること
    で冷房運転に切り換える手段と、 上記五方切換弁による暖房運転への切換にミスが生じた
    場合には、圧縮機を停止すると共に、上記室外熱交換器
    側接続管にケ−ス内の高圧冷媒を供給し、再び、第1、
    第2の弁体を回動させることで暖房運転に切り換える手
    段とを有することを特徴とする空気調和機。
  6. 【請求項6】 請求項1あるいは請求項3記載の空気調
    和機において、 上記回転形五方切換弁は、 ケ−スに取着された弁ベ−スと、 この弁ベ−スに設けられ、この弁ベ−スのケ−ス内外面
    に開放し、それぞれ室外熱交換器、室内熱交換器および
    圧縮機の吸込み側に接続される3つのポ−トおよび上記
    配管手段に接続される配管手段用ポ−トと、 上記弁ベ−スの上記3つのポ−トおよび配管手段用ポ−
    トが開口するケ−ス内側面に回転自在に設けられた第1
    の弁体と、 この第1の弁体の上記弁ベ−スに対向する面に設けら
    れ、上記弁体が所定角度回動することで上記3つのポ−
    トのうちの2つを選択的に互いに連通させる連通溝と、 上記第1の弁体に設けられ、他の1つのポ−トおよび配
    管手段用ポ−トとをケ−ス内側へ連通させる第1、第2
    の貫通孔と、 上記第1の弁体に対して回転自在に設けられ、この第1
    の弁体に対して所定角度回動することで、上記第1の弁
    体の第1あるいは第2の貫通孔を閉塞する第2の弁体と
    を具備するものであることを特徴とする空気調和機。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の空気調和機において、 上記回転形五方切換弁は、 上記第1の弁体と上記弁ベ−スとに設けられ、上記第1
    の弁体の上記弁ベ−スに対する回動角度を規制する第1
    の規制手段と、 上記第1の弁体と上記第2の弁体とに設けられ、これら
    の相対回動角度を所定範囲内に規制する第2の規制手段
    と、 上記第2の弁体を回動駆動させ、上記第1あるいは第2
    の規制手段を作用させることで、ケ−ス内からの高圧冷
    媒およびケ−ス外からの低圧冷媒を、室内熱交換器、室
    外熱交換器、圧縮機の吸込み側、あるいは配管手段への
    5方切換を行なわせる駆動手段とを具備することを特徴
    とする空気調和機。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の空気調和機において、 上記駆動手段の駆動トルクは、 上記圧縮機部運転中に第1の弁体と上記弁ベ−スとの間
    に生じる静止摩擦力よりも小さく、上記第1の弁ベ−ス
    と上記第2の弁ベ−スの間に生じる静止摩擦力よりは大
    きいことを特徴とする空気調和機。
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