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JPH085721B2 - 複合セラミツク焼結体とその製造方法 - Google Patents

複合セラミツク焼結体とその製造方法

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Publication number
JPH085721B2
JPH085721B2 JP63060420A JP6042088A JPH085721B2 JP H085721 B2 JPH085721 B2 JP H085721B2 JP 63060420 A JP63060420 A JP 63060420A JP 6042088 A JP6042088 A JP 6042088A JP H085721 B2 JPH085721 B2 JP H085721B2
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JP
Japan
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sintered body
composite ceramic
ceramic sintered
body according
particles
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Expired - Lifetime
Application number
JP63060420A
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English (en)
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孝明 鈴木
弘則 児玉
邦裕 前田
貴枝 中村
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP63060420A priority Critical patent/JPH085721B2/ja
Publication of JPS6428283A publication Critical patent/JPS6428283A/ja
Publication of JPH085721B2 publication Critical patent/JPH085721B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高温で高強度かつ高じん性であり、しかも均
質性かつ等方性で、耐熱性、耐酸化性、耐エロージョン
性に優れた複合セラミックス焼結体及びその製法に係
り、特に詳しくは高温構造部品用、精密構造部品用、切
削工具用に適した複合セラミックス焼結体及びその製法
と用途に関する。
〔従来の技術〕
セラミックスは、耐熱性、耐酸化性、高強度、耐摩耗
性、高剛性などの優れた性質を持つことから、高温構造
部材あるいは耐摩耗部材としての応用開発がなされてい
る。しかしながら、これらのセラミックスを各種部品と
して実用化して行くには、より高いじん性、強度が要求
され、特に近年材料の信頼性向上の要求と共に、セラミ
ックスのじん性向上が大きな課題としてクローズアップ
されてきている。
すなわち、近年ガスタービンブレード、ディーゼルエ
ンジンのホットプラグ、内燃機関のハウジング、熱間鍛
造ダイスターボチャージャ用ロータなどの高温構造部品
や、切削工具、各種ノズル、パイプ、ロッカーアームチ
ップ、ダイス等の材料としてセラミック焼結体を利用す
る研究がなされている。しかしながら、いまだに信頼性
のあるセラミック焼結体は得られていない。
セラミックスのじん性を向上させるためには、材料の
破壊エネルギーを大きくすることが必要で、このための
方法として、無機炭化物、無機窒化物や無機酸化物のよ
うなセラミックマトリックスとは物理的性質の異なる粒
子を分散したり、ファイバやウイスカを複合化する研究
が数多くなされている〔例えばG.C.ウエイ(G.C.Wei)
及びP.F.ベッカー(P.F.Becher)、ジャーナル オブ
ジ アメリカン セラミック ソサイエティ(J.Am.Cer
am.Soc.)、第67巻、第571頁(1984)や、チャールス
C.ソレル(Charles C.Sorrell)及びウラジミール S.
スツビカン(Vladimir S.Stubican)、ジャーナル オ
ブ ジ アメリカン セラミック ソサイエティ、第69
巻、第317頁(1986)参照〕。
これらの材料においては、複合化のために添加した材
料によって、クラックの進路が折れ曲がったり、クラッ
クの進展が阻止されるため、通常の何も複合化しない単
体のセラミックスに比べて破壊に要するエネルギーが大
きくなる。またファイバやウイスカなどの繊維状の材料
を複合化したセラミックスでは、上記と同様な機構に加
えて、更に破壊の際にファイバやウイスカがマトリック
スから引き抜けることによる破壊エネルギーの吸収機構
も作用すると考えられる。このような種々の方法で材料
の破壊に要するエネルギーを大きくすることによって、
セラミックスの高じん化が可能となる。
しかしながら高温構造部材用、あるいは精密構造部材
用セラミックスにこれらの複合化法を適用する際には、
高強度、高じん性に加えて耐熱性、耐酸化性、均質性に
も優れていることが要求される。この点で、現在までに
開発された材料もまだまだ不十分で、課題は多く残され
ている。
例えば、ZrO2の相転移を利用した強じん性セラミック
スは、ZrO2の相転移温度より高い温度(例えば≧1000
℃)では、その強じん化機構が失われ、じん性は低下し
てしまう。
また金属やそれらの炭化物、窒化物、ホウ化物、ケイ
化物といった化合物を複合化材料として添加してじん性
を向上させる方法では、複合材の耐酸化性がマトリック
ス単体より劣化する場合がほとんどである。
したがって、少なくともマトリックス及び複合添加す
る材料は、共に単体では耐熱性、耐酸化性に優れたもの
であることが必須で、更にそれらの材料の中から強じん
化する組合せを選択することが必要となる。ところが、
例えば耐熱性、耐酸化性に優れた材料は互いに物理的性
質が近いことが多く内部歪を蓄えることによる強じん化
機構などはあまり有効でなく、じん性を飛躍的に向上さ
せることはできない。
これに対して、繊維強化法は複合添加する材料の繊維
形状及び強度が、その強じん化に大きな効果を発揮する
もので、特に近年、耐熱性、耐強化性の要求と相まっ
て、ファイバやウイスカを強化繊維とする複合セラミッ
クスの研究が注目されている〔S.T.ブルジャン(S.T.Bu
ljan)及びV.K.サリン(V.K.Sarin)、コンポジッツ(C
OMPOSITES)、第18巻、4月号、第99頁(1987)、D.K.
シェッテイ(D.K.Shetty)及びM.R.パスクッシイ(M.R.
Pascucci)、プロシィーディングス オブ セラミック
エンジニアリング サイエンス(Proc.Cerem.Eng.Sc
i.)、1985年米国セラミック学会発行、第632頁、T.ヤ
マモト(T.Yamamoto)、エレクトロニック セラミック
ス(ELECTRONIC CERAMICS)、1986年7月号、第52〜56
頁、及びS.T.ブルジャン、J.ガリイ バルドント(J.Ga
ry Baldont)、及びM.L.ハカビー(M.L.Huckabee)アメ
リカン セラミック ソサイエティ ブレティン(Am.C
eram.Soc.Bull.)、第66巻、第347〜352頁(1987)〕。
他方これまでにCの長繊維や有機ケイ素化合物から合
成したSiCの長繊維を用い、母材をガラスとした一方向
繊維強化材などで、じん性が向上した例が報告されてい
るが、これらには複合化した繊維が太く複合材の特性が
不均質であること、一方向にしか強じん化しておらず異
方性をもつこと、繊維自体の耐熱性、耐酸化性が悪いこ
と、繊維を配列する必要が有り、製法が複雑であること
など幾つかの問題が残っていた。一方、これらの異方
性、不均質性などを解消する目的で強化繊維としてウイ
スカを用いる試みも数多くなされている。この中でマト
リックス材にアルミナを、強化繊維にSiCウイスカを選
んだ炭化ケイ素ウイスカ強化アルミナ複合セラミックス
が、耐熱性、耐酸化性にも優れる組合せとして注目さ
れ、例えばG.C.ウエイ及びP.F.ベッカーらは、ウイスカ
10〜30容量(vol)%添加でじん性の大きな複合セラミ
ックスが得られることを報告している〔アメリカン セ
ラミック ソサイエティ ブレティン、第64巻、第298
頁(1985)〕。しかしながら、じん性は今のところK1C
=8〜9MPam1/2までしか向上していない。これは特に添
加するウイスカの直径が小さいため、前述のようなクラ
ックの進展阻止の効果が小さいこと、更にはウイスカの
添加量があまり多くなると焼結体のち密化が困難となる
ため、添加量が制限されること、などの理由によるもの
と推定される。
耐熱性、耐酸化性に優れる組合せ例えば、P.D.シャレ
ク、J.J.ペトロビック(P.D.Shalek、J.J.Petrovic)ら
は、ウイスカを10〜30容量%添加することで破壊じん性
値K1C=10〜10.5MPam1/2の複合焼結体が得られることを
報告している〔アメリカン セラミック ソサイエティ
ブレティン、第65巻、第351頁(1986)〕。
但し、上記報告に使用された炭化ケイ素ウイスカは、
直径3〜10μmと、通常の市販の炭化ケイ素ウイスカの
0.5〜1μmに比べてかなり太いもので一般に入手は困
難である。一方、市販の炭化ケイ素ウイスカを用いたこ
れまでの報告例では、ウイスカ強化窒化ケイ素複合焼結
体で、じん性はせいぜいK1C=7〜8MPam1/2までしか向
上していない。これは特に窒化ケイ素を母材とした複合
焼結体では、窒化ケイ素の焼結温度が高温であるため、
添加した炭化ケイ素ウイスカの強度が低下しているこ
と、添加したウイスカの直径が小さいため、前述のよう
なクラックの進展阻止効果が小さいこと、更にはウイス
カの添加量が多くなると焼結体のち密化が困難となるた
め、添加量に制限があること、などの理由によるものと
推定される。
〔発明が解決しようとする課題〕
このように上記従来技術では、いまだ材料の均質性、
等方性、耐熱性、耐酸化性を十分に満足し、かつじん性
の十分大きな材料は得られておらず、構造部品などに適
用する上では、種々の問題が残されていた。
本発明の目的は、じん性の高い複合セラミック焼結体
及びその製造法とその用途を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明を概説すれば、本発明の第1の発明は複合セラ
ミック焼結体に関する発明であって、窒化ケイ素、酸窒
化ケイ素又は無機酸化物を主成分とする母材中に、該母
材の焼結温度よりも高い焼結温度を有する物質のウイス
カ5〜50重量%、及び前記母材の焼結温度よりも高い焼
結温度を有する物質の粒子5〜30重量%を分散含有し、
かつ前記粒子の粒径が前記母材の結晶粒径よりも大き
く、5〜60μmの平均粒径であることを特徴とする。
また本発明の第2の発明は、複合セラミック焼結体の
製造方法に関する発明であって、窒化ケイ素、酸窒化ケ
イ素又は無機酸化物のセラミック母材形成物質粉末と、
該母材物質の焼結温度より高い焼結温度を有する物質の
ウイスカ5〜50重量%、及び前記母材の焼結温度より高
い焼結温度を有する物質の粒子であって、平均粒径が5
〜60μmである粒子5〜30重量%とを十分に混合した
後、加圧成形し、次いで前記ウイスカ及び粒子が焼結し
ない前記母材の焼結温度で焼結することを特徴とする。
そして本発明の第3の発明は、前記第1の発明の複合
セラミック焼結体の特定の用途に関する。
本発明はセラミック母材に、この母材の焼結温度より
高い焼結温度を有する物質の、ウイスカ5〜50重量%、
及び粒子5〜30重量%の両方を添加分散し、かつ該粒子
の粒径が、母材の結晶粒径より大きく、5〜60μmの平
均粒径であるとウイスカ及び粒子の相乗効果により破壊
じん性及び曲げ強度が顕著に改良されるという事実に基
づく。
本発明においては、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素又は無
機酸化物を母材とする。母材として選ばれる無機酸化物
は、一般の結晶質物質、ガラス又は結晶化ガラス(ガラ
スセラミックス)のいずれでも良く、複合材料に対して
特に高い耐熱性、耐酸化性などが要求される場合には、
無機酸化物の母材としてアルミナ、ムライト、ジルコニ
アなどのセラミックスが選ばれる。
また、ガラスとしては、高シリカ含有ガラス、結晶化
ガラスとしては、リチウム・アルミノケイ酸塩ガラス
(LAS)、マグネシウム・アルミノケイ酸塩ガラス(MA
S)、バリウム・マグネシウム・アルミノケイ酸塩ガラ
ス(BMAS)等が好適である。
これらの母材は添加されるウイスカ及び粒子を構成す
る物質の焼結温度より低い温度で焼結されるもので、母
相とこれらのウイスカ及び粒子とは母相同志の結合より
弱い結合力によって結合される。したがって、本発明に
おいては母材の焼結温度で焼結され、母相とウイスカ及
び粒子とは直接焼結されないように形成される。
母材の原料粉末は、添加される粒子より小さく、平均
粒径が10μm以下が好ましい。ウイスカ及び粒子の材料
としては、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ケイ素・アルミニ
ウム酸窒化物のような酸窒化ケイ素、アルミナ及びジル
コニアからなる群から選ばれる。
ウイスカの添加量は、1〜50重量%が好ましく、更に
好ましくは1〜40重量%であり、50重量%を超えると、
ウイスカの分散が困難となり、ち密な焼結体が得られ
ず、強度、じん性とも著しく低下してしまう。
添加する粒子の平均粒径は、焼結した母材の結晶粒径
より大きく、5〜60μmであることが必要であり、これ
が5μmより小さいとクラック進展に対する阻止力が小
さく、じん性向上効果が小さい。例えば、特開昭61−28
6272号公報に記載の材料では、原料を混合後ボールミル
粉砕しているので、粉砕前の平均粒径0.5〜5μmの添
加粒子の平均粒径は、5μm未満となってしまう。本発
明では、最小5μmが保持されるように混合を行う。後
の成形、焼結では破砕は起こらないからである。
また60μmより大きい粒子を添加すると、添加した粒
子自身が欠陥となって著しい強度低下を引き起こすので
好ましくない。特に高じん性、高強度材料を得るために
は、平均粒径5〜50μmが最適である。一方、添加量
は、1〜30重量%が好ましく、30重量%を超えると、じ
ん性が著しく低下する。強度は、粒子の添加量の増加に
つれて低下するので、高じん性でかつ高強度のために
は、5〜20重量%の添加量が特に好適である。
ウイスカ及び粒子の添加量が特に多い場合には、母材
をガラスまたは結晶化ガラスとすることにより容易にち
密質の複合材を得ることができる。
更に、粒子とウイスカの添加量の比が、ウイスカ/粒
子=0.5〜20の範囲で、じん性向上の効果が大きく、特
に高強度、高じん性のためには、この比が1〜5が好ま
しい。
また複合添加する粒子及びウイスカは、母材として選
ばれた材料より耐熱性に優れた材料よりなるものが好ま
しく、耐熱性、耐酸化性が特に要求される場合には、ア
ルミナ、ムライト、ジルコニア、SiC、Si3N4、ケイ素・
アルミニウム酸窒化物などよりなるウイスカ、粒子を選
ぶことが好ましい。更に、添加するウイスカと粒子は、
同じ材料でも、異なる材料より構成されていても構わ
ず、母材との各種物性の関係を考慮して最も好適な組合
せを選べる。また、添加するウイスカ、粒子も各々1種
類の材料よりなる必要はなく、複数の材料の組合せでも
良い。
なお、本発明における焼結体中の母材の結晶粒径は常
法によって測定することができる。
例えば、後記実施例1における焼結後の母材の結晶粒
径は約2〜3μmであり、これは同様の処理をしてい
る、例えばジャーナル オブ マテリアルズ サイエン
ス(J.Mater.Sci.)、第20巻、第4345〜4350頁(1985)
が参考となる。
また、後記実施例で使用しているアルミナ、ムライ
ト、ジルコニアは、市販のものであり、一般に粒径は0.
5〜3μmであって、その焼結後の平均結晶粒径は2〜
5μmである。
更に後記実施例で使用しているガラスは、短距離の原
子配列秩序が存在し、多結晶セラミックスの結晶粒が非
常に小さくなった状態にあるとの考え方に基づいて本発
明に含めているものであり、その場合、上記結晶粒径と
は、ガラス中の微結晶10〜15Åを採用している。
本発明の複合セラミック焼結体は、従来の方法で作る
ことができる。例えば、母材物質の粉末とウイスカ及び
粒子とを均一に混合し、得られた混合物を成形し、焼結
することから成る。
混合方法は、SiCウイスカを溶媒中に超音波を用いて
分散し、あらかじめ混合しておいたSiC粒子と原料粉末
を加えて混合し、乾燥することにより、混合粉末を得る
ことができる。混合粉末は、成形方法に応じて、PVAや
低密度ポリエチレンなどの成形用バインダを加える必要
がある。成形方法は通常、プレス成形を行うが、形状に
より、押出し成形等を行い、成形体を作製する。
焼結方法には、大気圧以下で加熱焼結する常圧焼結、
粉末を黒鉛型に充てんし、加熱しながら一軸加圧をする
ホットプレス焼結、成形体又は焼結体を1000〜2000気圧
の不活性ガスによって静水圧加圧するHIP(熱間静水圧
プレス)、その他、反応焼結、ガス圧焼結など、種々の
方法がある。特に高強度、高じん性の材料を得るために
は、ホットプレス焼結、ガス圧焼結、HIPが有効であ
る。ホットプレスでの焼結温度は母材として窒化ケイ素
では1650〜1850℃、HIPの場合1800〜2000℃が望まし
く、この方法で得られた焼結体の相対密度は99%以上で
ある。また、常圧焼結、反応焼結等で複雑形状品を焼結
した時の相対密度は、約95%程度であるが、更にHIP焼
結するなどの方法により約99%以上に向上し、複雑形状
の高温高強度、高じん性材料を得ることができる。
更に、ガラス又は結晶化ガラスを母材とする場合に
は、添加物の成形体に含浸させることもできる。
焼結に際し、必要に応じ焼結助剤を使用してもよい。
焼結助剤としては、一般に窒化ケイ素の焼結に用いてい
るものが使用できる。例えば、Al、Y、Mg、Be、Cr、Z
r、B、C、ランタン系列の元素、又はこれら元素の酸
化物、窒化物、炭化物、ホウ化物、ケイ化物、水素化
物、ケイ酸塩などから選ばれた1種以上、ランタン系列
元素としては、La、Sm、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luが
好適である。
特に高温での強度、じん性を要求される材料には、Zr
O2、ZrO2+Yb2O3、ZrO2+La2O3、ZrO2+Nd2O3、BeO、Cr
O2+La2O3、CrO2+Yb2O3、Ho2O3、Er2O3、Tm2O3、Yb2O3
などの組合せが最適である。
なお、これらの助剤を用いて得られた複合焼結体は、
助剤を含まない場合の焼結温度以下の温度で熱処理し、
添加した助剤を含む相を結晶化することによって高温特
性を改善することができる。
〔作用〕
母材の焼結温度よりも高い焼結温度を有する物質から
なる複合化した粒子は、セラミックスマトリックス中に
分散して、クラック先端が粒子に衝突する際、その進展
を阻止したり、クラックの屈曲や分岐を起こして、クラ
ック先端のエネルギーを分散、吸収する役目を果たす。
一方、ウイスカは、クラック先端が衝突する際、粒子と
同様にその進展を阻止したり、屈曲させるだけでなく、
クラック先端がウイスカを通過した後も、ウイスカが破
面を橋かけし、更にその後、破面からウイスカが引き抜
けることによって、クラック進展のエネルギーを吸収
し、複合セラミックスのじん性を向上させる。
しかしながら、粒子のみを複合化した焼結体では、ウ
イスカ強化で見られるようなウイスカの橋かけ、引き抜
け効果が期待できないため、この分、じん性向上の効果
は小さい。一方、ウイスカのみを複合化した場合には、
上記のような種々のじん性向上効果が期待できるが、実
際には、ウイスカの直径が小さいため、クラック衝突時
の進展阻止力が小さいこと、及び速いクラックの進展に
対しては、ウイスカの橋かけ、引き抜けが十分に起こら
ず、一部のウイスカでは、ウイスカを破壊してクラック
が、真っ直ぐに進展してしまう。
本発明の粒子及びウイスカを両方添加する方法では、
これらの問題点を解決し、両者の効果を十分に引き出す
ことができる。つまり、まず速いクラックの進展に対し
て、添加粒子が抵抗(障害物)となり、一時的にその進
展を阻止したり、進展速度を遅くする。このようにして
速度の低下したクラックの近傍にあるウイスカは、その
橋かけ、引き抜け効果を十分に発揮することができるよ
うになるので、クラックのエネルギーを有効に吸収でき
る。以上の理由により、本発明の複合セラミックスのじ
ん性が、飛躍的に向上しているものと推定される。
本発明によれば、破壊じん性10MPam1/2以上及び曲げ
密度450MPa以上、好ましくは500MPa以上を有するじん性
及び強度の高いセラミックス焼結体が得られる。
〔実施例〕 以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されない。
なお、各例において、使用するウイスカ及び粒子の含
有量、粒径等の各条件が本発明の範囲外のものも、参考
例として示す。
実施例1 市販の炭化ケイ素ウイスカ(直径約0.5〜1.0μm)
を、まず溶媒に超音波振動させて分散し、ウイスカの塊
りを分散すると共に、その後分散せずに残っているウイ
スカの塊りや不純物を取り除く処理を行った。
上述の処理を行ったウイスカ20重量%分と平均粒径5
〜80μmの範囲で平均粒径の異なる炭化ケイ素粒子20重
量%を、窒化ケイ素粉末(平均粒径0.5μm)60重量%
とを混合し、この混合物に対しY2O3の6重量%、Al2O3
の3重量%と共に混合し、1800℃、1h窒素中加圧力50MP
aでホットプレス焼結した。得られた焼結体の室温での
破壊じん性値及び4点曲げ強度を第1図に示す。なお、
焼結後の母材の結晶粒径は、既述のように約2〜3μm
であった。
第1図によれば、平均粒径5〜60μmの炭化ケイ素粒
子を添加した焼結体で、破壊じん性値が大きく向上して
おり、特に平均粒径10〜60μmの炭化ケイ素粒子を添加
した焼結体で、破壊じん性値K1C=10〜12MPam1/2と、従
来この種のものでは得られなかった非常にじん性の大き
な材料が得られた。
平均粒径40μmの炭化ケイ素粒子を添加した焼結体の
破面をSEM観察した結果、クラックが添加した炭化ケイ
素粒子の所で、その粒子をう回している様子や、2方向
へ分岐している様子が見られた。また炭化ケイ素ウイス
カの引き抜け跡も多数観察され、これらが本焼結体のじ
ん性向上の要因であることを確認した。
更に各焼結体の高温強度及びじん性は、窒素中、1300
℃までほとんど低下が見られなかった。
実施例2 実施例1と同様に炭化ケイ素ウイスカを20重量%、平
均粒径40μmの炭化ケイ素粒子を0〜40重量%添加し
て、他は実施例1と同様にして複合焼結体を製造した。
得られた焼結体の室温での破壊じん性値及び4点曲げ強
度を第2図に示す。
炭化ケイ素粒子を10重量%添加した焼結体でK1C=13M
Pam1/2という非常に高いじん性値を示した。
実施例3 実施例1と同様に炭化ケイ素ウイスカを20重量%、平
均粒径40μmの炭化ケイ素粒子を10重量%、焼結助剤と
してZrO2を4重量%、Yb2O3を6.5重量%秤量し、窒化ケ
イ素粉末(平均粒径0.5μm)59.5重量%と共に十分に
混合した後、1850℃で1時間、加圧力50MPa、窒素中で
ホットプレス焼結した。
得られた複合焼結体の曲げ強度及びじん性の高温特性
を第3図に示す。図から、本焼結体は1400℃までは強度
及びじん性の低下が見られず、耐熱性に非常に優れた材
料であることがわかる。
実施例4 実施例1と同様に炭化ケイ素ウイスカ20重量%及び平
均粒径20μm又は40μmの炭化ケイ素粒子10重量%を窒
化ケイ素粉末、焼結助剤と共に十分に混合し、1トン/c
m2成形した後、窒素中で常圧焼結した。
得られた複合焼結体の密度は、どちらも相対密度で約
95%で、曲げ強度は、平均粒径20μmの炭化ケイ素粒子
を添加した焼結体で500MPa、平均粒径40μmの炭化ケイ
素粒子を添加した焼結体で530MPa、また破壊じん性値
は、各々10.8MPam1/2、11.3MPam1/2を示した。
この結果、常圧焼結でも高強度、高じん性の焼結体が
得られることがわかった。
実施例5 実施例4で得られた焼結体は、更に1800〜2000℃1h、
圧力2000atmのN2ガスを媒体として、HIP処理した。
この処理により焼結体は相対密度99%以上にち密化し
た。平均粒径20μmの炭化ケイ素粒子を添加した焼結体
の曲げ強度及び破壊じん性値は、610MPa、12MPam1/2
平均粒径40μmの粒子を添加した焼結体では630MPa、1
2.5MPam1/2を示した。
実施例6 実施例4で用いた混合粉末に、更に熱可塑性樹脂とし
て低密度ポリエチレンを10重量%を加えて十分混練した
後、押出し成形により棒状成形体を得た。この方法で成
形することにより、成形体中のウイスカは、第4図に示
すように一方向に配向する。この方法で得られた成形体
を、常法により3℃/h、500hかけて脱脂した後、N2中18
00℃、2hで常圧焼結した。
更に、常圧焼結体の一部をHIP処理した。
本方法では、添加したウイスカが一方向に配列してい
るので、この配列方向に垂直な方向で特にじん性が向上
する。
この配列方向に垂直な方向にクラックが進展するよう
に曲げ試験を行って、4点曲げ強度及び破壊じん性値を
測定した。
炭化ケイ素ウイスカ20重量%及び平均粒径40μmの炭
化ケイ素粒子10重量%を添加した焼結体の常圧焼結後の
曲げ強度は530MPa、破壊じん性値は、11.5MPam1/2、HIP
処理後の曲げ強度は690MPa、破壊じん性値は、13.7MPam
1/2を示した。
実施例7 実施例1で用いたウイスカ20重量%と平均粒径1〜80
μmの炭化ケイ素粒子20重量%を、サイアロン組成粉末
と共に混合し、1トン/cm2で成形し、1850℃3h、窒素中
で常圧焼結した。得られた焼結体の室温での破壊じん性
値及び4点曲げ強度を第5図に示す。
平均粒径5〜60μmの炭化ケイ素粒子を添加した焼結
体で、破壊じん性値が大きく向上しており、特に平均粒
径10〜60μmの炭化ケイ素粒子を添加した焼結体で、破
壊じん性値K1C=10〜11MPam1/2と、従来この材料系では
得られなかった非常にじん性の大きな材料が、しかも常
圧焼結により得られることがわかった。
平均粒径40μmの炭化ケイ素粒子を添加した焼結体の
破面をSEM観察した結果、クラックが添加した炭化ケイ
素粒子の所で、その粒子をう回している様子や、2方向
へ分岐している様子が見られた。また炭化ケイ素ウイス
カの引き抜け跡も多数観察され、これらが本焼結体のじ
ん性向上の主たる要因であることが確認できた。
ここで得られた各焼結体の1100℃、1000h酸化後の重
量変化を調べたが、いずれもほとんど変化無かった。な
お、比較のためにTiC30重量%及びTiSi2の30重量%をサ
イアロンに配合し、実施例と同様にして焼結したもの
を、1100℃、1000h酸化後の重量変化を調べた。結果を
第6図に示す。
図から明らかなように本発明の焼結体の耐酸化性が優
れていることが分かる。
実施例8 炭化ケイ素ウイスカを20重量%、平均粒径40μmの炭
化ケイ素粒子を0〜40重量%添加して、他は実施例7と
同様にして複合焼結体を製造した。得られた焼結体の室
温での破壊じん性値及び4点曲げ強度を第7図に示す。
炭化ケイ素粒子10重量%添加した焼結体は、K1C=11.
8MPam1/2という非常に高いじん性値を示した。
炭化ケイ素ウイスカを20重量%、平均粒径40μmの炭
化ケイ素粒子を10重量%を添加して得られた複合焼結体
の強度及びじん性の高温特性を第8図に示す。図から、
本焼結体は1300℃までは強度及びじん性の低下が見られ
ず、耐熱性に非常に優れた材料であることがわかる。
実施例9 炭化ケイ素ウイスカ20重量%及び平均粒径20μm又は
40μmの炭化ケイ素粒子10重量%をサイアロン組成粉末
と共に十分に混合し、成形した後、1850℃で3h窒素中で
ホットプレス焼結した。
得られた複合焼結体の密度は、どちらも相対密度で約
99%以上で、曲げ強度は平均粒径20μmの炭化ケイ素粒
子を添加した焼結体で780MPa、平均粒径40μmの炭化ケ
イ素粒子を添加した焼結体で760Mpa、また破壊じん性値
は、各々11.8MPam1/2、12.3MPam1/2を示した。
実施例10 炭化ケイ素ウイスカ20重量%及び平均粒径20μm又は
40μmの炭化ケイ素粒子10重量%をサイアロン組成粉末
と共に十分に混合し、1.5トン/cm2の圧力で加圧成形し
所定の形状に成形した後、常圧焼結した焼結体を、更に
1800〜2000℃、N2ガスを媒体として、2000atmの圧力でH
IP処理した。この処理により焼結体は相対密度99%以上
にち密化した。更に曲げ強度及び破壊じん性値は、平均
粒径20μmの炭化ケイ素粒子を添加した焼結体で各々79
0MPa、12MPam1/2、平均粒径40μmの粒子を添加した焼
結体で770MPa、12.8MPam1/2を示した。
実施例11 実施例10で用いた混合粉末に、更に熱可塑性樹脂を加
えて十分混練した後、実施例6と同様に押出し成形によ
り棒状成形体を得た。この方法で成形することにより、
成形体中のウイスカは、第4図に示すように一方向に配
向する。この方法で得られた成形体を、常法により脱脂
した後、N2中で常圧焼結した。
更に、常圧焼結体の一部をHIP処理した。
本方法では、添加したウイルスが一方向に配列してい
るので、この配列方向に垂直な方向で特にじん性が向上
する。
この配列方向に垂直な方向にクラックが進展するよう
に曲げ試験を行って、4点曲げ強度及び破壊じん性値を
測定した。
炭化ケイ素ウイスカ20重量%及び平均粒径40μmの炭
化ケイ素粒子10重量%を添加した焼結体の、常圧焼結後
の曲げ強度は、750MPa、破壊じん性値は12.6MPam1/2、H
IP処理後の曲げ強度は810MPa、破壊じん性値は13.8MPam
1/2を示した。
実施例12 市販の炭化ケイ素ウイスカ(平均粒径約0.5〜1.5μ
m)を、水に超音波を用いて分散し、ウイスカの塊りを
分解すると共に、更に残っているウイスカの塊りや粒子
形状の不純物を取り除く処理を行った。上述の処理を行
ったウイスカ1〜50重量%分と平均粒径1〜80μmの炭
化ケイ素粒子1〜30重量%分を、アルミナ、ムライト、
又はジルコニアの市販の平均粒径0.5〜3μmの粉末と
共に混合し、ホットプレス焼結又は常圧焼結した。焼結
後の母材の平均結晶粒径は、既述のように2〜5μmで
ある。得られた各焼結体の特性を第1表に示す。
平均粒径約40μmの炭化ケイ素粒子10重量%と炭化ケ
イ素ウイスカ20重量%を添加した焼結体の破面をSEM観
察した結果、クラックが添加した炭化ケイ素粒子の所
で、その粒子をう回している様子や、2方向へ分岐して
いる様子が見られた。また炭化ケイ素ウイスカの引き抜
け跡も多数観察され、これらが本焼結体のじん性向上の
主たる要因であることが確認できた。
実施例13 窒化ケイ素又は炭化ケイ素ウイスカを20重量%、平均
粒径20又は40μmの窒化ケイ素又は炭化ケイ素粒子を10
〜20重量%を各市販のアルミナ、ムライト又はジルコニ
アの原料粉末70重量%と共に十分に混合した後、焼結し
た。
得られた複合焼結体の特性を第2表に示す。
実施例14 炭化ケイ素ウイスカを40重量%、平均粒径20μmの窒
化ケイ素粒子を30重量%をリチウム・アルミナシリケー
ト・ケイ酸塩ガラス(LAS)粉末又はマグネシウム・ア
ルミネート・ケイ酸塩ガラス(MAS)粉末30重量%と共
に充分に混合した後、加熱してガラスを融解し、ち密な
複合材を得た。得られた複合焼結体の破壊じん性値は、
LASガラス母材でK1C=13.3MPam1/2、MASガラス母材でK
1C=12.8MPam1/2を示した。
実施例15 アルミナウイスカを40重量%、平均粒径20μmのアル
ミナ粒子を30重量%を用いて実施例14と同様に複合焼結
体を得た。得られた複合材は、LAS母材でK1C=12.0MPam
1/2、MAS母材でK1C=11.3MPam1/2であった。
実施例16 炭化ケイ素ウイスカ20重量%及び平均粒径20μm又は
40μmの炭化ケイ素粒子10重量%を市販のアルミナ粉末
と共に十分に混合し、成形した後、常圧焼結した。得ら
れた焼結体を、更に1800〜2000℃、Arガスを媒体とし
て、HIP処理した。この処理により得られた焼結体の曲
げ強度及び破壊じん性値は、平均粒径20μmの炭化ケイ
素粒子を添加した焼結体で各々910MPa、11.2MPam1/2
平均粒径40μmの粒子を添加した焼結体で980MPa、12.8
MPam1/2を示した。
実施例17 炭化ケイ素ウイスカを20重量%、平均粒径20μmの炭
化ケイ素粒子の10重量%を市販のアルミナの原料粉末70
重量%と共に十分に混合した後、ホットプレス焼結して
得られた複合セラミックスを切削工具に適用した。
本材料を用いた切削工具を用い、FC−25を被切削材と
してフライス加工(乾式)を行ったところ、従来の白系
セラミックス工具に比べて、送り速度0.2〜0.3mm/tooth
で切削速度を2.5〜3倍にできることがわかった。
実施例18 実施例17で用いた混合粉末に、更に熱可塑性樹脂とし
て低密度ポリエチレンを15重量%加えて十分混練した
後、押出し成形により棒状成形体を得た。成形体中のウ
イスカは、ノズルの流出方向に一方向に配向する。得ら
れた成形体を、3℃/hで500℃まで昇温し脱脂した後、
窒素中で1800℃で常圧乾燥した。
更に、常圧焼結体の一部を圧力2000atm、1900℃、1h
でHIP処理した。
本方法では、添加したウイスカが一方向に配列してい
るので、この配列方向に垂直な方向で特にじん性が向上
する。
この配列方向に垂直な方向にクラックが進展するよう
に曲げ試験を行って、4点曲げ強度及び破壊じん性値を
測定した。
曲げ試験及びじん性値は各々常圧焼結体で870MPa、9.
7MPam1/2、HIP処理後が980MPa、13.1MPam1/2を示した。
実施例19 実施例3に示す組成のセラミックス粉末を用い、内燃
機関用渦流室、ターボチャージロータの翼部、平板状ロ
ッカーアームチップ、自動車排気弁、棒状ピストンピ
ン、円筒状ピストン、ポンプ用インペラ、各種大きさの
ボール、ガスタービン用ブレード、包丁について、実施
例1に示す方法によって原料粉末を混合した後、更に有
機バインダを加えて混合し、各種製品の生成形体を形成
した。次いで、1950で1h、圧力2000atmのN2ガス中で加
熱焼結し、各種製品の焼結体を製造した。各種焼結体は
表面切削、研摩を行い、仕上げを行った。これらの製品
は前述と同様の特性が得られることが明らかである。
〔発明の効果〕
以上、本発明によれば破壊じん性値が10MPam1/2
上、曲げ強度が450MPa以上の焼結体が得られる。例え
ば、窒化ケイ素を母材とし、炭化ケイ素ウイスカ、粒子
を含む本発明の焼結体は耐熱性、耐酸化性に優れ、特に
高温での強度、じん性が優れた特性を有する。したがっ
て、本発明に係る複合セラミックス焼結体をガスタービ
ン用ブレード、ディーゼルエンジン用ホットプラグ、ロ
ッカーアーム、ターボチャージャ用ロータ、内燃機関用
ハウジング、熱間ダイスなどの構造部品や、切削工具、
各種ノズル、パイプ、ダイスなどの耐衝撃性、耐エロー
ジョン性などの要求される部分に適用することによっ
て、それらのセラミックス部品適用による信頼性を大幅
に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第5図はSiC粒子径、第2図及び第7図はSiC
粒子添加量、第3図及び第8図は本発明に係る複合セラ
ミックス焼結体の試験温度と破壊じん性及び曲げ強度と
の関係を示す線図、第4図は押出し成形による成形体中
のウイスカの配列を示す断面模式図、第6図は焼結体の
酸化試験線図である。 1……成形体、2……混練粉、3……炭化ケイ素ウイス
カ、4……炭化ケイ素粒子、5……ノズル

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化ケイ素、酸窒化ケイ素又は無機酸化物
    を主成分とする母材中に、該母材の焼結温度よりも高い
    焼結温度を有する物質のウイスカ5〜50重量%、及び前
    記母材の焼結温度よりも高い焼結温度を有する物質の粒
    子5〜30重量%を分散含有し、かつ前記粒子の粒径が前
    記母材の結晶粒径よりも大きく、5〜60μmの平均粒径
    であることを特徴とする複合セラミック焼結体。
  2. 【請求項2】前記無機酸化物が、アルミナ、ムライト、
    ジルコニア、高シリカガラス、リチウム・アルミノケイ
    酸塩ガラス、マグネシウム・アルミノケイ酸塩ガラス及
    びバリウム・マグネシウム・アルミノケイ酸塩ガラスか
    らなる群から選ばれる、請求項1に記載の複合セラミッ
    ク焼結体。
  3. 【請求項3】前記物質が、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケ
    イ素(Si3N4)、酸窒化ケイ素、アルミナ及びジルコニ
    アからなる群から選ばれる、請求項1又は2に記載の複
    合セラミック焼結体。
  4. 【請求項4】前記酸窒化ケイ素が、ケイ素・アルミニウ
    ム酸窒化物である、請求項1又は3に記載の複合セラミ
    ック焼結体。
  5. 【請求項5】前記ウイスカの直径は、0.1〜5μm、好
    ましくは0.5〜1.0μmである、請求項1〜4のいずれか
    1項に記載の複合セラミック焼結体。
  6. 【請求項6】前記粒子の平均粒径を10〜50μmとするこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の複
    合セラミック焼結体。
  7. 【請求項7】前記ウイスカ/粒子の重量比が0.5〜20、
    好ましくは1〜5である、請求項1〜6のいずれか1項
    に記載の複合セラミック焼結体。
  8. 【請求項8】焼結助剤としてアルミニウム(Al)、イッ
    トリウム(Y)、マグネシウム(Mg)、ベリリウム(B
    e)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、ホウ素
    (B)、炭素(C)及びランタニド系列元素及びそれぞ
    れの酸化物、窒化物、炭化物、ホウ化物、ケイ化物、水
    素化物及びケイ酸塩からなる群から選ばれる少なくとも
    1種を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合
    セラミック焼結体。
  9. 【請求項9】焼結助剤がZrO2、又はZrO2とYb2O3からな
    る、請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合セラミッ
    ク焼結体。
  10. 【請求項10】前記焼結助剤が、焼結体に対して1〜15
    重量%含まれる、請求項8又は9に記載の複合セラミッ
    ク焼結体。
  11. 【請求項11】窒化ケイ素、酸窒化ケイ素又は無機酸化
    物のセラミック母材形成物質粉末と、該母材物質の焼結
    温度より高い焼結温度を有する物質のウイスカ5〜50重
    量%、及び前記母材の焼結温度より高い焼結温度を有す
    る物質の粒子であって、平均粒径が5〜60μmである粒
    子5〜30重量%とを十分に混合した後、加圧成形し、次
    いで前記ウイスカ及び粒子が焼結しない前記母材の焼結
    温度で焼結することを特徴とする複合セラミック焼結体
    の製造方法。
  12. 【請求項12】前記無機酸化物が、アルミナ、ムライ
    ト、ジルコニア、高シリカガラス、リチウム・アルミノ
    ケイ酸塩ガラス、マグネシウム・アルミノケイ酸塩ガラ
    ス及びバリウム・マグネシウム・アルミノケイ酸塩ガラ
    スからなる群から選ばれる、請求項11に記載の複合セラ
    ミック焼結体の製造方法。
  13. 【請求項13】前記物質が、炭化ケイ素(SiC)、窒化
    ケイ素(Si3N4)、酸窒化ケイ素、アルミナ及びジルコ
    ニアからなる群から選ばれる、請求項11又は12に記載の
    複合セラミック焼結体の製造方法。
  14. 【請求項14】前記酸窒化ケイ素が、ケイ素・アルミニ
    ウム酸窒化物である、請求項11又は13に記載の複合セラ
    ミック焼結体の製造方法。
  15. 【請求項15】前記ウイスカの直径は、0.1〜5μm、
    好ましくは0.5〜1.0μmである、請求項11〜14のいずれ
    か1項に記載の複合セラミック焼結体の製造方法。
  16. 【請求項16】前記添加粒子の平均粒径を10〜50μmと
    することを特徴とする請求項11〜15のいずれか1項に記
    載の複合セラミック焼結体の製造方法。
  17. 【請求項17】前記ウイスカ/粒子の重量比が0.5〜2
    0、好ましくは1〜5である、請求項15又は16に記載の
    複合セラミック焼結体の製造方法。
  18. 【請求項18】焼結助剤としてアルミニウム(Al)、イ
    ットリウム(Y)、マグネシウム(Mg)、ベリリウム
    (Be)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、ホウ素
    (B)、炭素(C)及びランタニド系列元素及びそれぞ
    れの酸化物、窒化物、炭化物、ホウ化物、ケイ化物、水
    素化物及びケイ酸塩からなる群から選ばれる少なくとも
    1種を含む、請求項11〜17のいずれか1項に記載の複合
    セラミック焼結体の製造方法。
  19. 【請求項19】焼結助剤としてZrO2又はZrO2とYb2O3
    含む、請求項11〜17のいずれか1項に記載の複合セラミ
    ック焼結体の製造方法。
  20. 【請求項20】前記焼結助剤が、焼結体に対して1〜15
    重量%含まれる、請求項18又は19に記載の複合セラミッ
    ク焼結体の製造方法。
  21. 【請求項21】前記ウイスカを含む溶媒中に超音波振動
    を与えて、前記溶媒中にウイスカを分散させ、該分散物
    を母材と粒子との混合物に添加し、十分に混合する請求
    項11〜20のいずれか1項に記載の複合セラミック焼結体
    の製造方法。
  22. 【請求項22】前記加圧成形した後、該成形体を常圧焼
    結、ホットプレス焼結、熱間静水圧プレス焼結、反応焼
    結又はガス圧焼結により行う、請求項11〜21のいずれか
    1項に記載の複合セラミック焼結体の製造方法。
  23. 【請求項23】内燃機関用渦流室、ターボチャージロー
    タ、ロッカアームチップ、バルブ、ピストンピン、ピス
    トン(クラウン)、タペットフエース、ハウジング及び
    ポートライナの少なくとも1種、スラリー液用ポンプの
    インペラ、スリーブ、スクリュー、バルブ及び軸受の少
    なくとも1種、ウォータポンプ用メカニカルシール、ガ
    スタービン用ブレード、ディーゼルエンジン用ホットプ
    ラグ、熱間加工用ダイズ、切削工具、各種ノズルの少な
    くとも1種が請求項1〜10のいずれか1項に記載の前記
    焼結体によって構成されている各種機器。
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