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JPH08510004A - 直接溶解緩衝液およびhiv−1血漿ウィルス血症の検出 - Google Patents

直接溶解緩衝液およびhiv−1血漿ウィルス血症の検出

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Publication number
JPH08510004A
JPH08510004A JP6525476A JP52547694A JPH08510004A JP H08510004 A JPH08510004 A JP H08510004A JP 6525476 A JP6525476 A JP 6525476A JP 52547694 A JP52547694 A JP 52547694A JP H08510004 A JPH08510004 A JP H08510004A
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JP
Japan
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hiv
pcr
plasma
rna
infection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6525476A
Other languages
English (en)
Inventor
ヘンラード,デニス・アール
フイリツプス,ジヤツク
Original Assignee
アボツト・ラボラトリーズ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アボツト・ラボラトリーズ filed Critical アボツト・ラボラトリーズ
Publication of JPH08510004A publication Critical patent/JPH08510004A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 ビリオンの直接溶解ならびに逆転写およびPCRによるHIV−1cDNAの複製の簡略化した方法と組み合わせた血漿HIV−1の免疫捕獲は、HIV−1感染症の進行をモニターする迅速で高感度の方法である。また、この方法は、定量的培養法よりも時間が短く、作業があまり大変でない。さらに、免疫捕獲したビリオンを直接溶解する方法および簡略化された一段階の逆転写(RT)/PCR法の開発により、有機溶媒抽出の必要がなくなり、工程数が減少した。直接溶解緩衝液は、RTおよびPCR反応で直接使用するための血漿HIV−1 RNAが単離されるように調製し、こうして、有機溶媒抽出びエタノール沈澱の必要がなくなった。この結果、アッセイの完了に必要な時間がかなり短縮され、PCR反応に関連する汚染の可能性がかなり減少した。免疫捕獲−RT/PCRアッセイを使用して、HIV−1の母親からその子供への垂直感染がウィルス負荷以外の因子にかなり依存することを示した。逆に、血漿ウィルス負荷は、輸血に関連したHIV−1感染において重要な役割を果たす。最後に、免疫捕獲−RT/PCRによる血漿関連ウィルス負荷の検出および定量は、病気の進行の別のマーカーとなり、種々のHIV治療の効力の測定に役立つと考えられる。

Description

【発明の詳細な説明】 直接溶解緩衝液およびHIV−1血漿ウィルス血症の検出発明の分野 本発明は、ビリオンを崩壊し、ウィルスの核酸を単離する方法に関する。特に 、本発明は、核酸を単離するための、洗剤およびプロテアーゼKを含む直接溶解 (direct lysis)緩衝液を提供する。発明の背景 後天性免疫不全(AIDS)の最初の事例が1981年に記載されたとき、そ の病気の原因物質は未知であった。1983年に、モンタニエ(Luc Montagnier )を長とするフランスの研究所は、ヒト免疫不全ウィルス1型(HIV−1)と して現在知られているその原因ウィルスを単離した。同じ頃、米国国立衛生研究 所(NIH)のギャロ(Robert Gallo)は、その仲間と、AIDSの原因物質を 単離したことを報告した。2年以内に診断測定法が開発され、HIV−1に感染 した人の確認に使用された。感度および特異性の両方とも高く開発されたこれら の測定法は、血清または血漿中のHIV−1に対する抗体の有 無を検出するものであった。 疫学研究により、HIV−1ウィルスは、同性愛者および血友病患者などの特 定の集団ではほとんど検出され、主な感染ルートは、性接触または感染した血液 製剤の使用によることが分かった。後に、IV薬物使用者は、針を使用して分け 合う習慣のために(すなわち、血液のクロス汚染)、HIV感染の危険性が高い 集団であることが分かった。 HIVの感染と感染した血液への接触または感染血液製剤の使用との間の相関 関係は、ウィルス感染の拡大を減少・抑制するために、血液バンクの強制的なス クリーニングの開始を促した。年間2000万単位の供血および血液製剤の全て のテストを実行するシステムが確立された。この日常的テストにより、輸血また は血液製剤の使用によるHIV−1関連の感染の数はかなり減少した。現在、輸 血によるHIV感染の危険は、約1:250,000と推定される。 HIVの輸血による感染の数は減少したが、AIDS関連の感染の数は世界中 で増加が続いている。1992年の場合、米国および世界中でHIV−1ウィル スに感染した人の推定数は、各々、100万および1000万である。米国のみ では、毎年 40,000人が新たにHIV−1に感染していると推定される(Centers for Disease Control.HIV Prevalence Estimates And AIDS Case Projections For The United States:Report Based Upon A Workshop.MMWR 39:(no.RR-16)No vember 30,1990)。このうち、女性および青少年は各々、11.5%および1. 7%である。女性のHIV感染の大部分は、IV薬物使用またはHIVに感染し たパートナーとの性接触の結果である。青少年HIV−1感染の大部分は、母親 からその子供へのHIV−1の垂直感染の結果である。世界全体で、HIV−1 の垂直感染の割合は、10%〜40%の間であると報告されている(The Europe an Collaborative Study.Children Born To Women With HIV-1 Infection:Na tural History And Risk of Transmission.Lancet 1991,337:253-260 および Ryder,R.W.,Nsa.W.N.Hassig,S.E.,Behets,F.,Rayfield,M.and Projec t SIDA,Perinatal Transmission Of The Human Immuno deficiency Virus Type 1 Infection To Infants 0f Seropositive Women In Zaire(ザイールにおけ るセロポジティブな女性の子供に対するHIV−1の周産期感染),N.Engl.J .Med.1989,320:1637-1642)。米国で毎年新たにHIV−1に 感染する推定数40,000のうち、1500〜2000件は、周産期HIV− 1感染の結果として新生児に発生している。 AIDS関連の事例が毎年増加しているという事実は、一部は、感染の特徴に よるものである。その拡大を減少させる手段を達成しようとする場合、その進行 の制御を測定する方法が重要となる。HIV−1遺伝子構造および複製 HIVはレトロウィルス科に属する。レトロウィルスは、その遺伝物質として RNAを有し、RNAゲノムのDNAコピー(cDNA)への逆転写を触媒する ユニークな酵素である逆転写酵素(RT)を含むことを特徴とする。 レトロウィルスには3つの亜科がある。HIVは、その構造および遺伝特性に 基づいてレンチウィルス亜科に属する。レトロウィルスゲノムは、典型的には9 ,000〜10,000の塩基対から成り、全てのレトロウィルスに特徴的な3 個の構造遺伝子(gag、polおよびenv)を含む。また、調節タンパク質 をコードするpolおよびenvの3’末端にはユニークな配列を含む。そのゲ ノムの5’および3’両末端には、LTR(long terminal repeat)という2個 の同一配列がある。 5’LTRは、宿主細胞転写機構によるプロウィルスDNAの発現に不可欠であ る。 HIV−1RNAゲノムは、9個の遺伝子を表す全部で9,749個のヌクレ オチドから成る(Haseltine,W.A.,Wong-Stall,F.The Molecular Biology O f The AIDS Virus.Scientific American 1988,259:52-62)。そのゲノムは、 3個の特徴的な構造遺伝子と別の6個の調節遺伝子(tat、rev、vif、 vpr、nefおよびvpu)を含む。gagおよびpolタンパク質は、全長 転写から翻訳され、envタンパク質は、スプライシングを受けた転写体から翻 訳される。gag遺伝子が転写されると全長RNAになり、翻訳されて前駆体ポ リタンパク質となり、続いて、ウィルスコアの主な構造タンパク質を作る3個の カプシドタンパク質に切断される。polタンパク質は実際は、gag−pol 前駆体の一部である。遺伝子のpol部分は、ウィルスコア内部のRNAに関連 する酵素(プロテアーゼ、逆転写酵素およびインテグラーゼ)をコードする。逆 転写酵素は実際は、3つの酵素機能を有する。すなわち、RNA依存性DNAポ リメラーゼ、DNA依存性DNAポリメラーゼおよびリボヌクレアーゼ活性であ る。 エンベロープ遺伝子(env)は、プロテアーゼによって切断されて細胞外糖タ ンパク質gp120およびトランスメンブランタンパク質gp41になる前駆体 タンパク質gp160をコードする。gp120タンパク質は、ウィルスの細胞 表面CD4受容体への結合に関与する。gp41タンパク質は、シンシチウムの 形成を媒介し、また、ウィルスコアの細胞内部への侵入を助ける(Sodrowski,J .,Goh,W.C.,Resen,S.,Campbell,K.,and Haseltine,W.A,Role Of The H TLV-III/LAV Envelope In Syncytium Formation And Cytopathicity(シンシチ ウム形成および細胞障害におけるHTLV−III/LAVエンベロープの役割) .Nature 1986;322:470-474および McCune,J.M.,Rabin,L.B.,Feinburg,M. B.,Lieberman,M.,Kosek,J.C.,Reyes,G.R.,and Weissman,I,L.Endopro teolytic Cleavage Of gp160 Is Required For The Activation of Human Immun odeficiency Virus(ヒト免疫不全ウィルスの活性化には、エンド型タンパク質 分解によるgp160の切断が必要である).Cell 1988;53:55-67)。6個の別 の遺伝子は、ウィルスの複製および組み立てに必要なウィルスタンパク質の産生 を調節する(Haseltine,前出)。 HIV−1の構造は、全てのレトロウィルスの構造と似ている。2個のgag タンパク質から成る円柱形のコアを含む。コアの内部には、2本の同一の一本鎖 RNA分子が入っている。そのRNAゲノムに関与するのは、逆転写酵素、プロ テアーゼおよびインテグラーゼである。コアは宿主細胞の形質膜に由来するエン ベロープによって囲まれている。その膜の表面には、gp41トランスメンブラ ンタンパク質と非共有的に結合しているHIV−1の特定タンク質gp120の コピーが点在している。 HIV感染サイクルは、ウィルスエンベロープタンパク質が宿主細胞表面上に あるCD4+分子に結合することから始まる。CD4+分子は、典型的には、T リンパ球およびマクロファージ/単球上に存在する。ウィルスおよび宿主細胞の 膜が融合し、ウィルスのコアが宿主細胞に入り込む。コアが一旦宿主細胞内部に 入ると、ウィルスRNAゲノムがcDNAコピーに逆転写される。RNAゲノム は次いで、RT−関連酵素リボヌクレアーゼHによって破壊され、cDNAコピ ーを鋳型としてもう一本のDNAコピーがポリメラーゼにより作られる。この二 本鎖ウィルスDNAは核に移動し、そこで、ウィルスタンパク質イ ンテグラーゼによって宿主細胞DNAに組み込まれる。組み込まれたウィルスD NAは、プロウィルスと言う。 新しいウィルス粒子の産生、その細胞からの放出、および新しい細胞への感染 によりHIV感染のサイクルは完了する。新しいウィルス粒子の産生は、最初、 宿主細胞の転写因子の制御下にある。プロウィルスDNAのRNAへの転写は、 ウィルスのLTR中の配列によって開始される(Tong-Starken,S.E.,Luciw,P .A.,and Peterlin,B.M.Human Immunodeficiency Virus Long Terminal Repea t Responds To T-cell Activation Signal(ヒト免疫不全ウィルスのLTRはT −細胞の活性化シグナルに反応する).Proc.Natl.Acad.Sci.1987;84:6845- 6849)。RNA分子のいくつかは、他のRNA分子がmRNAとして使用されて 新しいウィルスタンパク質に翻訳されている間、遺伝物質として使用される。e nvタンパク質は、翻訳後に細胞のゴルジ体で処理されて、宿主細胞膜に運搬さ れる。ウィルスのコア構造に使用されるタンパク質は脂肪酸を含み、これらは細 胞膜の内側に結合する。新しいウィルスの成分全部が集まると、それらは互いに 結合して、細胞膜から外に膨れ出る球構造を形成する。2個のRNA分子が、成 長している ウィルス粒子に入る。最後に、コアに関与する酵素(RT、インテグラーゼおよ びプロテアーゼ)が翻訳後に処理され、コア前駆体タンパク質がプロテアーゼに より切断される。ウィルスコアタンパク質はウィルスRNAゲノムを取り囲み、 ほぼ完全なウィルスが宿主細胞膜の一部に自らを閉じ込め、最後には、ウィルス が細胞から出芽して放出される。 HIVまたは他のレンチウィルスによる感染は持続的であり、通常、レベルは 比較的低いが連続したウィルス産生を特徴とする。生産的なウィルスの複製がど んどん増加して、病気が進行していくと考えられる。このことから、研究者らは 、HIV−1感染症の進行に関与する生物学的マーカーの探索を行ってきた。HIV−1の進行の予後および血清学的マーカー 最近、多くの研究の関心は、HIV−1感染者における病気の進行に関与する 特定の生物学的マーカーの確認に集中している。HIV−1感染症の進行と相関 するマーカーの確認は、その病気の原因を決定し、理解するのに重要である。さ らに、病気の進行と相関するマーカーの確認は、治療薬の開発およびモニターの 助けになる。 HIV−1の病因に関する初期の研究で、HIV−1の主な標的細胞はCD4 +T細胞であり、病気が進行すると、その細胞の総数がかなり減少することが分 かった(Schittmann,S.M.,Pallidopoulous,M.C.,Lane,H,C.,Thompson,L. ,Baseler,M.,Massari,F.,Fox,C,H.,Salzman,N,P.,and Fauci,A.S.The Reservoir For HIV-1 In Human Peripheral Blood In A T cell That Maintain s Expression Of CD4(ヒト末梢血中のHIV−1の受け皿はCD4の発現を維 持するT細胞である).Science 1989;245:305-308および Klatzmann,D.,Cha mpagne,E.,Chamaret,S.T-lymphocyte T4 Molecule Behaves As The Recepto r For Human Retrovirus LAV(T−リンパ球T4分子は、ヒトレトロウィルスL AVの受容体として挙動する).Nature 1986;234:1120-1123)。他の研究では 、病気の進行に関与すると考えられ、免疫細胞の活性化に対応するか、ウィルス 産生の増加を反映する可能な血清マーカーの検討が行われた。これらのマーカー として、β2ミクログロブリン、ネオプテリンおよびp24抗原血が挙げられた (Melmed,R.N.,Taylor,J.M.,Detels,R.,Bozorgmehri,M.,and Fahey,J. L.Serum Neopterin Changes In HIV Infected Subjects:Indicator Of Significant Pathology,CD4 T-Cell Changes,And Th e Development Of AIDS(血清ネオプテリンはHIV感染者において変化する: 重要な病因、CD4T−細胞の変化およびエイズの発症の指標).J.Acquired Immune Deficiency Syndrome 1989;2:7076)。 β2ミクログロブリンは、組織適合性複合体(HLA)の一部であり、免疫活 性化および細胞の代謝回転の際にT細胞から放出される。健康な人の正常レベル は、1.9μg/μl未満である(Hofmann,B.,Wang,Y.,Cumberland,W.G. ,Detels,R.,Bozorgmehri,M.,and Fahey,J.L.Serum β2-microglobulin L evel Increases In HIV Infection:Relation To Seroconversion,CD4 T-cell Fall and Prognosis(血清β2ミクログロブリンレベルはHIV感染において増 加する:セロコンバージョン、CD4 T−細胞の減少および予後との関連). AIDS 1990;4:207-214)。ネオプテリンは、これらの細胞がγ−インターフェロ ンによって刺激を受けるときのマクロファージ活性化産物であり、免疫の活性化 を反映する。健康な人の正常レベルは、6.62ナノモル/l以下である(Fuch s,D.,Hausen,A.,Reibnegger,G.,Werner,E.R., Dierich,M.P.,and Wachter,H.Neopterin As A Marker For Activated Cell- Mediated Immunlty:Application In HIV Infection(活性化細胞によって媒介 される免疫のマーカーとしてのネオプテリン:HIV感染における応用).Immu no.Today 1988;9:150-154)。各マーカーの正常なレベル以上の増加は、リンパ 球およびマクロファージの活性化を表す。HIV−1 p24が陽性である場合 は、ウィルス活性および産生の増加を表し、予後がよくないことに関与すること が示された(Allain,J.P.,Laurian,Y.,Paul,D.A.,Verroust,F.,Leuther ,M.,Gazengel,C.,Senn D.,Larrieu,M.J.,and Bosser,C.Long-Term Eva luation Of HIV Antigen And Antibodies To p24 And gp41 In Patients With H emophilia(血友病患者におけるp24およびgp41に対する抗体およびHI V抗原の長期的評価).N.Engl.J.Med.1987;317:1114-1121)。 全体として、絶対値として表されるCD4+リンパ球の減少が、HIV−1の 進行を示す最良の予報値であることが分かった。ネオプテリンまたはβ2ミクロ グロブリンのレベルがこの後に続き、最後がp24抗原であった(Fahey,J.L. ,Taylor, L.M.,Detel,R.,Hofmann,B.,Melmed,R.,Nishanian,P.,and Giorgi,J. V.The Prognostic Value Of Cellular And Serological Markers In Infection With Human Immunodeficiency Virus Type1(HIV−1感染における細胞お よび血清学的マーカーの予後評価).N.Engl.J.Med.1990;322:166-172)。 ごく最近、細胞および血漿のウィルス負荷の増加が、HIV−1感染症の臨床 上の発現と関連し、CD4+細胞数の減少と相関があることが示された(Venet ,A.,Lu,W.,Beldjord,K.,and Andrieu,J.M.Correlation Between CD4 Ce ll Count And Cellular and Plasma Viral Load In HIV-1 Seropositive Indiv iduals(HIV−1セロポジティブな人におけるCD4細胞数と細胞および血漿 のウィルス負荷との相関性).AIDS 1991;5:283-288)。感染者から単離した末 梢血単核細胞(PBMC)または血漿を必要とする培養技術を使用してウィルス 負荷が測定された(Ho,D.D.,Moudgil,T.,and Alam,M.Quantitation Of H uman Immunodeficiency Virus Type 1 In The Blood Of Infected Persons(感 染者の血液におけるHIV−1の定量).N.Engl.J.Med.1989;321:1621-162 5; Coombs,R.W.,Collier,A.C.,Allain,J.P.,Nikora,B.,Leuther,M.,Gjer set,G.F.,and Corey,L.Plasam Viremia In Human Immunodeficiency Virus Infection(HIV感染における血漿ウィルス血症).N,Engl.J.Med.1989;3 21:1626-1631)。しかし、この方法を使用すると、作業がかなり大変であり、完 了までにかなり時間を要することが分かった。後に、ウィルスRNAの遠心分離 法または直接抽出法を使用して血漿からウィルス粒子またはRNAを直接単離す る方法が使用された。ウィルス負荷の測定は、ウィルスRNAをcDNAコピー に逆転写し、cDNAをPCR法を使用して増幅することにより行った(Bagnar elli,P.,Memzo,S.,Manzin,A.,Giacca,M.,Emanuele,V.,and Clementi ,M.Detection of Human Immunodeficiency Virus Type 1 Genomic RNA In Pl asma Samples By Reverse Transcription Polymerase Chain Reaction(逆転写 PCRによる血漿サンプル中のHIV−1ゲノムRNAの検出).J.Med.Viro logy 1991;34:89-95)。この結果、測定時間はかなり減少し、感度はかなり増加 した。 血漿中のHIV−1ウィルス負荷の測定は、病気の進行および治療効力のモニ ターにおいてかなり密接な関係を有する。血 漿のウィルス負荷の直接測定は、活性ウィルス複製のレベルを示す。病気の進行 に関する他のマーカーと組み合わせてウィルス複製をモニターすると、HIV− 1感染症の病因のより精確な指標となり、病気の進行のより良好な予報値になる と考えられる。セロポジティブな患者に治療を施すのに最適な時期を決定するた めの手段としても役立つ可能性がある。発明の要旨 血漿HIV−1ウィルス血症のモニターを、逆転写および増幅工程を一本のチ ューブで行う免疫捕獲−cDNA/PCRにより行った。本発明の直接溶解緩衝 液は、酵素反応を阻害することなく、RTおよびPCR反応で直接使用するため の血漿HIV−1 RNAが単離されるように調製した。こうして核酸の単離に 通常必要な有機溶媒抽出およびエタノール沈澱を省いた。この結果、測定の完了 までに必要な時間がかなり短縮され(約16時間の短縮)、処理工程の減少によ り汚染の可能性も減少したと考えられる。 HIV−1のgp41およびgp120エンベロープタンパク質に特異的なモ ノクローナル抗体で被覆されたラテックス微粒子(0.1μm)を含むウィルス 捕獲アッセイを使用して、 血清/血漿から細胞遊離ビリオンを捕獲した。そのアッセイの標準的パラメータ では、血漿サンプルを微粒子の存在下で3時間インキュベートすることが必要で ある。この実験では、インキュベーションの時間がアッセイの感度を低下させる ことなく短縮できるかどうかを測定するために、インキュベーションの時間を変 化させた。 HIV−1RNAをウィルスタンパク質から抽出・精製する通常の方法は、最 後に一夜エタノール沈澱する工程を除くと、数時間を要する。その方法はまた、 チューブを多数回変える必要があり、それは、比較的汚染を招きがちである。有 機溶媒抽出およびエタノール沈澱の工程を省くために、本発明は、粒子に結合し たHIV−1ビリオンを直接溶解するための一連の緩衝液および条件を含む。直 接溶解緩衝液成分と逆転写酵素およびPCR酵素との相容性が主な問題点であり 、この要件を満たす緩衝液の組成物に特に注意を払った。溶解緩衝液に、単一の 洗剤を種々の濃度で含めた。イオン性および非イオン性洗剤を直接溶解緩衝液の 成分として検討した。また、低濃度のプロテイナーゼKを種々の洗剤と組み合わ せて添加したときの有効性も調べた。直接溶解緩衝液の組成物がいったん決定さ れると、 ウィルス膜の破壊に必要な時間および温度条件を測定した。 HIV−1RNAをcDNAコピーに逆転写するために使用される標準方法お よびPCRによるその増幅は、二つの別々の操作を必要とする。最大の感度は、 二つの操作で使用されるアッセイ成分(すなわち、緩衝液、塩、プライマー、d NTPおよび酵素の濃度)を最適化することにより得られた。しかし、二つの操 作を一緒にすると、アッセイ感度および時間においてかなり有利になると考えら れた。逆転写および増幅操作を一緒にして一つの操作にすることができるかどう かを調べるために、一連の実験を行った。直接溶解緩衝液とRTおよびPCRア ッセイ成分との相容性は保持した。アッセイ感度は、MgCl2およびdNTP 濃度ならびに必要であれば他の成分を最適化することにより保持した。 本文の内容は次のとおりである。 I.背景 歴史的バックグランド HIV−1の遺伝子構造および複製 HIV−1の進行に対する予後および血清学的マーカー II.要旨 図面の簡単な説明 III.詳細な説明 HIV−1感染した妊婦の血漿ウィルス負荷 HIV−1感染した血液ドナーのウィルス負荷 II.材料および方法 逆転写コントロール 増幅コントロール 免疫捕獲コントロール アッセイ間およびアッセイ内の汚染コントロール プライマーおよびプローブの調製 粒子の調製 SK19プローブの標識化 ウィルス捕獲 逆転写 PCR 液体ハイブリッド形成およびオートラジオグラフィー オートラジオグラフの定量 III.結果 アッセイコントロールの解析 直接溶解緩衝液 直接溶解緩衝液のインキュベーション時間および温度 ウィルス捕獲時間 単独添加RT/PCR セロポジティブな妊婦における血漿HIV−1RNAの検出 セロポジティブな血液ドナーにおける血漿HIV−1RNAの検出 IV.考察 V.参考文献 VI.請求の範囲図面の簡単な説明 図1は、アッセイコントロールを示し、A)免疫捕獲コントロール、B)逆転 写コントロール、およびB)増幅コントロールを示す。オートラジオグラフィー を−80℃で3時間行った(Neg、RnおよびDnは、各々、捕獲、RNAお よびDNAの陰性コントロールを表す。)。 図2は、種々の洗剤濃度の検出感度に対する影響を示す。各 洗剤濃度の評価を、各々、RNAコントロールR−5およびR−6を使用して行 った。評価には、標準RT/PCR法を使用した。RNAコントロールは、標準 抽出法を使用して処理した。オートラジオグラフィーを−80℃で3時間行った 。 図3は、直接溶解緩衝液の免疫コントロールに対する影響を示し、A)有機溶 媒抽出、B)0.005%のTriton X−100を含む直接溶解緩衝液、C)0 .0045%のTween20を含む直接溶解緩衝液、D)0.001%のSDSを 含む直接溶解緩衝液を示す。プロテイナーゼKを指示したように含めた。標準R T/PCR法を使用した。オートラジオグラフィーを−80℃で3時間行った。 図4は、直接溶解時間および温度の最適化を示す。直接溶解緩衝液および標準 RT/PCR法を使用して血漿コントロールの評価を行った。オートラジオグラ フィーを−80℃で3時間行った。 図5は、ウィルス捕獲時間の最適化を示す。捕獲時間を血漿コントロールを使 用して測定し、直接溶解緩衝液および標準RT/PCR法を使用して評価した。 オートラジオグラフィーを−80℃で4時間行った。 図6は、dNTP濃度が50mMであるときの一段階RT/PCR法に対する MgCl2濃度の影響を示す。標準RT/PCR法を使用してコントロールのア ッセイを行った。MgCl2濃度の範囲は1.5〜2.0mMであった。オート ラジオグラフィーを−80℃で3時間行った。 図7は、dNTP濃度が100μMであるときの一段階RT/PCR法に対す るMgCl2濃度の影響を示す。標準RT/PCR法を使用してコントロールの アッセイを行った。MgCl2濃度の範囲は1.5〜2.0mMであった。オー トラジオグラフィーを−80℃で3時間行った。 図8は、dNTP濃度が200μMであるときの一段階RT/PCR法に対す るMgCl2濃度の影響を示し、A)逆転写、B)増幅、C)免疫捕獲を示す。 標準RT/PCR法を使用してコントロールのアッセイを行った。テストしたM gCl2濃度は1.75mMであった。オートラジオグラフィーを−80℃で3 時間行った。 図9は、一段階RT/PCR法に対するアッセイ体積の影響を示し、A)50 μl法、B)100μl法を示す。オートラジオグラフィーを−80℃で3時間 行った。発明の詳細な説明 病気の感染および進行に関係する因子の決定が、HIV−1研究における主な 関心事である。最近、いくつかの研究が、HIV−1の感染に対応すると考えら れる因子の確認に集中して行われた。これに関しては、HIV−1ウィルス負荷 と感染との相関が重要であると考えられる。HIV−1感染の二つの型として、 母親から子供への感染(垂直)と血液ドナーから受血者への感染(水平)がある 。HIV−1の母親から子供への垂直感染による感染数は米国では比較的少ない が、毎年、新たな感染者の約2%が垂直感染によるものである。同様に、輸血に 関連するHIV−1感染の現在の数は極めて少ない。しかし、これら二つのケー スでHIV−1ウィルス負荷とHIV−1の感染の間に相関があるかどうかを調 べることは、HIV−1の原因の理解を深めることになるであろう。HIV−1に感染した妊婦の血漿ウィルス負荷 自分の乳児の15か月後のHIV−1抗体の減少または存続により回顧的に測 定した伝染および非伝染妊婦からサンプルを集めた(Case Western Reserve Uni versity and the University of Washington,Seattle提供)。各サンプルのウ ィルス捕獲およびRT/PCRを、コード化したサンプルに対して二重に行った 。認識された半定量的値(3+、2+、1+、陰性)で評価した。半定量的血漿 RNAウィルス負荷を伝染に対する他の可能なウィルス学的マーカー(p24抗 原血、CD4+の数およびβ2ミクログロブリンレベル)と比較して、HIV− 1垂直感染の予知に対する臨床上の有用性を検討した。HIV−1に感染した血液ドナーの血漿ウィルス負荷 HIV−1セロポジティブな血液ドナーの血漿サンプルを得て(Transfusion Safety Study Repository,San Francisco,CA)、HIV−1血漿ウィルス負荷 を回顧的に測定した。サンプルの選択は、受血者を感染させたことが分かってい る78個のサンプルおよび受血者を感染させなかった12個のサンプルのプール から行った。全部で22個のサンプルをテストし、受血者を感染させたドナーお よび受血者を感染させなかったドナーからのサンプル数を同じにした。各サンプ ルに対して、ウィルス捕獲およびRT/PCRを二重に行った。認識された半定 量的値で評価した。半定量的血漿RNAウィルス負荷を伝染に対する他の可能な ウィルス学的マーカー(p24抗原血、CD4+の数およびβ2ミクログロブリ ンレベル)と比較して、 HIV−1の輸血関連感染におけるHIV−1ウィルス負荷の関与を検討した。材料および方法 コントロールの調製 逆転写コントロール:逆転写操作の効率をモニターするために、一組の検定し たRNAサンプルを、HIV−1 IIIBに慢性的に感染したH9細胞系から調 製した(Abbott Laboratories)。細胞の全核酸をチオシアン酸グアニジンで抽 出し、RNAを、塩化セシウム(CsCl)クッションを通して遠心により精製 した(Chirgwin,J.M.,Prsybla,G.,MacDonald,P.J.,and Rutter,W.J.Iso lation Of Total Cellular RNA(総細胞RNAの単離).Biochem.1979;18:529 4-5299)。RNAペレットをddH2Oを用いて溶解して0.5μg/mlにし 、20μg/mlの酵母tRNAを含むddH2Oで連続的に10倍希釈を行っ た(GIBC0-BRL,Gaithersburg,MD)。105および106倍に希釈したサンプル( R-5およびR-6と言う。)が、逆転写および増幅後に一貫して陽性の結果を与え た二つの最も低い希釈であった。これらのサンプルをコントロールとして使用し た。 増幅コントロール:細胞1個につきプロウィルスHIV−1の一つのコピーを 含むHIV−1LAV感染細胞系8E5(Memorial Sloan Kettering Institute ,New York)を使用して増幅コントロールを調製した。106個の細胞の全ゲノ ムDNA(106HIV−1コピーという。)を、10mMのトリス(pH8. 3)、0.5mg/mlのプロテイナーゼK(Promega,Madison,WI)および0 .25%のSDS(Sigma,St.Louis,MO)を含む500μlの溶液中、56℃ で1時間抽出した。次いで、溶解産物を同量のフェノール(pH7.0)、次い でクロロホルム(0.3MのNaOAcに調整)で抽出した後、−20℃で16 時間、2倍体積の無水エタノールで沈澱させた。DNAを10,000rpmで 10分間遠心(Hill Scientific mv13)し、上清を除去し、ペレットを氷冷した 70%エタノールで洗浄した。DNAペレットを0.5mlの10mMトリス( pH8.0)、100mMのNaClに溶解した。約106HIV−1プロウィ ルスコピーに対応する精製したDNAを20μg/mlの鮭の精子DNA(Sigm a,St.Louis,MO)を含むddH2Oで連続的に10倍希釈した。50μlの1 0-3および10-4希釈(各々、100および10 個のHIV−1プロウィルスコピーに対応する。)を増幅コントロールとして使 用した。 免疫捕獲コントロール:ウィルス捕獲操作により再現性のある結果が得られる ことを立証するために、一組の検定された血漿コントロールを調製した。慢性的 にHIV−1 IIIBに感染したH9細胞(Abbott Laboratories)の上清を得て 、セロネガティブ血漿で連続的に10倍希釈した。希釈物をウィルス捕獲、次い でRT/PCRによりテストし、最も低い二つの陽性希釈物(MK-4およびMK-5 という)を陽性コントロールとして使用した。測定間および測定内汚染コントロール PCR操作における擬陽性の最も普通の原因は、先に増幅されたDNAの持ち 込み(carryover)であるが、サンプル間の汚染もその問題の一因である。サン プル取扱い中およびPCR操作中の汚染可能性を最小にするために、一連の工程 を型にはめて行った。 試薬の調製には、プラスチック製で使い捨ての単独用途のビーカーを使用した 。全ての試薬の調製は、RNaseを含まない瓶入りの蒸留水(Abbott Laborat ory,Catalog #NDC 0074- 7139-09)を使用して行った。全試薬を単独用途のチューブに分けて入れ、使用 するまで−20℃で保存した。 サンプルの取扱い、増幅および検出は、3か所の別々の実験室で行った。サン プルの取扱いは、層流フード中で行った。常にラテックスの手袋をはめ、測定中 に何度も取り替えた。各実験室には、独立した一組のピペットマンがあり、操作 中はバリアピペットチップを使用した。増幅は、アクリル製の生物学的に安全な キャビネット中で行った。生物学的に安全なキャビネットには、PCR実験室と 同様に、紫外線源を備え、可能なRNA/DNA汚染を制御するために、毎週、 紫外線滅菌(American Ultraviolet Company,Murry Hills,NJ)を行った。各 測定に、免疫捕獲、逆転写およびPCRの陰性コントロールを含めた。3個の陰 性コントロールのいずれか一つが陽性の結果になった場合は、測定を無効とした 。プライマーおよびプローブのオリゴヌクレオチドの調製 プライマーSK38/SK39(各々、ヌクレオチド1551〜1578およ び1638〜1665を表す)およびHIV−1(HIVSF2,Genebank K 02007)gag領域のヌクレオチド1597〜1635を表すプローブSK 19を、Applied Biosciences,Inc.380 Synthesizer(Foster City,CA)を使 用してAbbott Laboratoriesで合成し、Waters Photodioarray 990(Milford,MA )によりHPLC精製を行った。粒子の調製 カルボキシ化されたラテックス微粒子(直径0.1〜0.3μm、Seradyn In c.,Indianapolis,IN)を、1−エチル−3,3−(ジメチルアミノプロピル) カルボジイミド化学(EDC)(Sondergard-Anderson,J.,Lauritzen,E.,Li nd,K.,and Holm,A.Covalently Linked Peptides For Enzyme-Linked Immuno sorbent Assay.J.Immuno Methods 1990;131:99-104)を使用して、HIV−1 モノクローナル抗−gp120および抗−gp41 IgG(Abbott Laborator ies)と共有的に結合させた。結合後、微粒子を17,000xg(Beckman J2- 21M)で30分間遠心し、上清を捨てた。微粒子を同量の洗浄緩衝液(2%のTwe en20を含むPBS)で2回洗浄した後、被覆緩衝液(150mMのトリス(pH 8.0)、100mMのNaCl、0.5%の豚皮ゼラチン、0.1%のTwe en20、9.5%のショ糖および0.02%のNaN3)により 再懸濁した。被覆緩衝液中、45℃で16時間インキュベートした後、微粒子を ペレット化し、上清を捨てた。微粒子を保存緩衝液(65.5mMのトリス、8 4.5mMのトリスHCl(pH8.0)、100mMのNaCl、0.4Mの ショ糖、1%の豚皮ゼラチンおよび0.1%のTween20)により再懸濁し て、最初の体積の50%にし、固体の割合を、希釈画分のA500を公知固体の標 準曲線と比較することにより求めた。微粒子は、保存緩衝液により、予め決めた 割合の固体になるように調整し、使用するまで2〜8℃で保存した。SK19プローブの標識化 SK19オリゴヌクレオチド(5’−ATCCTGGGATTAAATAAA ATAGAAGAATGTATAGCCCTAC)の5’末端をT4ポリヌクレ オチドキナーゼを使用して32PO4で標識化した。反応物は、5.0mMのトリ スHCl(pH8.0)、1.0mMのMgCl2、5.0mMのNaCl、1 .0μgのSK19、50μCiのγ32P ATP(Amersham,3000Ci/ ミリモル)および10UのT4キナーゼ(New England BioLabs,Beverly,MA) で構成され、全体積は10μlであった。反応を37℃で30分行い、次いで、 T4キナーゼの不活性化を95℃で5分行った。標識したプローブを未混入の32 P ATPから分離するために、反応混合物を、200Vで1時間、10%ポリ アクリルアミドゲル(29.25mlのH2O、2.25mlの10×TBE〔S ondergard-Anderson,J,Lauritzen,E.,Lind,K.,and Holm,A.Covalently Linked Peptides For Enzyme-Linked Immunosorbent Assay(酵素結合免疫測定 法用の共有結合ペプチド).J.Immuno.Methods 1990;131:99-104〕、11.5 mlのポリアクリルアミド:ビス(19:1)、30μlの10%過硫酸アンモ ニウムおよび30μlのTEMED)による電気泳動にかけた。DNAを0.5 μg/mlの臭化エチジウム/ddH2Oで5分間染色し、長波長UV照射(LKB 2011 Macrovue)を使用して可視化した。標識化したプローブを表すバンドを切 り取って、0.5mlのSTE(100mMのNaCl、10mMのトリス(p H8.0)および1mMのEDTA)を含む1.5mlのエッペンドルフチュー ブに入れた。ゲル画分からプローブを溶離するために、チューブを室温で16時 間回転させた(Labquake Shaker,Berkley,CA)。溶離された3μlのプローブ は約6.0ngに対応し、これを使 用して標識化効率を測定した。標識化SK19プローブの特異的活性は、通常、 1×107〜2×107cpm/μgであった。その標識化プローブを使用するま で−20℃で保存した。ウィルス捕獲 HIV−1ビリオンの免疫捕獲をリン酸塩緩衝食塩水(150μl;PBS, 137mMのNaCl、2.68mMのKCl、12mMのNa2HPO4、1. 76mMのKH2PO4)、抗HIV−1抗体を被覆した微粒子(50μl)およ び血漿(50μl)を含む1.5mlのエッペンドルフチューブで行った。混合 物を、揺れる台(20rpm,Thermolyne VariMix)の上で3時間、室温でイン キュベートした後、5000rpmで10分遠心し、上清は取っておくか捨てる かした。プロテイナーゼK/SDS溶液(200μl;10mMのトリス(pH 7.4)、0.25%SDS)0.5mg/mlのプロテイナーゼKおよび10 pg/mlの酵母tRNA)の添加によりゲノムHIV−1RNAを抽出して、 さらにインキュベートした(56℃で1時間)。同量のフェノールで抽出した後 、同量のクロロホルム(0.3MのNaAOcに調整)で抽出することによりH IV−1RNAを精製し、−20℃で 16時間、2倍体積の無水エタノールで沈澱させた。RNAを12,000rp mで10分間、遠心(Hill Scientific mv 13)によりペレット化し、上清を捨 てた。RNAペレットを氷冷した70%エタノールで洗浄し、前記と同様に遠心 し、上清を捨てて、RNAを30μlのddH2Oに溶解した。逆転写 ウィルスRNAを、Avian Myeloblastosis Virus(AMV-RT,Gibco-BRL)由来 の逆転写酵素を使用してcDNAに逆転写した。単離したHIV−1ゲノムRN Aのアリコート(15μl)を5.0μlのRT混合物を含む0.5ml遠心チ ューブに入れたものを二つ用意した。最終のRT反応物は、10mMのトリス( pH8.3)、2mMのMgCl2、50mMのKCl、20mMのDTT、0 .001%のゼラチン、各25μMのdNTP(Pharmacia,Piscataway,NJ) および25ngのSK38/SK39プライマー(SK38 5’−ATAAT CCACCTATCCCAGTAGGAGAAAT、SK39 5’−TTTG GTCCTTGTCTTATGTCCAGAATGC)を含んでいた。チューブ を5分間95℃に加熱し、遠心して、8.0UのRNasin(Promega,Madis on,WI)を含む 逆転写酵素(2.0U;Gibco-BRL)を添加した。RT反応は、42℃で30分 行った。次いで、30μlの水および2滴の鉱物油(Sigma,St.Louis,MO)を 添加し、逆転写酵素を95℃で5分間加熱して不活性化した。PCR HIV−1DNAの増幅は、50μlのPCR混合物を各サンプルに添加する ことにより進行させた。最終のPCR反応物は、10mMのトリス(pH8.3 )、1.5mMのMgCl2、50mMのKCl、0.001%のゼラチン、各 50μMのdNTP、50ngのSK38/SK39プライマーおよび1.0U のTaqポリメラーゼ(Cetus,Normalk,CT)を含んでいた。各測定には、既知 量のHIV−1プロウィルスを表す一組のDNAコントロールが含まれており、 測定はそれと比較して定量化することができた。増幅は、94℃で1分の変性お よび56℃で2分のアニーリング/伸長の35サイクル分をプログラムしたPerk in Elmer Cetus 480型Thermocyclerを用いて行った。増幅フラグメントの検出 液体ハイブリッド形成およびオートラジオグラフィー:増幅 したHIV−1DNAを、5μlの32PSK19プローブ(2.5μlのプロー ブ+2.5μlのR3緩衝液〔50mMのトリスHCl(pH8.0)、10m MのMgCl2、100mMのNaCl〕)(1〜2×107cpm/μg)を1 5μlの増幅物質にハイブリッド形成させることにより検出した。増幅した物質 およびプローブを混合し、100℃で10分加熱し(二本鎖増幅フラグメントを 分離するため)、遠心して濃縮物をチューブの底部に戻し、56℃で30分間ア ニーリングさせた。5μlの充填染料(0.25%のブロモフェニルブルー、4 0%のショ糖)を各サンプルに添加し、その全量を10%ポリアクリルアミドゲ ルに載せた。電気泳動を150Vで30分、次いで250Vで1.5時間行った 。ゲルをワットマンブロットペーパー上に置き、プラスチックのラップで覆い、 増感板(DuPont Cronex)を使用して−80℃で1時間および4時間オートラジ オグラフィーにかけた。オートラジオグラフの現像は、Kodak M35A X-OMATプロ セッサーを使用して行った。 オートラジオグラフの定量:サンプル結果を血漿および既知DNAコピー数の コントロールと直接比較することにより、結果の定量化を行った。いくつかの場 合は、デンシトメーターの 読み取りの精確な比較を使用して結果を定量化した。結果 アッセイコントロールの解析 免疫捕獲、逆転写および増幅操作の効率を特定のコントロールを使用してモニ ターした。免疫捕獲コントロールは、HIV−1 IIIB感染H9細胞系由来の 組織培養上清を段階希釈して、できるだけ希釈した二つの陽性希釈物から構成し た。逆転写コントロールは、HIV−1 IIIB感染H9細胞系から抽出し、精 製して調製したRNAを段階希釈して得られた最も希釈された二つの陽性希釈物 からなる。増幅コントロールは、細胞1個につきHIV−1コピーを一つ含むH IV−1 LAV感染8E5細胞系から得た精製DNAからなる。 3種類のコントロールにより得られた特定の増幅産物を図1に示す。通常、各 組のコントロールの検出は、アッセイ間で一致し、アッセイの感度が証明された 。さらに、免疫捕獲、逆転写および増幅操作の陰性コントロールを各アッセイに 含めて、特異性を証明した。アッセイパラメータの最適化 ウィルス捕獲アッセイでは、HIV−1のgp41および gp120エンベロープタンパク質に特異的なモノクローナル抗体と共有結合さ せた、血清/血漿中の細胞非含有のビリオンを捕獲するラテックス微粒子(0. 1μm)を使用する。免疫捕獲の当初のプロトコールでは、3時間のインキュベ ーション、プロテイナーゼK/SDS消化、フェノール−クロロホルム抽出、ウ ィルスRNAを精製するためのエタノール沈澱、逆転写およびPCRによる増幅 を含んでいた。アッセイのこの部分を完了するのに要する時間は合計5〜7時間 であった。さらに、増幅した物質の検出には、液体ハイブリッド形成、ゲル電気 泳動およびオートラジオグラフィーが必要であった。 このプロトコールにおける工程の多くは経験的に決められたので、操作全体を 簡潔にし、要する時間および汚染の可能性を少なくするために、検出前の工程の 一部または全部の改善が求められた。 直接溶解緩衝液: フェノール/クロロホルム抽出およびエタノール沈澱によ るウィルスRNAの精製は、作業が大変で、時間のかかるものである。しかし、 この精製を行うと、PCRにおけるSDSの阻害作用を克服し、アッセイを妨害 する可能性がある過剰のプロテイナーゼKを除去するのに都合 がよい(Erlich,H.A,PCR Technology.Principles and Applications for DNA Amplification,Stockton Press,1989.new York.pp.17-22)。有機溶媒の使 用およびエタノール沈澱の必要性を省くために、一連の直接溶解緩衝液を調べた 。その目的は、標準的な消化/抽出操作に匹敵する結果が得られながら、逆転写 および増幅操作に適合する緩衝液を作ることであった。 細胞膜およびウィルス膜の破壊に最も一般的に使用される試薬は、イオン性洗 剤のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)並びに非イオン性洗剤のTriton X−1 00およびTween20である。プロテイナーゼKは、核酸と会合している可能性 があるタンパク質を消化するために、これらの洗剤と一緒に使用された。 Trito n X−100およびTween20の濃度は0.1〜0.5%の範囲であった。これ ら二つの試薬を0.5%以下の濃度で使用すると、増幅操作の際にTaqポリメ ラーゼを妨害しない。他方、SDSは、0.1%および0.01%の濃度で存在 させると、PCRを各々99%および90%阻害する。SDSは、0.001% 以下の濃度で使用すると、Taqポリメラーゼを阻害しない(Erlich,H.A.,前 出)。 ウィルス膜の標準的溶解に使用される成分は、0.25%のSDSおよび50 0μg/mlのプロテイナーゼKを含んでいた。しかし、上述のように、直接溶 解緩衝液中でウィルス膜を溶解し、かつ、逆転写/増幅において適合する濃度は 、かなり低下させる必要があると考えられる。この点に関して、低濃度のTriton X−100、Tween20またはSDSを含む溶解緩衝液を評価した。さらに、低 濃度のプロテイナーゼKを低濃度の洗剤を含む溶解緩衝液に添加した。この場合 、RTおよびPCR操作を開始する前に溶解緩衝液を95℃で10分加熱してプ ロテイナーゼKを不活性化した。緩衝系を与えるために、10mMのトリス(p H7.0)を選択して、調べた全溶解緩衝液に含めた。 検討した種々の直接溶解緩衝液の組成を表1に示す。最初にRNAおよびDN Aコントロールを使用する標準的アッセイを使用して、56℃、1時間のインキ ュベーション温度および時間で溶解緩衝液の評価を行った。 10mMのトリスおよび種々の濃度のTriton X−100を含む緩衝液は、標 準的方法によって得られるシグナルと同様のシグナルを生じた。同様に、種々の 濃度のTween20を含む緩衝液も、標準的方法によって得られるシグナルと同様 のシグナ ルを生じた。10mMのトリスおよび種々の濃度のSDSを含む3種類の溶解緩 衝液のうち、0.001%のSDSを含むものだけが、通常の方法と同じ結果に なった。0.1%および0.01%のSDSを含む溶解緩衝液はシグナルを生じ なかった。このことから、SDSがTaqポリメラーゼに対して阻害作用をする ことが確認された。同様に、SDSおよび1μg/mlのプロテイナーゼKを含 む溶解緩衝液も、SDS濃度が0.001%以上に増加すると、感度が低下する ことが示された。0.001%のSDSを含む溶解緩衝液のみが、標準的方法に 匹敵する結果を示した(図2)。 種々の溶解緩衝液が免疫粒子の存在下でHIV−1ビリオンを破壊する効率お よびRT/PCR反応における緩衝液の影響を、免疫捕獲コントロールを使用し て測定した。分析は、酵素反応に対する可能な逆効果を最小にするために、洗剤 濃度を最小にしたものに限定して行った。 図3に示すように、3種類の洗剤のいずれかと1μg/mlのプロテイナーゼ Kを含む直接溶解緩衝液は、コントロールと同じシグナルを生じた。直接溶解緩 衝液からプロテイナーゼKを除くと、シグナルはかなり減少した。 3種類の洗剤のいずれかを使用すると、HIV−1ビリオンが効率的に溶解さ れ、いずれも酵素反応に対する影響はなかったと考えられる。一例として、10 mMのトリス(pH7.0)、0.001%のSDSおよび1.0μg/mlの プロテイナーゼKを含む溶解緩衝液を使用してアッセイを行った。 要約すると、10mMのトリス(pH7.0)、0.001%のSDSおよび 1μg/mlのプロテイナーゼKを含む緩衝液を使用して直接溶解を行うと、0 .25%のSDSおよび500μg/mlのプロテイナーゼKを含む標準的な消 化緩衝液に匹敵する結果が得られた(図3と5D)。従来の消化緩衝液と違って 、この組成物では、SDSおよびプロテイナーゼKの全濃度が対数的に2倍減少 (two log decrease)し、酵母tRNAは除去された。 直接溶解緩衝液のインキュベーション時間および温度:ウィルス膜の破壊およ びゲノムRNAの核タンパク質からの放出に要する最小の時間および温度を、直 接溶解緩衝液を使用して測定した。標準的方法のパラメータである56℃および 1時間をコントロールとして使用した。二つの条件をテストした。すなわち、5 6℃で30分のインキュベーションおよび37℃で 30分のインキュベーションである。直接溶解緩衝液の使用によるアッセイ感度 に対する時間および温度の結合効果を図4に示す。37℃で30分間直接溶解緩 衝液を使用して行ったRNA検出の感度は、標準的方法の場合と同じであった。 バンドの強度におけるわずかな違いはよく見られることであり、酵素反応のアッ セイ間での可変性を表す。すなわち、これらのパラメータを選択してその後の全 てのアッセイに使用した。 ウィルス捕獲時間:抗HIV−1抗体で被覆した微粒子による血漿関連ビリオ ンの免疫捕獲に要する最小時間を測定した。室温で、3時間から2時間および1 時間に短縮した場合の効果を評価した。1時間捕獲を行った後に得られた効果は 、標準的方法によって得られる効果と同じであった(図5)。従って、続く全て のアッセイは、免疫捕獲を1時間にして行った。 RT/PCR緩衝液の単独添加:標準的な逆転写工程では、15μlのサンプ ルを5μlのRT緩衝液に添加した。熱変性の後、1μlの逆転写酵素/RNa sinを添加し、逆転写を42℃で30分行った。その後、30μlのddH2 Oおよび2滴の鉱物油を添加し、混合物を95℃で5分加熱した。増幅のための 全ての成分を含むTaq混合物を添加し、増幅を開始 した。各アッセイチューブに対するこれらの合わせて6回に及ぶ複数の添加は、 操作全体を煩雑にし、隣のチューブからの持ち込みによる汚染の危険性を高めて いた。最近、ゲノムHCV RNAのRT/PCRを、緩衝液および酵素の1回 の添加により一本のチューブで行う方法が記載された(Lin,H.J.,Naiyi,S., Mizokami,M.,and Hollinger,F.B.Polymerase Chain Reaction Assay for He patitis C Virus RNA Using A Single Tube For Reverse Transcription And Se rial Rounds Of Amplification With Nested Primer Pairs(逆転写およびネス テッドプライマー対による連続ラウンドの増幅を1本のチューブを使用して行う C型肝炎ウィルスのPCRアッセイ).J.of Med.Virology 1992;38:220-225 )。この種の方法がHIV−1ウィルスRNAの逆転写および増幅に使用できる かどうかを調べるために、単独添加によるいくつかのRT/PCR法をテストし た。HIV−1単独添加RT/PCR法の最終体積は100μlになるように選 択した。これは、標準的方法で使用した体積である。アッセイで15μlのサン プルを使用したので、RTおよびPCR操作に必要な全成分を含む85μlをさ らに添加しなければならなかった。 同一の一般的アッセイ様式を一段階RT/PCR法で使用した。直接溶解の後 、15μlのサンプルを0.5mlの遠心チューブに入れ、5分間95℃に加熱 してプロテイナーゼKの変性をその溶解緩衝液中で行い、遠心して、85μlの 増幅混合物、次いで2滴の鉱物油を添加した。逆転写を42℃で45分間行い、 次いで、逆転写酵素の変性を95℃で3分間行った。増幅は、標準パラメータを 使用して直接開始した。各サンプルのアッセイは二重に行い、RTおよびPCR 操作はともに熱サイクラーを使用して行った。 標準的方法に匹敵する感度を達成するために、単独添加アッセイの成分濃度を 最適化しなければならなかった。トリス、KCl、ゼラチンおよびDTT濃度は 、標準のRTおよびPCR法ともに同一であり、それらの濃度を単独添加法用に 選択した。従って、それらは変更しなかった。逆転写および増幅操作の感度に影 響を及ぼす最も決定的な二つのパラメータは、MgCl2およびdNTP濃度で ある(Yong,W.H.,Wyman,S.,and Levy,J,A.Optimal Condition For Synthe sizing Complementary DNA In The HIV-1 Endogenous Reverse Transcriptase r eaction(HIV−1内因性逆転写酵素反応 において相補的DNAを合成するための最適条件).AIDS 1990;4:199-206)。 標準的なRTおよびPCR工程の最適なMgCl2濃度は、各々、2.5mMお よび1.5mMであった。標準的なRTおよびPCR工程の最適なdNTP濃度 は、各々、25μMおよび50μMである。RTおよびPCR工程はともに、試 薬を単独添加して行うことになっていたので、これら二つの成分濃度は再び最適 化しなければならなかった。 最適の感度を調べるために使用したMgCl2濃度は、1.5、1.75およ び2.0mMであった。テストしたdNTP濃度は、50、100および200 μMであった。 50μMのdNTP濃度でMgCl2濃度を変化させると、全てのシグナル強 度はテストしたコントロールにおいてかなり減少した(図6)。さらに、MgC l2濃度を上げると、シグナル強度は低下した。2.0mMのMgCl2では、R Tおよび増幅コントロールは、弱いが検出可能なシグナルを生じた。これに対し て、免疫捕獲コントロールの場合は、検出可能なシグナルを生じなかった。従っ て、50μMのdNTP濃度は、一段階RT/PCRでの最適な検出には低すぎ ると考えられた。 dNTP濃度を100μMに上げて、同じ濃度のMgCl2 で評価を行った。図7に示すように、MgCl2濃度を上げると、RTおよび増 幅コントロールのシグナルはわずかに減少した。しかし、先の実験と同様に増幅 コントロールシグナルがかなり減少したようには見えなかった。 MgCl2濃度を上げ、dNTP濃度を100μMにしたときに生じたRTお よび増幅コントロールシグナルの減少は、dNTP濃度がいくらか律速的である 可能性があることを示す。MgCl2を最低の最適濃度にし(1.75mM)、 dNTP濃度を上げて(200μM)実験を行い、これらの濃度が標準方法に匹 敵するシグナルを生じることを確かめた。 図8に示すように、一段階RT/PCR法(1.75mMのMgCl2および 200μMのdNTPを含む)は、標準法と同様のコントロールシグナルを生じ た。dNTP濃度が律速的でないことを確かめるために、その最終濃度を200 μMとし、MgCl2濃度を1.75mMにセットした。100μlの最終体積 における一段階RT/PCR法を最適化した後は、試薬の使用を節約するために 、最終体積を50μlに減少させることを目的とした。50μl法は、RNAお よびDNAの両方のコントロールをテストしたとき、優れた結果が得られた(図 9)。しかし、血漿コントロールのテストでは、シグナルは得られなかった。3 組の血漿コントロールを実際に評価した。6個のMK-4反応のうち、3個が極め て弱いシグナルてあり、残りの3個は陰性であった。MK-5コントロールは、い ずれもシグナルを生じなかった。従って、100μlの最終体積を一段階RT/ PCR法に対して選択した。 要約すると、一段階RT/PCR法に対する最終の増幅混合物は、100μl の最終体積中に10mMのトリス(pH8.3)、50mMのKCl、5mMの DTT、0.001%のゼラチン、1.75mMのMgCl2、200ngのプ ライマー、200μMの各dNTP、10UのRNasin、2.5UのAMV RTおよび1UのTaqポリメラーゼを含んでいた。この増幅混合物により、 標準法に匹敵する結果が得られた。感度に対する影響はなく、混合物は実際には 、標準法よりもわずかに強いコントロールシグナルを生じたように思われる。最 終のアッセイ法は、次のように確立された。 a)室温で1時間ウィルス捕獲; b)5000rpmで10分の遠心、上清を捨てる、150μlのPBSで洗浄 、前記と同様の遠心、および上清を捨てる; c)30μlの直接溶解緩衝液の添加、簡単な攪拌、および37℃で30分間の インキュベーション; d)2個の15μlのアリコートを別々の0.5mlの遠心チューブに入れる、 および95℃で5分間加熱; e)85μlの増幅緩衝液の添加、2滴の油、42℃で45分間の逆転写、熱変 性、および増幅セロポジティブな妊婦における血漿HIV−1RNAの検出 感染した母親からその子供へのHIV−1の垂直感染に影響を及ぼす因子は分 かっていないが、予備的証拠はウィルス負荷が重要な役割を果たしている可能性 があることを示唆している。母親のHIV−1血漿ウィルス負荷が高いことと垂 直感染の可能性の増加とに相関関係があるかどうかを調べるために、下記実験を 試みた。米国およびウガンダ(アフリカ)で開始された研究から選択した49人 のセロポジティブな妊婦の分娩時に、コード化された血漿サンプルを得た。血漿 サンプルは、自分の子供へのHIV−1感染があったか否かが分かっている母親 から選択した。全体的には、子供へのHIV−1感染があった母親が21人で、 感染がなかった母親が28人であった。米国の集団は、感染組が4人で非感染組 が16人であった。ウガンダ の集団は、HIV−1の感染組が17人で非感染組が12人であった。さらに、 米国およびウガンダの母親に対して利用できる血清学的データは、CD4の数お よびβ2ミクログロブリンのレベルであった。分娩時に、全ての母親は、臨床上 、無症候であった。 母親の血漿におけるHIV−1 RNAの検出とHIVの垂直感染との間には あまり関連がなかった。全体的に、テストした22個の感染組の母親サンプル中 、4個がHIV−1RNA陽性であることがわかり、一方、27個の非感染組の 母親サンプル中、11個がHIV−1RNA陽性であった(表2)。 米国のグループ(表3A)では、HIV−1 RNA陽性だった感染組と非感 染組の母親の割合は同じであった(各々、40および38%)。予想されたよう に、HIV−1 RNA陽性は、CD4+の数が低いことと相関性があった。検 出可能なHIV−1 RNAを有する女性のCD4+の中央値は257/mm3 (四部位数間領域:161〜418/mm3)であり、検出可能なHIV−1 RNAがない女性のCD4+の中央値は966/mm3(四部位数間領域:59 1〜1113/mm3)であった。しかし、4人の女性は、CD4+が500/ mm3より少なく、検出可能なHIV−1 RNAを有していたが、自分の子供 へのウィルスの感染はなかった。さらに、一人の女性はCD4+数が1113/ mm3であり、検出可能な血漿HIV−1 RNAを有していなかったが、連続 した2回の妊娠の間にウィルスの感染があった。 ウガンダの母親(表3B)の場合、感染組の12%の母親は、検出可能なHI V−1 RNAを有していた(非感染組は42%)。β2ミクログロブリンのレ ベルは、二つのグループ間であまり違いがなかった(感染組および非感染組で各 々、1.66および1.60μg/μlであった。)。 セロポジティブな血液ドナーのHIV−1 RNAの検出 血液ドナーの血漿におけるHIV−1ウィルス負荷は、HIV−1の輸血に関 連した感染において重要な役割を果たすと考えられる。これを調べるために、Tr ansfusion Salety Study Repository(San Francisco,CA)から得た血漿サンプ ルのHIV−1ウィルス負荷を測定した。78個の感染サンプルおよび12個の 非感染サンプルのプールから22個のサンプルを選択した。選択した22個のセ ロポジティブなサンプルのうち、11個は輸血に関連した感染があり、11個は 非感染であった(表4)。CD4+リンパ球の数は、最初のサンプルでは測定で きなかったが、採取の約1年後の平均CD4+リンパ球数は、感染組および非感 染組のドナーに対して各々、470および746/μlであった。 全体的に、22個の血漿サンプルのうち7個がHIV−1 RNA陽性である ことがわかった。11個の感染性献血のうち、7個はHIV−1 RNA陽性で あったが、11個の非感染性献血はいずれもHIV−1 RNA陽性ではなかっ た。従って、感染性とドナーサンプル中のHIV−1 RNAの有無の間には強 い相関性があった。考察 HIV−1感染の検出は、ウィルス拡散の制御の大きな要因である。現在、H IV−1感染を確認するために、抗体EIAおよびウェスタンブロット試験が使 用されている。最近、HIV感染の進行およびHIV感染者の治療に対する反応 のモニターに関心が集まっている。HIV−1疾患の進行をモニターするために 、主にp24抗原の検出、培養および核酸の増幅に基づく多くの方法が開発され ている。 定量的な細胞および血漿の培養により、末梢血液の単核細胞(PBMC)およ び血漿からHIV−1感染タイターを測定することができる。感染したPBMC の数は、個々の臨床段階に応じて変化し、無症候の1:50,000〜エイズ患 者の1:400(感染:正常)の範囲であることが研究により分かって いる(Ho,C.D.,Moudhil,T.,and Alam,M.Quantitation Of Human Immunode ficiency Virus Type 1 In The Blood of Infected Persons(感染者の血液中 のHIV−1の定量).N.Engl,J,Med.1989;321:1621-1625)。同様に、血 漿中の細胞非含有ウィルスの検出も、感染の臨床段階を表すことが分かっている (Coombs,R.W.,Collier,A.C.,Allain,J.P.,Nikora,B.,Leuther,M.,Gj erset,G.F.,and Corey,L.Plasma Viremla In Human Immunodeficiency Vir us Infection(HIV感染における血漿ウィルス血症).N.Engl.J.Med.198 9;321:1626-1631)。しかし、どちらの方法も、特別な設備を必要とし、かなり 高価で、時間もかかる。さらに、細胞培養は単離細胞のin vitro活性化 が必要であるが、これは、実際のin vivoの状況を表さない可能性がある 。また、血漿培養の感度は、既知感染の大半を検出するのに充分ではなく、その 再現性は、アッセイで使用する刺激したドナー細胞に依存する(Eschaich,S., Rilter,J,,Rougler,P.,Lepot,D.,Lamelin,J.P.,Sepetjan,M.,and Tre po,C.Plasma Viremia As A Marker Of Viral Replication In HIV Infected I ndividuals(HIV感染者におけるウィルス複製の マーカーとしての血漿ウィルス血症).AIDS 1991;5:1189-1194)。 感染したPBMCに存在するHIV−1 DNAまたはウィルス関連HIV− 1 RNAの検出にはPCRが使用されている。PBMCから単離されたプロウ ィルスHIV−1 DNAの定量的検出は非常に感度が高い。しかし、測定した HIV−1 DNAの全てが転写的に活性なDNAに対応するかどうかは分かっ ていない。血漿HIV−1 RNAウィルス負荷の増加が病気の進行の良好な予 報値であることが研究により分かっている。すなわち、ウィルス関連HIV−1 RNAのPCRによる測定は極めて感度が高く、有用であるはずである。しか し、血漿からのウィルスの単離は、遠心またはイソチオシアン酸グアニジン抽出 のいずれかを必要とする(Aoki-Sei,S.,Yarchoan,R.,Kageyama,S.,Hoekze ma,D.T.,Pluda,J.M.,Wyvill,K.M.,Broder,S.,and Milsuya,H.Plasma HIV-1 Viremia In HIV-1 Infected Individuals Assessed By Polymerase Cha in Reaction(PCRにより評価されたHIV−1感染者の血漿HIV−1ウィ ルス血症).AIDS Res.and Human Retro.1992;8:1263-1270;Scadden,D.T., Wang,Z.,and Groopman,J.E.Quantitation Of Plasma Human Immunodeficiency Virus Type 1 RNA By Competitve Polymerase Chain Reaction(競合PCRによる血漿HI V−1RNAの定量).J,Inlect.Diseases 1992;165:1119-1123;Holodniy,M .,katzenstein,D.A.,Sengupta S.,Wang,A.M.,Casipit,C.,Schwartz, D.H.,Konrad,M.,Groves,E.,and Merigan,T.C.Detection And Quantific ation Of Human Immunodellciency Virus RNA In Patient Serum By Use Of The Polymerase Chain Reaction(PCRの使用による患者の血清のHIV RNA の検出および定量).J.Infect.Diseases 1992;163:862 866)。培養技術と同 様に、これらの方法は、作業が大変で、完了までにかなりの時間と専門的技術が 必要である。 本発明は、HIV−1複製(ウィルス血症)の直接測定に対する血漿関連HI V−1ビリオンの免疫捕獲を使用するアッセイに有用である。この種のアッセイ は、培養技術や煩雑な化学抽出操作を必要とすることなく、血漿関連HIV−1 ウィルスを測定するための、高感度で特異的な方法である。直接溶解緩衝液は、 HIV−1ゲノムRNAの簡素化された逆転写および増幅法に関して直接使用さ れるように作った。これらの変更に より、HIV−1ウィルス負荷をモニターするのに必要な時間がかなり短縮され た。 単位体積当たりに得られる全体的な表面積の増加のために、0.1〜0.3μ の粒子サイズを選択した。理論的には、これにより、粒子に結合する抗体の量が 最大になり、その結果、免疫捕獲の感度が増加するはずである。 感度を最大にするために、ポリクローナル抗体よりも高い親和性を有するモノ クローナル抗体を使用してHIV−1ビリオンの捕獲を行った。gp120およ びgp41タンパク質はともにウィルスの外膜の成分であり、全ての感染性HI V−1ウィルス粒子に存在する。すなわち、抗gp120および抗gp41特異 的モノクローナル抗体を免疫捕獲用に選択した。 抗体を粒子に結合させる方法は、アッセイの感度および特異性の両方に影響を 及ぼすと考えられる。抗体を固体マトリックスに結合させるために使用される二 つの決まりきった方法がある。第一の方法は、おそらく最も簡単な方法であるが 、受動的な吸着であり、第二の方法は、共有結合である。抗体の特異的結合は、 粒子の化学組成に依存する。受動的な吸着は、粒子と抗体の間のイオン的・疎水 的相互作用によって達成される。共 有結合は、粒子および抗体の間に共有結合が生じることに基づいている。モノク ローナル抗体の共有結合にはカルボキシル化粒子を使用した。EDCの助けによ って、粒子のカルボキシル基と抗体のアミノ基との間に共有結合が生じる。両方 の方法とも、感度がかなり高いことが分かっている。粒子に結合した抗体の全て が共有結合的であるとは限らないが、この方法は安定性に優れており、このため 、抗体の共有的結合法を使用した。 アッセイ法をかなり簡素化するために、一連の最適化工程の探索を行った。こ れらの最適化には、直接溶解緩衝液の開発、免疫捕獲時間の短縮、直接溶解に要 する時間および温度の減少(低下)ならびに試薬の単独添加による逆転写および 増幅の実施が含まれた。 ゲノムRNAを単離するための当初の方法は、通常の分子生物学的技術を使用 したので、煩雑であり、時間がかかった。免疫捕獲の後、比較的高濃度のSDS を使用してウィルス膜を破壊した。ウィルスRNAと会合したタンパク質の消化 のために、プロテイナーゼKを使用した。HIV−1 RNAの精製は、有機溶 媒抽出、続く一夜のエタノール沈澱を組み合わせて行った。 直接溶解緩衝液は、無傷のビリオンからゲノムHIV−1 RNAを抽出し、 それによって逆転写および増幅操作にゲノムHIV−1 RNAが直接使用でき るように調製した。これによって、通常の操作では必要な有機溶媒抽出およびエ タノール沈澱の両方の操作が取り除かれた。有機溶媒抽出操作を使用しないこと により、アッセイ時間が少なくとも合わせて16時間短縮された。 直接溶解に必要な試薬の量を決定するために、等量の細胞およびウィルス物質 を破壊するのに必要な適切な洗剤および/またはプロテイナーゼKの濃度を測定 した。典型的には、106個のヒトの細胞の破壊に、0.25%のSDSおよび 0.5mg/mlのプロテイナーゼKを含む溶液1mlが必要である(19)。 免疫粒子の理論的な結合容量は約10,000ビリオンであることが先の研究で 測定された(Henrard,D,R.,Mehaffey,W.F.,and Allain,J.P.A Sensitive Viral Capture Assay For The Detection Of Plasma Viremaia In HIV Infected Individuals(HIV感染者における血漿ウィルス血症の検出のための感度の高 いウィルス捕獲アッセイ).AIDS Res.Human Retro.1992;8:45-51)。すなわ ち、106個の細胞を溶 解するのに必要なSDSおよびプロテイナーゼKの濃度は、10,000個のビ リオンを溶解するのに必要な濃度よりも少なくとも100倍大きいはずである。 さらに、細胞の体積は、ウィルスの約1000倍大きい(すなわち、細胞および ウィルスのの平均直径は、各々3μおよび0.1μである。)。従って、等量の ウィルス物質の溶解には、洗剤およびプロテイナーゼKの量を合わせて105倍 少なくした量で充分であるはずである。しかし、免疫捕獲されたビリオンに添加 される直接溶解緩衝液の体積は30μlで、これは、細胞の溶解に必要な量と比 較すると、洗剤およびプロテイナーゼKの合計量を33倍少なくした量に相当す る。このことは、10,000個のビリオンを破壊するのに必要な洗剤および/ またはプロテイナーゼKの濃度の3000倍の減少を示唆し(105÷33)、 これは、各々、約0.0001%および0.167μg/mlのSDSおよびプ ロテイナーゼKの濃度に相当する。これらの濃度は、有機抽出法に匹敵する結果 を与えた実際のテスト濃度より10倍小さい。すなわち、HIV−1ビリオンの 破壊に使用したSDSおよびプロテイナーゼKの濃度は、これらの計算に基づい て必要とされる濃度より少なくとも10倍大きかった。 逆転写も増幅も、溶解緩衝液がTriton X−100、Tween20または低濃度の SDSを含む場合は、阻害されなかった。0.5%のTriton X−100または 0.45%のTween20を含む溶解緩衝液では、阻害効果は見られなかった。興 味深いことに、SDSは、0.007%より大きい濃度の場合に逆転写反応を阻 害すると考えられた。検討した直接溶解緩衝液の洗剤濃度が0.01%である場 合、逆転写反応中のその最終濃度は0.007%であった。この濃度は、PCR 反応中にさらに0.00147%に減少した。上記で述べたように、SDSは、 0.001%以下の濃度ではPCRを阻害しなかった。0.00147%のSD Sが反応を阻害するかどうかは測定しなかったが、この増加がPCR反応に驚く べき影響を及ぼすようには考えられない。その代わり、陽性結果の不足は、逆転 写が阻害されたことを示唆する。これは、低濃度のSDSが逆転写酵素に対して 阻害効果を有するという報告がなかったので、予想していなかった。この濃度の SDSがどういうわけかRTと錯体を形成し、それによってcDNAの完全また は充分な産生を阻害することが考えられる。あるいは、SDSが、たぶん逆転写 酵素の活性部位の構造に間接的に影響を及ぼすことによ り、逆転写酵素自体を阻害する可能性がある。RT反応のいずれかの部分の阻害 は、cDNA鋳型なしにはPCR産物が得られないので、HIV−1 cDNA の最終増幅に大きな影響を及ぼすであろう。 プロテイナーゼKの直接溶解緩衝液への添加は、酵素反応のいずれかに逆効果 を及ぼすことはなかった。事実、テストした各洗剤を含む緩衝液に1μg/ml を添加しても、有機抽出法と同様の結果が得られた。 直接溶解に必要な免疫捕獲時間および温度を下げても、アッセイの感度に対す る逆効果はなかった。捕獲時間が3時間から1時間に短縮することができたので 、使用するモノクローナル抗体は、ビリオンと会合したgp120およびgp4 1に対して極めて高い親和性を有するのが好ましい。HIVビリオンの破壊およ びHIV−1 RNAの単離には、低温で短時間のインキュベーションで充分で あった。これは、溶解が非常に速く、無傷のビリオンからHIV RNAを完全 に解離するには、選択した洗剤およびプロテイナーゼKの濃度で充分であること を示す。 逆転写および増幅操作を一緒にして一つのアッセイにしても、 アッセイの感度に対する逆効果はなかった。他の標的(すなわち、HCV)の場 合と同じように、試薬の単独添加によるRTおよびPCR反応の実施は、アッセ イにおける成分濃度のいくつかを最適化することにより達成された。しかし、驚 くべきことに、50μlの一段階RT/PCR法は、サンプルをアッセイする際 には作用しなかった。RNAおよびDNAコントロールの測定の場合は、50μ lの方法で、同等の測定シグナルが得られた。最終のSDSおよびグリセロール 濃度を除く全ての成分濃度は、両方の方法において同じままであった。SDS濃 度は、最終のアッセイ体積が50μlの場合は2倍にした(0.00015%か ら0.0003%にした)。しかし、この濃度でTaqポリメラーゼ酵素が阻害 を受けるという報告はされていない。さらに、ストック酵素の添加の結果生じる グリセロールの濃度は、50μlの方法の場合、100μlの方法の場合の2倍 以上に増加した(2.2%対0.97%)。製造者によれば、グリセロール濃度 がこの範囲である場合、酵素に対する阻害の影響はあまりない。しかし、アッセ イ体積が減少すると、免疫捕獲に関連する粒子の高濃度化が生じた。酵素反応は 、どうも粒子によって妨害または阻害を受けたと考えられ る。 免疫捕獲法の最適化により得られる最も重要な二つの利点は、恐らく、関与す る全工程数の減少およびアッセイの完了までに要する時間の短縮であった。アッ セイ法におけるこれらの変化は、サンプルの持ち込みによる汚染の危険性をかな り少なくすると考えられる。表5に、通常の方法と本発明の操作の違いを詳しく 記載する。直接溶解緩衝液の使用、有機溶媒抽出操作の削除および一段階RT/ PCR法の全てにより、各アッセイチューブを開けなければならない回数がかな り減少した。例えば、免疫捕獲工程後に各チューブを開けなければならなかった 実際の回数は、標準法での10回から改良法での3回になった。さらに、アッセ イチューブから試薬を除去または試薬を添加する回数は、標準法での15回から 改良法での4回になった。標準アッセイ法および改良法(一段階RT/PCR) の完了に必要な実際の実験時間の主な違いは、一夜行うRNA沈澱工程にある。 この工程を改良法から除去すると、少なくとも15時間の短縮になった。全体的 に、改良法は、免疫捕獲時間を2時間、HIV−1ゲノムRNAの溶解および単 離時間を15時間、逆転写およびPCR混合物を作る時間をさらに1時間短縮し た。 標準法を使用すると、サンプルの結果を得るのに少なくとも2日間を要したが、 改良法を使用すると同じ結果を得るのにほんの9時間であった。 偽陽性反応の発生の抑制は、汚染コントロール操作に対する完全な固執が助け となった。これは、3個の別々の実験室を使用してサンプルの調製、PCRおよ び検出を行うことにより達成した。各実験室には、別々の装置セットがあった。 増幅産物による汚染を少なくし、可能な限り除去するために、バリアピペットチ ップおよびUV安定化の通常の使用も行った。汚染をコントロールするためにか なりの測定を行ったが、偽陽性反応は、約500回のテストで1回の割合で生じ た。これは、PCRアッセイの高い特異性を維持するめためには、汚染コントロ ール操作への固執が重要であることを示す。 次いで、簡略化した免疫捕獲−cDNA/PCRを使用して、HIV−1血漿 ウィルス負荷と垂直または水平HIV−1感染との間に関連があるかどうかを測 定した。HIV−1垂直感染の実験に含まれる女性は比較的健康で、病気の症状 を示さなかった。彼女らの平均CD4+値は高く(178〜1113mm3)、 β2ミクログロブリンレベルは正常値内(平均1.64μg/ml)であり、こ れは、その実験に含まれる女性が比較的健康であることを示唆した。HIV−1 RNA陽 性(血漿ウィルス血症)は、CD4+値が低いことと相関性があった。このこと は、CD4+値と血漿ウィルス血症の増加との間の相関性があることを示した初 期の研究と一致した(Saag,M.S.,Crain,M.J.,Decker,W.D.,Camplell-Hi ll,S.,Robinson,S.,Brown,W.E.,Leuther,M.,Whitley,R.J.,Hahn,B .H.,and Shaw.G.M.High-Level Viremia In Adulls And Children Infected With Human Immunodeficiency Virus:Relation To Disease Stage And CD4+ Ly mphocytes Levels(HIVに感染した大人と子供における高レベルなウィルス血 症:病気の進行段階およびCD4+リンパ球レベルとの関係).J.Infect.Dis .1991;164:72-80)。反対に、血漿HIV−1ウィルス負荷のレベルと垂直感染 との間には相関性が見られなかった。他の報告では、垂直感染のある母親には血 漿ウィルス血症がないことが示された(Ariyoshi,K.,Weber,J.,and Walters ,S.Contribution Of Maternal Viral Load TO HIV-1 Transmission(母親の ウィルス負荷のHIV−1感染に対する寄与).Lancet 1992;340;Puel,J,,Iz opet,J.,Lheritier,D.,Briant,I.,Guyader,M.,Tricoire,J.and Berre bi,A.Viral Load And Mother To Infant HIV Transmis sion(ウィルス負荷と母親から乳児へのHIV感染).Lancet 1992;340:859-86 0)。母親における複製の速い有毒のHIV変異体の発生(Grunter,R.A.,Terp stra,F.G.,De Goede,R,,Mulder,J.W.,De Wolf,F.,Schellekens,P.,V an Lier,R.,Termette,M.,and Miedema,F.Immunological And Virologic M arkers In Individuals Progressing From Seroconversion To AIDS(セロコン バージョンからエイズに進行した患者の免疫学的およびウィルス学的マーカー) .AIDS 1991;5:837-844)、母親の変異体の選択的感染(Wolinsky,S.M,,Wike ,C,A.,Korber,B.,Hutto,C.,Pparks,W.P.,Rosenblum L.L.,Kunstman ,K.J.,Furtado,M.R.,and Munoz,J.L.Selective Transmission Of Human Immunodeficiency Virus Type-1 Variants From Mothers To Infants(HIV −1変異体の母親から乳児への選択的感染).Science 1992;255:1134-1137)、 および他の微生物との共感染(Holme,W.Vertical Transmission Of HIV(HI Vの垂直感染).Lancet 1991;337:793-794)は、HIV−1の母親からその子 供への感染における重要な可変因子であると考えられる。本発明者らの結果はま た、ウィルス負荷以外の因子がHIV−1の垂直感 染に寄与している可能性があることを示唆するものである。胎盤への外傷の結果 、発達している胎児に細胞およびウィルスの両方が入り込む可能性がある。子供 が産道を通る際の感染の可能性も、分娩中に存在する母親の血液量に依存して、 もっともと思われる。ウィルスは、食物接種、涙液腺、または分娩中に生じた可 能性がある小さな傷を通して子供に入り込むことができたかもしれない。そのよ うな場合は、分娩中に失われた母親の血液量が実際のウィルス負荷よりも重要で あると考えられる。ウィルス負荷は低いが、血液の損失は大きい女性の場合は、 ウィルス負荷は高いが、分娩中の血液の損失は最小である女性よりも、HIV感 染の可能性が大きいかもしれない。このことは、本発明者らの実験において、末 梢血に検出可能なHIVRNAが認められず、CD4+は非常に高い無症候の母 親がなぜその子供にHIV−1を感染することができたかの説明になると考えら れる。 HIV−1の垂直感染とは違って、HIV−1の血液ドナーから受血者への水 平感染は、血漿ウィルス血症とかなり相関性があった。この実験では、22人全 ての受血者に、HIV−1セロポジティブな血液が移された。受血者にHIV− 1感染を 招いたドナーサンプルのかなりの割合(64%)において検出可能なHIV−1 ウィルス血症が認められ、一方、受血者を感染させなかったドナーには検出可能 なHIV−1ウィルス血症が認められなかった。これらの結果は、HIV感染が 、主に輸血前後における血漿ウィルス血症のレベルに依存することを示唆する。 HIV−1感染者の数が増加するにつれて、感染の経過中の症状のモニターが より重要になりつつある。病気の進行を迅速かつ効率的に確認することができる アッセイが開発されれば、感染および種々の治療の効果のモニターに役立つであ ろう。かなり高感度の免疫捕獲cDNA/PCRアッセイは、これらの目的に特 に有用であると考えられる。本明細書に記載するアッセイは、血漿HIV−1ウ ィルス負荷において対数的相違を生じさせることができ、現在は、血漿HIV− 1ウィルス血症のレベルを検出・定量するより精確な方法の開発に尽力している 。これらには、PCR以外の増幅系に基づく定量的検出系の開発が含まれる。 PCRの他に、標的DNAの増幅に現在使用されている二つの方法が文献に記 載されている。一つは、自立持続的配列複製 (3SR)と言い、他方は、リガーゼ速鎖反応(LCR)である(Bush,C.E., Donovan,R.M.,Peterson,W.R.,Jennings,M.B.,Bolton,V.,Sherman,D.G, ,Vanden Brink,K.M.,Beninsig,L.A.,and Godsey,J.H.Detection Of Huma n Immunodeficiency Virus Type 1 RNA In Plasma Samples From High Risk Pe diatric Patients By Using The Self Sustained Sequence Replication Reatio n(自立持続的配列複製(3SR)反応の使用による危険性の高い小児患者の血 漿サンプルにおけるHIV−1RNAの検出).J.Clin.Micro.1992;30:281- 286;Wu,D.Y.and Wallance,R.B.The Ligation Amplification Reaction(LA R)-AmPlification Of Specific DNA Sequences Using Sequential Rounds Of T emplate-Dependent Ligation(連結増幅反応(LAR)−連続するラウンドの鋳 型特異性連結による特定のDNA配列の増幅).Genomics 1989;4:560-569;Barr inger,K.J.,Orgel,L.,Wahl,G.,and Gingeras,T.R,Blunt-end And Singl e Strand Ligations By Escherichia coli Ligase:Influence On An In Vitro Amplification Scheme(大腸菌リガーゼによる平滑末端と一本鎖の連結:in vitro増幅法に対する影響).Gene 1990;89:117- 122)。LCRは、熱安定DNAリガーゼを使用して、標的DNAと相補的であ るオリゴプライマーの隣接する3’ヒドロキシおよび5’ホスホリル末端を共有 結合するものであり、Taqポリメラーゼは必要としない。LCRは、PCRの ように、一連のアニーリングおよび変性工程により標的DNAを増幅させる。各 ラウンドで得られたオリゴヌクレオチド産物は、続く各ラウンドの基質として作 用する。こうして、DNAの標的分子の数を105倍以上増加させることができ る。LCRの産物を検出するために、プライマーは、発蛍光剤を含むように改良 する。次いで、24個のサンプルが45分で処理できる自動蛍光アッセイ系を使 用する。 下記の文献は明細書中に引用されたものである:

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 洗剤およびプロテイナーゼKを逆転写および核酸増幅法で使用する酵素反 応に適合する濃度で含み、該洗剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、Triton X−1 00およびTween20から成る群から選択されることを特徴とする溶解試薬。 2. 該洗剤が、0.001%以下の濃度のドデシル硫酸ナトリウムであること を特徴とする請求項1に記載の試薬。 3. 該洗剤が、0.1〜0.5%の範囲の濃度のTriton X−100およびTwe en20から成る群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の試薬。 4. 核酸の単離における直接溶解緩衝液として使用するための、緩衝液、0. 001%のドデシル硫酸ナトリウムおよび1μg/mlのプロテイナーゼKを含 む組成物。 5. 該緩衝液が10mMトリス(pH7.0)であることを特徴とする請求項 4に記載の組成物。
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