JPH08509626A - 吸入装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 薬剤吸入装置は空気入口（３）を空気出口（４）と接続する貫通通路（２）を有するハウジング（１）と、粉末薬剤の圧縮塊（８）を収容するようになっている薬溜め（７）と、所定投与量の薬剤を溜め（７）から貫通通路（２）内へ分配する計量手段とを包含し、この計量手段が圧縮塊（８）を擦り取る手段（18）を包含する。この装置は圧縮塊（８）を貫通通路（２）から隔離する第１位置と圧縮塊（８）を貫通通路（２）と連通させてある一回分の投与量の薬剤を溜め（７）から貫通通路（２）内へ分配できるようにする第２位置との間で移動できるシヤッタ（９）を備える。

Description

【発明の詳細な説明】 吸入装置 本発明は、吸入によって粉末薬を投与する装置、一層詳しくは、薬溜めから所 定投与量の薬を分配する計量手段を備えた多数回投与式吸入装置に関する。 ヨーロッパ特許出願407028（Fisons plc）が、粉末薬剤の圧縮塊から一定量の 薬を擦り取ることによって投与量の薬を計量する多数回投与式吸入装置を開示し ている。計量済みの薬は、次に、装置の貫通通路に入り、患者によって吸入され る。薬を擦り取る手段は、例えば、螺旋状の刃である。粉末薬剤の圧縮塊を擦り 取る原理を使用する他の装置としては、国際特許出願WO92／04067（Boehringer Ingelheim KG）およびWO93／24165（GGU Gesellschat fUr Gesundheits-und Umw eltforschung mbH & Co．Vertriebs KG）に開示されたものがある。 これらの装置は、溜めからのある一回分の投与量の薬剤を計量するのに重力に 依存する多数回投与装置に比べて、投与量の一致性で改善されているかも知れな いが、圧縮粉末塊からの擦り取った薬の取り出しが不完全であるし、患者の吸入 で圧縮粉末塊から余分な粉末が取り出されることもあるので、まだ投与量が不正 確となる可能性がある。さらに、装置を不注意に落とした場合には、薬剤が圧縮 粉末塊から剥がれ、装置の貫通通路に入り、患者が次に装置を使用するときに多 数回分の薬剤が投与されることになる。 ここで、本発明者等は、貫通通路から薬剤の圧縮塊を隔離することのできるシ ヤッタ装置を設けることによって上記の欠陥を克服あるいは実質的に軽減するこ とができることを見いだした。 したがって、本発明によれば、空気入口を空気出口と接続する貫通通路 を有するハウジングと、粉末薬剤の圧縮塊を収容するようになっている薬剤溜め と、溜めから貫通通路内へ所定投与量の薬剤を分配する計量手段とを包含し、こ の計量手段が圧縮塊を擦り取る手段を包含する薬剤吸入装置であって、圧縮塊を 貫通通路から隔離する第１位置と圧縮塊を貫通通路に連通させ、溜めから貫通通 路内へある一回分の投与量の薬剤を分配することができる第２位置との間で動く ことのできるシヤッタを備えることを特徴とする薬剤吸入装置が提供される。 圧縮塊を擦り取る手段は、相対回転あるいは相対摺動によって圧縮塊の表面を 切削、平削り、擦り落とし、あるいは浸食を行う刃を包含すると好ましい。例え ば、この刃は螺旋状となっており、この場合、薬剤の圧縮塊から擦り取られる薬 剤量は、特に、螺旋のピッチ、刃の直径、圧縮塊の密度、刃が回転する角度に依 存する。あるいは、圧縮塊を擦り取る手段はブラシあるいは他の研磨面を包含し てもよい。 シヤッタは圧縮塊を貫通通路から隔離する第１位置へ片寄せられていると好ま しい。 シヤッタはキャリヤに取り付け、このキャリヤが装置のハウジングと共に、例 えば、軸線方向に移動するようになっていてもよい。第１、第２の位置間のシヤ ッタの移動はキャリヤに対するカムの作用によって行ってもよい。キャリヤは装 置の固定部を押圧するようにキャリヤに設けた片寄せ手段、例えば、片持ちばり によってカム面と接触して保たれるのが好ましい。カムは、溜めからの所定投与 量の薬剤の計量前にシヤッタが第１位置から第２位置へ移動し、所定投与量の薬 剤を計量した後に第１位置へ戻るように配置してあると好ましい。さらに、シヤ ッタは患者が装置から薬剤を吸入する前に第１位置に戻ると好ましい。 患者が装置から薬剤を吸入する前にシヤッタが第１位置に戻るとき、シ ヤッタは第２位置から第１位置への移動の際に溜めから計量した投与量の薬剤を 切るようになっていると好ましい。次に、所定投与量の薬剤を貫通通路内に位置 する保持室内に堆積させる。ここに薬剤は患者が装置から吸入するまで留まる。 シヤッタが溜めから計量した投与量の薬剤を切るようになっている場合、シヤッ タは金属製の刃からなると好ましい。 装置の貫通通路が保持室とマウスピースの間に設けた分散室を包含してもよい 。この分散室は接線方向の空気入口を備えていてもよい。その場合、空気入口は 分散室内に空気の渦流を生じさせ、薬剤の分散を助ける。 シヤッタの移動および計量動作は装置内に設けた駆動機構によって制御するこ とができる。 この駆動機構は装置のハウジングに回転自在に取り付けた駆動スリーブと組み 合わせると好ましい。この駆動スリーブが回転すると、カムが回転し、この回転 がキャリヤおよびシヤッタの軸線方向移動に変換され、また、圧縮塊の擦り取り に必要な計量手段と薬剤の圧縮塊との相対移動に変換される。こうして、シヤッ タ移動および計量動作は患者の単一動作に応答して逐次実行され得る。回転の程 度、したがって、擦り取られる薬剤の量は、回転制御手段、例えば、各投与量毎 に所定角度のみ回転を許すように駆動手段に組み合わせたラチェットまたはハウ ジングに設けた止めまたはこれら両方によって制御すると好ましい。 シヤッタのキャリヤは、駆動機構を貫通通路から大きく分離するような形状と すると便利である。これは駆動機構内へ薬剤が侵入する危険を減らすという利点 を有する。 圧縮粉末薬剤塊は薬剤の粒子を一緒に保持するようにばらばらの粉末を圧縮す ることによって製造した薬剤塊を含む。こうして得る圧縮程度は、明らかに、ば らばらの粉末に加える圧縮力に依存する。このことは、例え ば、ヨーロッパ特許出願407028（Fisons plc）に記載されており、これの開示内 容を参考資料としてここに援用する。しかしながら、一般的には、圧縮程度は圧 縮粉末薬剤塊に構造上の結合性を与えて複数回の単位用量の薬剤を擦り取りによ ってそこから計量できる程度で十分である。 吸入薬の圧縮塊は任意の便利な外形、例えば、円筒状あるいは煉瓦状であり得 る。しかしながら、圧縮粉末薬剤塊が環状の形態を持つのが好ましいと考える。 環状の圧縮粉末薬剤塊は国際特許出願WO94／00291（Fisonsplc）に記載された方 法で作ることができる。これの開示内容も参考資料としてここに援用する。 本発明による装置から投与することのできる薬剤としては、粉末形態で吸入す ることによって普通に投与される任意の活性成分を含み得る。このような活性成 分としては、可逆性閉塞性気道疾患の予防あるいは治療で用いる薬剤がある。こ こに挙げることのできる特殊な活性成分としては、クロモグリク酸の塩類、例え ば、クロモグリク酸ナトリウム；ネドクロミルの塩類、例えば、ネドクロミルナ トリウム；ジプロピオン酸ベクロメタゾン、チプレダン、ブデゾナイド、フルチ カゾンのような吸入ステロイド類；臭化イプラトピウムのような抗コリン作用薬 ；サルメテロール、サルブタモール、レプロテロール、テルブタリン、イソプレ ナリン、フェノテロールおよびこれらの塩のような気管支拡張薬がある。所望な らば、活性成分の混合物、例えば、クロモグリク酸ナトリウムと気管支拡張薬（ 例えば、サルブタモール、レプロテロール、イソプレナリン、テルブタリン、フ ェノテロールあるいはこのうちの任意のものの塩）との混合物を使用してもよい 。 本発明による装置は限られた用途に合わせて設計してもよい。すなわち、或る 投与量分の圧縮粉末薬剤塊を供給し、それを使いきったならば廃棄す るようにしてもよいし、再使用可能としてもよい。すなわち、補充用の圧縮粉末 薬剤塊を装置内に挿入できるようにしてもよい。 したがって、本発明の別の態様によれば、薬剤溜めが粉末薬剤の圧縮塊を収容 する上記のような装置を提供することができる。 本発明の装置は、シヤッタが薬剤擦り取り動作の終わりに薬剤をきれいに切断 するので投与の一致性が改善され、患者が薬剤の圧縮塊に息を吹き戻すのを防ぎ 、薬剤の湿潤防止作用を向上させ、使いやすいという点で従来装置の欠点を克服 する。さらに、シヤッタが吸入時に貫通通路から薬剤の圧縮塊を隔離するので、 患者が不注意で溜めから余分な薬剤を吸引することを防止できる。 本発明を薬剤の経口吸入で使用するものとして説明してきたが、吸入によって 経鼻吸入にも本発明は適している。この投与形式への必要な適用手順は当業者で あれば明らかであろう。 以下、本発明の好ましい実施例を添付図面を参照しながら説明する。 第１図は本発明による装置を第１／休止位置で示す部分縦断面図（分散室は図 示せず）である。 第２図は第１図の装置を第２／計量位置で示す部分縦断面図である。 第３図は本発明による装置のシヤッタ、溜め、貫通通路の詳細を第１／休止位 置で示す縦断面図である。 第４図は第３図の装置を第２／計量位置で示す縦断面図である。 第５図は第３図の装置のシヤッタおよび溜めのＶ−Ｖ線に沿った部分断面図で ある。 第６図は第４図の装置のシヤッタおよび溜めのＶＩ−ＶＩ線に沿った部分断面 図である。 本発明による装置は貫通通路（２）を有するハウジング（１）を有し、この 貫通通路は空気入口（３）をマウスピース・カバー（図示せず）を有するマウス ピース（４）の形をした空気出口と接続している。貫通通路内で空気入口（３） とマウスピース（４）の間には接線方向空気入口（６，６ａ）を有する分散室（ ５）が設けてある。 粉末状の吸入薬剤の環状圧縮塊（８）を収容するほぼ円筒形の薬溜め（７）が 分散室（５）の上流側で貫通通路（２）に隣接してハウジング（１）に回転自在 に取り付けてある。 金属製の刃（10）からなるシヤッタ（９）がキャリヤ（11）に取り付けてあり 、このキャリヤは圧縮塊（８）を貫通通路（２）から隔離する第１／休止位置〔 第１図〕と圧縮塊（８）を貫通通路（２）と連通させる第２／計量位置〔第２図 〕との間でハウジング内を軸線方向に移動するようになっている。キャリヤ（11 ）の、シヤッタ（９）と離れた方の端には、出張り（12）が設けてあり、この出 張りはハウジング（１）に回転自在に取り付けた駆動スリーブ（14）の内面に設 けたカム（13）と相互作用するようになっている。キャリヤ（11）はそこに設け た半片持ちばり（15）によってカム（13）に対して片寄せられており、この半片 持ちばりは分散室（５）の外壁面を押圧している。キャリヤ（11）の、シヤッタ （９）から遠い方の端にはディスク（16）も設けてあり、このディスクはハウジ ング（１）の内径にほぼ一致する直径を有する。このようにして、ディスク（16 ）はカム（13）および溜め駆動機構（後述する）を貫通通路（２）から分離し、 駆動機構への薬剤の侵入の危険を減らしている。 駆動スリーブ（14）には溜め駆動機構（図示せず）も設けてあり、これはハウ ジング（１）に対して所定の角度にわたって薬溜め（７）を回転させるようにな っている。この回転角度はハウジングの外面に設けた止め（17）によって制限さ れる。 溜め（７）とマウスピース（４）の間でハウジング内には螺旋状の刃（18）が 固着してあり、この刃（18）は溜め（７）に入っている圧縮薬剤塊（８）の面と 衝合するようになっている。圧縮薬剤塊（８）はさらに圧縮ばね（19）によって 刃（18）に向かって押圧されており、この圧縮ばねは薬溜め（７）の外壁面と駆 動スリーブ（14）の内面とに作用している。 使用にあたって、駆動スリーブ（14）を第１図の矢印Ａの方向に回転させる。 回転の初動部分でカム（13）がキャリヤ（11）をハウジング（１）内を軸線方向 に沿ってマウスピース（４）に向かって移動させる。したがって、シヤッタ（９ ）が第１／休止位置〔第１図〕から第２／計量位置〔第２図〕へ移動する。圧縮 塊（７）がひとたび貫通通路（２）と連通すると、さらなる回転で溜め駆動機構 （図示せず）が作動して溜め（７）および圧縮塊（８）を６０°の角度にわたっ て進める。この回転程度はハウジング（１）の外面に設けた止め（17）によって 制限される。溜め（７）が回転すると、螺旋状の刃（18）が圧縮剤塊（８）の面 から所定量の粉末薬剤を擦り取る。 駆動スリーブ（14）を次に第２図の矢印Ｂの方向に回転させる。カム面（13） が初期位置に回転してシヤッタ（９）が片持ちばり（15）の片寄せ力の下に第１ ／休止位置へ戻ることができる。シヤッタ（９）が第１／休止位置に戻ると、金 属製の刃（10）が圧縮塊（８）から擦り取られた薬剤を切断し、それが貫通通路 （２）の保持室（20）内に堆積する。この保持室は部分的に刃（18）とシヤッタ （９）によって区画されている。次に、患者がマウスピース・カバー（図示せず ）を外し、マウスピース（４）を口にくわえて空気入口（３）および貫通通路（ ２）を通して空気を吸い込む。投与量の薬剤は分散室（５）内へ吸い込まれ、そ こにおいて、空気流に捕らえられ、患者によって吸引される。吸引中、シヤッタ （９）は圧縮塊（８）を貫通通路（２） から隔離しているので余計な薬剤が圧縮塊（８）から削り取られるのを防止する 。

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Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．空気入口（３）を空気出口（４）と接続する貫通通路（２）を有するハウジ ング（１）と、粉末薬剤の圧縮塊（８）を収容するようになっている薬溜め（７ ）と、所定投与量の薬剤を溜め（７）から貫通通路（２）内へ分配する計量手段 とを包含し、この計量手段が圧縮塊（８）を擦り取る手段（18）を包含する薬剤 吸入装置であって、圧縮塊（８）を貫通通路（２）から隔離する第１位置と圧縮 塊（８）を貫通通路（２）と連通させてある一回分の投与量の薬剤を溜め（７） から貫通通路（２）内へ分配できるようにする第２位置との間で移動できるシヤ ッタ（９）を備えたことを特徴とする装置。 ２．薬溜め（７）が粉末薬剤の圧縮塊（８）を収容していることを特徴とする請 求項１記載の装置。 ３．シヤッタ（９）が圧縮塊（８）が貫通通路（２）から隔離される第１位置に 向かって片寄せられていることを特徴とする請求項１または２記載の装置。 ４．シヤッタ（９）が溜め（７）からの所定の投与量の薬剤を計量する前に第１ 位置から第２位置へ移動することを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記 載の装置。 ５．所定の投与量の薬剤を溜め（７）から計量したならばシヤッタ（９）が第１ 位置へ戻ることを特徴とする請求項４記載の装置。 ６．シヤッタ（９）がハウジング（１）内で軸線方向に移動するようになってい るキャリヤ（11）上に取り付けてあることを特徴とする請求項１〜５のいずれか １項に記載の装置。 ７．シヤッタ（９）の移動がカム（13）によって行われることを特徴とする請求 項１〜６のいずれか１項に記載の装置。 ８．カム（13）がハウジング（１）に回転自在に取り付けた駆動スリーブ （14）に設けてあることを特徴とする請求項７記載の装置。 ９．シヤッタ（９）が第２位置から第１位置への移動時に溜め（７）から計量済 みの薬剤を切断するようになっていることを特徴とする請求項１〜８のいずれか １項に記載の装置。 10．シヤッタ（９）が金属製の刃（10）からなることを特徴とする請求項９記載 の装置。