JPH0843102A - 三次元地磁気方位センサ - Google Patents
三次元地磁気方位センサInfo
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- JPH0843102A JPH0843102A JP6179322A JP17932294A JPH0843102A JP H0843102 A JPH0843102 A JP H0843102A JP 6179322 A JP6179322 A JP 6179322A JP 17932294 A JP17932294 A JP 17932294A JP H0843102 A JPH0843102 A JP H0843102A
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- Measuring Magnetic Variables (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 実用的な感度を有して地磁気検出精度が高
く、しかも3次元、すなわち空間的な地磁気方位を検出
することを可能とする。 【構成】 3つのセンサチップ1〜3を設け、各センサ
チップを、それぞれパーマロイ等からなる断面略々円形
状の4つの円弧状の強磁性体コアK1 ,K2 ,K 3 ,K
4 を円環状に組み合せ、90゜間隔でギャップG1 ,G
2 ,G3 ,G4 を配するとともに、これらギャップ
G1 ,G2 ,G3 ,G4 内にそれぞれMRセンサM1 ,
M2 ,M3 ,M4 を配置し、各センサチップ1〜3をど
のセンサチップも他の2つのセンサチップの双方に対し
て直交するように配設して構成する。
く、しかも3次元、すなわち空間的な地磁気方位を検出
することを可能とする。 【構成】 3つのセンサチップ1〜3を設け、各センサ
チップを、それぞれパーマロイ等からなる断面略々円形
状の4つの円弧状の強磁性体コアK1 ,K2 ,K 3 ,K
4 を円環状に組み合せ、90゜間隔でギャップG1 ,G
2 ,G3 ,G4 を配するとともに、これらギャップ
G1 ,G2 ,G3 ,G4 内にそれぞれMRセンサM1 ,
M2 ,M3 ,M4 を配置し、各センサチップ1〜3をど
のセンサチップも他の2つのセンサチップの双方に対し
て直交するように配設して構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気抵抗効果素子を用
いた三次元地磁気方位センサに関するものであり、特に
強磁性体コアと組み合わせて高感度化を図った新規な三
次元地磁気方位センサに関するものである。
いた三次元地磁気方位センサに関するものであり、特に
強磁性体コアと組み合わせて高感度化を図った新規な三
次元地磁気方位センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、カラー陰極線管では、電子銃か
ら出射された電子ビームの軌道が、地磁気により曲げら
れ、蛍光面上でのビーム到達位置(ランディング)が変
化することがある。特に高精細度陰極線管においては、
ランディング余裕度が小さいために、前記ランディング
の変化(位置ずれ)が色純度の劣化等の問題を引き起こ
す。
ら出射された電子ビームの軌道が、地磁気により曲げら
れ、蛍光面上でのビーム到達位置(ランディング)が変
化することがある。特に高精細度陰極線管においては、
ランディング余裕度が小さいために、前記ランディング
の変化(位置ずれ)が色純度の劣化等の問題を引き起こ
す。
【0003】これを補正するために、通常、ランディン
グ補正コイルが陰極線管に取り付けられており、このラ
ンディング補正コイルに地磁気の方位に応じて自動的に
ランディング補正に必要な最適電流を流すことにより、
電子ビームの軌道を制御してミスランディングを防止す
るようにしている。したがって、前記ランディング補正
に際しては、地磁気の方位を正確に検出する必要があ
り、いわゆる地磁気方位センサが使用されている。
グ補正コイルが陰極線管に取り付けられており、このラ
ンディング補正コイルに地磁気の方位に応じて自動的に
ランディング補正に必要な最適電流を流すことにより、
電子ビームの軌道を制御してミスランディングを防止す
るようにしている。したがって、前記ランディング補正
に際しては、地磁気の方位を正確に検出する必要があ
り、いわゆる地磁気方位センサが使用されている。
【0004】あるいは、従来から用いられてきた磁石式
の方位計(磁気コンパス)の代替として、携帯型の方位
計としても地磁気方位センサが使用されている。上述の
ように、地磁気方位センサは、様々な用途に使用される
が、その代表的な構造としては、いわゆるフラックスゲ
ート型のものと、磁気抵抗効果型(MR型)のものが知
られている。
の方位計(磁気コンパス)の代替として、携帯型の方位
計としても地磁気方位センサが使用されている。上述の
ように、地磁気方位センサは、様々な用途に使用される
が、その代表的な構造としては、いわゆるフラックスゲ
ート型のものと、磁気抵抗効果型(MR型)のものが知
られている。
【0005】前者は、図11に示すように、パーマロイ
コア101に電気信号出力用コイル102と励磁用コイ
ル103を巻回してなるもので、地磁気を前記パーマロ
イコアで集束し、これを電気信号出力用コイル102に
伝えるような構造とされている。そして、このフラック
スゲート型の地磁気方位センサでは、励磁コイル103
により交流バイアス磁界HB をパーマロイコア101中
に発生させ、バイアス磁界が反転したときに発生するパ
ルス状の電圧を信号として検出する。このパルス状電圧
の電圧値は、地磁気の方位によって変化するので、地磁
気センサとして利用することができる。
コア101に電気信号出力用コイル102と励磁用コイ
ル103を巻回してなるもので、地磁気を前記パーマロ
イコアで集束し、これを電気信号出力用コイル102に
伝えるような構造とされている。そして、このフラック
スゲート型の地磁気方位センサでは、励磁コイル103
により交流バイアス磁界HB をパーマロイコア101中
に発生させ、バイアス磁界が反転したときに発生するパ
ルス状の電圧を信号として検出する。このパルス状電圧
の電圧値は、地磁気の方位によって変化するので、地磁
気センサとして利用することができる。
【0006】しかしながら、このフラックスゲート型の
地磁気方位センサは、コイルにより地磁気を電気信号に
変換するため、感度を上げるためには電気信号出力用コ
イル102の巻き数を多くしたり、集束効果を高めるた
めにパーマロイコア101の形状を大きくする必要があ
る。したがって、小型化や低価格化は難しい。一方、後
者(MR型)は、図12に示すように、磁気抵抗効果素
子(MRセンサチップ)111を形成したMRセンサチ
ップ110を空心コイル112の中に入れ、これらMR
センサチップ110に対して45゜方向の交流バイアス
磁界H B を印加してなるものである。等価回路を図13
に示す。地磁気方位センサとして使用する場合には、図
12に示す構造のものを空心コイルの巻回方向が直交す
るするように1組使用する。
地磁気方位センサは、コイルにより地磁気を電気信号に
変換するため、感度を上げるためには電気信号出力用コ
イル102の巻き数を多くしたり、集束効果を高めるた
めにパーマロイコア101の形状を大きくする必要があ
る。したがって、小型化や低価格化は難しい。一方、後
者(MR型)は、図12に示すように、磁気抵抗効果素
子(MRセンサチップ)111を形成したMRセンサチ
ップ110を空心コイル112の中に入れ、これらMR
センサチップ110に対して45゜方向の交流バイアス
磁界H B を印加してなるものである。等価回路を図13
に示す。地磁気方位センサとして使用する場合には、図
12に示す構造のものを空心コイルの巻回方向が直交す
るするように1組使用する。
【0007】このMR型の地磁気方位センサは、磁気抵
抗効果素子を使用しているため、フラックスゲート型の
地磁気方位センサに比べて感度が高いが、MRセンサチ
ップ110のみで地磁気を感知しているため、0.3ガ
ウス程度の地磁気の方位を検出するには不十分である。
また、このMR型の地磁気方位センサでは、MRセンサ
チップ110に対して45゜方向のバイアス磁界HB を
加えていること、感度向上のためにMRカーブを無理に
急峻なものとしていることから、MR特性にヒステリシ
スを持っており、これを解消するために信号処理用回路
が複雑なものとなったり、方位精度が±10゜と悪い等
の不都合を有する。
抗効果素子を使用しているため、フラックスゲート型の
地磁気方位センサに比べて感度が高いが、MRセンサチ
ップ110のみで地磁気を感知しているため、0.3ガ
ウス程度の地磁気の方位を検出するには不十分である。
また、このMR型の地磁気方位センサでは、MRセンサ
チップ110に対して45゜方向のバイアス磁界HB を
加えていること、感度向上のためにMRカーブを無理に
急峻なものとしていることから、MR特性にヒステリシ
スを持っており、これを解消するために信号処理用回路
が複雑なものとなったり、方位精度が±10゜と悪い等
の不都合を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来知
られる地磁気方位センサでは、感度の点で不満を残して
おり、また小型化、低価格化も難しい。さらに、現行の
地磁気方位センサでは、地磁気の成分のうち、パーマロ
イコア101やMRセンサチップ110等が配置された
平面に垂直な成分を検出することは不可能である。すな
わち、地磁気がこの平面に対して平行であるときには検
出感度が高いが、地磁気のこの平面に対する勾配が大き
くなるに従って感度が低下してゆき、上記平面に対して
垂直となると出力が全く得られなくなるという問題があ
る。
られる地磁気方位センサでは、感度の点で不満を残して
おり、また小型化、低価格化も難しい。さらに、現行の
地磁気方位センサでは、地磁気の成分のうち、パーマロ
イコア101やMRセンサチップ110等が配置された
平面に垂直な成分を検出することは不可能である。すな
わち、地磁気がこの平面に対して平行であるときには検
出感度が高いが、地磁気のこの平面に対する勾配が大き
くなるに従って感度が低下してゆき、上記平面に対して
垂直となると出力が全く得られなくなるという問題があ
る。
【0009】このように、現行の地磁気方位センサにお
いては、検出が可能であるのは2次元的な地磁気方位の
みであり、3次元的に磁界の方向を知ることはできな
い。そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑みて提案さ
れたもので、実用的な感度を有して地磁気検出精度が高
く、しかも3次元、すなわち空間的な地磁気方位を検出
することが可能であり、小型化、低価格化が容易な三次
元地磁気方位センサを提供することを目的とする。
いては、検出が可能であるのは2次元的な地磁気方位の
みであり、3次元的に磁界の方向を知ることはできな
い。そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑みて提案さ
れたもので、実用的な感度を有して地磁気検出精度が高
く、しかも3次元、すなわち空間的な地磁気方位を検出
することが可能であり、小型化、低価格化が容易な三次
元地磁気方位センサを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の三次元地磁気方
位センサは、地磁気を強磁性体コアで集束することによ
り大きな磁束密度に変換し、これをコア間のギャップ内
に配置したMR素子で検出するものであり、空間方向か
らの地磁気にも対応可能なセンサである。すなわち、本
発明の三次元地磁気方位センサは、互いに直交する3平
面上にそれぞれ地磁気を集束する複数の強磁性体コアが
所定のギャップをもって周方向に配列されるとともに、
前記ギャップにおける磁界方向に対して略直交するよう
に磁気抵抗効果素子がギャップ内に配されてなることを
特徴とするものである。
位センサは、地磁気を強磁性体コアで集束することによ
り大きな磁束密度に変換し、これをコア間のギャップ内
に配置したMR素子で検出するものであり、空間方向か
らの地磁気にも対応可能なセンサである。すなわち、本
発明の三次元地磁気方位センサは、互いに直交する3平
面上にそれぞれ地磁気を集束する複数の強磁性体コアが
所定のギャップをもって周方向に配列されるとともに、
前記ギャップにおける磁界方向に対して略直交するよう
に磁気抵抗効果素子がギャップ内に配されてなることを
特徴とするものである。
【0011】このとき、各平面上の強磁性体コアを、3
平面が交差する交差点を中心に90゜の回転対称とする
ことが望ましい。具体的には、各平面上の強磁性体コア
をリング状し、これらリング状強磁性体コアの中心を略
々一致させて互いに垂直に組み合わせた構造として構成
する。すなわち、3次元空間における3直交軸により形
成されるX−Y平面、Y−Z平面、及びZ−X平面のそ
れぞれの平面内に上記各リング状強磁性体コアが存在す
ることになる。
平面が交差する交差点を中心に90゜の回転対称とする
ことが望ましい。具体的には、各平面上の強磁性体コア
をリング状し、これらリング状強磁性体コアの中心を略
々一致させて互いに垂直に組み合わせた構造として構成
する。すなわち、3次元空間における3直交軸により形
成されるX−Y平面、Y−Z平面、及びZ−X平面のそ
れぞれの平面内に上記各リング状強磁性体コアが存在す
ることになる。
【0012】一方、強磁性体コアを、前記MRセンサの
配置に応じて等角度間隔(例えば90゜間隔)でギャッ
プを有し且つ閉磁路を構成するように周方向に配列させ
て上記各リング状強磁性体コアを構成する。このとき、
各強磁性体コアの配列状態は、90゜回転させても対称
となる構造とすることが好ましく、具体的には、円環
状、あるいは正方形状に配列する。
配置に応じて等角度間隔(例えば90゜間隔)でギャッ
プを有し且つ閉磁路を構成するように周方向に配列させ
て上記各リング状強磁性体コアを構成する。このとき、
各強磁性体コアの配列状態は、90゜回転させても対称
となる構造とすることが好ましく、具体的には、円環
状、あるいは正方形状に配列する。
【0013】この場合、各リング状強磁性体コアの中心
とリング状強磁性体コア同士の交点とを結ぶ線分に対し
て45゜の位置に各ギャップを設け、このギャップ内に
磁気抵抗効果素子を配置することが望ましい。上記強磁
性体コアには、パーマロイ、珪素鋼板、各種ソフトフェ
ライト等、高透磁率、高飽和磁束密度を有する軟磁性材
(いわゆるソフト材)を用い、バイアス磁界の印加と地
磁気の集束に利用する。
とリング状強磁性体コア同士の交点とを結ぶ線分に対し
て45゜の位置に各ギャップを設け、このギャップ内に
磁気抵抗効果素子を配置することが望ましい。上記強磁
性体コアには、パーマロイ、珪素鋼板、各種ソフトフェ
ライト等、高透磁率、高飽和磁束密度を有する軟磁性材
(いわゆるソフト材)を用い、バイアス磁界の印加と地
磁気の集束に利用する。
【0014】したがって、上記強磁性体コアには、励磁
用コイルを巻回し、それに電流IBを流すことによって
バイアス磁界HB を発生させ、MRセンサを磁界感度が
高く且つ直線性(リニアリティ)の良いところで使用す
る。なお、バイアス磁界HB(バイアス電流IB )は、
交流であってもよいし、直流であってもよい。ただし、
電流IB の電流値は、バイアス磁界HB が強磁性体系部
(強磁性体コアによって構成される閉磁路)の飽和磁束
密度以下で透磁率値の前後までとし、回転磁化範囲を避
けるとともに、強磁性体系部の磁化量に余裕を持たせ、
地磁気の集束にも利用する。
用コイルを巻回し、それに電流IBを流すことによって
バイアス磁界HB を発生させ、MRセンサを磁界感度が
高く且つ直線性(リニアリティ)の良いところで使用す
る。なお、バイアス磁界HB(バイアス電流IB )は、
交流であってもよいし、直流であってもよい。ただし、
電流IB の電流値は、バイアス磁界HB が強磁性体系部
(強磁性体コアによって構成される閉磁路)の飽和磁束
密度以下で透磁率値の前後までとし、回転磁化範囲を避
けるとともに、強磁性体系部の磁化量に余裕を持たせ、
地磁気の集束にも利用する。
【0015】MRセンサを交流バイアスで使用した場
合、方位信号(低周波数)を交流信号(高周波数)に重
畳した電気信号として取り出すことができるため、MR
センサにより発生するオフセット及び温度ドリフト等の
ノイズ成分をハイパスフィルタ(HPF)等による回路
処理で取り除くことができ、高方位精度を得ることがで
きる。
合、方位信号(低周波数)を交流信号(高周波数)に重
畳した電気信号として取り出すことができるため、MR
センサにより発生するオフセット及び温度ドリフト等の
ノイズ成分をハイパスフィルタ(HPF)等による回路
処理で取り除くことができ、高方位精度を得ることがで
きる。
【0016】
【作用】本発明の三次元地磁気方位センサにおいて、各
強磁性体コアは、バイアス磁界の磁路を構成するととも
に、地磁気を集束するいわゆる集束ホーンとして機能す
る。その結果、互いに直交するMRセンサに加わる地磁
気の総量は、それぞれ地磁気とMRセンサのなす角度に
応じて決まり、各MRセンサから強磁性体コアにより構
成される閉磁路の中心を通る地磁気線に直角に引いた線
に比例する。
強磁性体コアは、バイアス磁界の磁路を構成するととも
に、地磁気を集束するいわゆる集束ホーンとして機能す
る。その結果、互いに直交するMRセンサに加わる地磁
気の総量は、それぞれ地磁気とMRセンサのなす角度に
応じて決まり、各MRセンサから強磁性体コアにより構
成される閉磁路の中心を通る地磁気線に直角に引いた線
に比例する。
【0017】上記三次元地磁気方位センサにおいては、
互いに直交する3平面上にそれぞれ地磁気を集束する複
数の強磁性体コアが所定のギャップをもって周方向に配
列され、これらギャップ内にMRセンサがそれぞれ配さ
れている。したがって、地磁気の空間的な3成分が各平
面上に配された各強磁性体コアのギャップ内のMRセン
サにより検出されることになる。
互いに直交する3平面上にそれぞれ地磁気を集束する複
数の強磁性体コアが所定のギャップをもって周方向に配
列され、これらギャップ内にMRセンサがそれぞれ配さ
れている。したがって、地磁気の空間的な3成分が各平
面上に配された各強磁性体コアのギャップ内のMRセン
サにより検出されることになる。
【0018】その結果、地磁気が効率的にMRセンサへ
磁気信号として供給され、地磁気の方位が高感度且つ高
精度に空間的に検出される。
磁気信号として供給され、地磁気の方位が高感度且つ高
精度に空間的に検出される。
【0019】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本
発明を適用した三次元地磁気方位センサの主要部の基本
構造の一例を示すものである。
いて、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本
発明を適用した三次元地磁気方位センサの主要部の基本
構造の一例を示すものである。
【0020】この三次元地磁気方位センサは、3つのセ
ンサチップ1〜3を有しており、各センサチップは、図
2に示すように、それぞれパーマロイ等からなる断面略
々リング状の4つの円弧状の強磁性体コアK1 ,K2 ,
K3 ,K4 がリング状に組み合されてリング状強磁性体
コアとされ、90゜間隔でギャップG1 ,G2 ,G3,
G4 が配されるとともに、これらギャップG1 ,G2 ,
G3 ,G4 内にそれぞれMRセンサM1 ,M2 ,M3 ,
M4 が配置されてなるものである。
ンサチップ1〜3を有しており、各センサチップは、図
2に示すように、それぞれパーマロイ等からなる断面略
々リング状の4つの円弧状の強磁性体コアK1 ,K2 ,
K3 ,K4 がリング状に組み合されてリング状強磁性体
コアとされ、90゜間隔でギャップG1 ,G2 ,G3,
G4 が配されるとともに、これらギャップG1 ,G2 ,
G3 ,G4 内にそれぞれMRセンサM1 ,M2 ,M3 ,
M4 が配置されてなるものである。
【0021】各センサチップ1〜3の前記各強磁性体コ
アK1 ,K2 ,K3 ,K4 には、それぞれ励磁用コイル
C1 ,C2 ,C3 ,C4 が巻回され、ギャップG1 ,G
2 ,G3 ,G4 中に配置される各MRセンサM1 ,
M2 ,M3 ,M4 に対してバイアス磁界HB を直角に印
加するようになっている。なお、各MRセンサM1 ,M
2,M3 ,M4 は、図3に示すように、各ギャップ
G1 ,G2 ,G3 ,G4 上に成膜する形で形成されてお
り、したがって、各MRセンサM1 ,M2 ,M3 ,M4
の膜面に対して略平行にバイアス磁界HB が印加され
る。
アK1 ,K2 ,K3 ,K4 には、それぞれ励磁用コイル
C1 ,C2 ,C3 ,C4 が巻回され、ギャップG1 ,G
2 ,G3 ,G4 中に配置される各MRセンサM1 ,
M2 ,M3 ,M4 に対してバイアス磁界HB を直角に印
加するようになっている。なお、各MRセンサM1 ,M
2,M3 ,M4 は、図3に示すように、各ギャップ
G1 ,G2 ,G3 ,G4 上に成膜する形で形成されてお
り、したがって、各MRセンサM1 ,M2 ,M3 ,M4
の膜面に対して略平行にバイアス磁界HB が印加され
る。
【0022】そして、上記図1及び図4(図1の三次元
地磁気方位センサの平面図)に示すように、上記の如く
構成された各センサチップ1〜3が、どのセンサチップ
も他の2つのセンサチップの双方に対して直交するよう
に配設されている。すなわち、3つのセンサチップ1〜
3が組み合わされ、その中心位置に対して90゜の回転
対称体形状とされており、3次元空間における3直交軸
により形成されるX−Y平面、Y−Z平面、及びZ−X
平面のそれぞれの平面内に上記各センサチップ1〜3が
存在することになる。
地磁気方位センサの平面図)に示すように、上記の如く
構成された各センサチップ1〜3が、どのセンサチップ
も他の2つのセンサチップの双方に対して直交するよう
に配設されている。すなわち、3つのセンサチップ1〜
3が組み合わされ、その中心位置に対して90゜の回転
対称体形状とされており、3次元空間における3直交軸
により形成されるX−Y平面、Y−Z平面、及びZ−X
平面のそれぞれの平面内に上記各センサチップ1〜3が
存在することになる。
【0023】図5にX−Y平面におけるセンサチップ1
のこのX−Y平面による断面を示す。このとき、組み合
わせられた3つのセンサチップ1〜3の中心位置と各セ
ンサチップの交差部(ここでは、センサチップ1の中心
Aとセンサチップ2の交差中心B)とを結ぶ線分Lに対
して45゜の位置に各ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G 4
(ここでは各ギャップG1 ,G3 )が存在するように構
成されている。
のこのX−Y平面による断面を示す。このとき、組み合
わせられた3つのセンサチップ1〜3の中心位置と各セ
ンサチップの交差部(ここでは、センサチップ1の中心
Aとセンサチップ2の交差中心B)とを結ぶ線分Lに対
して45゜の位置に各ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G 4
(ここでは各ギャップG1 ,G3 )が存在するように構
成されている。
【0024】そして、上記励磁用コイルC1 ,C2 ,C
3 ,C4 は、各強磁性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4 の
他の2つのセンサチップ(ここでは、センサチップ2,
3)との交差部の両側にそれぞれ巻回されている。ここ
で、当該三次元地磁気方位センサの動作原理について説
明する。一般的に、3次元空間中の任意の点P(l,
m,n)の方向を表すためには、図6に示すように、原
点と点Pとを結ぶ線分Mを考え、線分MのX−Y平面に
対する射影成分MXYとX軸のなす角α、線分MのY−Z
平面に対する射影成分MYZとY軸のなす角β、線分Mの
Z−X平面に対する射影成分MZXとZ軸のなす角γの3
つの角のうち、2つ以上が決定されればよい。これは、
例えば角αと角βが決定されると、線分Mの方向は、X
−Y平面に垂直でX軸と角αをなす平面と、Y−Z平面
に垂直でY軸と角βをなす平面との交線で表され、この
交線は一意に定まるからである。但し、このことは例え
ば角αと角βのみで全ての線分Mの方向を表すことがで
きるということを意味しているわけではなく、例えば線
分MがZ−X平面上にあるときには線分Mの方向は角γ
により決定される。
3 ,C4 は、各強磁性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4 の
他の2つのセンサチップ(ここでは、センサチップ2,
3)との交差部の両側にそれぞれ巻回されている。ここ
で、当該三次元地磁気方位センサの動作原理について説
明する。一般的に、3次元空間中の任意の点P(l,
m,n)の方向を表すためには、図6に示すように、原
点と点Pとを結ぶ線分Mを考え、線分MのX−Y平面に
対する射影成分MXYとX軸のなす角α、線分MのY−Z
平面に対する射影成分MYZとY軸のなす角β、線分Mの
Z−X平面に対する射影成分MZXとZ軸のなす角γの3
つの角のうち、2つ以上が決定されればよい。これは、
例えば角αと角βが決定されると、線分Mの方向は、X
−Y平面に垂直でX軸と角αをなす平面と、Y−Z平面
に垂直でY軸と角βをなす平面との交線で表され、この
交線は一意に定まるからである。但し、このことは例え
ば角αと角βのみで全ての線分Mの方向を表すことがで
きるということを意味しているわけではなく、例えば線
分MがZ−X平面上にあるときには線分Mの方向は角γ
により決定される。
【0025】三次元地磁気方位センサにおいては、上記
角α,β,γの3つの角を決定することにより、地磁気
の方位を空間的に検出することを可能としている。X−
Y平面におけるセンサチップ1の機能はY−Z平面及び
Z−X平面におけるセンサチップ2,3の機能と等価で
あるので、ここでは地磁気信号HE のX−Y平面への射
影成分HXYをセンサチップ1にて検知する場合を例にと
って考察する。 すなわち、図7に示すように、例えば
センサチップ1の各強磁性体コアK 1 ,K2 ,K3 ,K
4 の間に設けられたギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 内
(ここでは、各強磁性体コアK1 とK4 間に設けられた
ギャップG1 内)にMRセンサM1 ,M2 ,M3 ,M4
(ここでは、MRセンサM1 )がX−Y平面に対して平
行に配設されているために、センサチップ1のMRセン
サM1 ,M2 ,M3 ,M4 においてはZ軸方向が膜厚方
向となる。したがって、地磁気信号HE のZ軸成分HZ
は出力として検出不能であり、地磁気信号HE のX軸及
びY軸成分HX,HY のみが検出されることになる。
角α,β,γの3つの角を決定することにより、地磁気
の方位を空間的に検出することを可能としている。X−
Y平面におけるセンサチップ1の機能はY−Z平面及び
Z−X平面におけるセンサチップ2,3の機能と等価で
あるので、ここでは地磁気信号HE のX−Y平面への射
影成分HXYをセンサチップ1にて検知する場合を例にと
って考察する。 すなわち、図7に示すように、例えば
センサチップ1の各強磁性体コアK 1 ,K2 ,K3 ,K
4 の間に設けられたギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 内
(ここでは、各強磁性体コアK1 とK4 間に設けられた
ギャップG1 内)にMRセンサM1 ,M2 ,M3 ,M4
(ここでは、MRセンサM1 )がX−Y平面に対して平
行に配設されているために、センサチップ1のMRセン
サM1 ,M2 ,M3 ,M4 においてはZ軸方向が膜厚方
向となる。したがって、地磁気信号HE のZ軸成分HZ
は出力として検出不能であり、地磁気信号HE のX軸及
びY軸成分HX,HY のみが検出されることになる。
【0026】センサチップ1において、上記MRセンサ
M1 ,M2 ,M3 ,M4 は、一対のMRセンサM1 ,M
3 と、これと直交する一対のMRセンサM2 ,M4 の2
組のMRセンサに分類される。地磁気信号HE のX−Y
平面への射影HXY検出用のMRセンサM1 ,M2 ,
M 3 ,M4 には、定電位電源VCCが接続され、センス電
流が供給される。
M1 ,M2 ,M3 ,M4 は、一対のMRセンサM1 ,M
3 と、これと直交する一対のMRセンサM2 ,M4 の2
組のMRセンサに分類される。地磁気信号HE のX−Y
平面への射影HXY検出用のMRセンサM1 ,M2 ,
M 3 ,M4 には、定電位電源VCCが接続され、センス電
流が供給される。
【0027】また、交流バイアス電流IB により、一対
のMRセンサM1 ,M3 には、180゜方位の異なるバ
イアス磁界(HB 及び−HB )が印加され、同様に一対
のMRセンサM2 ,M4 にも180゜方位の異なるバイ
アス磁界(HB 及び−HB )が印加される。上記構成の
三次元地磁気方位センサにおいて、MRセンサM1 ,M
2 ,M3 ,M4 は、次のような特徴を持っている。 (1)磁界の強度により抵抗値が変化する。(磁気抵抗
効果) (2)弱い磁界を感知する能力に優れている。 (3)抵抗値変化を電気信号として取り出すことができ
る。
のMRセンサM1 ,M3 には、180゜方位の異なるバ
イアス磁界(HB 及び−HB )が印加され、同様に一対
のMRセンサM2 ,M4 にも180゜方位の異なるバイ
アス磁界(HB 及び−HB )が印加される。上記構成の
三次元地磁気方位センサにおいて、MRセンサM1 ,M
2 ,M3 ,M4 は、次のような特徴を持っている。 (1)磁界の強度により抵抗値が変化する。(磁気抵抗
効果) (2)弱い磁界を感知する能力に優れている。 (3)抵抗値変化を電気信号として取り出すことができ
る。
【0028】本実施例の三次元地磁気方位センサにおい
ては、この特徴を利用して地磁気による磁気信号を電気
信号に変換する。図8は、MRセンサのMR特性曲線を
示すものである。この図8において、横軸はMRセンサ
に垂直に加わる磁界の強さ、縦軸はMRセンサの抵抗値
の変化、あるいは出力電圧変化(MRセンサに直流電流
を流した場合)である。
ては、この特徴を利用して地磁気による磁気信号を電気
信号に変換する。図8は、MRセンサのMR特性曲線を
示すものである。この図8において、横軸はMRセンサ
に垂直に加わる磁界の強さ、縦軸はMRセンサの抵抗値
の変化、あるいは出力電圧変化(MRセンサに直流電流
を流した場合)である。
【0029】MRセンサの抵抗値は、磁界零で最大とな
り、大きな磁界(MRセンサのパターン形状等にもよる
が100〜200ガウス程度)を印加したときに約3%
小さくなる。MRセンサ出力のS/N(出力電圧振幅)
及び歪率向上のためには、図8に示すように、バイアス
磁界HB が必要となる。このバイアス磁界HB は、先に
も述べたように、強磁性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4
に励磁用コイルC1 ,C2 ,C3 ,C4 を巻き、これに
バイアス電流IB を流すことによって与えられる。
り、大きな磁界(MRセンサのパターン形状等にもよる
が100〜200ガウス程度)を印加したときに約3%
小さくなる。MRセンサ出力のS/N(出力電圧振幅)
及び歪率向上のためには、図8に示すように、バイアス
磁界HB が必要となる。このバイアス磁界HB は、先に
も述べたように、強磁性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4
に励磁用コイルC1 ,C2 ,C3 ,C4 を巻き、これに
バイアス電流IB を流すことによって与えられる。
【0030】このとき、MRセンサM1 に印加されるバ
イアス磁界の方向とMRセンサM3に印加されるバイア
ス磁界の方向は、互いに180゜反転している。同様
に、MRセンサM2 に印加されるバイアス磁界の方向と
MRセンサM4 に印加されるバイアス磁界の方向も、互
いに180゜反転している。ここで、図9に示すよう
に、上記射影成分HXYが入ってくると、MRセンサ
M 1 ,M3 に加わる磁界の大きさは、 MRセンサM1 :HB +HXYsin(α+45゜) MRセンサM3 :−HB +HXYsin(α+45゜) また、MRセンサM2 ,M4 に加わる磁界の大きさは、 MRセンサM2 :HB +HXYcos(α+45゜) MRセンサM4 :−HB +HXYcos(α+45゜) 交流バイアス磁界を印加とすると、例えばMRセンサM
1 に印加される磁界は図8中線Aで示すように変化し、
この磁界の変化が図8中線Bで示すように電圧変化とし
て出力される。一方、MRセンサM3 に印加される磁界
は図8中線Cで示すように変化し、この磁界の変化が図
8中線Dで示すように電圧変化として出力される。
イアス磁界の方向とMRセンサM3に印加されるバイア
ス磁界の方向は、互いに180゜反転している。同様
に、MRセンサM2 に印加されるバイアス磁界の方向と
MRセンサM4 に印加されるバイアス磁界の方向も、互
いに180゜反転している。ここで、図9に示すよう
に、上記射影成分HXYが入ってくると、MRセンサ
M 1 ,M3 に加わる磁界の大きさは、 MRセンサM1 :HB +HXYsin(α+45゜) MRセンサM3 :−HB +HXYsin(α+45゜) また、MRセンサM2 ,M4 に加わる磁界の大きさは、 MRセンサM2 :HB +HXYcos(α+45゜) MRセンサM4 :−HB +HXYcos(α+45゜) 交流バイアス磁界を印加とすると、例えばMRセンサM
1 に印加される磁界は図8中線Aで示すように変化し、
この磁界の変化が図8中線Bで示すように電圧変化とし
て出力される。一方、MRセンサM3 に印加される磁界
は図8中線Cで示すように変化し、この磁界の変化が図
8中線Dで示すように電圧変化として出力される。
【0031】このMRセンサM1 からの出力(線B)と
MRセンサM3 からの出力(線D)の出力差Lが、差動
信号S1として取り出される。また、MRセンサM2 ,
M4についても同様であり、差動信号S2が取り出され
る。これら差動信号S1,S2は上記射影成分HXYの方
位により変化し、それぞれHXYsin(α+45゜)及
びHXYcos(α+45゜)に比例する。
MRセンサM3 からの出力(線D)の出力差Lが、差動
信号S1として取り出される。また、MRセンサM2 ,
M4についても同様であり、差動信号S2が取り出され
る。これら差動信号S1,S2は上記射影成分HXYの方
位により変化し、それぞれHXYsin(α+45゜)及
びHXYcos(α+45゜)に比例する。
【0032】したがって、これら差動信号S1,S2か
ら、地磁気に対する方位角である角αを算出することが
できる。すなわち、差動信号S1と差動信号S2の比S
1/S2は、これら出力S1,S2がHXYsin(α+
45゜)、HXYcos(α+45゜)に比例することか
ら、sin(α+45゜)/cos(α+45゜)で表
わすことができる。
ら、地磁気に対する方位角である角αを算出することが
できる。すなわち、差動信号S1と差動信号S2の比S
1/S2は、これら出力S1,S2がHXYsin(α+
45゜)、HXYcos(α+45゜)に比例することか
ら、sin(α+45゜)/cos(α+45゜)で表
わすことができる。
【0033】S1/S2=sin(α+45゜)/co
s(α+45゜)=tan(α+45゜) したがって、 α=tan-1(S1/S2)−45゜ 以上によって射影成分HXYの方位αを知ることができ
る。また、地磁気信号H E のY−Z平面及びZ−X平面
への射影HYZ,HZXの方位β,γについても上記と同様
の方法によって検知され、上記各方位α,β,γから地
磁気信号HE の空間的な方位を知ることができる。
s(α+45゜)=tan(α+45゜) したがって、 α=tan-1(S1/S2)−45゜ 以上によって射影成分HXYの方位αを知ることができ
る。また、地磁気信号H E のY−Z平面及びZ−X平面
への射影HYZ,HZXの方位β,γについても上記と同様
の方法によって検知され、上記各方位α,β,γから地
磁気信号HE の空間的な方位を知ることができる。
【0034】ここで、励磁用コイルC1 ,C2 ,C3 ,
C4 のコアとして機能する強磁性体コアK1 ,K2 ,K
3 ,K4 を軟磁性体(ソフト強磁性体)とし、地磁気の
集束ホーンとして使用すると、空心コイルやマグネット
を使用したときに比べて出力が大きくなり、感度が向上
する。このように、上記実施例の三次元地磁気方位セン
サにおいて、センサチップ1〜3の強磁性体コアK1 ,
K2 ,K3 ,K4 は、バイアス磁界の磁路を構成すると
ともに、地磁気を集束するいわゆる集束ホーンとして機
能する。その結果、互いに直交するMRセンサに加わる
地磁気の総量は、それぞれ地磁気とMRセンサのなす角
度に応じて決まり、各MRセンサM1 ,M2 ,M3 ,M
4 から強磁性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4 により構成
される閉磁路の中心を通る地磁気線に直角に引いた線に
比例する。
C4 のコアとして機能する強磁性体コアK1 ,K2 ,K
3 ,K4 を軟磁性体(ソフト強磁性体)とし、地磁気の
集束ホーンとして使用すると、空心コイルやマグネット
を使用したときに比べて出力が大きくなり、感度が向上
する。このように、上記実施例の三次元地磁気方位セン
サにおいて、センサチップ1〜3の強磁性体コアK1 ,
K2 ,K3 ,K4 は、バイアス磁界の磁路を構成すると
ともに、地磁気を集束するいわゆる集束ホーンとして機
能する。その結果、互いに直交するMRセンサに加わる
地磁気の総量は、それぞれ地磁気とMRセンサのなす角
度に応じて決まり、各MRセンサM1 ,M2 ,M3 ,M
4 から強磁性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4 により構成
される閉磁路の中心を通る地磁気線に直角に引いた線に
比例する。
【0035】上記三次元地磁気方位センサにおいては、
センサチップが3つ設けられており、どのセンサチップ
も他の2つのセンサチップの双方に対して直交するよう
に配設されている。すなわち、空間の互いに直交する3
平面上に上記センサチップ1〜3がそれぞれ対応し、地
磁気の3成分が各センサチップ1〜3により検出される
ことになる。
センサチップが3つ設けられており、どのセンサチップ
も他の2つのセンサチップの双方に対して直交するよう
に配設されている。すなわち、空間の互いに直交する3
平面上に上記センサチップ1〜3がそれぞれ対応し、地
磁気の3成分が各センサチップ1〜3により検出される
ことになる。
【0036】したがって、地磁気が効率的にMRセンサ
M1 ,M2 ,M3 ,M4 へ磁気信号として供給され、地
磁気の方位が高感度且つ高精度に空間的に検出される。
以上、本発明を適用した実施例について説明してきた
が、本発明がこれら実施例に限定されるわけではなく、
本発明の要旨を逸脱しない範囲で形状、材質、寸法等、
任意に変更することが可能である。
M1 ,M2 ,M3 ,M4 へ磁気信号として供給され、地
磁気の方位が高感度且つ高精度に空間的に検出される。
以上、本発明を適用した実施例について説明してきた
が、本発明がこれら実施例に限定されるわけではなく、
本発明の要旨を逸脱しない範囲で形状、材質、寸法等、
任意に変更することが可能である。
【0037】例えば、上記実施例においては、各センサ
チップ1〜3の形状を略々円形としたが、中心位置に対
して90゜の回転対称形であればよく、正方形等のもの
を採用してもよい。さらに、各強磁性体コアK1 ,
K2 ,K3 ,K4 の断面形状も略々円形としたが、本発
明においては各強磁性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4 の
各部にて一様であればよく、楕円や長方形等のものを採
用してもよい。ここで一例として、各センサチップ11
〜13の形状が正方形であり、各強磁性体コアK1,K
2 ,K3 ,K4 の断面形状が長方形である三次元地磁気
方位センサを図10に示す。
チップ1〜3の形状を略々円形としたが、中心位置に対
して90゜の回転対称形であればよく、正方形等のもの
を採用してもよい。さらに、各強磁性体コアK1 ,
K2 ,K3 ,K4 の断面形状も略々円形としたが、本発
明においては各強磁性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4 の
各部にて一様であればよく、楕円や長方形等のものを採
用してもよい。ここで一例として、各センサチップ11
〜13の形状が正方形であり、各強磁性体コアK1,K
2 ,K3 ,K4 の断面形状が長方形である三次元地磁気
方位センサを図10に示す。
【0038】さらに、上記実施例の三次元地磁気方位セ
ンサにおいては、各センサチップの励磁用コイルC1 ,
C2 ,C3 ,C4 が、各強磁性体コアK1 ,K2 ,
K3 ,K 4 の他の2つのセンサチップとの交差部の両側
にそれぞれ巻回されているために、各センサチップにお
いて8箇所(各励磁用コイル毎に上記交差部を破挟んで
2箇所)に巻線が施されており、全体では24箇所に巻
線が施されている。そこで、上記交差部に各励磁用コイ
ルC1 ,C2 ,C3 ,C4 を巻回し、コイルの巻線の箇
所を半分に減らして、三次元地磁気方位センサの小型化
を図るようにすることも可能である。
ンサにおいては、各センサチップの励磁用コイルC1 ,
C2 ,C3 ,C4 が、各強磁性体コアK1 ,K2 ,
K3 ,K 4 の他の2つのセンサチップとの交差部の両側
にそれぞれ巻回されているために、各センサチップにお
いて8箇所(各励磁用コイル毎に上記交差部を破挟んで
2箇所)に巻線が施されており、全体では24箇所に巻
線が施されている。そこで、上記交差部に各励磁用コイ
ルC1 ,C2 ,C3 ,C4 を巻回し、コイルの巻線の箇
所を半分に減らして、三次元地磁気方位センサの小型化
を図るようにすることも可能である。
【0039】
【発明の効果】以上の説明からも明かなように、本発明
によれば、実用的な感度を有して地磁気検出精度が高
く、しかも3次元、すなわち空間的な地磁気方位を検出
することが可能であり、小型化、低価格化が容易な三次
元地磁気方位センサを提供することが可能である。
によれば、実用的な感度を有して地磁気検出精度が高
く、しかも3次元、すなわち空間的な地磁気方位を検出
することが可能であり、小型化、低価格化が容易な三次
元地磁気方位センサを提供することが可能である。
【図1】本実施例の三次元地磁気方位センサの主要部の
一構成例を模式的に示す斜視図である。
一構成例を模式的に示す斜視図である。
【図2】本実施例の三次元地磁気方位センサの構成要素
であるセンサチップの一構成例を模式的に示す平面図で
ある。
であるセンサチップの一構成例を模式的に示す平面図で
ある。
【図3】各ギャップの形状を模式的に示す正面図であ
る。
る。
【図4】図1に示す三次元地磁気方位センサの平面図で
ある。
ある。
【図5】図1に示す三次元地磁気方位センサのX−Y平
面における断面図である。
面における断面図である。
【図6】3次元空間中の任意の点を示す模式図である。
【図7】各ギャップ内に配設されたMRセンサを拡大し
て模式的に示す斜視図である。
て模式的に示す斜視図である。
【図8】MRセンサの磁気抵抗効果特性を示す特性図で
ある。
ある。
【図9】三次元地磁気方位センサのX−Y平面内のセン
サチップに地磁気信号の射影成分が加わった様子を示す
斜視図である。
サチップに地磁気信号の射影成分が加わった様子を示す
斜視図である。
【図10】各センサチップの形状が正方形であり、各強
磁性体コアの断面形状が長方形である三次元地磁気方位
センサの平面図である。
磁性体コアの断面形状が長方形である三次元地磁気方位
センサの平面図である。
【図11】従来のフラックスゲート型の地磁気方位セン
サの一例を示す概略平面図である。
サの一例を示す概略平面図である。
【図12】従来のMR型の地磁気方位センサの一例を示
す概略平面図である。
す概略平面図である。
【図13】図12に示す地磁気方位センサの等価回路図
である。
である。
M1,M2,M3,M4 MRセンサ K1,K2,K3,K4 強磁性体コア G1,G2,G3,G4 ギャップ 1〜3,11〜13 センサチップ
Claims (6)
- 【請求項1】 互いに直交する3平面上にそれぞれ地磁
気を集束する複数の強磁性体コアが所定のギャップをも
って周方向に配列されるとともに、 前記ギャップにおける磁界方向に対して略直交するよう
に磁気抵抗効果素子がギャップ内に配されてなることを
特徴とする三次元地磁気方位センサ。 - 【請求項2】 略直交する少なくとも一対の磁気抵抗効
果素子を有することを特徴とする請求項1記載の三次元
地磁気方位センサ。 - 【請求項3】 各平面上の強磁性体コアが、3平面が交
差する交差点を中心に90゜の回転対称とされてなるこ
とを特徴とする請求項1記載の三次元地磁気方位セン
サ。 - 【請求項4】 各平面上の強磁性体コアがリング状とさ
れ、これらリング状強磁性体コアの中心を略々一致させ
て互いに垂直に組み合わせた構造とされていることを特
徴とする請求項1記載の三次元地磁気方位センサ。 - 【請求項5】 各リング状強磁性体コアの中心とリング
状強磁性体コア同士の交点とを結ぶ線分に対して45゜
の位置に各ギャップが設けられ、このギャップ内に磁気
抵抗効果素子が配置されていることを特徴とする請求項
4記載の三次元地磁気方位センサ。 - 【請求項6】 各強磁性体コアに励磁用コイルが巻回さ
れ、この励磁用コイルに電流を供給することでギャップ
内の磁気抵抗効果素子にバイアス磁界が印加されること
を特徴とする請求項1記載の三次元地磁気方位センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6179322A JPH0843102A (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | 三次元地磁気方位センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6179322A JPH0843102A (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | 三次元地磁気方位センサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0843102A true JPH0843102A (ja) | 1996-02-16 |
Family
ID=16063815
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6179322A Withdrawn JPH0843102A (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | 三次元地磁気方位センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0843102A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103250328A (zh) * | 2010-11-04 | 2013-08-14 | 乌本产权有限公司 | 发电机 |
WO2019240005A1 (ja) * | 2018-06-11 | 2019-12-19 | 株式会社東海理化電機製作所 | 磁気センサ装置 |
WO2025025476A1 (zh) * | 2023-08-01 | 2025-02-06 | 江苏多维科技有限公司 | 多轴磁场传感器以及多轴磁场传感器芯片 |
-
1994
- 1994-07-29 JP JP6179322A patent/JPH0843102A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103250328A (zh) * | 2010-11-04 | 2013-08-14 | 乌本产权有限公司 | 发电机 |
WO2019240005A1 (ja) * | 2018-06-11 | 2019-12-19 | 株式会社東海理化電機製作所 | 磁気センサ装置 |
WO2025025476A1 (zh) * | 2023-08-01 | 2025-02-06 | 江苏多维科技有限公司 | 多轴磁场传感器以及多轴磁场传感器芯片 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20011002 |