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JPH0832903B2 - 冷間鍛造用液体潤滑剤 - Google Patents

冷間鍛造用液体潤滑剤

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Publication number
JPH0832903B2
JPH0832903B2 JP60092820A JP9282085A JPH0832903B2 JP H0832903 B2 JPH0832903 B2 JP H0832903B2 JP 60092820 A JP60092820 A JP 60092820A JP 9282085 A JP9282085 A JP 9282085A JP H0832903 B2 JPH0832903 B2 JP H0832903B2
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JP
Japan
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lubricant
cold forging
liquid lubricant
oil
sulfurized
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JP60092820A
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豊翁 上松
洋 鈴木
茂樹 小松崎
文雄 中野
俊和 奈良原
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0832903B2 publication Critical patent/JPH0832903B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、鋼材などの塑性加工を行う際に、摩擦面に
耐熱性と潤滑性にすぐれた潤滑被膜を形成し、耐焼付き
性を向上させるに好適な冷間鍛造用潤滑剤に関する。
〔従来の技術〕
鋼材等の塑性加工用の潤滑剤は、加工の際の変形熱及
び摩擦熱等による温度上昇、新生面の増大に対して、十
分な潤滑性能を有するものでなければならない。これら
の機能を有する液体潤滑剤は、鉱油もしくは合成油また
は、これらの混合油に脂肪酸,牛脂などの油性向上剤や
燐,硫黄,塩素を含む有機化合物の極圧剤,グラファイ
ト,二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤等を配合したも
のがある。しかし、これらの液体潤滑剤は加工度の低い
加工に使用できるが、高温,高面圧となる加工度の高い
場合や複雑な形状を有する成形品では、潤滑被膜の耐熱
性や耐荷重性,潤滑性などが不十分なため焼付きが生じ
満足するものがない。塑性変形が大きい場合や複雑な形
状のものを成形する場合の潤滑剤として、素材表面に銅
などの軟質金属でメッキ処理や合成樹脂などの被膜をコ
ーテングする方法,またはリン酸塩被膜処理,蓚酸塩被
膜処理などの化成被膜処理が用いられている。これらの
化成被膜処理を施すには、脱脂,水洗,酸洗,リン酸塩
または蓚酸塩処理,水洗または湯洗,中和,金属石けん
潤滑処理,乾燥といった煩雑な処理工程を有するため、
多大な労力と経費が必要であるといった問題がある。ま
た、成形品をメッキする場合、被膜を除去する必要があ
る。
そこで、上記の問題点を改善し処理工程を簡易ならし
めるため、多価金属カチオン,オルト燐塩酸及び炭素原
子数10〜36のアルキルアルコール及び又はアルキルアリ
ールアルコール、これによる該組成物の水分含有量20重
量%以下からなる冷間加工用酸性潤滑剤(特開昭47−15
569号公報)、また、燐酸をC12〜C22のアルキルアルコ
ール又はヨウ素価70以下のC12〜C22の高級アルコールと
を反応させて得られる反応生成物に鉱油とC12〜C22の飽
和脂肪酸とパラフィン誘導体,揮発性溶剤,ワックス,
樹脂,架橋重合しやすい油より選ばれた1種以上を含有
させた酸性潤滑剤(特開昭51−26675号公報)がある。
これらの酸性潤滑剤はパイプの引抜には良好な結果を示
すが、加工度の高い加工品又は複雑な形状の加工には焼
付きが生ずるといった問題がある。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、上記の問題を改善すべく種々検討し
た結果、高面圧,高温となる加工度の高い加工形状にお
いても加工の際の摩擦面に厚い潤滑被膜を形成し、耐焼
付き性を大幅に改善した鋼材の冷間鍛造用潤滑剤を提供
することにある。
〔発明の構成〕 本発明は、高融点の粉末状有機化合物の滑剤表面に低
融点の滑剤を被覆した粉末状滑剤を潤滑油に分散させた
冷間鍛造用液体潤滑剤(以下、液体潤滑剤(1)とい
う)又は粉末状有機化合物に有機リン化合物,有機硫黄
化合物及び有機塩素化合物から選ばれた1種以上の有機
化合物と縮合リン酸とを配合して得られる滑剤を潤滑油
に分散させた冷間鍛造用液体潤滑剤(以下、液体潤滑剤
(2)という)であって、これを鋼材表面に塗布し、加
工の際に摩擦面に閉じ込められる潤滑油含有の粉末状滑
剤によって、摩擦面に滑剤被膜を形成し、加工度の高い
成形品に対しても焼付防止を大幅に向上させるようにし
たものである。
本発明の液体潤滑剤(1)における低融点の滑剤とし
ては、ヒマシ油から作られるカスターワックス,12ヒド
ロキシステアリン酸,セバチン酸,硬化ヒマシ油,ステ
アリン酸,メチル12ヒドロキシステアレート,ステアリ
ル12ヒドロキシステアレート,プロピレングリコールモ
ノ12ヒドロキシステアレート,エチレングリコールモノ
12ヒドロキシステアレート,N−ヒドロキシエチルリシノ
イルアミド,N−ヒドロキシエチル12ヒドロキシステアリ
ルアミド,N,N′−エチレンビスオレイルアミド,N,N′エ
チレンビスリシノイルアミド,N,N′エチレンビスオクタ
デカジエニルアミド,N,N′エチレンビス12ヒドロキシス
テアリルアミド,N,N′エチレンビスステアリルアミド,
N,N′ヘキサメチレンビスリシノイルアミド,N,N′ヘキ
サメチレンビス12ヒドロキシステアリルアミド,N,N′キ
シレンビス12ヒドロキシステアリルアミド等の合成ワッ
クス等が例示される。一方、本発明の液体潤滑剤(1)
における高融点粉末状有機化合物の滑剤としては、ステ
アリン酸リチウム,ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カ
ルシウム,オレイン酸ナトリウム,リシノール酸カルシ
ウム,12ヒドロキシステアリン酸リチウム等の金属石け
ん,カルシウムコンプレックス,アルミニウムコンプレ
ックス,バリウムコンプレックス,リチウムコンプレッ
クス等の高融点金属石けん,ポリウレア,ナトリウムN
−オクタデシルテレフタラメート(以下、ナトリウムテ
レフタラメートという)等の非石けん等が例示される。
本発明は、上記高融点の粉末の滑剤表面に低融点の滑剤
をコートした2層以上の構造からなる粉末状滑剤を潤滑
油に分散させるものであり、その配合量は加工品の加工
条件に応じて任意に選択すべきであるが好ましい配合量
は3〜15重量%である。
上記、粉末状滑剤の好ましい粒径は50〜1000μmの範
囲であるが、加工条件によって異なり加工度が高く、表
面積の増加率の大きい成形品を加工する場合、大きい粒
径を添加するとよい。
上記の粉末状滑剤を配合する潤滑油は鉱油の他、ポリ
αオレフィン油,ジエステル油,ポリオールエステル
油,ポリブデン油,ポリグリコール油,ケイ酸エステル
油などの合成油及びこれらの混合油が用いられる。潤滑
油の性状は、加工条件、作業条件に応じて任意に選択す
ることができるが、40℃における粘度が10mm2/s(cSt)
以上が好ましい。
本発明に用いられる粉末状滑剤の作用について述べ
る。潤滑油中に分散した粉末状滑剤は、加工時に素材と
金型加工面あるいはポンチ平坦面間に閉じ込められる。
閉じ込められた滑剤は、素材の変形と共に摩擦面に送り
込まれ潤滑被膜を形成し金属の直接接触するのを防ぎ、
焼付きを防止するものである。摩擦面に形成された潤滑
被膜の耐熱性,潤滑性が液体潤滑剤の性能を決定する。
本発明では、高融点の粉末表面に低融点の滑剤をコート
しているため、高融点粉末状滑剤による潤滑皮膜の耐熱
性向上という効果と、低融点滑剤による皮膜の潤滑性向
上という効果とが得られる。粉末状滑剤の配合量が1重
量%以下の場合、摩擦面に閉じ込められる滑剤量が少な
くなり十分な被膜が形成されない。また、20重量%以上
になると潤滑油の粘度が増大し素材表面への塗布性が悪
くなる。また、それ以上の効果が認められないので、粉
末状滑剤の配合量は1〜20重量%の範囲が好ましい。
粉末状滑剤の粒径が8μm以下の場合、加工時、摩擦
面に閉じ込められる量が少なくなるため、十分な潤滑被
膜が形成されなくなり焼付きが起り易くなる。また、粒
径が1500μm以上になると分散安定性が低下するので、
粉末状滑剤の粒径は8〜1500μmの範囲が好ましい。
本発明では潤滑剤の加工性能をさらに向上させるた
め、粉末状有機化合物に有機リン化合物,有機硫黄化合
物及び有機塩素化合物から選ばれた1種以上の有機化合
物(極圧剤)を縮合リン酸と共に配合してなる滑剤を潤
滑油に分散させた液体潤滑剤(2)が用いられる。
本発明の液体潤滑剤(2)における粉末状有機化合物
は、液体潤滑剤(1)における高融点粉末状有機化合物
及び低融点の滑剤を形成する化合物の全てを含みうる。
本発明における縮合リン酸は、一般式 Hn2PnO3n+1(n=1〜6) ……(1) で表わされる鎖状ポリリン酸, HnPnO3n(n=1〜8) ……(2) で表わされる環状ポリメタリン酸であり、鋼材表面に潤
滑被膜を形成させる主要因子である。有機リン化合物と
しては、一般式 (RO)−P(OH)3-n ………(5) (式中Rは炭素数1〜18の飽和又は不飽和炭化水素,フ
ェニル基,アルキルフェニル基,n=1又は2である) で表わされる酸性リン酸エステルである。これら有機リ
ン化合物における具体例としての酸性リン酸エステル
は、モノメチルホスフェート,ジメチルホスフェート,
モノエチルホスフェート,ジエチルホスフェート,モノ
ブチルホスフェート,ジブチルホスフェート,モノオク
チルホスフェート,ジラウリルホスフェート,ジフェニ
ルホスフェート,モノステアリルホスフェート,ジオレ
イルホスフェート,フェニルオクチルホスフェート,メ
チルブチルホスフェート,ジイソデシルホスファイト,
ジオレイルホスファイト,ジラウリルホスファイト,ジ
ブチルホスファイト等が挙げられる。ホスホン酸エステ
ルとしては、ジイソデシルハイドロジエンホスファイ
ト,ジオレイルハイドロジエンホスファイト,ジラウリ
ルハイドロジエンホスファイト,ジブチルハイロジエン
ホスファイト等が例示される。
硫黄系化合物としては、硫化抹香鯨油,硫化オレフィ
ン,硫化ラード,硫化メチル・エステル,硫化油脂,ジ
ベンジルサルファイド,ジドデシルジサルファイド,ジ
フェニルジサルファイドなどが例示される。塩素系化合
物としては、塩素化パラフィンワックス,塩素化パラフ
ィン,五塩化脂肪酸エステル,塩素化脂肪酸,塩素化脂
肪酸ポリオキシエチレン縮合物などが挙げられる。上記
有機リン系化合物,有機硫黄系化合物,有機塩素化合物
は摩擦熱によって鋼材表面にリン化鉄,リン酸鉄,硫化
鉄被膜,塩化鉄被膜が形成され耐焼付性と潤滑性を向上
させる。
液体潤滑剤(2)における粉末状有機化合物として
は、前記液体潤滑剤(1)で例示された合成ワックスま
たは金属石けんと同一の種類のものであって、その粒径
が1μm以上のものが用いられる。これら金属石けん,
合成ワックスはその1種以上が配合されるが、高融点の
粉末表面に低融点の滑剤を被覆し、その粒径が1μm以
上の粉末状滑剤も使用される。一般的には、金属石けん
または非石けん類粉末表面に合成ワックスを被膜したも
のが好ましい。なお、液体潤滑剤(2)の場合は、使用
に当って後述するとおり潤滑膜と有機リン化合物等の化
合物により形成される被膜との二層の被膜が形成される
ため、潤滑膜は液体潤滑剤(1)に比してより厚い被膜
が形成されるので耐焼付性及び潤滑性の効果を奏する。
したがって、潤滑剤の粉末滑剤の粒径は液体潤滑剤
(1)のそれに比してより細い1μm以上のものでよ
い。上記の金属石けんまたは合成ワックスは、加工時に
摩擦面に閉じ込められ、厚い潤滑層ができる。これが素
材の塑性変形と共に摩擦面に送り込まれ、有機リン化合
物,有機硫黄化合物,有機塩素化合物などによって形成
される被膜上に潤滑膜を形成する。即ち、加工中の素材
表面に2層からなる潤滑膜を形成し、耐焼付性,潤滑性
をさらに向上させるものである。
潤滑油に配合される縮合リン酸,有機リン化合物,有
機硫黄化合物,有機塩素化合物および粉末状有機化合物
の滑剤は、加工部品の形成,加工度に応じで配合量を任
意に選択すべきであるが、好ましい配合量は、縮合リン
酸2〜5重量%,有機リン化合物,有機硫黄化合物ある
いは有機塩素化合物の内1種以上の合計が3〜15重量
%,金属石けんまたは合成ワックスの内、1種以上が5
〜15重量%である。
上記、添加剤の配合量が少ない場合、摩擦熱や塑性変
形熱によって素材表面に形成される反応潤滑被膜や金属
石けんまたは合成ワックスの潤滑膜が薄くなり加工条件
によっては金属接触が起り、焼付きが発生する場合があ
る。また、多過ぎてもそれ以上の効果がないので、上記
したような割合が好ましい。
本発明の液体潤滑剤(2)に用いられる潤滑油は鉱油
の他、ポリαオレフィン油,ジエステル油,ポリオール
エステル油,ポリブテン油,ポリグリコール油,ポリフ
ェニルエーテル油,ケイ酸エステル油などの合成油およ
びこれらの混合油が用いられる。潤滑油の性状、特に粘
度は加工条件、作業条件に応じて任意に選択することが
できるが、40℃における粘度が5mm2/S(cSt)以上が好
ましい。
なお、本発明の目的を損なわない範囲で、潤滑油の劣
化防止のための酸化防止剤,粉末分散のための分散剤な
どを配合することができる。
本発明の有機粉末配合液体潤滑剤は深絞り,引抜き,
伸線,圧延及び各種の押出し加工などに適用できる。ま
た、本発明の潤滑剤は素材表面に塗布するのみで加工が
できるものであるが、その塗布方法としては公知のスプ
レー,ブラッシング,浸漬,ロールコート方式などによ
って目的を達成できる。更に、本発明の潤滑剤あるいは
加工しようとする素材のいずれか一方を加熱し素材を油
中に浸漬することによって素材表面に潤滑処理ができる
ので、従来のような煩雑な化成被膜処理が不要となり極
めて簡便である。
以下、本発明の実施例を比較例とともに説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜22 潤滑油の粘度が40℃で56mm2/s(cSt)の鉱油に第1表
に示した粒径74〜105μmの範囲の粉末状滑剤を3重量
%油中に分散配合した本発明の冷間鍛造用液体潤滑剤
(1)を下記に示す条件で加工性能を評価した。結果を
第1表に示した。
1.加工条件 2.加工性能の評価法 金型に加熱用バンドヒーターを取り付け、金型温度を
5〜20℃づつ段階的に上げ、各温度で潤滑油を塗布した
素材を加工速度2mm/sの条件で10〜15個づつ加工し、焼
付きが生じないで加工できる金型温度(加工性能)で評
価した。この温度が高い程、潤滑被膜の耐熱性,潤滑性
にすぐれている。
比較例潤滑油の組成 比較例1 比較例2 燐酸塩被膜+ステアリン酸ナトリウム 第1表から明らかなように、本発明の冷間鍛造用潤滑
剤(1)は、比較例1に比しすぐれている。また燐酸塩
被膜+ステアリン酸ナトリウム処理に勝る性能のものが
ある。
実施例23 潤滑油の粘度が40℃で150mm2/s(cSt)の鉱油に粒径
5〜1500μmのN,N′エチレンビス12ヒドロキシステア
リルアミド,ナトリウムテレフタラメートを10重量%配
合し、後方押出し加工法により粒径と加工性能の関係を
評価した。結果を第1図に示した。第1図から明らかな
ように滑剤の粒径が8μm以上になると良好な加工性能
が得られる。
実施例24 潤滑油の粘度が40℃で150mm2/s(cSt)の鉱油に149〜
210μmの範囲の粒径を持つN,N′エチレンビス12ヒドロ
キシステアリルアミドを1〜20重量%配合し、配合量と
加工性能の関係を調べた。結果を第2図に示した。第2
図の結果から潤滑油に配合する添加量が1重量%以上で
添加効果が現れる。
実施例25〜31 N,N′−エチレンビスステアリルアミドを150℃に加熱
溶した中に、粒径37〜44μmの範囲でステアリン酸リチ
ウム混合し、10分間撹拌しながら加熱した後、冷却しフ
レーム状の粉体を得た。これをミキサーで粉砕し、粒径
105〜149μmの範囲の粉末を第2表に示した潤滑油に10
重量%配合し、後方押出し加工法により加工性能を評価
した。結果を第2表に示した。第2表の結果から明らか
なように、本発明の冷間鍛造用潤滑剤(1)は良好な加
工性能が得られた。
実施例32〜52 潤滑油の粘度が40℃で83mm2/s(cSt)の鉱油を用い、
縮合リン酸,酸性リン酸エステル,硫黄系又は塩素系有
機化合物及び粉末の粒径が37〜44μmの金属石けん又は
合成ワックスを第3表に示す配合比で添加して本発明の
粉末分散型液体潤滑剤(2)を得た。これを素材表面に
塗布した後、下記に示す条件で前方押出し加工法及び後
方押出し加工法により耐焼付性、すなわち、加工性能を
調べた。結果を第4表に示した。
加工条件及び加工性能の測定は、次の通りである。
1.加工条件 2.加工性能の評価 金型の外周に加熱用バンドヒーターを取り付け、金型
温度を5〜20度づつ段階的に上げ、各温度で潤滑剤を塗
布した素材を10個づつ加工し、加工面の表面に焼付きが
生じないで加工できる金型の最高温度(以下、加工性能
と記す。)で評価した。この温度が高いほど、摩擦面に
形成される潤滑膜の耐熱性,潤滑性がすぐれているとい
える。
比較例3 リン酸塩被膜処理+金属石けん(ステアリン酸リチウ
ム)処理からなる潤滑剤 比較例4 ベース油:鉱油+エステル油の混合油38.5wt% 第4表から明らかなように、本発明の粉末分散型液体
潤滑剤(2)は、いずれの加工法においても比較例のも
のに比しすぐれていることが明らかである。
実施例53 潤滑油の粘度が40℃で83mm2/s(cSt)の鉱油にピロリ
ン酸2重量%とジオレイルハイドロジエンホスファイト
3重量%およびステアリン酸リチウムまたはN,Nエチレ
ンビスステアリルアミドを10重量%を配合し、ステアリ
ン酸リチウムまたはN,N′エチレンビスステアリルアミ
ドの粉末粒径と加工性能の関係を調べた。結果を第1図
に示した。第1図から明らかなように粉末の粒径が0.6
μm以上になると効果があらわれ始めるが、1μm以上
に達すると急激に加工性能が向上する。
実施例54 N,N′エチレンビス12−ヒドロキシステアリルアミド
を150℃に加熱溶解し、これに粒径1.8〜2.3μmのバリ
ウムコンプレックス石けんまたはナトリウムNオクタデ
シルテレフタラメートを加え、約10分間加熱混合した
後、冷却する。これを粉砕器により粉砕し、バリウムコ
ンプレックス石けんまたはナトリウムNオクタデシルテ
レフタレラメート粉末表面にN,N′エチレンビス12−ヒ
ドロキシステアリルアミドを被覆した37〜44μmの粉末
を8重量%,ピロリン酸5重量を添加した鉱油(40℃の
粘度83mm2/s(cSt))または、ポリオールエステル油
(40℃の粘度56mm2/s(cSt))に配合した。これらの粉
末分散型液体潤滑剤(2)を素材表面に塗布し、実施例
1と同様な条件で加工性能を評価した。結果を第5表に
示した。第5表の結果から本発明の液体潤滑剤(2)
は、良好な加工性能が得られた。
〔発明の効果〕 本発明の高融点の粉末状有機化合物の滑剤表面に低融
点の滑剤を被覆した粉末状滑剤を潤滑油に分散させた冷
間鍛造用液体潤滑剤又は粉末状有機化合物に有機リン化
合物,有機硫黄化合物及び有機塩素化合物から選ばれた
1種以上の有機化合物と縮合リン酸とを配合して得られ
る滑剤を潤滑油に分散させた冷間鍛造用液体潤滑剤は、
鋼材を素材とする成形材表面に塗布するのみで加工時の
摩擦面に良好な潤滑被膜が形成され、焼付防止に有効で
あり、特に加工度の高い成形品に対しても焼付防止が大
幅に向上する。また、本発明の冷間鍛造用液体潤滑材
は、単に素材表面に塗布するのみで加工できるので加工
工程の簡略化、低コスト化に大きな効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は粉末状滑剤の粒子径と耐焼付き性、即ち加工性
能の関係を示したものである。 第2図は、粉末状滑剤の配合量と耐焼付き性、即ち加工
性能の関係を示したものである。 第3図は、潤滑油に分散する粉末の粒径と加工性能の関
係を示すものである。 第4図は、素材を加工するのに用いた前方押出し加工用
金型の断面図である。 第5図は、素材を加工するのに用いた後方押出し加工用
金属の断面図である。 1……素材、2……金型(超硬V5部分)、3……ポン
チ、4……バンドヒーター、5……台座。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C10M 141/10 131:04 131:14 135:02 137:04) C10N 10:02 10:04 10:06 20:00 A 20:06 A Z 30:06 40:24 Z (72)発明者 中野 文雄 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 奈良原 俊和 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−187092(JP,A) 特開 昭51−115507(JP,A) 特開 昭54−118955(JP,A) 特開 昭60−71697(JP,A) 特開 昭60−255895(JP,A) 特開 昭61−192795(JP,A) 特開 昭61−183394(JP,A) 特公 昭52−22948(JP,B2)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数8以下のものを除く金属石けん、カ
    ルシウムコンプレックス石けん、アルミニウムコンプレ
    ックス石けん、バリウムコンプレックス石けん、リチウ
    ムコンプレックス石けん、ポリウレア及びナトリウムN
    −オクタデシルテレフタラメートからなる群から選ばれ
    た1種以上の、融点が155℃以上の粉末状有機化合物の
    滑剤の表面に、融点が60℃〜145℃の滑剤を被覆した粉
    末状滑剤を、沸点150℃以上を有する潤滑油に配合して
    なることを特徴とする冷間鍛造用液体潤滑剤。
  2. 【請求項2】金属石けんが炭素数18のものであることを
    特徴とする請求項1記載の冷間鍛造用液体潤滑剤。
  3. 【請求項3】粉末状滑剤の粒径が8〜1500μmの範囲で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の冷間
    鍛造用液体潤滑剤。
  4. 【請求項4】粉末状滑剤の配合量が1〜20重量%である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の冷間鍛造
    用液体潤滑剤。
  5. 【請求項5】粉末状有機化合物に酸性リン酸エステル、
    硫化抹香鯨油、硫化オレフィン、硫化ラード、硫化メチ
    ル・エステル、硫化油脂、ジベンジルサルファイド、ジ
    ドデシルジサルフアイド、ジフエニルジサルフアイド、
    塩素化パラフィンワックス、塩素化パラフィン、五塩化
    脂肪酸エステル、塩素化脂肪酸及び塩素化脂肪酸ポリオ
    キシエチレン縮合物から選ばれた1種以上の有機化合物
    と縮合リン酸とを配合したことを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の冷間鍛造用液体潤滑剤。
  6. 【請求項6】粉末状滑剤が粒径1μm以上の金属石けん
    の粒子表面に合成ワックスを被覆したものであることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の冷間鍛造用液体
    潤滑剤。
JP60092820A 1985-04-30 1985-04-30 冷間鍛造用液体潤滑剤 Expired - Lifetime JPH0832903B2 (ja)

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JP60092820A JPH0832903B2 (ja) 1985-04-30 1985-04-30 冷間鍛造用液体潤滑剤

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