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JPH08325714A - 蒸着装置 - Google Patents

蒸着装置

Info

Publication number
JPH08325714A
JPH08325714A JP12798595A JP12798595A JPH08325714A JP H08325714 A JPH08325714 A JP H08325714A JP 12798595 A JP12798595 A JP 12798595A JP 12798595 A JP12798595 A JP 12798595A JP H08325714 A JPH08325714 A JP H08325714A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vapor deposition
deposition material
vapor
deposited
deposition apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12798595A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Takada
清志 高田
Kazuo Okada
和夫 岡田
Hiromoto Ito
弘基 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP12798595A priority Critical patent/JPH08325714A/ja
Publication of JPH08325714A publication Critical patent/JPH08325714A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 投入電力の無駄な消費を防止するとともに、
質の高い蒸着膜を得ることが可能な蒸着装置を提供す
る。 【構成】 真空チャンバ7内に相対向して配設される一
対のローラ19、20と、ローラ19、20のいずれか
一方19に巻回され順次他方のローラ20に巻き取られ
て移動するシート状の蒸着物質18とを備え、移動する
蒸着物質18の表面にレーザ光13を照射して蒸発さ
せ、これを基板22の表面に蒸着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、蒸着物質を加熱する
ことにより蒸発させ、これを例えば基板等の被蒸着物の
表面に蒸着させる蒸着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10は例えば「薄膜ハンドブック」
(オーム社昭和58年12月10日発行)に記載された
従来の蒸着装置の一例を示す断面図である。図におい
て、1はるつぼ、2はこのるつぼ1に充填される試料、
3はこの試料2が蒸発して発生する蒸気、4はるつぼ1
内に埋設される水冷管、5は通電加熱されるフィラメン
ト、6はこのフィラメント5に数KVの高電圧を印加す
ることによって発生する電子ビームである。
【0003】上記のように構成された従来の蒸着装置に
おいては、予め通電加熱されたフィラメント5に数KV
の高電圧が印加されると、電子ビーム6が発生してるつ
ぼ1内の試料に照射される。そして、この照射により試
料2は加熱溶融されて蒸発し、発生した蒸気3は例えば
基板等の被蒸着物(図示せず)の表面に蒸着され蒸着膜
が形成される。なお、この間、るつぼ1は水冷管4内を
流れる冷却水により冷却され、高温になるのが防止され
ている。
【0004】又、図11は例えば特開平1−21915
5号公報等に記載された従来の蒸着装置の他の例を示す
断面図である。図において、7は真空排気ポンプ8によ
り高真空に排気された真空チャンバで、壁面に入射窓7
aが設けられている。9はこの真空チャンバ7内に回転
可能に配設された円柱状の試料、10は反射鏡11およ
び集光レンズ12を介して入射窓7aから真空チャンバ
7内にレーザ光13を導入し、試料9の表面に照射する
レーザ発振器、14は試料9の表面のレーザ光13が照
射される位置に対向して配設される基板、15はこの基
板14の表面に形成される蒸着膜、16は基板14を加
熱するヒータ、17は試料9が蒸発することによって発
生する蒸気である。
【0005】上記のように構成された従来の蒸着装置に
おいては、まず、真空排気ポンプ8により真空チャンバ
7内を高真空に排気して試料9を回転させた後、レーザ
発振器10を駆動させてレーザ光13を発生させ、反射
鏡11および集光レンズ12を介して試料9の表面に照
射させる。すると、試料9の表面は加熱溶融されて蒸発
し、発生した蒸気17はヒータ16によって加熱される
基板14の表面に蒸着され蒸着膜15が形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の蒸着装置はそれ
ぞれ以上のように構成されているので、るつぼ1を用い
た蒸着装置の場合は、電子ビーム6として投入された電
力は試料2上で熱となるが、この熱の全てが試料2を溶
融するために費やされるのではなく、かなりの熱が試料
2からるつぼ1へと熱伝導され、水冷管4内を流れる冷
却水によって運び去られる。だからといって、るつぼ1
の冷却が不十分であったり冷却しないと、るつぼ1が高
温となるため、試料2と反応を起こしたり変形、蒸発を
招き、この不純物が蒸気3に混入して蒸着膜の質が低下
する等という問題点があった。
【0007】又、るつぼを使用せずレーザ光13を照射
する蒸着装置の場合は、レーザ光13として投入された
電力は試料9の表面で熱となるが、その一部は試料9の
表面から内側に熱伝導され、図示はしない回転軸等を介
して外部に放出される等して無駄に消費されるという問
題点があった。
【0008】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、蒸着物質を蒸発させるために投
入される電力を有効に利用して効率良く、且つ不純物混
入のない蒸気を発生させて質の高い蒸着膜を形成するこ
とが可能な蒸着装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る蒸着装置は、真空チャンバ内に相対向して配設される
一対のローラと、ローラのいずれか一方に巻回され順次
他方のローラに巻き取られて移動するシート状の蒸着物
質とを備え、移動する蒸着物質の表面にレーザ光または
電子ビームを照射して蒸発させ、これを被蒸着物の表面
に蒸着させるようにしたものである。
【0010】又、この発明の請求項2に係る蒸着装置
は、請求項1において、レーザ光または電子ビームを蒸
着物質の移動方向に対し遮る方向に移動させて蒸着物質
の表面に照射させるようにしたものである。
【0011】又、この発明の請求項3に係る蒸着装置
は、請求項1において、レーザ光または電子ビームを蒸
着物質の表面にパルス状に照射させるようにしたもので
ある。
【0012】又、この発明の請求項4に係る蒸着装置
は、請求項1において、蒸着物質を異なる複数の物質で
構成したものである。
【0013】又、この発明の請求項5に係る蒸着装置
は、請求項4において、蒸着物質を移動方向に対し遮る
方向に複数の領域に分割するとともに各領域をそれぞれ
異なる物質で構成したものである。
【0014】又、この発明の請求項6に係る蒸着装置
は、請求項4において、蒸着物質を移動方向に複数の領
域に分割するとともに各領域をそれぞれ異なる物質で構
成したものである。
【0015】又、この発明の請求項7に係る蒸着装置
は、請求項1ないし6のいずれかにおいて、蒸着物質の
両側を案内部材で保持するようにしたものである。
【0016】又、この発明の請求項8に係る蒸着装置
は、請求項1ないし7のいずれかにおいて、蒸着物質の
レーザ光または電子ビームが照射される位置の下方に回
収皿を配設するようにしたものである。
【0017】又、この発明の請求項9に係る蒸着装置
は、真空チャンバ内を一方から他方に移送されるシート
状または棒状の蒸着物質と、蒸着物質の両側に当接され
た一対の電極とを備え、両電極間に所定の電流を通電す
ることにより蒸着物質を蒸発させ、これを被蒸着物の表
面に蒸着させるようにしたものである。
【0018】又、この発明の請求項10に係る蒸着装置
は、真空チャンバ内に配設されるディスク状の蒸着物質
と、蒸着物質の中心部を回転可能に支承するとともに一
方の電極となる第1の電極と、蒸着物質の外周面に当接
し且つ蒸着物質と接離する方向に移動可能で他方の電極
となる第2の電極とを備え、蒸着物質を回転させるとと
もに両電極間に所定の電流を通電することにより蒸着物
質を蒸発させ、これを被蒸着物の表面に蒸着させるよう
にしたものである。
【0019】
【作用】この発明の請求項1における蒸着装置は、蒸着
物質をシート状に形成し移動させながらレーザ光または
電子ビームを照射して瞬時に蒸発させるので、投入され
た電力の熱伝導による損失を低減し、蒸着物の近傍に何
も存在させないので、蒸気に不純物が混入されるのを防
止する。
【0020】又、この発明の請求項2における蒸着装置
は、レーザ光または電子ビームを蒸着物質の移動方向に
対し遮る方向に移動させるので、蒸着物質の広範囲にわ
たる蒸発を可能にする。
【0021】又、この発明の請求項3における蒸着装置
は、レーザ光または電子ビームをパルス状に照射させる
ので、蒸着物質を網目状に蒸発させて有効利用を図る。
【0022】又、この発明の請求項4における蒸着装置
は、連続または同時に複数種類の異なる物質の蒸気を発
生させる。
【0023】又、この発明の請求項5における蒸着装置
は、同時に複数種類の異なる物質の蒸気を発生させる。
【0024】又、この発明の請求項6における蒸着装置
は、連続して複数種類の異なる物質の蒸気を発生させ
る。
【0025】又、この発明の請求項7における蒸着装置
は、蒸着物質の両側を案内部材で保持して破断を防止す
る。
【0026】又、この発明の請求項8における蒸着装置
は、溶融して落下する蒸着物質を回収皿で回収する。
【0027】又、この発明の請求項9における蒸着装置
は、シート状または棒状の蒸着物質の両側面に一対の電
極を当接させ、両電極間に所定の電流を通電することに
より、蒸着物質を昇温、蒸発させる。
【0028】又、この発明の請求項10における蒸着装
置は、ディスク状の蒸着物質を回転可能に支承する第1
の電極と、蒸着物質の外周面に当接された第2の電極と
の間に所定の電流を通電することにより、蒸着物質を昇
温、蒸発させる。
【0029】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の実施例を図に基づいて説明
する。図1はこの発明の実施例1における蒸着装置の概
略構成を示す図である。図において、従来装置における
ものと同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。
18はシート状に形成された蒸着物質で、一方のローラ
19に巻回され図中矢印で示すように他方のローラ20
に順次巻き取られるようになっている。21は両ローラ
19、20間の蒸着物質18の下方に配設された回収
皿、22は蒸着物質18の上方所定の位置に配設される
被蒸着物としての基板、23はレーザ発振器10からの
レーザ光13が照射されて発生する蒸気、24はこの蒸
気23が基板22の表面に蒸着されて形成される蒸着膜
である。
【0030】次に、上記のように構成された実施例1に
おける蒸着装置の動作について説明する。まず、真空排
気ポンプ8により真空チャンバ7内を高真空状態にした
後、真空チャンバ7の外部に配設されたレーザ発振器1
0からレーザ光13を発振させ、入射窓7aを通して真
空チャンバ7内に導入し蒸着物質18の表面に照射す
る。この時、レーザ光13は100μm程度の微小スポ
ットに集光するようにすれば、蒸着物質18を局所的に
瞬時に蒸発させて気化することが可能であり、又、蒸着
物質18を十分薄くすることにより、径の大きなレーザ
光13の照射でも瞬時に蒸発させることが可能になる。
【0031】蒸着物質18は予め一方のローラ19に巻
回されており、レーザ光13の照射による蒸着物質18
の蒸発に合わせて、他方ローラ20に巻き取られ図中矢
印Aで示す方向に移動するようになっている。この時、
レーザ光13は蒸着物質18の中央部に照射されるの
で、両端は蒸発せずに残るため、この両端の残存した部
分が他方のローラ20に巻き取られることになる。そし
て、蒸着物質18の蒸発により発生した蒸気23は真空
チャンバ7内を上昇し、基板22の表面に蒸着されて蒸
着膜24が形成される。一方、レーザ光13の照射時
に、蒸発せずに溶融して落下する蒸着物質18の一部
は、回収皿21で受け止められて回収される。
【0032】このように上記実施例1によれば、蒸着物
質18をシート状に形成して両ローラ19、20間を移
動させながら、レーザ光13を照射することにより瞬時
に蒸発させるようにしているので、投入された電力の熱
伝導による損失を低減して、投入電力に対する蒸気23
の発生効率を改善することができ、又、蒸着物質18の
レーザ光13の照射位置近傍に何も存在していないの
で、不純物が蒸気23に混入することもなくなり、高品
質の蒸着膜24を得ることが可能になる。
【0033】実施例2.図2はこの発明の実施例2にお
ける蒸着装置の概略構成を示す図である。図から明らか
なように、この実施例2における構成は上記実施例1の
場合と同様であるが、レーザ発振器10から発振される
レーザ光13が、図中矢印Bで示すように、蒸着物質1
8の移動方向に対し遮る方向に移動して、蒸着物質18
の表面に照射されるようになっている点が異なってい
る。
【0034】このように上記実施例2によれば、レーザ
光13を蒸着物質18の移動方向に対し遮る方向に移動
して、蒸着物質18の表面に照射するようにしているの
で、幅の広い蒸着物質18に対しても広範囲な領域にわ
たって照射、蒸発させることが可能になる。尚、この
際、レーザ光13の移動速度と蒸着物質18の供給速度
とを調節することにより、蒸着物質18の端部を残して
他の部分を全て蒸発させることもでき、蒸着物質18の
蒸発領域を有効に拡大することができる。又、発生する
蒸気23の密度分布がより均一になるとともに、より広
範囲に広がるので大形基板への蒸着膜の形成が容易とな
る。
【0035】実施例3.図3はこの発明の実施例3にお
ける蒸着装置の概略構成を示す図である。この実施例3
における構成は上記各実施例1、2の場合と同様である
が、レーザ発振器10から発振されるレーザ光13が、
図に示すように蒸着物質18の表面に照射されるように
なっている点が異なっている。
【0036】このように上記実施例3によれば、レーザ
光13を蒸着物質18の表面にスポット状に照射するよ
うにしているので、蒸着物質18を離散的に蒸発させる
ことができ、網目状に蒸着物質18を蒸発させることに
より蒸着物質18を有効に利用することができる。
【0037】実施例4.図4はこの発明の実施例4にお
ける蒸着装置の概略構成を示す図である。図において、
上記各実施例におけるものと同様な部分は同一符号を付
して説明を省略する。25は蒸着物質18の両端を表裏
から挟み、両端に沿って長手方向に固着された案内部材
で、図示はしないが例えばステンレス等の薄板材をU字
状に折曲して形成されている。
【0038】このように上記実施例4によれば、蒸着物
質18の両端を案内部材25で挟むように保持して、他
方のローラ20に巻き取るようにしているので、蒸着物
質18の厚さがかなり薄くて、蒸発せずに残存する端部
が切れ易くなった場合でも、案内部材25で端部が保持
されているため、蒸着物質18の供給が途切れることも
なく、又、蒸着物質18の端部ぎりぎりまで蒸発させる
ことが可能になるため、蒸着物質18を有効に利用する
ことができる。
【0039】実施例5.図5はこの発明の実施例5にお
ける蒸着装置の概略構成を示す図である。図において、
上記各実施例におけるものと同様な部分は同一符号を付
して説明を省略する。26、27は移動方向に対し遮る
方向に2つの領域に分割されるとともに、それぞれ異な
る成分の物質で構成される第1および第2の蒸着物質、
28はこれら第1および第2の蒸着物質26、27がそ
れぞれ蒸発して発生する混合蒸気、29はこの混合蒸気
28が蒸着することにより基板22の表面に形成される
蒸着膜、30はこの蒸着膜29が形成される領域を規制
するために設けられたマスクである。
【0040】上記のように構成された実施例5において
は、図中矢印Bに示すようにレーザ光を移動させて、両
蒸着物質26、27の表面に照射させると、両蒸着物質
26、27はほぼ同時に蒸発して混合蒸気28が発生
し、真空チャンバ7内を上昇してマスク30の開口を通
過した後、基板22の表面の所定の領域に蒸着され2成
分からなる蒸着膜29が形成される。
【0041】このように上記実施例5によれば、蒸着物
質をその移動方向に対し遮る方向に2つの領域に分割
し、それぞれ異なる成分でなる第1および第2の蒸着物
質26、27で構成し、レーザ光13の移動によりほぼ
同時に蒸発させるようにしているので、基板22上に2
成分でなる蒸着膜29を形成させることが可能になるこ
とは勿論のこと、2つの領域を所定の割合で構成するこ
とにより、蒸着膜29の組成比を所望の値に設定するこ
とが可能になる。
【0042】実施例6.図6はこの発明の実施例6にお
ける蒸着装置の概略構成を示す図である。図において、
上記各実施例におけるものと同様な部分は同一符号を付
して説明を省略する。31、32は移動方向に2つの領
域に分割されるとともに、それぞれ異なる成分の物質で
構成される第1および第2の蒸着物質、33、34はこ
れら第1および第2の蒸着物質31、32がそれぞれ蒸
発して発生する各蒸気で、図には第2の蒸着物質32が
蒸発して発生する蒸気34を示す。35は各蒸気33、
34が蒸着することにより基板22の表面に形成される
蒸着膜で、第1および第2の蒸着物質31、32の成分
でなる2層に形成されている。
【0043】上記のように構成された実施例6において
は、レーザ光13が照射されると、まず、第1の蒸着物
質31が蒸発して蒸気33が発生し、真空チャンバ7内
を上昇して基板22の表面に蒸着される。続いて、ロー
ラ20の巻き取りが進行して第2の蒸着膜32にレーザ
光13が照射されると、第2の蒸着膜32は蒸発して蒸
気34が発生し、蒸気33の場合と同様に真空チャンバ
内を上昇して、蒸気33が蒸着して形成された蒸着膜の
表面にさらに蒸着されて2層の蒸着膜35が形成され
る。
【0044】このように上記実施例6によれば、蒸着物
質をその移動方向に2つの領域に分割し、それぞれ異な
る成分でなる第1および第2の蒸着物質31、32で構
成し、レーザ光13を照射して順次蒸発させるようにし
ているので、基板22上に異なる成分を有する2層の蒸
着膜35を形成させることが可能になり、又、2つの領
域を所定の長さ割合で構成することにより、蒸着膜35
の各層の厚みを所望の値に設定することが可能になる。
【0045】実施例7.図7はこの発明の実施例7にお
ける蒸着装置の概略構成を示す図である。図において、
上記各実施例におけるものと同様な部分は同一符号を付
して説明を省略する。36は例えばワイヤ、ロッド等の
ように棒状に形成された蒸着物質で、一対の供給手段3
7、38により図中矢印Aで示す方向に連続して供給さ
れる。39、40は蒸着物質36の両側に当設された一
対の電極で、電気抵抗が小さく高融点材料のタングステ
ン等で形成されている。41は両電極39、40間に交
流電圧を印加して所定の電流を通電する電源、42は蒸
着物質36が蒸発して発生する蒸気、43はこの蒸気4
2が基板22の表面に蒸着して形成される蒸着膜であ
る。
【0046】次に、上記のように構成された実施例7に
おける蒸着装置の動作について説明する。まず、真空排
気ポンプ8により真空チャンバ7内を10-6Torr程度の
高真空状態にする。この時、一対の電極39、40は蒸
着物質36の両側に当接されている。この両電極39、
40の蒸着物質36との接触部は、蒸着物質36の電気
抵抗や融点等の物性値に基づき、蒸着物質36の断面積
や通電電流密度等により、その形状および接触面積が考
慮される。
【0047】次いで、この両電極39、40間に電源4
1により交流電圧が印加され、所定の電流が通電され
る。この時の通電電流量は、両供給手段37、38によ
り供給される蒸着物質36が両電極39、40間に位置
した時に、瞬間的に融点を越える熱量を受け得る値に設
定される。したがって、この状態になると、電気抵抗の
大きな蒸着物質36の両電極39、40と接触する両側
の周辺が溶融して蒸発し蒸気42を発生する。そして、
この蒸気42は真空チャンバ7内を上昇して、基板22
の表面に蒸着し蒸着膜43が形成される。なお、蒸着物
質36の移動速度は、蒸着物質36が液状に変形する前
に両電極39、40間を通過して温度が下がるような値
に制御される。
【0048】このように上記実施例7によれば、棒状の
蒸着物質36の両側に一対の電極39、40を当接さ
せ、これら両電極に交流電圧を印加して所定の電流を通
電することにより、蒸着物質36を加熱、蒸発させるよ
うにしているので、直接的に投入電力を蒸着物質36自
身で熱に変換している分、蒸発効率が向上し、無駄な電
力の消費が防止される。
【0049】実施例8.尚、上記実施例7では、棒状の
蒸着物質36を用いた場合について説明したが、図8に
その構成を示すように、実施例1の場合と同様に一方の
ローラ19に巻回され、他方のローラ20により図中矢
印Aで示す方向に巻き取られるシート状の蒸着物質18
の両側に、一対の電極44、45を当接させて、電源4
1により両電極44、45間に交流電圧を印加して所定
の電流を通電し、蒸着物質18を加熱、蒸発させるよう
にしても良く、上記実施例7と同様の効果を発揮し得る
ことは言うまでもない。
【0050】実施例9.図9はこの発明の実施例9にお
ける蒸着装置の概略構成を示す図である。図において、
上記各実施例におけるものと同様な部分は同一符号を付
して説明を省略する。48はディスク状の蒸着物質、4
9はこの蒸着物質48の中心部を支承し、図中矢印Aで
示すように回転駆動させる第1の電極としての回転手
段、50は第2の電極51を図中矢印Bで示すように蒸
着物質48に接近する方向に移動させ、蒸着物質48の
外周面に当接させる移動手段、52は蒸着物質48が蒸
発して発生する蒸気、53はこの蒸気52が基板22の
表面に蒸着することにより形成される蒸着膜である。
【0051】次に、上記のように構成された実施例9に
おける蒸着装置の動作について説明する。まず、真空排
気ポンプ8により真空チャンバ7内を10-6Torr程度の
高真空状態にする。次いで、回転手段49により蒸着物
質48を回転させるとともに、移動手段50により第2
の電極51を図中矢印Bで示す方向に移動させて、蒸着
物質48の外周面に当接させる。そして、第1の電極と
しての回転手段49と第2の電極51との間に、電源4
1により交流電圧を印加して所定の電流を通電させる。
【0052】すると、蒸着物質48の外周面周辺は加熱
されて、溶融、蒸発し蒸気52が発生する。この蒸発に
より蒸着物質48の径が小さくなるが、この小さくなっ
た分だけ第2の電極51は移動手段50の駆動によって
移動し、常時当接状態が維持される。そして、発生した
蒸気52は真空チャンバ7内を上昇して、基板22の表
面に蒸着し蒸着膜53が形成される。
【0053】このように上記実施例9によれば、ディス
ク状の蒸発物質48を第1の電極としての回転手段49
によって支承して回転駆動させるとともに、第2の電極
51をこの回転する蒸着物質48の外周面に当接させ、
回転手段49と第2の電極51との間に交流電圧を印加
して所定の電流を通電することにより、蒸着物質48を
加熱して溶融、蒸発させるようにしているので、上記実
施例7と同様に、蒸発効率が向上し無駄な電力の消費が
防止される。
【0054】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1によ
れば、真空チャンバ内に相対向して配設される一対のロ
ーラと、ローラのいずれか一方に巻回され順次他方のロ
ーラに巻き取られて移動するシート状の蒸着物質とを備
え、移動する蒸着物質の表面にレーザ光または電子ビー
ムを照射して蒸発させ、これを被蒸着物の表面に蒸着さ
せるようにしたので、投入電力の無駄な消費を防止する
とともに、質の高い蒸着膜を得ることが可能な蒸着装置
を提供することができる。
【0055】又、この発明の請求項2によれば、請求項
1において、レーザ光または電子ビームを蒸着物質の移
動方向に対し遮る方向に移動させて蒸着物質の表面に照
射させるようにしたので、投入電力の無駄な消費を防止
するとともに、質の高い蒸着膜を得ることが可能である
ことは勿論のこと、大形被蒸着物への蒸着膜の形成が容
易な蒸着装置を提供することができる。
【0056】又、この発明の請求項3によれば、請求項
1において、レーザ光または電子ビームを蒸着物質の表
面にパルス状に照射させるようにしたので、投入電力の
無駄な消費を防止するとともに、質の高い蒸着膜を得る
ことが可能であることは勿論のこと、蒸着物質の有効利
用が可能な蒸着装置を提供することができる。
【0057】又、この発明の請求項4によれば、請求項
1において、蒸着物質を異なる複数の物質で構成したの
で、投入電力の無駄な消費を防止するとともに、質の高
い蒸着膜を得ることが可能であることは勿論のこと、複
数の異なる成分を有した蒸着膜を得ることが可能な蒸着
装置を提供することができる。
【0058】又、この発明の請求項5によれば、請求項
4において、蒸着物質を移動方向に対し遮る方向に複数
の領域に分割するとともに各領域をそれぞれ異なる物質
で構成したので、投入電力の無駄な消費を防止するとと
もに、質の高い蒸着膜を得ることが可能であることは勿
論のこと、複数の成分を所望の組成比で構成した蒸着膜
を得ることが可能な蒸着装置を提供することができる。
【0059】又、この発明の請求項6によれば、請求項
4において、蒸着物質を移動方向に複数の領域に分割す
るとともに各領域をそれぞれ異なる物質で構成したの
で、投入電力の無駄な消費を防止するとともに、質の高
い蒸着膜を得ることが可能であることは勿論のこと、異
なる成分の蒸着物質が所望の厚さで積層された蒸着膜を
得ることが可能な蒸着装置を提供することができる。
【0060】又、この発明の請求項7によれば、請求項
1ないし6のいずれかにおいて、蒸着物質の両側を案内
部材で保持するようにしたので、投入電力の無駄な消費
を防止するとともに、質の高い蒸着膜を得ることが可能
であることは勿論のこと、蒸着物質の有効利用が可能な
蒸着装置を提供することができる。
【0061】又、この発明の請求項8によれば、請求項
1ないし7のいずれかにおいて、蒸着物質のレーザ光ま
たは電子ビームが照射される位置の下方には回収皿を配
設するようにしたので、投入電力の無駄な消費を防止す
るとともに、質の高い蒸着膜を得ることが可能であるこ
とは勿論のこと、蒸着物質の有効利用が可能な蒸着装置
を提供することができる。
【0062】又、この発明の請求項9によれば、真空チ
ャンバ内を一方から他方に移送されるシート状または棒
状の蒸着物質と、蒸着物質の両側に当接された一対の電
極とを備え、両電極間に所定の電流を通電することによ
り蒸着物質を蒸発させ、これを被蒸着物の表面に蒸着さ
せるようにしたので、投入電力の無駄な消費を防止する
とともに、質の高い蒸着膜を得ることが可能な蒸着装置
を提供することができる。
【0063】又、この発明の請求項10によれば、真空
チャンバ内に配設されるディスク状の蒸着物質と、蒸着
物質の中心部を回転可能に支承するとともに一方の電極
となる第1の電極と、蒸着物質の外周面に当接し且つ蒸
着物質と接離する方向に移動可能で他方の電極となる第
2の電極とを備え、蒸着物質を回転させるとともに両電
極間に所定の電流を通電することにより蒸着物質を蒸発
させ、これを被蒸着物の表面に蒸着させるようにしたの
で、投入電力の無駄な消費を防止するとともに、質の高
い蒸着膜を得ることが可能な蒸着装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1における蒸着装置の概略
構成を示す図である。
【図2】 この発明の実施例2における蒸着装置の概略
構成を示す図である。
【図3】 この発明の実施例3における蒸着装置の概略
構成を示す図である。
【図4】 この発明の実施例4における蒸着装置の概略
構成を示す図である。
【図5】 この発明の実施例5における蒸着装置の概略
構成を示す図である。
【図6】 この発明の実施例6における蒸着装置の概略
構成を示す図である。
【図7】 この発明の実施例7における蒸着装置の概略
構成を示す図である。
【図8】 この発明の実施例8における蒸着装置の概略
構成を示す図である。
【図9】 この発明の実施例9における蒸着装置の概略
構成を示す図である。
【図10】 従来の蒸着装置の一例の概略構成を示す図
である。
【図11】 従来の蒸着装置の他の例の概略構成を示す
図である。
【符号の説明】
7 真空チャンバ、7a 入射窓、10 レーザ発振
器、13 レーザ光、18,26,27,31,32,
36,48 蒸着物質、19,20 ローラ、21 回
収皿、22 基板、23,28,33,34,42,4
6,52 蒸気、24,29,35,43,47,53
蒸着膜、25 案内部材、39,40,44,45,
51 電極、49 回転手段、52 移動手段。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空チャンバ内に相対向して配設される
    一対のローラと、上記ローラのいずれか一方に巻回され
    順次他方のローラに巻き取られて移動するシート状の蒸
    着物質とを備え、移動する上記蒸着物質の表面にレーザ
    光または電子ビームを照射して蒸発させ、これを被蒸着
    物の表面に蒸着させるようにしたことを特徴とする蒸着
    装置。
  2. 【請求項2】 レーザ光または電子ビームを蒸着物質の
    移動方向に対し遮る方向に移動させて上記蒸着物質の表
    面に照射させるようにしたことを特徴とする請求項1記
    載の蒸着装置。
  3. 【請求項3】 レーザ光または電子ビームを蒸着物質の
    表面にパルス状に照射させるようにしたことを特徴とす
    る請求項1記載の蒸着装置。
  4. 【請求項4】 蒸着物質は異なる複数の物質で構成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の蒸着装置。
  5. 【請求項5】 蒸着物質は移動方向に対し遮る方向に複
    数の領域に分割されるとともに上記各領域はそれぞれ異
    なる物質で構成されていることを特徴とする請求項4記
    載の蒸着装置。
  6. 【請求項6】 蒸着物質は移動方向に複数の領域に分割
    されるとともに上記各領域はそれぞれ異なる物質で構成
    されていることを特徴とする請求項4記載の蒸着装置。
  7. 【請求項7】 蒸着物質の両側は案内部材で保持されて
    いることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記
    載の蒸着装置。
  8. 【請求項8】 蒸着物質のレーザ光または電子ビームが
    照射される位置の下方には回収皿が配置されていること
    を特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の蒸着
    装置。
  9. 【請求項9】 真空チャンバ内を一方から他方に移送さ
    れるシート状または棒状の蒸着物質と、上記蒸着物質の
    両側に当接された一対の電極とを備え、上記両電極間に
    所定の電流を通電することにより上記蒸着物質を蒸発さ
    せ、これを被蒸着物の表面に蒸着させるようにしたこと
    を特徴とする蒸着装置。
  10. 【請求項10】 真空チャンバ内に配設されるディスク
    状の蒸着物質と、上記蒸着物質の中心部を回転可能に支
    承するとともに一方の電極となる第1の電極と、上記蒸
    着物質の外周面に当接し且つ上記蒸着物質と接離する方
    向に移動可能で他方の電極となる第2の電極とを備え、
    上記蒸着物質を回転させるとともに上記両電極間に所定
    の電流を通電することにより上記蒸着物質を蒸発させ、
    これを被蒸着物の表面に蒸着させるようにしたことを特
    徴とする蒸着装置。
JP12798595A 1995-05-26 1995-05-26 蒸着装置 Pending JPH08325714A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009527642A (ja) * 2006-02-23 2009-07-30 ピコデオン・リミテッド・オサケユキテュア 高品質の表面を製造するための方法および高品質の表面を有する製品
JP2009527644A (ja) * 2006-02-23 2009-07-30 ピコデオン・リミテッド・オサケユキテュア コーティング方法

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