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JPH08324099A - インクジェット記録用媒体、及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録用媒体、及びその製造方法

Info

Publication number
JPH08324099A
JPH08324099A JP7135009A JP13500995A JPH08324099A JP H08324099 A JPH08324099 A JP H08324099A JP 7135009 A JP7135009 A JP 7135009A JP 13500995 A JP13500995 A JP 13500995A JP H08324099 A JPH08324099 A JP H08324099A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alumina hydrate
recording medium
dispersion
ink jet
ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7135009A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Santo
剛 三東
Hiroshi Tomioka
洋 冨岡
Yuji Kondo
祐司 近藤
Hiroyuki Sugata
裕之 菅田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP7135009A priority Critical patent/JPH08324099A/ja
Publication of JPH08324099A publication Critical patent/JPH08324099A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Colloid Chemistry (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面の均一性が高く、高光沢で、透明性が高
く、高い光学濃度の記録を与える、高画質のインクジェ
ット記録用媒体の製造方法を提供する。 【構成】 5〜1500kgf /cm2 に加圧した少なく
ともアルミナ水和物を含む原料液2を固定壁1aに衝突
させてアルミナ水和物の分散液を調製し、次いで前期調
製した分散液をシート状支持体の表面に塗布後乾燥する
ことによって前期支持体の表面にインク受容層を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録装置
等に用いるインクジェット記録用媒体及びその製造方法
に関し、更に詳述すれば水性インクを用いた記録に好適
なインクジェット記録用媒体及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、インクの微
小液滴を種々の作動原理により飛翔させて、紙などの記
録用媒体に付着させ、画像、文字などの記録を行なうも
のであり、高速低騒音、多色化が容易であり、記録パタ
ーンの融通性が大きい、現像、定着が不要であるなどの
特徴がある。このため、各種画像の記録装置の記録方式
として情報機器をはじめ各種の用途において急速に普及
している。さらに多色インクジェット方式により形成さ
れる画像は、製版方式による多色印刷や、カラー写真方
式による印画と比較して遜色のない記録を得ることも可
能であり、作成部数が少ない場合には通常の多色印刷や
印画によるよりも安価に製造できることから、フルカラ
ー画像記録分野にまで広く応用されつつある。記録の高
速化、高精細化、フルカラー化などの記録特性の向上要
求に伴って記録装置、記録方法の改良が行われてきた
が、記録用媒体に対しても高度な特性が要求されるよう
になってきた。
【0003】かかる問題点を解決するために、従来から
多種多様の記録用媒体の形態が提案されてきた。例えば
特開昭52−53012号公報には低サイズの原紙に表
面加工用塗料を浸潤させるインクジェット用紙が開示さ
れている。特開昭53−49113号公報には尿素−ホ
ルマリン樹脂粉末を内添したシートに水溶性高分子を含
浸させたインクジェット用紙が開示されている。特開昭
55−5830号公報には支持体表面にインク吸収性の
塗工層を設けたインクジェット記録用紙が開示され、特
開昭55−51583号公報には被覆層中の顔料として
非晶質シリカを用いた例が開示され、特開昭55−14
6786号公報には水溶性高分子塗工層を用いた例が開
示されている。
【0004】また近年、ベーマイト構造のアルミナ水和
物を用いた塗工層を有する記録用媒体が提案されてお
り、例えば、米国特許明細書第4879166号、同5
104730号、特開平2−276670号公報、同4
−37576号公報、同5−32037号公報にこれら
の記録用媒体は開示されている。
【0005】これらのアルミナ水和物を塗工層に用いた
記録用媒体は、アルミナ水和物が正電荷を持っているた
め、インク染料の定着が良く、発色の良い画像が得られ
ること、従来、シリカ化合物を用いることで発生してい
た黒色インクの茶変、耐火性などの問題点がないこと、
更に、画質、特にフルカラー画像における画質及び光沢
の点で従来の記録用媒体に比べ好ましいなどの長所があ
る。
【0006】上述のアルミナ水和物を塗工層に用いるイ
ンクジェット記録用媒体の製造において、アルミナ水和
物を溶媒に分散して塗工液を調整するには、ボールミ
ル、アトライター、サンドミル、ホモミキサー等の分散
機が従来用いられてきた。しかしいずれの分散機も分散
効率が悪い為、微粒子化が困難であり、粒度分布が広く
なり、均一に分散した塗工液が得にくいという問題点が
あった。このため、近年のインクジェット記録用媒体の
さらなる高画質化要求に対して、アルミナ水和物等の分
散物の充填率の低下による高光沢性の低下、透明性の低
下、それに伴う記録濃度の低下という問題が起きてい
る。
【0007】更に、アルミナ水和物を含む分散液は、そ
の調整後、経時的に粘度が上昇して塗工が困難になるた
め、液の固形分濃度を高くすることができないという問
題点がある。特開平4−67986号公報にはバインダ
ーポリマーの重合度を下げる方法が開示されているが、
この方法によればインク受容層のひび割れ、などの外観
不良や耐水性低下などの問題点がある。
【0008】また、特開平4−67985号公報には、
分散剤としてモノカルボン酸などの酸を添加する方法が
開示されているが、刺激臭が発生したり腐食が発生する
などの製造上の問題点が発生する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
を解決するために種々検討した結果、 (1)インクジェット記録用媒体に用いるアルミナ水和
物等の顔料の分散効率が高く、短時間で均一、かつ安定
した微細粒子を分散した分散物を与える方法。 (2)アルミナ水和物を含む分散液の低粘度化及び粘度
の経時安定化を与える方法。
【0010】を知得して本発明を完成するに至ったもの
で、その目的とするところは、表面の均一性が高く、高
光沢で、透明性が高く、高い光学濃度の記録を与える、
高画質のインクジェット記録用媒体の製造方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、少なくともアルミナ水和物を含む原料液流
体を5〜1500kgf /cm2 圧力降下させてアルミナ水
和物の分散液を調製する工程と、前記調製した分散液を
シート状支持体の表面に塗布後乾燥することによって前
記支持体の表面にインク受容層を形成する工程とを有す
ることを特徴とするインクジェット記録用媒体の製造方
法を提案するものである。
【0012】また本発明は上記製造方法により製造され
たインクジェット記録用媒体である。
【0013】更に、本発明は5〜1500kgf /cm2
に加圧した少なくともアルミナ水和物を含む原料液を固
定壁に衝突させてアルミナ水和物の分散液を調製する工
程と、前記調製した分散液をシート状支持体の表面に塗
布後乾燥することによって前記支持体の表面にインク受
容層を形成する工程とを有することを特徴とするインク
ジェット記録用媒体の製造方法で、曲折したパイプ内に
原料液を送ることによって原料液をパイプ内壁に衝突さ
せてアルミナ水和物の分散液を調整することを含む。
【0014】また更に本発明は、上記方法により製造さ
れたインクジェット記録用媒体である。
【0015】
【作用】本発明においては、上述のようにアルミナ水和
物を含む原料液を高圧、高速流で固定壁に衝突させるこ
とにより、アルミナ水和物を細かく、均一に破砕し、良
好な分散液を得ることができるものである。このように
して調製した分散液の粘度は経時変化が少ないものであ
る。
【0016】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明
する。
【0017】まず、本発明に用いられる分散メカニズム
について説明する。図1にその分散方法の概略を示す。
【0018】少なくともアルミナ水和物を含む原料液
が、供給通路1に高圧(5〜1500kgf/cm2 )の加
圧下に送入され、その後例えば管壁等の固定壁1aに高速
で衝突させることによって圧力降下し、流れの中の固体
粒子(アルミナ水和物等)は、この衝突力によって粉砕
され微粒子化される。又図1のように1回だけ衝突させ
るのではなく、図2のように曲折したパイプを用いて2
回衝突させてもよいし、図示はしていないが3回以上衝
突させてもよい。
【0019】圧力降下時の差圧は5〜1500kgf/cm2
が好ましく、更には10〜1400kgf/cm2 が好まし
い。5kgf/cm2 より低いと効率良く分散が行なわれ
ず、また1500kgf/cm2 より高いとアルミナ水和物
が過分散となり再凝集をおこし分散液が増粘し塗工困難
となる。あるいは後述するバインダーの分子鎖の切断が
生じ、受容層のクラックが発生し易くなるため好ましく
ない。
【0020】本発明に用いる原料液は、すくなくとも後
述するアルミナ水和物と溶媒から成るものである。
【0021】好ましい溶媒として、水、アルコール類、
エステル類、芳香族炭化水素類等があり、それらを組み
合わせて用いてもよい。
【0022】原料液となる溶媒とアルミナ水和物の割合
は特に限定されるものではないが、溶媒100gに対し
アルミナ水和物 0.5g〜 40g、 更には 2g〜
30gが好ましい。
【0023】本発明に係る方法において、本発明の分散
操作の前に、原料液を予備分散として従来の分散操作、
例えばボールミル、アトライター、サンドミル、ホモミ
キサー等による分散操作を行ってもよい。また、本発明
の分散操作は1回だけでなく複数回行ってもよい。
【0024】分散処理中に分散液の温度を冷却又は保温
などを行なって一定範囲に保つことが好ましい。好まし
い温度範囲は分散処理方法、材料、粘度によって異なる
が、10〜100℃の範囲である。上記範囲より低いと
分散処理が不十分であったり、凝集が発生することがあ
る。上記範囲より高いと、ゲル化したり、結晶構造が変
化することがある。
【0025】本発明のインクジェット記録用媒体は、図
3に示すように、支持体3上に主としてアルミナ水和物
とバインダーからなるインク受容層4が形成された構成
である。
【0026】支持体としては適度のサイジングを施した
紙、無サイズ紙、レジンコート紙などの紙類、熱可塑性
フィルムのようなシート状物質及び布帛が使用でき、特
に制限はない。
【0027】熱可塑性フィルムの場合はポリエステル、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレ
ート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリカーポネー
トなどの透明フィルムや、アルミナ水和物、チタンホワ
イトの充填または微細な発泡による不透明化したシート
を用いることもできる。
【0028】支持体にレジンコート紙を用いた場合、通
常の写真プリントと同じ手触り、こし、風合いが得ら
れ、さらに本発明の記録用媒体は、インク受容層に高い
光沢性を有していることもあり、通常の写真プリントに
かなり近似したものになる。
【0029】また、上記支持体とインク受容層との接着
性を良好にするために、コロナ処理、火炎処理等の表面
処理を行ったり、易接着層を下引き層として設けても良
い。さらに、カールを防止するために、支持体の裏面あ
るいは所定の部位に樹脂層や顔料層等のカール防止層を
設けることもできる。
【0030】本発明のインクジェット記録用媒体の有す
るインク受容層は、その全細孔容積が0.1〜1.0ml
/g の範囲になるように形成されるのが好ましい。
【0031】インク受容層の細孔容積が上記範囲より大
きい場合はインク受容層にクラック、粉落ちが発生し、
上記範囲よりも小さい場合にはインクの吸収が悪くな
り、特に多色印字を行った場合にインク受容層からイン
クが溢れて画像に滲みが発生し易い。
【0032】また、インク受容層のBET比表面積につ
いては、20〜450m2/g の範囲が好ましい。この範
囲より小さい場合、インク受容層の光沢性がなくなり、
またヘイズが増加するため画像に白モヤがかかったよう
になる。また、上記範囲より大きい場合、インク受容層
にクラックが生じ易くなる。
【0033】前記BET比表面積及び細孔容積は、24
時間、120℃で脱気処理した後、窒素吸着脱方法によ
り求めることができる。
【0034】インク受容層はアルミナ水和物とバインダ
ーを含む分散液を支持体上に塗布、乾燥させることによ
り形成される。
【0035】バインダーとしては、水溶性高分子物質が
好ましい。例えば、ポリビニルアルコールまたはその変
性体(カチオン変性、アニオン変性、シラノール変
性)、澱粉またはその変性体(酸化、エーテル化)、ゼ
ラチンまたはその変性体、カゼインまたはその変性体、
カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ースなどのセルロース誘導体、SBRラテックス、NB
Rラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重
合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、官能基変
性重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体など
のビニル系共重合体ラテックス、ポリビニルピロリド
ン、無水マレイン酸またはその共重合体、アクリル酸エ
ステル共重合体、アクリルアミド系樹脂などが好まし
い。
【0036】有機溶剤を使用する場合は、ポリアミド系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ
ビニルアセタール系樹脂、アクリル系樹脂などがあげら
れる。これらのバインダーは、単独であるいは複数種混
合して用いることができる。
【0037】前記インク受容層のBET比表面積、細孔
容積の範囲を満たす限りにおいて、前記アルミナ水和物
とバインダーの混合比は重量比で1:1〜30:1、好
ましくは5:1〜20:1の間で任意に選択できる。バ
インダーの量が上記範囲よりも少ない場合は、インク受
容層の機械的強度が不足して、ひび割れや粉落ちが発生
し、上記範囲よりも多い場合は細孔容積が少なくなって
インクの吸収が悪くなる。
【0038】塗布は塗布装置を用いることが好ましい。
【0039】塗布方法としては、ブレードコート方式、
エアーナイフ方式、ロールコート方式、ブラッシュコー
ト方式、グラビアコート方式、キスコート方式、エクス
トルージョン方式、スライドホッパー(スライドビー
ド)方式、カーテンコート方式、スプレー方式などを用
いることができる。
【0040】塗布された塗液の乾燥装置としては直線ト
ンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤ
ー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥
機、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した
乾燥機等各種乾燥装置をあげることができる。
【0041】分散液の塗布量は乾燥固定分換算で0.5
〜60g/m2、より好ましくは5〜45g/m2であるが、良
好なインク吸収性、解像性を得るには、15μm 以上、
好ましくは20μm 以上、特に、25μm 以上のインク
受容層の厚みにする必要性がある。
【0042】次に、分散液の成分について説明する。
【0043】本発明に用いられるアルミナ水和物は、下
記一般式により表されるものである A123-n (OH)2n・mH2 O 式中、nは0、1、2または3の整数の内のいずれかを
表し、mは0〜10、好ましくは0〜5の値を表す。m
2 Oは、多くの場合結晶格子の形成に関与しない脱離
可能な水相を表すものであるため、mは整数でない値を
とることができる。また、この種のアルミナ水和物をか
焼するとmは0の値に達することがありうる。
【0044】本発明の実施に好適なアルミナ水和物とし
ては、X線回折法による分析で非晶質のアルミナ水和物
であり、特に、特願平5−125437号、同5−12
5438号、同5−125439号、同6−11457
1号に記載のアルミナ水和物を用いるのが好ましい。特
にアルミナ水和物が無定形化合物であることが好まし
い。またアルミナ水和物は平均アスペクト比3〜10の
平板状アルミナ水和物であることが好ましい。
【0045】前記アルミナ水和物は、製造過程において
細孔物性の調整がなされるが、前記インク受容層のBE
T比表面積、細孔容積のインクジッェト記録用媒体を得
るためには、細孔容積が0.1〜1.0ml/g であるア
ルミナ水和物を用いることが好ましい。アルミナ水和物
の細孔容積が上記範囲外ではインク受容層の細孔容積を
前記規定範囲内にすることが困難になる。
【0046】また、BET比表面積については、40〜
500m2/g であるアルミナ水和物を用いることが好ま
しい。アルミナ水和物の比表面積が、上記範囲外では、
インク受容層の比表面積を前記規定範囲にすることが困
難になる。
【0047】さらに以下の様なアルミナ水和物以外の顔
料を混合して用いても構わない。
【0048】本発明のインクジェット記録用媒体に用い
られる顔料としては、例えば炭酸カルシウム、カオリ
ン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、チタニ
ア、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、ケイ酸アルミニウム、アルミ
ナ、ケイ酸、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、
ケイ酸カルシウム、シリカ等の無機系顔料や、プラスチ
ックピグメント、尿素樹脂顔料等の有機系顔料、および
これらの併用が可能である。
【0049】前記インク受容層のBET比表面積、細孔
容積の範囲を満たす限りにおいて、前記顔料とバインダ
ーの混合比は重量比で1:1〜30:1、好ましくは
5:1〜20:1の間で任意に選択できる。バインダー
の量が上記範囲よりも少ない場合はインク受容層の機械
的強度が不足して、ひび割れや粉落ちが発生し、上記範
囲よりも多い場合は細孔容積が少なくなってインクの吸
収が悪くなる。
【0050】アルミナ水和物及びバインダーを含む分散
液には、必要に応じて分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤
滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、耐水化剤、
抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、蛍光増白
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤を必
要に応じて添加することも可能である。
【0051】耐水化剤としてはハロゲン化第4級アンモ
ニウム塩、第4級アンモニウム塩ポリマーなどの公知の
材料の中から自由に選択して用いることができる。
【0052】また、本発明の分散液の分散直後の初期段
階での粘度と10日間静置保存した後の粘度との比(経
時粘度/初期粘度)が0.5〜3であることが好ましい
範囲である。この範囲外では分散液のポットライフが短
くなるために、分散液の塗工安定性や保存性に問題が生
じる。さらに好ましい範囲としては0.5〜2.5であ
って、この範囲内では分散液の脱泡が容易であるため
に、生産性が向上し、同時に塗布欠陥を防ぐことができ
る。本発明によれば、分散液の経時安定性や保存性に優
れており、長期に渡って安定な分散状態を保つことがで
きる。
【0053】なお、本発明におけるインク受容層は単層
構成でも多層構成でもよい。多層構成の例としては、特
開昭57−89954号、同60−224578号、同
61−12388号に記載されたものが挙げられる。例
えば、特開昭61−12388号に記載のインク透過層
を本発明のインク受容層の上に更に設けてもよい。ま
た、インク受容層は支持体の少なくとも片面に設けられ
ているが、カールの防止、両面へのインクジェット記録
等の目的のために支持体の両面に設けてもよい。
【0054】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0055】アルミナ水和物の製造 米国特許明細書第4242271号に記載された方法で
アルミニウムドデキシドを製造した。次に、米国特許明
細書第4202870号に記載された方法で、前記アル
ミニウムアルコキサイドを加水分解してアルミナスラリ
ーを製造した。このアルミナスラリーをアルミナ水和物
固形分が7.9重量%になるまで水を加えた。アルミナ
スラリーのpHは9.5であった。3.9重量%の硝酸
溶液を加えてpHを調整し、コロイダルゾルを得た。こ
のコロイダルゾルを75℃でスプレー乾燥して表1に示
すアルミナ水和物(A〜B)を得た。これらアルミナ水
和物のBET比表面積、細孔容積を後述の方法で求め
た。その結果を表1に示す。
【0056】(評価項目) 細孔容積(PV)及びBET比表面積(SA) 細孔容積は、120℃で24時間脱気処理した後、窒素
吸着脱離法を用いて測定した(カンタクローム社製、オ
ートソーブI)。
【0057】BET比表面積は、Brunauerらの
方法を用いて計算し求めた。
【0058】
【表1】 (実施例1)上記アルミナ水和物Aをイオン交換水に分
散した分散液(固定分濃度25重量%)とポリビニルア
ルコール(日本合成化学工業(株)社製、ゴーセノール
NH−18)水溶液(固形分濃度10重量%)と酸性法
ゼラチン(重量平均分子量:10万,数平均分子量:
4.1万,pH:7.0,等イオン点:7.1)水溶液
(固形分濃度10重量%)とを固形分重量比がアルミナ
水和物/ポリビニルアルコール/酸性法ゼラチン=15
0/9/1,固形分濃度:22重量%となるように計
量、混合、予備攪拌して混合分散液を得た。(P/B比
=アルミナ固形分重量/バインダー固形分重量=15/
1、バインダー比=ポリビニルアルコール固形分重量/
ゼラチン固形分重量=9/1) 次に予備攪拌した原料液を分散機(商品名マイクロフル
イタイザーHC−5000改、Z型チャンバー使用、バ
ックプレッシャーチャンバー付き;マイクロフルイデッ
クスコーポレーション製)に装入し、本発明の方法で分
散液の調製を行なった。即ち、図2に示す様に、直角に
曲折した略Z型インタラクションチャンバー内を原料液
を送って分散した。チャンバーの断面及び長さは、チャ
ンバーの流入孔の断面が400μm ×400μm 、長さ
1.8mm、次いで案内孔の断面が400μm ×100μ
m 、長さ1.8mm最後の流出孔の断面が400μm ×4
00μm 、長さ1.8mmであった。
【0059】このときの衝突時の圧力は15kgf /cm2
であった。(圧力降下も15kgf /cm2 であった。)こ
の分散液をレジンコート紙(新王子製紙(株)製厚み1
80μm:RC)の上にグラビアコーターを用いて塗工し、
乾燥塗工厚35μm のインクジェット受容層を形成し、
本発明のインクジェット記録用媒体を得た。
【0060】分散操作を行った塗工液、インク受容層の
物性をそれぞれ後述の方法で測定した。結果を表2に示
す。
【0061】分散液の評価・測定方法 1)初期粘度(η0 )、及び10日後粘度(η10)B型
回転粘度計(TOKIMEC社製.VISCOMETE
R)を用いて測定した(30rpm,20℃)。分散液の初
期粘度は(η0 )は分散操作後ただちに測定し、分散液
を400mlを分取し、密栓して10日間静置し同様に粘
度を測定し10日後粘度(η10)とした。
【0062】粘度変化率(%)=10日後粘度(η10
/初期粘度(η0 )×100インク受容層の評価・測定方法 1)光沢計((株)堀場製作所製、グロスチェッカーI
G−320)を用いて非印字部を7点測定し平均値を求
めた。
【0063】2)印字画像濃度 1mmに16本の割合のノズル間隔で、128本のノズル
を有するインクジェットヘッドをY.M.C.Bkの4
色分備えたインクジェットプリンタを用い、下記インク
組成1のインクによりインクジェット記録を行なった。
Y.M.C.Bkインクでベタ印字した画像のそれぞれ
の画像濃度を、マクベス反射濃度計RD−1255を用
いて測定した。
【0064】インク組成1 染料 5重量部 グリセリン 10重量部 ポリエチレングリコール 10重量部 水 75重量部 インク染料 Y : C.I. ダイレクトイエロー86 M : C.I. アシッドレッド35 C : C.I. ダイレクトブルー199 Bk: C.I. フードブラック2 (実施例2〜6)表2に示した処方で実施例1と同様に
予備攪拌し、次にその原液を実施例1と同様の構成の分
散機(商品名マイクロフルイダイザー、マイクロフルイ
ディクスコーポーレーション製)に装入し本発明の方法
で分散操作を行った。
【0065】このときの衝突時の圧力(≒圧力降下)を
表2に示す。この分散液を透明ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(東レ(株)製、ルミラーT 厚み100
μ:TP )、白色ポリエチレンテレフタレートフィルム
(東レ(株)製、ルミラーX−21、厚み100μm:W
P)あるいは前述のレジンコート紙(RC)上に実施例
1と同様にして塗工し、本発明のインクジェット記録用
媒体を得た。実施例1と同様にして評価した。結果を表
2に示す。
【0066】支持体に透明ポリエチレンテレフタレート
フィルムを用いた記録用媒体については透明性の評価も
併せて行った。 3)透明性 インクジェット記録用媒体に対して印字を行なわず、ヘ
イズメーター(日本電色工業、NDH−100IDP)
を用いて透過率を測定した。結果を表2に示す。 比較例1 実施例1で用いた分散機の代わりにT.K.ホモミキサ
ーM型(特殊機化工業(株))を用いて8000rpm で
30分間攪拌した。その他は実施例1と同様にして記録
用媒体を作製し評価した。結果を表2に示す。実施例1
と比較して塗工液の初期粘度が高く、経時増粘も大きか
った。また媒体の光沢度、印字画像濃度が劣っていた。 比較例2 実施例2で用いた分散機の代わりにサンドミル(アイメ
ックス(株))を用いて分散した以外は全て実施例2と
同様にして記録用媒体を作製し評価した。結果を表2に
示す。実施例2と比較して塗工液の初期粘度が高く経時
増粘も大きかった。また媒体の光沢度、印字画像濃度、
透明性が劣っていた。
【0067】
【表2】
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、 (1)インクジェット記録用媒体に用いるアルミナ水和
物及び顔料等の分散効率が高いので生産性が良く、短時
間で均一に安定した微細粒子の分散した分散液が得られ
る。
【0069】(2)アルミナ水和物を含む分散液の低粘
度化及び粘度の経時安定化がはかられ、良好な厚みの受
容層を、生産性良く、安定して形成することができる。
【0070】(3)表面の均一性が高く、高光沢、透明
で高記録光学濃度をもつ高画質なインクジェット記録用
媒体が得られる。特に支持体としてレジンコート紙を用
いた場合、通常の写真プリントと同じ、光沢感、感触、
風合いのものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法で用いる分散液の調製方法の一例を
示す説明図である。
【図2】本発明方法で用いる分散液の調製方法の他の例
を示す説明図である。
【図3】本発明方法で製造されるインクジェット記録溶
媒体の一例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 原料液供給通路 1a 固定壁 2 原料液 3 支持体 4 インク受容層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅田 裕之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともアルミナ水和物を含む原料液
    流体を5〜1500kgf /cm2 圧力降下させてアルミ
    ナ水和物の分散液を調製する工程と、前記調製した分散
    液をシート状支持体の表面に塗布後乾燥することによっ
    て前記支持体の表面にインク受容層を形成する工程とを
    有することを特徴とするインクジェット記録用媒体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の製造方法により製造されたこ
    とを特徴とするインクジェット記録用媒体。
  3. 【請求項3】 5〜1500kgf /cm2 に加圧した少な
    くともアルミナ水和物を含む原料液を固定壁に衝突させ
    てアルミナ水和物の分散液を調製する工程と、前記調整
    した分散液をシート状支持体の表面に塗布後乾燥するこ
    とによって前記支持体の表面にインク受容層を形成する
    工程とを有することを特徴とするインクジェット記録用
    媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 曲折したパイプ内に原料液を送ることに
    よって原料液をパイプ内壁に衝突させてアルミナ水和物
    の分散液を調製する請求項3に記載のインクジェット記
    録用媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4の製造方法により製造さ
    れたことを特徴とするインクジェット記録用媒体。
JP7135009A 1995-06-01 1995-06-01 インクジェット記録用媒体、及びその製造方法 Pending JPH08324099A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5955142A (en) * 1994-10-26 1999-09-21 Canon Kabushiki Kaisha Process for production of recording medium containing alumina hydrate of a boehmite structure and image-forming method using the recording medium
JP2010512297A (ja) * 2006-12-06 2010-04-22 サン−ゴバン セラミックス アンド プラスティクス,インコーポレイティド 処理されたアルミナ水和物材料及びその使用
US8501320B2 (en) 2006-12-06 2013-08-06 Saint-Gobain Ceramics & Plastics, Inc. Treated alumina hydrate material and methods of making the same

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5955142A (en) * 1994-10-26 1999-09-21 Canon Kabushiki Kaisha Process for production of recording medium containing alumina hydrate of a boehmite structure and image-forming method using the recording medium
JP2010512297A (ja) * 2006-12-06 2010-04-22 サン−ゴバン セラミックス アンド プラスティクス,インコーポレイティド 処理されたアルミナ水和物材料及びその使用
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