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JP3617756B2 - インクジェット記録シート - Google Patents

インクジェット記録シート Download PDF

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JP3617756B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録方式を利用したプリンターやプロッターに使用されるインクジェット記録シートに関するものであり、特にカラー記録での要望が高い写真印画紙調の光沢を有するインクジェット記録シートまたはOHPフィルムとして使用可能な透明性が高いインクジェット記録シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェットプリンターやプロッターの目ざましい進歩により、フルカラーでしかも高精細な画像が容易に得られるようになってきた。これに伴い、従来からあるインクジェット記録用の上質紙や塗工紙以外のインクジェット記録シートの開発が切望されている。
【0003】
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録シートに付着させ、画像・文字等の記録を行なうものである。インクジェットプリンターやプロッターは、高速印字性や低騒音性に優れ、記録パターンの融通性が大きく、現像−定着が不要等の特長があり、複雑な画像を正確、かつ迅速に形成することができる点で注目されている。特にコンピューターにより作成した文字や各種図形等の画像情報のハードコピー作成装置として、種々の用途において、近年急速に普及している。また、複数個のインクノズルを使用することにより、多色記録を行うことも容易である。多色インクジェット方式により、形成されるカラー画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、遜色のない記録を得ることが可能であり、さらに作成部数が少ない用途においては、印刷技術や写真技術によるよりも安価で済むことから広く応用されつつある。
【0004】
最近では、銀塩写真の画像に匹敵する高精細な画像を出力できるインクジェットプリンター等が安価で市販されている。インクジェット記録シートは、銀塩写真方式と比べ同品質の画像が得られながら非常に安価であることから、大面積の画像が必要な広告や商品見本等で表示画像を頻繁に取り替える利用者にとって経済的に大きなメリットがある。また、最近一般的になってきたパーソナルコンピューター上で画像を作成し、これをプリントアウトを見ながら配色やレイアウトを訂正することは従来の銀塩写真方式では全く無理であったが、インクジェット記録ではこのような操作が気軽にできるという長所もある。
【0005】
インクジェット記録方式で使用される記録シートとしては、通常の印刷、あるいは筆記用上質紙やコーテッド紙を用いることができるように、装置やインク組成の面から努力がなされてきた。しかし、高速化・高精細化、あるいはフルカラー化等インクジェット記録装置の性能の向上や用途の拡大に伴い、記録シートに対しても、より高度な特性が要求されるようになった。すなわち、当該記録シートとしては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が速くて、印字ドットが重なった場合においてもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくなく、かつ周辺が滑らかでぼやけないこと等が要求される。特に、カラー記録の場合は、イエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの単色記録だけでなく、これらの色を重ねる重色記録がなされ、インク付着量がさらに多くなるために極めて厳しい性能が要求される。
【0006】
近年、インク吸収速度が速く、かつ光沢性を高めたインクジェット記録シートとして、アルミナ水和物を用いたインクジェット記録シートが提案されており、例えば、特開平7−232473号、同7−232474号、同7−232475号、同9−86035号、同9−76628号公報等に記載されているように微細なアルミナゾルを水溶性バインダーとともに支持体表面に塗工したインクジェット記録シートが開示されている。
【0007】
これらのインクジェット記録シートは、水溶性ポリマー等をインク受像層として用いたインクジェット記録シートに比べてインク吸収速度の点で非常に優れている。しかしながら、これらアルミナ水和物を用いたインクジェット記録シートでは粒子間の空隙によってインクを吸収するため、インク吸収容量を確保するためにインク受理層の塗工量を多くする必要がある。インク受理層の塗工量を増やすことによりインクジェット記録シートのヘーズ(曇価)の悪化、製造が困難になる等の弊害が生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、高い表面光沢や優れたインク吸収速度を有し、かつ充分なインク吸収容量を有するインクジェット記録シートを提供することである。さらに詳しくは、擬ベーマイト状アルミナ水和物からなるインク受理層を有し、カラー記録での要望が高い写真調の光沢を有するインクジェット記録シート、またはOHPフィルムとして使用可能な透明性が高いインクジェット記録シートを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は以下に述べる手段によって解決することができた。すなわち、支持体上にインク受理層形成用塗液を塗布して、主として擬ベーマイト状アルミナ水和物とバインダーからなるインク受理層を設けたインクジェット記録シートであって、該インク受理層形成用塗液が、アルミナ水和物分散液にバインダーを添加後、アルカリ性水溶液を添加したものであり、該インク受理層の半径3nm以上13nm未満の細孔容積に対する半径13nm以上50nm未満の細孔容積の比が0.3以上0.9以下の範囲とすることにより、優れたインク吸収性能を有し、かつ高い光沢と透明性を有するインクジェット記録シートが得られた。細孔容積の比が0.3未満であると、インクの吸収性が乏しく、0.9を越えると光沢や透明性が悪化することがある。また、半径13nm以上50nm未満の細孔容積が0.1ml/g以上0.5ml/g以下の範囲となるようにすることで実効的なインク吸収容量が増加し、優れたインク吸収特性を有するインクジェット記録シートが得られた。半径13nm以上50nm未満の細孔容積が0.1ml/g未満だとインクの吸収容量が不十分であり、0.5ml/gを越えると光沢や透明性が悪化することがある。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のインクジェット記録シートの構成要素およびその製造方法について詳細に説明する。本発明のインクジェット記録シートは、支持体上に主として擬ベーマイト状アルミナ水和物とバインダーからなる多孔質のインク受理層を設けてなるインクジェット記録シートである。本発明のインク受理層に存在する細孔には大きく分けて二種類ある。一つはアルミナ水和物一次粒子間の空隙に起因するもので、細孔半径は3nm以上13nm未満の範囲である。もう一つは一次粒子が数個から数十個凝集してなる二次粒子間の空隙に起因するもので、細孔半径は13nm以上50nm未満の範囲である。
【0011】
一次粒子間の空隙に起因する細孔に関して、その細孔半径や細孔容積の分布は擬ベーマイト状アルミナ水和物の製造法および製造条件を変化させることにより制御できる。本発明で用いる擬ベーマイト状アルミナ水和物の製造方法としては特に限定されないが、例えばアルミニウムアルコキシドの加水分解法、アルミン酸ナトリウムの加水分解法等の公知の方法が挙げられる。特にアルミニウムアルコキシドの加水分解法が好ましく用いられる。
【0012】
二次粒子間の空隙に起因する細孔に関して、その細孔半径や細孔容積を制御する手段としては、擬ベーマイト状アルミナ水和物の製造法および製造条件を変化させる方法、撹拌や振動等によって擬ベーマイト状アルミナ水和物二次粒子の大きさを制御する方法、塗液に一種類もしくは二種類以上の酸性またはアルカリ性の水溶液または有機溶剤を添加することにより凝集程度を制御する方法等が挙げられる。本発明では、塗液にアルカリ性水溶液を添加する方法を用いる。
【0013】
二次粒子間の空隙に起因する細孔の半径、容積を制御する目的で塗液にアルカリ性水溶液を添加する場合、アンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液等が好ましく使われる。特にアンモニア水は塗工後には蒸発してインクジェット記録シート中にほとんど残留しないため好ましい。アンモニア水の添加量は塗液のpHが4.5〜7.0となるようにするのが好ましい。その理由は、pHが7.0を越えると塗液の粘度が著しく上昇して塗工が困難になるためである。さらにはpH4.5〜6.0の範囲とすると塗工の工程上、特に好ましい。
【0014】
pHが変化することにより二次粒子間の空隙が変化する理由としては、次のように推測される。擬ベーマイトの二次粒子は同一次粒子がある程度配向して凝集した比較的平らな形状または細長い形状をしているため、等電点等の物性に異方性を有している。そのためpHが4〜4.5程度の時には二次粒子全体が中性から正の状態となっているが、pHが4.5を越えると特定の面が負の電荷を有するようになり、その結果二次粒子同士でカードハウス的な構造を形成し空隙率が上昇すると考えられる。
【0016】
本発明に係わるインク受理層は、擬ベーマイト状アルミナ水和物を含む塗液を支持体上に塗布して形成する。また、このインク受理層形成用塗液には、塗液の液性、塗液粘度、インク受理層の成膜性、および強度等を調整することを目的として、水溶性または水/アルコール混合溶媒に可溶性の樹脂からなるバインダーを一種類または複数組み合わせて用いる。このようなバインダーとしては、完全ケン化または部分ケン化のポリビニルアルコールが、擬ベーマイト状アルミナ水和物との混合性や塗液粘度の調整等の点で特に好ましいが、この他にもメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系バインダー、でんぷんおよびその変性物、ゼラチンおよびそれらの変性物、カゼイン、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、およびアルブミン等の天然高分子樹脂またはこれらの誘導体、ポリビニルアルコールの変性物、ポリビニルアセタール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のラテックスやエマルション類、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、および無水マレイン酸またはその共重合体等を用いることができる。
【0017】
また、インク受理層形成用塗液を調製した時に良好な液性を得るためには、調製するインク受理層形成用塗液の粘度が100cps以上になるように、バインダーを選択することが好ましい。また、インク受理層形成用塗液の粘度が高すぎると塗布が困難となることがあるため、塗液の粘度は5000cps以下になるようにバインダーを選択することが好ましい。ただし、室温下での粘度が上記範囲を超える高粘度な塗液であっても、塗液を加温することにより粘度を上記範囲内に調整できる場合がある。
【0018】
本発明に係わるインク受理層におけるバインダーの使用量は、少ないとインク受理層の強度が弱くなり、逆に多すぎるとインクの吸収を阻害することがあるため、バインダーの添加量は擬ベーマイト状アルミナ水和物に対して重量比で3〜20%が好ましく、特に6〜10%が好ましい。
【0019】
良好なインク吸収容量を得るためには、インク受理層の塗工量として固形分で20g/m以上、好ましくは30〜50g/m必要である。そのため、インク受理層形成用塗液に用いるアルミナ水和物分散液は15重量%以上、好ましくは20重量%以上の濃度であることが好ましい。
【0020】
アルミナ水和物分散液を安定化させるために、種々の酸類を分散液に添加しても良い。このような酸類としては、硝酸、塩酸、臭化水素酸、酢酸、蟻酸、塩化第二鉄、および塩化アルミニウム等を挙げることができる。
【0021】
本発明においてインクジェット記録シートを製造する場合には、界面活性剤を添加しなくても良好な塗布性を得ることができる場合が多いが、より塗布性を改善するため、あるいはインクがインク受理層に付着した時のドット径を調整することを目的として、界面活性剤を添加することができる。用いられる界面活性剤は、ノニオン性のものが好ましいが、必要に応じてアニオン系、カチオン系、ノニオン系、あるいはベタイン系のいずれのタイプから選択しても良く、また、低分子のものでも高分子のものでも良い。これらは一種もしくは二種以上界面活性剤を組み合わせて用いても良い。界面活性剤の添加量は、固形分量でインク受理層を構成する擬ベーマイト状アルミナ水和物に対して0.001〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜3重量%である。
【0022】
さらに、本発明に係わるインク受理層には、上記の界面活性剤の他に、無機顔料、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、およびpH調節剤等の公知の各種添加剤を添加することもできる。
【0023】
また、画像の解像性を向上させるために、擬ベーマイト状アルミナ水和物の分散液と混合した際に、凝集等を生じることがなければ、インク受理層にフッ素樹脂系、シリコーン樹脂系、またはアルキルケテンダイマー系の撥水剤またはサイズ剤を含有することにより、印字ドット径をコントロールして画像の解像性を向上させることができる。これらの撥水剤またはサイズ剤としては、一般に市販されているものを使用することができる。また、これらの撥水剤またはサイズ剤の形態は溶液または水系エマルジョンのどちらでも使用可能である。インク受理層へのこれらの撥水剤の添加量により印字ドット径をコントロールすることができる。その添加量は各成分や濃度および希望する印字ドット径によって異なるが、通常有効固形成分としてインク受理層の全固形分に対して0.05〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%である。
【0024】
本発明のインクジェット記録シートにおいて、インク受理層の層構成は、単層であっても積層構成であっても良い。積層構成の場合、全層が擬ベーマイト状アルミナ水和物と水溶性バインダーを含む層であっても良いし、擬ベーマイト状アルミナ水和物以外のアルミナ水和物を包含する擬ベーマイト状アルミナ水和物以外の成分で構成される層と擬ベーマイト状アルミナ水和物と水溶性バインダーを含む層との積層構成であっても良い。
【0025】
インク受理層が多層で構成され、その全層とも擬ベーマイト状アルミナ水和物と水溶性バインダーを含む層の場合は、各層とも同じ層を積層しても良いし、異なった特性を有する層を積層しても良い。例えば、二層構成の場合、上層にはインク吸収速度を上げる目的で、細孔径の大きい層を設け、下層には透光性に有利なように細孔径の小さい層を設け、インク吸収速度と透光性のバランスをとること等、目的に合わせた層構成にすることができる。
【0026】
また、インク吸収容量を上げること等を目的として、アルミナ水和物と水溶性バインダーを含む層の下層に、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等水溶性樹脂からなるインク受理層を設ける等、目的に合わせた層構成にすることができる。また、本発明に係わるインク受理層は、支持体の少なくとも片面に設ければ良いが、カールを防止する等の目的で、支持体の両面に設けても良い。
【0027】
本発明におけるインク受理層形成用塗液の塗布方法としては、例えば、スライドホッパー方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、およびロッドバーコーティング方式等の通常用いられている塗布方法を用いることができる。
【0028】
本発明のインクジェット記録シートに係わる支持体としては、例えばポリエステルフィルム、樹脂被覆紙、コーテッド紙等が主に用いられるが、ガラス、アルミニウム箔、蒸着紙、蒸着フィルム、不織布、および布帛等、本発明に係わる擬ベーマイト状アルミナ水和物からなるインク受理層を設けることができる支持体であれば、特に限定されるものではない。また、クッション性や隠蔽性を付与するために、フィルム内部に多数の空洞を含有する空洞含有フィルム、例えば発泡ポリエステルフィルム等も用いることができる。本発明に用いる支持体として、その厚さは特に制限されないが、ポリエステルフィルムを用いる際には、ハンドリング性とプリンターの通紙適性から10〜200μm程度のものが好ましく、樹脂被覆紙を用いる際にも、厚さについては特に制限されないが、50〜300μm程度のものが好ましい。但し、写真の印画紙の風合いを得るためには200〜300μm程度のものが好ましい。
【0029】
支持体に用いられるポリエステルフィルムにおけるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸またはそのエステルと、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価アルコールとを重縮合させて得られるものであって、その具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、およびこれらに他成分を共重合したもの等が挙げられる。ポリエステルフィルムはそれらのポリエステルをフィルム化したものであり、通常はロール延伸、テンター延伸、インフレーション延伸等の処理により、配向処理されることが多い。
【0030】
樹脂被覆紙用の原紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、好ましくは写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が良い。原紙を構成するパルプとしては、天然パルプ、再生パルプ、および合成パルプ等を一種もしくは二種以上混合して用いられる。この原紙には、一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、および染料等の添加剤が配合される。さらに、その表面には、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、およびアンカー剤等が塗布されていても良い。
【0031】
樹脂被覆紙用の被覆樹脂としては、ポリオレフィン樹脂が好ましく、特にポリエチレン樹脂が好ましい。また、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンまたはこれらの混合物が使用できる。これらのポリエチレン樹脂は、各種の密度およびメルトフローレートを有するものを単独にまたはそれらの二種以上を混合して用いることができる。樹脂被覆紙の樹脂層の構成は、単層、二層以上の多層のいずれであっても良い。この場合にも、上記のポリオレフィン樹脂を単独にまたは二種以上を混合して用いることができる。また、多層の各層を互いに異なる組成とすることも同一の組成とすることもできる。多層からなる樹脂層を形成する方法としては、共押出コーティング法と逐次コーティング法のいずれを採用しても良い。
【0032】
一方、樹脂被覆紙の樹脂層は、膜形成能のあるラテックス等の樹脂水分散物を塗布することによって形成することができる。例えば、最低成膜温度(MFT)の低いラテックス等の樹脂水分散物を、樹脂被覆紙用の原紙に塗布した後、その樹脂水分散物が有する最低成膜温度以上の温度に過熱することによっても形成することができる。
【0033】
樹脂被覆紙における被覆樹脂層の厚みとしては特に制限はないが、一般に5〜50μmの厚みに本発明に係わるインク受理層を設ける側、またはその反対面の一面のみ、または表裏両面に設けられる。
【0034】
樹脂被覆紙の被覆樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、および炭酸カルシウム等の白色顔料、ステアリン酸アミドおよびアラキジン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、およびステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルー等のブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫等のマゼンタの顔料や染料、テトラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等の酸化防止剤、蛍光増白剤、および紫外線吸収剤等の各種の添加剤を適宜組み合わせて加えることができる。
【0035】
本発明における支持体には、インク受容層と支持体との接着性向上等の目的でアンカー層を設けても良い。アンカー層にはゼラチン等の親水性バインダー、ブチラール等の溶剤可溶性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、および界面活性剤等を適宜組み合わせて添加せしめることができる。
【0036】
また、本発明における支持体には、帯電防止性、搬送性、カール防止性、筆記性、および糊付け性等のために、各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には、無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、滑剤、および界面活性剤等を適宜組み合わせて添加せしめることができる。
【0037】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限定されるものではない。
【0038】
(アルミナ水和物の合成)
市販のアルミニウムイソプロポキシドを加水分解し、熟成した後、酢酸を用いて解膠してアルミナ水和物の分散液を得た。合成の条件を表1に示す。この分散液をスプレードライヤーで一度乾燥させて粉体(キセロゲル)とした。得られた粉体について水銀圧入法により細孔分布を測定した結果、条件1、条件2とも約1.0nmにピークを有していた。この一次粒子間の空隙に起因する細孔であると思われる半径3nm以上13nm未満の範囲の細孔容積はそれぞれ、389ml/g(条件1)、212ml/g(条件2)であった。
【0039】
【表1】
Figure 0003617756
【0040】
この粉体20重量部に対してイオン交換水80重量部を加えて再分散し、固形分20重量%のアルミナ水和物の分散液を得た。
【0045】
実施例
条件1で合成して得た固形分20重量%の分散液100重量部に対して、ポリビニルアルコールMA−23(信越化学製)の10重量%水溶液を16重量部、0.1%アンモニア水5重量部の順に加えて塗液とした。アンモニア水の添加は分散液を撹拌しながら滴下でおこなった。pHはアンモニア水添加前4.3に対し、添加後5.2であった。この塗液を厚さ100μmの透明PETフィルム上にバーコーターで乾燥塗工量が35g/m2となるように塗布し、80℃で乾燥させた後、140℃で1分間熱処理をおこない、インクジェット記録シートを得た。
【0048】
参考例1
条件2で合成して得た固形分20重量%の分散液100重量部に対して、イソプロピルアルコール5重量部、ポリビニルアルコールMA−23(信越化学製)の10重量%水溶液を16重量部の順に加えて塗液とした。2−メトキシエタノールの添加は分散液を撹拌しながら滴下でおこなった。この塗液を厚さ100μmの透明PETフィルム上にバーコーターで乾燥塗工量が35g/m2となるように塗布し、80℃で乾燥させた後、140℃で1分間熱処理をおこない、インクジェット記録シートを得た。
【0049】
比較例1
条件1で合成して得た固形分20重量%の分散液100重量部に対して、ポリビニルアルコールMA−23(信越化学製)の10重量%水溶液を16重量部加えて塗液とした。この塗液を厚さ100μmの透明PETフィルム上にバーコーターで乾燥塗工量が35g/mとなるように塗布し、80℃で乾燥させた後、140℃で1分間熱処理をおこない、インクジェット記録シートを得た。
【0050】
比較例2
条件2で合成して得た固形分20重量%の分散液100重量部に対して、ポリビニルアルコールMA−23(信越化学製)の10重量%水溶液を16重量部加えて塗液とした。この塗液を厚さ100μmの透明PETフィルム上にバーコーターで乾燥塗工量が35g/mとなるように塗布し、80℃で乾燥させた後、140℃で1分間熱処理をおこない、インクジェット記録シートを得た。
【0051】
比較例3
条件1で合成して得た固形分20重量%の分散液100重量部に対して、ポリビニルアルコールMA−23(信越化学製)の10重量%水溶液を16重量部、0.3%アンモニア水20重量部の順に加えて塗液とした。アンモニア水の添加は分散液を撹拌しながら滴下でおこなった。pHはアンモニア水添加前4.3に対し、添加後7.2であった。この塗液を厚さ100μmの透明PETフィルム上にバーコーターで乾燥塗工量が35g/mとなるように塗布し、80℃で乾燥させた後、140℃で1分間熱処理をおこない、インクジェット記録シートを得た。
【0052】
水銀圧入法により測定した細孔分布のデータを表2に示す。測定にはMicromeritics社製AutoporeII9220を用いた。
【0053】
【表2】
Figure 0003617756
【0054】
市販のインクジェットプリンター2機種(セイコーエプソン製PM−700Cおよびキャノン製BJC−420J)を用いて印刷をおこない、インク吸収性を評価した。ベタ部分が均一に印刷できたものを「○」、実用上問題ないが、多少ムラが確認されたものを「△」、インクが溢れるようになってベタ部分が不均一になったものを「×」とした。60度鏡面光沢およびヘーズは未印刷部についてそれぞれ日本電色工業(株)製VGS−300AおよびNDH−300Aを用いて測定した。ただし、60度鏡面光沢の測定には、各実施例、比較例において透明PETフィルムに代えて白色PETを基材としたサンプルをそれぞれ作製して測定をおこなった。60度鏡面光沢は70以上であることが好ましく、80以上であれば高級感のある光沢が得られる。また、ヘーズは10未満であれば例えばOHP(オーバーヘッドプロジェクター)等でも使用可能となる。結果を表3に示す。
【0055】
【表3】
Figure 0003617756
【0056】
条件1で合成したアルミナ水和物を用いた実施例、比較例1、3のインクジェット記録シートの半径3〜13nmの細孔容積はほぼ等しかった。条件2で合成したアルミナ水和物を用いた参考例1と比較例2についても同様であった。この結果から、一次粒子間の空隙に起因すると考えられる半径3〜13nmの細孔はアルカリ水溶液や有機溶剤の添加による影響を受けていないことがわかる。
【0058】
絶対的な細孔容積が不足していると推測される比較例2は最もインク吸収性が悪かった。比較例1は半径13〜50nmの細孔容積が不十分だったためインク吸収性が悪かった。これらに対して比較例3はインク吸収性は良好であったが、60度鏡面光沢およびヘーズが悪かった。ヘーズの悪化はインクジェット印刷物の発色がくすんだように見えるため、不透明基材を用いた場合にも好ましくない。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、優れたインク吸収性能を有し、かつ高い光沢と透明性を有するインクジェット記録シートを得ることできる。

Claims (2)

  1. 支持体上にインク受理層形成用塗液を塗布して、主として擬ベーマイト状アルミナ水和物とバインダーからなるインク受理層を設けたインクジェット記録シートであって、該インク受理層形成用塗液が、アルミナ水和物分散液にバインダーを添加後、アルカリ性水溶液を添加したものであり、該インク受理層の半径3nm以上13nm未満の細孔容積に対する半径13nm以上50nm未満の細孔容積の比が0.3以上0.9以下の範囲であることを特徴とするインクジェット記録シート。
  2. 該インク受理層の半径13nm以上50nm未満の細孔容積が0.1ml/g以上0.5ml/g以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録シート。
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