JPH08319254A - 置換または未置換フタル酸塩の製造方法 - Google Patents
置換または未置換フタル酸塩の製造方法Info
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- JPH08319254A JPH08319254A JP8110858A JP11085896A JPH08319254A JP H08319254 A JPH08319254 A JP H08319254A JP 8110858 A JP8110858 A JP 8110858A JP 11085896 A JP11085896 A JP 11085896A JP H08319254 A JPH08319254 A JP H08319254A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C51/00—Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
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- C07C51/41—Preparation of salts of carboxylic acids
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 置換または未置換フタル酸の塩の製造方法を
提供する。 【解決手段】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4は、H 、F 、Cl、Br、CF3 、O
H、(C1-C4)-アルコキシまたは(C1-C4)-アルキル基、ま
たは-NR7R8基(式中、R7およびR8は、H 、(C1-C4)-アル
キル基またはフェニル基を意味する)を意味し、R5およ
びR6は、H 、アルキル基中に1〜6個の炭素原子を有す
る-CO-アルキル基またはベンゾイル基を意味するか、ま
たはR5およびR6が一緒になって、下記一般式(2) 【化2】 (式中、R9、R10 、R11 、R12 は、H 、F 、Cl、Br、CF
3 、OH、(C1-C4)-アルコキシまたは(C1-C4)-アルキル
基、または-NR7R8基(式中、R7およびR8は、H 、(C 1-
C4)-アルキル基またはフェニル基を意味する)を意味す
る)で表される遊離基を形成する)で表される化合物
を、水、水溶性塩基および酸化剤と、-10 〜150℃の温
度で、反応条件下において不活性である水不溶性溶媒の
存在下または不存在下に反応させることからなる。
提供する。 【解決手段】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4は、H 、F 、Cl、Br、CF3 、O
H、(C1-C4)-アルコキシまたは(C1-C4)-アルキル基、ま
たは-NR7R8基(式中、R7およびR8は、H 、(C1-C4)-アル
キル基またはフェニル基を意味する)を意味し、R5およ
びR6は、H 、アルキル基中に1〜6個の炭素原子を有す
る-CO-アルキル基またはベンゾイル基を意味するか、ま
たはR5およびR6が一緒になって、下記一般式(2) 【化2】 (式中、R9、R10 、R11 、R12 は、H 、F 、Cl、Br、CF
3 、OH、(C1-C4)-アルコキシまたは(C1-C4)-アルキル
基、または-NR7R8基(式中、R7およびR8は、H 、(C 1-
C4)-アルキル基またはフェニル基を意味する)を意味す
る)で表される遊離基を形成する)で表される化合物
を、水、水溶性塩基および酸化剤と、-10 〜150℃の温
度で、反応条件下において不活性である水不溶性溶媒の
存在下または不存在下に反応させることからなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、置換または未置
換、特に置換フタル酸の塩の製造方法に関する。
換、特に置換フタル酸の塩の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】置換フタル酸の内、ハロゲン化フタル
酸、特に塩化およびフッ化フタル酸は、非常に重要であ
る。塩化フタル酸は、抗菌性組成物を製造するための重
要な中間体であるフッ化フタル酸を得るための出発物質
として使用される(ドイツ特許出願公開第33 18 145 号
明細書、ヨーロッパ特許第424 850 号、ヨーロッパ特許
第271 275 号参照)。
酸、特に塩化およびフッ化フタル酸は、非常に重要であ
る。塩化フタル酸は、抗菌性組成物を製造するための重
要な中間体であるフッ化フタル酸を得るための出発物質
として使用される(ドイツ特許出願公開第33 18 145 号
明細書、ヨーロッパ特許第424 850 号、ヨーロッパ特許
第271 275 号参照)。
【0003】テトラフルオロフタル酸は、例えばポリマ
ーの製造のための出発物質として使用される(特公平2-
29406 号公報参照)が、感光性材料(特公平1-268662号
公報、特公昭61-11955号公報参照)または液晶(ヨーロ
ッパ特許第0 602 596 号、ヨーロッパ特許第0 602 549
号参照)の製造にもまた使用される。テトラフルオロフ
タル酸の多種類の製造方法は、文献に記載されている。
ーの製造のための出発物質として使用される(特公平2-
29406 号公報参照)が、感光性材料(特公平1-268662号
公報、特公昭61-11955号公報参照)または液晶(ヨーロ
ッパ特許第0 602 596 号、ヨーロッパ特許第0 602 549
号参照)の製造にもまた使用される。テトラフルオロフ
タル酸の多種類の製造方法は、文献に記載されている。
【0004】テトラフルオロフタル酸は、例えばテトラ
クロロフタロイルクロリドから(G.G. Yakobsen et a
l., Zh. Obshsh. Khim. 36 (1966), 139; ヨーロッパ特
許第0140 482 号、英国特許第2 146 635 号参照)、テ
トラクロロアントラニル酸から(S. Hayashi et al. ,
Bull. Chem. Soc. Jap. 45 (1972), 2909 参照)、1,2,
3,4-テトラフルオロベンゼンから(L.J. Belf et al.,
Tetrahedron 23 (1967),4719; Z. Naturforsch. 31B (1
976), 1667 参照)、テトラクロロフタル酸無水物から
(ドイツ特許出願公開第3 810 093 号明細書、ヨーロッ
パ特許第0 218 111 号参照)またはテトラクロロフタロ
ジニトリルから(英国特許第2 134 900 号参照)、複数
の段階を経て製造されるが、その段階のいくつかは、複
雑であり、および/または工業的には実施不能、または
困難である。1,2-ジブロモテトラフルオロベンゼンから
のテトラフルオロフタル酸の製造(C. Tamborski et a
l., J. Organometallic Chem. 10 (1967), 385 参照)
およびP. Sartori et al. (Chem. Ber. 101 (1968), 20
04) により開示されたオクタフルオロナフタレンから出
発する方法についても、同じことが言える。N-炭素置換
テトラクロロフタルイミド(ヨーロッパ特許第0 259 66
3 号参照)は、同様に使用される。フッ素化の後に、こ
れらは、場合によってはテトラフルオロフタル酸の中間
体は単離しないが、その官能性誘導体の1つを単離し
て、非選択性段階(unselective step)(特公平2-1455
38号公報参照)を経て反応し、抗菌性組成物の合成にお
いて同様に重要な前駆物質である2,3,4,5-テトラフルオ
ロ安息香酸を得る。中間に単離される官能性誘導体を加
水分解してテトラフルオロフタル酸を得ることができ
る。
クロロフタロイルクロリドから(G.G. Yakobsen et a
l., Zh. Obshsh. Khim. 36 (1966), 139; ヨーロッパ特
許第0140 482 号、英国特許第2 146 635 号参照)、テ
トラクロロアントラニル酸から(S. Hayashi et al. ,
Bull. Chem. Soc. Jap. 45 (1972), 2909 参照)、1,2,
3,4-テトラフルオロベンゼンから(L.J. Belf et al.,
Tetrahedron 23 (1967),4719; Z. Naturforsch. 31B (1
976), 1667 参照)、テトラクロロフタル酸無水物から
(ドイツ特許出願公開第3 810 093 号明細書、ヨーロッ
パ特許第0 218 111 号参照)またはテトラクロロフタロ
ジニトリルから(英国特許第2 134 900 号参照)、複数
の段階を経て製造されるが、その段階のいくつかは、複
雑であり、および/または工業的には実施不能、または
困難である。1,2-ジブロモテトラフルオロベンゼンから
のテトラフルオロフタル酸の製造(C. Tamborski et a
l., J. Organometallic Chem. 10 (1967), 385 参照)
およびP. Sartori et al. (Chem. Ber. 101 (1968), 20
04) により開示されたオクタフルオロナフタレンから出
発する方法についても、同じことが言える。N-炭素置換
テトラクロロフタルイミド(ヨーロッパ特許第0 259 66
3 号参照)は、同様に使用される。フッ素化の後に、こ
れらは、場合によってはテトラフルオロフタル酸の中間
体は単離しないが、その官能性誘導体の1つを単離し
て、非選択性段階(unselective step)(特公平2-1455
38号公報参照)を経て反応し、抗菌性組成物の合成にお
いて同様に重要な前駆物質である2,3,4,5-テトラフルオ
ロ安息香酸を得る。中間に単離される官能性誘導体を加
水分解してテトラフルオロフタル酸を得ることができ
る。
【0005】もう一つの方法は、N-置換テトラフルオロ
フタルイミドから出発し、酸加水分解によりテトラフル
オロフタル酸に転換する(ヨーロッパ特許第0 578 165
号参照)。この反応は、酸触媒を添加しないでも実施す
ることができる。この理由は、加水分解の際に除去され
るテトラフルオロフタル酸が自己触媒工程のように反応
を進める要因となる点から明らかである。この方法の欠
点は、一方で、テトラフルオロフタルイミドの転換を制
限し、テトラフルオロフタル酸を少量しか得られない
点、および他方で、この反応が酸性媒体中で実施され、
これが著しい腐食の問題につながる点にある。
フタルイミドから出発し、酸加水分解によりテトラフル
オロフタル酸に転換する(ヨーロッパ特許第0 578 165
号参照)。この反応は、酸触媒を添加しないでも実施す
ることができる。この理由は、加水分解の際に除去され
るテトラフルオロフタル酸が自己触媒工程のように反応
を進める要因となる点から明らかである。この方法の欠
点は、一方で、テトラフルオロフタルイミドの転換を制
限し、テトラフルオロフタル酸を少量しか得られない
点、および他方で、この反応が酸性媒体中で実施され、
これが著しい腐食の問題につながる点にある。
【0006】N-置換テトラフルオロフタルイミドの製造
方法は、ヨーロッパ特許第510 491号に開示されてい
る。テトラクロロフタル酸無水物を、少なくとも等モル
量、好ましくは過剰量のヒドラジンまたはN,N-ジ置換ヒ
ドラジンと、水性アルコール性媒体中、氷酢酸中、硫酸
中または発煙硫酸中で、100 〜220 ℃の温度で反応さ
せ、対応するN'- 置換N-アミノテトラクロロフタルイミ
ドを得、次いで塩素をフッ素で置換する(halex 反
応)。通常、この方法は、対応する置換または未置換フ
タル酸を、ヒドラジンまたは対応する置換ヒドラジンと
反応させ、場合によっては、塩素−フッ素交換を行うこ
とによって、N-置換フタルイミドの製造に適用される。
方法は、ヨーロッパ特許第510 491号に開示されてい
る。テトラクロロフタル酸無水物を、少なくとも等モル
量、好ましくは過剰量のヒドラジンまたはN,N-ジ置換ヒ
ドラジンと、水性アルコール性媒体中、氷酢酸中、硫酸
中または発煙硫酸中で、100 〜220 ℃の温度で反応さ
せ、対応するN'- 置換N-アミノテトラクロロフタルイミ
ドを得、次いで塩素をフッ素で置換する(halex 反
応)。通常、この方法は、対応する置換または未置換フ
タル酸を、ヒドラジンまたは対応する置換ヒドラジンと
反応させ、場合によっては、塩素−フッ素交換を行うこ
とによって、N-置換フタルイミドの製造に適用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の基本的な課題
は、置換または未置換フタル酸の塩を製造するための単
純な方法であって、装置に関して多大な出費なしで実施
でき、フタル酸の多様な塩を得、単純に酸性化すること
によって、そこから対応するフタル酸を産出する上記方
法を提供することにある。この方法によって、高転化率
および高選択性の価値ある所望の生成物を得ることがで
き、腐食に関する問題もほとんど生じない。
は、置換または未置換フタル酸の塩を製造するための単
純な方法であって、装置に関して多大な出費なしで実施
でき、フタル酸の多様な塩を得、単純に酸性化すること
によって、そこから対応するフタル酸を産出する上記方
法を提供することにある。この方法によって、高転化率
および高選択性の価値ある所望の生成物を得ることがで
き、腐食に関する問題もほとんど生じない。
【0008】
【課題を解決する手段】この課題は、置換または未置換
フタル酸の塩の製造方法によって解決される。この方法
は、下記一般式(1)
フタル酸の塩の製造方法によって解決される。この方法
は、下記一般式(1)
【0009】
【化5】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ同一である
か、または相異し、H 、F 、Cl、Br、CF3 、OH、それぞ
れ1〜4個の炭素原子を有するアルコキシまたはアルキ
ル基、または-NR7R8基(式中、R7およびR8は、同一であ
るか、または相異し、H 、1〜4個の炭素原子を有する
アルキル基またはフェニル基を意味する)を意味し、R5
およびR6は、同一であるか、または相異し、H 、アルキ
ル基中に1〜6個の炭素原子を有する-CO-アルキル基ま
たはベンゾイル基を意味するか、またはR5およびR6が一
緒になって、下記一般式(2)
か、または相異し、H 、F 、Cl、Br、CF3 、OH、それぞ
れ1〜4個の炭素原子を有するアルコキシまたはアルキ
ル基、または-NR7R8基(式中、R7およびR8は、同一であ
るか、または相異し、H 、1〜4個の炭素原子を有する
アルキル基またはフェニル基を意味する)を意味し、R5
およびR6は、同一であるか、または相異し、H 、アルキ
ル基中に1〜6個の炭素原子を有する-CO-アルキル基ま
たはベンゾイル基を意味するか、またはR5およびR6が一
緒になって、下記一般式(2)
【0010】
【化6】 (式中、R9、R10 、R11 およびR12 は、同一であるか、
または相異し、H 、F 、Cl、Br、CF3 、OH、それぞれ1
〜4個の炭素原子を有するアルコキシまたはアルキル
基、または-NR7R8基(式中、R7およびR8は、同一である
か、または相異し、H 、1〜4個の炭素原子を有するア
ルキル基またはフェニル基を意味する)を意味する)で
表される遊離基を形成する)で表される化合物を、水、
水溶性塩基および酸化剤と、-10 〜150 ℃の温度で、反
応条件下において不活性である水不溶性溶媒の存在下ま
たは不存在下に反応させることからなる。
または相異し、H 、F 、Cl、Br、CF3 、OH、それぞれ1
〜4個の炭素原子を有するアルコキシまたはアルキル
基、または-NR7R8基(式中、R7およびR8は、同一である
か、または相異し、H 、1〜4個の炭素原子を有するア
ルキル基またはフェニル基を意味する)を意味する)で
表される遊離基を形成する)で表される化合物を、水、
水溶性塩基および酸化剤と、-10 〜150 ℃の温度で、反
応条件下において不活性である水不溶性溶媒の存在下ま
たは不存在下に反応させることからなる。
【0011】本発明の方法は、従来の技術、特にヨーロ
ッパ特許第0 578 165 号と比較して、多数の長所を有す
る。これは、異なるフタル酸の多様な塩の製造に使用す
ることができ、N-置換テトラフルオロフタルイミドの使
用を制限しない。水溶性塩基が、遊離酸の形成を妨げる
ので、酸または、例えばHFのような酸の形成に起因する
腐食に関する問題は、起こらない。これにより、酸触
媒、例えば鉱酸を使用に伴う腐食問題も避けられる。ヨ
ーロッパ特許第0 578 165 号の方法と比較して、本発明
の方法は、穏やかな条件下、特に低温下においても、腐
食の危険なしで実施することができ、そしてさらに高い
収量を得ることができる。さらに有利な点は、多大な出
費なしで、反応生成物として生じる溶液の状態のまま
で、塩をさらに処理することができる点にある。ここ
で、対応する置換または未置換のフタル酸を単離する必
要はない。さらに、場合によっては、本発明の方法を使
用して、非常に単純な方法、すなわちフタル酸塩の水溶
液を酸性化することによって、対応するフタル酸を製造
することができる。
ッパ特許第0 578 165 号と比較して、多数の長所を有す
る。これは、異なるフタル酸の多様な塩の製造に使用す
ることができ、N-置換テトラフルオロフタルイミドの使
用を制限しない。水溶性塩基が、遊離酸の形成を妨げる
ので、酸または、例えばHFのような酸の形成に起因する
腐食に関する問題は、起こらない。これにより、酸触
媒、例えば鉱酸を使用に伴う腐食問題も避けられる。ヨ
ーロッパ特許第0 578 165 号の方法と比較して、本発明
の方法は、穏やかな条件下、特に低温下においても、腐
食の危険なしで実施することができ、そしてさらに高い
収量を得ることができる。さらに有利な点は、多大な出
費なしで、反応生成物として生じる溶液の状態のまま
で、塩をさらに処理することができる点にある。ここ
で、対応する置換または未置換のフタル酸を単離する必
要はない。さらに、場合によっては、本発明の方法を使
用して、非常に単純な方法、すなわちフタル酸塩の水溶
液を酸性化することによって、対応するフタル酸を製造
することができる。
【0012】本発明の方法は、種々な条件下で行うこと
ができ、例えば最初は相対的に低温で、次いで比較的高
温で実施するか、または最初から比較的高温で、そして
加水分解は別として、水酸化物と、例えばハロゲン、特
にフッ素との交換反応を進めることができる。このタイ
プの交換が起こらないようにする場合には、この方法を
比較的低温で実施する。
ができ、例えば最初は相対的に低温で、次いで比較的高
温で実施するか、または最初から比較的高温で、そして
加水分解は別として、水酸化物と、例えばハロゲン、特
にフッ素との交換反応を進めることができる。このタイ
プの交換が起こらないようにする場合には、この方法を
比較的低温で実施する。
【0013】この反応の条件下において、ハロゲン、特
にフッ素は、ヒドロキシル基により制限なしに交換され
ることはないが、望むならば、そのような交換を回避す
るか、またはその特定的な実施が可能であることは、驚
くべきことである。一般式(1)(式中、R1、R2、R3お
よびR4が、同一であるか、または相異し、H 、F 、Cl、
OHまたは1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、特
にF 、OHまたは1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ
基を意味する)で表される化合物は、この方法におい
て、非常に首尾良く使用される。
にフッ素は、ヒドロキシル基により制限なしに交換され
ることはないが、望むならば、そのような交換を回避す
るか、またはその特定的な実施が可能であることは、驚
くべきことである。一般式(1)(式中、R1、R2、R3お
よびR4が、同一であるか、または相異し、H 、F 、Cl、
OHまたは1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、特
にF 、OHまたは1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ
基を意味する)で表される化合物は、この方法におい
て、非常に首尾良く使用される。
【0014】この方法では、一般式(1)で表される化
合物において、R5およびR6が、遊離基(2)を形成し、
R9、R10 、R11 およびR12 が、同一であるか、または相
異し、H 、F 、Cl、OHまたは1〜4個の炭素原子を有す
るアルコキシ基、特にF 、OHまたは1〜4個の炭素原子
を有するアルコキシ基を意味する化合物が、好ましく使
用される。
合物において、R5およびR6が、遊離基(2)を形成し、
R9、R10 、R11 およびR12 が、同一であるか、または相
異し、H 、F 、Cl、OHまたは1〜4個の炭素原子を有す
るアルコキシ基、特にF 、OHまたは1〜4個の炭素原子
を有するアルコキシ基を意味する化合物が、好ましく使
用される。
【0015】下記一般式(3)
【0016】
【化7】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、上記と同様の意味を有
する)で表される化合物が、特に重要である。1モルの
これらの化合物から、それぞれ2モルの対応するフタル
酸塩が得られる。さらに、加水分解に起因するさらなる
副生成物の形成は、回避できる。
する)で表される化合物が、特に重要である。1モルの
これらの化合物から、それぞれ2モルの対応するフタル
酸塩が得られる。さらに、加水分解に起因するさらなる
副生成物の形成は、回避できる。
【0017】一般式(1)のフッ素化化合物は、同様に
重要である。これらの化合物は、N'- 置換N-アミノフル
オロフタルイミドであり、これらは、フッ素に加えて、
その他の置換基を含んでいてもよい。これらは、比較的
単純な方法、例えば対応する置換クロロフタル酸無水物
または対応する置換クロロフタル酸から出発して、硫酸
中でヒドラジンスルフェートまたは対応する置換ヒドラ
ジンスルフェートと反応させ、次いで塩素−フッ素交換
を行うことによって、製造される。
重要である。これらの化合物は、N'- 置換N-アミノフル
オロフタルイミドであり、これらは、フッ素に加えて、
その他の置換基を含んでいてもよい。これらは、比較的
単純な方法、例えば対応する置換クロロフタル酸無水物
または対応する置換クロロフタル酸から出発して、硫酸
中でヒドラジンスルフェートまたは対応する置換ヒドラ
ジンスルフェートと反応させ、次いで塩素−フッ素交換
を行うことによって、製造される。
【0018】請求の範囲には、十分に記載していない
が、適したN'- 置換N-アミノフルオロフタルイミドは、
N'- ジアシルアミノモノフルオロフタルイミド、N'- ジ
アシルアミノジフルオロフタルイミド、N-ジアシルアミ
ノテトラフルオロフタルイミド、3,4,6-トリフルオロビ
スフタルイミド、オクタフルオロビスフタルイミド、N'
- ジベンゾイルアミノモノフルオロフタルイミド、N'-
ジベンゾイルアミノジフルオロフタルイミド、N'- ジベ
ンゾイルアミノテトラフルオロフタルイミド、ヘキサフ
ルオロビスフタルイミド、テトラフルオロビスフタルイ
ミド、特にヘキサフルオロビスフタルイミドおよびオク
タフルオロビスフタルイミドである。
が、適したN'- 置換N-アミノフルオロフタルイミドは、
N'- ジアシルアミノモノフルオロフタルイミド、N'- ジ
アシルアミノジフルオロフタルイミド、N-ジアシルアミ
ノテトラフルオロフタルイミド、3,4,6-トリフルオロビ
スフタルイミド、オクタフルオロビスフタルイミド、N'
- ジベンゾイルアミノモノフルオロフタルイミド、N'-
ジベンゾイルアミノジフルオロフタルイミド、N'- ジベ
ンゾイルアミノテトラフルオロフタルイミド、ヘキサフ
ルオロビスフタルイミド、テトラフルオロビスフタルイ
ミド、特にヘキサフルオロビスフタルイミドおよびオク
タフルオロビスフタルイミドである。
【0019】オクタフルオロビスフタルイミドが特に好
ましく、この化合物は下記一般式
ましく、この化合物は下記一般式
【0020】
【化8】 で表される。これは、オクタフルオロビスフタルイミド
を使用することによって、本発明の方法が特に有利に実
施されるからである。1モルのオクタフルオロビスフタ
ルイミドの加水分解で、2モルのテトラフルオロフタル
酸の塩が形成され、場合によってはこの塩を酸性化する
ことによって、テトラフルオロフタル酸またはテトラフ
ルオロフタル酸無水物に転換することができる。これに
より、この反応は、特に単純なものとなり、加水分解に
起因するその他の副生成物を避けることができる。
を使用することによって、本発明の方法が特に有利に実
施されるからである。1モルのオクタフルオロビスフタ
ルイミドの加水分解で、2モルのテトラフルオロフタル
酸の塩が形成され、場合によってはこの塩を酸性化する
ことによって、テトラフルオロフタル酸またはテトラフ
ルオロフタル酸無水物に転換することができる。これに
より、この反応は、特に単純なものとなり、加水分解に
起因するその他の副生成物を避けることができる。
【0021】この反応を実施するためには、放出される
フタル酸1モル当たり、2〜3000、特に10〜50
0、殊に30〜200モルの水を添加する。加水分解の
みを実施する場合には、通常比較的少量の水、例えば放
出されるフタル酸1モル当たり、2〜10、特に2.2
〜6モルの水を添加する。他方で、次の処理のために使
用することのできるフタル酸の塩の水溶液の製造を望む
場合には、比較的多量の水、例えば放出されるフタル酸
塩1モル当たり、50〜500、特に100〜300モ
ルの水を使用することが有利である。
フタル酸1モル当たり、2〜3000、特に10〜50
0、殊に30〜200モルの水を添加する。加水分解の
みを実施する場合には、通常比較的少量の水、例えば放
出されるフタル酸1モル当たり、2〜10、特に2.2
〜6モルの水を添加する。他方で、次の処理のために使
用することのできるフタル酸の塩の水溶液の製造を望む
場合には、比較的多量の水、例えば放出されるフタル酸
塩1モル当たり、50〜500、特に100〜300モ
ルの水を使用することが有利である。
【0022】従って、通常少なくとも化学量論的に必要
な量で、または有利には適切に選択された過剰量で、水
を使用することが有効である。選択された水の過剰量
は、上記したように、加水分解の好ましい変形の機能を
果たす。通常放出されるフタル酸塩1モル当たり、2〜
30、特に3〜15、殊に4〜10当量の水溶性塩基を
使用する。
な量で、または有利には適切に選択された過剰量で、水
を使用することが有効である。選択された水の過剰量
は、上記したように、加水分解の好ましい変形の機能を
果たす。通常放出されるフタル酸塩1モル当たり、2〜
30、特に3〜15、殊に4〜10当量の水溶性塩基を
使用する。
【0023】所望の加水分解を引き起こすのに十分に強
い塩基であれば、どのような塩基でもこの反応に使用す
ることができる。適した水溶性塩基は、アルカリ金属酸
化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属酸化物
またはアルカリ土類金属水酸化物またはそれらの混合物
である。水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムが、特
に適している。
い塩基であれば、どのような塩基でもこの反応に使用す
ることができる。適した水溶性塩基は、アルカリ金属酸
化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属酸化物
またはアルカリ土類金属水酸化物またはそれらの混合物
である。水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムが、特
に適している。
【0024】この反応は、塩基性媒体中で進む。これ
は、加水分解の際に、pHが特定の値、例えばpH=1
0、特にpH=11、殊にpH=12を下回らないので
有利である。場合によっては、実施される反応により消
費されるような量で、水溶性塩基を添加することができ
る。この手法では、この反応を明確に実施し、簡単に監
視することができる。
は、加水分解の際に、pHが特定の値、例えばpH=1
0、特にpH=11、殊にpH=12を下回らないので
有利である。場合によっては、実施される反応により消
費されるような量で、水溶性塩基を添加することができ
る。この手法では、この反応を明確に実施し、簡単に監
視することができる。
【0025】この方法を実施するために、酸化剤が付加
的に必要である。適した酸化剤は、この方法の条件下
で、ヒドラジンを窒素に酸化することのできる酸化体で
ある。酸化剤は、ヒドラジンの窒素への酸化に必要な量
の1〜5倍、特に1.05〜2倍の量で使用される。通
常、酸化剤は、少なくともヒドラジンの窒素への酸化に
必要な化学量論量で、または化学量論的に必要な量の2
〜30%、特に3〜10%過剰な量までで使用される。
的に必要である。適した酸化剤は、この方法の条件下
で、ヒドラジンを窒素に酸化することのできる酸化体で
ある。酸化剤は、ヒドラジンの窒素への酸化に必要な量
の1〜5倍、特に1.05〜2倍の量で使用される。通
常、酸化剤は、少なくともヒドラジンの窒素への酸化に
必要な化学量論量で、または化学量論的に必要な量の2
〜30%、特に3〜10%過剰な量までで使用される。
【0026】酸化剤を過剰に使用する場合には、反応の
終了後に、還元剤を添加することによって、残った酸化
剤を取り除くことが有利である。通常、使用される酸化
剤は、ハロゲン、次亜ハロゲン酸塩(hypohalite)、過酸
化水素、NO2 、N2O4、N2O3、N2O5、亜硝酸塩またはそれ
らの混合物である。これらの物質は、実際に酸化剤が形
成している形態で使用することができる。
終了後に、還元剤を添加することによって、残った酸化
剤を取り除くことが有利である。通常、使用される酸化
剤は、ハロゲン、次亜ハロゲン酸塩(hypohalite)、過酸
化水素、NO2 、N2O4、N2O3、N2O5、亜硝酸塩またはそれ
らの混合物である。これらの物質は、実際に酸化剤が形
成している形態で使用することができる。
【0027】非常に適している酸化剤は、Cl2 、Br2 、
I2、ClO - 、BrO - 、IO- またはそれらの混合物であ
る。次亜ハロゲン酸塩含有ハロゲン漂白液(bleaching l
iquors) 、特に次亜ハロゲン酸塩含有塩素漂白液を使用
することが有利である。しかしながら、次亜ハロゲン酸
塩は、ハロゲンを塩基性反応媒体に導入することによっ
て、その場で得ることができる。
I2、ClO - 、BrO - 、IO- またはそれらの混合物であ
る。次亜ハロゲン酸塩含有ハロゲン漂白液(bleaching l
iquors) 、特に次亜ハロゲン酸塩含有塩素漂白液を使用
することが有利である。しかしながら、次亜ハロゲン酸
塩は、ハロゲンを塩基性反応媒体に導入することによっ
て、その場で得ることができる。
【0028】水溶性塩基および酸化剤を添加する場合、
特別な順序に制限されない。水溶性塩基および酸化剤を
同時に添加することができる。最初に全量または部分量
の水溶性塩基を添加し、次いで酸化剤を添加することも
できる。しかしながら、水溶性塩基を最初に添加し、塩
基の添加の際に酸化剤を同時にまたはずらして計量して
添加するか、または塩基を完全に添加した後に酸化剤を
計量して添加することができる。
特別な順序に制限されない。水溶性塩基および酸化剤を
同時に添加することができる。最初に全量または部分量
の水溶性塩基を添加し、次いで酸化剤を添加することも
できる。しかしながら、水溶性塩基を最初に添加し、塩
基の添加の際に酸化剤を同時にまたはずらして計量して
添加するか、または塩基を完全に添加した後に酸化剤を
計量して添加することができる。
【0029】上記したように、本発明の方法は、−10
〜150、特に−5〜110、殊に0〜80℃の温度で
実施することができる。この方法は、上記したように、
最初に実際の加水分解を比較的低温で、例えば−10〜
60、特に−5〜50、殊に0〜40℃で行い、次いで
以降の反応、例えば交換反応を比較的高温で、例えば4
0〜150、特に50〜110、殊に60〜90℃で行
うことによって、柔軟に操作することができる。対応す
る適した反応は、ハロゲン、特にフッ素とヒドロキシル
基との交換である。
〜150、特に−5〜110、殊に0〜80℃の温度で
実施することができる。この方法は、上記したように、
最初に実際の加水分解を比較的低温で、例えば−10〜
60、特に−5〜50、殊に0〜40℃で行い、次いで
以降の反応、例えば交換反応を比較的高温で、例えば4
0〜150、特に50〜110、殊に60〜90℃で行
うことによって、柔軟に操作することができる。対応す
る適した反応は、ハロゲン、特にフッ素とヒドロキシル
基との交換である。
【0030】しかしながら、加水分解のみを、または加
水分解および交換反応を、最初から比較的高温で実施す
ることもできる。反応温度の選択は、出発材料の特定の
範囲にも依存する。反応性の高い出発材料は、比較的低
温でも反応するが、反応性の低い出発材料には、高温で
の反応が必要である。交換反応の種類も明らかに反応温
度のレベルにより影響を受ける。交換反応が比較的反応
性の低い基の交換である場合には、比較的高温で実施す
る。
水分解および交換反応を、最初から比較的高温で実施す
ることもできる。反応温度の選択は、出発材料の特定の
範囲にも依存する。反応性の高い出発材料は、比較的低
温でも反応するが、反応性の低い出発材料には、高温で
の反応が必要である。交換反応の種類も明らかに反応温
度のレベルにより影響を受ける。交換反応が比較的反応
性の低い基の交換である場合には、比較的高温で実施す
る。
【0031】この反応を、反応条件下において不活性で
ある水不溶性溶媒の存在下または不存在下に実施する。
請求の範囲には十分に記載していないが、適した溶媒
は、例えばトルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシ
レン、キシレン異性体の混合物、メシチレン、エチルベ
ンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンまたはクロ
ロトルエンのような塩化ベンゼン、クロロホルムまたは
ジクロロメタンのような塩素化炭化水素、エーテル、特
にトルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、キ
シレン異性体の混合物、ビフェニル、ジフェニルメタン
またはジフェニルエーテルのような2つのベンゼン環を
有する芳香族、殊にo-キシレン、m-キシレン、p-キシレ
ン、キシレン異性体の混合物、ジフェニルメタンまたは
これらの溶媒の混合物である。特に、例えばDowtherm
(登録商標)、Diphyl(登録商標)またはSantotherm
(登録商標)の商標名で市販されているアルキル化ベン
ゼンおよび/またはジフェニルエーテルからなる市販の
伝熱油を使用することもできる。
ある水不溶性溶媒の存在下または不存在下に実施する。
請求の範囲には十分に記載していないが、適した溶媒
は、例えばトルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシ
レン、キシレン異性体の混合物、メシチレン、エチルベ
ンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンまたはクロ
ロトルエンのような塩化ベンゼン、クロロホルムまたは
ジクロロメタンのような塩素化炭化水素、エーテル、特
にトルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、キ
シレン異性体の混合物、ビフェニル、ジフェニルメタン
またはジフェニルエーテルのような2つのベンゼン環を
有する芳香族、殊にo-キシレン、m-キシレン、p-キシレ
ン、キシレン異性体の混合物、ジフェニルメタンまたは
これらの溶媒の混合物である。特に、例えばDowtherm
(登録商標)、Diphyl(登録商標)またはSantotherm
(登録商標)の商標名で市販されているアルキル化ベン
ゼンおよび/またはジフェニルエーテルからなる市販の
伝熱油を使用することもできる。
【0032】例えば、塩素/フッ素交換反応から得られ
るN'- 置換N-アミノ−テトラフルオロフタルイミドの粗
生成物中に存在する少量の不活性極性非プロトン性溶媒
の存在下に、この方法を実施することが同様に有利であ
る。その可溶化特性のために、これらの添加により高い
反応速度が得られる。従って、合成、例えば塩素/フッ
素交換において生じる粗生成物は、出発材料として有利
に使用することができる。
るN'- 置換N-アミノ−テトラフルオロフタルイミドの粗
生成物中に存在する少量の不活性極性非プロトン性溶媒
の存在下に、この方法を実施することが同様に有利であ
る。その可溶化特性のために、これらの添加により高い
反応速度が得られる。従って、合成、例えば塩素/フッ
素交換において生じる粗生成物は、出発材料として有利
に使用することができる。
【0033】適した不活性極性非プロトン性溶媒は、例
えばスルホラン(テトラメチレンスルホン)、テトラメ
チレンスルホキシド、ジメチルスルホキシド、ジメチル
スルホン、ジフェニルスルホキシド、ジフェニルスルホ
ンまたはそれらの混合物である。場合によっては、これ
らの溶媒は、出発材料として使用される反応混合物中
に、約0.1%〜約5%、特に約0.2%〜約2%の量
で存在する。
えばスルホラン(テトラメチレンスルホン)、テトラメ
チレンスルホキシド、ジメチルスルホキシド、ジメチル
スルホン、ジフェニルスルホキシド、ジフェニルスルホ
ンまたはそれらの混合物である。場合によっては、これ
らの溶媒は、出発材料として使用される反応混合物中
に、約0.1%〜約5%、特に約0.2%〜約2%の量
で存在する。
【0034】しかしながら、溶媒の添加は、通常行わな
いですむ。対応する置換または未置換のフタル酸を製造
しようとする場合には、生じる反応混合物を、例えば鉱
酸を添加することによって酸性化し、放出されるフタル
酸を、例えば濾過または抽出することによって分離す
る。
いですむ。対応する置換または未置換のフタル酸を製造
しようとする場合には、生じる反応混合物を、例えば鉱
酸を添加することによって酸性化し、放出されるフタル
酸を、例えば濾過または抽出することによって分離す
る。
【0035】
【実施例】以下の実施例により、本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明を限定するものではない。 実験部 例1 テトラクロロフタル酸の製造 30g(0.1mol) のN-アミノテトラクロロフタルイミドを、
150gの水および32g(0.8mol) の水酸化ナトリウム中に導
入する。次いで、20℃で撹拌しながら、1時間塩素を通
す。計量した塩素の量は、17.2g(0.243mol) である。
説明するが、本発明を限定するものではない。 実験部 例1 テトラクロロフタル酸の製造 30g(0.1mol) のN-アミノテトラクロロフタルイミドを、
150gの水および32g(0.8mol) の水酸化ナトリウム中に導
入する。次いで、20℃で撹拌しながら、1時間塩素を通
す。計量した塩素の量は、17.2g(0.243mol) である。
【0036】微細な懸濁液をさらに5時間30℃で撹拌
し、0.3gの亜ジチオン酸ナトリウムを添加することによ
って、過剰な塩素または次亜塩素酸塩を破壊し、そして
2℃に冷却して(氷浴)pH1まで、硫酸を添加する。
次いで、容易に撹拌できる懸濁液を吸引濾過し、フィル
ターケーキを、それぞれ50g の水で、2回洗浄する。乾
燥した後に、27.7g (理論量の91%)のテトラクロロフ
タル酸が、明るい黄色がかった粉末で得られる。 例2 テトラクロロフタル酸および安息香酸の混合物の製造 N-アミノテトラクロロフタルイミドの代わりに、41g(0.
1mol) のほぼ98%純度のN'- ベンゾイル-N- アミノテト
ラクロロフタルイミドおよび36g(0.9mol) の水酸化ナト
リウムを使用して、例1に規定した方法を繰り返す。
し、0.3gの亜ジチオン酸ナトリウムを添加することによ
って、過剰な塩素または次亜塩素酸塩を破壊し、そして
2℃に冷却して(氷浴)pH1まで、硫酸を添加する。
次いで、容易に撹拌できる懸濁液を吸引濾過し、フィル
ターケーキを、それぞれ50g の水で、2回洗浄する。乾
燥した後に、27.7g (理論量の91%)のテトラクロロフ
タル酸が、明るい黄色がかった粉末で得られる。 例2 テトラクロロフタル酸および安息香酸の混合物の製造 N-アミノテトラクロロフタルイミドの代わりに、41g(0.
1mol) のほぼ98%純度のN'- ベンゾイル-N- アミノテト
ラクロロフタルイミドおよび36g(0.9mol) の水酸化ナト
リウムを使用して、例1に規定した方法を繰り返す。
【0037】計量した塩素の量は、18.0g である。例1
に規定した方法を繰り返し、さらに、過剰な塩素または
次亜塩素酸塩を破壊し、混合物を酸性化し、濾過し、濾
過生成物を乾燥する。テトラクロロフタル酸および安息
香酸からなる39g の明るい黄色がかった混合物が得られ
る。 例3 3,5,6-トリクロロフタル酸の製造 50g (85〜90%純度)の3,3',5,5',6,6'- ヘキサクロロ
ビスフタルイミドを、30℃で1時間かけて、21.3g(0.3m
ol) の塩素、40g(1mol) の水酸化ナトリウムおよび150g
の水から製造される漂白液中に導入する。さらに、HPLC
により完全な転化が示されるまで、この混合物を撹拌す
る(5.25時間)。0.5gの亜硫酸ナトリウムを20℃で添加
することによって、過剰な塩素または次亜塩素酸塩を破
壊し、工業品質の塩酸(30%濃度)を用いて、この混合
物をpH1になるまで酸性化する。
に規定した方法を繰り返し、さらに、過剰な塩素または
次亜塩素酸塩を破壊し、混合物を酸性化し、濾過し、濾
過生成物を乾燥する。テトラクロロフタル酸および安息
香酸からなる39g の明るい黄色がかった混合物が得られ
る。 例3 3,5,6-トリクロロフタル酸の製造 50g (85〜90%純度)の3,3',5,5',6,6'- ヘキサクロロ
ビスフタルイミドを、30℃で1時間かけて、21.3g(0.3m
ol) の塩素、40g(1mol) の水酸化ナトリウムおよび150g
の水から製造される漂白液中に導入する。さらに、HPLC
により完全な転化が示されるまで、この混合物を撹拌す
る(5.25時間)。0.5gの亜硫酸ナトリウムを20℃で添加
することによって、過剰な塩素または次亜塩素酸塩を破
壊し、工業品質の塩酸(30%濃度)を用いて、この混合
物をpH1になるまで酸性化する。
【0038】懸濁液を吸引濾過し、フィルターケーキを
100gの水で洗浄する。乾燥した後に、22.1g (理論量の
82%)の3,5,6-トリクロロフタル酸が、明るい灰色の微
細な粉末で得られる。 例4 3,5,6-トリフルオロフタル酸の製造 塩素−フッ素交換によりヘキサクロロビスフタルイミド
から製造される28g (85〜90%純度)の未加工の褐色の
3,3',5,5',6,6'- ヘキサフルオロビスフタルイミドを、
10℃で、80g の水および28g (85%純度)の水酸化カリ
ウムからなる混合物中に導入する。次いで、全量で32g
(0.2mol) の臭素を20℃で撹拌しながら、滴下して加
え、さらに、HPLCにより完全な転化が示されるまで、こ
の温度で、この混合物を撹拌する(30分)。3gの亜ジチ
オン酸ナトリウムを添加することによって、過剰な臭素
または次亜臭素酸塩を破壊し、この混合物をpH1に酸
性化し、メチルターシャリーブチルエーテルを用いて連
続して抽出する(5時間)。この結果得られる有機相を
MgSO4 を用いて乾燥し、溶媒を減圧下に除去する。
100gの水で洗浄する。乾燥した後に、22.1g (理論量の
82%)の3,5,6-トリクロロフタル酸が、明るい灰色の微
細な粉末で得られる。 例4 3,5,6-トリフルオロフタル酸の製造 塩素−フッ素交換によりヘキサクロロビスフタルイミド
から製造される28g (85〜90%純度)の未加工の褐色の
3,3',5,5',6,6'- ヘキサフルオロビスフタルイミドを、
10℃で、80g の水および28g (85%純度)の水酸化カリ
ウムからなる混合物中に導入する。次いで、全量で32g
(0.2mol) の臭素を20℃で撹拌しながら、滴下して加
え、さらに、HPLCにより完全な転化が示されるまで、こ
の温度で、この混合物を撹拌する(30分)。3gの亜ジチ
オン酸ナトリウムを添加することによって、過剰な臭素
または次亜臭素酸塩を破壊し、この混合物をpH1に酸
性化し、メチルターシャリーブチルエーテルを用いて連
続して抽出する(5時間)。この結果得られる有機相を
MgSO4 を用いて乾燥し、溶媒を減圧下に除去する。
【0039】13g (ほぼ86%純度)の褐色油が得られ、
これは、純粋な状態の使用したヘキサフルオロビスフタ
ルイミドに対して80〜85%の収率に相当する。 例5 4-ヒドロキシ-3,5,6- トリフルオロフタル酸のカリウム
塩の製造 85.4g の水および43.6g(0.66mol)の水酸化カリウム(85
%純度)を取り、25.3g(0.05mol)の86.3%純度のオクタ
フルオロビスフタルイミドを、2時間かけて、5℃で、
撹拌しながら導入する。次いで、7.8g(0.11mol) の塩素
を、5℃(氷浴)で撹拌しながら30分かけて、この混合
物に導入し、懸濁液を清澄化し、溶液に変換する。さら
に1時間撹拌した後に、HPLCが完全な変換を示すが、過
剰な塩素または次亜塩素酸塩は、依然として残留してい
る。氷浴を取り除き、3時間かけて、温度を20℃に上昇
させる。過剰な塩素または次亜塩素酸塩を取り除くため
に、1.8gの亜硫酸ナトリウムおよび次いで8.7gの水酸化
カリウムを添加し、この混合物を撹拌しながら、5時間
70℃に加熱する。
これは、純粋な状態の使用したヘキサフルオロビスフタ
ルイミドに対して80〜85%の収率に相当する。 例5 4-ヒドロキシ-3,5,6- トリフルオロフタル酸のカリウム
塩の製造 85.4g の水および43.6g(0.66mol)の水酸化カリウム(85
%純度)を取り、25.3g(0.05mol)の86.3%純度のオクタ
フルオロビスフタルイミドを、2時間かけて、5℃で、
撹拌しながら導入する。次いで、7.8g(0.11mol) の塩素
を、5℃(氷浴)で撹拌しながら30分かけて、この混合
物に導入し、懸濁液を清澄化し、溶液に変換する。さら
に1時間撹拌した後に、HPLCが完全な変換を示すが、過
剰な塩素または次亜塩素酸塩は、依然として残留してい
る。氷浴を取り除き、3時間かけて、温度を20℃に上昇
させる。過剰な塩素または次亜塩素酸塩を取り除くため
に、1.8gの亜硫酸ナトリウムおよび次いで8.7gの水酸化
カリウムを添加し、この混合物を撹拌しながら、5時間
70℃に加熱する。
【0040】187gの澄んだ溶液が得られ、これは14.11g
(0.0597mol) の4-ヒドロキシ-3,5,6- トリフルオロフタ
ル酸の量の当量のカリウム塩(収率:理論値に対して5
9.7%)を含む。この水溶液を、さらに直接処理するこ
とができ、塩または遊離酸としての生成物の単離は必要
ない。 例6 4-ヒドロキシ-3,5,6- トリフルオロフタル酸のカリウム
塩の製造 85.4g の水および43.6g(0.66mol)の水酸化カリウム(85
%純度)を取り、25.3g(0.05mol)の86.3%純度のオクタ
フルオロビスフタルイミドを、2時間かけて、10〜15℃
で、撹拌しながら導入する。次いで、この混合物を、1
7.6g(0.11mol)の臭素、21.8g の85%純度のKOH および4
7.7g の水から製造された臭素漂白液の状態の0.11mol
の臭素と、15〜20℃で2時間かけて混合する。
(0.0597mol) の4-ヒドロキシ-3,5,6- トリフルオロフタ
ル酸の量の当量のカリウム塩(収率:理論値に対して5
9.7%)を含む。この水溶液を、さらに直接処理するこ
とができ、塩または遊離酸としての生成物の単離は必要
ない。 例6 4-ヒドロキシ-3,5,6- トリフルオロフタル酸のカリウム
塩の製造 85.4g の水および43.6g(0.66mol)の水酸化カリウム(85
%純度)を取り、25.3g(0.05mol)の86.3%純度のオクタ
フルオロビスフタルイミドを、2時間かけて、10〜15℃
で、撹拌しながら導入する。次いで、この混合物を、1
7.6g(0.11mol)の臭素、21.8g の85%純度のKOH および4
7.7g の水から製造された臭素漂白液の状態の0.11mol
の臭素と、15〜20℃で2時間かけて混合する。
【0041】この結果得られる褐色の溶液をさらに1時
間撹拌し、次いで0.7gの亜ジチオン酸ナトリウムと混合
する。次いで、この混合物を6.75時間70℃に加熱し、25
5.7gの澄んだ褐色の水溶液が得られ、これは21.6g の4-
ヒドロキシ-3,5,6- トリフルオロフタル酸の量の当量の
カリウム塩(収率:理論値に対して91.5%)を含む。こ
の水溶液を、さらに直接処理することができ、塩または
遊離酸としての生成物の単離は必要ない。
間撹拌し、次いで0.7gの亜ジチオン酸ナトリウムと混合
する。次いで、この混合物を6.75時間70℃に加熱し、25
5.7gの澄んだ褐色の水溶液が得られ、これは21.6g の4-
ヒドロキシ-3,5,6- トリフルオロフタル酸の量の当量の
カリウム塩(収率:理論値に対して91.5%)を含む。こ
の水溶液を、さらに直接処理することができ、塩または
遊離酸としての生成物の単離は必要ない。
【0042】反応の開始時に、6.5gの臭化カリウムを、
水および水酸化カリウム中に取り、臭素漂白液の代わり
に2.46L の塩素ガス、21.8g の水酸化カリウムおよび4
2.7gの水から製造される塩素漂白液を使用し、その他は
上記と同様の手法で実施した場合にも、同様の結果が得
られる。 例7 テトラフルオロフタル酸の製造 85.4g の水および43.6g(0.66mol)の85%純度の水酸化カ
リウムおよび30g のキシレンを取り、25.3g の86.3%純
度のオクタフルオロビスフタルイミドを、2時間かけ
て、0〜5℃で、撹拌しながら導入する。濃厚な明るい
褐色の懸濁液が得られ、27.6g(0.11mol)のヨウ素を5〜
7℃で、30分かけて添加し、同時にさらに20g の水を滴
下して加える。終了後、明るい褐色の澄んだ溶液が、上
澄みの有機相とともに得られる。この溶液をさらに16時
間撹拌し、3.5gの亜硫酸ナトリウムを添加し、廃棄され
る有機相を分離する。水性相を、96%濃度の硫酸でpH
1に調整し、メチルターシャリーブチルエーテルで抽出
する。
水および水酸化カリウム中に取り、臭素漂白液の代わり
に2.46L の塩素ガス、21.8g の水酸化カリウムおよび4
2.7gの水から製造される塩素漂白液を使用し、その他は
上記と同様の手法で実施した場合にも、同様の結果が得
られる。 例7 テトラフルオロフタル酸の製造 85.4g の水および43.6g(0.66mol)の85%純度の水酸化カ
リウムおよび30g のキシレンを取り、25.3g の86.3%純
度のオクタフルオロビスフタルイミドを、2時間かけ
て、0〜5℃で、撹拌しながら導入する。濃厚な明るい
褐色の懸濁液が得られ、27.6g(0.11mol)のヨウ素を5〜
7℃で、30分かけて添加し、同時にさらに20g の水を滴
下して加える。終了後、明るい褐色の澄んだ溶液が、上
澄みの有機相とともに得られる。この溶液をさらに16時
間撹拌し、3.5gの亜硫酸ナトリウムを添加し、廃棄され
る有機相を分離する。水性相を、96%濃度の硫酸でpH
1に調整し、メチルターシャリーブチルエーテルで抽出
する。
【0043】有機相を乾燥し、溶媒を減圧下に除去す
る。28.0g の褐色の、ゆっくり結晶化する残留物が得ら
れ、これは校正したHPLCで測定して16.2g(0.068mol) の
テトラフルオロフタル酸(理論値の68%の収率)を含有
する。 比較例 酸化剤を添加しない反応 85.4g の水、43.6g の85%純度の水酸化カリウム、30g
のジフェニルエーテルおよび5gのキシレンを取り、25.3
g の86.3%純度のオクタフルオロビスフタルイミド(そ
れぞれ等しい8部に分割して)を、2時間かけて、15℃
で、撹拌しながら添加する。この混合物を、さらに2時
間撹拌する。
る。28.0g の褐色の、ゆっくり結晶化する残留物が得ら
れ、これは校正したHPLCで測定して16.2g(0.068mol) の
テトラフルオロフタル酸(理論値の68%の収率)を含有
する。 比較例 酸化剤を添加しない反応 85.4g の水、43.6g の85%純度の水酸化カリウム、30g
のジフェニルエーテルおよび5gのキシレンを取り、25.3
g の86.3%純度のオクタフルオロビスフタルイミド(そ
れぞれ等しい8部に分割して)を、2時間かけて、15℃
で、撹拌しながら添加する。この混合物を、さらに2時
間撹拌する。
【0044】分析(HPLC;1H-NMR )は、1つの環が開い
た唯一の生成物が形成され、同定できない第二の生成物
への転化が、<2%であることを示す。テトラフルオロ
フタル酸のカリウム塩または遊離酸は、検知できない。
次いで、この混合物を23℃に加熱し、この温度で18.75
時間撹拌する。この後においても、この混合物は、依然
として変化しない。次いで、撹拌しながら、この温度を
2.25時間40〜45℃に上昇させる。分析は、依然として1
つの環が開いた唯一の生成物が形成され、同定できない
第二の生成物への転化が約5%であることを示す。テト
ラフルオロフタル酸のカリウム塩または遊離酸は、検知
できない。
た唯一の生成物が形成され、同定できない第二の生成物
への転化が、<2%であることを示す。テトラフルオロ
フタル酸のカリウム塩または遊離酸は、検知できない。
次いで、この混合物を23℃に加熱し、この温度で18.75
時間撹拌する。この後においても、この混合物は、依然
として変化しない。次いで、撹拌しながら、この温度を
2.25時間40〜45℃に上昇させる。分析は、依然として1
つの環が開いた唯一の生成物が形成され、同定できない
第二の生成物への転化が約5%であることを示す。テト
ラフルオロフタル酸のカリウム塩または遊離酸は、検知
できない。
【0045】3時間かけて温度を60℃に上昇させること
によって、テトラフルオロフタル酸のカリウム塩または
遊離酸とも、4-ヒドロキシ-3,5,6- トリフルオロフタル
酸のカリウム塩または遊離酸とも同定できない生成物が
得られる。転化(約40%)を実施すると、一部はそれ以
上反応しない中間体を導くが、制御実験が示すように依
然として反応することができ、4-ヒドロキシ-3,5,6- ト
リフルオロフタル酸のカリウム塩が得られる。 対照実験(比較実験に続けて) 酸化剤を添加して比較実験を延長 比較実験で得られた反応混合物を、68.4g の6.7 %濃度
の塩素漂白液および21g の水と、2.5 時間かけて、15℃
で撹拌しながら、混合する。添加が終了してすぐに、依
然として存在する出発材料、すなわちオクタフルオロビ
スフタルイミドを、完全にテトラフルオロフタル酸のカ
リウム塩に転換する。
によって、テトラフルオロフタル酸のカリウム塩または
遊離酸とも、4-ヒドロキシ-3,5,6- トリフルオロフタル
酸のカリウム塩または遊離酸とも同定できない生成物が
得られる。転化(約40%)を実施すると、一部はそれ以
上反応しない中間体を導くが、制御実験が示すように依
然として反応することができ、4-ヒドロキシ-3,5,6- ト
リフルオロフタル酸のカリウム塩が得られる。 対照実験(比較実験に続けて) 酸化剤を添加して比較実験を延長 比較実験で得られた反応混合物を、68.4g の6.7 %濃度
の塩素漂白液および21g の水と、2.5 時間かけて、15℃
で撹拌しながら、混合する。添加が終了してすぐに、依
然として存在する出発材料、すなわちオクタフルオロビ
スフタルイミドを、完全にテトラフルオロフタル酸のカ
リウム塩に転換する。
【0046】さらに、反応の普通ではない経過を経た中
間体をできるだけ転化するために、この混合物を、この
温度で20時間撹拌し、次いで、この混合物を5時間かけ
て70℃で反応させ、4-ヒドロキシ-3,5,6- トリフルオロ
フタル酸のカリウム塩を得る。反応混合物は、理論値の
79.5%の収率(内標準でHPLCにより測定)で、4-ヒドロ
キシ-3,5,6- トリフルオロフタル酸のカリウム塩を含有
する。 例8 4-ヒドロキシ-3,5,6- トリフルオロフタル酸のカリウム
塩の製造 247.6gの6.7 %濃度の塩素漂白液、17.2g の水、8.6gの
水酸化カリウムおよび30g のジフェニルエーテルを取
り、25.3g(0.05mol)のオクタフルオロビスフタルイミド
を、1.75時間かけて、13〜21℃で、撹拌しながら導入す
る。この混合物を、さらに3.5 時間撹拌し、5gのキシレ
ンを3時間後に添加する。二相からなる混合物が得られ
る。水性相を分離し、撹拌しながら2時間70℃に加熱す
る。冷却した後に得られる水溶液は、13.5g の4-ヒドロ
キシ-3,5,6- トリフルオロフタル酸の量の当量のカリウ
ム塩(収率:理論値に対して57.2%)を含む。 例9 4-ヒドロキシ-3,5,6- トリフルオロフタル酸のカリウム
塩の製造 133.1gの水、65.4g(0.66mol)の水酸化カリウム、30g の
ジクロロトルエンおよび10g のアルキル基中に6〜14個
の炭素原子を有する種々の脂肪族トリアルキルアミンの
混合物(Hostarex 327;ヘキスト社から市販)を取り、
25.3g(0.05mol)の86.3%純度のオクタフルオロビスフタ
ルイミドを、1時間かけて、5〜10℃で導入する。次い
で、17.6g(0.11mol)の臭素を、5時間かけて、10〜12℃
で激しく撹拌しながら添加し、この混合物を、さらに1
時間撹拌し、次いで0.3gの亜ジチオン酸ナトリウムと混
合する。次いで、この混合物を、撹拌しながら3時間80
℃に加熱し、二相からなる混合物が得られる。下相は、
279.9gの澄んだ褐色の水性相に相当し、これは20.0g の
4-ヒドロキシ-3,5,6- トリフルオロフタル酸の量の当量
のカリウム塩(収率:理論値に対して84.7%)を含有す
る。
間体をできるだけ転化するために、この混合物を、この
温度で20時間撹拌し、次いで、この混合物を5時間かけ
て70℃で反応させ、4-ヒドロキシ-3,5,6- トリフルオロ
フタル酸のカリウム塩を得る。反応混合物は、理論値の
79.5%の収率(内標準でHPLCにより測定)で、4-ヒドロ
キシ-3,5,6- トリフルオロフタル酸のカリウム塩を含有
する。 例8 4-ヒドロキシ-3,5,6- トリフルオロフタル酸のカリウム
塩の製造 247.6gの6.7 %濃度の塩素漂白液、17.2g の水、8.6gの
水酸化カリウムおよび30g のジフェニルエーテルを取
り、25.3g(0.05mol)のオクタフルオロビスフタルイミド
を、1.75時間かけて、13〜21℃で、撹拌しながら導入す
る。この混合物を、さらに3.5 時間撹拌し、5gのキシレ
ンを3時間後に添加する。二相からなる混合物が得られ
る。水性相を分離し、撹拌しながら2時間70℃に加熱す
る。冷却した後に得られる水溶液は、13.5g の4-ヒドロ
キシ-3,5,6- トリフルオロフタル酸の量の当量のカリウ
ム塩(収率:理論値に対して57.2%)を含む。 例9 4-ヒドロキシ-3,5,6- トリフルオロフタル酸のカリウム
塩の製造 133.1gの水、65.4g(0.66mol)の水酸化カリウム、30g の
ジクロロトルエンおよび10g のアルキル基中に6〜14個
の炭素原子を有する種々の脂肪族トリアルキルアミンの
混合物(Hostarex 327;ヘキスト社から市販)を取り、
25.3g(0.05mol)の86.3%純度のオクタフルオロビスフタ
ルイミドを、1時間かけて、5〜10℃で導入する。次い
で、17.6g(0.11mol)の臭素を、5時間かけて、10〜12℃
で激しく撹拌しながら添加し、この混合物を、さらに1
時間撹拌し、次いで0.3gの亜ジチオン酸ナトリウムと混
合する。次いで、この混合物を、撹拌しながら3時間80
℃に加熱し、二相からなる混合物が得られる。下相は、
279.9gの澄んだ褐色の水性相に相当し、これは20.0g の
4-ヒドロキシ-3,5,6- トリフルオロフタル酸の量の当量
のカリウム塩(収率:理論値に対して84.7%)を含有す
る。
【0047】二相からなるこの混合物を、相分離なし
で、そして生成物の単離なしで直接さらに処理すること
ができる。
で、そして生成物の単離なしで直接さらに処理すること
ができる。
Claims (18)
- 【請求項1】 置換または未置換フタル酸の塩の製造方
法において、下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ同一である
か、相異し、H 、F 、Cl、Br、CF3、OH、それぞれ1〜
4個の炭素原子を有するアルコキシまたはアルキル基、
または-NR7R8基(式中、R7およびR8は、同一であるか、
または相異し、H 、1〜4個の炭素原子を有するアルキ
ル基またはフェニル基を意味する)を意味し、R5および
R6は、同一であるか、または相異し、H 、アルキル基中
に1〜6個の炭素原子を有する-CO-アルキル基またはベ
ンゾイル基を意味するか、またはR5およびR6が一緒にな
って、下記一般式(2) 【化2】 (式中、R9、R10 、R11 およびR12 は、それぞれ同一で
あるか、または相異し、H 、F 、Cl、Br、CF3 、OH、そ
れぞれ1〜4個の炭素原子を有するアルコキシまたはア
ルキル基、または-NR7R8基(式中、R7およびR8は、同一
であるか、または相異し、H 、1〜4個の炭素原子を有
するアルキル基またはフェニル基を意味する)を意味す
る)で表される遊離基を形成する)で表される化合物
を、水、水溶性塩基および酸化剤と、-10 〜150 ℃の温
度で、反応条件下において不活性である水不溶性溶媒の
存在下または不存在下に反応させることを特徴とする上
記方法。 - 【請求項2】 一般式(1)において、R1、R2、R3およ
びR4が、同一であるか、または相異し、H 、F 、Cl、OH
または1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基である
化合物を使用する請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 一般式(1)において、R1、R2、R3およ
びR4が、同一であるか、または相異し、F 、OHまたは1
〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基である化合物を
使用する請求項1または2に記載する方法。 - 【請求項4】 一般式(1)において、R5およびR6が、
遊離基(2)を形成し、R9、R10 、R11 およびR12 が、
同一であるか、または相異し、H 、F 、Cl、OHまたは1
〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基である化合物を
使用する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 - 【請求項5】 一般式(1)において、R5およびR6が、
遊離基(2)を形成し、R9、R10 、R11 およびR12 が、
同一であるか、または相異し、F 、OHまたは1〜4個の
炭素原子を有するアルコキシ基である化合物を使用する
請求項1〜4のいずれかに記載の方法。 - 【請求項6】 下記一般式(3) 【化3】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、上記と同様の意味を有
する)で表される化合物を使用する請求項1〜5のいず
れかに記載の方法。 - 【請求項7】 下記一般式 【化4】 で表されるオクタフルオロビスフタルイミドを使用する
請求項1〜6のいずれかに記載の方法。 - 【請求項8】 放出されるフタル酸1モル当たり、2〜
3000、特に10〜500、殊に30〜200 モルの水を使用する
請求項1〜7のいずれかに記載の方法。 - 【請求項9】 放出されるフタル酸1モル当たり、2〜
30、特に3〜15、殊に4〜10当量の水溶性塩基を使用す
る請求項1〜8のいずれかに記載の方法。 - 【請求項10】 使用される水溶性塩基が、アルカリ金
属酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属酸
化物またはアルカリ土類金属水酸化物またはそれらの混
合物である請求項1〜9のいずれかに記載の方法。 - 【請求項11】 使用される水溶性塩基が、水酸化ナト
リウムまたは水酸化カリウムである請求項1〜10のい
ずれかに記載の方法。 - 【請求項12】 酸化剤を、ヒドラジンの窒素への酸化
に必要な量の1〜5倍で使用する請求項1〜11のいず
れかに記載の方法。 - 【請求項13】 酸化剤を、ヒドラジンの窒素への酸化
に必要な量の1.05〜2倍で使用する請求項1〜12のい
ずれかに記載の方法。 - 【請求項14】 使用される酸化剤が、ハロゲン、次亜
ハロゲン酸塩、過酸化水素、NO2 、N2O4、N2O3、N2O5、
亜硝酸塩またはそれらの混合物である請求項1〜13の
いずれかに記載の方法 - 【請求項15】 使用される酸化剤が、Cl2 、Br2 、
I2、ClO - 、BrO - 、IO- またはそれらの混合物である
請求項1〜14のいずれかに記載の方法。 - 【請求項16】 水溶性塩基および酸化剤を、同時に導
入する請求項1〜15のいずれかに記載の方法。 - 【請求項17】 水溶性塩基を最初に添加し、酸化剤
を、塩基の添加の際に、または塩基の添加の後に添加す
る請求項1〜15のいずれかに記載の方法。 - 【請求項18】 反応を、-5〜110 、特に0〜90℃で実
施する請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
DE19515986A DE19515986A1 (de) | 1995-05-02 | 1995-05-02 | Verfahren zur Herstellung von Salzen substituierter oder unsubstituierter Phthalsäuren |
DE19515986:1 | 1995-05-02 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08319254A true JPH08319254A (ja) | 1996-12-03 |
Family
ID=7760815
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8110858A Withdrawn JPH08319254A (ja) | 1995-05-02 | 1996-05-01 | 置換または未置換フタル酸塩の製造方法 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5723658A (ja) |
EP (1) | EP0741123B1 (ja) |
JP (1) | JPH08319254A (ja) |
CA (1) | CA2175527A1 (ja) |
DE (2) | DE19515986A1 (ja) |
SG (1) | SG52793A1 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8455680B2 (en) * | 2008-01-15 | 2013-06-04 | Eastman Chemical Company | Carboxylic acid production process employing solvent from esterification of lignocellulosic material |
EP3008050B1 (de) | 2014-04-24 | 2016-12-14 | Clariant International Ltd | Katalysatoranordnung mit optimiertem lückengrad zur herstellung von phthalsäureanhydrid |
WO2020164217A1 (en) | 2019-02-15 | 2020-08-20 | Fujian Yongjing Technology Co., Ltd | New process for manufacture of fluoroaryl compounds and derivatives |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63258442A (ja) * | 1986-08-18 | 1988-10-25 | Sds Biotech Kk | テトラフルオロフタル酸の製造方法 |
US4769493A (en) * | 1986-08-18 | 1988-09-06 | Sds Biotech K.K. | Process for producing tetrafluorophthalic acid |
EP0510491B1 (de) * | 1991-04-25 | 1994-08-03 | Hoechst Aktiengesellschaft | N'-substituierte N-Amino-3,4,5,6-tetrafluorphthalimide und Verfahren zu ihrer Herstellung |
ES2089644T3 (es) * | 1992-07-10 | 1996-10-01 | Hoechst Ag | Procedimiento para la preparacion de acido tetrafluoro-ftalico y/o anhidrido de acido tetrafluoro-ftalico. |
-
1995
- 1995-05-02 DE DE19515986A patent/DE19515986A1/de not_active Withdrawn
-
1996
- 1996-04-25 EP EP96106481A patent/EP0741123B1/de not_active Expired - Lifetime
- 1996-04-25 DE DE59609672T patent/DE59609672D1/de not_active Expired - Fee Related
- 1996-04-30 SG SG1996009642A patent/SG52793A1/en unknown
- 1996-05-01 CA CA002175527A patent/CA2175527A1/en not_active Abandoned
- 1996-05-01 JP JP8110858A patent/JPH08319254A/ja not_active Withdrawn
- 1996-05-02 US US08/641,757 patent/US5723658A/en not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
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EP0741123A1 (de) | 1996-11-06 |
EP0741123B1 (de) | 2002-09-18 |
SG52793A1 (en) | 1998-09-28 |
CA2175527A1 (en) | 1996-11-03 |
US5723658A (en) | 1998-03-03 |
DE59609672D1 (de) | 2002-10-24 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A761 | Written withdrawal of application |
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