JPH08304627A - 光学素子の製造方法およびそれに用いる微小液晶高分子層領域 - Google Patents
光学素子の製造方法およびそれに用いる微小液晶高分子層領域Info
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- JPH08304627A JPH08304627A JP12891095A JP12891095A JPH08304627A JP H08304627 A JPH08304627 A JP H08304627A JP 12891095 A JP12891095 A JP 12891095A JP 12891095 A JP12891095 A JP 12891095A JP H08304627 A JPH08304627 A JP H08304627A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高コントラスト化、カラー化、透過率の向上
および視角の改良に効果を示す光学素子の製造方法を提
供する。 【構成】 配向基板上に形成された液晶高分子層におい
て、最小の差渡し (Lmin)が10mm以下であ
り、かつLmin/d(dは液晶高分子層の厚み)が10
以上となるように設定した微小液晶高分子層領域を、接
着剤を介して他の基板に接着し、次いで、該配向基板と
他の基板とを剥離することにより微小液晶高分子層領域
を他の基板上に転写することを特徴とする光学素子の製
造方法、およびそれに用いる微小液晶高分子層領域。
および視角の改良に効果を示す光学素子の製造方法を提
供する。 【構成】 配向基板上に形成された液晶高分子層におい
て、最小の差渡し (Lmin)が10mm以下であ
り、かつLmin/d(dは液晶高分子層の厚み)が10
以上となるように設定した微小液晶高分子層領域を、接
着剤を介して他の基板に接着し、次いで、該配向基板と
他の基板とを剥離することにより微小液晶高分子層領域
を他の基板上に転写することを特徴とする光学素子の製
造方法、およびそれに用いる微小液晶高分子層領域。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子に用いる
光学素子に係るものであり、詳しくは高コントラスト
化、カラー化、透過率の向上および視角の改良を図るこ
とができる光学素子の製造方法に関するものである。
光学素子に係るものであり、詳しくは高コントラスト
化、カラー化、透過率の向上および視角の改良を図るこ
とができる光学素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶高分子、特にねじれネマチック構造
を固定化させた液晶高分子からなる光学素子は、液晶表
示用色補償板や液晶表示用視野角改良板として画期的な
性能を示し、液晶表示装置の高性能化、軽量化および薄
膜化に寄与している。この光学素子の製造方法として、
配向基板上に形成された液晶高分子からなる層を透光性
基板上に転写する方法が提案されている(特開平4−5
7017号公報、特開平4−177216号公報)。こ
れらの製造法によって配向基板と透光性基板の役割を分
離することが可能になったために、種々の製品形態の光
学素子を製造することができるようになり、特にフィル
ムタイプの液晶高分子からなる光学素子への道が開かれ
た。
を固定化させた液晶高分子からなる光学素子は、液晶表
示用色補償板や液晶表示用視野角改良板として画期的な
性能を示し、液晶表示装置の高性能化、軽量化および薄
膜化に寄与している。この光学素子の製造方法として、
配向基板上に形成された液晶高分子からなる層を透光性
基板上に転写する方法が提案されている(特開平4−5
7017号公報、特開平4−177216号公報)。こ
れらの製造法によって配向基板と透光性基板の役割を分
離することが可能になったために、種々の製品形態の光
学素子を製造することができるようになり、特にフィル
ムタイプの液晶高分子からなる光学素子への道が開かれ
た。
【0003】しかしながら、光学素子、特に液晶表示素
子用の光学素子に対する技術革新の要求は多様性を増し
てきており、同一面内において単一または複数の機能を
示す光学素子を容易に製造する方法の出現が望まれてい
る。すなわち、同一基板上に異なる光学性能を有する領
域を形成する場合には、従来、保護層を設けてレジスト
などを用いる複雑なプロセスが必要とされている。しか
し、液晶高分子からなる領域を設ける場合には液晶高分
子の配向を保持する必要上、このような複雑なプロセス
を適用することは困難である。
子用の光学素子に対する技術革新の要求は多様性を増し
てきており、同一面内において単一または複数の機能を
示す光学素子を容易に製造する方法の出現が望まれてい
る。すなわち、同一基板上に異なる光学性能を有する領
域を形成する場合には、従来、保護層を設けてレジスト
などを用いる複雑なプロセスが必要とされている。しか
し、液晶高分子からなる領域を設ける場合には液晶高分
子の配向を保持する必要上、このような複雑なプロセス
を適用することは困難である。
【0004】本発明者らは、配向基板上に形成された液
晶高分子層を粘接着剤層を介して他の基板上に転写する
際に、転写すべき部分のみに粘接着剤を塗布して貼り合
わせ、硬化した後に配向基板の剥離を行うことにより、
粘接着剤を塗布した部分のみの液晶高分子層を他の基板
上に転写する方法を開示している(特願平5−2877
41号公報)。この発明により同一面内で複数の光学機
能を示す光学素子を製造することが可能である。
晶高分子層を粘接着剤層を介して他の基板上に転写する
際に、転写すべき部分のみに粘接着剤を塗布して貼り合
わせ、硬化した後に配向基板の剥離を行うことにより、
粘接着剤を塗布した部分のみの液晶高分子層を他の基板
上に転写する方法を開示している(特願平5−2877
41号公報)。この発明により同一面内で複数の光学機
能を示す光学素子を製造することが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液晶表
示素子の技術分野においては、転写される液晶高分子領
域の大きさはしばしば液晶表示素子のピクセルの大きさ
と同一かまたはそれより小さいことが要求され、微小液
晶高分子層領域を確実に転写する方法の開発が望まれて
いる。この技術が開発されると、二つ以上の異なる液晶
高分子層を順次液晶表示素子のピクセルサイズで転写す
ることもでき、同一面内で単一の光学機能を有する微細
パターンにより形成された光学素子は、ミクロレンズア
レイ、光散乱板、光屈折板として利用することができ、
しかも安価に生産することができるので有用である。一
方、同一面内で複数の光学機能を有する微細パターンに
より形成された光学素子は、複屈折カラーフィルター、
カラー反射板または視野角補償板として有用である。
示素子の技術分野においては、転写される液晶高分子領
域の大きさはしばしば液晶表示素子のピクセルの大きさ
と同一かまたはそれより小さいことが要求され、微小液
晶高分子層領域を確実に転写する方法の開発が望まれて
いる。この技術が開発されると、二つ以上の異なる液晶
高分子層を順次液晶表示素子のピクセルサイズで転写す
ることもでき、同一面内で単一の光学機能を有する微細
パターンにより形成された光学素子は、ミクロレンズア
レイ、光散乱板、光屈折板として利用することができ、
しかも安価に生産することができるので有用である。一
方、同一面内で複数の光学機能を有する微細パターンに
より形成された光学素子は、複屈折カラーフィルター、
カラー反射板または視野角補償板として有用である。
【0006】例えば視野角補償板としては、コレステリ
ック液晶を液晶ディスプレーの視野角特性改良に応用し
た例が特開平5−40277号公報、特開平3−672
19号公報などに開示されている。しかしながら、これ
らの視野角改良効果は視野角を全方位にわたって改良す
るものではなく、視野角の良好な方位を移動させている
にすぎず、視野角特性改良の技術としては制限がある。
さらに視野角を改良するために、面内で複数の領域にお
いて液晶のねじれ方向を変えた液晶セルを用いる方法が
開示されたが(特開平5−107544号公報)、微小
領域でラビング角度やねじれ方向を変えるには高度で複
雑なプロセスが要求される。
ック液晶を液晶ディスプレーの視野角特性改良に応用し
た例が特開平5−40277号公報、特開平3−672
19号公報などに開示されている。しかしながら、これ
らの視野角改良効果は視野角を全方位にわたって改良す
るものではなく、視野角の良好な方位を移動させている
にすぎず、視野角特性改良の技術としては制限がある。
さらに視野角を改良するために、面内で複数の領域にお
いて液晶のねじれ方向を変えた液晶セルを用いる方法が
開示されたが(特開平5−107544号公報)、微小
領域でラビング角度やねじれ方向を変えるには高度で複
雑なプロセスが要求される。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、配向基
板上に形成された液晶高分子層において、最小の差渡し
(Lmin)が10mm以下であり、かつLmin/d(dは
液晶高分子層の厚み)が10以上となるように設定した
微小液晶高分子層領域を、接着剤を介して他の基板に接
着し、次いで、配向基板と他の基板とを剥離することに
より微小液晶高分子層領域を他の基板上に転写すること
を特徴とする光学素子の製造方法に関する。本発明の第
2は、(1)第1の配向基板上に形成された第1の液晶
高分子層において、最小の差渡し (Lmin)が10m
m以下であり、かつLmin/d(dは液晶高分子層の厚
み)が10以上となるように選定した微小液晶高分子層
領域を、接着剤を介して他の基板に接着し、次いで、第
1の配向基板から第1の液晶高分子層を剥離することに
より第1の微小液晶高分子層領域を転写する工程、およ
び(2)前記工程(1)において第1の微小液晶高分子
領域が形成された前記他の基板の面内の、第1の微小液
晶高分子領域が形成されていない部分と、第2の配向基
板上に形成された第2の液晶高分子層から工程(1)と
同様の条件で設定した微小液晶高分子層領域とを、工程
(1)と同様にして接着剤を介して接着し、次いで、第
2の配向基板と他の基板とを剥離することにより第2の
微小液晶高分子層領域を他の基板上に転写する工程から
なることを特徴とする、同一基板上に同一または異なる
光学機能を有する多数の微小液晶高分子層領域が所定の
配列で形成された光学素子の製造方法に関する。本発明
の第3は、前記接着剤が、熱硬化型、光硬化型および電
子線硬化型から選ばれることを特徴とする本発明の第1
または第2の光学素子の製造方法に関する。本発明の第
4は、前記液晶高分子が、液晶状態においてネマチッ
ク、コレステリック、スメクチックおよびキラルスメク
チックから選ばれる液晶層を形成し、かつ液晶転移温度
以下において液晶相の状態で固定化されたものであるこ
とを特徴とする本発明の第1または第2の光学素子の製
造方法に関する。本発明の第5は、最小の差渡し(L
min)が10mm以下であり、かつLmin/d(dは液晶
高分子層の厚み)が10以上である微小液晶高分子層領
域に関する。本発明の第6は、配向基板上に形成された
液晶高分子層を接着剤を介して他の基板に接着してなる
ことを特徴とする本発明の第5の微小液晶高分子層領域
に関する。
板上に形成された液晶高分子層において、最小の差渡し
(Lmin)が10mm以下であり、かつLmin/d(dは
液晶高分子層の厚み)が10以上となるように設定した
微小液晶高分子層領域を、接着剤を介して他の基板に接
着し、次いで、配向基板と他の基板とを剥離することに
より微小液晶高分子層領域を他の基板上に転写すること
を特徴とする光学素子の製造方法に関する。本発明の第
2は、(1)第1の配向基板上に形成された第1の液晶
高分子層において、最小の差渡し (Lmin)が10m
m以下であり、かつLmin/d(dは液晶高分子層の厚
み)が10以上となるように選定した微小液晶高分子層
領域を、接着剤を介して他の基板に接着し、次いで、第
1の配向基板から第1の液晶高分子層を剥離することに
より第1の微小液晶高分子層領域を転写する工程、およ
び(2)前記工程(1)において第1の微小液晶高分子
領域が形成された前記他の基板の面内の、第1の微小液
晶高分子領域が形成されていない部分と、第2の配向基
板上に形成された第2の液晶高分子層から工程(1)と
同様の条件で設定した微小液晶高分子層領域とを、工程
(1)と同様にして接着剤を介して接着し、次いで、第
2の配向基板と他の基板とを剥離することにより第2の
微小液晶高分子層領域を他の基板上に転写する工程から
なることを特徴とする、同一基板上に同一または異なる
光学機能を有する多数の微小液晶高分子層領域が所定の
配列で形成された光学素子の製造方法に関する。本発明
の第3は、前記接着剤が、熱硬化型、光硬化型および電
子線硬化型から選ばれることを特徴とする本発明の第1
または第2の光学素子の製造方法に関する。本発明の第
4は、前記液晶高分子が、液晶状態においてネマチッ
ク、コレステリック、スメクチックおよびキラルスメク
チックから選ばれる液晶層を形成し、かつ液晶転移温度
以下において液晶相の状態で固定化されたものであるこ
とを特徴とする本発明の第1または第2の光学素子の製
造方法に関する。本発明の第5は、最小の差渡し(L
min)が10mm以下であり、かつLmin/d(dは液晶
高分子層の厚み)が10以上である微小液晶高分子層領
域に関する。本発明の第6は、配向基板上に形成された
液晶高分子層を接着剤を介して他の基板に接着してなる
ことを特徴とする本発明の第5の微小液晶高分子層領域
に関する。
【0008】以下、本発明をさらに説明する。本発明に
おいて、一枚の基板上に形成される微細な液晶高分子層
領域は、溶融時に液晶性を示すサーモトロピック液晶ポ
リマーからなる。光学素子用としては、均一でモノドメ
インな液晶相を示すものが好ましい。ここで選択される
サーモトロピック液晶ポリマーは、溶融時の液晶状態で
はネマチック、コレステリック、スメクチックおよびキ
ラルスメクチックの中から選ばれる液晶相を形成し、液
晶転移温度以下において液晶相が固定化することを特徴
とするものである。本発明の液晶高分子は、光学機能を
発揮する使用状態では固相であるから、溶融時の液晶状
態を冷却後の固化時においても発現させるために液晶相
が固定化される必要がある。すなわち、溶融時の液晶状
態にある間に液晶を適宜の方法、例えばラビングを施し
た配向基板などにより配向させ、そのまま固定化するこ
とができれば配向した液晶状態が固相として得られる。
従って、本発明においては、液晶転移温度以下に冷却す
ることにより液晶相が固定化される液晶であれば、液晶
転移温度以下の相の状態にかかわらず使用することがで
きる。通常は液晶転移温度の直下の温度でガラス相を示
すものが好ましい。この温度で結晶相を示すものは、溶
融時の液晶相が乱されるため好ましくないが、光学的機
能に影響を及ぼさないならばこの限りでない。
おいて、一枚の基板上に形成される微細な液晶高分子層
領域は、溶融時に液晶性を示すサーモトロピック液晶ポ
リマーからなる。光学素子用としては、均一でモノドメ
インな液晶相を示すものが好ましい。ここで選択される
サーモトロピック液晶ポリマーは、溶融時の液晶状態で
はネマチック、コレステリック、スメクチックおよびキ
ラルスメクチックの中から選ばれる液晶相を形成し、液
晶転移温度以下において液晶相が固定化することを特徴
とするものである。本発明の液晶高分子は、光学機能を
発揮する使用状態では固相であるから、溶融時の液晶状
態を冷却後の固化時においても発現させるために液晶相
が固定化される必要がある。すなわち、溶融時の液晶状
態にある間に液晶を適宜の方法、例えばラビングを施し
た配向基板などにより配向させ、そのまま固定化するこ
とができれば配向した液晶状態が固相として得られる。
従って、本発明においては、液晶転移温度以下に冷却す
ることにより液晶相が固定化される液晶であれば、液晶
転移温度以下の相の状態にかかわらず使用することがで
きる。通常は液晶転移温度の直下の温度でガラス相を示
すものが好ましい。この温度で結晶相を示すものは、溶
融時の液晶相が乱されるため好ましくないが、光学的機
能に影響を及ぼさないならばこの限りでない。
【0009】上記のように液晶相を示し、かつ固定化が
可能なポリマーとしては、ポリエステル、ポリアミド、
ポリカーボネート、ポリエステルアミドなどの主鎖型液
晶ポリマー、あるいはポリアクリレート、ポリメタクリ
レート、ポリマロネート、ポリシロキサンなどの側鎖型
液晶ポリマーを挙げることができる。また、これらの液
晶ポリマーの主鎖または側鎖に光学活性単位を共重合し
た光学活性液晶高分子も例示することができる。さら
に、低分子量または高分子量の光学活性化合物の適宜の
量を混合してなる液晶高分子組成物などを例示すること
ができる。なかでも合成の容易さ、配向性およびガラス
転移点などからポリエステルが好ましい。
可能なポリマーとしては、ポリエステル、ポリアミド、
ポリカーボネート、ポリエステルアミドなどの主鎖型液
晶ポリマー、あるいはポリアクリレート、ポリメタクリ
レート、ポリマロネート、ポリシロキサンなどの側鎖型
液晶ポリマーを挙げることができる。また、これらの液
晶ポリマーの主鎖または側鎖に光学活性単位を共重合し
た光学活性液晶高分子も例示することができる。さら
に、低分子量または高分子量の光学活性化合物の適宜の
量を混合してなる液晶高分子組成物などを例示すること
ができる。なかでも合成の容易さ、配向性およびガラス
転移点などからポリエステルが好ましい。
【0010】次に、液晶性ポリマーに混合することので
きる上記低分子量または高分子量の光学活性化合物につ
いて説明する。代表的な例として、まず光学的に活性な
低分子化合物を挙げることができる。光学活性を有する
化合物であればいずれも本発明に使用することができる
が、ベースポリマーとの相溶性の観点から、液晶性化合
物であることが望ましい。
きる上記低分子量または高分子量の光学活性化合物につ
いて説明する。代表的な例として、まず光学的に活性な
低分子化合物を挙げることができる。光学活性を有する
化合物であればいずれも本発明に使用することができる
が、ベースポリマーとの相溶性の観点から、液晶性化合
物であることが望ましい。
【0011】次に、光学活性化合物として用いることが
できる高分子化合物としては、分子内に光学活性基を有
する高分子化合物であればいずれも使用することができ
るが、ベースポリマーとの相溶性の観点から、液晶性を
示す高分子化合物であることが望ましい。光学活性基を
有する液晶性のポリアクリレート、ポリメタクリレー
ト、ポリマロネート、ポリシロキサン、ポリエステル、
ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリカーボネート、
あるいはポリペプチド、セルロースなどを挙げることが
できる。なかでもベースとなる液晶性ポリマーとの相溶
性の点から、芳香族主体の光学活性ポリエステルが最も
望ましい。
できる高分子化合物としては、分子内に光学活性基を有
する高分子化合物であればいずれも使用することができ
るが、ベースポリマーとの相溶性の観点から、液晶性を
示す高分子化合物であることが望ましい。光学活性基を
有する液晶性のポリアクリレート、ポリメタクリレー
ト、ポリマロネート、ポリシロキサン、ポリエステル、
ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリカーボネート、
あるいはポリペプチド、セルロースなどを挙げることが
できる。なかでもベースとなる液晶性ポリマーとの相溶
性の点から、芳香族主体の光学活性ポリエステルが最も
望ましい。
【0012】固体化された高分子液晶層に光学的な捻れ
を発現させたり、あるいはその捻れを調整したりするた
めには、高分子液晶層に光学活性を付与することが好ま
しく、この場合には前述のように、光学活性単位を共重
合した光学活性液晶高分子を用いるか、または低分子量
もしくは高分子量の光学活性化合物の適宜の量を混合し
てなる液晶高分子組成物などを用いる。目的とする光学
素子の所要機能として光学的な捻れを必要としない場
合、例えば、液晶高分子層の複屈折性などを主として利
用する光学素子の場合には、特に液晶高分子層に光学活
性を付与する必要はない。なお、微小液晶高分子層領域
において液晶高分子層が実質上モノドメインであること
が好ましい。
を発現させたり、あるいはその捻れを調整したりするた
めには、高分子液晶層に光学活性を付与することが好ま
しく、この場合には前述のように、光学活性単位を共重
合した光学活性液晶高分子を用いるか、または低分子量
もしくは高分子量の光学活性化合物の適宜の量を混合し
てなる液晶高分子組成物などを用いる。目的とする光学
素子の所要機能として光学的な捻れを必要としない場
合、例えば、液晶高分子層の複屈折性などを主として利
用する光学素子の場合には、特に液晶高分子層に光学活
性を付与する必要はない。なお、微小液晶高分子層領域
において液晶高分子層が実質上モノドメインであること
が好ましい。
【0013】本発明において、液晶高分子層を配向基板
上に形成する方法については、形成された液晶高分子層
の基板に対する層間接着力が比較的弱く、転写が容易で
ある限り特に制限がない。例えば、配向した液晶性モノ
マーを光重合させる方法により、易剥離性の配向基板上
に直接液晶高分子層を形成することも可能である。しか
しながら、このような方法では、一般に工程が複雑とな
りコストが高い。一方、あらかじめ配向基板上に作製し
た液晶高分子層を、別の基板に粘着剤または接着剤(以
下、「粘接着剤」という)を介して転写する方法があ
る。特に液晶高分子溶液を塗布して乾燥する方法が好ま
しく、この方法は配向の変更や配向基板の剥離が容易で
あり、コストが低い。次に後者の方法について説明す
る。
上に形成する方法については、形成された液晶高分子層
の基板に対する層間接着力が比較的弱く、転写が容易で
ある限り特に制限がない。例えば、配向した液晶性モノ
マーを光重合させる方法により、易剥離性の配向基板上
に直接液晶高分子層を形成することも可能である。しか
しながら、このような方法では、一般に工程が複雑とな
りコストが高い。一方、あらかじめ配向基板上に作製し
た液晶高分子層を、別の基板に粘着剤または接着剤(以
下、「粘接着剤」という)を介して転写する方法があ
る。特に液晶高分子溶液を塗布して乾燥する方法が好ま
しく、この方法は配向の変更や配向基板の剥離が容易で
あり、コストが低い。次に後者の方法について説明す
る。
【0014】上記の配向基板としては、任意の角度でラ
ビング処理を行うことができ、そのラビング面と接触し
た液晶高分子がラビング処理に対応して配向し得るもの
であれば、金属板、高分子シートなどいずれの基板用基
材も採用することができる。このような高分子シートと
しては、例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂などの熱硬化性樹脂、ナイロンなどのポリアミ
ド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリケトン、ポリエーテルスル
ホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオ
キサイド、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレン
テレフタレートなどのポリエステル、ポリアセタール、
ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレ
ート、トリアセテートセルロースなどのセルロース系樹
脂、ポリビニルアルコールなどの熱可塑性樹脂が例示さ
れる。配向基板が延伸可能な高分子フィルムの場合に
は、ラビング処理を施さずに延伸フィルムをそのまま用
いてもよい。
ビング処理を行うことができ、そのラビング面と接触し
た液晶高分子がラビング処理に対応して配向し得るもの
であれば、金属板、高分子シートなどいずれの基板用基
材も採用することができる。このような高分子シートと
しては、例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂などの熱硬化性樹脂、ナイロンなどのポリアミ
ド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリケトン、ポリエーテルスル
ホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオ
キサイド、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレン
テレフタレートなどのポリエステル、ポリアセタール、
ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレ
ート、トリアセテートセルロースなどのセルロース系樹
脂、ポリビニルアルコールなどの熱可塑性樹脂が例示さ
れる。配向基板が延伸可能な高分子フィルムの場合に
は、ラビング処理を施さずに延伸フィルムをそのまま用
いてもよい。
【0015】上記高分子フィルムは、それ自体にラビン
グ処理を施すことができるものであっても、またこれら
の高分子フィルムを基材として、その表面に上記のよう
な他の高分子からなる有機薄膜を形成したものでもよ
い。その他、前記配向基板を銅、ステンレス鋼、ガラス
板などで構成することもでき、さらにその表面に上記の
高分子からなる有機薄膜を形成したものでもよい。
グ処理を施すことができるものであっても、またこれら
の高分子フィルムを基材として、その表面に上記のよう
な他の高分子からなる有機薄膜を形成したものでもよ
い。その他、前記配向基板を銅、ステンレス鋼、ガラス
板などで構成することもでき、さらにその表面に上記の
高分子からなる有機薄膜を形成したものでもよい。
【0016】本発明において特に好ましい配向基板は、
高分子フィルム自体をラビング処理した耐熱性のもので
あり、基材などに積層したものは好ましくない。このよ
うな目的に好適なフィルムとしては、上記樹脂の内、熱
可塑性樹脂からなるフィルム、例えば、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリビニルアルコールなどからな
るものである。熱硬化性樹脂フィルムとしてはポリイミ
ドが好適に用いられる。これらの高分子フィルムは、長
尺のフィルム、あるいは適当な大きさの枚葉として使用
することができる。
高分子フィルム自体をラビング処理した耐熱性のもので
あり、基材などに積層したものは好ましくない。このよ
うな目的に好適なフィルムとしては、上記樹脂の内、熱
可塑性樹脂からなるフィルム、例えば、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリビニルアルコールなどからな
るものである。熱硬化性樹脂フィルムとしてはポリイミ
ドが好適に用いられる。これらの高分子フィルムは、長
尺のフィルム、あるいは適当な大きさの枚葉として使用
することができる。
【0017】配向基板面上には、常法に従い、所定の角
度で配向処理、好ましくはラビング処理を施す。ラビン
グの角度等はあらかじめ設定するが、特に制限はない。
度で配向処理、好ましくはラビング処理を施す。ラビン
グの角度等はあらかじめ設定するが、特に制限はない。
【0018】配向基板上への液晶高分子層の形成は、前
述のように任意の方法で行うことができる。膜厚精度な
どの観点から、液晶高分子を適宜の溶剤に溶解し、適宜
の塗布手段により配向基板上に塗布し、乾燥することに
より液晶高分子層を形成する方法が適当である。塗布方
法としては、特に限定されず、枚葉フィルムを用いる際
には、例えば、スピンコート法、バーコート法が採用さ
れる。また長尺の配向基板フィルムを用いる場合には、
ロールコート法、カーテンコート法、およびスロットコ
ートなどのダイコート法を採用することができる。溶液
を塗布した場合には、塗布後、溶剤を適宜に乾燥して除
去することにより液晶高分子層が形成される。
述のように任意の方法で行うことができる。膜厚精度な
どの観点から、液晶高分子を適宜の溶剤に溶解し、適宜
の塗布手段により配向基板上に塗布し、乾燥することに
より液晶高分子層を形成する方法が適当である。塗布方
法としては、特に限定されず、枚葉フィルムを用いる際
には、例えば、スピンコート法、バーコート法が採用さ
れる。また長尺の配向基板フィルムを用いる場合には、
ロールコート法、カーテンコート法、およびスロットコ
ートなどのダイコート法を採用することができる。溶液
を塗布した場合には、塗布後、溶剤を適宜に乾燥して除
去することにより液晶高分子層が形成される。
【0019】所定の角度でラビング処理を施した配向基
板上において、液晶高分子層を所定温度で所定時間加熱
することにより、液晶高分子を配向させる。加熱は液晶
高分子の分子が移動して配向し得る条件で行えばよく、
適宜に加熱温度や時間を設定することができる。この加
熱処理により、液晶高分子は配向基板の配向に従って配
向する。なお、加熱温度を一定の範囲で変化させること
により、ある程度は配向の程度を変えることができる。
板上において、液晶高分子層を所定温度で所定時間加熱
することにより、液晶高分子を配向させる。加熱は液晶
高分子の分子が移動して配向し得る条件で行えばよく、
適宜に加熱温度や時間を設定することができる。この加
熱処理により、液晶高分子は配向基板の配向に従って配
向する。なお、加熱温度を一定の範囲で変化させること
により、ある程度は配向の程度を変えることができる。
【0020】加熱に続いて、Tg(ガラス転移温度)以
下の温度に冷却することにより配向構造を固定化する。
Tg の直下の温度においてガラス相を示す場合には、固
定化が容易であるが、光学機能に影響を及ぼさない限り
結晶相でもよく、いずれ場合も固定化は可能である。
下の温度に冷却することにより配向構造を固定化する。
Tg の直下の温度においてガラス相を示す場合には、固
定化が容易であるが、光学機能に影響を及ぼさない限り
結晶相でもよく、いずれ場合も固定化は可能である。
【0021】固定化後の液晶高分子層の膜厚には、前述
の条件のほかに特に制限はない。すなわち、光の波長に
よって異なるが、例えば、ディスプレー用途などの可視
光が重要である分野においては、0.1μm以上の厚み
とする。好ましくは0.5μm以上、500μm以下で
ある。0.1μm未満の厚みでは、精度の高い薄膜の調
製が困難であり、不経済であるため好ましくない。ま
た、厚すぎると液晶高分子の配向規制力が弱まり、液晶
高分子層に配向の不足した部分が生じることがあるので
好ましくない。
の条件のほかに特に制限はない。すなわち、光の波長に
よって異なるが、例えば、ディスプレー用途などの可視
光が重要である分野においては、0.1μm以上の厚み
とする。好ましくは0.5μm以上、500μm以下で
ある。0.1μm未満の厚みでは、精度の高い薄膜の調
製が困難であり、不経済であるため好ましくない。ま
た、厚すぎると液晶高分子の配向規制力が弱まり、液晶
高分子層に配向の不足した部分が生じることがあるので
好ましくない。
【0022】次いで、配向基板上に形成された、配向し
てなる液晶高分子層を、他の基板上に転写することによ
り本発明の光学素子を製造する。転写は粘接着剤を用い
て常法により行うことができる。転写される他の基板と
しては、適度な平面性を有するものであれば、光学素子
の用途に応じて適宜の基板を使用することができ、特に
制限されない。光線が透過する透過型の光学素子の場合
には、透明で光学的に等方性のガラス板またはプラスチ
ックフィルムもしくはシートが好ましい。このようなプ
ラスチックとしては、例えば、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルス
ルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレー
ト、アモルファスポリエチレン、トリアセチルセルロー
スなどが例示される。その厚みは、0.1μm〜10m
m、好ましくは1μm〜2mmの範囲である。光線が光
学素子部で反射する反射型の光学素子の場合には、基板
としては透明か否かにかかわらず使用することができ、
例えば透明または不透明なガラス板、プラスチックフィ
ルムまたは金属板を例示することができる。
てなる液晶高分子層を、他の基板上に転写することによ
り本発明の光学素子を製造する。転写は粘接着剤を用い
て常法により行うことができる。転写される他の基板と
しては、適度な平面性を有するものであれば、光学素子
の用途に応じて適宜の基板を使用することができ、特に
制限されない。光線が透過する透過型の光学素子の場合
には、透明で光学的に等方性のガラス板またはプラスチ
ックフィルムもしくはシートが好ましい。このようなプ
ラスチックとしては、例えば、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルス
ルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレー
ト、アモルファスポリエチレン、トリアセチルセルロー
スなどが例示される。その厚みは、0.1μm〜10m
m、好ましくは1μm〜2mmの範囲である。光線が光
学素子部で反射する反射型の光学素子の場合には、基板
としては透明か否かにかかわらず使用することができ、
例えば透明または不透明なガラス板、プラスチックフィ
ルムまたは金属板を例示することができる。
【0023】転写するために、上記基板、液晶高分子層
またはその両方に粘接着剤を常法により塗布する。本発
明で用いることができる粘接着剤は、特に限定されない
が、熱硬化型、光硬化型または電子線硬化型の接着剤が
好ましく、その中でもアクリル系オリゴマーを主成分と
するものが好ましい。接着剤の硬化手段として光硬化法
または電子線硬化法を用いることにより、光学機能とし
ての配向性を維持するために必要な液晶高分子のTg 以
下の低温度における硬化処理が可能となるので好まし
い。接着剤の粘度は1〜20,000cp、好ましくは
10〜10,000cpであり、また塗布後の厚みは、
0.1〜200μm、好ましくは0.5〜10μmであ
る。
またはその両方に粘接着剤を常法により塗布する。本発
明で用いることができる粘接着剤は、特に限定されない
が、熱硬化型、光硬化型または電子線硬化型の接着剤が
好ましく、その中でもアクリル系オリゴマーを主成分と
するものが好ましい。接着剤の硬化手段として光硬化法
または電子線硬化法を用いることにより、光学機能とし
ての配向性を維持するために必要な液晶高分子のTg 以
下の低温度における硬化処理が可能となるので好まし
い。接着剤の粘度は1〜20,000cp、好ましくは
10〜10,000cpであり、また塗布後の厚みは、
0.1〜200μm、好ましくは0.5〜10μmであ
る。
【0024】配向基板上に形成された液晶高分子層およ
び/または他の基板の上の特定の領域に粘接着剤を塗布
する方法は、特に限定されるものではない。従来公知の
微細な字体や図形を印刷するための精密印刷に用いられ
るスクリーン、オフセット、グラビアまたはフレキソ印
刷等の適宜の精密印刷方法において、それらに用いる印
刷インクを粘接着剤に代えることにより、微細な特定領
域のみに粘接着剤を塗布することができる。
び/または他の基板の上の特定の領域に粘接着剤を塗布
する方法は、特に限定されるものではない。従来公知の
微細な字体や図形を印刷するための精密印刷に用いられ
るスクリーン、オフセット、グラビアまたはフレキソ印
刷等の適宜の精密印刷方法において、それらに用いる印
刷インクを粘接着剤に代えることにより、微細な特定領
域のみに粘接着剤を塗布することができる。
【0025】配向基板上に形成された液晶高分子層また
は他の基板の少なくとも一方に粘接着剤を塗布し、これ
らを相互に貼り合わせることにより、配向基板/液晶高
分子層/粘接着剤層/基板からなる4層の積層体を形成
する。粘接着剤層として接着剤を用いた場合には、その
後、接着剤を適宜の方法、例えば前述の光硬化法または
電子線硬化法により硬化させる。粘着剤の場合には硬化
手段は不要である。その結果、微細な領域の粘接着剤を
介して、配向した液晶高分子層と他の基板とが粘接着す
る。十分に粘接着したことを確認した後、両者を剥離す
ることにより、微小液晶高分子層領域が配向基板から他
の基板に転写される。必要に応じて、一旦適当な他の基
板に転写し、再度これを目的の基板上に再転写すること
も可能である。
は他の基板の少なくとも一方に粘接着剤を塗布し、これ
らを相互に貼り合わせることにより、配向基板/液晶高
分子層/粘接着剤層/基板からなる4層の積層体を形成
する。粘接着剤層として接着剤を用いた場合には、その
後、接着剤を適宜の方法、例えば前述の光硬化法または
電子線硬化法により硬化させる。粘着剤の場合には硬化
手段は不要である。その結果、微細な領域の粘接着剤を
介して、配向した液晶高分子層と他の基板とが粘接着す
る。十分に粘接着したことを確認した後、両者を剥離す
ることにより、微小液晶高分子層領域が配向基板から他
の基板に転写される。必要に応じて、一旦適当な他の基
板に転写し、再度これを目的の基板上に再転写すること
も可能である。
【0026】転写された微小領域の形状は、各配列ごと
に一定の形状であることが好ましく、通常は円、楕円、
正方形、長方形、三角形、五角形、六角形および七角形
から選ばれる。
に一定の形状であることが好ましく、通常は円、楕円、
正方形、長方形、三角形、五角形、六角形および七角形
から選ばれる。
【0027】また、多数の微小液晶高分子層領域の配列
は、市松配置型、モザイク型、デルタ(トライアング
ル)型、ストライプ型などの形状にすることができる。
二種以上の液晶高分子層を転写する場合にも、各液晶高
分子層の配列は上記形状の中から選ばれる。例えば、複
屈折カラーフィルター、カラー反射板などの場合には、
三原色をR(赤色)、G(緑色)およびB(青色)で表
示すると、図1(a)に示すモザイク型、同(b)に示
すデルタ型または同(c)に示すストライプ型に従って
各色を配列することができる。そのほか、図1(d)に
示す4画素配置型とすることもできる。また、二原色配
列(例えば、RとG)の場合には、図1(e)に示す市
松配置型とすることも可能である。同一面内で単一の光
学機能を有する微細パターンを形成する場合には、その
配列を図1(e)の市松配置型とすることができる。す
なわち、図1(e)において、一方の色に相当する部分
を単一の光学機能を発揮する領域とし、他の色の部分に
非液晶性の隣接領域を配置する。
は、市松配置型、モザイク型、デルタ(トライアング
ル)型、ストライプ型などの形状にすることができる。
二種以上の液晶高分子層を転写する場合にも、各液晶高
分子層の配列は上記形状の中から選ばれる。例えば、複
屈折カラーフィルター、カラー反射板などの場合には、
三原色をR(赤色)、G(緑色)およびB(青色)で表
示すると、図1(a)に示すモザイク型、同(b)に示
すデルタ型または同(c)に示すストライプ型に従って
各色を配列することができる。そのほか、図1(d)に
示す4画素配置型とすることもできる。また、二原色配
列(例えば、RとG)の場合には、図1(e)に示す市
松配置型とすることも可能である。同一面内で単一の光
学機能を有する微細パターンを形成する場合には、その
配列を図1(e)の市松配置型とすることができる。す
なわち、図1(e)において、一方の色に相当する部分
を単一の光学機能を発揮する領域とし、他の色の部分に
非液晶性の隣接領域を配置する。
【0028】図1(a)〜(e)の配列においては、各
領域の形状が長方形である場合を示したが、これに限定
されることなく、上記例示のように円、楕円等の形状と
することができる。円や楕円の場合のみならず、方形の
場合においても、各液晶高分子層領域の間には適宜に非
液晶性の隣接領域を配置することができる。
領域の形状が長方形である場合を示したが、これに限定
されることなく、上記例示のように円、楕円等の形状と
することができる。円や楕円の場合のみならず、方形の
場合においても、各液晶高分子層領域の間には適宜に非
液晶性の隣接領域を配置することができる。
【0029】さらに、前述のように、同一面内で複数の
光学的機能を発揮させようとする場合に、各光学機能を
発揮する領域は微細であることが必要であり、しばし
ば、液晶表示素子のピクセルの大きさと同一かまたはそ
れより小さいことが要求され、具体的には微小領域の最
小の差渡し(Lmin)が10mm以下、好ましくは1m
m以下、さらに好ましくは500μm以下である。ただ
し最小の差渡しが0.1μm未満の極微小領域では、十
分に光学的機能を発揮し難い場合がある。ここで、最小
の差渡しとは、円の場合はその直径、楕円の場合には短
径、また長方形の場合には短辺の長さをいう。三角形お
よび五角形以上の多角形の場合には、その多角形と外接
する2本の平行線の線間距離のうち最小のものをいう。
光学的機能を発揮させようとする場合に、各光学機能を
発揮する領域は微細であることが必要であり、しばし
ば、液晶表示素子のピクセルの大きさと同一かまたはそ
れより小さいことが要求され、具体的には微小領域の最
小の差渡し(Lmin)が10mm以下、好ましくは1m
m以下、さらに好ましくは500μm以下である。ただ
し最小の差渡しが0.1μm未満の極微小領域では、十
分に光学的機能を発揮し難い場合がある。ここで、最小
の差渡しとは、円の場合はその直径、楕円の場合には短
径、また長方形の場合には短辺の長さをいう。三角形お
よび五角形以上の多角形の場合には、その多角形と外接
する2本の平行線の線間距離のうち最小のものをいう。
【0030】本発明の、微小液晶高分子層領域を他の基
板上に所定の配列で転写する工程において、粘接着剤を
介して転写される微小液晶高分子層領域のLminは、上
記の通り10mm以下であるが、さらにLmin/d(d
は液晶高分子層の厚み)が10以上であることが必要で
ある。液晶高分子層と他の基板とは粘接着剤で接合さ
れ、一方液晶高分子層と配向基板とは粘接着剤を介する
ことなく単に接合するのみである。すなわち、液晶高分
子層は配向基板面上に溶液状で塗布して形成されるた
め、両者は一定値以上の層間接着力により接合してい
る。また、液晶高分子層は、薄膜ではあるが固体である
から、一定値以上の機械的強度を有する。そして、転写
の際には、微小液晶高分子層領域のうち、他の基板と粘
接着剤を介して接合している部分のみが液晶高分子層か
ら切断され剥離されることになる。しかしながら、L
minが小さすぎる場合、またはdが大きすぎる場合に
は、切断および剥離が生ずる境界面もしくは境界線また
はエッジにひび割れなどの現象が発生することがあり、
極端な場合には、液晶高分子層の切断や剥離が生じない
こともある。このような現象が生じると、所定の配列形
状の微小領域が得られないため好ましくない。従って、
本発明においては、Lmin/dが10以上の条件を満足
するように、膜厚や最小の差渡し等の製造条件を設定す
ることが肝要である。液晶高分子層の切断および剥離
は、液晶高分子の分子量、架橋の程度等による機械的強
度、あるいは層間強度等にも影響されるが、光学素子に
使用されるような通常の液晶高分子、特に熱可塑性樹脂
を溶液状で塗布して作製する場合には、上記の条件を満
足することにより、正確な形状の転写が可能であること
が本発明者らにより見出された。同一面内に単一の光学
機能を有する微細パターンにより形成された光学素子
は、上述の方法により製造することができる。
板上に所定の配列で転写する工程において、粘接着剤を
介して転写される微小液晶高分子層領域のLminは、上
記の通り10mm以下であるが、さらにLmin/d(d
は液晶高分子層の厚み)が10以上であることが必要で
ある。液晶高分子層と他の基板とは粘接着剤で接合さ
れ、一方液晶高分子層と配向基板とは粘接着剤を介する
ことなく単に接合するのみである。すなわち、液晶高分
子層は配向基板面上に溶液状で塗布して形成されるた
め、両者は一定値以上の層間接着力により接合してい
る。また、液晶高分子層は、薄膜ではあるが固体である
から、一定値以上の機械的強度を有する。そして、転写
の際には、微小液晶高分子層領域のうち、他の基板と粘
接着剤を介して接合している部分のみが液晶高分子層か
ら切断され剥離されることになる。しかしながら、L
minが小さすぎる場合、またはdが大きすぎる場合に
は、切断および剥離が生ずる境界面もしくは境界線また
はエッジにひび割れなどの現象が発生することがあり、
極端な場合には、液晶高分子層の切断や剥離が生じない
こともある。このような現象が生じると、所定の配列形
状の微小領域が得られないため好ましくない。従って、
本発明においては、Lmin/dが10以上の条件を満足
するように、膜厚や最小の差渡し等の製造条件を設定す
ることが肝要である。液晶高分子層の切断および剥離
は、液晶高分子の分子量、架橋の程度等による機械的強
度、あるいは層間強度等にも影響されるが、光学素子に
使用されるような通常の液晶高分子、特に熱可塑性樹脂
を溶液状で塗布して作製する場合には、上記の条件を満
足することにより、正確な形状の転写が可能であること
が本発明者らにより見出された。同一面内に単一の光学
機能を有する微細パターンにより形成された光学素子
は、上述の方法により製造することができる。
【0031】光学性能の異なる複数の液晶高分子からな
る光学素子の製造方法について、二種類の光学機能を有
する微小液晶高分子層領域が配列する場合の例について
具体的に説明する。初めに第1の配向基板上に、配向し
た第1の液晶高分子層を形成する。同様に第2の配向基
板上に、配向した第2の液晶高分子層を形成する。さら
に転写される他の基板を用意する。そして、第1の配向
基板上に形成された第1の液晶高分子層を他の基板上に
転写する際に、液晶高分子層の一部分のみに粘接着剤を
塗布し、粘接着剤を介して他の基板を貼り合わせる。接
着剤が硬化した後に(粘着剤を用いる場合は、硬化は不
要である)、第1の配向基板を剥離することによって、
第1の液晶高分子層のうち粘接着剤を塗布した部分のみ
が他の基板上に転写される。次に、上記他の基板上の液
晶高分子層が転写されていない領域と、第2の配向基板
上に形成された第2の液晶高分子層とを、同様にして粘
接着剤を介して貼り合わせる。第2の配向基板を剥離す
ることによって、第2の液晶高分子層が転写され、異な
る光学性能を持つ液晶高分子層をそれぞれ他の基板上に
形成することができる。第1の液晶高分子と第2の液晶
高分子は、同一でも異なるものでもよい。
る光学素子の製造方法について、二種類の光学機能を有
する微小液晶高分子層領域が配列する場合の例について
具体的に説明する。初めに第1の配向基板上に、配向し
た第1の液晶高分子層を形成する。同様に第2の配向基
板上に、配向した第2の液晶高分子層を形成する。さら
に転写される他の基板を用意する。そして、第1の配向
基板上に形成された第1の液晶高分子層を他の基板上に
転写する際に、液晶高分子層の一部分のみに粘接着剤を
塗布し、粘接着剤を介して他の基板を貼り合わせる。接
着剤が硬化した後に(粘着剤を用いる場合は、硬化は不
要である)、第1の配向基板を剥離することによって、
第1の液晶高分子層のうち粘接着剤を塗布した部分のみ
が他の基板上に転写される。次に、上記他の基板上の液
晶高分子層が転写されていない領域と、第2の配向基板
上に形成された第2の液晶高分子層とを、同様にして粘
接着剤を介して貼り合わせる。第2の配向基板を剥離す
ることによって、第2の液晶高分子層が転写され、異な
る光学性能を持つ液晶高分子層をそれぞれ他の基板上に
形成することができる。第1の液晶高分子と第2の液晶
高分子は、同一でも異なるものでもよい。
【0032】本発明の方法により製造される光学素子
は、微小液晶高分子層領域を有し、好ましくは同一面上
に光学機能において同一または異なる微小液晶高分子層
領域を多数有し、かつ各領域が微小であることにより、
液晶表示装置用素子としての光学的機能を発揮する。す
なわち、同一面上に光学機能が同一の微小液晶高分子層
領域を多数有する場合には、例えばミクロレンズアレ
イ、光散乱板、光屈折板として用いることができる。ま
た、同一面上に光学機能が異なる微小液晶高分子層領域
を多数有する場合には、例えば液晶光学素子用の複屈折
カラーフィルター、カラー反射板、視野角補償板などに
優れた光学機能を発揮する。より具体的には、例えば配
向したコレステリック液晶高分子が光を反射し、その選
択反射光が可視領域にはいるように光学的ねじれの程度
などの光学的パラメーターを調整することが可能であ
る。すなわち、3枚の配向基板上に、選択反射波長が可
視波長領域に属する赤、緑、青になるようにそれぞれ別
に調製し配向させたコレステリック液晶高分子層をそれ
ぞれ形成し、それらを前述の方法に準じて所定の配列で
他の一枚の反射性基板上に転写すれば、三原色の微小領
域がそれぞれ所定の形状で配列したカラー反射板が得ら
れる。三原色の各色に対応する液晶高分子としては、同
一のものも、異なる種類のものも用いることができる。
同一の高分子であっても、熱固定化温度等の処理条件を
変えることにより選択反射波長を変えることができるも
のであればよい。なお、三原色の場合について説明した
が、必要に応じて1色〜4色とすることもできる。
は、微小液晶高分子層領域を有し、好ましくは同一面上
に光学機能において同一または異なる微小液晶高分子層
領域を多数有し、かつ各領域が微小であることにより、
液晶表示装置用素子としての光学的機能を発揮する。す
なわち、同一面上に光学機能が同一の微小液晶高分子層
領域を多数有する場合には、例えばミクロレンズアレ
イ、光散乱板、光屈折板として用いることができる。ま
た、同一面上に光学機能が異なる微小液晶高分子層領域
を多数有する場合には、例えば液晶光学素子用の複屈折
カラーフィルター、カラー反射板、視野角補償板などに
優れた光学機能を発揮する。より具体的には、例えば配
向したコレステリック液晶高分子が光を反射し、その選
択反射光が可視領域にはいるように光学的ねじれの程度
などの光学的パラメーターを調整することが可能であ
る。すなわち、3枚の配向基板上に、選択反射波長が可
視波長領域に属する赤、緑、青になるようにそれぞれ別
に調製し配向させたコレステリック液晶高分子層をそれ
ぞれ形成し、それらを前述の方法に準じて所定の配列で
他の一枚の反射性基板上に転写すれば、三原色の微小領
域がそれぞれ所定の形状で配列したカラー反射板が得ら
れる。三原色の各色に対応する液晶高分子としては、同
一のものも、異なる種類のものも用いることができる。
同一の高分子であっても、熱固定化温度等の処理条件を
変えることにより選択反射波長を変えることができるも
のであればよい。なお、三原色の場合について説明した
が、必要に応じて1色〜4色とすることもできる。
【0033】また、本発明の方法により製造される光学
素子は、配向後固定化された液晶高分子層が光学的異方
体であれば、その複屈折性により偏光板と組み合わせた
ときに透過光が着色することを利用して、複屈折カラー
フィルターとすることもできる。すなわち、1〜4色の
液晶高分子層を、必要に応じ光学的ねじれを付与し、配
向後固定化して偏光板を配したときに透過光が着色する
ように調整し、これを前述のように透過性基板上に転写
すれば、複屈折カラーフィルターとすることができる。
素子は、配向後固定化された液晶高分子層が光学的異方
体であれば、その複屈折性により偏光板と組み合わせた
ときに透過光が着色することを利用して、複屈折カラー
フィルターとすることもできる。すなわち、1〜4色の
液晶高分子層を、必要に応じ光学的ねじれを付与し、配
向後固定化して偏光板を配したときに透過光が着色する
ように調整し、これを前述のように透過性基板上に転写
すれば、複屈折カラーフィルターとすることができる。
【0034】さらに本発明の方法により製造される光学
素子は、固定化された光学的ねじれを有する液晶高分子
を用い、その各微小領域の液晶高分子のねじれ方向やラ
ビング角を変えることにより、視野角補償板とすること
ができる。例えば、前記特開平5−107544号公報
では、微細な液晶セルを同一面上に配列させ、各液晶セ
ルの光学的ねじれ角やラビング角を適宜に変えた素子を
視野角補償板として提案している。ここで、上記公報の
各微小な液晶セルのれじれ角やラビング角を本願の光学
素子の微小な液晶高分子層領域に対応させれば、液晶高
分子により同様な視野角補償板を得ることができる。す
なわち、光学的ねじれを有する微細な液晶高分子層領域
を同一面上に配列させ、各微細な高分子層領域の光学的
ねじれ角やラビング角を適宜に変えた素子は視野角補償
板として有用である。
素子は、固定化された光学的ねじれを有する液晶高分子
を用い、その各微小領域の液晶高分子のねじれ方向やラ
ビング角を変えることにより、視野角補償板とすること
ができる。例えば、前記特開平5−107544号公報
では、微細な液晶セルを同一面上に配列させ、各液晶セ
ルの光学的ねじれ角やラビング角を適宜に変えた素子を
視野角補償板として提案している。ここで、上記公報の
各微小な液晶セルのれじれ角やラビング角を本願の光学
素子の微小な液晶高分子層領域に対応させれば、液晶高
分子により同様な視野角補償板を得ることができる。す
なわち、光学的ねじれを有する微細な液晶高分子層領域
を同一面上に配列させ、各微細な高分子層領域の光学的
ねじれ角やラビング角を適宜に変えた素子は視野角補償
板として有用である。
【0035】
【実施例】以下、本発明の液晶高分子の製造方法の実施
例を詳細に説明する。 <実施例1>ラビング処理を施した枚葉のポリイミドフ
ィルムを配向基板とし、これにスメクチック液晶高分子
溶液をスピンコートして、乾燥後熱処理を行い、配向し
たフィルムを作製した。液晶高分子層の厚みは2μmで
あった。このフィルムの液晶高分子層に、スクリーン印
刷により、100×50μmの大きさの微小領域からな
る格子目状(図1(e)の市松配置型)に電子線硬化型
接着剤を塗布した。次に、トリアセチルセルロースフィ
ルム(TAC)を貼り合わせ、電子線照射を行い、接着
剤を硬化させた。最後に、ポリイミド配向基板を剥離す
ることにより、TACフィルム上に硬化接着剤を介して
100×50μmの格子状の多数のスメクチック液晶高
分子層が規則的に形成された。この光学素子は光散乱板
として機能することが確認された。
例を詳細に説明する。 <実施例1>ラビング処理を施した枚葉のポリイミドフ
ィルムを配向基板とし、これにスメクチック液晶高分子
溶液をスピンコートして、乾燥後熱処理を行い、配向し
たフィルムを作製した。液晶高分子層の厚みは2μmで
あった。このフィルムの液晶高分子層に、スクリーン印
刷により、100×50μmの大きさの微小領域からな
る格子目状(図1(e)の市松配置型)に電子線硬化型
接着剤を塗布した。次に、トリアセチルセルロースフィ
ルム(TAC)を貼り合わせ、電子線照射を行い、接着
剤を硬化させた。最後に、ポリイミド配向基板を剥離す
ることにより、TACフィルム上に硬化接着剤を介して
100×50μmの格子状の多数のスメクチック液晶高
分子層が規則的に形成された。この光学素子は光散乱板
として機能することが確認された。
【0036】<比較例1>実施例1と同様にして、スメ
クチック液晶高分子溶液をポリイミドフィルム上に形成
し、厚み8μmの液晶高分子層を得た。このフィルムの
液晶高分子層に、同様に100×50μmの大きさの微
小領域からなる格子目状に電子線硬化型接着剤を塗布し
た。次にTACフィルムを貼り合わせ、電子線を照射し
て接着剤を硬化させ、最後にポリイミド配向基板を剥離
したところ、液晶高分子層の転写は格子目配列の一部の
みで行われ、しかも個々の長方形の微小領域に欠けた部
分やエッジの割れが生じ、完全な転写は行われなかっ
た。
クチック液晶高分子溶液をポリイミドフィルム上に形成
し、厚み8μmの液晶高分子層を得た。このフィルムの
液晶高分子層に、同様に100×50μmの大きさの微
小領域からなる格子目状に電子線硬化型接着剤を塗布し
た。次にTACフィルムを貼り合わせ、電子線を照射し
て接着剤を硬化させ、最後にポリイミド配向基板を剥離
したところ、液晶高分子層の転写は格子目配列の一部の
みで行われ、しかも個々の長方形の微小領域に欠けた部
分やエッジの割れが生じ、完全な転写は行われなかっ
た。
【0037】<実施例2>ラビング処理を施した枚葉の
ポリイミドフィルムを配向基板とし、これにねじれネマ
チック液晶高分子溶液をスピンコートして、乾燥後熱処
理を行い、配向したフィルムAおよびBを作製した。フ
ィルムAの液晶高分子は右ねじれを有し、フィルムBは
左ねじれを有するものである。ねじれ角と△n・dはい
ずれも同じである。次に、TACフィルムに、フレキソ
印刷法により、UV硬化型接着剤を1μmの厚みで、3
00×100μmの大きさの微小領域からなる格子目状
に塗布し、フィルムAの液晶高分子層と貼り合わせてU
V照射を行った。剥離することにより、TACフィルム
側にフィルムAの液晶高分子層がミクロパターン状に転
写された。一つのパターンの大きさは300×100μ
mであり、接着剤が塗布された領域のみ液晶高分子層の
転写が行われた。次に、同TACフィルム上の、フィル
ムAの液晶高分子が転写されていない領域に正確に接着
剤を塗布し、フィルムBの液晶高分子層を貼り合わせて
UV照射を行い、剥離して、TACフィルム側にフィル
ムBの液晶高分子を転写した。このTACフィルムに
は、フィルムAおよびBの液晶高分子層が、300×1
00μmの大きさで格子目状(図1(e)の市松配置
型)に配列していた。このフィルムは、単一の液晶高分
子層を転写して得られた視野角補償フィルムよりも優れ
た視野角改良効果を示した。
ポリイミドフィルムを配向基板とし、これにねじれネマ
チック液晶高分子溶液をスピンコートして、乾燥後熱処
理を行い、配向したフィルムAおよびBを作製した。フ
ィルムAの液晶高分子は右ねじれを有し、フィルムBは
左ねじれを有するものである。ねじれ角と△n・dはい
ずれも同じである。次に、TACフィルムに、フレキソ
印刷法により、UV硬化型接着剤を1μmの厚みで、3
00×100μmの大きさの微小領域からなる格子目状
に塗布し、フィルムAの液晶高分子層と貼り合わせてU
V照射を行った。剥離することにより、TACフィルム
側にフィルムAの液晶高分子層がミクロパターン状に転
写された。一つのパターンの大きさは300×100μ
mであり、接着剤が塗布された領域のみ液晶高分子層の
転写が行われた。次に、同TACフィルム上の、フィル
ムAの液晶高分子が転写されていない領域に正確に接着
剤を塗布し、フィルムBの液晶高分子層を貼り合わせて
UV照射を行い、剥離して、TACフィルム側にフィル
ムBの液晶高分子を転写した。このTACフィルムに
は、フィルムAおよびBの液晶高分子層が、300×1
00μmの大きさで格子目状(図1(e)の市松配置
型)に配列していた。このフィルムは、単一の液晶高分
子層を転写して得られた視野角補償フィルムよりも優れ
た視野角改良効果を示した。
【0038】<実施例3>ラビング処理を施した枚葉の
ポリイミドフィルムを配向基板とし、これにコレステリ
ック液晶高分子溶液をスピンコートして、乾燥後熱処理
を行い、配向したフィルムC、DおよびEを作製した。
フィルムC、DおよびEは、それぞれ選択反射波長が
赤、緑、青になるように調製した。次に、フィルムCの
液晶高分子層に、オフセット印刷法により、UV硬化型
接着剤を1μmの厚みで300×100μmの大きさの
微小領域からなるデルタ型配置に塗布した後、アルミ基
板を貼り合わせてUV照射を行い、配向基板フィルムC
を剥離して、アルミ基板上にフィルムCの液晶高分子層
を転写した。同様に、フィルムDおよびEの液晶高分子
層を順次前記アルミ基板上に転写した。その結果、アル
ミ基板上には、フィルムC、DおよびEの微小液晶高分
子層領域が、それぞれ300×100μmの大きさで図
1(b)に示すデルタ型に配列した光学素子を作製する
ことができた。この光学素子は反射型液晶表示素子のカ
ラー反射板として有効であった。
ポリイミドフィルムを配向基板とし、これにコレステリ
ック液晶高分子溶液をスピンコートして、乾燥後熱処理
を行い、配向したフィルムC、DおよびEを作製した。
フィルムC、DおよびEは、それぞれ選択反射波長が
赤、緑、青になるように調製した。次に、フィルムCの
液晶高分子層に、オフセット印刷法により、UV硬化型
接着剤を1μmの厚みで300×100μmの大きさの
微小領域からなるデルタ型配置に塗布した後、アルミ基
板を貼り合わせてUV照射を行い、配向基板フィルムC
を剥離して、アルミ基板上にフィルムCの液晶高分子層
を転写した。同様に、フィルムDおよびEの液晶高分子
層を順次前記アルミ基板上に転写した。その結果、アル
ミ基板上には、フィルムC、DおよびEの微小液晶高分
子層領域が、それぞれ300×100μmの大きさで図
1(b)に示すデルタ型に配列した光学素子を作製する
ことができた。この光学素子は反射型液晶表示素子のカ
ラー反射板として有効であった。
【0039】
【発明の効果】本願第1の発明により、所定形状の微小
液晶高分子領域を正確に転写することができる。この方
法により、微小領域においてラビング角度のみならず、
ねじれの方向も変えた光学素子を容易に製造することが
できる。第2から第4の発明により、優れた性能を有す
る透過型および反射型液晶ディスプレー用複屈折カラー
フィルター、カラー反射板、視野角補償板等を製造する
ことができる。第5および第6の発明による微小液晶高
分子領域を用いることにより、所定形状の微小液晶高分
子領域を、正確に転写することができる。これにより、
微小領域においてラビング角度のみならず、ねじれの方
向も変えた光学素子を容易に製造することができる。
液晶高分子領域を正確に転写することができる。この方
法により、微小領域においてラビング角度のみならず、
ねじれの方向も変えた光学素子を容易に製造することが
できる。第2から第4の発明により、優れた性能を有す
る透過型および反射型液晶ディスプレー用複屈折カラー
フィルター、カラー反射板、視野角補償板等を製造する
ことができる。第5および第6の発明による微小液晶高
分子領域を用いることにより、所定形状の微小液晶高分
子領域を、正確に転写することができる。これにより、
微小領域においてラビング角度のみならず、ねじれの方
向も変えた光学素子を容易に製造することができる。
【図1】微小液晶高分子層領域の配置の例を示す模式図
である。(a)はモザイク型、(b)はデルタ型、
(c)はストライプ型、(d)は4画素配置型および
(e)は市松配置型である。
である。(a)はモザイク型、(b)はデルタ型、
(c)はストライプ型、(d)は4画素配置型および
(e)は市松配置型である。
R 赤色 G 緑色 B 青色
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02F 1/1335 510 G02F 1/1335 510
Claims (6)
- 【請求項1】 配向基板上に形成された液晶高分子層に
おいて、最小の差渡し(Lmin)が10mm以下であ
り、かつLmin/d(dは液晶高分子層の厚み)が10
以上となるように設定した微小液晶高分子層領域を、接
着剤を介して他の基板に接着し、次いで、該配向基板と
他の基板とを剥離することにより微小液晶高分子層領域
を他の基板上に転写することを特徴とする光学素子の製
造方法。 - 【請求項2】 (1)第1の配向基板上に形成された第
1の液晶高分子層において、最小の差渡し(Lmim)が
10mm以下であり、かつLmin/d(dは液晶高分子
層の厚み)が10以上となるように設定した微小液晶高
分子層領域を、接着剤を介して他の基板に接着し、次い
で、該第1の配向基板と他の基板とを剥離することによ
り第1の微小液晶高分子層領域を他の基板上に転写する
工程、および(2)前記工程(1)において第1の微小
液晶高分子領域が形成された前記他の基板の面内の、第
1の微小液晶高分子領域が形成されていない部分と、第
2の配向基板上に形成された第2の液晶高分子層とを、
工程(1)と同様にして接着剤を介して接着し、次い
で、該第2の配向基板を剥離することにより第2の微小
液晶高分子層領域を他の基板上に転写する工程からなる
ことを特徴とする、同一基板上に同一または異なる光学
機能を有する多数の微小液晶高分子層領域が所定の配列
で形成された光学素子の製造方法。 - 【請求項3】 前記接着剤が、熱硬化型、光硬化型およ
び電子線硬化型から選ばれることを特徴とする請求項1
または2に記載の光学素子の製造方法。 - 【請求項4】 前記液晶高分子が、液晶状態においてネ
マチック、コレステリック、スメクチックおよびキラル
スメクチックから選ばれる液晶層を形成し、かつ液晶転
移温度以下において該液晶相の状態で固定化されたもの
であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学
素子の製造方法。 - 【請求項5】 最小の差渡し(Lmin)が10mm以下
であり、かつLmin/d(dは液晶高分子層の厚み)が
10以上である微小液晶高分子層領域。 - 【請求項6】 配向基板上に形成された液晶高分子層
を、接着剤を介して他の基板に接着してなる請求項5に
記載の微小液晶高分子層領域。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12891095A JPH08304627A (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | 光学素子の製造方法およびそれに用いる微小液晶高分子層領域 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12891095A JPH08304627A (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | 光学素子の製造方法およびそれに用いる微小液晶高分子層領域 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08304627A true JPH08304627A (ja) | 1996-11-22 |
Family
ID=14996395
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12891095A Pending JPH08304627A (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | 光学素子の製造方法およびそれに用いる微小液晶高分子層領域 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08304627A (ja) |
-
1995
- 1995-04-28 JP JP12891095A patent/JPH08304627A/ja active Pending
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