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JPH08295802A - 排水性舗装材およびその製造方法 - Google Patents

排水性舗装材およびその製造方法

Info

Publication number
JPH08295802A
JPH08295802A JP13558895A JP13558895A JPH08295802A JP H08295802 A JPH08295802 A JP H08295802A JP 13558895 A JP13558895 A JP 13558895A JP 13558895 A JP13558895 A JP 13558895A JP H08295802 A JPH08295802 A JP H08295802A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
binder
aggregate
filler
drainage pavement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13558895A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Sugawara
賢司 菅原
Kosaku Tanaka
耕作 田中
Masahiko Saikai
昌彦 西海
Shokichi Hairi
昭吉 羽入
Noriyuki Sakagami
典之 坂上
Toshiyuki Suzuki
俊行 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kajima Road Co Ltd
Nichireki Co Ltd
Original Assignee
Kajima Road Co Ltd
Nichireki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kajima Road Co Ltd, Nichireki Co Ltd filed Critical Kajima Road Co Ltd
Priority to JP13558895A priority Critical patent/JPH08295802A/ja
Publication of JPH08295802A publication Critical patent/JPH08295802A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Road Paving Structures (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 舗装の表層および基層などの舗装材に使用す
ることにより、耐久性に優れた排水性舗装を構築するこ
とができる排水性舗装材を提供することを目的とする。 【構成】 粗骨材の表面を結合材で被覆して結合材層を
設け、その結合材層の上面にフィラーおよび細骨材を均
一に分散・付着させてフィラー・細骨材層を設けると共
に、そのフィラー・細骨材層の上面を被覆するように結
合材を設けることにより、粗骨材の表面に結合材層、
フィラー・細骨材層および結合材層からなる3層構
造の被覆層を設けた排水性舗装材とその製造方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排水性舗装材およびそ
の製造方法に関する。さらに詳しくは、一般道路、高速
道路、工場構内道路、空港あるいは公園広場などにおけ
る表層および基層などの舗装材に使用して耐久性に優れ
た排水性舗装を構築することができる排水性舗装材およ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、排水性舗装は、交通安全対策ある
いは交通騒音の低減など道路環境対策等において優れた
機能を有していることから急速に普及しつつある。この
排水性舗装を構築するための舗装材は、舗装に雨水等を
速やかに透水させる機能を持たせるために、一般の舗装
材に比べ粗骨材の配合割合が非常に多くなっており、そ
の空隙率は15〜35%程度とかなり大きなものになっ
ている。したがって、従来の排水性舗装は、骨材のかみ
合わせ効果による強度が殆どないので供用中に骨材が飛
散しやすく、また、空隙率が大きいために舗装表面だけ
でなく内部まで直接的に雨水や紫外線等の影響を受けて
劣化しやすく、一般の舗装に比べて耐久性が極端に劣る
という欠点があった。
【0003】そこで、これらの欠点を補う方法として、
排水性舗装材の結合材に高粘度改質アスファルトを使用
する方法が、一般に行なわれるようになってきた。この
方法は、結合材の使用量をより多くすることにより、骨
材間の接着力を強力にして骨材の飛散を防止し、且つ、
骨材に対する結合材の膜厚を厚くして雨水や紫外線の影
響を受けにくくした排水性舗装材を得ることを目的とし
たものである。そして、高粘度改質アスファルトの使用
は、結合材の使用量をより多く使用しても作業時に排水
性舗装材中にダレ塊(アスファルトモルタルが塊状にな
ったもの)、所謂、ダレの発生がなく骨材に対する厚い
膜厚を保持させることを狙ったものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来に
おけるこの排水性舗装材は、加熱された粗骨材および細
骨材をミキサに同時に投入し、さらに、これにフィラー
と加熱溶融した結合材を添加投入して、約40〜80秒
間程度一括混合するという一般の舗装材の製造方法と同
じ製造方法により造られていた。このため、粗骨材表面
に見掛け上厚い被覆層を形成したものはできても、粗骨
材と被覆層との界面がフィラー、細骨材および結合材と
が入り混ざった状態になっているため粗骨材に対する被
覆層の付着が弱く、作業時(舗装材の運微中)に生じる
ダレはどうしても避けられなかった。その結果、結合材
の使用量が制限され、排水性舗装材として満足のいく性
能を発揮することができなかった。
【0005】一方、結合材の使用量を多くする方法とし
て、改質アスファルトまたはストレートアスファルトに
植物性繊維や消石灰を併用する方法も実施され、ある程
度の効果をあげている事例もある。しかしながら、この
方法も未だ満足すべきものとは言い難く、さらに一層の
改善が要望されている。
【0006】いずれにせよ、従来の排水性舗装材やその
製造方法には、舗装の耐久性という面ではまだ問題があ
った。
【0007】本発明は、これら従来の問題点を解消し、
舗装の表層および基層などの舗装材に使用することによ
り、耐久性に優れた排水性舗装を構築することができる
排水性舗装材およびその製造方法を提供することを目的
としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、排水性舗装
材について鋭意種々研究を重ねた結果、排水性舗装材の
性能は、主に骨材間を接着する接着層の態様に関連して
いることが判った。即ち、主材料である粗骨材の表面に
層構造の厚い被覆層が強固に付着しているかどうかによ
って、その性能を左右することが判った。また、その態
様は、排水性舗装材の製造方法の違いにより色々と変化
することが判った。
【0009】本発明者らは、かかる知見をもとに本発明
を完成した。
【0010】即ち、本発明は、粗骨材の表面を結合材で
被覆して結合材層を設け、その結合材層の上面にフィラ
ーおよび細骨材を均一に分散・付着させてフィラー・細
骨材層を設けると共に、そのフィラー・細骨材層の上面
を被覆するように結合材を設けることにより、粗骨材の
表面に結合材層、フィラー・細骨材層および結合
材層からなる3層構造の被覆層を設けたことを特徴とし
た排水性舗装用として耐久性に優れた排水性舗装材とそ
の製造方法を提供するものである。
【0011】本発明の排水性舗装材によれば、粗骨材表
面が3層構造の厚い被覆層により強固に付着・被覆され
ているので骨材飛散抵抗性に優れ耐久性が良い。即ち、
3層構造の第1層目の結合材層は、粗骨材界面において
漏れが良好で粗骨材に対するフィラー、細骨材の付着力
を強める働きを有し、且つ、第3層目の結合材層は、骨
材間の接着力、把握力を強める働きを有するため、排水
性舗装材は、作業時にダレがなく供用中に骨材の飛散が
ない。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明で使用する粗骨材とは、社団法人日
本道路協会発行の「アスファルト舗装要綱」に記載され
た骨材の品質標準に合格するものであって、4.75m
m、13.2mmまたは19.0mmふるいに止まる単
粒度骨材である。代表的なものとして、例えば、砕石、
玉砕、砂利、単粒度製鋼スラグなどが例示される。その
他、天然または人工の硬質骨材、明色骨材、着色骨材な
ども前記品質標準に合格するものであれば使用できる。
これらの粗骨材は、単独で使用してもよく、2種以上を
併用してもよい。
【0014】本発明で使用する細骨材とは、前記素骨材
と同様「アスファルト舗装要綱」に記載された骨材の品
質標準に合格するものであって、2.36mmふるいを
通過して0.075mmふるいに止まる骨材である。代
表的なものとして、例えば、川砂、山砂、海砂、人工
砂、スクリーニングスなどが例示される。その他、シリ
カサンド、高炉水砕スラグ、クリンカーアッシュなどの
特殊な砂も前記品質標準に合格するものは使用できる。
これらの細骨材は、単独で使用してもよく、2種以上を
併用しててもよい。
【0015】細骨材の使用量は、粗骨材100重量部に
対して、通常、0〜30重量部の範囲が好ましい。細骨
材の使用量が30重量部を超える場合は、舗装に雨水等
を速やかに透水させるための十分な空隙率を確保するこ
とができない。
【0016】本発明で使用するフィラーとは、石粉、消
石灰、セメント、回収ダスト、フライアッシュ等で、前
記「アスファルト舗装要綱」に記載された品質標準に合
格するものを使用する。その他、植物性繊維(MC)、
繊維質フィラー、充填材等の使用することができる。充
填材としては、ガラス粉、鉄粉、金属粉、無機または有
機顔料などが例示される。これらのフィラーは、単独で
使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0017】フィラーの使用量は、粗骨材100重量部
に対して、通常、0〜10重量部の範囲が好ましい。フ
ィラーの使用量が10重量部を超える場合は、結合材の
粘性が高くなりすぎて作業性が悪くなり、3層構造の厚
い被覆層を形成することが困難となる。
【0018】本発明で使用する結合材とは、アスファル
トにゴムおよび熱可塑性高分子重合物などを混和してア
スファルトを改質した改質アスファルトである。
【0019】改質アスファルトに使用するアスファルト
としては、天然アスファルト、ストレートアスファル
ト、ブローンアスファルト、セミブローンアスファル
ト、溶剤脱瀝アスファルト(例えば、プロパン脱瀝アス
ファルト)などの石油アスファルトが使用される。これ
らのアスファルトは、単独で使用してもよく、2種以上
を併用してもよい。
【0020】改質アスファルトに使用するゴムおよび熱
可塑性高分子重合物は、例えば、天然ゴム、カタバーチ
ャ、環化ゴム、スチレン・ブタジェンゴム、スチレン・
イソプレンゴム、イソプレンゴム、ポリイソプレンゴ
ム、ブタジェンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、
ハロゲン化ブチルゴム、塩素化ポリエチレン、クロロス
ルホン化ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム、EP
Tゴム、アルフィンゴム、スチレン・ブタジェンブロッ
ク重合ゴム、スチレン・イソプレンブロック重合ゴムな
どのゴム、およびエチレン・酢酸ビニール共重合物、エ
チレン・エチルアクリレート共重合物、ポリエチレン、
酢酸ビニール・アクリレート共重合物などの熱可塑性高
分子重合物である。これらの1種または2種以上が使用
される。
【0021】上記のゴム、熱可塑性高分子重合物と共
に、粘着付与剤として熱可塑性固形樹脂や固形状ゴム、
液状樹脂、軟化剤などを添加使用することができる。例
えば、ロジンとその誘導体、テルペン樹脂や石油樹脂と
その誘導体、アルキッド樹脂、アルキルフェノール樹
脂、テルペンフェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、
合成テルペン樹脂、アルキレン樹脂、ポリイソブチレ
ン、ポリブタジェン、ポリプテン、イソブチレンとブタ
ジェン共重合物、鉱油、プロセスオイル、パイン油、ア
ンスラセン油、松根油、可塑剤、動植物油、重合油等で
ある。また、老化防止剤、酸化防止剤、硫黄等も添加使
用することができる。
【0022】改質アスファルトのアスファルトと、ゴム
および熱可塑性高分子重合物の配合割合は、アスファル
ト100重量部に対して、通常、5〜100重量部の範
囲が好ましい。ゴム、熱可塑性高分子重合物の量が5重
合物未満の場合は、改質アスファルトとしての性能を発
揮することができず骨材間の接着力や把握力が一般のア
スファルトと余り変わらないのに対して、100重量部
を超える場合は、凝集力が強すぎて作業性が悪く、かえ
って骨材から剥離が生じて骨材の飛散を起こしやすい。
また、上記のアスファルトとしては、使用後の特性を考
慮して、針入度(25℃)が40〜120程度のものを
使用することが好ましい。
【0023】本発明において、改質アスファルトの60
℃粘度が20万ポアズ以上とすることは、特に、排水性
舗装の流動抵抗性および排水性舗装の目潰れの抑制を考
慮して設定したものである。即ち、排水性舗装は、供用
中に骨材が飛散しやすく、また、雨水、紫外線等の影響
を受けやすいことから耐久性に問題があるというほか
に、一般の車道、高速道路等に使用されるため、流動破
壊が起こりやすいことも耐久性が劣る一因になってい
る。
【0024】また、排水性舗装は、交通荷重により目潰
れが起こりやすく満足すべき透水機能を維持することが
なかなか難しいという問題を抱えている。
【0025】したがって、排水性舗装材が交通量の多い
道路に使用される場合には、動的安定度(DS)の高い
ものが要求される。一般に、動的安定度(DS)は、結
合材の60℃粘度と相関性が強く、粘度が大きいほど動
的安定度(DS)は高くなる傾向がある。このようなこ
とから、上記設定値は、過去の経験、実績をもとに決め
たものである。因に、流動対策にとくに重点を置いて使
用されるセミプローンアスファルト(AC−100)の
60℃粘度は、約10000ポアズ程度であり、普通の
ストレートアスファルトの60℃粘度は、約2000ポ
アズ程度である。
【0026】結合材の使用量は、粗骨材100重量部に
対して、通常、2〜10重量部の範囲が好ましい。結合
材の使用量はが2重量部未満の場合は、粗骨材表面を被
覆する3層構造の被覆層の形成が困難となり骨材間の接
着力が小さくなって骨材飛散の原因となるのに対して、
結合材の使用量が10重量部を超える場合は、必要以上
に結合材の量が多くなりすぎて作業時にダレが生じる恐
れがある。また、結合材の第1回目の使用量は、粗骨材
100重量部に対して、通常、1〜5重量部の範囲が好
ましい。結合材の使用量が1重量部未満の場合は、粗骨
材表面にフィラーおよび細骨材を均一に分散・付着させ
るだけの被覆層を形成することができないのに対して、
結合材の使用量が5重量部を超える場合は、結合材の第
2回目の使用量が不足して3層構造の被覆層を形成する
ことが困難となる。結合材の第2回目の使用量は、粗骨
材100重量部に対して、通常、1〜5重量部の範囲が
好ましい。結合材の使用量が1重量部未満の場合は、3
層構造の被覆層を形成することが困難となるのに対し
て、結合材の使用量が5重量部を超える場合は、第1回
目の結合材の使用量が少なかったことになり粗骨材表面
にフィラーおよび細骨材を均一に分散・付着することが
できず同じ様に3層構造の被覆層を形成することが困難
となる。
【0027】次に、本発明の排水性舗装材の調製方法に
ついて説明する。
【0028】本発明の排水性舗装材は、通常、舗装用加
熱アスファルトプラントにおいて以下に示すI〜Vの工
程により調製する。
【0029】I.先ず、ミキサに所定の温度に加熱した
所要量の粗骨材を投入する。 II.ついで、所定の温度に加熱溶融した所要結合材量
の一部分を添加投入して混合し、粗骨材の表面を結合材
で被覆し粗骨材表面に結合材層を形成する。 III.ついで、これに所定の温度に加熱した所要量の
フィラーを添加して混合し、粗骨材表面の結合材層に均
一に分散・付着させる。 IV.さらに、これに所定の温度に加熱した所要量の細
骨材を添加して混合し、粗骨材表面の結合材層に細骨材
を均一に分散・付着させてフィラー・細骨材層を形成す
る。IIIとIVの工程は、順序が逆になっても良い
し、同時に添加しても良い。 V.最後に、再び、これに所定の温度に加熱溶融した所
要結合材量の残りの部分を添加混合することにより、粗
骨材の表面に結合材層、フィラー・細骨材層および
結合材層からなる3層構造の厚い被覆層を形成させ
る。
【0030】かくして、本発明の排水性舗装材が得られ
る。即ち、粗骨材の表面を結合材で被覆して結合材層を
設け、その結合材層の上面にフィラーおよび細骨材を均
一に分散・付着させてフィラー・細骨材層を設けると共
に、そのフィラー・細骨材層の上面を被覆するように結
合材層を設けることにより、粗骨材の表面に結合材
層、フィラー・細骨材層および結合材層からなる3
層構造の被覆層を設けた排水性舗装材が得られる。
【0031】このようにして得られた排水性舗装材は、
粗骨材表面を3層構造の厚い被覆層が強固に付着・被覆
しているので、a)結合材の使用量を多くしてもダレが
なく骨材間の接着力、把握力が強く骨材の飛散がない、
b)また、雨水や紫外線の影響を受けにくい、c)さら
に、高粘度の結合材を使用しているので、流動抵抗性の
高いものが得られるなどの優れた性能を有しており、耐
久性が非常に優れている。
【0032】本発明の排水性舗装材は、前記「アスファ
ルト舗装要綱」に記載の施工要領に準じて、車道の表層
や基層などに舗設される。但し、この場合の舗設作業
は、初転圧、仕上げ転圧とも転圧回数や転圧時の温度等
が結合材の種類やその使用量によって異なるので、温度
管理に注意をはらい作業標準を十分確認して行なうよう
にすることが好ましい。また、使用する舗設機械等は、
一般の舗装材の場合と特に変わるところがないので詳述
しない。
【0033】
【実施例並びに比較例】以下に、実施例並びに比較例を
示し、さらに本発明の特徴を詳しく説明する。
【0034】
【使用材料】
1.粗骨材 6号砕石(栃木県鹿沼市産) この6号砕石の性状は、比重2.871、粒径4.75
〜13.2mmである。 2.細骨材 細目砂(千葉県佐原市産) この細目砂の性状は、比重2.764、粒径0.075
〜2.36mmである。 3.フィラー 石粉(市販品) この石粉の性状は、比重2.710、粒径0.075m
m以下である。 4.結合材 改質アスファルト(タフファルトスーパー;ニチレキ
(株)製) この改質アスファルトの代表的性状は、表1に示す通り
である。
【0035】
【表1】
【0036】
【実験1】試験室において、本発明の製造方法にる排水
性舗装材を表2に示す配合割合で製造し、耐久性に関す
る試験として、排水性舗装材のダレ試験を行なった。
【0037】ダレ試験は、結合材の使用量の上限を判別
するのに有功である。即ち、結合材の使用量は、排水性
舗装材の耐久性と密接な関係があり、なるべく使用量の
多い方が好ましい。
【0038】I.排水性舗装材の製造 排水性舗装材は、次に示す要領(手練り)で製造し、直
ちにダレ試験に供した。先ず、6号砕石830gを混合
鍋に投入して約165℃に加熱し、ついで、約180℃
に加熱溶融した改質アスファルト26.3gを添加して
約60秒間混合した。引きつづいて、約165℃に加熱
した石粉50gを添加して約40秒間混合した後、さら
に、約165℃に加熱した細目砂120gを添加して約
40秒間混合した。最後に、再び約180℃に加熱溶融
した改質アスファルト26.3gを添加して約60秒間
混合することにより排水性舗装材Aを製造した。以下、
同様に改質アスファルトの添加量を等量づつ2回に分
け、同様の要領で排水性舗装材B、C、DおよびEを製
造した。
【0039】II.ダレ試験 1)予め用意したマーシャルモールドの低部にろ紙とア
ルミホィールを敷き、前項で製造した排水性舗装材の所
要量を直ちにこのモールドに詰める。 2)モールドに詰めた排水性舗装材を165℃にセット
した恒温槽に1時間養生する。 3)養生終了後、受皿低部のろ紙およびアルミホィール
にダレて付着した結合材の重量を測定してダレ量を算出
する。試験結果を図1に示す。
【0040】比較のため、同じく表2に示す配合割合の
排水生舗装材を従来の製造方法により製造し、ダレ試験
を行なった。試験結果を同じく図1に示す。
【0041】
【表2】
【0042】図1より、同一の結合材量同志で比較した
場合、本発明の製造方法により製造した排水性舗装材の
ダレ量は、従来の製造方法により製造したものに比較し
て少なく、明らかに製造方法による差が出ていることが
分かる。
【0043】排水性舗装材の最適結合材量の決定は、一
般の舗装材の最適結合材量の決定方法とは異なり、主と
して舗装の耐久性を考慮して決定する。即ち、排水性舗
装材が最大限に保持できる結合材量で、且つ、機能性
(透水性など)を確保し得る結合材量を最適結合材量と
している。
【0044】一方、排水性舗装材における透水係数とダ
レ量の関係については、過去の実験データ、例えば、
(株)建設図書発行の雑誌「舗装」(1992,8 V
oL27)第10頁の記載から、排水性舗装材の透水係
数は、ダレ量が多くなるに伴い小さくなる傾向にあり、
また、ダレ量がおおむね500mgより多くなると急激
に透水性能が低下することが知られている。したがっ
て、排水性舗装材のダレ量は、500mgが一つの基準
(上限)になっている。
【0045】この結果より最適結合材量を算出すると、
本発明の製造方法による排水性舗装材の最適結合材量
は、5.3wt%となり、従来の製造方法による排水性
舗装材の最適結合材量は、5.0wt%となる。
【0046】
【実験2】実験1と同様に試験室において、本発明の製
造方法による排水性舗装材を表2に示す配合割合で製造
し、耐久性に関する試験として、日本道路公団の試験法
「JHS 231」に準拠してカンタプロ試験を行なっ
た。カンタプロ試験は、骨材飛散抵抗性を判別するのに
有効である。試験結果を図2に示す。
【0047】比較のため、同じく表2に示す配合割合の
排水性舗装材を従来の製造方法により製造し、カンタプ
ロ試験を行なった。試験結果を同じく図2に示す。
【0048】図2より、同一の結合材量同志で比較した
場合、本発明の製造方法による排水性舗装材のカンタプ
ロ損失率は、従来の製造方法による排水性舗装材のカン
タプロ損失率に比較してかなり小さくなっていることが
分かる。これは、本発明の製造方法による排水性舗装材
は、粗骨材表面が層構造の厚い被覆層により強固に付着
・被覆されているために損失率が小さくなっているもの
と推測される。
【0049】また、実験1で求めた最適結合材量で比較
した場合、本発明の製造方法による排水性舗装材のカン
タプロ損失率が6.1%であるのに対して、従来の製造
方法による排水性舗装材のカンタプロ損失率は、13.
0%と倍以上大きくなっている。
【0050】このように、耐久性に最も影響を与えるも
のと考えられるカンタプロ損失率においても明らかに製
造方法による差が出ている。
【0051】
【実験3】実験1で求めた最適結合材量(5.3wt
%)について、本発明の製造方法により排水性舗装材を
製造し、耐久性ならびに性能に関するその他の試験とし
て、マーシャル安定度試験、ホィールトラッキング試験
および透水試験を行なった。但し、マーシャル安定度試
験およびホィールトラッキング試験は、社団法人日本道
路協会発行の「舗装試験法便覧」に準拠し、また、透水
試験は、日本道路公団の試験法に準拠して行なった。試
験結果を表3に示す。
【0052】比較のため、同じく実験1で求めた最適結
合材量(5.0wt%)について、従来の製造方法によ
り排水性舗装材を製造し、マーシャル安定度試験、ホィ
ールトラッキング試験および透水試験を行なった。試験
結果を同じく表3に示す。
【0053】
【表3】
【0054】表3より、試験結果は、実施例と比較例と
では殆ど差はない。このことは、本発明の製造方法によ
る排水性舗装材は、結合材量をより多く使用しても従来
の製造方法による排水性舗装材の性能は十分に確保で
き、結合材量をより多く使用しているだけ排水性舗装材
としての耐久性に優れていると理解することができる。
【0055】以上のように、実験1、実験2および実験
3の結果から、本発明の製造方法による排水性舗装材
は、有用であることが実証された。
【0056】
【発明の効果】本発明は、以上のような構成になってい
るので、次のような優れた効果がある。 (1)本発明の排水性舗装材の製造方法によれば、粗骨
材の表面に結合材層、フィラー・細骨材層および
結合材層からなる3層構造の厚い被覆層を設けた排水性
舗装材を造ることができる実益を有する。 (2)本発明の製造方法による排水性舗装材は、粗骨材
の表面を被覆している被覆層(骨材間を接着する接着
層)が3層構造からなる厚い被覆層により形成されてい
るので骨材飛散抵抗性に優れた耐久性のある排水性舗装
を構築することができる。即ち、粗骨材表面を被覆して
いる第1層目の結合材層は、粗骨材界面において漏れが
良好で粗骨材に対するフィラー、細骨材の付着力を強め
る働きを有し、且つ、第3層目の結合材層は、骨材間の
接着力、把握力を強める働きを有するため、作業時にダ
レがなく供用中に骨材の飛散がない実益を有する。 (3)本発明の製造方法による排水性舗装材は、粗骨材
表面が3層構造の厚い被覆層により強固に付着・被覆さ
れているので雨水、紫外線等の影響に左右されず耐候性
に優れた排水性舗装を構築することができる実益を有す
る。 (4)その他、本発明の製造方法による排水性舗装材
は、結合材をより多く使用しても流動抵抗性や排水機能
性において従米の排水性舗装材と同等またはそれ以上の
性能を発揮できる実益を有する。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】 アスファルト量とダレ量との関係を示すグラ
フ。
【図2】 アスファルト量とカンダプロ損失率との関係
を示すグラフ。
フロントページの続き (72)発明者 西海 昌彦 東京都清瀬市元町2丁目18番22号 (72)発明者 羽入 昭吉 栃木県河内郡南河内町▲ぎ▼園3丁目1番 2号 (72)発明者 坂上 典之 東京都荒川区西尾久7丁目19番6号 (72)発明者 鈴木 俊行 栃木県下都賀郡国分寺町小金井110−2

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗骨材の表面を結合材で被覆して結合材
    層を設け、その結合材層の上面にフィラーおよび細骨材
    を均一に分散・付着させてフィラー・細骨材層を設ける
    と共に、そのフィラー・細骨材層の上面を被覆するよう
    に結合材層を設けることにより、粗骨材の表面に結合
    材層、フィラー・細骨材層および結合材層からなる
    3層構造の被覆層を設けたことを特徴とする排水性舗装
    材。
  2. 【請求項2】 結合材が改質アスファルトである請求項
    1記載の排水性舗装材。
  3. 【請求項3】 改質アスファルトの60℃粘度が20万
    ポアズ以上である請求項2記載の排水性舗装材。
  4. 【請求項4】 加熱した粗骨材100重量部に対し、加
    熱溶融した結合材1〜5重量部を添加混合して粗骨材表
    面を被覆し、ついで、加熱しフィラー0〜10重量部及
    び加熱した細骨材0〜30重量部を逐次ないし同時に添
    加混合してフィラーおよび細骨材を粗骨材表面の結合材
    層に対して均一に分散・付着させた後、さらに、加熱溶
    融した結合材1〜5重量部を添加混合することにより、
    粗骨材の表面に結合材層、フィラー・細骨材層およ
    び結合材層からなる3層構造の被覆層を設けることを
    特徴とする排水性舗装材の製造方法。
  5. 【請求項5】 結合材が改質アスファルトである請求項
    4記載の排水性舗装材の製造方法。
  6. 【請求項6】 改質アスファルトの60℃粘度が20万
    ポアズ以上である請求項5記載の排水性舗装材の製造方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006214087A (ja) * 2005-02-01 2006-08-17 Nippo Corporation:Kk 騒音低減性アスファルト混合物層の施工方法
JP2007022843A (ja) * 2005-07-14 2007-02-01 Sanyo Special Steel Co Ltd 耐流動性アスファルト混合物用骨材
JP2010007353A (ja) * 2008-06-26 2010-01-14 Himeji Ichi アスファルト舗装路の補修方法
JP2013087434A (ja) * 2011-10-14 2013-05-13 Taisei Rotec Corp 既設舗装体の改修方法

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