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JPH08263143A - 外乱オブザーバを用いた制御ゲイン切り替え方式 - Google Patents

外乱オブザーバを用いた制御ゲイン切り替え方式

Info

Publication number
JPH08263143A
JPH08263143A JP7088622A JP8862295A JPH08263143A JP H08263143 A JPH08263143 A JP H08263143A JP 7088622 A JP7088622 A JP 7088622A JP 8862295 A JP8862295 A JP 8862295A JP H08263143 A JPH08263143 A JP H08263143A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control gain
motor
value
control
backlash
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7088622A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuro Kato
哲朗 加藤
Shin Hatanaka
心 畑中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fanuc Corp filed Critical Fanuc Corp
Priority to JP7088622A priority Critical patent/JPH08263143A/ja
Publication of JPH08263143A publication Critical patent/JPH08263143A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Control Of Position Or Direction (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バックラッシュの状態に応じて制御ゲインの
切り替えを行うことができる制御ゲイン切り替え方式を
提供する。 【構成】 モータに加わる外力を外乱オブザーバ5で推
定し、該推定値に応じてモータを制御する制御ゲインを
切り替えることによって、バックラッシュの状態に応じ
て制御ゲインの切り替えを行う。外乱オブザーバ5は、
トルク指令Tcmdと速度θm*を入力して、モータに
加わる外力を推定する。制御器切り替え手段6は、この
推定した外力によってバックラッシュの状態を判定し、
制御ブロック1中で制御ゲインkmを有する第1制御器
11と制御ゲインkを有する第2制御器12との切り替
えを行い、これによって、制御ゲインの値を切り替え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工作機械のテーブル等
の送り軸やロボットの駆動軸等を駆動するモータの制御
に関し、特に制御ゲインの調節方式に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械のテーブル等の送り軸やロボッ
トの駆動軸等を駆動するモータを制御する場合、従来、
例えば図10に示すような制御ループ(図では速度ルー
プについて示している)によって行っている。図10の
制御ループでは、速度指令に制御ゲインKを乗じた値を
トルク指令Tcmdとし、該トルク指令Tcmdを電流
ループを介してモータに供給する。モータはモータのト
ルク定数KtとモータのイナーシャJmを持ち、前記ト
ルク指令Tcmdによって駆動されてモータ速度θm*
を出力する。なお、θmはモータ位置を表し*は微分を
表しており、モータ速度θm*はモータ位置θmを微分
したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、負荷をモータ
駆動する場合、負荷とモータとの間に減速機等の伝達機
構を介して行う場合がある。このような伝達機構を介し
てモータを駆動する際には、モータと伝達機構との間に
バックラッシュが存在する場合がある。このようにバッ
クラッシュが存在する場合に、モータから負荷側を見た
ときのイナーシャはバックラッシュの有無によって異な
る。
【0004】従来のモータの制御方式では、このバック
ラッシュに有無にかかわらず一定の制御ゲインKを持つ
一つの制御器によって制御を行っている。この制御器の
制御ゲインとしては、バックラッシュ中において安定な
制御が得られる最大の制御ゲイン値とバックラッシュ中
でなく噛み合っている場合において安定な制御が得られ
る最大の制御ゲイン値との内で低いほうの制御ゲイン値
を採用し、これによって、バックラッシュの有無に関係
なく安定な制御を確保している。なお、ここで、バック
ラッシュ中とは、モータと伝達機構とが噛み合っていな
い状態を示している。
【0005】しかしながら、この従来の制御方式では、
常に制御性能が低くなる方に制御ゲインが設定されると
いう問題点がある。
【0006】そこで、本発明は前記した従来の問題点を
解決して、バックラッシュの状態に応じて制御ゲインの
切り替えを行うことができる制御ゲイン切り替え方式を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、モータに加わ
る外力を外乱オブサーバで推定し、モータを制御する制
御ゲインをこの推定値に応じて切り替えることによっ
て、前記目的を達成するものである。
【0008】本発明の外乱オブサーバはモータに加わる
外乱を推定するオブサーバであり、伝達機構等の負荷が
モータに接続されているか否かをモータ側から判定する
ものである。そして、バックラッシュか否かの境界にお
ける外乱オブサーバの推定値をあらかじめ求め、その値
をしきい値として設定し、モータ制御中における外乱オ
ブサーバの推定値とそのしきい値とを比較することによ
ってバックラッシュの有無を推定し、これによって、モ
ータを制御する制御ゲインを切り替えるものである。
【0009】この制御ゲインの切り替えでは、異なる制
御ゲインが設定された複数の制御器を用意し、外乱オブ
サーバの推定値に応じてこの制御器を切り替えることに
より行う方式により実現すくことも、あるいは、一つの
制御器の制御ゲイン値を外乱オブサーバの推定値に応じ
て異なる値に切り替えることにより行う方式によた実現
するせともできる。
【0010】また、制御ゲインの切り替えにおいて、推
定値が設定値より小さい場合には小さな制御ゲインと
し、推定値が設定値より大きい場合には大きな制御ゲイ
ンとするよう制御することによって、バックラッシュが
存在する機構において、バックラッシュの状態に対応し
て制御器の制御ゲインを最大値に設定することができ
る。
【0011】
【作用】外乱オブサーバはモータからみた外乱トルクを
推定する。モータと伝達機構等の負荷との間でバックラ
ッシュがあり、モータ側からみて負荷が噛み合っていな
い場合には、外乱オブサーバの推定値は小さくなる。そ
こで、モータと負荷とが噛み合っているときと噛み合っ
ていないときの境界での外乱オブサーバの推定値をあら
かじめ求め、その推定値をしきい値として設定してお
く。
【0012】外乱オブサーバが推定する推定値としきい
値とを比較し、推定値がしきい値より小さい場合にはモ
ータと負荷とは噛み合った状態ではなくバックラッシュ
中であると判定し、一方、推定値がしきい値より大きい
場合にはモータと負荷とは噛み合った状態であってバッ
クラッシュ中でないと判定する。
【0013】そして、前記の判定に基づいて制御器の制
御ゲインの切り替えを行う。つまり、推定値がしきい値
より小さくバックラッシュ中であると判定される場合に
は、制御器が制御する対象はモータ単体とし、その制御
器の制御ゲインをモータ単体に対応した小さな値に設定
し、一方、推定値がしきい値より大きい場合には、制御
器が制御する対象はモータ単体および負荷とし、その制
御器の制御ゲインをモータ単体および負荷に対応した大
きな値に設定する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照しながら詳
細に説明する。伝達機構を介して負荷に接続されたモー
タの速度制御を行う場合、この伝達機構とモータとの間
にバックラッシュが存在する場合がある。このようなバ
ックラッシュが存在するとき、伝達機構や負荷が剛体と
見なせる程度に剛性が十分に高い場合には、そのモータ
と伝達機構および負荷を含めたモデルの運動方程式は、
以下の式によって表すことができる。
【0015】(バックラッシュの中に入っている場
合): τ=Jm・θm** …(1) (モータと伝達機構が噛み合っている場合): τ=(Jm+JL )・θm** …(2) なお、上記式(1),(2)において、バックラッシュ
の中に入っている場合とはモータと伝達機構とが噛み合
っていない場合である。また、τはモータの出力トルク
〔Kgfcm〕、Jmはモータ単体のイナーシャ〔Kg
fcm/(rad/s2 )〕、JL はモータ側からみて
剛体と見なせる伝達機構や負荷のイナーシャ〔Kgfc
m/(rad/s2 )〕であり、θmはモータ位置〔r
ad〕である。また、θmに付した“**”の符号は2
階微分を表し、θm**はモータの加速度〔rad/s
2 〕を表している。
【0016】上記の制御対象について、電流ループおよ
び速度ループについて制御ループを構成すると、図1お
よび図2に示すような本発明の外乱オブサーバを用いた
制御ゲイン切り替え方式を実施する制御ブロック図とな
る。なお、図1,図2は本発明の制御ゲイン切り替え方
式を説明するに必要な部分のみを示し、その他の部分に
ついては、通常のモータの制御と同様であるため省略し
て示している。また、図1は本発明の実施例を構成する
第1の構成例であり、図2は本発明の実施例を構成する
第2の構成例である。
【0017】図1の第1の構成例において、制御ゲイン
のブロック1において速度指令に制御ゲインが乗じてト
ルク指令Tcmdを電流ループ2に出力する。第1の構
成例では、この制御ゲインのブロック1は第1の制御器
11と第2の制御器12とを備え、第1の制御器11の
制御ゲインはバックラッシュ中に使用する制御ゲインK
mであり、第2の制御器12の制御ゲインは噛み合って
いるときに使用する制御ゲインKである。
【0018】この電流ループ2により制御対象であるモ
ータおよび伝達機構等の負荷の駆動が行われる。ここ
で、制御対象側はモータのトルク定数Kt〔Kgfcm
/A〕のブロック3および制御対象のブロック4によっ
て示している。また、この制御対象の伝達関数は、バッ
クラッシュ中では(1/Jms)であり、噛み合ってい
る場合には(1/(Jm+JL )s)によって表され
る。また、ζを電流ループの減衰係数、ωを電流ループ
の固有角周波数〔rad/s〕とすると、電流ループの
伝達機構は{ω2 /(s2 +2ζωs+ω2 )}によっ
て表すことができる。
【0019】制御対象4の出力はモータ速度θm*とし
て出力され、制御ゲインのブロック1にフィードバック
されると共に、外乱オブサーバ5に入力される。外乱オ
ブサーバ5は、このモータ速度θm*とトルク指令Tc
mdとを入力として、モータに加わる外乱トルクTL を
推定するオブサーバである。外乱オブサーバ5が推定し
た外乱トルクの推定値は制御器切り替え手段6に入力さ
れ、推定値に応じて制御ゲインのブロック1内の制御器
11,12の切り替えを行う。
【0020】なお、制御ゲインKmはJm/(Kt・δ
v)とし、制御ゲインKは(Jm+JL )/(Kt・δ
v)であり、δvは速度ループの時定数〔s〕である。
【0021】また、図2に示す第2の構成例は、前記図
1の第1の構成例と比較して、制御ゲインのブロック1
および制御器切り替え手段6の構成の点で相違してい
る。図2の制御ゲインのブロック1は一つの制御器を備
え、該制御器の制御ゲインの値は変更可能である。この
制御器の制御ゲインの切り替えは、第1の構成例の制御
器切り替え手段6に代えた制御ゲイン切り替え手段7に
よって行う構成としている。第2の構成例のその他の構
成は、図1に示した第1の構成例と共通である。
【0022】この図1,図2に示すモータに対して、外
乱オブサーバを組む一般的な手法によって、速度θm*
とトルク指令Tcmdを入力として外乱TL を推定する
オブサーバを組むと図3中の一点鎖線で囲まれる外乱オ
ブサーバ5となる。
【0023】外乱オブサーバ5の項51,52,53,
54はパラメータであり、項55は積分項である。
【0024】この図3中の外乱オブサーバについて状態
方程式によって表すと、以下の式となる。
【0025】 θm*=(Tcmd・Kt+TL )/Jms …(3) w*=(A−K・C)w+B・Tcmd+K・θm* …(4) z=〔0 1〕・w …(5) なお、wは外乱オブサーバの状態変数であって、w=
〔w1 w2〕T で表され、w1は推定モータ速度,w
2はモータに加わる外力である。また、zは外乱オブサ
ーバの出力である。
【0026】さらに、A,B,C,Kは以下の式
(6),(7),(8),(9)によって表される。
【0027】
【数1】 なお、Kは外乱オブサーバの極位置を決める行列であ
る。
【0028】制御器切り替え手段6あるいは制御ゲイン
切り替え手段7は、この外乱オブサーバ5から得られる
外乱zを入力し、その値に応じて制御ゲインのブロック
1の制御を行う。
【0029】前記構成例1の制御器切り替え手段6は、
推定した外乱zとあらかじめ定めておいたしきい値との
比較を行い、比較結果に基づいて制御ゲインのブロック
1中で制御器11あるいは制御器12を選択し、電流ル
ープ2との接続を切り替え処理を行う。このしきい値
は、バックラッシュの境界における外乱オブサーバの推
定値を用いることができる。
【0030】そして、前記推定した外乱zがしきい値よ
り小さい場合には、モータと負荷とは噛み合った状態で
はなくバックラッシュ中であると判定して制御ゲインK
mの制御器11への切り替えを行い、一方、推定外乱z
がしきい値より大きい場合にはモータと負荷とは噛み合
った状態であってバックラッシュ中でないと判定して制
御ゲインKの制御器12に切り替えを行う。
【0031】また、前記構成例2の制御器切り替え手段
7は、推定した外乱zとあらかじめ定めておいたしきい
値との比較を行い、比較結果に基づいて制御ゲインの値
を選択し、選択した制御ゲイン値を制御ゲインのブロッ
ク1に設定して切り替え処理を行う。このしきい値は、
前記構成例1と同様にバックラッシュの境界における外
乱オブサーバの推定値を用いることができる。
【0032】そして、前記推定した外乱zがしきい値よ
り小さい場合には、モータと負荷とは噛み合った状態で
はなくバックラッシュ中であると判定して制御ゲインの
値をKmに切り替え、一方、推定外乱zがしきい値より
大きい場合にはモータと負荷とは噛み合った状態であっ
てバックラッシュ中でないと判定して制御ゲインの値を
Kに切り替える。
【0033】図4は本発明の方式を実施するモータ制御
系の要部ブロック図である。図4において、81は工作
機械やロボットを制御する制御装置で、各制御装置から
移動指令、各種制御信号が共有メモリ82をかいしてデ
ジタルサーボ回路83に出力される。デジタルサーボ回
路83は、プロセッサ,ROM,RAM等で構成され、
位置,速度等のサーボ制御をデシタル的に制御し、トラ
ンジスタインバータ等で構成されるサーボアンプ84に
電流指令を出力し、サーボモータ35を制御する。ま
た、86は位置,速度を検出する位置速度検出器でサー
ボモータのモータ軸に取り付けられたパルスコーダ等で
構成され、デジタルサーボ回路83に位置,速度フィー
ドバック信号を出力している。
【0034】図5は、デジタルサーボ回路83のプロセ
ッサが実施する処理のフローチャートである。なお、し
きい値Ttはあらかじめ設定しておく。
【0035】プロセッサは、ステップS1の工程によっ
てモータに加わる外力を推定して外乱zを求め、次のス
テップS2からステップS4の工程によって制御ゲイン
の切り替えを行うことによって、バックラッシュがある
場合の最適な制御ゲイン値の設定を行う。
【0036】はじめ、プロセッサはモータに加わる外力
TL を推定して外乱zを求める。
【0037】次に、あらかじめ求めて格納しておいたし
きい値Ttを読み出し、推定した外乱zとの比較を行
う。推定外乱zがしきい値より小さい場合には、モータ
と負荷とは噛み合った状態ではなくバックラッシュ中で
あると判定してステップS3に進み、一方、推定外乱z
がしきい値より大きい場合にはモータと負荷とは噛み合
った状態であってバックラッシュ中でないと判定してス
テップS4に進む(ステップS2)。
【0038】ステップS3では、バックラッシュ中であ
ってモータと伝達機構とは噛み合っていないため、制御
対象のイナーシャはモータ単体のJmのみに関する値で
ある制御ゲインKm(=Jm/(Kt・δv))に設定
する。この制御ゲインKmの設定は、該制御ゲイン値を
持つ制御器に切り替える構成により行うことも、あるい
は一つの制御器の制御ゲイン値を切り替えることによっ
て行うことができる。
【0039】また、ステップS4では、バックラッシュ
中でなくモータと伝達機構とは噛み合っているため、制
御対象のイナーシャはモータ単体のJmと伝達機構等の
負荷のイナーシャJL に関する値である制御ゲインK
(=(Jm+JL )/(Kt・δv))に設定する。こ
の制御ゲインKの設定についも、前記制御ゲインKmと
同様に、該制御ゲイン値を持つ制御器に切り替える構成
により行うことも、あるいは一つの制御器の制御ゲイン
値を切り替えることによって行うことができる。
【0040】制御ゲインの切り替えにおいて、制御器の
切り替えを行う場合には、例えば周知のスイッチング素
子によって制御器と電流ループとの接続を切り替えるこ
とにより行うことができる。また、一つの制御器の制御
ゲイン値を切り替える場合には、制御ゲイン値を格納し
ておき、外乱zに応じてその値を選択して制御器に設定
する構成とすることができる。
【0041】次に、本発明の外乱オブサーバを用いた制
御ゲイン切り替え方式による実施結果例を示す。図6か
ら図9の実施結果例は、以下に示す各パラメータの値
で、200rpmに相当する速度指令である20.9
〔rad/s〕のステップを入力した場合を示してい
る。なお、バックラッシュの量は、モータからみて1.
0〔rad〕としている。
【0042】 Jm=0.1192〔Kgfcm/(rad/s2 )〕 JL =1.728〔Kgfcm/(rad/s2 )〕 δv=0.008〔s〕 Kt=8.890〔Kgfcm/A〕 ζ=0.707 ω=1333〔rad/s〕 K=〔754.0 −1906〕T 図6および図7は一定の制御ゲインによるステップ応答
を示し、図6の制御ゲインはバックラッシュ中の制御ゲ
イン値であるKmを用いた場合であり、図7の制御ゲイ
ンは噛み合っている場合の制御ゲイン値であるKを用い
た場合である。
【0043】図6の場合において、時刻aまではバック
ラッシュ中であり、時刻a以後においてモータと伝達機
構とが噛み合う状態となる。制御ゲインをKmに固定す
る場合には、制御ゲイン値が必要な値より小さいためこ
の点a以後の速度の立ち上がりが遅くなり、オーバーシ
ュートを大きくなる現象が生じる。
【0044】また、図7はバックラッシュ中のモータに
対して制御ゲインをKに固定した場合であり、モータ単
体における動作を表している。この場合には、電流ルー
プの追従が困難となって発振現象を起こすことになる。
【0045】一方、図8および図9は、本発明の方式を
適用した場合のステップ応答であり、図8は外力の推定
値を示し図9はモータ速度を示している。
【0046】図8および図9において、時刻bまではバ
ックラッシュ中であって、外力の推定値はしきい値より
小さく、この間では制御ゲインとしてKmの値を用いて
制御を行う。時刻bから時刻cまでの間はモータと伝達
機構とが噛み合った状態であり、そのときの外力の推定
値はしきい値より大きく、制御ゲインをKmからKの値
に切り替えて制御が行う。さらに、時刻b以後は再びバ
ックラッシュの状態となって、外力の推定値はしきい値
より小さな一定値となり、再び制御ゲインの値をKから
Kmの値を切り替えて制御を行う。この場合には、前記
図6の場合と比較して、立ち上がりも速く、オーバーシ
ュートも小さく制御を行うことができる。
【0047】したがって、本発明の実施例によれば、モ
ータと伝達機構等の負荷との間でバックラッシュに入っ
ているときとバックラッシュに入っていないときのそれ
ぞれの状態に応じた制御ゲインを設定することができ、
これによって、従来の制御方式のように制御性能の低い
制御ゲイン値に合わせることによる制御性能の低下を防
止することができる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
バックラッシュの状態に応じて制御ゲインの切り替えを
行うことができる制御ゲイン切り替え方式を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を構成する第1の構成例を示す
ブロック図である。
【図2】本発明の実施例を構成する第2の構成例を示す
ブロック図である。
【図3】本発明の実施例の外乱オブサーバを説明するブ
ロック図である。
【図4】本発明の方式を実施するモータ制御系の要部ブ
ロック図である。
【図5】本発明の方式によるデジタルサーボ回路のプロ
セッサが実施する処理のフローチャートである。
【図6】一定の制御ゲインによるステップ応答例であ
る。
【図7】一定の制御ゲインによるステップ応答例であ
る。
【図8】本発明の方式による制御ゲイン切り替えによる
外乱オブザーバの推定値例である。
【図9】本発明の方式による制御ゲイン切り替えによる
ステップ応答例である。
【図10】従来の制御ループを説明するためのブロック
図である。
【符号の説明】
1 制御ブロック 2 電流ループのブロック 3 トルク定数のブロック 4 制御対象のブロック 5 外乱オブサーバのブロック 6 制御器切り替え手段 7 制御ゲイン切り替え手段 11 第1制御器 12 第2制御器
【手続補正書】
【提出日】平成7年7月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 外乱オブザーバを用いた制御ゲイン切
り替え方式
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工作機械のテーブル等
の送り軸やロボットの駆動軸等を駆動するモータの制御
に関し、特に制御ゲインの調節方式に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械のテーブル等の送り軸やロボッ
トの駆動軸等を駆動するモータを制御する場合、従来、
例えば図10に示すような制御ループ(図では速度ルー
プについて示している)によって行っている。図10の
制御ループでは、速度指令に制御ゲインKを乗じた値を
トルク指令Tcmdとし、該トルク指令Tcmdを電流
ループを介してモータに供給する。モータはモータのト
ルク定数KtとモータのイナーシャJmを持ち、前記ト
ルク指令Tcmdによって駆動されてモータ速度θm*
を出力する。なお、θmはモータ位置を表し*は微分を
表しており、モータ速度θm*はモータ位置θmを微分
したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、負荷をモータ
駆動する場合、負荷とモータとの間に減速機等の伝達機
構を介して行う場合がある。このような伝達機構を介し
てモータを駆動する際には、モータと伝達機構との間に
バックラッシュが存在する場合がある。このようにバッ
クラッシュが存在する場合に、モータから負荷側を見た
ときのイナーシャはバックラッシュの有無によって異な
る。
【0004】従来のモータの制御方式では、このバック
ラッシュに有無にかかわらず一定の制御ゲインKを持つ
一つの制御器によって制御を行っている。この制御器の
制御ゲインとしては、バックラッシュ中において安定な
制御が得られる最大の制御ゲイン値とバックラッシュ中
でなく噛み合っている場合において安定な制御が得られ
る最大の制御ゲイン値との内で低いほうの制御ゲイン値
を採用し、これによって、バックラッシュの有無に関係
なく安定な制御を確保している。なお、ここで、バック
ラッシュ中とは、モータと伝達機構とが噛み合っていな
い状態を示している。
【0005】しかしながら、この従来の制御方式では、
常に制御性能が低くなる方に制御ゲインが設定されると
いう問題点がある。
【0006】そこで、本発明は前記した従来の問題点を
解決して、バックラッシュの状態に応じて制御ゲインの
切り替えを行うことができる制御ゲイン切り替え方式を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、モータに加わ
る外力を外乱オブザーバで推定し、モータを制御する制
御ゲインをこの推定値に応じて切り替えることによっ
て、前記目的を達成するものである。
【0008】本発明の外乱オブザーバはモータに加わる
外乱を推定するオブザーバであり、伝達機構等の負荷が
モータに接続されているか否かをモータ側から判定する
ものである。そして、バックラッシュか否かの境界にお
ける外乱オブザーバの推定値をあらかじめ求め、その値
をしきい値として設定し、モータ制御中における外乱
ブザーバの推定値とそのしきい値とを比較することによ
ってバックラッシュの有無を推定し、これによって、モ
ータを制御する制御ゲインを切り替えるものである。
【0009】この制御ゲインの切り替えでは、異なる制
御ゲインが設定された複数の制御器を用意し、外乱オブ
ザーバの推定値に応じてこの制御器を切り替えることに
より行う方式により実現すくことも、あるいは、一つの
制御器の制御ゲイン値を外乱オブザーバの推定値に応じ
て異なる値に切り替えることにより行う方式によた実現
するせともできる。
【0010】また、制御ゲインの切り替えにおいて、推
定値が設定値より小さい場合には小さな制御ゲインと
し、推定値が設定値より大きい場合には大きな制御ゲイ
ンとするよう制御することによって、バックラッシュが
存在する機構において、バックラッシュの状態に対応し
て制御器の制御ゲインを最大値に設定することができ
る。
【0011】
【作用】外乱オブザーバはモータからみた外乱トルクを
推定する。モータと伝達機構等の負荷との間でバックラ
ッシュがあり、モータ側からみて負荷が噛み合っていな
い場合には、外乱オブザーバの推定値は小さくなる。そ
こで、モータと負荷とが噛み合っているときと噛み合っ
ていないときの境界での外乱オブザーバの推定値をあら
かじめ求め、その推定値をしきい値として設定してお
く。
【0012】外乱オブザーバが推定する推定値としきい
値とを比較し、推定値がしきい値より小さい場合にはモ
ータと負荷とは噛み合った状態ではなくバックラッシュ
中であると判定し、一方、推定値がしきい値より大きい
場合にはモータと負荷とは噛み合った状態であってバッ
クラッシュ中でないと判定する。
【0013】そして、前記の判定に基づいて制御器の制
御ゲインの切り替えを行う。つまり、推定値がしきい値
より小さくバックラッシュ中であると判定される場合に
は、制御器が制御する対象はモータ単体とし、その制御
器の制御ゲインをモータ単体に対応した小さな値に設定
し、一方、推定値がしきい値より大きい場合には、制御
器が制御する対象はモータ単体および負荷とし、その制
御器の制御ゲインをモータ単体および負荷に対応した大
きな値に設定する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照しながら詳
細に説明する。伝達機構を介して負荷に接続されたモー
タの速度制御を行う場合、この伝達機構とモータとの間
にバックラッシュが存在する場合がある。このようなバ
ックラッシュが存在するとき、伝達機構や負荷が剛体と
見なせる程度に剛性が十分に高い場合には、そのモータ
と伝達機構および負荷を含めたモデルの運動方程式は、
以下の式によって表すことができる。
【0015】(バックラッシュの中に入っている場
合): τ=Jm・θm** …(1) (モータと伝達機構が噛み合っている場合): τ=(Jm+JL)・θm** …(2) なお、上記式(1),(2)において、バックラッシュ
の中に入っている場合とはモータと伝達機構とが噛み合
っていない場合である。また、τはモータの出力トルク
〔Kgfcm〕、Jmはモータ単体のイナーシャ〔Kg
fcm/(rad/s2)〕、JLはモータ側からみて
剛体と見なせる伝達機構や負荷のイナーシャ〔Kgfc
m/(rad/s2)〕であり、θmはモータ位置〔r
ad〕である。また、θmに付した“**”の符号は2
階微分を表し、θm**はモータの加速度〔rad/s
2〕を表している。
【0016】上記の制御対象について、電流ループおよ
び速度ループについて制御ループを構成すると、図1お
よび図2に示すような本発明の外乱オブザーバを用いた
制御ゲイン切り替え方式を実施する制御ブロック図とな
る。なお、図1,図2は本発明の制御ゲイン切り替え方
式を説明するに必要な部分のみを示し、その他の部分に
ついては、通常のモータの制御と同様であるため省略し
て示している。また、図1は本発明の実施例を構成する
第1の構成例であり、図2は本発明の実施例を構成する
第2の構成例である。
【0017】図1の第1の構成例において、制御ゲイン
のブロック1において速度指令に制御ゲインが乗じてト
ルク指令Tcmdを電流ループ2に出力する。第1の構
成例では、この制御ゲインのブロック1は第1の制御器
11と第2の制御器12とを備え、第1の制御器11の
制御ゲインはバックラッシュ中に使用する制御ゲインK
mであり、第2の制御器12の制御ゲインは噛み合って
いるときに使用する制御ゲインKである。
【0018】この電流ループ2により制御対象であるモ
ータおよび伝達機構等の負荷の駆動が行われる。ここ
で、制御対象側はモータのトルク定数Kt〔Kgfcm
/A〕のブロック3および制御対象のブロック4によっ
て示している。また、この制御対象の伝達関数は、バッ
クラッシュ中では(1/Jms)であり、噛み合ってい
る場合には(1/(Jm+JL)s)によって表され
る。また、ζを電流ループの減衰係数、ωを電流ループ
の固有角周波数〔rad/s〕とすると、電流ループの
伝達機構は{ω2/(s2+2ζωs+ω2)}によっ
て表すことができる。
【0019】制御対象4の出力はモータ速度θm*とし
て出力され、制御ゲインのブロック1にフィードバック
されると共に、外乱オブザーバ5に入力される。外乱オ
ブザーバ5は、このモータ速度θm*とトルク指令Tc
mdとを入力として、モータに加わる外乱トルクTLを
推定するオブザーバである。外乱オブザーバ5が推定し
た外乱トルクの推定値は制御器切り替え手段6に入力さ
れ、推定値に応じて制御ゲインのブロック1内の制御器
11,12の切り替えを行う。
【0020】なお、制御ゲインKmはJm/(Kt・δ
v)とし、制御ゲインKは(Jm+JL)/(Kt・δ
v)であり、δvは速度ループの時定数〔s〕である。
【0021】また、図2に示す第2の構成例は、前記図
1の第1の構成例と比較して、制御ゲインのブロック1
および制御器切り替え手段6の構成の点で相違してい
る。図2の制御ゲインのブロック1は一つの制御器を備
え、該制御器の制御ゲインの値は変更可能である。この
制御器の制御ゲインの切り替えは、第1の構成例の制御
器切り替え手段6に代えた制御ゲイン切り替え手段7に
よって行う構成としている。第2の構成例のその他の構
成は、図1に示した第1の構成例と共通である。
【0022】この図1,図2に示すモータに対して、外
オブザーバを組む一般的な手法によって、速度θm*
とトルク指令Tcmdを入力として外乱TLを推定する
オブザーバを組むと図3中の一点鎖線で囲まれる外乱
ブザーバ5となる。
【0023】外乱オブザーバ5の項51,52,53,
54はパラメータであり、項55は積分項である。
【0024】この図3中の外乱オブザーバについて状態
方程式によって表すと、以下の式となる。
【0025】 θm*=(Tcmd・Kt+TL)/Jms …(3) w*=(A−K・C)w+B・Tcmd+K・θm* …(4) z=〔0 1〕・w …(5) なお、wは外乱オブザーバの状態変数であって、w=
〔w1 w2〕で表され、w1は推定モータ速度,w
2はモータに加わる外力である。また、zは外乱オブザ
ーバの出力である。
【0026】さらに、A,B,C,Kは以下の式
(6),(7),(8),(9)によって表される。
【0027】
【数1】 なお、Kは外乱オブザーバの極位置を決める行列であ
る。
【0028】制御器切り替え手段6あるいは制御ゲイン
切り替え手段7は、この外乱オブザーバ5から得られる
外乱zを入力し、その値に応じて制御ゲインのブロック
1の制御を行う。
【0029】前記構成例1の制御器切り替え手段6は、
推定した外乱zとあらかじめ定めておいたしきい値との
比較を行い、比較結果に基づいて制御ゲインのブロック
1中で制御器11あるいは制御器12を選択し、電流ル
ープ2との接続を切り替え処理を行う。このしきい値
は、バックラッシュの境界における外乱オブザーバの推
定値を用いることができる。
【0030】そして、前記推定した外乱zがしきい値よ
り小さい場合には、モータと負荷とは噛み合った状態で
はなくバックラッシュ中であると判定して制御ゲインK
mの制御器11への切り替えを行い、一方、推定外乱z
がしきい値より大きい場合にはモータと負荷とは噛み合
った状態であってバックラッシュ中でないと判定して制
御ゲインKの制御器12に切り替えを行う。
【0031】また、前記構成例2の制御器切り替え手段
7は、推定した外乱zとあらかじめ定めておいたしきい
値との比較を行い、比較結果に基づいて制御ゲインの値
を選択し、選択した制御ゲイン値を制御ゲインのブロッ
ク1に設定して切り替え処理を行う。このしきい値は、
前記構成例1と同様にバックラッシュの境界における外
オブザーバの推定値を用いることができる。
【0032】そして、前記推定した外乱zがしきい値よ
り小さい場合には、モータと負荷とは噛み合った状態で
はなくバックラッシュ中であると判定して制御ゲインの
値をKmに切り替え、一方、推定外乱zがしきい値より
大きい場合にはモータと負荷とは噛み合った状態であっ
てバックラッシュ中でないと判定して制御ゲインの値を
Kに切り替える。
【0033】図4は本発明の方式を実施するモータ制御
系の要部ブロック図である。図4において、81は工作
機械やロボットを制御する制御装置で、各制御装置から
移動指令、各種制御信号が共有メモリ82をかいしてデ
ジタルサーボ回路83に出力される。デジタルサーボ回
路83は、プロセッサ,ROM,RAM等で構成され、
位置,速度等のサーボ制御をデシタル的に制御し、トラ
ンジスタインバータ等で構成されるサーボアンプ84に
電流指令を出力し、サーボモータ35を制御する。ま
た、86は位置,速度を検出する位置速度検出器でサー
ボモータのモータ軸に取り付けられたパルスコーダ等で
構成され、デジタルサーボ回路83に位置,速度フィー
ドバック信号を出力している。
【0034】図5は、デジタルサーボ回路83のプロセ
ッサが実施する処理のフローチャートである。なお、し
きい値Ttはあらかじめ設定しておく。
【0035】プロセッサは、ステップS1の工程によっ
てモータに加わる外力を推定して外乱zを求め、次のス
テップS2からステップS4の工程によって制御ゲイン
の切り替えを行うことによって、バックラッシュがある
場合の最適な制御ゲイン値の設定を行う。
【0036】はじめ、プロセッサはモータに加わる外力
TLを推定して外乱zを求める。
【0037】次に、あらかじめ求めて格納しておいたし
きい値Ttを読み出し、推定した外乱zとの比較を行
う。推定外乱zがしきい値より小さい場合には、モータ
と負荷とは噛み合った状態ではなくバックラッシュ中で
あると判定してステップS3に進み、一方、推定外乱z
がしきい値より大きい場合にはモータと負荷とは噛み合
った状態であってバックラッシュ中でないと判定してス
テップS4に進む(ステップS2)。
【0038】ステップS3では、バックラッシュ中であ
ってモータと伝達機構とは噛み合っていないため、制御
対象のイナーシャはモータ単体のJmのみに関する値で
ある制御ゲインKm(=Jm/(Kt・δv))に設定
する。この制御ゲインKmの設定は、該制御ゲイン値を
持つ制御器に切り替える構成により行うことも、あるい
は一つの制御器の制御ゲイン値を切り替えることによっ
て行うことができる。
【0039】また、ステップS4では、バックラッシュ
中でなくモータと伝達機構とは噛み合っているため、制
御対象のイナーシャはモータ単体のJmと伝達機構等の
負荷のイナーシャJLに関する値である制御ゲインK
(=(Jm+JL)/(Kt・δv))に設定する。こ
の制御ゲインKの設定についも、前記制御ゲインKmと
同様に、該制御ゲイン値を持つ制御器に切り替える構成
により行うことも、あるいは一つの制御器の制御ゲイン
値を切り替えることによって行うことができる。
【0040】制御ゲインの切り替えにおいて、制御器の
切り替えを行う場合には、例えば周知のスイッチング素
子によって制御器と電流ループとの接続を切り替えるこ
とにより行うことができる。また、一つの制御器の制御
ゲイン値を切り替える場合には、制御ゲイン値を格納し
ておき、外乱zに応じてその値を選択して制御器に設定
する構成とすることができる。
【0041】次に、本発明の外乱オブザーバを用いた制
御ゲイン切り替え方式による実施結果例を示す。図6か
ら図9の実施結果例は、以下に示す各パラメータの値
で、200rpmに相当する速度指令である20.9
〔rad/s〕のステップを入力した場合を示してい
る。なお、バックラッシュの量は、モータからみて1.
0〔rad〕としている。
【0042】 Jm=0.1192〔Kgfcm/(rad/s)〕 JL=1.728〔Kgfcm/(rad/s)〕 δv=0.008〔s〕 Kt=8.890〔Kgfcm/A〕 ζ=0.707 ω=1333〔rad/s〕 K=〔754.0 −1906〕 図6および図7は一定の制御ゲインによるステップ応答
を示し、図6の制御ゲインはバックラッシュ中の制御ゲ
イン値であるKmを用いた場合であり、図7の制御ゲイ
ンは噛み合っている場合の制御ゲイン値であるKを用い
た場合である。
【0043】図6の場合において、時刻aまではバック
ラッシュ中であり、時刻a以後においてモータと伝達機
構とが噛み合う状態となる。制御ゲインをKmに固定す
る場合には、制御ゲイン値が必要な値より小さいためこ
の点a以後の速度の立ち上がりが遅くなり、オーバーシ
ュートを大きくなる現象が生じる。
【0044】また、図7はバックラッシュ中のモータに
対して制御ゲインをKに固定した場合であり、モータ単
体における動作を表している。この場合には、電流ルー
プの追従が困難となって発振現象を起こすことになる。
【0045】一方、図8および図9は、本発明の方式を
適用した場合のステップ応答であり、図8は外力の推定
値を示し図9はモータ速度を示している。
【0046】図8および図9において、時刻bまではバ
ックラッシュ中であって、外力の推定値はしきい値より
小さく、この間では制御ゲインとしてKmの値を用いて
制御を行う。時刻bから時刻cまでの間はモータと伝達
機構とが噛み合った状態であり、そのときの外力の推定
値はしきい値より大きく、制御ゲインをKmからKの値
に切り替えて制御が行う。さらに、時刻b以後は再びバ
ックラッシュの状態となって、外力の推定値はしきい値
より小さなー定値となり、再び制御ゲインの値をKから
Kmの値を切り替えて制御を行う。この場合には、前記
図6の場合と比較して、立ち上がりも速く、オーバーシ
ュートも小さく制御を行うことができる。
【0047】したがって、本発明の実施例によれば、モ
ータと伝達機構等の負荷との間でバックラッシュに入っ
ているときとバックラッシュに入っていないときのそれ
ぞれの状態に応じた制御ゲインを設定することができ、
これによって、従来の制御方式のように制御性能の低い
制御ゲイン値に合わせることによる制御性能の低下を防
止することができる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
バックラッシュの状態に応じて制御ゲインの切り替えを
行うことができる制御ゲイン切り替え方式を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を構成する第1の構成例を示す
ブロック図である。
【図2】本発明の実施例を構成する第2の構成例を示す
ブロック図である。
【図3】本発明の実施例の外乱オブザーバを説明するブ
ロック図である。
【図4】本発明の方式を実施するモータ制御系の要部ブ
ロック図である。
【図5】本発明の方式によるデジタルサーボ回路のプロ
セッサが実施する処理のフローチャートである。
【図6】一定の制御ゲインによるステップ応答例であ
る。
【図7】一定の制御ゲインによるステップ応答例であ
る。
【図8】本発明の方式による制御ゲイン切り替えによる
外乱オブザーバの推定値例である。
【図9】本発明の方式による制御ゲイン切り替えによる
ステップ応答例である。
【図10】従来の制御ループを説明するためのブロック
図である。
【符号の説明】 1 制御ブロック 2 電流ループのブロック 3 トルク定数のブロック 4 制御対象のブロック 5 外乱オブザーバのブロック 6 制御器切り替え手段 7 制御ゲイン切り替え手段 11 第1制御器 12 第2制御器
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータに加わる外力を外乱オブサーバで
    推定し、モータを制御する制御ゲインを前記推定値に応
    じて切り替えることを特徴とする外乱オブサーバを用い
    た制御ゲイン切り替え方式。
  2. 【請求項2】 前記制御ゲインの切り替えは、異なる制
    御ゲインを持つ複数の制御器を切り替えることにより行
    うことを特徴とする請求項1記載の外乱オブサーバを用
    いた制御ゲイン切り替え方式。
  3. 【請求項3】 前記制御ゲインの切り替えは、一つの制
    御器の制御ゲイン値を異なる値に切り替えることにより
    行うことを特徴とする請求項1記載の外乱オブサーバを
    用いた制御ゲイン切り替え方式。
  4. 【請求項4】 前記制御ゲインの切り替えは、推定値が
    設定値より小さい場合には小さな制御ゲインとし、推定
    値が設定値より大きい場合には大きな制御ゲインとする
    ことを特徴とする請求項1,2,または3記載の外乱オ
    ブサーバを用いた制御ゲイン切り替え方式。
JP7088622A 1995-03-23 1995-03-23 外乱オブザーバを用いた制御ゲイン切り替え方式 Withdrawn JPH08263143A (ja)

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