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JPH08253104A - シートベルト用リトラクター - Google Patents

シートベルト用リトラクター

Info

Publication number
JPH08253104A
JPH08253104A JP7083472A JP8347295A JPH08253104A JP H08253104 A JPH08253104 A JP H08253104A JP 7083472 A JP7083472 A JP 7083472A JP 8347295 A JP8347295 A JP 8347295A JP H08253104 A JPH08253104 A JP H08253104A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
webbing
lock
bobbin
shaft
winding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7083472A
Other languages
English (en)
Inventor
Bai Matsuki
培 松木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP7083472A priority Critical patent/JPH08253104A/ja
Priority to US08/737,415 priority patent/US6068208A/en
Priority to DE19680286T priority patent/DE19680286B4/de
Priority to PCT/JP1996/000694 priority patent/WO1996028321A1/ja
Publication of JPH08253104A publication Critical patent/JPH08253104A/ja
Priority to US09/048,766 priority patent/US5921496A/en
Pending legal-status Critical Current

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  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両緊急時にロック手段を作動するロック作
動手段の構造を複雑にすることなくエンドロックを容易
に解除できる安価で良好なシートベルト用リトラクター
を提供する。 【構成】 リトラクターの側板1a,1b の内歯2a,2c に係
合してボビン3のウェビング引出し方向の回転を阻止可
能なポール16,13 が、ボビン3に対して所定量相対移動
可能に支持される。ラチェットホイール18は、通常時ボ
ビン3に追従回転しており、該ボビン3に対してウェビ
ング巻取方向に相対回転することによりポール16,13 を
内歯2a,2c に係合させる。前記ポール16,13 のボビン3
に対する相対移動によってラチェットホイール18をウェ
ビング巻取方向に逆回転させるべく揺動可能な揺動レバ
ー部材20がボビン3とラチェットホイール18との間に配
設される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シートベルトのリト
ラクター(巻取装置)に関し、特に緊急ロック機構を備
えたシートベルト用リトラクターの改良に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の乗員等を座席に安全に保持
するためのシートベルト用リトラクターにおいては、急
な加速、衝突又は減速に反応する慣性感知手段によって
リトラクターを物理的にロックする緊急ロック機構を備
えて乗員を効果的及び安全に拘束すると共にウェビング
による圧迫感を低減する緊急ロック式リトラクターが用
いられている。
【0003】このような緊急ロック式リトラクターとし
ては、例えば特開平5−246303号公報等に開示さ
れたシートベルト用リトラクターのように、車両の緊急
時に作動する減速度感知手段(慣性感知手段)によって
作動するロック作動手段が、リールシャフト(巻取軸)
の両端に設けられた第1及び第2係合部材をフレーム
(リトラクターベース)の第1及び第2被係合部に係合
させることにより、リールシャフトのウェビング引出し
方向の回転を阻止することができるロック手段を備えた
ものがある。
【0004】上記リトラクターのロック手段によれば、
複数の係合部材がフレームの両側壁に形成された被係合
部にそれぞれ同期されて係合するので、必要時にリール
シャフトのウェビング引出し方向の回転を確実にロック
させることができると共に十分な係止力を得ることがで
き、緊急ロック機構の信頼性を向上させることができ
る。
【0005】図12は、前述の如きロック手段における
メインパウル(第1係合部材)61及びロックギヤ(ロ
ック作動手段)64の動作を説明し、(a) はメインパウ
ル61のスタンバイ位置のとき、(b) はメインパウル6
1のロック位置のときを示す図である。図13は、上記
リトラクターの要部概略断面図である。想像線で示した
ロックギヤ64のカム孔64nのカム形状として、リー
ルシャフト63のα方向への相対回動により、メインパ
ウル61が図12(a) から同図(b) に示す完全係合状態
のロック位置に移行する際、該メインパウル61はフレ
ーム側壁の歯62fの急斜面側の作用によりセルフロッ
ク作用を行うが、このセルフロック作用時に、カムフォ
ロワ61fがカム孔64nの案内カム面64n2を介し
てロックギヤ64(図12ではカム孔64k,64m,
64nで表示している)を若干β方向に逆回転させるよ
うなカム形状に設定している。このようにカム孔64n
のカム形状を設定することにより、メインパウル61の
歯62fへの完全係合時には、図示しない減速度感知手
段におけるレバーの係止爪がロックギヤの歯との係合か
らフリー状態とすることができるようになる。
【0006】即ち、カムフォロワ61fが図12(a) に
示すスタンバイ位置から同図(b) に示すロック位置に移
行するとき、ロックギヤにカムフォロワ61fからの作
用力が伝達されて、ロックギヤ64をウェビング巻取り
方向に逆回転させる案内カム面64n2 からなるロック
ギヤの逆回転制御手段が構成されている。そこで、前記
ロック作動手段は、メインパウル61がセルフロック作
用を行っている間、該ロック作動手段をウェビング巻取
方向に所定量逆回転させる逆回転制御手段を備えてお
り、このロック作動手段の逆回転によって減速度感知手
段がフリー状態になる。従って、ウェビング引き出し状
態から巻取りバネのバネ力に従って急激にウェビングが
全量巻き取られた際、その衝撃で減速度感知手段が作動
して、ロックギヤのウェビング巻取り方向の回動を阻止
してしまい、全量巻取り状態にあるウェビングが引出し
も巻取りも不可能となる所謂エンドロックをも防止する
ことができると記載されている。
【0007】また、リールシャフト63の一端に設けら
れたメインパウル61と他端に設けられたバックアップ
パウル70とを同期して各フレーム側壁の歯62f,6
2gに係合させる為、リールシャフト63には係合部材
制御手段であるジョイントピン69が貫通されている。
該ジョイントピン69は、図13に示すように、その本
体69aが断面円形状に形成されており、その図中右端
には本体69aに対して直角に延びる腕69bが形成さ
れると共に、該腕69bの先端には断面円形のカムフォ
ロワ69cが設けられ、該カムフォロワ69cがロック
ギヤのカム孔64mに案内されるようになっている。
又、本体69aの図中左端には断面矩形状の軸部69d
が形成されており、バックアップパウル70の一端に形
成された孔に相対回動不能に嵌入されるようになってい
る。
【0008】そこで、カムフォロワ69cがカム孔64
mに案内されて腕69bが回動したとき、本体69aが
回転し、この本体69aの回転がバックアップパウル7
0に伝達されて、バックアップパウル70がカム孔64
mに案内されるカムフォロワ69cの動きに応じて回動
するようになる。従って、該バックアップパウル70
は、ロックギヤのカム孔64nに案内されるカムフォロ
ワ61fの動きに応じて回動するメインパウル61の回
動と連動することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平5−246303号公報に開示されたシートベルト
用リトラクターの場合は、エンドロックを防止する為の
ロックギヤの逆回転制御手段がカム孔64nの案内カム
面64n2 とカムフォロワ61fとにより構成され、ロ
ック作動手段に複雑な逆回転制御動作をさせている為、
複雑なカム形状が必要になると共に各構成部品の寸法精
度や組立精度が厳しく要求される。
【0010】また、各フレーム側壁に形成された歯62
f及び歯62gに対してそれぞれ同時にメインパウル6
1及びバックアップパウル70の係合を完了させる為の
係合部材制御手段である前記ジョイントピン69は、前
述の如き腕69b、軸部69d及びカムフォロワ69c
を設けなければならず、形状が複雑になるという問題が
ある。更に、該ジョイントピン69は、本体69aのね
じり回転によって前記メインパウル61の回動にバック
アップパウル70を連動させているので、過大な引張り
力がウェビングに作用して衝撃的な回動力が該ジョイン
トピン69に加わると、腕69bの基部や、バックアッ
プパウル70の一端が嵌合された軸部69dに衝撃的な
ねじり力が加わり、破損する可能性がある。
【0011】従って、前記ロック作動手段は、各構成部
品の強度と共に寸法バラツキや組立精度を厳しく管理す
る必要があり、製造コストの増加を招くという問題があ
る。そこで、本発明の目的は上記課題を解消することに
係り、車両緊急時にロック手段を作動するロック作動手
段の構造を複雑にすることなくエンドロックを容易に解
除できる安価で良好なシートベルト用リトラクターを提
供すると共に、巻取軸の両端に設けられた一対の係合部
材をリトラクターベース側壁の被係合部に同時に係合さ
せることができる安価で良好なシートベルト用リトラク
ターを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、ウ
ェビングを巻装する巻取軸の少なくとも一端に配設され
た係合部材がリトラクターベースの被係合部に係合して
前記巻取軸のウェビング引出し方向の回転を阻止可能な
ロック手段と、通常時前記巻取軸に追従回転しており、
該巻取軸に対してウェビング巻取方向に相対回転するこ
とにより前記ロック手段を作動するロック作動手段と、
車両緊急時に作動する慣性感知手段と、該慣性感知手段
の作動で前記ロック作動手段のウェビング引出し方向の
回転を阻止する係止手段とを備えた緊急ロック機構を有
するシートベルト用リトラクターであって、前記係合部
材が前記巻取軸に対して所定量相対移動可能に支持され
ると共に、該係合部材の巻取軸に対する相対移動によっ
て前記ロック作動手段をウェビング巻取方向に逆回転さ
せるべく揺動可能な揺動レバー部材が巻取軸とロック作
動手段との間に配設されており、前記係合部材が前記被
係合部と係合した後に前記ロック作動手段をウェビング
巻取方向に逆回転させて該ロック作動手段と前記係止手
段との係合を解除することを特徴とするシートベルト用
リトラクターにより達成される。
【0013】又、本発明の他の目的は、ウェビングを巻
装する巻取軸の両端に配設された一対の係合部材がリト
ラクターベースの各被係合部に係合して前記巻取軸のウ
ェビング引出し方向の回転を阻止可能なロック手段と、
車両緊急時に前記巻取軸に対してウェビング巻取方向に
相対回転することにより前記ロック手段を作動するロッ
ク作動手段とを備えた緊急ロック機構を有するシートベ
ルト用リトラクターであって、 一対の前記係合部材
が、巻取軸の回転中心軸に沿って延びると共にその略中
央部を揺動中心として揺動可能に該巻取軸内に配設され
た制御ピンの両揺動端部にそれぞれ係合されており、前
記ロック作動手段により揺動させられる前記制御ピン
が、一対の前記係合部材を被係合部に係合させること特
徴とするシートベルト用リトラクターにより達成され
る。
【0014】
【作用】上記構成によれば、車両緊急時に慣性感知手段
の作動で係止手段がロック作動手段のウェビング引出し
方向の回転を阻止すると、該ロック作動手段が巻取軸に
対してウェビング巻取方向に相対回転するので、ロック
手段が作動する。ロック作動手段により作動させられた
ロック手段の係合部材は、被係合部と係合すると共にウ
ェビング引出し方向に回転する巻取軸に対して所定量相
対移動した後、巻取軸のウェビング引出し方向の回転を
阻止する。この時、該係合部材の巻取軸に対する相対移
動によって揺動させられた揺動レバー部材が、前記ロッ
ク作動手段をウェビング巻取方向に逆回転させる。そこ
で、ロック作動手段のウェビング引出し方向の回転を阻
止していた係止手段の係合が解除される。
【0015】従って、ウェビングの引出しを阻止してい
る係合は、被係合部と係合部材の噛み合いだけとなり、
これらの係合を解除するために必要な巻取り軸の回転量
は、前記係止手段がロック作動手段に係合したままの状
態に比べて少なくすることができる。上記他の構成によ
れば、車両緊急時に作動するロック作動手段により制御
ピンが略中央部を揺動中心として揺動させられる。する
と、該制御ピンの両揺動端部に係合されている一対の前
記係合部材が、それぞれ各被係合部と係合する方向に揺
動回転させられ、両係合部材は各被係合部に同時に係合
する。
【0016】従って、両係合部材を各被係合部に同時に
係合させる為の前記制御ピンには、両係合部材を揺動さ
せる際にねじり力が加わらない。また、前記制御ピンに
は、被係合部に対する一方の係合部材の係合動作に連動
して他方の係合部材を回動させる為の腕が必要なく、構
造を簡単にできると共に組付けが容易となる。
【0017】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明の一実施例
を詳細に説明する。図1乃至図3は、本発明に基づくシ
ートベルト用リトラクターの分解斜視図及び正面縦断面
図であり、ベース1はその大部分がコの字状断面を有
し、対向する側板1a,1bには対向してそれぞれ貫通
孔が穿設され、ウェビングを巻装する巻取軸であるボビ
ン3が貫通孔を挿通した状態で回動自在に軸架されてい
る。更に、これら貫通孔の内周縁には、ボビン3の両端
に配設された係合部材の被係合部である内歯2a,2b
が形成されており、該内歯2a,2bの外周囲には側板
1a,1bの強度を上げる為の絞り加工が施されてい
る。前記ボビン3の側板1b側の端部には、公知の巻取
りばね装置15が配置されており、ボビン3はウェビン
グを巻取る方向に常時付勢されている。
【0018】前記ボビン3は、図4にも示すように、ア
ルミニウム合金等で一体成形された略円筒形の巻取軸で
あり、ウェビングが巻回される胴部28には、ウェビン
グ端部を挿通させて保持するため直径方向に貫通するス
リット開口28aが設けられている。又、ボビン3の内
部には、図4(c) に示すように、回転中心軸に沿って延
びる共にその略中央狭窄部から両端面に延びる円錐形の
空間を組合せて成るピン貫通口29が設けられており、
該ピン貫通口29の中央狭窄部には半球状のピン支持部
29aが形成されている。そこで、ピン貫通口29内に
は、丸棒状の制御ピン27が挿通される。制御ピン27
の中央部には、前記ピン支持部29aの球面半径よりも
僅かに小さい球面半径を有する半球状の係合部27aが
形成されており、該係合部27aが前記ピン支持部29
aと当接するように図4(c) 中の左側開口部からピン貫
通口29内に挿入された制御ピン27は、ピン支持部2
9aと係合する係合部27aを揺動中心として揺動可能
にピン貫通口29内に配設される。
【0019】前記ボビン3の両端面には、図4(a),(b)
に示すように、該ボビン3を回転自在に支持する為の回
転支軸6,11と、前記内歯2a,2bに係合可能な係
合部材であるポール16,13を揺動回動可能に軸支す
る支軸7,12とが突設されている。これらボビン3の
回転支軸6,11は、それぞれ後述するギアケース34
の軸支部34bと、巻取りばね装置15の巻取軸となる
リテーナ51とによって回転自在に軸支される。又、各
ポール16,13が内歯2a,2bに係合する方向へ揺
動回転した時に、これらポール16,13の係止歯16
c,13cと反対側の各ポール後端部16e,13eを
位置決めし、内歯2a,2bとの間で係止歯16c,1
3cに大きな荷重が加わった場合にはその荷重を受ける
受圧面5,4が、ボビン3の両端面に設けられている。
更に、図4(b) に示した前記ボビン3のセンサー側端面
には、後述するロック作動手段であるラチェットホイー
ル18をウェビング引出し方向に回転付勢する圧縮コイ
ルバネ36を格納する格納凹部10と、ラチェットホイ
ール18に揺動可能に軸支された揺動レバー部材20の
反時計回り方向の回転を規制する為の係止突起8と、後
述するセンサースプリング25を押圧するロックアーム
26のアーム部26cとの干渉を防ぐ逃げである凹部9
とが設けられている。
【0020】前記ポール13の中央部には、前記ボビン
3のピン貫通口29から突出した前記制御ピン27の巻
取りばね装置側の端部に遊嵌される長穴13bが貫設さ
れており、該長穴13bと前記ポール後端部13eとの
間には、前記支軸12に遊嵌する軸穴13aが貫設され
ている。即ち、軸穴13aは支軸12に対して遊嵌状態
なので、ポール13が該支軸12に対して揺動回動可能
及び所定量相対移動可能に軸支されている。又、ポール
13の長穴13bを貫通した制御ピン27の巻取りばね
装置側の端部には、タッピングスクリュー14が螺着さ
れており、該タッピングスクリュー14の鍔部はボビン
3の巻取りばね装置側の端面からポール13が浮き上が
るのを防止している。
【0021】更に、該ポール13のポール後端部13e
には張出部13dが突設されており、緊急ロック機構の
非作動時には、ポール13が自ら内歯2bとの係合方向
へ揺動回転してしまうことが無いように前記張出部13
dは受圧面4と当接している(図8参照)。そして、緊
急ロック機構の作動時にポール13が内歯2bとの係合
方向へ揺動回転させられる際には、該張出部13dと受
圧面4との当接が解除され、ポール13のポール後端部
13eと受圧面4とが当たるまで回動可能となる。
【0022】一方、前記ポール16の中央部には、前記
支軸7に遊嵌する軸穴16aが貫設されており、該軸穴
16aと前記ポール後端部16eとの間には、前記ボビ
ン3のピン貫通口29から突出した前記制御ピン27の
センサー側の端部に遊嵌される長穴16bが貫設されて
いる。即ち、軸穴16aは支軸7に対して遊嵌状態なの
で、ポール16が該支軸7に対して揺動回動可能及び所
定量相対移動可能に軸支されている。又、ボビン3の回
転支軸6により貫通孔17aを嵌通された保持プレート
17の係止孔17bには、ポール16の軸穴16aを貫
通した支軸7の先端が加締められており、該保持プレー
ト17はボビン3の端面から該ポール16が浮き上がる
のを防止している。
【0023】そして、ポール16の長穴16bを貫通し
た制御ピン27のセンサー側の端部は、前記保持プレー
ト17の外側に配設されてボビン3の回転支軸6に回動
自在に軸支されたラチェットホイール18に形成されて
いるカム穴18aに挿入されている。そこで、該ラチェ
ットホイール18がボビン3に対してウェビング巻取方
向(図2中矢印X1 方向)に相対回転すると、前記カム
穴18aが制御ピン27のセンサー側の端部をボビン3
の回転中心軸側に移動させるように作用する結果、ポー
ル16は前記支軸7を中心に内歯2aとの係合方向(矢
印Y1 方向)へ揺動回転させられる。
【0024】この時、制御ピン27は係合部27aを揺
動中心として揺動可能にピン貫通口29内に配設されて
いるので、該制御ピン27の巻取りばね装置側の端部
は、ボビン3の回転中心軸から離れる方向に移動してポ
ール13の長穴13bを押しやり、前記支軸12を中心
に該ポール13を内歯2bとの係合方向(図1中矢印Y
2 方向)へ揺動回転させる。
【0025】即ち、制御ピン27の両揺動端部に係合さ
れている一対の前記ポール16,13が、それぞれ各内
歯2a,2bと係合する方向に揺動回転させられ、両ポ
ール16,13の係止歯16c,13cは各内歯2a,
2bに同時に係合することによって前記ボビン3のウェ
ビング引出し方向の回転を阻止するロック手段を構成し
ている。
【0026】従って、一対の前記ポール16,13を各
内歯2a,2bに同時に係合させる為の前記制御ピン2
7には、両ポール16,13を揺動させる際にねじり力
が加わらない。また、前記制御ピン27には、各内歯2
a,2bに対する一方のポール16の係合動作に連動し
て他方のポール13を回動させる為の腕が必要なく、構
造を簡単にできると共に組付けが容易となる。
【0027】ところで、ボビン両端に設けられた一対の
係合部材を同期させる為の係合部材制御手段が、従来の
ジョイントピンのようにボビン内に挿通された棒状本体
のねじり回転によって一方の係合部材を他方の係合部材
に連動させる形式の場合には、ジョイントピンを挿通さ
せる為の貫通口に大きな抜きテーパがあると、ジョイン
トピンが貫通口内でガタツキを起こし、確実に係合部材
を同期させることができなくなるので、貫通口を形成す
る中子の抜きテーパ大きくすることができない。又、ジ
ョイントピンの形状を貫通口の抜きテーパ形状に対応さ
せてガタツキを抑えようとすると、ジョイントピン自体
の加工精度が要求され、製造コストの上昇を招くという
問題がある。
【0028】しかしながら、本発明に基づく係合部材制
御手段によれば、制御ピン27が挿通されるピン貫通口
29は、略中央狭窄部から両端面に延びる円錐形の空間
を組合せて成るので、前記ボビン3を一体成形する際に
該ピン貫通口29を形成する中子の抜きテーパが大きく
なり、中子の抜き取りが容易になる。又、制御ピン27
自体の形状も、前記係合部27a以外の部分は高い加工
精度が要求されないので、安価に製造することができ
る。
【0029】前記ラチェットホイール18は、中心穴が
前記回転支軸6に回動自在に軸支された爪車であり、そ
の外周部には後述する車体加速度感知手段41のセンサ
ーアーム43と係合するためのベルト引き出し方向を向
いたラチェット歯18bが形成されている。該ラチェッ
トホイール18の中心穴周縁でリトラクター外側に向か
って突設されたボス部18cは、ウェビングの引出し加
速度を感知する慣性感知手段であるウェビング加速度感
知手段を構成する為の円盤状の慣性体であるイナーシャ
プレート30の中心穴30aを軸支している。該ボス部
18cの周囲に突設された係止爪部23は、前記イナー
シャプレート30のスラスト方向の位置決めを行ってい
る。該ラチェットホイール18に形成された長穴24に
はイナーシャプレート30の係合突出部31が係合して
おり、該長穴24の一端部24aが緊急ロック機構非作
動時のイナーシャプレート30の回転方向の位置決めを
行っている。
【0030】図6に示すように、ラチェットホイール1
8の外側面には、ロックアーム26を回動自在に軸支す
る軸部22と、該ロックアーム26の浮き上がりを防止
する保持突起18eとが突設されている。ラチェットホ
イール18の内側面には、一端が前記格納凹部10の上
壁10aに支持された圧縮コイルバネ36の他端を保持
するばね受け部21が設けられており、該圧縮コイルバ
ネ36はボビン3に対してラチェットホイール18をウ
ェビング引出し方向(矢印X2 方向)に回転付勢してい
る。
【0031】前記ロックアーム26には、ラチェットホ
イール18の外側面に設けられた一対のフック部18d
に両端を支持された線状のセンサースプリング25の長
手方向中央部を押圧するアーム部26cと、ギアケース
34の内歯ギア34aと噛み合い可能な係合爪26bと
が設けられている。そこで、該ロックアーム26は、係
合爪26bが内歯ギア34aと噛み合ってラチェットホ
イール18のウェビング引出し方向の回転を阻止する係
止手段を構成している。そして、係合爪26bは、図5
に示すようにセンサースプリング25の付勢力により、
前記イナーシャプレート30の押圧突起32に押圧付勢
されている。尚、該アーム部26cの揺動範囲に対応す
るラチェットホイール18には開口が形成され、アーム
部26cが該開口を貫通しているが、これはセンサース
プリング25に対するアーム部26cの係合状態を保証
するためのものである。
【0032】更に、該ラチェットホイール18の内側面
に突設された支軸19には、軸孔20aを軸支された揺
動レバー部材20が揺動可能に配設されている。該揺動
レバー部材20は、前記ボビン3のセンサー側端面に突
設された係止突起8により反時計回り方向の回転が適宜
規制されると共に、前記ポール16のセンサー側面に突
設された押圧突起16dが前記支軸19と前記係止突起
8との間に当接することによって時計回り方向の回転が
適宜規制されるように、ボビン3とラチェットホイール
18との間に組付けられている。
【0033】前記イナーシャプレート30の外側に配設
されたギアケース34には、その中心部にボビン3を回
転自在に軸支する軸支部34bが設けられており、該軸
支部34bの底面はボビン3の回転軸方向の位置決め面
となっている。更に、該ギアケース34の下部には、車
体の加速度を感知する慣性感知手段である車体加速度感
知手段41を格納する箱型の格納部40が設けられてい
る。該車体加速度感知手段41は、格納部40に固設さ
れたセンサーケース42に慣性体であるボールウエイト
44が載置されると共に、前記ラチェット歯18bと係
合してラチェットホイール18のウェビング引出し方向
の回転を阻止可能な係止突起43aを備えた係止手段で
あるセンサーアーム43が揺動可能に取り付けられてい
る。
【0034】そして、前記ギアケース34を覆う側板1
aの外側には、センサーカバー35が配設される。次
に、上記シートベルト用リトラクターの作動について説
明する。先ず、通常使用状態においては図6に示すよう
に、ラチェットホイール18は、ばね受け部21と前記
格納凹部10の上壁10aとの間に装着された圧縮コイ
ルバネ36の付勢力によって、ボビン3に対してウェビ
ング引出し方向(矢印X2 方向)に付勢されており、カ
ム穴18aに端部が係合する制御ピン27は、前記ポー
ル16,13を各内歯2a,2bと非係合な方向に付勢
している。
【0035】即ち、前記支軸7を中心に揺動回転自在な
ポール16は、ボビン3の回転中心軸から離れた位置に
位置する制御ピン27のセンサー側の端部によって、係
止歯16cが内歯2aと非係合な方向に付勢されてい
る。この時、この制御ピン27は係合部27aを揺動中
心として揺動可能にピン貫通口29内に配設されている
ので、ボビン3の回転中心軸に近い位置に位置する制御
ピン27の巻取りばね装置側の端部は、前記支軸12を
中心に揺動回転自在なポール13の係止歯16cを内歯
2bと非係合な方向に付勢する(図7及び図8参照)。
そこで、ボビン3は側板1a,1bに対してウェビング
引出し方向(矢印X2 方向)へ回転可能であり、ウェビ
ング50の引出しは自在である。
【0036】図6に示すように、車体加速度感知手段4
1におけるボールウエイト44がセンサーケース42の
所定位置に載置されている際は、前記センサーアーム4
3の係止突起43aがラチェットホイール18のラチェ
ット歯18bと非係合であり、ラチェットホイール18
はボビン3に追従回転する。又、ウェビング加速度感知
手段における前記ロックアーム26の係合爪26bは、
図6に示すようにセンサースプリング25の付勢力によ
りギアケース34の内歯ギア34aと非歯合な位置に付
勢されている。該係合爪26bによってラチェットホイ
ール18に対してウェビング引出し方向(矢印X2
向)に付勢されているイナーシャプレート30は、図5
及び図6に示すように係合突出部31が長穴24の一端
部24aに押圧付勢されて回転方向の位置決めをされて
おり、ラチェットホイール18を介してボビン3と一体
的に回転する。
【0037】しかして、衝突等の緊急時に慣性感知手段
である前記車体加速度感知手段41又はウェビング加速
度感知手段が作動すると、前記ロック作動手段のウェビ
ング引出し方向の回転を阻止する係止手段であるセンサ
ーアーム43又はロックアーム26がラチェットホイー
ル18のウェビング引出し方向の回転を阻止してリトラ
クターのロック手段を作動させる。
【0038】先ず、衝突等の緊急時に車両が所定以上の
速度変化を受け、前記車体加速度感知手段41によりリ
トラクターのロック手段が作動される際のロック作動手
段の動作を説明する。衝突等の緊急時に車両が所定以上
の速度変化を受けると、前記車体加速度感知手段41の
ボールウエイト44が車体の加速度を感知して転動す
る。すると、係止突起43aがラチェットホイール18
のラチェット歯18bと噛み合う方向にセンサーアーム
43は揺動回転する。次に、乗員の上体が移動すること
でウェビングがリトラクターから引き出されると、ボビ
ン3はウェビング引出し方向(矢印X2 方向)に回転す
る。この時、ラチェットホイール18もボビン3に追従
回転していくが、図7に示すように係止突起43aとラ
チェット歯18bとが完全に噛み合うと、その時点でラ
チェットホイール18のウェビング引出し方向の回転は
阻止される。
【0039】更に、ウェビング50がリトラクターから
引き出されると、ラチェットホイール18はボビン3に
対して回転遅れを生じ、ウェビング巻取方向(矢印X1
方向)に相対回転するので、ラチェットホイール18の
カム穴18aが制御ピン27のセンサー側の端部をボビ
ン3の回転中心軸側に移動させていく。そこで、ポール
16は前記支軸7を中心に内歯2aとの係合方向(矢印
1 方向)へ揺動回転させられる。この時、制御ピン2
7は係合部27aを揺動中心として揺動可能にピン貫通
口29内に配設されているので、該制御ピン27の巻取
りばね装置側の端部は、ボビン3の回転中心軸から離れ
る方向に移動してポール13の長穴13bを押しやり、
前記支軸12を中心に該ポール13を内歯2bとの係合
方向(矢印Y2 方向)へ揺動回転させる。即ち、制御ピ
ン27の両端部は、係合部27aを揺動中心として相反
する方向に移動をしている。
【0040】そして更に、ウェビング50がリトラクタ
ーから引き出されると、図9に示すように、両ポール1
6,13の係止歯16c,13cがそれぞれ内歯2a,
2bに同時に噛み合い完了となる。そしてこの状態で
は、各ポール16,13のポール後端部16e,13e
とボビン3の受圧面5,4との間には隙間があり、前記
揺動レバー部材20はボビン3の係止突起8とポール1
6の押圧突起16dとによってほぼ遊び無く回動が規制
されている。
【0041】ここで、ポール16,13の軸穴16a,
13aは、それぞれボビン3の支軸7,12に対して遊
嵌状態であり、ボビン3に対して揺動回動可能及び所定
量相対移動可能に軸支されているので、その上さらに、
ウェビング50がリトラクターから引き出されると、ポ
ール後端部16e,13eが受圧面5,4と当接するま
で、ポール16,13はボビン3の回転中心軸を中心に
ボビン3に対し相対回転する。
【0042】この時、ポール16の押圧突起16dは側
板1aに対して不動の位置関係だが、ボビン3の係止突
起8はウェビング引出し方向(矢印X2 方向)に回転し
ていく。この動きにより、前記揺動レバー部材20は、
前記押圧突起16dとの接点を回動支点として前記係止
突起8により揺動端部が押され、図9中時計回り方向へ
揺動回転させられる。揺動レバー部材20が前記押圧突
起16dとの接点を回動中心として図9中時計回り方向
へ揺動回転すると、ラチェットホイール18の支軸19
に軸支されている軸孔20aがボビン3の回転中心軸に
対しウェビング巻取方向(矢印X1 方向)に回転するこ
とになる。その結果、該ラチェットホイール18は、ボ
ビン3に対してウェビング巻取方向(矢印X1 方向)に
逆回転させられる。
【0043】従って、図10に示すように、車体加速度
感知手段41におけるセンサーアーム43の係止突起4
3aと、ラチェットホイール18のラチェット歯18b
との噛み合いには隙間が生じる。即ち、リトラクターの
ロック手段がボビン3のウェビング引出し方向の回転を
阻止するロック状態でも、車体加速度感知手段41にお
けるセンサーアーム43の係止突起43aをラチェット
ホイール18のラチェット歯18bとの係合から解除可
能なフリー状態とすることができる。
【0044】そして、車両が停止してウェビング50に
作用されたテンションが解除された時には、既に係止突
起43aとラチェット歯18bとの係合が解除されてい
るラチェットホイール18は、圧縮コイルバネ36の付
勢力によりボビン3に対して矢印X2 方向に回動される
ので、該ラチェットホイール18のカム穴18aが制御
ピン27のセンサー側の端部をボビン3の回転中心軸か
ら離れる方向に移動させていく。この時、ウェビング5
0に作用する引出し方向のテンションは上述の通り解除
され、ボビン3はウェビング巻取方向(矢印X1 方向)
に回転できるようになっているので、係止歯16c,1
3cの先端が内歯2a,2bの先端と干渉しない状態ま
でボビン3が矢印X1 方向に回転すると、ポール16及
びポール13は、それぞれ内歯2a及び内歯2bとの係
合を解除する方向に支軸7,12を中心に揺動回転させ
られ、ボビン3のロックが解除されてウェビングの引き
出しが自在とされる。
【0045】次に、衝突等の緊急時にウェビングが所定
以上の引出し速度で引き出され、前記ウェビング加速度
感知手段によりリトラクターのロック手段が作動される
際のロック作動手段の動作を図5及び図11により説明
する。衝突等の緊急時に乗員の上体が移動することでウ
ェビング50にテンションがかかり、ボビン3に所定以
上の衝撃的なウェビング引き出し方向(矢印X2 方向)
の回動力が作用されると、イナーシャプレート30が慣
性によりラチェットホイール18の矢印X2 方向の回転
に対し反対方向(矢印X1 方向)へ相対回転変位する。
すると、イナーシャプレート30の押圧突起32が、セ
ンサースプリング25の付勢力に抗して軸部22を中心
にロックアーム26を図11中時計回り方向に回転させ
るので、係合爪26bがギアケース34の内歯ギア34
aと噛み合う方向に前記ロックアーム26は揺動回転す
る。次に、乗員の上体が更に移動することでウェビング
がリトラクターから引き出されると、ボビン3はウェビ
ング引出し方向(矢印X2 方向)に回転する。この時、
ラチェットホイール18もボビン3に追従回転していく
が、図11に示すように係合爪26bと内歯ギア34a
とが完全に噛み合うと、その時点でラチェットホイール
18のウェビング引出し方向の回転は阻止される。
【0046】更に、ウェビング50がリトラクターから
引き出されると、ラチェットホイール18はボビン3に
対して回転遅れを生じ、ウェビング巻取方向(矢印X1
方向)に相対回転するので、ラチェットホイール18の
カム穴18aが制御ピン27のセンサー側の端部をボビ
ン3の回転中心軸側に移動させていく。そこで、ポール
16は前記支軸7を中心に内歯2aとの係合方向(矢印
1 方向)へ揺動回転させられる。この時、制御ピン2
7は係合部27aを揺動中心として揺動可能にピン貫通
口29内に配設されているので、該制御ピン27の巻取
りばね装置側の端部は、ボビン3の回転中心軸から離れ
る方向に移動してポール13の長穴13bを押しやり、
前記支軸12を中心に該ポール13を内歯2bとの係合
方向(図8中矢印Y2 方向)へ揺動回転させる。即ち、
制御ピン27の両端部は、係合部27aを揺動中心とし
て相反する方向に移動をしている。
【0047】そこで、以降は上述した車体加速度感知手
段41により作動させられる際のラチェットホイール1
8の動作と同様にロック手段を作動してボビン3のウェ
ビング引出し方向の回転を阻止すると共に、該ラチェッ
トホイール18はボビン3に対してウェビング巻取方向
(矢印X1 方向)に逆回転させられる。従って、ウェビ
ング加速度感知手段におけるロックアーム26の係合爪
26bと、ギアケース34の内歯ギア34aとの噛み合
いには隙間が生じる。ロックアーム26はセンサースプ
リング25の付勢力により係合爪26bが内歯ギア34
aと非歯合な方向(図11中反時計回り方向)に回転付
勢されているので、係合爪26bと内歯ギア34aとの
噛み合いが外れる方向に該ロックアーム26は回転する
ことになる。即ち、リトラクターのロック手段がボビン
3のウェビング引出し方向の回転を阻止するロック状態
でも、ウェビング加速度感知手段におけるロックアーム
26の係合爪26bをギアケース34の内歯ギア34a
との係合から解除したフリー状態とすることができる。
【0048】そして、ウェビング50に作用されたテン
ションが解除された時には、既に係係合爪26bと内歯
ギア34aとの係合が解除されているラチェットホイー
ル18は、圧縮コイルバネ36の付勢力によりボビン3
に対して矢印X2 方向に回動されるので、該ラチェット
ホイール18のカム穴18aが制御ピン27のセンサー
側の端部をボビン3の回転中心軸から離れる方向に移動
させていく。そこで、前述した車体加速度感知手段41
によるロックの解除と同様にポール16及びポール13
は、それぞれ内歯2a及び内歯2bとの係合を解除する
方向に揺動回転させられ、ボビン3のロックが解除され
てウェビングの引き出しが自在とされる。
【0049】更に、ウェビング引き出し状態から巻取り
ばね装置15のバネ力に従って急激にウェビング50が
全量巻き取られた衝撃で、前記車体加速度感知手段41
又は前記ウェビング加速度感知手段が作動し、ボビン3
のウェビング引き出し方向の回転がロックされ、引き出
し巻取りの不可能なエンドロック状態に陥った場合に
も、ポール16,13と内歯2a,2bとの係止力は、
互いの噛み合いだけとなり、これらの係合を解除するた
めに必要なボビン3の回転量は、内歯2a,2bの一歯
分以下の少量を巻戻すだけで良い。この少量巻戻しは、
エンドロック状態で層状に巻かれたウェビング50を巻
締めるように強制的に引出し、この強制的に引出された
ウェビング50を再び巻き込むことで行われる。このよ
うに少量を巻戻した際、ラチェットホイール18をボビ
ン3に対して矢印X2 方向に付勢している圧縮コイルバ
ネ36の付勢力に抗する力は作用していないので、ラチ
ェットホイール18は圧縮コイルバネ36の付勢力によ
り矢印X2 方向に付勢されてロックを解除することがで
きる。
【0050】従って、上記シートベルト用リトラクター
においては、エンドロックの解除を容易にする為のラチ
ェットホイール18の逆回転制御手段が、ボビン3に対
して所定量相対移動可能に支持されたポール16と、該
ポール16のボビン3に対する相対移動によって前記ラ
チェットホイール18をウェビング巻取方向に逆回転さ
せるべくボビン3とラチェットホイール18との間に揺
動可能に配設された揺動レバー部材20とからなり、ラ
チェットホイール18や揺動レバー20には複雑なカム
形状を必要としないので、各構成部品の寸法精度や組立
精度が厳しく要求されることが無い。
【0051】尚、上記実施例のシートベルト用リトラク
ターにおいては、ウェビング50を巻装するボビン3の
両端に配設された一対のポール16,13がリトラクタ
ーベースの各内歯2a,2bに係合して前記ボビン3の
ウェビング引出し方向の回転を阻止するロック手段につ
いて説明したが、本発明におけるロック作動手段の逆回
転制御手段は、必ずしも一対の係合部材を必要とするも
のではなく、巻取軸の少なくとも一端に係合部材が配設
されたシートベルト用リトラクターにも有効である。
【0052】なお、本発明における慣性感知手段、ロッ
ク作動手段、揺動レバー部材及びロック手段等は、上記
実施例の形状に限定されるものではなく、種々の変更が
可能であることは勿論である。例えば、車両緊急時に作
動する慣性感知手段は、車体加速度感知手段とウェビン
グ加速度感知手段のいずれか一方のみを備えたシートベ
ルト用リトラクターでも良く、その構造も適宜変更可能
である。
【0053】
【発明の効果】即ち、本発明によれば、車両緊急時にロ
ック手段を作動するロック作動手段の構造を複雑にする
ことなくエンドロックの解除を容易にすることができる
安価で良好なシートベルト用リトラクターを提供すると
共に、巻取軸の両端に設けられた一対の係合部材をリト
ラクターベース側壁の被係合部に同時に係合させること
ができる安価で良好なシートベルト用リトラクターを提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に基づくシートベルト用リト
ラクターの分解斜視図の一部である。
【図2】図1に示したシートベルト用リトラクターの残
り部分の分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に基づくシートベルト用リト
ラクターの縦断面正面図である。
【図4】(a) ,(b) は図1に示したボビンの両端側面図
であり、(c) は(b) におけるボビンのA−A断面矢視図
である。
【図5】図3に示したシートベルト用リトラクターのC
−C断面矢視図である。
【図6】図3に示したシートベルト用リトラクターのD
−D断面矢視図である。
【図7】(a) は図3に示したシートベルト用リトラクタ
ーの車体加速度感知手段により作動するウェビングの引
き出しロック動作を説明する為のセンサー側の要部拡大
図であり、(b) はその時の制御ピンの状態を示すE−E
断面矢視図である。
【図8】図7に示したシートベルト用リトラクターの巻
取りばね装置側の要部拡大図である。
【図9】(a) ,(b) は図3に示したシートベルト用リト
ラクターの車体加速度感知手段により作動するウェビン
グの引き出しロック動作を説明する為の巻取りばね装置
側及びセンサー側の要部拡大図であり、(c) はその時の
制御ピンの状態を示すF−F断面矢視図である。
【図10】(a) ,(b) は図3に示したシートベルト用リ
トラクターの車体加速度感知手段により作動するウェビ
ングの引き出しロック動作を説明する為の巻取りばね装
置側及びセンサー側の要部拡大図であり、(c) はその時
の制御ピンの状態を示すG−G断面矢視図である。
【図11】図3に示したシートベルト用リトラクターの
ウェビング加速度感知手段により作動するウェビングの
引き出しロック動作を説明する為のセンサー側の要部拡
大図である。
【図12】従来のロック手段におけるメインパウル及び
ロックギヤの動作を説明し、(a)はメインパウルのスタ
ンバイ位置のとき、(b) はメインパウルのロック位置の
ときを示す要部拡大図である。
【図13】従来のシートベルト用リトラクターの要部概
略断面図である。
【図中の符号】
1 ベース 1a 側板 1b 側板 2a 内歯 2b 内歯 3 ボビン 4 受圧面 5 受圧面 6 回転支軸 7 支軸 8 係止突起 11 回転支軸 12 支軸 13 ポール 15 巻取りばね装置 16 ポール 16d 押圧突起 18 ラチェットホイール 19 支軸 20 揺動レバー部材 25 センサースプリング 26 ロックアーム 27 制御ピン 27a 係合部 29 ピン貫通口 29a ピン支持部 30 イナーシャプレート 34 ギアケース 34a 内歯ギア 35 センサーカバー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェビングを巻装する巻取軸の少なくと
    も一端に配設された係合部材がリトラクターベースの被
    係合部に係合して前記巻取軸のウェビング引出し方向の
    回転を阻止可能なロック手段と、通常時前記巻取軸に追
    従回転しており、該巻取軸に対してウェビング巻取方向
    に相対回転することにより前記ロック手段を作動するロ
    ック作動手段と、車両緊急時に作動する慣性感知手段
    と、該慣性感知手段の作動で前記ロック作動手段のウェ
    ビング引出し方向の回転を阻止する係止手段とを備えた
    緊急ロック機構を有するシートベルト用リトラクターで
    あって、 前記係合部材が前記巻取軸に対して所定量相対移動可能
    に支持されると共に、該係合部材の巻取軸に対する相対
    移動によって前記ロック作動手段をウェビング巻取方向
    に逆回転させるべく揺動可能な揺動レバー部材が巻取軸
    とロック作動手段との間に配設されており、 前記係合部材が前記被係合部と係合した後に前記ロック
    作動手段をウェビング巻取方向に逆回転させて該ロック
    作動手段と前記係止手段との係合を解除することを特徴
    とするシートベルト用リトラクター。
  2. 【請求項2】 ウェビングを巻装する巻取軸の両端に配
    設された一対の係合部材がリトラクターベースの各被係
    合部に係合して前記巻取軸のウェビング引出し方向の回
    転を阻止可能なロック手段と、車両緊急時に前記巻取軸
    に対してウェビング巻取方向に相対回転することにより
    前記ロック手段を作動するロック作動手段とを備えた緊
    急ロック機構を有するシートベルト用リトラクターであ
    って、 一対の前記係合部材が、巻取軸の回転中心軸に沿って延
    びると共にその略中央部を揺動中心として揺動可能に該
    巻取軸内に配設された制御ピンの両揺動端部にそれぞれ
    係合されており、 前記ロック作動手段により揺動させられる前記制御ピン
    が、一対の前記係合部材を被係合部に係合させること特
    徴とするシートベルト用リトラクター。
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