JPH08248077A - インパルス応答測定方法 - Google Patents
インパルス応答測定方法Info
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- JPH08248077A JPH08248077A JP4804295A JP4804295A JPH08248077A JP H08248077 A JPH08248077 A JP H08248077A JP 4804295 A JP4804295 A JP 4804295A JP 4804295 A JP4804295 A JP 4804295A JP H08248077 A JPH08248077 A JP H08248077A
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Landscapes
- Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)
- Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 インパルス応答測定のTSP法における測定
結果に含まれる誤差の推定ができないため、最適信号レ
ベルを決定することができないという問題を解決するイ
ンパルス応答測定方法を提供する。 【構成】 周波数が高い周波数から低い周波数へと変化
する掃引正弦波であるパルス幅の異なる2つのTSP信
号を用いて被測定系のインパルス応答を測定し、2つの
測定結果の間の相関係数をρと表したとき、 1 − ρの
値を計算して、これを測定誤差の推定値とするインパル
ス応答測定方法であり、誤差の推定が行えるようになっ
た結果、最適な測定信号レベルを見いだし、測定結果を
最小誤差で得られ、音響インパルス応答のみではなく、
電気回路や機械系のインパルス応答などの測定誤差推定
にも、そのまま適用される。
結果に含まれる誤差の推定ができないため、最適信号レ
ベルを決定することができないという問題を解決するイ
ンパルス応答測定方法を提供する。 【構成】 周波数が高い周波数から低い周波数へと変化
する掃引正弦波であるパルス幅の異なる2つのTSP信
号を用いて被測定系のインパルス応答を測定し、2つの
測定結果の間の相関係数をρと表したとき、 1 − ρの
値を計算して、これを測定誤差の推定値とするインパル
ス応答測定方法であり、誤差の推定が行えるようになっ
た結果、最適な測定信号レベルを見いだし、測定結果を
最小誤差で得られ、音響インパルス応答のみではなく、
電気回路や機械系のインパルス応答などの測定誤差推定
にも、そのまま適用される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音響伝達特性を始めと
した各種の信号伝達特性の基本となるインパルス応答測
定に関する。
した各種の信号伝達特性の基本となるインパルス応答測
定に関する。
【0002】
【従来の技術】音響の分野において被測定系(例えば、
スピーカなどの音響機器、室内などの音響伝達系)のイ
ンパルス応答を測定することはたいへん重要である。そ
の理由は、測定したインパルス応答をフーリエ変換する
ことで、スピーカの感度周波数特性、室内の音響伝達特
性などの重要な特性量が得られるからである。
スピーカなどの音響機器、室内などの音響伝達系)のイ
ンパルス応答を測定することはたいへん重要である。そ
の理由は、測定したインパルス応答をフーリエ変換する
ことで、スピーカの感度周波数特性、室内の音響伝達特
性などの重要な特性量が得られるからである。
【0003】インパルス応答を測定する代表的方法とし
ては、パルス同期加算法、M系列法、TSP(Time Str
etched Pulse)法などが知られている。これらの中で
も、現在は、周波数特性が聴覚的にも確認できるなどの
理由から、TSP法が多く利用されている。以下にTS
P法によるインパルス応答の測定手順を説明する。
ては、パルス同期加算法、M系列法、TSP(Time Str
etched Pulse)法などが知られている。これらの中で
も、現在は、周波数特性が聴覚的にも確認できるなどの
理由から、TSP法が多く利用されている。以下にTS
P法によるインパルス応答の測定手順を説明する。
【0004】TSP法ではまず、TSP信号 h(k) を合
成する。具体的には、次式で示すN個のディジタル周波
数成分をIDFT(逆ディジタルフーリエ変換)するこ
とで、 h(k) が得られる。
成する。具体的には、次式で示すN個のディジタル周波
数成分をIDFT(逆ディジタルフーリエ変換)するこ
とで、 h(k) が得られる。
【0005】
【数1】
【0006】
【数2】
【0007】
【数3】 ただし、n は周波数を表す整数パラメータ(0≦n<N)、a
0 は定数、j は複素単位、N は信号長、m はパルス幅を
表す整数パラメータ、* は複素共役、k は時間を表す整
数パラメータである。式(3)により得られたTSP信
号 h(k) は周波数が高い周波数から低い周波数へと変化
する掃引正弦波となっている。TSP信号の代表的波形
を図3に示す。図の上に示した矢印のついた範囲31は
TSP信号のパルス幅を表している。
0 は定数、j は複素単位、N は信号長、m はパルス幅を
表す整数パラメータ、* は複素共役、k は時間を表す整
数パラメータである。式(3)により得られたTSP信
号 h(k) は周波数が高い周波数から低い周波数へと変化
する掃引正弦波となっている。TSP信号の代表的波形
を図3に示す。図の上に示した矢印のついた範囲31は
TSP信号のパルス幅を表している。
【0008】次に、TSP信号を用いて系のインパルス
応答を測定するためのブロック図を図4に示す。図にお
いて、41はインパルス応答測定装置、42は被測定
系、43はTSP信号発生器、44はITSP(逆TS
P:Inverse TPS )信号発生器、45は畳み込み演算器
である。ただし、ITSP信号 h-1(k) とは、次式
応答を測定するためのブロック図を図4に示す。図にお
いて、41はインパルス応答測定装置、42は被測定
系、43はTSP信号発生器、44はITSP(逆TS
P:Inverse TPS )信号発生器、45は畳み込み演算器
である。ただし、ITSP信号 h-1(k) とは、次式
【0009】
【数4】 で表される信号である。このITSP信号 h-1(k) を、
TSP信号 h(k) と畳み込んだ結果は単位パルスとな
る。このことより、被測定系42にTSP信号 h(k) を
入力した時の出力 y(k) に対して、このITSP信号 h
-1(k) を畳み込み演算器45で畳み込めば、系のインパ
ルス応答 g(k) が算出されることが証明されている(鈴
木、他:電子通信情報学会技術報告,EA92-86, 199
2)。
TSP信号 h(k) と畳み込んだ結果は単位パルスとな
る。このことより、被測定系42にTSP信号 h(k) を
入力した時の出力 y(k) に対して、このITSP信号 h
-1(k) を畳み込み演算器45で畳み込めば、系のインパ
ルス応答 g(k) が算出されることが証明されている(鈴
木、他:電子通信情報学会技術報告,EA92-86, 199
2)。
【0010】さて、インパルス応答の測定において、測
定された結果に含まれる誤差の大きさを把握することは
重要である。測定誤差は以下の2つが代表的である。即
ち、(1)周囲の騒音や電気的雑音によって生じる雑音
性誤差、(2)系の非線形歪によって生じる非線形誤
差、の2つである。これら2つの誤差の大きさは測定時
の信号レベルに依存する。このことを模式的に図5に示
した。図において、横軸は信号レベルを、縦軸は誤差の
大きさを表す。曲線51は雑音性誤差、52は非線形誤
差、53は雑音性誤差と非線形誤差を加算した総合誤差
を表している。この図からわかるように、信号レベルが
小さいと測定時のSN比が悪いので、雑音性誤差が大き
い。信号レベルを増加していくとSN比が向上していく
ので、雑音性誤差は低下していく。しかし、信号レベル
が大きくなりすぎると測定系の要素(例えばスピーカ)
に非線形歪が発生し、非線形誤差が増加する。
定された結果に含まれる誤差の大きさを把握することは
重要である。測定誤差は以下の2つが代表的である。即
ち、(1)周囲の騒音や電気的雑音によって生じる雑音
性誤差、(2)系の非線形歪によって生じる非線形誤
差、の2つである。これら2つの誤差の大きさは測定時
の信号レベルに依存する。このことを模式的に図5に示
した。図において、横軸は信号レベルを、縦軸は誤差の
大きさを表す。曲線51は雑音性誤差、52は非線形誤
差、53は雑音性誤差と非線形誤差を加算した総合誤差
を表している。この図からわかるように、信号レベルが
小さいと測定時のSN比が悪いので、雑音性誤差が大き
い。信号レベルを増加していくとSN比が向上していく
ので、雑音性誤差は低下していく。しかし、信号レベル
が大きくなりすぎると測定系の要素(例えばスピーカ)
に非線形歪が発生し、非線形誤差が増加する。
【0011】インパルス応答の測定値に含まれる総合誤
差はこれら2つの誤差の和であるので、曲線53に示す
ように最小値を持つ。従って、誤差が最小となるような
最適信号レベルにおいて測定を行う必要があるが、測定
結果に含まれる誤差の大きさを知ることは、必ずしも簡
単ではない。
差はこれら2つの誤差の和であるので、曲線53に示す
ように最小値を持つ。従って、誤差が最小となるような
最適信号レベルにおいて測定を行う必要があるが、測定
結果に含まれる誤差の大きさを知ることは、必ずしも簡
単ではない。
【0012】図6は、測定誤差とインパルス応答波形の
関係を表す。横軸は時間であり、縦軸は振幅を表す。図
において、61はインパルス応答波形を、62は誤差波
形を模式的に表している。この例の場合、誤差は全時間
区間に一様に分布している。63は、インパルス応答を
含む時間区間、64はインパルス応答が減衰してしまっ
ており、誤差のみが含まれる時間区間を表す。
関係を表す。横軸は時間であり、縦軸は振幅を表す。図
において、61はインパルス応答波形を、62は誤差波
形を模式的に表している。この例の場合、誤差は全時間
区間に一様に分布している。63は、インパルス応答を
含む時間区間、64はインパルス応答が減衰してしまっ
ており、誤差のみが含まれる時間区間を表す。
【0013】測定結果に含まれる誤差の大きさとは、区
間63に含まれるインパルス応答61に重畳した誤差の
大きさである。この例のように誤差が全時間区間に一様
に分布している場合には、これを知ることは容易であ
る。即ち、誤差のみが存在する区間64における誤差の
大きさ(誤差波形の2乗平均値)を計算すれば、その値
を区間63における誤差の大きさの推定値とすることが
できる。
間63に含まれるインパルス応答61に重畳した誤差の
大きさである。この例のように誤差が全時間区間に一様
に分布している場合には、これを知ることは容易であ
る。即ち、誤差のみが存在する区間64における誤差の
大きさ(誤差波形の2乗平均値)を計算すれば、その値
を区間63における誤差の大きさの推定値とすることが
できる。
【0014】一般に、雑音性誤差は、測定法によらず時
間区間に一様に分布する。また、M系列を用いた測定結
果に含まれる非線形誤差も、時間区間にほぼ一様に分布
する。従って、M系列法による測定結果に対しては、各
信号レベルに対する誤差の大きさ、即ち、図5に示すよ
うな総合誤差の曲線53を描くことは可能である。
間区間に一様に分布する。また、M系列を用いた測定結
果に含まれる非線形誤差も、時間区間にほぼ一様に分布
する。従って、M系列法による測定結果に対しては、各
信号レベルに対する誤差の大きさ、即ち、図5に示すよ
うな総合誤差の曲線53を描くことは可能である。
【0015】次に、TSP法において生じる非線形誤差
の模式図を図7に示す。横軸は時間であり、縦軸は振幅
を表す。図において、71はインパルス応答波形を、7
2は誤差波形を模式的に表している。73は、インパル
ス応答を含む時間区間、74はインパルス応答が減衰し
てしまっており、誤差のみが含まれる時間区間である。
図に示すようにTSP法においては、非線形誤差は非一
様な分布となる。従って、M系列法の場合のように、区
間74で誤差の大きさを計算したとしても、その値を区
間73に含まれる誤差の推定量とすることはできない。
従って、TSP法の場合には、M系列法の場合と同様の
方法でインパルス応答の測定結果に含まれる誤差を推定
することはできない。
の模式図を図7に示す。横軸は時間であり、縦軸は振幅
を表す。図において、71はインパルス応答波形を、7
2は誤差波形を模式的に表している。73は、インパル
ス応答を含む時間区間、74はインパルス応答が減衰し
てしまっており、誤差のみが含まれる時間区間である。
図に示すようにTSP法においては、非線形誤差は非一
様な分布となる。従って、M系列法の場合のように、区
間74で誤差の大きさを計算したとしても、その値を区
間73に含まれる誤差の推定量とすることはできない。
従って、TSP法の場合には、M系列法の場合と同様の
方法でインパルス応答の測定結果に含まれる誤差を推定
することはできない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】このように、TSP法
においては、誤差の大きさを推定する方法は知られてお
らず、従って、誤差を最小にするような最適信号レベル
も定めることができないという問題点があった。
においては、誤差の大きさを推定する方法は知られてお
らず、従って、誤差を最小にするような最適信号レベル
も定めることができないという問題点があった。
【0017】この発明の目的は、TSP法における測定
結果に含まれる誤差の大きさを推定することができない
ため、最適信号レベルを決定することができないという
問題を解決するインパルス応答測定方法を提供すること
である。
結果に含まれる誤差の大きさを推定することができない
ため、最適信号レベルを決定することができないという
問題を解決するインパルス応答測定方法を提供すること
である。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明では以下の原理に
基づいてTSP法の測定結果に含まれる誤差の大きさを
推定する。
基づいてTSP法の測定結果に含まれる誤差の大きさを
推定する。
【0019】まず、2つの測定結果を g'1 (k),g'
2 (k) と表す。これらには、真のインパルス応答 g(k)
に加えて、雑音性誤差 n1 (k),n2 (k) および非線形誤
差 d1 (k),d2 (k) が含まれているものとする。即ち、
次の関係が成立する。
2 (k) と表す。これらには、真のインパルス応答 g(k)
に加えて、雑音性誤差 n1 (k),n2 (k) および非線形誤
差 d1 (k),d2 (k) が含まれているものとする。即ち、
次の関係が成立する。
【0020】
【数5】
【0021】
【数6】 この時、 g'1 (k)および g'2 (k)の相関係数ρを考える
【0022】
【数7】 ただし、数式の上線は時間平均を表す。ここで、インパ
ルス応答、雑音性誤差、非線形誤差、はそれぞれ無相関
であるとする。また、雑音性誤差は測定毎に無相関な誤
差が発生するものとする。即ち、次式を仮定する。
ルス応答、雑音性誤差、非線形誤差、はそれぞれ無相関
であるとする。また、雑音性誤差は測定毎に無相関な誤
差が発生するものとする。即ち、次式を仮定する。
【0023】
【数8】
【0024】
【数9】
【0025】
【数10】
【0026】
【数11】 式(5)(6)を(7)に代入し、(8)(9)(1
0)(11)の関係を用いれば、
0)(11)の関係を用いれば、
【0027】
【数12】 となる。ただし、
【0028】
【数13】
【0029】
【数14】
【0030】
【数15】
【0031】
【数16】 ここで、2回の測定において、雑音性誤差のパワーの大
きさ、および非線形誤差の大きさはそれぞれほぼ等し
い、即ち、
きさ、および非線形誤差の大きさはそれぞれほぼ等し
い、即ち、
【0032】
【数17】
【0033】
【数18】 が成立するものと仮定する。この関係を式(12)に代
入すれば、
入すれば、
【0034】
【数19】 となる。この時、 1 −ρを考えると、
【0035】
【数20】 となる。ただし、2番目の近似は、誤差は真の値に比べ
て十分に小さい、即ち、Pg 》Pn1 十Pd1 と考えた。
この式からわかるように、 1 −ρは、総合誤差のパワ
ーPn1 十Pd1 から、非線形誤差の相関Cd を引き算し
たものを真の値のパワーPg で正規化した値となってい
る。従って、Cd =0 であれば、 1 −ρは総合誤差の
大きさを表すことが理解できる。しかし、実際には、同
じ条件で測定した場合の非線形誤差は高い相関値を持つ
ため、Cd =0 とみなすことはできないという問題があ
る。
て十分に小さい、即ち、Pg 》Pn1 十Pd1 と考えた。
この式からわかるように、 1 −ρは、総合誤差のパワ
ーPn1 十Pd1 から、非線形誤差の相関Cd を引き算し
たものを真の値のパワーPg で正規化した値となってい
る。従って、Cd =0 であれば、 1 −ρは総合誤差の
大きさを表すことが理解できる。しかし、実際には、同
じ条件で測定した場合の非線形誤差は高い相関値を持つ
ため、Cd =0 とみなすことはできないという問題があ
る。
【0036】そこで、パルス幅が異なったTSP信号を
用いて2回の測定を行うことを考えた。TSP信号は図
3に示したように掃引正弦波であるので、パルス幅31
が異なる2つのTSP信号は位相のズレを生じ、互いに
無相関な信号となる。このように、無相関な測定信号を
用いれば、その測定信号の振幅の大きな部分において発
生する非線形歪に起因する非線形誤差も無相関なものに
なるのではないかと考えた。このことを図6に示すよう
な飽和形の非線形系を用いたシミュレーション実験を行
った結果、非線形誤差の相関値Cd は約 0.2Pd1である
ことが確認された。この結果を式(20)に代入すれ
ば、
用いて2回の測定を行うことを考えた。TSP信号は図
3に示したように掃引正弦波であるので、パルス幅31
が異なる2つのTSP信号は位相のズレを生じ、互いに
無相関な信号となる。このように、無相関な測定信号を
用いれば、その測定信号の振幅の大きな部分において発
生する非線形歪に起因する非線形誤差も無相関なものに
なるのではないかと考えた。このことを図6に示すよう
な飽和形の非線形系を用いたシミュレーション実験を行
った結果、非線形誤差の相関値Cd は約 0.2Pd1である
ことが確認された。この結果を式(20)に代入すれ
ば、
【0037】
【数21】 となる。 0.8Pd1という値はPd1とは 1 dB 以内の範囲
であるので、 1 −ρ の値を総合誤差の推定値とみなす
ことができる。
であるので、 1 −ρ の値を総合誤差の推定値とみなす
ことができる。
【0038】
【作用】本発明のインパルス応答測定方法は、周波数が
高い周波数から低い周波数へと変化する掃引正弦波であ
るパルス幅の異なる2つのTSP信号を用いて被測定系
のインパルス応答を測定し、2つの測定結果の間の相関
係数をρとし、 1 − ρの値を計算して、これを測定誤
差の推定値とする。その結果、誤差の推定が行えるよう
になり、最適な測定信号レベルを見いだし、測定結果を
最小誤差で得られる。
高い周波数から低い周波数へと変化する掃引正弦波であ
るパルス幅の異なる2つのTSP信号を用いて被測定系
のインパルス応答を測定し、2つの測定結果の間の相関
係数をρとし、 1 − ρの値を計算して、これを測定誤
差の推定値とする。その結果、誤差の推定が行えるよう
になり、最適な測定信号レベルを見いだし、測定結果を
最小誤差で得られる。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により詳細に説
明する。
明する。
【0040】図1は本発明のインパルス応答測定方法の
一実施例を示した図である。この図において、11はイ
ンパルス応答測定誤差計算装置、12は被測定系、13
は第1のTSP信号発生器(以下TPS1と称す)、1
4は第2のTSP信号発生器(以下TPS2と称す)、
15は第1のスイッチ、16は第1のITSP信号発生
器(以下ITPS1と称す)、17は第2のITSP信
号発生器(以下ITPS2と称す)、18は第2のスイ
ッチ、19は畳み込み演算器、20は第3のスイッチ、
21は第1のインパルス応答蓄積器(以下Imp.1と
称す)、22は第2のインパルス応答蓄積器(以下Im
p.2と称す)、23は相関演算器である。
一実施例を示した図である。この図において、11はイ
ンパルス応答測定誤差計算装置、12は被測定系、13
は第1のTSP信号発生器(以下TPS1と称す)、1
4は第2のTSP信号発生器(以下TPS2と称す)、
15は第1のスイッチ、16は第1のITSP信号発生
器(以下ITPS1と称す)、17は第2のITSP信
号発生器(以下ITPS2と称す)、18は第2のスイ
ッチ、19は畳み込み演算器、20は第3のスイッチ、
21は第1のインパルス応答蓄積器(以下Imp.1と
称す)、22は第2のインパルス応答蓄積器(以下Im
p.2と称す)、23は相関演算器である。
【0041】この実施例の動作は以下のようである。ま
ず、スイッチ15と、スイッチ18と、スイッチ20
を、それぞれTPS1と、ITPS1と、Imp.1に
接続させておく。次に、TPS1よりTSP信号を発生
させて被測定系12に入力する。次に、被測定系12の
出力と、ITPS1から出力されるITSP信号を畳み
込み演算器19で計算する。計算結果として第1のイン
パルス応答測定結果が得られるので、これをImp.1
に蓄積する。
ず、スイッチ15と、スイッチ18と、スイッチ20
を、それぞれTPS1と、ITPS1と、Imp.1に
接続させておく。次に、TPS1よりTSP信号を発生
させて被測定系12に入力する。次に、被測定系12の
出力と、ITPS1から出力されるITSP信号を畳み
込み演算器19で計算する。計算結果として第1のイン
パルス応答測定結果が得られるので、これをImp.1
に蓄積する。
【0042】次に、スイッチ15と、スイッチ18と、
スイッチ20を、それぞれTSP2と、ITPS2と、
Imp.2に接続させて、同様の測定を行う。ただし、
TSP2は、TSP1とはパルス幅が異なったTSP信
号を発生するものとする。測定結果は、Imp.2に蓄
積する。
スイッチ20を、それぞれTSP2と、ITPS2と、
Imp.2に接続させて、同様の測定を行う。ただし、
TSP2は、TSP1とはパルス幅が異なったTSP信
号を発生するものとする。測定結果は、Imp.2に蓄
積する。
【0043】最後に、Imp.1およびImp.2か
ら、2回のインパルス測定結果を相関演算器23に入力
して総合誤差の値、即ち、 1 −ρ の値を計算する。た
だし、ρの計算は式(7)に基づく。以上の操作によっ
て、上記本発明の主旨が実行される。
ら、2回のインパルス測定結果を相関演算器23に入力
して総合誤差の値、即ち、 1 −ρ の値を計算する。た
だし、ρの計算は式(7)に基づく。以上の操作によっ
て、上記本発明の主旨が実行される。
【0044】図2は本発明のインパルス応答測定方法の
有効性を確認するために行った実験結果である。実験は
小形フルレンジスピーカのインパルス応答をM系列法、
およびTSP法によって測定した。図において破線はM
系列法による測定誤差の推定値である。先に説明したよ
うに、M系列法の誤差は時間区間に一様に分布するの
で、従来技術により、ほぼ正確な誤差推定が行える。一
方、実線は本発明のインパルス応答測定方法によって得
られた、TSP信号による測定結果に含まれる誤差の推
定値である。同一の被測定系に対して同一の信号レベル
で測定した場合の測定誤差は、測定方法に依らず等しい
と考えられるので、これら2つの曲線がほぼ一致してい
ることは本発明のインパルス応答測定方法が有効である
ことを示している。
有効性を確認するために行った実験結果である。実験は
小形フルレンジスピーカのインパルス応答をM系列法、
およびTSP法によって測定した。図において破線はM
系列法による測定誤差の推定値である。先に説明したよ
うに、M系列法の誤差は時間区間に一様に分布するの
で、従来技術により、ほぼ正確な誤差推定が行える。一
方、実線は本発明のインパルス応答測定方法によって得
られた、TSP信号による測定結果に含まれる誤差の推
定値である。同一の被測定系に対して同一の信号レベル
で測定した場合の測定誤差は、測定方法に依らず等しい
と考えられるので、これら2つの曲線がほぼ一致してい
ることは本発明のインパルス応答測定方法が有効である
ことを示している。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインパル
ス応答測定方法は、パルス幅の異なる2つのTSP信号
を用いて測定したインパルス応答の相関値を利用して、
測定結果に含まれる誤差の大きさを推定する方法を提供
するものであり、誤差の推定が行えるようになった結
果、最適な測定信号レベルを見いだすことが可能にな
り、測定結果を最小誤差で得ることが可能になる。
ス応答測定方法は、パルス幅の異なる2つのTSP信号
を用いて測定したインパルス応答の相関値を利用して、
測定結果に含まれる誤差の大きさを推定する方法を提供
するものであり、誤差の推定が行えるようになった結
果、最適な測定信号レベルを見いだすことが可能にな
り、測定結果を最小誤差で得ることが可能になる。
【0046】本発明のインパルス応答測定方法は、音響
インパルス応答のみではなく、電気回路や機械系のイン
パルス応答などの測定誤差推定にも、そのまま適用する
ことが可能であるという効果がある。
インパルス応答のみではなく、電気回路や機械系のイン
パルス応答などの測定誤差推定にも、そのまま適用する
ことが可能であるという効果がある。
【図1】本発明のインパルス応答測定方法の一実施例の
ブロック図。
ブロック図。
【図2】本発明の有効性を確認するために行った実験結
果を表す図。
果を表す図。
【図3】TSP信号の代表的波形を表す図。
【図4】TSP信号を用いてインパルス応答を測定する
ためのブロック図。
ためのブロック図。
【図5】測定誤差の大きさと信号レベルの関係を表す模
式図。
式図。
【図6】インパルス応答と一様に分布する測定誤差との
関係を表す模式図。
関係を表す模式図。
【図7】インパルス応答と非一様に分布する測定誤差と
の関係を表す模式図。
の関係を表す模式図。
【図8】シミュレーションに用いた飽和形の非線形特
性。
性。
【符号の説明】 11 インパルス応答測定誤差計算装置 12 被測定系 13 第1のTSP信号発生器(TSP1) 14 第2のTSP信号発生器(TSP2) 15 第1のスイッチ 16 第1のITSP信号発生器(ITPS1) 17 第2のITSP信号発生器(ITPS2) 18 第2のスイッチ 19 畳み込み演算器 20 第3のスイッチ 21 第1のインパルス応答蓄積器(Imp.1) 22 第2のインパルス応答蓄積器(Imp.2) 23 相関演算器
Claims (1)
- 【請求項1】 周波数が高い周波数から低い周波数へと
変化する掃引正弦波であるパルス幅の異なる2つのTS
P信号を用いて被測定系のインパルス応答を測定し、2
つの測定結果の間の相関係数をρと表したとき、 1 −
ρの値を計算して、これを測定誤差の推定値とするイン
パルス応答測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4804295A JPH08248077A (ja) | 1995-03-08 | 1995-03-08 | インパルス応答測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4804295A JPH08248077A (ja) | 1995-03-08 | 1995-03-08 | インパルス応答測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08248077A true JPH08248077A (ja) | 1996-09-27 |
Family
ID=12792277
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4804295A Pending JPH08248077A (ja) | 1995-03-08 | 1995-03-08 | インパルス応答測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08248077A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002025998A1 (en) * | 2000-09-20 | 2002-03-28 | Leonhard Research A/S | A method of measuring the impulse response capability of a system |
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JP2013181783A (ja) * | 2012-02-29 | 2013-09-12 | Toshiba Corp | 測定装置および測定方法 |
JP2013181978A (ja) * | 2013-02-15 | 2013-09-12 | Toshiba Corp | 測定装置および測定方法 |
-
1995
- 1995-03-08 JP JP4804295A patent/JPH08248077A/ja active Pending
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