JPH08247129A - 緩み止めナット構造 - Google Patents
緩み止めナット構造Info
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- JPH08247129A JPH08247129A JP3338095A JP3338095A JPH08247129A JP H08247129 A JPH08247129 A JP H08247129A JP 3338095 A JP3338095 A JP 3338095A JP 3338095 A JP3338095 A JP 3338095A JP H08247129 A JPH08247129 A JP H08247129A
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- 230000003405 preventing effect Effects 0.000 abstract description 2
- 239000011295 pitch Substances 0.000 description 22
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 11
- 230000002265 prevention Effects 0.000 description 3
- 230000005489 elastic deformation Effects 0.000 description 2
- 230000006835 compression Effects 0.000 description 1
- 238000007906 compression Methods 0.000 description 1
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 1
- 230000003014 reinforcing effect Effects 0.000 description 1
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- Bolts, Nuts, And Washers (AREA)
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 工作物に挿通したボルトに螺合して工作物を
締め付ける緩み止めナット構造における、緩み止め効果
の向上。 【構成】 おねじ部120を形成した突出部12と、ね
じ孔13を設け、ねじ孔13の有効径上におけるねじ厚
さを、ねじ孔13のねじ谷の半径とおねじ部120のね
じ谷の半径との差よりも大きく設定し、ねじ孔13のね
じ谷の半径をおねじ部120のねじ谷の半径よりも小さ
く設定したメイン・ナット1と、大径の第1のねじ孔2
10と、小径の第2のねじ孔220を連続して設けたサ
ブ・ナット2とからなる。おねじ部120と第1のねじ
孔210、ねじ孔13と第2のねじ孔220をそれぞれ
同一サイズとする。おねじ部120のピッチをねじ孔1
3のピッチよりも小さく設定する。
締め付ける緩み止めナット構造における、緩み止め効果
の向上。 【構成】 おねじ部120を形成した突出部12と、ね
じ孔13を設け、ねじ孔13の有効径上におけるねじ厚
さを、ねじ孔13のねじ谷の半径とおねじ部120のね
じ谷の半径との差よりも大きく設定し、ねじ孔13のね
じ谷の半径をおねじ部120のねじ谷の半径よりも小さ
く設定したメイン・ナット1と、大径の第1のねじ孔2
10と、小径の第2のねじ孔220を連続して設けたサ
ブ・ナット2とからなる。おねじ部120と第1のねじ
孔210、ねじ孔13と第2のねじ孔220をそれぞれ
同一サイズとする。おねじ部120のピッチをねじ孔1
3のピッチよりも小さく設定する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は緩み止めナットに関し、
詳しくは、工作物に挿通したボルトに螺合して工作物を
締め付ける緩み止めナット構造であって、ピッチ差及び
ばね効果により、緩みを防止し、工作物を確実に締付け
るようにしたものに関する。
詳しくは、工作物に挿通したボルトに螺合して工作物を
締め付ける緩み止めナット構造であって、ピッチ差及び
ばね効果により、緩みを防止し、工作物を確実に締付け
るようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、工作物に挿通したボルト6の締付
時に、該ボルト6に螺合する緩み止めナット構造には、
本出願人に係る台湾新型専利(実用新案登録)第691
22号「組合式緩み止ナット」がある。この緩み止めナ
ット構造は、図5及び図6に示すように、通常のナット
と止めナットの組合せに代えて、メイン・ナット41と
サブ・ナット42からなるナットユニット4を備えてい
る。上記メイン・ナット41には、その一側中心部にお
ねじ部412を形成した筒状突出部を突設している。一
方、上記サブ・ナット42には、ボルト6と螺合する小
径ねじ孔部421を設けると共に、該小径ねじ孔部42
1と同一軸心線上に延在し、上記おねじ部412と螺合
する大径ねじ孔部422を設けており、該大径ねじ孔部
422の深さを上記メイン・ナット41とおねじ部41
2よりやや長めに形成している。また、このナットユッ
ト4では、大,小両螺合部のねじピッチが多少異なるよ
うに設定することもできる。
時に、該ボルト6に螺合する緩み止めナット構造には、
本出願人に係る台湾新型専利(実用新案登録)第691
22号「組合式緩み止ナット」がある。この緩み止めナ
ット構造は、図5及び図6に示すように、通常のナット
と止めナットの組合せに代えて、メイン・ナット41と
サブ・ナット42からなるナットユニット4を備えてい
る。上記メイン・ナット41には、その一側中心部にお
ねじ部412を形成した筒状突出部を突設している。一
方、上記サブ・ナット42には、ボルト6と螺合する小
径ねじ孔部421を設けると共に、該小径ねじ孔部42
1と同一軸心線上に延在し、上記おねじ部412と螺合
する大径ねじ孔部422を設けており、該大径ねじ孔部
422の深さを上記メイン・ナット41とおねじ部41
2よりやや長めに形成している。また、このナットユッ
ト4では、大,小両螺合部のねじピッチが多少異なるよ
うに設定することもできる。
【0003】上記メイン・ナット41とサブ・ナット4
2をそれぞれをボルト6に締付けるときは、まず、メイ
ン・ナット41をボルト6に螺合し、次に、サブ・ナッ
ト42の大径ねじ孔部422と小径ねじ孔部421を、
それぞれメイン・ナットのおねじ部412とボルト6に
同時に螺合させる。上記のようにメイン・ナット41を
ボルト6に螺合することにより第1段階の螺子締め効果
が生じる。また、サブ・ナット42をメイン・ナット4
1とボルト6の両方に螺合し、かつ、サブ・ナット42
をメイン・ナット41に螺合したことにより、ボルト6
との締付接触面積が増加するのみならず、サブ・ナット
42のメイン・ナット41への締付の作用が加わって第
2段階の螺子締め効果が得られる。さらに、上記メイン
・ナット41のおねじ部412に螺合した上記サブ・ナ
ット42の大径ねじ孔部422のピッチと、ボルト6に
螺合したサブ・ナット42の小径ねじ孔部421のピッ
チを異ならせた場合には、サブ・ナット42の大径ねじ
孔部422に対する、メイン・ナット41のねじ孔部4
11及びボルト6のピッチ差により、同一締付回転にお
いてピッチ大の方がピッチ小の方より螺子締め距離が大
なために、ピッチ大の方による第3段階の螺子締め効果
が得られる。よって、このナットユニット4では、メイ
ン・ナット41、サブ・ナット42及びボルト6との間
に従来の止めナットより優れた螺子締め効果が得られ
る。
2をそれぞれをボルト6に締付けるときは、まず、メイ
ン・ナット41をボルト6に螺合し、次に、サブ・ナッ
ト42の大径ねじ孔部422と小径ねじ孔部421を、
それぞれメイン・ナットのおねじ部412とボルト6に
同時に螺合させる。上記のようにメイン・ナット41を
ボルト6に螺合することにより第1段階の螺子締め効果
が生じる。また、サブ・ナット42をメイン・ナット4
1とボルト6の両方に螺合し、かつ、サブ・ナット42
をメイン・ナット41に螺合したことにより、ボルト6
との締付接触面積が増加するのみならず、サブ・ナット
42のメイン・ナット41への締付の作用が加わって第
2段階の螺子締め効果が得られる。さらに、上記メイン
・ナット41のおねじ部412に螺合した上記サブ・ナ
ット42の大径ねじ孔部422のピッチと、ボルト6に
螺合したサブ・ナット42の小径ねじ孔部421のピッ
チを異ならせた場合には、サブ・ナット42の大径ねじ
孔部422に対する、メイン・ナット41のねじ孔部4
11及びボルト6のピッチ差により、同一締付回転にお
いてピッチ大の方がピッチ小の方より螺子締め距離が大
なために、ピッチ大の方による第3段階の螺子締め効果
が得られる。よって、このナットユニット4では、メイ
ン・ナット41、サブ・ナット42及びボルト6との間
に従来の止めナットより優れた螺子締め効果が得られ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
5及び図6に示す「組合式弛止めナット」は確かにボル
トへの緩み止め効果を従来より向上しているものの、螺
子締め効果の面でなお十分とはいえない。本考案人がさ
らに研究を重ねた結果、上記したメイン・ナット、サブ
・ナットおよびボルトとの間のピッチ差による作用の外
に、振動などに対し確実なばね作用を備えさせることに
より、メイン・ナット、サブ・ナットおよびボルトとの
間に一層優れた螺子締め効果が生じることが分かった。
本発明は、この点を鑑みて、メイン・ナット、サブ・ナ
ット及びボルトに適宜な態様のばね作用を組合せて、優
れた螺子締め効果を生じさせると共に、その螺子締め効
果により強く圧接する補強作用を付与することのできる
ボルトの緩み止めナット構造を提供することを目的とす
る。
5及び図6に示す「組合式弛止めナット」は確かにボル
トへの緩み止め効果を従来より向上しているものの、螺
子締め効果の面でなお十分とはいえない。本考案人がさ
らに研究を重ねた結果、上記したメイン・ナット、サブ
・ナットおよびボルトとの間のピッチ差による作用の外
に、振動などに対し確実なばね作用を備えさせることに
より、メイン・ナット、サブ・ナットおよびボルトとの
間に一層優れた螺子締め効果が生じることが分かった。
本発明は、この点を鑑みて、メイン・ナット、サブ・ナ
ット及びボルトに適宜な態様のばね作用を組合せて、優
れた螺子締め効果を生じさせると共に、その螺子締め効
果により強く圧接する補強作用を付与することのできる
ボルトの緩み止めナット構造を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、外周面におねじ部を形成した筒状の突出部
を一端面の中心部に突設すると共に、ねじ孔を設け、該
ねじ孔の有効径上におけるねじ厚さを、該ねじ孔のねじ
谷の半径と上記おねじ部のねじ谷の半径との差よりも大
きく設定し、かつ該ねじ孔のねじ谷の半径を上記おねじ
部のねじ谷の半径よりも小さく設定したメイン・ナット
と、第1のねじ孔と、該第1のねじ孔より小径の第2の
ねじ孔を軸心方向に連続して設けたサブ・ナットとから
なり、上記メイン・ナットのおねじ部と上記サブ・ナッ
トの第1のねじ孔を互いに螺合可能な同一サイズに設定
すると共に、上記メイン・ナットのねじ孔と上記サブ・
ナットの第2のねじ孔を同一のボルトを螺合可能な同一
サイズとする一方、上記メイン・ナットのおねじ部のピ
ッチを、上記メイン・ナットのねじ孔のピッチよりも小
さく設定してなる緩み止めナット構造を提供するもので
ある。
に本発明は、外周面におねじ部を形成した筒状の突出部
を一端面の中心部に突設すると共に、ねじ孔を設け、該
ねじ孔の有効径上におけるねじ厚さを、該ねじ孔のねじ
谷の半径と上記おねじ部のねじ谷の半径との差よりも大
きく設定し、かつ該ねじ孔のねじ谷の半径を上記おねじ
部のねじ谷の半径よりも小さく設定したメイン・ナット
と、第1のねじ孔と、該第1のねじ孔より小径の第2の
ねじ孔を軸心方向に連続して設けたサブ・ナットとから
なり、上記メイン・ナットのおねじ部と上記サブ・ナッ
トの第1のねじ孔を互いに螺合可能な同一サイズに設定
すると共に、上記メイン・ナットのねじ孔と上記サブ・
ナットの第2のねじ孔を同一のボルトを螺合可能な同一
サイズとする一方、上記メイン・ナットのおねじ部のピ
ッチを、上記メイン・ナットのねじ孔のピッチよりも小
さく設定してなる緩み止めナット構造を提供するもので
ある。
【0006】
【作用】上記のように構成された本考案に係る緩み止め
ナット構造では、メイン・ナットのねじ孔の各ねじの有
効径上における厚さを、該ねじ孔のねじ谷の半径と該お
ねじ部のねじ谷の半径との差よりも大きくして、該ねじ
孔の谷半径を該おねじ部の谷半径よりも小さくなるよう
に設けたため、該メイン・ナットの突出部が適度の弾性
変形作用を備えることになり、該メイン・ナットをボル
トに螺合して工作物を挾着固定させた後、さらに該メイ
ン・ナットのおねじ部にサブ・ナットの第1のねじ孔を
螺合して該メイン・ナットと該サブ・ナットを螺子締め
すると、サブ・ナットの両ねじ孔のピッチの違いにより
ねじ前進距離の違いを生じ、ねじ接面で突出部が変形し
て、この弾性作用によりおねじ部と第1のねじ孔がより
強力に密着圧接されることになり、ボルトの軸の周りに
おける捩り応力が増加し、多少の振動では回ることがな
く、かつ該おねじ部を介して該メイン・ナットに工作物
に対する螺合圧力を補強でき、容易に緩まないようにさ
せることができる。
ナット構造では、メイン・ナットのねじ孔の各ねじの有
効径上における厚さを、該ねじ孔のねじ谷の半径と該お
ねじ部のねじ谷の半径との差よりも大きくして、該ねじ
孔の谷半径を該おねじ部の谷半径よりも小さくなるよう
に設けたため、該メイン・ナットの突出部が適度の弾性
変形作用を備えることになり、該メイン・ナットをボル
トに螺合して工作物を挾着固定させた後、さらに該メイ
ン・ナットのおねじ部にサブ・ナットの第1のねじ孔を
螺合して該メイン・ナットと該サブ・ナットを螺子締め
すると、サブ・ナットの両ねじ孔のピッチの違いにより
ねじ前進距離の違いを生じ、ねじ接面で突出部が変形し
て、この弾性作用によりおねじ部と第1のねじ孔がより
強力に密着圧接されることになり、ボルトの軸の周りに
おける捩り応力が増加し、多少の振動では回ることがな
く、かつ該おねじ部を介して該メイン・ナットに工作物
に対する螺合圧力を補強でき、容易に緩まないようにさ
せることができる。
【0007】
【実施例】次に、図面に示す実施例に基づいて本発明に
ついて詳細に説明する。図1に示すように、本発明の実
施例に係る緩み止めナット構造は、メイン・ナット1及
びサブ・ナット2を備えた構成としている。上記メイン
・ナット1は、円筒状の本体11の一方の端面に、該本
体11より小径の円筒状の突出部12を突設している。
該円筒突出部12の外周面には、おねじ部120を設け
ている。また、本体11と突出部12には、これらの軸
心線の一端から他端にわたって連通するねじ孔13を穿
設している。また、上記サブ・ナット2には、その軸心
線に沿って、孔径の異なる二つのねじ孔、すなわち比較
的大径の第1のねじ孔210と比較的小径の第2のねじ
孔220とをその軸心線に沿って、連続して設けてい
る。
ついて詳細に説明する。図1に示すように、本発明の実
施例に係る緩み止めナット構造は、メイン・ナット1及
びサブ・ナット2を備えた構成としている。上記メイン
・ナット1は、円筒状の本体11の一方の端面に、該本
体11より小径の円筒状の突出部12を突設している。
該円筒突出部12の外周面には、おねじ部120を設け
ている。また、本体11と突出部12には、これらの軸
心線の一端から他端にわたって連通するねじ孔13を穿
設している。また、上記サブ・ナット2には、その軸心
線に沿って、孔径の異なる二つのねじ孔、すなわち比較
的大径の第1のねじ孔210と比較的小径の第2のねじ
孔220とをその軸心線に沿って、連続して設けてい
る。
【0008】上記サブ・ナット2の第1のねじ孔210
は、上記メイン・ナット1の突出部12におけるおねじ
部120と互いに螺合可能な同じサイズに形成されてい
る。また、上記サブ・ナット2の第2のねじ孔220
は、上記メイン・ナットのねじ孔13と螺合可能な同じ
サイズに形成されている。一方、上記メイン・ナット1
の突出部12におけるおねじ部120のピッチを、該メ
イン・ナット1のねじ孔13のピッチよりも小さく設定
している。すなわち、本実施例では、サブ・ナット2の
第1のねじ孔210とメイン・ナット1のおねじ部12
0が同ピッチである一方、サブ・ナット2の第2のねじ
孔220がメイン・ナットのねじ孔13と同ピッチであ
って、かつ、前者のピッチを後者のピッチよりも小さく
設定している。
は、上記メイン・ナット1の突出部12におけるおねじ
部120と互いに螺合可能な同じサイズに形成されてい
る。また、上記サブ・ナット2の第2のねじ孔220
は、上記メイン・ナットのねじ孔13と螺合可能な同じ
サイズに形成されている。一方、上記メイン・ナット1
の突出部12におけるおねじ部120のピッチを、該メ
イン・ナット1のねじ孔13のピッチよりも小さく設定
している。すなわち、本実施例では、サブ・ナット2の
第1のねじ孔210とメイン・ナット1のおねじ部12
0が同ピッチである一方、サブ・ナット2の第2のねじ
孔220がメイン・ナットのねじ孔13と同ピッチであ
って、かつ、前者のピッチを後者のピッチよりも小さく
設定している。
【0009】図2は図1の要部Fの拡大図である。この
図2に示すように、上記メイン・ナット1のねじ孔13
における各ねじ山の有効径上における厚さXは、該ねじ
孔13のねじ谷の半径Mとメイン・ナット1のおねじ部
120のねじ谷の半径Nとの差Yよりも大きく設定して
おり、かつ該ねじ孔13の谷半径Mは該おねじ部120
の谷半径Nよりも小さく設定している。これにより該メ
イン・ナット1の突出部12の壁面肉厚断面が薄肉の波
浪形状を呈することになり、おねじ部120を捩り回転
の螺締操作すると突出部12が容易に変形させ、この突
出部12の弾性変形作用により、突出部12の壁面を介
してボルト3に対するメイン・ナット1の押圧締付を強
化することができる。
図2に示すように、上記メイン・ナット1のねじ孔13
における各ねじ山の有効径上における厚さXは、該ねじ
孔13のねじ谷の半径Mとメイン・ナット1のおねじ部
120のねじ谷の半径Nとの差Yよりも大きく設定して
おり、かつ該ねじ孔13の谷半径Mは該おねじ部120
の谷半径Nよりも小さく設定している。これにより該メ
イン・ナット1の突出部12の壁面肉厚断面が薄肉の波
浪形状を呈することになり、おねじ部120を捩り回転
の螺締操作すると突出部12が容易に変形させ、この突
出部12の弾性変形作用により、突出部12の壁面を介
してボルト3に対するメイン・ナット1の押圧締付を強
化することができる。
【0010】図3は、本発明のメイン・ナット1をボル
ト6に螺合した際の部分縦断側面図である。この図3に
示すように、該メイン・ナット1をボルト3に螺合して
工作物90を締付挟持させる時は、まず該メイン・ナッ
ト1のねじ孔13を、工作物9に挿通したボルト3に螺
合し、かつメイン・ナット1の本体11外端面によりワ
ッシャ31を押圧して、該ワッシャ31と該ボルトヘッ
ド32との間で工作物90を締付挟持する。該メイン・
ナット1をボルト3に螺合する際、ねじ締付の基本原理
によれば、ボルトとナットのねじ山のひっかかりの接面
間は互いに圧接力を生じ、互いに締付密着する作用が生
じる。従って、上記メイン・ナット1のねじ孔13とボ
ルト3が螺合する際には、上記圧接締付の作用からメイ
ン・ナット1とボルト3の両方が全体的に変形するので
あるが、該メイン・ナット1の本体11は厚めに形成さ
れているので変形抵抗はきわめて大きい一方、メイン・
ナット1の突出部12は薄肉に形成されているため、メ
イン・ナット1のみに変形が生じ易く、締付を強化する
ことができる。すなわち、メイン・ナット1とボルト3
との螺合作用により、メイン・ナット1がボルト3によ
り引張られ、前進側接面に圧力を生じさせるが、製作誤
差による遊隙が、図3中、部位A,B,Cの順でナット1
の根元側から先端側すなわちメイン・ナット1の突出部
12側へ漸進されると推定される。ここで、上記したよ
うにメイン・ナット1のおねじ部120とサブ・ナット
2の第1のねじ孔210のピッチを、サブ・ナット2の
第2のねじ孔220及びボルト3のピッチと比べてやや
小さくしているため、このおねじ部120と第1のねじ
孔210のピッチ遅れが、ボルト3への先端から基端側
へ押す力が生じる。そのため、本来、突出部12の前後
両端部位では、ボルト3にはメイン・ナット1のねじ孔
13及びサブ・ナット2の第2ねじ孔220との螺合に
より引張り応力を生じるのが、メイン・ナット1のおね
じ部12とサブ・ナット2の第1ねじ孔210の螺合部
位においてはボルト3に圧縮応力を生じる。そのため、
図4に示すように突出部12のコイルばね状に圧縮方向
の弾性変形し、図4中A’,B’,C’に示すように、
上記遊隙が圧接されて消滅し、メイン・ナットとサブ・
ナット2の間に互いに締付圧接されて摩擦抵抗力が増大
し、メイン・ナット1の緩みが防止される。
ト6に螺合した際の部分縦断側面図である。この図3に
示すように、該メイン・ナット1をボルト3に螺合して
工作物90を締付挟持させる時は、まず該メイン・ナッ
ト1のねじ孔13を、工作物9に挿通したボルト3に螺
合し、かつメイン・ナット1の本体11外端面によりワ
ッシャ31を押圧して、該ワッシャ31と該ボルトヘッ
ド32との間で工作物90を締付挟持する。該メイン・
ナット1をボルト3に螺合する際、ねじ締付の基本原理
によれば、ボルトとナットのねじ山のひっかかりの接面
間は互いに圧接力を生じ、互いに締付密着する作用が生
じる。従って、上記メイン・ナット1のねじ孔13とボ
ルト3が螺合する際には、上記圧接締付の作用からメイ
ン・ナット1とボルト3の両方が全体的に変形するので
あるが、該メイン・ナット1の本体11は厚めに形成さ
れているので変形抵抗はきわめて大きい一方、メイン・
ナット1の突出部12は薄肉に形成されているため、メ
イン・ナット1のみに変形が生じ易く、締付を強化する
ことができる。すなわち、メイン・ナット1とボルト3
との螺合作用により、メイン・ナット1がボルト3によ
り引張られ、前進側接面に圧力を生じさせるが、製作誤
差による遊隙が、図3中、部位A,B,Cの順でナット1
の根元側から先端側すなわちメイン・ナット1の突出部
12側へ漸進されると推定される。ここで、上記したよ
うにメイン・ナット1のおねじ部120とサブ・ナット
2の第1のねじ孔210のピッチを、サブ・ナット2の
第2のねじ孔220及びボルト3のピッチと比べてやや
小さくしているため、このおねじ部120と第1のねじ
孔210のピッチ遅れが、ボルト3への先端から基端側
へ押す力が生じる。そのため、本来、突出部12の前後
両端部位では、ボルト3にはメイン・ナット1のねじ孔
13及びサブ・ナット2の第2ねじ孔220との螺合に
より引張り応力を生じるのが、メイン・ナット1のおね
じ部12とサブ・ナット2の第1ねじ孔210の螺合部
位においてはボルト3に圧縮応力を生じる。そのため、
図4に示すように突出部12のコイルばね状に圧縮方向
の弾性変形し、図4中A’,B’,C’に示すように、
上記遊隙が圧接されて消滅し、メイン・ナットとサブ・
ナット2の間に互いに締付圧接されて摩擦抵抗力が増大
し、メイン・ナット1の緩みが防止される。
【0011】このように本実施例では、メイン・ナット
1がボルト3と螺合した時、突出部12の壁面厚さ方向
の断面が薄肉の波浪形状を呈していることによるコイル
ばねのような弾性作用から工作物90をより強く締付け
て押圧することができ、さらにサブ・ナット2をメイン
・ナット1に螺合させると、ボルト1とのピッチ遅れの
作用及びメイン・ナット1の突出部12をより圧縮する
ばね作用から、メイン・ナットとサブ・ナット2の間に
互いに締付圧接する作用が存在することになり、これに
よりサブ・ナット2がメイン・ナット1により大な捩り
摩擦抵抗が得られ、メイン・ナット1の緩みを防止する
ことができる。
1がボルト3と螺合した時、突出部12の壁面厚さ方向
の断面が薄肉の波浪形状を呈していることによるコイル
ばねのような弾性作用から工作物90をより強く締付け
て押圧することができ、さらにサブ・ナット2をメイン
・ナット1に螺合させると、ボルト1とのピッチ遅れの
作用及びメイン・ナット1の突出部12をより圧縮する
ばね作用から、メイン・ナットとサブ・ナット2の間に
互いに締付圧接する作用が存在することになり、これに
よりサブ・ナット2がメイン・ナット1により大な捩り
摩擦抵抗が得られ、メイン・ナット1の緩みを防止する
ことができる。
【0012】
【発明の効果】上記のように構成された本考案に係る緩
み止めナット構造では、メイン・ナットの突出部を薄肉
に形成して適度の弾性変形が可能としたことから、メイ
ン・ナットとサブ・ナットとの間に、従来より優れた把
持力に加えて捩り抵抗を増し、緩み防止の緊密な締付作
用がある。また、ナットの螺子締効果に対してよりボル
トとの圧接を補強することができ、確実に工作物を締付
け挟持し、優れた緩み防止機能を発揮することができ
る。
み止めナット構造では、メイン・ナットの突出部を薄肉
に形成して適度の弾性変形が可能としたことから、メイ
ン・ナットとサブ・ナットとの間に、従来より優れた把
持力に加えて捩り抵抗を増し、緩み防止の緊密な締付作
用がある。また、ナットの螺子締効果に対してよりボル
トとの圧接を補強することができ、確実に工作物を締付
け挟持し、優れた緩み防止機能を発揮することができ
る。
【図1】 本考案の実施例に係るメイン・ナットとサブ
・ナットの分解縦断面図である。
・ナットの分解縦断面図である。
【図2】 図1の要部Fの拡大図である。
【図3】 メイン・ナットをボルトに螺合した状態を示
す縦断面図である。
す縦断面図である。
【図4】 メイン・ナットとサブ・ナットをボルトに螺
合した状態を示す縦断面図である。
合した状態を示す縦断面図である。
【図5】 緩み止めナットの従来例の構成を示す分解斜
視図である。
視図である。
【図6】 緩み止めナットの従来例の構成を示す縦断面
図である。
図である。
1 メイン・ナット 2 サブ・ナット 11 メイン・ナットの本体 12 突出部 120 おねじ部 13 ねじ孔 210 第1のねじ孔 220 第2のねじ孔
Claims (1)
- 【請求項1】 外周面におねじ部(120)を形成した
筒状の突出部を一端面の中心部に突設すると共に、ねじ
孔(13)を設け、該ねじ孔(13)の有効径上におけ
るねじ厚さ(X)を、該ねじ孔(13)のねじ谷の半径
(M)と上記おねじ部(120)のねじ谷の半径(N)
との差(Y)よりも大きく設定し、かつ該ねじ孔(13)
のねじ谷の半径(M)を上記おねじ部(120)のねじ
谷の半径(N)よりも小さく設定したメイン・ナット
(1)と、 第1のねじ孔(210)と、該第1のねじ孔(210)
より小径の第2のねじ孔(220)を軸心方向に連続し
て設けたサブ・ナット(2)とからなり、 上記メイン・ナット(1)のおねじ部(120)と上記
サブ・ナット(2)の第1のねじ孔(210)を互いに
螺合可能な同一サイズに設定すると共に、上記メイン・
ナット(1)のねじ孔(13)と上記サブ・ナット
(2)の第2のねじ孔(220)を同一のボルト(3)
を螺合可能な同一サイズとする一方、上記メイン・ナッ
ト(1)のおねじ部(120)のピッチを、上記メイン
・ナット(1)のねじ孔(13)のピッチよりも小さく
設定してなる緩み止めナット構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3338095A JP2651364B2 (ja) | 1995-02-22 | 1995-02-22 | 緩み止めナット構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3338095A JP2651364B2 (ja) | 1995-02-22 | 1995-02-22 | 緩み止めナット構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08247129A true JPH08247129A (ja) | 1996-09-24 |
JP2651364B2 JP2651364B2 (ja) | 1997-09-10 |
Family
ID=12384996
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3338095A Expired - Lifetime JP2651364B2 (ja) | 1995-02-22 | 1995-02-22 | 緩み止めナット構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2651364B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012112481A (ja) * | 2010-11-26 | 2012-06-14 | Keiai Orthopedic Appliance Co Ltd | 緩み止めボルト |
CN110173499A (zh) * | 2019-03-29 | 2019-08-27 | 郑州海富机电设备有限公司 | 一种防松螺母 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103195786A (zh) * | 2013-04-09 | 2013-07-10 | 徐文秀 | 防松螺母 |
-
1995
- 1995-02-22 JP JP3338095A patent/JP2651364B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012112481A (ja) * | 2010-11-26 | 2012-06-14 | Keiai Orthopedic Appliance Co Ltd | 緩み止めボルト |
CN110173499A (zh) * | 2019-03-29 | 2019-08-27 | 郑州海富机电设备有限公司 | 一种防松螺母 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2651364B2 (ja) | 1997-09-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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