JPH08229099A - 医療用複室容器 - Google Patents
医療用複室容器Info
- Publication number
- JPH08229099A JPH08229099A JP7038746A JP3874695A JPH08229099A JP H08229099 A JPH08229099 A JP H08229099A JP 7038746 A JP7038746 A JP 7038746A JP 3874695 A JP3874695 A JP 3874695A JP H08229099 A JPH08229099 A JP H08229099A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyethylene
- block
- copolymer
- container
- chamber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B65—CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
- B65D—CONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
- B65D81/00—Containers, packaging elements, or packages, for contents presenting particular transport or storage problems, or adapted to be used for non-packaging purposes after removal of contents
- B65D81/32—Containers, packaging elements, or packages, for contents presenting particular transport or storage problems, or adapted to be used for non-packaging purposes after removal of contents for packaging two or more different materials which must be maintained separate prior to use in admixture
- B65D81/3261—Flexible containers having several compartments
- B65D81/3266—Flexible containers having several compartments separated by a common rupturable seal, a clip or other removable fastening device
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Package Specialized In Special Use (AREA)
- Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 透明性と柔軟性とを改善した医療用複室容器
を提供。 【構成】 本発明は、相対する内壁面が、剥離可能な接
着部によって仕切られ、複数の収容室に区画されている
医療用複室容器であって、前記内壁面がポリエチレン
と、ブロック(ポリエチレン−エチレンブチレンコポリ
マー−ポリエチレン)、ブロック(ポリエチレン−エチ
レンプロピレンコポリマー−ポリエチレン)、ブロック
(ポリスチレン−エチレンブチレンコポリマー−ポリエ
チレン)およびブロック(ポリスチレン−エチレンプロ
ピレンコポリマー−ポリエチレン)の群より選ばれた少
なくとも一つのブロックコポリマーとの重合体組成物か
らなる医療用複室容器である。
を提供。 【構成】 本発明は、相対する内壁面が、剥離可能な接
着部によって仕切られ、複数の収容室に区画されている
医療用複室容器であって、前記内壁面がポリエチレン
と、ブロック(ポリエチレン−エチレンブチレンコポリ
マー−ポリエチレン)、ブロック(ポリエチレン−エチ
レンプロピレンコポリマー−ポリエチレン)、ブロック
(ポリスチレン−エチレンブチレンコポリマー−ポリエ
チレン)およびブロック(ポリスチレン−エチレンプロ
ピレンコポリマー−ポリエチレン)の群より選ばれた少
なくとも一つのブロックコポリマーとの重合体組成物か
らなる医療用複室容器である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2種類以上の医薬液を
接着部により隔離された別々の収容室で保存し、使用時
には接着部を剥離することによって該複数の医薬液を密
封状態で混合するに適した医療用複室容器に関する。
接着部により隔離された別々の収容室で保存し、使用時
には接着部を剥離することによって該複数の医薬液を密
封状態で混合するに適した医療用複室容器に関する。
【0002】
【従来の技術】医療分野では、複数の薬剤成分を混合し
た状態で生体内に投与することはごく一般的であるが、
混合する薬剤成分の組合せによっては、次のような方法
が採られる。例えば輸液の場合、アミノ酸とブドウ糖と
を含む液は、メイラード反応による変質が起こりやすい
ので、各成分を別々の閉鎖系に保存しておき、患者への
投与の直前に混合することが多いが、この際、混合操作
を無菌的に(クローズドシステムで)行うために、また
容易に操作するために、複数の収容室に区画された容器
を用いて、該収容室の各々に異なる輸液成分を保存して
おき、使用直前に区画された収容室を何らかの手段でク
ローズドシステム内で連通させ混合する方法が実用化さ
れるようになった。
た状態で生体内に投与することはごく一般的であるが、
混合する薬剤成分の組合せによっては、次のような方法
が採られる。例えば輸液の場合、アミノ酸とブドウ糖と
を含む液は、メイラード反応による変質が起こりやすい
ので、各成分を別々の閉鎖系に保存しておき、患者への
投与の直前に混合することが多いが、この際、混合操作
を無菌的に(クローズドシステムで)行うために、また
容易に操作するために、複数の収容室に区画された容器
を用いて、該収容室の各々に異なる輸液成分を保存して
おき、使用直前に区画された収容室を何らかの手段でク
ローズドシステム内で連通させ混合する方法が実用化さ
れるようになった。
【0003】収容室の区画手段としては、使用直前まで
は安定に成分輸液を隔離でき、使用時(混合時)には容
易に連通させ得ることが大切であり、このために種々の
形態が工夫され提案されている。代表的なものは、収
容室間を外側からクランプで挟窄するもの(特開昭53
−38189号、特開昭61−103823号、特開平
1−160558号など)、収容室間を容器外に露出
したチューブで連結し、該チューブをクランプで挟窄す
るもの(実開昭57−76636号など)、収容室間
に用時連通可能な連通具をもつもの(特開昭57−52
455号など)、収容室間を仕切る接着部を、比較的
安定でかつ混合時には容易に剥離できる程度のシール強
度のシールにしたもの(特公平6−26563号、特開
昭63−309263号、特開平1−240469号、
特開平2−4671号、特開平2−57584号、特開
平2−241457号、特開平2−255418号、特
開平4−242647号、特開平5−31153号、特
開平5−68702号など)である。このうちで、操作
性に富み実用性のあるものは、のいわゆる容易剥離性
の複室容器であり、最も注目されている。このタイプの
技術的ポイントは、製造時あるいは輸送時においては収
容室間の剥離可能な接着部が比較的安定で剥離しにく
く、使用時(混合時)には手または器具などで容易に剥
離され得る程度のシール強度を持ち、かつ外界(大気)
とつながる周縁部のシール強度は十分であることであ
る。従って、容器の内壁を形成する(すなわち該接着部
を形成する)材質の選定が最重要となるのであるが、一
般にはミクロ層分離構造を形成する材質、例えばポリエ
チレンとポリプロピレンとの混合物、ポリエチレンと架
橋ポリエチレンとの混合物など(これらは、剥離可能な
接着部が、剥離時にいわゆる凝集剥離を起こすタイプで
ある)が使われる。しかしながら、問題なのは、これら
の材質が輸液容器としての材料の要件すなわち安全性、
柔軟性、透明性、耐熱性(耐高圧蒸気滅菌性)などを満
たすか否か、また生産に支障がないかである。例えばポ
リエチレンとポリプロピレンとの混合物は透明性が十分
でなく、ポリエチレンと架橋ポリエチレンとの混合物は
ゲル状物・フイッシュアイが発生しやすく、生産性に劣
ることがあった。
は安定に成分輸液を隔離でき、使用時(混合時)には容
易に連通させ得ることが大切であり、このために種々の
形態が工夫され提案されている。代表的なものは、収
容室間を外側からクランプで挟窄するもの(特開昭53
−38189号、特開昭61−103823号、特開平
1−160558号など)、収容室間を容器外に露出
したチューブで連結し、該チューブをクランプで挟窄す
るもの(実開昭57−76636号など)、収容室間
に用時連通可能な連通具をもつもの(特開昭57−52
455号など)、収容室間を仕切る接着部を、比較的
安定でかつ混合時には容易に剥離できる程度のシール強
度のシールにしたもの(特公平6−26563号、特開
昭63−309263号、特開平1−240469号、
特開平2−4671号、特開平2−57584号、特開
平2−241457号、特開平2−255418号、特
開平4−242647号、特開平5−31153号、特
開平5−68702号など)である。このうちで、操作
性に富み実用性のあるものは、のいわゆる容易剥離性
の複室容器であり、最も注目されている。このタイプの
技術的ポイントは、製造時あるいは輸送時においては収
容室間の剥離可能な接着部が比較的安定で剥離しにく
く、使用時(混合時)には手または器具などで容易に剥
離され得る程度のシール強度を持ち、かつ外界(大気)
とつながる周縁部のシール強度は十分であることであ
る。従って、容器の内壁を形成する(すなわち該接着部
を形成する)材質の選定が最重要となるのであるが、一
般にはミクロ層分離構造を形成する材質、例えばポリエ
チレンとポリプロピレンとの混合物、ポリエチレンと架
橋ポリエチレンとの混合物など(これらは、剥離可能な
接着部が、剥離時にいわゆる凝集剥離を起こすタイプで
ある)が使われる。しかしながら、問題なのは、これら
の材質が輸液容器としての材料の要件すなわち安全性、
柔軟性、透明性、耐熱性(耐高圧蒸気滅菌性)などを満
たすか否か、また生産に支障がないかである。例えばポ
リエチレンとポリプロピレンとの混合物は透明性が十分
でなく、ポリエチレンと架橋ポリエチレンとの混合物は
ゲル状物・フイッシュアイが発生しやすく、生産性に劣
ることがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、容易剥離性
の医療用複室容器につきものの材質の安全性、柔軟性、
透明性、耐熱性(耐高圧蒸気滅菌性)といった問題の解
消を課題としてなされたものである。
の医療用複室容器につきものの材質の安全性、柔軟性、
透明性、耐熱性(耐高圧蒸気滅菌性)といった問題の解
消を課題としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者の検討で明らか
になったのは、ポリエチレンと特定ブロックコポリマー
との重合体組成物を内壁面とする医療用複室容器が、上
記課題の解決をもたらすことである。すなわち、下記
(1)〜(3)の医療用複室容器である。
になったのは、ポリエチレンと特定ブロックコポリマー
との重合体組成物を内壁面とする医療用複室容器が、上
記課題の解決をもたらすことである。すなわち、下記
(1)〜(3)の医療用複室容器である。
【0006】(1) 相対する内壁面が、剥離可能な接
着部によって仕切られ、複数の収容室に区画されている
医療用複室容器であって、前記内壁面がポリエチレン
と、ブロック(ポリエチレン−エチレンブチレンコポリ
マー−ポリエチレン)、ブロック(ポリエチレン−エチ
レンプロピレンコポリマー−ポリエチレン)、ブロック
(ポリスチレン−エチレンブチレンコポリマー−ポリエ
チレン)およびブロック(ポリスチレン−エチレンプロ
ピレンコポリマー−ポリエチレン)の群より選ばれた少
なくとも一つのブロックコポリマーとの重合体組成物か
らなる医療用複室容器。
着部によって仕切られ、複数の収容室に区画されている
医療用複室容器であって、前記内壁面がポリエチレン
と、ブロック(ポリエチレン−エチレンブチレンコポリ
マー−ポリエチレン)、ブロック(ポリエチレン−エチ
レンプロピレンコポリマー−ポリエチレン)、ブロック
(ポリスチレン−エチレンブチレンコポリマー−ポリエ
チレン)およびブロック(ポリスチレン−エチレンプロ
ピレンコポリマー−ポリエチレン)の群より選ばれた少
なくとも一つのブロックコポリマーとの重合体組成物か
らなる医療用複室容器。
【0007】(2) 前記ポリエチレンが密度0.91
5〜0.928g/cm3の線状低密度ポリエチレンで
ある上記(1)に記載の医療用複室容器。
5〜0.928g/cm3の線状低密度ポリエチレンで
ある上記(1)に記載の医療用複室容器。
【0008】(3) 前記ポリエチレンと前記ブロック
コポリマーとの重合体組成物中の重量割合が85:15
〜50:50である上記(1)または(2)に記載の医
療用複室容器。
コポリマーとの重合体組成物中の重量割合が85:15
〜50:50である上記(1)または(2)に記載の医
療用複室容器。
【0009】
【実施例】本発明の医療用複室容器の形態は、特に限定
されないが、形態の一実施例として、図1、図2を参照
して説明する。図1は医療用複室容器の正面図であり、
図2は図1のA−A線断面図である。医療用複室容器1
は、一方に排出口2が設けられ、二つの収容室を有する
容器である。周縁部3はインフレシートの両端解放を熱
シールしてあり、接着部4は剥離可能な程度にシールし
てある。使用時(混合時)には、手または器具などで収
容室5を押圧することにより、接着部4が剥離し、二つ
の収容室5が連通することにより、隔離されていた医薬
液を容易に混合できる。本発明の医療用複室容器1は、
適度のシール強度を持ち、安全性、柔軟性、透明性、耐
熱性などの性質にすぐれ、かつ生産も容易である。
されないが、形態の一実施例として、図1、図2を参照
して説明する。図1は医療用複室容器の正面図であり、
図2は図1のA−A線断面図である。医療用複室容器1
は、一方に排出口2が設けられ、二つの収容室を有する
容器である。周縁部3はインフレシートの両端解放を熱
シールしてあり、接着部4は剥離可能な程度にシールし
てある。使用時(混合時)には、手または器具などで収
容室5を押圧することにより、接着部4が剥離し、二つ
の収容室5が連通することにより、隔離されていた医薬
液を容易に混合できる。本発明の医療用複室容器1は、
適度のシール強度を持ち、安全性、柔軟性、透明性、耐
熱性などの性質にすぐれ、かつ生産も容易である。
【0010】本発明におけるポリエチレンと特定ののブ
ロックコポリマーとの重合体組成物がミクロ層分離構造
を形成するのか、完全相溶系であるのかなどについては
解明の余地があるが、ポリエチレンと特定のブロックコ
ポリマーとの適度な分子間相互作用がシール強度の程度
と密接に結びついていると考えられる。
ロックコポリマーとの重合体組成物がミクロ層分離構造
を形成するのか、完全相溶系であるのかなどについては
解明の余地があるが、ポリエチレンと特定のブロックコ
ポリマーとの適度な分子間相互作用がシール強度の程度
と密接に結びついていると考えられる。
【0011】本発明においてポリエチレンは通常公知の
高密度ポリエチレン(以下HDPEと称す)、高圧法低
密度ポリエチレン(以下LDPEと称す)、線状低密度
ポリエチレン(以下LLDPEと称す)などから選ぶこ
とができるが、本発明の趣旨である適度のシール強度、
安全性、柔軟性、透明性、耐熱性などの性質の発現のた
めには、少量の(好ましくは2〜20モル%、さらに好
ましくは3〜15モル%の)プロピレン、ブテン−1、
ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン
−1、デセン−1、ドデセン−1、4−メチルペンテン
−1などのα−オレフィン類を共重合成分として含むL
LDPEのうち密度が0.915〜0.928g/cm
3のものが最適である。密度がこの範囲より低いと容易
剥離性が発現しにくい傾向にあり(すなわち高圧蒸気滅
菌時に剥離可能な接着部の強度が大きくなり剥離し難く
なる傾向にあり)、逆に密度の高い領域では透明性や柔
軟性の低下が見られるからである。また、HDPEやL
DPEはLLDPEの耐熱性、柔軟性などを調節したい
時に使うのがよい。そして、成形性、力学的性質などを
考慮すると、これらのポリエチレン類は、温度190
℃、荷重2160gにおけるMFR(メルトフローレイ
ト、JIS K7210)が、好ましくは0.1〜1
5、より好ましくは0.5〜10のものを選ぶのがよ
い。
高密度ポリエチレン(以下HDPEと称す)、高圧法低
密度ポリエチレン(以下LDPEと称す)、線状低密度
ポリエチレン(以下LLDPEと称す)などから選ぶこ
とができるが、本発明の趣旨である適度のシール強度、
安全性、柔軟性、透明性、耐熱性などの性質の発現のた
めには、少量の(好ましくは2〜20モル%、さらに好
ましくは3〜15モル%の)プロピレン、ブテン−1、
ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン
−1、デセン−1、ドデセン−1、4−メチルペンテン
−1などのα−オレフィン類を共重合成分として含むL
LDPEのうち密度が0.915〜0.928g/cm
3のものが最適である。密度がこの範囲より低いと容易
剥離性が発現しにくい傾向にあり(すなわち高圧蒸気滅
菌時に剥離可能な接着部の強度が大きくなり剥離し難く
なる傾向にあり)、逆に密度の高い領域では透明性や柔
軟性の低下が見られるからである。また、HDPEやL
DPEはLLDPEの耐熱性、柔軟性などを調節したい
時に使うのがよい。そして、成形性、力学的性質などを
考慮すると、これらのポリエチレン類は、温度190
℃、荷重2160gにおけるMFR(メルトフローレイ
ト、JIS K7210)が、好ましくは0.1〜1
5、より好ましくは0.5〜10のものを選ぶのがよ
い。
【0012】次に本発明におけるブロックコポリマーに
ついて説明する。なお、MFRは、JIS規格K721
0に準じ、温度230℃、荷重2160gにおける測定
値である。
ついて説明する。なお、MFRは、JIS規格K721
0に準じ、温度230℃、荷重2160gにおける測定
値である。
【0013】 EEBE:ブロック(ポリエチレン−
エチレンブチレンコポリマー−ポリエチレン) EEBEは、ポリ−1,4−ブタジエン−ポリブタジエ
ン(1,2−結合体と1,4−結合体とのコポリマー)
−ポリ−1,4−ブタジエンの構造を持つトリブロック
型コポリマーを水素添加して得られる。成形性、力学的
性質などを考慮すると、両端のポリエチレン部(E部)
の合計が、EEBE中の5〜90重量%が好ましく、さ
らに好ましくは10〜85重量%を占め、エチレンブチ
レンコポリマー部(EB部)はブチレン部の割合が30
〜90重量%が好ましく、さらに好ましくは35〜85
重量%であるものがよい。またMFRは、0.5〜20
のものが好ましく、さらに好ましくは1〜15のものが
よい。
エチレンブチレンコポリマー−ポリエチレン) EEBEは、ポリ−1,4−ブタジエン−ポリブタジエ
ン(1,2−結合体と1,4−結合体とのコポリマー)
−ポリ−1,4−ブタジエンの構造を持つトリブロック
型コポリマーを水素添加して得られる。成形性、力学的
性質などを考慮すると、両端のポリエチレン部(E部)
の合計が、EEBE中の5〜90重量%が好ましく、さ
らに好ましくは10〜85重量%を占め、エチレンブチ
レンコポリマー部(EB部)はブチレン部の割合が30
〜90重量%が好ましく、さらに好ましくは35〜85
重量%であるものがよい。またMFRは、0.5〜20
のものが好ましく、さらに好ましくは1〜15のものが
よい。
【0014】 EEPE:ブロック(ポリエチレン−
エチレンプロピレンコポリマー−ポリエチレン) EEPEは、EEBEの場合とほぼ同様に、ポリ−1,
4−ブタジエン−ポリイソプレン−ポリ−1,4−ブタ
ジエンの構造のトリブロック型コポリマーに水素添加し
て得られるブロックコポリマーである。EEBEと同様
の事柄を考慮すると、両端のポリエチレン部(E部)の
合計がEEPE中の5〜90重量%を占めるものが好ま
しく、さらに好ましくは10〜85重量%を占めるもの
であって、MFRが0.5〜20のものが好ましく、さ
らに好ましくは1〜15のものがよい。
エチレンプロピレンコポリマー−ポリエチレン) EEPEは、EEBEの場合とほぼ同様に、ポリ−1,
4−ブタジエン−ポリイソプレン−ポリ−1,4−ブタ
ジエンの構造のトリブロック型コポリマーに水素添加し
て得られるブロックコポリマーである。EEBEと同様
の事柄を考慮すると、両端のポリエチレン部(E部)の
合計がEEPE中の5〜90重量%を占めるものが好ま
しく、さらに好ましくは10〜85重量%を占めるもの
であって、MFRが0.5〜20のものが好ましく、さ
らに好ましくは1〜15のものがよい。
【0015】 SEBE:ブロック(ポリスチレン−
エチレンブチレンコポリマー−ポリエチレン) SEBEは、ポリエチレン−ポリブタジエン(1,2−
結合体と1,4−結合体とのコポリマー)−ポリ−1,
4−ブタジエンの構造を持つトリブロック型コポリマー
に水素添加して得られる。EEBEと同様の事柄を考慮
すると、ポリスチレン部(S部)、エチレンブチレンコ
ポリマー部(EB部)およびポリエチレン部(E部)の
重量割合は、好ましくは3〜30重量%:40〜80重
量%:10〜40重量%のものであり、さらに好ましく
は5〜25重量%:45〜75重量%:12〜35重量
%のものである。EB部中のブチレンの量は、30〜9
0重量%であるのがよい。また、MFRは、EEBEと
同程度のものがよい。
エチレンブチレンコポリマー−ポリエチレン) SEBEは、ポリエチレン−ポリブタジエン(1,2−
結合体と1,4−結合体とのコポリマー)−ポリ−1,
4−ブタジエンの構造を持つトリブロック型コポリマー
に水素添加して得られる。EEBEと同様の事柄を考慮
すると、ポリスチレン部(S部)、エチレンブチレンコ
ポリマー部(EB部)およびポリエチレン部(E部)の
重量割合は、好ましくは3〜30重量%:40〜80重
量%:10〜40重量%のものであり、さらに好ましく
は5〜25重量%:45〜75重量%:12〜35重量
%のものである。EB部中のブチレンの量は、30〜9
0重量%であるのがよい。また、MFRは、EEBEと
同程度のものがよい。
【0016】 SEPE:ブロック(ポリスチレン−
エチレンプロピレンコポリマー−ポリエチレン) SEPEは、ポリスチレン−ポリ−1,4−イソプレン
−ポリ−1,4−ブタジエンの構造を持つトリブロック
型コポリマーに水素添加して得られる。EEBEと同様
の事柄を考慮すると、ポリスチレン部(S部)、エチレ
ンプロピレンコポリマー部(EP部)およびポリエチレ
ン部(E部)の重量割合は、好ましくは3〜30重量
%:40〜80重量%:10〜40重量%のものであ
り、さらに好ましくは5〜25重量%:45〜75重量
%:12〜35重量%のものであって、MFRは、EE
BEと同程度のものがよい。
エチレンプロピレンコポリマー−ポリエチレン) SEPEは、ポリスチレン−ポリ−1,4−イソプレン
−ポリ−1,4−ブタジエンの構造を持つトリブロック
型コポリマーに水素添加して得られる。EEBEと同様
の事柄を考慮すると、ポリスチレン部(S部)、エチレ
ンプロピレンコポリマー部(EP部)およびポリエチレ
ン部(E部)の重量割合は、好ましくは3〜30重量
%:40〜80重量%:10〜40重量%のものであ
り、さらに好ましくは5〜25重量%:45〜75重量
%:12〜35重量%のものであって、MFRは、EE
BEと同程度のものがよい。
【0017】本発明の医療用複室容器の内壁面を形成す
るのは、ポリエチレンと前記〜のブロックコポリマ
ーとの重合体組成物であるのは冒頭に示した通りであ
り、一般には該重合体組成物は、熱シール性、柔軟性、
透明性、耐熱性などを考慮すると、ポリエチレンと前記
〜のブロックコポリマーとの重量比が、好ましくは
85:15〜50:50であり、さらに好ましくは8
2:18〜60〜40である。ブロックコポリマーが少
なすぎると容易剥離性が十分でない場合があり、多すぎ
るとシート形成能が低くなる傾向にあることに注意する
必要がある。
るのは、ポリエチレンと前記〜のブロックコポリマ
ーとの重合体組成物であるのは冒頭に示した通りであ
り、一般には該重合体組成物は、熱シール性、柔軟性、
透明性、耐熱性などを考慮すると、ポリエチレンと前記
〜のブロックコポリマーとの重量比が、好ましくは
85:15〜50:50であり、さらに好ましくは8
2:18〜60〜40である。ブロックコポリマーが少
なすぎると容易剥離性が十分でない場合があり、多すぎ
るとシート形成能が低くなる傾向にあることに注意する
必要がある。
【0018】また、本発明の医療用複室容器は、内壁面
がポリエチレンと前記〜のブロックコポリマーとの
重合体組成物であり、(1)ポリエチレンと前記〜の
ブロックコポリマーとの重合体組成物のシート単独から
なる場合と、(2)ポリエチレンと前記〜のブロック
コポリマーとの重合体組成物を内層(容器の内面)と
し、他のポリマー(または重合体組成物)を外層あるい
は中間層とする多層シートの場合がある。(2)では容器
のガス(水蒸気、酸素など)バリアー性、透明性、柔軟
性、耐熱性、強度などの要求性能に応じて、他のポリマ
ー(または他の重合体組成物)と組合わされるが、具体
的に好ましい他のポリマー(または他の重合体組成物)
の代表例を次に示す。
がポリエチレンと前記〜のブロックコポリマーとの
重合体組成物であり、(1)ポリエチレンと前記〜の
ブロックコポリマーとの重合体組成物のシート単独から
なる場合と、(2)ポリエチレンと前記〜のブロック
コポリマーとの重合体組成物を内層(容器の内面)と
し、他のポリマー(または重合体組成物)を外層あるい
は中間層とする多層シートの場合がある。(2)では容器
のガス(水蒸気、酸素など)バリアー性、透明性、柔軟
性、耐熱性、強度などの要求性能に応じて、他のポリマ
ー(または他の重合体組成物)と組合わされるが、具体
的に好ましい他のポリマー(または他の重合体組成物)
の代表例を次に示す。
【0019】(イ) ブテン−1、ペンテン−1、ヘキ
セン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1など
のα−オレフィン類を共重合成分とする密度0.910
〜0.930g/cm3の線状低密度ポリエチレン(L
LDPE)。
セン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1など
のα−オレフィン類を共重合成分とする密度0.910
〜0.930g/cm3の線状低密度ポリエチレン(L
LDPE)。
【0020】(ロ) 結晶性ポリプロピレンまたはこれ
を主成分とする結晶性ポリプロピレン系コポリマー。た
だし剛性が高いので薄層として用いるのがよい。
を主成分とする結晶性ポリプロピレン系コポリマー。た
だし剛性が高いので薄層として用いるのがよい。
【0021】(ハ) (ロ)とアモルファスポリプロピ
レン(アタクチックポリプロピレン)との重合体組成
物。
レン(アタクチックポリプロピレン)との重合体組成
物。
【0022】(ニ) (ロ)とスチレン系熱可塑性エラ
ストマー(ブロック(ポリスチレン−エチレンブチレン
コポリマー−ポリエチレン)、ブロック(ポリスチレン
−エチレンプロピレンコポリマー−ポリエチレン)、ブ
ロック(ポリスチレン−エチレンブチレンコポリマー−
ポリスチレン)、ブロック(ポリスチレン−エチレンプ
ロピレンコポリマー−ポリスチレン)など)との重合体
組成物。
ストマー(ブロック(ポリスチレン−エチレンブチレン
コポリマー−ポリエチレン)、ブロック(ポリスチレン
−エチレンプロピレンコポリマー−ポリエチレン)、ブ
ロック(ポリスチレン−エチレンブチレンコポリマー−
ポリスチレン)、ブロック(ポリスチレン−エチレンプ
ロピレンコポリマー−ポリスチレン)など)との重合体
組成物。
【0023】(ホ) エチレンビニルアルコールコポリ
マー。容器にガスバリアー性を付与する目的で用いられ
る。
マー。容器にガスバリアー性を付与する目的で用いられ
る。
【0024】また、本発明の医療用複室容器を形成する
シートの厚さは、全体で0.2〜0.6mmが好まし
く、より好ましくは0.25〜0.5mmであるのが適
当であり、複層の場合(前記(2)の場合)には、ポリエ
チレンと前記〜のブロックコポリマーとの重合体組
成物層は0.01mm以上が好ましく、より好ましくは
0.02mm以上である。
シートの厚さは、全体で0.2〜0.6mmが好まし
く、より好ましくは0.25〜0.5mmであるのが適
当であり、複層の場合(前記(2)の場合)には、ポリエ
チレンと前記〜のブロックコポリマーとの重合体組
成物層は0.01mm以上が好ましく、より好ましくは
0.02mm以上である。
【0025】本発明の医療用複室容器は、通常公知の方
法で製造できる。すなわち、単層用あるいは多層用のT
ダイまたはサーキュラーダイを介して押出し(溶融温度
は160〜230℃が好ましく、さらに好ましくは17
0〜200℃)、得られたフラット状のシート、チュー
ブ状のシート、パリソンなどについてサーモフォーミン
グ、ブロー、延伸(熱シール性を考慮すると無延伸の方
がよい)、裁断、融着などの手法を適宜活用して所定の
形状・形態に加工すればよい。医療用複室容器の作製で
最も重要なポイントは、熱シールの工程である。すなわ
ち、複数の収容空間に仕切っている剥離可能な接着部
は、製造時あるいは輸送時に剥離が起こりにくく、使用
時(混合時)には手・器具などで収容室を押圧すること
により、容易に剥離できる程度のシール強度(一般には
180゜剥離強度が0.3〜1.2Kg/15mm程
度)を示し、外界と接する部分である周縁部は容易に
は剥離できない程度のシール強度(180゜剥離強度が
1.5Kg/15mm以上が好ましく、より好ましくは
2Kg/15mm以上)であることが要求されるため、
接着部と周縁部のそれぞれのシールの条件のコントロー
ルが大切である。本発明の医療用複室容器の場合、接着
部の剥離可能なシールは、温度90〜120℃、圧力1
〜4Kg/cm2、時間0.2〜5秒、シール幅2〜1
0mmで、周縁部のシールは、温度120〜160℃、
圧力2〜5Kg/cm2、時間0.2〜10秒、シール
幅5mm以上で行うのが通常である。収容室の数は2〜
4個が一般的である。
法で製造できる。すなわち、単層用あるいは多層用のT
ダイまたはサーキュラーダイを介して押出し(溶融温度
は160〜230℃が好ましく、さらに好ましくは17
0〜200℃)、得られたフラット状のシート、チュー
ブ状のシート、パリソンなどについてサーモフォーミン
グ、ブロー、延伸(熱シール性を考慮すると無延伸の方
がよい)、裁断、融着などの手法を適宜活用して所定の
形状・形態に加工すればよい。医療用複室容器の作製で
最も重要なポイントは、熱シールの工程である。すなわ
ち、複数の収容空間に仕切っている剥離可能な接着部
は、製造時あるいは輸送時に剥離が起こりにくく、使用
時(混合時)には手・器具などで収容室を押圧すること
により、容易に剥離できる程度のシール強度(一般には
180゜剥離強度が0.3〜1.2Kg/15mm程
度)を示し、外界と接する部分である周縁部は容易に
は剥離できない程度のシール強度(180゜剥離強度が
1.5Kg/15mm以上が好ましく、より好ましくは
2Kg/15mm以上)であることが要求されるため、
接着部と周縁部のそれぞれのシールの条件のコントロー
ルが大切である。本発明の医療用複室容器の場合、接着
部の剥離可能なシールは、温度90〜120℃、圧力1
〜4Kg/cm2、時間0.2〜5秒、シール幅2〜1
0mmで、周縁部のシールは、温度120〜160℃、
圧力2〜5Kg/cm2、時間0.2〜10秒、シール
幅5mm以上で行うのが通常である。収容室の数は2〜
4個が一般的である。
【0026】また、ポリエチレンと前記〜のブロッ
クコポリマーとの重合体組成物の調整は、通常公知の単
軸もしくは2軸の溶融混合押出機や静的溶融混合機を利
用して行うことができる。混合時の溶融温度は140〜
200℃の範囲が好ましい。
クコポリマーとの重合体組成物の調整は、通常公知の単
軸もしくは2軸の溶融混合押出機や静的溶融混合機を利
用して行うことができる。混合時の溶融温度は140〜
200℃の範囲が好ましい。
【0027】なお、本発明の趣旨を損なわない範囲で、
ポリエチレンと前記〜のブロックコポリマーとの重
合体組成物に、さらに他のオレフィン系エラストマー
(例えばエチレンプロピレンコポリマー、エチレンブチ
レンコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、エチ
レンアクリル酸コポリマーなど)を添加してもさしつか
えない。また、シート間のブロッキングを防ぐために、
容器の内面や外面を粗面化すること、アンチブロッキン
グ剤やスリーブ剤を添加することもあり得る。
ポリエチレンと前記〜のブロックコポリマーとの重
合体組成物に、さらに他のオレフィン系エラストマー
(例えばエチレンプロピレンコポリマー、エチレンブチ
レンコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、エチ
レンアクリル酸コポリマーなど)を添加してもさしつか
えない。また、シート間のブロッキングを防ぐために、
容器の内面や外面を粗面化すること、アンチブロッキン
グ剤やスリーブ剤を添加することもあり得る。
【0028】本発明の医療用複室容器は、アミノ酸液と
ブドウ糖液の組合せの如く、混合時に変質の起こりやす
い薬剤の組合せに有効であり、輸液のみならず血液分野
にも適用され得る。
ブドウ糖液の組合せの如く、混合時に変質の起こりやす
い薬剤の組合せに有効であり、輸液のみならず血液分野
にも適用され得る。
【0029】以下、本発明の医療用複室容器について、
具体的な実施例によってさらに詳細に説明する。
具体的な実施例によってさらに詳細に説明する。
【0030】[実験の材料と方法] 実施例1〜7、比較例1 (1) 原料ポリマーの準備:使用した原料ポリマー(ペ
レット状)を表1に示す。
レット状)を表1に示す。
【表1】 (2) 重合体組成物の調整:表1のポリエチレン(A1
〜A4)、ブロックコポリマー(B1〜B4)およびポ
ロプロピレン(C)を原料とし、φ45mmの2軸溶融
混練押出機を用いて、所定の割合で160〜190℃の
温度範囲で混練し、押出されたストランドを水冷、カッ
ティング、乾燥して表2に示すペレット状の重合体組成
物を得た。
〜A4)、ブロックコポリマー(B1〜B4)およびポ
ロプロピレン(C)を原料とし、φ45mmの2軸溶融
混練押出機を用いて、所定の割合で160〜190℃の
温度範囲で混練し、押出されたストランドを水冷、カッ
ティング、乾燥して表2に示すペレット状の重合体組成
物を得た。
【表2】 (3) シートの作製:表1および/または表2のポリマ
ーまたは重合体組成物を単層用または多層用のサーキュ
ラーダイ(インフレダイ)に供給し、180〜190℃
でチューブ状のシートを押出し、水冷リングで冷却後、
厚さ0.33mm、折径200mmのシートを5m/分
の速度で巻き取った。
ーまたは重合体組成物を単層用または多層用のサーキュ
ラーダイ(インフレダイ)に供給し、180〜190℃
でチューブ状のシートを押出し、水冷リングで冷却後、
厚さ0.33mm、折径200mmのシートを5m/分
の速度で巻き取った。
【0031】(4) 医療用複室容器の作製:(3)で得られ
たシートを300mm長に裁断し、中央部の幅7mmを
温度115℃、圧力2Kg/cm2、時間5秒の条件で
熱シールし、接着部を形成した後、片方の室にアミノ酸
3wt/v%水溶液、もう一方の室にブドウ糖15wt
/v%水溶液を各400ml入れ、周縁部(両端)を幅
10mm、温度140℃、圧力4Kg/cm2、時間5
秒の条件で熱シールし、図1に示す収容室5が2個の薬
液入り医療用複室容器1を作製した。
たシートを300mm長に裁断し、中央部の幅7mmを
温度115℃、圧力2Kg/cm2、時間5秒の条件で
熱シールし、接着部を形成した後、片方の室にアミノ酸
3wt/v%水溶液、もう一方の室にブドウ糖15wt
/v%水溶液を各400ml入れ、周縁部(両端)を幅
10mm、温度140℃、圧力4Kg/cm2、時間5
秒の条件で熱シールし、図1に示す収容室5が2個の薬
液入り医療用複室容器1を作製した。
【0032】(5) 高圧蒸気滅菌:(4)の容器を高圧蒸気
滅菌機に入れ、窒素雰囲気中で、温度110℃、ゲージ
圧1.8Kg/cm2、時間30分の条件において滅菌
し、室温まで冷却した。
滅菌機に入れ、窒素雰囲気中で、温度110℃、ゲージ
圧1.8Kg/cm2、時間30分の条件において滅菌
し、室温まで冷却した。
【0033】(6) 容器の透明性の評価:(5)の容器を窒
素雰囲気中で48時間放置した後、容器のシートの一部
を切り取って、波長450mmにおける水中透過率を島
津ダブルビーム型自記分光光度計UV−300にて測定
し、透明性の尺度とした。
素雰囲気中で48時間放置した後、容器のシートの一部
を切り取って、波長450mmにおける水中透過率を島
津ダブルビーム型自記分光光度計UV−300にて測定
し、透明性の尺度とした。
【0034】(7) 容器の柔軟性の評価:(5)の容器のシ
ートをダンベル状に裁断し、JISK7113に準じて
引張弾性率を測定し、柔軟性の尺度とした。
ートをダンベル状に裁断し、JISK7113に準じて
引張弾性率を測定し、柔軟性の尺度とした。
【0035】(8) シール強度の測定:(5)の容器の接着
部および周縁部の部分を切り取り、300mm/分の速
度で180゜剥離強度を測定した(表3の剥離強度は幅
15mmに換算した値である)。
部および周縁部の部分を切り取り、300mm/分の速
度で180゜剥離強度を測定した(表3の剥離強度は幅
15mmに換算した値である)。
【0036】(9) 容器の接着部の剥離性(連通性)の
評価:(5)の容器を机の上に寝かせて置き、一方の収容
室側を手で押さえる程度で、接着部が剥離するか否かを
確認した(各例につき5回テストした)。
評価:(5)の容器を机の上に寝かせて置き、一方の収容
室側を手で押さえる程度で、接着部が剥離するか否かを
確認した(各例につき5回テストした)。
【0037】(10) 重金属および溶出物試験:日本薬局
方一般試験法「輸液用プラスチック試験法」に準じ、
(3)で得られたシートについて試験を行った。
方一般試験法「輸液用プラスチック試験法」に準じ、
(3)で得られたシートについて試験を行った。
【0038】[実験結果] 重合体組成物の調整およびシートの押出し成形は順
調で、異物、発泡などは観察されず、均一性に富む重合
体組成物ペレットおよびシートがいずれの場合も得られ
た。
調で、異物、発泡などは観察されず、均一性に富む重合
体組成物ペレットおよびシートがいずれの場合も得られ
た。
【0039】 いずれの組成においても重金属および
溶出物は日本薬局方に適合することが確認された。
溶出物は日本薬局方に適合することが確認された。
【0040】 表3にシートの構成と高圧蒸気滅菌後
の透明性(水中透過率)、柔軟性(引張弾性率)および
シール強度を示す。本発明における重合体組成物を使用
した容器(実施例1〜7)はいずれも透明性と柔軟性に
優れていることがわかる。一方、ポリエチレンとポリプ
ロピレンとを組み合わせたもの(比較例1)は、透明
性、柔軟性に劣るのは明らかである。
の透明性(水中透過率)、柔軟性(引張弾性率)および
シール強度を示す。本発明における重合体組成物を使用
した容器(実施例1〜7)はいずれも透明性と柔軟性に
優れていることがわかる。一方、ポリエチレンとポリプ
ロピレンとを組み合わせたもの(比較例1)は、透明
性、柔軟性に劣るのは明らかである。
【0041】 容器の接着部の剥離性(連通性)はい
ずれも(比較例を含めて)良好であり、容易に連通させ
ることができた(表3のシール強度もこれを裏付けてい
る)。
ずれも(比較例を含めて)良好であり、容易に連通させ
ることができた(表3のシール強度もこれを裏付けてい
る)。
【表3】
【発明の効果】本発明の医療用複室容器は、ポリエチレ
ンと、EEBE、EEPE、SEBS、SEPSの群よ
り選ばれた少なくとも一つのブロックコポリマーとの適
度な相溶性が最大限発現される重合体組成物を内壁面と
して含むため、良好な透明性と柔軟性とを有する。ま
た、接着部は、剥離可能であるが適度のシール強度を持
つため、複数の収容室に隔離されていた医薬液が、運搬
時には混合しないが、使用時には容易に混合できる。さ
らに、成形性、生産性および耐熱性がよく、重金属およ
び溶出物に関しても日本薬局方の規格を満たしているの
で、医療用複室容器として有用である。 以上の特性
は、ポリエチレンが密度0.915〜0.928g/c
m3の線状低密度ポリエチレンである場合、およびポリ
エチレンと前記ブロックコポリマーとの重合体組成物中
の重量割合が85:15〜50:50である場合に、際
立って発揮される。
ンと、EEBE、EEPE、SEBS、SEPSの群よ
り選ばれた少なくとも一つのブロックコポリマーとの適
度な相溶性が最大限発現される重合体組成物を内壁面と
して含むため、良好な透明性と柔軟性とを有する。ま
た、接着部は、剥離可能であるが適度のシール強度を持
つため、複数の収容室に隔離されていた医薬液が、運搬
時には混合しないが、使用時には容易に混合できる。さ
らに、成形性、生産性および耐熱性がよく、重金属およ
び溶出物に関しても日本薬局方の規格を満たしているの
で、医療用複室容器として有用である。 以上の特性
は、ポリエチレンが密度0.915〜0.928g/c
m3の線状低密度ポリエチレンである場合、およびポリ
エチレンと前記ブロックコポリマーとの重合体組成物中
の重量割合が85:15〜50:50である場合に、際
立って発揮される。
【図1】本発明の医療用複室容器の一実施例を示す正面
図である。
図である。
【図2】同実施例のA−A線断面図である。
【符号の説明】 1 医療用複室容器 2 排出口 3 周縁部 4 接着部 5 収容室
Claims (3)
- 【請求項1】 相対する内壁面が、剥離可能な接着部に
よって仕切られ、複数の収容室に区画されている医療用
複室容器であって、前記内壁面がポリエチレンと、ブロ
ック(ポリエチレン−エチレンブチレンコポリマー−ポ
リエチレン)、ブロック(ポリエチレン−エチレンプロ
ピレンコポリマー−ポリエチレン)、ブロック(ポリス
チレン−エチレンブチレンコポリマー−ポリエチレン)
およびブロック(ポリスチレン−エチレンプロピレンコ
ポリマー−ポリエチレン)の群より選ばれた少なくとも
一つのブロックコポリマーとの重合体組成物からなるこ
とを特徴とする医療用複室容器。 - 【請求項2】 前記ポリエチレンが密度0.915〜
0.928g/cm3の線状低密度ポリエチレンである
ことを特徴とする請求項1に記載の医療用複室容器。 - 【請求項3】 前記ポリエチレンと前記ブロックコポリ
マーとの重合体組成物中の重量割合が85:15〜5
0:50であることを特徴とする請求項1または2に記
載の医療用複室容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7038746A JPH08229099A (ja) | 1995-02-27 | 1995-02-27 | 医療用複室容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7038746A JPH08229099A (ja) | 1995-02-27 | 1995-02-27 | 医療用複室容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08229099A true JPH08229099A (ja) | 1996-09-10 |
Family
ID=12533882
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7038746A Pending JPH08229099A (ja) | 1995-02-27 | 1995-02-27 | 医療用複室容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08229099A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1106644A1 (en) | 1999-12-08 | 2001-06-13 | Nissho Corporation | Easily peelable film and medical packaging container |
WO2002100738A1 (en) * | 2001-06-07 | 2002-12-19 | Mitsubishi Chemical Corporation | Duplex container |
WO2007040010A1 (ja) | 2005-09-30 | 2007-04-12 | Otsuka Pharmaceutical Factory, Inc. | 吊具カバー及び複室型輸液バッグ |
CN100425221C (zh) * | 2003-12-11 | 2008-10-15 | 藤森工业株式会社 | 多室容器 |
-
1995
- 1995-02-27 JP JP7038746A patent/JPH08229099A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1106644A1 (en) | 1999-12-08 | 2001-06-13 | Nissho Corporation | Easily peelable film and medical packaging container |
US6720045B2 (en) | 1999-12-08 | 2004-04-13 | Nipro Corporation | Easily peelable film and medical packaging container |
US6815025B2 (en) | 1999-12-08 | 2004-11-09 | Nipro Corporation | Peelable film for a medical packaging container |
WO2002100738A1 (en) * | 2001-06-07 | 2002-12-19 | Mitsubishi Chemical Corporation | Duplex container |
CN100425221C (zh) * | 2003-12-11 | 2008-10-15 | 藤森工业株式会社 | 多室容器 |
WO2007040010A1 (ja) | 2005-09-30 | 2007-04-12 | Otsuka Pharmaceutical Factory, Inc. | 吊具カバー及び複室型輸液バッグ |
US7938815B2 (en) | 2005-09-30 | 2011-05-10 | Otsuka Pharmaceutical Factory, Inc. | Cover for being mounted on a multi-compartment infusion bag |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR20090006140A (ko) | 레토르트 가능한 조성물 | |
JPH09262948A (ja) | 樹脂積層体およびその用途 | |
JP4323590B2 (ja) | 医療用複室容器 | |
JP3949739B2 (ja) | 医療用複室容器 | |
JPH08229099A (ja) | 医療用複室容器 | |
JP3549643B2 (ja) | 医療用基材 | |
JP6434844B2 (ja) | 医療用複室容器 | |
JP2004261219A (ja) | 医療用容器 | |
JP4016049B2 (ja) | 医療用複室容器 | |
JP4363674B2 (ja) | 医療用複室容器 | |
JP3973703B2 (ja) | 医療用複室容器 | |
JPH0999036A (ja) | 医療用容器 | |
JPH0956778A (ja) | 医療用複室容器 | |
JPH0999037A (ja) | 医療用複室容器 | |
JPH11349743A (ja) | 樹脂組成物及びこれを用いて形成された易剥離性フィルム、可撓性容器 | |
JP3625497B2 (ja) | 医療容器用基材 | |
JP4119920B2 (ja) | 医療用複室容器 | |
JP2016106792A (ja) | 医療用複室容器 | |
US20240002617A1 (en) | Flexible multilayer film having high low-temperature impact strength for medical packages | |
CN117241943A (zh) | 用于医用包装的柔性可热灭菌的非pvc多层薄膜 | |
CN117255746A (zh) | 用于医用包装的具有高低温冲击强度的柔性多层薄膜 | |
JPH11262512A (ja) | 医療用複室容器 | |
JP2779419B2 (ja) | 易ヒートシール性医療用多層シートおよびそれを用いたプラスチックフィルム製輸液用バッグ | |
JP3455612B2 (ja) | 医療用器具 | |
JPH06171040A (ja) | ポリオレフィン系医療容器用基材 |